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特許7442496無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 92/18 20090101AFI20240226BHJP
   H04W 72/02 20090101ALI20240226BHJP
   H04W 4/44 20180101ALN20240226BHJP
   H04W 4/46 20180101ALN20240226BHJP
【FI】
H04W92/18
H04W72/02
H04W4/44
H04W4/46
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021505242
(86)(22)【出願日】2018-08-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 CN2018098281
(87)【国際公開番号】W WO2020024208
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2021-02-12
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】リン、ホエイ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、チェンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ルー、チエンシー
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】本郷 彰
【審判官】齋藤 哲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/027528(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるユーザ装置UEであって、前記UEは、
メモリ(12)と、
トランシーバ(13)と、
前記メモリ(12)および前記トランシーバ(13)に結合されたプロセッサ(11)と、を含み、
前記プロセッサ(11)は、
サイドリンクのリソースプールから複数のサイドリンクのリソースを選択するようにするとともに、
前記選択された複数のサイドリンクのリソースのうちの少なくとも1つが、別のUE(20)によって前もってすでに予約された前記サイドリンクのリソースと衝突し、且つ、前記別のUE(20)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも小さい場合に、前記別のUE(20)の少なくとも1つのリソース予約と衝突し且つ前記トランシーバ(13)によって送信されるデータメッセージの送信周期に対応するリソース予約間隔をサイドリンク制御情報(SCI)に指示することによって、前記別のUE(20)から前もって予約された前記サイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪するように、又は、
前記選択された複数のサイドリンクのリソースの1つ以上が、前記別のUE(20)によって送信されるサイドリンク制御情報(SCI)に指示された前記サイドリンクのリソースと衝突し、前記別のUE(20)によって送信されるSCIは、前記別のUE(20)によって送信されるデータメッセージの送信周期に対応するリソース予約間隔を含み、且つ、前記別のUE(20)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも大きい場合に、前記選択された複数のサイドリンクのリソースの1つ以上が前記別のUE(20)によって争奪されていると判断するように、
構成される、ユーザ装置UE。
【請求項2】
前記プロセッサ(11)が、以下の条件のうちの少なくとも1つが満たされる場合に、前記別のUE(20)から前もってすでに予約された前記サイドリンクのリソースの前記少なくとも1つを争奪するように更に構成され、前記以下の条件とは:
前記サイドリンクのリソースプールから争奪および/または衝突せずに選択および使用される、他の直ちに利用可能なサイドリンクのリソースが存在しないこと;
前記サイドリンクのリソースプールの観察されたチャネル混雑度CBRが80%よりも大きいこと;又は、
前記別のUE(20)によって予約された前記サイドリンクのリソースの争奪率が50%以下であることである、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記プロセッサ(11)が、以下の条件の少なくとも1つが満たされた場合、選択された複数のサイドリンクのリソースのうちの1つ以上が、前記別のUE(20)によって争奪されると判断するように更に構成され、前記以下の条件とは:
前記サイドリンクのリソースプールのCBRが80%より大きいこと;
又は、
前記別のUE(20)によって予約された前記サイドリンクのリソースの争奪率が50%以下であることである、請求項1に記載のUE。
【請求項4】
前記別のUE(20)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも小さくなる条件は、前記別のUE(20)によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのProSe per packet priority PPPPレベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのPPPPレベルよりも小さいことを含み、又は、
前記別のUE(20)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも大きくなる条件は、前記別のUE(20)によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのPPPPレベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのPPPPレベルよりも大きいことを含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載のUE。
【請求項5】
前記サイドリンクのリソースプールから前記選択された複数のサイドリンクのリソースのうちの1つが、前記別のUE(20)によって争奪される、若しくは、すでに、利用可能なリソースの一部ではない場合、前記プロセッサ(11)は、前記サイドリンクのリソースプールから他のサイドリンクのリソースを再選択するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のUE。
【請求項6】
前記サイドリンクのソースプールから前記選択された複数のサイドリンクのリソースのうちの1つが前記別のUE(20)によって争奪される、若しくは、すでに、利用可能なリソースの一部ではない場合であって、前記プロセッサ(11)は、他に利用可能なリソースが見つからない場合に、争奪されたサイドリンクのリソースのそれ自身のメッセージ送信をスキップするように構成されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載のUE。
【請求項7】
サイドリンクのリソースプールから複数のサイドリンクのリソースを選択すること(602)と、
前記選択された複数のサイドリンクのリソースのうちの少なくとも1つが、別のUE(20)によって前もってすでに予約された前記サイドリンクのリソースと衝突し、且つ、前記別のUE(20)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも小さい場合に、前記別のUE(20)の少なくとも1つのリソース予約と衝突し且つ前記トランシーバ(13)によって送信されるデータメッセージの送信周期に対応するリソース予約間隔をサイドリンク制御情報(SCI)に指示することによって、前記別のUE(20)から前もって予約された前記サイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪すること(604)、又は、
前記選択された複数のサイドリンクのリソースのうちの1つ以上が、前記別のUE(20)によって送信されるサイドリンク制御情報(SCI)に指示された前記サイドリンクのリソースと衝突し、前記別のUE(20)によって送信されるSCIは、前記別のUE(20)によって送信されるデータメッセージの送信周期に対応するリソース予約間隔を含み、且つ、前記別のUE(20)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも大きい場合に、前記選択された複数のサイドリンクのリソースの1つ以上が前記別のUE(20)によって争奪されていると判断することと、を含む、
ユーザ装置UEの無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法。
【請求項8】
以下の条件のうちの少なくとも1つが満たされる場合に、前記別のUE(20)から前もってすでに予約された前記サイドリンクのリソースの前記少なくとも1つを争奪すること(606)を更に含み、前記以下の条件とは、
前記サイドリンクのリソースプールから争奪および/または衝突せずに選択および使用される、他の直ちに利用可能なサイドリンクのリソースが存在しないこと;
前記サイドリンクのリソースプールの観察されたチャネル混雑度CBRが80%よりも大きいこと;又は、
前記別のUE(20)によって予約された前記サイドリンクのリソースの争奪率が50%以下である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
以下の条件の少なくとも1つが満たされた場合、選択された複数のサイドリンクのリソースのうちの1つ以上が、別のUE(20)によって争奪されることを判断することを更に含むものであり、前記以下の条件とは:
前記サイドリンクのリソースプールのCBRが80%より大きいこと;又は、
前記別のUE(20)によって予約された前記サイドリンクのリソースの争奪率が50%以下であることである、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記別のUE(20)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも小さくなる条件は、前記別のUE(20)によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのProSe per packet priority PPPPレベルが、前記UEによって送信される少なくとも1つのデータメッセージのPPPPレベルよりも小さいことを含み、又は、
前記別のUE(20)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも大きくなる条件は、前記別のUE(20)によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのPPPPレベルが、前記トランシーバ(13)によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのPPPPレベルよりも大きいことを含む、
請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記サイドリンクのリソースプールから前記選択された複数のサイドリンクのリソースのうちの1つが、別のUE(20)によって争奪される、若しくは、すでに、利用可能なリソースの一部ではない場合、前記サイドリンクのリソースプールから他のサイドリンクのリソースを再選択する、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記サイドリンクのソースプールから前記選択された複数のサイドリンクのリソースのうちの1つが別のUE(20)によって争奪される、若しくは、すでに、利用可能なリソースの一部ではない場合であって、他に利用可能なリソースが見つからない場合に、争奪されたサイドリンクのリソースのそれ自身のメッセージ送信をスキップする、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記別のUE(20)によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのレイテンシ送信が、前記UEによって送信される少なくとも1つのデータメッセージのレイテンシ送信よりも長い、請求項7~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
短い送信時間間隔を有する少なくとも1つのデータメッセージを送信することを更に含む、請求項7~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記別のUE(20)によって送信される少なくとも1つのデータメッセージの送信周期が、前記UEによって送信される少なくとも1つのデータメッセージの送信周期よりも大きい、請求項7~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は通信システムの分野に関し、より詳細には、無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法および装置に関する。
【関連技術の説明】
【0002】
これまで以上に進化した車車間・路車間(V2X)通信とそのサービスをサポートするための高度道路交通システム(ITS)の進化の一環として、道路上のユーザ装置(UE)間において、クリティカルなデータメッセージ、およびより頻繁なクリティカルなデータメッセージを送信することが必要となり、それと同時に、ITSの適切な動作を確保し、道路使用者のために安全性の高い環境を維持し続けるために、データメッセージのサイズが増加する可能性もあるということは避けられない。
【0003】
ロングタームエボリューション(LTE)-V2X通信用に第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によってリリース14および15において開発された、現在のサイドリンクモード4としても一般に知られている、既存の自律的なサイドリンク(SL)リソース選択メカニズムでは、リソース選択UEが、SLリソースの過去の測定値、およびセンシング期間中に他のUEから物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)において伝達されたサイドリンク制御情報(SCI)の読取り値に基づいて、メッセージ送信に利用可能な候補となるSLリソースのセットを最初に特定しなければならない。SLリソースが、SCIのリソース予約フィールドに従い、別のUEによって同一の周波数位置上にすでにあらかじめ予約されている場合、また、測定された物理サイドリンク共有チャネル-参照信号受信電力(PSSCH-RSRP)レベルが、特定の設定されたしきい値(SL-ThresPSSCH-RSRP)を上回る場合、リソース選択ウィンドウのSLリソースは利用できないとみなさなくてはならない。更にまた、指示されたリソース予約間隔ごとに発生する同一の周波数にあるリソースもまた、送信UEによる選択には利用できないと考えるべきである。従って、原理上、上記リソース除外基準の範囲に入らない任意のリソースが、SLメッセージを送信するためにリソース選択UEによって選ばれる可能性のある潜在的な候補となる。しかしながら、送信されたPSSCHの復調参照信号(DMRS)に基づいてわずかに測定されたPSSCH-RSRPレベルに関しては、通常、送信された信号が遠方から来たものであるということを意味する。
【0004】
本来のメッセージ送信UE(Tx-UE)とリソース選択UEとの間にある任意の受信UE(Rx-UE)に関しては、本来のTx-UEから受信されるPSSCHは、電力レベルが妥当なものである場合があり、かつ、メッセージが高優先度のものである可能性がある。リソース選択UEが、高優先度である可能性もあるそれ自身のメッセージ送信に、同一のSLリソースを選ぶ場合、本来のTx-UEの高優先度のメッセージに衝突が生じる可能性があり、従ってこれら2つのUE間にあるすべてのRx-UEに干渉を引き起こし、いずれのメッセージも復号できなくなる可能性がある。更にまた、利用可能なリソースの割合が20%より小さい場合、リソース選択RSRPしきい値(SL-ThresPSSCH-RSRP)がリソース選択UEにより3dBだけ増加する。そのため、他の優先度の高いメッセージに使用されるそのようなリソースを、選択の対象に含むことも可能となる。リリース15のモード4のリソース選択手順に基づくと、高優先度のメッセージが十分に保護されていないことが結論付けられる。
【0005】
すべての今後の運用シナリオ、およびnew Radio(NR)-V2Xなどの次世代のV2X通信によってサポートされる、進化したV2Xユースケースを取り入れた3GPPテクニカルレポート(TR)22.886によると、送信レイテンシおよびデータ配信の信頼性の観点から、基本的な安全メッセージを配信するためにリリース15に規定されているものよりも非常に厳格な要件が記載されている。そのため、第5世代のnew radio(5G-NR)システムでは、これらの要件を満たすために、はるかに高速かつロバストな送信メカニズムが必要となる。同時に、これまでになく厳しいユーザ当たりの送信量に対する要求に応じるために、限られた利用可能なサイドリンクのリソースの利用効率も向上させなければならない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的は、new radio(NR)-車車間・路車間(V2X)通信のためのサイドリンクのリソース選択および争奪についての簡単かつ効果的な方法と、NR-V2X通信における高優先度のメッセージに対する良好な保護との少なくとも1つを提供するために、無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法および装置を提案することである。
【0007】
本開示の第1の態様では、無線通信システムのユーザ装置(UE)は、メモリと、トランシーバと、メモリおよびトランシーバに結合されたプロセッサとを含む。プロセッサは、サイドリンクのリソースプールから複数のサイドリンクのリソースを選択し、別のUEから前もって予約されたサイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪するように構成される。
【0008】
本開示の第2の態様では、ユーザ装置(UE)の無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法は、サイドリンクのリソースプールから複数のサイドリンクのリソースを選択することと、別のUEから前もって予約されたサイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪することとを含む。
【0009】
本開示の実施形態では、無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法およびUEは、NR-V2X通信のためのサイドリンクのリソース選択および争奪についての簡単かつ効果的な方法と、NR-V2X通信における高優先度のメッセージに対する良好な保護との少なくとも1つを提供するように、サイドリンクのリソースプールからサイドリンクのリソースを選択することと、別のUEから前もって予約された少なくとも1つのサイドリンクのリソースを争奪することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の実施形態または関連技術をより明確に例示するために、実施形態で説明される以下の図を簡潔に紹介する。図面は、本開示のいくつかの実施形態に過ぎないことは明らかであり、当分野の通常の技術を有する者は、既述事項に注意を払うことなく、これらの図に従って、他の図を得ることができる。
【0011】
図1】本開示の一実施形態による、無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するためのユーザ装置のブロック図である。
【0012】
図2】本開示の実施形態による、サイドリンクのリソースプールの構造の図である。
【0013】
図3】本開示の実施形態による、サイドリンクのリソースプールの構造の図である。
【0014】
図4】本開示の一実施形態による、無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法を例示するフローチャートである。
【0015】
図5】本開示の実施形態による、無線通信のためのシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の添付図面を参照しながら、技術的事柄、構造的特徴、達成された目的、および効果と共に、本開示の実施形態を詳細に記載する。詳しくは、本開示の実施形態における専門用語は、特定の実施形態の目的を単に記載するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。
【0017】
図1は、いくつかの実施形態での、本開示の一実施形態による無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するためのユーザ装置(UE)10を図示するものである。UE10は、プロセッサ11、メモリ12およびトランシーバ13を含み得る。プロセッサ11は、本明細書に記載される、提案された機能、手順および/または方法を実装するように構成されてもよい。プロセッサ11には、無線インタフェースプロトコルのレイヤが実装されていてもよい。メモリ12は、プロセッサ11と動作可能に結合され、プロセッサ11を作動させるための各種情報を格納する。トランシーバ13は、プロセッサ11と動作可能に結合され、無線信号を送信および/または受信する。
【0018】
別のUE20は、プロセッサ21、メモリ22およびトランシーバ23を含み得る。プロセッサ21は、本明細書に記載される、提案された機能、手順および/または方法を実装するように構成されてもよい。プロセッサ21には、無線インタフェースプロトコルのレイヤが実装されていてもよい。メモリ22は、プロセッサ21に動作可能に結合され、プロセッサ21を作動させるための各種情報を格納する。トランシーバ23は、プロセッサ21と動作可能に結合され、無線信号を送信および/または受信する。
【0019】
プロセッサ11および21は、特定用途向け集積回路(ASIC)、他のチップセット、理論回路および/またはデータ処理デバイスを含んでもよい。メモリ12および22は、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、メモリカード、記憶媒体、および/または他の記憶デバイスを含んでもよい。トランシーバ13および23は、無線周波数信号を処理するためのベースバンド回路を含んでもよい。実施形態がソフトウェアで実装される場合、本明細書に記載される技術は、本明細書に記載される機能を実行するモジュール(例えば、プロシージャ、関数等)によって実装することができる。モジュールは、メモリ12および22内に格納され、プロセッサ11および21によって実行することができる。メモリ12および22は、プロセッサ11および21の内部に、またはプロセッサ11および21の外部に実装することができ、外部の場合は、当該技術分野で公知の様々な手段を介してプロセッサ11および21に通信可能に結合することができる。
【0020】
UE10とUE20との間の通信は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE)のリリース15、および/または5G-NR無線アクセス技術のもとで開発されたサイドリンク技術に準拠した車車間(V2V)、歩車間(V2P)、および路車間/車ネットワーク間(V2I/N)を含む車車間・路車間(V2X)通信に関連する。UE10およびUE20は、PC5インタフェースなどのサイドリンクインタフェースを介して互いに直接通信している。
【0021】
いくつかの実施形態では、UE10のプロセッサ11は、サイドリンクのリソースプールから複数のサイドリンクのリソースを選択し、別のUE20から前もって予約されたサイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪するように構成されている。詳細には、プロセッサ11は、以下の条件のうちの少なくとも1つが満たされる場合に、別のUE20から前もって予約されたサイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪するように構成される。以下の条件とは、サイドリンクのリソースプールから争奪および/または衝突せずに選択および使用される、他の直ちに利用可能なサイドリンクのリソースが存在しないこと、サイドリンクのリソースプールの観察されたチャネル混雑度(CBR)が80%よりも大きいこと、別のUE20によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、トランシーバ13によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも小さいこと、および別のUE20によって予約されたサイドリンクのリソースの争奪率が50%以下であることを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、別のUE20によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのProSe per packet priority(PPPP)レベルは、トランシーバ13によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのPPPPレベルよりも小さい。別のUE20によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのレイテンシ送信は、トランシーバ13によって送信される少なくとも1つのデータメッセージのレイテンシ送信よりも大きい。トランシーバ13は、短い送信時間間隔を有する少なくとも1つのデータメッセージを送信するように構成される。別のUE20によって送信される少なくとも1つのデータメッセージの送信周期は、トランシーバ13によって送信される少なくとも1つのデータメッセージの送信周期よりも大きい。
【0023】
更にまた、プロセッサ11は、別のUE20の少なくとも1つのリソース予約と衝突するリソース予約間隔をサイドリンク制御情報(SCI)に指示することによって、別のUE20から前もって予約されたサイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪するように構成される。トランシーバ13は、別のUE20がリソース争奪指示を検出して応答するための時間を持てるように、別のUE20の少なくとも1つのリソース予約の少なくとも1つの周期サイクルの前に、リソース争奪指示を送信するように構成される。例えば、トランシーバ13は、別のUE20がサイドリンクのリソースプールから少なくとも1つの代替のサイドリンクのリソースを見つけ出すための時間が持てるように、別のUE20の少なくとも1つのリソース予約の少なくとも1つの周期サイクルの前に、リソース争奪指示を送信するように構成される。トランシーバ13は、別のUE20が少なくとも1つの新規のリソース予約を行うための時間を持てるように、別のUE20の少なくとも1つのリソース予約の少なくとも1つの周期サイクルの前に、リソース争奪指示を送信するように構成される。トランシーバ13は、別のUE20が少なくとも1つの争奪リソースのメッセージ送信をスキップするための時間を持てるように、別のUE20の少なくとも1つのリソース予約の少なくとも1つの周期サイクルの前に、リソース争奪指示を送信するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、プロセッサ11は、選択されたサイドリンクのリソースが、データメッセージのPPPPレベルの降順での優先度に従って、データメッセージを送信するための候補となるかどうかを判断するように構成される。プロセッサ11は、選択されたサイドリンクのリソースが、データメッセージの送信周期の降順での優先度に従って、データメッセージを送信するための候補となるかどうかを判断するように構成される。データメッセージの送信周期には、リソース予約間隔が含まれていてもよい。プロセッサ11は、選択されたサイドリンクのリソースが、データメッセージの測定された参照信号受信電力(RSRP)レベルの降順での優先度に従って、データメッセージを送信するための候補となるかどうかを判断するように構成される。プロセッサ11は、サイドリンクのリソースの物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)の復調参照信号(DMRS)、サイドリンクのリソースの物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)のDMRS、サイドリンクのリソースのガード期間(GP)領域の受信信号強度インジケータ(RSSI)レベル、またはサイドリンクのリソースの自動利得制御(AGC)領域のRSSIレベルに従って、データメッセージの測定されたRSRPレベルを取得するように構成される。
【0025】
更に、PPPPレベルを有する送信データメッセージによって予約された少なくとも1つのサイドリンクのリソースは、この送信データメッセージのPPPPレベル以下のPPPPレベルを有するデータメッセージを持つUE10があることによって、候補にはならない。PPPPレベルを有する送信データメッセージによって予約された少なくとも1つのサイドリンクのリソースは、この送信データメッセージのPPPPレベルより大きいPPPPレベルを有するデータメッセージを持つUE10があることによって候補となる。予約周期を有するサイドリンクのリソースのうちの1つは、このサイドリンクのリソースの予約周期よりも小さい予約周期を有する別のサイドリンクのリソースよりも、高い選択の優先度を有する。測定されたRSRPレベルを有するサイドリンクのリソースのうちの1つは、このサイドリンクのリソースの測定されたRSRPレベルよりも大きい測定されたRSRPレベルを有する別のサイドリンクのリソースよりも、高い選択の優先度を有する。
【0026】
本開示の実施形態は、LTE-V2Xにおける高優先度のメッセージに対して良好な保護を提供しない、既存のリソース選択および除外スキームにおいて、UE10が優先度の低いメッセージを送信するために予約されたサイドリンクのリソースを選択して争奪することが可能な新規メカニズムを導入することによって、上記に記載された問題を解決することを目的としている。本開示の実施形態は、新規のリソース予約および争奪スキームの効果、送信がすでにスケジューリングされている高優先度のメッセージに対する拡張保護、新規のリソースの予約を必要とする、新たに到着した高優先度のメッセージに対する拡張保護、優先度の高いメッセージに提供される、より多くのサイドリンクのリソース/送信機会、および場合によりサイドリンクのリソースの高い稼働率などの、少なくとも1つの利点を提供する。
【0027】
いくつかの実施形態では、高優先度のサイドリンク(SL)のデータメッセージ、例えば、高いPPPPレベルを有するメッセージ、緊急送信や短い送信時間間隔(sTTI)などの低レイテンシ要件を有するメッセージ、および/または短い送信周期を有するメッセージを送信するための、簡単かつ効果的なリソース選択および争奪メカニズムが開示される。上記の条件のうちの少なくとも1つに基づいて、測定されたRSRPレベルが高く、ProSe Per Packet Priority(PPPP)が低い予約されたSLリソースを、優先度の高いメッセージを送信するために、UE10などのリソース選択UEが、なお選択して争奪することができる。
【0028】
更に、使用率の高い(例えばCBR>80%が観察される)サイドリンクのリソースプール、および/または(事前)設定されている、もしくは事前に許容されているリソースプールでは、高優先度のメッセージを有するリソース選択UEは、優先度の低いメッセージを送信するために他のUEによってあらかじめ予約されているSLリソースに対して予約し、争奪するために、以下の一般的手続きを実行する。
【0029】
工程1:リソース選択UEは、その高優先度のメッセージを送信するために、リソース予約、優先度情報、およびセンシング期間内でリソースをセンシングする動作から取得される測定されたRSRPレベルに基づいて、上記に記載されたリソース選択基準のうちの少なくとも1つを満たす、最も好適なリソースを特定する。
【0030】
工程2:工程1から選択されたSLリソースのいずれかが、別のUEのすでに予約されたリソースと衝突するであろう場合、リソース選択UEは、あらゆる衝突に十分間に合うように(例えば、少なくともパケットレイテンシまたは本来のTx-UEのパケットTx周期の長さで)、その高優先度のメッセージを送信し、SCIのリソース予約フィールドを用いて、その少なくとも1つの衝突するリソースに対して争奪するという意図を示す。
【0031】
受信されたPSCCH情報からの予約情報を引き続いて監視し、その予約されたリソースのうちの1つ以上が、優先度の高いメッセージを有する別のUEと争奪されていることを検出するTx-UEに関して、Tx-UEは以下の選択肢の1つを実行してもよい。
【0032】
選択肢1:送信をスキップしてもなお、パケット受信率および/または信頼性要件を満たす場合、争奪されたリソースのそれ自身のメッセージ送信をスキップする。
【0033】
選択肢2:別の空の/利用可能なリソースを再選択してそのSLメッセージを送信し、衝突を回避する。
【0034】
選択肢3:Tx衝突が連続的なものである(例えば、本来の予約されたリソースの最高50%が争奪されている)と判断される場合、Tx-UEは、そのSLメッセージが引き続き送信されて、すべての規定されたパケット受信率、信頼性およびレイテンシ要件をなお満たすことができるように、新規の周波数リソースを再選択し、予約を実行する。
【0035】
いくつかの実施形態では、そのすべてが上記の実施形態に記載されたリソース選択基準を満たす、複数のリソースの争奪機会が存在する場合、SLリソースを選択して争奪するときに以下の優先順位に従ってもよい。
【0036】
優先順位1(最も高い優先度):送信メッセージに指示される、PPPPレベルが最も低いSLリソースを選択してもよい。複数のリソースの争奪機会の中に、同一の最も低いPPPPレベルを有する2回以上の機会が存在する場合、以下の優先順位2に従ってもよい。
【0037】
優先順位2(2番目の優先度):送信メッセージに指示される、リソース予約間隔が最も長いSLリソースを選択してもよい。優先順位1の後に残った複数のリソースの争奪機会の中に、同一の最も長いリソース予約間隔を有する2回以上の機会がなお存在する場合、以下の優先順位3に従ってもよい。
【0038】
優先順位3(3番目の優先度):測定されたRSRPレベルまたはRSSIレベルが最も低いSLリソースを選択してもよい。RSRPレベルはPSCCHのDMRSまたはPSSCHのDMRSに基づいて測定することができ、RSSIレベルはリソースのGP領域またはAGC領域の範囲内で測定することができる。優先順位2の後に残った複数のリソースの争奪機会の中に、同一の最も低い測定されたRSRPまたはRSSIレベルを有する2回以上の機会がなお存在する場合、最終的な機会を等確率でランダムに選択してもよい。
【0039】
その結果、PPPPレベルが低いメッセージを有するリソース選択UEは、PPPPレベルが高い送信メッセージによって予約されるSLリソースを、潜在的な候補/機会であるとみなすことができない。同様に、異なるメッセージのPPPPレベルの範囲内で、PPPPレベルがリソース選択UEのメッセージよりも低い送信メッセージによって予約されるSLリソースは、PPPPレベルがリソース選択UEのメッセージと同等の送信メッセージによって予約されるSLリソースよりも高い優先度を有する。
【0040】
更にまた、異なるリソース予約周期/間隔の範囲内で、予約周期/間隔が長いSLリソースは、予約周期/間隔が短いSLリソースよりも高い選択の優先度を有する。また、異なる測定されたRSRPレベルの範囲内で、測定されたRSRP/RSSIレベルが低いSLリソースは、測定されたRSRP/RSSIレベルが高いSLリソースよりも高い選択の優先度を有する。
【0041】
図2を参照すると、別のV2XのUEによってすでに予約されたSLリソースに対して、高優先度のメッセージを送信するために提案されたリソース選択および争奪動作が例示的に図示されている。SLリソースプール200および300において、SLリソース201は、14個のシンボルを有する1つのスロット長の長さとなり、LTE-V2X通信のサブチャネルと同等の4つの物理リソースブロック(PRB)の周波数サイズとなり得る。SLリソースは、複数のタイムスロット、および/またはより多くのPRBにまたがる、1つまたは複数のサブチャネルからなっていてもよい。周期的にV2Xメッセージを送信する必要のある第1のUEでは、第1のUEがSCIにおいてリソース予約間隔パラメータを25ミリ秒に設定することによって、SLリソースプール200にギャップ間隔が25ミリ秒のSLリソースのセット202、203、204、205、206等を予約する。第1のUEよりも優先度の高い送信メッセージを有する第2のUEはまた、SLリソースを10ミリ秒ごとに周期的に予約することを必要とする。センシングおよび測定結果に基づいて、第2のUEは、207、208、209、210、204、211、212、213、214、206および215のSLリソースのセットが、上述の一連のリソース選択基準に基づいた好適なリソースの選択であるということを特定する。図示されるように、これらの好適なリソースの大部分は空であり、207、208、209、210、211、212、213、214、215は予約されていないものの、50ミリ秒、100ミリ秒等の瞬間時間で204および206に選択されたリソースが、第1のUEによってすでに予約されているリソースと衝突する。第2のUEが、選択された好適なリソースのセットを予約して、204および206で衝突するリソースに対して争奪するため、第2のUEがリソース207、208、209、210、204、211、212、213、214、206および215においてV2Xメッセージを送信するたびに、SCIに10ミリ秒のリソース予約間隔を指示する。
【0042】
第2のUEが、リソース204および206が衝突する前に、第1のUEの予約間隔の25ミリ秒の2回以上の周期サイクルである10ミリ秒に相当する時間から十分前もって開始される、10ミリ秒ごとの第2のUEのリソース予約を周期的に指示するので、第1のUEは、そのような未確定の衝突を検出するのに十分な時間を有することとなる。また、第1のUEのメッセージ優先度レベルよりも高い第2のUEのメッセージ優先度レベルの読取り値(SCIのPPPP値)に基づき、第1のUEもまた、第2のUEからこれらの衝突しているリソースが争奪するということを認識する。そのため、第1のUEは、50ミリ秒および100ミリ秒に相当する時間でそのメッセージを送信するために、代替のリソース216および217を探す。Txの衝突/リソース争奪が50ミリ秒ごとに発生するので、第1のUEは、利用可能なリソースがある場合に、50ミリ秒の時間ギャップを有する新規のSLリソースのセットを周期的に予約することができる。
【0043】
その結果、SLリソースプール用のリソースの結果として生じた予約が300に図示され、ここで、第1のUEは、301および303において2つの別個の予約されたリソースのセットを有し、第2のUEは、2つの衝突するリソースに対して首尾よく争奪し、その優先度の高いメッセージを送信するために、リソースのセットを302において予約することになる。
【0044】
図3を参照すると、別のV2XのUEによってすでに予約されているSLリソースに対して、高優先度のメッセージを送信するために提案されたリソース選択および争奪動作についての別の例示的な図が図示されている。周期的にV2Xメッセージを送信する必要のある第1のUEでは、第1のUEがSCIにおいてリソース予約間隔パラメータを50ミリ秒に設定することによって、SLリソースプール400にギャップ間隔が50ミリ秒のSLリソースのセット401、402、403、404、405等を予約する。この第1のUEよりも優先度の高い送信メッセージを有する第2のUEはまた、SLリソースを3ミリ秒ごとに周期的に予約することを必要とする。センシングおよび測定結果に基づいて、第2のUEは、406、407、408、409、410、411、412、404、413、414および415のSLリソースのセットが、上述の一連のリソース選択基準に基づいた好適なリソースの選択であるということを特定する。図示されるように、これらの好適なリソース406、407、408、409、410、411、412、413、414、415の大部分は空であり、予約はされていないものの、150ミリ秒の瞬間時間で150ミリ秒ごとに404等に選択されるリソースが、第1のUEによってすでに予約されているリソースと衝突する可能性がある。第2のUEが、選択された好適なリソースのセットを予約して、404等で衝突するリソースに対して争奪するため、第2のUEがリソース406、407、408、409、410、411、412、404、413、414および415においてV2Xメッセージを送信するたびに、SCIに3ミリ秒のリソース予約間隔を指示する。
【0045】
第2のUEが、リソース404等が衝突する前に、第1のUEの予約間隔の50ミリ秒の2回以上の周期サイクルである3ミリ秒に相当する時間から十分前もって開始される、3ミリ秒ごとの第2のUEのリソース予約を周期的に指示するので、第1のUEは、そのような未確定の衝突を検出するのに十分な時間を有することとなる。また、第1のUEのメッセージ優先度レベルよりも高い第2のUEのメッセージ優先度レベルの読取り値(SCIのPPPP値)に基づき、第1のUEもまた、第2のUEから、これらの衝突しているリソースが争奪するということを認識する。そのため、第1のUEは、150ミリ秒に相当する時間でそのメッセージを送信するために、代替のリソース416を探す。Txの衝突/リソース争奪が150ミリ秒ごとに発生するので、第1のUEは、利用可能なリソースがある場合に、150ミリ秒の時間ギャップを有する新規のSLリソースのセットを周期的に予約することを選択することができる。あるいは、第1のUEは、関連するパケット受信率および/もしくは信頼性要件を侵害することなく、第1のUEがその時点で利用可能なリソースを見つけ出すことができない場合、新規のリソースのセットを予約せず、ワンショット送信を150ミリ秒ごとに実行することを選択してもよいか、または送信をスキップすることを選択してもよい。
【0046】
その結果、SLリソースプール用のリソースの結果として生じた予約が500に図示され、ここで、第1のUEは、501において予約されたただ1つのリソースのセットと、150ミリ秒に相当する時間でワンショット送信をするための別個のリソース503とを有してもよく、第2のUEは、衝突するリソースに対して首尾よく争奪し、その優先度の高いメッセージを送信するために、502においてリソースのセットを予約することになる。
【0047】
図4は、本開示の一実施形態による、無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法600を例示するものである。
【0048】
方法600は、ブロック602において、サイドリンクのリソースプールから複数のサイドリンクのリソースを選択することと、ブロック604において、別のUE20から前もって予約されたサイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪することと、ブロック606において、以下の条件のうちの少なくとも1つが満たされる場合に、別のUEから前もって予約されたサイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪することとを含み、ここで、以下の条件とは、サイドリンクのリソースプールから争奪および/または衝突せずに選択および使用される、他の直ちに利用可能なサイドリンクのリソースが存在しないこと、サイドリンクのリソースプールの観察されたチャネル混雑度(CBR)が80%よりも大きいこと、別のUE20によって送信される観察されたパケットの優先度レベルが、UE10によって送信される観察されたパケットの優先度レベルよりも小さいこと、および別のUE20によって予約されたサイドリンクのリソースの争奪率が50%以下であることを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、方法600は、短い送信時間間隔を有する少なくとも1つのデータメッセージを送信することを更に含む。方法600は、別のUE20の少なくとも1つのリソース予約と衝突するリソース予約間隔をサイドリンク制御情報に指示することによって、別のUE20から前もって予約されたサイドリンクのリソースの少なくとも1つを争奪することを更に含む。方法600は、別のUE20がリソース争奪指示を検出して応答するための時間を持てるように、別のUEの少なくとも1つのリソース予約の少なくとも1つの周期サイクルの前に、リソース争奪指示を送信することを更に含む。方法600は、別のUE20がサイドリンクのリソースプールから少なくとも1つの代替のサイドリンクのリソースを見つけ出すための時間が持てるように、別のUE20の少なくとも1つのリソース予約の少なくとも1つの周期サイクルの前に、リソース争奪指示を送信することを更に含む。方法600は、別のUE20が少なくとも1つの新規のリソース予約を行うための時間を持てるように、別のUE20の少なくとも1つのリソース予約の少なくとも1つの周期サイクルの前に、リソース争奪指示を送信することを更に含む。方法600は、別のUE20が少なくとも1つの争奪リソースのメッセージ送信をスキップするための時間を持てるように、別のUE20の少なくとも1つのリソース予約の少なくとも1つの周期サイクルの前に、リソース争奪指示を送信することを更に含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、方法600は、選択されたサイドリンクのリソースが、データメッセージのPPPPレベルの降順での優先度に従って、データメッセージを送信するための候補となるかどうかを判断することを更に含む。方法600は、選択されたサイドリンクのリソースが、データメッセージの送信周期の降順での優先度に従って、データメッセージを送信するための候補となるかどうかを判断することを更に含む。方法600は、選択されたサイドリンクのリソースが、データメッセージの測定された参照信号受信電力(RSRP)レベルの降順での優先度に従って、データメッセージを送信するための候補となるかどうかを判断することを更に含む。方法600は、サイドリンクのリソースの物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)の復調参照信号(DMRS)、サイドリンクのリソースの物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)のDMRS、サイドリンクのリソースのガード期間(GP)領域の受信信号強度インジケータ(RSSI)レベル、またはサイドリンクのリソースの自動利得制御(AGC)領域のRSSIレベルに従って、データメッセージの測定されたRSRPレベルを取得することを更に含む。
【0051】
図5は、本開示の実施形態による、無線通信のためのシステム700のブロック図である。本明細書で記載される実施形態は、任意の最適に構成されたハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用して、システム内に実装されてもよい。図5は、一実施形態に関し、少なくとも図示されているように、互いに結合された無線周波数(RF)回路710、ベースバンド回路720、アプリケーション回路730、メモリ/ストレージ740、ディスプレイ750、カメラ760、センサ770、および入出力(I/O)インタフェース780を含む例示的なシステム700を図示するものである。
【0052】
アプリケーション回路730は、1つ以上のシングルコアまたはマルチコアプロセッサなどであるが、これらに限定されない回路を含んでもよい。プロセッサは、汎用プロセッサと、グラフィックスプロセッサ、アプリケーションプロセッサなどの専用プロセッサとの任意の組み合わせを含んでもよい。プロセッサは、メモリ/ストレージに結合され、メモリ/ストレージに格納された命令を実行するように構成され、システム上で実行中の様々なアプリケーションおよび/またはオペレーティングシステムを有効にしてもよい。
【0053】
ベースバンド回路720は、1つ以上のシングルコアまたはマルチコアプロセッサなどであるが、これらに限定されない回路を含んでもよい。プロセッサには、ベースバンドプロセッサが含まれていてもよい。ベースバンド回路は、RF回路を介して1つ以上の無線ネットワークとの通信を可能にする様々な無線制御機能を処理することができる。無線制御機能としては、信号変調、符号化、復号化、無線周波数偏移等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、ベースバンド回路は、1つ以上の無線技術と互換性のある通信を提供してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路は、発展型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(EUTRAN)、および/または他の無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)との通信をサポートしてもよい。ベースバンド回路が2つ以上の無線プロトコルの無線通信をサポートするように構成される実施形態では、マルチモードベースバンド回路と称され得る。
【0054】
様々な実施形態では、ベースバンド回路720は、厳密にはベースバンド周波数の範囲内にあるとはみなされない信号によって動作する回路を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベースバンド回路は、ベースバンド周波数と無線周波数との間にある、中間周波数を有する信号によって動作する回路を含んでもよい。
【0055】
RF回路710は、非個体媒体を介して変調された電磁放射を使用して、ワイヤレスネットワークとの通信を可能にしてもよい。様々な実施形態では、RF回路は、ワイヤレスネットワークによる通信を容易にするためのスイッチ、フィルタ、増幅器等を含んでもよい。
【0056】
様々な実施形態では、RF回路710は、厳密には無線周波数の範囲内にあるとはみなされない信号によって作動する回路を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、RF回路は、ベースバンド周波数と無線周波数との間にある、中間周波数を有する信号によって動作する回路を含んでもよい。
【0057】
様々な実施形態では、ユーザ装置、eNBまたはgNBに関して、上記で述べたトランスミッタ回路、制御回路またはレシーバ回路は、RF回路、ベースバンド回路、および/またはアプリケーション回路のうちの1つ以上において全体的にあるいは部分的に具現化されてもよい。本発明で使用する場合、「回路」とは、1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行する、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、プロセッサ(共有プロセッサ、専用プロセッサ、もしくはプロセッサグループ)、および/またはメモリ(共有メモリ、専用メモリ、もしくはメモリグループ)、組合せ論理回路、および/または記載された機能を提供する他の好適なハードウェアコンポーネントを意味するか、それらの一部であるか、またはそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアモジュールに電子デバイス回路が実装されていてもよく、または1つ以上のソフトウェアまたはファームウェアモジュールによって、回路と関連する機能が実装されてもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、ベースバンド回路、アプリケーション回路および/またはメモリ/ストレージの構成要素の一部または全部が、システムオンアチップ(SOC)のシステム上で共に実装されてもよい。
【0059】
メモリ/ストレージ740を使用して、例えばシステムのデータおよび/または命令をロードして格納してもよい。一実施形態のメモリ/ストレージは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、および/またはフラッシュメモリなどの不揮発性メモリなどの、好適な揮発性メモリの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0060】
様々な実施形態では、I/Oインタフェース780は、ユーザがシステムと相互作用できるように設計された1つ以上のユーザインタフェース、および/または周辺コンポーネントがシステムと相互作用できるように設計された周辺コンポーネントインタフェースを含んでもよい。ユーザインタフェースとしては、物理キーボードまたはキーパッド、タッチパッド、スピーカ、マイクロホン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。周辺コンポーネントインタフェースとしては、不揮発性メモリポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、オーディオジャック、および電源インタフェースが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0061】
様々な実施形態では、センサ770は、システムに関する環境条件および/または位置情報を決定するための1つ以上のセンシングデバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサとしては、ジャイロセンサ、加速度計、近接センサ、周囲光センサ、および位置決めユニットが挙げられるが、これらに限定されるものではない。位置決めユニットはまた、位置決めネットワークのコンポーネント、例えば全地球測位システム(GPS)衛星と通信するためのベースバンド回路および/またはRF回路の一部であってもよく、またはそれらと相互作用してもよい。
【0062】
様々な実施形態では、ディスプレイ750は、液晶ディスプレイおよびタッチスクリーンディスプレイなどのディスプレイを含んでもよい。
【0063】
様々な実施形態では、システム700は、ラップトップコンピューティングデバイス、タブレットコンピューティングデバイス、ネットブック、ウルトラブック、スマートフォン等などであるが、これらに限定されないモバイルコンピューティングデバイスであってもよい。様々な実施形態では、システムは、より多くの、もしくはより少ないコンポーネント、および/または異なるアーキテクチャを有してもよい。
【0064】
本明細書に記載される方法は、必要に応じてコンピュータプログラムとして実装されてもよい。コンピュータプログラムは、非一過性記憶媒体などの記憶媒体に格納されていてもよい。
【0065】
本開示の実施形態では、無線通信システムにおいて無線リソース選択および争奪指示を実行するための方法およびUEは、メッセージのPPPPレベルを選択し、比較すること、メッセージの送信周期を選択し、比較すること、および/または測定されたRSRPもしくはRSSIレベルを選択し、比較することによって、NR-V2X通信における高優先度のメッセージに対する良好な保護と、NR-V2X通信のサイドリンクのリソース選択および争奪についての簡単かつ効果的な方法との少なくとも1つを提供するように、サイドリンクのリソースプールからサイドリンクのリソースを選択することと、別のUEから前もって予約された少なくとも1つのサイドリンクのリソースを争奪することとを含む。本開示の実施形態は、最終製品を生成するために3GPP仕様で採用され得る技術/プロセスの組み合わせである。
【0066】
当業者は、本開示の実施形態において記載され、開示されるユニット、アルゴリズムおよび工程の各々が、電子ハードウェア、またはコンピュータ用ソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせを使用して実現されることを理解する。機能がハードウェアまたはソフトウェアで動作するかどうかは、アプリケーションの条件および技術的構想の設計要件による。当業者は、特定の用途ごとの機能を実現するために、異なる方法を用いることができるが、そのような実現化は本開示の範囲を逸脱するべきではない。
【0067】
上述のシステム、デバイス、およびユニットの動作プロセスが基本的に同一であるため、当業者は、上述の実施形態におけるシステム、デバイス、およびユニットの動作プロセスを参照することができるということが、彼/彼女によって理解される。容易な説明および簡潔性のために、これらの動作プロセスは詳述されない。
【0068】
本開示の実施形態において開示されたシステム、デバイス、および方法は、他の方法によって実現することができるということが理解される。上述の実施形態は、例示的なものに過ぎない。ユニットの区分は、単に論理関数に基づくものに過ぎないが、実現化の際には他の区分が存在する。複数のユニットまたはコンポーネントを、別のシステム内で組み合わせるかまたは組み込むことが可能である。いくつかの特性を省略するか、または飛ばすことも可能である。一方では、示された、または述べられた相互結合、直接的結合、または通信可能な結合は、間接的か通信可能かを問わず、電気的、機械的、または他の種類の形態により、いくつかのポート、デバイスまたはユニットによって機能する。
【0069】
説明するための分離コンポーネントとしてのユニットは、物理的に分離されているか、または分離されていない。表示のためのユニットは、物理ユニットであるか、または物理ユニットではない。すなわち、1つの場所に配置されるか、または複数のネットワークユニットに分散される。実装形態の目的に従って、一部または全部のユニットが使用される。
【0070】
更に、各実施形態における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに組み込まれるか、物理的に独立しているか、または2つもしくは3つ以上のユニットを有する1つの処理ユニットに組み込まれ得る。
【0071】
ソフトウェア機能ユニットが製品として実現、使用および販売される場合、コンピュータの可読記憶媒体に格納することができる。この理解に基づいて、本開示によって提案された技術的構想は、ソフトウェア製品の形態として、実質的に、または部分的に実現することができる。または、従来の技術に有益な技術的構想の一部分は、ソフトウェア製品の形態として実現することができる。コンピュータのソフトウェア製品は、(パーソナルコンピュータ、サーバまたはネットワークデバイスなどの)計算デバイス用の複数のコマンドを含む記憶媒体に格納され、本開示の実施形態によって開示される工程の全部または一部を実行する。記憶媒体としては、USBディスク、モバイルハードディスク、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フロッピーディスク、またはプログラムコードを格納することができる他の種類の媒体が含まれる。
【0072】
最も実用的で好ましい実施形態と考えられるものに関して本開示を説明してきたが、本開示は開示された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の最も広い解釈の要旨を逸脱しない範囲で行われる様々なアレンジを包含することを意図するものであることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5