(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】色のグラデーションを有するブロー成形多層物品
(51)【国際特許分類】
B29C 49/22 20060101AFI20240226BHJP
B29C 49/06 20060101ALI20240226BHJP
B29C 45/16 20060101ALI20240226BHJP
B29C 45/77 20060101ALI20240226BHJP
B65D 23/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
B29C49/22
B29C49/06
B29C45/16
B29C45/77
B65D23/00 H
(21)【出願番号】P 2022541918
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(86)【国際出願番号】 US2021012602
(87)【国際公開番号】W WO2021142194
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-07
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドリー スコット ニューファース
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ジョセフ ホートン
(72)【発明者】
【氏名】アマンダ スーザン エールハルト
【審査官】関口 貴夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/075324(WO,A1)
【文献】特開2016-049638(JP,A)
【文献】特開昭53-014759(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 49/00-49/80
B29C 45/77
B65D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブロー成形多層物品であって、
内面及び外面を含む壁によって画定される中空本体と、
前記
中空本体からオリフィスまで延在するネックと、
前記中空本体の下端の基部と、を備え、
前記壁の少なくとも第1の部分が、
前記壁の前記外面及び前記内面を形成する2つのA層と、前記A層の間に位置するB層と、を含む、少なくとも3つの層を含み、
前記A層が、透明であり、かつ着色された染料又は顔料を含み、
前記B層が、効果顔料及び/又は不透明化顔料を含み、
前記A層及び前記B層が、熱可塑性樹脂を含み、
前記A層の厚さが、変化しており、
前記壁は、前記中空本体及び前記ネックの大部分にわたって、前記2つのA層と前記B層とを有し、
前記B層は、前記基部における前記B層の幅と比較して前記ネックにおいてより薄い幅を有し、
前記外面が、前記外面を形成する前記A層からの成分によって形成された軸方向の色のグラデーションを含む、ブロー成形多層物品。
【請求項2】
前記B層が、物品壁の全長にわたって延在し、前記B層が、可変厚さを含む、請求項1に記載のブロー成形多層物品。
【請求項3】
前記本体の前記外面が、光沢であり、本明細書に開示される光沢20°法に従って測定される場合、約65~約110GUの光沢20°を含む、請求項1又は2に記載のブロー成形多層物品。
【請求項4】
前記本体の前記外面の長さ及び/又は幅にわたって、表面粗さが実質的に同じである、請求項1~3のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項5】
前記物品が、ボトルであり、前記ネックが、内面及び外面を有する前記壁によって画定され、
前記ネックが、色のグラデーションを含まず、
前記ネックの前記外面の一部分が、A層を含み、前記ネックの前記外面の一部分が、B層を含む、請求項1~4のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項6】
前記物品が、不透明度試験方法に従って測定される場合、約70%~約95%の不透明度を有し、前記不透明度が、前記物品の長さにわたって25%未満だけ変化している、請求項1~5のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項7】
本明細書に開示される臨界垂直荷重法に従って測定される場合、前記物品が、100Nを超え
る臨界垂直荷重を有した、請求項1~6のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項8】
前記効果顔料が、真珠光沢顔料であり、前記効果顔料が、前記B層の約0.01重量%~10重量%を含む、請求項1~7のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項9】
前記壁が、本明細書に開示される局所壁厚法に従って測定される場合、約250μm~約1m
mの厚さを含み、壁パネルの平均厚さが、本明細書に開示される局所壁厚法に従って測定した場合、前記壁の長さにわたって50%未
満だけ変化している、請求項1~8のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項10】
前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリスチレン(PS)、ポリカルボナート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、グリコール修飾PCTコポリマー(PCTG)、シクロヘキサンジメタノール及びテレフタル酸のコポリエステル(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBCT)、アクリロニトリルスチレン(AS)、スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLPDE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~9のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項11】
前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)である、請求項1~10のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項12】
前記物品が、非シリンダ形状を有する、請求項1~11のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項13】
前記壁の前記外面が、前記A層の少なくとも85
%を含む、請求項1~12のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項14】
前記効果顔料又は不透明化顔料が、前記A層を通して視認可能である、請求項1~13のいずれかに記載のブロー成形多層物品。
【請求項15】
ブロー成形物品を製造するための方法であって、前記方法が、
a.予備的形成品を製造するための予備的形成品金型を提供するステップと、
b.溶融熱可塑性樹脂及び効果顔料及び/又は不透明化顔料を含むストリーム-bを、流量-bで前記予備的形成品金型に注入するステップと、
c.ストリーム-bの注入と同時に又は0.01~2秒内に、溶融熱可塑性樹脂を含むストリーム-aを、初期流量-aで前記予備的形成品金型に注入するステップと、
d.前記流量-aを加速して、流量-bよりも速くするステップと、
e.ストリーム-aをストリーム-bに吹き込み、ストリーム-bの外側に流すステップと、
f.冷却して、外面を含む予備的形成品を形成するステップであって、前記外面の少なくとも一部分が、前記色のグラデーションを作り出す凝固したストリーム-aを含む、ステップと、
g.前記予備的形成品をブロー成形して、請求項1~14のいずれか一項に記載の物品を形成するステップと、に従う、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、色のグラデーションを有するブロー成形物品に関し、より具体的には、色のグラデーション並びに他の視覚効果の生成を助ける効果顔料及び/又は不透明化顔料を含む少なくとも1つの層を有するブロー成形多層物品に関する。本発明はまた、そのような物品を製造するための予備的形成品に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、物品、特にブロー成形容器に入った毛髪製品及び美容製品を購入したいと考えており、これらの物品は、店の棚及び/又はウェブページ/アプリで独自的な及び/又は高級な外見を有することによって注目を集める。使用中、消費者は、物品の外見だけでなく、物品の機能、感触、及び完全性に感銘を受け続けることが重要である。
【0003】
豪華さと品質を含む、人目を引く物品を製造するには、物品に色のグラデーションを持たせることが望ましい場合がある。色のグラデーションが物品全体にわたっており、かつ物品の表面が光沢である場合、特に魅力的であり得る。光沢物品は、一般に、その表面から反射された光の程度を増強することができる滑らかな外面を有し得る(すなわち、鏡面反射率は、より滑らかな表面に対して比較的高い)。
【0004】
効果顔料と組み合わせた色のグラデーションは、物品に、つや、真珠光沢、ゆらめき、きらめき、及び/又は金属効果を与えることができる。効果顔料は、コーティング又はプラスチック樹脂などの媒体内に分散すると、そのプレートレット状構造並びに媒体内での配列に起因する、角度依存の光学的効果がある。更に、製品の充填ラインが消費者から隠されたままになるように、物品がユニットの容積全体に適切な不透明度を有することが望ましい場合がある。
【0005】
現在、着色されたコアの厚さを変えることで、単純で角度依存性のない色のグラデーションを有するいくつかのブロー成形品を製造することができる。しかしながら、このアプローチには、容積全体にわたって物品の不透明度を制御する能力がない。また、使用中、これらの物品は、薄くなることがあり、層が分離する(層間剥離)場合もある。層間剥離を緩和するアプローチには、層間の接着剤及び/又は層内の相溶化剤の組み込みが含まれる。この方法を使用して製造した物品はまた、標準のブロー成形品よりも多くのプラスチックを使用する傾向がある。
【0006】
また、所望の光学的効果を達成するために必要な顔料粒子の重量パーセント負荷は、大容量使い捨て包装の状況では困難であるので、効果顔料及び/又は不透明化顔料を大規模ブロー成形物品に組み込むことは高価になり得る。ブロー成形品内に分散されると、物品は一般に光沢が低く、曇りが高く、顔料の光学的外見の利点が減少する。理論に拘束されるものではないが、これは、物品の表面付近又は表面に露出される粒子の割合により、効果顔料粒子及び/又は不透明化顔料粒子が存在する場合、物品の外面が不均一になるためであると考えられる。
【0007】
光沢を高めるための1つの解決策は、予備的形成品及び得られる容器を製造することであり、ここで、内層は顔料を含み、外層は透明であり、着色剤を含むこともできる。これらの製品は、一般的に、2段階の方法(すなわち、様々な層を構成する材料が順次に導入される方法、例えば、様々な層が次のステップで互いに成形される同時成形/オーバーモールド、又は外層の材料が最初に金型キャビティに注入され、続いて内層の材料が続く2段階注入)によって製造される。しかしながら、本発明者らは、特定の場合において、そのような構築方法が、完成品の機械的抵抗の低下につながり得、そのため使用中に層が剥離することを観察した。
【0008】
効果顔料及び/又は不透明化顔料を用いて色のグラデーションを生成する1つの方法は、ブロー成形品にグラデーションを適用する(例えば、塗装又は印刷によって)ことである。しかし、このプロセスは、物品製造に複雑さ及び費用を加え、一般的に、ブロー成形物品の大量生産では維持できない。また、この方法で製造された容器は、充填、輸送、使用中に塗料/印刷物がはがれる可能性があるため、一般的に、耐久性が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、材料の層間剥離が緩和される、顔料を含む着色剤を代替材料中に組み込むことによる色のグラデーションを有するブロー成形物品が依然として必要とされている。更に、染料、顔料、並びに染料及び顔料の組み合わせを含む着色剤が材料に組み込まれている色のグラデーションを有するブロー成形物品が必要とされている。更に、材料に組み込まれた着色剤が、少なくとも1つの効果顔料及び/又は不透明化顔料を含む色のグラデーションを有するブロー成形物品が必要とされている。物品は、その容積全体にわたって高い不透明度を有することができる。物品は、いかなる接着剤も相溶化剤も使用しなくても層間剥離に対して耐性があり得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ブロー成形多層物品であって、内面及び外面を含む壁によって画定された中空本体と、本体からオリフィスまで延在するネックと、を備え、壁の少なくとも第1の部分が、壁の外面及び内面を形成する2つのA層と、A層の間に位置するB層と、を含む少なくとも3つの層を含み、A層が透明であり、かつ着色された染料又は顔料を含み、B層は効果顔料及び/又は不透明化顔料を含み、A層及びB層が、熱可塑性樹脂を含み、A層の厚さが変化しており、外面が、外面を形成するA層からの成分によって形成された軸方向の色のグラデーションを含む、ブロー成形多層物品。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書は、本発明の主題を具体的に指摘して明確に特許請求する特許請求の範囲をもって結論とするが、本発明は、添付図面と関連させた次の説明によってより容易に理解することができると考えられる。
【
図1】色のグラデーション及び光沢表面を有する物品の正面図である。
【
図2】色のグラデーション光沢表面を有する予備的形成品の断面図である。
【
図3】予備的形成品の断面の顕微鏡写真で撮影された写真である。
【
図4A】点Aにおける
図3の予備的形成品のセクションの顕微鏡検査で撮影された写真である。
【
図4B】点Bにおける
図3の予備的形成品のセクションの顕微鏡検査で撮影された写真である。
【
図4C】点Cにおける
図3の予備的形成品のセクションの顕微鏡検査で撮影された写真である。
【
図4D】点Dにおける
図3の予備的形成品のセクションの顕微鏡検査で撮影された写真である。
【
図4E】点Eにおける
図3の予備的形成品のセクションの顕微鏡検査で撮影された写真である。
【
図6A】
図5のボトルの底部付近の一部分のマイクロCTで生成された断面(x-y)スライスである。
【
図6B】
図5のボトルの上部付近の一部分のマイクロCTで生成された断面(x-y)スライスである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し、明確に請求する「特許請求の範囲」をもって結論とするが、本開示は、以下の記載からよりよく理解されるものと考えられる。
【0013】
色のグラデーションを有する、人目を引く物品は、容器及びボトルなどの中空体を有するブロー成形物品であり得、射出延伸ブロー成形(ISBM)のプロセスを介して作製することができる。
図1は、物品1の正面図であり、この例では、軸方向の色のグラデーション、及び光沢表面を有するボトルである。
【0014】
ブロー成形品は、物品の中空体を画定する壁を有することができる。壁は、ISBMにより接着剤なしで形成された複数の層を含むことができる。壁は、透明で着色され得るA層と、不透明化顔料又は効果顔料を含むことができるB層と、を含むことができる。壁が不透明化顔料及び/又は効果顔料を含む少なくとも1つの層を含むため、物品1は、容積全体にわたって不透明に見え得る。
【0015】
軸方向の色のグラデーションは、ISBMプロセスによって形成することができる。
図1のボトルでは、軸方向の色のグラデーションは、肩部31から基部11まで本体2にわたって延在し、本体2は、光沢外面を有することができる。光沢外面は、顔料がA層の間のB層に存在し得るため、金属及び/又はきらめきに見え得る。A層は、物品の多くの外面を形成し、B層は透明なA層を通して見ることができ、これは光沢及び深さを備えた外観を生成する。
図1では、軸方向の色のグラデーションは、物品の外面上に視認可能である明らかな遷移点(例えば、遷移線)を伴わない。この例では、壁の外面は、実質的にA層であり、透明であり、かつ着色され得る。いくつかの例では、外面は、A層とB層との両方によって形成することができ(肩部及び基部を除外する)壁の外面は、少なくとも80%のA層、代替的に少なくとも85%のA層、代替的に少なくとも90%のA層、代替的に少なくとも95%のA層、代替的に少なくとも97%のA層を含むことができる。別の例では、A層は、無色にすることができる。
【0016】
図1では、効果顔料を含むことができるB層は、一般に、透明なA層の間に位置することができる。
図1では、B層は不透明であり、かつボトル全体で高度の不透明度に寄与する。
【0017】
興味深いことに、A層が先細になる位置、遷移スポット、及び/又はフォークは、予備的形成品及びボトルが同じ製造プロセスに従って作製される場合であっても、変化し得る。この結果、各ボトルの外観は、わずかに異なり、各ボトルは、独自的であり、人目を引き、消費者にアピールする手作りの高級な外見を有することができる。
【0018】
別の例では、効果顔料及び/又は不透明化顔料を含むB層は、一般に壁の最も外側の層とすることができ、物品全体にわたって延在することができる軸方向の色のグラデーションを形成することができる。この実施例では、物品の外面は、真珠光沢であり得、これは、絹のようなソフトタッチ感触と共につや消し仕上げを有することができる。これは、ボトルの外面又はその付近に存在する効果顔料及び/又は不透明化顔料によって引き起こされる可能性がある。
【0019】
別の例では、色のグラデーションは、物品の一部分にわたって延在することができる。
【0020】
本明細書に記載されるブロー成形プロセスにより製造された物品及び各物品は、独自的であり得る。例えば、グラデーションは、一般的に、物品のうちのいずれにおいても同じではない。この独自性は、物品の人目を引く高級感な外観に寄与する。
【0021】
本明細書で使用するとき、「物品」は、消費者が使用するための個別のブロー成形中空物体、例えば、組成物を入れるのに好適な容器を指す。非限定的な例には、ボトル、ジャー、カップ、キャップ、バイアル、トトルなどが含まれ得る。物品は、貯蔵、包装、輸送/出荷、及び/又はその中の組成物容器を分配するために使用することができる。容器内に収容可能な非限定的な容積は、約10mL~約1000mL、約100mL~約900mL、約200mL~約860mL、約260mL~約760mL、約280mL~約720mL、約350mL~約500mLである。代替的に、容器は最大5L又は最大20Lの容量を有することができる。
【0022】
物品に含まれる組成物は、種々の組成物のいずれかであり得、洗剤(洗濯洗剤又は食器用洗剤など)、布地柔軟剤及び芳香増強剤(Downy(登録商標)Fresh Protectなど)、飲料及びスナックを含むがこれらに限定されない食品、紙製品(例えば、ティッシュ、ワイプ)、美容用組成物(例えば、化粧品、ローション、シャンプー、コンディショナー、ヘアスタイリング剤、デオドラント剤及び制汗剤、並びに顔、手、頭皮、及び身体を含む皮膚の洗浄、クリーニング、クレンジング、及び/又は角質ケアを含む、個人用クレンジング)、口腔ケア製品(例えば、練り歯磨き、マウスウォッシュ、デンタルフロス)、医薬品(解熱剤、鎮痛剤、鼻粘膜充血除去薬、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、サプリメント、下痢止め、プロトンポンプ阻害薬及び他の胸焼け治療薬、吐き気止めなど)などを含む。組成物は多くの形態を含むことができ、形態の非限定的な例には、液体、ゲル、粉末、ビーズ、固体バー、パック(例えば、Tide PODS(登録商標))、フレーク、ペースト、錠剤、カプセル、軟膏、フィラメント、繊維、及び/又はシート(トイレットペーパー、ティッシュペーパー、ワイプなどの紙シートを含む)が含まれ得る。
【0023】
物品は、製品、例えば、シャンプー及び/又はコンディショナーなどの液体製品を保持するためのボトルであり得る。
【0024】
本明細書で使用するとき、「ブロー成形」は、組成物を収容するのに好適な空洞を含む中空のプラスチック製品が形成される製造プロセスを指す。一般的には、押出ブロー成形(EBM)、射出ブロー成形(IBM)、及び成形射出延伸ブロー成形(ISBM)の3種類の主なブロー成形がある。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「色」には、例えば、白色、黒色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、スミレ色、茶色、及び/又は他の任意の色などの任意の色、及びこれらの彩度が低下した色調(declination)が含まれる。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「色のグラデーション」は、第1の領域及び第2の領域を有する着色領域を指し、着色された領域は、L*a*b*色空間における任意の連続関数を含む。グラデーションは、サンプル全体又はサンプルに沿った測定位置に対するL*、a*及び/又はb*値のいずれか又は全ての連続関数であり得る。
【0027】
本明細書で使用するとき、「エフェクト顔料」とは、2つの主要な顔料クラスのいずれか、「金属エフェクト顔料」及び「特殊エフェクト顔料」を意味する。金属効果顔料は、金属粒子のみで構成されている。金属効果顔料は、アプリケーションシステムで平行に配列されている場合、金属プレートレットの表面での光の反射によって金属のような光沢を生成する。特殊効果顔料には、「金属効果顔料」として分類できない他の全てのプレートレット状の効果顔料が含まれる。特殊効果顔料は、通常、マイカ、(天然又は合成)ホウケイ酸ガラス、アルミナフレーク、シリカフレークなどのプレートレット状の結晶(又は粒子)を有する基板に基づく。これらのプレートレット状粒子は、通常、金属酸化物でコーティングされている。
【0028】
本明細書で使用するとき、「不透明」とは、層の全視感透過率が50%未満であることを意味する。全視感透過率は、ASTM D1003に従って測定される。
【0029】
特殊効果顔料は、「真珠光沢顔料」(「真珠光沢顔料」とも称される)を含み得る。また、金属酸化物、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム及び他の酸化物を含む1つ又は複数の誘電性層で被覆されたマイカ又はガラスフレークなどの層状基材の使用に基づく、「干渉顔料」又は「真珠光沢顔料」も好適である。これらの顔料は、光の反射及び屈折の結果として真珠様光沢を示すことができ、金属酸化物層の厚さによっては、干渉色効果を示すこともできる。真珠光沢顔料の非限定的な例には、二酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、及びそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0030】
真珠光沢顔料を含む効果顔料は、Merck KGaA、Performance Materials、及びBASFなどの供給業者から市販されている。
【0031】
本明細書で使用するとき、「予備的形成品」は、予備的な、通常は不完全な成形又は成形を受け、通常は更に加工されて物品を形成するユニットである。通常、予備的形成品は、ほぼ「試験管」形状である。
【0032】
本明細書で使用するとき、「実質的に含まない」とは、3%未満、代替的に2%未満、代替的に1%未満、代替的に0.5%未満、代替的に0.25%未満、代替的に0.1%未満、代替的に0.05%未満、代替的に0.01%未満、代替的に0.001%未満、及び/又は代替的に含まないことを意味する。本明細書で使用するとき、「含まない」は0%を意味する。
【0033】
本明細書で使用するとき、「透明」とは、層の全視感透過率が50%以上であり、反射ヘイズが5ヘイズ単位未満であることを意味する。全視感透過率は、ASTM D1003に従って測定され、反射ヘイズは、ASTM E430に従って測定される。
【0034】
本明細書で使用するとき、用語「含む(include、includes、及びincluding)」は非限定的であることを意味し、それぞれ「含む(comprise、comprises、及びcomprising)」を意味すると理解される。
【0035】
全ての百分率、部及び比率は、別途指定されない限り、本発明の組成物の総重量に基づく。全てのこのような重量は、列挙された成分に関する場合、活性成分濃度に基づいており、したがって市販材料に含まれ得るキャリア又は副生成物を含まない。
【0036】
別段の注記がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在する場合のある不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0037】
本明細書の全体を通して与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、このようなより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体を通して与えられる全ての最小数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、かかるより大きい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体を通して与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれる、より狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0038】
量の範囲が記載される場合、これらは組成物中の当該成分の総量であり、又は成分定義の範囲に1種より多くが当てはまる場合、組成物中の、その定義に適合する全ての成分の総量であると理解されるべきである。例えば、組成物が1%~5%の脂肪族アルコールを含む場合、2%のステアリルアルコール及び1%のセチルアルコールを含み、かつ他の脂肪族アルコールは含まない組成物は、この範囲に収まるであろう。
【0039】
図1は、軸方向の色のグラデーションを含む色のグラデーションを有する物品1の正面図である。物品1は、本体2と、外面にねじ切り込み41及びオリフィス42を有するネック4と、物品の中空体に通じる開口部とを有する。他の例では、ネックは、ラグネック又はスナップビードネック仕上げとすることができる。本体は、下端に基部11を、上端に肩部31を有する。
図1の例では、色のグラデーションは、本体2の外面上に視認可能であり、かつ外面にわたって延在する。色のグラデーションは、基部付近の領域よりも肩部付近の領域で暗くなる。外面は光沢であり得る。
【0040】
図2は、色のグラデーションを有する予備的形成品100の断面図である。予備的形成品は、底部中央にゲート刻印112を有する半球状エンドキャップ111により下端が閉じられたシリンダ状本体120、並びに外周壁にねじ切り込み141を有し、ネック140及び本体120の境界につば状ネックリングを有するシリンダ状ネック140を有する。
【0041】
図2では、断面図はまた、予備的形成品の壁150によって画定された中空体125を示している。壁150は、内面151及び外面152を有する。予備的形成品のネック及び本体の少なくとも一部分では、壁150は複数の層を有することができる。
図2では、壁150は、本体120及びネック140の大部分にわたって、少なくとも2つのA層(例えば、151及び152)と、1つのB層(例えば、153)と、を有する。
図2に見られるように、A層は、内面151及び外面152の大部分を形成する。A層は、予備的形成品の上部/ネック141付近で最も厚く、それらがエンドキャップ111に向かって予備的形成品本体120の下方に延在するにつれて先細になり、これにより色のグラデーションが生成される。
【0042】
図2では、A層は、基部に至るまでほぼ全面的に外面上に視認可能である。しかしながら、
図1に遷移スポット15で示されるように、B層が外面を含み、ブローされた物品の外面を含むことになる一部分が依然として存在する。また、本発明者らは、A層が滑らかで均一に先細になるのではなく、遷移スポットで又はその付近でフォーク状になり、そうでなければ不規則的であり得ると考える理由を有している。フォーク状は、A層がしばしば壁の断面において細いストリームとして現れる追加のフォーク状に接合得る、製造プロセスに起因して発生し得る。フォーク状は、拡大した場合にのみ視認可能であり、いくつかの例では、フォーク状は、拡大を伴わずに視認者に視覚的に知覚可能であり得る。
【0043】
いくつかの例では、A層は、エンドキャップ111までずっと延在することができる。これらの実施例では、色のグラデーションは、物品の全長にわたって延在することができ、物品全体は光沢を有することができる。また、遷移スポットのようなフォーク及び視覚的不規則性は、製品が店舗棚、ウェブサイト、又はアプリに表示されるときに、基部にあり、消費者には視認可能ではない。
【0044】
いくつかの例では、A層及びB層は逆であり、B層は外面の一部分を形成し、いくつかの実施例では、ネックから基部又はその付近までの外面を形成する。この例では、B層は先細であり、かつ色のグラデーションを形成している。この例では、容器は、光沢のある代わりに真珠光沢とすることができる。このボトルを形成するために、A層及びB層はまた、予備的形成品内で逆にすることもできる。
【0045】
更に別の例では、A層又はB層のうち、いずれかが色のグラデーションを形成するものが、基部で最も広く、ネックに向かって又はネックで先細になり、これにより、色のグラデーションの上部(例えば、肩部付近)がグラデーションの下部(例えば、基部付近)よりも明るい最終物品をもたらすことができる。
【0046】
多層構造は、ISBMによって接着剤なしに(又は接着剤を実質的に含まずに)形成され得る。
【0047】
B層は、効果顔料及び/又は不透明化顔料を含むことができる。
【0048】
A層は、透明にすることができ、顔料又は可溶性染料を含むことができる。顔料又は染料は、着色することができる。代替的に、A層は、無色にすることができる。A層は、顔料及び/又は最大寸法が約150nmより大きいか、若しくは約150nm~5000nmである粒子を含まないか、又は実質的に含まなくてもよい。
【0049】
代替的に、A層は顔料を含むことができ、顔料の屈折率(波長に依存する)とマトリックスの屈折率との差が低いマトリックス中に顔料が存在することができるため、又は顔料の粒子サイズが、ミー散乱が生じるサイズよりも小さい(通常は、約100nm以下の最大粒子寸法である)場合には、A層は、依然として透明であり得る。不透明吸収顔料の層の含有量が十分に小さい場合、A層は不透明吸収顔料を含むことができ、それでも透明であり得る。
【0050】
最終物品において、B層は、B層の約0.01重量%~約10重量%、代替的に約0.5重量%~約7.5重量%、代替的に約1重量%~約5重量%の顔料を含むことができる。
【0051】
最終物品の平均壁厚は、約200μm~約5mm、代替的に約250μm~約2.5mm、代替的に約300μm~約2mm、代替的に約350μm~約1.5mm、代替的に約375μm~約1.4mmであり得る。平均壁厚は、後述する局所壁厚法を使用して判定することができる。平均壁厚は、容積全体で20%未満、代替的に15%未満、代替的に10%未満、代替的に10%未満だけ変化し得る。
【0052】
A層の厚さとB層の厚さの比率が物品の長さにわたって変化し得、層の数とフォークの量が変化しても、平均局所壁厚は、物品の本体全体で実質的に均一になる。ネック近く付近の本体の壁に沿った点におけるA層の厚さとB層の厚さの比率は、約0.4~約2.5、代替的に約1~約2であり得る。ネック付近の本体の壁に沿った点におけるA層の厚さとB層の厚さの比率は、1:1超、代替的に3:2超、代替的に2:1超であり得る。基部付近の本体の壁におけるA層の厚さとB層の厚さの比率は、約2~約25、代替的に約5~約25、代替的に約10~約25、代替的に約15~約25であり得る。基部付近の本体の壁におけるA層の厚さとB層の厚さの比率は、1:1未満、代替的に3:5未満、代替的に1:5未満であり得る。
【0053】
本発明による物品において、B層中の効果顔料粒子は、それらの表面が物品の表面に平行になるように、主に配向することができることが見出された。理論に拘束されるものではないが、配向されていないプレートレットに対する配向されたプレートレットの比が高いのは、A層の間に挟まれたB層よりも厚い(物品の同等の機械的強度において)物品壁全体に効果顔料が分散される単層物品において、各ストリーム間の界面が、同様の位置に対してより高い剪断を受けるという事実を含む要因の組み合わせに起因し得ると考えられている。単層物品では、粒子は高剪断領域に集中しにくいため、射出成形プロセス中に360°回転する、より自由な空間が多くなるが、多層物品では、B層は、物品壁の全ての厚さの一部を表すため非常に薄いので、射出成形及び延伸ステップは、プレートレット状顔料粒子の割合がより大きい、より最適な配向をもたらす。
【0054】
更に、プレートレット効果顔料が物品の表面と平行に配向する傾向は、物品が不規則的な形状である場合でも持続することが見出された。したがって、物品の形状は、視認されているときの物品の配向に依存して、物品を視認している人の視点から物品が生成する視覚効果を修正するために、更に使用することができる。
【0055】
物品は、物品の長さの少なくとも一部分に沿って、及びいくつかの例では物品の全長に沿って延在する色のグラデーションを含むことができる。色のグラデーションは、物品の外面を視認する視認者にとって視覚的に知覚可能であり得る。色のグラデーションは、暗い強度からより明るい強度まで、又はその逆に延在することができる。加えて、又は代替的に、物品は、物品の長さに沿った2つ以上の色のグラデーション、例えば、暗から明へのグラデーション、続いて明から暗へのグラデーション、続いて更なる暗から明へのグラデーションなどを含むことができる。色のグラデーションは、第1の色から第2の色まで延在することができる。一例では、色のグラデーションは、白色から第2の色、又はその逆に延在することがする。別の例では、色のグラデーションは、暗い青色であり、より明るい青色又はティール色に遷移する。
【0056】
色のグラデーションは、視認者に「視覚的に知覚可能」であり得る。「視覚的に知覚可能」とは、標準的な100ワットの白熱電球の照度に少なくとも相当する照明の下で、0.25メートルの距離から、人の視認者が、肉眼(近視、遠視を矯正するために適した標準的な矯正レンズを除く、又は正視、又は他の矯正された視力)でグラデーションを視覚的に認識することができることを意味する。
【0057】
グラデーションは、例えば、白色、黒色、赤色、オレンジ色、黄色、緑色、青色、スミレ色、茶色、銀色、金色、及び/又は他の任意の色、又はそれに近いなど、任意の好適な色を含むことができる。特定の実施形態では、グラデーションは、青色から白色、より暗い青色からより明るい青色、ピンク色から白色、より暗いピンク色からより明るいピンク色、紫色から白色、より暗い紫色からより明るい紫色、赤色から白色、より暗い赤色からより明るい赤色、金色から白色、より明るい金色からより暗い金色、黄色から白色、より明るい黄色からより暗い黄色、緑色から白色、より明るい緑色からより暗い緑色、青色から紫色、ピンク色から紫色、又は任意の他の好適な構成のグラデーションであり得る。
【0058】
色のグラデーションは、長さ又はグラデーションに沿ったΔE値によって識別でき、数学的には次式で表される。
ΔE*=[(L*
X-L*
Y)2+(a*
X-a*
Y)2+(b*
X-b*
Y)2]1/2
「X」は第1の測定ポイントを表し、「Y」はグラデーションに沿った2番目の測定ポイントを表す。
【0059】
本明細書でグラデーションを定義するために利用されるカラースケール値は、CIE LABスケールである。測定は、ハンター色反射率計によってなされる。このシステムの完全な技術的説明は、R.S.Hunter,’photoelectric color difference Meter’,Journal of the Optical Society of America,Vol.48,pp.985-95,1958による記事に見出すことができる。ハンター尺度による色の測定のために特に設計された装置が、米国特許第3,003,388号(Hunterら、1961年10月10日発行)に記載されている。一般に、ハンター色「L」スケール値は光反射率測定の単位であり、より明るい色で着色された材料はより多くの光を反射するので、値が高いほど色は更に明るい。具体的には、Hunter Colorシステムでは、「L」スケールは、100の等しい単位区分を含む。絶対的な黒色が、スケールの最低値(L=0)であり、絶対的な白色が、スケールの最高値(L=100)である。したがって、本発明による物品のハンターカラー値を測定する際、「L」スケール値が低い程、材料は暗くなる。本明細書中の物品は、本明細書中で定義されるLハンター値が満たされることを条件として、任意の色であり得る。このシステムに従って色を定義する際、L*は明るさを表し(0=黒色、100=白色)、a*及びb*は各々独立して2つの色軸を表し、a*は赤色/緑色軸(+a=赤色、-a=緑色)を表し、b*は黄色/青色軸(+b=黄色、-b=青色)を表す。
【0060】
色のグラデーション全体で測定する際、例えば、グラデーションの上部、グラデーションの中央付近、グラデーションの底部で測定する際、L*、a*、b*の値が変化する。いくつかの例では、色によっては、値は増加し、他の場合には、値は減少する。
【0061】
色のグラデーションは、物品の任意の好適な位置で提供することができる。色のグラデーションは、物品の基部から肩部まで、又は物品の基部からネックまで延在することができる。代替的に、色のグラデーションは、物品の長さの一部分のみに沿って延在することができる。代替的に、一連の色のグラデーションを物品の長さに沿って提供することができる。このようなグラデーションは、連続的であり得、別個であり得る。更に、色のグラデーションは、物品の外周の任意の好適な量、例えば物品の外周の一部分、又は物品の実質的に全周の周りに延在することができる。
【0062】
人が視覚的に知覚できるように、物品は不透明に見える場合がある。物品は不透明に見える場合があるが、不透明度は、後述する不透明度試験方法に従って測定した場合、ボトル全体で変化し得る。
【0063】
%不透明度は、約55%~約100%、代替的に約60%~約98%、代替的に約65%~約97%であり得る。%不透明度は、約70%~約100%、代替的に約72%~約99%、代替的に約74%~約97%、代替的に約80%~約96%であり得る。%不透明度は、50%超、60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、及び90%超であり得る。不透明度は、後述する不透明度試験方法で測定される。
【0064】
最も不透明な領域から最も不透明でない領域への不透明度の変化率%は、30%未満、代替的に25%未満、代替的に22%未満、代替的に20%未満であり得る。不透明度は、不透明度試験方法に従って、グラデーションにわたって変化し得る。代替的に、不透明度は、長さ及び/又は幅の物品にわたって実質的に同じであり得る。
【0065】
物品は、光沢外面を有することができる。本体の外面の長さ及び/又は幅にわたる光沢20°の変化は、実質的に同じであり得る。光沢は、本体の外面の長さ及び/又は幅にわたって20GU未満、代替的に15GU未満、代替的に10GU未満、代替的に5GU未満、及び/又は代替的に2GU未満で変化し得る。
【0066】
物品は、65GU以上、68GU以上、70GU以上、71GU以上、73GU以上、及び/又は75GU以上の光沢20°の本体の外面上の位置を有することができる。物品は、約65GU~約110GU、約68~約100GU、約69~約95GU、約70GU~約90GU、及び/又は75GU~約85GUの光沢20°の本体の外面上の位置を有することができる。
【0067】
代替的に、物品は、本体の外面上に、15以下、12以下、10以下、8以下、7以下、及び/又は6以下の光沢20°の位置を有することができるつや消し/真珠光沢外面を有することができる。物品は、約2~約13、約4~約9、及び/又は約5~約8の光沢20°の位置を有することができるつや消し/真珠光沢外面を有することができる。
【0068】
光沢20°は、後述する光沢20°法に従って測定され得る。最高GU及び最低GUは、以下のように判定することができる。サンプルパネルは、後述するように物品から取り外される。光沢20°は、サンプルパネルの長さに沿って10mm毎に行われる。変化は、測定された最高値から測定された最低値を差し引くことによって計算される。
【0069】
物品は、表面粗さを有する外面を有する本体を有することができる。本体の外面の長さ及び/又は幅にわたる表面粗さの変化は、実質的に同じであり得る。表面粗さは、20μin(0.508μm)未満、代替的に18μin(0.4572μm)未満、代替的に10μin(0.254μm)未満、代替的に5μin(0.127μm)未満、3μin(0.0762)、及び/又は2μin(0.0508)未満であり得る。
【0070】
本体の外面は、8μin(0.2032μm)未満、5μin(0.127μm)、3μin(0.0762)未満、及び/又は2μin(0.0508)未満の表面粗さを有する位置を有することができる。物品の表面は、約0.5μin(0.0127μm)~約4μin(0.1016μm)、約0.75μin(0.01905μm)~約3.5μin(0.0889μm)、約1μin(0.0254μm)~約3.25μin(0.08255μm)、約1μin(0.0254μm)~約3μin(0.0762μm)、及び/又は約1.25μin(0.03175μm)~約3μin(0.0762μm)の表面粗さを有する位置を有することができる。
【0071】
本体の外面は、25μin(0.635μm)超、28μin(0.7112μm)超、30μin(0.762μm)超、31μin(0.7874μm)超、及び/又は32μin(0.8128μm)超の表面粗さを有する位置を有することができる。物品の表面は、約20μin(0.508μm)~約42μin(1.0668μm)、約25μin(0.635μm)~約40μin(1.016μm)、約28μin(0.7112μm)~約38μin(0.9652μm)、及び/又は約30μin(0.762μm)~約36μin(0.9144μm)の表面粗さを有する位置を有することができる。
【0072】
粗さは、後述する表面粗さ測定方法に従って測定できる。最高表面粗さ及び最低表面粗さは、以下のように決定できる。サンプルパネルは、後述するように物品から取り外される。表面粗さの測定は、サンプルパネルの長さに沿って10mm毎に行われる。変化は、測定された最高値から測定された最低値を差し引くことによって計算される。
【0073】
更に、本明細書に記載される物品は、単層及び多層物品を含む他の物品と比較して、層間剥離を受けにくい。層間剥離は、ボトル及び容器などのブロー成形多層中空物品の製造における一定の問題である。層間剥離は、容器の機械的取り扱い、熱応力又は機械的応力により、直ちに又は経時的に生じることがある。これは通常、容器表面の気泡(実際には、気泡のように見える、境界面での2つの層の分離である)として現れるが、容器の破損の原因となり得る。理論に拘束されるものではないが、本発明者らは、依然として溶融状態にあるか、又は部分溶融状態にある様々な層の材料が長期にわたって接触するため、平行流共射出は、層間に界面領域を形成し、これらの層はわずかに相互に浸透すると考えている。界面領域は、層間の良好な接着を生成し、したがって、それらを分離することは非常に困難となる。驚くべきことに、本発明による多層物品は、ステップ流共射出又はオーバーモールドを使用して製造された予備的形成品をブロー成形することによって得られる物品に関してだけでなく、単層予備的形成品から得られる物品に関しても、層間剥離に対する改良された耐性を有することも見出された。言い換えれば、界面層は、単層の実行に関して物品壁を更に強化するように思われる。層間剥離耐性は、後述するように、臨界垂直荷重を測定して評価される。より高い臨界垂直荷重は、より高い層間剥離耐性を示す。
【0074】
物品は、90N以上、95N以上、100N以上、104N以上、105N以上、110N以上、及び/又は120N以上の臨界垂直荷重を有することができる。物品は、約90N~約170N、代替的に約95N~約160N、代替的に約100N~約155N、代替的に約104N~約145Nの臨界垂直荷重を有することができる。臨界垂直荷重は、後述の方法を使用して、臨界垂直荷重によって測定することができる。
【0075】
一例では、A層及びB層は両方ともPETを含み、100Nを超える臨界垂直荷重を有することができる。しかし、PET/PEN、PET/COC(環状オレフィンコポリマー)、PET/ナイロン、PET/再生PET又はPET/LCPは、垂直荷重が低い場合がある。例えば、これらの例の垂直荷重は、20N超、30N.超、及び/又は40N超であり得る。代替的に、これらの例の垂直荷重は、約10N~約110N、約20N~約80N、約30N~約70N、代替的に約40N~約60Nであり得る。
【0076】
層間剥離抵抗は、後述する方法を使用して、臨界垂直荷重を測定して評価される。より高い臨界垂直荷重は、より高い層間剥離耐性を示す。
【0077】
本発明による物品及び予備的形成品は、通常、典型的に熱可塑性樹脂を含む熱可塑性材料から製造される。
【0078】
物品は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、グリコール修飾PCTコポリマー(PCTG)、シクロヘキサンジメタノール及びテレフタル酸のコポリエステル(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBCT)、アクリロニトリルスチレン(AS)、スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、又は、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLPDE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、プロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、液晶ポリマー(LCP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、のうちの1つのポリオレフィン及び、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される熱可塑性樹脂を、50重量%超、好ましくは70重量%超、より好ましくは80重量%超、更により好ましくは90重量%超含み得る。熱可塑性樹脂は、PET、HDPE、LDPE、PP、PVC、PETG、PEN、PS、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。一例では、熱可塑性樹脂は、PETであり得る。
【0079】
再生熱可塑性材料、例えば、消費者使用後再生利用ポリエチレンテレフタレート(PCRPET)、工業使用後再生利用ポリエチレンテレフタレート(PIRPET)、粉砕再生ポリエチレンテレフタレートもまた、使用され得る。
【0080】
本明細書に記載の熱可塑性材料は、再生可能資源由来のモノマーと、再生不能(例えば、石油)資源由来のモノマーとの組み合わせを使用することによって形成され得る。例えば、熱可塑性樹脂は、全てバイオ由来モノマーから製造されたポリマーを含み得るか、又は部分的にバイオ由来モノマーから製造され、部分的に石油由来モノマーから製造されたポリマーを含み得る。
【0081】
本明細書で使用される熱可塑性樹脂は、例えば、メタロセン触媒を使用することによって重合されたメタロセンPEなど、比較的狭い重量分布を有し得る。これらの材料は光沢度を改善し得るため、メタロセン熱可塑性樹脂の実施態様では、形成された物品は更に改善された光沢度を有する。しかしながら、メタロセン熱可塑性材料は汎用材料よりも高価になる場合がある。したがって、代替的な一実施形態では、物品は、高価なメタロセン熱可塑性材料を実質的に含まない。
【0082】
A層及びB層は、同じ種類の熱可塑性樹脂(PETなど)に基づくことができ、これにより、化学的適合性及びより堅牢な壁のために、界面における層のより良好な相互浸透を改善することができる。「同じ種類の樹脂に基づく」とは、A層及びB層が、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも90%、及び/又は少なくとも95%の同じタイプの樹脂を含むことができることを意味する。「同じ種類」の樹脂とは、同じ化学物質クラスの樹脂を意図しており、つまりPETは、単一の化学物質クラスと見なされる。例えば、分子量の異なる2つの異なるPET樹脂は、同じ種類であると見なされる。しかし、1つのPET樹脂及び1つのPP樹脂は同じ種類とは見なされない。異なるポリエステルも同じ種類とは見なされない。
【0083】
A層及びB層は、同じ熱可塑性樹脂(例えば、PET)によって形成することができ、添加される着色剤及び顔料(効果顔料及び/又は着色顔料を含む)の種類についてのみ異なり得る。
【0084】
物品は、様々な機能性を備えた1つ以上の副層を含むことができる。例えば、物品は、外側の熱可塑性層と内側の熱可塑性層との間に、バリア材料の副層又は再生材料の副層を有することができる。このような層状容器は、熱可塑性樹脂製造分野で使用される一般的な技術に従って、複数層の予備的形成品から製造することができる。バリア材料の副層及び再生材料の副層は、A層(特にA層の透明度に影響を与えない場合)又はB層又は追加のC層で使用できるためである。
【0085】
物品は、層の必要な特性が維持される限り、その層のいずれかにおいて、通常は物品の約0.0001重量%~約9重量%、約0.001%~約5重量%、及び/又は約0.01重量%~約1重量%の量で添加剤を含むことができる。添加剤の非限定的例としては、充填剤、硬化剤、帯電防止剤、潤滑剤、UV安定剤、酸化防止剤、粘着防止剤、触媒安定剤、核形成剤、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0086】
追加のグラデーション及び/又は視覚効果を生成することができる。例えば、A層又はB層は、黒色及び/又は着色吸収顔料を含むことができる。
【0087】
A層はまた、A層が依然として透明又は部分的に透明に見えるように、十分に小さい及び/又は十分に少量の効果顔料を含む効果顔料を含むこともできる。例えば、A層は、(例えば、輝き効果を生成するために)小さな粒子サイズを有する比較的少量の効果顔料、又は大きな粒子を有する更に少量の効果顔料を含むことができる。
【0088】
B層は、不透明化顔料(効果顔料に加えて、又はその代わりに)を含むことができる。不透明化顔料としては、乳白剤、不透明吸収顔料、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0089】
乳白剤の非限定的な例としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ、粘土、鉱物、及びそれらの組み合わせが挙げられる。乳白剤は、熱可塑性材料(例えば、ポリ(メチルメタクリラート)を含むことができるPET、シリコーン、液晶ポリマー(LCP)、ポリメチルペンテン(PMP)、空気、ガスなど)とは好適に異なる屈折率を有する任意のドメイン/粒子であり得る。更に、乳白剤は、下の層に透過される光の大部分をブロックする限り、光の散乱により白く見え、又は光の吸収により黒く見え、並びに層の間の陰影に見えることができる。黒色の不透明化顔料の非限定的な例としては、カーボンブラック、及びPaliogen(登録商標)Black L 0086(BASF社)などの有機黒色顔料が挙げられる。
【0090】
不透明吸収顔料は、それらがその中に存在する材料に色及び不透明度を提供する粒子を含むことができる。不透明吸収顔料は、無機又は有機粒子状材料であり得る。平均粒子サイズが十分に大きく、通常100nm超、代替的に500nm超、代替的に1μm超、代替的に5μm超の場合、全ての吸収顔料は不透明であり得る。吸収顔料は、有機顔料及び/又は無機顔料であり得る。有機吸収顔料の非限定的な例としては、アゾ及びジアゾレーキ、ハンザ、ベンズイミダゾロン、ジアリリド、ピラゾロン、黄色及び赤色などのアゾ及びジアゾ顔料、フタロシアニン、キナクリドン、ペリレン、ペリノン、ジオキサジン、アントラキノン、イソインドリン、チオインジゴ、ジアリール又はキノフタロン顔料、アニリンブラックなどの多環式顔料、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。無機顔料の非限定的な例としては、チタンイエロー、酸化鉄、ウルトラマリンブルー、コバルトブルー、酸化クロムグリーン、鉛イエロー、カドミウムイエロー及びカドミウムレッド、カーボンブラック顔料、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。有機顔料及び無機顔料は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0091】
A層及びB層内の層配置及び構成要素を制御することは、独自的なカラープロファイル及び透明性を生成して、様々な視覚効果を達成し、最終的には、人目を引く高級な外見を作り出すことができる。例えば、A層は透明で着色することができ、B層は銀真珠色効果顔料を有することができ、これにより、つや消し銀真珠色の外見と光沢着色真珠との間にグラデーションをもたらすことができる。代替的に、A層は不透明で黒色であり、干渉色を生成する効果顔料を有するB層と組み合わせることができ、黒色から強い干渉色までのグラデーションを有するグラデーションブロー成形品を達成することができる。
【0092】
A層及びB層は、同一グレードのPET、異種グレードのPET、又はバージンPET/再生PET(rPET)などの類似の樹脂を含むことができる。A層及びB層はまた、PET/環状オレフィンコポリマー、PET/PEN、又はPET/LCPなど、物品内で交互になり得る異なる樹脂を含むことができる。樹脂ペアは、外見、機械的、並びにガス及び/又は蒸気バリアなどの最適な特性を有するように選択される。
【0093】
物品は、本明細書に記載されるISBMプロセスに従って製造することができる。ISBMプロセスを使用して作製された物品(及び射出成形で作製されたそれぞれの予備的形成品)は、ゲートマーク、すなわち射出が行われる「ゲート」を示す小さな隆起ドットの存在について、異なるプロセス、例えば押出ブロー成形を使用して作製された類似物品と区別することができる。通常、容器及びボトルの場合、「ゲートマーク」は物品の下部にある。
【0094】
ISBMプロセスは、予備的形成品の製造から始まる。ISBMでは、予備的形成品は共射出成形で製造できる。ここで、外層の材料が金型キャビティに流入すると、コア及びキャビティ壁の隣の材料が凍結し、材料が中央チャネルを流下し続ける。ストリーム-a(熱可塑性樹脂に透明及び/又は半透明材料を含む)の材料が入ると、ストリーム-aは、ストリーム-b(不透明B層を形成する)の流量を超える流量を有し、初期フローの前面を通過する。このストリーム-aが射出プロセスを開始し、同じ金型キャビティ内の新しい外層になり、前方に流れつれて射出充填率(速度)が増加し、徐々に厚くなり外層となる壁面で固化し続ける。これにより、外面で固化した2つの異なるストリームを有する予備的形成品部分が効果的に形成される。予備的形成品は、加工条件及び外層をもたらす材料に応じて、様々な数の層を有する壁を有する。
【0095】
ここで、物品の独自的な視覚的外見は、上述の標準的なプロセスを大幅に変更することによって達成することができ、予備的形成品は以下のように製造することができる。第1に、予備的形成品は、ストリームの注入が互いに5秒内に開始される平行流共射出法を使用して製造することができる。
【0096】
材料の注入フローは、通常以下のように行われる。ストリーム-a(溶融A層を含む)の最初の注入は、ストリーム-b(溶融B層を含む)の注入とほぼ同時に、及び/又は同時に開始される。遅延が存在する場合、それは約0.01~2秒であり得る。いくつかの例では、ストリーム-aは、ストリームbの前に、及び/又はほぼ同時に開始される。所望の時間において、かつストリームが予備的形成品金型に挿入された後、ストリーム-aは、ストリームbの流量よりも速い流量に加速される。これは、ストリーム-bを通るストリーム-ブローをもたらし、ストリーム-aはストリームbの外側に流れる。したがって、ストリーム-aは、予備的形成品の外面を徐々に形成し、A層材料を部品の外側にさらし、色のグラデーションを作り出す。得られた外観は、ストリーム-aで流す材料に依存する。
【0097】
A層及び/又はB層にフォーク状があり得る。これらのフォーク状は、ストリームによって形成される糸様流が粘性環境で進行することによるものである。これらの流れは、典型的な流体に見られるように、典型的な糸様の破壊に従わない。プロセスは、粘性流体のより大きな小塊間の、薄い糸状領域を形成する流体塊の伸長によって特徴付けられる。糸状領域は通常、壊れるまで薄くなり続け、個々の液体の小滴を形成する。
【0098】
フォーク状の一例は、物品に沿って軸方向に先細になる(細くなる)ストリーム-aの単一の流れであり、これは、主にストリーム-bからなる複数の流れを形成するように分割することができる。同様に、ストリーム-bの流れは、ストリーム-aとは反対の方法で先細になることができ、流れは、複数の流れに分割できる。ストリーム-a及びbのいずれか又は両方をフォーク状にする能力により、物品の外見及び表面粗さを徐々に制御できる。
【0099】
所望の視覚効果に応じて、所望の時間を制御できる。当然、オペレータは、ストリーム-aを最初に開始し、異なる視覚効果のために、後にストリーム-bを加速することを選択することができる。いずれの場合においても、ストリーム加速のタイミングは視覚効果を判定し、つまり、物品のネック、基部、又は本体、あるいはその部分が、外面に顔料を有するかどうかを判定する。
【0100】
本発明の予備的形成品の製造中、温度の厳密な制御は、熱可塑性材料の粘度に部分的に影響を与えることにより、層の規則性にとって有益であることが見出された。ストリーム-b(溶融B層を含む)の材料は、ストリーム-a(溶融A層を含む)の材料と同じ温度で注入することができる。ストリーム-aの材料(溶融A層を含む)の好ましい温度範囲は、注入の時点で測定して、約240℃~約305℃、代替的に約250℃~約300℃、代替的に約270℃~約290℃、代替的に約275℃~約285℃、及び/又は約280℃である。ストリーム-bの材料(溶融B層を含む)は、注入の時点で測定して、約260℃~約310℃、代替的に約270℃~約300℃、代替的に約275℃~約285℃、代替的に約280℃以上の範囲内の温度であり得る。ストリーム-bの温度は、ストリーム-aよりも高くあり得る。温度は、熱可塑性樹脂及びストリームの顔料充填量によって異なり得る。ストリームのより低い温度及びより高い粘度は、層のより良好かつより均一な形成に寄与する。ストリームの粘度の差は、十分に監視される必要があり、最終物品の完全性を含むことができる、流れにおける奇形層又は異常を防止するように調整される必要がある。
【0101】
予備的形成品を製造する共射出プロセス中に制御する必要がある別のプロセスパラメータは、噴射ノズルに供給するマニホールドラインに沿って測定されるストリームの圧力である。ストリーム-a(層Aを形成する)は、約25bar~約400bar、代替的に約30bar~約40bar、代替的に約34~約36barの範囲に保つことが好ましく、低温/高温粘度ストリーム-b(B層を形成する)は、約1000~約1600barの範囲に保つことが好ましい。
【0102】
A層の透明度を維持するために、予備的形成品が形成されたらすぐに、予備的形成品を急速に冷却することが有益である。同じことは、延伸ブロー成形操作から形成された後の物品の急速冷却にも当てはまる。樹脂のガラス転移温度(Tg)に近い温度における長時間曝露は、樹脂の結晶化を促進し得、これは、透明性を損ない得る。急速冷却により、アモルファスで透明な構造が可能な限り維持される。
【0103】
次いで、予備的形成品が予備的形成品金型から解放されると、予備的形成品はすぐに処理できるが、より典型的には冷却され、貯蔵され、次の時間及び/又は位置において、延伸ブロー成形ステーションで処理される。2番目のステップでは、予備的形成品を延伸ブロー成形装置に導入し、通常はコアロッドを使用して加熱及び延伸することによって、予備的形成品をその最終形状にブロー成形する。ISBMプロセスでは、他のブロー成形プロセスとは異なり、予備的形成品は、予備的形成品が膨張することを可能にするのに十分な温度まで再加熱され、得られるブロー成形容器の側壁で二軸分子整列が達成される。予備的形成品をネックで保持すると、空気圧力及び通常は延伸ロッドを使用することにより、予備的形成品を軸方向延伸させ、かつ任意選択的に半径方向に延伸することができる。ボトルの場合、物品のネック部分は、閉じることに好適なねじ山又はフランジを含むことができ、通常、ネック部分が伸張されないことが多いので、予備的形成品に関しては変化しない。射出延伸ブロー成形によって得られる物品は、予備的形成品よりも大幅に長くなり得る。射出延伸ブロー成形プロセスに関する更なる情報は、一般的な教科書、例えばWiley-Interscience Publicationによって出版された「Wiley Encyclopedia of Packaging Technology」第2版(1997年)から得ることができる(特に、87~89ページ参照)。
【0104】
これらのステップには多くのバリエーションがあり、例えば、予備的形成品は、予備的形成品が製造される同じ機械で延伸成形ブローできるが、2ステップ/2機械プロセスがはるかに一般的である。
【0105】
多層物品は、共射出された予備的形成品をブロー成形することにより製造することができ、予備的形成品は平行流共射出により製造することができる。
【実施例】
【0106】
図3は、予備的形成品の断面の立体顕微鏡で撮影された写真である。
図3は、A層対B層の厚さ及び比率が、予備的形成品にわたってどのように変化するかを示している。
図3は、
図4A、B、C、D、及びEにそれぞれ対応する点A、B、C、D、及びEを有する。
図4A~Eは、点A~Eの立体顕微鏡で撮影された
図3の予備的形成品の写真である。
図4A~Eは、A層対B層の厚さ及び比率が各点でどのように変化するかを示している。
【0107】
図4Aは、予備的形成品のネックにあり、最終的にボトルのネックになり、2つのA層及び1つのB層が識別可能である。
図4Aでは、A層対B層の比率は、2:1超である。
図4Bでは、2つのA層及び1つのB層が識別可能である。
図4Bでは、A層対B層の比率は3:2超である。
図4C~4Eでは、B層は、いずれのA層よりも有意に広い。
図4Cでは、A層対B層の比率は、1:1未満である。
図4Dでは、A層対B層の比率は、3:5未満である。
図4Eでは、A層は非常に薄く見え、A層対B層の比率は1:5未満である。
【0108】
図5は、色のグラデーションを有するブロー成形ボトルである。ボックス501及び502は、本明細書に記載のマイクロCT試験方法に記載されているように、マイクロCTを介して分析のために切断された部分を表している。
【0109】
図6Aは、ボトルの底部に向かう
図5の部分501のマイクロCTボクセルデータからのx-y平面の断面スライスである。
図6Aでは、B層553は、この部分のほぼ壁全体である。A層552は壁の外面を形成し、A層551は壁の内面を形成し、この画像において非常に薄い領域として表されている。
【0110】
図6Bは、ボトルの上部に向かう、
図5の部分502のマイクロCTボクセルデータからのx-y平面の断面スライスであり、
図6Bでは、A層551及び552並びにB層553が視認可能である。
図6Aの画像と比較して、B層553はより狭く、A層551及び552は
図6Bではより広い。
【0111】
試験方法
物品が容器又はボトルである場合、臨界垂直荷重、光沢20°、不透明度、及び分光測光の測定は全て、物品から取り外されたサンプルパネルで行った。長さ100mm及び幅約50mmの寸法を有するサンプルを、物品壁の主要部分から切り取り、肩部/ネック及び底部領域から少なくとも50mm離れて切り取る。
【0112】
物品がこの大きさのサンプルを取り出すことができない場合、スケール1:2の幅:長さを有するより短いサンプルを、以下に更に詳述するように使用することができる。容器及びボトルの場合、サンプルは、肩部/ネック又は基部領域から少なくとも50mm離れたボトルのラベルパネルから取り出すことが好ましい。切断は、好適なカミソリの刃又は万能ナイフで行われ、より大きな領域が除去された後、新しいシングルエッジのカミソリの刃で好適なサイズに更に切断される。
【0113】
サンプルは、可能であれば平坦であるべきであるか、少なくとも試験が行われる領域でサンプルを平坦に維持するフレームを使用することによって平坦にする必要がある。臨界垂直荷重、光沢20°、形状測定、不透明度、及び分光測光を決定するには、サンプルが平坦であることが重要である。
【0114】
破損領域での臨界垂直荷重(N)及びスクラッチ深度
ボトルから取り出したときにサンプルが容易に層間剥離した場合、サンプルには「臨界垂直荷重」に対して0Nのスコアが与えられる。無傷のままであるサンプルについては、スクラッチ試験手順(ASTM D7027-13/ISO 19252:08)に従って、Surface Machine Systems社のScratch 5を使用して、直径1mmの球形チップ、初期荷重:1N、最終荷重:125N、スクラッチ速度:10mm/s、及びスクラッチ長さ100mmを使用してスクラッチ誘発損傷を受ける。100mmより小さいサンプルについては、初期荷重及び最終荷重を同じに維持しながら、スクラッチ長さを減少させることができる。これにより、臨界垂直荷重の推定値が提供される。この推定値を使用して、追加のサンプルを狭い荷重範囲で実行し、臨界垂直荷重をより正確に判断できる。
【0115】
スクラッチ誘発損傷は、ボトルの内面及び外面に相当する、サンプルの両面で実施される。サンプルは、サンプルの下側に、3M社によるScotch(登録商標)Permanent Mounting Tape(合計厚さが約62ミル又は1.6mmである、アクリル系接着剤を有するポリウレタン両面高密度フォームテープ、UPC#021200013393)などのフォームベースの両面テープを使用することによって、サンプルステージに固定されることが重要である。スクラッチ試験の前に、全てのサンプルを圧縮空気で洗浄する。
【0116】
破損点は、スクラッチ試験の完了後に、目に視認可能な層間剥離の開始が発生するスクラッチの長さにわたる距離として視覚的に判定される。層間剥離は、当業者により裸眼にとって、又は実体顕微鏡の助けを借りて、視認可能である層間の空隙を導入する。これは、サンプル(上記のボトルから切り取ったものとして定義)の各面当たり最低3つのスクラッチに基づいて検証され、標準偏差は10%以下である。この方法の結果として、臨界垂直荷重が低い側が報告される。破損領域でのスクラッチ深度は、ASTM D7027に従って、層間剥離の開始が発生するポイントのスクラッチ位置全体で測定される。臨界垂直荷重(N)は、破損点と判断された位置で記録された垂直荷重として定義される。レーザー走査型共焦点顕微鏡(KEYENCE VK-9700K)及びVK-X200アナライザーソフトウェアを使用して、破損点、スクラッチ幅、及びスクラッチ深度を含むスクラッチ誘発損傷を分析する。
【0117】
光沢20°法
光沢20°は、ASTM D 2457/D523に従って、20マイクロ-トリ-グロス(BYK-Gardner社)の光沢計で測定される。各ポイントを3回測定し、平均を計算して光沢20°を決定する。全ての光沢測定は、「ベースブラック」と称される黒い背景で行われた。ベースブラックは、X-Riteグレースケールバランスカード(45×45 L*a*b*21.077 0.15-0.29)の黒色領域である。Micro-Tri Gloss計によって与えられる測定値は、「光沢単位」を表す単位「GU」を有する。
【0118】
局所壁厚
特定の位置での壁厚は、直径1/8インチのターゲットボールを使用するOlympus Magna-Mike(登録商標)8600を使用して測定された。各位置で3回の測定を行い、局所壁厚を決定するために平均を計算した。
【0119】
平均局所壁厚は、物品又はパネルの長さにわたり、次いで平均を計算した。肩部付近及び基部付近の厚さは、平均局所壁厚から除外される。
【0120】
表面粗さ測定方法
方法1:Surftest SJ-210(Mitutoyo America Corporation)などの可携帯型表面粗さ試験機を使用して、サンプルパネルをRa(算術平均高さ)について分析し、ボトルの高さを均等にする。粗さは、μin単位で測定される。
【0121】
不透明度試験方法
不透明度は、直径3mmの開口を有するX-rite 341C(X-Rite社)などの携帯型濃度計を使用して、ボトルの切り取り部分で測定する。絶対光学密度(D)を測定し、D=-log10Tで透過率(T)に変換し、式中、%不透明度は100-%Tであり、5.00の光学密度(D)=100%不透明であり、0.00=0%不透明である。各ポイントを3回測定し、平均を計算して%不透明度を決定する。
【0122】
マイクロCT法
試験されるボトルのサンプルは、約5mm×5mm×3mmの寸法を有するサンプルを、連続ボクセルを有する単一のデータセットとして走査することができるマイクロCT X線走査機器を使用して撮像される。マイクロCT走査によって収集されたデータセットにおいて、2μmの等方性空間分解能が必要である。好適な機器の一例は、次の設定、すなわち、72μAで55kVpのエネルギーレベル、3600回の投影、10mmの視野、700msの積分時間、5回の平均化、及び2μmのボクセルサイズで操作される、SCANCO Systemsモデルμ50マイクロCTスキャナ(Scanco Medical AG、Bruttisellen、Switzerland)である。解析される試験サンプルは、プラスチックの矩形片を壁から、好ましくはラベルパネル領域などの平らな部分からX-Acto(登録商標)ナイフで切断し、次いで、亀裂の発生を回避するように注意深く、細い歯のX-Acto(登録商標)鋸を使用して約5mmの幅にサンプルを更にトリミングすることによって調製される。サンプルは、装着発泡体材料と共に垂直に位置付けられ、プラスチックシリンダ形スキャンチューブ内に配置され、マイクロCTスキャナ内に固定される。機器の画像取得設定は、画像強度コントラストが、材料内の複数の層、及び材料そのものと空気及び装着発泡体を含む外部環境とを明確かつ再現可能に識別されるような感度になるように選択される。このコントラスト識別又は必要とされる空間解像度を達成できない画像取得設定は、この方法には不適である。そのキャリパーを有する各サンプルの同様の体積がデータセットに含まれるように、プラスチックサンプルのスキャンが捕捉される。3Dレンダリングを生成するためにデータセットの再構成を実施するためのソフトウェアが、走査機器製造業者によって供給される。後続の画像処理工程及び定量画像解析に好適なソフトウェアとしては、Avizo Lite 2019.1(Visualization Sciences Group/FEI Company(Burlington,Massachusetts,U.S.A.)、及び対応するMATLAB Image Processing Toolbox(The Mathworks Inc.)を伴ったMATLABバージョンR2020bなどのプログラムが挙げられる。
【0123】
極端な外れ値を除外して、結果として得られる8ビットデータセットが最大ダイナミックレンジ及び最小数の飽和ボクセルを実現可能に維持するように注意を払いながら、16ビットのグレーレベル強度深度で収集されたマイクロCTデータを8ビットのグレーレベル強度深度に変換する。
【0124】
マイクロCTのボクセルデータから、欠陥がなく、ほぼ平坦な領域を選び、約2mm×2mmの正方形断面のサンプルを切り出す。次に、再サンプリングを使用して、グローバル軸システムのYZ平面と平行になるようにサンプルを配列する。言い換えれば、ボトル壁表面の法線は、X平面/軸に平行である。これは、最初に、閾値及び連結成分を使用して、マイクロCTデータのプラスチックのボクセルをラベル付けすることによって達成される。ラベル付けされたボクセル中心は、最小二乗回帰を使用して平面にフィットさせることができる点の雲を生成する。矩形のプラスチックの容積の最大面にほぼ平行な最小二乗平面を見つけることができない画像処理は、この方法には不適である。フィッティングされた平面は、ボクセルポイントを適切な方向に回転させ、再サンプリングするために使用される。
【0125】
分析は、YZ方向に境界から境界まで続く約2mm×2mmの材料の矩形セクションを含む配列された8ビットデータセットに対して実行される。これは、最小Y境界、最大Y境界、最小Z境界、及び最大Z境界と完全に交差する。領域の小さい非材料バッファが、最小X境界と最大X境界との間に存在する。この領域は、空気又はパッキング材料からなる。グローバル材料閾値は、Matlabに実装されるOtsu法によってサンプルについて判定される。この閾値は、ノイズ及びパッキング材料を最小限に抑えながらボトル材料を識別するべきである。
【0126】
ボクセルデータのYZスライスは、X軸に沿って取られる。各YZスライスは、空気(パッキング)又は材料の単一層のいずれかを含むほぼ均一な画像として視認され得る。少数の画像は、X値が領域間を移動するにつれて遷移を示す。各スライスの平均ボクセル強度は、2μmの解像度(マイクロCTスキャンの解像度)でX軸に沿ってプロットされる。平均YZスライス強度のこのプロットは、YZ平均プロットと称される。YZ平均プロットは、材料のエッジに近づくまで、サンプルの空気部分を通して低い強度を有することになる。エッジに近づくと、それは、グローバル材料閾値を超え、次いでマイクロCTスキャンからの「回折アーチファクト」に起因して、材料のエッジで局所ピークを達成する。このピーク値のX位置は、サンプル材料の開始X位置として記録される。サンプルの反対側の開始X位置は、同様の方法で見つけることができる。
【0127】
ここで、X値は、材料開始位置からサンプル内部の点まで、かつ「回折アーチファクト」から離れて移動される。YZ平均プロット上の「回折ピーク」後の最初の局所強度最小値は、この要件を満たす。データセットは、全てのボクセル点がサンプル内にあるが「回折影響」の外側にあるように、X軸に沿ってトリミングされる。グローバル顔料閾値は、Otsuの方法を実行することによってプラスチックのみを含むデータセットのこのサブセットから判定することができる。
【0128】
プラスチックの両側に位置するサンプル内のX値は、中心に向かって移動する。両方の移動X値は、グローバル顔料閾値を横切るYZ平均プロット強度を示すことになる。これらの交差のX値は、サンプルの対応する側面上の開始顔料エッジ位置として記録される。距離測定値は、上述の記録されたX位置から計算される。
【0129】
組み合わせ
A.ブロー成形多層物品であって、内面及び外面を含む壁によって画定される中空体と、
本体からオリフィスまで延在するネックと、を備え、
壁の少なくとも第1の部分が、
壁の外面及び内面を形成する2つのA層と、A層の間に位置するB層と、を含む、少なくとも3つの層を含み、
A層が透明であり、かつ任意選択的に着色された染料又は顔料を含み、
B層が、効果顔料及び/又は不透明化顔料を含み、
A層及びB層が、熱可塑性樹脂を含み、
A層の厚さが、変化しており、
外面が、外面を形成するA層からの成分によって形成された軸方向の色のグラデーションを含む、ブロー成形多層物品。
B.効果顔料又は不透明化顔料が、A層を通して視認可能である、段落Aに記載の物品。
C.B層が、物品壁の全長にわたって延在し、B層が、可変厚さを含む、段落A及びBに記載のブロー成形多層物品。
D.中空物品が、ネックと基部とを更に含み、B層は、基部におけるB層の幅と比較してネックにおいてより薄い幅を有する、段落A~Cに記載の物品。
E.B層がフォーク状になり、かつ/又はA層がフォーク状になる、段落A~Dに記載の物品。
F.本体の外面が、表面粗さを更に含み、外面全体にわたって、表面粗さが実質的に同じであり、外面全体の表面粗さが、20μin(0.508μm)未満、好ましくは18μin(0.4572μm)未満、代替的に10μin(0.254μm)、より好ましくは5μin(0.127μm)未満、及び更により好ましくは3μin(0.0762)未満で変化している、段落A~Eに記載の物品。
G.外面の一部分の表面粗さが、8μin(0.2032μm)未満、好ましくは5μin(0.127μm)、より好ましくは3μin(0.0762μm)未満、及び更により好ましくは2μin(0.0508μm)未満である、段落A~Fに記載の物品。
H.外面の一部分の表面粗さが、約20μin(0.508μm)~約42μin(1.0668μm)、好ましくは約25μin(0.635μm)~約40μin(1.016μm)、より好ましくは約28μin(0.7112μm)~約38μin(0.9652μm)、及び更により好ましくは約30μin(0.762μm)~約36μin(0.9144μm)の表面粗さである、段落A~Gに記載の物品。
I.本体の外面が、光沢20°を更に含み、外面の長さ及び/又は幅にわたって、表面粗さが実質的に同じであり、本体の外面の長さ及び/又は幅に沿った光沢20°が、15GU未満、好ましくは10GU未満、より好ましくは5GU未満、及び更により好ましくは2GU未満で変化している、段落A~Gに記載の物品。
J.本体の外面が、光沢であり、かつ約65GU~約110GU、好ましくは約68GU~約100GU、より好ましくは約69~約95GU、及び更により好ましくは約70GU~約90GUの光沢20°を含む、段落A~Iに記載の物品。
K.本体の外面が、15以下、好ましくは12以下、より好ましくは10以下、及び更により好ましくは7以下の光沢20°を有する位置を含む、段落A~Jに記載の物品。
L.物品が、約70%~約100%、好ましくは約75%~約95%、及びより好ましくは約80%~約93%の不透明度を有する、段落A~Kに記載の物品。
M.%不透明度が、70%超、好ましくは75%超、より好ましくは80%超、及び更により好ましくは85%超であり得る、段落A~Lに記載の物品。
N.不透明度が、物品の長さにわたって、30%未満、好ましくは25%未満、より好ましくは22%未満、及び更により好ましくは20%未満変化している、段落L~Mに記載の物品。
O.ネックが、内面及び外面を有する壁によって画定され、
ネックが、色のグラデーションを含まず、
ネックの外面の一部分がA層を含み、ネックの外面の一部分がB層を含む、段落A~Nに記載の物品。
P.物品が、100N超、好ましくは105超、及びより好ましくは110超の臨界垂直荷重を有していた、段落A~Oに記載の物品。
Q.効果顔料が、真珠光沢顔料であり、効果顔料が、B層の約0.01重量%~約10重量%を含む、段落A~Pに記載の物品。
R.壁が、約250μm~約1mm、好ましくは約300μm~約700μm、及びより好ましくは約400μm~約600μm、及び更により好ましくは約450μm~約575μmの厚さを含み、壁パネルの平均厚さが、物品の長さにわたって30%未満変化している、段落A~Qに記載の物品。
S.熱可塑性樹脂が、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリスチレン(PS)、ポリカルボナート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、グリコール修飾PCTコポリマー(PCTG)、シクロヘキサンジメタノール及びテレフタル酸のコポリエステル(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBCT)、アクリロニトリルスチレン(AS)、スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLPDE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される、段落A~Rに記載の物品。
T.多層物品が、ポリエチレンテレフタレートを含む、段落Sに記載の物品。
U.物品が、非シリンダ形状を有する、段落A~Tに記載の物品。
V.ブロー成形物品の製造方法であって、方法が、
a.予備的形成品を製造するための予備的形成品金型を提供するステップと、
b.溶融熱可塑性樹脂及び効果顔料及び/又は不透明化顔料を含むストリーム-bを、流量-bで予備的形成品金型に注入するステップと、
c.ストリーム-bの注入と同時に又は0.01~2秒内に、溶融熱可塑性樹脂を含むストリーム-aを、初期流量-aで予備的形成品金型に注入するステップと、
d.流量-aを加速して、流量-bよりも速くするステップと、
e.ストリーム-aをストリーム-bに吹き込み、ストリーム-bの外側に流すステップと、
f.冷却して、外面を含む予備的形成品を形成するステップであって、外面の少なくとも一部分が、色のグラデーションを作り出す凝固したストリーム-aを含む、ステップと、
g.予備的形成品をブロー成形して、段落A~Uの物品を形成するステップと、を含む、方法。
【0130】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0131】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0132】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。