(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】液化ガス貯蔵タンク及びこれを含む船舶
(51)【国際特許分類】
B63B 25/16 20060101AFI20240226BHJP
B63B 25/08 20060101ALI20240226BHJP
B65D 88/12 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
B63B25/16 E
B63B25/16 P
B63B25/08 H
B63B25/08 J
B63B25/08 B
B65D88/12 M
(21)【出願番号】P 2022514147
(86)(22)【出願日】2020-09-03
(86)【国際出願番号】 KR2020011871
(87)【国際公開番号】W WO2021045534
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2019-0111081
(32)【優先日】2019-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコホールディングス インコーポレーティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ソン、 サン-フン
(72)【発明者】
【氏名】ノー、 ミュン-ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ヨン-ス
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/107993(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-0650606(KR,B1)
【文献】国際公開第2008/053876(WO,A1)
【文献】特開2007-161156(JP,A)
【文献】実開昭63-193923(JP,U)
【文献】特開2008-150975(JP,A)
【文献】特開2010-195331(JP,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2016-0003327(KR,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 25/08
F02M 37/00
B65D 88/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスが貯蔵されるタンクユニット;
前記タンクユニット内部に設けられ、前記タンクユニット内部に貯蔵された前記液化ガスを流入管部を介して吸引して外部に供給するポンプユニット;及び
前記液化ガスが流入されるが、排出されない逆流防止部が備えられ、前記流入管部の周りを囲むように備えられるインナーボックスユニット;を含み、
前記逆流防止部は、
前記インナーボックスユニットに備えられ、一方向のみに開閉されるように備えられる第1フリップドア;及び
前記インナーボックスユニットの外部に対面して配置され、第1フリップドアが備えられた延長流入端部と、前記インナーボックスユニットの内部に延長した延長排出端部が備えられる延長パイプ;を含み、
前記延長パイプは、中央部に前記延長流入端部よりも高さが低く配置されるが、前記延長排出端部よりは高さが高く配置される曲管状に形成された、液化ガス貯蔵タンク。
【請求項2】
液化ガスが貯蔵されるタンクユニット;
前記タンクユニット内部に設けられ、前記タンクユニット内部に貯蔵された前記液化ガスを流入管部を介して吸引して外部に供給するポンプユニット;及び
前記液化ガスが流入されるが、排出されない逆流防止部が備えられ、前記流入管部の周りを囲むように備えられるインナーボックスユニット;を含み、
前記逆流防止部は、
前記インナーボックスユニットに備えられ、一方向のみに開閉されるように備えられる第1フリップドア;及び
前記インナーボックスユニットの内部に配置され、外部と連通するラッパ管状に備えられ、内側端部に前記第1フリップドアが備えられた傾斜パイプ;を含み、
前記傾斜パイプは、
前記インナーボックスユニットの側壁部から前記内側端部に幅が狭くなるように延長形成される、液化ガス貯蔵タンク。
【請求項3】
液化ガスが貯蔵されるタンクユニット;
前記タンクユニット内部に設けられ、前記タンクユニット内部に貯蔵された前記液化ガスを流入管部を介して吸引して外部に供給するポンプユニット;
前記液化ガスが流入されるが、排出されない逆流防止部が備えられ、前記流入管部の周りを囲むように備えられるインナーボックスユニット;及び
少なくとも前記流入管部と接触して備えられ、内部に前記液化ガスが収容される低温維持ユニット;を含む、液化ガス貯蔵タンク。
【請求項4】
前記低温維持ユニットは、
前記流入管部が挿入されて前記インナーボックスユニットの内部と連通するように備えられ、前記流入管部と接触される挿入シリンダ部;を含む、請求項
3に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項5】
前記挿入シリンダ部は、
前記流入管部と接触する内管部;及び
前記内管部と一定間隔離隔して前記液化ガスを収容し、一端部が前記内管部と結合される外管部;を含む、請求項
4に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項6】
前記挿入シリンダ部は、前記インナーボックスユニットの外側に延長して上向に延長し、上端部が開放された形態であることを特徴とする、請求項
4に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項7】
前記低温維持ユニットは、
前記挿入シリンダ部の上端部と連通し、前記インナーボックスユニットの上壁部または前記インナーボックスユニットの上壁部及び側壁部に延長し、前記液化ガスが内部に流入するように一方向のみに開閉される第2フリップドアが備えられる二重壁部;を含む、請求項
4に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項8】
前記インナーボックスユニットは、前記タンクユニット内部に備えられる支持部材と少なくとも一側壁部を共有することを特徴とする、請求項1に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項9】
前記インナーボックスユニットは、前記支持部材間に結合される側壁部が上壁部よりも上側に延長して備えられたことを特徴とする、請求項
8に記載の液化ガス貯蔵タンク。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載の液化ガス貯蔵タンク;及び
前記液化ガス貯蔵タンクが設けられ、駆動力を提供するエンジン部を含む船体;を含む、船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガス貯蔵タンク及びこれを含む船舶に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に自動車、船舶などの運送燃料及び国内外で用いられる各種燃料などに用いられる石油資源は徐々に枯渇しており、油価上昇及び厳しくなる環境規制などに応じて代替エネルギーとして液化ガスの使用量が増加している。
【0003】
一例として、液化ガスは、液化天然ガス(Liquefied Natural Gas;LNG)または液化プロパンガス(Liquefied Propane Gas:LPG)などを含む。このような液化ガスは気体状態よりも体積が大きく減る(例えば、LNGの場合、液化時の体積が1/600に減り、LPGの場合、液化時の1/250に大幅に減らすことができる)ことから、液化された状態での貯蔵及び運送に便利だが、温度を沸点(LNGの場合は約-162℃、LPGの場合は約-50℃)以下に維持する必要があるという困難がある。
【0004】
このような液化ガスを貯蔵するためには、液化ガスを沸点以下に維持させる極低温液化ガス貯蔵タンクが必要である。
【0005】
ところで、上記液化ガス貯蔵タンクは、船舶などの運送機関の液化燃料を貯蔵する構造物として、内部に液体が貯蔵されている。そのため、船舶のような浮遊式構造物または陸上運送機関の移動に応じて必然的に液化ガス貯蔵タンクが常に水面または地面に対して水平を維持することができなくなり、これによって液体燃料の流動が発生する。
【0006】
また、液体燃料が消耗されるにつれて、液化ガス貯蔵タンク内部の液化ガス燃料の水位が低くなり、上述した液化ガス貯蔵タンクの傾きが発生すると、上記液化ガス貯蔵タンク内部の液化ガス燃料を外部に供給するポンプユニットの流入管部が液化ガス燃料に浸漬されず、これから外れて液化ガス貯蔵タンクの空間に露出する問題が発生する。
【0007】
これにより、上記流入管部を介して気化した燃料ガスなどの気体が流入するようになり、液化ガス燃料が供給されるべきエンジンなどの構成に気体が流入して故障の原因となる。このような状況を防止するためには、運送機関のエンジンシステムを停止させる必要があるという問題がある。
【0008】
よって、液化ガス貯蔵タンクの容量を最大に活用できず、運航距離の損失、頻繁な燃料注入による時間損失、液化ガス貯蔵タンク内部に液化ガス燃料を常に一定深さ以上満たす必要性による船舶などの運送機関の重量が増加して、燃料消耗効率が低減するという限界が生じる。
【0009】
また、上記流入管部の一部が液化ガス燃料に浸漬されず、これから外れて液化ガス貯蔵タンクの空間に露出する場合、比較的高温の領域に露出するため、上記流入管部に液化ガス燃料が流入されても移送中に気化してエンジンなどの外部に伝達されるという問題が発生する。
【0010】
したがって、上述した問題を解決または改善するために、液化ガス貯蔵タンク及びこれを含む船舶に対する研究が必要となった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ポンプユニットの流入管部が液化ガス燃料に浸漬されず、これから外れて液化ガス貯蔵タンクの空間に露出する問題を防止する液化ガス貯蔵タンク及びこれを含む船舶を提供することを目的とする。
【0012】
他の側面では、本発明はポンプユニットの流入管部が液化ガス貯蔵タンクの気体で満たされた比較的高温の空間に露出する問題を防止する液化ガス貯蔵タンク及びこれを含む船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクは、液化ガスが貯蔵されるタンクユニット、上記タンクユニット内部に設けられ、上記タンクユニット内部に貯蔵された上記液化ガスを流入管部を介して吸引して外部に供給するポンプユニット及び上記液化ガスが流入されるが、排出されない逆流防止部が備えられ、上記流入管部の周りを囲むように備えられるインナーボックスユニットを含むことができる。
【0014】
また、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記逆流防止部は、上記インナーボックスユニットに備えられ、一方向のみに開閉されるように備えられる第1フリップドアを含むことができる。
【0015】
ここで、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記第1フリップドアは、上記インナーボックスユニットの上壁部または側壁部に少なくとも1つが備えられることを特徴とすることができる。
【0016】
具体的には、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記第1フリップドアは、一端部が上記インナーボックスユニットの開口部の一側にヒンジ結合され、他端部は上記インナーボックスユニットの内部面に引っかかるように延長して備えられ、弾性によって上記インナーボックスユニットに密着して移動することを特徴とすることができる。
【0017】
そして、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記逆流防止部は、上記インナーボックスユニットの外部と対面して配置され、第1フリップドアが備えられた延長流入端部と、上記インナーボックスユニットの内部に延長した延長排出端部が備えられる延長パイプを含むことができる。
【0018】
ここで、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記延長パイプは、中央部に上記延長流入端部よりも高さが低く配置されるが、上記延長排出端部よりは高さが高く配置される曲管状に形成されたことを特徴とすることができる。
【0019】
また、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記逆流防止部は、上記インナーボックスユニットの側壁部に配置され、外部と連通するラッパ管状に備えられ、内側端部に上記第1フリップドアが備えられた傾斜パイプを含むことができる。
【0020】
そして、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記逆流防止部は、上記インナーボックスユニットの外側に延長した差圧流入端部と、上記インナーボックスユニットの内部に延長して、上記差圧流入端部よりも低い高さで配置された差圧排出端部が備えられた差圧パイプを含むことができる。
【0021】
さらに、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの少なくとも上記流入管部と接触するように備えられ、内部に上記液化ガスが収容される低温維持ユニットを含むことができる。
【0022】
ここで、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記低温維持ユニットは、上記流入管部が挿入されて上記インナーボックスユニットの内部と連通するように備えられ、上記流入管部と接触される挿入シリンダ部を含むことができる。
【0023】
具体的には、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記挿入シリンダ部は、上記流入管部と接触する内管部及び上記内管部と一定間隔離隔して上記液化ガスを収容し、一端部が上記内管部と結合される外管部を含むことができる。
【0024】
また、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記挿入シリンダ部は、上記インナーボックスユニットの外側に延長して上向に延長し、上端部が開放された形態であることを特徴とすることができる。
【0025】
そして、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記低温維持ユニットは、上記挿入シリンダ部の上端部と連通され、上記インナーボックスユニットの上壁部または上記インナーボックスユニットの上壁部及び側壁部に延長し、上記液化ガスが内部に流入されるように一方向のみに開閉する第2フリップドアが備えられる二重壁部を含むことができる。
【0026】
さらに、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記インナーボックスユニットは、上記タンクユニット内部に備えられる支持部材と少なくとも一側壁部を共有することを特徴とすることができる。
【0027】
ここで、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンクの上記インナーボックスユニットは、上記支持部材間に結合される側壁部が上壁部よりも上側に延長して備えられたことを特徴とすることができる。
【0028】
本発明の他の実施例に係る船舶は、上記液化ガス貯蔵タンク及び上記液化ガス貯蔵タンクが設けられ、駆動力を提供するエンジン部を含む船体を含むことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の液化ガス貯蔵タンク及びこれを含む船舶は、ポンプユニットの流入管部が液化ガス燃料に浸漬されず、これから外れて液化ガス貯蔵タンクの空間に露出する問題を防止することができる利点がある。
【0030】
他の側面では、本発明の液化ガス貯蔵タンク及びこれを含む船舶は、ポンプユニットの流入管部が液化ガス貯蔵タンクの気体で満たされた比較的高温の空間に露出する問題を防止することができる利点がある。
【0031】
これにより、液化ガス燃料が供給されるべきエンジンなどの構成に気体が流入して故障する問題を防止し、船舶の移動中にエンジン部が停止する問題を防止することができる効果がある。
【0032】
また、液化ガス貯蔵タンクの容量を最大限に活用でき、これによる運航距離の増加、頻繁な燃料注入による時間損失の防止、液化ガス貯蔵タンク内部に液化ガス燃料が常に一定深さ以上に満たされる必要があることによる船舶の重量増加によって燃料消耗効率が低減される問題を改善できる効果がある。
【0033】
但し、本発明の多様でありながらも有意義な利点及び効果は、上述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程で、より容易に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の液化ガス貯蔵タンクを示した正面図である。
【
図2】本発明の液化ガス貯蔵タンクが傾いた状態を示した正面図である。
【
図3】本発明の液化ガス貯蔵タンクのインナーボックスユニットの部分を示した正面図及び平面図である。
【
図4】本発明の液化ガス貯蔵タンクのインナーボックスユニットに第1フリップドアが上壁部に1つ備えられた実施例を示した正面図及び平面図である。
【
図5】本発明の液化ガス貯蔵タンクのインナーボックスユニットが支持部材及び側壁部を共有する実施例を示した正面図及び側面図である。
【
図6】本発明の液化ガス貯蔵タンクのインナーボックスユニットの側壁部が延長部を形成した実施例を示した正面図である。
【
図7】本発明の液化ガス貯蔵タンクのインナーボックスユニットに差圧パイプが備えられた実施例を示した正面図である。
【
図8】本発明の液化ガス貯蔵タンクのインナーボックスユニットに延長パイプが備えられた実施例を示した正面図である。
【
図9】本発明の液化ガス貯蔵タンクのインナーボックスユニットの側壁部に第1フリップドアが複数個備えられた実施例を示した正面図である。
【
図10】本発明の液化ガス貯蔵タンクのインナーボックスユニットに傾斜パイプが側壁部に備えられた実施例を示した正面図である。
【
図11】本発明の液化ガス貯蔵タンクに低温維持ユニットが備えられた実施例を示した正面図である。
【
図12】本発明の液化ガス貯蔵タンクの低温維持ユニットが側壁部まで延長した実施例を示した正面図である。
【
図13】本発明の液化ガス貯蔵タンクの低温維持ユニットに挿入シリンダ部のみが備えられた実施例を示した正面図である。
【
図14】本発明の液化ガス貯蔵タンク及びこれを含む船舶を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0036】
さらに、本明細書における単数の表現は、文脈上明らかに別のものを意味しない限り、複数の表現を含み、明細書全体にわたって同一の参照符号または類似した方式で付与された参照符号は、同一の構成要素または対応する構成要素を称するものとする。
【0037】
本発明は、液化ガス貯蔵タンク1及びこれを含む船舶に関するものであり、インナーボックスユニット300がポンプユニット200の流入管部210を囲みながら液化ガスLが流入されるが、排出されない逆流防止部310を備えることによって、上記流入管部210が液化ガスLの燃料に浸漬されず、これから外れて液化ガス貯蔵タンク1の空間に露出する問題を防止することができ、他の側面において、低温維持ユニット400を含むことによって上記流入管部210が液化ガス貯蔵タンク1の気体で満たされた比較的高温の空間に露出する問題を防止するようになる。
【0038】
これによって、液化ガスLの燃料が供給されるべきエンジンなどの構成に気体が流入して故障する問題を防止し、船舶の移動中にエンジン部2aが停止する問題を防止することができ、さらに液化ガス貯蔵タンク1の容量を最大限に活用することができ、これによる運航距離の増加、頻繁な燃料注入による時間損失の防止、船舶の重量増加によって燃料消耗効率が低減する問題を改善できるようになる。
【0039】
具体的に図面を参照して説明すると、
図1は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1を示した正面図であり、
図2は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1が傾いた状態を示した正面図であり、
図3は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1のインナーボックスユニット300の部分を示した正面図及び平面図であり、
図4は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1のインナーボックスユニット300に第1フリップドア311が上壁部320に1つ備えられた実施例を示した正面図及び平面図であり、
図9は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1のインナーボックスユニット300の側壁部330に第1フリップドア311が複数個備えられた実施例を示した正面図である。
【0040】
上記図面を参照すると、本発明の一実施例による液化ガス貯蔵タンク1は、液化ガスLが貯蔵されるタンクユニット100、上記タンクユニット100の内部に設けられ、上記タンクユニット100の内部に貯蔵された上記液化ガスLを流入管部210を介して吸引して外部に供給するポンプユニット200及び上記液化ガスLが流入されるが、排出されない逆流防止部310が備えられ、上記流入管部210の周りを囲むように備えられるインナーボックスユニット300を含むことができる。
【0041】
このように、本発明の液化ガス貯蔵タンク1は、ポンプユニット200の流入管部210の周りを囲むように備えられ、その内部に液化ガスLを一方向(one-way)に収容することで、上記タンクユニット100の内部に液化ガスLの燃料が用いられるにつれて水位が低くなるか、船舶などの傾き(sloshing)による液化ガス貯蔵タンク1の傾きによって液化ガスLの燃料が一側に偏っても、上記流入管部210の周りを液化ガスLの燃料で満たすことができる。
【0042】
これにより、液化ガスLの燃料が供給されるべきエンジンなどの構成に気体が流入して故障する問題を防止し、船舶の移動中にエンジン部2aが停止される問題を防止することができ、さらに液化ガス貯蔵タンク1の容量を最大限に活用することができ、これによる運航距離の増加、頻繁な燃料注入による時間損失の防止、船舶の重量増加によって燃料消耗効率が低減される問題を改善できるようになる。
【0043】
上記タンクユニット100は、液化天然ガス(LNG)または液化石油ガス(LPG)などの極低温の液化ガスLなどが貯蔵されることができる構成であり、一般的に船舶の船体2などに結合されて提供されることができる。
【0044】
ここで、上記液化ガスLが貯蔵される場合には、タンクユニット100の外面に断熱材が結合されて、上記液化ガスLの断熱を確保することもできる。
【0045】
また、上記タンクユニット100は、内部高圧の液化ガスLを貯蔵するために、内部に支持部材110が備えられることができ、このような支持部材110は上記タンクユニット100の円周方向にリング状に備えられることができる。一例として、上記支持部材110は、中央に孔が形成されたディスクの形態で備えられることができる。
【0046】
上記ポンプユニット200は、上記タンクユニット100の内部の液化ガスLの燃料を外部に伝達する役割を果たす。
【0047】
但し、上記ポンプユニット200が上記液化ガスLの燃料を外部に伝達するためには、上記ポンプユニット200の流入管部210が上記液化ガスLに浸漬されて提供される必要があるが、スロッシング現象が発生する場合、従来には、上記流入管部210が液化ガスLの燃料に浸漬されず、これから外れて液化ガス貯蔵タンク1の気体空間に露出する問題があったが、本発明は上記インナーボックスユニット300を備えることによって、このような問題を改善することができた。
【0048】
ここで、上記流入管部210は、上記タンクユニット100の上面部を貫通して外部と連結されて上記タンクユニット100の内部に延長するか、上記タンクユニット100の底部を貫通して外部と連結されて上記タンクユニット100の内部に延長することができ、また、上記タンクユニット100の側壁部を貫通して外部と連結されて上記タンクユニット100の内部に延長することもできる。
【0049】
上記インナーボックスユニット300は、上記流入管部210の周りを上記液化ガスLの燃料で満たす役割を果たす。このために、上記インナーボックスユニット300は、上記流入管部210の周りを囲む容器形態で備えられ、上記液化ガスLが流入されるが、排出されない逆流防止部310を含むようになる。
【0050】
このような逆流防止部310の一例としては、一方向のみに開くフリップ形態の第1フリップドア311があることができる。
【0051】
すなわち、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記逆流防止部310は、上記インナーボックスユニット300に備えられ、一方向のみに開閉するように備えられる第1フリップドア311を含むことができる。
【0052】
換言すると、上記第1フリップドア311は、上記インナーボックスユニット300の開孔された領域を密閉するが、上記液化ガスLは、流入される方向には開放されて動くように構成されることができる。
【0053】
具体的には、本発明の一実施例による液化ガス貯蔵タンク1の上記第1フリップドア311は、一端部が上記インナーボックスユニット300の開口部の一側にヒンジ結合され、他端部は、上記インナーボックスユニット300の内部面に引っかかるように延長して備えられ、弾性によって上記インナーボックスユニット300に密着して移動することを特徴とすることができる。
【0054】
すなわち、上記インナーボックスユニット300の内部から外部に上記液化ガスLを移動させるために上記第1フリップドア311を押すと、上記インナーボックスユニット300の開孔された領域を閉じるように液化ガスLが移動し、第1フリップドア311がこれ以上回動して外部に開放されるように駆動されないのに対し、上記インナーボックスユニット300の外部からその内部に上記液化ガスLを移動させるために、上記第1フリップドア311を上記インナーボックスユニット300の内側に押すと、回動して開放されるように駆動される。
【0055】
このとき、上記第1フリップドア311は、外側に弾性力が作用するばね部材などが上記インナーボックスユニット300とヒンジ結合された一端部に備えられることができる。
【0056】
ここで、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記第1フリップドア311は、上記インナーボックスユニット300の上壁部320または側壁部330に少なくとも一つが備えられることを特徴とすることができる。
【0057】
すなわち、上記インナーボックスユニット300に液化ガスLが流入される開孔された開口部は、上記インナーボックスユニット300の上壁部320だけでなく、側壁部330にも形成されることができ、その個数は単数または複数である。このように、上記上壁部320及び上記側壁部330の少なくとも一つに形成された開口部には、上記第1フリップドア311が設けられて、上記液化ガスLが上記インナーボックスユニット300のみに収容されるように構成することができる。
【0058】
さらに、上記インナーボックスユニット300は、上記第1フリップドア311が閉じられた状態では上記流入管部210の周りを密閉するように構成されるが、このような場合には、上記インナーボックスユニット300の内部の液化ガスLが温度上昇などによって気化されるとき、密閉領域で気化するため、一定量以上気化できなくなる。これにより、上記液化ガスLの気化問題を改善することができるようになる。
【0059】
図5は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1のインナーボックスユニット300が支持部材110及び側壁部330を共有する実施例を示した正面図及び側面図であり、
図6は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1のインナーボックスユニット300の側壁部330が延長部330aを形成した実施例を示した正面図である。
【0060】
上記図面を参照すると、本発明の一実施例による液化ガス貯蔵タンク1の上記インナーボックスユニット300は、上記タンクユニット100の内部に備えられる支持部材110と少なくとも一側壁部330を共有することを特徴とすることができる。
【0061】
これにより、上記インナーボックスユニット300が備えられるにつれて、上記液化ガス貯蔵タンク1の重量が増加する問題を改善することができる。
【0062】
さらに、上記タンクユニット100に結合された支持部材110と一体に備えられるため、上記インナーボックスユニット300の結合力をさらに高めることができる。
【0063】
ここで、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記インナーボックスユニット300は、上記支持部材110の間に結合される側壁部330が上壁部320よりも上側に延長して備えられたことを特徴とすることができる。
【0064】
すなわち、上記支持部材110に代替された側壁部330以外にさらに備えられた残りの側壁部330を上記上壁部320よりも上側にさらに延長した延長部330aを備えるように構成されることができる。
【0065】
これによると、上記タンクユニット100の内部の液化ガスLが揺れることによって流動する場合にも、上記インナーボックスユニット300の周りは、上記液化ガスLの流動に影響されないように防波部材の役割を果たすようになる。
【0066】
これにより、上記インナーボックスユニット300への上記液化ガスLの流入を安定して行うようになる。
【0067】
図7は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1のインナーボックスユニット300に差圧パイプ314が備えられた実施例を示した正面図であり、上記図面を参照すると、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記逆流防止部310は、上記インナーボックスユニット300の外側に延長した差圧流入端部314aと、上記インナーボックスユニット300の内部に延長し、上記差圧流入端部314aよりも低い高さで配置された差圧排出端部314bが備えられた差圧パイプ314を含むことができる。
【0068】
このように、上記逆流防止部310が上記差圧パイプ314を備えることによって、上記液化ガスLが上記インナーボックスユニット300に流入されるが、排出されないように構成することができる。
【0069】
すなわち、上記流入管部210の周りを囲むように設けられ、その内部に液化ガスLを一方向に収容することで、上記タンクユニット100の傾きによって液化ガスLの燃料が一側に偏っても上記流入管部210の周りを液化ガスLの燃料で満たすことができる。
【0070】
このような差圧パイプ314は、上記インナーボックスユニット300の外部に配置された差圧流入端部314aよりも上記インナーボックスユニット300の内部に配置された差圧排出端部314bがさらに低く位置することによる圧力の差異によって、上記液化ガスLが上記インナーボックスユニット300に移動させることができる。
【0071】
すなわち、上記差圧パイプ314の中央部の高さは考慮されず、上記差圧パイプ314の両端部の高さのみが上記液化ガスLの流動方向を決定するようになるが、上記差圧流入端部314aが上記差圧排出端部314bよりも高いため、上記液化ガスLは、上記差圧流入端部314aから上記差圧排出端部314bの方向に流動するようになる。
【0072】
図8は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1のインナーボックスユニット300に延長パイプ312が備えられた実施例を示した正面図であり、上記図面を参照すると、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記逆流防止部310は、上記インナーボックスユニット300の外部と対面して配置され、第1フリップドア311が備えられた延長流入端部312aと、上記インナーボックスユニット300の内部に延長した延長排出端部312bが備えられる延長パイプ312を含むことができる。
【0073】
すなわち、上記延長パイプ312は、上記延長流入端部312aに上記第1フリップドア311が備えられるため、上記液化ガスLを上記インナーボックスユニット300の内部に流動させるが、その外部には離脱できないように構成することができる。
【0074】
さらに、上記延長パイプ312は上記インナーボックスユニット300の内部に延長したため、上記インナーボックスユニット300の内部に収容された上記液化ガスLが上記延長排出端部312bから上記延長流入端部312aの方向に移動する経路を増加させることができる。これによって、上記インナーボックスユニット300の内部の液化ガスLが上記第1フリップドア311を介して外部に離脱する問題をさらに効果的に防止することができる。
【0075】
ここで、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記延長パイプ312は、中央部に上記延長流入端部312aよりも高さが低く配置されるが、上記延長排出端部312bよりは高さが高く配置される曲管状に形成されたことを特徴とすることができる。
【0076】
すなわち、上記延長パイプ312が一字状である場合よりも曲管状である場合に、上記液化ガスLの移動経路をさらに増加させることができ、より効果的な上記液化ガスLの離脱防止効果を有することができる。
【0077】
図10は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1のインナーボックスユニット300に傾斜パイプ313が側壁部330に備えられた実施例を示した正面図であり、上記図面を参照すると、本発明の一実施例による液化ガス貯蔵タンク1の上記逆流防止部310は、上記インナーボックスユニット300の側壁部330に配置され、外部と連通するラッパ管状に備えられ、内側端部313aに上記第1フリップドア311が備えられた傾斜パイプ313を含むことができる。
【0078】
すなわち、上記傾斜パイプ313も上記内側端部313aに上記第1フリップドア311が備えられるため、上記液化ガスLを上記インナーボックスユニット300の内部に流動させ、その外部には離脱できないように構成することができる。
【0079】
さらに、上記傾斜パイプ313は、上記内側端部313aから外側端部に向かうにつれて幅が大きくなるように構成されるが、これによると上記インナーボックスユニット300の内部に収容された液化ガスLは外部に離脱する際に比較的狭い領域を通る必要があるため、外部の離脱を防止する効果を高めることができ、上記インナーボックスユニット300の外部から上記インナーボックスユニット300の内部に液化ガスLを収容する場合には、比較的広い領域を通れば良いため、より容易に上記液化ガスLを収容できる効果がある。
【0080】
図11は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1に低温維持ユニット400が備えられた実施例を示した正面図であり、
図12は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1の低温維持ユニット400が側壁部330まで延長した実施例を示した正面図であり、
図13は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1の低温維持ユニット400に挿入シリンダ部410のみが備えられた実施例を示した正面図である。
【0081】
上記図面を参照すると、本発明の一実施例による液化ガス貯蔵タンク1の少なくとも上記流入管部210と接触するように備えられ、内部に上記液化ガスLが収容される低温維持ユニット400を含むことができる。
【0082】
すなわち、本発明の液化ガス貯蔵タンク1は、上記低温維持ユニット400を備えることによって上記流入管部210を低温に維持することができ、これによって上記流入管部210を介して移動される液化ガスLが温度上昇により気化する問題を防止することができる。
【0083】
すなわち、上記インナーボックスユニット300によって上記流入管部210の周りが上記液化ガスLで満たされることができるとしても、上記流入管部210を介してインナーボックスユニット300の内部に収容された液化ガスLが外部に排出されると、上記流入管部210の周りも比較的高温の気体領域を形成することができるが、このような場合に、上記流入管部210を介して移動される液化ガスLが気化する問題が発生する可能性があるため、上記低温維持ユニット400を備える。
【0084】
具体的には、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記低温維持ユニット400は、上記流入管部210が挿入されて上記インナーボックスユニット300の内部と連通するように備えられ、上記流入管部210と接触される挿入シリンダ部410を含むことができる。
【0085】
すなわち、上記低温維持ユニット400は、上記流入管部210の周りに接触し、内部に比較的低温の液化ガスLを収容している上記挿入シリンダ部410を含む。
【0086】
一例として、上記液化ガスLは液化天然ガス(Liquefied Natural Gas;LNG)または液化プロパンガス(Liquefied Propane Gas;LPG)などがあるが、上記液化天然ガスの場合は沸点が約-162℃であり、上記液化プロパンガスの場合には、沸点が約-50℃であるため、上記流入管部210をそれぞれ約-162℃、約-50℃に維持することができる。
【0087】
このために、上記挿入シリンダ部410は、内管部411、外管部412を含むことができる。本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記挿入シリンダ部410は、上記流入管部210と接触する内管部411及び上記内管部411と一定間隔離隔して上記液化ガスLを収容し、一端部が上記内管部411と結合される外管部412を含むことができる。
【0088】
ここで、上記内管部411は、上記流入管部210が挿入されて接触し、上記内管部411と上記外管部412との間には空間が形成されて上記液化ガスLを収容するようになる。
【0089】
すなわち、上記内管部411及び外管部412は、二重パイプ構造であり、下端部は互いに結合されて上記液化ガスLが抜け出すことなく、収容できる構造で構成される。
【0090】
また、このような挿入シリンダ部410は、その上端部が上記インナーボックスユニット300の外側に延長して上記インナーボックスユニット300よりも上層に位置するように構成され、上端部が開放された形態で構成されることによって、その内部に上記液化ガスLを収容し、上記流入管部210の周りを低温の環境に維持することができる。
【0091】
すなわち、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記挿入シリンダ部410は、上記インナーボックスユニット300の外側に延長して上向に延長し、上端部が開放された形態であることを特徴とすることができる。
【0092】
このような実施例の場合には、別途に上記挿入シリンダ部410の上端部に第1フリップドア311などを備えずに、上記液化ガスLを収容することができる。これについては、
図13を参照することができる。
【0093】
但し、上記挿入シリンダの上端部に一方向のみに液化ガスLを移動させる第1フリップドア311が備えられることができるとしたら、これを備えることもできる。
【0094】
そして、本発明の一実施例に係る液化ガス貯蔵タンク1の上記低温維持ユニット400は、上記挿入シリンダ部410の上端部と連通され、上記インナーボックスユニット300の上壁部320または上記インナーボックスユニット300の上壁部320及び側壁部330に延長し、上記液化ガスLが内部に流入するように一方向のみに開閉される第2フリップドア421が備えられる二重壁部420を含むことができる。
【0095】
このような二重壁部420は、上記流入管部210を低温環境に形成することに加え、上記インナーボックスユニット300の外側部を低温環境に形成することができる効果がある。
【0096】
これにより、上記インナーボックスユニット300の内部に収容された液化ガスLが高温環境に露出して気化する問題を改善することができる。
【0097】
換言すると、上記二重壁部420は、上記インナーボックスユニット300の上壁部320に備えられ、正面断面図から見たとき、「¬」形状に形成することができる。これについては、
図11を参照することができる。
【0098】
これによると、上記挿入シリンダ部410によって上記流入管部210を低温環境に維持させるために液化ガスLを配置させることに加え、上記インナーボックスユニット300の上壁部320を低温環境に維持させるために液化ガスLを配置させることもできる。
【0099】
また、上記二重壁部420は、上記インナーボックスユニット300の上壁部320及び側壁部330に備えられ、正面断面図から見たとき、「n」状に形成されることもできる。これについては、
図12を参照することができる。
【0100】
これによると、上記挿入シリンダ部410によって上記流入管部210を低温環境に維持させるために液化ガスLを配置させることに加え、上記インナーボックスユニット300の上壁部320及び側壁部330を低温環境に維持させるために液化ガスLを配置させることもできる。
【0101】
ここで、上記二重壁部420の内部に上記液化ガスLを収容するために、上記二重壁部420は、内部に空間が形成された二重板材であることができ、上記挿入シリンダ部410の外管部412と内管部411との間の空間と連通して連結されることができる。
【0102】
そして、上記二重壁部420の内部に上記液化ガスLを収容するために、上面部に第2フリップドア421が備えられ、上記二重壁部420の内部に上記液化ガスLを収容し、外側に移動することを防止するように構成されることができる。
【0103】
図14は、本発明の液化ガス貯蔵タンク1及びこれを含む船舶を示した側面図であり、上記図面を参照すると、本発明の他の実施例による船舶は、上記液化ガス貯蔵タンク1及び上記液化ガス貯蔵タンク1が設けられ、駆動力を提供するエンジン部2aを含む船体2を含むことができる。
【0104】
すなわち、上記船舶が上述した液化ガス貯蔵タンク1を含むことによって、上記タンクユニット100の内部に液化ガスLの燃料が用いられるにつれて水位が低くなったり、船舶などの傾き(sloshing)による液化ガス貯蔵タンク1の傾きによって液化ガスLの燃料が一側に偏っても、上記流入管部210の周りを液化ガスLの燃料で満たすことができるようになり、上記エンジン部2aに安定して液化ガスLを燃料として供給することができる。
【0105】
また、上記流入管部210の周りを低温環境に維持することによって、上記流入管部210を介して移動する液化ガスLの気化も防止することができる。
【0106】
これにより、液化ガスLの燃料が供給されるべきエンジンなどの構成に気体が流入して故障する問題を防止し、船舶の移動中にエンジン部2aが停止する問題を防止することができ、また液化ガス貯蔵タンク1の容量を最大限に活用することができ、これによる運航距離の増加、頻繁な燃料注入による時間損失の防止、船舶の重量増加によって燃料消耗効率が低減される問題を改善できるようになる。
【0107】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。