(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】調光機構、車両ランプモジュール、車両ランプ、及び車両
(51)【国際特許分類】
F21S 41/657 20180101AFI20240226BHJP
F21S 41/675 20180101ALI20240226BHJP
F21S 45/47 20180101ALI20240226BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20240226BHJP
F21V 29/76 20150101ALI20240226BHJP
F21V 19/02 20060101ALI20240226BHJP
B60Q 1/068 20060101ALI20240226BHJP
F21W 102/10 20180101ALN20240226BHJP
【FI】
F21S41/657
F21S41/675
F21S45/47
F21V14/02 200
F21V29/76
F21V19/02 500
F21V19/02 600
B60Q1/068 100
F21W102:10
(21)【出願番号】P 2022570698
(86)(22)【出願日】2020-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2020111397
(87)【国際公開番号】W WO2021237961
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】202010456521.3
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520372939
【氏名又は名称】▲華▼域▲視▼▲覺▼科技(上▲海▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】仇 智平
(72)【発明者】
【氏名】金 朗▲潤▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲聰▼
(72)【発明者】
【氏名】祝 ▲賀▼
(72)【発明者】
【氏名】桑 文慧
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04884174(US,A)
【文献】中国特許出願公開第110006001(CN,A)
【文献】特開2001-151011(JP,A)
【文献】特開2002-193024(JP,A)
【文献】特開平11-339506(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108626675(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/657
F21S 41/675
F21S 45/47
F21V 14/02
F21V 29/76
F21V 19/02
B60Q 1/068
F21W 102/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明ユニット(2)を調光するための調光機構であって、固定ボールジョイント(1a)、第1の調整可能ボールジョイント(1b)、及び第2の調整可能ボールジョイント(1c)を含み、
前記固定ボールジョイント(1a)は、一端が前記照明ユニット(2)に接続され、他端が支持フレーム又はランプ本体(3)に接続され、
前記第1の調整可能ボールジョイント(1b)は、一端が前記照明ユニット(2)に接続され、他端が前記支持フレーム又はランプ本体(3)に支持され、前記第1の調整可能ボールジョイント(1b)は、前記照明ユニット(2)を回動駆動して第1の方向の調光を実現するように、前記支持フレーム又はランプ本体(3)に対して前後移動可能であり、
前記照明ユニット(2)にはスライドスロット(4)が設けられ、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)は、一端が前記スライドスロット(4)にスライド可能に接続され、他端が前記支持フレーム又はランプ本体(3)に支持され、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)は、前記スライドスロット(4)を回動駆動するとともに、前記スライドスロット(4)の回動によって前記照明ユニット(2)を回動駆動して第2の方向の調光を実現するように、前記支持フレーム又はランプ本体(3)に対して前後移動可能であ
り、
前記固定ボールジョイント(1a)のボール球心と前記第1の調整可能ボールジョイント(1b)のボール球心との接続線が前記第1の方向に延びており、
前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)は前記固定ボールジョイント(1a)と第1の調整可能ボールジョイント(1b)の後方に設けられることを特徴とする調光機構。
【請求項2】
前記第1の方向は上下方向、前記第2の方向は左右方向であり、
前記固定ボールジョイント(1a)のボール球心、前記第1の調整可能ボールジョイント(1b)のボール球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボール球心は同一の垂直面内にあり、前記スライドスロット(4)と前記垂直面とは夾角をなす
こと、又は、
前記第1の方向は左右方向、前記第2の方向は上下方向であり、
前記固定ボールジョイント(1a)のボール球心、前記第1の調整可能ボールジョイント(1b)のボール球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボール球心は同一の水平面内にあり、前記スライドスロット(4)と前記水平面とは夾角をなすことを特徴とする請求項
1に記載の調光機構。
【請求項3】
前記固定ボールジョイント(1a)及び前記第1の調整可能ボールジョイント(1b)はボールねじユニット(1)であり、前記ボールねじユニット(1)はボールねじ(101)とボールナット(102)を含むことを特徴とする請求項
1又は2に記載の調光機構。
【請求項4】
前記照明ユニット(2)にはスライドスロット(4)が設けられ、前記スライドスロット(4)にはスライダ(6)が設けられ、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)の一端は前記スライダ(6)を介して前記スライドスロット(4)にスライド可能に接続される、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)はボールねじユニット(1)であり、前記ボールねじユニット(1)はボールねじ(101)とボールナット(102)を含み、前記スライダ(6)は、前記スライドスロット(4)にスライド可能に接続されたスライダベース(601)と、前記スライダベース(601)に固定された固定部(602)とを含み、前記固定部(602)は前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボールに可動接続可能であ
ること、又は、
前記スライダ(6)は、前記ボールナット(102)に接続されたスライドロッドとして構成され、前記スライダ(6)は前記スライドスロット(4)内にスライド可能に接続されることを特徴とする請求項
1又は2に記載の調光機構。
【請求項5】
前記固定部(602)は環状構造として構成され、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)には係合スロットが形成され、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボールナット(102)は前記係合スロットを介して前記固定部(602)に係合され、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボール球心は前記環状構造の軸方向中心線に設けられ
ること、又は、
前記固定部(602)には円筒形溝(6021)が形成され、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)はボールねじ(101)として構成され、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボールは前記円筒形溝(6021)内に嵌合するように装着され、前記円筒形溝(6021)に沿ってスライド可能であることを特徴とする請求項
4に記載の調光機構。
【請求項6】
前記円筒形溝(6021)の軸方向中心線(6022)は、前記固定ボールジョイント(1a)のボール球心と前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボール球心とを通る垂直面に垂直であり、前記円筒形溝(6021)の内面は、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボールと前記垂直面との横断線が前記軸方向中心線(6022)に沿って延伸したものであ
ること、又は、
前記円筒形溝(6021)の軸方向中心線(6022)は、前記固定ボールジョイント(1a)のボール球心を円心、前記固定ボールジョイント(1a)のボール球心と前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボール球心との接続線を半径とした曲線分として構成され、前記円筒形溝(6021)の内面は、前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボールと垂直面との横断線が前記軸方向中心線(6022)に沿って延伸したものであり、前記垂直面は、前記固定ボールジョイント(1a)のボール球心と前記第2の調整可能ボールジョイント(1c)のボール球心とを通る垂直面であることを特徴とする請求項
5に記載の調光機構。
【請求項7】
前記スライダベース(601)の前記固定部(602)から遠い一端の端面には、弾性支持構造(6012)が設けられるか、又は一体形成され、前記弾性支持構造(6012)は、前記スライドスロット(4)の底面に当接し、反対の作用力を形成し、前記スライダベース(601)が前記スライドスロット(4)に押し付けられて前記スライドスロット(4)に沿ってスライドできるようにする、ことを特徴とする請求項
4~6のいずれか一項に記載の調光機構。
【請求項8】
前記弾性支持構造(6012)は、前記スライドスロット(4)の方向に沿って延びている、ペアとして構成されるアーチ状弾性シートであることを特徴とする請求項
7に記載の調光機構。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の調光機構及び照明ユニット(2)を含むことを特徴とする車両ランプモジュール。
【請求項10】
前記照明ユニット(2)は放散部材(201)を含み、前記スライドスロット(4)は前記放散部材(201)に一体に設けられるか、又は取り外し可能に設けられることを特徴とする請求項
9に記載の車両ランプモジュール。
【請求項11】
請求項
9又は10に記載の車両ランプモジュールを含むことを特徴とする車両ランプ。
【請求項12】
請求項
11に記載の車両ランプを含むことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年05月26日に提出された中国特許出願202010456521.3の利益を主張し、該出願の内容は引用により本出願に組み込まれている。
【0002】
本発明は、車両ランプ部材に関し、具体的には、調光機構に関する。また、本発明は、さらに車両ランプモジュール、車両ランプ、及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
車両ランプ、特にヘッドランプは、使用前又は装着中にパターンを標準位置に調光してキャリブレーションする必要がある。このため、照明ユニットの投射パターンが標準位置パターン(パターンは標準スクリーン上に投射されるパターンであり、ヘッドランプロービーム又はハイビームの場合、標準スクリーンは車両の前方の25mでの垂直スクリーンである)又は各照明ユニットの投射パターンに対して上下又は左右方向の角度を調整するために、車両ランプモジュールに調光機構が設けられる必要があり、
図1~
図3に示すように、P0は標準位置パターンであり、P1、P2、P3、P4は位置ズレパターンであり、P1に示すパターンを下方へ調光し、P2に示すパターンを上方へ調光し、P3に示すパターンを右方へ調光し、P4に示すパターンを左方へ調光する必要があり、それにより、標準位置にあるパターンP0が得られる。
【0004】
図4~
図7に示すように、現在、車両ランプモジュールに使用されている調光機構は、3つのボールねじユニット1を含み、ボールねじユニット1はボールねじ101とボールナット102を含み、ボールねじ101は、軸部にねじ山が設けられ、ねじ山を介して支持フレーム又はランプ本体に接続され、ボールねじ101の先端にはボールが設けられ、ボールはボールソケットが設けられたボールナット102と嵌合し、ボールナット102は照明ユニット2に固定して接続される。3つのボールねじユニット1のうち、1つのボールねじユニット1は、支持フレーム又はランプ本体に対して固定ボールねじユニット1、残りの2つのボールねじユニット1は、支持フレーム又はランプ本体に対して前後移動可能な調整可能ボールねじユニット1として構成され、これらのうち、一方の調整可能ボールねじユニット1は、固定ボールねじユニット1の下方に設けられ、該調整可能ボールねじユニット1のボールねじ101の回動によりボールねじ101は支持フレーム又はランプ本体に対して前後移動し、照明ユニット2が水平調光軸を中心に支持フレーム又はランプ本体に対して上下回動するようにし、それにより、上下方向の調光が実現され、他方の調整可能ボールねじユニット1は、固定ボールねじユニット1の左側又は右側に設けられ、該調整可能ボールねじユニット1のボールねじ101の回動により支持フレーム又はランプ本体に対して前後移動し、照明ユニット2が垂直調光軸を中心に支持フレーム又はランプ本体に対して左右回動するようにし、それにより、左右方向の調光が実現される。ここで、水平調光軸とは、固定ボールねじユニット1の左側又は右側に位置する調整可能ボールねじユニット1のボール球心と固定ボールねじユニット1のボール球心とを接続してなる水平軸線であり、垂直調光軸とは、固定ボールねじユニット1の下方に位置する調整可能ボールねじユニット1のボール球心と固定ボールねじユニット1のボール球心とを接続してなる垂直軸線である。
【0005】
上記調光機構は、上下方向と左右方向の調光を実現できるものの、少なくとも以下の2つの欠点がある。第1には、上下方向と左右方向の調光を実現するために、調整可能ボールねじユニット1は固定ボールねじユニット1の側面又は下方に設けられ、調光機構全体の上下方向又は左右方向の寸法a(
図7参照)を大きくしなければならず、上下寸法又は左右寸法が小さくなる傾向のある車両ランプモジュールによる空間的な配置の要件を満たすことができず、第2には、車両ランプモジュールの上下方向又は左右方向の寸法が小さいと、上下方向の2つのボールねじユニット1の間又は左右方向の2つのボールねじユニット1の間の間隔Lが短くなり、回動しているパワーアームが短くなり、調整可能ボールねじユニット1の前後における少量の移動だけでも照明ユニット2はより大きな角度で回動してしまい、調光精度が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする第1の態様の技術的課題は、車両ランプモジュールの第2の方向の寸法の小型化を実現し、しかも第2の方向の調光精度を向上させることができる調光機構を提供することである。
【0007】
本発明が解決しようとする第2の態様の技術的課題は、調光機構が車両ランプモジュールの第2の方向の寸法の小型化を実現し、しかも第2の方向の調光精度を向上させることができる車両ランプモジュールを提供することである。
【0008】
本発明が解決しようとする第3の態様の技術的課題は、調光機構が車両ランプモジュールの第2の方向の寸法の小型化を実現し、しかも第2の方向の調光精度を向上させることができる車両ランプを提供する。
【0009】
本発明が解決しようとする第4の態様の技術的課題は、調光機構が車両ランプモジュールの第2の方向の寸法の小型化を実現し、しかも第2の方向の調光精度を向上させることができる車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記技術的課題を解決するために、本発明の第1の態様は、照明ユニットを調光するための調光機構であって、固定ボールジョイント、第1の調整可能ボールジョイント、及び第2の調整可能ボールジョイントを含み、前記固定ボールジョイントは、一端が前記照明ユニットに接続され、他端が支持フレーム又はランプ本体に接続され、前記第1の調整可能ボールジョイントは、一端が前記照明ユニットに接続され、他端が前記支持フレーム又はランプ本体に支持され、前記第1の調整可能ボールジョイントは、前記照明ユニットを回動駆動して第1の方向の調光を実現するように、前記支持フレーム又はランプ本体に対して前後移動可能であり、前記照明ユニットにはスライドスロットが設けられ、前記第2の調整可能ボールジョイントは、一端が前記スライドスロットにスライド可能に接続され、他端が前記支持フレーム又はランプ本体に支持され、前記第2の調整可能ボールジョイントは、前記スライドスロットを回動駆動するとともに、前記スライドスロットの回動によって前記照明ユニットを回動駆動して第2の方向の調光を実現するように、前記支持フレーム又はランプ本体に対して前後移動可能である、調光機構を提供する。
【0011】
本発明の1つの好適な実施形態として、前記固定ボールジョイントのボール球心と前記第1の調整可能ボールジョイントのボール球心との接続線が前記第1の方向に延びており、前記第2の調整可能ボールジョイントは前記固定ボールジョイントと第1の調整可能ボールジョイントの後方に設けられる。
【0012】
より好ましくは、前記第1の方向は上下方向、前記第2の方向は左右方向であり、
前記固定ボールジョイントのボール球心、前記第1の調整可能ボールジョイントのボール球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイントのボール球心は同一の垂直面内にある。
【0013】
さらに好ましくは、前記スライドスロットと前記垂直面とは夾角をなす。
【0014】
本発明の別の好適な実施形態として、前記第1の方向は左右方向、前記第2の方向は上下方向であり、
前記固定ボールジョイントのボール球心、前記第1の調整可能ボールジョイントのボール球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイントのボール球心は同一の水平面内にある。
【0015】
より好ましくは、前記スライドスロットと前記水平面とは夾角をなす。
【0016】
本発明のさらに別の好適な実施形態として、前記固定ボールジョイント及び前記第1の調整可能ボールジョイントはボールねじユニットであり、前記ボールねじユニットはボールねじとボールナットを含む。
【0017】
本発明の1つの具体的な構造形態として、前記照明ユニットにはスライドスロットが設けられ、前記スライドスロットにはスライダが設けられ、前記第2の調整可能ボールジョイントの一端は前記スライダを介して前記スライドスロットにスライド可能に接続される。
【0018】
より具体的には、前記第2の調整可能ボールジョイントはボールねじユニットであり、前記ボールねじユニットはボールねじとボールナットを含み、前記スライダは、前記スライドスロットにスライド可能に接続されたスライダベースと、前記スライダベースに固定された固定部とを含み、前記固定部は前記第2の調整可能ボールジョイントのボールに可動接続可能であり、又は
前記スライダは、前記ボールナットに接続されたスライドロッドとして構成され、前記スライダは前記スライドスロット内にスライド可能に接続される。
【0019】
特に、前記固定部は環状構造として構成され、前記第2の調整可能ボールジョイントには係合スロットが形成され、前記第2の調整可能ボールジョイントのボールナットは前記係合スロットを介して前記固定部に係合され、前記第2の調整可能ボールジョイントのボール球心は前記環状構造の軸方向中心線に設けられ、又は
前記固定部には円筒形溝が形成され、前記第2の調整可能ボールジョイントのボールは前記円筒形溝内に嵌合するように装着され、前記円筒形溝に沿ってスライド可能である。
【0020】
本発明の別の具体的な構造形態として、前記円筒形溝の軸方向中心線は、前記固定ボールジョイントのボール球心と前記第2の調整可能ボールジョイントのボール球心とを通る垂直面に垂直であり、前記円筒形溝の内面は、前記第2の調整可能ボールジョイントのボールと前記垂直面との横断線が前記軸方向中心線に沿って延伸したものであり、又は
前記円筒形溝の軸方向中心線は、前記固定ボールジョイントのボール球心を円心、前記固定ボールジョイントのボール球心と前記第2の調整可能ボールジョイントのボール球心との接続線を半径とした曲線分として構成され、前記円筒形溝の内面は、前記第2の調整可能ボールジョイントのボールと垂直面との横断線が前記軸方向中心線に沿って延伸したものであり、前記垂直面は、前記固定ボールジョイントのボール球心と前記第2の調整可能ボールジョイントのボール球心とを通る垂直面である。
【0021】
より具体的には、前記スライダベースの前記固定部から遠い一端の端面には、弾性支持構造が設けられるか、又は一体形成され、前記弾性支持構造は、前記スライドスロットの底面に当接し、反対の作用力を形成し、前記スライダベースが前記スライドスロットに押し付けられて前記スライドスロットに沿ってスライドできるようにする。
【0022】
さらに、前記弾性支持構造は、前記スライドスロットの方向に沿って延びている、ペアとして構成されるアーチ状弾性シートである。
【0023】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様の技術案のいずれか一項に記載の調光機構及び照明ユニットを含む車両ランプモジュールを提供する。
【0024】
好ましくは、前記照明ユニットは放散部材を含み、前記スライドスロットは前記放散部材に一体に設けられるか、又は取り外し可能に設けられる。
【0025】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様の技術案に記載の車両ランプモジュールを含む車両ランプを提供する。
【0026】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様の技術案に記載の車両ランプを含む車両をさらに提供する。
【発明の効果】
【0027】
上記技術案によれば、本発明の調光機構では、第1の調整可能ボールジョイントの前後移動によって照明ユニットを回動駆動して第1の方向の調光を実現し、第2の調整可能ボールジョイントの前後移動によってスライドスロットと照明ユニットを回動駆動して第2の方向の調光を実現する。該調光機構は、第2の調整可能ボールジョイントを第2の方向に沿って固定ボールジョイントの一側に設ける必要がないため、照明ユニットの第2の方向の寸法a’を減らし、照明ユニットの第2の方向の小型化を可能とする。さらに、第2の調整可能ボールジョイントは固定ボールジョイントと第1の調整可能ボールジョイントとの後方に設けられ、第2の調整可能ボールジョイントのボール球心と第2の回転軸との間の間隔を増大し、つまり、第2の方向において回動する照明ユニットのパワーアームを増大することができ、従来技術に比べて、第2の調整可能ボールジョイントは同じ間隔だけ移動する場合、本発明による調光機構は、第2の方向における照明ユニットの回動量をより小さくし、第2の方向の調光精度をより高めることができる。
【0028】
本発明のほかの利点及び好適な実施形態の技術的効果については、以下の具体的な実施形態においてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】標準位置にある場合の標準パターン図である。
【
図4】従来技術の車両ランプモジュールの一例の構造模式図である。
【
図6】従来技術の車両ランプモジュールの別の構造模式図である。
【
図7】従来技術の車両ランプモジュールのさらに別の構造模式図である。
【
図8】本発明の調光機構の第1の特定実施形態の一例の立体構造模式図であり、支持フレーム又はランプ本体を示す。
【
図9】本発明の調光機構の第1の特定実施形態の別の立体構造模式図である。
【
図14】本発明の調光機構の第1の特定実施形態のさらに別の立体構造模式図である。
【
図19】本発明の第2の調整可能ボールジョイント及びスライダの第1の特定実施形態の一例の構造模式図である。
【
図20】本発明の第2の調整可能ボールジョイント及びスライダの第1の特定実施形態の別の構造模式図である。
【
図21】本発明のスライダの第1の特定実施形態の一例の構造模式図である。
【
図22】本発明のスライダの第1の特定実施形態の別の構造模式図である。
【
図23】本発明のスライダの第2の特定実施形態の一例の構造模式図である。
【
図24】本発明のスライダの第2の特定実施形態の別の構造模式図である。
【
図25】本発明のスライダの第2の特定実施形態のさらに別の構造模式図である
【
図26】本発明の調光機構の第2の特定実施形態の一例の構造模式図である。
【
図27】本発明の調光機構の第2の特定実施形態の別の構造模式図である。
【
図29】本発明の調光機構の第2の特定実施形態のさらに別の構造模式図である。
【
図31】本発明の調光機構の第3の特定実施形態の一例の構造模式図である。
【
図33】本発明のスライダの第3の特定実施形態の一例の構造模式図である。
【
図34】本発明のスライダの第3の特定実施形態の別の構造模式図である。
【
図35】本発明のスライダの第3の特定実施形態のさらに別の構造模式図である。
【
図36】本発明のスライダの第3の特定実施形態のさらなる構造模式図である。
【
図37】
図8の調光機構の左右方向の調光原理の模式図である。
【
図38】
図8の調光機構の上下方向の調光原理の模式図である。
【
図39】本発明の車両ランプモジュールの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら本発明の特定実施形態を詳細に説明し、なお、ここで説明する特定実施形態は本発明を説明して解釈するために過ぎず、本発明の特許範囲は下記の特定実施形態に制限されない。
【0031】
なお、本発明の説明において、別途明確な規定や制限がない限り、用語「接続」、「連結」は広義で理解すべきであり、たとえば、固定して接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体に接続してもよい。直接接続してもよく、中間媒体を介して間接的に接続してもよく、2つの素子内部が連通してもよく、又は2つの素子が相互作用関係を持ってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、上記用語の本発明での具体的な定義を理解できる。
【0032】
なお、
図4に示すように、車両ランプモジュールに基づいて、「前」とは、光線の出射方向が指す方向であり、「後」とは、「前」と反対の方向であり、「左」とは、光線の出射方向の左側であり、「右」とは、光線の出射方向の右側であり、「上」とは、光線の出射方向の上方であり、「下」とは、光線の出射方向の下方であり、用語は、図面に示す方向又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明の便宜及び記載の簡素化のために過ぎず、かかる装置又は素子が必ずしも特定の方位を有したり、特定の方位で構造・操作したりすることを指示又は示唆するものではなく、したがって、本発明を制限するものとして理解できない。
【0033】
また、なお、調光機構の理論的な設計状態とは、本発明の調光機構の各部材の間の位置関係を意味し、上下、左右調光を必要としない照明ユニットを基準とするものである。たとえば、
図39に示す照明ユニットでは、レンズ5の光軸が車両の前後方向に平行である場合の状態を基準に各部材の間の位置関係、スライドスロット4と水平面又は垂直面との夾角、円筒形溝6021の軸方向中心線と2つのボールねじ101のボール球心との幾何学的関係などを設計し、車両ランプモジュールが車両ランプに装着された後、製造公差や組立公差などの原因により、調光する際には、上記位置関係は変わる。もちろん、該調光機構は、レンズ5を有する照明ユニット2だけではなく、他の照明ユニット、たとえば、反射式の光学素子を有する照明ユニットなどに適用できる。
【0034】
本発明の基本的な実施形態では、
図8~
図18及び
図26~
図32に示すように、調光機構が提供され、該調光機構は、照明ユニット2を調光するものであり、固定ボールジョイント1a、第1の調整可能ボールジョイント1b、及び第2の調整可能ボールジョイント1cを含み、前記固定ボールジョイント1aは、一端が前記照明ユニット2に接続され、他端が支持フレーム又はランプ本体3に接続され、前記第1の調整可能ボールジョイント1bは、一端が前記照明ユニット2に接続され、他端が前記支持フレーム又はランプ本体3に支持され、前記第1の調整可能ボールジョイント1bは、前記照明ユニット2を回動駆動して第1の方向の調光を実現するように、前記支持フレーム又はランプ本体3に前後移動可能であり、前記照明ユニット2にはスライドスロット4が設けられ、前記第2の調整可能ボールジョイント1cは、一端が前記スライドスロット4にスライド可能に接続され、他端が前記支持フレーム又はランプ本体3に支持され、前記第2の調整可能ボールジョイント1cは、前記スライドスロット4を回動駆動するとともに、前記スライドスロット4の回動によって前記照明ユニット2を回動駆動して第2の方向の調光を実現するように、前記支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動可能である。
【0035】
なお、ここで、前記第1の方向は、たとえば左右方向、上下方向又は他の方向など、任意の方向に設定されてもよく、前記第2の方向も、任意の方向に設定されてもよく、ただし、前記第1の方向と前記第2の方向は2つの異なる方向に設定すべきである。好ましくは、パターンの位置をより正確に調整できるように、前記第1の方向と第2の方向は互いに垂直である。以下、第1の方向と第2の方向が互いに垂直である場合を例に、さらに解釈して説明する。
【0036】
具体的には、前記第1の調整可能ボールジョイント1b及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cは、ボールねじユニット1であってもよいし、ボール構造を有するロッド部材であってもよい。前記固定ボールジョイント1aは、固定ボールジョイント1aと照明ユニット2との間の回動に影響を与えずに、支持フレーム又はランプ本体3と照明ユニット2を固定して接続できる任意のボールジョイントであってもよく、第1の調整可能ボールジョイント1b及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cのようなボールねじユニット1又はボール構造を有するロッド部材であってもよい。ボールねじユニット1は、ボールねじ101とボールナット102を含む。ボール構造を有するロッド部材は、ボールねじユニット1のボールねじ101をねじ山のないロッド部材にしたものである。前記第1の調整可能ボールジョイント1b及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cがボールねじユニット1である場合、前記支持フレーム又はランプ本体3には、前記ボールねじユニット1のボールねじ101が貫通するのに適している2つの孔が設けられ、この2つの孔のいずれの内部にも、前記ボールねじ101の雄ねじ山に適合した雌ねじ山が設けられる。作動する際に、ボールねじ101が回転してボールねじユニット1を前後移動させ、それにより、照明ユニット2を回動駆動する。前記第1の調整可能ボールジョイント1b及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cがボール構造を有するロッド部材である場合、前記支持フレーム又はランプ本体3には、前記第1の調整可能ボールジョイント1b及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cのロッド部材が挿入するのに適している2つの孔が設けられ、この孔は、第1の調整可能ボールジョイント1b又は第2の調整可能ボールジョイント1cがその内部で前後方向にスライドすることに影響を与えないようなサイズにされている。作動する際に、ボール構造を有するロッド部材の前後スライドが制御されて、照明ユニット2が回動駆動される。もちろん、前記第1の調整可能ボールジョイント1b及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cは、また、ボール構造を有する伸縮部材、すなわち、ボールねじユニット1のボールねじ101を伸縮ロッドに交換したものであってもよく、伸縮ロッドは、支持フレーム又はランプ本体3に固定して接続され、照明ユニット2は伸縮ロッドの伸縮により回動駆動されるようにしてもよい。好ましくは、前記第1の調整可能ボールジョイント1b及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cはボールねじユニット1であり、微小調整を行うことで、精度がさらに高まる。
【0037】
前記スライドスロット4は、前記照明ユニット2に取り外し可能に又は一体に接続され、好ましくは、前記スライドスロット4は、前記照明ユニット2に一体に接続され、このように、車両ランプの装着ステップを減らすことができる。
【0038】
上記基本的な実施形態による調光機構では、作動する際に、前記固定ボールジョイント1a、第1の調整可能ボールジョイント1b及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cがすべてボールねじユニット1である例において、第1の方向において調光を必要とする場合、固定ボールジョイント1aのボールねじ101のボール及びそれと嵌合するボールナット102は回り対偶構造となり、第1の調整可能ボールジョイント1bのボールねじ101のボール及びそれと嵌合するボールナット102は回り対偶構造となり、
図37に示すように、第1の調整可能ボールジョイント1bの前後移動によって、照明ユニット2は固定ボールジョイント1aのボール球心を通り且つ第1の方向に垂直である直線を第1の回転軸Iとして回動し、照明ユニット2のパターンは第1の方向に沿って移動する。第2の方向において調光を必要とする場合、固定ボールジョイント1aのボールねじ101のボール及びそれと嵌合するボールナット102は回り対偶構造となり、第1の調整可能ボールジョイント1bのボールねじ101のボール及びそれと嵌合するボールナット102は回り対偶構造となり、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールねじ101のボール及びそれと嵌合するボールナット102は回り対偶構造となり、
図38に示すように、第2の調整可能ボールジョイント1cの前後移動によって、スライドスロット4は固定ボールジョイント1aのボール球心と第1の調整可能ボールジョイント1bのボール球心との接続線を第2の回転軸IIとして回動し、それにより、照明ユニット2は回動駆動され、照明ユニット2のパターンを第2の方向に沿って移動させる。
【0039】
具体的には、前記固定ボールジョイント1aのボール球心と前記第1の調整可能ボールジョイント1bのボール球心との接続線は上記第2の回転軸IIの前記第1の方向において延伸したものであり、前記第2の調整可能ボールジョイント1cは、前記固定ボールジョイント1a及び第1の調整可能ボールジョイント1bの後方に設けられ、それにより、照明ユニット2の第2の方向の寸法a’を減らし、第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心と第2の回転軸IIとの間の間隔L’を増大し、照明ユニット2の第2の方向の小型化及び調光精度を実現することができる。
【0040】
上記基本的な実施形態による調光機構では、第1の調整可能ボールジョイント1bの前後移動によって照明ユニット2を回動駆動して第1の方向の調光を実現し、第2の調整可能ボールジョイント1cの前後移動によって前記スライドスロット4及び照明ユニット2を回動駆動して第2の方向の調光を実現する。該調光機構は、第2の調整可能ボールジョイント1cを第2の方向に沿って固定ボールジョイント1aの一側に設ける必要がないため、照明ユニット2の第2の方向の寸法a’を減らし、照明ユニット2の第2の方向の小型化を可能とする。さらに、第2の調整可能ボールジョイント1cは固定ボールジョイント1aと第1の調整可能ボールジョイント1bとの後方に設けられ、
図12に示すように、第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心と第2の回転軸Iとの間の間隔L’を増大し、つまり、第2の方向において回動する照明ユニット2のパワーアームを増大することができ、従来技術に比べて、第2の調整可能ボールジョイント1cは同じ間隔だけ移動する場合、本発明による調光機構は、第2の方向における照明ユニット2の回動量をより小さくし、第2の方向の調光精度をより高めることができる。
【0041】
第1の方向の調光精度を高めることができるために、本発明の1つの特定実施形態では、前記第1の調整可能ボールジョイント1bは前記照明ユニット2の前記固定ボールジョイント1aから遠い一端に設けられる。第1の調整可能ボールジョイント1bが前記照明ユニット2の前記固定ボールジョイント1aから遠い一端に設けられることによって、第1の方向において調光するときに、回動している照明ユニット2のパワーアームを増大し、第1の調整可能ボールジョイント1bが同じ間隔だけ移動する場合、照明ユニット2の回動角度をより小さくし、調光の精度を向上させる。
【0042】
本発明の1つの特定実施形態では、前記第1の方向は上下方向、前記第2の方向は左右方向であり、前記固定ボールジョイント1aのボール球心、前記第1の調整可能ボールジョイント1bのボール球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心は同一の垂直面内にあり、このように、上下方向において調光するときに左右方向に生じる成分を減少させることができる。この特定実施形態では、照明ユニット2の左右方向の寸法を減らし、車両ランプモジュールの左右方向の小型化を可能とする。
【0043】
第2の調整可能ボールジョイント1cの前後移動によってスライドスロット4を回動駆動して照明ユニット2の左右方向の調光を実現することができるために、本発明の1つの特定実施形態では、前記スライドスロット4と上記垂直面とがなす夾角は0°~90°であってもよく、好ましくは15°~60°である。具体的には、当業者は実際の使用及び装着の状況に応じて設定してもよい。同様に、スライドスロット4と垂直面との間の夾角の角度も、理論的な設計状態でのスライドスロット4と垂直面との間の夾角の角度であり、上下、左右の調光を行うと、スライドスロット4は揺れて、この夾角の角度も変わる。
【0044】
本発明の1つの特定実施形態では、前記第1の方向は左右方向、前記第2の方向は上下方向であり、
図11に示すように、前記固定ボールジョイント1aの球心、前記第1の調整可能ボールジョイント1bの球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cの球心は同一の水平面内にあり、このように、左右方向において調光するときに上下方向に生じる成分を減少させることができる。この特定実施形態では、照明ユニット2の上下方向の寸法を減らし、車両ランプモジュールの上下方向の小型化を可能とする。
【0045】
第2の調整可能ボールジョイント1cの前後移動によってスライドスロット4を回動駆動して照明ユニット2の上下方向の調光を実現することができるために、本発明の1つの特定実施形態では、前記スライドスロット4と上記水平面との間がなす夾角は、0°~90°であってもよく、好ましくは15°~60°である。具体的には、当業者は実際の使用及び装着の状況に応じて設定してもよい。同様に、スライドスロット4と水平面との間の夾角の角度も、理論的な設計状態でのスライドスロット4と水平面との間の夾角の角度であり、上下、左右の調光を行うと、スライドスロット4は揺れて、該夾角の角度も変わる。
【0046】
本発明の1つの特定実施形態では、
図13、
図17及び
図18に示すように、前記固定ボールジョイント1a、前記第1の調整可能ボールジョイント1b、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cはすべてボールねじユニット1であり、前記ボールねじユニット1はボールねじ101とボールナット102を含み、前記スライドスロット4には、前記スライドスロット4にスライド可能に接続可能なスライダ6が設けられ、前記スライダ6は、前記スライドスロット4にスライド可能に接続されたスライダベース601と、前記スライダベース601に固定された固定部602とを含み、前記第2の調整可能ボールジョイント1cのボールナット102は固定部602に係着される。具体的には、前記固定部602は環状構造としてもよく、前記第2の調整可能ボールジョイント1cのボールナット102には係合スロットが設けられ、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールナット102は、係合スロットを介して前記固定部602に係合され、前記固定部602における第2の調整可能ボールジョイント1cの相対スライドを防止し、前記固定部602の外側には、前記スライドスロット4内をスライドすることに適しているスライダベース601が設けられる。
【0047】
前記第2の調整可能ボールジョイント1cの前後移動中に、前記第2の調整可能ボールジョイント1cは固定部602を駆動して移動させ、それにより前記スライダ6を駆動して前後移動させながら前記スライドスロット4内をスライドさせ、前記スライドスロット4が前記固定ボールジョイント1aの球心、前記第1の調整可能ボールジョイント1bの球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cの球心を含む平面よりも傾斜して設けられるため、前記スライダ6の前後移動によって、前記スライドスロット4及び照明ユニット2は、前記固定ボールジョイント1aの球心と第1の調整可能ボールジョイント1bの球心との接続線を第2の回転軸IIとして回動し、第2の方向の調光を実現する。たとえば、第2の方向が左右方向である場合、照明ユニット2は第2の回転軸IIを中心に回動し、左右方向の調光を実現し、
図9に示すように、第2の方向が上下方向である場合、照明ユニット2は第2の回転軸IIを中心に回動し、上下方向の調光を実現する。
【0048】
第1の方向において調光する場合、第1の調整可能ボールジョイント1bを回動させると、第1の調整可能ボールジョイント1bは支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動し、照明ユニット2を駆動して、固定ボールジョイント1aの球心を通り且つ第1の方向に垂直である直線を中心に第1の方向に沿って回動させ、第1の方向の調光を実現する。このとき、照明ユニット2は、支持フレーム又はランプ本体3に対して第1の方向に沿って回動し、スライドスロット4が照明ユニット2に一体に設けられるので、第2の調整可能ボールジョイント1c及びスライダ6は支持フレーム又はランプ本体3に対して固定されており、それにより、スライドスロット4はスライダ6に対して第1の方向に沿って回動し、したがって、スライドスロット4とスライダ6との間には、第1の方向の隙間が存在し、両方の相対運動を可能とし、たとえば、
図14、
図15に示すように、第1の方向が左右方向である場合、スライドスロット4とスライダ6との間には、左右両側ともに隙間が設けられ、また、たとえば、第1の方向が上下方向である場合、スライドスロット4とスライダ6との間には、上下両側ともに隙間が設けられる。
【0049】
本発明の別の特定実施形態では、
図26~
図30に示すように、前記固定ボールジョイント1a、前記第1の調整可能ボールジョイント1b、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cはすべてボールねじユニット1であり、前記ボールねじユニット1はボールねじ101とボールナット102を含み、前記第2の調整可能ボールジョイント1cの前記ボールナット102にはスライダ6が設けられ、前記スライダ6は前記スライドスロット4内に設けられる。好ましくは、スライダ6は前記ボールナット102に一体に設けられる。
【0050】
具体的には、ここでのスライドスロット4は、2つの棒状構造で形成された、スライダ6の係合に適している空隙であってもよく、前記スライダ6のボールナット102から遠い一端には開口が設けられ、それにより、スライダ6がスライドスロット4に順調に挿入され、スライドスロット4に確実に固定できるように該スライダ6により弾性を持たせ、このようにして、調光操作が行われていないときに、スライダ6とスライドスロットとの相対位置を一定にして、照明ユニット2の投射パターンの安定性を保持する。
【0051】
以上の2種類の特定実施形態では、スライドスロット4とスライダ6は斜面をもって接触して嵌合するため、スライドスロット4は、スライダ6に対して第1の方向において相対移動するときに、第2の方向における移動を発生させ、すなわち、スライダ6はスライドスロット4に対して微量の前後移動を発生させ、照明ユニット2を第2の方向においても微量で回動させる。したがって、調光に際しては、第1の方向の調光が優先的に行われ、次に、第2の方向の調光が行われ、これは、第1の方向の調光をするときに、照明ユニット2は第2の方向においても微量で回動し、まず第2の方向の調光を行うと、照明ユニット2の投射パターンが第2の方向において標準位置に達し、次に第1の方向の調光を行った後、第2の方向における照明ユニット2の微量の回動に起因して標準位置からずれてしまい、それにより、第2の方向の調光の正確性を低下させるためである。また、第1の方向の調光を行う際には、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールねじ101とボールナット102との間に応力が生じる。
【0052】
第1の方向の調光を行う際には、第2の方向における照明ユニット2の微量の回動及び第2の調整可能ボールジョイント1cのボールねじ101とボールナット102との間の応力を減らすために、本発明のさらなる特定実施形態として、
図31及び
図32に示すように、前記固定ボールジョイント1a及び前記第1の調整可能ボールジョイント1bはボールねじユニット1であり、前記ボールねじユニット1はボールねじ101とボールナット102を含み、前記第2の調整可能ボールジョイント1cはボールねじ101として構成され、前記スライドスロット4には、前記スライドスロット4にスライド可能に接続可能なスライダ6が設けられ、前記スライダ6は、前記スライドスロット4にスライド可能に接続されたスライダベース601と、前記スライダベース601に固定された固定部602とを含み、固定部602には、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールと嵌合しうる円筒形溝6021が設けられ、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールは円筒形溝6021に沿って相対的にスライド可能である。第1の方向の調光を行う際には、照明ユニット2は支持フレーム又はランプ本体3に対して第1の方向に沿って回動し、スライドスロット4が照明ユニット2に一体に設けられ、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールが円筒形溝6021を介してスライダ6にスライド可能に接続されるため、第2の調整可能ボールジョイント1cは支持フレーム又はランプ本体3に対して固定されており、スライダ6がスライドスロット4とともに第1の方向に沿って回動し、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールが移動しないようにし、したがって、スライダ6はスライドスロット4に対して微量の前後移動を発生させず、又はきわめて微量の前後移動しか発生させず、それにより、第2の方向における照明ユニット2の微量の回動を減少させ、また、第2の調整可能ボールジョイント1cがボールねじ101のボールと円筒形溝6021との嵌合だけを通じてスライダ6にスライド可能に接続されるため、部材同士の応力が減少する。好ましくは、第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心は円筒形溝6021の軸方向の中心線6022に設けられる。
【0053】
前記第2の調整可能ボールジョイント1cの前後移動中に、前記第2の調整可能ボールジョイント1cは前記スライダ6を駆動して、前後移動させながら前記スライドスロット4内をスライドさせ、前記スライドスロット4がスライダ6のスライドに対応できるように、前記スライドスロット4が前記固定ボールジョイント1aの球心、前記第1の調整可能ボールジョイント1bの球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cの球心を含む平面よりも傾斜して設けられるので、前記スライダ6の前後移動によって、前記スライドスロット4及び前記照明ユニット2は、前記固定ボールジョイント1aの球心と第1の調整可能ボールジョイント1bの球心との接続線を第2の回転軸IIとして回動し、第2の方向の調光を実現する。たとえば、第2の方向が左右方向である場合、照明ユニット2は第2の回転軸IIを中心に回動し、左右方向の調光を実現し、第2の方向が上下方向である場合、照明ユニット2は第2の回転軸IIを中心に回動し、上下方向の調光を実現する。
【0054】
本発明の1つの比較的好ましい実施例では、第1の方向が左右方向である場合を例に、
図8~
図18に示すように、前記調光機構は、固定ボールジョイント1a、第1の調整可能ボールジョイント1b、及び第2の調整可能ボールジョイント1cを含み、前記第1の調整可能ボールジョイント1bと前記固定ボールジョイント1aは、照明ユニット2の左右の2つの端部に設けられ、且つ2つのボール球心の接続線は1本の水平線であり、前記固定ボールジョイント1aは、一端が照明ユニット2に接続され、他端が支持フレーム又はランプ本体3に接続され、前記第1の調整可能ボールジョイント1bは、一端が前記照明ユニット2に接続され、他端が前記支持フレーム又はランプ本体3に支持され、前記第1の調整可能ボールジョイント1bは、前記支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動可能であり、前記照明ユニット2にはスライドスロット4が設けられ、前記スライドスロット4には、前記スライドスロット4にスライド可能に接続可能なスライダ6が設けられ、前記スライダ6は、前記スライドスロット4にスライド可能に接続されたスライダベース601と、前記スライダベース601に固定された固定部602とを含み、前記第2の調整可能ボールジョイント1cの一端は固定部602に係着され、前記スライダ6と前記スライドスロット4との間には、左右両側ともに隙間が設けられ、前記第2の調整可能ボールジョイント1cの他端は前記支持フレーム又はランプ本体3に支持され、前記第2の調整可能ボールジョイント1cは前記支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動可能であり、前記固定ボールジョイント1aの球心、前記第1の調整可能ボールジョイント1bの球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cの球心は同一の水平面内にあり、前記スライドスロット4と該水平面とは夾角をなす。
【0055】
上記の好適な実施例による調光機構が作動する際に、第1の調整可能ボールジョイント1b、第2の調整可能ボールジョイント1c、固定ボールジョイント1a、及び支持フレーム又はランプ本体3はねじ山を介して接続され、調光に際しては、支持フレーム又はランプ本体3は固定部材として機能する。左右方向の調光に際しては、第1の調整可能ボールジョイント1bを回すと、第1の調整可能ボールジョイント1bは支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動し、照明ユニット2を駆動して第1の回転軸Iを中心に回動させ、左右方向の調光を実現する。このとき、照明ユニット2は支持フレーム又はランプ本体3に対して左右回動し、スライドスロット4が照明ユニット2に一体に設けられ、第2の調整可能ボールジョイント1c及びスライダ6が支持フレーム又はランプ本体3に対して固定されているので、スライドスロット4はスライダ6に対して左右回動し、したがって、スライドスロット4とスライダ6との間には、左右方向において隙間が存在し、両方の相対運動を可能とし、また、スライドスロット4とスライダ6は斜面をもって接触して嵌合するため、スライドスロット4はスライダ6に対して左右移動するとともに、上下方向の移動を発生させ、照明ユニット2を上下方向においても微量で回動させる。上下方向の調光に際しては、第2の調整可能ボールジョイント1cを回すと、第2の調整可能ボールジョイント1cは支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動し、スライダ6は上向きに傾斜しているスライドスロット4内を前後移動し、スライドスロット4が第2の回転軸IIを中心に回動するようにし、それにより、照明ユニット2を駆動して第2の回転軸IIを中心に回動させ、上下方向の調光を実現する。第2の調整可能ボールジョイント1cは前方へ移動し、照明ユニット2は上方へ回動し、第2の調整可能ボールジョイント1cは後方へ移動し、照明ユニット2は下方へ回動する。
【0056】
本発明の別の比較的好ましい実施例では、第1の方向が左右方向である場合を例に、
図26~
図30に示すように、前記調光機構は、固定ボールジョイント1a、第1の調整可能ボールジョイント1b、及び第2の調整可能ボールジョイント1cを含み、前記第1の調整可能ボールジョイント1bと前記固定ボールジョイント1aは、照明ユニット2の左右の2つの端部に設けられ、且つ2つのボール球心の接続線は1本の水平線であり、前記固定ボールジョイント1aは、一端が照明ユニット2に接続され、他端が支持フレーム又はランプ本体3に接続され、前記第1の調整可能ボールジョイント1bは、一端が前記照明ユニット2に接続され、他端が前記支持フレーム又はランプ本体3に支持され、前記第1の調整可能ボールジョイント1bは、前記支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動可能であり、前記照明ユニット2にはスライドスロット4が設けられ、前記固定ボールジョイント1a、前記第1の調整可能ボールジョイント1b、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cはすべてボールねじユニット1であり、前記ボールねじユニット1は、ボールねじ101とボールナット102を含み、前記第2の調整可能ボールジョイント1cの前記ボールナット102にはスライダ6が設けられ、前記スライダ6は前記スライドスロット4内に設けられ、前記第2の調整可能ボールジョイント1cは前記支持フレーム又はランプ本体3に支持され、前記支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動可能であり、前記固定ボールジョイント1aの球心、前記第1の調整可能ボールジョイント1bの球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cの球心は同一の水平面内にあり、前記スライドスロット4と該水平面とは夾角をなす。
【0057】
本発明のさらなる比較的好ましい実施例では、
図31~
図32に示すように、第1の方向が左右方向である場合を例に、前記調光機構は、固定ボールジョイント1a、第1の調整可能ボールジョイント1b、及び第2の調整可能ボールジョイント1cを含み、第1の調整可能ボールジョイント1bと固定ボールジョイント1aは照明ユニット2の左右の2つの端部に設けられ、且つ2つのボール球心の接続線は1本の水平線であり、前記固定ボールジョイント1aは、一端が照明ユニット2に接続され、他端が支持フレーム又はランプ本体3に接続され、前記第1の調整可能ボールジョイント1bは、一端が前記照明ユニット2に接続され、他端が前記支持フレーム又はランプ本体3に支持され、前記第1の調整可能ボールジョイント1bは、前記支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動可能であり、前記固定ボールジョイント1aと前記第1の調整可能ボールジョイント1bはすべてボールねじユニット1であり、前記ボールねじユニット1は、ボールねじ101とボールナット102を含み、前記第2の調整可能ボールジョイント1cはボールねじ101だけを含み、前記照明ユニット2にはスライドスロット4が設けられ、前記スライドスロット4には、前記スライドスロット4にスライド可能に接続可能なスライダ6が設けられ、前記スライダ6は、前記スライドスロット4にスライド可能に接続されたスライダベース601と、前記スライダベース601に固定された固定部602とを含み、固定部602には、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールと嵌合する円筒形溝6021が設けられ、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールは、円筒形溝6021に沿って相対的にスライドできる。前記第2の調整可能ボールジョイント1cは、前記支持フレーム又はランプ本体3に支持され、前記支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動可能であり、前記固定ボールジョイント1aの球心、前記第1の調整可能ボールジョイント1bの球心、及び前記第2の調整可能ボールジョイント1cの球心は同一の水平面内にあり、前記スライドスロット4と該水平面とは夾角をなす。左右方向において調光する際には、第1の調整可能ボールジョイント1bを回すと、第1の調整可能ボールジョイント1bは支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動し、照明ユニット2は第1の回転軸Iを中心に回動駆動され、このとき、照明ユニット2は支持フレーム又はランプ本体3に対して左右回動し、左右方向の調光を実現する。上下方向において調光する際には、第2の調整可能ボールジョイント1cを回すと、第2の調整可能ボールジョイント1cは支持フレーム又はランプ本体3に対して前後移動し、スライダ6は上方へ傾斜しているスライドスロット4内を前後移動し、スライドスロット4は第2の回転軸IIを中心に回動し、それにより、照明ユニット2は第2の回転軸IIを中心に回動駆動され、上下方向の調光を実現する。第2の調整可能ボールジョイント1cは前方へ移動し、照明ユニット2は上方へ回動し、第2の調整可能ボールジョイント1cは後方へ移動し、照明ユニット2は下方へ回動する。
【0058】
上記3つの好ましい実施例による調光機構では、第1の調整可能ボールジョイント1bの前後移動によって照明ユニット2を回動駆動して左右方向の調光を実現し、第2の調整可能ボールジョイント1cの前後移動によって前記スライドスロット4を駆動して上下回動させ、照明ユニット2を上下回動させ、上下方向の調光を実現する。該調光機構は、第2の調整可能ボールジョイント1cを上下方向に沿って固定ボールジョイント1aの一側に設ける必要がないため、照明ユニット2nの上下方向の寸法a’を減らし、車両ランプモジュールの上下方向の小型化を可能とする。さらに、
図12に示すように、第2の調整可能ボールジョイント1cは固定ボールジョイント1aと第1の調整可能ボールジョイント1bとの真後に設けられ、第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心と第2の回転軸IIとの間の間隔L’を増大し、つまり、上下方向において回動する照明ユニット2のパワーアームを増大することができ、従来技術に比べて、第2の調整可能ボールジョイント1cは同じ間隔だけ移動する場合、本発明による調光機構は、上下方向における照明ユニット2の回動量をより小さくし、上下方向の調光精度をより高めることができる。また、第1の調整可能ボールジョイント1bを固定ボールジョイント1aから遠い一側に設けることによって、第1の調整可能ボールジョイント1bのボール球心から第1の回転軸Iまでの間隔を増大し、左右方向において回動している照明ユニット2のパワーアームを増大し、左右方向の調光精度を向上させる。
【0059】
本発明の1つの具体的な構造形態として、前記照明ユニット2にはスライドスロット4が設けられ、前記第2の調整可能ボールジョイント1cの一端はスライダ6を介して前記スライドスロット4にスライド可能に接続される。
【0060】
具体的には、
図19~
図25、
図33~
図36に示すように、前記スライダ6は、前記スライドスロット4にスライド可能に接続されたスライダベース601と、前記スライダベース601に固定された固定部602とを含み、前記スライダベース601の両側にはスライド部6011が形成され、前記スライダベース601は該スライド部6011を介して前記スライドスロット4にスライド可能に接続され、前記スライダ6が前記スライドスロット4に沿ってスライドするようにする。ここで、スライドスロット4は案内作用を有し、スライダ6の両側のスライド部6011はスライドスロット4内に挿着され、スライダ6を案内してスライドスロット4の方向に沿ってスライドさせる。
図19~
図25、及び
図33~
図36に示すスライダ6は、2種類の形態の構造の固定部602を有し、前記固定部602は、前記第2の調整可能ボールジョイント1cのボールに可動接続され、第1の形態の構造では、前記固定部602は環状構造として構成され、前記第2の調整可能ボールジョイント1cは、ボールねじ101とボールナット102を含み、ボールナット102には係合スロットが形成され、前記係合スロットは該環状構造内に係合されて、前記固定部602と前記第2の調整可能ボールジョイント1cとを係着することができ、前記第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心は前記環状構造の軸方向中心線6022に設けられ、固定部602はリング形状に形成され、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールナット102には係合スロットが形成され、該係合スロットはこのリング形状の固定部602内に係合されて、第2の調整可能ボールジョイント1cと固定部602とを固定して接続することができ、固定部602の周辺に環状凸起が形成され、それにより、ボールナット102における係合スロット形成用の係合爪を一定の程度制限できるとともに、係合スロットを保護することができる。また、固定部602はリング形状に形成されるが、この固定部602の両側にボス6023が形成され、ボス6023は固定部602の軸方向に沿って延びており、両側のボス6023の上部は開口構造として構成される。以上の2種類の構造の固定部602は、実際の装着ニーズに応じて選択することができる。第2の形態の構造では、前記固定部602には円筒形溝6021が形成され、前記第2の調整可能ボールジョイント1cはボールねじ101として構成され、前記第2の調整可能ボールジョイント1cのボールは前記円筒形溝6021内に嵌合するように装着され、前記円筒形溝6021に沿ってスライドすることができる。ここで、なお、該調光機構の理論的な設計状態では、第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心はスライダ6の垂直中心面にあり、スライダ6、スライドスロット4はいずれも照明ユニット2の垂直中心面と重なり、円筒形溝6021の軸方向中心線6022は、固定ボールジョイント1aのボール球心と第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心を通る垂直面に垂直であり、ここで、円筒形溝6021の内面は、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールと垂直面との横断線が軸方向中心線6022に沿って延伸したものである。このとき、左右調光に際しては、スライダ6が、固定ボールジョイント1aのボール球心を円心、固定ボールジョイント1aのボール球心と第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心との接続線を半径とした曲線分の軌跡に沿って回動し、一方、軸方向中心線6022が直線であるため、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールは、直線に沿って円筒形溝6021に対してスライドするしかなく、それにより、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールと円筒形溝6021との間にまた一定の応力が存在し、若しくは、円筒形溝6021の軸方向中心線6022は、固定ボールジョイント1aのボール球心を円心、固定ボールジョイント1aのボール球心と第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心との接続線を半径とした曲線分として構成され、ここで、円筒形溝6021の内面は第2の調整可能ボールジョイント1cのボールと垂直面との横断線が軸方向中心線6022に沿って延伸したものであり、垂直面は、固定ボールジョイント1aのボール球心と第2の調整可能ボールジョイント1cのボール球心を通る垂直面である。このとき、左右調光に際しては、スライダ6は上記曲線分の軌跡に沿って回動し、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールと円筒形溝6021との相対スライドも上記曲線分に沿って行い、それにより、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールと円筒形溝6021との間にほぼ応力がなく、部品の耐用年数の延長に有利であるが、部品の製造コストなどの要素を考慮して、軸方向中心線6022が直線である円筒形溝6021が好ましい。円筒形溝6021は第2の調整可能ボールジョイント1cのボールに締り嵌めし、それによって、第2の調整可能ボールジョイント1cのボールの円筒形溝6021内での回動を確保することができながら、円筒形溝6021内のスライドを確保することができる。
【0061】
また、図からわかるように、固定部602において、第2の調整可能ボールジョイント1cの係合スロットに押し当てる平面はスライド部6011の上面又は下面と夾角をなし、該夾角の角度と、上記スライドスロット4と水平面との夾角の角度との和は90°であり、また、固定部602とスライダベース601とは夾角をなし、該夾角の角度と、上記スライドスロット4と水平面との夾角の角度との和は90°であると理解してもよく、このようにして、第2の調整可能ボールジョイント1cは水平に延びることができる。
【0062】
選択任意には、
図29~
図30に示すように、前記スライダ6は、ボールナット102に接続されたスライドロッドとして構成され、前記スライダ6は、前記スライドスロット4内にスライド可能に接続される。したがって、スライドスロット4の構造は、
図19~
図25、
図33~
図36に示す構造に加えて、
図29及び
図30に示す構造形態としてもよく、このとき、スライダ6はスライドスロット4内をスライドすることで、第2の調整可能ボールジョイント1cを案内してスライドスロット4に沿ってスライドさせることができる。もちろん、スライダ6とスライドスロット4との嵌合構造として、他の形態の構造を使用してもよく、このような構造は、スライダ6がスライドスロット4に沿ってスライドし、第2の調整可能ボールジョイント1cがスライドスロット4の方向に沿って前後移動するようにすることが目的であり、いずれも、本発明の特許範囲に属する。
【0063】
本発明の別の具体的な構造形態として、
図19~
図25、
図33~
図36に示すように、前記スライダベース601は、前記固定部602から遠い一端の端面には、弾性支持構造6012が設けられるか、又は一体形成され、前記弾性支持構造6012は、前記スライドスロット4の底面に当接し、反対の作用力を形成し、前記スライダベース601を前記スライドスロット4に密着させて前記スライドスロット4に沿ってスライド可能にする。
【0064】
具体的には、前記弾性支持構造6012は、ペアとなるアーチ状弾性シートであり、前記アーチ状弾性シートは前記スライドスロット4の方向に沿って延びている。
【0065】
より具体的には、前記弾性支持構造6012の一側の縁部は前記スライダベース601の下部の縁部に接続される。なお、該弾性支持構造6012の一方の辺はスライダベース601の下部縁部に接続され、他方の辺は、スライダベース601の下面とは隙間を形成し、また、該弾性支持構造6012は下方へ曲がった曲面構造である。スライド部6011がスライドスロット4に挿入されると、該弾性支持構造6012による付勢力により、スライド部6011は、スライドスロット4におけるスライド部6011のスライドに影響を与えずに、スライドスロット4に押し付けられる。なお、ここでの「上」、「下」とは、
図21~
図25、
図33~
図36に記載の部品に示す従来の位置に基づくものであり、実際に装着された部品の位置を示すものではない。
【0066】
さらに、本発明の実施例は、上記の各実施例の調光機構及び照明ユニット2を含む車両ランプモジュールをさらに提供する。
【0067】
車両ランプモジュールの内部スペースを活用するために、前記照明ユニット2は放散部材201を含み、前記スライドスロット4は、前記放散部材201に一体に設けられるか、又は取り外し可能に設けられる。装着ステップを減らし、装着の難度を低減できることから、一体接続が好ましい。
【0068】
さらに、本発明の実施例は、上記の各実施例の車両ランプモジュールを含む車両ランプを提供する。
【0069】
本発明の実施例は、上記実施例の車両ランプを含む車両をさらに提供する。
【0070】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳しく説明したが、本発明は、上記実施形態の詳細に制限されず、本発明の技術的構想の範囲を逸脱することなく、本発明の技術案に対して各種の簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形はすべて本発明の特許範囲に属する。
【0071】
また、なお、上記特定実施形態に置いて説明した各々の具体的な技術的特徴は、矛盾しない限り、任意の適切な方式で組み合わせることができ、不要な重複を避けるために、本発明では、各種の可能な組み合わせの形態について再度言及しない。
【0072】
さらに、本発明の各種の異なる実施形態同士も、任意に組み合わせてもよく、本発明の思想に違反しない限り、同様に本発明の開示内容とみなすべきである。
【符号の説明】
【0073】
1 ボールねじユニット
101 ボールねじ
102 ボールナット
1a 固定ボールジョイント
1b 第1の調整可能ボールジョイント
1c 第2の調整可能ボールジョイント
2 照明ユニット
201 放散部材
3 支持フレーム又はランプ本体
4 スライドスロット
5 レンズ
6 スライダ
601 スライダベース
6011 スライド部
6012 弾性支持構造
602 固定部
6021 円筒形溝
6022 軸方向中心線
6023 ボス