(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】電動ステープラのステープル詰まり処理機構及び電動ステープラ
(51)【国際特許分類】
B25C 7/00 20060101AFI20240226BHJP
B25C 5/15 20060101ALI20240226BHJP
B27F 7/36 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
B25C7/00 Z
B25C5/15
B27F7/36
(21)【出願番号】P 2022552340
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2021097921
(87)【国際公開番号】W WO2022041910
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-08-29
(31)【優先権主張番号】202010858297.0
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522217625
【氏名又は名称】得力集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】Deli Group Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】Deli industrial Zone,Ninghai County,Ningbo City,Zhejiang,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【氏名又は名称】白井 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】金延達
(72)【発明者】
【氏名】李志敏
(72)【発明者】
【氏名】兪傑輝
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0045378(US,A1)
【文献】中国実用新案第206230462(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25C 7/00
B25C 5/15
B27F 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動機構、伝動機構(4)、ポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリ(8)、コントローラ、及びポップアップ機構を備える電動ステープラのステープル詰まり処理機構であって、
前記伝動機構(4)はポップアップ機構を介してポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリ(8)のポップアップスイッチに連結され、
コントローラが駆動機構を制御してステープル装填方向に回転させる時、ポップアップ機構はステープルチャンネルアセンブリ(8)を動作させず、コントローラが駆動機構を制御してステープル装填の逆方向に回転させる時、伝動機構(4)はポップアップ機構を介してポップアップスイッチを動作させてステープルチャンネルアセンブリ(8)のステープルチャンネルをポップアップし、それにより、詰まったステープルが簡単に取り出されることができ
、
前記ポップアップ機構はサイドホイール(5)、レバー(6)、及び押えピン(65)を備え、
前記ポップアップスイッチはキーロックアセンブリ(80)であり、
サイドホイール(5)は伝動機構(4)に固定され、伝動機構(4)とともに回転し、
レバー(6)は中部がベース(2)に回転可能に固定され、その一端がサイドホイール(5)により駆動され、他端が押えピン(65)と一方向伝動し、
押えピン(65)はベース(2)によりガイドされ、ステープルチャンネルアセンブリ(8)のキーロックアセンブリ(80)に設けられ、
サイドホイール(5)はステープル装填方向に回転する時、レバー(6)の一端が下向きになり、他端が上昇して押えピン(65)から離れるように駆動し、サイドホイール(5)はステープル装填の逆方向に回転する時、レバー(6)の一端が上向きになり、他端が押えピン(65)を押し下げるように駆動し、押えピン(65)は降下してステープルチャンネルアセンブリ(8)のキーロックアセンブリ(80)をロック解除してステープルチャンネルアセンブリ(8)のステープルチャンネルをポップアップすることを特徴とす
る電動ステープラのステープル詰まり処理機構。
【請求項2】
前記ポップアップ機構はサイドホイール(5)、レバー(6)、及び押えピン(65)を備え、
サイドホイール(5)は伝動機構(4)の伝動歯車(41)に固定され、
レバー(6)は中部がベース(2)に回転可能に固定され、その一端がサイドホイール(5)により駆動され、他端が押えピン(65)に接続され、
押えピン(65)はベース(2)の両側のガイド溝(21)によりガイドされ、ステープルチャンネルアセンブリ(8)のキーロックアセンブリ(80)に設けられ、
サイドホイール(5)はステープル装填方向に回転する時、レバー(6)の一端が下向きになり、他端が上昇して押えピン(65)から離れるように駆動し、サイドホイール(5)はステープル装填の逆方向に回転する時、レバー(6)の一端が上向きになり、他端が押えピン(65)を押し下げるように駆動し、押えピン(65)は降下してステープルチャンネルアセンブリ(8)のキーロックアセンブリ(80)をロック解除してステープルチャンネルアセンブリ(8)のステープルチャンネルをポップアップすることを特徴とする請求項
1に記載の電動ステープラのステープル詰まり処理機構。
【請求項3】
前記サイドホイール(5)の円周にカム(51)が部分的に設けられ、
サイドホイール(5)がステープル装填方向に回転する時、カム(51)は、レバー(6)の一端が下向きになり、他端が降下して押えピン(65)から離れるように駆動し、サイドホイール(5)がステープル装填の逆方向に回転する時、カム(51)は、レバー(6)の一端が上向きになり、他端が押えピン(65)を押し下げるように駆動し、押えピン(65)は降下してステープルチャンネルアセンブリ(8)のキーロックアセンブリ(80)をロック解除してステープルチャンネルアセンブリ(8)のステープルチャンネルをポップアップすることを特徴とする請求項
2に記載の電動ステープラのステープル詰まり処理機構。
【請求項4】
前記カム(51)の外側に、レバー(6)の一端を制限する円板(53)が設けられることを特徴とする請求項
3に記載の電動ステープラのステープル詰まり処理機構。
【請求項5】
前記レバー(6)とベース(2)との間に復帰機構が設けられ、レバー(6)に加えられる外力が解除されると、復帰機構はレバー(6)を元の位置に復帰させることを特徴とする請求項
1に記載の電動ステープラのステープル詰まり処理機構。
【請求項6】
前記復帰機構は引張りばね(7)であり、
引張りばね(7)は一端がベース(2)に接続され、他端がレバー(6)の一端に接続されることを特徴とする請求項
5に記載の電動ステープラのステープル詰まり処理機構。
【請求項7】
前記ポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリ(8)はインナーステープルチャンネル(81)、アウターステープルチャンネル(82)、プッシュ用長ピン(83)、ステープルプッシャー(84)、ステープルプッシャーばね(85)、及びキーロックアセンブリ(80)を備え、
インナーステープルチャンネル(81)はアウターステープルチャンネル(82)内にスライド可能に設けられ、インナーステープルチャンネル(81)の尾部にフック溝(811)が設けられ、
プッシュ用長ピン(83)は一端がアウターステープルチャンネル(82)の尾部に固定され、他端がアウターステープルチャンネル(82)の前部に固定され、
ステープルプッシャーばね(85)はプッシュ用長ピン(83)に外挿され、その一端がアウターステープルチャンネル(82)の尾部により制限され、他端がステープルプッシャー(84)に固定され、
ステープルプッシャー(84)はインナーステープルチャンネル(81)内にスライド可能に設けられ、
ステープルチャンネルアセンブリ(8)のステープル装填をステープル詰まり処理機構に一致させるように、ステープルがインナーステープルチャンネル(81)のヘッド部とステープルプッシャー(84)の前端との間にセットされ、
前記キーロックアセンブリ(80)はボタン(86)、ボタンロックばね(87)、及び固定ピン(88)を備え、
ボタン(86)は一端に押圧部(861)が設けられ、他端にフック部(862)が設けられ、
ステープルチャンネルアセンブリ(8)のインナーステープルチャンネル(81)の尾部にフック部(862)に対応するフック溝(811)が設けられ、
前記フック部(862)は平常状態でフック溝(811)に係合され、
前記ボタンロックばね(87)は一端がボタン(86)の内側により制限され、他端がステープルチャンネルの尾端(821)により制限されることを特徴とする請求項1に記載の電動ステープラのステープル詰まり処理機構。
【請求項8】
請求項1乃至
7のいずれか一項に記載のステープル詰まり処理機構を備えることを特徴とする電動ステープラ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2020年8月24日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202010858297.0、発明の名称が「電動ステープラのステープル詰まり処理機構及び電動ステープラ」である特許出願の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本発明は電動ステープラに関し、特にそのステープル詰まり処理機構に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電動ステープラ、例えば、中国特許文献CN2369864Yに開示されている電子制御ステープラは、ベース、モータ、歯車変速機構、偏心輪装置、レバー機構、ブレードアセンブリ、ステープルチャンネルアセンブリ、及びコントローラを備え、ベースの給紙箇所にマイクロスイッチが取り付けられ、マイクロスイッチはコントローラによってモータの回転を駆動するように制御され、モータは歯車変速機構に接続され、歯車変速機構は偏心輪装置を駆動し、偏心輪装置はブレードアセンブリを上下に動かさせ、ステープルチャンネルアセンブリ内のステープルを押し出す。綴じる時、綴じ対象の書類がマイクロスイッチを1回トリガーすると、モータが1回回転し、綴じ過程が1回完了する。つまり、従来の電動ステープラは一般には、ベース、ドライバー(モータ)、伝動機構(歯車変速機構、偏心輪装置、レバー機構)、ブレードアセンブリ、ポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリ、及びコントローラを備え、コントローラによってモータを制御して始動させ、伝動機構によってモータの回転方向をブレードアセンブリの上下動に変更し、その後、ブレードアセンブリによってステープルチャンネルアセンブリ内のステープルを押し出し、綴じが完了する。ステープルを装填する必要がある場合、ポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリを操作してインナーステープルチャンネルをポップアップさせ、それによりステープルを簡単に装填することができる。
【0004】
電動ステープラにステープル詰まりの現象が発生しやすいため、ユーザーは自ら詰まったステープルを除去する際に、詰まりによってステープルチャンネルが抜きにくくなる。強制的に抜くと、上部ブレードの変形を招きやすく、ひいては綴じ機構が完全に破壊され、電動ステープラが使えなくなってしまう。従って、それを改良する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、従来技術の上記欠陥を解消し、ステープル詰まりの問題を簡単に解決することができる電動ステープラのステープル詰まり処理機構を提供することである。
【0006】
本発明は、ステープル詰まりの問題を簡単に解決することができる電動ステープラをさらに提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明が上記課題を解決するための技術的解決手段として、電動ステープラのステープル詰まり処理機構であって、駆動機構、伝動機構、ポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリ、コントローラ、及びポップアップ機構を備え、前記伝動機構はポップアップ機構を介してポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリのポップアップスイッチに連結され、コントローラが駆動機構を制御してステープル装填方向に回転させる時、ポップアップ機構はステープルチャンネルアセンブリを動作させず、コントローラが駆動機構を制御してステープル装填の逆方向に回転させる時、伝動機構はポップアップ機構を介してポップアップスイッチを動作させてステープルチャンネルアセンブリのステープルチャンネルをポップアップし、それにより、詰まったステープルが簡単に取り出されることができる。
【0008】
さらに好ましくは、前記ポップアップ機構はサイドホイール、レバー、及び押えピンを備え、前記ポップアップスイッチはキーロックアセンブリであり、サイドホイールは伝動機構に固定され、伝動機構とともに回転し、レバーは中部がベースに回転可能に固定され、一端がサイドホイールにより駆動され、他端が押えピンと一方向伝動し、押えピンはベースによりガイドされ、ステープルチャンネルアセンブリのキーロックアセンブリに設けられ、サイドホイールはステープル装填方向に回転する時、レバーの一端が下向きになり、他端が上昇して押えピンから離れるように駆動し、サイドホイールはステープル装填の逆方向に回転する時、レバーの一端が上向きになり、他端が押えピンを押し下げるように駆動し、押えピンは降下してステープルチャンネルアセンブリのキーロックアセンブリをロック解除してステープルチャンネルアセンブリのステープルチャンネルをポップアップする。
【0009】
さらに好ましくは、前記ポップアップ機構はサイドホイール、レバー、及び押えピンを備え、サイドホイールは伝動機構の伝動歯車に固定され、レバーは中部がベースに回転可能に固定され、一端がサイドホイールにより駆動され、他端が押えピンに接続され、押えピンはベースの両側のガイド溝によりガイドされ、ステープルチャンネルアセンブリのキーロックアセンブリに設けられ、サイドホイールはステープル装填方向に回転する時、レバーの一端が下向きになり、他端が上昇して押えピンから離れるように駆動し、サイドホイールはステープル装填の逆方向に回転する時、レバーの一端が上向きになり、他端が押えピンを押し下げるように駆動し、押えピンは降下してステープルチャンネルアセンブリのキーロックアセンブリをロック解除してステープルチャンネルアセンブリのステープルチャンネルをポップアップする。
【0010】
より具体的には、前記サイドホイールの円周にカムが部分的に設けられ、サイドホイールがステープル装填方向に回転する時、カムは、レバーの一端が下向きになり、他端が降下して押えピンから離れるように駆動し、サイドホイールがステープル装填の逆方向に回転する時、カムは、レバーの一端が上向きになり、他端が押えピンを押し下げるように駆動し、押えピンは降下してステープルチャンネルアセンブリのキーロックアセンブリをロック解除してステープルチャンネルアセンブリのステープルチャンネルをポップアップする。
【0011】
さらに好ましくは、前記カムの外側に円板が設けられ、円板がレバーの一端を制限することで、レバーがカムから離脱することを防止することができる。
【0012】
さらに好ましくは、前記レバーとベースとの間に復帰機構が設けられ、レバーに加えられる外力が解除されると、復帰機構はレバーを元の位置に復帰させることができる。
【0013】
より具体的には、前記復帰機構は引張りばねであり、引張りばねは一端がベースに接続され、他端がレバーの一端に接続されることで、レバーに加えられる駆動力が解除されると、離れたレバーを復帰させることができる。
【0014】
さらに好ましくは、前記ポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリはインナーステープルチャンネル、アウターステープルチャンネル、プッシュ用長ピン、ステープルプッシャー、ステープルプッシャーばね、及びキーロックアセンブリを備え、インナーステープルチャンネルはアウターステープルチャンネル内にスライド可能に設けられ、インナーステープルチャンネルの尾部にフック溝が設けられ、プッシュ用長ピンは一端がアウターステープルチャンネルの尾部に固定され、他端がアウターステープルチャンネルの前部に固定され、ステープルプッシャーばねはプッシュ用長ピンに外挿され、一端がアウターステープルチャンネルの尾部により制限され、他端がステープルプッシャーに固定され、ステープルプッシャーはインナーステープルチャンネル内にスライド可能に設けられ、ステープルチャンネルアセンブリのステープル装填をステープル詰まり処理機構に一致させるように、ステープルがインナーステープルチャンネルのヘッド部とステープルプッシャーの前端との間にセットされ、前記キーロックアセンブリはボタン、ボタンロックばね、及び固定ピンを備え、ボタンは一端に押圧部が設けられ、他端にフック部が設けられ、ステープルチャンネルアセンブリのインナーステープルチャンネルの尾部にフック部に対応するフック溝が設けられ、前記フック部は平常状態でフック溝に係合され、前記ボタンロックばねは一端がボタンの内側により制限され、他端がステープルチャンネルの尾端により制限される。
【0015】
上記ステープル詰まり処理機構を備える電動ステープラをさらに提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、従来技術に比べて、以下の利点を有する。従来の電動ステープラにポップアップ機構が設けられることで、ステープル詰まりの時、従来の電動ステープラの機構を用いて、駆動機構によって逆方向に始動し、ポップアップ機構によってステープルチャンネルアセンブリ内のステープルチャンネルをポップアップすることができ、それによりステープルチャンネルアセンブリ内に詰まったステープルをスムーズに取り出し、ステープル詰まりの問題を簡単に解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る電動ステープラを示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る電動ステープラを示す正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る電動ステープラを示す上面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る正常綴じ時のステープル詰まり処理機構の協働を示す構造模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る電動ステープラのモータ、伝動機構、ステープルチャンネルアセンブリ、及びブレードアセンブリを示す構造模式図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る伝動歯車とサイドホイールが結合される斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る伝動歯車とサイドホイールの分解模式図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るステープル詰まり時のステープル詰まり処理機構の協働を示す構造模式図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る電動ステープラのポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリを示す斜視図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る電動ステープラのポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリが平常状態にあることを示す構造模式図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る電動ステープラのポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリがポップアップ時にあることを示す構造模式図である。
【
図13】本発明の
図1の電動ステープラのステープルチャンネルアセンブリを示す構造模式図である。
【
図14】
図13のステープルチャンネルアセンブリの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面及び実施形態を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0019】
説明の便宜上、以下で使用される方位用語、例えば前、後、時計回り、反時計回り等はいずれも図面に従って説明され、本発明の保護範囲を限定するものではなく、作成される図面の様々な視覚的方向に応じて変更可能である。
【0020】
図1~12に示すように、電動ステープラは、ベース2、モータ3、伝動機構4、ポップアップ機構、ステープルチャンネルアセンブリ8、ブレードアセンブリ9、及びコントローラ(図示せず)を備える。
【0021】
本発明の主な改良点は電動ステープラのステープル詰まり処理機構であり、当該ステープル詰まり処理機構は駆動機構、伝動機構4、ポップアップ型ステープルチャンネルアセンブリ8、コントローラ、及びポップアップ機構を備える。
【0022】
前記モータ3、伝動機構4、ポップアップ機構、ステープルチャンネルアセンブリ8、ブレードアセンブリ9、及びコントローラはいずれもベース2に固定される。
前記ポップアップ機構はサイドホイール5、レバー6、及び押えピン65を備える。
【0023】
前記サイドホイール5は円周にカム51が部分的に設けられ、中央部が固定部であり、固定部によって伝動機構に固定され、本実施形態では、前記伝動機構4は1組の歯車を備え、1つの伝動歯車41の中心に、サイドホイール中心軸52と係合する接続溝411が設けられ、サイドホイール中心軸52は接続溝411に挿入され、伝動歯車41とサイドホイール5とを結合することで、伝動機構により駆動されて正逆同期回転することができる。
【0024】
前記レバー6は、中部がピン66によってベース2に回転可能に固定され、その前端61がサイドホイール5の駆動カム51により駆動され、後端62が押えピン65の上方に接続される。
【0025】
前記押えピン65は、ベースの両側のガイド溝21によりガイドされ、ステープルチャンネルアセンブリのキーロックアセンブリ80に設けられる。
【0026】
前記コントローラが駆動機構を制御してステープル装填方向に回転させる時、サイドホイール5はステープル装填方向に回転し、レバー6の前端61が下向きになり、後端62が上昇して押えピン65から離れるように駆動し、ポップアップ機構全体がキーロックアセンブリ80を動作させず、それによりステープルチャンネルアセンブリ8全体を動作させない。前記コントローラが駆動機構を制御してステープル装填の逆方向に回転させる時、サイドホイール5はステープル装填の逆方向に回転し、レバー6の前端61が上向きになり、後端62が押えピン65を押し下げるように駆動し、押えピン65は降下してステープルチャンネルアセンブリ8のキーロックアセンブリ80をロック解除してステープルチャンネルをポップアップする。
【0027】
前記カム51の外側に円板53がさらに設けられ、円板53がレバー6の前端61を制限することで、レバー6がカム51から離脱することを防止することができる。
【0028】
引張りばね7がさらに設けられ、引張りばねの一端71がベース2に接続され、引張りばねの他端72がレバー6の前端61に接続されることで、レバー6に加えられる駆動力が解除されると、離れたレバー6の前端61を復帰させることができる。本実施形態のレバー6の前端61は木の枝状であり、引張りばねの他端72がブランチ63に接続されることで、簡単に接続できる。
【0029】
前記ベース2の引張りばね7の中部に対応する位置に柱74が設けられることで、引張りばね7は、勝手に揺れることなく、レバー6の前端61によって上昇する時に柱74を支点として移動可能である。
【0030】
図10~
図14に示すように、前記ステープルチャンネルアセンブリ8はインナーステープルチャンネル81、アウターステープルチャンネル82、プッシュ用長ピン83、ステープルプッシャー84、ステープルプッシャーばね85、及びキーロックアセンブリ80を備え、インナーステープルチャンネル81はアウターステープルチャンネル内にスライド可能に設けられ、インナーステープルチャンネル81の尾部にフック溝811が設けられ、プッシュ用長ピン83は一端がアウターステープルチャンネルの尾部に固定され、他端がアウターステープルチャンネルの前部に固定され、ステープルプッシャーばね85はプッシュ用長ピン83に外挿(スリーブ)され、その一端がアウターステープルチャンネル82の尾部により制限され、他端がステープルプッシャー84に固定され、ステープルプッシャー84はインナーステープルチャンネル内にスライド可能に設けられ、ステープルはインナーステープルチャンネルのヘッド部とステープルプッシャー84の前端との間にセットされる。
【0031】
前記ステープルチャンネルアセンブリ8は、アウターステープルチャンネル82を介してベースの基盤1に固定され、ブレードアセンブリと協働し、インナーステープルチャンネル81内に装填されるステープルはブレードアセンブリのブレードによって押し出されて綴じられる。
【0032】
前記インナーステープルチャンネル81の他端にステープルチャンネルハンドル816がさらに設けられ、ステープルチャンネルハンドル816によってインナーステープルチャンネル81を移動させることができる。
【0033】
前記キーロックアセンブリ80はボタン86、ボタンロックばね87、及び固定ピン88を備え、ボタン86は一端に押圧部861が設けられ、他端にフック部862が設けられ、前記フック部862は平常状態でインナーステープルチャンネル81の尾部のフック溝811に係合され、前記ボタンロックばね87は一端がボタン86の内側により制限され、他端がステープルチャンネルの尾端821により制限される。
【0034】
上記ボタン86の押圧部861に押えピン65が設けられ、押圧部861が押えピン65からの下向き力を受けると、ボタン86がばね力に抗して外向きに回転し、それによりボタンのフック部862がインナーステープルチャンネル81の尾部のフック溝811から分離する。
【0035】
図9及び
図10に示すように、押圧部861に接続される止め部863をさらに備える。止め部863が設けられることで押えピン65を押圧部861に制限することができ、それにより押えピン65が移動中に押圧部861から離脱することを防止し、このようにして、押えピン65は押圧部861の移動を駆動することができる。
【0036】
上記ブレードアセンブリは電動ステープラによく使用される機構であり、本発明が解決しようとする課題と関係なく、公知の構造を参照してもよいし、CN2369864Yに開示されている構造を参照してもよく、ここでは詳細な説明を省略する。
【0037】
上記ポップアップ機構はカム51、及びレバー6を備え、カム51はねじによってサイドホイール5の円周に回転可能に固定され、レバー6はカム51の下方に設けられ、基盤1に移動可能に接続され、基盤1を前後移動することができる。
【0038】
図4に示すように、上記レバー6の後部にプッシュ部521が設けられ、プッシュ部521はキーロックアセンブリ80のボタン86の一端と係合し、レバー6が時計回りに回転すると、押えピン65はボタン86を時計回りに回転させてフック部862をインナーステープルチャンネル81の尾部のフック溝811から分離させる。
【0039】
上記レバー6と基盤1との間に復帰機構がさらに設けられ、本実施形態では、復帰機構は復帰ばねであり、復帰ばねは前端がレバー6の末端により制限され、後端が基盤1に設けられる支持フレーム13により制限され、レバー6にガイド溝21がさらに設けられ、押えピン65がガイド溝21に挿入され、押えピン65が基盤1に固定され(図示せず)、このようにして、レバー6がカム51によって右へ移動すると、押えピン65により復帰ばねをガイドして圧縮することができ、レバー6に加えられるカム51からの外力が解除されると、復帰ばねの復帰力によってレバー6が復帰する。
【0040】
正常綴じ時、電動ステープラは中国特許文献CN2369864Yに開示されている電動ステープラの動作と類似し、上記文献における説明を参照すればよい。本発明で追加される部分の動作プロセスは以下の通りである。
図4に示されるように、綴じる時、コントローラはモータを始動して正転させて伝動機構の回転を駆動し、サイドホイール5は時計回りに回転し、その円周上のカム51が回転中にレバー6に当たると、レバー6の回転を駆動し、レバー6の前端61が下向きになった後、後端62は上昇し、押えピン65に接触しなくなり、このようにして、正常にステープルを打ち出すことができる。
【0041】
電動ステープラにステープル詰まりが発生すると処理する必要がある場合、
図8に示すように、コントローラはモータを始動して逆転させて伝動機構の回転を駆動し、サイドホイール5は反時計回りに回転し、その円周上のカム51が回転中にレバー6の前端61に当たり、レバー6が上向きに回転するように駆動し、レバー6の前端61は上向きに上昇し、後端62は下向きに押えピン65を押し下げ、押えピン65はキーロックアセンブリ80の降下を駆動し、ボタン86の一端を上へ回転させて該端のフック部862をインナーステープルチャンネル81の尾部のフック溝811から分離し、インナーステープルチャンネル81をステープルプッシャーばね85の作用下でポップアップし、従って、ステープラ内に詰まったステープルを簡単に除去することができる。
【0042】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明に対して種々の変更や変化を行うことができる。本発明の趣旨及び原則から逸脱せずに行われる変更、同等置換、改良等はいずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0043】
1、基盤
13、支持フレーム
2、ベース
21、ガイド溝
3、モータ
4、伝動機構
41、伝動歯車
411、接続溝
5、サイドホイール
51、カム
52、サイドホイール中心軸
521、プッシュ部
53、円板
6、レバー
61、前端
62、後端
63、ブランチ
65、押えピン
66、ピン
7、引張りばね
71、引張りばねの一端
72、引張りばねの他端
74、柱
8、ステープルチャンネルアセンブリ
80、キーロックアセンブリ
81、インナーステープルチャンネル
811、フック溝
816、ステープルチャンネルハンドル
82、アウターステープルチャンネル
821、ステープルチャンネルの尾端
83、プッシュ用長ピン
84、ステープルプッシャー
85、ステープルプッシャーばね
86、ボタン
861、押圧部
862、フック部
87、ボタンロックばね
88、固定ピン
9、ブレードアセンブリ。