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特許7442567空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体
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  • 特許-空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/10 20060101AFI20240226BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
F04B39/10 M
F04B39/00 107A
F04B39/10 P
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022069358
(22)【出願日】2022-04-20
(65)【公開番号】P2022166841
(43)【公開日】2022-11-02
【審査請求日】2022-04-20
(31)【優先権主張番号】110114427
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501164676
【氏名又は名称】周 文三
(73)【特許権者】
【識別番号】519443952
【氏名又は名称】周 承賢
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】周 文三
(72)【発明者】
【氏名】周 承賢
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3237935(JP,U)
【文献】米国特許第04275999(US,A)
【文献】特表2016-505114(JP,A)
【文献】特開2003-322083(JP,A)
【文献】登録実用新案第3121989(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0071260(KR,A)
【文献】登録実用新案第3094674(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 39/00
F04B 39/10
F04B 53/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧縮機のシリンダー内のピストンヘッドの頂端平面の軸心には、エアストップシートが位置し、前記エアストップシートの円心近くには、リング状の摺曲部が設けられ、前記摺曲部の外径外側には作用領域が設けられ、前記作用領域は、前記ピストンヘッドの頂端平面の少なくとも1つの通気孔を覆い、前記通気孔の前記ピストンヘッド上には、ばねが収容可能な少なくとも1つの環筒凹槽が設けられ、前記ばねの他端は、前記エアストップシートの背面に押し付けられる空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体であって、
前記多孔ピストン本体が静止状態にあるとき、前記作用領域の前記シリンダーの上面に背向する背面が前記ピストンヘッドの頂端平面に対して小角度で開いた状態となって通気空間が形成され、前記通気空間と前記通気孔とが連通し、前記シリンダー内の圧力が外気の圧力と均衡し、前記エアストップシートが再び稼働されるときに背圧抵抗力が発生せず、ピストン本体の上下動行程がスムーズとなり安定することを特徴とする、空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体。
【請求項2】
前記摺曲部は、折曲げ線を有することを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体。
【請求項3】
前記摺曲部は、前記空気圧縮機の様々な大きさの出力パワーのニーズに対応し得るように複数の折曲げ線を有することを特徴とする請求項2に記載の空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体。
【請求項4】
前記摺曲部の内径内側には位置決め領域が設けられ、前記摺曲部の前記外径外側には前記作用領域が設けられ、前記作用領域の前記シリンダーの上面に背向する背面が前記ピストンヘッドの頂端平面に対して小角度で開いた状態となって通気空間が形成され、
前記ピストンヘッドの外円周の頂端平面には、前記ピストンヘッドの上下端に貫通した通気孔が形成され、前記通気孔が前記通気空間と連通し、前記シリンダー内の圧力が外気の圧力と均衡し、前記エアストップシートが再び稼働されるときに背圧抵抗力が発生せず、ピストン本体の上下動行程がスムーズとなり安定することを特徴とする請求項1に記載の空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体。
【請求項5】
前記通気孔は、前記ピストンヘッドの外円周の頂端平面に、互いに間隔をおいて円周状に配列されることを特徴とする請求項4に記載の空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体。
【請求項6】
前記エアストップシートの前記位置決め領域中には、多角形状穿孔が形成され、前記多角形状穿孔に対応するように前記ピストンヘッドに多角形状ベースが設けられ、前記エアストップシートの前記多角形状穿孔を前記ピストンヘッドの前記多角形状ベースに位置決めし、前記多角形状ベースの頂端に延設された円柱上に固定キャップが嵌設されると、前記エアストップシートが前記ピストンヘッド上に固定され、前記空気圧縮機のピストン本体が静止状態にあるとき、前記エアストップシートの前記作用領域がピストン本体の前記通気孔に対して開いた状態となることを特徴とする請求項4に記載の空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気圧縮機に関し、特に、空気圧縮機のシリンダー内で上動行程及び下動行程を行うピストンと、ピストンヘッド上を覆うエアストップシートとを含む、空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体に関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧縮機の主な構造は、モータによりシリンダー内でピストンを往復させて圧縮動作を行うと、圧縮された空気がシリンダーを介して空気貯蔵ユニット内まで送られる。空気貯蔵ユニット上のマニホールドに接続されたホースは気体被注入物に接続され、従来のピストンのピストンヘッドは、上下方向に貫通されて形成されたエア通路を有する。ピストンヘッドの頂面は、エア通路上を覆うエアストップシートを有し、空気圧縮機が停止している状態下で、エアストップシートによりピストンヘッドのエア通路を閉じ、空気圧縮機の前回の稼働後、ピストンヘッドの円形周辺に設けたOリング及びエアストップシートによりピストンヘッドのエア通路を閉じて形成された気密性により、シリンダー内に残留した高圧空気は排出することができなかった。空気圧縮機を再び稼働させると、ピストンが圧縮を開始する過程で、シリンダー内に残留した高圧空気と衝突し、空気圧縮機の負荷及び電流が瞬間的に増大し、空気圧縮機の寿命が短くなることがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため従来の問題点を改善するために、本発明者は、空気圧縮機が停止した状態で、ピストンヘッドの頂端面とエアストップシートとの間に対して小角度θの通気空間を形成し、空気圧縮機の稼働が終了した後、シリンダー内に残留した圧縮空気を通気空間からエア通路を介して排出してシリンダー中の圧力を外気の圧力と均衡させ、空気圧縮機を再び稼働させたときにピストンの上動行程で余分な抵抗力が発生しないようにし、圧縮負荷及び電流が瞬間的に増大することを防ぎ、ピストンがシリンダー内で往復運動するときにスムーズに圧縮させるとともに、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる。
【0004】
本発明の第1の課題は、空気圧縮機のシリンダー内のピストンヘッドの頂端平面に、少なくとも1つのエアストップシートを位置決めする固定ピンが設けられ、エアストップシートの位置決め領域に隣り合う箇所には、少なくとも1つの摺曲部が設けられ、上述した摺曲部のエアストップシートの他方の側部には作用領域が設けられ、この作用領域は、ピストンヘッドの頂端平面の少なくとも1つの通気孔を覆い、通気孔の外周のピストンヘッド上には、環筒凹槽が凹設され、環筒凹槽内にはばねが収容され、ばねの他端は、環筒凹槽の上方に沿って上向きに伸び、前述したエアストップシートの背面に押し付けられる。上述した作用領域のシリンダーの上面に背向する背面が前述したピストンヘッドの頂端平面に対して小角度で開いた状態となって通気空間が形成され、シリンダー内の圧力と外気の圧力とが均衡し、前述したエアストップシートが再び稼働されるときに背圧抵抗力が発生せず、ピストン本体の上下動行程がスムーズとなり安定する、空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体を提供することにある。
【0005】
本発明の第2の課題は、エアストップシートに摺曲部が設けられ、この摺曲部は、折曲げ線を有し、実際に使用する際、摺曲部の複数の折曲げ線により、空気圧縮機の様々な大きさの出力パワーのニーズに対応し得る、空気圧縮機のシリンダー内の多孔ピストン本体を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るピストン本体を示す分解斜視図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係るピストン本体を示す断面図である。
図3図3は、本発明の一実施形態に係るピストン本体を示す部分拡大断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態に係るピストン本体のシリンダーの下動行程時の圧縮空気の流れの説明図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係るピストン本体の上動行程時の部分拡大断面図である。
図6図6は、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機が筐体に設置された状態を示す分解斜視図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係る複数の折曲げ線を含むエアストップシートを示す断面図である。
図8図8は、本発明の他のピストン本体及び他のエアストップシートを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0008】
図6を参照する。図6に示すように、本発明の一実施形態に係る空気圧縮機10は、チャンバ、筐体1又はその他現場に設置されてもよい。図6に示すように、筐体1内には、空気圧縮機10が配設される。この空気圧縮機10は、気体を注入するために用いるか、シール・ポンプアップ装置と接続して(この技術は従来技術であるため図示しない)気体注入及びパンク修理を行うことができる。空気圧縮機10は、モータ12を固定する基板11と、基板11上に結合されたシリンダー13と、を含む。基板11には、空気圧縮機10の伝動機構14が配設される。伝動機構14には、ピストン本体が接続される。図1図5を参照する。図1図5に示すように、ピストン本体は、ピストンヘッド2を含む。ピストンヘッド2の外周縁部には、Oリング24が取り付けられる。Oリング24は、空気圧縮機10が稼働中でもピストン本体の周囲及びシリンダー13内の表面を密封し続けることができる。前述したピストンヘッド2の頂端平面20には、少なくとも1つの通気孔21が形成される。通気孔21の外周のピストンヘッド2には、環筒凹槽(環状凹部)26が凹設される。この環筒凹槽26内には、ばね6が収容される。ばね6の他端は、環筒凹槽26に沿って上方へ伸び、前述したエアストップシート7に押し当てて僅かに押し上げ、ピストン本体が静止状態にあるときでもエアストップシート7の作用領域72が開放される。前述したピストンヘッド2には、下方に延びたピストンロッド5が延設される。ピストンロッド5は、伝動機構14中のクランクシャフト141が枢着される円孔51を下端に有する。モータ12の出力軸は、伝動機構14のクランクシャフト141を旋回させるとともに、シリンダー13内でピストン本体が上動及び下動の動作を行って発生させた圧縮空気を空気貯蔵ユニット15内に進入させ、排気マニホールドを介して圧縮空気を圧力計16に進入させて圧力を表示させ、排気ホースを接合して気体被注入物に気体を注入してもよいし(図示せず)、排気ホース又はバルブを介して破損したタイヤにシール剤を注入してタイヤを修理するとともにタイヤの気圧を高めてもよいが(図示せず)、これらは従来技術であるため図示しておらず、細部の構造についても省略していることをここで併せて述べておく。
【0009】
本発明に係る空気圧縮機10は、ピストン本体に取り付けられたピストンヘッド2の頂端平面20上に配設された少なくとも1つのエアストップシート7を有する。このエアストップシート7には、位置決め領域71が設けられる。この位置決め領域71に隣り合う箇所には、摺曲部70が設けられる。この摺曲部70は、不用意にエアストップシート7を折曲げて折曲げ角度を形成するのではなく、機械工業技術を利用して精確にエアストップシート7に予め折曲げ角度を形成し、摺曲部70及びそれに属する折曲げ線701を形成し、それは1本又は複数本の折曲げ線でもよい。図7に示すように、複数本の折曲げ線の場合、摺曲部70は折曲げ線701、第2の折曲げ線702及び第3の折曲げ線703を含むため、空気圧縮機の様々な出力パワーのニーズに対応することができ、外気の圧力がエアストップシート7に印加されると、エアストップシート7は既定の折曲げ線701(又は軌道)に沿って応力が発生し、上下方向に開閉動作を行う。摺曲部70の一方の側辺のシートには位置決め領域71が設けられ、摺曲部70の他方の側辺には作用領域72が設けられる。エアストップシート7の位置決め領域71は、ピストンヘッド2の頂端平面20上に固定するために用いる。前述したエアストップシート7の作用領域72とエアストップシート7の位置決め領域71とは、摺曲部70を境界の軸線として用い、エアストップシート7の正面(即ち、上動動作を行うときのエアストップシート7はシリンダー13の上表面に対向する)に、180度より小さな鈍角が形成されるとともに、エアストップシート7の作用領域72がシリンダー13の上面に背向する背向面(背面)が自ずと前述したピストンヘッド2の頂端平面20に対して小角度θで開いた状態となって通気空間Zが形成され、通気空間Zがピストンヘッド2の通気孔21と連通すると、空気圧縮機10のピストン本体が静止状態にあるとき、エアストップシート7の作用領域72は、前述したピストンヘッド2の通気孔21を開いた状態に維持し、ピストン本体の通気孔21の流れがスムーズとなり、シリンダー13中の圧力が外気の圧力と均衡し、空気圧縮機10が再び稼働されると、ピストン本体の上動行程時に余計な抵抗力(背圧抵抗力)は発生しない。
【0010】
図1図5を参照する。図1図5に示すように、空気圧縮機10に取り付けたピストン本体のピストンヘッド2の頂端平面20の軸心には、エアストップシート7が位置する。エアストップシート7の円心近くには、リング状の摺曲部70が設けられる。摺曲部70の内径内側には位置決め領域71が設けられ、摺曲部70の外径外側には作用領域72が設けられる。作用領域72のシリンダー13の上面に背向する背面が前述したピストンヘッド2の頂端平面20に対して小角度θで開いた状態となって通気空間Zが形成され、前述したエアストップシート7の位置決め領域71中には多角形状穿孔73が形成され、多角形状穿孔73に対応するようにピストンヘッド2に多角形状ベース22が設けられ、エアストップシート7の多角形状穿孔73をピストンヘッド2の多角形状ベース22に位置決めし、多角形状ベース22頂端に延設された円柱23上に固定キャップ25が嵌設されると、ピストンヘッド2上にエアストップシート7が堅牢に固定される。前述したピストンヘッド2の頂端平面20は、円周縁部に隣り合う箇所に、間隔をおいてリング状(円周状)に配列されるとともに、前述したピストンヘッド2の上下端に貫通した通気孔21が複数形成される。これら複数の通気孔21が上述した通気空間Zと連通すると、ピストンヘッド2の環筒凹槽26内に前述したばね6が配設され、ばね6の他端がエアストップシート7の位置決め領域71以外の外環シートの背面に当接され、エアストップシート7がピストンヘッド2の頂端平面に対して開いた状態となって通気空間Zが形成される。エアストップシート7に摺曲部70が設けられるとともに、エアストップシート7の位置決め領域71以外の外環シートの背向面にばね6が当接されているため、空気圧縮機10のピストン本体が静止状態にあるとき、エアストップシート7の作用領域72がピストンヘッド2の通気孔21に対して開いた状態となり、図4に示すように、ピストン本体の通気孔21の流れがスムーズとなり、シリンダー13内の圧力が外気の圧力と均衡し、空気圧縮機10が再び稼働される際、ピストン本体の上動行程時に余計な抵抗力(背圧抵抗力)が発生せず、図5に示すように、シリンダー13内でピストン本体が往復運動を行うときに、スムーズな圧縮動作を維持することができ、安全に使用することができる上、使用寿命が延び、気体被注入物に容易かつ速やかに気体を注入させることができる。図4及び図5を参照する。図4及び図5は、シリンダー13内のピストン本体の上動行程及び下動行程の動作を示す。ピストン本体が上動行程の段階のとき、図5に示すように、ばね6が圧縮されてエアストップシート7の作用領域72によりピストン本体の通気孔21が閉じられた状態を示す、ピストン本体が下動行程の段階のとき、ばね6が伸びてエアストップシート7の作用領域72を押し開いて通気孔21から離して開口状態にする(図4を参照する)。ピストン本体が静止状態にあるとき、ばね6によりエアストップシート7の作用領域72及び摺曲部70を押し上げ、エアストップシート7の作用領域72に開口角度θが形成されるため、その状態は図4に示すように、シリンダー13の内部に残留した高圧空気が通気空間Z及び通気孔21を介して排出され、シリンダー13内の圧力が外気の圧力と均衡する。
【0011】
本発明の主な技術的特徴は、以下(1)~(4)である。
(1)エアストップシート7に摺曲部70が設けられる。摺曲部70には、少なくとも1つの折曲げ線701が設けられる。
(2)エアストップシート7の摺曲部70は、一方の側辺に位置決め領域71が設けられ、他方の側辺に作用領域72が設けられ、作用領域72がシリンダー13の上面に背向する背面が前述したピストンヘッド2の頂端平面20に対して小角度θで開いた状態となって通気空間Zが形成される。
(3)ピストンヘッド2の頂端平面20には、少なくとも1つの通気孔21が形成される。
(4)ピストンヘッド2の頂端平面20には、通気孔21の外周のピストンヘッド2上に少なくとも1つの環筒凹槽26が凹設され、環筒凹槽26内には、ばね6が収容される。ばね6の他端は、環筒凹槽26に沿って伸びて前述したエアストップシート7の背面に当接して押し上げ、通気空間Zと通気孔21とが連通されるため、シリンダー13内の圧力が外気の圧力と均衡し、前述したエアストップシート7が再び稼働されたときに背圧抵抗力が発生せず、ピストン本体の上動行程及び下動行程がスムーズとなり安定する。本発明の他の実施形態では、上述した発明の様々な目的を様々な構造により達成してもよい。
【0012】
図8を参照する。図8に示すように、本発明の他の実施形態において、ピストンヘッドの頂端平面3には、2つの固定ピン31,33を介して2つのエアストップシート32,34の2つの位置決め領域322,342が固定される。前述した2つのエアストップシート32,34は、摺曲部321,341と、2つの摺曲部321,341の他辺に設けられた2つの作用領域323,343と、を有する。2つの作用領域323,343は、ピストンヘッドの2つの通気孔35,36をそれぞれ覆う。2つの通気孔35,36の外周のピストンヘッド上には、環筒凹槽351,361がそれぞれ凹設され、環筒凹槽351,361内にはばね37,38がそれぞれ収容される。2つのばね37,38の他端は、2つの環筒凹槽351,361に沿って上方に伸び、前述した2つのエアストップシート32,34の背面に当接して押し上げ、通気空間Zと通気孔35,36とが連通されているため、2つの作用領域323,343の背面は、本発明の最も主要な発明概念であり、作用領域323,343の背面がピストンヘッドの頂端平面3に対して小角度θで開いた状態となって通気空間Zが形成される。
【0013】
上述したことをまとめると、本発明の設計概念のピストン本体が有する多孔式通気孔の設計及び少なくとも1つの形状が異なるエアストップシートの組み合わせにより、エアストップシートがピストンヘッドの頂端平面に対して角度θを形成し、残された通気空間Zによりシリンダーの内外圧力を均衡させ、背圧抵抗力の発生を防ぎ、各種異なる形状のエアストップシートに摺曲部及びその両辺に設けた位置決め領域、作用領域などの構造が形成されているため、既に特許を受けたEP1437508号と比べ、新規性を有するとともに進歩性を有する。
【符号の説明】
【0014】
1:筐体
2:ピストンヘッド
3:頂端平面
5:ピストンロッド
6:ばね
7:エアストップシート
10:空気圧縮機
11:基板
12:モータ
13:シリンダー
14:伝動機構
15:空気貯蔵ユニット
16:圧力計
20:頂端平面
21:通気孔
22:多角形状ベース
23:円柱
24:Oリング
25:固定キャップ
26:環筒凹槽
31:固定ピン
32:エアストップシート
33:固定ピン
34:エアストップシート
35:通気孔
36:通気孔
37:ばね
38:ばね
51:円孔
70:摺曲部
71:位置決め領域
72:作用領域
73:多角形状穿孔
141:クランクシャフト
321:摺曲部
322:位置決め領域
323:作用領域
341:摺曲部
342:位置決め領域
343:作用領域
351:環筒凹槽
361:環筒凹槽
701:折曲げ線
702:第2の折曲げ線
703:第3の折曲げ線
Z:通気空間
θ:角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8