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特許7442600ガイダンス信号の決定及び手持ち式超音波トランスデューサのためのガイダンスを提供するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】ガイダンス信号の決定及び手持ち式超音波トランスデューサのためのガイダンスを提供するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022184520
(22)【出願日】2022-11-18
(62)【分割の表示】P 2019549586の分割
【原出願日】2018-03-16
(65)【公開番号】P2023022123
(43)【公開日】2023-02-14
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】17168978.9
(32)【優先日】2017-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】62/472,005
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】セネガス ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツ クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ウィッシュマン ハンス‐アロイス
(72)【発明者】
【氏名】クルーガー サシャ
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0237811(US,A1)
【文献】特開2004-141523(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0057546(US,A1)
【文献】特開2013-255658(JP,A)
【文献】特開2012-147858(JP,A)
【文献】特開2008-188424(JP,A)
【文献】特開2010-131053(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0310581(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0157843(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0209117(US,A1)
【文献】特開2010-131269(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0325785(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイダンス信号を決定するためのデバイスであって、前記デバイスは、
入力ユニットと、
処理ユニットと
を備え、
前記入力ユニットは、被験者の表面輪郭の少なくとも間接的に取得された輪郭画像を受信し、
前記処理ユニットは、仮想的被験者の表面輪郭、その内部形態、及びその表面輪郭とその内部形態との間の関係を表す人間参照モデルにアクセスし、
前記処理ユニットは、適合モデルによって表される表面輪郭が前記被験者の前記表面輪郭に一致するように前記人間参照モデルを適合させて、当該適合モデルをもたらし、
前記処理ユニットは、手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭及び前記手持ち式超音波トランスデューサのプローブの検知範囲を表すトランスデューサモデルにアクセスし、
前記入力ユニットは、前記手持ち式超音波トランスデューサが前記被験者の表面に配置されたとき、前記手持ち式超音波トランスデューサ及び前記手持ち式超音波トランスデューサを包囲する前記被験者の前記表面の包囲領域の追跡画像として取得された画像を受信し、
前記処理ユニットは、前記トランスデューサモデルに基づいて、前記追跡画像において前記手持ち式超音波トランスデューサを認識して、前記被験者に対する前記手持ち式超音波トランスデューサのトランスデューサ姿勢を導出し、
前記処理ユニットは、前記適合モデルの前記内部形態のスキャン領域を少なくとも間接的に表すターゲット信号を受信し、
前記処理ユニットは、前記ターゲット信号、前記トランスデューサモデル及び前記適合モデルに基づいて、前記被験者に対する前記手持ち式超音波トランスデューサのためのターゲット姿勢を決定して、前記検知範囲と前記スキャン領域との仮想的な合致をもたらし、
前記人間参照モデルは、前記仮想的被験者の前記表面輪郭の変形と前記仮想的被験者の前記内部形態の結果的な変形との間の関係を表す変形データを備え、
前記処理ユニットは、前記変形データに基づいて、前記人間参照モデルの前記適合を実施する、デバイス。
【請求項2】
カメラユニットは、前記被験者の前記表面輪郭の前記輪郭画像を少なくとも間接的に取得し、
前記カメラユニットは、前記手持ち式超音波トランスデューサが前記被験者の前記表面に配置されたとき、前記手持ち式超音波トランスデューサ及び前記手持ち式超音波トランスデューサを包囲する前記被験者の前記表面の前記包囲領域の前記追跡画像を取得する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記処理ユニットは、前記トランスデューサ姿勢及び前記ターゲット姿勢に基づいてガイダンス信号を決定し、前記ガイダンス信号は、前記手持ち式超音波トランスデューサを前記トランスデューサ姿勢から前記ターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを表し、
前記デバイスは、ディスプレイ及び/又は、光学的プロジェクタ、特には、レーザービームプロジェクタを備え、
i)前記デバイスは、前記ガイダンス信号に基づいて、前記ディスプレイを介して、少なくとも1つのグラフィカル要素を図示し、前記少なくとも1つのグラフィカル要素は、前記手持ち式超音波トランスデューサを前記トランスデューサ姿勢から前記ターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるための前記ガイダンスを示す、及び/又は、
ii)前記デバイスは、前記ガイダンス信号に基づいて、前記光学的プロジェクタを介して、少なくとも1つのグラフィカル要素を前記被験者の前記表面に図示し、前記少なくとも1つのグラフィカル要素は、前記手持ち式超音波トランスデューサを前記トランスデューサ姿勢から前記ターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるための前記ガイダンスを示す、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスは、少なくとも1回のアップデートを実施し、
各アップデートについて、前記入力ユニットは、前記手持ち式超音波トランスデューサが前記被験者の前記表面に配置されたとき、前記手持ち式超音波トランスデューサ及び前記手持ち式超音波トランスデューサを包囲する前記被験者の前記表面の包囲領域の取得された更なる追跡画像を、アップデートされた追跡画像として受信し、前記処理ユニットは、前記トランスデューサモデルに基づいて、前記アップデートされた追跡画像において前記手持ち式超音波トランスデューサを認識して、前記被験者に対する前記手持ち式超音波トランスデューサのアップデートされたトランスデューサ姿勢を導出し、
前記処理ユニットは、前記ターゲット姿勢及び以前にアップデートされたトランスデューサ姿勢に基づいて、前記ガイダンス信号を少なくとも1回アップデートする、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記デバイスは、複数の異なるトランスデューサ基本モデルを備えるトランスデューサデータセットであって、前記複数の異なるトランスデューサ基本モデルの各々は、関連付けられた手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭及びそのプローブの検知範囲を表す、トランスデューサデータセットにアクセスし、
前記デバイスは、前記複数の異なるトランスデューサ基本モデルのうちの1つを示すトランスデューサ選択信号を受信し、
前記デバイスは、前記トランスデューサ選択信号によって示される前記トランスデューサ基本モデルを、前記トランスデューサモデルとして選択する、請求項1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスは、前記デバイスの1つのディスプレイ又は前記ディスプレイによって形成される入力パネルを備え、
前記入力パネル及び前記処理ユニットは、前記入力パネルへの外部操作に基づいて、前記トランスデューサ選択信号を決定する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記デバイスは、前記トランスデューサモデルを表すトランスデューサモデル信号又は前記トランスデューサ選択信号を受信する入力インターフェースを備える、請求項5又は6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記入力インターフェースは、前記トランスデューサモデル信号又は前記トランスデューサ選択信号が前記手持ち式超音波トランスデューサから受信され得るように前記手持ち式超音波トランスデューサとの信号接続を確立する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、前記手持ち式超音波トランスデューサから超音波信号を受信する入力インターフェースを備え、
前記超音波信号は、前記手持ち式超音波トランスデューサによって取得されて前記被験者の形態セグメントを図示する超音波画像を表し、
前記処理ユニットは、前記適合モデルをアップデートして、前記アップデートされた適合モデルによって表された前記内部形態を前記被験者の前記形態セグメントに一致させ、
前記処理ユニットは、前記ターゲット信号、前記トランスデューサモデル及び前記アップデートされた適合モデルに基づいて、前記被験者に対する前記手持ち式超音波トランスデューサのための前記ターゲット姿勢をアップデートして、前記検知範囲と前記スキャン領域との仮想的な合致をもたらし、
前記処理ユニットは、前記トランスデューサ姿勢及び前記アップデートされたターゲット姿勢に基づいて、前記ガイダンス信号をアップデートする、請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
手持ち式超音波トランスデューサのためのガイダンスを提供するためのシステムであって、前記システムは、
手持ち式超音波トランスデューサと、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイスと
を備え、
前記手持ち式超音波トランスデューサは、前記被験者の前記表面に配置され、
前記手持ち式超音波トランスデューサ及び前記デバイスは、前記ガイダンス信号を前記デバイスから前記手持ち式超音波トランスデューサへと送信し、
前記手持ち式超音波トランスデューサは、光学的手段及び/又は音響的手段を有する出力ユニットを備え、
前記手持ち式超音波トランスデューサは、前記ガイダンス信号に基づいて、前記出力ユニットを介して前記ガイダンスを示す、システム。
【請求項11】
ガイダンス信号を決定するための方法であって、前記方法は、
a)被験者の表面輪郭の少なくとも間接的に取得された輪郭画像を提供するステップと、
b)人間参照モデルにアクセスするステップであって、前記人間参照モデルは、仮想的被験者の表面輪郭、その内部形態、及びその表面輪郭とその内部形態との間の関係を表す、ステップと、
c)適合モデルによって表される表面輪郭が前記被験者の前記表面輪郭に一致するように前記人間参照モデルを適合させて、適合モデルをもたらすステップと、
d)トランスデューサモデルにアクセスするステップであって、前記トランスデューサモデルは、手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭及び前記手持ち式超音波トランスデューサのプローブの検知範囲を表す、ステップと、
e)前記手持ち式超音波トランスデューサが前記被験者の表面に配置されたとき、前記手持ち式超音波トランスデューサ及び前記手持ち式超音波トランスデューサを包囲する前記被験者の前記表面の包囲領域の追跡画像を提供するステップと、
f)前記トランスデューサモデルに基づいて、前記追跡画像において前記手持ち式超音波トランスデューサを認識して、前記被験者に対する前記手持ち式超音波トランスデューサのトランスデューサ姿勢を導出するステップと、
g)ターゲット信号を受信するステップであって、前記ターゲット信号は、前記適合モデルの前記内部形態のスキャン領域を少なくとも間接的に表す、ステップと、
h)前記ターゲット信号、前記トランスデューサモデル及び前記適合モデルに基づいて、前記被験者に対する前記手持ち式超音波トランスデューサのためのターゲット姿勢を決定して、前記検知範囲と前記スキャン領域との仮想的な合致をもたらすステップと、を備え、
前記人間参照モデルは、前記仮想的被験者の前記表面輪郭の変形と前記仮想的被験者の前記内部形態の結果的な変形との間の関係を表す変形データを備え、前記適合をもたらすステップは、前記変形データに基づいて、前記人間参照モデルの前記適合を実施するステップを有する、
方法。
【請求項12】
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイスを制御するためのコンピュータプログラムであって、処理ユニットによって実行されたときに、請求項11に記載の方法のステップを実施する、コンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータプログラムを記憶した、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイダンス信号を決定するためのデバイス及び方法に関する。本発明は更に、手持ち式超音波トランスデューサのためのガイダンスを提供するためのシステムに関する。更には、本発明は、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
手持ち式超音波トランスデューサは、超音波の適用に基づく診断撮像技術において知られ、使用されている。ultrasonic(超音波)という語は、ultrasound(超音波)とも称される。手持ち式超音波トランスデューサは、診断のための医学的検査、疾病解析、並びに/又は手術中のガイド及び/若しくは撮像のために使用される。手持ち式超音波トランスデューサは、「手持ち式」のデバイス又は可搬式のデバイスとして使用される。故に、それは、非常に柔軟に位置付け及び/又は方向付けされ得、被験者に対して任意の位置及び/又は向きに配置され得る。手持ち式超音波トランスデューサを介した超音波撮像は、コスト効率が良く、移動性があり、既に利用可能である。手持ち式超音波トランスデューサを介して取得された超音波画像の価値は、しばしば、手持ち式超音波トランスデューサを取り扱うオペレータのスキルに依存する。特には、所与のスクリーニング及び/又は診断タスクのために超音波画像を取得するための、最適なトランスデューサ位置及び/又は最適なトランスデューサ向きへの手持ち式超音波トランスデューサのナビゲーションは、しばしば困難である。結果として、しばしば、放射線科医師、音波検査者、心臓専門医師及び/又は他の訓練を受けた医師などの専門的な医療スタッフだけが、手持ち式超音波トランスデューサを介して適切な超音波検査を実施し得る。
【0003】
米国特許出願公開第2013/0237811A1号は、センサ及び器具を追跡及びガイドするための方法及びシステムに関する。前記文書は、マシンビジョンカメラシステムを具備するハウジングを有する超音波トランスデューサを開示している。一体化されたカメラで、患者の身体などの物体を視認し、空間に置ける超音波トランスデューサのx、y、z位置及び物体に対するピッチ、ヨー、及びロール向きを決定する。ある時点における位置及び向きは、同一の時点における超音波スキャンとともに、空間的位置合わせスキャンとして記録ファイルに保存される。次いで、スペックルの超音波アーチファクトを低減するために、身体の同一の領域の空間的に位置合わせされたスキャンが比較され、組織のタイプ及びゴム状弾性がリファインされ得る。組織の3次元的モデルは、ユーザに対して提示され得る。更に、空間的位置合わせ装置が開示され、これは、カメラによって撮影された画像を使用して、物体に対する超音波トランスデューサの空間的位置及び向きを決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサによる実行のための命令を有するメモリを含む。更に、ディスプレイが、プロセッサに動作可能に接続され得、このディスプレイは、決定された空間的位置及び向き並びに超音波トランスデューサからの出力から作成又はリファインされた物体の3次元的表現を表示するように構成される。ディスプレイは、関心対象アイテムの場所、又は医療器具に対するセンサプローブの保存された位置及び向きを表示するためにも使用され得る。この表示は、方向矢印などのグラフィカルなガイド要素を含む。
【0004】
前述の文献は、グラフィカルなガイド要素を提供し、身体の同一の領域の空間的に位置合わせされた複数のスキャンを、比較目的のため及びスペックルの超音波アーチファクトを低減するために使用するものであるが、手持ち式超音波トランスデューサが医療専門家によって操作されない場合、信頼性の高い超音波画像を提供するという問題は残されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
手持ち式超音波トランスデューサを介して信頼性の高い超音波画像が取得されるように、経験の乏しいオペレータが、被験者に対して、手持ち式超音波トランスデューサを位置付け及び/又は方向付けすることを可能にする自動的なガイダンスへの需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、独立請求項の各々の主題によって解決される。更なる実施形態が、それぞれの従属請求項に組み込まれる。本発明の以下に説明される態様は、少なくとも類似のやり方において、デバイス、システム、方法、コンピュータプログラム要素及びコンピュータ可読媒体にも適用されることに留意されたい。
【0007】
本発明の第1の態様によると、ガイダンス信号を決定するためのデバイスが提供される。デバイスは、入力ユニットと、処理ユニットとを備える。入力ユニットは、被験者の表面輪郭の少なくとも間接的に取得された輪郭(8)画像を受信するように構成される。処理ユニットは、人間参照モデルにアクセスするように構成される。人間参照モデルは、仮想的被験者の表面輪郭、その内部形態、及びその表面輪郭とその内部形態との間の関係を表す。処理ユニットは更に、人間参照モデルを適合させて適合モデルをもたらすように構成され、適合モデルによって表される表面輪郭は被験者の撮像された表面輪郭に一致する。処理ユニットは更に、手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭及び手持ち式超音波トランスデューサのプローブの検知範囲(視野)を表すトランスデューサモデルにアクセスするように構成される。入力ユニットは、手持ち式超音波トランスデューサが被験者の表面に配置されたとき、手持ち式超音波トランスデューサ及び手持ち式超音波トランスデューサを包囲する被験者の表面の包囲領域の追跡画像として取得された画像を受信するように構成される。処理ユニットは更に、トランスデューサモデルに基づいて、追跡画像において手持ち式超音波トランスデューサを認識して、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのトランスデューサ姿勢(トランスデューサの向き)を導出するように構成される。処理ユニットは、適合モデルの内部形態のスキャン領域を少なくとも間接的に表すターゲット信号を受信するように構成される。処理ユニットは、ターゲット信号、トランスデューサモデル及び適合モデルに基づいて、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのためのターゲット姿勢を決定して、検知範囲とスキャン領域との仮想的な合致をもたらすように構成される。処理ユニットは更に、トランスデューサ姿勢及びターゲット姿勢に基づいてガイダンス信号を決定するように構成され、ガイダンス信号は、手持ち式超音波トランスデューサをトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを表す。
【0008】
一実施例によると、被験者の表面輪郭の輪郭画像を少なくとも間接的に取得するように構成されたカメラが備えられる。
【0009】
一実施例によると、カメラユニットは、手持ち式超音波トランスデューサが被験者の表面に配置されたとき、手持ち式超音波トランスデューサ及び手持ち式超音波トランスデューサを包囲する被験者の表面の包囲領域の追跡画像を取得するように構成される。
【0010】
その結果、ガイダンス信号が、手持ち式超音波トランスデューサの実際の姿勢を向上させるための基礎を提供し、手持ち式超音波トランスデューサのオペレータは、手持ち式超音波トランスデューサをそれに従って移動及び/又は再方向付けでき、トランスデューサ姿勢とターゲット姿勢との合致が達成され得る。例えば、それぞれのガイダンスは、ガイダンス信号を介して及び/又はガイダンス信号に基づいて、光学的に図示される。結果として、手持ち式トランスデューサのオペレータは、トランスデューサ姿勢が所望のターゲット姿勢と合致するように手持ち式超音波トランスデューサをどのように移動及び/又は回転させるかについての指示を受け取る。結果として、手持ち式超音波トランスデューサを介して、向上した超音波画像が取得される。更なる結果として、向上した医学的検査及び/又は向上した医学的診断が達成される。
【0011】
一実施例において、デバイス及び手持ち式超音波トランスデューサは各々、個々に及び/又は別個に形成される。更なる実施例において、手持ち式超音波トランスデューサは、デバイスに機械的に接続されてはいない。故に、デバイス及び手持ち式超音波トランスデューサは、機械的に独立している。従って、デバイスのカメラユニットは、手持ち式トランスデューサ及び手持ち式超音波トランスデューサを包囲する被験者の表面の包囲領域の追跡画像を取得する。一実施例において、デバイスは可搬式デバイス、例えば、携帯電話又は可搬式タブレットコンピュータデバイスである。一実施例において、カメラユニットは、3Dカメラを備える。3Dカメラは、輪郭画像を、3D画像として又は奥行き画像として、直接的に取得するように構成される。更なる実施例において、カメラユニットは、2Dカメラである。カメラユニットは、被験者の表面の複数の画像、特には2D画像を取得し、以前に取得された複数の画像に基づいて、輪郭画像を、特には3D画像又は奥行き画像として決定するように構成される。一実施例において、カメラユニットは、輪郭画像を決定するために、サブ処理ユニットを備え又は処理ユニットにアクセスするように構成される。更なる実施例において、カメラユニットは、ステレオカメラ、飛行時間カメラ(time-of-flight camera)、レーザー範囲スキャナ、構造光カメラ、熱センサカメラなどを備え、又はこれらによって形成される。
【0012】
処理ユニットは人間参照モデルにアクセスするように構成される。一実施例において、人間参照モデルは、デバイスのメモリユニットに記憶される。メモリユニットはデバイスに備えられる。代替的に及び/又は追加的に、デバイスは、別のデバイス及び/又はシステムから人間参照モデルにアクセスするように構成されたインターフェース、特には通信インターフェースを備える。通信インターフェースは、無線通信インターフェース又はケーブル通信インターフェースである。
【0013】
人間参照モデルは、仮想的被験者の表面輪郭を表す。仮想的被験者は、必ずしも実際の被験者を表すものではない。代わりに、仮想的被験者は、任意の被験者又は任意の被験者の集合を単に統計的に表すものである。
【0014】
人間参照モデルは更に、仮想的被験者の内部形態、及び仮想的被験者の表面輪郭と仮想的被験者の内部形態との間の関係を表す。一実施例において、仮想的被験者の内部形態は、仮想的被験者の解剖学的構造に関連し、及び/又は仮想的被験者の解剖学的構造である。解剖学的構造は、少なくとも1つの内臓、骨格の少なくとも一部及び/又は血管系の少なくとも一部に関する。故に、人間参照モデルは、仮想的被験者の少なくとも1つの内臓、仮想的被験者の表面輪郭及び前記表面輪郭と仮想的被験者の少なくとも1つの内臓との間の関係を表す。内側形態と表面輪郭との間の関係は、機能的関係に関する。故に、この関係は、もしも表面輪郭が修正又は適合を受けたとしたときに、それぞれ内部形態をどのように修正し、又は適合させるかについての情報を表す。換言すれば、もしも仮想的被験者の表面輪郭の適合が実行されたとしたら、この関係は、それに応じて内部形態をどのように適合させるかについての情報を提供する。好ましくは、人間参照モデルの適合は、このような適合が全体的な人間参照モデルに対して行われるように実施される。その結果、人間参照モデルの表面輪郭の適合は、特には前記輪郭表面と前記内部形態との間の関係に基づいて、人間参照モデルの内部形態の類似の適合をもたらす。従って、一実施例において、処理ユニットは、全体的な人間参照モデルに対して人間参照モデルの適合を実施して、一致及び/又は適合された表面輪郭、それに応じて適合された内部形態、並びに、一致及び/又は適合された表面輪郭と適合された内部形態と間のそれに応じて適合された関係を表す適合モデルをもたらすように構成される。一実施例において、適合モデルの内部形態は、適合モデルによって表された内部形態を指す。更なる実施例において、適合モデルの表面輪郭は、適合モデルによって表された表面輪郭を指す。故に、人間参照モデルは、もたらされる適合モデルが任意の被験者、特には輪郭画像が以前に取得された被験者に合致するように適合される。
【0015】
一実施例において、手持ち式超音波トランスデューサは、超音波放射を射出及び/又は受信するように構成されたプローブを備える。結果として、手持ち式超音波トランスデューサのプローブは、超音波放射が以前に射出された及び/又は反射された視野からの超音波放射を取得するように構成される。更なる結果として、検知範囲は、手持ち式超音波トランスデューサのプローブと関連付けられる。換言すれば、検知範囲は、超音波検査又はスキャンが、手持ち式超音波トランスデューサのプローブについて実施される範囲である。
【0016】
処理ユニットは、トランスデューサモデルにアクセスするように構成される。トランスデューサモデルは、デバイスのメモリに記憶される。代替的に及び/又は追加的に、トランスデューサモデルは、特にはサーバから及び/又は手持ち式超音波トランスデューサから、デバイスのインターフェース(特には通信インターフェース)を介してアクセスされる。この目的のために、例えばUSB接続を介して及び/又は無線接続を介して、一時的な信号接続がデバイスと手持ち式超音波トランスデューサとの間に提供される。このような信号接続に基づいて、トランスデューサモデルは、処理ユニットを介して、例えばサーバ又は手持ち式超音波トランスデューサのためにそれぞれアクセスされる。
【0017】
トランスデューサモデルは、手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭及び手持ち式超音波トランスデューサのプローブの検知範囲を表す。故に、トランスデューサモデルは、特には画像において手持ち式超音波トランスデューサを認識するために、手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭に関する情報を提供する。検知範囲は、好ましくは、手持ち式超音波トランスデューサのプローブに固定的である。故に、手持ち式超音波トランスデューサが認識されて、手持ち式超音波トランスデューサの位置及び/又は向きがもたらされると、この情報に基づいて、認識された手持ち式超音波トランスデューサの検知範囲の位置及び/又は向きが決定される。更には、手持ち式超音波トランスデューサは、被験者の特定の領域をスキャンするように、又は対象者の特定の内臓をスキャンするように構成される。例えば、手持ち式超音波トランスデューサは、被験者の肝臓又は前立腺をスキャンするように構成される。それぞれの構成は、検知範囲にも関連する。例えば、肝臓が撮像されるべきであるか又は前立腺が撮像されるべきであるかによって、検知範囲は異なる。その結果、取得されるべきターゲットスキャン領域によって、それに応じて構成された検知範囲についてのそれぞれの情報が、トランスデューサモデルによって表される。更なる実施例において、処理ユニットは、スキャンされるべきターゲット領域に基づいて、手持ち式超音波トランスデューサに関連付けられた検知範囲を選択し、又は適合させるように構成される。故に、トランスデューサモデルは、手持ち式超音波トランスデューサのプローブの個々の検知範囲を表し、又は手持ち式超音波トランスデューサのプローブの適合可能な検知範囲を表す。
【0018】
超音波画像を取得するために、手持ち式超音波トランスデューサは、被験者の表面に配置される。このような場合、カメラユニットは、手持ち式超音波トランスデューサ及び手持ち式超音波トランスデューサを包囲する被験者の表面の包囲領域の追跡画像を取得するように構成される。追跡画像は、2次元的画像又は3次元的画像である。追跡画像は、被験者の表面の包囲領域を表すので、追跡画像は、被験者の表面輪郭の以前に取得された輪郭画像の一部分(sub-part)も表す。結果として、処理ユニットは、一時的な位置及び/又は向き情報を決定するために、輪郭画像に対する追跡画像の位置合わせを実施するように構成される。この一時的な位置及び/又は向き情報は、処理ユニットを介して、被験者の表面に配置された手持ち式超音波トランスデューサの位置及び/又は向きを決定するために使用される。
【0019】
故に、処理ユニットは、トランスデューサモデルに基づいて、追跡画像において手持ち式超音波トランスデューサを認識して、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのトランスデューサ姿勢を導出するように構成される。一実施例において、トランスデューサ姿勢は、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのトランスデューサ位置、及び/又は被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのトランスデューサ向きを表す。故に、輪郭画像、人間参照モデル、トランスデューサモデル及び追跡画像を使用することによって、処理ユニットは、手持ち式超音波トランスデューサの実際のトランスデューサ姿勢を決定する。
【0020】
処理ユニットは、適合モデルの内部形態のスキャン領域を少なくとも間接的に表すターゲット信号を受信するように構成される。一実施例において、ターゲット信号は、デバイスのユーザインターフェースへのユーザ入力からもたらされる。例えば、デバイスはユーザ入力インターフェースを備える。ユーザ入力インターフェースを介したユーザ入力に基づいて、ユーザは、適合モデルの内部形態によって表された内臓を選択する。それぞれ選択された内臓は、スキャンされるべき領域であり、故に、適合モデルの内部形態のスキャン領域を表す。ターゲット信号は、ユーザ入力に基づいて決定される。故に、ターゲット信号は、適合モデルの内部形態のスキャン領域を少なくとも間接的に表す。その結果、ターゲット信号は、手持ち式超音波トランスデューサを介して被験者がスキャンされるべき場所の情報を備える。更なる実施例において、処理ユニットは、別のデバイスにアクセスすることによって、例えば、デバイスのインターフェースを介してサーバにアクセスすることによって、ターゲット信号を受信するように構成される。
【0021】
処理ユニットは、ターゲット信号、トランスデューサモデル及び適合モデルに基づいて、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのためのターゲット姿勢を決定して、検知範囲とスキャン領域との仮想的な合致をもたらすように構成される。故に、手持ち式超音波トランスデューサが、被験者に対してターゲット姿勢に位置付け及び/又は方向付けされたとき、手持ち式超音波トランスデューサのプローブの検知範囲は、それに応じた所望の被験者のスキャン領域をスキャンする。一実施例において、手持ち式超音波トランスデューサがターゲット姿勢に配置されたとき、例えば、関心対象となる被験者の所望の内臓が、手持ち式超音波トランスデューサを介して確実にスキャンされ得る。
【0022】
処理ユニットは、トランスデューサ姿勢及びターゲット姿勢に基づいてガイダンス信号を決定するように構成され、ガイダンス信号は、手持ち式超音波トランスデューサをトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転及び/又は方向付けさせるためのガイダンスを表す。故に、特には関心対象となる被験者の内臓が配置されている被験者の所望のスキャン領域を確実にスキャンするために手持ち式超音波トランスデューサが位置付け及び/又は方向付けされるターゲット姿勢に手持ち式超音波トランスデューサが配置されるように、ガイダンス信号は、手持ち式超音波トランスデューサをどのように移動、回転及び/又は方向付けさせるかについての情報を提供する。その結果、ターゲット姿勢に配置された手持ち式超音波トランスデューサは、関心対象となる内臓の超音波画像を表す信号を提供し、これは、後続の医学的診断を改善する。更には、それぞれの医学的診断はより信頼性の高いものとなる。
【0023】
なおも更にその結果、ガイダンス信号に基づいて、手持ち式超音波トランスデューサの取り扱い経験のより乏しいオペレータでさえも、被験者の所望の領域の信頼性の高い所望の超音波画像を手持ち式超音波トランスデューサによって取得することが可能になる。
【0024】
なおも更にその結果、デバイスは、それぞれの任意の手持ち式超音波トランスデューサの任意のトランスデューサモデルにアクセスするように構成される。故に、デバイスは、信頼性の高い所望の手持ち式超音波画像を取得するために、任意の手持ち式超音波トランスデューサのオペレータが、前記手持ち式超音波トランスデューサをターゲット姿勢に配置するためにガイダンスを受け取るという更なる効果を提供する。
【0025】
デバイスの例示的な実施形態によると、人間参照モデルは、仮想的被験者の表面輪郭の変形と仮想的被験者の内部形態の結果的な変形との間の関係を表す変形データを備え、処理ユニットは、変形データに基づいて、人間参照モデルの適合を実施するように構成される。一実施例において、変形データは統計的データである。故に、変形データは、以前に撮影された、異なる身体的特性を有する複数の被験者のデータに基づいて決定される。従って、人間参照モデルは、統計的モデルである。変形データは、複数の仮想的被験者の各々の表面輪郭及びそれらの内部形態の各々を表す。変形データは更に、表面輪郭の各々とそれに関連するそれらそれぞれの内部形態との機能的関係の情報に関する。故に、変形データは、仮想的及び(現実の)被験者の輪郭表面が互いに対して一致するように、仮想的被験者の輪郭表面に与えられた変形(これは適合プロセス中にもたらされる)に応じて、前記仮想的被験者の内部形態がどのように変形及び/又は適合されるべきかについての情報を表す。従って、結果的な適合モデルも、変形データに基づいて決定される。
【0026】
デバイスの更なる例示的な実施形態によると、デバイスはディスプレイを備え、デバイスは、ガイダンス信号に基づいて、ディスプレイを介して、少なくとも1つのグラフィカル要素を図示するように構成され、少なくとも1つのグラフィカル要素は、手持ち式超音波トランスデューサをトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを示す。一実施例において、グラフィカル要素は、矢印、記号並びに/又は任意の他の文字及び/若しくはマークを指す。少なくとも1つのグラフィカル要素は、このようなグラフィカル要素の図示が、手持ち式超音波トランスデューサのためのターゲット姿勢に達するために手持ち式超音波トランスデューサをどのように移動及び/又は回転させるかについての情報を手持ち式超音波トランスデューサのオペレータに提供するように形成及び/又はデザインされる。故に、オペレータは、被験者の所望の領域、特には被験者の所望の内臓をスキャンするために、手持ち式超音波トランスデューサを移動及び/又は回転させるためのガイダンスを受け取る。結果として、少なくとも1つのグラフィカル要素によって提供されるガイダンスに従うオペレータは、被験者の所望のスキャン領域、特には所望の内臓を、手持ち式超音波トランスデューサを介して高い信頼性でスキャンすることが可能になる。その結果、手持ち式超音波トランスデューサの経験豊かなオペレータ又は経験の乏しいオペレータであっても、被験者の前記所望のスキャン領域をスキャンすることが可能になる。
【0027】
一実施例において、デバイスは、携帯電話又は可搬式タブレットコンピュータである。従って、デバイスは、ディスプレイばかりでなくカメラユニットも備える。一実施例において、カメラユニットは、ディスプレイに対して反対側の外側に配置される。故に、デバイスは、少なくとも1つの追跡画像を取得し、少なくとも1つのグラフィカル要素をリアルタイムに図示するように構成される。その結果、デバイスの取り扱いが改善される。
【0028】
デバイスの更なる例示的な実施形態によると、デバイスは、光学的プロジェクタ、特には、レーザービームプロジェクタを備え、デバイスは、ガイダンス信号に基づいて、光学的プロジェクタを介して、少なくとも1つのグラフィカル要素を被験者の表面に図示するように構成され、少なくとも1つのグラフィカル要素は、手持ち式超音波トランスデューサをトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを示す。一実施例において、光学的プロジェクタは、光を投影するプロジェクタ、又は光プロジェクタと称される。一実施例において、グラフィカル要素は、矢印、記号及び/又は任意の他のマーク要素を指す。更なる実施例において、少なくとも1つのグラフィカル要素は、被験者の表面上で手持ち式超音波トランスデューサの隣に投影され、デバイス及び/又は手持ち式超音波トランスデューサのオペレータは、手持ち式超音波トランスデューサのすぐ近傍でそれぞれのガイダンスを受け取る。その結果、デバイス及び/又は手持ち式超音波トランスデューサのオペレータは、デバイス及び/又は手持ち式超音波トランスデューサのそれぞれの取り扱いを中断する必要がなくなる。例えば、もしもオペレータが、手持ち式超音波トランスデューサを操作し、被験者の表面に配置された手持ち式超音波トランスデューサを観察していたとすると、オペレータは、この観察中に、被験者の表面に投影された少なくとも1つのグラフィカル要素を認識し、手持ち式超音波トランスデューサをターゲット姿勢に配置するためにガイダンスに従うことができる。その結果、ターゲット姿勢に配置されている手持ち式超音波トランスデューサは、被験者のスキャン領域、特には被験者の所望の内臓の超音波画像の取得を可能にする。更にその結果、信頼性の高い超音波画像が、手持ち式超音波トランスデューサを介して取得される。
【0029】
デバイスの更なる例示的な実施形態によると、デバイスは、少なくとも1回のアップデートを実施するように構成される。各アップデートについて、(1)入力ユニットは、手持ち式超音波トランスデューサが被験者の表面に配置されたとき、手持ち式超音波トランスデューサ及び手持ち式超音波トランスデューサを包囲する被験者の表面の包囲領域の取得された更なる追跡画像(例えば、カメラによって取得されたもの)を、アップデートされた追跡画像として受信するように構成され、(2)処理ユニットは、トランスデューサモデルに基づいて、アップデートされた追跡画像において手持ち式超音波トランスデューサを認識して、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのアップデートされたトランスデューサ姿勢を導出するように構成される。処理ユニットは更に、ターゲット姿勢及び以前にアップデートされたトランスデューサ姿勢に基づいて、ガイダンス信号を少なくとも1回、特には各アップデートの終わりに、アップデートするように構成される。その結果、更なる/新たな追跡画像の各アップデートの後に、ガイダンス信号がアップデートされる。例えば、もしもオペレータが、それぞれのガイダンスを示すよう図示されたグラフィカル要素に基づいて手持ち式超音波トランスデューサの姿勢を向上させたとするなら、それに続いて取得される追跡画像は、「更なる追跡画像」となる。このようにして、ガイダンス信号のアップデートが実施される。更に、アップデートされたガイダンス信号は、それぞれのアップデートされたグラフィカル要素を介して、オペレータの注意を引く。一実施例において、デバイスは、アップデートされたガイダンス信号に基づいて、ディスプレイを介して、少なくとも1つのアップデートされたグラフィカル要素を図示するように構成される。結果として、オペレータは、手持ち式超音波トランスデューサの姿勢を引き続いて向上させるために、特には、手持ち式超音波トランスデューサがターゲット姿勢に配置されるまで、フィードバックを受け取る。一実施例において、デバイスは、手持ち式超音波トランスデューサがターゲット姿勢に到達したときに、ディスプレイを介して、グラフィカル要素として特別なグラフィカル要素を図示するように構成される。結果として、オペレータは、手持ち式超音波トランスデューサの現在の姿勢が、被験者のスキャン領域、特には被験者の所望の内臓の信頼性の高い及び/又は所望の超音波画像を手持ち式超音波トランスデューサが取得することを可能にするという情報を受け取る。
【0030】
デバイスの更なる例示的な実施形態によると、デバイスは、複数の異なるトランスデューサ基本モデルを備えるトランスデューサデータセットであって、複数の異なるトランスデューサ基本モデルの各々は、関連付けられた手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭及びそのプローブの検知範囲を表す、トランスデューサデータセットにアクセスするように構成され、デバイスは、複数の異なるトランスデューサ基本モデルのうちの1つを示すトランスデューサ選択信号を受信するように構成され、デバイスは、トランスデューサ選択信号によって示されるトランスデューサ基本モデルを、トランスデューサモデルとして選択するように構成される。一実施例において、トランスデューサデータセットはそのようなデータセットを指す。一実施例において、トランスデューサ選択信号はそのような信号を指す。一実施例において、デバイスは、トランスデューサ選択信号を受信するように構成されたインターフェースを備える。インターフェースは、通信インターフェースである。代替的に及び/又は追加的に、デバイスは、トランスデューサ選択信号を少なくとも間接的に受信するように構成されたユーザ入力インターフェースを備える。更なる実施例において、デバイスは、トランスデューサデータセットを記憶するメモリを備える。代替的に及び/又は追加的に、デバイスは、異なるデバイス、特にはサーバからトランスデューサデータセットにアクセスするように構成される。この目的のために、特には、デバイスは、トランスデューサデータセットにアクセスするために、更なるデバイス、特にはサーバとの信号接続を確立するように構成された更なるインターフェースを備える。一実施例において、異なるトランスデューサ基本モデルは、異なる種類及び/又はタイプの手持ち式超音波トランスデューサに関する。
【0031】
その結果、デバイスは、異なる種類及び/又はタイプの手持ち式超音波トランスデューサと協働するように構成される。一実施例において、超音波画像を取得するために被験者の表面に配置される特定の場合において使用されている手持ち式超音波トランスデューサのタイプ及び/又はモデルに応じて、トランスデューサ選択信号は、それぞれのトランスデューサ基本モデルをトランスデューサモデルとして選択するために使用される。結果として、それぞれの手持ち式超音波トランスデューサが、追跡画像において認識され得る。更にその結果、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサの信頼性の高いトランスデューサ姿勢が決定される。その結果、特定のケースにおいて使用されるべきトランスデューサモデルが、トランスデューサ選択信号を介して選択される。
【0032】
デバイスの更なる例示的な実施形態によると、デバイスは、デバイスの1つのディスプレイ又は前記ディスプレイによって形成される入力パネルを備え、入力パネル及び処理ユニットは、入力パネルへの外部操作に基づいて、トランスデューサ選択信号を決定するように構成される。一実施例において、ディスプレイはタッチスクリーンである。故に、タッチスクリーンはそのようなディスプレイを形成し、同様に入力パネルも形成する。入力パネルは、デバイスのインターフェース又はデバイスのユーザ入力インターフェースとも称される。
【0033】
一実施例において、入力パネルの外部操作は、選択されるべきトランスデューサ基本モデルが示されているディスプレイの特定の表面エリアにおけるディスプレイへのタッチ操作及び/又はユーザ入力を指す。故に、オペレータは、入力パネルを介して、示された基本モデルのうちの1つを選択し、それぞれの選択は、トランスデューサ選択信号を少なくとも間接的にもたらす。一実施例において、ディスプレイは、トランスデューサ基本モデルのリストを表示し、オペレータは、前記リストのうちの1つのアイテムを選択することでそれぞれのトランスデューサ基本モデルを選択してそれぞれのトランスデューサ選択信号をもたらし、選択されたトランスデューサ基本モデルはトランスデューサモデルを形成する。その後、このトランスデューサモデルは、例えば、追跡画像における手持ち式超音波トランスデューサの認識のために使用される。その結果、デバイスは、異なる種類及び/又はタイプの手持ち式超音波トランスデューサと、及び/又はそれぞれのトランスデューサモデルと協働するように構成される。
【0034】
一実施例において、デバイスは、複数のトランスデューサ基本モデルの少なくともサブセットがディスプレイに示されるようにディスプレイを制御するように構成される。一実施例において、トランスデューサ基本モデルのサブセットのリスト、又は全てのトランスデューサ基本モデルのリストがディスプレイに示される。故に、オペレータは、リストのそれぞれのアイテムにタッチすることによって、示されたトランスデューサ基本モデルのうちの1つを選択する。ディスプレイ及び/又は処理ユニットは、これに基づいて、それぞれのトランスデューサ選択信号を決定するように構成される。
【0035】
デバイスの更なる例示的な実施形態によると、デバイスは、トランスデューサモデルを表すトランスデューサモデル信号を受信するように構成された入力インターフェースを備える。一実施例において、処理ユニットは、入力インターフェースを介して、トランスデューサモデル信号、故にそれぞれのトランスデューサモデルにアクセスし、好ましくはこれを受信するように構成される。一実施例において、入力インターフェースは、ケーブルポートによって形成される。故に、デバイスは、トランスデューサモデル信号を受信するために、ケーブルポートを介して、別のデバイス、例えば手持ち式超音波トランスデューサに接続される。しかしながら、デバイスのケーブルポートは、トランスデューサモデル信号を受信するために、別のデバイス、例えばサーバに接続されてもよい。ケーブルポートは、他のデバイスに解除可能に接続するように構成される。例えば、ケーブルポートは、他のデバイスに一時的に接続される。トランスデューサモデル信号を受信した後、ケーブルポートは切断される。更なる実施例において、入力インターフェースは、無線インターフェースとして形成される。無線インターフェースは、別のデバイス、例えばサーバ又は手持ち式超音波トランスデューサとの信号接続を確立するように構成される。その結果、トランスデューサモデルは、入力インターフェース及び/又はそれぞれのトランスデューサモデル信号を介して処理ユニットへと送信される。更にその結果、それぞれのトランスデューサモデルが入力インターフェースを介して受信及び/又はアクセスされるので、デバイスは、任意の手持ち式超音波トランスデューサと協働するように構成される。
【0036】
デバイスの更なる例示的な実施形態によると、デバイスは、トランスデューサ選択信号を受信するように構成された入力インターフェースを備える。一実施例において、この入力インターフェースは、前に説明されたものと同一の入力インターフェースであってよく、又は別のインターフェースによって形成されてもよい。一実施例において、トランスデューサ選択信号はそのような信号を指す。更なる実施例において、トランスデューサ選択信号は、特定の手持ち式超音波トランスデューサについての識別情報、例えば、そのモデル番号及び/又はそれぞれの手持ち式超音波トランスデューサを特徴づける他のデータを表す。結果として、処理ユニットは、トランスデューサ選択信号に応じて及び/又は基づいて、トランスデューサモデルを選択するように構成される。一実施例において、トランスデューサ選択信号は、更なるデバイス、特にはサーバ及び/又は手持ち式超音波トランスデューサから、入力インターフェースへと送信される。故に、手持ち式超音波トランスデューサは、トランスデューサ選択信号をデバイスの入力インターフェースに送信するように構成される。結果として、被験者の表面に配置され、追跡画像を介して撮影される手持ち式超音波トランスデューサが、確実に認識される。換言すれば、トランスデューサ選択信号及び結果的なトランスデューサモデルは、認識目的のために使用される。
【0037】
デバイスの例示的な実施形態によると、入力インターフェースは、トランスデューサモデル信号又はトランスデューサ選択信号が手持ち式超音波トランスデューサから受信され得るように手持ち式超音波トランスデューサとの信号接続を確立するように構成される。その結果、デバイスは、手持ち式超音波トランスデューサからトランスデューサモデル信号又はトランスデューサ選択信号を受信する。更なる効果及び/又は結果は、以前の説明から類似のやり方で理解される。
【0038】
デバイスの入力インターフェースは、無線インターフェース又はケーブルポートによって形成される。手持ち式超音波デバイスは、関連付けられた入力インターフェースも備え、このインターフェースは、更なる入力インターフェースと称される。手持ち式超音波トランスデューサの更なるインターフェースは、ケーブルポート又は無線インターフェースによって形成される。その結果、信号接続は、それぞれケーブルリンク接続又は無線リンク接続と称される。
【0039】
一実施例において、デバイス及び/又は手持ち式超音波トランスデューサは、デバイスの入力インターフェースと手持ち式超音波トランスデューサ(特には、手持ち式超音波トランスデューサの更なる入力インターフェース)との間に、所定の期間の間、特には短い期間の間、信号接続を確立するように構成される。この期間は、トランスデューサモデル信号及び/又はトランスデューサ選択信号を送信するために十分な期間である。その後、信号接続は中断及び/又は切断される。結果として、その後、手持ち式超音波トランスデューサを非常に柔軟に取り扱うことができる。
【0040】
一実施例において、手持ち式超音波トランスデューサは、トランスデューサ選択信号を介してその識別情報、例えばそのモデル番号を送信するために、及び/又は、トランスデューサモデル信号を介してトランスデューサモデルを送信するために、デバイスの入力インターフェースへと、特には短い期間の間、接続される。信号接続は、USB接続、Bluetooth(登録商標)接続、又はワイヤレス接続、特にはワイヤレスLAN接続である。他の信号接続も不可視でもよい。
【0041】
更にその結果、デバイスは、任意の手持ち式超音波トランスデューサから、トランスデューサモデル信号又はトランスデューサ選択信号を受信する。故に、デバイスは、特には手持ち式超音波トランスデューサの全ての製造者にわたる任意の手持ち式超音波トランスデューサとともに使用され、及び/又はこれと協働するように構成される。
【0042】
デバイスの更なる例示的な実施形態によると、デバイスは、手持ち式超音波トランスデューサから超音波信号を受信するように構成された1つの又は前記の入力インターフェースを備え、超音波信号は、手持ち式超音波トランスデューサによって取得されて被験者の形態セグメントを図示する超音波画像を表し、処理ユニットは、適合モデルをアップデートして、アップデートされた適合モデルによって表された内部形態を被験者の形態セグメントに一致させるように構成され、処理ユニットは、ターゲット信号、トランスデューサモデル及びアップデートされた適合モデルに基づいて、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのためのターゲット姿勢をアップデートして、検知範囲とスキャン領域との仮想的な合致をもたらすように構成され、処理ユニットは、トランスデューサ姿勢及びアップデートされたターゲット姿勢に基づいて、ガイダンス信号をアップデートするように構成される。
【0043】
超音波信号は、そのような信号として称される。その結果、デバイス及び、特には、処理ユニットは、被験者の実際の形態セグメントの超音波画像を表す超音波信号を介して、実際の被験者の更なる情報を、特にはその形態に関する更なる情報を受信する。従って、この情報は、アップデートされたモデルを向上させるために、及び/又はターゲット姿勢を向上させるために、説明されたアップデートを介して考慮に入れられる。結果として、処理ユニットは、手持ち式超音波トランスデューサのオペレータに、手持ち式超音波トランスデューサを現在のトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのより向上したガイダンスを提供するために、ガイダンス信号をアップデートする。一実施例において、デバイスは、アップデートされたガイダンス信号に基づいて、ディスプレイを介して、少なくとも1つのグラフィカル要素の図示をアップデートするように構成される。ディスプレイの代わりに、光学的プロジェクタが使用されてよい。
【0044】
一実施例において、デバイスの入力インターフェースは、超音波信号を受信するように構成されたデバイスの更なる入力インターフェースによって形成される。しかしながら、前記入力インターフェースは、代替的に、デバイスに関してここまでに論じられた少なくとも1つの入力インターフェース内に形成及び/又はこれに一体化されてもよい。
【0045】
本発明の第2の態様によると、手持ち式超音波トランスデューサのためのガイダンスを提供するためのシステムが提供される。システムは、手持ち式超音波トランスデューサ、特にはここまでに説明されたものを備える。システムは、本発明の第1の態様による、及び/又は、ここまでに説明された実施形態及び/又は実施例の1つによるデバイスを更に備える。システムの手持ち式超音波トランスデューサは、被験者の表面に配置されるように構成される。手持ち式超音波トランスデューサ及びデバイスは、ガイダンス信号をデバイスから手持ち式超音波トランスデューサへと送信するように構成される。手持ち式超音波トランスデューサは、特には光学的手段及び/又は音響的手段を有する出力ユニットを備える。手持ち式超音波トランスデューサは、ガイダンス信号に基づいて、出力ユニットを介してガイダンスを示すように構成される。
【0046】
ここでは、デバイス及び/又は手持ち式超音波トランスデューサに関して提供された全ての説明、実施例、特徴、効果及び/又は利点を繰り返すことはしないが、全ての上記の実施例、説明、特徴、効果及び/又は利点は、システムについても類似のやり方で提供されるものと意図されることが理解されるものである。
【0047】
その結果、手持ち式超音波トランスデューサのオペレータは、被験者の所望のスキャン領域を高信頼性及び/又は高品質でスキャンするために、手持ち式超音波トランスデューサをどこに配置し、及び/又はどのように方向付けるかについてガイドされる。一実施例において、少なくとも1つのグラフィカルガイド要素は、手持ち式超音波トランスデューサのオペレータのためのガイダンスを図示するために、手持ち式超音波トランスデューサの出力ユニットを介して図示される。
【0048】
一実施例において、手持ち式超音波トランスデューサは、ガイダンス信号に基づいて少なくとも1つのグラフィカルガイド要素を出力するための光学的及び/又は音響的手段を備える。一実施例において、手持ち式超音波トランスデューサは、ガイダンス信号に基づいて、矢印などの少なくとも1つのグラフィカルガイド要素を図示するためのディスプレイを備える。
【0049】
その結果、手持ち式超音波トランスデューサのオペレータは、もしも手持ち式超音波トランスデューサの取り扱いに関して専門家でなかったとしても、実際のトランスデューサ姿勢がターゲット姿勢と合致するように、少なくとも1つのグラフィカルガイド要素に従って手持ち式超音波トランスデューサを移動及び/又は回転させることができる。結果として、被験者の所望のスキャン領域のスキャンが高い信頼性で達成される。
【0050】
本発明の第3の態様によると、ガイダンス信号を決定するための方法が提供される。方法は、
a)例えばデバイスのカメラユニットを介して、被験者の表面輪郭の少なくとも間接的に取得された輪郭画像を提供するステップと、
b)例えばデバイスの処理ユニットを介して、人間参照モデルにアクセスするステップであって、人間参照モデルは、仮想的被験者の表面輪郭、その内部形態、及びその表面輪郭とその内部形態との間の関係を表す、ステップと、
c)例えば処理ユニットを介して、人間参照モデルを適合させて適合モデルをもたらすステップであって、適合モデルによって表される表面輪郭は被験者の表面輪郭に一致する、ステップと、
d)例えば処理ユニットを介して、トランスデューサモデルにアクセスするステップであって、トランスデューサモデルは、手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭及び手持ち式超音波トランスデューサのプローブの検知範囲を表す、ステップと、
e)手持ち式超音波トランスデューサが被験者の表面に配置されたとき、例えばカメラユニットを介して、手持ち式超音波トランスデューサ及び手持ち式超音波トランスデューサを包囲する被験者の表面の包囲領域の追跡画像を提供するステップと、
f)例えば処理ユニットを介して、トランスデューサモデルに基づいて、追跡画像において手持ち式超音波トランスデューサを認識して、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのトランスデューサ姿勢をもたらすステップと、
g)例えば処理ユニットを介して、ターゲット信号を受信するステップであって、ターゲット信号は、適合モデルの内部形態のスキャン領域を少なくとも間接的に表す、ステップと、
h)例えば処理ユニットを介して、ターゲット信号、トランスデューサモデル及び適合モデルに基づいて、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのためのターゲット姿勢を決定して、検知範囲とスキャン領域との仮想的な合致をもたらすステップと、
i)例えば処理ユニットを介して、トランスデューサ姿勢及びターゲット姿勢に基づいてガイダンス信号を決定するステップであって、ガイダンス信号は、手持ち式超音波トランスデューサをトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを表す、ステップと
を有する。
【0051】
ステップの順番に関して、以下のことが留意される。ステップa)は、ステップb)よりも前に又はステップc)よりも前に実施される。ステップb)は、ステップc)よりも前に実施される。ステップc)は、ステップd)又はステップe)よりも前に実施される。ステップd)は、ステップe)よりも前に実施される。故に、ステップd)は、ステップa)、b)又はc)よりも前にさえも実施される。ステップe)は、ステップf)よりも前に実施される。ステップf)は、ステップi)よりも前に実施される。ステップg)は、ステップh)よりも前に実施される。ステップh)は、ステップi)よりも前に実施される。
【0052】
ここでは、デバイス及び/又は手持ち式超音波トランスデューサに関して提供された全ての説明、実施例、特徴、効果及び/又は利点を繰り返すことはしないが、本発明の方法は、デバイスがそのために構成された方法のステップを実行するように構成されるものと意図されることが理解されるものである。故に、デバイス及び/又は手持ち式超音波トランスデューサに関してここまでに提供されたものであるが、全ての上記の実施例、説明、特徴、効果及び/又は利点も、本発明の第3の態様による方法及び/又は以下の方法の例示的な実施形態のうちの少なくとも1つによる方法について、類似のやり方で提供されるものと意図される。
【0053】
一実施例において、ステップa)において、デバイスのカメラユニットを介して、被験者の表面輪郭の輪郭画像を少なくとも間接的に取得するステップが提供される。一実施例において、ステップe)において、手持ち式超音波トランスデューサが被験者の表面に配置されたとき、例えばカメラユニットを介して、手持ち式超音波トランスデューサ及び手持ち式超音波トランスデューサを包囲する被験者の表面の包囲領域の追跡画像を取得するステップが提供される。
【0054】
方法の例示的な実施形態によると、方法は、ガイダンス信号に基づいて、デバイスのディスプレイを介して、少なくとも1つのグラフィカル要素を図示し、少なくとも1つのグラフィカル要素は、手持ち式超音波トランスデューサをトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを示す、更なるステップj.1)を有する。
【0055】
方法の更なる例示的な実施形態によると、方法は、ガイダンス信号に基づいて、デバイスのプロジェクタを介して、少なくとも1つのグラフィカル要素を被験者の表面に図示し、少なくとも1つのグラフィカル要素は、手持ち式超音波トランスデューサをトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを示す、更なるステップj.2)を有する。
【0056】
方法の更なる例示的な実施形態によると、方法は、
k)少なくとも1回のアップデートを実施し、各アップデートについて、持ち式超音波トランスデューサが被験者の表面に配置されたとき、カメラユニットを介して、手手持ち式超音波トランスデューサ及び手持ち式超音波トランスデューサを包囲する被験者の表面の包囲領域の更なる追跡画像が取得されて、アップデートされた追跡画像をもたらし、例えば処理ユニットを介して、トランスデューサモデルに基づいて、アップデートされた追跡画像において手持ち式超音波トランスデューサを認識して、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのアップデートされたトランスデューサ姿勢を導出するステップと、
l)例えば処理ユニットを介して、ターゲット姿勢及び以前にアップデートされたトランスデューサ姿勢に基づいて、ガイダンス信号を少なくとも1回、特にはステップk)において実施される各アップデートの終わりに、アップデートするステップと
を更に有する。
【0057】
方法の更なる例示的な実施形態によると、ステップd)は、以下のサブステップ、すなわち、
d.1)特には、例えば処理ユニットを介して、複数の異なるトランスデューサ基本モデルを備えるトランスデューサデータセットであって、複数の異なるトランスデューサ基本モデルの各々は、関連付けられた手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭及びそのプローブの検知範囲を表す、トランスデューサデータセットにアクセスするサブステップと、
d.2)特には、例えば処理ユニットを介して、複数の異なるトランスデューサ基本モデルのうちの1つを示すトランスデューサ選択信号を受信するサブステップと、
d.3)特には、例えば処理ユニットを介して、トランスデューサ選択信号によって示されるトランスデューサ基本モデルを、トランスデューサモデルとして選択するサブステップと
を有する。
【0058】
方法の更なる例示的な実施形態によると、方法は、
m)例えば手持ち式超音波トランスデューサを介して、被験者の形態セグメントの超音波画像を取得するステップと、
n)手持ち式超音波トランスデューサからデバイスへと超音波信号を送信するステップであって、超音波信号は超音波画像を表す、ステップと、
o)例えば処理ユニットを介して、適合モデルをアップデートして、アップデートされた適合モデルによって表された内部形態を被験者の形態セグメントに一致させるステップと、
p)例えば処理ユニットを介して、ターゲット信号、トランスデューサモデル及びアップデートされた適合モデルに基づいて、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのためのターゲット姿勢をアップデートして、検知範囲とスキャン領域との仮想的な合致をもたらすステップと、
q)例えば処理ユニットを介して、トランスデューサ姿勢及びアップデートされたターゲット姿勢に基づいて、ガイダンス信号をアップデートするステップと
を更に有する。
【0059】
方法の更なる例示的な実施形態によると、方法は、
r)アップデートされたガイダンス信号に基づいて、少なくとも1つのグラフィカル要素の図示をアップデートするステップ
を更に有する。
【0060】
本発明の第4の態様によると、上に説明されたデバイスを制御するためのコンピュータプログラム要素であって、処理ユニットによって実行されたときに、本発明による方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム要素が提供される。
【0061】
本発明の第5の態様によると、処理ユニットによって実行されたときに、本発明による方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム要素を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。
【0062】
本発明の更なる態様によると、ガイダンス信号を決定するためのデバイスが提供される。デバイスは、好ましくは、可搬式タブレットコンピュータなどの可搬式デバイスに関する。デバイスは、カメラユニットと、ディスプレイと、処理ユニットとを備える。カメラユニットを介して、被験者の表面の3次元的輪郭画像が取得される。3次元的輪郭画像の取得は、カメラユニットを介して、複数の2次元的画像を取得し、その後、複数の2次元的画像に基づいて、3次元的輪郭画像を決定することによって実施される。3次元的輪郭画像の決定は、処理ユニットによって実施される。デバイスのディスプレイ及び処理ユニットは、被験者の表面の輪郭画像を表示するように構成される。結果として、デバイスのオペレータは、輪郭画像が、被験者の所望の表面領域を図示しているかについてチェックする。デバイスはメモリを更に備える。メモリは人間参照モデルを記憶する。人間参照モデルは、デバイスの入力インターフェースを介して、サーバから又は手持ち式超音波トランスデューサから、前もってアクセスされる。この目的のために、入力インターフェースは、サーバ又は手持ち式超音波デバイスとの信号接続を、それぞれ確立するために構成及び/又は形成される。人間参照モデルは、仮想的被験者を統計的に表す。特には、人間参照モデルは、仮想的被験者を、その表面輪郭、その内部形態及びその表面輪郭とその内部形態との相関関数によって表す。被験者モデルは、異なる被験者の以前に取得されたデータを介して決定される。仮想的被験者は、例えば、複数の被験者から以前に取得されたデータの数学的平均を表す。故に、人間参照モデルは、参照モデルとして機能する。実際には、しばしば人間参照モデルによって表される表面輪郭が、被験者の表面輪郭と即座に一致しないことがある。従って、処理ユニットは、人間参照モデルを適合させて適合モデルをもたらすように構成され、適合モデルによって表される表面輪郭は、カメラユニットを介して以前にそこから輪郭画像が取得された(現実の)被験者の表面輪郭に一致する。故に、人間参照モデルによって表される表面輪郭は、実際の被験者の表面輪郭に一致するために変形されなければならない。それぞれの変形は、処理ユニットが実施するように構成された適合の少なくとも一部である。今や適合モデルによって表された、適合された表面輪郭のせいで、内部形態の類似の適合が、類似のやり方で実施されなければならない。故に、処理ユニットは、適合モデルを受信するために、「全体的な」人間参照モデルを適合させるように構成される。この文脈において、人間参照モデルの適合は、人間参照モデルによって表される内部形態の適合もカバーするものであり、及び/又はこれに関するものであることに留意されたい。この適合は、人間参照モデルの表面輪郭と内部形態との間の機能的関係に基づく。故に、機能的関係は、もしも人間参照モデルによって表される表面輪郭が適合、特には変形されたら、内部形態をどのように適合させるかについての情報を提供する。従って、適合モデルは、それぞれ適合された表面輪郭、それぞれ適合された内部形態、及び前記表面輪郭と前記内部形態との間の関係を表す。換言すれば、適合モデルは、被験者の表面輪郭を仮想的に表すとともに、被験者の内部形態を仮想的に表す。更には、カメラユニットは、前記画像が追跡画像として注目されたときに、被験者の更なる画像を取得するように構成される。もしも手持ち式超音波トランスデューサがこの被験者の表面に配置されているなら、被験者の画像が取得される。結果として、追跡画像は、被験者の表面の前に手持ち式超音波トランスデューサを図示する。換言すれば、追跡画像は、手持ち式トランスデューサ及び手持ち式超音波トランスデューサを包囲する被験者の表面の領域を図示する。処理ユニットは、追跡画像において手持ち式超音波トランスデューサを認識するように構成される。この目的のために、処理ユニットは、トランスデューサモデルにアクセスする。トランスデューサモデルは、デバイスのメモリに記憶される。よって、あらかじめ、トランスデューサモデルは、入力インターフェースを介して、サーバから又はそのような手持ち式超音波トランスデューサからアクセスされる。トランスデューサモデルは、好ましくは、手持ち式超音波トランスデューサの表面輪郭を表す。故に、手持ち式超音波トランスデューサの認識は、トランスデューサモデル及び追跡画像に基づいて実施される。更には、追跡画像において図示された被験者の表面の手持ち式超音波トランスデューサを包囲する領域は、処理ユニットがそれに基づいて被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサの位置及び/又は向きを決定することができるように、被験者の輪郭画像と位置合わせされる。結果として、処理ユニットは、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのトランスデューサ姿勢(位置及び/又は向き)を決定するように構成される。実際には、手持ち式超音波トランスデューサは、被験者の所望のスキャン領域をスキャンするために、被験者の表面に配置されるべきである。スキャン領域は、被験者の内臓に関連する。故に、デバイス及び/又は手持ち式超音波トランスデューサのオペレータは、デバイスのディスプレイ及び/又はデバイスのユーザ入力インターフェースを介して、スキャン領域及び/又は内臓を選択する。一実施例において、デバイスのディスプレイはタッチディスプレイである。この場合、適合モデルの内部形態は、ディスプレイを介して仮想的に図示される。更に、デバイスは、処理ユニット及びタッチディスプレイを介して、適合モデルの内部形態のスキャン領域を少なくとも間接的に表すターゲット信号を決定するために、ユーザ入力、例えば所望のスキャン領域を図示したディスプレイの位置におけるタッチ操作を受け取るように構成される。処理ユニットは、ターゲット信号(所望のスキャン領域を少なくとも間接的に表す)に基づいて、ターゲット姿勢に位置付け及び/又は方向付けられた手持ち式超音波トランスデューサが被験者の所望のスキャン領域(特には、所望の内臓)をスキャンするように配置されるように、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサのためのターゲット姿勢を決定するように構成される。故に、もしもオペレータが手持ち式超音波トランスデューサをターゲット姿勢に配置したなら、所望の及び/又は信頼性の高い超音波画像が、被験者のスキャン領域(特には内臓)から取得される。従って、デバイスの処理ユニットは更に、ターゲット姿勢及び手持ち式超音波トランスデューサの実際のトランスデューサ姿勢に基づいて、ガイダンス信号を決定するように構成される。しばしば、実際のトランスデューサ姿勢はターゲット姿勢にはなく、姿勢エラーをもたらす。トランスデューサ姿勢とターゲット姿勢との間のこの姿勢エラーを減少させるために、処理ユニットは、ガイダンス信号を決定するように構成され、ガイダンス信号は、手持ち式超音波トランスデューサをトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを表す。例えば、ガイダンス信号は、出発姿勢としてのトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢に到達するために、(各)手持ち式超音波トランスデューサが移動及び/又は回転させられるべき方向矢印、距離及び/又は角度をそれぞれ表す。例えば、前記方向、距離及び/又は角度は、デバイスのディスプレイに図示される。更には、矢印などのガイド要素は、オペレータが手持ち式超音波トランスデューサの位置及び/又は向きをどのように変化させるか図示するために、デバイスのディスプレイに表示される。代替的に及び/又は追加的に、信号接続が、デバイスと手持ち式超音波トランスデューサとの間に確立され、ガイダンス信号は、手持ち式超音波トランスデューサへと送信され得る。手持ち式超音波トランスデューサは、特には、ガイダンス信号に基づいて少なくとも1つのガイダンス要素を図示するために、光学的及び/又は音響的に信号又は記号を出力するように構成される。例えば、手持ち式超音波トランスデューサは、特には矢印の形態の点灯ユニットを備え、これはガイダンス信号に応じてハイライトされる。例えば、もしもターゲット姿勢が手持ち式トランスデューサの実際のトランスデューサ姿勢の左側にあるとしたら、LED矢印がハイライトされ、手持ち式超音波トランスデューサの左への移動を示唆するように図示及び/又は指示する。
【0063】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかになるとともに、それらを参照して解明されよう。
【0064】
本発明の例示的な実施形態が、以下の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】デバイスの第1の実施形態及び第1の位置にある手持ち式超音波トランスデューサの第1の実施例を概略的に図示する図である。
図2】デバイスの第1の実施形態及び第2の位置にある手持ち式超音波トランスデューサの第1の実施例を概略的に図示する図である。
図3】デバイスの第2の実施形態及び手持ち式超音波トランスデューサの第1の実施例を概略的に図示する図である。
図4】デバイスのディスプレイのスクリーンの例示的な図示を概略的に示す図である。
図5】本発明によるシステムの実施形態を概略的に図示する図である。
図6】本発明による方法の実施形態を概略的に図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1は、ガイダンス信号を決定するためのデバイス2を概略的に図示する。更には、図1は、被験者10及び手持ち式超音波トランスデューサ14を概略的に図示する。手持ち式超音波トランスデューサ14は、被験者10の表面22に配置される。手持ち式超音波トランスデューサ14のプローブ18は、被験者10の方に向けられている。手持ち式超音波トランスデューサ14を被験者の表面22に配置するために、手持ち式超音波トランスデューサ14は、特にはそのプローブ18とともに、被験者10の表面22に直接的に又は間接的に配置される。手持ち式超音波トランスデューサのプローブ18は、検知範囲16に関連付けられる。検知範囲16は、好ましくは、手持ち式超音波トランスデューサ14のプローブ18によって超音波放射が提供され、好ましくは被験者10によって反射され、反射された放射が手持ち式超音波トランスデューサ14のプローブ18によって検知される範囲である。故に、検知範囲16は、超音波検知が実行され得る、手持ち式超音波トランスデューサ14のプローブ18に関連付けられた範囲に関する。
【0067】
手持ち式超音波トランスデューサ14は、好ましくは、可搬式の手持ち式超音波トランスデューサ14によって形成される。従って、手持ち式超音波トランスデューサはコードレスである。故に、手持ち式超音波トランスデューサは、被験者10の表面22に対して非常に柔軟に位置付け及び/又は方向付けられる。この結果として、しばしば、専門的な医療スタッフだけが、手持ち式超音波トランスデューサ14を介して、信頼性の高い超音波画像結果をもたらす超音波検査を行い得る。この欠陥を克服するために、好ましくは、デバイス2は、被験者10の所望のスキャン領域24が、手持ち式超音波トランスデューサ14、特には経験の乏しいオペレータによって取り扱われた手持ち式超音波トランスデューサ14を介して確実にスキャンされ得るように、手持ち式超音波トランスデューサ14を移動及び/又は回転させるためのガイダンスを表すガイダンス信号を決定するように構成される。
【0068】
デバイスは、入力ユニットと処理ユニット6とを備える。好ましくは、デバイス2は、ディスプレイ26を更に備える。デバイス2の入力ユニットは、被験者の表面輪郭の少なくとも間接的に取得された輪郭(8)画像を受信するように構成される。例えば、カメラユニット4が、被験者10の表面輪郭8の輪郭画像を少なくとも間接的に取得するために備えられる。特にデバイス2が可搬式タブレットコンピュータによって形成される場合には、カメラユニット4は2次元カメラを備える。2Dカメラを介して、被験者10の表面輪郭8の複数の2次元的画像が取得される。これらの2次元的画像に基づいて、カメラユニット4は、特には処理ユニット6とともに、被験者10の表面輪郭8の輪郭画像を(好ましくは、3次元的画像又は奥行き画像として)決定する。故に、被験者10の表面輪郭8の輪郭画像の間接的な取得は、複数の2次元的画像の取得と、前記複数の2次元的画像に基づいた輪郭画像の決定とを含む。しかしながら、代替的に及び/又は追加的に、カメラユニット4は、3次元カメラを備えてもよい。この3次元カメラは、被験者10の表面輪郭8の3次元的輪郭画像を直接的に取得するように構成される。
【0069】
処理ユニット6は、人間参照モデルにアクセスするように構成される。このモデルは、データモデル又は人間参照データモデルを指す。デバイス2はメモリユニット28を備える。人間参照モデルは、メモリユニット28によって記憶される。故に、処理ユニット6は、人間参照モデルにアクセスするために、メモリユニット28にアクセスするように構成される。代替的に及び/又は追加的に、デバイス2は、インターフェース30を備える。インターフェース30はインターフェースユニット又は通信ユニットとも称される。処理ユニット6は、特にはサーバから又は手持ち式超音波デバイス14から、インターフェース30を介して、人間参照モデルにアクセスするように構成される。この目的のために、インターフェース30とサーバ又は手持ち式超音波トランスデューサ14との間に、それぞれ信号接続が確立される。信号接続は恒久的な信号接続又は一時的に確立される信号接続である。
【0070】
人間参照モデルは、仮想的被験者の表面輪郭、その内部形態、及びその表面輪郭とその内部形態との間の関係を表す。故に、人間参照モデルは参照モデルとしての役割を果たす。仮想的被験者の表面輪郭が被験者10の表面輪郭8の以前に取得された輪郭画像に一致及び/又は合致するように人間参照モデルを適合させることが望ましい。この一致及び/又は合致手順の結果として、人間参照モデルによって表される内部形態が、それに応じて適合される。一実施例において、人間参照モデルによって表される内部形態は、仮想的被験者の少なくとも1つの内臓、骨格の少なくとも一部及び/又は血管系の少なくとも一部を表す。故に、人間参照モデルによって表される内部形態は、仮想的被験者の解剖学的構造を表す。適合モデルの表面輪郭が被験者10の表面輪郭と一致するように人間参照モデルを適合させることは、適合モデルのそれに応じて適合された内部形態をもたらし、適合モデルの内部形態は、被験者10の内部形態の推定を表す。換言すれば、処理ユニット6は、人間参照モデルを適合させて適合モデルをもたらすように構成され、それによって、適合モデルによって表される表面輪郭は、被験者10の表面輪郭に一致する。以前に論じたように、適合モデルをもたらす人間参照モデルの適合は、全体的な人間参照モデルに対して実行されるべきである。結果として、類似の適合が内部形態に対しても行われる。適合モデルは、表面輪郭(これは被験者の表面輪郭に一致する)、適合された内部形態、及び適合された表面輪郭とその適合された内部形態との間の関係を表す。その結果、適合モデルは、外側から又は被験者10の表面輪郭8の輪郭画像からは見えない被験者10の内部解剖学的構造の位置及び/又は向きの良好な推定を提供する。例えば、適合モデルは、被験者10の表面輪郭8と内臓の場所及び/又は形状との典型的な統計的関係を符号化する。従って、適合モデルは、内臓の形状及び/又は場所の見込みのある予測を提供するための基礎を提供する。
【0071】
カメラユニット4は更に、手持ち式超音波トランスデューサ14が被験者10の表面22に配置されたとき、手持ち式超音波トランスデューサ14及び手持ち式超音波トランスデューサ14を包囲する被験者10の表面22の包囲領域20の追跡画像を取得するように構成される。この文脈において、被験者10の表面輪郭8の(以前に取得された)輪郭画像は、好ましくは、手持ち式超音波トランスデューサ14が被験者10の表面22に配置されていない状態の被験者10の表面輪郭8を表すことが留意される。
【0072】
更に、処理ユニット6は、トランスデューサモデルにアクセスするように構成される。トランスデューサモデルはデータモデルである。トランスデューサモデルは、デバイス2のメモリユニット28に記憶される。代替的に又は追加的に、トランスデューサモデルは、インターフェース30を介してアクセスされる。故に、トランスデューサモデルは、インターフェース30を介して、サーバから又は手持ち式超音波トランスデューサ14からアクセスされる。信号接続に関しては、それぞれの説明、実施例及び/又は効果の全ては、この信号接続に対して類似のやり方で提供されることも意図される。
【0073】
トランスデューサモデルは、手持ち式超音波トランスデューサ14の表面輪郭12及び手持ち式超音波トランスデューサ14のプローブ18の検知範囲16を表す。故に、トランスデューサモデルは、追跡画像において図示される手持ち式超音波トランスデューサ14の表面輪郭12に関する情報を処理ユニット6に提供する。
【0074】
従って、処理ユニット6は更に、トランスデューサモデルに基づいて、追跡画像において手持ち式超音波トランスデューサ14を認識して、被験者10に対する手持ち式超音波トランスデューサ14のトランスデューサ姿勢を導出するように構成される。追跡画像は、手持ち式超音波トランスデューサ14を包囲する被験者10の表面22の包囲領域20を図示する。故に、輪郭画像に対して前記包囲領域20の位置合わせが実施される。更には、手持ち式超音波トランスデューサ14は、追跡画像において認識される。故に、処理ユニット6は、これらの情報に基づいて、被験者10に対する手持ち式超音波トランスデューサ14のトランスデューサ姿勢を決定するように構成される。トランスデューサ姿勢は、被験者10に対する手持ち式超音波トランスデューサ14の位置及び/又は向きに関する。
【0075】
更には、トランスデューサモデルは、手持ち式超音波トランスデューサ14のプローブ18の検知範囲16を表す。図1に関して、処理ユニット6は、手持ち式超音波トランスデューサ14のトランスデューサ姿勢及び検知範囲16に基づいて、手持ち式超音波トランスデューサ14を介して被験者10のどの部分がスキャンされるかについて決定するように構成される。図1から分かるように、検知範囲16は、被験者10がスキャンされるべき所望のスキャン領域24の下方に配置されている。検知範囲16が所望のスキャン領域24と合致するかについて判定するために、処理ユニット6は、スキャン領域24についての情報を必要とする。
【0076】
従って、処理ユニット6は、適合モデルの内部形態のスキャン領域24を少なくとも間接的に表すターゲット信号を受信するように構成される。被験者10に合致するために適合モデルは以前に決定されているので、スキャン領域24は、被験者10の内部形態のスキャン領域も表す可能性が非常に高い。単純化のために、合致するものと想定される。故に、スキャン領域24は、被験者及び適合モデルを指す。ターゲット信号は、インターフェース30を介して処理ユニット6に提供される。代替的に又は追加的に、ディスプレイ26はタッチスクリーンである。オペレータは、タッチスクリーンへのタッチを介して、処理ユニット6に入力信号を提供することができ、入力信号はターゲット信号を表し、又はターゲット信号を決定するための基礎を提供する。例えば、適合モデルの内部形態は、オペレータが特定の内臓を選択することができるように、タッチスクリーン(ディスプレイ26)に少なくとも部分的に表示される。この選択に基づいて、処理ユニット6を介してターゲット信号が決定される。
【0077】
処理ユニット6は、検知範囲16とスキャン領域24との仮想的な合致が達成されるように、ターゲット信号、トランスデューサモデル及び適合モデルに基づいて、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサ14のためのターゲット姿勢を決定するように構成される。故に、もしもオペレータが手持ち式超音波トランスデューサ14をターゲット姿勢に配置したなら、手持ち式超音波トランスデューサ14の検知範囲16は被験者のスキャン領域24と合致し、又はこれを撮影する。このことは、図2において例示的に図示される。しかしながら、手持ち式トランスデューサ14は、好ましくは、オペレータの手に保持されている。故に、手持ち式超音波トランスデューサ14が被験者10の所望のスキャン領域24をスキャンするように、手持ち式超音波トランスデューサ14の位置及び/又は向きをどのように変化させるかについての情報をオペレータに提供することが望ましい。この目的のために、処理ユニット6は、トランスデューサ姿勢及びターゲット姿勢に基づいて、ガイダンス信号を決定するように構成され、ガイダンス信号は、手持ち式超音波トランスデューサ14をトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを表す。一実施例において、ガイダンス信号は、手持ち式超音波トランスデューサ14を任意の方向に移動させるための、及び/又は手持ち式超音波トランスデューサ14を任意の軸、特には手持ち式超音波トランスデューサ14と関連付けられた1つの軸の周りで回転させるためのガイダンスを表す。
【0078】
図4は、ディスプレイ26のスクリーンショットを例示的に図示する。デバイス2は、ガイダンス信号に基づいて、ディスプレイ26を介して、少なくとも1つのグラフィカル要素32を図示するように構成され、少なくとも1つのグラフィカル要素32は、手持ち式超音波トランスデューサ14をトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを示す。
【0079】
図1及び図2の概要から、ガイダンス信号は手持ち式超音波トランスデューサ14の上方への移動を表すべきであることが分かる。結果として、デバイス2は、ディスプレイ26を介して、図4において例示的に示されているように、上方へ向けられた矢印を図示する。故に、オペレータは、手持ち式超音波トランスデューサ14を、図1において示されるトランスデューサ姿勢から、図2において例示的に図示されているように手持ち式超音波トランスデューサ14のためのターゲット姿勢へと移動させるために、手持ち式超音波トランスデューサ14を上方へと移動させるガイダンスを受け取る。手持ち式超音波トランスデューサ14がターゲット姿勢に到達したなら、スキャン領域24のスキャンが、手持ち式超音波トランスデューサ14を介して実施される。
【0080】
図3から例示的に分かるように、デバイス2は、プロジェクタ34、特にはレーザービームプロジェクタを備え得る。デバイス2は、ガイダンス信号に基づいて、プロジェクタ34を介して、少なくとも1つのグラフィカル要素32を被験者の表面22に光学的に図示するように構成され、少なくとも1つのグラフィカル要素32は、手持ち式超音波トランスデューサ14をトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを示す。グラフィカル要素は、図4において示されるグラフィカル要素32と類似のやり方によって形成される。故に、矢印が、プロジェクタ34を介して表面22上に投影される。その結果、手持ち式超音波トランスデューサ14のオペレータは、実際のトランスデューサ姿勢とターゲット姿勢との合致を達成するために、手持ち式超音波トランスデューサ14を上方へと移動させる情報を受け取る。
【0081】
更には、デバイス2は、音響的出力手段、例えばラウドスピーカを備える。デバイス2は、ガイダンス信号に基づいて、ラウドスピーカを介して、音響的信号、例えば、所定の合成音声を出力するように構成され、音響的信号は、手持ち式超音波トランスデューサをトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを示す。
【0082】
図4に図示されるグラフィカル要素に関して、このグラフィカル要素32は、手持ち式超音波トランスデューサ14のオペレータに、量的情報ではなくむしろ質的情報を与える。故に、オペレータは、手持ち式超音波トランスデューサ14を少しの距離だけ上方に移動させる。この距離は、実際のトランスデューサ姿勢とターゲット姿勢との合致を達成するためには十分でない。故に、実際のトランスデューサ姿勢とターゲット姿勢との所望の合致が達成されるまでオペレータが手持ち式超音波トランスデューサ14を移動及び/又は回転させることができるように、ディスプレイ26上に及び/又はプロジェクタ34を介して図示されるいくつかの後続のグラフィカル要素32をオペレータに提供することが望ましい。故に、デバイス2は、ガイダンス信号及び/又はグラフィカル要素32の図示をアップデートするように構成される。
【0083】
一実施例において、デバイス2は、少なくとも1回のアップデートを実施するように構成され、各アップデートについて、カメラユニット4は、手持ち式超音波トランスデューサ14が被験者の表面22に配置されたとき、手持ち式超音波トランスデューサ14及び手持ち式超音波トランスデューサ14を包囲する被験者10の表面22の包囲領域20の更なる追跡画像を、アップデートされた追跡画像として取得するように構成され、処理ユニット6は、トランスデューサモデルに基づいて、アップデートされた追跡画像において手持ち式超音波トランスデューサ14を認識して、被験者10に対する手持ち式超音波トランスデューサ14のアップデートされたトランスデューサ姿勢を導出するように構成される。処理ユニット6は更に、ターゲット姿勢及び以前にアップデートされたトランスデューサ姿勢に基づいて、ガイダンス信号を少なくとも1回アップデートするように構成される。デバイス2は、ガイダンス信号の各アップデートの後、少なくとも1つのグラフィカル要素32が、手持ち式超音波トランスデューサをアップデートされたトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのアップデートされたガイダンスを示すように、最後にアップデートされたガイダンス信号に基づいて、少なくとも1つのグラフィカル要素32の図示をアップデートするように構成される。
【0084】
一実施例において、デバイス2はトランスデューサデータセットにアクセスするように構成される。トランスデューサデータセットはそのようなデータセットとも称される。トランスデューサデータセットは、デバイス2のメモリユニット28に記憶される。代替的に又は追加的に、トランスデューサデータセットは、インターフェース30を介して、特にはサーバからアクセスされる。この目的のために、恒久的な又は一時的な信号接続が、インターフェース30を介してサーバへと確立される。トランスデューサデータセットは、複数の異なるトランスデューサ基本モデルを備える。トランスデューサ基本モデルの各々は、トランスデューサモデルと類似のやり方で形成される。しかしながら、基本モデルは互いに異なるものである。故に、トランスデューサ基本モデルの各々は、関連付けられた手持ち式超音波トランスデューサ14の表面輪郭及びそのプローブ18の検知範囲16を表す。従って、トランスデューサ基本モデルの各々は、別の実際の手持ち式超音波トランスデューサ14、特には異なるタイプの各々の手持ち式超音波トランスデューサ14を指す。
【0085】
デバイス2は更に、トランスデューサ選択信号を受信するように構成される。トランスデューサ選択信号はそのような信号である。デバイス2のインターフェース30は、前記トランスデューサ選択信号を受信するように構成される。代替的に及び/又は追加的に、デバイス2は入力パネルを備え、これはディスプレイ26によってタッチスクリーンとして形成される。故に、入力パネル及び処理ユニット6は、入力パネルへの外部操作、例えばタッチスクリーンにおけるタッチに基づいて、トランスデューサ選択信号を決定するように構成される。例えば、デバイス2は、トランスデューサ基本モデルの少なくともサブセットがディスプレイ26上に示されるようにディスプレイ26を制御するように構成される。オペレータは、ディスプレイ26へのタッチを介して、リストにおけるアイテムのうちの1つを選択し、それによって、ディスプレイ26上のリストのアイテムにおいて示されるそれぞれのトランスデューサ基本モデルによって表されるトランスデューサのうちの1つを選択する。これに基づいて、処理ユニット6は、それぞれのトランスデューサ選択信号を決定するように構成される。処理ユニット6は更に、トランスデューサ選択信号によって示されるトランスデューサ基本モデルを、そのようなトランスデューサとして選択するように構成される。その結果、デバイス2は、複数の異なる種類及び/又はタイプの手持ち式超音波トランスデューサ14の各々と協働するように構成される。従って、更に、処理ユニット6は、もしもそれぞれのトランスデューサモデルが複数の異なるトランスデューサ基本モデルから以前に選択されていたなら、追跡画像において任意の手持ち式超音波トランスデューサ14を認識することができる。
【0086】
特には、複数の異なるトランスデューサ基本モデルを備えるトランスデューサデータセットがメモリユニット28に記憶されていない場合には、デバイス2は、異なるやり方でトランスデューサモデルを受信するように構成される。例えば、デバイス2は、インターフェース30を介してトランスデューサモデル信号を受信するように構成され、トランスデューサモデル信号はトランスデューサモデルを表す。故に、トランスデューサモデル信号は、トランスデューサモデルをメモリユニット28に記憶するために、あらかじめデバイス2に送信される。その後、処理ユニット6は、例えば追跡画像における手持ち式超音波トランスデューサ14の認識のためにトランスデューサモデルを使用するために、メモリユニット28からそれぞれのトランスデューサモデルにアクセスする。
【0087】
一実施例において、デバイス2の入力インターフェース30は、トランスデューサモデル信号及び/又はトランスデューサ選択信号が手持ち式超音波トランスデューサ14から受信され得るように、手持ち式超音波トランスデューサ14との信号接続を確立するように構成される。一実施例において、手持ち式超音波トランスデューサ14は(更なる)メモリユニットを備え、これは、それぞれの手持ち式超音波トランスデューサ14に対応するトランスデューサモデルを記憶する。故に、もしもデバイス2がそれぞれの手持ち式超音波トランスデューサ14と協働するように使用されるなら、インターフェース30を介してトランスデューサモデル信号をデバイス2に送信するために、信号接続が少なくとも一時的に確立され、トランスデューサモデルはデバイス2のメモリユニット28に記憶され得る。同様に、トランスデューサ選択信号をデバイス2に送信するために信号接続が確立され、トランスデューサ選択信号は、それぞれの手持ち式超音波トランスデューサ14についての情報、例えば、そのモデル番号及び/又は任意の他の識別番号を表す。故に、デバイス2は、複数の異なるトランスデューサ基本モデルから、例えばそれぞれの手持ち式超音波トランスデューサ14のモデル番号を示す、送信されたトランスデューサ選択信号に基づいて、それぞれのトランスデューサ基本モデルを選択し、選択されたトランスデューサ基本モデルは、更なる目的のためにトランスデューサモデルを形成する。
【0088】
手持ち式超音波トランスデューサ14は、概して、被験者10の内部形態の少なくとも一部をスキャンするように構成されるので、それぞれの情報は、適合モデル、特には適合モデルによって表される内部形態を向上させるために使用される。故に、手持ち式超音波トランスデューサ14を介して取得される超音波画像は、続いて適合モデルを向上させるために、デバイス2に送信され、続いて適合モデルは被験者10の実際の内部形態をより正確に推定する。
【0089】
一実施例において、デバイス2は、手持ち式超音波トランスデューサ14から超音波信号を受信するように構成された入力インターフェース30を備える。超音波信号は、そのような信号である。超音波信号は、手持ち式超音波トランスデューサ14によって取得されて被験者10の少なくとも形態セグメントを図示する超音波画像を表す。デバイス2の処理ユニット6は、適合モデルをアップデートして、アップデートされた適合モデルによって表される内部形態を被験者10の形態セグメントに一致させるように構成される。処理ユニット6は更に、ターゲット信号、トランスデューサモデル及びアップデートされた適合モデルに基づいて、被験者10に対する手持ち式超音波トランスデューサ14のためのターゲット姿勢をアップデートして、検知範囲とスキャン領域との仮想的な合致をもたらすように構成される。処理ユニットは更に、トランスデューサ姿勢及びアップデートされたターゲット姿勢に基づいて、ガイダンス信号をアップデートするように構成される。更には、デバイス2は、少なくとも1つのグラフィカル要素の図示をアップデートするように構成される。
【0090】
その結果、手持ち式超音波トランスデューサ14によって取得された少なくとも1つの超音波画像は、ガイダンス信号の後続のアップデートをもたらすターゲット姿勢のアップデートを実施するための基礎としての役割を果たす。更には、少なくとも1つのグラフィカル要素32の図示は、実際のトランスデューサ姿勢とアップデートされたターゲット姿勢との間の合致を達成するために、手持ち式超音波トランスデューサ14のオペレータに手持ち式超音波トランスデューサ14をどのように移動及び/又は回転させるかについての最新の情報を提供するためにアップデートされる。
【0091】
図5は、手持ち式超音波トランスデューサ14のためのガイダンスを提供するためのシステム36の実施例を概略的に図示する。システム36は、手持ち式超音波トランスデューサ14と、デバイス2とを備える。ここでは、そのようなデバイス2及び/又はそのような手持ち式超音波トランスデューサ14に関して提供された全ての実施例、効果及び/又は説明を繰り返すことはしないが、システム36は上述のデバイス2及び/又は手持ち式超音波トランスデューサ14を備えるものと意図されると理解されたい。故に、デバイス2及び/又は手持ち式超音波トランスデューサ14に関して上記において提供された全ての実施例、説明、効果及び/又は利点が、システム36によって実施されることも意図される。故に、手持ち式超音波トランスデューサ14は、被験者10の表面22に配置されるように構成される。手持ち式超音波トランスデューサ14及びデバイス2は、デバイス2から手持ち式超音波トランスデューサ14へとガイダンス信号を送信するように構成される。この目的のために、信号接続38が、デバイス2と手持ち式超音波トランスデューサ14との間に確立される。一実施例において、信号接続38は、デバイス2と手持ち式超音波トランスデューサ14との間のケーブル接続によって提供される。このケーブル接続は、デバイス2のインターフェース30と手持ち式超音波トランスデューサ14の更なるインターフェース40との間に確立される。ケーブル接続の代わりに、無線信号接続が、デバイス2のインターフェース30と手持ち式超音波トランスデューサ14のインターフェース40との間に確立されてもよい。手持ち式超音波トランスデューサは、特には光学的手段及び/又は音響的手段を有する出力ユニット42を備える。手持ち式超音波トランスデューサ14は、ガイダンス信号に基づいて、出力ユニット42を介してガイダンスを示すように構成される。故に、手持ち式超音波トランスデューサ14は、出力ユニット42、特には光学的手段を介して、オペレータが実際のトランスデューサ姿勢とターゲット姿勢との合致を達成できるように、手持ち式超音波トランスデューサ14をどのように移動及び/又は回転させるかについて示す。
【0092】
図6は、ガイダンス信号を決定するための方法44の実施例を概略的に図示する。方法は以下のステップを有する。
【0093】
第1のステップa)において、デバイス2のカメラユニット4を介して、被験者10の表面輪郭の輪郭画像が少なくとも間接的に取得される。
【0094】
第2のステップb)において、デバイス2の処理ユニット6を介して、人間参照モデルがアクセスされ、人間参照モデルは、仮想的被験者の表面輪郭、その内部形態、及びその表面輪郭とその内部形態との間の関係を表す。
【0095】
第3のステップc)において、処理ユニット6を介して、人間参照モデルが適合されて適合モデルをもたらし、適合モデルによって表される表面輪郭は被験者10の表面輪郭に一致する。
【0096】
第4のステップd)において、処理ユニット6を介して、トランスデューサモデルがアクセスされ、トランスデューサモデルは、手持ち式超音波トランスデューサ14の表面輪郭及び手持ち式超音波トランスデューサ14のプローブ18の検知範囲を表す。
【0097】
第5のステップe)において、手持ち式超音波トランスデューサ14が被験者10の表面22に配置されたとき、カメラユニット4を介して、手持ち式超音波トランスデューサ14及び手持ち式超音波トランスデューサ14を包囲する被験者10の表面22の包囲領域20の追跡画像が取得される。
【0098】
第6のステップf)において、処理ユニット6を介して、トランスデューサモデルに基づいて、追跡画像において手持ち式超音波トランスデューサ14が認識され、被験者に対する手持ち式超音波トランスデューサ14のトランスデューサ姿勢を導出する。
【0099】
第7のステップg)において、処理ユニット6を介して、ターゲット信号が受信され、ターゲット信号は、適合モデルの内部形態のスキャン領域24を少なくとも間接的に表す。
【0100】
第8のステップh)において、処理ユニット6を介して、ターゲット信号、トランスデューサモデル及び適合モデルに基づいて、被験者10に対する手持ち式超音波トランスデューサ14のためのターゲット姿勢が決定され、検知範囲16とスキャン領域24との仮想的な合致をもたらす。
【0101】
第9のステップi)において、処理ユニット6を介して、トランスデューサ姿勢及びターゲット姿勢に基づいてガイダンス信号が決定され、ガイダンス信号は、手持ち式超音波トランスデューサ14をトランスデューサ姿勢からターゲット姿勢へと移動及び/又は回転させるためのガイダンスを表す。
【0102】
本発明の更なる実施例によると、処理ユニットによって実行されたときに、上述の方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム要素が提供される。
【0103】
本発明の更なる実施例によると、処理ユニットによって実行されたときに、上述の方法を実行するように適合されたコンピュータプログラム要素を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。
【0104】
本発明の別の例示的な実施形態によると、適切なシステム上で、前述の実施形態の1つによる方法のステップを実行するように適合されることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0105】
従って、コンピュータプログラム要素は、本発明の実施形態の一部でもあるコンピュータユニットに記憶される。このコンピューティングユニットは、上述の方法のステップを実施又は実施を誘起するように適合される。更には、コンピューティングユニットは、上述の装置のコンポーネントを動作させるように適合される。コンピューティングユニットは、自動的に動作し、及び/又はユーザの命令を実行するように適合され得る。コンピュータプログラムは、データプロセッサのワーキングメモリにロードされる。故に、データプロセッサは、本発明の方法を行うために設けられる。本発明のこの例示的な実施形態は、最初から本発明を使用するコンピュータプログラムと、アップデートによって、既存のプログラムを本発明を使用するプログラムへと変化させるコンピュータプログラムの両方をカバーする。
【0106】
更に、コンピュータプログラム要素は、上述の方法の例示的な実施形態の手順を完遂するための全ての必要なステップを提供することができる。
【0107】
本発明の更なる例示的な実施形態によると、CD-ROMなどのコンピュータ可読媒体が提示され、コンピュータ可読媒体は、前のセクションによって説明されたコンピュータプログラム要素を記憶する。コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに又は他のハードウェアの一部として供給される光学的記憶媒体又はソリッドステート媒体など、適切な媒体上に記憶及び/又は分配されるが、インターネット又は他の有線若しくはワイヤレス遠隔通信システムを介してなど、他の形態でも分配される。
【0108】
しかしながら、コンピュータプログラムは、World Wide Webなどのネットワーク上で提示されてもよく、このようなネットワークからデータプロセッサのワーキングメモリへとダウンロードされ得る。本発明の更なる例示的な実施形態によると、コンピュータプログラム要素をダウンロードで使用可能とするための媒体が提供され、コンピュータプログラム要素は、本発明のここまでに説明された実施形態のうちの1つによる方法を実施するように構成される。
【0109】
本発明の実施形態は、異なる主題に関して説明されていることに留意されたい。特には、いくつかの実施形態はデバイスに関して説明されている一方で、他の実施形態は方法に関して説明されている。しかしながら、当業者は、上記のことから、別段の告知がない限り、1つの主題に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴の間での任意の組み合わせも本出願とともに開示されるものと見なされることが分かるであろう。しかしながら、全ての特徴は組み合わされ得、それによって、それらの特徴の単なる加算よりも大きな相乗効果を提供し得る。
【0110】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されたが、このような図示及び説明は、説明的又は例示的なものと見なされるべきであり、制限的なものと見なされるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されるものではない。開示された実施形態に対する他の変形が、特許請求された本発明を実践するにあたって、当業者によって、図面、本開示、及び従属請求項を検討することにより、理解及び実行され得る。
【0111】
特許請求の範囲において、「備える(comprising)」という語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一の処理ユニット又は他のユニットが、特許請求の範囲において記載されるいくつかのアイテムの機能を果たし得る。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。特許請求の範囲におけるいかなる参照記号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6