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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】移動端末及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04R 3/00 20060101AFI20240226BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H04R3/00 101A
H04M1/00 H
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021572939
(86)(22)【出願日】2020-06-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-13
(86)【国際出願番号】 CN2020095530
(87)【国際公開番号】W WO2020259295
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】201910554350.5
(32)【優先日】2019-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】徐 明俊
【審査官】佐久 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-076878(JP,A)
【文献】特開2005-159871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00-3/14
H03M 1/00-1/88
H03F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル出力ピンを備えるオーディオコーデックと、
前記オーディオコーデックに電気的に接続されており、前記オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、前記チャネル出力ピンの直流バイアス電圧が0Vとなるように、前記オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力するための制御チップとを含み、
前記制御チップはさらに、移動端末の起動プロセスにおいて、前記オーディオコーデックのオンプロセス及び/又はオフプロセスの前記チャネル出力ピンの直流バイアス電圧を検出し、検出された直流バイアス電圧に基づいて前記オフセット電圧信号の電圧値を決定するために用いられる、移動端末。
【請求項2】
前記チャネル出力ピンと前記制御チップにそれぞれ電気的に接続された電子スイッチをさらに含み、前記制御チップは、接地端に電気的に接続されるように前記電子スイッチを介して前記チャネル出力ピンを制御し、前記チャネル出力ピンが接地端に電気的に接続されている場合、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力し、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力した後、接地端との接続が切断されるように前記電子スイッチを介して前記チャネル出力ピンを制御するために用いられる、請求項1に記載の移動端末。
【請求項3】
前記制御チップは、前記チャネル出力ピンに電気的に接続されており、前記制御チップは、前記移動端末が起動プロセスを完了した後、前記チャネル出力ピンに直流バイアス電圧が存在することが検出された場合、接地端に電気的に接続されるように前記電子スイッチを介して前記チャネル出力ピンを制御し、予め設定される時間帯が経過した後、接地端との接続が切断されるように前記電子スイッチを介して前記チャネル出力ピンを制御し、前記チャネル出力ピンが接地端に電気的に接続されている場合、前記オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力するために用いられる、請求項2に記載の移動端末。
【請求項4】
移動端末に用いられる制御方法であって、
オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、前記オーディオコーデックのチャネル出力ピンの直流バイアス電圧が0Vとなるように、移動端末のオーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力することを含み、
オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力する前に、前記制御方法は、
前記移動端末の起動プロセスにおいて、前記オーディオコーデックのオンプロセス及び/又はオフプロセスの前記チャネル出力ピンの直流バイアス電圧を検出することと、
検出された直流バイアス電圧に基づいて前記オフセット電圧信号の電圧値を決定することとをさらに含む、制御方法。
【請求項5】
オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力することは、
接地端に電気的に接続されるように前記チャネル出力ピンを制御することと、
前記チャネル出力ピンが接地端に電気的に接続されている場合、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力することと、
オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力した後、接地端との接続が切断されるように前記チャネル出力ピンを制御することとを含む、請求項4に記載の制御方法。
【請求項6】
接地端に電気的に接続されるように前記チャネル出力ピンを制御する前に、前記制御方法は、
前記チャネル出力ピンに直流バイアス電圧が存在するかどうかを検出し、前記チャネル出力ピンに直流バイアス電圧が存在することが検出された場合、接地端に電気的に接続されるように前記チャネル出力ピンを制御することをさらに含む、請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラムとを含み、前記プログラムが前記プロセッサによって実行される時、請求項4~6のいずれか1項に記載の制御方法のステップを実現させる、移動端末。
【請求項8】
プログラムが記憶されており、前記プログラムがプロセッサによって実行される時、請求項4~6のいずれか1項に記載の制御方法のステップを実現させる、可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月25日に中国で提出された中国特許出願番号No.201910554350.5の優先権を主張しており、同出願の内容の全ては、ここに参照として取り込まれる。
本開示は、通信技術分野に関し、特に移動端末及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、イヤホン機能は、移動端末の重要な機能のうちの一つであり、ユーザは、イヤホンを介して曲を聴いたり、電話をかけたり、ライブ配信したりすることができる。そのため、イヤホンチャンネルボイス信号の信号品質は、ユーザの体験に直接影響する。関連技術における移動端末では、ユーザに感知されるようにボイス信号がイヤホンを介して再生される前に、ボイス信号をオーディオコーデックCodec ICに送信してオーディオ復号化処理を行う必要がある。
【0003】
オーディオコーデックの製造プロセス及び一致性により、一般的に、オンプロセス及びオフプロセスにおいて数十から数百uV、さらに数十から数百mVの直流成分が発生する。この弱い直流成分は、イヤホンに作用すると、POPサウンド(即ち、ポップサウンド)を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の実施例は、移動端末にPOPサウンドが存在するという問題を解決するための移動端末及び制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第一の方面によれば、本開示の実施例は、移動端末を提供する。前記移動端末は、
チャネル出力ピンを備えるオーディオコーデックと、
前記オーディオコーデックに電気的に接続されており、前記オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、前記チャネル出力ピンの直流バイアス電圧が0Vとなるように、オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力するための制御チップとを含む。
【0006】
第二の方面によれば、本開示の実施例は、移動端末に用いられる制御方法をさらに提供する。前記制御方法は、
前記オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、前記オーディオコーデックのチャネル出力ピンの直流バイアス電圧が0Vとなるように、移動端末のオーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力することを含む。
【0007】
第三の方面によれば、本開示の実施例は、移動端末をさらに提供する。前記移動端末は、プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、且つ前記プロセッサ上で運行できるプログラムとを含み、前記プログラムが前記プロセッサによって実行される時、上記制御方法のステップを実現させる。
【0008】
第四の方面によれば、本開示の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供する。前記可読記憶媒体にはプログラムが記憶されており、前記プログラムがプロセッサによって実行される時、上記制御方法のステップを実現させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の実施例は、オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力し、オフセット電圧信号でオーディオコーデックにより生成された直流成分を相殺することにより、オーディオコーデックの左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンの直流バイアス電圧は0Vとなる。そのため、本開示の実施例は、移動端末により生成されたPOPサウンドを消去することにより、イヤホンの使用効果を向上させた。
本開示の実施例の技術案をより明瞭に説明するために、以下は、本開示の実施例の記述において使用される必要がある添付図面を簡単に紹介する。自明なことに、以下の記述における添付図面は、ただ本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を払わない前提で、それらの添付図面に基づき、他の添付図面も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施例による移動端末の構造図のその一である。
図2】本開示の実施例による制御方法のフローチャートである。
図3】本開示の実施例による移動端末の構造図のその二である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下は、本開示の実施例における添付図面を結び付けながら、本開示の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述する。明らかに、記述された実施例は、本開示の一部の実施例であり、全部の実施例ではない。本開示における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0012】
図1は、本開示の実施例による移動端末の構造図である。図1に示すように、本開示の実施例による移動端末は、
チャネル出力ピンを備えるオーディオコーデック11と、
前記オーディオコーデックに電気的に接続されており、前記オーディオコーデック11のオンプロセス及びオフプロセスにおいて、前記チャネル出力ピンの直流バイアス電圧が0Vとなるように、オーディオコーデック11のオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデック11に出力するための制御チップ12とを含む。
【0013】
図1に示すように、本開示の実施例では、上記チャネル出力ピンは、左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンを含み、この左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンは、イヤホンソケットにそれぞれ電気的に接続されており、イヤホンがイヤホンソケットに差し込まれた後、オーディオコーデック11は、左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンを介して対応するボイス情報をイヤホンに出力することができる。
【0014】
理解すべきことは、オーディオコーデック11のオンプロセス及びオフプロセスにおいて、左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンにより生成された直流バイアス電圧が一致していることである。
【0015】
上記オーディオコーデック11のオンプロセスは、off状態からon状態に変換されるプロセスとして理解されてもよく、オーディオコーデック11のオフプロセスは、on状態からoff状態に変換されるプロセスとして理解されてもよい。例えば、移動端末がオーディオを再生していない時、オーディオコーデック11はoff状態であり、移動端末がオーディオを再生している時、オーディオコーデック11はon状態である。オーディオの再生プロセスにおいて、ユーザが再生を一時停止することを選択すると、オーディオコーデック11のオフプロセスが一回発生し、ユーザが一時停止から再生に戻ると、オーディオコーデック11のオンプロセスが一回発生する。オーディオコーデック11のオンプロセス及びオフプロセスにおいて、制御チップがオフセット電圧信号をオーディオコーデック11に出力することができ、それによって、オーディオコーデック11のオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号でオーディオコーデック11により生成された直流成分を相殺することにより、オーディオコーデック11の左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンの直流バイアス電圧は0Vとなる。
【0016】
本開示の実施例は、オーディオコーデック11のオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデック11に出力し、オフセット電圧信号でオーディオコーデック11により生成された直流成分を相殺することにより、オーディオコーデック11の左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンの直流バイアス電圧は0Vとなる。そのため、本開示の実施例は、移動端末により生成されたPOPサウンドを消去することにより、イヤホンの使用効果を向上させた。
【0017】
説明すべきことは、上記オフセット電圧信号の電圧値は、移動端末の出荷前に検出を行って決定されてもよいことである。本開示の実施例では、直流成分のオフセットに対するオフセット電圧信号の正確性を向上させるために、移動端末が起動するたびに検出を行い、オフセット電圧信号の電圧値を決定してもよい。本実施例では、前記制御チップ12はさらに、前記移動端末の起動プロセスにおいて、前記オーディオコーデック11のオンプロセス及び/又はオフプロセスの前記チャネル出力ピンの直流バイアス電圧を検出し、検出された直流バイアス電圧に基づいて前記オフセット電圧信号の電圧値を決定するために用いられる。
【0018】
理解すべきことは、移動端末が起動指令を受信すると、制御チップ12は、電源を投入して作動し、オーディオコーデック11も、一回の電源投入を行い(オーディオコーデック11を配置するために用いられる)、一定の時間が経過した後(例えば、配置を完了した後)、オーディオコーデック11は、自動的にOFF状態に入ることである。そのため、移動端末の毎回の起動プロセスにおいて、オーディオコーデック11の現在の直流バイアス電圧を検出することができる。
【0019】
一つの選択的な実施例では、前記移動端末は、電子スイッチ13をさらに含み、前記電子スイッチ13は、前記チャネル出力ピンと前記制御チップ12にそれぞれ電気的に接続されている。前記制御チップ12はさらに、前記移動端末が起動プロセスを完了した後、前記チャネル出力ピンに直流バイアス電圧が存在することが検出された場合、接地端に電気的に接続されるように前記電子スイッチ13を介して前記チャネル出力ピンを制御している。予め設定される時間帯が経過した後、接地端との接続が切断されるように前記電子スイッチ13を介して前記チャネル出力ピンを制御し、前記チャネル出力ピンが接地端に電気的に接続されている場合、前記オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力するために用いられる。
【0020】
本開示の実施例では、電子スイッチ13を設置し、制御チップ12によって電子スイッチ13の状態を制御することにより、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力する前に、接地端に電気的に接続されるように前記チャネル出力ピンを制御する。オフセット電圧信号を前記オーディオコーデック11に出力した後、接地端との接続が切断されるように前記チャネル出力ピンを制御する。つまり、制御チップ12は、一定の時間(例えば、1ms)内で接地端との接地状態を保持するように電子スイッチ13を介してチャネル出力ピンを制御し、この一定の時間内で、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデック11に出力することにより、オーディオコーデック11の直流バイアス電圧が0Vであることを確保することができる。理解すべきことは、オーディオコーデック11がオンを完了するか、又はオフを完了すると、オフセット電圧信号の出力が停止されることである。
【0021】
上記電子スイッチ13の具体的な構造は、必要に応じて設置されてもよい。例えば、電界効果トランジスタ又は三極管などであってもよく、他の電子スイッチであってもよく、チャネル出力ピンの接地接続と接地切断という二つの状態を実現できればよい。本実施例では、上記チャネル出力ピンは、左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンを含み、上記電子スイッチ13は、同時に接地端に電気的に接続されるように左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンを制御してもよい。
【0022】
説明すべきことは、本開示の実施例では、制御チップ12が、オーディオコーデック11のオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデック11に出力するため、制御チップ12は、オーディオコーデック11のオン時刻とオフ時刻を検出する必要があることである。一つの選択的な実施例では、オーディオの再生及び停止のためのトリガー指令を検出することにより、オーディオコーデック11のオンを決定してもよい。別の実施例では、チャネル出力ピンの直流バイアス電圧を検出することにより、オーディオコーデック11のオン時刻とオフ時刻を決定してもよい。本実施例では、上記制御チップ12は、前記チャネル出力ピンに電気的に接続されており、前記制御チップ12は、前記移動端末が起動プロセスを完了した後、前記チャネル出力ピンに直流バイアス電圧が存在することが検出された場合、接地端に接続されるように前記電子スイッチ13を介して前記チャネル出力ピンを制御し、予め設定される時間帯が経過した後、接地端との接続が切断されるように前記電子スイッチ13を介して前記チャネル出力ピンを制御し、前記チャネル出力ピンが接地端に接続されている場合、前記オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力するために用いられる。
【0023】
本開示の実施例では、オーディオコーデック11の出力が、直流バイアス電圧がある状態から0Vにジャンプするプロセスにおいて、レベルのジャンプも発生し、それにより、新しいpopサウンド問題が発生する。この新しく導入されたpopサウンドを解決するために、本開示の実施例では、まず、接地端に電気的に接続されるように電子スイッチ13を介してチャネル出力ピンを制御し、そして、制御チップ12によってオフセット電圧信号を出力し、このオフセット電圧信号によってチャネル出力ピンの直流バイアス電圧を0Vにオフセットした後、接地端との接続が切断されるようにチャネル出力ピンを制御する。このように、新しいpopサウンドの発生を回避することができる。
【0024】
説明すべきことは、本開示の実施例で紹介された様々な選択的な実施の形態は、互いに組み合わせて実現されてもよく、別々に実現されてもよく、本開示の実施例に限定されないことである。
【0025】
図2は、本開示の実施例による制御方法のフローチャートである。図2に示すように、以下のステップを含む。
【0026】
ステップ201、前記オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、前記オーディオコーデックのチャネル出力ピンの直流バイアス電圧が0Vとなるように、移動端末のオーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力する。
【0027】
選択的に、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力する前に、前記方法は、
前記移動端末の起動プロセスにおいて、前記オーディオコーデックのオンプロセス及び/又はオフプロセスの前記チャネル出力ピンの直流バイアス電圧を検出することと、
検出された直流バイアス電圧に基づいて前記オフセット電圧信号の電圧値を決定することとをさらに含む。
【0028】
選択的に、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力することは、
接地端に接続されるように前記チャネル出力ピンを制御することと、
前記チャネル出力ピンが接地端に接続されている場合、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力することと、
オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力した後、接地端との接続が切断されるように前記チャネル出力ピンを制御することとを含む。
【0029】
選択的に、接地端に接続されるように前記チャネル出力ピンを制御する前に、前記方法は、
前記チャネル出力ピンに直流バイアス電圧が存在するかどうかを検出し、前記チャネル出力ピンに直流バイアス電圧が存在することが検出された場合、接地端に接続されるように前記チャネル出力ピンを制御することをさらに含む。
【0030】
本開示の実施例による制御方法は、上記実施例における移動端末に用いられ、そのステップの具体的な実現プロセスは、上記移動端末の実施の形態を参照すればよい。ここでは説明を省略する。
【0031】
本開示の実施例は、オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力し、オフセット電圧信号でオーディオコーデックにより生成された直流成分を相殺することにより、オーディオコーデックの左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンの直流バイアス電圧は0Vとなる。そのため、本開示の実施例は、移動端末により生成されたPOPサウンドを消去することにより、イヤホンの使用効果を向上させた。
【0032】
図3は、本開示の各実施例を実現する移動端末のハードウェア構造概略図である。
【0033】
この移動端末300は、無線周波数ユニット301、ネットワークモジュール302、オーディオ出力ユニット303、入力ユニット304、センサ305、表示ユニット306、ユーザ入力ユニット307、インターフェースユニット308、メモリ309、プロセッサ310、及び電源311などの部材を含むが、それらに限らない。当業者であれば理解できるように、図3に示される移動端末の構造は、移動端末に対する限定を構成せず、移動端末は、図示される部材の数よりも多くまたは少ない部材、またはなんらかの部材の組み合わせ、または異なる部材の配置を含んでもよい。本開示の実施例では、移動端末は、携帯電話、タブレットパソコン、ノートパソコン、パームトップコンピュータ、車載端末、ウェアラブルデバイス、及び歩数計などを含むが、それらに限らない。
【0034】
プロセッサ310は、前記オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、前記オーディオコーデックのチャネル出力ピンの直流バイアス電圧が0Vとなるように、移動端末のオーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力するために用いられる。
【0035】
選択的に、プロセッサ310はさらに、前記移動端末の起動プロセスにおいて、前記オーディオコーデックのオンプロセス及び/又はオフプロセスの前記チャネル出力ピンの直流バイアス電圧を検出し、検出された直流バイアス電圧に基づいて前記オフセット電圧信号の電圧値を決定するために用いられる。
【0036】
選択的に、プロセッサ310は、接地端に接続されるように前記チャネル出力ピンを制御し、前記チャネル出力ピンが接地端に接続されている場合、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力し、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力した後、接地端との接続が切断されるように前記チャネル出力ピンを制御するために用いられる。
【0037】
選択的に、プロセッサ310はさらに、前記チャネル出力ピンに直流バイアス電圧が存在するかどうかを検出し、前記チャネル出力ピンに直流バイアス電圧が存在することが検出された場合、接地端に接続されるように前記チャネル出力ピンを制御するために用いられる。
【0038】
本開示の実施例は、オーディオコーデックのオンプロセス及びオフプロセスにおいて、オフセット電圧信号を前記オーディオコーデックに出力し、オフセット電圧信号でオーディオコーデックにより生成された直流成分を相殺することにより、オーディオコーデックの左チャネル出力ピンと右チャネル出力ピンの直流バイアス電圧は0Vとなる。そのため、本開示の実施例は、移動端末により生成されたPOPサウンドを消去することにより、イヤホンの使用効果を向上させた。
【0039】
理解すべきことは、本開示の実施例では、無線周波数ユニット301は、情報の送受信または通話中の信号の送受信に用いられてもよいことである。基地局からの下りリンクデータを受信してから、プロセッサ310に処理させてもよい。また、上りリンクのデータを基地局に送信してもよい。一般的には、無線周波数ユニット301は、アンテナ、少なくとも一つの増幅器、送受信機、カプラ、低雑音増幅器、デュプレクサなどを含むが、それらに限らない。なお、無線周波数ユニット301は、無線通信システムやネットワークを介して他の機器との通信を行ってもよい。
【0040】
移動端末は、ネットワークモジュール302によってユーザに無線のブロードバンドインターネットアクセスを提供し、例えば、ユーザへ電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、ストリーミングメディアへのアクセスなどを支援する。
【0041】
オーディオ出力ユニット303は、無線周波数ユニット301またはネットワークモジュール302によって受信されたまたはメモリ309に記憶されたオーディオデータをオーディオ信号に変換して、音声として出力することができる。そして、オーディオ出力ユニット303はさらに、移動端末300によって実行された特定の機能に関連するオーディオ出力(例えば、呼び信号受信音、メッセージ着信音など)を提供することができる。オーディオ出力ユニット303は、スピーカ、ブザー及び受話器などを含む。
【0042】
入力ユニット304は、オーディオまたはビデオ信号を受信するために用いられる。入力ユニット304は、グラフィックスプロセッサ(Graphics Processing Unit、GPU)3041とマイクロホン3042を含んでもよい。グラフィックスプロセッサ3041は、ビデオキャプチャモードまたは画像キャプチャモードにおいて画像キャプチャ装置(例えば、カメラ)によって得られた静止画像またはビデオの画像データを処理する。処理された画像フレームは、表示ユニット306に表示されてもよい。グラフィックスプロセッサ3041によって処理された画像フレームは、メモリ309(または他の記憶媒体)に記憶されてもよく、または無線周波数ユニット301またはネットワークモジュール302を介して送信されてもよい。マイクロホン3042は、音声を受信することができるとともに、このような音声をオーディオデータとして処理することができる。処理されたオーディオデータは、電話の通話モードにおいて、無線周波数ユニット301を介して移動通信基地局に送信することが可能なフォーマットに変換して出力されてもよい。
【0043】
移動端末300は、少なくとも一つのセンサ305、例えば、光センサ、モーションセンサ及び他のセンサをさらに含む。光センサは、環境光センサ及び接近センサを含む。環境光センサは、環境光の明暗に応じて、表示パネル3061の輝度を調整することができ、接近センサは、移動端末300が耳元に移動した時、表示パネル3061及び/又はバックライトをオフにすることができる。モーションセンサの一種として、加速度計センサは、各方向(一般的には、三軸)での加速度の大きさを検出することができ、静止時、重力の大きさ及び方向を検出することができ、移動端末姿勢(例えば、縦横スクリーン切り替え、関連ゲーム、磁力計姿勢校正)の識別、振動識別関連機能(例えば、歩数計、タップ)などに用いることができる。センサ305は、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサなどをさらに含んでもよい。ここでは説明を省略する。
【0044】
表示ユニット306は、ユーザによって入力された情報またはユーザに提供される情報を表示するために用いられる。表示ユニット306は、表示パネル3061を含んでもよい。液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)などの形式で表示パネル3061を配置してもよい。
【0045】
ユーザ入力ユニット307は、入力された数字または文字情報の受信、移動端末のユーザによる設置及び機能制御に関するキー信号入力の発生に用いられてもよい。ユーザ入力ユニット307は、タッチパネル3071および他の入力機器3072を含む。タッチパネル3071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上または付近でのユーザによるタッチ操作(例えば、ユーザが指、タッチペンなどの任意の適切な物体または付属品を使用してタッチパネル3071上またはタッチパネル3071付近で行う操作)を収集することができる。タッチパネル3071は、タッチ検出装置とタッチコントローラの二つの部分を含んでもよい。タッチ検出装置は、ユーザによるタッチ方位を検出し、タッチ操作による信号を検出し、信号をタッチコントローラに伝送する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信し、それをタッチポイント座標に変換してから、プロセッサ310に送信し、プロセッサ310から送信されてきた指令を受信して実行する。なお、抵抗式、静電容量式、赤外線及び表面音波などの様々なタイプを用いてタッチパネル3071を実現してもよい。タッチパネル3071以外、ユーザ入力ユニット307は、他の入力機器3072をさらに含んでもよい。他の入力機器3072は、物理的なキーボード、機能キー(例えば、ボリューム制御ボタン、スイッチボタンなど)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、それらに限らない。ここでは説明を省略する。
【0046】
選択的に、タッチパネル3071は、表示パネル3061上に覆われてもよい。タッチパネル3071は、その上または付近でのタッチ操作を検出すると、プロセッサ310に伝送して、タッチイベントのタイプを特定し、その後、プロセッサ310は、タッチイベントのタイプに応じて表示パネル3061上で相応な視覚出力を提供する。図3では、タッチパネル3071と表示パネル3061は、二つの独立した部材として移動端末の入力と出力機能を実現するものであるが、なんらかの実施例では、タッチパネル3071と表示パネル3061を集積して移動端末の入力と出力機能を実現してもよい。具体的には、ここでは限定しない。
【0047】
インターフェースユニット308は、外部装置と移動端末300との接続のためのインターフェースである。例えば、外部装置は、有線または無線ヘッドフォンポート、外部電源(または電池充電器)ポート、有線または無線データポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置への接続用のポート、オーディオ入力/出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、イヤホンポートなどを含んでもよい。インターフェースユニット308は、外部装置からの入力(例えば、データ情報、電力など)を受信するとともに、受信した入力を移動端末300内の一つまたは複数の素子に伝送するために用いられてもよく、または移動端末300と外部装置との間でデータを伝送するために用いられてもよい。
【0048】
メモリ309は、ソフトウェアプログラム及び各種のデータを記憶するために用いられてもよい。メモリ309は、主に記憶プログラム領域および記憶データ領域を含んでもよい。記憶プログラム領域は、オペレーティングシステム、少なくとも一つの機能に必要なアプリケーションプログラム(例えば、音声再生機能、画像再生機能など)などを記憶することができ、記憶データ領域は、携帯電話の使用によって作成されるデータ(例えば、オーディオデータ、電話帳など)などを記憶することができる。なお、メモリ309は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも一つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の不揮発性ソリッドステートメモリデバイスをさらに含んでもよい。
【0049】
プロセッサ310は、移動端末の制御センターであり、各種のインターフェースと線路によって移動端末全体の各部分に接続され、メモリ309内に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを運行又は実行する。また、メモリ309内に記憶されたデータを呼び出し、移動端末の各種の機能を実行し、データを処理することにより、移動端末全体をモニタリングする。プロセッサ310は、一つまたは複数の処理ユニットを含んでもよい。選択的に、プロセッサ310は、アプリケーションプロセッサとモデムプロセッサを集積してもよい。アプリケーションプロセッサは、主にオペレーティングシステム、ユーザインターフェースおよびアプリケーションプログラムなどを処理するためのものであり、モデムプロセッサは、主に無線通信を処理するためのものである。理解できるように、上記モデムプロセッサは、プロセッサ310に集積されなくてもよい。
【0050】
移動端末300はさらに、各部材に電力を供給する電源311(例えば、電池)を含んでもよい。選択的に、電源311は、電源管理システムによってプロセッサ310にロジック的に接続されてもよい。それにより、電源管理システムによって充放電管理及び消費電力管理などの機能を実現することができる。
【0051】
また、移動端末300は、いくつかの示されていない機能モジュールを含む。ここでは説明を省略する。
【0052】
選択的に、本開示の実施例は、移動端末をさらに提供する。プロセッサ310と、メモリ309と、メモリ309に記憶され、且つ前記プロセッサ310上で運行できるプログラムとを含み、このプログラムがプロセッサ310によって実行される時、上記制御方法の実施例の各プロセスを実現させ、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでは説明を省略する。
【0053】
本開示の実施例は、可読記憶媒体をさらに提供する。可読記憶媒体にはプログラムが記憶されており、このプログラムがプロセッサによって実行される時、上記制御方法の実施例の各プロセスを実現し、且つ同じ技術的効果を達成することができる。説明の繰り返しを回避するために、ここでは説明を省略する。前記可読記憶媒体は、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROMと略称される)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称される)、磁気ディスクまたは光ディスクなどを含む。
【0054】
当業者であれば意識できるように、本明細書に開示された実施例を結び付けて記述された様々な例のユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェアまたはコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせで実現されてもよい。これらの機能が、ハードウェア方式で実行されるか、ソフトウェア方式で実行されるかは、技術案の特定の応用及び設計拘束条件によるものである。当業者は、各特定の応用に対して異なる方法を使用して、記述された機能を実現することができるが、このような実現は、本開示の範囲を超えていると考えるべきではない。
【0055】
当業者が明確に理解できるように、記述の利便性および簡潔性のために、以上に記述されたシステム、装置、およびユニットの具体的な作動プロセスは、前述方法の実施例における対応するプロセスを参照すればよい。ここでは説明を省略する。
【0056】
本開示によって提供される実施例で、理解すべきことは、掲示された装置および方法は、他の方式によって実現されてもよいことである。例えば、以上に記述された装置の実施例は、単なる例示的なものであり、例えば、前記ユニットの区分は、単なる論理的機能区分であり、実際に実現する時、他の区分方式があってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントは、別のシステムに結合されてもよく、または集積されてもよく、またはいくつかの特徴が無視されてもよく、または実行されなくてもよい。また、表示又は討論された同士間の結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェース、装置又はユニットによる間接の結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的、又は他の形式であってもよい。
【0057】
前記分離された部品として説明されるユニットは、物理的に分離されてもよく、または物理的に分離されなくてもよく、ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであってもよく、または、物理的なユニットでなくてもよく、すなわち、一つの場所に位置してもよく、または複数のネットワークユニットに分布されてもよい。実際の必要に応じて、そのうちの一部又は全部のユニットを選択して、本開示の実施例の方案の目的を実現することができる。
【0058】
また、本開示の各実施例における各機能ユニットは、一つの処理ユニットに集積されてもよく、各ユニットが物理的に単独に存在してもよく、二つ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。
【0059】
前記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、且つ独立した製品として販売又は使用される場合、一つのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解を踏まえて、本開示の技術案は、実質には、又は従来技術に寄与した部分又はこの技術案に関する部分がソフトウェア製品の形式によって表われてもよい。このコンピュータソフトウェア製品は、一つの記憶媒体に記憶され、一台のコンピュータ機器(パソコン、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に本開示の各実施例に記載の方法の全部又は一部を実行させるための若干の指令を含む。前記記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等の様々なプログラムコードを記憶可能な媒体を含む。
【0060】
以上に記載の内容は、本開示の具体的な実施の形態に過ぎず、本開示の保護範囲は、それに限らない。いかなる当業者が、本開示に掲示される技術的範囲内に、容易に想到できる変形又は置換は、いずれも、本開示の保護範囲内に含まれるべきである。そのため、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とすべきである。
図1
図2
図3