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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】化粧品を包装および塗布するための装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20240226BHJP
   A45D 40/06 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
A45D40/00 U
A45D40/06 C
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021504331
(86)(22)【出願日】2019-07-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 FR2019051774
(87)【国際公開番号】W WO2020021182
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】1857046
(32)【優先日】2018-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】500404605
【氏名又は名称】パフューム クリスチャン ディオール
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ノエル・オーティエ
(72)【発明者】
【氏名】ロドルフ・ダ・ロヴァレ
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-088420(JP,A)
【文献】特開2005-237894(JP,A)
【文献】特開平09-182620(JP,A)
【文献】特表2014-511317(JP,A)
【文献】特表2009-522174(JP,A)
【文献】実開昭59-013483(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/00 - 40/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧品のための包装および塗布装置(10)であって、
- 化粧品のスティックを受容するよう意図される機構(14)であって、前記機構(14)は、ベース(20)と、チューブ(22)と、前記化粧品のスティックを受容するためのカップ(19)と、を有し、前記機構(14)は、前記包装および塗布装置(10)を閉塞する引込位置と前記化粧品を塗布する伸長位置との間で、前記チューブ(22)に対して前記カップ(19)を移動させるように設計される、機構(14)と、
- 前記機構(14)の第1部分を受容するための第1ハウジング(L1)を形成するベースカバー(12)と、
- 前記ベースカバー(12)の要素(16)と前記機構(14)の要素(20;22;23)との間に挿入される第1シール(28)と、
- 前記機構(14)の第2部分を受容する第2ハウジング(L2)を画成するために前記ベースカバー(12)に固定されるように適合されたキャップ(18)であって、第2シール(42)は、前記キャップ(18)と前記ベースカバー(12)の前記要素(16)および前記機構(14)の前記要素(20;22;23)のうちの少なくとも一方との間に挿入される、キャップ(18)と、を備え、
前記第1および第2ハウジング(L1;L2)は、前記ベースカバー(12)の前記要素(16)および前記機構(14)の前記要素(20;22;23)の少なくとも一方により密封式に連結される、包装および塗布装置。
【請求項2】
前記ベースカバー(12)は、ベース外装シェル(24)と、前記ベース外装シェル(24)に固定されたフェルール(16)と、を備える請求項1に記載の包装および塗布装置。
【請求項3】
前記ベースカバー(12)は、ベースインサート(26)をさらに備える請求項2に記載の包装および塗布装置。
【請求項4】
前記第1シール(28)および前記ベースインサート(26)のうちの一方は、前記第1シール(28)および前記ベースインサート(26)のうちの他方にオーバーモールドされる請求項3に記載の包装および塗布装置。
【請求項5】
前記第1シール(28)は、前記フェルール(16)および前記機構(14)の前記要素(20;22;23)の少なくとも一方に当接して挟持される請求項2から4のいずれか1項に記載の包装および塗布装置。
【請求項6】
前記キャップ(18)は、カバー(36)と、前記カバー(36)に固定されたキャップインサート(40)と、を備え、前記キャップインサート(40)は、少なくとも部分的に前記第2ハウジング(L2)を画成する請求項1から5のいずれか1項に記載の包装および塗布装置。
【請求項7】
前記キャップインサート(40)および前記第2シール(42)のうちの一方は、前記キャップインサート(40)および前記第2シール(42)のうちの他方にオーバーモールドされる請求項6に記載の包装および塗布装置。
【請求項8】
前記第2シール(42)は、前記キャップインサート(40)と前記機構(14)の前記要素(20;22;23)との間に挿入される部分を備える請求項6または7に記載の包装および塗布装置。
【請求項9】
前記キャップ(18)は、前記カバー(36)に固定されたキャップ装飾(44)をさらに備える請求項6から8のいずれか1項に記載の包装および塗布装置。
【請求項10】
前記第2シール(42)の一部分は、前記キャップ装飾(44)と前記機構(14)の前記要素(20;22;23)との間に挿入される請求項9に記載の包装および塗布装置。
【請求項11】
前記第2シール(42)は、前記キャップ装飾(44)と前記キャップインサート(40)との間に挿入される部分をさらに備える請求項6が適用される請求項9または10に記載の包装および塗布装置。
【請求項12】
前記第1シール(28)および前記第2シール(42)の少なくとも一方は、Hytrel(登録商標)およびArnitel(登録商標)のうちの一方で作成される請求項1から11のいずれか1項に記載の包装および塗布装置。
【請求項13】
前記第1シール(28)および前記第2シール(42)の少なくとも一方は、前記機構(14)へ向かうドーム状である請求項1から12のいずれか1項に記載の包装および塗布装置。
【請求項14】
前記キャップ(18)が前記ベースカバー(12)に固定される閉塞状態で、前記第1ハウジング(L1)に現れる第1オリフィス(35)と前記第2ハウジング(L2)に現れる第2オリフィス(37)との間で前記機構(14)を通過する空気経路(F1)を有する請求項1から13のいずれか1項に記載の包装および塗布装置。
【請求項15】
前記カップ(19)は、その両端部が開放された円筒状形状を有し、前記カップ(19)の第1端部は、前記第1ハウジング(L1)に現れ、前記カップ(19)の第2端部は、前記第2ハウジング(L2)に現れる請求項1から14のいずれか1項に記載の包装および塗布装置。
【請求項16】
前記機構(14)の前記要素は、前記機構(14)の前記ベース(20)である請求項1から15のいずれか1項に記載の包装および塗布装置。
【請求項17】
前記機構(14)の前記ベース(20)は、前記カップ(19)のための螺旋案内経路を形成するブッシュ(21)と、前記ベース(20)上に固定されるリング(23)と、を備える請求項1から16のいずれか1項に記載の包装および塗布装置。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか1項に記載の包装および塗布装置であって、
前記カップ(19)は、前記ベース(20)の螺旋溝部のセクションを補完するセクションの少なくとも1つのレリーフを有し、
前記カップ(19)の前記レリーフは、前記螺旋溝部に受容され、それにより、前記機構(14)の前記ベース(20)に対して前記チューブ(22)を回転させることで、引込位置と前記化粧品の塗布の伸長位置との間で、前記チューブ(22)に対する前記カップ(19)の移動を引き起こし、
前記機構(14)では、空気経路(F1)は、前記機構(14)の第1オリフィス(35)を前記機構(14)の第2オリフィス(37)と流体接続する
包装および塗布装置
【請求項19】
請求項18に記載の包装および塗布装置であって、
前記ベース(20)は、前記螺旋溝部が形成されるブッシュ(21)と、前記ブッシュ(21)の端部に固定されるリング(23)と、を備え、前記第2オリフィス(37)は、前記リング(23)内に、または前記チューブ(22)と前記リング(23)との間にある
包装および塗布装置
【請求項20】
前記第1オリフィス(35)は、前記ブッシュ(21)内に、または前記ブッシュ(21)と前記リング(23)との間にある請求項19に記載の包装および塗布装置
【請求項21】
ブッシュ(21)は、その外側表面に長手方向リブ(25)を有する請求項18から20のいずれか1項に記載の包装および塗布装置
【請求項22】
前記カップ(19)は、所定の位置に前記化粧品のスティックを保持するための径方向内方突起部(191)と、前記ベース(20)の前記螺旋溝部(39)で前記カップ(19)を案内するための少なくとも1つの外方突出レリーフ(33)と、を有する円筒状形状を有し、前記カップ(19)は、その両端部において開放されている請求項18から21のいずれか1項に記載の包装および塗布装置
【請求項23】
前記チューブ(22)は、前記カップ(19)を取り囲み、前記チューブ(22)は、長手方向並進運動についてブッシュ(21)に対して固定される請求項18から22のいずれか1項に記載の包装および塗布装置
【請求項24】
前記チューブ(22)は、回転について前記カップ(19)に固定される請求項23に記載の包装および塗布装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品、特にスティック形状の固体化粧品を包装および塗布するための装置に関する。本発明はまた、スティック形状の化粧品を包装および塗布するための装置のための機構に関する。
【背景技術】
【0002】
口紅などのスティック形状の化粧品の分野では、例えば、化粧品を包装および塗布するための装置は、本質的に、ベースカバーと、キャップと、化粧品のスティックを受容するよう意図される機構と、を備える。機構は、ベースカバーに受容される。機構は、ベースと、チューブと、カップと、を有する。機構は、包装装置を閉塞する引込位置と化粧品を塗布するための伸長位置との間で、カップを、したがって化粧品のスティックをベースに対してチューブ内で移動させるように設計される。このタイプの装置では、化粧品のスティックは、一般に、機構のベースに対してチューブを回転させることにより、その2つの位置の間で移動させられ、ベースは、チューブを介しベースに対して回転させられるカップにしっかりと固定された少なくとも1つの突起部を案内するための螺旋溝部を有する。
【0003】
特許文献1は、化粧品を包装および塗布するためのこのような装置の例を説明する。
【0004】
しかしながら、スティック形状の化粧品は、一般に、例えば溶媒などの、1つ以上の揮発性成分を含む。これらの揮発性成分は、包装および塗布装置内で蒸発する可能性があり、化粧品の寿命にとって悪影響である。
【0005】
化粧品の揮発性成分のこの蒸発を制限するために、特許文献2は、キャップが、弾性的に変形可能であり、包装および塗布装置のベース内のインサートにより形成されるレリーフを補完するレリーフを有する内部スリーブを備える包装および塗布装置を説明する。このインサートは、包装および塗布装置のベースのカバーと機構のベースとの間に受容される。レリーフの形状の補完性は、機構のチューブと包装および塗布装置のキャップのカバーの間で実施され、シールの密封性を確保する。しかしながら、この場合では、この内部スリーブを形成するために使用される材料に関してトレードオフが要求される。実際に、インサートにより形成されるレリーフを補完するレリーフの目的は、一定の可撓性を要求する密封性を得ることであるが、内部スリーブの目的は、また、キャップの機械的強度を高めることでもある。さらに、キャップが取り外される場合、インサートのレリーフとインサート自身とが機構のチューブに沿って見える。これは、包装および塗布装置の審美性にとって悪影響である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】仏国特許出願公開第2662921号明細書
【文献】欧州特許出願公開第1197162号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、従来技術の欠点の少なくともいくつかを示さない包装および塗布装置が必要である。特に、化粧品を長期間保存することを可能にする包装および塗布装置が必要である。有利には、包装および塗布装置は、それにもかかわらず、再び蓋をすることが容易である。また、包装および塗布装置の審美性が維持されることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本発明は、化粧品のための包装および塗布装置であって、
- 化粧品のスティックを受容するよう意図される機構であって、機構は、ベースと、チューブと、化粧品のスティックを受容するためのカップと、を有し、機構は、包装および塗布装置の閉塞の引込位置と化粧品の塗布の伸長位置との間で、チューブに対してカップを移動させるように設計される機構と、
- 機構の第1部分を受容するための第1ハウジングを形成するベースカバーと、
- ベースカバーの要素と機構の要素との間に挿入される第1シールと、
- 機構の第2部分を受容する第2ハウジングを画成するためにベースカバーに固定されるように適合されたキャップであって、第2シールは、キャップとベースカバーの前記要素および機構の前記要素のうちの少なくとも一方との間に挿入される、キャップと、を備え、
第1および第2ハウジングは、ベースカバーの前記要素および/または機構の前記要素により密封式に連結される、包装および塗布装置を提案する。
【0009】
したがって、有利には、本発明による装置は、ハウジングからの化粧品の溶媒および他の揮発性製品の蒸発を制限し、また防止しさえすることを可能にする2つのシールを提案する。
【0010】
さらに、第1および第2ハウジングが密封式に連結されるので、装置の閉塞状態では密封された包装および塗布装置の内側に所定容積が形成され、したがって、化粧品の成分の蒸発を防止する。
【0011】
また、第1および第2シールの位置は、有利には、包装および塗布装置が閉塞されているか開放されているかにかかわらずこれらのシールが使用者にとって見えないように、選択され得る。
【0012】
好ましい実施形態によると、本発明による包装および塗布装置は、1つ以上の以下の特徴を単独でまたは組合せで備える:
- ベースカバーは、ベース外装シェルと、ベース外装シェルに固定されたフェルールと、を備え、ベースカバーの要素は、好ましくはフェルールである;
- ベースカバーは、ベースインサートをさらに備え、ベースインサートは、好ましくは、ベース外装シェル内に受容され、必要に応じて、フェルールと機構のベースとの間に挿入される;
- 第1シールおよびベースインサートのうちの一方は、第1シールおよびベースインサートのうちの他方にオーバーモールドされる、特に射出成形によりオーバーモールドされる;
- 第1シールは、必要に応じて、フェルール並びに/または機構の要素および/もしくはベースインサートに当接して挟持される;
- キャップは、カバーと、カバーに固定されたキャップインサートと、を備え、キャップインサートは、少なくとも部分的に第2ハウジングを画成する;
- キャップインサートおよび第2シールのうちの一方は、キャップインサートおよび第2シールのうちの他方にオーバーモールドされる、特に射出成形によりオーバーモールドされる;
- 第2シールは、キャップインサートと機構の要素との間に挿入され、好ましくは挟持される部分を備える;
- キャップは、好ましくはキャップの出口の近傍において、カバーに固定されたキャップ装飾をさらに備え、キャップインサートは、好ましくはカバーとキャップ装飾との間にある;
- 第2シールの一部分は、キャップ装飾と機構の要素との間に挿入され、好ましくは挟持される;
- 第2シールは、キャップ装飾とキャップインサートとの間に挿入され、好ましくは挟持される部分をさらに備える;
- 第1シールおよび/または第2シールは、Hytrel(登録商標)およびArnitel(登録商標)のうちの一方で作成される;
- 第1シールおよび/または第2シールは、機構へ向かうドーム状である;
- 包装および塗布装置は、キャップがベースカバーに固定される閉塞状態で、第1ハウジングに現れる第1オリフィスと第2ハウジングに現れる第2オリフィスとの間で機構を通過する空気経路を有する;
- カップは、その両端部において開放されている円筒状形状を有し、カップの第1端部は、第1ハウジングに現れ、カップの第2端部は、第2ハウジングに現れる;
- 機構の要素は、機構のベースである;
- 機構のベースは、カップを案内するための螺旋経路を形成するブッシュと、ベースに固定されたリングと、を備え、機構の前記要素は、好ましくは、ブッシュまたはリングである;
【0013】
別の側面によると、機構は、特に上記で説明されるように全ての場合の組合せでの包装および塗布装置のための、化粧品のスティックを受容するよう意図される機構として説明され、機構は、ベースと、チューブと、カップと、を有し、カップは、化粧品のスティックを受容するよう意図され、カップは、ベースの螺旋溝部のセクションを補完するセクションからなる少なくとも1つのレリーフを有し、カップのレリーフは、螺旋溝部に受容され、それにより、機構のベースに対してチューブを回転させることで、引込位置と化粧品を塗布する伸長位置との間で、チューブに対するカップの移動を引き起こし、この機構では、空気経路は、機構の第1オリフィスを機構の第2オリフィスと流体接続する。
【0014】
ベースは、螺旋溝部が形成されるブッシュと、ブッシュの端部に固定されるリングと、を備え、第2オリフィスは、リング内に、またはチューブとリングとの間にある。
【0015】
第1オリフィスは、ブッシュ内に、またはブッシュとリングとの間にある。
【0016】
ブッシュは、その外側表面に長手方向リブを有し、空気経路は、好ましくは少なくとも部分的に2つの長手方向リブの間を通過する。
【0017】
カップは、所定の位置に化粧品のスティックを保持するための径方向内方突起部と、ベースの螺旋溝部でカップを案内するための少なくとも1つの外方突出レリーフと、を有する円筒状形状を有し得、カップは、その両端部において開放されている。
【0018】
チューブは、カップを取り囲み、チューブは、ブッシュに対して長手方向並進運動不能に固定される。
【0019】
チューブは、カップに対して回転不能に固定され得、チューブは、好ましくは、2つの長手方向スリットを有し、カップの少なくとも1つのレリーフは、これらスリットを通過し、外側に突出してベースの螺旋溝部でカップを案内する。
【0020】
また、機構は、その全ての組合せにおいて上記で説明されたような包装および塗布装置が説明されており、機構は、そのすべての組合せにおいて上記で説明されたようなものであり、空気経路は、第1ハウジングと第2ハウジングとを流体接続する。
【0021】
本発明は、添付された図面に照らして与えられる以下の説明からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】化粧品を包装および塗布するための装置の例を示す分解図である。
図2】閉塞された状態の図1の化粧品を包装および塗布するための装置を示す。
図3図1および図2の化粧品を包装および塗布するための装置の断面図である。
図4図1および図2の化粧品を包装および塗布するための装置の機構の部分破断図である。
図5図4の詳細Vの拡大図である。
図6図4の機構のブッシュの斜視図であって、空気経路の位置を示す、斜視図である。
図7図1の化粧品を包装および塗布するための装置の平面VII-VIIに沿った断面図である。
図8図1の化粧品を包装および塗布するための装置のベースインサートおよび第1シールにより形成されたアセンブリの平面VIII-VIIIに沿った断面図である。
図9】側面から見た図8のベースインサートおよび第1シールにより形成されたアセンブリを概略的に示す。
図10図8のベースインサートおよび第1シールにより形成されたアセンブリを下から見た図を概略的に示す。
図11図1の化粧品を包装および塗布するための装置のベースインサートおよび第1シールにより形成されたアセンブリの平面XI-XIに沿った断面図である。
図12図1の化粧品を包装および塗布するためのキャップインサートおよび装置の第2シールにより形成されたアセンブリの平面図である。
図13】キャップインサートおよび第2シールにより形成されたアセンブリの平面XIII-XIIIに沿った断面図である。
図14】側面から見た図12のキャップインサートおよび第2シールにより形成されたアセンブリを概略的に示す。
図15図12のキャップインサートおよび第2シールにより形成されたアセンブリの平面XV-XVに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の説明では、それぞれの図では、同一または同一の機能を有する要素には同一の参照符号を付与する。なお、本説明では簡略化のため、これらの要素については、それぞれの図については詳細に説明しない。
【0024】
図1から図3は、化粧品を包装および塗布するための装置10の例を示す。
【0025】
ここで、化粧品は、スティックの形状をとる。化粧品は、特に口紅、カラー製品、スキンケア製品またはリップケア製品、特にリップバーム、唇または皮膚のための日焼け防止製品であり得る。
【0026】
この包装および塗布装置10は、図1に見えるように、ベースカバー12と、機構14と、キャップ18と、を備える。包装および塗布装置10を閉塞するために、キャップ18は、ベースカバー12上に、例えば弾性嵌合(またはスナップフィット)により固定され得る。図示された例では、ベースカバー12は、キャップ18と共に境界面を形成するフェルール16を備える。しかしながら、キャップ18をベースカバー12に固定するための他の手段は、当業者であれば利用可能である。特に、キャップ18は、ベースカバー12に、特にフェルール16に、螺合されまたは強固に取り付けされ得る。また、ベースカバー12が磁性材料で作成される要素を構成する場合、キャップ18は、ベースカバー12のこの要素に磁化され得る。ベースカバー12のこの要素は、特にフェルール16であり得る。
【0027】
それ自体が知られているように、機構14は、化粧品のスティック(図示せず)を受容する。機構は、ここで、ベース20と、カップ19と、チューブ22と、を備える。機構14は、包装および塗布装置10の閉塞を可能にする引込位置と化粧品の塗布のために化粧品のスティックがチューブ22から突出する伸長位置との間で、化粧品のスティックが固定されるカップ19をチューブ22に対して移動させるように設計される。引込位置は、キャップ18をベースカバー12、特にフェルール16に固定することにより、包装および塗布装置10の閉塞を可能にする。
【0028】
図示された例では、カップ19は、その両端部において開放された本質的に円筒状形状を有する。カップ19は、しかしながら、化粧品のスティックをカップ19内の所定の位置に保持するための径方向内方突起部19を有する。化粧品のスティックがない状態では、カップ19の円筒状部分の2つの端部は流体接続される。すなわち、突起部19は、好ましくは、カップ19の円筒状部分のセクションを閉塞しない。さらに、有利には、カップ19の円筒状部分は、その円筒状表面に開口部を有せず、それにより、カップ19の円筒状部分の2つの端部は、密封式に流体接続される。
【0029】
包装および塗布装置10の機構14は、以下に、特に図3から図6に関して説明される。
【0030】
機構14のベース20は、ここで、ブッシュ21と、ブッシュ21に固定されたリング23と、を備える。リング23は、例えば金属で作成される。リング23は、例えば金属シートを打抜加工することにより得られる。リング23は、また、その円筒状側壁に開口部を有しない。したがって、リング23の長手方向両端部の開口部は、リング23の内側で密封式に流体接続される。
【0031】
ブッシュ21は、その外側表面上に、リブ25を備える。ここで、これらのリブ25は、長手方向にある。リブ25は、ここで、直線状である。ブッシュ21は、また、図示された例によると、第1周溝部27と、第2周溝部29と、を備える。第2周溝部29は、リング23をブッシュ21に軸方向で固定するために、リング23の折目部31を受容する。
【0032】
さらに、ブッシュ21は、その内側表面上に、少なくとも1つの螺旋溝部39を有する。カップ19は、少なくとも1つの螺旋溝部39のセクションを補完し、この少なくとも1つの螺旋溝部39に受容される少なくとも1つのレリーフ33、好ましくは少なくとも2つのレリーフを有する。したがって、少なくとも1つの螺旋溝部39は、ブッシュ21に対してカップ19を回転させることにより螺旋運動でカップ19が案内されることを可能にする。この特定の実施例では、カップ19の1つ以上のレリーフ33は、チューブ22に形成された長手方向スリットを通過して延在する。したがって、カップ19は、回転についてチューブ22にしっかりと装着される。チューブ22は、方向Xにおける長手方向並進運動についてブッシュ21に対して固定される。
【0033】
特に、図5および図6で特に見えるように、空気経路F1(または漏れ経路)は、ここでブッシュ21とリング23との間で、リング23の第1端部にある機構14における第1オリフィス35を、第1端部の反対側のリング23の第2端部にある機構14の第2オリフィス37と流体接続する。ここで、第2オリフィス37は、リング23とチューブ22との間に位置づける。したがって、空気は、機構14を通して、第1オリフィス35と第2オリフィス37との間を自由に流れることができる。特に、空気は、ここで、まず第一にブッシュ21とリング23との間を流れ、次にチューブ22とリング23との間を流れる。ブッシュ21の外側表面上のリブ25は、リング23により覆われたブッシュ21の外側表面上にも延在し、空気のこの循環を容易にする。また、空気の流れを容易にするために、ノッチが、第1オリフィス35においてブッシュ21に作成され得る。ブッシュ21に対する空気経路F1の位置は、図6でより明確に見える。
【0034】
機構14のベース20は、ベースカバー12に固定され、特に回転について固定される。特に、ブッシュ21は、回転についてベースカバー12に固定され、一方で、カップ19およびチューブ22は、ベースカバー12に対して共に回転することができる。したがって、図示された例では、化粧品のスティックは、ベースカバー12に対してチューブ22を回転させることにより引き出されることができる。
【0035】
さらに、包装および塗布装置10のベースカバー12は、機構14のベース20の一部を受容するためのハウジングL1を形成する。ベースカバー12は、ここで、機構14のベース20に固定され、ベースカバー12および機構のベース20は、包装および塗布装置10の長手方向軸Xを中心とする回転について固定される。
【0036】
図示された例では、ベースカバー12は、本質的に、ベース外装シェル24と、フェルール16と、ベース外装シェル24に受容され、固定されたベースインサート26と、により形成される。ここで、ベース20の一部を受容するためのハウジングL1は、ベースインサート26により大部分が画成される。ベースインサート26は、例えば、スナップフィット、嵌合、または接着により、外装シェル24に固定保持される。ここで、機構14のベース20は、ベースインサート26に強固に受容される。さらに、ブッシュ21の外側表面上の周溝部27は、機構14のベース20およびベースインサート26が相対的な長手方向の位置に保持されることを確実にするように、ベースインサート26の径方向内側表面に突出する1つ以上のレリーフを受容することができる。
【0037】
図3でより特に見えるように、第1シール28は、ベースカバー12のフェルール16と機構14のベース20のリング23との間に挿入される。特に、第1シール28は、機構14のベース20のリング23に当接して挟持される。したがって、機構のベース20に沿った、インサート26と機構14のベース20との間における装置10の外側への、化粧品の組成に関する揮発性成分の蒸発は制限され、回避さえされる。
【0038】
ベースインサート26は、特に図8から図11に関して、以下に、より詳細に説明される。これらの図に見えるように、ベースインサート26は、ベースインサート26が第1シール28と接触し、長手方向の一側のみで開放する、本質的に円筒状ブッシュ形状を有する。ベースインサート26と第1シール28との間の接触は、例えば、ベースインサート26及び第1シール28を形成する材料間の化学的接着により得られる。ベースインサート26は、その内側円筒状表面26iにリブ30を有する。これらのリブ30は、ここで、長手方向にある。ここで、リブ30は実質的に直線状である。リブ30は、機構14のベース20と機構14のベース20が受容されるベースインサート26とが回転について固定されることを可能にする。特に、リブ30は、包装および塗布装置10の長手方向軸Xの周りにおけるベースインサート26に対する機構14のブッシュ21の相対的な回転を防止する。特に、図8および図11に見られるように、説明された例では、ベースインサート26は、12本のリブ30を有する。有利には、リブ30は、ベースインサート26の内側円筒状表面26i上に角度方向に均等に分散される。
【0039】
その底面26infに、ベースインサート26はスタッド32を有する。ベースインサート26は、例えば、その底面26infに6つのスタッドを有する。スタッド32は、有利には、角度方向に均等に分散される。スタッド32は、有利には、ベースインサート26の底面26infの縁部の近傍に位置づけられる。スタッド32は、ベース外装シェル24の底部上でベースインサート26を平らに受容することを容易にする。スタッド32は、ここで、実質的に矩形の平行六面体形状を有する。しかしながら、スタッド32は他の形状をとることができる。
【0040】
底面26infは、ベースインサート26により形成されるブッシュのベース表面、すなわち、その開口部の反対側のその長手方向の端部面であることに留意されたい。
【0041】
さらに、ベースインサート26は、その外側円筒状表面26e上に、実質的に開口部において、実質的に三角形形状の突出レリーフ34を有する。ここで、3つのこのようなレリーフ34が作り出されている。これらのレリーフ34は、実質的に90°の角度で角度方向に分離される。これらのレリーフ34は、例えばフェルール16を介して、ベースインサート26をベースカバー12内に楔止めするよう意図されており、このフェルールは、実質的に補完的なセクションのベースインサート26を受容するためのハウジングを有する。補完的なセクションは、ここでは、形状の補完性による固定を可能にするセクションを意味すると理解される。したがって、これらのレリーフは、包装および塗布装置10の長手方向軸Xの周りのベースカバー12に対するベースインサート26の相対的な回転を防ぐことを可能にする。したがって、ベースカバー12の回転は、ベースインサート26を介して機構14のブッシュ21に伝達される。
【0042】
さらに、特に図8図9および図11に見えるように、第1シール28は、ここで、ベースインサート26に固定される。有利には、実際には、第1シール28は、例えば射出成形によりベースインサート26上にオーバーモールドされ、または、ベースインサート26は、例えば射出成形により第1シール28上にオーバーモールドされる。
【0043】
これは、まず第一に、第1シール28をベースインサート26にしっかりと固定することを可能にする。したがって、包装および塗布装置10を組み立てるとき、取り扱われるべき部品は、1つのみであり、ベースインサート26と第1シール28とで構成されるアセンブリに対応する。このようにオーバーモールドすることは、第1シール28とベースインサート26との間の密封性を確保することも可能にする。オーバーモールドすることは、また、ベースインサート26と第1シール28とに異なる材料を使用することを可能にし、ベースインサート26は、例えば、第1シールが作成される材料よりも剛性の高い材料で作成される。
【0044】
代替的には、第1シール28およびベースインサートは、同一材料からなる単一の部品として作成される。この場合では、第1シール28およびベースインサート26は、単一の部品として、熱可塑性材料または金属、例えば、アルミニウムまたはZAMAC合金で作成されることができる。
【0045】
また、代替的には、第1シール28は、ベースインサート26上で独立して支持されることができ、第1シール28およびベースインサート26は、2つの別個の部品である。次に、第1シール28およびベースインサート26は、共に、場合によっては可逆的に、組み立てられることができる。
【0046】
ここで、ベースインサート26は、第1シール28の一方の長手方向側にのみ延在することに留意されたい。しかしながら、変形例として、ベースインサート26は、第1シール28のいずれかの側で、包装および塗布装置10の長手方向Xに延在することができる。この場合では、第1シール28は、ベースインサート26内に係留、保持されるリングを形成する。このような構成は、特に、例えば射出成形により、ベースインサート26を第1シール28上にオーバーモールドすることにより得られることができる。
【0047】
第1シール28は、ここで、管状、好ましくは円筒状形状の主要部分28pを有する。主要部分28pの自由端で、シール28は、ビード28bを形成する。
ここで、ビード28bは径方向内方に方向づけられる。
【0048】
図1および図3に図示された例では、特に、フェルール16は、第1シール28を覆う。したがって、第1シール28は、フェルール16の存在により、ユーザから隠される。それにより、包装および塗布装置10の審美的な外観が維持される。
【0049】
さらに、図1に見えるように、特に、キャップ18は、ここで、キャップカバー36と、ウェイト38と、キャップインサート40と、キャップ装飾44と、を備える。第2シール42は、キャップ18に装着される。
【0050】
有利には、第2シール42は、例えば射出成形により、キャップインサート40上にオーバーモールドされる、または、キャップインサート40は、例えば射出成形により第2シール42上にオーバーモールドされる。したがって、第2シール42をキャップインサート40に容易に固定することが可能であり、これにより、包装および塗布装置10を組み立てるときに1つの部品のみを取り扱うことを可能にする。さらに、第2シール42とキャップインサート40との間の接触の密封性は、したがって、保証される。
【0051】
図示されない変形例によると、キャップインサート40が第2シール42上にオーバーモールドされる場合では、キャップインサート40は、第2シール42のいずれかの側で長手方向に延在することができる。
【0052】
図示されない別の変形例によると、キャップインサート40および第2シール42は単一の部品であり、同一材料で作成される。この場合では、第2シール42およびキャップインサート40は、単一の部品として、熱可塑性材料または金属、例えば、アルミニウムまたはZAMAC合金で作成されることができる。
【0053】
また、代替的には、第2シール42は、キャップインサート40、第2シール42、およびキャップインサート40上で独立して支持されることができ、次に、2つの別個の部品を形成する。次に、第2シール42およびキャップインサート40は、共に、あるいは可逆的に組み立てることができる。
【0054】
図示されるように、キャップカバー36は、一端が閉塞されたブッシュ形状を有する。キャップカバー36は、本質的に審美的な機能を有する。キャップカバー36の断面は、ここで、実質的に正方形である。しかしながら、キャップカバー36の断面は、また、円形または他の任意の形状、特に多角形をとることができる。
【0055】
ウェイト38は、キャップカバー36の内側に固定される。これを行うために、例えば、キャップカバー36は、ウェイト38上にオーバーモールドされるか、または逆に、ウェイト38は、キャップカバー36内に成形される。また、代替的には、ウェイト38は、例えば、キャップカバー36に接着することにより固定されることができる。ウェイト38は、有利には、円環形状を有する。ここで、ウェイト38の外側セクションは、カバー36のセクションと一致する実質的に正方形の形状であり、一方では、ウェイト38の内部セクションは、特に図7に見えるように、キャップインサート40を受容するために適した実質的に円形形状である。
【0056】
キャップ装飾44は、ウェイト38、キャップインサート40、および第2シール42をキャップカバー36およびキャップ装飾44に対して所定の位置に保持するように、カバー36の内側のハウジングを閉じるために使用される。キャップ装飾44は、ここで、弾性嵌合(またはスナップフィット)によりキャップ装飾44をキャップインサート40上に固定することを可能にする、弾性的に変形可能なアーム44bを有する。キャップ装飾44は、また、第2シール42を使用者から隠すために、第2シール42を覆う。これにより、包装および塗布装置10の審美的な外観が高められる。
【0057】
キャップインサート40および第2シール42は、図12から図15により明確に示される。
【0058】
特に、図14に示されるように、キャップインサート40は、その外側側面40eに、ノッチ46を有する。ここで、これらのノッチ46は、実質的に長手方向にある。ノッチ46は、また、キャップインサート40の底面40fに現れる。図示された例によると、キャップインサート40は、8つのノッチ46を有する。ノッチ46は、角度方向に分散される。ノッチ46は、カバー36の底部に形成された補完的な突出レリーフと協働し、キャップインサート40およびカバー36を長手方向軸X上の回転について固定することができる。また、あるいは代替的には、ノッチ46は、キャップインサート40を挟持することによりウェイト38の固定を容易にする。
【0059】
キャップインサート40は、また、その外側側面40e上に2つの長手方向リブ48を有する。ここで、2つの長手方向リブ48は反対側にあり、互いに180°離れて作り出されている。これらのリブ48は、特に、例えば、キャップカバー36の内側表面上におよび/またはウェイト38内に作り出された補完的な溝部との協働により、キャップインサート40が、その導入中にキャップカバー36および/またはウェイト38内に案内されることを可能にすることができる。2つの長手方向リブ48は、また、形状の補完性により、カバー36、ウェイト38、およびキャップインサート40が回転について固定されることを可能にする。さらに、図示された例では、キャップカバー36の開口部へ向かうウェイト38の移動は、キャップインサート40の径方向外側表面に突出レリーフ50が存在することにより防止される。
【0060】
その出口から後退して、キャップインサート40は、キャップインサート40にカバー36の内部セクションを実質的に補完するセクションを与えるために、径方向外方に延在する突出レリーフ54を形成する。したがって、形状の補完性により、キャップインサート40をカバー36に固定することが可能である。
【0061】
さらに、図示された例では、第2シール42は、実質的に管状、好ましくは円筒状形状の主要部分42pを備える。特に、主要部分42pは、回転対称性を有する実質的に円筒状である。第2シール42の主要部分42pは、例えば、キャップインサート40の端部部分の周りに配置される。主要部分42pは、特に、レリーフ54と接触するように、キャップインサート40の端部部分の周りに配置されることができる。主要部分42pの一部は、キャップインサート40に当接して、および/またはキャップ装飾44に当接して挟持されることができる。
【0062】
キャップインサート40の反対側の端部で、第2シール42の主要部分42pは、半径方向内方ビード42bを形成する。ビード42bが作り出される主要部分42pの対応する部分は、機構14のベース20とキャップ装飾44との間に挿入され、特に、機構14のベース20のリング23に当接して挟持される。
【0063】
したがって、キャップインサート40の内側における機構14のチューブ22に沿った、そして場合によっては機構14のベース20に沿った、装置10の外側へ向かう、化粧品の組成に関与する揮発性製品の蒸発は、制限され、回避さえされる。
【0064】
第1シール28および/または第2シール42は、特に、Hytrel(登録商標)およびArnitel(登録商標)のうちの一方で作成されることができる。ベースおよびキャップインサートは、特に、PCTA(ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート酸)で作成されることができる。
【0065】
ちょうど説明された例では、有利には、第1シール28の目的は、ベースインサート26内に画成された第1ハウジングL1の密封性を確保することであり、カップ19を通り、ブッシュ21とベースインサート26との間、そしてブッシュ21および/またはリング23に沿った装置10の外側への化粧品の成分の蒸発を防止する。このために、ここで、第1シール28は、一方では、機構14のベース20のリング23に挟持され、他方では、ベースインサート26上にオーバーモールドされる。
【0066】
同様に、第2シール42の目的は、キャップインサート40内に画成された第2ハウジングL2の密封性を確保することであり、したがって、カップ19からそしてチューブ22とキャップインサート40との間を通って装置10の外側への化粧品の成分の蒸発を防止する。ここで、このために、第2シール42は、一方では、機構14のベース20のリング23に挟持され、他方では、キャップインサート40上にオーバーモールドされる。
【0067】
リング23は、第1および第2ハウジングL1、L2を密封式に連結する。したがって、包装および塗布装置の閉塞された状態では、化粧品のスティックを受容する容積が画成され、この容積は密封される。
【0068】
すなわち、ここで、ベースインサート26、第1シール28、リング23、第2シール42、およびキャップインサート40により画成される容積は、外側に対して密封され、特に製品のスティックを収容する容積を構成する。
【0069】
しかしながら、ハウジングL1、L2の密封性が達成されると、「ピストン効果」は、包装および塗布装置10が閉塞されたときに、発生し得る。この「ピストン効果」は、化粧品のスティックの両端部に圧力差を創出することにより、カップ内の製品のスティックの移動を引き起こす可能性がある。
【0070】
上記で説明された例において、このピストン効果は、第1および第2ハウジングL1、L2を流体接続する空気経路F1が機構14内に存在することにより、回避される。したがって、空気はこれらの2つのハウジングL1、L2の間を循環することができ、2つのハウジングL1、L2内で実質的に同一の圧力を確保する。ここで、空気経路F1は、より具体的には、リング23とブッシュ21との間に延在する。したがって、この空気経路F1にもかかわらず、ハウジングL1、L2およびリング23は、実際に、包装および塗布装置の内側に、外側に対して密封された容積を画成する。
【0071】
この場合、カップ19の2つの端部は、それぞれのハウジングL1、L2に現れる。したがって、有利には、カップ19に受容される化粧品のスティックの2つの反対側の表面の間で実質的に同一の圧力が確保される。
【0072】
さらに、空気は2つのハウジングL1、L2のいずれかに閉じ込められず、逆に、一方のハウジングから他方のハウジングに流れることができる。したがって、製品のスティックにかかる応力は、スティックの各側に分散される。
【0073】
図示された例では、第1および第2ハウジングL1、L2並びに空気経路F1によって形成されるアセンブリは、包装および塗布装置10の閉塞された状態において、包装および塗布装置10の外部に対する密封容積を構成する。
【0074】
本発明は、図に対して以上に説明された実施形態のみに限定されるものでなく、逆に、当業者が利用可能な多数の変形に適する。
【0075】
まず第一に、第2シール42は、主要部分から径方向内方に延在する円環部分を含むことができる。この円環部分は、有利には、キャップインサートの出口の周りでリップに当接して、および/または機構のベースに当接して挟持することができる。
【0076】
さらに、説明される例では、第1および第2シールは、ビードを形成する。代替的に、または追加的に、第1シールおよび/または第2シールは、機構へ向かうドーム状である。これは、これらのシールの効果を高められる。
【0077】
また、シールが機構の同一要素および/またはベースカバーの同一要素に当接して挟持されている限り、第1および第2シールの位置が異なっていてもよく、機構のこの要素および/またはベースカバーのこの要素は第1および第2ハウジングを密封する方法で連結する。ベースカバーの要素は、特に、上記で説明された例のようにフェルール、またはベース外装シェルであってもよい。機構の要素は、特に、機構のブッシュ、リング、またはチューブであってもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…包装および塗布装置、12…ベースカバー、14…機構、16…フェルール、18…キャップ、19…カップ、19…径方向内方突起部、20…ベース、21…ブッシュ、22…チューブ、23…リング、24…ベース外装シェル、25…リブ、26…ベースインサート、28…第1シール、33…レリーフ、35…第1オリフィス、36…カバー、37…第2オリフィス、39…螺旋溝部、40…キャップインサート、42…第2シール、44…キャップ装飾、F1…空気経路、L1…第1ハウジング、L2…第2ハウジング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15