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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240226BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20240226BHJP
   G02B 3/08 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L27/146 A
G02B3/00 A
G02B3/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022009427
(22)【出願日】2022-01-25
(65)【公開番号】P2023053868
(43)【公開日】2023-04-13
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】17/492,170
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100105946
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 富彦
(72)【発明者】
【氏名】董 耀中
(72)【発明者】
【氏名】塗 宗儒
(72)【発明者】
【氏名】林 綺涵
【審査官】柴山 将隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-316447(JP,A)
【文献】特開平05-129569(JP,A)
【文献】国際公開第2020/175195(WO,A1)
【文献】特開2016-139988(JP,A)
【文献】特開2007-305866(JP,A)
【文献】特開2013-004938(JP,A)
【文献】特開2006-071941(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0328243(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0237801(US,A1)
【文献】国際公開第2018/043654(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/078976(WO,A1)
【文献】特開2009-168872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
G02B 3/00
G02B 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサユニットの第1のグループ、および
センサユニットの第2のグループであって、前記第1のグループの周囲を取り囲むように配置される第2のグループを含み、
前記センサユニットの第1のグループおよび前記センサユニットの第2のグループのそれぞれは、複数の感知部、前記感知部に配置されたカラーフィルタ層、および前記カラーフィルタ層上に配置され、前記複数の感知部の上に設けられる1つのマイクロレンズを含み、
前記マイクロレンズは正の曲率半径を含み、
前記センサユニットの第1のグループの前記マイクロレンズ内に1つのマイクロレンズに対して1つの第1のディッシュ構造が形成され、前記第1のディッシュ構造は、前記センサユニットの第1のグループの前記マイクロレンズの中心に位置する負の曲率半径を含み、且つ
前記センサユニットの第2のグループの前記マイクロレンズ内に1つのマイクロレンズに対して1つの第2のディッシュ構造が形成され、前記第2のディッシュ構造は、前記負の曲率半径を含み、前記第2のディッシュ構造は、前記センサユニットの第2のグループの前記マイクロレンズの中心から前記第1のグループの方向に向かってオフセットされるイメージセンサ。
【請求項2】
前記マイクロレンズの曲率半径は、前記第1のディッシュ構造の曲率半径と異なり、前記マイクロレンズの曲率半径は、前記第2のディッシュ構造の曲率半径と異なる請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第1のディッシュ構造および第2のディッシュ構造は、同じ曲率半径または異なる曲率半径を有する請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第2のディッシュ構造は、上面図から水平、垂直、または斜めに前記センサユニットの第2のグループの前記マイクロレンズの中心から、オフセットされる請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記マイクロレンズ上および前記第1のディッシュ構造または前記第2のディッシュ構造内にコンフォーマルに配置されたトップフィルムをさらに含み、前記トップフィルムの屈折率は前記マイクロレンズの屈折率より低く、前記トップフィルムの前記屈折率は空気の屈折率より高い請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記カラーフィルタ層内のパーティショングリッド構造および前記パーティショングリッド構造内に埋め込まれた遮光構造をさらに含み、基板は、前記複数の感知部を分離する複数のディープトレンチアイソレーション(DTI)構造を含み、前記複数の感知部は、前記基板内に埋め込まれる請求項1に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関するものであり、特に、イメージセンサのマイクロレンズ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
相補型金属酸化膜半導体(CMOS)イメージセンサ(CISとしても知られている)などのイメージセンサは、デジタル静止画スチルカメラ、デジタルビデオカメラなどの様々な撮像装置で広く用いられている。イメージセンサの光感知部は、周囲の色の変化を検出することができ、信号電荷は、光感知部で受光される光量に応じて生成されることができる。また、光感知部で生成された信号電荷が伝送されて増幅されることにより、画像信号が得られる。
【0003】
産業需要に基づき、画素サイズは縮小され続けてきた。高レベルのパフォーマンスを維持するために、位相差オートフォーカス(PDAF)画素の1つのグループが従来のセンサアレイに統合されることができる。この画素のグループによって受光された光は、カラーフィルタを介して集光し、底部の対応する感知部に集められ、装置の画像焦点が検出されることができる。しかしながら、画素サイズが縮小されたイメージセンサは、精度にわずかなオフセットが発生する可能性があり、装置の全体的な性能に大きな影響を与える可能性がある。従って、これらの、および関連する問題は、イメージセンサの設計および製造を通じて解決する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イメージセンサのマイクロレンズ構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、イメージセンサは、複数の感知部、感知部上に配置されたカラーフィルタ層、およびカラーフィルタ層上に配置されたマイクロレンズを含む。マイクロレンズは正の曲率半径を含み、負の曲率半径を含むディッシュ構造はマイクロレンズ内に形成される。
【0006】
もう1つの実施形態では、イメージセンサは、センサユニットの第1のグループ、およびセンサユニットの第2のグループを含み、センサユニットの第1のグループとセンサユニットの第2のグループのそれぞれが複数の感知部、感知部上に配置されたカラーフィルタ層、およびカラーフィルタ層上に配置されたマイクロレンズを含む。マイクロレンズは、正の曲率半径を含む。イメージセンサは、センサユニットの第1のグループのマイクロレンズ内に形成された第1のディッシュ構造も含み、第1のディッシュ構造は、センサユニットの第1のグループのマイクロレンズの中心に位置する負の曲率半径を含む。イメージセンサは、センサユニットの第2のグループのマイクロレンズ内に形成された第2のディッシュ構造をさらに含み、第2のディッシュ構造は、負の曲率半径を含み、第2のディッシュ構造は、センサユニットの第2のグループのマイクロレンズの中心からオフセットされる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明及び例を読むことで、より完全に理解することができる。図面は、業界の標準的な慣行に従って、様々な特徴が縮尺通りに描かれていない。実際、様々な特徴の寸法は、明確に説明できるようにするために、任意に拡大または縮小されることがある。
図1A図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図1B図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの断面図である。
図1C図1Cは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサの上面図である。
図2A図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な中間製造段階におけるイメージセンサの断面図である。
図2B図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な中間製造段階におけるイメージセンサの断面図である。
図2C図2Cは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な中間製造段階におけるイメージセンサの断面図である。
図2D図2Dは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な中間製造段階におけるイメージセンサの断面図である。
図3図3は、本開示の他の実施形態による、イメージセンサアレイの上面図である。
図4A図4Aは、本開示のさらにもう1つの実施形態による、もう1つのイメージセンサの断面図である。
図4B図4Bは、本開示のさらにもう1つの実施形態による、もう1つのイメージセンサの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次の開示では、異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施の形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の要素および複数の配列の特定の実施形態が以下に述べられる。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、下記の開示において、第1の特徴が第2の特徴の上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成される複数の実施形態を含むこともできる。
【0009】
追加のステップが、例示された方法の前、間、または後に実施されてもよく、例示された方法のその他の実施形態では、いくつかのステップが置き換えられるか、または省略されてもよい。
【0010】
さらに、(以下の詳細な説明において)、「下の方」、「下方」、「下部」、「上」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴と、別の要素と特徴との関係を記述するための説明を簡潔にするために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0011】
本開示では、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、一般的に、所定値の+/-20%を意味し、より一般的に、所定値の+/-10%を意味し、より一般的に、所定値の+/-5%を意味し、より一般的に、所定値の+/-3%を意味し、より一般的に、所定値の+/-2%を意味し、より一般的に、所定値の+/-1%を意味し、さらにより一般的に、所定値の+/-0.5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。即ち、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語の具体的な説明がないとき、所定値は、「約」、「およそ」、および「実質的に」の意味を含む。
【0012】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0013】
本開示は、以下の実施形態において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、説明される様々な実施形態および/または構成の関係を限定するものではない。
【0014】
画素サイズの継続的な縮小化に応じて、各画素の受光量、および画素間の受光量の均一性が重要な関心事となっている。イメージセンサのうち、より小さい画素の受光量を向上させる1つの方法が、センサユニット(位相差オートフォーカス(PDAF)画素とも呼ばれる)の1つのグループを統合する方法である。本開示のいくつかの実施形態によれば、光がこのグループ内の各センサユニットによって均一に受光されたとき、イメージセンサは統一色の画像を表示することができる。しかしながら、各センサユニットが受光した光が不均一な場合、イメージセンサに色のばらつきが生じる。センサユニットのグループは、装置全体の画像フォーカスを検出し、追跡することができ、受信した信号によって色を決定することもできる。従来、全てのグループのセンサユニット(位相差オートフォーカス画素のグループなど)の上方には、単一のマイクロレンズが配置される。言い換えると、グループ内の全てのセンサユニットは、単一のマイクロレンズを共有し、残りのセンサユニットのそれぞれはその上部に配置された1つのマイクロレンズを有する。センサユニットのグループの上の単一のマイクロレンズは、光を一緒に集光させて追跡と検出を可能にすることができる。例えば、光が傾斜角度で入射したとき、グループ内のセンサユニットのうちの1つは、もう1つのセンサユニットよりも多くの光を受光することができ、それによりセンサユニット間の信号読み取りに基づき、入射光の方向が正確に決定されることができる。
【0015】
通常の状態では、センサユニットのグループの上の単一のマイクロレンズは、入射光線がセンサユニットのグループの中心点に集光して光スポットを形成させ、周囲の感知部に向かって散乱され、受光することができる。光スポットの大きさは、マイクロレンズの構造特性によって決まる。例えば、マイクロレンズがより大きい曲率半径を有するとき、より大きい光スポットが生成されることができ、一方、マイクロレンズがより小さい曲率半径を有するとき、より小さい光スポットが生成されることができる。マイクロレンズ構造の意図しない、ずれなどのプロセス変動が発生した場合、光スポットがセンサユニットのグループの中心点からずれる可能性がある。その結果、周囲の感知部が不均一な光強度を受光する可能性があり、異なる信号に変換し、色の判定にばらつきが生じることになる。
【0016】
例えば、1つの個別のセンサユニットが各センサユニットのいくつかのグループから選択され、組み合わされて第1の画素を形成したとき、第1の画素は、各選択されたセンサユニットから読み取られた信号を蓄積することより特定の色を表示することができる。もう1つの個別のセンサユニットが各センサユニットの同じグループから選択され、組み合わされて第2の画素を形成したとき、第2の画素は、各選択されたセンサユニットから読み取られた信号を蓄積することより特定の色を表示することができる。理想的には、第1の画素と第2の画素が同じ色を表示することである。しかしながら、各グループ内のセンサユニットが異なる光強度を受光した場合、センサユニット間で変換される信号は大きく異なる。その結果、第1の画素と第2の画素の間に激しい色の変化が生じ、表示される画像に影響を与える可能性がある。
【0017】
プロセス変動が表示性能に与える影響は、大きい光スポットと小さい光スポット間で異なる可能性があることにも留意されたい。光点が大きいとき、全光点サイズに対してシフトされた量は相対的に小さい可能性がある。逆に、光スポットが小さいとき、全光スポットサイズに対して同じシフトされた量は相対的に大きくなる可能性がある。言い換えれば、色決定の均一性の向上は、プロセス変動の発生を減少するか、または(より大きい曲率半径を有するマイクロレンズから)より大きい光スポットを生成することによって達成され得る。しかしながら、プロセス変動を減少するには、製造精度を高める必要があり、コストが高くなる。一方、より大きい曲率半径を有するマイクロレンズでより大きい光スポットを維持すると、イメージセンサ装置の設計の自由度を制限する可能性がある。上記を踏まえて、本開示は、製造コストを増加させる、または設計の自由度を制限する必要のない代替方法を提供する。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、革新的なディッシュ構造(皿状の構造、dish structure)がマイクロレンズ内に形成され、上述の問題に対処することができる。マイクロレンズ内に本開示のディッシュ構造を組み込むことにより、光スポットを周囲の感知部に向けて分散させることができ、それにより、製造コストを増加させる、または設計の自由度を制限することなく、プロセス変動のウィンドウを増加させることができる。従って、プロセス変動の場合でも、センサユニット間の信号読み取りは依然として適切に用いられ、均一な色の画像を表示することができる。さらに、本開示は、マイクロレンズ内のディッシュ構造をオフセットし、入射光の異なる入射角に対応することも含む。
【0019】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサ10の断面図である。いくつかの実施形態では、イメージセンサは、実際には数百万のセンサユニットを含み得る。簡潔にするために、図1Aは実際のイメージセンサの一部のみを示している。図1Aに示されたイメージセンサ10は、互いに隣接して配置されたセンサユニット100Aおよび100Bの2つのグループを含む。センサユニット100Aおよび100Bのグループのうちの1つの上面図(図1Cに図示)からみて、センサユニット100Aおよび100Bのグループのそれぞれは、2×2に配置された4つのセンサユニットを含み得るが、本開示はそれに限定されない。例えば、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループは、m×n個の光電変換素子に対応することができ、ここでのmおよびnは、同じまたは異なってもよい正の整数であるが、本開示はそれらに限定されない。説明のために、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループは両方とも、1つの左センサユニットおよび1つの右センサユニットを含む。特に、センサユニット100Aのグループは、左センサユニット100A-Lおよび右センサユニット100A-Rを含み、センサユニット100Bのグループは、左センサユニット100B-Lおよび右センサユニット100B-Rを含む。
【0020】
図1Aに示されるように、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループのそれぞれは、その中に形成されたディッシュ構造130を有する1つのマイクロレンズ122を有することに留意されたい。ディッシュ構造130の存在は、従来のマイクロレンズ122が有する連続的な曲率プロファイルを壊す(break)ことができ、あらゆる方向からの入射光が複数の光スポット140に集光することができるようになる。本開示のいくつかの実施形態によれば、ディッシュ構造130は負の曲率半径を有し、マイクロレンズ122のもう1つの部分は正の曲率半径を有する。いくつかの実施形態では、正の曲率半径を有する表面は、入射光線を集光させることができ、負の曲率半径を有する表面は、入射光線を発散させることができる。ディッシュ構造130をマイクロレンズ122に組み込むことにより、入射光を複数の光スポット140に集光させることができる。左センサユニット100A-L、右センサユニット100A-R、左センサユニット100B-L、および右センサユニット100B-Rは、それぞれ光スポット140を受けることができる。このような変更は、入射光が イメージセンサ10の全ての感知部106に均等に分配されるようにすることにより、プロセス変動のウィンドウを増加させることができる。
【0021】
本開示のマイクロレンズ122またはディッシュ構造130の非球面を有する任意のレンズの表面形状に関する符号(正または負)は、特記しない限り、光軸(近軸領域)の近くのマイクロレンズ122またはディッシュ構造130の領域に関するものであることに留意されたい。曲率半径に関する符号は、正の曲率半径が物体側に向かって凸状の表面形状を示し、負の曲率半径が画像側に向かって凸状の表面形状を示すように提供されている。
【0022】
図1Aに示すように、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループのそれぞれは、複数の感知部106、カラーフィルタ層110、およびマイクロレンズ122を含む。複数の感知部106は、基板102内に埋め込まれることができる。基板102は、その内部に埋め込まれた複数のディープトレンチアイソレーション構造104をさらに含み、複数のディープトレンチアイソレーション構造104は、各感知部106を分離し、各センサユニットのサイズを規定する。さらに、複数のディープトレンチアイソレーション構造104は、光スポット140を複数の感知部106上に散乱させるのを助けることができる。いくつかの実施形態では、基板102は、イメージセンサ10の全てのセンサユニットによって共有された単一の構造であってもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、基板102は、例えば、ウェハまたはチップであり得るが、本開示は、それに限定されない。いくつかの実施形態では、基板102は、半導体基板、例えばシリコン基板であってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、半導体基板は、ゲルマニウムを含む元素半導体、窒化ガリウム(GaN)、炭化ケイ素(SiC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)、ヒ素化インジウム(InAs)、および/またはアンチモン化インジウム(InSb)を含む化合物半導体、シリコンゲルマニウム(SiGe)合金、リン化ガリウム砒素(GaAsP)合金、リン化アルミニウムインジウム(AlInAs)合金、リン化アルミニウムガリウム(AlGaAs)合金、リン化ガリウムインジウム(GaInAs)合金、リン化ガリウムインジウム(GaInP)合金、および/またはリン化ガリウムインジウム砒素(GaInAsP)合金、或いはそれらの組み合わせを含む合金半導体であってもよい。いくつかの実施形態では、基板102は、シリコン基板または有機光電変換層などの光電変換基板であってもよい。
【0024】
もう1つの実施形態では、基板102は、半導体オンインシュレータ(SOI)基板であってもよい。半導体オンインシュレータ基板は、ベースプレート、ベースプレート上に配置された埋め込み酸化物層、および埋め込み酸化物層上に配置された半導体層を含み得る。さらに、基板102は、N型またはP型の導電型であってもよい。
【0025】
上述のように、基板102は、複数のディープトレンチアイソレーション構造104を含んで活性領域を規定し、基板102内または基板上の活性領域要素を電気的に分離することができるが、本開示はそれに限定されない。前述のように、複数のディープトレンチアイソレーション構造104は、光スポット140の散乱を助けることができる。いくつかの実施形態では、ディープトレンチアイソレーション構造104は、その上に集光されている入射光線を反射および屈折させることができる。いくつかの実施形態では、もう1つの分離構造が代替として適用されてもよい。シャロートレンチアイソレーション(STI)構造とシリコン局所酸化(LOCOS)構造は、他の分離構造の例である。いくつかの実施形態では、複数のディープトレンチアイソレーション構造104の形成は、例えば、基板102上に絶縁層を形成し、絶縁層および基板102を選択的にエッチングして、基板102の上面から基板内の位置まで延びるトレンチを形成し、このトレンチが、隣接する感知部106の間に配置されるようにする。次に、複数のディープトレンチアイソレーション構造104の形成は、トレンチに沿って豊富な窒素含有(例えば、酸窒化ケイ素)ライナーを成長させ、次いで絶縁材料(例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素)を堆積プロセスでトレンチ内に充填することを含んでもよい。その後、アニーリングプロセスがトレンチ内の絶縁材料に実行され、次いで基板102上に平坦化プロセスが実行されて過剰な絶縁材料を除去し、トレンチ内の絶縁材料が基板102の上面と同一平面になるようにする。
【0026】
いくつかの実施形態では、基板102は、例えば、イオン注入および/または拡散プロセスによって形成された様々なP型ドープ領域および/またはN型ドープ領域(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、トランジスタ、フォトダイオードなどが、複数のディープトレンチアイソレーション構造104によって規定された活性領域に形成されてもよい。
【0027】
上述のように、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループは基板102上に配置されたカラーフィルタ層110をそれぞれ含むことができる。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ層110の高さは、約0.3μmから2.0μmの間であることができる。特定の実施形態では、カラーフィルタ層110の高さは、約0.9μmであることができる。いくつかの実施形態では、カラーフィルタ層110は、赤色、緑色、青色、白色、または赤外線であり得る複数のユニットを含んでもよい。カラーフィルタ層110の各ユニットは、イメージセンサ10のそれぞれの感知部106に対応することができ、ユニットの色は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループのそれぞれの要求によって決まる。フォトダイオードなどの個々の感知部106は、受信した光信号を、センサユニットグループ100Aおよびセンサユニットグループ100Bの電気信号にそれぞれ変換することができる。いくつかの実施形態では、同じグループ内のセンサユニットは、同じ色のユニットを有してもよい。いくつかの実施形態では、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループは、パーティショングリッド(partition grid)構造112によって互いに分離されており、これについては後で詳細に説明する。本開示のいくつかの実施形態によれば、カラーフィルタ層110は、基板102上およびパーティショングリッド構造112によって規定された空間内に堆積される。カラーフィルタ層110は、異なるステップでコーティング、露光、および現像プロセスによって順次に形成されることができる。あるいは、カラーフィルタ層110は、インクジェット印刷によって形成されてもよい。
【0028】
図1Aに示すように、パーティショングリッド構造112は、カラーフィルタ層110の1つまたは複数のユニットの間に配置されている。例えば、パーティショングリッド構造112の中心線(図示せず)は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループの境界を規定することができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、パーティショングリッド構造112は、カラーフィルタユニット110の各ユニットよりも低い屈折率を有することができる。屈折率は、光の速度を変化させる物質の特性であり、真空中の光の速度を物質内の光の速度で割って得られた値である。光が2つの異なる材料間をある角度で移動するとき、その屈折率が光の透過(屈折)の角度を決める。本開示のいくつかの実施形態によれば、パーティショングリッド構造112の屈折率は、約1.00から1.99の間である。入射光がカラーフィルタ層110に入射したとき、パーティショングリッド構造112は、特定のユニット内の光線を分離して、光トラッピング機能として機能することができる。
【0029】
パーティショングリッド構造112の材料は、透明な誘電体材料を含んでもよい。まず、パーティション材料層が基板102上にコーティングされる。次に、ハードマスク層(図示せず)がパーティション材料層上にコーティングされる。いくつかの実施形態では、ハードマスク層の材料はフォトレジストである。フォトリソグラフィプロセスがハードマスク層に実行されてパターン化する。次に、エッチングプロセスがパターン化されたハードマスク層を用いて、パーティション材料層に実行される。エッチングプロセスは、ドライエッチングであってもよい。エッチングプロセスの後、パーティション材料層の一部が基板102上で除去され、複数の開口部がその中に形成される。上述のように、開口部は、その後、カラーフィルタ層110で充填される。
【0030】
図1Aに引き続き示すように、遮光構造114は、センサユニット100Aのグループとセンサユニット100Bのグループとの間の基板102上に配置されている。いくつかの実施形態では、遮光構造114は、パーティショングリッド構造112内に埋め込まれている。いくつかの実施形態では、パーティショングリッド構造112は、イメージセンサ10の設計要件に応じて、遮光構造114よりも高くてもよい。いくつかの実施形態では、遮光構造114は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループの境界にまたがっている。すなわち、遮光構造114は、任意の2つの隣接するセンサユニットによって共有されるように配置されている。遮光構造114の配置は、カラーフィルタ層110に対応したユニットの下にある感知部106のうちの1つが、受信信号の精度に影響を及ぼす可能性がある異なる色の隣接するユニットからの付加の光を受光するのを防ぐことができる。本開示のいくつかの実施形態では、遮光構造114の高さは、約0.005μmから2.000μmの間であってもよい。いくつかの実施形態では、遮光構造114の材料は、不透明な金属(タングステン(W)、アルミニウム(Al)など)、不透明な金属窒化物(窒化チタン(TiN)など)、不透明な金属酸化物(酸化チタン(TiO)など)、他の適切な材料、またはそれらの組み合わせを含むことができるが、本開示はそれらに限定されない。遮光構造114は、基板102上に金属層を堆積し、次いでフォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを用いて金属層をパターン化することによって形成されることができるが、本開示はそれに限定されない。
【0031】
図1Aに引き続き示すように、マイクロレンズ材料層120は、カラーフィルタ層110およびパーティショングリッド構造112上に配置されている。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ材料層120の材料は、透明な材料であり得る。 例えば、材料は、ガラス、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、他の任意の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含み得るが、本開示はそれらに限定されない。本開示のいくつかの実施形態によれば、複数のマイクロレンズ122は、マイクロレンズ材料層120上に配置されている。いくつかの実施形態では、複数のマイクロレンズ122は、センサユニット100Aのグループおよびセンサユニット100Bのグループのそれぞれに対応するようにマイクロレンズ材料層120の上部をパターン化することによって形成され得る。複数のマイクロレンズ122は、マイクロレンズ材料層120から形成されるため、複数のマイクロレンズ122およびマイクロレンズ材料層120は、同じ材料を共有する。上述のように、従来の連続的な曲率プロファイルのマイクロレンズは、光スポット140がセンサユニット100Aまたは100Bのグループの中心点に主に焦点を合わせるようにするディープトレンチアイソレーション構造104は、光スポット140を周囲の感知部106に向かって散乱させることができても、プロセス変動が発生したとき、光スポット140は不均一に散乱する可能性がある。従って、本開示のイメージセンサ10は、各マイクロレンズ122内に形成されたディッシュ構造130を有するように設計されている。図1に示される結果として得られる構造は、入射光が全ての感知部106にほぼ集光することを可能にし、従って、集光の問題を解決することができる。図1Aに示される結果として得られる構造は、入射光が全ての感知部106にほぼ集光することを可能にし、従って、均一な色の画像を表示することができる
【0032】
マイクロレンズ122とは対照的に、ディッシュ構造130は反対の曲率プロファイルを有する。前述のように、マイクロレンズ122は、ディッシュ構造130が光線を発散させるための負の曲率半径を有することを除いて、一般に、光線を集光するための正の曲率半径を有している。非連続的な曲率プロファイルは、光線の屈折を変えることができる。図1Aに示されるように、入射光L1およびL2は、従来のイメージセンサと同様に、センサユニット100Aまたは100Bのグループの中心点に向かって屈折されることができる。しかしながら、入射光L3がディッシュ構造130を透過したとき、センサユニット100Aまたは100Bのグループの中心点から外方へ屈折されている。ディッシュ構造のない従来のマイクロレンズは、入射光L3をセンサユニットに透過する代わりに、その望ましくない入射角により、入射光L3をマイクロレンズの表面から外方へ反射させる可能性があることに留意されたい。マイクロレンズ122の連続的な曲率プロファイルを壊すことは、センサユニット100Aおよび100Bのグループの中心点に集光する従来の光スポットを分散させることができることがあきらかになっている。集光する入射光L1およびL2と発散する入射光L3とを組み合わせは、複数の光スポット140が左センサユニット100A-L、右センサユニット100A-R、左センサユニット100B-L、および右センサユニット100B-Rの複数の感知部106上に生成され、受光することができるようになる。後述するように、複数の光スポット140は、実際には、上面図(図1Cに示される)のセンサユニット100Aおよび100Bのグループのそれぞれの環状であり、ディッシュ構造130をマイクロレンズ122に組み込むことで、環状は中空となっている。
【0033】
図1Aに示すように、トップフィルム124は、複数のマイクロレンズ122の表面上およびディッシュ構造130内にコンフォーマルに堆積されることができる。いくつかの実施形態では、トップフィルム124は、イメージセンサ10の表面全体を覆う連続構造である。本開示のいくつかの実施形態によれば、トップフィルム124の材料は、マイクロレンズ122(またはマイクロレンズ材料層120)の材料の屈折率よりも低い屈折率を有する。トップフィルム124の材料の屈折率は、空気の屈折率より高い。いくつかの実施形態では、空気の屈折率とマイクロレンズ122の屈折率間には大きな差がある。屈折率間の大きな差は、いくつかの入射光線が、カラーフィルタ層110に屈折する代わりに、マイクロレンズ122の表面から外方へ反射させる可能性がある。これは、イメージセンサ10の光学エネルギーを失わせ、複数の感知部106が受光すべき光強度の量を減少させる。トップフィルム124の追加は、周囲の空気とマイクロレンズ122間の大きな屈折差の間の緩衝となることができ、それにより、光エネルギーの損失を最小限に抑えることができる。いくつかの実施形態では、トップフィルム124は、例えば、ガラス、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリウレタン、他の適切な材料、またはそれらの組み合わせを含む透明材料であり得るが、本開示はそれらに限定されない。トップフィルム124の形成は、例えば、スピンオンコーティングプロセス、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、原子層堆積(ALD)、他の適切な方法、またはそれらの組み合わせを含むことができる堆積プロセスを含んでもよい。
【0034】
特定の実施形態では、マイクロレンズ内に形成されたディッシュ構造を有するセンサユニットのグループが、マイクロレンズ内に形成されたディッシュ構造を有さないもう1つのセンサユニットのグループと比較されている。左センサユニット100A-Lと右センサユニット100A-R間、または左センサユニット100B-Lと右センサユニット100B-R間で受光された光強度の比が測定される。測定は、マイクロレンズが意図的にシフトされているいくつかの条件において行なわれ、プロセス変動の場合に発生する可能性があるときと同様である。測定データは表1にまとめられている。
【0035】
【表1】
【0036】
理想的な状況では、左センサユニット100A-Lと右センサユニット100A-R、または左センサユニット100B-Lと右センサユニット100B-Rは、同じ量の光強度を受光するべきである。換言すれば、左センサユニット100A-Lと右センサユニット100A-R間、または左センサユニット100B-Lと右センサユニット100B-R間で受光された光強度の比は、1の値を有するべきである。しかしながら、プロセス変動は、センサユニット間で受信した光の均一性を低下させ、比率の値を1からはずさせることになる。比率の値は可能な限り1に近いことが期待され、非常に大きな変動は、カラー表示を損なう可能性があることに留意されたい。表1では、従来の設計(ディッシュ構造のないマイクロレンズ)と新しい設計(ディッシュ構造のあるマイクロレンズ)の比較が示されている。測定は、異なる波長範囲(または異なる色のユニット)で行われ、「R」は赤色ユニットであり、「B」は青色ユニットであり、「Gr」は水平方向に赤色ユニットに隣接する緑色ユニットであり、且つ「Gb」は水平方向に青色ユニットに隣接する緑色ユニットである。さらに、これらの測定は、0nm(シフトなし)、10nm、20nm、30nm、40nm、および50nmのマイクロレンズのシフトにおいても行われる。表1からわかるように、マイクロレンズのシフトが0nm(シフトなし)のとき、2つの設計間に大きな変化はない。シフトが発生すると、平均の従来設計からの比率値は新設計からの比率値より大幅に大きくなる。従って、本開示の設計は、比率値をより1に近づけることができ、それにより、色判定の均一性を向上させることができる。
【0037】
図1Aに示されるように、いくつかの実施形態によれば、イメージセンサは、センサユニット100A/100Bの複数のグループ、センサユニットのグループのそれぞれは、複数の感知部106、感知部106上に配置されたカラーフィルタ層110、およびカラーフィルタ層110上に配置されたマイクロレンズ122を含む。マイクロレンズ122は、正の曲率半径を含み、負の曲率半径を含むディッシュ構造130は、マイクロレンズ122内に形成される。
【0038】
図1Bは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサ10の断面図である。具体的には、図1Bは、図1Aのイメージセンサ10のマイクロレンズ122およびディッシュ構造130の拡大図を示している。本開示のいくつかの実施形態によれば、ディッシュ構造130は、マイクロレンズ122の中心に配置され、マイクロレンズ122内にこのようなディッシュ構造130を製造するプロセスは、後で詳細に説明する。上述のように、マイクロレンズ122は、ディッシュ構造130が負の曲率半径を有することを除いて、一般的に正の曲率半径を有している。大きさに関しては、マイクロレンズ122の曲率半径R0は、ディッシュ構造130の曲率半径R1より大きい。いくつかの実施形態では、ディッシュ構造130の第1の深さD1(最大深さ)は、マイクロレンズ122の高さHの約25%から50%の間である。ディッシュ構造130の第1の幅W1は、マイクロレンズ122の底部幅W0の約20%から60%の間である。
【0039】
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサ10の上面図である。前述のように、センサユニット100Aまたは100Bのグループのそれぞれは、2×2に配置された4つのセンサユニットを含み得る。センサユニット100Aまたは100Bのグループは、その周囲を囲むパーティショングリッド構造112を含む。ディープトレンチアイソレーション構造104は、パーティショングリッド構造112(図示せず)の下に配置されることができ、さらに、2×2に配置されたセンサユニットを分離および定義する方法で配置されることもできる。カラーフィルタ層110は、パーティショングリッド構造112の内側の開口部を埋めることができる。マイクロレンズ122は、カラーフィルタ層110上に配置され、ディッシュ構造130は、マイクロレンズ122の中心に位置するマイクロレンズ122内に形成される。従来のマイクロレンズ122(ディッシュ構造130のない)は、入射光線を集めて、センサユニット100Aまたは100Bのグループの中心点に焦点を合わせる。上述のように、ディッシュ構造130の存在は、マイクロレンズ122の連続的な曲率プロファイルを壊し、光スポット140を環状に分散させ、中心を中空のままにする。環状の光スポット140は、各感知部106(図示せず)が光信号をより効果的に検出し、それらのそれぞれの色を判定することを可能にする。プロセス変動の場合であっても、感知部106からの色判定は、大幅に少ない干渉を有することができる。
【0040】
図2A図2Dは、本開示のいくつかの実施形態による、様々な中間製造段階におけるイメージセンサ10の断面図である。図2Aに示されるように、まず、ハードマスク層150が、マイクロレンズ材料層120の上に形成される。いくつかの実施形態では、ハードマスク層150は、任意の樹脂含有材料、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、ハードマスク層150は、マイクロレンズ材料層120の厚さより薄い厚さを有し得る。図2Bに示されるように、フォトリソグラフィパターンニングおよびエッチングを介して、ハードマスク層150は、ハードマスクパターン152に形成することができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、ハードマスクパターン152は、その上にキャビティ154をそれぞれ有する長方形の形状である。図2Cに示されるように、リフロープロセスが行われ、ハードマスクパターン152をドーム形状に変え、その上にリフローされたキャビティ154をそれぞれ有する。図2Dに示されるように、ドライエッチングプロセスを介して、ハードマスクパターン152の形状は、マイクロレンズ材料層120の上部に完全に転写される。ドライエッチングプロセスの後、マイクロレンズ材料層120の上部は、ディッシュ構造130をそれぞれ有する複数のマイクロレンズ122となることができ、マイクロレンズ材料層120の下部は、 マイクロレンズのベース122となることもできる。
【0041】
図3は、本開示のもう1つの実施形態による、イメージセンサアレイの上面図である。示されたイメージセンサアレイは例示的なものであり、限定することを意図するものではないことを理解されたい。光源が光線をイメージセンサアレイに照射したとき、光源は、通常、入射光線がアレイ面に垂直な方向で受光される、センサユニットの最も中心のグループに垂直な位置に配置される。センサユニットの最も中心のグループを囲む残りのセンサユニットのグループは、アレイ面に対して傾斜した方向でのみ入射光線を受光することができる。傾斜した入射光線は、周囲のセンサユニットのグループの中心点からずれた位置に集光する可能性がある。中心点からずれた光スポットを補償するために、周囲のセンサユニットのグループに配置されたマイクロレンズ122は、センサユニットの最も中心のグループに向かって意図的にシフトされ得る。周囲のセンサユニットのグループのマイクロレンズ122のシフトされた量は最小であるため、それは図3には特に示されていない。しかしながら、周囲のセンサユニットのグループのマイクロレンズ122内のディッシュ構造130も、それに応じてシフトされ得る。
【0042】
図3に示すように、センサユニットの最も中心のグループ内のディッシュ構造130は、その対応するマイクロレンズの中心に残っている。しかしながら、周囲のセンサユニットのグループ内のディッシュ構造130は全て、それらの対応するマイクロレンズの中心からセンサユニットの最も中心のグループに向かってシフトされる。センサユニットの最も中心のグループに対するディッシュ構造130の位置に応じて、ディッシュ構造130は、センサユニットの最も中心のグループに向かって水平、垂直、または水平および垂直の両方(対角線など)にシフトされ得る。 マイクロレンズ122およびディッシュ構造130のシフトされた量は、それらがセンサユニットの最も中心のグループからどれだけ離れているかに応じて変わり得ることに留意されたい。例えば、ディッシュ構造130および/またはマイクロレンズ122は、それらがセンサユニットの最も中心のグループに近いときはより小さい量で、それらがセンサユニットの最も中心のグループに遠いときはより大きい量で意図的にシフトされ得る。 本開示のいくつかの実施形態によれば、ディッシュ構造130は、それらの対応するマイクロレンズ122の中心から距離Dでオフセットされることができ、距離Dは、中心からの画素サイズの約0%から35%の間である。 画像センサアレイおよび光線の発光の配置に応じて、マイクロレンズ122およびディッシュ構造130は、同じ量または異なる量でシフトされることができる。
【0043】
図4Aは、本開示のいくつかのもう1つの実施形態による、もう1つのイメージセンサ20の断面図である。イメージセンサ20は、図3からの周囲のセンサユニットのグループがどのように見えるかを示している。図1Aに示されたイメージセンサ10と比較して、センサユニット100Aおよび100Bのグループのマイクロレンズ122内に形成されたディッシュ構造130は、それらの対応するマイクロレンズ122の中心からオフセットされている。また、センサユニット100Aおよび100Bのグループのマイクロレンズ122もわずかに右にずれていることに留意されたい。イメージセンサ20の基板102、複数のディープトレンチアイソレーション構造104、複数の感知部106、カラーフィルタ層110、パーティショングリッド構造112、および遮光構造114の特徴は、イメージセンサ10の特徴と同様であり、繰り返しを避けるために、ここでは詳細を再度説明しない。
【0044】
図4Aに示すように、センサユニット100Aおよび100Bのグループがイメージセンサアレイの中心から離れて(例えば、縁に向かって)配置されているとき、特定の傾斜角の入射光L4のみが受光されることができる。入射光L4が正の曲率半径のマイクロレンズ122を透過したとき、入射光L4は、右センサユニット100A-Rおよび右センサユニット100B-Rの感知部106上に形成された光スポット140に集光し、受光される。一方、入射光L4が負の曲率半径のディッシュ構造130を透過したとき、入射光L4は、センサユニット100Aおよび100Bのグループの中心点から発散し、左センサユニット100A-Lおよび左センサユニット100B-Lの感知部106上に光スポット140を形成し、受光される。ディッシュ構造130がそれらの対応するマイクロレンズ122の中心に残っていた場合、入射光L4は、左センサユニット100A-Lおよび左センサユニット100B-Lによって適切に受光されない可能性がある。実際、ディッシュ構造130をそれらの対応するマイクロレンズ122の中心に維持することは、入射光L4の一部を、左センサユニット100A-Lおよび左センサユニット100B-Lの感知部106から外方へ偏向させる可能性がある。従って、本開示の設計は、傾斜した入射光線に対応することもできるため、色判定の均一性を向上させる。
【0045】
図1Aおよび図4Aに示すように、いくつかの実施形態によれば、イメージセンサは、センサユニットの第1のグループ、およびセンサユニットの第2のグループを含み、センサユニットの第1のグループおよびセンサユニットの第2のグループのそれぞれが、複数の感知部106、感知部106上に配置されたカラーフィルタ層110、およびカラーフィルタ層110上に配置されたマイクロレンズ122を含む。マイクロレンズ122は、正の曲率半径を含む。イメージセンサは、センサユニットの第1のグループのマイクロレンズ122内に形成された第1のディッシュ構造も含み、第1のディッシュ構造は、センサユニットの第1のグループのマイクロレンズ122の中心に位置する負の曲率半径を含む。イメージセンサは、センサユニットの第2のグループのマイクロレンズ122内に形成された第2のディッシュ構造をさらに含み、第2のディッシュ構造は、負の曲率半径を含み、第2のディッシュ構造は、センサユニットの第2のグループのマイクロレンズ122の中心からオフセットされる。
【0046】
図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、イメージセンサ20の断面図である。具体的には、図4Bは、図4Aからのイメージセンサ20のマイクロレンズ122およびディッシュ構造130の拡大図を示している。本開示のいくつかの実施形態によれば、ディッシュ構造130は、マイクロレンズ122の中心からオフセットされている。上述のように、マイクロレンズ122は、ディッシュ構造130が負の曲率半径を有することを除いて、一般的に正の曲率半径を有している。大きさに関しては、マイクロレンズ122の曲率半径R0は、ディッシュ構造130の曲率半径R2より大きい。いくつかの実施形態では、ディッシュ構造130の第2の深さD2(最大深さ)は、マイクロレンズ122の高さHの約20%から40%の間である。ディッシュ構造130の第2の幅W2は、マイクロレンズ122の底部幅W0の約20%から60%の間である。
【0047】
図4Bにさらに示すように、図1Bと比較して、マイクロレンズ122の中心に位置するディッシュ構造130の曲率半径R1およびマイクロレンズ122の中心からオフセットされたディッシュ構造130の曲率半径R2は、同じである。他の実施形態では、曲率半径R1および曲率半径R2は異なってもよい。さらに、設計要件に応じて、第1の深さD1および第1の幅W1は、第2の深さD2および第2の幅W2とそれぞれ同じであってもよい。その他の実施形態では、第1の深さD1および第1の幅W1は、第2の深さD2および第2の幅W2とそれぞれ異なってもよい。図1Bおよび図4Bに示されたディッシュ構造130の寸法は、あらゆる方向からの入射光線が、全ての感知部106上の光スポット140に適切に集光され、受光することができるように設計されることができ、これにより、色判定の均一性を向上させることができる。
【0048】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できる。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。従って、保護の範囲は特許請求の範囲を通じて決定される必要がある。さらに、本開示のいくつかの実施形態が上記に開示されているが、それらは、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0049】
本明細書全体にわたる特徴、利点、または同様の用語への言及は、本開示で実現され得る全ての特徴および利点が、本開示の任意の単一の実施形態で実現されるべきまたは実現され得ることを意味するのではない。むしろ、特徴および利点に言及する用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。従って、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに類似の用語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。
【0050】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、本開示の説明された特徴、利点、および特性は、任意の適切な方法で組み合わせてもよい。当業者は、本明細書の説明に基づいて、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしに本開示を実施できることを認識するであろう。他の例では、本開示の全ての実施形態に存在しない可能性がある、追加の特徴および利点が特定の実施形態において認識され得る。
【符号の説明】
【0051】
10、20 イメージセンサ
100A、100B センサユニット
100A-L 左センサユニット
100A-R 右センサユニット
100B-L 左センサユニット
100B-R 右センサユニット
102 基板
104 ディープトレンチアイソレーション構造
106 感知部
110 カラーフィルタ層
112 パーティショングリッド構造
114 遮光構造
120 マイクロレンズ材料層
122 マイクロレンズ
124 トップフィルム
130 ディッシュ構造
140 光スポット
150 ハードマスク層
152 ハードマスクパターン
154 キャビティ
D 距離
D1 第1の深さ
D2 第2の深さ
H 高さ
L1、L2、L3、L4 入射光
R0、R1、R2 曲率半径
W0 底部幅
W1 第1の幅
W2 第1の幅
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4A
図4B