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特許7442486画像処理装置、その制御方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】画像処理装置、その制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240226BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H04N1/00 C
H04N1/00 127Z
B41J29/42 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021168271
(22)【出願日】2021-10-13
(62)【分割の表示】P 2017151037の分割
【原出願日】2017-08-03
(65)【公開番号】P2022009105
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-11-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内藤 洋帥
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】板垣 有紀
【審判官】樫本 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-29971(JP,A)
【文献】特開平10-175385(JP,A)
【文献】特開平11-027313(JP,A)
【文献】特開平09-116719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって前記原稿を読み取ることによって生成された画像データに対して文字認識処理を実行する文字認識手段と、
前記文字認識処理の結果から宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を外部装置に送信する送信手段
記憶手段と
を有し、
前記送信手段によって送信された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称は前記外部装置で表示され
前記宛先情報を前記記憶手段に登録するか否かを選択するオブジェクトが前記外部装置にさらに表示され
登録すると選択された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を前記記憶手段に登録する
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記抽出手段によって抽出された前記宛先情報と前記画像データを前記外部装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記抽出手段によって抽出された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を、ネットワークを介して前記外部装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記送信手段によって送信された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称は前記外部装置で修正可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
ユーザから受け付けた1回の読取指示に基づいて前記読取手段は少なくとも第1の原稿と第2の原稿を読み取り、
前記文字認識手段は、前記読取手段によって前記第1の原稿を読み取ることによって得られた第1の画像データと、前記第2の原稿を読み取ることによって生成された第2の画像データに対して文字認識処理を実行し、
前記抽出手段は、前記文字認識処理の結果から前記第1の原稿に対応する第1の宛先情報と前記第1の宛先情報に対応する第1の名称を抽出し、前記第2の原稿に対応する第2の宛先情報と前記第2の宛先情報に対応する第2の名称を抽出し、
前記送信手段は、前記抽出手段によって抽出された前記第1の宛先情報と前記第1の名称と前記第2の宛先情報と前記第2の名称を前記外部装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記宛先情報は電子メールアドレスであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記宛先情報はファクス番号であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
原稿を読み取る読取手段と記憶手段とを備える画像処理装置の制御方法であって、
文字認識手段が、前記読取手段によって前記原稿を読み取ることによって生成された画像データに対して文字認識処理を実行する文字認識工程と、
抽出手段が、前記文字認識処理の結果から宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を抽出する抽出工程と、
送信手段が、前記抽出工程で抽出された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を外部装置に送信する送信工程とを含み、
前記送信工程で送信された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称は前記外部装置で表示され
前記宛先情報を前記記憶手段に登録するか否かを選択するオブジェクトが前記外部装置にさらに表示され
登録すると選択された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を前記記憶手段に登録することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載された画像処理装置の制御方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
名刺に記載されたアドレスや電話番号などの宛先情報を、画像処理装置(以下、MFP(Multi-Function Peripheral)と称する。)が有するアドレス帳に登録する技術が知られている。例えば、特許文献1は、MFPで名刺をスキャンし、文字認識処理(OCR(Optical Character Recognition)を行った後、操作パネルに結果を表示してユーザに確認させる技術を提案している。これは、OCR処理による結果が必ずしも正確ではないため、ユーザがOCR処理による結果を確認してからアドレス帳へ登録するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-164719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術には以下に記載する課題がある。例えば、MFPの操作パネル上に表示されるOCR処理による結果が誤っていた場合、操作パネルにおけるソフトキーボード又はハードテンキーを用いて、OCR処理による結果に対して修正を行う必要がある。MFPの操作パネルは一般的には通常のPCのモニタ画面よりも小さく、文字の確認がPCに比べて容易ではない。また、MFPの操作パネルにおけるソフトキーボードも一般的にはキーが小さい。よって、このようにOCR処理による結果をMFPに設けられた操作パネル上で確認/訂正することは、視認性、操作性について課題があった。
【0005】
本発明は、上述の問題に鑑みて成されたものであり、画像処理装置による文字認識処理の結果から抽出された宛先情報と当該宛先情報に対応する名称をユーザが容易に確認でき、それらを記憶手段に登録するか否かを選択できるようにする仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための本発明による画像処理装置は以下の構成を備える。即ち、本画像処理装置は、原稿を読み取る読取手段と、前記読取手段によって前記原稿を読み取ることによって生成された画像データに対して文字認識処理を実行する文字認識手段と、前記文字認識処理の結果から宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を外部装置に送信する送信手段、記憶手段とを有し、前記送信手段によって送信された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称は前記外部装置で表示され前記宛先情報を前記記憶手段に登録するか否かを選択するオブジェクトが前記外部装置にさらに表示され、登録すると選択された前記宛先情報と前記宛先情報に対応する名称を前記記憶手段に登録することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像処理装置による文字認識処理の結果から抽出された宛先情報と当該宛先情報に対応する名称をユーザが容易に確認でき、それらを記憶手段に登録するか否かを容易に選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像処理システムの構成を示す図。
図2】MFP102のハード構成を示すブロック図。
図3】MFP102のソフト構成を示すブロック図。
図4】アドレス帳803に登録される宛先のデータ構造を示す図。
図5】MFP102の操作パネル209に表示される宛先登録画面を示す図。
図6】MFP102の操作パネル209に表示されるワンタッチ登録画面を示す図。
図7a】MFP102の操作パネル209に表示される名刺読取画面を示す図。
図7b】MFP102の操作パネル209に表示される読取完了通知の送信先設定画面を示す図。
図7c】MFP102の操作パネル209に表示される名刺読取後のポップアップを示す図。
図8】名刺読取完了通知メールを示す図。
図9】MFP102のリモートUIに表示される名刺読取結果の確認画面を示す図。
図10a】MFP102の操作パネル209に表示される名刺読取結果の確認画面を示す図。
図10b】MFP102の操作パネル209に表示されるFAX新規宛先の登録画面を示す図。
図10c】MFP102の操作パネル209に表示されるEメール新規宛先の登録画面を示す図。
図11】宛先登録時のMFP102の名刺読取フローを示す図。
図12】リモートUIから宛先確認・登録を行う場合の外部端末101のフローチャート。
図13】リモートUIから宛先確認・登録を受け付ける場合のMFP102のフローチャート。
図14】操作パネル209で宛先確認・登録を行う場合のMFP102のフローチャート。
図15】MFP102が名刺読取時に一時的に保存する読取結果データ構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の一実施形態を示す。以下で説明される個別の実施形態は、本発明の上位概念、中位概念及び下位概念など種々の概念を理解するために役立つであろう。また、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲によって確立されるのであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。
【0010】
<第1の実施形態>
<画像処理システムの構成>
以下では、本発明の第1の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像処理システムの構成例を説明する。本画像処理システムでは、外部端末101、及びMFP102がネットワーク220を介して接続された構成となっており、相互に通信可能である。なお、本発明を図1に示すシステムに限定する意図はなく、図1のシステム構成に加えて、複数の外部端末やMFP、或いは他の装置が含まれるように構成されてもよい。外部端末101は、MFP102で読み取られた情報を取得して、ユーザが当該情報を確認するために提示を行う装置である。MFP102は、名刺等の原稿を読み取って得た読取情報を外部端末101に送信し、ユーザの確認を行わせる。確認が取れた通知を外部端末101から受信すると、MFP102は、当該読取情報を自装置に登録する。つまり、本システムでは、MFP102で読み取った情報を、ユーザが確認を容易に行えるリモート装置(外部端末101)に送信し、確認が取れると、確認が取れた情報を自装置であるローカルに登録する。
【0011】
<MFP102のハードウェア構成>
次に、図2を参照して、本実施形態に係るMFP102のハードウェア構成の一例を説明する。MFP102は、ROM202又はHDD(ハードディスクドライブ)213に記憶されたソフトウェアを実行するCPU201を備える。CPU201は、システムバス221に接続される各デバイスを総括的に制御する。なお、HDD213は、場合によっては画像の一時記憶領域としても使われてよい。
【0012】
203はRAMであり、CPU201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。208は操作部コントローラであり、MFP102に備えられた各種ボタン又は操作パネル209、ディスプレイ211等を制御する。212はディスクコントローラであり、HDD213へのアクセスを制御する。
【0013】
207はネットワークI/Fであり、ネットワーク220を介して、他のネットワーク機器又はファイルサーバ等と双方向にデータを送受する。214はプリンタであり、電子写真方式で実現される、紙への印字部である。印字方式は、特に電子写真方式でなくてもよい。215はスキャナであり、紙に印字された画像を読み込むための画像読取部である。多くの場合、スキャナ215にはオプションとしてADF(オートドキュメントフィーダ)(不図示)が装着されており、複数枚の原稿を自動的に読み込むことができる。
【0014】
216はMODEMであり、電話回線218から受信した変調された信号を復調したり、逆に装置からの信号を変調し電話回線218に送出したりするものである。NCU(Network control unit)217は電話回線218と、FAXのインタフェース部分にあたり、電話回線218を介して受信する信号を検知してMODEM216に伝えたり、電話回線218をFAXや電話219に切り替えたりする回線制御を行う。
【0015】
<ソフトウェア構成>
次に、図3を参照して、本実施形態におけるソフトウェア構成を説明する。図3は、MFP102のソフトウェア構成と、ソフトウェアが管理するデータ領域を示す。アドレス帳803、ワンタッチ804、及びユーザアカウント807はソフトウェアがRAM203やHDD213に記録して管理するデータのデータ領域を示す。アドレス帳803、及びワンタッチ804には、宛先が格納されている。詳細については後述する。ユーザアカウント807にはユーザアカウント毎に権限設定やEメールアドレスなどのデータが格納されている。
【0016】
プラットフォーム808は、例えば、Linux(登録商標)等のオペレーティングシステムやJAVA(登録商標)のバーチャルマシンやOSGiフレームワーク、デバイスドライバ群を含んで構成される。OSGiフレームワークは、OSGi Alliance(標準団体)が定義したJAVA(登録商標)ベースのプラットフォームである。プラットフォーム808は、各種ハードウェアを制御するためのデバイスドライバを備えており、プラットフォーム上で動作するアプリケーションに対してハードウェアを利用するためのAPIを提供する。プラットフォーム808は、ドライバとして、ネットワークドライバ809、プリンタドライバ813、スキャナドライバ811、及びMODEMドライバ812を備える。ネットワークドライバ809は、ネットワークI/F制御部207を制御する。プリンタドライバ813は、プリンタ214を制御する。スキャナドライバ811は、スキャナ215を制御する。MODEMドライバ812は、MODEM216を制御する。
【0017】
コピー801、及び送信802は、プラットフォーム808上で動作するアプリケーションであり、ディスプレイ211に各種機能を提供するためのユーザインタフェースを表示する。例えば、コピー801はプラットフォーム808を介してスキャナ215とプリンタ214を制御して、コピーを実行する。送信802はスキャナ215とネットワークI/F207又はMODEM216を制御して読み込んだドキュメントデータをネットワーク220又は電話回線218に対して送信する機能を提供する。送信する際の宛先は新規に入力した宛先を利用したり、アドレス帳803に保存されている宛先を利用したりすることができる。
【0018】
メニュー800は、ディスプレイ211からアプリケーション(例えば、コピー、送信)を選択するためのメニューを表示するモジュールである。リモートUI805は、MFP102の設定を管理するユーザインタフェースなどを提供する。ログインサービス806は、MFP102を利用するためのログイン機能を提供するモジュールである。
【0019】
アドレス帳803は、複数の宛先表810と、一つのワンタッチ804とを含んで構成される。アドレス帳803からは、宛先表810に保存されている宛先、及びワンタッチ804に保存されている宛先を参照することが可能である。ワンタッチ操作からはワンタッチ804に保存されている宛先のみが参照可能である。なお、ここで、ワンタッチ操作とは、MFP102に設けられた操作キーの1つを操作することにより、当該操作キーに紐づけられた所定の宛先を選択する操作をいう。
【0020】
<アドレス帳データ>
次に、図4を用いて、宛先表810及びワンタッチ804に登録される宛先データの詳細を説明する。300は宛先表810に登録されるFAX宛先の構造を示す。301は名称であり、ユーザが宛先を識別するために付ける名前である。当該名称は、人の名前や会社名など任意の文字列の登録が可能である。302は宛先表番号であり、どの宛先表(1~n)に登録されている宛先かを示す。303はFAX番号である。
【0021】
また、FAX宛先300は以下の詳細情報を含む。304はFコードであり、305はパスワードであり、それぞれ登録は任意である。306は送信スピードであり、FAXのT.30規格で定められているスピードの中から選択可能である。307は回線選択であり、MODEM216が複数搭載されていて複数の電話回線218に接続可能な構成になっている場合は、回線選択307で送信に利用する回線番号を指定することが可能である。複数回線の中から送信時に利用可能な回線を自動的に選択する自動選択の設定も可能である。308はFAX送信時の誤り訂正モードECM(Error Correction Mode)の有効・無効の設定である。309は国際送信モードの指定である。デフォルトは国内送信モードになっているが、国際通信を行う宛先の場合は国際送信モードを設定することが可能になっている。国際通信の場合、電話回線上の音声遅延が大きかったり、回線の特性上高速通信だと安定したFAXが行えなかったりするため、国際送信モードを設定すると、送信スピードの値を低速に固定したり、遅延対策のタイマーを延長したりするようになっている。
【0022】
310は、ワンタッチ804に登録されるFAX宛先の構造を示す。300のFAX宛先と異なるのは宛先表番号302がなく、その代わりにワンタッチ名称311があるところだけである。ワンタッチ名称311はワンタッチに表示される際の表示名称である。その他の情報は、FAX宛先300と同等であるため説明を省略する。
【0023】
400は、宛先表810に登録されるEメール宛先の構造を示す。401は名称であり、ユーザが宛先を識別するために付ける名前である。人の名前や会社名など任意の文字列の登録が可能になっている。402は宛先表番号である。403はEメールアドレスである。404はEメール送信する際のデータ分割の有効・無効の設定である。これは、メールサーバにより、扱えるメール1件分の上限サイズが決まっており、それを超えるメールはサーバでエラーとなるため、これを回避するために指定サイズを超える場合に、1件のメールを分割して複数のメールにして送信するための設定である。
【0024】
410は、ワンタッチ804に登録されるEメール宛先の構造を示す。400のEメール宛先と異なるのは宛先表番号402が無く、その代わりにワンタッチ名称411を含むことである。その他の情報は、Eメール宛先400と同等であるため説明を省略する。
【0025】
<MFP102の宛先登録画面>
次に、図5を参照して、MFP102の宛先登録画面500を説明する。図5に示す宛先登録画面500において、506は宛先表示エリアである。宛先表示エリア506には、既に登録されている宛先が表示される。501は新規の宛先を登録するためのボタンである。この新規宛先登録ボタン501を操作すると、502の登録種別の選択画面が表示される。選択画面502にはEメール宛先400を登録するためのボタン503やFAX宛先300を登録するためのボタン504などが表示される。また、選択画面502には、原稿として読み取る名刺から宛先を登録するための名刺読取ボタン505も表示される。名刺読取ボタン505を操作すると、図7で説明する名刺読取画面700に遷移する。
【0026】
<MFP102のワンタッチ登録画面>
次に、図6を参照して、MFP102のワンタッチ登録画面600を説明する。図6に示すワンタッチ登録画面600において、606はワンタッチ表示エリアである。601は新規のワンタッチ宛先を登録するためのボタンである。この新規登録ボタン601を操作すると、602の登録種別の選択画面が表示される。選択画面602には、Eメール宛先410を登録するためのボタン603やFAX宛先310を登録するためのボタン604などが表示される。また、選択画面602には、原稿として読み取る名刺から宛先を登録するための名刺読取ボタン605も表示される。名刺読取ボタン605を操作すると、図7で説明する名刺読取画面700に遷移する。
【0027】
<MFP102の名刺読取画面>
次に、図7aを参照して、MFP102の名刺読取画面700を説明する。701は名刺の読み取り結果を外部端末101で行う場合の読取完了通知の送信先設定を行うためのボタンである。この送信先設定701を操作すると、図7bの読取完了通知の送信先設定画面710に遷移する。702は名刺読取画面700を閉じるためのボタンである。画面を閉じて戻る画面は、名刺読取画面700の遷移元画面(宛先登録画面500又はワンタッチ登録画面600)である。
【0028】
読取完了通知の送信先設定画面710にはアドレス帳803から送信宛先を設定するためのアドレス帳ボタン711と、ログインしているユーザに紐づく宛先をユーザアカウント807から取得して自動設定するための「自分へ送信」ボタン712がある。713は設定された送信宛先を表示する表示エリアである。表示エリア713に送信宛先が表示された状態でOKボタン715を操作すると、読取完了通知の送信先が確定して名刺読取画面700に戻る。設定取消714を操作すると、設定した送信宛先をクリアして名刺読取画面700に戻る。なお、ここでは、読取結果を外部端末101等のリモートで確認する場合の送信先の設定について説明しているが、本発明はこれに限定されず、MFP102でも確認することができる。つまり、名刺読取画面700において、ユーザは送信先設定701を操作することなくボタン702を操作すれることにより、MFP102の操作パネル209上で確認を行うことができる。
【0029】
図7cは読取完了通知の送信先設定701が設定されていた場合に、スキャン終了後にメッセージポップアップ703を表示する様子を示す。メッセージポップアップ703には、名刺の読取処理完了後に指定した通知先にEメール送信を行うこと、そこに記載されたリモートUIのURLから確認及びMFP102に対して名刺からの読取情報を用いた宛先登録が行えることを示したメッセージを表示する。704はメッセージポップアップ703を閉じるためのOKボタンである。
【0030】
<名刺読取完了通知>
次に、図8を参照して、名刺の読取完了通知の送信先設定701がなされている場合に、外部端末101に送信する完了通知メールの一例を説明する。8000はメール本文領域であり、ここにMFP102によって名刺の読取が完了したことを示すメッセージ文と、MFP102のリモートUI805のURL(アクセス情報)を表示する。さらに、このURLから読取結果の確認及び訂正と、その内容を用いてアドレス帳803に宛先登録が行える旨のメッセージ文を表示する。これによりユーザは本メールを開き、URLをクリックするだけでリモートUI805の読取結果の確認ページにアクセスすることが可能になるので、操作に迷うことがない。このような構成により、本実施形態に係る画像処理装置は、操作性の点において、ユーザフレンドリな操作体系を提供することができる。
【0031】
<外部端末101で表示する名刺読取結果の確認画面>
次に、図9を参照して、リモートUI805の名刺読取結果の確認画面900を説明する。当該画面は、図8のメール本文領域8000に記載されたURLへアクセスすることで、外部端末101の表示部で表示される画面である。確認画面900は、MFP102による読取結果を修正可能に表示するとともに、ユーザ入力に従ってMFP102に対して当該読取結果を登録するように指示可能な画面である。901は読み取った名刺の総数中、表示中の名刺が何番目かを示すラベルである。表示例は3枚読み取った中の3番目の名刺であることを示す。902は、読み取った画像である名刺のプレビュー画像である。903は名称部分の拡大プレビュー画像である。名称部分の切り出し方法については種々の方法が用いられてもよい。例えば、名刺の中で名称は一番大きなフォントで表示されることが多いため、その特性を利用して、フォントサイズから名称であることを判断して切り出してもよい。或いは、文字数なども合わせて判別材料としてもよい。なお、名称部分の判断は確実な条件がないため、候補を複数プルダウンで表示可能にしてもよい。904は名称部分のOCR処理結果のテキストを表示するテキストエリアである。ユーザはプレビュー画像902と結果904を比較して、誤っていれば904のテキストエリアを編集することが可能である。
【0032】
905はFAX番号をFAX宛先300としてアドレス帳803に登録するか否かを選択するチェックボックスである。チェックすることにより登録することができる。906はFAX番号部分の拡大プレビュー画像である。OCR処理結果から”FAX”及び数字列を含むエリアを抽出して表示する。907はFAX番号部分のOCR処理結果のテキストを表示するテキストエリアである。ここには”FAX”は削除した上で表示する。なお、FAX番号中に”-”(ハイフン)や括弧が含まれていることがあるが、907のテキスト表示エリアにはそのまま表示し、アドレス帳803登録時に削除するように制御してもよい。或いは、907のテキスト表示エリアに表示するタイミングで削除してもよい。ユーザはプレビュー画像906と結果907を比較して、誤っていれば907のテキストエリアを編集することが可能である。
【0033】
910~916はFAX宛先300をアドレス帳803に登録する際に設定可能な登録項目群である。必須項目に関してはデフォルトの値を表示してもよい。910は、宛先表番号であり、FAX宛先300の宛先表番号302に対応している。911は、Fコードであり、FAX宛先300のFコード304に対応している。912は、パスワードであり、FAX宛先300のパスワード305に対応している。913は、送信スピードであり、FAX宛先300の送信スピード306に対応している。914は、回線選択であり、FAX宛先300の回線選択307に対応している。915は、送信ECM設定であり、FAX宛先300の送信ECM設定308に対応している。916は、国際送信であり、FAX宛先300の国際送信309に対応している。なお、宛先表番号910で宛先表810ではなくワンタッチ804を選択すると、ワンタッチ名称の入力テキストエリア(不図示)を表示し、FAX番号はワンタッチのFAX宛先310として登録される。
【0034】
917は、取得されたEメールアドレスをEメール宛先400としてアドレス帳803に登録するか否かを選択するチェックボックスである。チェックすることにより登録することができる。918はEメールアドレス部分の拡大プレビュー画像である。OCR処理結果の中から”E-mail”(又はそれと類する文字列)を含む文字列、又は”@”を含む文字列などの条件でEメールアドレス部分の抽出を行う。919は、EメールアドレスのOCR処理結果のテキストを表示するテキストエリアである。ユーザはプレビュー画像918と結果919を比較して、誤っていれば919のテキストエリアを修正することが可能である。
【0035】
921、922は、Eメールアドレス400をアドレス帳803に登録する際に設定可能な登録項目群である。必須項目に関してはデフォルトの値を表示してもよい。921は、宛先表番号で、Eメール宛先400の宛先表番号402に対応している。922は、データ分割設定で、Eメール宛先400のデータ分割設定404に対応している。なお、宛先表番号921で宛先表810ではなくワンタッチ804を選択すると、ワンタッチ名称の入力テキストエリア(不図示)を表示し、EメールアドレスはワンタッチのEメール宛先410として登録される。
【0036】
923はOKボタンであり、確認及び訂正した宛先をMFP102のアドレス帳803に登録するためのボタンである。なお、本実施形態では、全ての名刺宛先を確認後、OKボタン923により一括で登録する例を示すが、各宛先毎に登録するためのボタンを配置してもよい。
【0037】
<MFP102で表示する名刺読取結果の確認画面>
次に、図10a乃至図10cを参照して、名刺の読取結果確認を外部端末101ではなく、MFP102で表示する場合に、操作パネル209に表示する名刺読取結果の確認画面を説明する。図10aは、確認画面1000を示す。
【0038】
確認画面1000において、1001は、原稿から読み取った名刺のプレビュー画像である。1002は、名称部分の拡大プレビュー画像である。1003は、名称部分のOCR処理結果のテキストを表示するテキストエリアである。FAX宛先300の名称301及びワンタッチ名称311に対応している。1004は、1003のテキストを編集するためにソフトキーボードを呼び出すための編集ボタンである。
【0039】
1005は、FAX番号を宛先登録するか否かを選択するチェックボックスである。チェックすることで選択状態となり、後述する登録画面1080に遷移可能となる。1006はFAX番号部分の拡大プレビュー画像である。1007はFAX番号部分のOCR処理結果のテキストを表示するテキストエリアである。なお、FAX番号に関しては操作パネル209に配置されているテンキー(不図示)を用いて編集できるようにしてもよい。1007はFAX宛先のFAX番号303に対応している。1008は1007のテキストを編集するためにソフトキーボードを呼び出すための編集ボタンである。
【0040】
1009はEメールアドレスを宛先登録するか否かを選択するチェックボックスである。チェックすることで選択状態となり、後述する登録画面1090に遷移可能となる。1010はEメールアドレス部分の拡大プレビュー画像である。1011はEメールアドレス部分のOCR処理結果のテキストを表示するテキストエリアである。1012は1011のテキストを編集するためにソフトキーボードを呼び出すための編集ボタンである。
【0041】
1013はキャンセルボタンであり、確認・登録処理を途中で中断して遷移元の画面に戻るためのボタンである。本実施形態ではキャンセルボタン1013を操作すると宛先登録画面500又はワンタッチ登録画面600に戻る。1014は戻るボタンであり、ひとつ前の名刺読取結果の画面に戻るためのものである。1015は次へボタンであり、FAX及びEメールの新規宛先の登録画面に遷移するためのボタンである。FAX宛先を登録するか否かの1005のチェックボックスがONになっている場合はFAXの新規宛先の登録画面1080に遷移し、遷移後の画面に名称1003及びFAX番号1007の値をセットする。FAXの新規宛先の登録画面1080では、名刺からは取得できないその他の属性を必要に応じて宛先表選択リスト1081及び詳細情報ボタン1082から設定可能になっている。詳細情報ボタン1082で設定可能な項目はFAX宛先300の304~309の項目である。詳細情報ボタン1082押下後の画面については、説明及び図示を省略する。OKボタン1083を押下するとFAX宛先300がアドレス帳803に登録される。
【0042】
名刺読取結果の確認画面1000でEメール宛先を登録するか否かの1009のチェックボックスがONにされている場合、確認画面1000又は登録画面1080から、Eメールの新規宛先の登録画面1090に遷移する。遷移後の画面には、名称1003及びEメールアドレス1011の値が表示される。Eメールの新規宛先の登録画面1090においても、名刺から取得できないその他の属性を必要に応じて宛先表選択リスト1091及びデータ分割1092から設定可能になっている。OKボタン1093を押下するとEメール宛先400がアドレス帳803に登録される。
【0043】
なお、FAXの新規宛先の登録画面1080及びEメールの新規宛先の登録画面1090において、それぞれでキャンセルボタン1084、1094を操作すると、名刺読取結果の確認画面1000に戻る。
【0044】
上述したように、外部端末101に表示される確認画面900の表示内容が、MFP102で表示される場合、確認画面1000と、2つの登録画面1080、1090に分割されて表示される。これは、一般的には、外部端末101等のPCのディスプレイの表示サイズと、MFP102の操作パネル209の表示サイズとの差分に起因する。即ち、MFP102の操作パネル209は、操作部に設けられた小型の液晶ディスプレイであり、PCのディスプレイと比較して解像度や表示サイズの劣るものである。従って、ユーザは、視認性及び操作性の点で、MFP102のディスプレイで読取結果を確認するよりも、PC等の外部端末101で確認を行う方が、より向上した操作体系を享受することができる。
【0045】
<MFP102で名刺読取を行う処理フロー>
次に、図11を参照して、宛先登録画面500から名刺読取で宛先を登録するためにMFP102で名刺読取を行う際の処理手順を説明する。なお、この一連の処理は、以下に示す手順を記述したMFP102が実行可能なプログラムを、ROM202からRAM203上に読み込んだ後に、CPU201によって当該プログラムを実行することによって実現される。
【0046】
まず、S1101で、MFP102の操作部コントローラ208は、操作パネル209に宛先登録画面500を表示する。その後、S1102で、操作部コントローラ208は、名刺読取ボタン505の押下を検出すると、操作パネル209に名刺読取画面700を表示し、変数の確認場所フラグを「MFP」で初期化する。ここで、確認場所フラグとは、MFP102で原稿から読み取った読取結果を確認する装置を示す情報を定義するフラグであり、RAM203に格納される。本実施形態において、確認場所フラグには、「MFP」と「外部端末」とを指定できるが、その他の装置を指定できるようにしてもよい。S1103で、操作部コントローラ208は、読取完了通知の送信先設定ボタン701の押下を検出したか否かを判定し、検出すると、読取完了通知の送信先設定画面710を表示して送信宛先の設定処理を行う。
【0047】
S1105で、操作部コントローラ208は、送信先設定画面710のOKボタン715が選択されたか否かを判定する。OKボタン715で終了した場合S1106に進む。なお、ここでは、S1104の設定処理において、通知宛先として、外部端末101で受信可能なEメールアドレスが設定されたこととする。S1106で、CPU201は、設定内容に従って、読取結果の確認場所フラグを「外部端末」に更新し、S1107に進む。S1104の処理を設定取消で終わった場合は確認場所フラグの更新はせずにS1107に進む。
【0048】
S1107で、操作部コントローラ208は、スタートキー押下の検出を行う。押下が検出されない場合はS1103に戻る。押下が検出されるとS1108に進み、CPU201は、スキャナ215を制御して原稿台に載置された原稿(例えば、1以上の名刺)を読み取り、得られた画像をHDD213に保存する。続いて、S1109で、CPU201は、得られた画像に対して画像濃淡情報などから名刺画像のエッジ検出を行い、1枚ずつ名刺画像を切り出して、得られた名刺画像をHDD213に保存する。
【0049】
次に、S1110で、CPU201は、変数Nを1で初期化し、NがS1109で得られた名刺画像数を超えるまでS1111に示すループ処理を実行する。S1111のループ処理では、S1112で、CPU201は、N枚目の名刺画像に対してOCR処理を実施し、得られたテキスト情報をRAM203に記憶する。具体的には、CPU201は、図9で説明したように、取得した文字情報の中から、名称とFAX番号、Eメールアドレスに当たる部分の抽出も行う。取得した値を図15に示す読取結果データ構造1500にしてRAM203に記憶する。読取結果データ構造1500中の1501は名刺から読み取られた名称テキストを保存する領域である。名称は複数の候補を保存する場合があるため領域を複数設けている。1502はFAX番号を保存する領域で、1503はEメールアドレスを保存する領域である。1502と1503もそれぞれ複数の候補を保存できるようにしてもよい。なお、読取結果データ構造1500のデータはMFP102で処理可能な名刺の枚数分用意される。
【0050】
続いて、S1111のループ処理におけるS1113で、CPU201は、Nが1か否かを判定し、1であればS1114に進み、確認場所フラグの値を判定する。「MFP」であればS1115に進む。S1115で、操作部コントローラ208は、読取結果をMFP102の操作パネル209上で確認させるべく、名刺読取結果の確認画面1000を表示する。読取結果の確認をMFP102で行う場合は、このように、1枚目の名刺読取処理が終わった時点で確認画面を表示し、ユーザが確認を行っている間に、2枚目以降の名刺の読取処理をバックグラウンドで行う。名刺読取結果の確認画面1000にて値の確認及び登録を行う場合のフローに関しては図14を用いて後述する。一方、確認場所フラグが「外部端末」であった場合は確認を外部端末101にてリモートUI805から行うので、S1115は行わず、S1116に進む。S1116で、CPU201は、Nの値をインクリメントしループ処理S1111の先頭に戻る。
【0051】
ループ処理S1111が終わると、S1117で、CPU201は、再度確認場所フラグの値を判定し、「外部端末」であった場合はS1118に進む。S1118で、CPU201は、本文に図8のメール本文8000で示した内容を設定し、宛先にはS1104で設定された通知宛先を指定したEメールを作成し、ネットワークI/F207を通じてネットワーク220にメール送信を行う。続いて、S1119で、CPU201は、操作パネル209に表示中の名刺読取画面700上に、読取処理完了後に指定宛先に通知を行う旨のメッセージポップアップ703を表示して処理を終了する。S1117で確認場所フラグがMFPであった場合はそのまま何もせずに処理を終了する。
【0052】
<外部端末101で完了通知を受信して名刺読取結果を確認する場合の処理フロー>
次に、図12を参照して、名刺読取完了通知を受信してから宛先登録を行うまでの外部端末101の処理フローを説明する。なお、以下で説明する処理は、外部端末101のCPUがROM等に格納された制御プログラムをRAMに読み出して実行することにより実現する。
【0053】
S1200で、外部端末101のCPUは、ネットワーク220から完了通知のEメールを受信する。続いて、S1201で、外部端末101は、ユーザ操作に従って、受信したEメールの本文に記載されているURLをブラウザで開く。そして、S1202で、外部端末101のCPUは、名刺読取結果の修正処理を受け付けたか否かを判定する。名刺読取結果の名称904、FAX番号907、Eメールアドレス919の訂正処理を受け付けた場合、S1203に進み、そうでない場合はS1204に進む。S1203で、外部端末101のCPUは、修正された値で対応する項目を更新し、S1204に進む。
【0054】
S1204でOKボタン923の押下を受け付けると、S1205で、外部端末101のCPUは、MFP102に対して、ネットワーク220を通じて宛先登録のリクエストを送信する。宛先登録のリクエストは、FAX宛先の場合は図4で示したFAX宛先300又はワンタッチのFAX宛先310の属性値を含み、Eメール宛先の場合は同じく図4で示したEメール宛先400又はワンタッチのEメール宛先410の属性値を含む。続いて、S1206で、外部端末101のCPUは、ネットワーク220を通じてMFP102から宛先登録の応答を受信すると、S1207で、その結果をブラウザのリモートUI画面に表示し、処理を終了する。
【0055】
<外部端末101からリモートUI805のリクエストを受信した場合の処理フロー>
次に、図13を参照して、MFP102が外部端末101からリモートUI805のリクエストを受信した場合の処理フローを説明する。なお、この一連の処理は、以下に示す手順を記述したMFP102が実行可能なプログラムを、ROM202からRAM203上に読み込んだ後に、CPU201によって当該プログラムを実行することによって実現される。
【0056】
S1300で、CPU201は、外部端末101から送信されたリモートUI805の名刺読取結果の確認画面900の表示リクエストをネットワークI/F207によって検出する。そして、S1301で、CPU201は、リモートUI805で画面表示のレスポンス(画面情報)を生成し、ネットワークI/F207からネットワーク220に応答を返す。この画面表示のレスポンスには、読み取った名刺のプレビュー画像や、名称、FAX番号、EメールアドレスのOCR結果、さらに、それぞれの画像領域を切り出した画像が含まれる。
【0057】
次に、S1302で、CPU201は、外部端末101から送信された確認結果である、リモートUI805の宛先登録リクエスト(指示)をネットワークI/F207にて検出する。そして、S1303で、CPU201は、受信した宛先数と既にHDD213に保存されているアドレス帳803の宛先数をチェックし、登録可能な宛先上限数を超えないかどうかをチェックする。超えないと判断された場合はS1304に進み、CPU201は、受信した宛先データを全てHDD213に保存し、S1305で、ネットワークI/F207を通じて外部端末101に登録OKの応答を返して処理を終了する。ここで、受信した宛先データは、外部端末101の表示を介して確認された確認結果である。従って、宛先データ(宛先情報)が修正された場合は、当該修正情報も含まれ、さらには、読取結果をMFP102に登録することを指示する情報も含まれる。一方、登録可能な宛先上限数を超えると判断された場合はS1306に進み、CPU201は、外部端末101に対してネットワークI/F207を通じて宛先上限エラー応答を返し、処理を終了する。
【0058】
<読取結果をMFP102の操作パネル209上で確認する場合の処理フロー>
次に、図14を参照して、名刺の読取結果をMFP102の操作パネル209上で確認する場合のMFP102の処理フローを説明する。なお、この一連の処理は、以下に示す手順を記述したMFP102が実行可能なプログラムを、ROM202からRAM203上に読み込んだ後に、CPU201によって当該プログラムを実行することによって実現される。本処理フローは操作パネル209に名刺読取結果の確認画面1000が表示された状態から始まる。
【0059】
まず、S1400で、CPU201は、変数Nを1で初期化する。そして変数Nが読み取られた名刺数を超えるまで以下に示すS1401のループ処理を実行する。
【0060】
まず、S1402で、操作部コントローラ208は、名刺読取結果の修正処理を受け付けたか否かを判定する。ここで、操作部コントローラ208は、名称の編集ボタン1004、FAX番号の編集ボタン1008、及びEメールアドレスの編集ボタン1010の何れかの押下を検出すると、修正処理を受け付けたと判断し、S1403に進む。そうでない場合はS1404に進む。S1403で、操作部コントローラ208は、ソフトキーボードを表示してテキストの修正を可能にする。ソフトキーボードで修正が確定されると保持していたテキストを更新する。その後、S1404で、操作部コントローラ208は、宛先の登録指示を受け付けたか否かを判定する。「次へ」ボタン1015の押下を検出しない間は、S1415で、操作部コントローラ208は、戻る、又はキャンセルの指示を受け付けたか否かを判定し、戻る指示を受け付けた場合は、S1416で、変数NにN-1を設定し、ループの先頭に戻る。ただし、戻るボタン1414が押下可能になるのはNが2以上の場合である。キャンセルの指示を受け付けた場合は、ループを抜けてS1414に進む。また、戻る及びキャンセルの両方を受け付けていない場合は、変数Nを更新することなく、そのままループの先頭に戻る。
【0061】
一方、S1414で「次へ」ボタン1015の押下を検出すると、S1405に進み、操作部コントローラ208は、FAX宛先を登録するか否かのチェックボックス1005がONにされているかを判定する。チェックがONの場合はS1406に進み、操作部コントローラ208は、操作パネル209にFAXの新規宛先の登録画面1080を表示する。一方、当該チェックがOFFの場合はS1409に進む。
【0062】
S1406でFAX新規宛先の登録画面1080の表示が終わると、宛先表番号等の追加情報の設定が可能になるが、追加情報の設定に関する処理フローは割愛する。続いて、S1407で、操作部コントローラ208は、宛先登録指示であるOKボタン1083が押下されたか否かを判定することにより、登録指示を受け付けたか否かを判定する。OKボタン1083の押下が検出された場合は、S1408に進み、CPU201は、FAX宛先をHDD213のアドレス帳803に保存する。既に宛先数が最大限に達していた場合は、CPU201は、FAX宛先をアドレス帳803には保存せず、操作部コントローラ208によって表示パネル209にエラー表示を行う。また、S1407でキャンセルボタン1084の押下が検出されると、宛先保存は行わず、S1409に進む。
【0063】
S1409で、操作部コントローラ208は、Eメール宛先を登録するか否かのチェックボックス1009がONにされているかを判定する。ONにされていた場合はS1410に進み、操作部コントローラ208は、操作パネル209にEメールの新規宛先の登録画面1090を表示する。チェックがOFFの場合はS1413に進む。
【0064】
S1410でEメールの新規宛先の登録画面1090の表示が終わると、宛先表番号等の追加情報の設定が可能になるが、追加情報の設定に関する処理フローは割愛する。続いて、S1411で、操作部コントローラ208は、宛先登録指示であるOKボタン1093が押下されたか否かを判定することにより、登録指示を受け付けたか否かを判定する。OKボタン1093の押下が検出された場合はS1412に進み、CPU201は、Eメール宛先をHDD213のアドレス帳803に保存する。既に宛先数が最大限に達していた場合は、Eメール宛先をアドレス帳803には保存せず、CPU201は、操作部コントローラ208によって表示パネル209にエラー表示を行う。また、S1411でキャンセルボタン1094の押下が検出されると、宛先保存は行わず次のS1413に進む。
【0065】
S1413で、CPU201は、変数Nの値をインクリメントし、処理ループの先頭に戻る。なお、処理ループ(S1401)が終わると、S1414に進み、操作部コントローラ208は、操作パネル209に遷移元画面である宛先登録画面500を表示して処理を終了する。
【0066】
以上説明したように、本画像処理装置は、原稿を読み取った読取結果を、画像処理装置と通信可能な外部端末へ送信し、外部端末上でユーザに読取結果を確認させ、当該読取結果の確認結果を外部端末から受信して、読取結果を画像処理装置に登録する。このように、本実施形態に係る画像処理装置は、ユーザが読取結果を操作性及び視認性の点で容易に確認することが可能なリモート装置である外部端末で行わせ、さらに当該外部端末から画像処理装置へ当該読取情報を登録することを指示できるようにすることができる。つまり、本実施形態によれば、OCR処理による結果の確認を、表示領域が画像処理装置よりも大きい外部端末のモニタ上で行うことができるようになるため視認性が向上する。さらに画像処理装置よりも操作勝手の良い外部端末のハードキーボードにてOCR処理結果の訂正ができるようになるため操作性が向上する。よって、名刺をスキャンして得られた画像から宛先情報を取得して画像処理装置のアドレス帳に登録するための操作を簡単にし、誤操作の発生を抑制することが可能になる。
【0067】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0068】
101:外部端末、102:MFP、201:CPU、202:ROM、203:RAM、207:ネットワークI/F、208:操作部コントローラ、209:操作パネル、211:ディスプレイ、212:ディスクコントローラ、213:HDD、214:プリンタ、215:スキャナ、216:MODEM、217:NCU、218:電話回線、219:電話機、220:ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10a
図10b
図10c
図11
図12
図13
図14
図15