(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
H05K 7/14 20060101AFI20240226BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20240226BHJP
【FI】
H05K7/14 E
H02M7/48 Z
(21)【出願番号】P 2021552555
(86)(22)【出願日】2021-04-05
(86)【国際出願番号】 JP2021014485
(87)【国際公開番号】W WO2022215113
(87)【国際公開日】2022-10-13
【審査請求日】2021-09-03
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100207192
【氏名又は名称】佐々木 健一
(72)【発明者】
【氏名】杷野 満
【合議体】
【審判長】山澤 宏
【審判官】山内 裕史
【審判官】富澤 哲生
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-331174(JP,A)
【文献】実開昭49-19259(JP,U)
【文献】実開昭57-113489(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/14
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風ファンが設けられた筐体と、
前記筐体内に設けられた基板ユニットと、
を備え、
前記基板ユニットは、
厚さ方向に一定の間隔をあけて配置され、各々面方向が上下方向に沿うように配置された複数の基板と、
前記複数の基板を一体に保持するとともに、前記複数の基板のうちの一方の前記基板に対し、他方の前記基板を前記基板の面方向に沿って移動可能とする保持部と、
を備え、
前記保持部は、
厚さ方向に一定の間隔をあけて配置された複数のベース板と、
各前記ベース板の間に設けられる中間支持部と、
前記中間支持部に係合され、前記中間支持部に対して前記面方向への移動を許容する許容部と、
を備え、
前記許容部は、前記ベース板に形成され一方向に長い長円形状の孔であり、
前記一方の前記基板と前記他方の前記基板とは、各々前記ベース板に別々に配置されているとともに、前記許容部によって、前記一方の前記基板に対し、前記他方の前記基板を前記基板の前記面方向に沿って移動したとき、前記他方の前記基板側からみて前記一方の前記基板のアクセス箇所やメンテナンス箇所が露出されるように
配置されており、
前記送風ファンは、前記筐体内に上下方向に沿う冷却風を生じさせる
電力変換装置。
【請求項2】
各前記基板の間に配置される前記ベース板は、シールド板である
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記中間支持部は、電気的絶縁性を有する
請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電力変換装置の筐体には、さまざまな素子が実装された基板や電気部品が多く格納されている。筐体内のスペースには制約があるため、多くの基板や電気部品を格納するために、さまざまな技術が提案されている。
例えば、筐体の複数の内側面を利用し、電気部品を立体的に配置する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、基板を立体的に配置するために、複数の基板を、柱状部を介して重ねて配置する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
しかしながら、上記のように電気部品を立体的に配置したり複数の基板を単に重ねて配置したりすると、筐体の扉を開けた際に手の届きにくい箇所が生じてしまう。このため、電気部品や基板への端子等を接続するアクセス性、メンテナンス性が悪化してしまう可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2017-135959号公報
【文献】日本国特開2020-195274号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、省スペースに複数の基板を配置でき、かつアクセス性、メンテナンス性の優れた電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電力変換装置は、筐体と、基板ユニットと、を備える。基板ユニットは、複数の基板と、保持部と、を備える。複数の基板は、厚さ方向に一定の間隔をあけて配置され、各々面方向が上下方向に沿うように配置されている。保持部は、前記複数の基板を一体に保持するとともに、前記複数の基板のうちの一方の前記基板に対し、他方の前記基板を前記基板の面方向に沿って移動可能とする。保持部は、複数のベース板と、中間支持部と、許容部と、を備える。複数のベース板は、厚さ方向に一定の間隔をあけて配置されている。中間支持部は、各ベース板の間に設けられる。許容部は、中間支持部に係合され、中間支持部に対して面方向への移動を許容する。許容部は、ベース板に形成され一方向に長い長円形状の孔である。一方の基板と他方の基板とは、各々ベース板に別々に配置されているとともに、許容部によって、一方の基板に対し、他方の基板を基板の面方向に沿って移動したとき、他方の基板側からみて一方の基板のアクセス箇所やメンテナンス箇所が露出されるように配置されている。送風ファンは、筐体内に上下方向に沿う冷却風を生じさせる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の基板ユニット及び電力変換装置を、図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、電力変換装置1の斜視図である。
図1に示すように、電力変換装置1は、筐体2と、筐体2内に設けられた基板ユニット3と、を備える。以下、設置面Fに筐体2を設置した状態での上下方向及び水平方向を、単に上下方向、水平方向と称して説明する。
筐体2は箱状に形成されており、前面に扉4が設けられている。筐体2の天板2aには、図示しない外部から延びる電線を筐体2内へと引き込むための引込口5が形成されている。
基板ユニット3は、筐体2の後面2bの内側面に取り付けられている。基板ユニット3は、筐体2の引込口5に近い上部に配置されている。
【0010】
図2は、基板ユニット3の斜視図である。
図2に示すように、基板ユニット3は、筐体2の後面2bに複数の絶縁碍子6を介して固定される第1ベース板7と、第1ベース板7の絶縁碍子6とは反対側の一面7aに、中間支持部8を介して固定される第2ベース板9と、第2ベース板9の第1ベース板7とは反対側の一面9aに、中間支持部8を介して固定される第3ベース板10と、第1ベース板7及び第2ベース板9にそれぞれ配置された第1基板11及び第2基板12と、を主構成としている。
【0011】
各ベース板7,9,10及び各基板11,12は、それぞれの面方向が上下方向に沿っており、それぞれ厚さ方向で対向配置されている。各ベース板7,9,10及び各基板11,12は、厚さ方向からみて上下方向に長い長方形状に形成されている。
各基板11,12は、電力変換装置を構成する回路基板であり、種々の電気素子が実装されている。以下の説明では、各基板11,12の厚さ方向からみて、これら基板11,12の表面積は、ほぼ同等して説明する。
【0012】
各ベース板7,9,10及び各基板11,12の厚さ方向からみて、第3ベース板10の表面積は、各基板11,12の表面積とほぼ同等である。第2ベース板9の表面積は、各基板11,12の表面積よりも大きい。第1ベース板7の表面積は、第2ベース板9の表面積よりも大きい。
【0013】
このような大きさに形成された第1ベース板7の一面7aに、第1基板11が第1スペーサ16aを介して固定されている。第1スペーサ16aは、第1基板11の四隅に設けられている。第1スペーサ16aは、電気的絶縁性を有していることが望ましい。しかしながら、電気的絶縁性を有さない第1スペーサ16aでもよい。
【0014】
第1ベース板7の一面7aで、かつ第1基板11の周囲に、複数(例えば、本実施形態では6つ)の中間支持部8が配置されている。第1ベース板7に配置された中間支持部8は、第1基板11の四隅に対応する位置に配置された第1中間支持部81と、第1基板11の上辺11a及び下辺11bの水平方向中央に配置された第2中間支持部82と、で構成される。
【0015】
中間支持部8は、電気的絶縁性を有する樹脂によって形成されている。中間支持部8は、多角柱状のスペーサ部8aと、スペーサ部8aの軸方向一端に形成された図示しない雄ねじ部と、スペーサ部8aの軸方向他端に形成された図示しない雌ねじ部と、が一体形成されたものである。第1ベース板7に、中間支持部8の雄ねじ部が締結されている。中間支持部8の雌ねじ部側に、第2ベース板9が載置される。
【0016】
第2ベース板9には、中間支持部8に対応する外周部に、長孔13や切欠き部15が形成されている。より詳しくは、第2ベース板9には、中間支持部8のうち水平方向一方側に配置されている2つの第1中間支持部81と、2つの第2中間支持部82と、に対応する位置に、水平方向に長い長円形状の長孔13が形成されている。また、第2ベース板9には、中間支持部8のうち水平方向他方側に配置されている2つの第1中間支持部81に対応する位置に、切欠き部15が形成されている。
【0017】
これら長孔13、切欠き部15を介し、第2ベース板9の一面9a側から固定ねじ14が中間支持部8の雌ねじ部に締結される。これにより、第2ベース板9は、中間支持部8に固定ねじ14によって締結固定される。
ここで、長孔13は、固定ねじ14を緩めた状態で、中間支持部8に対して第2ベース板9の水平方向一方(本実施形態では、
図2の紙面左側、矢印Y参照)へのスライド移動を許容するように形成されている。
【0018】
切欠き部15は、固定ねじ14を緩めた状態で、中間支持部8に対して第2ベース板9の水平方向一方(
図2の矢印Y参照)へのスライド移動を許容するように形成されている。つまり、切欠き部15は、第2ベース板9の一辺が開口するように形成されている。
ここで、基板ユニット3の大きさは、筐体2内で第2ベース板9がスライド移動可能な大きさである。
【0019】
このような第2ベース板9の一面9aには、長孔13や切欠き部15を避けるように中央の大部分に、第2基板12が第2スペーサ16bを介して固定されている。第2スペーサ16bは、第2基板12の四隅に設けられている。第2スペーサ16bは、電気的絶縁性を有していることが望ましい。しかしながら、電気的絶縁性を有さない第2スペーサ16bでもよい。
【0020】
第2基板12の四隅には、第2ベース板9とは反対側の面に、中間支持部8が配置されている。中間支持部8の第2基板12とは反対側端に、第3ベース板10が載置される。第3ベース板10は、中間支持部8に固定ねじ14によって締結固定される。
【0021】
ここで、各ベース板7,9,10のうち、少なくとも第2ベース板9及び第3ベース板10は、鉄等の磁性体の板からなるシールド板である。シールド板は、電気ノイズを遮断する。第2ベース板9や第3ベース板10自体をシールド板とせず、これら第2ベース板9や第3ベース板10に銅箔等を貼り付けることにより、第2ベース板9や第3ベース板10をシールド板としてもよい。
【0022】
次に、基板ユニット3の作用について説明する。
まず、基板ユニット3の配置箇所について述べると、基板ユニット3は筐体2の引込口5に近い上部に配置されている。このため、基板ユニット3に外部機器から延びる電線との接続端子を基板ユニット3に集約することで、引込口5を介して筐体2に引き回される電線の長さを極力短くできる。
【0023】
ここで、筐体2の扉4(
図1参照)をあけて基板ユニット3に端子等を接続してアクセスしたり又はメンテナンスを行ったりする場合、前面に第3ベース板10及び第2ベース板9が存在することになる。このため、これら第3ベース板10及び第2ベース板9の奥に配置された第1基板11に、作業者の手が届きにくい。このため、基板ユニット3では、以下のように動作が可能である。
【0024】
図3は、基板ユニット3の作用説明図である。
すなわち、
図2、
図3に示すように、第1基板11にアクセスしたり又はメンテナンスを行ったりする場合、まず、第2ベース板9が締結固定されている固定ねじ14を緩める。第2ベース板9には、長孔13及び切欠き部15が形成されている。このため、固定ねじ14を緩めることにより、第1基板11(第1ベース板7)に対して第2ベース板9、第2基板12及び第3ベース板10を水平方向にスライド移動させることができる(
図2、
図3の矢印Y参照)。
すると、第1基板11が前面に露出される。したがって、第1基板11に、容易にアクセスしたり又はメンテナンスを行ったりすることができる。
【0025】
このように、第1ベース板7、第2ベース板9、中間支持部8、長孔13及び切欠き部15は、第1基板11及び第2基板12を一体に保持するとともに、第1基板11に対して第2基板12をスライド移動可能とする保持部17の役割を有する。
【0026】
ここで、例えば筐体2内の放熱を促進するために、筐体の天板2a等に図示しない送風ファンを設ける場合がある。このような場合、筐体2内に上下方向や水平方向に沿って流れる冷却風が生じる。基板ユニット3を構成する各ベース板7,9,10及び各基板11,12は、それぞれの面方向が上下方向に沿っており、それぞれ厚さ方向で対向配置されている。このため、各ベース板7,9,10及び各基板11,12が冷却風の流れに沿って配置されることにより、かつ各ベース板7,9,10及び各基板11,12によって冷却風の流れが阻害されることもない。
【0027】
このように、上述の基板ユニット3は、厚さ方向に一定の間隔をあけて並ぶ基板11,12(第1基板11、第2基板12)と、第1基板11及び第2基板12を一体に保持するとともに、第1基板11に対して第2基板12をスライド移動可能とする保持部17と、を備える。このため、省スペースに複数の基板11,12を配置でき、かつアクセス性、メンテナンス性を向上できる。
【0028】
保持部17を、第1ベース板7、第2ベース板9、中間支持部8、長孔13及び切欠き部15によって構成している。このため、保持部17を簡素な構造としつつ、直接基板11,12に長孔13や切欠き部15を形成する必要がない。よって、基板11,12の強度が低下してしまうことを抑制し、かつ基板11,12が損傷してしまうことを防止できる。
【0029】
中間支持部8は、電気的絶縁性を有する樹脂によって形成されている。このため、中間支持部8を介して第1ベース板7と第2ベース板9との電気的接続を遮断できる。よって、第1ベース板7と第2ベース板9との電位を変更できるので、第1ベース板7に配置された第1基板11と第2ベース板9に配置された第2基板12との設計自由度を高めることができる。つまり、各基板11,12に実装する電子部品の配置自由度を高めることができる。
【0030】
各ベース板7,9,10のうち、少なくとも第2ベース板9及び第3ベース板10は、鉄等の磁性体の板からなるシールド板である。このため、各基板11,12への電気ノイズの影響を防止でき、信頼性の高い基板ユニット3を提供できる。
基板ユニット3を構成する各ベース板7,9,10及び各基板11,12は、それぞれの面方向が上下方向に沿っており、それぞれ厚さ方向で対向配置されている。このため、各ベース板7,9,10及び各基板11,12の間に、冷却風等をスムーズに流すことができ、各基板11,12への放熱を促進できる。
【0031】
基板ユニット3は、筐体2の引込口5に近い上部に配置されている。このため、基板ユニット3に外部機器から延びる電線との接続端子を基板ユニット3に集約することで、引込口5を介して筐体2に引き回される電線の長さを極力短くできる。電線の引き回しも容易に行うことができる。
【0032】
上述の実施形態では、筐体2の天板2aに引込口5を形成した場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、引込口5の形成箇所は任意に決定することができる。この場合、引込口5の位置に応じて基板ユニット3の配置箇所を変更することができる。これにより、筐体2に引き回される電線の長さを極力短くできるとともに、電線の引き回しも容易に行うことができる。
【0033】
上述の実施形態では、基板ユニット3は、3枚のベース板7,9,10と、2枚の基板11,12と、を有する場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、ベース板7,9,10の枚数は3枚以上でもよく、基板11,12の枚数も2枚以上でもよい。各基板11,12が厚さ方向に一定の間隔をあけて並べばよい。
【0034】
各基板11,12は、対応するベース板7,9に固定される場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、ベース板7,9を設けずに、直接各基板11,12同士を、中間支持部8を介して固定してもよい。この場合、例えば第2基板12に、長孔13や切欠き部15を形成すればよい。
【0035】
保持部17を、第1ベース板7、第2ベース板9、中間支持部8、長孔13及び切欠き部15によって構成した場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、保持部17は、第1基板11及び第2基板12を一体に保持するとともに、第1基板11に対して第2基板12をスライド移動可能とすればよい。
例えば、長孔13に代えて図示しないレールを介して第1基板11と第2基板12を連結し、第1基板11に対して第2基板12をスライド移動可能としてもよい。また、例えば各基板11,12にレールを設け、これらレールを他の部材で一体化するように構成してもよい。
【0036】
中間支持部8は、電気的絶縁性を有する樹脂によって形成されている場合について説明した。しかしながらこれに限られるものではなく、中間支持部8は電気的絶縁性を有していなくてもよい。電気的絶縁性を有する場合でも樹脂以外の材料により形成してもよい。
【0037】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、第1基板11及び第2基板12を一体に保持するとともに、第1基板11に対して第2基板12をスライド移動可能とする保持部17と、を備えるので、省スペースに複数の基板11,12を配置できる。また、基板ユニット3へのアクセス性、メンテナンス性を向上できる。
【0038】
保持部17を、第1ベース板7、第2ベース板9、中間支持部8、長孔13及び切欠き部15によって構成しているので、保持部17を簡素な構造にできる。直接基板11,12に長孔13や切欠き部15を形成する必要がないので、基板11,12の強度が低下してしまうことを抑制できる。基板11,12が損傷してしまうことも防止できる。
【0039】
中間支持部8は、電気的絶縁性を有する樹脂によって形成されているので、中間支持部8を介して第1ベース板7と第2ベース板9との電気的接続を遮断できる。このため、第1ベース板7と第2ベース板9との電位を変更できるので、第1ベース板7に配置された第1基板11と第2ベース板9に配置された第2基板12との設計自由度を高めることができる。つまり、各基板11,12に実装する電子部品の配置自由度を高めることができる。
【0040】
各ベース板7,9,10のうち、少なくとも第2ベース板9及び第3ベース板10は、鉄等の磁性体の板からなるシールド板であるので、各基板11,12への電気ノイズの影響を防止でき、信頼性の高い基板ユニット3を提供できる。
基板ユニット3を構成する各ベース板7,9,10及び各基板11,12は、それぞれの面方向が上下方向に沿っており、それぞれ厚さ方向で対向配置されている。このため、各ベース板7,9,10及び各基板11,12の間に、冷却風等をスムーズに流すことができ、各基板11,12への放熱を促進できる。
【0041】
基板ユニット3は、筐体2の引込口5に近い上部に配置されている。このため、基板ユニット3に外部機器から延びる電線との接続端子を基板ユニット3に集約することで、引込口5を介して筐体2に引き回される電線の長さを極力短くできる。電線の引き回しも容易に行うことができる。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0043】
1…電力変換装置、2…筐体、3…基板ユニット、7…第1ベース板(ベース板)、8…中間支持部、9…第2ベース板(ベース板)、11…第1基板(基板)、12…第2基板(基板)、13…長孔(孔)、17…保持部、81…第1中間支持部、82…第2中間支持部