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  • 特許-チオメチルフェノール誘導体の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】チオメチルフェノール誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 319/14 20060101AFI20240226BHJP
   C07C 323/16 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
C07C319/14
C07C323/16
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022548795
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 KR2021014452
(87)【国際公開番号】W WO2022092655
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-08-10
(31)【優先権主張番号】10-2020-0143611
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516298504
【氏名又は名称】コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Korea Kumho Petrochemical Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】100,Cheonggyecheon-ro,Jung-gu,Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ロ,キ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,サン フン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ジュン ヘイ
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105418469(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0081929(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0091605(KR,A)
【文献】特開2009-114160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炭素数3~10のヘテロ環型塩基(base)と酸(acid)が同時に存在する条件下で、下記化学式2で表示されるフェノール誘導体、RSHで表示されるメルカプタン誘導体及びパラホルムアルデヒドを反応温度Tで1次反応させる段階;及び
(b)反応温度Tで2次反応させて下記化学式1で表示されるチオメチルフェノール誘導体を製造する段階;を含み、
95℃<T +5℃≦T <120℃を満足することを特徴とする、チオメチルフェノール誘導体の製造方法:
【化1】

【化2】

前記で、
及びRは、それぞれ独立的に、水素、重水素、C~C16の直鎖又は分枝鎖アルキル基、C~C16のシクロアルキル基又は芳香族を含むアルキル基、-CHSRのうちから選択され、
及びRは、それぞれC~C16の直鎖又は分枝鎖アルキル基、C~C16のシクロアルキル基又は芳香族を含むアルキル基のうちから選択され、
11及びR22は、それぞれ独立的に、水素、重水素、C~C16の直鎖又は分枝鎖アルキル基、C~C16のシクロアルキル基又は芳香族を含むアルキル基のうちから選択され、
nは、0又は1である。
【請求項2】
前記(a)段階及び(b)段階は、それぞれ1~5時間の間行われることを特徴とする、請求項1に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項3】
前記(a)段階は、前記フェノール誘導体1当量に対して溶媒0.5~50.0当量の存在下で行われることを特徴とする、請求項1に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項4】
前記溶媒は、水又はアルコールであることを特徴とする、請求項に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項5】
前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対して塩基0.01~0.50当量が用いられることを特徴とする、請求項1に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項6】
前記(a)段階の塩基は、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン及びピラジンからなる群より選択された少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項7】
前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対して酸0.01~0.90当量が用いられることを特徴とする、請求項1に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項8】
前記(a)段階の酸は、亜塩素酸、リン酸、ヒ酸、クロロ酢酸、フッ酸、亜硝酸、ギ酸、安息香酸、アジ化水素酸、酢酸、プロピオン酸及び炭酸からなる群より選択された少なくとも一つであることを特徴とする、請求項1に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項9】
前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対してメルカプタン誘導体2.0~6.0当量が用いられることを特徴とする、請求項1に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項10】
前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対してパラホルムアルデヒド2.0~6.0当量が用いられることを特徴とする、請求項1に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項11】
前記(b)段階以後、(c)前記(b)段階の生成物のうち有機層を酸で洗浄する精製段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項12】
前記(c)段階の酸は、pKa2.0以上であることを特徴とする、請求項11に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項13】
前記(c)段階の酸は、亜塩素酸、リン酸、ヒ酸、クロロ酢酸、フッ酸、亜硝酸、ギ酸、安息香酸、アジ化水素酸、酢酸、プロピオン酸及び炭酸からなる群より選択された少なくとも一つであることを特徴とする、請求項12に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項14】
前記(c)段階以後、(d)塩基又は水で洗浄する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項15】
前記塩基は、無水炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選択された少なくとも一つであることを特徴とする、請求項14に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項16】
前記(d)段階以後、(e)90~120℃で1~5時間の間減圧濃縮して化学式1で表示されるチオメチルフェノール誘導体を分離する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。
【請求項17】
分離された前記チオメチルフェノール誘導体は、120℃の条件で72時間放置した後のAPHA値が75未満であることを特徴とする、請求項16に記載のチオメチルフェノール誘導体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チオメチルフェノール誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チオメチルフェノール誘導体は、プラスチック、ゴム、オイルなどにおいて酸化防止剤として用いられている。
【0003】
このようなチオメチルフェノール誘導体は、触媒の存在下でフェノール誘導体をパラホルムアルデヒド、メルカプタン誘導体と反応させて製造されるが、反応温度が過度に高いか反応時間が長いため、これを改善するためのさまざまな方法が試みられた。
【0004】
例えば、塩基の存在下で反応を行うか、還元剤などを用いる方法が提案されたが、精製時間が過度に長く、反応及び精製過程で変色が発生する問題点があった。
【0005】
大韓民国登録特許第813173号、第813174号、第926796号、第963311号などには、塩基と酸が同時に存在する条件下で反応を行い、酸で精製して変色を減少させる方法が提案された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、最終製品の変色をより減少させ、安定性を改善し、環境にやさしい精製工程及び工程全体のエネルギー効率を改善したチオメチルフェノール誘導体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面によると、(a)炭素数3~10のヘテロ環型塩基(base)と酸(acid)が同時に存在する条件下で、下記化学式2で表示されるフェノール誘導体、RSHで表示されるメルカプタン誘導体及びパラホルムアルデヒドを反応温度Tで1次反応させる段階;及び(b)反応温度Tで2次反応させて下記化学式1で表示されるチオメチルフェノール誘導体を製造する段階;を含み、T<Tを満足する、チオメチルフェノール誘導体の製造方法が提供される:
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】
前記で、R及びRは、それぞれ独立的に、水素、重水素、C~C16の直鎖又は分枝鎖アルキル基、C~C16のシクロアルキル基又は芳香族を含むアルキル基、-CHSRのうちから選択され、R及びRは、それぞれC~C16の直鎖又は分枝鎖アルキル基、C~C16のシクロアルキル基又は芳香族を含むアルキル基のうちから選択され、R11及びR22は、それぞれ独立的に、水素、重水素、C~C16の直鎖又は分枝鎖アルキル基、C~C16のシクロアルキル基又は芳香族を含むアルキル基のうちから選択され、nは、0又は1である。
【0011】
一実施例において、前記チオメチルフェノール誘導体の製造方法は、95℃<T+5℃≦T<120℃を満足することができる。
【0012】
一実施例において、前記(a)段階及び(b)段階は、それぞれ1~5時間の間行われ得る。
【0013】
一実施例において、前記(a)段階は、前記フェノール誘導体1当量に対して溶媒0.5~50.0当量の存在下で行われ得る。
【0014】
一実施例において、前記溶媒は、水又はアルコールであってもよい。
【0015】
一実施例において、前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対して塩基0.01~0.50当量が用いられ得る。
【0016】
一実施例において、前記(a)段階の塩基は、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン及びピラジンからなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0017】
一実施例において、前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対して酸0.01~0.90当量が用いられ得る。
【0018】
一実施例において、前記(a)段階の酸は、亜塩素酸、リン酸、ヒ酸、クロロ酢酸、フッ酸、亜硝酸、ギ酸、安息香酸、アジ化水素酸、酢酸、プロピオン酸及び炭酸からなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0019】
一実施例において、前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対してメルカプタン誘導体2.0~6.0当量が用いられ得る。
【0020】
一実施例において、前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対してパラホルムアルデヒド2.0~6.0当量が用いられ得る。
【0021】
一実施例において、前記(b)段階以後、(c)前記(b)段階の生成物のうち有機層を酸で洗浄する精製段階をさらに含むことができる。
【0022】
一実施例において、前記(c)段階の酸は、pKa2.0以上であってもよい。
【0023】
一実施例において、前記(c)段階の酸は、亜塩素酸、リン酸、ヒ酸、クロロ酢酸、フッ酸、亜硝酸、ギ酸、安息香酸、アジ化水素酸、酢酸、プロピオン酸及び炭酸からなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0024】
一実施例において、前記(c)段階以後、(d)塩基又は水で洗浄する段階をさらに含むことができる。
【0025】
一実施例において、前記塩基は、無水炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0026】
一実施例において、前記(d)段階以後、(e)90~120℃で1~5時間の間減圧濃縮して化学式1で表示されるチオメチルフェノール誘導体を分離する段階をさらに含むことができる。
【0027】
一実施例において、分離された前記チオメチルフェノール誘導体は、120℃の条件で72時間放置した後のAPHA値が75未満であってもよい。
【発明の効果】
【0028】
一側面によると、最終製品の安定性が改善され、工程上の変色を最小化し、製造工程のエネルギー効率及び精製工程の経済性が改善したチオメチルフェノール誘導体の製造方法が提供され得る。
【0029】
本明細書の一側面の効果は、上述した効果に限定されるものではなく、本明細書の詳細な説明又は請求の範囲に記載された構成から推論可能な全ての効果を含むものと理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本明細書の一実施例によるチオメチルフェノール誘導体の製造方法に対する概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下では、添付した図面を参照して本明細書の一側面を説明する。しかしながら、本明細書の記載事項は種々の異なる形態で具現することができる。したがって、ここで説明する実施例に限定されるものではない。また、図面において明細書の一側面を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似する部分に対しては類似する図面符号を付与した。
【0032】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとの用語は、「直接的に連結」されている場合だけでなく、それらの間に他の部材を介在して「間接的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」との用語は、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく他の構成要素をさらに具備できることを意味する。
【0033】
本明細書で数値的値の範囲が記載されたとき、これの具体的な範囲が異に記述されない限り、その値は有効数字に対する化学での標準規則によって提供された有効数字の精密度を有する。例えば、10は、5.0~14.9の範囲を含み、数字10.0は、9.50~10.49の範囲を含む。
【0034】
以下、添付した図面を参考にして本明細書の一実施例を詳しく説明する。
【0035】
チオメチルフェノール誘導体の製造方法
一側面によるチオメチルフェノール誘導体の製造方法は、(a)炭素数3~10のヘテロ環型塩基(base)と酸(acid)が同時に存在する条件下で、下記化学式2で表示されるフェノール誘導体、RSHで表示されるメルカプタン誘導体及びパラホルムアルデヒドを反応温度Tで1次反応させる段階;及び(b)反応温度Tで2次反応させて下記化学式1で表示されるチオメチルフェノール誘導体を製造する段階;を含み、T<Tを満足し得る:
【0036】
【化3】
【0037】
【化4】
【0038】
前記で、R及びRは、それぞれ独立的に、水素、重水素、C~C16の直鎖又は分枝鎖アルキル基、C~C16のシクロアルキル基又は芳香族を含むアルキル基、-CHSRのうちから選択され、R及びRは、それぞれC~C16の直鎖又は分枝鎖アルキル基、C~C16のシクロアルキル基又は芳香族を含むアルキル基のうちから選択され、R11及びR22は、それぞれ独立的に、水素、重水素、C~C16の直鎖又は分枝鎖アルキル基、C~C16のシクロアルキル基又は芳香族を含むアルキル基のうちから選択され、nは、0又は1である。
【0039】
図1を参考にすると、前記チオメチルフェノール誘導体の製造方法は、反応温度Tで行われる1次反応と、前記1次反応より反応温度が高いTで行われる2次反応を含むことによって最終製品の純度を向上させ得、一部の含まれ得る副産物の組成が変化して熱安定性が顕著に改善され得る。
【0040】
前記チオメチルフェノール誘導体の製造方法は、95℃<T+5℃≦T<120℃を満足することができる。前記Tの温度が90℃以下であると、反応の進行が不十分であり得、前記Tの温度が120℃以上であると、使用されたエネルギーに比べて効率が不十分であり得る。前記T及びTの温度差が5℃以上であると、上述した純度向上及び熱安定性の改善が効果的に具現され得る。
【0041】
前記(a)段階及び(b)段階は、それぞれ1~5時間の間、例えば、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間又はこれらのうち二つの値の間の範囲の時間の間行われ得る。
【0042】
前記フェノール誘導体は、o-クレゾール、p-クレゾール、4-ブチルフェノール及びビスフェノールからなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0043】
前記(a)段階は、前記フェノール誘導体1当量に対して溶媒0.5~50.0当量、例えば、0.5当量、1.0当量、1.5当量、2.0当量、2.5当量、3.0当量、3.5当量、4.0当量、4.5当量、5.0当量、5.5当量、6.0当量、6.5当量、7.0当量、7.5当量、8.0当量、8.5当量、9.0当量、9.5当量、10.0当量、10.5当量、11.0当量、11.5当量、12.0当量、12.5当量、13.0当量、13.5当量、14.0当量、14.5当量、15.0当量、15.5当量、16.0当量、16.5当量、17.0当量、17.5当量、18.0当量、18.5当量、19.0当量、19.5当量、20.0当量、20.5当量、21.0当量、21.5当量、22.0当量、22.5当量、23.0当量、23.5当量、24.0当量、24.5当量、25.0当量、25.5当量、26.0当量、26.5当量、27.0当量、27.5当量、28.0当量、28.5当量、29.0当量、29.5当量、30.0当量、30.5当量、31.0当量、31.5当量、32.0当量、32.5当量、33.0当量、33.5当量、34.0当量、34.5当量、35.0当量、35.5当量、36.0当量、36.5当量、37.0当量、37.5当量、38.0当量、38.5当量、39.0当量、39.5当量、40.0当量、40.5当量、41.0当量、41.5当量、42.0当量、42.5当量、43.0当量、43.5当量、44.0当量、44.5当量、45.0当量、45.5当量、46.0当量、46.5当量、47.0当量、47.5当量、48.0当量、48.5当量、49.0当量、49.5当量、50.0当量又はこれらのうち二つの値の間の範囲の溶媒の存在下で行われ得る。溶媒の含量が前記範囲を脱すると、反応性が低下し得る。
【0044】
前記溶媒は、水又はアルコールであってもよい。前記アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びブタノールからなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0045】
前記(a)段階は、前記フェノール誘導体1当量に対して塩基0.01~0.50当量、例えば、0.01当量、0.05当量、0.10当量、0.15当量、0.20当量、0.25当量、0.30当量、0.35当量、0.40当量、0.45当量、0.50当量又はこれらのうち二つの値の間の範囲が用いられ得る。前記塩基の使用量が過度に少ないと、反応時間が不必要に長くなり、過度に多いと、副産物により製品特性が変質し得る。
【0046】
前記ヘテロ環型塩基は、環状アルカン(cyclic alkane)、環状アルケン(cyclic alkene)、環状アルキン(cyclic alkyne)又は芳香族炭化水素(aromatic hydrocarbon)の構成炭素のうち少なくとも一つがヘテロ原子に変更されたものであって、一例で、前記(a)段階のヘテロ環型塩基は、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン及びピラジンからなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0047】
前記(a)段階は、前記フェノール誘導体1当量に対して酸0.01~0.90当量、例えば、0.01当量、0.05当量、0.10当量、0.15当量、0.20当量、0.25当量、0.30当量、0.35当量、0.40当量、0.45当量、0.50当量、0.55当量、0.60当量、0.65当量、0.70当量、0.75当量、0.80当量、0.85当量、0.90当量又はこれらのうち二つの値の間の範囲が用いられ得る。前記(a)段階で、酸の使用量が前記範囲を満足すると、反応温度及び時間条件がより有利であり得る。
【0048】
前記(a)段階の酸は、亜塩素酸、リン酸、ヒ酸、クロロ酢酸、フッ酸、亜硝酸、ギ酸、安息香酸、アジ化水素酸、酢酸、プロピオン酸及び炭酸からなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0049】
一つの例示で、前記(a)段階がヘテロ環型塩基と酸が同時に存在する条件下で行われると、反応物である塩基とパラホルムアルデヒドがアミノメタノール中間体を形成し、酸により反応性が大きいイミンに転換されてフェノールとの反応性が極大化され、塩基の酸化が防止され得る。また、ヘテロ環型塩基は、直鎖型塩基に比べて分子間の反応のための空間妨害が最小化されて反応速度が向上され得る。
【0050】
前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対してメルカプタン誘導体2.0~6.0当量、例えば、2.0当量、2.5当量、3.0当量、3.5当量、4.0当量、4.5当量、5.0当量、5.5当量、6.0当量又はこれらのうち二つの値の間の範囲が用いられ得る。前記メルカプタン誘導体の使用量が過度に少ないと、未反応による、例えば、モノチオメチルフェノールとジチオメチルフェノールの混合物が生成され得、過度に多いと、副産物が増加して精製時間が不必要に長くなり得る。
【0051】
前記メルカプタン誘導体は、オクタンメルカプタン、デカンメルカプタン、ドデカンメルカプタン、ベンジルメルカプタン及びチオフェノールからなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0052】
前記(a)段階で、前記フェノール誘導体1当量に対してパラホルムアルデヒド2.0~6.0当量、例えば、2.0当量、2.5当量、3.0当量、3.5当量、4.0当量、4.5当量、5.0当量、5.5当量、6.0当量又はこれらのうち二つの値の間の範囲が用いられ得る。前記パラホルムアルデヒドの使用量が過度に少ないと、未反応による、例えば、モノチオメチルフェノールとジチオメチルフェノールの混合物が生成され得、過度に多いと、精製時間が不必要に長くなり得る。
【0053】
前記(b)段階以後、(c)前記(b)段階の生成物のうち有機層を酸で洗浄する精製段階をさらに含むことができる。前記有機層には、チオメチルフェノール誘導体以外にも反応中間体であるアミノメタノールなどが残留して最終製品の変色が発生し得る。これによって、上述した2段階の反応以外にも一定量の酸でアミノメタノールを分解するか除去して精製することによって変色を最小化することができる。
【0054】
前記(c)段階の酸は、pKa2.0以上であってもよく、例えば、亜塩素酸、リン酸、ヒ酸、クロロ酢酸、フッ酸、亜硝酸、ギ酸、安息香酸、アジ化水素酸、酢酸、プロピオン酸及び炭酸からなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0055】
前記酸がリン酸であると、濃度が15%以上のものであってもよく、前記酸が酢酸であると、濃度が5%超過のものであってもよい。
【0056】
前記(c)段階以後、(d)塩基又は水で洗浄する段階をさらに含むことができる。
【0057】
前記塩基は、無水炭酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムからなる群より選択された少なくとも一つであってもよい。
【0058】
前記(d)段階は、前記(c)段階で用いられた酸を中和及び除去する段階であってもよいが、前記(c)段階の酸が濃度5%超過の酢酸であると、中和工程を省略して水で洗浄することだけで十分に副産物を除去できるので、経済的に有利であり得る。
【0059】
前記(d)段階以後、(e)90~120℃で1~5時間の間減圧濃縮して化学式1で表示されるチオメチルフェノール誘導体を分離する段階をさらに含むことができる。前記減圧濃縮は、90℃、95℃、100℃、105℃、110℃、115℃、120℃又はこれらのうち二つの値の間の範囲の温度で、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間又はこれらのうち二つの値の間の範囲の時間の間行われ得る。
【0060】
減圧濃縮時の温度が前記範囲を満足すると、最終製品内のメルカプタン誘導体の残留量が0.1重量%未満であり得、特に、温度が110℃以上であると、0.01重量%未満に一層減少させ得る。
【0061】
分離された前記チオメチルフェノール誘導体は、120℃の条件で72時間放置した後のAPHA値が75未満、70未満、65未満、60未満、55未満又は50未満であってもよい。
【0062】
以下、本明細書の実施例に関してより詳しく説明する。ただし、以下の実験結果は、前記実施例のうち代表的な実験結果のみを記載したものであり、実施例などによって本明細書の範囲と内容を縮小又は制限して解釈してはならない。下で明示的に提示しない本明細書の多くの具現例のそれぞれの効果は、該当部分で具体的に記載する。
【0063】
実施例1
o-クレゾール100重量部、パラホルムアルデヒド3当量、n-オクタンチオール2当量、ピペリジン0.3当量の混合液に、溶媒として水1.0当量にリン酸0.01当量と酢酸0.1当量を添加した後、100℃で2時間の間反応させ、115℃に昇温させた後、3時間の間反応させて反応生成物を得た。反応生成物から水層を除去し、有機層を8.5%酢酸で洗浄し、水で洗浄した後、115℃で3時間の間減圧濃縮して無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は98.0%であった。残余n-オクタンチオールの含量は、0.005%であると確認された。
【0064】
実施例2
o-クレゾール100重量部、n-オクタンチオール2当量、パラホルムアルデヒド3当量、ピペリジン0.3当量の混合液に、溶媒として水1.0当量にリン酸0.01当量と酢酸0.1当量を添加した後、100℃で2時間の間反応させ、115℃に昇温させた後、3時間の間反応させて反応生成物を得た。反応生成物から水層を除去し、有機層を8.5%酢酸で洗浄し、水で洗浄した後、100℃で3時間の間減圧濃縮して無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は98.1%であった。残余n-オクタンチオールの含量は、0.02%であると確認された。
【0065】
実施例3
o-クレゾール100重量部、パラホルムアルデヒド3当量、n-オクタンチオール2当量、ピペリジン0.3当量の混合液に、溶媒として水1.0当量にリン酸0.01当量と酢酸0.1当量を添加した後、100℃で2時間の間反応させ、115℃に昇温させた後、3時間の間反応させて反応生成物を得た。反応生成物から水層を除去し、有機層を17%リン酸で洗浄し、10%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、100℃で3時間の間減圧して濃縮された無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.8%であった。残余n-オクタンチオールの含量は、0.03%であると確認された。
【0066】
実施例4
o-クレゾール100重量部、n-オクタンチオール2当量、パラホルムアルデヒド3当量、ピペリジン0.3当量の混合液に、溶媒として水1.0当量にリン酸0.01当量と酢酸0.1当量を添加した後、105℃で2時間の間反応させ、110℃に昇温させた後、3時間の間反応させて反応生成物を得た。反応生成物から水層を除去し、有機層を17%リン酸で洗浄し、10%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、115℃で3時間の間減圧して濃縮された無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.9%であった。残余n-オクタンチオールの含量は、0.006%であると確認された。
【0067】
実施例5
n-オクタンチオール2当量、パラホルムアルデヒド3当量、水1.0当量、リン酸0.01当量、酢酸0.1当量、ピペリジン0.3当量、o-クレゾール100重量部を95℃で2時間の間反応させ、105℃で3時間の間反応させて反応生成物を得た。反応生成物から水層を除去し、有機層を8.5%酢酸で洗浄し、水で洗浄した後、115℃で3時間の間減圧濃縮して無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.1%であった。残余n-オクタンチオールの含量は、0.005%であると確認された。
【0068】
比較例1
o-クレゾール100重量部、パラホルムアルデヒド3当量、n-オクタンチオール2当量、ジメチルアミノ0.2当量の混合液に、溶媒として水1.0当量に酢酸0.15当量を添加した後、120℃で5時間の間反応させて反応生成物を得た。反応生成物から水層を除去し、有機層を8.5%酢酸で洗浄し、水で洗浄した後、3時間の間減圧濃縮して無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.0%であった。
【0069】
比較例2
o-クレゾール100重量部、パラホルムアルデヒド3当量、n-オクタンチオール2当量、ピペリジン0.3当量の混合液に、溶媒として水1.0当量にリン酸0.01当量と酢酸0.1当量を添加した後、100℃で5時間の間反応させて反応生成物を得た。反応生成物から水層を除去し、有機層を17%リン酸で洗浄し、10%炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した後、3時間の間減圧して濃縮された無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は96.3%であった。
【0070】
比較例3
有機層の洗浄時に7%硫酸で処理した後、10%の炭酸ナトリウム水溶液で後処理したこと以外は、前記比較例2と同一の方法で無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.5%であった。
【0071】
比較例4
有機層の洗浄時に5%硫酸で処理した後、10%の炭酸ナトリウム水溶液で後処理したこと以外は、前記比較例2と同一の方法で無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.4%であった。
【0072】
比較例5
有機層の洗浄時に3%硫酸で処理した後、10%の炭酸ナトリウム水溶液で後処理したこと以外は、前記比較例2と同一の方法で無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.9%であった。
【0073】
比較例6
有機層の洗浄時に1%硫酸で処理した後、10%の炭酸ナトリウム水溶液で後処理したこと以外は、前記比較例2と同一の方法で無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.5%であり、副産物が存在した。
【0074】
比較例7
有機層の洗浄時に10%酢酸で処理した後、水で後処理したこと以外は、前記比較例2と同一の方法で無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.7%であった。
【0075】
比較例8
有機層の洗浄時に8.5%酢酸で処理した後、10%の炭酸ナトリウムで後処理したこと以外は、前記比較例2と同一の方法で無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.7%であった。
【0076】
比較例9
有機層の洗浄時に8.5%酢酸で処理した後、水で後処理したこと以外は、前記比較例2と同一の方法で無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.5%であった。
【0077】
比較例10
有機層の洗浄時に5%酢酸で処理した後、10%の炭酸ナトリウムで後処理したこと以外は、前記比較例2と同一の方法で無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.7%であり、副産物が存在した。
【0078】
比較例11
有機層の洗浄時に5%酢酸で処理した後、水で後処理したこと以外は、前記比較例2と同一の方法で無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得した。上記で得られた2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールの転換率は100%であり、純度は97.6%であり、副産物が存在した。
【0079】
比較例12
o-クレゾール100重量部、パラホルムアルデヒド3当量、水1.0当量、リン酸0.01当量、酢酸0.1当量、ピペリジン0.3当量、n-オクタンチオール2当量を105℃で2時間の間反応させ、95℃で3時間の間反応させて反応生成物を得た。反応生成物から水層を除去し、有機層を酢酸と水で洗浄した後、115℃で3時間の間減圧濃縮して無色の液体である2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノールを収得したが、純度が70.6%であり、副産物が存在し、未反応n-オクタンチオールの含量が7.16%であった。
【0080】
比較例13
80℃で1次反応を行い、90℃で2次反応を行うこと以外は、実施例5と同一の方法で工程を行ったが、反応が十分に進行されなかった。
【0081】
前記比較例6、10、11、12の副産物は、下記化学式3で表示されるN-ヒドロキシメチルピペリジン(NHP)であって、気体クロマトグラフィーで分析して存在有無を確認した。
【0082】
【化5】
【0083】
前記実施例乃至比較例を参考にすると、1次反応後に温度を昇温して2次反応を行った実施例1~実施例5は、高い純度のチオメチルフェノール誘導体の製造が可能であった。特に、前記実施例1~5は、相対的に高い120℃で反応を行った比較例1と類似するか、より優れた純度を具現することができた。
【0084】
また、有機層をpKaが-2である硫酸で洗浄した後、炭酸ナトリウムで後処理するとき、硫酸の濃度が3%以上であると、副産物を除去できるが、反応器の腐食が発生し得る問題点がある(比較例3~比較例6)。気体クロマトグラフィー分析結果、pKaが2.0超過である17%リン酸水溶液を用いると、反応器腐食の問題点なしに副産物を除去することができた(比較例2)。また、有機層を濃度5%超過の酢酸で洗浄すると、炭酸ナトリウムの中和なしに水の後処理だけでも同一の純度の製品を副産物なしに得られた(比較例7~比較例11)。
【0085】
また、酸処理及び後処理後に行われる減圧濃縮の温度が高いほど残余N-オクタンチオールの含量が顕著に減少することが確認できる(実施例1~実施例5)。
【0086】
実験例
前記実施例乃至比較例で製造された2,4-ビス(n-オクチルチオメチル)-6-メチルフェノール20gをバイアルに入れてオーブンに入れた後、120℃の条件で3日間色相変化を測定した。変色有無は、色相(APHA)を測定して確認した。試料のAPHA値が低ければ変色が少ないことを、APHA値が高ければ変色がひどいことを意味する。熱安定性が低いほど変色がひどく発生した。
【0087】
【表1】
【0088】
表1を参考にすると、実施例1と比較例1、実施例3と比較例2は、同一の洗浄工程を行ったが変色程度に差が発生して相対的に熱安定性に優れることが確認できる。
【0089】
このような差の原因が明確に確認されたものではないが、これは反応温度を異にする2段反応により生成物の純度が上昇し、不純物の組成の差が発生したからであり得る。
【0090】
上記の例示を参考にすると、Tの温度で5時間の間反応させて製造した製品に比べてTの温度で2時間反応させ、Tの温度で3時間反応させて製造した製品が純度及び熱安定性の側面でより優れ、エネルギー使用量も最小化させ得る。
【0091】
前述した本明細書の説明は例示のためのものに過ぎず、本明細書の一側面が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本明細書に記載された技術的思想や必須的な特徴を変更することなく他の具体的な形態に容易に変更が可能である。したがって、上述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。例えば、単一型として説明されている各構成要素は分散して実施することもでき、同様に、分散されたものとして説明されている構成要素を結合された形態で実施することもできる。
【0092】
本明細書の範囲は、後述する特許請求の範囲により示されるが、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態は、本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
図1