(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】電気加熱装置の半製品及びそのような半製品を備える電気加熱装置
(51)【国際特許分類】
H05B 3/02 20060101AFI20240226BHJP
H05B 3/14 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H05B3/02 B
H05B3/14 A
(21)【出願番号】P 2021538940
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(86)【国際出願番号】 IB2019057516
(87)【国際公開番号】W WO2020058797
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-07-08
(31)【優先権主張番号】102018000008700
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518314084
【氏名又は名称】エルテック・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ELTEK S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】マウロ・ゾルゼット
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ビッザッロ
(72)【発明者】
【氏名】アルベルト・バルバーノ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・ヴェルチェロッティ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・コスタ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ピッツィ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-280089(JP,A)
【文献】特表2009-544123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/02
H05B 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向(L)
と幅方向(W)に延在する構造を有する、電気加熱装置(1;1’;1’’)の半製品であって、
前記構造は、
-前記長さ方向(L)に互いに実質的に並行にまたは平行に延在し、前記長さ方向(L)に少なくとも部分的に柔軟であるまたは変形可能である少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)と、
-複数の加熱体(3)であって、それぞれの前記加熱体(3)は、PTC効果(3a)を有する材料を含む、加熱体(3)と、を備え、
前記加熱体(3)は、前記長さ方向(L)に互いに距離をおいて設置され、前記長さ方向(L)を横切る方向に延在し、
前記PTC効果(3a)を有する材料は、少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)と電気接触するポリマベースの材料であり、
少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)のそれぞれは、ポリマベースの材料に少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれるメッシュ構造を有する電気及び機械接続部(2a)を備え、
少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)のそれぞれは、複数の部品で形成され、
前記複数の部品は、前記長さ方向(L)に延在する第1の要素(2’)と、前記第1の要素(2’)に対して横切って延在する複数の第2の要素(2’’)を備え、
少なくとも前記第2の要素(2’’)のそれぞれは、対応する加熱体(3)のポリマベースの材料に少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれる第1の部分と、第1の要素(2’)と電気及び機械接触して、第1の要素(2’)と少なくとも部分的に重ね合わされるまたは接続する第2の部分を有するそれぞれのメッシュ構造を備える、半製品。
【請求項2】
前記少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)のそれぞれは、前記長さ方向(L)に連続する2つの加熱体(3)の中間にある中間部分を有し、
前記少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)の前記中間部分は、前記幅方向(W)に、前記加熱体(3)の幅の部分と等しい幅を有し、
前記少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)のうちの一つの中間部分のそれぞれは、前記幅方向(W)に、前記少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)のうちの別の一つの中間部分から距離を置いて延びている、請求項1に記載の半製品。
【請求項3】
前記
ポリマベースの材料は、前記幅方向(W)において互いに対向する対応する前記加熱体(3)の2つの端部領域において、前記少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)と電気的に接触している、請求項1に記載の半製品。
【請求項4】
-それぞれの前記電気及び機械接続部(2a)の前記メッシュ構造は、対応する前記加熱体(3)の対応する面において、対応する前記加熱体(3)に少なくとも部分的に強制して適合される、または
-それぞれの前記加熱体(3)は、少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)の対応する前記電気及び機械接続部(2a)のメッシュ構造に少なくとも部分的にオーバモールドされる本体である、請求項
3に記載の半製品。
【請求項5】
前記少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)の前記電気及び機械接続部(2a)のメッシュ構造は、前記幅方向(W)において対応する、互いに間隔をおいて対向する前記端部領域において、前記加熱体(3)の一つの同じ主面に関連付けられる、または
前記少なくとも2つの前記接続体(2
;2,2
i
)の一つの前記電気及び機械接続部(2a)のメッシュ構造は、前記幅方向(W)において対応する、互いに間隔をおいて対向する前記端部領域において、前記加熱体(3)の一つの同じ主面に関連付けられる、請求項4に記載の半製品。
【請求項6】
それぞれの前記第2の要素(2’’)の前記第2の部分は、前記第1の要素(2’)上に少なくとも部分的に折り畳まれる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半製品。
【請求項7】
長さ方向(L)に延在する構造を有する、電気加熱装置(1;1’;1’’)の半製品であって、
前記構造は、
-前記長さ方向(L)に互いに実質的に並行にまたは平行に延在し、前記長さ方向(L)に少なくとも部分的に柔軟であるまたは変形可能である少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)と、
-複数の加熱体(3)であって、それぞれの前記加熱体(3)は、PTC効果(3a)を有する材料を含む、加熱体(3)と、を備え、
前記加熱体(3)は、前記長さ方向(L)に互いに距離をおいて設置され、前記長さ方向(L)を横切る方向に延在し、
前記PTC効果(3a)を有する材料は、少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)と電気接触するポリマベースの材料であり、
少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)のそれぞれは、ポリマベースの材料に少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれるメッシュ構造を有する電気及び機械接続部(2a)を備え、
2つの前記接続体(2;2,2
i)のそれぞれは、メッシュ構造を備える単一の部品または要素によって全体的に形成され、
前記単一の部品または要素は、前記長さ方向(L)に延在する第1の部分(
2
1
)と、前記第1の部分(2
1)から横切って延在する複数の第2の部分(2
2)を画定し、
第2の部分(2
2)は、対応する前記加熱体(3)のポリマベースの材料に少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれる部分を有する、半製品。
【請求項8】
長さ方向(L)に延在する構造を有する、電気加熱装置(1;1’;1’’)の半製品であって、
前記構造は、
-前記長さ方向(L)に互いに実質的に並行にまたは平行に延在し、前記長さ方向(L)に少なくとも部分的に柔軟であるまたは変形可能である少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)と、
-複数の加熱体(3)であって、それぞれの前記加熱体(3)は、PTC効果(3a)を有する材料を含む、加熱体(3)と、を備え、
前記加熱体(3)は、前記長さ方向(L)に互いに距離をおいて設置され、前記長さ方向(L)を横切る方向に延在し、
前記PTC効果(3a)を有する材料は、少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)と電気接触するポリマベースの材料であり、
少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)のそれぞれは、ポリマベースの材料に少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれるメッシュ構造を有する電気及び機械接続部(2a)を備え、
前記構造は、前記長さ方向(L)に、前記加熱体(3)に対応する位置に、第1の硬い部分と、2つの連続する前記加熱体(3)の間の中間にある少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)の部分に対応する第2の硬くない部分の交互を有し、
前記第2の
硬くない部分は、前記構造の関節または変形または補償の領域を提供する、半製品。
【請求項9】
長さ方向(L)に延在する構造を有する、少なくとも1つの加熱要素(1;1’;1’’)を備える電気加熱装置(20)であって、
前記構造は、
-前記長さ方向(L)に互いに実質的に並行にまたは平行に延在し、前記長さ方向(L)に少なくとも部分的に柔軟であるまたは変形可能である少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)と、
-複数の加熱体(3)であって、それぞれの前記加熱体(3)は、PTC効果(3a)を有する材料を含む、加熱体(3)と、を備え、
前記加熱体(3)は、前記長さ方向(L)に互いに距離をおいて設置され、前記長さ方向(L)を横切る方向に延在し、
前記PTC効果(3a)を有する材料は、少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)と電気接触するポリマベースの材料であり、
少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)のそれぞれは、ポリマベースの材料に少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれるメッシュ構造を有する電気及び機械接続部(2a)を備え、
前記電気加熱装置は、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の1またはそれ以上の半製品のそれぞれの部品によって形成された複数の加熱要素(1,1’、1’’)と、
前記加熱要素(1,1’,1’’)と電気的に接続する複数の導電体(10)とを有する、電気加熱装置(20)。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電気加熱装置(1;1’;1’’)の半製品を得る方法であって、
a)少なくとも2つの接続体(2;2,2
i)を提供するステップであって、前記接続体(2;2,2
i)のそれぞれは、メッシュ構造で作られた対応する前記電気及び機械接続部(2a)を備える、提供するステップと、
b)少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)にそれぞれの加熱体(3)を電気的及び機械的に接続するステップと、を備え、
ステップb)は、
-少なくとも2つの前記接続体(2;2,2
i)の対応する前記電気及び機械接続部(2a)の前記メッシュ構造の少なくとも一部上に前記加熱体(3)の前記ポリマベースの材料をオーバモールドするステップと、
-前記メッシュ構造が、対応する前記加熱体(3)の前記ポリマベースの材料に少なくとも部分的にスロットを作るまたは貫通するように作られるまで、前記接続体(2;2,2
i)の対応する電気及び機械接続部(2a)の前記メッシュ構造の少なくとも一部を前記加熱体(3)の面に押し付けるステップと、を備え、
ステップa)は、ステップb)の前に実行されるまたはステップb)は、ステップa)の前に実行される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気加熱装置及び対応する生産方法、及びさらに特にポリマベース材料、すなわち正の温度係数を備える電気抵抗によって区別される、少なくとも1つのポリマ、すなわちPTC効果を有するものを備える材料の使用に基づく装置に関する。
【0002】
例えば、タンク用ヒータ、フィルタ用ヒータ、流体ダクト用ヒータ、バッテリ用ヒータ、冷凍されるまたは温度の関数としてその特性を変える物質のためのヒータ、または例えば環境の空気または当該ヒータの表面の強制循環を受ける空気などの、気体を加熱するために用いられるさらなるヒータなどの、自動車部品に関連するまたは一体化する電気加熱装置の生産を特に参照して開発された。
【0003】
本発明は、例えば、内燃機関の動作または水噴射または抗爆発剤噴射システムを含む、内燃機関の排出ガスの処理または減少のためのシステムの動作に必要とされる液体など、例えば、自動車に用いられる液体などの液体と接触するタンクまたはダクトの部品の分野で好ましい適用を見つける。
【0004】
本発明による半製品及び加熱装置は、いずれの場合も上記で述べられた優先的なものと異なる状況で適用できる。
【背景技術】
【0005】
PTC効果を有する材料で作られた複数の加熱体を用いる電気加熱装置の製造は、これらの材料の機能的特性を考慮して広まっている。いくつかの場合において、加熱装置は、比較的広い領域を有する対向面を備えるPTC効果を有する材料で作られた単一の加熱体を含み、それに応じて、金属プレートで構成された大きな寸法の2つの電極が加熱体と関連する。他の場合において、加熱装置は、代わりに電気接続体と接続されるそれぞれの電極を備える、比較的小さな寸法の複数の加熱体を含む。さらに従来のセラミックベースの材料と並行して、最近、さらに容易に様々な形状が得られ、対応する電極の間に直接モールドされるPTC効果ポリマ材料が登場した。これにもかかわらず、PTC効果ポリマ材料で作られた多くの加熱体を一体化する加熱装置の製造は、まだ一般に複雑で、さらに複雑な機能的部品に当該加熱装置を統合することに関しても、同じことが言われている。
【0006】
例えば、自動車部品の分野の典型的な問題は、利用できる容積をできる限り利用することができるように、自動車のタイプに従う異なる方法で通常形作られる、タンクの適合のばらつきによって示される。したがって、この分野において、実質的に剛性があり、対応するタンクに適合するために特定に形作られるPTC効果加熱装置が、通常提供される。
【0007】
例えば、国際公開第2017/077447号は、特におおよそ円筒形状を有する部品である、自動車のタンクの部品に統合するために設計された加熱装置を記載する。装置は、PTC効果ポリマ材料で作られた複数の加熱体を備え、加熱体のそれぞれは、第1の電極と第2の電極の間に設置され、第1の電極と第2の電極は、それぞれ第1の電気接続体及び第2の電気接続体と接続される様々な加熱体に関連付けられる。それぞれの加熱体の形成に必要であるPTC効果ポリマ材料は、第1及び第2の電極の対向面の間にオーバモールドされ、その後電気絶縁性プラスチック材料は、電極上にオーバモールドされ、対応する加熱体は、接続体の間及び接続体の上に設置される。
【0008】
一側面にそれらの対応する接続体を備える第1の電極と、他側面にそれらの対応する接続体を備える第2の電極は、それぞれ平面金属プレートから始まるブランク操作によって、単一の部品で画定される。2つのブランクされた平面部品は、PCT効果ポリマ材料が、それぞれの平面部品によって定義される電極の対向面の間のみにモールドされる、モールドの平行位置に設置される。この方法において、実質的に平面の半製品は、得られ、半製品自体が略円筒形態をとるように、その後電極と対応する接続体の間の接合領域で曲げ操作を受ける。ここでタンク部品の本体に対応するケース体を形成するプラスチック材料は、その後、半製品にオーバモールドされる。
【0009】
前述のタイプの既知のヒータのさらなる典型的な問題は、対応する金属電極からPTC効果ポリマ材料が分離することによって構成され、結果として動作の失敗が生じ、前述の欠点は、特に動作の間及び/または環境条件の結果として、加熱と続く冷却のサイクルの間、例えばポリマと金属など異なる材料の異なる膨張と収縮の度合いの結果である。この欠点は、例えば自動車タンク用ヒータなど、大きい寸法のヒータでさらに容易に言及され、続く材料の膨張の現象は、特に加熱装置の幅と長さの方向に強調される(これは、この場合において、拡張は、一緒に「加わる」ことが事実のためであり、例えば、周辺領域または装置の固定または機械拘束の領域の反対の端部領域において非常に強調される大きさの変動を引き起こす)。
【0010】
さらなる関連問題は、特に加熱と続く冷却のサイクルによって異なる拡張または大きさ変動の存在において、加熱体と対応するケースの間に生じる機械ストレスによって示される。
【0011】
注目されるように、加熱装置の生産の手順及び/または異なる部品の統合は、比較的労力を要し、機能不良を生じる。装置は、特定の形状を有する部品に統合するために設計されるので、異なる形状を示す他の部品にそれらを統合するために、装置の様々なバージョンを作り出す及び保存する必要があるこがさらに理解されるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【0013】
上に述べたことを考慮して、本発明は、基本的にPTC効果ポリマ材料を用いる電気加熱装置の生産及び/または例えば特に自動車用のタンク及び/またはタンク用装置などのさらに複雑な部品にそれらを統合することを単純にする目的を有する。
【0014】
上記及び他の目的は、以後明確に出現するが、添付された請求項に規定された特性を示す電気加熱装置の半製品、対応する生産方法、及び電気加熱装置によって本発明に従って達成される。請求項は、本発明に関して本明細書に提供される技術教示の不可欠な部分を形成する。
【0015】
簡潔に、本発明は、加熱装置の半製品に関し、その構造は、基本的に長さ方向に互いに実質的に平行に延在し、前述の方向に少なくとも柔軟であるまたは容易に変形可能である少なくとも2つの接続体と、PTC効果を有する少なくとも1つのポリマ材料を含む複数の加熱体を備える。
【0016】
優先的に、加熱体は、実質的に硬く、いずれにせよ、接続体と比較して低い柔軟性または変形能力を有する。加熱体は、長さ方向に互いに距離をおいて設置され、おおよそ長さ方向を横切る方向に延在する。
【0017】
例えば、特に電気加熱装置または本発明に従う少なくとも1つの半製品を含む他の部品の製造のステップの間、加熱体自身の間の角度配置を変えることができる、または特に温度変動の間拡張と収縮の存在で、加熱体の距離を変えることができる、加熱体の間の関節または少なくとも部分的に曲げまたは変形の領域を提供することが好ましい。
【0018】
2つの加熱体の間に延在する接続体の部分は、また機械ストレスを防ぐために役立つ補償領域を提供し、その結果接続体と加熱体の間で分離するリスクを生じるが、それにより、加熱体と接続体の間の電気接触を減らし、電気抵抗を増やすリスクを減らす。加熱体の間に延在する接続体の前述の補償領域により、潜在的に熱サイクルによる異なる拡張の度合いまたは異なる寸法の変動によって引き起こされる、加熱要素と対応するケースの間の機械ストレスを避けさせることができることが好ましい。
【0019】
PTC効果を有する材料は、好ましくは対応する加熱体の2つの対向する端部領域において、少なくとも2つの接続体と電気接触するポリマベースの材料であり、少なくとも2つの接続体のそれぞれは、半製品の長さ方向に延在する長手方向要素を備え、加熱体の幅よりかなり小さい幅を有する。2つの接続体のそれぞれは、それぞれの加熱体のポリマベースの材料に少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれるメッシュ構造を有する電気及び機械接続部を備える。
【0020】
言及された特性のおかげで、半製品は、場合によっては、数メートルの領域でさえ、大きな長さを示すように作り出され、便利に格納目的で、丸められるまたはそれ自体に折り畳まれる。必要に応じて、半製品は、展開でき、所望の大きさの部分または長さは、加熱装置またはそれを統合する部品の生産の要求に従って、それから切断される。この動作は、少なくともその中間部分、すなわち2つの連続加熱体の間に延在する部分において接続体の幅が減少することによって容易になる。2つの連続加熱体の間に延在するその中間部分の接続体の減少した幅によって容易にされる半製品の固有の柔軟性または変形性により、例えば、自動車用の異なるタンクの形状に統合及び/または適合するなど、互いと非常に異なる幾何形状を有しても、一般に複数の異なるタイプの加熱装置及び部品に都合良く統合及び/または適合できる。
【0021】
PTC効果ポリマ材料を用いる加熱体の生産は、そのように本体が射出成形の単純な動作によって形成される限り、半製品の製造を単純にする。
【0022】
加熱体の電気機械接続のためのPTC効果材料に少なくとも部分的に埋め込まれるメッシュ構造の使用により、信頼できる電気及び機械接続を保証すると同時に、特に半製品が例えば丸められまたはそれ自体に折り畳まれ、その後、展開されるまたは製造ステージで変形を受ける操作をされたとき、問題の部分の間及び/または装置のケースから分離(separation)または分離(detachment)のリスクに対抗する。固体及び空間によって区別されるメッシュ構造は、また半製品の曲げまたは変形能力及び接続体のメッシュ構造が、互いに加熱体を接続するために用いられるとき、部分または長さにそれを切断することを容易にする。
【0023】
本発明のさらなる目的、特性及び利点は、純粋に非限定的な例として提供される、添付された図面を参照して以下の詳細な説明から明確に出現するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の可能な実施形態に従う電気加熱装置の半製品の概略斜視部分図である。
【
図3】第1の製造技術で得られる、本発明の可能な実施形態に従う電気加熱装置の半製品の概略斜視部分図である。
【
図5】第2の製造技術で得られる、本発明の可能な実施形態に従う電気加熱装置の半製品の概略斜視部分図である。
【
図7】
図3に描かれるタイプの半製品の可能な変形の実施形態の概略斜視部分図である。
【
図8】
図5に描かれるタイプの半製品の可能な変形の実施形態の概略斜視部分図である。
【
図9】本発明の可能な実施形態に従う半製品の電気接続の可能な手順を描く目的の概略斜視部分図である。
【
図11】最終製品の反対側に対応する
図9の概略斜視部分図と同様の図である。
【
図14】本発明の可能な実施形態に従う多くの半製品の間の電気接続の可能な手順を描く目的の概略斜視部分図である。
【
図16】本発明のさらなる可能な実施形態に従う電気加熱装置の半製品の概略斜視部分図である。
【
図20-22】本発明のさらなる可能な実施形態に従う電気加熱装置の半製品のそれぞれ
図16、17及び18の図と同様な図である。
【
図24-25】本発明のさらなる可能な実施形態に従う電気加熱装置の半製品に関するそれぞれ
図17及び18の図と同様な図である。
【
図27-28】本発明の可能な実施形態に従う電気加熱装置の、異なる角度からの概略斜視図である。
【
図29】
図27-28の電気加熱装置の、異なる角度からの概略分解図である。
【
図30】
図27-28の電気加熱装置の、異なる角度からの概略分解図である。
【
図31】部分的に分割された
図28の概略斜視図と同様の図である。
【
図34-35】それぞれ
図33の詳細XXXIV及びXXXVを描く。
【
図36-37】本発明のさらに可能な実施形態に関する
図34-35の図と同様な詳細である。
【
図38-39】本発明のさらに可能な実施形態に関する
図34-35の図と同様な詳細である。
【
図40-41】本発明のさらに可能な実施形態に関する
図34-35の図と同様な詳細である。
【
図42-43】本発明のさらに可能な実施形態に関する
図34-35の図と同様な詳細である。
【
図44-45】本発明のさらに可能な実施形態に関する
図34-35の図と同様な詳細である。
【
図46-47】本発明のさらに可能な実施形態に従う電気加熱装置の異なる角度からの概略分解組み立て図である。
【
図48】
図46-47の電気加熱装置の異なる角度からの概略分解図である。
【
図49】
図46-47の電気加熱装置の異なる角度からの概略分解図である。
【
図50-52】本発明の可能な実施形態に従う電気加熱装置の傾斜の可能な代わりの形態を描く目的の概略部分断面図である。
【
図53-54】
図1に描かれるタイプの半製品の概略側面図と上面図である。
【
図55】
図46-49に描かれるタイプの電気加熱装置を作り出すために用いられる複数の半製品の概略斜視図である。
【
図56】アーチ型にまたは実質的に管状形態に半製品の少なくとも1つの長さを統合する、本発明のさらなる可能な実施形態に従う加熱装置の概略斜視断面図である。
【
図57-59】
図56に従う加熱装置の製造の可能な順序を例示する目的の概略斜視図である。
【
図60】本発明の可能な実施形態に従う電気加熱装置のさらなる半製品の概略斜視部分図である。
【
図61】
図60に描かれるタイプの半製品の長さを統合する本発明のさらに可能な実施形態に従う加熱装置の概略分解図である。
【
図62】本発明の可能な実施形態に従う半製品の複数の長さを統合する電気加熱装置の概略斜視図である。
【
図63】
図62に描かれるタイプの加熱装置の概略分解図である。
【
図64】
図62に描かれるタイプの加熱装置の概略部分的分解図である。
【
図65】半製品の格納のための及び製品の長さが取られる、本発明の可能な実施形態に従う、システムの概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
「1つの実施形態」(an embodiment)、「1つの実施形態」(one embodiment)または「様々な実施形態」などへの参照は、本記載の枠組みにおいて、実施形態に関連して記載された少なくとも1つの詳細、形態、構造または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを示すことを意図する。このため、本明細書の様々な点で存在する語句、例えば「1つの実施形態において」、「1つの実施形態において」、「様々な実施形態において」などは、1つ及び同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特にこの記載に定義される配置、構造または特性は、示されるものと異なっていても、1またはそれ以上の実施形態に任意の適切な方法で、組み合わされる。本明細書に用いられる符号及び空間参照(例えば、「上(upper)」、「下(lower)」、「上(top)」、「下(bottom)」など)は、単に便宜上、提供され、そのため保護の領域または実施形態の範囲を定義しない。
【0026】
本明細書及び添付された特許請求の範囲において、一般名称「材料」は、複数の異なる材料の混合物、組成物または組み合わせをも含むとして理解されるべきである(例えば、複層構造または複合材料)。
【0027】
本明細書及び添付された特許請求の範囲において、用語「メッシュ構造」は、例えば、ネット、ふるい、織物、組紐などのように、固体及び空間の交互によって区別される構造を示すことを意図する。前述の構造は、例えば糸またはワイヤ、または例えばそこにメッシュ形状を与えるためにブランクされる及び/または形作られる及び/または引き延ばされる金属ストラップなどの、単一開始要素の処理によって得られる、実質的に複数の糸状の要素の十字交差または編み込みによって形成される。
【0028】
本明細書及び添付された特許請求の範囲において、用語「半製品」は、さらに処理を受ける及び/または互いから非常に異なるタイプであっても、さらに複雑な製品または品物の製造に使用されることができる中間製品または部品を指定することを意図する。この観点では、例えば、本発明に従う半製品の長さは、ケース及び適切な制御手段及び/または加熱装置を作り出すまたは例えば自動車のタンクの部品など、加熱以外の機能を実行する異なる部品に統合されることができるために、電源に接続するための手段で完成される。全くケースのない、本発明に従う半製品の長さが異なる構造(例えばダクトまたはタンク)に単純に取り付けられるときでさえ、いずれにせよ、例えば所定の位置に固定する手段、電源に接続するための手段、及び可能な制御手段をさらに備えなければならない、中間部品を構成する。
【0029】
本発明の可能な実施形態に従う電気加熱装置の半製品の一部または部品が、
図1に概略的に表される。全体として1によって指定される半製品は、長さLの方向及び幅Wの方向に延在する構造を有し、厚さTを有する。構造1は、幅方向Wに比較的硬く、長さ方向Lに実質的に柔軟または変形可能である。いずれにせよ、構造1は、方向Wにおけるより方向Lにおいて、より柔軟またはさらに容易に変形可能である。
【0030】
様々な実施形態において、構造1は、丸められるまたはそれ自体に折り畳まれる。言い換えると、構造1は、その長さ方向に実質的に柔軟または変形可能で、それはそれ自体に巻き付き、特にロールなどを形成する多かれ少なかれ円筒形状をとるまたは反対の方向にそれ自体に折り畳まれて(すなわちジグザグパターン)多かれ少なかれ一種の平行六面体スタックを形成することができる。
【0031】
そのため、
図1は限定された大きさの半製品の部品または長さを表すと仮定する。
【0032】
半製品1の丸まり可能なまたは折り畳み可能な構造は、好ましくは互いに平行に、方向Lに互いに並行に延在する及び述べられたように前述の方向Lに少なくとも柔軟または変形可能である、導電材料で作られた2つの長手方向の要素を含む、少なくとも2つの電気及び機械接続体2を備える。半製品1の構造は、さらにそれぞれPTC効果を有する少なくとも1つの材料を含む複数の加熱体3を備える。1つのそのような加熱体3は、2つの接続体2の対応する部分と共に
図2により詳細に観察される。
図1でよく理解することができるように、少なくとも2つの接続体2は、長さ方向Lの2つの連続加熱体3の中間にあるそれぞれの部分を有する。
【0033】
様々な実施形態において、加熱体3を構成する材料は、
図2の3aで指定されるポリマベースの材料(すなわち少なくとも1つのポリマを備えるもの)であり、好ましくは、ポリマによってまたは複数のポリマの混合物によって及び例えば導電性フィラ及び/または熱伝導フィラなど対応するフィラによって形成されたマトリクスを有する複合材料である。様々な好ましい実施形態において、加熱体3の材料3aは、マトリクスに少なくとも2つの混合しないポリマと少なくとも1つの導電性フィラを備えるマトリクスを有するPTC効果を備える共連続ポリマ複合材である。このタイプの好ましい実施形態において、混合しないポリマの少なくとも1つは、高密度ポリエチレン(HDPE)であり、混合しないポリマの少なくとも他の1つは、ポリキシメチレン(POM)である。導電フィラは、マイクロメータまたはナノメータの寸法を有する粒子によって優先的に構成され、好ましくは、10nmから20μm、非常に好ましくは、50から200nm、場合によっては、1から20μmの大きさの鎖または枝分かれした集合体を形成するために集められる。導電性フィラための優先的な材料は、例えばカーボンブラック、またはグラフェン、またはカーボンナノチューブ、またはその混合物などの炭素材料である。
【0034】
HDPEとPOMは、優先的に相対的な割合で重量の合計の45%から55%からなる。優先的に、導電性フィラは、HDPEの重量及び導電性フィラの重量の合計(100%)の10%から45%、好ましくは16%から30%の重量割合で、HDPEに完全にまたは大きな範囲で閉じ込められる。この目的のために、HDPE及び導電性フィラは、またこの場合において押し出しによって優先的に実行されるその後のPOMとの混合の前に、特に押し出しによって一緒に混合される。
【0035】
POMが高融点であることにより、2つのHDPE及びPOM相のより良い分離を維持し、POMに導電性フィラが移動する可能性を減らす(この効果に貢献するのは、フィラがHDPEのみに前に優先的に混合された事実である)。同様に他の既知のポリマと比較してPOMの高い融点により、さらに安定な最終構造を得ることができる。複合材料のPTC効果は、約120℃の最大温度に自己加熱を制限する。POMは、さらにおおよそ70%から80%の高結晶化度を有する。これは、提案された優先的な共連続複合材料において、HDPEからPOMへの電荷の移動を起こしそうになく、それにより例えば加熱及び電流の通過によって、PTC効果材料の性能の損失を防ぐことを意味する。POMの高結晶化度により、複合材料は、特に化学観点から抵抗し、そこに高い安定性を与える。他方で、HDPEの結晶化度は、通常60%から90%である。この方法で、アモルファス領域の高濃度の導電性フィラが得られ、対応する高い導電性を備える。
【0036】
半製品1の加熱体3は、長さ方向Lにおいて互いに距離を置き、おおよそそれを横切る方向に延在する。この方法で、2つの対向する側端領域において、ここで幅方向Wを参照して、それぞれの本体3の材料3aは、2つの接続体2と電気的及び機械的に接続される。様々な実施形態において、例えば示されるもののように、本体3は、プリズム形状、好ましくは、実質的に平行六面体形状であるが、これは、本発明の本質的特性を構成しない。
【0037】
図1-2に見られるように、様々な実施形態において、接続体2またはそれらを形成する長手方向の要素の幅は、加熱体の対向する主面の幅の制限された部分に対応する。この方法で、前記図からよく理解されるように、両方の接続体2は、加熱体3の1つ及び同じ主面とさえ関連付けられ、一方が、幅方向Wに他方に距離を置く、すなわち実質的に平行で実質的に同じ平面に従って横たわる。
【0038】
2つの接続体2のそれぞれは、それぞれ電気及び機械接続部を備え、そのいくつかは、2aによって指定され、1つの接続体2に属する少なくとも1つの第1の部分2aと他の接続体2に属する1つの第2の部分2aがそれぞれ加熱体3と関連付けられる。前述の第1及び第2の部分2aは、それぞれここで本体3の1つ及び同じ主面において、本体3の前述の側面端部領域に関連付けられることが好ましい。
【0039】
本発明の1つの態様に従って、接続部2aは、メッシュ構造を含む。様々な実施形態において、
図1及び2で例示されるもののように、2つの接続体2のそれぞれは、全体に例えば導電性繊維または金属ネットなど、メッシュ構造を有する単一の部品で作られる。しかしながら、他の実施形態において(そのいくつかは以後例示される)、2つの接続体2aのそれぞれは、複数の部品で作られ、複数の部品は、半製品1の長さ方向Lに延在する少なくとも1つの長手方向の第1の要素と、第1の要素に対して横切る方向に延在する複数の第2の要素を備え、前述の第2の要素は、それぞれ、それぞれのメッシュ構造、すなわち前述の電気及び機械接続部2aを提供する。これらの実施形態において、方向Lに延在する第1の要素は、必ずしもメッシュ構造を有する必要はない。しかしながら、加熱体の幅の部分に対応するその減少した幅は、いずれにせよ半製品の曲げるまたは変形する能力及び複数の部分または長さに切断を容易にする。
【0040】
本発明の1つの態様に従って、部分2aのメッシュ構造は、対応する端部領域で、対応する加熱体3、すなわちPTC効果材料3aに少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれる。
【0041】
メッシュ構造の少なくとも部分的な埋め込みは、対応する加熱体3の面上で対応する加熱体3に浸透するために、機械圧力及び/または加熱によって(好ましくは、PTC効果材料3aを少なくとも表面的に軟化するまたは溶融するように加熱する)構造自体を得ることによって、またはメッシュ構造、すなわち対応する電気及び機械接続部2aに加熱体3の材料3aの少なくとも一部をオーバモールドすることによって得られる。埋め込む動作は、本体2の減少した幅によって、またはいずれにせよそれぞれの埋め込まれた部分が、-平面視で見たときに-それぞれの加熱体3の対応する主面の領域の減少した部分に対応する領域を画定する事実によって、単純化される。
【0042】
図1及び2において、接続部2aのメッシュ構造は、より明確にする理由のために実質的に全体に図で示される。しかしながら、言及されたように、本発明に従って、前述の構造は、好ましくは構造の様々なメッシュの間に画定されたメッシュ開口が材料3aの一部によって占められるように、少なくとも部分的に作られてそれぞれの加熱体3の材料3aに浸透する。他方で、また特に前述の加熱体が対応する接続部2aにオーバモールドされるとき、加熱体3の材料3aに接続部2aのメッシュ構造の一部を実質的に完全に埋め込むことができる。
【0043】
接続部2a、すなわちそれらのメッシュ構造が、対応する加熱体3の主面に実質的に平行に延在することが好ましい(見られるように
図1及び2の場合において、部分2aは、また方向Lにおいて互いに実質的に平行である)。これは、見られるように様々な加熱体3を並列で電気供給するために利用される接続体2の間の電源電流の良い均一性と高い強度を保証する。この目的のために、優先的に接続部2aは、このため長さ方向Lと幅方向Wに延在し、実質的に2次元、すなわち実質的にシートまたはウェブ構造のように最小の厚さを有することが好ましい。言及されたように、その幅は、本体3の幅の部分に対応する。
【0044】
様々な好ましい実施形態において、メッシュ構造は、導電材料、好ましくは金属材料の糸またはワイヤの少なくとも一部で作られる繊維によって構成される。好ましい金属は、例えばステンレス鋼、銅、アルミニウム、真ちゅう、青銅、ニッケル-クロムベースの合金または鉄-クロムベースの合金から選択される。導電性繊維は、任意の既知の技術を用いて糸またはワイヤの編み込みまたは十字交差によって得られる。例えば、織物のタイプは、次の中から選択される。
-横糸のそれぞれの糸が、交互に縦糸のそれぞれの糸を上下にまたはその逆に通る、平織り。
-横糸のそれぞれの糸が、交互に縦糸の2つの糸を上下に通る、ウィルウィーブ。
-縦糸の糸が横糸の糸より直径が大きく、多くの横糸で織り合わされた少ない縦糸で作られたウィーブである、プレーンダッチウィーブ。
-ウィーブがあや織りであり、横糸が2重層を有することを除いて、プレーンダッチウィーブと同様なウィーブによって得られる、オランダあや織り。
-実質的にプレーンダッチウィーブの逆である、すなわち多くの細い縦糸と少ない太い横糸を備える、リバースダッチウィーブ。
-前のものと同様のウィーブであるが、それぞれの横糸が交互に縦糸の2つの糸を上下に通る、逆オランダあや織り。
【0045】
優先的に、導電性繊維を提供する糸は、小さい名目上の直径を有し、おおよそ0.2mmから0.02mmである。繊維のメッシュ開口、すなわち構造の2つの隣接する及び平行な糸の間の空間(space)または空間(void)は、1mmから0.05mmであることが好ましい。既に言及されたように、他方で、メッシュ構造は、また導電体を処理することによって得られる。例えば、適用に適切なメッシュまたはネットワーク構造は、金属ストラップの長さに切り込み(千鳥カット)を通って作ることによって得られ、それはその後、開口または空間が得られる、例えば実質的に菱形または正方形状の形状にされるまで、変形されるまたは引き延ばされる。
【0046】
メッシュ構造がPTC効果材料3aに少なくとも部分的に埋め込まれる事実は、対応する加熱体3から接続部2aが分離(separation)または分離(detachment)するリスクを防ぎ、それにもかかわらずこれは、加熱及び冷却サイクルによる材料3a及び/またはメッシュ構造の可能な変形ができる。しかしながらメッシュ構造がいずれにせよ比較的密度が高く広範囲であるという事実により、かなりの電流分布と強度が保証される。
【0047】
理解されるように、接続体2を形成するメッシュ構造の周辺プロファイルは、例えば導電性繊維またはネットのシートまたはウェブの切断または突切の基本的な動作によって容易に得られる、または周辺プロファイルは、前述の織るプロセスによって得られる。見られるように、前述の周辺プロファイルは、これまでの図に例示されているように、必ずしも四角形である必要はない。
【0048】
図3は、半製品1の場合の概略図であり、その接続体2は、例えば導電性繊維などメッシュ構造を備えるウェブによって形成され、その電気及び機械接続部2aは、すなわち本体3に浸透するためにメッシュ構造を得ることによって、その面の対向領域にすなわち圧力及び/または加熱によって、実質的に加熱体3にスロットを作るまたは強制的に適合される。この種の実施形態において、本体3は、開始PTC効果ポリマのシートまたはウェブから始まるブランクまたは突切の動作によって得られる、または本体3は、射出成形される。
【0049】
適切な装置を用いて、接続部2aに対応する本体2の領域は、それぞれの本体3の前述の面に、前の可能な加熱後、押し付けられるまたは力強く押され、そこにメッシュ構造の対応する部分の浸透を引き起こす。この目的のために、優先的な実施形態において、用いられる製造装置は、部分2aに対応するメッシュ構造の開口にPTC効果ポリマ材料の浸透を促進する、その適度な軟化を引き起こすために、本体3を加熱するように構成される。次に、特に本体3を冷却後、(その加熱が予測されたならば)、圧力または推力は、中断され、そのため得られた半製品は、装置から取り外される。言及されたように、この動作は、すなわち対応する本体2の接続部2aの減少した幅によって容易にされる。
【0050】
半製品1は、
図4の詳細(詳細Aを参照)に見える形態で存在し、部分2aのメッシュは部分的に露出される、すなわち材料3aに部分的にのみ埋め込まれる、または部分2aのメッシュは、材料3aに完全に埋め込まれる。
【0051】
前述の目的のために用いられる装置は、上記機能を実行するならば、任意の既知の構想を有するものであってもよい。例えば、装置は、プレスのように構成され、本体3及び2の位置決めのための複数の台座を画定する固定要素であって、本体2が局所的に本体3の上部に設置される、固定要素と、部分2aにおいて本体2に必要な機械的圧力を働かせるように設計される可動要素と、を備える。そのような場合において、固定要素は、また上述のように加熱体3を加熱するように構成される。さらにまたは代わりに装置は、接続体2を加熱するように構成される。
【0052】
他の実施形態に従って、装置は、また例えば、本体3が加熱され、その後本体2に押圧されるために個々に積み込まれたワークステーションへの入力において、2つの本体2が、それぞれロールまたは折り畳まれたウェブから始まって供給されるものなど、連続製造マシンとして構成されてもよい。前述のワークステーションからの出力において、得られた半製品1は、その後格納の目的のために丸められるまたはそれ自体に折り畳まれる。
【0053】
図5は、半製品1の場合を描き、その加熱体3は、特に対応する部分2aにおいて、接続体2にオーバモールドされる本体として構成される。この種の実施形態において、例えば、2つの本体2は、モールドに挿入され、接続部2aが得られるべきその領域は、本体3を画定するべき印に対応する所定の位置に配置される。溶融された状態のPTC効果ポリマ材料3aは、その後モールドに射出され、そのため形成される本体3は、その内部に本体2のそれぞれの部分2aを包み込む。半製品1は、
図6の詳細(詳細B参照)に見られるように存在し、部分2aのメッシュは、材料3aに完全に埋め込まれる、または本体3のモールドは、部分2aのメッシュが部分的に露出されるように、実行される。
【0054】
言及されたように、加熱体3は、実質的に硬いまたはいずれにせよ接続本体2より低い柔軟性または変形能力を有し、半製品1は、その長さ方向Lに交互に硬い部分及び硬くない部分を有する。この方法で、2つの連続加熱体3の間に延在する接続体2の伸長部は、効果的な半製品1の関節、または変形、または補償の領域を提供する。前述の領域により、電気加熱装置または本発明に従う少なくとも1つの半製品を含む他の部品の製造のステップの間、加熱体自体の間の角度配置(例えば、
図48、49及び55の1で指定された半製品の長さ参照)を変える、または最小限ではあるが、特に長さ方向Lにおいて加熱体の間の距離を変えることができる、または使用の間、温度変動によってあらゆる可能な拡大または縮小を回復させることができる。言及されたように、加熱体3に対する接続体2の上記伸長部の制限された幅は、曲げまたは変形の能力を容易にする。
【0055】
様々な実施形態において、加熱体3の間の中間位置の接続体2の領域は、例えばPTC効果を有する材料で作られた保護層によって、または例えば導電性接着または導電性被覆層など電気的及び熱的伝導材料によって、または例えば絶縁性ポリマなど、電気的絶縁性材料によって少なくとも部分的に被覆される。
【0056】
このタイプの優先的な実施形態において、本体2のそのような中間領域の少なくともいくらかは、いずれにせよ少なくとも部分的に露出される。すなわち、それらは、半製品1の電気接続の目的のために役立つ開口または通路を予想する。例えば、本体2のメッシュ構造の部分を得て、本体3の一部を形成するPTC効果材料の薄層3bに浸透することによって、例えば、前述の材料の予熱によって機械的圧力を加えることによって、得られる部分的な被覆の場合が、
図7に描かれる。別の方法として、本体2のメッシュ構造の部分を得てPTC効果材料の薄層3bに浸透し、その後部分的なコーティング3bが設けられた本体2を、本体3の材料に浸透させることができる。
【0057】
この種の実施形態において、保護層3bは、本体2のメッシュ構造の一側面のみを被覆し、対向する側面を、その電気及び機械接続部2aにおいて、本体3にさらに容易に浸透させることができる。もちろん、保護層3bは、また本体2にオーバモールドされるまたは、本体3のその結合後、本体2に適用される。
【0058】
図7から、例えば詳細Cから、どのように保護層3bがメッシュ構造の対応する領域を完全に露出したままにする、2bによって指定される中間中断または不連続を示すか留意する。メッシュ構造の前述の露出された領域は、ここでは示されないが、以後
図9-15を参照して説明されるように、電気供給リードの接続のために都合良く用いられる。
【0059】
図8は、半製品1の同様の場合を描き、その接続部2は、様々な加熱体3の間の中間領域の保護層3bが設けられる。
図8の場合において、詳細Dから理解されるように、本体3は、コーティング層3bとして接続体2にオーバモールドされた本体であり、優先的にPTC効果を有するポリマ材料で作られる。層3bは、場合によっては本体2の前述の中間領域に実際に全体に取り囲むことができる。他方で、このタイプの実施形態においても、コーティング層3bは、以後
図9-15を参照して説明されるように、可能な電源供給リードの本体2への接続を可能にする目的で、中断または通路2bを示す。
【0060】
コーティング層3bは、優先的に加熱体3と比較して、比較的厚さが薄い。コーティング層3bの薄い厚さとその減少した幅は、いずれにせよ特に格納の目的のために半製品1の丸めまたは折り畳みを可能にする及び/または例えば設置の異なる状況に適合させるために半製品1を形作ることを可能にするために、本体3の間の中間の本体2の領域の必要な柔軟性または変形性を保証する。コーティング層3bの薄い厚さとその減少した幅は、いずれにせよ温度変動の間、任意の可能な拡大と縮小に関して適切な補償を可能にするために、本体3の間の中間の本体2の領域の必要な柔軟性または変形性を保証する。
【0061】
半製品の長さの様々な加熱体3は、例えば(以後
図27から30を参照して説明されるように)前述の本体2の長手方向の端部の1つに直接、供給端子を接続することによってなど、少なくとも2つの接続体2の間に電位差を与えることによって電気的に供給される。しかしながら、電位差は、例えば半製品1の複数の長さが互いに並行に、特に実質的に互いに平行に配置され、及び一緒に電気的に接続されるとき、半製品1の長さの方向Lを横切る方向に延在する、好ましくは柔軟及び/または少なくとも部分的に電気的に絶縁な、導電体を手段として本体2に与えられる。
【0062】
図9-13は、実際に2つの電気供給リードまたはケーブル10を備える半製品1の長さの場合を描き、そのそれぞれは、それぞれの本体2に接続される。例において、ケーブル10は、絶縁シースまたはコーティング10bを備える導電体10aを備える。それぞれのケーブル10のシース10bは、2つの加熱体3の中間である対応する本体2の領域においてそれぞれ中断または不連続を有する。この方法で、
図10及び13に特に示されているように、導体10aの中間部は、対応する本体2に、好ましくは溶接によって、関連される及び電気的に接続されるように露出される。シース10bの中断または不連続は、可能な限り広範で平坦である接触を好むために、対応する本体2の幅と実質的に対応する幅を有する。
図13に示されるように、本体2と接続させるべき導体10aの露出部は、前述の本体2と接触を改善する及び例えば電気溶接など好ましくはフィラ材料のない溶接によって、本体2に溶接することを促進するために、それぞれの平坦部を備える。導体10aの前述の実質的に平坦な領域は、適切な装置を用いて溶接の前に、または例えば対応する溶接動作の間、接続体2に導体10aを圧縮する溶接電極によって適切な圧縮による溶接の間、得られる。
【0063】
前に述べられたように、方向Lを横切る方向に延在する接続ケーブル10の提供は、特に並んで配置された複数の半製品1の長さを電気的に一緒に接続する必要があるとき有利である。それ自体、電気絶縁コーティング10bを備える接続ケーブル10の代替として、いくつかの他の形態のリードが、(電気ケーブル10が接続体2に接触する必要がない領域にさらに電気絶縁要素を予想するこの場合において)それ自体電気絶縁コーティングを備えないタイプであっても、例えば金属ストラップなど提供される。
【0064】
図14及び15は、互いに実質的に平行に、配置された半製品1の2つの長さの場合の概略表示であり、この場合において、それぞれのケーブル10のシース10bは、既に上記されたものに従って、必要な電気接続のために2つの長さの2つの対応する本体2に対応する位置に2つの中断を有する。
【0065】
これまでに説明した実施形態において、2つの接続体2のそれぞれは、例えば導電性繊維または金属ネットのストリップなど、メッシュ構造を備える単一の部品または要素によって全体に形成される。しかしながら、これは、それぞれの本体2が一緒に複数の部品を組み立てることによって形成される限り、本質的な特徴を構成しない。
【0066】
図16-19は、2つの接続体2のそれぞれが、半製品1の長さ方向に長手方向に延在し、本体3の幅の部分に対応する制限された幅を有する、少なくとも1つの第1の要素2’と、第1の要素2’を横切る方向に延在し、接続部2aを提供する複数の第2の要素2’’を備える、複数の部分で作られる。少なくとも第2の要素2’’は、それぞれ対応する端部領域に対応する加熱体3のポリマベースの材料に少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれる第1の部分と、代わりに好ましくは第1の要素2’に少なくとも部分的に横たわる、第1の要素2’に電気的及び機械的接触で固定される第2の部分を有するそれぞれのメッシュ構造を備える。
【0067】
このため、
図16-19の例において、メッシュ構造を備える2つの要素2’’は、基本的にそれぞれの本体3のために2つの電気端子を提供する。この場合において、そのためそれぞれの本体3は、対応する要素2’’にオーバモールドされる、または2つの要素2’’は、前に記載されたものに従って、対応する本体3に浸透され、それぞれの部分2’’の部分は、いずれにせよ例えば溶接、好ましくは溶接材料を使用しない溶接によって、それぞれの長手方向の要素2’に接続する目的のために本体3の外側に突き出る。
【0068】
様々な優先的な実施形態において、問題の2つの部分の間の溶接は、抵抗溶接、すなわち、材料が電気抵抗によって加熱される圧力自生溶接法である。
【0069】
対応する要素2’’に本体3のオーバモールドは、複数のステップ及び/または複数の材料で得られる、または2つの要素2’’は、特に好ましくは熱伝導性のある導電性接合剤によって、対応する本体3に接合される。留意されるように、このタイプの実施形態において、本体2のそれぞれの部分2aのメッシュ構造は、加熱体の主面と関連し、別の本体2のそれぞれの部分2aのメッシュ構造は、加熱体3の他の主面と関連する。
【0070】
例示された場合において、要素2’’の突出部は、例えば
図19で明確に示されるように、それぞれの要素2’の表面に面して溶接される。
【0071】
図20-23は、しかしながら、電気及び機械接続部2aを提供する要素2’’が、特に幅方向に半製品の妨害を小さくする目的のために、例えば
図23から明確に出現するように長手方向の要素2’に折り返される加熱体3から突き出る部分を有する同様の場合を描く。このタイプの実施形態において、要素2’’は、
図16-19の場合より長さが長い。
【0072】
図16-19及び20-23または一般的に接続体2が複数の組み立て部分で作られるさらなるものを参照して説明されるタイプの実施形態において、-2’によって前に指定されるタイプの-対応する長手方向の要素は、必ずしもメッシュ構造を有しなければならないものではないことが理解されるであろう。代わりに、それらは例えば、場合によってはプラスチックの方法で変形可能な、好ましくは柔軟または変形可能な金属ストリップまたはストラップによって形成される、完全構造を有する。同様にそのような場合において、長手方向の要素は、必ずしも平坦な形状またはウェブ形状を有する必要がない。例えば、それらは、例えば実質的に円形の断面の糸状要素から得られる。
【0073】
複数の部分2’、2’’の接続体2を得ることは、特に-第1の製造ステップで-加熱体3に接続部2a-2’’を関連付け、次の製造ステップで、本体3を(すなわちその接続部2a-2’’)を長手方向の要素2’に関連付けるために、製造目的において役立つ。これは、最初に対応する部分2aを備える本体3を製造し及び格納し、その後、加熱要素が異なる分布であるが、製造装置が変えられないままで、異なる形態を得ることができるように、対応する加熱体3に差別化された空間によって区別される、半製品を得るための要求に従ってそれらを使用するために役立つ。
【0074】
提案された形態により、サイクル時間を一定に保ちつつ連続製造を実行すること(製造の品質を脅かすマシンダウンタイム及び減速を避ける)及び全体として半製品1を損なうことなく、単一の加熱体3の性能の品質制御を可能にする。
【0075】
本体3より幅の小さい長手方向の要素2’を有することによって、2つの要素2’の間に絶縁要素を配置する必要なく、同じ要素2’の間の短絡のリスクも回避される。さらに、部分2aが本体3より寸法が小さいならば、同じ加熱体3において同じ部分2aの間の可能性のある断片の存在によって引き起こされる短絡のリスクが回避される。
【0076】
図16-19及び20-23に例示された場合において、本体2の接続部2aは、加熱体の2つの対向する主面に対応する位置に少なくとも部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれる。注目されるように、いずれにせよ、またこの配置によって、長手方向の要素2’は、幅寸法Wで互いに実質的に平行で、間隔を空けられ、要素2’は、2つの加熱体3の間に含まれる領域の他の要素2’上に延在しない(すなわちとにかく「空間」の交互によって区別される半製品1の形態では、それぞれは2つの連続加熱体3によって及び当該本体3を接合する要素2’の対応する伸長部によって区切られる)。
【0077】
接続体2は、全体にメッシュ構造によって形成されるが、横断する方向に突き出るそれぞれの電気機械接続部2aを定義するように、例えば実質的に櫛形状の、複雑な周辺プロファイルを有する。そのような場合は、
図24-26で概略的に表され、どのようにそれぞれの本体2が単一の部品で、半製品の長さ方向に延在する第1の長手方向の部分2
1と第1の部分2
1から横切る方向に延在する複数の第2の部分2
2の両方を示すか注目される。推測されるように、このタイプの実施形態においても、2つの連続加熱体3の間に延在する本体2の中間部は、加熱体3の幅の部分と等しい幅を有し、接続体2のそれぞれの中間部は、幅方向Wに他の接続体2の対応する中間部から距離を置いて延在する。
【0078】
例示された場合において、第2の横方向部2
2は、折り返された部分を有し、それは、対応する加熱体3の端部領域において対応する加熱体3のポリマベースの材料に部分的に埋め込まれるまたは取り囲まれる。そのような実施形態において、本体2は、最初に櫛形状形態を有し、平行に配置され、横方向部2
2は、互いに対して対向して及び揃えられる。それらのそれぞれの材料が2つのそれぞれ対向する横方向部2
2の少なくとも一部を取り囲み、次に長手方向の部分2
1が、1つの本体2の部分2
1がそれぞれの本体3の上面に折り畳まれる一方で、他の本体2の部分2
1が半製品の側面の妨害を減らすためにその後それぞれの本体3の下面に折り畳まれる、例えば
図23から出現するように、本体3に折り畳まれるように、特にモールドまたは相互浸透によって様々な本体3が、2つの本体2上に固定される及び/または接続される。明らかに、本体2は、またそれらの長手方向の部分が本体3の1つまたは同じ面に折り畳まれるように配置され、同様に曲げステップは、本体2がその初期櫛状形状を維持し、長手方向の部分2
1が本体3の両端の側面に延在する限り、厳密には必要でない。
【0079】
部分21を折り畳むことによって、幅方向Wの全体の大きさの減少が得られる、または代わりに-これと同じ外側寸法で-より大きな加熱領域が得られる。さらにこの櫛状形態は、電気接続の数を減らし(部分21e22は、単一の部品である。)そのため信頼性の観点から半製品を強化する。
【0080】
本発明の可能な実施形態に従う電気加熱装置、すなわち1によって前に指定されたタイプの半製品の少なくとも1つの長さを一体化する装置が
図27から33に例示される。
【0081】
最初に
図27-28を参照して、加熱装置は20によって全体として指定される。以下では、装置20が、例えば空気の流れを加熱するまたはタンクに含まれるまたはダクトに流れる液体を加熱するシステムなど、自動車の搭載システムに属すると仮定する。装置20は、半製品1の長さを備える少なくとも1つの加熱要素を少なくとも部分的に包み込むケース体21を備え、半製品1の部品2及び3は、
図29から30に分解図で表される。ケース体21は、優先的に少なくとも2つの部分22及び23で作られ、電源への接続のために電気コネクタ24を備える。ケース体の代わりに、装置20は、必ずしもそれを包み込むことなく、少なくとも1つの加熱要素を支持するように構成された支持体を含む。
【0082】
様々な優先的な実施形態において、本発明に従う加熱装置のケース体は、互いに関連される2またはそれ以上の部品で作られるが、他の実施形態において、ケースは、装置の少なくとも1つの加熱要素に材料をオーバモールドすることによって少なくとも部分的に得られる。ケース体は、密封タイプであり、すなわち液密で、装置の加熱要素または複数の要素を包み込むように設計される。
【0083】
様々な実施形態において、本発明の主体を形成する加熱装置は、スタンドアロン部品として構成され、その場合において、そのケース体は、優先的に例えば自動車の加熱システムなど、さらに複雑なシステムに設置される及び/または固定されるように構成される。他の実施形態において、加熱装置は、代わりに一般的な媒体の加熱と異なる機能も実行するように設計された部品に統合され、その場合、前述の部品の本体の少なくとも一部は、また加熱装置のケース体を少なくとも部分的に得るために利用される。
【0084】
図27及び28に例示された場合において、装置20は、スタンドアロン部品として構成され、そのケース体21は、例えば電気絶縁熱可塑性材料で作られた2つの部品22及び23を備え、例えば、半製品1の長さを含む加熱要素の少なくとも一部をその内側に包み込むために、接着、または溶接、またはスロットに入れるによって、好ましくは液密で一緒に固定される。
【0085】
加熱装置のケース体の少なくとも一部は、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)など少なくとも1つのポリマを備えることが好ましい。前述のケース体の少なくとも一部は、前述の本体が、特に溶接(例えば振動溶接及び/またはそれぞれの材料の少なくとも部分的な再溶融)によって相互固定の目的のために取り付けられた、異なる構造(例えばタンクまたは油圧ダクト)の材料に適合可能及び/または溶接される材料で作られることが好ましい。
【0086】
図29から30に見られるように、様々な実施形態において、-ここで装置20の前部を構成するとして推定される-ケース部品23は、実質的に平坦、すなわち、実質的にプレート状に形作られるが、他のケース部品21は、少なくとも長さ1を受け入れるように設計された形状を有する筐体または台座25を定義するように形作られる。優先的に、
図30に例示されるように及び
図31及び32からも理解されるように、筐体25は、ケース部品22及び23の間のその正確な位置決めを保証するように、長さ1のプロファイルと少なくとも部分的に相補的なプロファイルを有する。
図27-30から推測されるように、このタイプのケースを用いる目的のために、接続体2の減少した幅は、少なくとも異なる加熱体3の間に延在するその部分において有利であり、さらに接続体2は、-必要ならば-加熱体3の1つ及び同じ面に関連する、すなわちそれらは1つの及び同じ平面に実質的に横たわることが利点である。
【0087】
様々な実施形態において、筐体25は、また長さ1の接続体の電気接続が設定された、一対の電気端子27のための位置決め要素26を受け入れるように形作られる。例示された場合において、位置決め要素24と端子27は、ケース部品22に定義される開口28を通って長さ1によって識別される平面を横切るまたは平面に直角な方向に突き出るように形作られ、ケース部品22は、端子27の一部をその内側に受け入れるように構成され、それによりコネクタ24を提供するコネクタ本体24aが取り付けられる。
【0088】
様々な優先的な実施形態において、ケース部品22及び23は、例えば振動溶接によって、一緒に溶接されるが、ツールまたは鋳型は、特に加熱要素3の周りの領域において互いに対してそれらを圧縮し、そのため装置内に空気が存在することを防ぐまたは空気の存在を減らす。この方法において、装置の可能性のある動作の失敗のリスクは防がれるまたは減らされる。装置内の多くの空気の存在は、実際に装置の加熱の動作ステップの間、かなりの膨張をもたらす。本体2の減少した幅は、またこれらの目的に有利である。
【0089】
装置20のいくつかの部分は、
図33から35に見られ、様々な実施形態において、2つのケース部品22及び23がどのように実質的に同じ厚さを有するかが注目される。
図36から37及び38から39は、代わりに他の実施形態において、どのようにケース部品22がケース部品23より厚いか、または部品23が部品22より厚いかを示す。異なる厚さの選択は、例えば、-作業位置での設置に従って-装置20の前部及び後部において実質的に同じである(
図34から35)熱の放出を得るために必要であるか、または前部(
図36から37)または後部(
図38から39)において熱の放出を好む必要があるとき、装置20の適用のタイプに依存する。もちろんケース部品22及び23の製造に用いられる厚さ及び材料は、いずれにせよこれらの材料は、装置20によって熱を放出できるような条件で要求に応じて変わる。
【0090】
有利な実施形態において、2つのケース部品の少なくとも1つは、熱伝導性であるが、電気絶縁性であるフィラまたは粒子が加えられたポリマを備える、すなわち、ケース体の少なくとも一部の材料は、例えば装置が取り付けられるタンクまたはダクトに含まれる液体と比較して、特に加熱体3とケース体の外部環境の間の熱交換を改善するために、電気絶縁であるが熱伝導性である(例えば窒化ホウ素粒子が加えられたHDPE)。
【0091】
図40-41は、実質的に同じ厚さを有するケース部品22及び23の場合を描くが、
図34から35に描かれるものより比較的はるかに厚いものを示す。熱伝導性フィラの可能な追加は、必要な場合、また前述の厚いケース部品22及び/または23の場合において、ケース体21の壁を通る熱伝導性及び/または熱交換を改善する。
【0092】
一般にケース部品22及び23の優先的な厚さは、0.1mmから2mmに及ぶ。異なる厚さの部品22及び23の組み合わせは、また製造要求及び装置自体の設置の要求に従って、全体として加熱装置の柔軟性/剛性を調整するために利用される。
【0093】
図27-41に描かれる場合において、半製品1の長さのための筐体25は、もっぱらケース部品の1つ、特に部品22のみで画定される。しかしながら、他の実施形態において、2つのケース部品は、前述の筐体のそれぞれの部分を画定する。例えば、
図42-43は、長さ1によって識別される平面に対して非対称である筐体の形態を描き、筐体の大きな部分25aは、2つのケース部品の1つ(ここでは、部品22)に画定され、筐体の小さい部分25bは、他のケース部品(ここでは部品23)に画定される。
図44-45は、代わりに、2つのケース部品22及び23によって画定される筐体の実質的に対称な構造の場合を示し、すなわち、これらの部品のそれぞれは、実質的に筐体の半分25a、25bを画定する。
【0094】
ケース部品22、23の1つまたは両方は、有利に筐体25またはそのそれぞれの部品25aまたは25bを定義するために熱成形することによって前もって作られる。他方において、2つの部品22、23の少なくとも1つが、特に比較的薄い厚さ(例えば0.35mm)のフィルムの形態で、十分に薄いならば、フィルムの筐体25または筐体25aまたは25bの一部を形作ることは、特に振動溶接の目的のために用いられる鋳型、2つのケース部品を一緒に溶接するために用いられる鋳型を用いて得られる。また1つのそのような動作は、本体2の減少した幅によって容易にされる。
【0095】
図46-49は、本発明のさらなる可能な実施形態に従う電気加熱装置、すなわち前に1によって指定されるタイプの半製品の複数の長さを統合する装置を例示する。
図27-45を参照して前に説明された概念は、また
図46-49に従って装置に関連して適用され、同じ符号は、既に上記されたそれらと技術的に等価な要素を指定するために用いられる。
【0096】
図46-49の装置20は、基本的に半製品1の複数の長さの使用の理由で及びケース体21の異なる一般の構造の理由で、
図27-45の装置と異なる。様々な実施形態において、示されたもののように、ケース体は、ケース自体の一般的な平面に対して少なくとも1つの傾斜部29を有する。さらに、様々な実施形態において、装置20は、
図46-47で30によって全体として指定された貫通孔を有し、2つのケース部品22及び23の互いに対して揃えられた、対応する開口30a、30bによって画定される。装置20は、例えば、排出通路など、前述のタンクの通路において配置された貫通孔30を備える、例えば自動車のタンクなど容器の内側に設置されるように例えば設計される。そのような適用は、問題のタンクが冷凍される物質(例えば水または水尿素溶液)を含むとき利用可能であり、加熱装置20は、前述のタンクの下部に取り付けられ、前述の物質の凍結を防ぎ、解凍を得て、物質は、タンクの排出口を通って流れる。このタイプの適用において、ケース体21の1またはそれ以上の傾斜部の存在は、タンクの形状に装置の形状を適応する必要による。
【0097】
図46-49に示される装置20のバージョンにおいて、複数の長さ1は、互いに並行に配置され、例えば、実質的に互いに平行である。2つのケース部品22、23の1つ、または前述の部品の両方によって画定される(
図42-43及び44-45を参照して説明されるもの参照)筐体25は、それに応じて形作られる。また、筐体25の一部は、ケース部品22、23のそれぞれの部分29a、29bによって画定される傾斜部29において延在することが好ましい。
【0098】
様々な実施形態において、半製品の1またはそれ以上の長さは、
図48-49に1’によって指定される長さについて、一般に曲がった(bent)または曲がった(curved)形態でケース21内に配置され、長さは、装置20の主な平面部に部分的に及びその傾斜部29に部分的に延在する。長さ1’の前述の曲がった(bent)または曲がった(curved)形状は、それらの弾性によって、すなわち対応する接続体2の曲げ能力によって、または前に説明されたものに従う塑性変形能を含むそれらの変形能によって可能になる。
図50、51及び52は、概略的にこの目的のために長さ1’の曲げ(bending)または曲げ(curving)の異なる可能な形態を例示する。
【0099】
本発明にしたがう加熱装置のケース21は、剛性タイプであり、例えばその部品は、長さまたは複数の長さ1がその後包み込まれる所望の曲部、または傾斜部を備えてモールドされる。代わりとして、しかしながら装置20は、最初に剛性で平面ケース21(例えば、
図27-28のように)を備えて得られ、次に変形、好ましくは熱変形を受け、例えば少なくとも部分的にアーチ型にされるまたはおおよそ曲がったプロファイルに従って線形伸縮する所望の最終形状を推定し、また、少なくとも部分的に柔軟、または装置が設置される(例えばタンク)環境に自発的に適応することができる、1またはそれ以上の関節を備えるケース21を備える装置が得られる。
【0100】
本発明に従う半製品1またはそれを使用する装置の電力と熱容量の分布は、例えば加熱体の長さ寸法、すなわち
図53-54及び55のL1によって示される寸法の変動によって(本体3に関連する用語「長さ」は、長さ1の部分の長さ寸法Lを指すように意図する)、様々な方法で、製造ステップで容易に変わる。例えば、
図55の1’’によって指定される部分または長さを参照して、1つ及び同じ半製品1が異なる長さL1を有する本体3が交互に含まれていることに留意すべきである。
【0101】
さらにまたは代わりに、半製品1の電力及び熱容量の分布は、加熱体3の間の距離、すなわち
図53-54及び55のSによって指定される寸法を変えることによって製造段階で得られる。この観点で、例えば1つ及び同じ半製品は、互いから第1の距離S離れた本体3及び互いから第2の距離S離れた本体3を交互に含む。
【0102】
互いに並行に配置された複数の長さ1を用いる加熱装置20の電力及び熱容量の分布におけるさらに別の可能性は、
図55の寸法Iによって示されるように、長さ自体の間の距離を変えることである。
【0103】
提案された実施形態のタイプにより電力の観点で最大の柔軟性を有することが可能である事実を害することなく、本出願人によって実施される実際の試験によって、次の優先的な大きさを定義することができる。
-寸法L1:5から50mm、好ましくは10から30mm。
-寸法S:>5mm、好ましくは10から20mm。
-寸法I:>5mm。
【0104】
もう一度優先的に、
-加熱体3の幅、すなわち
図54のW1で指定される寸法は、30から80mm、好ましくは、45から60mmである。
-加熱体3の厚さ、すなわち
図53の寸法T1は、0.5から5mm、好ましくは1から3mmである。
-接続体2の間の距離、すなわち
図54のW2で指定された寸法は、20から60mm、好ましくは35から55mmである。
-接続体2の幅、すなわち
図54のW3で指定された寸法は、1から20mm、好ましくは5から15mmである。
-接続体2の厚さ、すなわち
図53の寸法T2は、0.05から2mm、好ましくは、0.08から0.8mmである。
-それぞれの接続体2の両端の間の距離として理解される、半製品1の部分または長さの「外側長さ」、すなわち
図54のL2で指定される寸法は、1050mm以下、好ましくは250から850mmである。
-2つの端部体3の両端の間の距離として理解される、半製品1の部分または長さの「内側長さ」、すなわち
図54のL3で指定される寸法は、1000mm以下、好ましくは、200から800mmである。
-寸法W1とL1の比(W1/L1)は、0.6から16、好ましくは2から7である。
-寸法L1とSの比(L1/S)は、0.25から5、好ましくは1から3である。
-寸法W3とW1の比(W3/W1)は、0.03から0.5、好ましくは0.11から0.3である。
【0105】
一般に、電気及び機械接続部2aにおける電力密度は、接続体2と加熱体3の間の結合の特定の手順に依存する。例えば、加熱体3の厚さ(
図1-2の符号T)の方向に実質的に循環する電流を備える形態など、
図16-19または20-23を参照して説明されるタイプの接続形態は、電力密度を例えば加熱体3の幅Wの方向に実質的に循環する電流を備える形態など、
図1-6を参照して説明されるタイプの形態と比較して、明らかに高く到達できるようにする。
【0106】
上記に基づいて、本発明の可能な実施形態に従って、例えば
図16-19に従う部分2aの第1の長さ及び
図3-4に従う部分2aを備える第2の長さなど、接続部分2aの異なるバージョンによって区別される半製品の加熱装置の長さに統合できる、すなわち方向T及び/または方向Wに循環する電流を得るように設計された接続部分2aの異なるバージョンを統合することができる。この方法で、例えばいくつかの特定の点において高い電力値と他の点において低い電力値を有するように、加熱装置の様々な領域に電力を差別化することができる。
【0107】
もう一度上記に基づいて、部分2aの接続の少なくとも2つの異なる形態が、長さのそれらの方向に局所的に異なる電力を保証する部分を有することができるために共存する半製品1を得ることができる。例えば、
図16-19に従う部分2aと接続された(及びこのため高い電力で)少なくとも2つの加熱体3の間に、
図3-4に従う部分2aと接続された(及びこのため低い電力で)少なくとも1つの加熱体3が提供される、または
図3-4に従う部分2aに接続された(及びこのため低い電力で)少なくとも2つの加熱体3の間で、
図16-19に従う部分2aと接続された(及びこのため高い電力で)少なくとも1つの加熱体3が提供される。
【0108】
また、1つの及び同じ加熱体の2つの反対の端部領域において、例えば本明細書に記載されたものの中から選択された異なる接続形態を予測することができる。例えば2つの接続体2の1つの第1は、
図16-19に描かれるタイプの形態を備える加熱体3と関連し、第2の要素2’’は、それぞれの本体3の主面に設置されるが、本体3のそれぞれの対向する面に、第2の接続体2が例えば
図1-6を参照して説明されるタイプで提供される。そのような実施形態において、前述の第2の接続体2は、加熱体3の幅よりわずかに小さい一定の幅を有することもできる。このため「反対の端部領域」の定義は、本体3の2つの主面を含むとして理解されるであろう。
【0109】
前に言及されるように、メッシュ構造は、例えば糸またはストラップの機械加工から得られるネットの部分など、比較細い要素または部分の編み込みまたは十字交差によって形成されることが好ましい。前述の要素または部分は、0.2mmから0.02mmの直径または断面寸法を有することが好ましい。これによりまた前述の材料にそれらを少なくとも部分的に埋め込むことによって、材料3aにメッシュ構造の効率の良い固定ができ、そのため問題の部分の間の分離のリスクに対抗する。
【0110】
例えば、0.1mmより小さい直径の糸は、前に説明されたように、好ましくは材料を加熱3aすることによって、材料3aにそれらを強制的に浸透することができるのに有利であり、これは例えば0.05mmより小さい小さなメッシュ開口の場合においても有利である。0.1mmより大きい直径の糸は、代わりに材料3aが構造2aにオーバモールドされるとき使用するためにさらに便利であり、例えば1mmより大きいメッシュ開口など材料自体の浸透ができるように利用可能な広いメッシュ開口を有する必要がある(一般的に、本発明の実施に用いられる導電性織物繊維において、大きい直径の糸に対応するのは、広いメッシュ開口である。)
【0111】
比較的大きい直径の糸の部分は、有利に複数の小さい糸の部分によって置換される。例えば、直径0.14mmの糸の部分は、実質的に直径0.08mmの3つの糸の部分に対応する。この理由で、表皮効果を無視して、直径0.14mmの糸に発生する電流の通路は、直径0.08mmの3つの糸に発生する。しかしながら、0.08mmの直径の3つの糸の円周の合計(約0.77mm)が考慮されるならば、直径0.14mmの単一の糸の円周(約0.44mm)の2倍と略等しいことに注目するであろう。このため、3つの微細な糸の前述の大きな「全体の」円周に対応するメッシュ構造とPTC効果材料の間の接触の大きな表面があり(略2倍の大きさ)、このため、メッシュ構造とPTC効果材料の間で電気接触がより良くなり及び全体の機械接着がより広範になる。
【0112】
図56は、例えば一般的な液体物質のためのダクトまたはタンクなど、例えば異なる自動車部品に一体化される、おおよそ中空円筒形状の加熱装置20の実質的にアーチ型形態の、本発明に従う半製品1の少なくとも1つの長さの統合の場合を例示する(この目的のために、加熱体3は、特に前に示された長さL1の方向に少なくとも部分的に曲がったまたはアーチ型の形状を有する)。本記載の導入部で言及されたように、他方で、装置20を一体化する部品は、例えば、内燃機関の燃料フィルタを収納するまたは燃料フィルタに取り付けられる部品などいくつかの他のタイプであることができる。
【0113】
例示された場合において、それぞれの端子27は、-例えば
図16-19を参照して説明されるタイプである-長さ1の接続体2のそれぞれに関連し、2つの端子27は、例えば両方本体21の下面からなど、ここで実質的に管形状を有するケース体21から突き出る。ケースは、例えば長さ1及び端子27の一部に関連付けられるまたはオーバモールドされる電気絶縁熱可塑性材料で作られ、端子27の小さい部分のみが、電気接続の目的ために、部品の下面から突き出る。もちろん、
図56の装置20は、アーチ型形態の複数の長さ1を含むが、好ましくは必ずしも実質的に互いに同じである必要はない。
【0114】
また、この場合において、どのようにヒータまたはそれを一体化する部品の構造が非常に単純であるか理解されるであろう。長さ1は、必要な大きさに切断され、例えば金属ストラップによって形成される端子27は、その後それに関連付けられる。その後、長さ1によって及び端子27によって形成された集合体は、アーチ型の形態で長さ1を維持するまたは支持するためのそれ自体既知の技術に従って構成された、対応するケースに組み立てられるまたはモールドに設置され、モールドの閉鎖後、ケース体21の形成に必要な材料は、その中に注入される。
図57は、端子27を備える長さ1の場合を例示し、端子27の接続体2は、長さ自体におおよそアーチ型の形状を与えるために塑性変形を受ける(もちろん本体2は、また弾性的に柔軟タイプである)。その後、長さ1は、
図58のように装置20の内面21aを提供するべき電気絶縁材料で作られた中空部品に取り付けられ、最後に
図59のように装置20の外面21bを提供するべき電気絶縁材料は、その後形成される集合体にオーバモールドされる。異なる加熱体3の間に画定された「空間」、すなわちそれぞれ2つの本体3によって及び本体2の対応する中間部によって画定された半製品1の自由空間は、オーバモールドされた材料によって占有され、それにより装置の全体の丈夫さを増す。既に言及されたように、加熱体3の間に延在する接続体2の一部は、相互の重なりなく、幅方向に互いに距離を置いて設置される。これは、例えば弧形状または円形状が半製品に与えられたとき、2つの本体2の間の可能な望まれない接触を避けるために特に有利である。
【0115】
様々な実施形態において、本発明に従う半製品は、2より多い接続体を含む。例えば、それぞれの加熱体3の2つの対向する側面端部領域に接続された2つの接続体2に加えて、本体3の幅の部分に等しい幅も有する2
iによって指定されたさらなる接続体も含む、半製品1の場合が、
図60に例示される。接続体2
iは、幅方向にそこから空間を開けた2つの接続体2の間の中間部に延在し、同じ方法で作られ、このため様々な本体3と関連付けられるメッシュ構造を備えるそれぞれの電気及び機械接続部2aを備える。示される非限定の例において、3つの接続体は、本体3の1つ及び同じ主面に関連付けられる。
【0116】
このタイプの解決法は、加熱体3によって熱放出を変えるように選択され、加熱体3の一部のみまたは全加熱体3に電気的に供給することができる、すなわち、異なる供給形態で長さ1に供給することができる。例えば、接続体2の間に電位差を加えることによって、実質的に本体3の全PTC効果材料は、熱発生の目的のために供給される。代わりに、本体2の1つと本体2iの間に電位差を加えることによって前述の材料の部分のみが、ここでそれぞれの本体3の約半分に電気的に供給される。異なる例に従って、正極性で本体2に負極性で本体21に(またはその反対に)同時に供給することによって、回路の抵抗が実質的に半分にされるこの方法である限り、実質的に本体3の電力を2倍にできる。
【0117】
様々な本体2及び2iは、必ずしも対応する加熱体の1つ及び同じ面と全て関連付けられる必要はない。例えば、1つの面に2つの本体2を関連付け、対向する面に本体2iを関連付けることができ、その幅は、2つの本体3の間に含まれる中間伸長部の本体3の幅の部分に等しいことが好ましい(ここで幅は、本体3の幅の3分の1より小さい)。
【0118】
図61は、
図60の半製品の長さを一体化する加熱装置の概略分解組み立て図である。実施形態のタイプは、
図27から30を参照して例示されたものと実質的に同様である。この場合において、しかしながら、2つのケース部品22、23の少なくとも1つは、中間接続体2
iの位置決めもできるように形作られることが好ましい。例において、ケース部品22は、長さ1のプロファイルと少なくとも部分的に相補するプロファイルを有する対応する筐体または台座25を画定するように形作られ、このため、また少なくとも部分的に接続体2
iを受け入れるべき筐体のそれぞれの部分を画定する。
【0119】
さらに、例示された場合において、加熱装置は、3つの電気端子27を含み、電気端子のそれぞれは、長さ1のそれぞれの接続体2及び2iと電気接触して設置される。この場合においても、端子27の位置決め要素26及び端子自体は、ケース部品22に画定される開口28を通って長さ1によって識別される平面を横断するまたは直交する方向に突き出るように形作られ、ケース部品22は、3つの端子27の一部をその内側に受け入れるように構成され、それにより電気コネクタを提供するコネクタ体24aが取り付けられる。
【0120】
図62-64は、本発明に従う加熱装置のさらなる可能な実施形態の概略表示であり、本発明に従う半製品の複数の長さを含む。これらの図は、様々な実施形態において、加熱装置に一体化された半製品1の全ての長さが必ずしも互いに平行に配置される必要があるとは限らない。同じ図は、同様に様々な実施形態において、どのようにケース体の少なくとも1つの部品が半製品の複数の長さに接続する導電体のための位置決め領域を画定するために形作られることを例示する。
【0121】
図62の装置20は、
図46-47の29及び30によって指定されたタイプの傾斜部と貫通孔を含まないが、
図46-49を参照して説明されたものと実質的に同様である(しかしながら、少なくとも1つの傾斜部29及び少なくとも1つの貫通孔は、また
図62-64の装置に提供されてもよい)。
【0122】
この場合においても、2つのケース部品22、23の少なくとも1つは、複数のそれぞれ部分または長さを少なくとも部分的に受け入れるように構成された筐体または台座25を画定する。特に
図62及び63を参照して、ケース体21及びここで特にその部品22に画定された筐体が、半製品1の様々な長さのための筐体領域25’及び特に前述の部分または長さの横方向に従って、様々な長さを一緒に電気的に接続するために用いられる電気ケーブルまたは導体10のための筐体領域25’’の両方をどのように示すかに留意する。25’’によって指定されたタイプの筐体領域は、必要に応じて
図46-49の装置にも提供されることを留意すべきである。
【0123】
例示された場合において、前述の導体10の両端は、それぞれ
図63の1によって指定される2つの長さのそれぞれの接続体に接続される(すなわち、基本的に導体24により近い長さ及び導体24からさらに離れた長さ)。その後、同じ導体10は、例えば
図9-15を参照して前に記載された手順に従って、提供される他のそれぞれの長さのそれぞれの接続体に、中間点においてそれぞれ接続される。様々な長さの間の接続の形態は、
図64に見られる。
図64から、様々な実施形態において、どのように本発明に従う加熱装置の電気接続のための電気端子27が、1つの部分または長さ(示される特定の場合において、導体24に最も近い長さ)の接続体2に直接接続されるかに留意する。
【0124】
図62-64は、同様に加熱装置においてどのように複数の長さが、必ずしも互いに平行に配置される必要がないかを描き、代わりに互いに対して曲げられて配置されることができる。上記図から、実際に描かれた装置20において、どのように2つの異なる加熱領域が
図62のH1及びH2によって指定されて提供されるかに留意し、領域H1は、半製品1の4つの長さを含み、領域H2は、半製品1の2つの長さを含み、長さは、それぞれの領域H1、H2で互いに平行である。しかしながら、どのように領域H1及びH2の長さが、例えば装置20の取り付けの特定の要求またはその動作の間装置によって放出される熱の分布の特定の要求のために異なる角度で配置されるかに留意する。
【0125】
前に言及されたように、本発明に従う半製品が、実質的に柔軟または半剛性構造を有するという事実により、半製品は、特にロールまたはリールを形成するために、多かれ少なかれ円筒形状を仮定するように、それ自体巻くことができ、これは、製造及び格納段階で取り扱う目的のために特に有利である。観察されるように、この可能性は、加熱体の間の中間位置に配置された減少した幅を有する接続体の伸長部によって提供される関節の領域によって可能になる。
【0126】
既に言及されたように、前述の構造は、また取り扱い及び格納の目的のために同様に有利である、所望の高さに多かれ少なかれ一種の平行六面体スタックを形成するために実質的に同じ長さの位置を備える、反対方向にまたはジグザグパターンに従って、それ自体折り畳まれる。
【0127】
場合によっては支持体または容器の助けと共に、半製品の丸められたまたは折り畳まれた形態により例えば要求された大きさに半製品を供給し、長さに切断する、及び例えば配線または電気端子の溶接及びまたは加熱装置の支持体またはケースに取り付けなど他の製造ステップの実行など、機械または自動製造ラインに取り付けるように設計された供給装置を得ることができる。
【0128】
図65は、実質的に等しい部分にそれ自体に折り畳まれる形態の半製品1の場合を例示し、それぞれは、一定の数の加熱体3と接続体2の対応する伸長部を含む。描かれた例において、それぞれの折り曲げられた部分は、その1つはPによって指定され、3つの本体3と本体2のそれぞれの伸長部を含む。理解されるように、2つの部分P(ここで実質的に180°に曲げられる)の間に配置される本体2の伸長部は、前述の関節領域を提供し、全体として半製品1のジグザグパターンに曲げることができる。この方法で、様々な部分Pは、実質的に積み重ねられ、及びいずれにせよ前述の関節領域によって一緒に接続される。
【0129】
図65において、折り畳まれた半製品1が収納され、様々な部分Pが要求に従ってほどかれた容器が50よって指定される。そのような容器50(及びロールに巻かれた場合において糸巻き)は、供給装置、すなわち半製品を機械または製造ラインに供給するために用いられる装置の一部として機能するまたは一部を形成する。この目的のために、糸巻きまたは容器50は、機械または製造ラインに固定するための意図的に提供されたアタッチメントを有することが好ましい。
【0130】
図1-59を参照して説明された実施形態に関連して表現された概念は、また
図60-65を参照して説明された実施形態の場合に提供されることが当業者に明確であろう。
【0131】
前の記載から、本発明の特性は、その利点を同様に行うように出現する。本発明に従う半製品は、単純で、製造に経済的に有利であり、例えばロールまたはそれ自体に折り畳まれた形態でなど、コンパクトな形態で製造され、有利に格納され、その後対応する保護及び支持ケースの内側に様々に可能な形態で組み立てられるために所望の長さに次に切断されるストリップまたはウェブの形態で得られる。接続体が加熱体のPTC効果材料に少なくとも部分的に埋め込まれるメッシュ構造を含む事実は、特に半製品が丸められるまたは折り畳まれる、または加熱装置の製造または異なる部品に統合するまたは取り付ける目的のために製造ステップの間、曲げられなければならないとき、信頼性のある電気及び機械接続を保証し、同時に問題の部分の間の分離(separation)または分離(detachment)のリスクに対抗する。様々な加熱体の電気及び機械接続のために用いられるメッシュ構造が、優先的に比較的広範で密度が高い事実は、接続体とPCT効果材料の間の接着及び接触の良い表面を保証し、電流の最適な分布と強度を保証する。加熱体が比較的硬く、接続体の中間部が減少した幅を有し、場合によっては塑性方法で比較的柔軟で変形可能であるという事実は、様々な使用または製品に容易に適応し統合される構造を利用できることが可能ことを意味する。観察されるように、問題の構造は、いずれにせよ、容易に丸められるまたは折り畳まれ、半製品の障害の減少と取り扱いの容易さの観点で明白に有利である。
【0132】
本発明に従う半製品の長さは、前述の長さを統合するべき加熱装置または部品の形状に従って最適な方法で熱の分布を許容するために様々な形状で容易に「モールド」され、これらの装置及び部品は、互いに非常に異なる形状を有することができる。また、これにより適用の形状に従ってPTC効果材料のために専用のモールドを提供しなければならないことを避ける。本発明に従う加熱体を作り出すモールドは、他方で非常に単純である。また、本発明に従う半製品の長さを統合する装置のケースは、製造するために便利であり、例えば、熱成形技術を用いて、または見られるように、2つのケース部品の間の溶接のステップで用いられる同じ装置をモデル化するために利用して加熱装置の広い範囲の形状のために用いられる。
【0133】
2つの加熱体の間の中間位置に延在する接続体の部分は、関節または変形の領域としてのみでなく特に熱変動による寸法変動(例えば加熱及び後の冷却の動作サイクルの間の拡大または収縮など)の可能な寸法変動の回復のための補償の領域として機能し、そのため半製品の及び/または装置またはそれを統合する部品の故障のリスクを減らす。前述の部分が幅方向の距離において設置されることを条件として、非直線形状が、例えば弧形状または円形状など半製品に与えられるとき、接続体の間の偶然の電気接触のリスクを避ける。
【0134】
様々なバリエーションが添付された特許請求の範囲に定義されるように発明の範囲から逸脱することなく、例として説明される半製品及び電気ヒータへの分岐で当業者によってなされることが明確である。
【0135】
他の利点に不利益なく、本発明に従う半製品は、いずれにせよ例えば1から4mの便利な格納に適切な長さを有する平面ストリップまたはウェブとして製造され(すなわち丸められるまたは折り畳まれる)、その後所望の長さに切断される。