(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】カテーテル送達デバイス並びに関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20240226BHJP
A61M 39/28 20060101ALI20240226BHJP
A61B 5/153 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61M39/28 130
A61B5/153
(21)【出願番号】P 2021541652
(86)(22)【出願日】2020-01-16
(86)【国際出願番号】 US2020013925
(87)【国際公開番号】W WO2020150503
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-10-27
(32)【優先日】2019-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー シー.オブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ハウスリー
(72)【発明者】
【氏名】マーティ スタウト
(72)【発明者】
【氏名】エリック リンデクゲル
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0183141(US,A1)
【文献】特表2014-516643(JP,A)
【文献】特表2009-504338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 39/28
A61B 5/153
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主カテーテルを通して副カテーテルを送達するためのカテーテル送達デバイスであって、
ハウジング遠位端と、ハウジング近位端と、前記ハウジング遠位端および前記ハウジング近位端を通って延在するハウジング管腔と、を含むハウジングであって、前記ハウジング遠位端が、カテーテルアセンブリと結合するように構成されており、前記ハウジング近位端が、流体送達デバイスと結合するように構成されている、ハウジングと、
副カテーテル遠位端と、副カテーテル近位端と、前記副カテーテル遠位端および前記副カテーテル近位端を通って延在する副カテーテル管腔と、を含む副カテーテルであって、前記副カテーテルが、前記ハウジング内に配置され、前記副カテーテルが、前記流体送達デバイスにより提供される流体圧力に応答して前進位置まで遠位に移動するように構成されており、前記副カテーテルが前記前進位置にあるときに前記副カテーテル遠位端が前記ハウジング遠位端から遠位に配置される、副カテーテルと、
を含
み、
前記副カテーテルが前記前進位置にあるときに、第1の流体経路及び第2の流体経路を形成するように構成され、
前記第1の流体経路が、前記副カテーテルの外面と前記主カテーテルの内面との間に延在する流体経路であり、
前記第2の流体経路が、前記副カテーテルを通って延在する流体経路であり、前記第1の流体経路と流体連通していない、カテーテル送達デバイス。
【請求項2】
前記ハウジング遠位端が、オス型ルアーアダプタを含む、請求項1に記載のカテーテル送達デバイス。
【請求項3】
前記ハウジング近位端が、メス型ルアーアダプタを含む、請求項1に記載のカテーテル送達デバイス。
【請求項4】
前記ハウジングが、延長チューブを含む、請求項1に記載のカテーテル送達デバイス。
【請求項5】
前記副カテーテルが拡張部を含み、前記拡張部の直径が、前記
ハウジング管腔の一部の直径よりも大きく、前記副カテーテルが前記前進位置に配置されたときに前記
ハウジング管腔の一部が前記拡張部と接触し、前記副カテーテルが遠位に移動することを防ぐためのストッパーとして働く、請求項1に記載のカテーテル送達デバイス。
【請求項6】
前記ハウジングが延長チューブを含み、前記延長チューブ上に配置されたクランプをさらに含み、前記延長チューブに沿うクランプの位置が調節可能であり、前記
ハウジング管腔の一部への前記クランプの配置に応答して、前記副カテーテルが前記前進位置に配置されたときに前記
ハウジング管腔の一部が前記拡張部と接触し、前記副カテーテルが遠位に移動することを防ぐためのストッパーとして働く、請求項5に記載のカテーテル送達デバイス。
【請求項7】
前記拡張部が前記
ハウジング管腔の一部に接触することに応答して、前記拡張部と前記
ハウジング管腔の一部との間にシールが形成される、請求項5に記載のカテーテル送達デバイス。
【請求項8】
前記拡張部の外面が第1の複数の溝を含むか、または前記
ハウジング管腔の一部が第2の複数の溝を含み、前記第1の複数の溝または前記第2の複数の溝が、前記ハウジング近位端から前記ハウジング遠位端を通って流体が流れることを可能にするように構成される、請求項5に記載のカテーテル送達デバイス。
【請求項9】
前記ハウジングが透明であり、前記副カテーテルの外面または前記ハウジングの外面が、前記副カテーテル遠位端の位置を臨床医に示すための複数の印を含む、請求項1に記載のカテーテル送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
カテーテルは、一般的にさまざまな輸液療法に使用される。例えば、カテーテルは、生理食塩水、さまざまな薬剤、および総合的な非経口栄養などの流体を患者へと注入するために用いることができる。また、カテーテルは、患者から血液を採取するためにも使用することができる。
【0002】
カテーテルの一般的なタイプは、オーバーザニードル末梢静脈(「IV」)カテーテルである。その名前が示すように、オーバーザニードルカテーテルは、鋭い遠位先端を有する導入針を覆って取り付けられてもよい。カテーテルおよび導入針は、導入針の遠位先端が、針の斜面が患者の皮膚から反対の仰向けの状態でカテーテルの遠位先端を越えて延在するように、組み立てられてもよい。カテーテルおよび導入針は、一般的に、皮膚を通して患者の血管系へと浅い角度で挿入される。
【0003】
導入針および/またはカテーテルが血管内に適切に配置されたことを確認するために、臨床医は、一般的に、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバー内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が一度確認されると、臨床医は、血管系内の流れを一時的に塞いで導入針を引き抜くことができ、後の採血または輸血のためにカテーテルは定位置に残しておく。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
末梢静脈IVカテーテルを用いた採血は、具体的には、カテーテルの留置時間が1日を超える場合に、いくつかの理由のために困難となることがある。例えば、カテーテルを患者に長期間挿入したままにした場合に、カテーテルまたは静脈は、狭窄し、壊れ、ねじれ、デブリ(例えば、フィブリンまたは血小板血餅)により閉塞し、および血管系へカテーテルの先端を配置することの影響をより受けやすくなる場合がある。このため、カテーテルは、カテーテルの配置の時に血液サンプルを採取するために度々用いられることはあるが、カテーテル留置期間の間に血液サンプルを採取するために用いられる頻度は、より少ない。故に、血液サンプルが必要な場合に、採血のための静脈へのアクセスをもたらす追加の針刺しが必要となり、これは、患者にとって苦痛となる場合があり、さらに材料費が結果的により高くなる。したがって、例えば、追加の針刺しのない患者の血管系におけるカテーテルおよびプローブのような、血液サンプル器具を配置することを容易にするカテーテルシステムおよび方法が必要である。
【0005】
本明細書で請求される主題は、あらゆる不利益を解決する実施形態、または上述のような環境下だけで動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で説明されるある実装が実施され得る一例の技術領域を説明するためにのみ提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一般に、副カテーテルを、カテーテルアセンブリを通して患者の血管系に送達するためのカテーテル送達デバイス、並びに関連するシステムおよび方法に関する。ある実施形態において、カテーテルシステムは、カテーテル送達デバイスおよびカテーテルアセンブリを含むことができる。本開示で使用される場合、「遠位」という用語は、臨床医からより遠いカテーテルシステムまたはその構成要素の一部を指し、「近位」という用語は、臨床医から近いカテーテルシステムまたはその構成要素の一部を指す。
【0007】
いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリはカテーテルアダプタを含んでもよく、カテーテルアダプタは、カテーテルアダプタ遠位端と、カテーテルアダプタ近位端と、カテーテルアダプタ遠位端およびカテーテルアダプタ近位端を通って延在するカテーテルアダプタ管腔と、を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリは主カテーテルを含んでもよく、それはカテーテルアダプタに固定されてもよく、カテーテルアダプタ遠位端から遠位に延在してもよい。いくつかの実施形態において、主カテーテルは、主カテーテル遠位端と、主カテーテル近位端と、主カテーテル遠位端および主カテーテル近位端を通って延在する主カテーテル管腔と、を含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態において、カテーテル送達デバイスはハウジングを含んでもよく、ハウジングは、ハウジング遠位端と、ハウジング近位端と、ハウジング遠位端およびハウジング近位端を通って延在するハウジング管腔と、を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング遠位端は、カテーテルアセンブリに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテルは、ハウジング内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテルは、副カテーテル遠位端と、副カテーテル近位端と、副カテーテル遠位端および副カテーテル近位端を通って延在する副カテーテル管腔と、を含んでもよい。
【0009】
いくつかの実施形態において、副カテーテルは、流体送達デバイスによって提供される流体圧力に応答して、前進位置まで遠位に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテルが前進位置にあるときに、副カテーテル遠位端は、主カテーテル遠位端の遠位に配置されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、ハウジング遠位端は遠位コネクタを含んでもよく、および/またはハウジング近位端は近位コネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、遠位コネクタは、オス型ルアーアダプタまたは任意の他の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、近位コネクタは、メス型ルアーアダプタまたは任意の他の適切なコネクタを含んでもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、副カテーテルは、拡張部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、拡張部の直径は、カテーテルシステムの一部の直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態において、当該カテーテルシステムの一部は、副カテーテルが前進位置に配置されたときに拡張部と接触してもよく、副カテーテルが遠位に移動することを防ぐためのストッパーとして働いてもよい。いくつかの実施形態において、当該カテーテルシステムの一部は、ハウジング管腔に配置されてもよい。例えば、当該カテーテルシステムの一部は、ハウジング遠位端に配置され得る、オス型ルアーアダプタ内に配置されてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態において、ハウジングは延長チューブを含んでもよく、延長チューブは、可撓性または半可撓性でもよい。いくつかの実施形態において、クランプが延長チューブ上に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、クランプは、延長チューブに沿って調節可能でもよい。いくつかの実施形態において、クランプは、クランプの位置で延長チューブの内径を減少させ、副カテーテルが遠位に移動することを防ぐためのストッパーを作り出すことができる。
【0013】
いくつかの実施形態において、カテーテルシステムは、第1の流体経路および第2の流体経路を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム内で、第1の流体経路は、第2の流体経路と分離されていてもよく、第2の流体経路と流体連通していなくてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタはサイドポートを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体経路および/または第2の流体経路は、サイドポートおよび主カテーテルを通って延在してもよい。いくつかの実施形態において、第2の流体経路は、カテーテルアダプタ近位端を通って延在してもよい。いくつかの実施形態において、第2の流体経路は、副カテーテルを通って延在してもよく、第1の流体経路は、副カテーテルを通って延在していなくてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態において、第1の流体は、第1の流体経路を介して患者の血管系に送達されてもよく、第2の流体は、第2の流体経路を介して患者の血管系に送達されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体は、第2の流体が第2の流体経路を介して患者の血管系に送達されると同時に、第1の流体経路を介して患者の血管系に送達されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、薬剤を、第1の流体経路を介して患者の血管系に送達することができ、フラッシュ溶液または生理食塩水を、第2の流体経路を介して患者の血管系に送達することができる。いくつかの実施形態において、薬剤を、第2の流体経路を介して患者の血管系に送達することができ、フラッシュ溶液または生理食塩水を、第1の流体経路を介して患者の血管系に送達することができる。これらおよび他の実施形態において、主カテーテルを超えて、カテーテルアセンブリの挿入部位からさらに副カテーテルを伸ばすことにより、より多くの血流がある、血管系のより健康な部分への薬剤の送達を容易にすることができる。このことは、薬剤の刺激が強い場合に特に有用であり得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、主カテーテルの遠位端は、遠位開口部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体経路内の流体が遠位開口部と副カテーテルとの間を遠位に流れることができるように、副カテーテルの外周を遠位開口部から離して配置してもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテルの遠位端は、通常の生理学的条件下で閉じるように構成されたスリットを含んでもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテルの遠位端は、1つまたは複数の拡散孔を含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態において、主カテーテル遠位端の遠位開口部は、副カテーテルの外周に接触していてもよい。これらおよび他の実施形態において、主カテーテル遠位端はスリットを含んでもよく、スリットは通常の生理学的圧力下で閉じるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、主カテーテル遠位端は、1つまたは複数の拡散孔を含んでもよい。
【0018】
いくつかの実施形態において、副カテーテルは、軟質または可撓性の材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態において、軟質もしくは可撓性材料および/または副カテーテルが前進する間のフラッシュは、血管系にほとんどまたは全く損傷を与えることなく、患者の血管系内への副カテーテルの円滑な配置を容易にし得る。いくつかの実施形態において、副カテーテルが前進する間のフラッシュは、第1の流体経路および/または第2の流体経路を介して起きてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態において、カテーテルシステムのハウジングおよび/または他の構成要素は、透明でもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテルの外面は、1つまたは複数の印を含んでもよく、それにより、副カテーテル遠位端の位置を臨床医に示すことができる。
【0020】
いくつかの実施形態において、副カテーテルを患者の血管系内に留置および挿入され得るカテーテルアセンブリまで送達する方法は、ハウジングをカテーテルアセンブリに結合する工程を含んでもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、流体送達デバイスを作動させる工程を含んでもよく、流体送達デバイスはハウジングに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、流体送達デバイスの作動に応答して、流体は、ハウジングおよびカテーテルアセンブリを通って遠位に流れることができる。いくつかの実施形態において、流体はカテーテルアセンブリを通して副カテーテルを遠位方向に前進させてもよい。いくつかの実施形態において、流体送達デバイスの作動は、副カテーテルが前進したときに、カテーテルアセンブリおよび/または血管系のフラッシュをもたらしてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、この方法は、ハウジングをプライムする工程を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ハウジングは、流体送達デバイスの作動前にプライムされてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル送達デバイスをカテーテルアセンブリに結合する前に、ハウジングがプライムされてもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、流体送達デバイスをハウジング近位端から取り外す工程、および採血装置をハウジング近位端に結合する工程を含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、血液サンプルは、副カテーテルを介して採血装置内に収集されてもよい。いくつかの実施形態において、この方法は、採血装置をハウジング近位端から取り外す工程、および別の採血装置をハウジング近位端に結合する工程を含んでもよい。いくつかの実施形態において、また別の血液サンプルが、副カテーテルを介して別の採血装置内に収集されてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、患者の血管系から副カテーテルを引き抜くことなく、複数の血液サンプルを患者から収集することができる。
【0023】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、両方とも例示的かつ説明的であり、特許請求の範囲と同様に、本発明を限定しないと理解される。さまざまな実施形態は、図面に図示される配置および手段に限定されないことを理解されたい。また、実施形態を組み合わせることができ、または他の実施形態を利用することができ、そうであると主張されない限り、本発明のさまざまな実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更をすることができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0024】
例示的な実施形態は、添付の図面を使用することにより、具体的かつ詳細に記載および説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテル送達デバイスの上面斜視図である。
【
図1B】
図1Bは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテル送達デバイスの断面図である。
【
図1C】
図1Cは、
図1Aのカテーテル送達デバイスの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、例示的な前進位置にある例示的な副カテーテルを図示する。
【
図1D】
図1Dは、
図1Aのカテーテル送達デバイスの断面図であり、いくつかの実施形態による、前進位置にある副カテーテルを図示する。
【
図2A】
図2Aは、
図1Aのカテーテル送達デバイスの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、別の例示的な前進位置にある副カテーテルおよび例示的なクランプを図示する。
【
図2B】
図2Bは、
図1Aのカテーテル送達デバイスの断面図であり、いくつかの実施形態による、
図2Aの別の前進位置にある副カテーテルおよびクランプを図示する。
【
図3A】
図3Aは、例示的なカテーテルシステムの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルアセンブリに結合された
図1Aのカテーテル送達デバイスを図示する。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aのカテーテルシステムの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、流体注入後の例示的な注射器を図示する。
【
図3C】
図3Cは、
図3Aのカテーテルシステムの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、カテーテル送達デバイスに結合された例示的な採血装置を図示する。
【
図4】
図4は、
図3Aのカテーテルシステムの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、別の例示的なカテーテルアセンブリに結合された
図1Aのカテーテル送達デバイスを図示し、および前進位置にある副カテーテルを図示する。
【
図5】
図5は、
図3Aのカテーテルシステムの上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、別の例示的なカテーテルアセンブリに結合された
図1Aのカテーテル送達デバイスを図示し、および前進位置にある副カテーテルを図示する。
【
図6A】
図6Aは、
図3Aのカテーテルシステムの例示的な遠位端の上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、1つまたは複数の拡散孔を有する例示的な主カテーテル、および副カテーテルを図示する。
【
図7A】
図7Aは、
図3Aのカテーテルシステムのまた別の例示的な遠位端の上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、主カテーテルの遠位開口部よりも小さい直径を有する副カテーテルを図示する。
【
図8A】
図8Aは、
図3Aのカテーテルシステムのまた別の例示的な遠位端の上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、閉位置にある例示的なスリットを図示する。
【
図8B】
図8Bは、
図8Aの遠位端の断面図であり、いくつかの実施形態による、開放位置にあるスリットを示す。
【
図9A】
図9Aは、
図3Aのカテーテルシステムのまた別の例示的な遠位端の上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、流体の注入に応答して屈曲した副カテーテルを図示する。
【
図10A】
図10Aは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテル送達デバイスの副カテーテルの例示的な遠位端の断面図である。
【
図10B】
図10Bは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテル送達デバイスの副カテーテルのまた別の例示的な遠位端の断面図である。
【
図10C】
図10Cは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテル送達デバイスの副カテーテルのまた別の例示的な遠位端の断面図である。
【
図10D】
図10Dは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテル送達デバイスの副カテーテルのまた別の例示的な遠位端の断面図である。
【
図10E】
図10Eは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテル送達デバイスの副カテーテルのまた別の例示的な遠位端の断面図である。
【
図11A】
図11Aは、いくつかの実施形態による、
図1Aのカテーテル送達デバイスの例示的な遠位コネクタの例示的な溝に近接する副カテーテルの例示的な拡張部の断面図である。
【
図11B】
図11Bは、
図11Aの拡張部の上面斜視図であり、いくつかの実施形態による、拡張部に配置された例示的な溝を示す。
【
図12A】
図12Aは、いくつかの実施形態による、例示的な副カテーテルの上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで
図1A~1Bを参照すると、カテーテル送達デバイス10は、カテーテルアセンブリを介する患者の血管系への副カテーテル12の送達を容易にすることができる。いくつかの実施形態において、カテーテル送達デバイス10は、ハウジング14を含んでもよく、ハウジング14は、カテーテルアセンブリに結合するように構成することができるハウジング遠位端16を含んでもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング14は、ハウジング近位端18と、ハウジング遠位端16およびハウジング近位端18を通って延在するハウジング管腔20と、を含んでもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、ハウジング14内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、ハウジング管腔20内で緩んでいるか、または外れていてもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、副カテーテル遠位端22と、副カテーテル近位端24と、副カテーテル遠位端22および副カテーテル近位端24を通って延在する副カテーテル管腔26と、を含んでもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、流体送達デバイスによって提供される流体圧力に応答して、前進位置まで遠位に移動するように構成されてもよく、ハウジング近位端18に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング14は、透明でもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング14の外面は、1つまたは複数の印27を含んでもよく、これにより、カテーテルアセンブリ内またはカテーテルアセンブリの主カテーテルを越えた副カテーテル遠位端22の位置を臨床医に示すことができる。
【0029】
図1A~1Bは、いくつかの実施形態による、流体送達デバイスの作動および副カテーテル12が前進位置へ遠位移動する前の副カテーテル12を図示する。いくつかの実施形態において、流体送達デバイスの作動に応答して遠位に移動するために、ハウジング管腔20は滑らかでもよく、副カテーテル12に対するいかなる留め具も含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング管腔20は、曲がりくねっていなくてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、留置カテーテルアセンブリの主カテーテルに構造的支持を提供してもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、例えば、主カテーテルの先端に破片が蓄積し、および/または主カテーテルの故障により、主カテーテルがもはや機能的または安全ではなくなった場合に、ユーザーが副カテーテルを介して血液サンプルを採取し、または流体を注入することを可能とすることができる。そのため、いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、主カテーテルをより少ない頻度で交換することができるにつれて、患者の経験する針刺しの数を低減することができる。いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、第1の流体経路に加えて、第2の流体経路を提供することができる。いくつかの実施形態において、第1の流体経路は、後により詳細に説明されるように、副カテーテル12の外面と主カテーテルの内面との間に配置されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、軟質または可撓性の材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12を構成する材料、および/または副カテーテル12の前進中のフラッシュは、血管系にほとんどまたは全く損傷を与えることなく、患者の血管系内に副カテーテル12を円滑に配置することを容易にし得る。いくつかの実施形態において、副カテーテル12の前進中のフラッシュは、第1の流体経路および/または第2の流体経路を介して起こってもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、シリコーン、ポリイミド、ラテックス、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレン、または別の適切な材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12の外面は、潤滑剤を含んでもよく、それにより、遠位方向へ副カテーテル12が円滑に前進すること容易にすることができる。
【0032】
いくつかの実施形態において、ハウジング遠位端16は、遠位コネクタ28を含んでもよく、および/またはハウジング近位端18は、近位コネクタ30を含んでもよい。いくつかの実施形態において、遠位コネクタ28は、スリップもしくはねじ式メス型ルアーアダプタ、またはスリップもしくはねじ式オス型ルアーアダプタ、または任意の他の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、近位コネクタ30は、スリップもしくはねじ式メス型ルアーアダプタ、またはスリップもしくはねじ式オス型ルアーアダプタ、または無針コネクタを含む任意の他の適切なコネクタを含んでもよい。
【0033】
ある実施形態において、副カテーテル12は、拡張部32を含んでもよい。いくつかの実施形態において、拡張部32の直径は、ハウジング管腔20の一部の直径よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態において、拡張部32は先細になっていてもよく、当該ハウジング管腔20の部分に対してくさび形になっていてもよい。ここで
図1C~1Dを参照すると、いくつかの実施形態において、当該ハウジング管腔20の部分は、副カテーテル12が前進位置に配置されたときに拡張部32と接触し、副カテーテル12の遠位移動を防ぐためのストッパーとして働いてもよい。いくつかの実施形態において、当該ハウジング管腔20の部分は、例えば
図1Dに図示されるように、ハウジング遠位端16に配置され得るオス型ルアーアダプタ内に配置されてもよい。
【0034】
図1C~1Dは、いくつかの実施形態による、流体送達デバイスの作動に応答した副カテーテル12を図示する。いくつかの実施形態において、注射器または別の流体送達デバイスを含み得る流体送達デバイスの作動に応答して、流体が流体送達デバイスから放出されてもよく、ハウジング14を通って遠位に流れてもよい。いくつかの実施形態において、いくつかの実施形態によれば、流体は、副カテーテル12を前進位置まで遠位に移動させることができる。いくつかの実施形態において、流体送達デバイスを介して第1の量の流体を投与することにより、副カテーテル12を部分的に前進させることができる。いくつかの実施形態において、流体送達デバイスを介して追加の量の流体を投与することにより、副カテーテル12を前進位置まで前進させることができる。
【0035】
ここで、
図2A~2Bを参照すると、いくつかの実施形態において、ハウジングは延長チューブを含んでもよく、それは可撓性または半可撓性でもよい。いくつかの実施形態において、クランプ34が延長チューブ上に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、クランプ34は、延長チューブに沿って調節可能でもよい。いくつかの実施形態において、クランプ34は、クランプ34の位置で延長チューブの内径を減少させ、副カテーテル12の遠位移動を防ぐためのストッパーを作り出すことができる。
【0036】
ここで
図3A~3Dを参照すると、いくつかの実施形態において、カテーテルシステム36は、カテーテル送達デバイス10およびカテーテルアセンブリ38を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ38はカテーテルアダプタ40を含んでもよく、カテーテルアダプタ40は、カテーテルアダプタ遠位端42と、カテーテルアダプタ近位端44と、カテーテルアダプタ遠位端42およびカテーテルアダプタ近位端44を通って延在するカテーテルアダプタ管腔46と、を含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ38は主カテーテル48を含んでもよく、主カテーテル48は、カテーテルアダプタ40に固定されてもよく、カテーテルアダプタ遠位端42から遠位に伸びていてもよい。いくつかの実施形態において、主カテーテル48は、主カテーテル遠位端50と、主カテーテル近位端52と、主カテーテル遠位端50および主カテーテル近位端52を通って延在する主カテーテル管腔54と、を含んでもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、カテーテルシステム36は、針ハブと、針ハブから主カテーテル48を通って遠位に延びる導入針と、を含んでもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12を前進位置に移動させる前に、針ハブおよび導入針を取り外してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、ハウジング遠位端16は、様々な方法および構成でカテーテルアセンブリ38に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング遠位端16は、カテーテルアセンブリ38に結合されてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態において、ハウジング遠位端16は、カテーテルアダプタ40から延在し得るカテーテルアセンブリ38の延長セットに結合されてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム36は、1つまたは複数の延長チューブを含んでもよく、それは様々な構成で配置されてもよい。いくつかの実施形態において、延長セットは、延長チューブ53および/または延長チューブ55を含んでもよい。いくつかの実施形態において、延長チューブ53は、カテーテルアダプタ40から伸びていてもよい。いくつかの実施形態において、延長セットは、コネクタ57を含んでもよく、それはYコネクタまたはTコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態において、延長チューブ55は、コネクタ57のポートから延びることができる。いくつかの実施形態において、ハウジング遠位端16は、コネクタ57の別のポートに結合されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、無針コネクタ59は、カテーテルシステム36内の様々な場所に配置することができる。いくつかの実施形態において、ハウジング遠位端16は、無針コネクタ59に結合されてもよく、無針コネクタ59は、例えば、カテーテルアダプタ40またはコネクタ57に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、無針コネクタ59は、例えば、
図3A~3Dに図示されるように、延長セットの近位端に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、また別の流体送達デバイスを、無針コネクタ59または延長チューブ55に結合することができる。
【0041】
いくつかの実施形態において、カテーテルシステムは、例えば、
図3Dに図示されるように、第1の流体経路56および第2の流体経路58を含んでもよい。いくつかの実施形態において、別の流体送達デバイスは、第1の流体経路56を介して患者に流体を送達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体経路56は、カテーテルシステム内の第2の流体経路58から分離されていてもよく、第2の流体経路と流体連通していなくてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアダプタ40はサイドポート41を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体経路56および/または第2の流体経路58は、サイドポート41および主カテーテル48を通って延在してもよい。いくつかの実施形態において、第2の流体経路58は、副カテーテル12を通って延在してもよく、第1の流体経路56は、副カテーテル12を通って延在しなくてもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体経路56の少なくとも一部は、副カテーテル12と主カテーテル48との間の隙間に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、隙間は環状でもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、流体送達デバイスの作動に応答して遠位に移動するために、第2の流体経路58は滑らかでもよく、副カテーテル12に対するいかなる留め具も含まなくてもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体は、第1の流体経路56を介して患者の血管系に送達されてもよく、第2の流体は、第2の流体経路58を介して患者の血管系に送達されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体は、第2の流体が第2の流体経路58を介して患者の血管系に送達されると同時に、第1の流体経路56を介して患者の血管系に送達されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態において、薬剤を、第1の流体経路56を介して患者の血管系に送達してもよく、フラッシュ溶液または生理食塩水を、第2の流体経路58を介して患者の血管系に送達してもよい。いくつかの実施形態において、薬剤を、第2の流体経路58を介して患者の血管系に送達してもよく、フラッシュ溶液または生理食塩水を、第1の流体経路56を介して患者の血管系に送達してもよい。これらおよび他の実施形態において、主カテーテル48を超えて、カテーテルアセンブリ38の挿入部位からさらに副カテーテル12を伸ばすことにより、より多くの血流がある、血管系のより健康な部分への薬剤の送達を容易にすることができる。このことは、薬剤の刺激が強い場合に特に有用であり得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、副カテーテル12の長さは変化してもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12が前進位置にあるとき、副カテーテル遠位端22は、主カテーテル遠位端50の遠位に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、前進位置に配置された副カテーテル12は、カテーテルアセンブリ38を末梢静脈内カテーテルアセンブリから正中線カテーテルアセンブリに変えることができる。いくつかの実施形態において、副カテーテル遠位端22は、カテーテルアダプタ遠位端42から約3インチ以上遠位に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル遠位端22は、カテーテルアダプタ遠位端42から約2~約4インチ遠位に、および/または主カテーテル遠位端50から約0~約3インチ遠位に配置されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、拡張部32の直径は、カテーテルシステム36の一部の直径よりも大きくてもよく、カテーテルシステム36はカテーテル送達デバイス10を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム36のその部分は、副カテーテル12が前進位置に配置されたときに拡張部32と接触してもよく、副カテーテル12の遠位移動を防止するためのストッパーとして機能してもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルシステム36のその部分は、例えば、延長セット、コネクタ、無針コネクタ59、カテーテルアダプタ40、または主カテーテル48など、カテーテルシステム36内の任意の場所に配置することができる。
【0046】
例えば、
図3Aに図示されるように、いくつかの実施形態において、流体送達デバイス60は、ハウジング14に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、流体送達デバイス60は、例えば、
図3Bに図示されるように作動させることができる。いくつかの実施形態において、流体送達デバイス60の作動に応答して、流体は、ハウジング14およびカテーテルアセンブリ38を通って遠位に流れることができる。いくつかの実施形態において、流体は副カテーテル12を、カテーテルアセンブリ38を通して遠位方向に前進させることができる。いくつかの実施形態において、流体送達デバイス60の作動は、副カテーテル12が前進するにつれて、カテーテルアセンブリ38および/または血管系のフラッシュを提供してもよい。いくつかの実施形態において、流体送達デバイス60は、注射器または別の適切な流体送達デバイスを含んでもよく、これらは流体を事前に充填されていてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、ハウジング14を、流体送達デバイス60の作動前にプライムしてもよい。いくつかの実施形態において、カテーテル送達デバイス10をカテーテルアセンブリ38に結合する前に、ハウジング14をプライムしてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態において、流体送達デバイス60は、流体送達デバイス60が作動され、副カテーテル12が前進位置に移動されることに応答して、ハウジング近位端18から取り外されてもよい。いくつかの実施形態において、例えば
図3Cに図示される採血装置63は、流体送達デバイス60がハウジング近位端18から取り外された後、ハウジング近位端18に結合されてもよく、血液サンプルは、副カテーテル12を介して採血装置内に収集されてもよい。いくつかの実施形態において、採血装置63は、真空管、試験管、注射器、または任意の他の適切な採血装置を含んでもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、採血装置63は、ハウジング近位端18から取り外されてもよく、採血装置63と類似または異なる別の採血装置が、ハウジング近位端18に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、別の血液サンプルが、副カテーテル12を介して別の採血装置内に収集されてもよい。したがって、いくつかの実施形態において、患者の血管系から副カテーテル12を引き抜くことなく、複数の血液サンプルを患者から収集することができる。いくつかの実施形態において、カテーテル送達デバイス10は、副カテーテル12の長期配置を容易にすることができる。いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、副カテーテル12を介して血液サンプルを収集した後、主カテーテル48内に配置されたままにされてもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、患者にとって血管アクセスがもはや必要とされないために主カテーテル38が取り除かれるまで、主カテーテル48内に配置されたままでもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、カテーテル送達デバイス10は、任意の適切なカテーテルアセンブリと共に使用することができる。ここで
図4を参照すると、いくつかの実施形態において、カテーテル送達デバイス10は、カテーテルアセンブリ61に結合されてもよく、カテーテルアセンブリ61は、サイドポートから延びる延長チューブなしで一体化されていなくてもよい。これらおよび他の実施形態において、カテーテルシステム36は、単一の流体経路を含んでもよく、それは副カテーテル12を通って延在してもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング遠位端16は、カテーテルアダプタ近位端44に結合されてもよい。
【0051】
ここで
図5を参照すると、いくつかの実施形態において、カテーテル送達デバイス10は、カテーテルアセンブリ62に結合されてもよく、カテーテルアセンブリ62はカテーテルアダプタ近位端44に結合されるTコネクタ65を含んでもよい。いくつかの実施形態において、カテーテルアセンブリ62は、第1の流体経路56および第2の流体経路58を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体経路56は、カテーテルアセンブリ62内の第2の流体経路58から分離されていてもよく、第2の流体経路58と流体連通していなくてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、カテーテル送達デバイス10は、Tコネクタ65の第1のポートに結合されてもよく、第1のポートは、主カテーテル48の長手方向軸と平行に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の流体経路56は、Tコネクタ65の別のポート67を通って、主カテーテル48と副カテーテル12との間に延在してもよい。いくつかの実施形態において、第2の流体経路58は、副カテーテル12を通って延在してもよい。
【0053】
ここで
図6A~6Bを参照すると、いくつかの実施形態において、主カテーテル遠位端50は、遠位開口部64を含んでもよい。いくつかの実施形態において、主カテーテル遠位端50は、1つまたは複数の拡散孔66を含んでもよく、これは、主カテーテル遠位端50を通して開けることができる。いくつかの実施形態において、拡散孔66は角度を付けられてもよい。いくつかの実施形態において、遠位開口部64は、副カテーテル12の外周の全部または一部に接触することができる。いくつかの実施形態において、拡散孔66は、流体が第1の流体経路56を出て患者の血管系に入ることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態において、拡散孔66は、主カテーテル遠位端50に、および/または主カテーテル48に沿った任意の場所に配置することができる。
【0054】
ここで
図7A~7Bを参照すると、いくつかの実施形態において、副カテーテル12の外周は、第1の流体経路56内の流体が遠位開口部64および副カテーテル12の間を遠位に流れることができるように、主カテーテル遠位端50の遠位開口部64から間隔をあけて配置されてもよい。
【0055】
ここで
図8A~8Bを参照すると、いくつかの実施形態において、主カテーテル遠位端50の遠位開口部64は、副カテーテル12の外周に接触していてもよい。いくつかの実施形態において、主カテーテル遠位端50は閉じられてもよく、かつスリット68を含んでもよく、スリット68は通常の生理学的圧力下で閉じられるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、所定の圧力差に応答して、スリット68は開いてもよい。いくつかの実施形態において、スリット68は、主カテーテル48を介した患者への流体の注入の間に開いていてもよい。いくつかの実施形態において、スリット68は、主カテーテル遠位端50に、および/または主カテーテル48に沿った任意の場所に配置することができる。
【0056】
いくつかの実施形態において、主カテーテル48の全部または一部は、シリコーンで構成されてもよい。いくつかの実施形態において、スリット68を含む主カテーテル48の一部は、シリコーンで構成されてもよい。いくつかの実施形態において、主カテーテル48の全部または一部は、ポリウレタンまたは別の好適なプラスチックで構成されてもよい。いくつかの実施形態において、主カテーテル48のスリット68を含む部分は、ポリウレタンまたは別の適切なプラスチックで構成されてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、スリット68は、主カテーテル48の長手方向軸に沿って方向を合わせた長手方向スリットを含んでもよい。いくつかの実施形態において、スリット68が閉位置にあるとき、スリット68の対向する面は互いに接触してもよい。いくつかの実施形態において、スリット68は、閉位置にあってもよく、通常の生理学的圧力下で密封され、流体がスリット68を通って流れることを防ぐことができる。いくつかの実施形態において、スリット68は通常の生理学的圧力下で閉じられ、血液が主カテーテル48内に拡散することを防ぐことができるため、主カテーテル48は閉塞および血栓症に耐性を有し得る。
【0058】
ここで
図9A~9Bを参照すると、いくつかの実施形態において、副カテーテル12の外面と主カテーテル48の内面との間で主カテーテル48を通って遠位方向に流れる流体からの流体圧力に応答して、副カテーテル12は屈曲または崩壊し得る。いくつかの実施形態において、副カテーテル12の屈曲または崩壊は、第1の流体経路56を介した患者への流体の注入をもたらすことができる。いくつかの実施形態において、他の流体送達デバイス(図示せず)をカテーテルアダプタ40に結合し、作動させて、主カテーテル48を通って遠位方向に流れる流体圧力を引き起こすことができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、副カテーテル遠位端22は、任意の適切な先端を含んでもよい。ここで
図10Aを参照すると、いくつかの実施形態において、副カテーテル遠位端22は、標準的な先端に対応し得る、鈍い先端を含んでもよい。ここで
図10Bを参照すると、いくつかの実施形態において、副カテーテル遠位端22は、先細、湾曲、丸み、または面取りされた先端を含んでもよい。
【0060】
ここで
図10Cを参照すると、いくつかの実施形態において、副カテーテル遠位端22は閉じられていてもよく、通常の生理学的条件下で閉じられるように構成されたスリット70を含んでもよい。いくつかの実施形態において、スリット70は、
図8A~8Bに関して論じられたスリット68を含むか、またはそれに対応してもよい。いくつかの実施形態において、所定の圧力差に応答して、スリット70が開いてもよい。いくつかの実施形態において、スリット70は、副カテーテル12を介して患者に流体を注入する間に開いてもよい。いくつかの実施形態において、スリット70は、副カテーテル12を介して患者から血液を抜く間に開いてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、副カテーテル12の全部または一部は、シリコーンで構成されてもよい。いくつかの実施形態において、スリット70を含む副カテーテル12の一部は、シリコーンで構成されてもよい。いくつかの実施形態において、スリット70を含む副カテーテル12の部分は、ポリウレタンまたは別の適切なプラスチックで構成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態において、スリット70は、副カテーテル12の長手方向軸に沿って方向を合わせた長手方向スリットを含んでもよい。いくつかの実施形態において、スリット70が閉位置にあるとき、スリット70の対向する面は互いに接触してもよい。いくつかの実施形態において、スリット70は、閉位置にあってもよく、通常の生理学的圧力下でシールされ、流体がスリット70を通って流れることを防ぐことができる。いくつかの実施形態において、スリット70は通常の生理学的圧力下で閉じられ、血液が副カテーテル12内に拡散することを防ぐことができるため、副カテーテル12は閉塞および血栓症に耐性を有し得る。
【0063】
ここで
図10Dおよび10Eを参照すると、いくつかの実施形態において、副カテーテル遠位端22は、様々なパターンおよび構成で配置されてもよい、1つまたは複数の拡散孔71を含んでもよい。いくつかの実施形態において、拡散孔71は、副カテーテル遠位端22を貫通して開けることができる。いくつかの実施形態において、拡散孔71は角度を付けられてもよい。
【0064】
ここで
図11A~11Bを参照すると、いくつかの実施形態において、副カテーテル12の前進位置への移動に応答して、拡張部32の外面は、ストッパーとして機能することができるハウジング管腔20の部分に隣接してもよい。いくつかの実施形態において、ストッパーとして機能することができるハウジング管腔20の部分に隣接する拡張部32に応答して、シールが形成されてもよく、それにより、拡張部32の外面とハウジング管腔20のその部分との間を流体が流れることを防ぐことができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、ハウジング管腔20のその部分は、例えば、
図11Aに示されるように、1つまたは複数の溝72を含んでもよい。いくつかの実施形態において、溝72は、流体がハウジング近位端18からハウジング遠位端16を通って、拡張部32の外面とハウジング管腔20のその部分との間を流れることを可能にするように構成されてもよい。追加的または代替的に、いくつかの実施形態において、
図11Bに示されるように、拡張部32の外面は1つまたは複数の他の溝74を含んでもよく、流体がハウジング近位端18からハウジング遠位端16を通って、拡張部32の外面とハウジング管腔20のその部分との間を、環状でもよい主カテーテル48と副カテーテル12との間の隙間を通って、流れることを可能にするように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、溝72および/または他の溝74は、拡張部32とハウジング管腔20のその部分との間のフラッシュを容易にすることができる。
【0066】
ここで
図12A~12Bを参照すると、いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、1つまたは複数の外径および/または1つまたは複数の内径を含んでもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる「MULTI-DIAMETER CATHETER AND RELATED DEVICES AND METHODS」と題される、2018年4月20日に出願された米国特許出願第62/660,646号に記載されている、多径カテーテルを含むことができる。これらおよび他の実施形態において、副カテーテル12は、副カテーテル近位端24またはその近傍に配置された拡張部32を含んでもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の移行部を有する副カテーテル12は、採血中の血流速度を改善することを可能にすることができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、副カテーテル12はチューブを含んでもよい。いくつかの実施形態において、チューブは、様々な構造的改善(層、軸方向ストライプなど)を提供するために共押出しされてもよい。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の移行部は、単一のユニットとしてモノリシックに形成され得る連続チューブの押し出しによって、または様々な内径および外径の複数のチューブを共に接合することによって構築されてもよい。いくつかの実施形態において、複数のチューブは、同じまたは異なる材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態において、複数のチューブは、別の適切な方法を介して、結合、かしめ、先端付け、溶接、または接合されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、ハウジング14は透明でもよい。いくつかの実施形態において、副カテーテル12は、1つまたは複数の印76を含んでもよく、これにより、カテーテルアセンブリ内または主カテーテルを越えた副カテーテル遠位端22の位置を臨床医に示すことができる。
【0069】
本明細書に列挙されたすべての例示および条件付きの用語は、本発明、および本発明者が本技術を促進することによって寄与される概念を理解することを読み手に助力する教育学的な目的を意図しており、それらは、そのような具体的に列挙された例示および条件に限定されていないものと解釈されるべきである。本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および代替を行うことができることを理解されたい。