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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/08 20060101AFI20240226BHJP
   F16H 1/16 20060101ALI20240226BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
F16H1/08
F16H1/16 Z
H02K7/116
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021501024
(86)(22)【出願日】2019-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 NL2019050456
(87)【国際公開番号】W WO2020017966
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-05-25
(31)【優先権主張番号】2021341
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】510126416
【氏名又は名称】エムシーアイ(ミラー コントロールズ インターナショナル)ネザーランド ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100126572
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 智史
(72)【発明者】
【氏名】ブラウエル, スティーフェン フリッツ
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-106414(JP,A)
【文献】特開2010-261514(JP,A)
【文献】特開2012-159163(JP,A)
【文献】特開2006-57690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/08
F16H 1/16
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の外部視覚ユニットのための調整装置であって、
足部、および、長手軸に沿って前記足部から延在する旋回シャフトを有する基部と、
前記旋回シャフトの周囲を取り囲むように設けられるハウジングであって、前記旋回シャフトの長手軸を中心として、少なくとも駐車位置と作動位置との間である調整範囲内で、旋回可能であるハウジングと、
前記旋回シャフトと相対的に前記調整範囲内で前記ハウジングを調整するべく前記基部と前記ハウジングとの間で動作可能なアクチュエータと、
を備え、
前記アクチュエータは、低圧DCモータが設けられているアクチュエータであって、前記低圧DCモータは、2段階減速機構を介して出力歯車に結合されており、前記減速機構は、前記DCモータのモータシャフト上に担持されているウォームを有する第1段を備え、前記ウォームは、直角トランスミッションにおいて、中間歯車の円周と協働し、前記中間歯車は中間シャフト上に担持されており、前記中間シャフトは軸に沿ってらせんピニオンを担持し、前記減速機構はさらに、前記らせんピニオンを有する第2段を備え、前記らせんピニオンは、平行トランスミッションにおいて、前記出力歯車の円周と協働し、前記出力歯車はらせん歯車として実現され、前記らせんピニオンはさらに、支持部と円周において協働する、調整装置。
【請求項2】
前記らせんピニオンは、歯の角度が15度より大きいベベル歯部を有する、請求項1に記載の調整装置。
【請求項3】
前記歯の角度は15度と35度との間にある、請求項2に記載の調整装置。
【請求項4】
前記らせんピニオンが有する歯は、1つまたは2つのみである、請求項1から3の何れか一項に記載の調整装置。
【請求項5】
前記らせんピニオンの軸方向の長さは、前記らせんピニオンの歯が前記らせんピニオンの円周にわたって少なくとも半回転を発生させるように、選択される、請求項1から4の何れか一項に記載の調整装置。
【請求項6】
前記中間シャフトには、前記らせんピニオンの端部近傍で、ベアリングが設けられている、請求項1から5の何れか一項に記載の調整装置。
【請求項7】
前記支持部は、支持用らせんピニオンまたは支持面である、請求項1から6の何れか一項に記載の調整装置。
【請求項8】
前記支持部は、前記らせんピニオンのうち前記らせん歯車と係合している側とは反対側に配置されている、請求項1から7の何れか一項に記載の調整装置。
【請求項9】
前記らせん歯車は、スピンドルと協働する内歯が設けられている、請求項1から8の何れか一項に記載の調整装置。
【請求項10】
前記モータおよび前記アクチュエータの前記第1段は前記ハウジングが担持し、前記らせん歯車は前記旋回シャフトが担持する、請求項1から9の何れか一項に記載の調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2段階減速機構を介して出力歯車に結合されている低圧DCモータが設けられているアクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプのアクチュエータは、一般的に公知であり、例えば、大量生産されるアクチュエータであって、自動車の外部視覚ユニットを折りたたんだり戻したりする、いわゆる、折りたたみ用パワーアクチュエータに利用される。低圧DCモータは、比較的コストが低く、自動車のボードネットに直接接続することが可能であるという利点がある。多くの用途で、このようなモータのモータシャフトは、速度が過度に早くなり、モータシャフトによって実現される結合が過度に弱いので、多くの場合に減速機構を利用して、出力速度を減速すると共に実現する結合を強化する。低圧DCモータの特徴である速度は6,000rpmであるが、例えば、外部視覚ユニットを折りたたんだり戻したりするためのアクチュエータについて通常所望される調節速度は、30度/秒である。この場合、減速機構に求められるトランスミッション比は1:1200である。このようなトランスミッション比は、実際には、一段階のトランスミッションでは簡単に実現できるものではない。このためには、アクチュエータは多くの場合、2段階減速機構を備え、例えば、一段目はトランスミッション比が1/30で、2段目はトランスミッション比が1/40となる。
【0003】
公知のトランスミッションでは、減速機構は、第1のウォームを有する第1段を備える。第1のウォームは、DCモータのモータシャフト上に担持され、ウォームホイールとしても知られている中間歯車の円周と協働する。ウォームおよびウォームホイールは、直角トランスミッションを形成する。つまり、それぞれの軸が約90度、例えば、約85度と約95度との間の範囲内の角度で交差する。ウォームホイールまたは中間歯車は、中間シャフト上で担持されている。中間シャフトは、軸に沿って第2のウォームを担持している。第2の直角トランスミッションに含まれる第2のウォームは、第2のウォームホイールまたは出力歯車の円周と協働する。第2のウォームホイールまたは出力歯車の軸は、アクチュエータの出力シャフトと一致する。多くの実施形態で、DCモータはこのように、モータシャフトが出力シャフトと略平行に配置されているが、全体高さを抑制するべく、例えば、モータシャフトが出力シャフトを横切るように配置するとしてもよい。第1段の従動部である歯車は、出力歯車の平面を横切るように延在する平面にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公知の減速機構は、多くの点で有益であり、例えば、折りたたみ用パワーアクチュエータ向けに毎年多数生産しているが、必要となる全体空間が比較的大きく製造コストが比較的高いという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、減速機構が改善されたアクチュエータを提供することを目的とする。そのような減速機構によれば、上述した利点は維持しつつ、上述した問題点を克服し得る。特に、本発明は、コスト効率を改善しつつ製造が可能で、少なくとも1つの寸法において構造をコンパクト化されたアクチュエータを提供することを目的とする。より具体的には、全体高さが最大でもDCモータの厚みの略2倍に等しい。
【0006】
このため、本発明は、低圧DCモータが設けられているアクチュエータを提供する。当該低圧DCモータは、2段階減速機構を介して出力歯車に結合されている。減速機構は、DCモータのモータシャフトに担持されているウォームを有する第1段を備える。当該ウォームは、直角トランスミッションにおいて、中間歯車の円周と協働し、当該中間歯車は中間シャフト上に担持されており、中間シャフトは軸に沿ってらせんピニオンを担持する。減速機構はさらに、このらせんピニオンを有する第2段を備える。らせんピニオンは、平行トランスミッションにおいて、出力歯車の円周と協働する。出力歯車はらせん歯車として実現される。
【0007】
トランスミッションの第2段における駆動部をらせんピニオンとして実現し、らせんピニオンは平行トランスミッションにおいてらせん歯車として実現される出力歯車と協働する構成とすることによって、第2段の駆動部の長さは、第2段の従動部の直径が同じとすると、大幅に小さくすることができる。これによって、材料を大幅に節約することが可能になるので、製造コストも削減され得る。さらに、第2段における平行トランスミッションによって、第1段の従動部である中間歯車は、第2段の従動部に沿って、特に、出力らせん歯車に沿って部分的に重複しつつ延在することが可能となる。このため、全体空間を小さくすることが可能になる。このように、出力シャフトに対して横切るようにモータシャフトを配置することで、例えば、全体高さが最大でもDCモータの厚みの略2倍に等しい、具体的には、DCモータの厚み以下の減速機構を選択することが可能である。この場合、第1段の従動部である、特に、従動部である中間歯車は、全体高さを左右することはない。さらに、第2段でらせんピニオントランスミッションを利用することで、トランスミッションの効率は、2つのウォームホイールトランスミッションを備えるトランスミッションに比べて、大幅に改善され得る。この結果、供給すべきモーメントが変わらない場合、DCモータを軽量化、したがって低コスト化しても十分な効果が得られる。このように、コストも削減することができる。
【0008】
らせんピニオンが、歯の角度が15度よりも大きい、例えば、15度と35度との間であるベベル歯部を持つ場合、らせんピニオンの歯の数を比較的少なく、第2の歯車段のトランスミッション比を高くすることが可能である。
【0009】
らせんピニオンが有する歯が1つまたは2つのみである場合、第2段のトランスミッション比は実際には非常に高くすることが可能で、例えば、約1:20と約1:60の間、例えば、1:40である。このように、問題なくトランスミッション比を高くすることができる。
【0010】
らせんピニオンが有する歯が1つまたは2つの場合、そして、らせんピニオンの軸方向の長さが、これらの歯がらせんピニオンの円周にわたってそれぞれ少なくとも1回転、半回転を発生させるように選択される場合、歯はそれぞれ従動部であるらせん歯車と常に係合した状態とすることができるので、トランスミッションは音を抑えつつ均一化される。
【0011】
中間シャフトは、らせんピニオンの端部近傍で、ベアリングを有する場合、らせんピニオンを比較的軽量な構成とすることが可能である。
【0012】
さらに、らせんピニオンが円周において支持部と、特に、支持用らせんピニオンまたは支持面と協働する場合、らせんピニオンがさらに安定化され得る。支持部は、らせんピニオンのうち、らせん歯車と係合している側と反対側に配置されることが好ましい。このようにらせん歯車と支持部との間にらせんピニオンを設けることで、らせんピニオンは比較的軽量に構成することが可能になるので、コスト効率の高い構成が可能になる。支持部を支持面として実現することによって、特にコンパクト化およびコスト効率化が可能になる。
【0013】
らせん歯車に、スピンドルと協働する内歯が設けられる場合、アクチュエータは比較的簡単且つコンパクトな構成で線形出力運動を実現することが可能になる。
【0014】
本明細書で「DCモータ」と言及する場合、動作電圧が最大で30V、具体的には、24Vまたは13.5Vの直流電気モータと解釈することに留意されたい。さらに、本明細書で「出力らせん歯車」と言及する場合、完全に閉じたリング形状の円周を持つ必要はなく、本明細書では、円周が途切れているらせん歯車、または、リング形状の一部分を形成するらせん歯車、例えば、歯車のうち270度に相当する部分も、らせん歯車に含まれるものと理解されるべきことに留意されたい。
【0015】
本発明はさらに、アクチュエータを備える調整装置に関する。
【0016】
本発明のさらなる有益な実施形態については従属項で説明されている。
【0017】
本発明を、図面に示される例示的な各実施形態に基づいて更に説明する。各図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係るアクチュエータの第1の実施形態を示す概略側面図である。
図2図1のアクチュエータを示す、一部分が断面図の概略図である。
図3】支持用らせんピニオンが設けられている、本発明のアクチュエータの第2の実施形態を示す、一部分が断面図の概略図である。
図4】ハウジング筐体内に支持面が設けられている、本発明のアクチュエータの第3の実施形態を示す、一部分が詳細断面図の概略図である。
図5】本発明のアクチュエータの第4の実施形態を概略的に示す展開斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
各図面は本発明の好ましい実施形態を模式的に示したものに過ぎず、実施形態例として提示されておりそれらに限定されるものではないことに留意すべきである。実施形態例において、異なる実施形態でも同一または対応する部分は同一の参照番号で示される。
【0020】
図1および図2は、本発明に係るアクチュエータ1の第1の実施形態を示す。アクチュエータ1は、2段階減速機構3を介して出力歯車4と結合される13.5VのDC電気モータ2を備える。減速機構3は、DCモータ2のモータシャフト6上に担持されているウォーム7を含む第1段5を有する。ウォーム7は、直角トランスミッションにおいて、中間歯車8の円周と協働する。ウォーム7を担持するモータシャフト6の長手軸は、中間歯車8の長手軸を横切るように延在する。ウォーム7および中間歯車8はそれぞれ、減速機構3の第1段5の駆動部および従動部を構成する。この実施形態例において、モータシャフト6の出力速度は、定格負荷の場合、モータシャフト6に対して5Nmmの定格モーメントが与えられると、例えば、6000rpmである。本例における第1段5のトランスミッション比は、1:30であり、実際には、例えば、約1:20と約1:50との間で選択されるとしてよい。
【0021】
中間歯車8は中間シャフト9上で担持されており、中間シャフト9は、軸に沿って、らせんピニオン10を担持する。らせんピニオン10は、本例において、モジュールが0.7mmであり、1つの歯は歯の角度が15度で長さが0.8mmである。
【0022】
さらに、減速機構3は、中間シャフト9上に担持されているらせんピニオン10を持つ第2段11を有する。らせんピニオン10は、平行トランスミッションにおいて、出力らせん歯車4の円周と協働する。らせんピニオン10およびらせん歯車4はそれぞれ、減速機構の第2段の駆動部および従動部を構成する。本例における第2段11のトランスミッション比は、1:40であり、実際には、例えば、約1:20と約1:60との間で選択されるとしてよい。
【0023】
第2段におけるこのような平行トランスミッションにおいて、らせんピニオン10およびらせん歯車4の軸は略平行に延在する。中間歯車8は、らせん歯車4と平行な平面にあるので、比較的多数の歯を設けることが可能で、対応して直径を大きくすることが可能となることにより、全体高さを比較的低くしつつトランスミッション比を高くすることが可能である。中間歯車8およびらせん歯車4はさらに、相互に重複するように配置されているので、幅方向においても、構成を比較的コンパクト化することが可能である。
【0024】
中間シャフト9は、らせんピニオン10の端部近傍において、ベアリング12が設けられる。このようにすることで、らせんピニオン10は軸方向に保持され、比較的軽量な構成とすることができる。
【0025】
また、図2の例において、減速機構3の高さHはDCモータの厚みDよりも低い。さらに、中間歯車8は、らせん歯車4の回転軸を実質的に横切るように延在する平面にある。図4から分かるように、図4でも同様だが、中間歯車8は部分的にらせん歯車4と重複する。このようにすることで、コンパクト化を問題なく実現することができる。
【0026】
図3は、本発明に係るアクチュエータ1の第2の実施形態を示す図である。同図に示すアクチュエータ1はさらに支持部13を有し、らせんピニオン10が円周において支持部13と協働する。この実施形態例において、支持部13は支持用らせんピニオン13aとして実現される。図3から分かるように、支持用らせんピニオン13aは、らせんピニオン10のうち、らせん歯車4と係合している側とは反対側に位置する。さらに、支持用らせんピニオン13aは、図示していない支持シャフトを中心として回転可能に設けられている。このように構成することで、支持用らせんピニオン13aは、らせんピニオン10を径方向に支えるので、らせんピニオン10の安定性が改善される。
【0027】
図4は、本発明に係るアクチュエータ1の第3の実施形態を示す。この実施形態例において、支持部13は、アクチュエータ1のハウジング筐体内に形成されている支持面13bとして実現される。支持面13bは、らせんピニオン10の円周のうち一部、出力らせん歯車4と直に接触するらせんピニオン10の一部が無い部分に少なくともわたって、延在することが好ましい。このようにすることで、らせんピニオン10のらせん形状が、比較的簡単な方法で確実に径方向に支えられ、らせんピニオンのコア直径が小さくても大きな力が伝達可能である。
【0028】
当該アクチュエータは、車外ミラー、カメラ、LIDARおよび/またはディスプレイ等の外部視覚ユニットを有するハウジングを調整するために自動車で利用される場合に特に有益であるとしてよい。当該アクチュエータは、例えば、周囲環境に対して車両の位置を観察および/または監視する、車両用、特に、自動車用の外部視覚ユニットのための調整装置で利用される場合に有益であるとしてよい。そして、当該調整装置は、車外ミラー、カメラ、LIDARおよび/またはディスプレイ等の外部視覚ユニットを有するハウジングを備える。
【0029】
このハウジングは、自動車に装着する調整装置の基部と相対的に、アクチュエータによって調整可能である。調整装置は通常、ハウジングが実質的に車両に沿って延在する駐車位置、例えば、折りたたみ位置と、ハウジングが実質的に車両を横切る方向に延在している作動位置、例えば、運転位置との間で、外部視覚ユニットを調整するよう構成されている。
【0030】
調整装置の基部は、自動車の本体の外側部に装着するための足部と、固定された世界(fixed world)に対する起立配向の長手軸に沿って足部から延在するシャフトであって、シャフトを中心として旋回可能にハウジングを受け入れるシャフトとを含む。ハウジングは、アクチュエータを介して基部に接続されているので、キャリアを折りたたみ開くための旋回運動を従動として発生させることができる。
【0031】
このような適用例において、車両用の外部視覚ユニットのための調整装置が提供される。当該調整装置は以下を備える。
-足部と、長手軸に沿って足部から延在する旋回シャフトとを有する基部
-旋回シャフトの周囲を取り囲むように設けられるハウジングであって、旋回シャフトの長手軸を中心として、少なくとも駐車位置と作動位置との間である調整範囲内で、旋回可能なハウジング、および、
-旋回シャフトと相対的に調整範囲内でハウジングを調整するべく基部とハウジングとの間で動作可能なアクチュエータ
【0032】
モータおよびアクチュエータの第1段は、例えば、ハウジングが担持するとしてよく、らせん歯車は旋回シャフトが担持するとしてよい。
【0033】
図5は、本発明に係るアクチュエータ1の第4の実施形態を示す。図5には、ハウジング19を備えるアクチュエータ1を示す展開斜視図を示す。ハウジング19には、らせんピニオン10を径方向に支える支持用らせんピニオン13aのための支持シャフト16が設けられている。図5から分かるが、ハウジング19から、減速機構3の高さHは、DCモータの厚みDの2倍未満であり、特に、DCモータの厚みDと同程度であることが示唆される。さらに、出力らせん歯車4は、出力軸に沿って、内側に、内歯15を持つ凹部14が設けられている。内歯15は中空シャフト18の歯部17と協働する。中空シャフト18は、出力らせん歯車4を担持しており、ハウジング19内にベアリング装着されている。中空シャフト18は、内側に、図示していないネジスピンドルのネジ山と協働するネジ山20が設けられている。ネジスピンドルは、特に、線形出力運動を実現するのに適している。このような中空シャフト18を設けることで、ネジスピンドルと協働するよう調整されている特別な材料、例えば、ブロンズ、または、HNPE、POM、NylonまたはPEPT等のテクニカルプラスチックなどの摩擦が少ない高強度の耐摩耗性材料で高いコスト効率で実現することが可能である。線形出力運動を実現するこのようなアクチュエータは当然、図示していないネジスピンドルのネジ山と協働する内側ねじ山を凹部14に持つらせん歯車4を設けることによっても得ることができる。
【0034】
第2段に回転-並進変換部を持つアクチュエータのこのような変形例は、自動車の構成要素に対して線形調節、例えば、空気誘導スクリーン、具体的には、エアダムの調節を実行する調節装置において適用が可能である。このような空気誘導スクリーンは、給気を制御することによって、例えば、自動車のディスクブレーキおよび/またはモータハウジングに対する気流を誘導するために適用される。スクリーンの位置を制御することによって、例えば、モータハウジングおよび/またはディスクブレーキに対する給気を誘導するとしてよい。また、アクチュエータは、例えば、自動車の下方および/または後部のスクリーンを制御して空気抵抗を制御することで、自動車の周囲の気流を誘導するために利用されるとしてもよい。このようなスクリーンによって、例えば、自動車の燃費を改善することが出来、および/または、空気抵抗を大きくすることができ、例えば、ブレーキ距離を短くできる。
【0035】
このような適用例では、車両用のスクリーンを調整する調整装置が提供される。当該調整装置は、アクチュエータと、回転-並進変換部とを備える。回転-並進変換部は、入力側においてアクチュエータのらせん歯車と結合されており、出力側においてスピンドルと結合可能である。使用時において、らせん歯車の出力側はスピンドルと結合され、スピンドルは、回転時に、スクリーンと結合される。
【0036】
さらに、本発明は上述の実施形態例に限定されないことに留意されたい。多くの変形例が可能である。このように、第1段は直列に接続された複数の歯車の対で、または、中間らせん歯車と協働する第1のらせんピニオンで実現するとしてもよい。また、第1段は、異なるタイプのDC電気モータ、例えば、ステッピングモータまたはブラシレスDCモータで駆動するとしてもよい。
【0037】
このような変形例は、当業者には明らかであり、請求の範囲に記載する本発明の範囲に含まれるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0038】
1 アクチュエータ
2 DCモータ
3 減速機構
4 出力らせん歯車
5 第1段
6 モータシャフト
7 ウォーム
8 中間歯車
9 中間シャフト
10 らせんピニオン
11 第2段
12 ベアリング
13 支持部
13a 支持らせんピニオン
13b 支持面
14 凹部
15 内歯
16 支持シャフト
17 歯部
18 中空シャフト
19 ハウジング
20 ネジ山
D DCモータの厚み
H 減速機構の高さ
図1
図2
図3
図4
図5