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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】口腔衛生デバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/22 20060101AFI20240226BHJP
   A46B 15/00 20060101ALI20240226BHJP
【FI】
A61C17/22 B
A61C17/22
A46B15/00 K
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022572351
(86)(22)【出願日】2021-05-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 EP2021063407
(87)【国際公開番号】W WO2021239554
(87)【国際公開日】2021-12-02
【審査請求日】2023-09-22
(31)【優先権主張番号】20176967.6
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト ルツ クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョイエ ネイル フランシス
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン マーク トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヒルガース アヒム ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】ルメイリー アミール フセイン
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-523668(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0027675(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 15/00-17/40
A46B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
RF駆動信号の受信に応じてRF場を発生させる少なくとも1つの導体構成部を備える、使用者の口腔に受容されるための清掃ユニットと、
少なくとも1つの前記導体構成部へRF駆動信号を供給して、RF場を誘導し、前記RF場が、使用中に口腔清掃及び/又は処置機能を実行する、RF発生器と、
を備える、口腔衛生デバイスにおいて、
発生した前記RF場における異物の存在を判定するために、前記口腔における前記異物との相互作用によって引き起こされる、感知される電気又は電磁信号を受信及び処理し、前記電気又は電磁信号が、前記RF場を発生させるために使用される少なくとも1つの前記導体構成部を使用して感知され、
前記異物の存在が判定される場合に、受信及び処理された前記電気又は電磁信号に基づいて前記口腔衛生デバイスの動作を調整する、
コントローラ
を備えることを特徴とする、口腔衛生デバイス。
【請求項2】
前記コントローラが、受信及び処理された前記電気又は電磁信号に基づいて前記口腔衛生デバイスの動作を繰り返し又は連続的に調整する、請求項1に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項3】
少なくとも1つの前記導体構成部及び前記RF発生器が、共にRF発生回路を形成し、前記電気又は電磁信号の感知が、前記RF発生回路の1つ又は複数の電気的特性における変動を検出することに基づく、請求項1又は2に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項4】
前記コントローラが、感知された前記電気又は電磁信号を処理して、発生した前記RF場に存在する前記異物を判定又は識別する、請求項1から3のいずれか一項に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項5】
前記口腔衛生デバイスが、複数の機械的及び/若しくは流体清掃又は処置モードで動作可能であり、前記コントローラが、感知された前記電気又は電磁信号に基づいて、前記機械的及び/若しくは流体清掃又は処置モードを構成又は選択する、請求項1から4のいずれか一項に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項6】
前記導体構成部が、少なくとも一対の電極を備え、前記電極が互いに離隔され、前記電極が、前記電極へ印加される交番駆動信号の受信に応じて、前記電極の周り及びその間の領域においてRF場を発生させる、請求項3から5のいずれか一項に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項7】
前記清掃ユニットが、支持面を有する支持構造を備え、少なくとも一対の前記電極が、前記支持面から外側に突出する、請求項6に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項8】
前記電気又は電磁信号の感知が、前記電極を備える回路の複素インピーダンスにおける変動を感知することに基づく、請求項6又は7に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項9】
前記導体構成部が、少なくとも1つの誘導コイル又はループを備え、前記電気又は電磁信号の感知が、少なくとも1つの前記誘導コイルを備える回路のインダクタンスにおける変動を感知することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項10】
前記導体構成部が、清掃又は処置のためのRF場発生のため、及びさらに感知のための両方で使用される、単一の誘導コイル又はループを備え、
任意選択で、少なくとも1つの前記誘導コイル又はループが、送信/受信デューティサイクル駆動スキームで動作させられ、前記誘導コイルが、処置又は清掃のための信号発生相と信号感知相との間で交流電流が流される、請求項9に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項11】
前記清掃ユニットが、外側支持面を有する支持構造を備え、少なくとも1つの前記誘導コイルが、前記外側支持面の下で前記支持構造に一体化される、請求項10に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項12】
前記コントローラが、感知された前記電気又は電磁信号を処理して、前記口腔において金属物の存在を検出する、請求項1から11のいずれか一項に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項13】
前記口腔衛生デバイスが、前記RF発生器及び前記コントローラを収納する本体部をさらに備え、前記本体部が、前記清掃ユニットへ機械的に及び電気的に結合されることが可能である、請求項1から12のいずれか一項に記載の口腔衛生デバイス。
【請求項14】
コンピュータプログラムコードを備えるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムコードは、口腔衛生デバイスのRF発生器が少なくとも1つの導体構成部へ動作可能に結合される、当該RF発生器と動作可能に結合されたプロセッサで実行可能であり、前記コンピュータプログラムコードが、前記口腔衛生デバイスに、
RF駆動信号を発生させ、前記RF駆動信号を口腔清掃ユニットの少なくとも1つの導体構成部へ供給するステップであって、前記口腔清掃ユニットが使用者の口腔に受容され、前記導体構成部が、前記RF駆動信号の受信に応じてRF場を発生させ、前記RF場が、使用中に口腔清掃及び/又は処置機能を実行する、前記供給するステップ
を有する方法を実行させる、コンピュータプログラムにおいて、前記コンピュータプログラムコードが、前記口腔衛生デバイスに、
発生した前記RF場における異物の存在を判定するために、前記口腔における前記異物との相互作用によって引き起こされる、電気又は電磁信号を感知するステップであって、前記感知するステップが、前記RF場を発生させるために使用される、少なくとも1つの前記導体構成部を使用して実行される、前記感知するステップと、
感知された前記電気及び電磁信号を受信及び処理し、前記異物の存在が判定される場合に、受信及び処理された前記電気及び電磁信号に基づいて、口腔衛生デバイスの動作を調整するステップと
を有する方法を実行させることを特徴とする、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔衛生デバイス、特に清掃及び/又は処置機能のために電磁放射線を用いる口腔衛生デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁放射は、口腔において清掃機能を提供するために使用され得る。特に、口腔衛生デバイスは、使用者の口腔に挿入されるための、ヘッド部などの清掃及び/又は処置ユニットを含むことができ、その清掃ユニット部が、RF信号発生器へ結合される1つ又は複数の導電性要素を含む。信号発生器は、RF信号を用いて導電性要素を駆動し、それにより、RF放射線が要素によって発せられる。
【0003】
米国特許出願第10/201701(B2)号は、先行技術の電気歯ブラシを記述する。歯ブラシは、プラテン、RF発生器、2つのRF電極、及びシリコーンストリップの形態の、2つのRF電極間に位置する誘電体バリアを備える。歯ブラシはまた、毛を含む。誘電体バリアは、ブラシ毛の遠位先端部のレベルまで延びる高さを有する。バリアは、電極間で伝達されるRF波及び発生したRF場をバリアの上部にわたって伝わらせ、したがって、毛が使用において歯及び歯茎の表面と係合する領域に到達させる。
【0004】
米国特許出願第10/201701(B2)号によると、RF場が歯及び歯茎の表面と相互作用すると、それにより、汚れと口内の表面との間の結合を弛めることによる清掃機能が提供される。特に、このように発生したRF場は、歯垢及びさらに歯石も除去することができる。歯の着色汚れもまた低減され得る。
【0005】
ブラシ毛の遠位先端部は、通常の方式で歯の表面と擦れ合って、歯を清掃し、一方で同時に、RF電極は、毛の先端部のレベルで、磨かれている同じ表面に清掃機能を提供する、RF波を放射する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
金属又は非金属修復(クラウン、インプラント、ブリッジ、充填材)又は器具(ブレース)は、典型的には、よりバイオフィルムが蓄積する傾向があり、清掃することがより困難である。歯科矯正治療患者の50%が、歯科矯正器具を適切に清掃することができないことが原因で、白斑を有する。これらの異物及びこれらの領域に蓄積した歯垢の検出が、清掃を最適化するために必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項によって規定される。
【0008】
本発明の態様による例によると、
RF駆動信号の受信に応じてRF場を発生させるように適合される、少なくとも1つの導体構成部を備える、使用者の口腔に受容されるための清掃ユニットと、
少なくとも1つの導体構成部へRF駆動信号を供給して、RF場を誘導するようにアレンジされ、RF場が、使用中に口腔清掃又は処置機能を実行するように適合される、RF発生器と、
発生したRF場の口腔における異物との相互作用によって引き起こされる、感知された電気又は電磁信号を受信及び処理するようにアレンジされる、コントローラと
を備える、口腔衛生デバイスが提供される。
【0009】
本発明の実施形態は、感知機能を追加的に備える、RFに基づく口腔衛生デバイスを提供することに基づき、感知が、例えば、RF場を発生させるために使用されるものと同じシステム構成要素に基づく。デバイス設定は、その場合、感知される相互作用に基づいて適合される。したがって、追加の感知能力は、デバイスの形成要素への変更を必要とせず可能である。
【0010】
口腔衛生デバイスは、RFエネルギーを使用して、口内で清掃及び/又は処置機能を提供する。
【0011】
感知された電気又は電磁信号、すなわち、感知データは、広範囲の目的のために有用であり得る。例えば、それは、感知された信号の電気的特性に基づいて、口内の異物の存在を感知するために使用され得る。1つ又は複数の実施形態によると、これは、検出に基づくデバイスの清掃及び/又は処置機能を適合させるために使用される。
【0012】
上記で清掃ユニットに言及したが、清掃ユニットが清掃及び/又は処置機能を提供することを理解されたい。したがって、本開示における清掃ユニットへの言及は、清掃及び/又は処置ユニットへの言及として理解される。清掃ユニットは、例えば、RF発生器及びコントローラを収納する、デバイスの本体部又は制御ユニット部と解放可能に結合されることが可能な、取外し可能な構成要素である。本体部又は制御ユニット部は、さらなる態様により、独立して設けられ、清掃及び/又は処置ユニットと電気的に及び機械的に結合されて、少なくとも1つの導体構成部へRF駆動信号を供給し、少なくとも1つの導体構成部から信号を受信するように適合される。
【0013】
導体構成部は、RF駆動信号によるエネルギー供給に応じて電磁場を発生させるように動作可能な、少なくとも1つの導電体を備える。例えば、それは、1つ若しくは複数の電極、又は1つ若しくは複数のコイルを備える。
【0014】
デバイスは、発生したRF場の口腔における異物との相互作用によって引き起こされる、電気又は電磁信号を感知するための手段を含む。手段は、少なくとも部分的に導体構成部によって提供される。手段は、RF発生器及び導体構成部を備える、RF発生器回路によって提供される。さらなる例では、手段は、1つ又は複数の感知要素を備える、分離した専用感知構成部によって提供される。
【0015】
一部の実施形態によると、電気又は電磁信号は、少なくとも1つの導体構成部を使用して感知される。ここで、有利には、RF場を放射するために使用される同じ構成要素が、戻り信号を感知するためにも使用される。
【0016】
一部の実施形態によると、コントローラは、受信及び処理された信号に基づいて、口腔衛生デバイスの動作を調整するように適合される。
【0017】
コントローラは、受信及び処理された電気又は電磁信号に基づいて、口腔衛生デバイスの動作を繰り返し又は連続的に調整するように適合される(例えば、RF発生器によるRF場の発生を通して又はその間)。
【0018】
口腔衛生デバイスの動作の調整は、動作中に動的に及びリアルタイムで実行される。繰り返しの又は連続的な調整は、動作セッションを通して、例えば、RF発生器によるRF発生期間を通して実行される。
【0019】
コントローラ又はフィードバックループ若しくは経路は、口腔衛生デバイスの動作が感知データに基づいて自動的に調整されるように、コントローラとRF発生器との間で実施される。
【0020】
コントローラは、発生したRF場の口腔における異物との相互作用によって引き起こされる、感知された電気又は電磁信号を受信及び処理することに基づいて、RF場において異物(固体)を検出するように適合される。
【0021】
1つ又は複数の実施形態によると、少なくとも1つの導体構成部及びRF発生器は、共にRF発生回路を形成し、電気又は電磁信号の感知が、導体構成部の電極での電圧又はインピーダンス変化などの、RF発生回路の1つ又は複数の電気的特性における変動を検出することに基づく。
【0022】
それゆえにここで、信号を発生させるために使用される同じ回路が、感知のために再利用され、一方でさらに、(RFエネルギーの供給という)その一次機能を同時に実行することが可能であり得る。
【0023】
1つ又は複数の実施形態によると、コントローラは、感知される電気又は電磁信号を処理して、RF場において物体又は実体の存在を検出するように適合される。それは、RF場において固体又は実体の存在を検出するように適合される。
【0024】
1つ又は複数の実施形態によると、コントローラは、感知された電気又は電磁信号を処理して、発生したRF場において物体又は実体を判定又は識別するように適合される。ここで、コントローラは、物体の示差的な識別を実行することが可能である。
【0025】
これは、感知された相互作用信号、例えば、電圧、電流、インピーダンス振幅、周波数又はパルスの特性に基づく。
【0026】
検出は、金属物を非金属物から区別することを可能にする。
【0027】
少なくとも一組の実施形態によると、口腔衛生デバイスは、複数の機械的及び/若しくは流体清掃並びに/又は処置モードで動作可能であり、コントローラが、感知された電気又は電磁信号に基づいて、機械的及び/若しくは流体清掃並びに/又は処置モードを構成又は選択するように適合される。
【0028】
ここで、デバイスの清掃又は処置動作は、感知の結果に基づいて適合される。例えば、感知情報は、RF場にある物体又は構造の種類を指示し、これに基づいて、最も適当なモードが選択され得る。
【0029】
清掃及び/又は処置モードは、デバイスの設定(例えば、RF周波数、デューティサイクル、ドライブトレイン振幅、動作、フロッシング特性)を適合させることによって、構成又は選択されて、例えば、個人的に設定された、又は最適化された処置手順を可能にする。
【0030】
例として、清掃及び/又は処置の持続時間は、感知される信号に基づいて構成される。
【0031】
デバイスはまた、使用者練習モードを有する。練習モードは、例えば、遠隔のデバイスへセンサ測定データを送信及び表示すること、又はフィードバック/助言を与えることを伴い、使用者が口腔衛生手順を個人的に設定する、又は個別に設定することを可能にする。
【0032】
本発明の実施形態に従って行われ得る、少なくとも2つの主な感知法:複素インピーダンスに基づく、好ましくは静電容量に基づくがこれに限定されない、感知、及びインダクタンスに基づく感知がある。
【0033】
静電容量に基づく感知が、まず論じられる。
【0034】
1つ又は複数の実施形態によると、導体構成部は、少なくとも一対の電極を備え、電極が互いに離隔され、電極が、電極へ印加される交番駆動信号の受信に応じて、電極の周り及びその間の領域においてRF場を発生させるように適合される。
【0035】
交番駆動信号が、電極間に印加され、その結果、交番電位差が電極間で誘導される。それゆえに、電極の対は、交流印加電圧で結合されるコンデンサ構成部を事実上形成する。
【0036】
この実施形態は、静電容量による感知構成部を事実上提供し、電極間の実効静電容量への変化を直接的に又は間接的に検出することに基づいて、異物が検出されることを可能にする。これは、例えば、電極を備える回路の電気的特性を分析することに基づいて、検出され得る。これらの電気的特性は、例えば、電圧、電流、及びインピーダンスのうちの1つ又は複数を含む。検出は、一部の例において、電極への駆動信号の電気的特性における変動を検出ことに基づき得る。好ましくは、分析は電流測定を伴う。これは、一部の例において信号発生と同時に行われ得る。
【0037】
1つ又は複数の実施形態によると、口腔清掃ユニットは、支持面を有する支持構造を備え、少なくとも一対の電極は、支持面から外側に突出して設けられる。
【0038】
構成部は、例えば、突起電極間の空間に持ち込まれる、物体の検出を可能にする。
【0039】
各突起部材の近位端部は、支持面のそれぞれの位置で支持面へ結合され、それぞれの位置が離隔され、その結果、隙間が電極の対の間で画定される。
【0040】
1つ又は複数の実施形態によると、清掃ユニットは、支持体の表面から外側に延びる少なくとも一対の突起部材を備え、各突起部材が、少なくとも一対の電極のうちの1つを備え、突起部材が互いに離隔される。
【0041】
清掃ユニットは、突起部材とほぼ同じ方向に清掃ユニットの支持面から外側に延びる、歯を清掃するための複数の毛をさらに備える。
【0042】
1つ又は複数の実施形態によると、電気又は電磁信号の感知は、発生器回路の複素インピーダンスにおける変動を感知することに基づく。
【0043】
この実施形態は、RF場における物体又は実体が発生器回路信号に存在する目的と関係のないアーチファクトから区別されるので、RF場における物体又は実体のより堅調な又は確実な検出を可能にする。
【0044】
その代わりに、抵抗及びリアクタンス部を含む、感知される信号の全体の複素インピーダンスにおける変動を測定することによって、物体の検出が、運動アーチファクトに対してより堅調に行われ得る。
【0045】
1つ又は複数の実施形態によるさらなる主な感知法は、インダクタンス型感知である。
【0046】
例えば、1つ又は複数の実施形態によると、少なくとも1つの導体構成部は、少なくとも1つの誘導コイル又はループを備え、電気又は電磁信号の感知が、少なくとも1つの誘導コイルを含む回路のインピーダンスにおける変化を感知することを含む。
【0047】
これは、発生器回路又は分離した感知回路である。
【0048】
導体構成部は、一部の例において、RF場発生のため及び感知のための両方で使用される、単一の誘導コイル又はループを備える。
【0049】
任意選択で、コイルは、送信/受信デューティサイクルにより駆動され、コイルは、信号発生相又はモードと信号感知相又はモードとの間で交流電流が流される。
【0050】
代替的に、同時の感知及び信号発生が、駆動信号でコイルを駆動させながら、発生器回路のインピーダンスにおける変動を監視することに基づいて、さらなる例において達成され得る。同時の感知及び発生は、例えば、例えば発生器回路駆動信号の振幅、周波数、又は位相における変動を検出することに基づき得る。
【0051】
ある特定の例によると、清掃ユニットは、外側支持面を有する支持構造を備え、少なくとも1つの誘導コイルが、外側支持面の下で支持構造に一体化される、例えば、外側支持面の下で支持構造に埋め込まれる。
【0052】
1つ又は複数の実施形態によると、コントローラは、感知される電気又は電磁信号を処理して、金属物の存在又は進入を検出するように適合される。
【0053】
コントローラは、金属物が露出されるか、又は露出されないか(例えば金属インプラント)を判定するように、一部の例において適合される。
【0054】
1つ又は複数の実施形態によると、口腔衛生デバイスは、RF発生器及びコントローラを収納する本体部をさらに備え、本体部が、清掃ユニットへ機械的に及び電気的に結合されることが可能である。本体部は、デバイスのためのハンドルを形成する。本体部は、本発明のさらなる態様により、独立して設けられる。
【0055】
清掃ユニットは、一部の例において、本体部と解放可能に結合されることが可能である。例えば、それは、歯ブラシ、口腔洗浄デバイス、フロッシングデバイス、(部分的)ブラッシング用マウスピース、多面清掃デバイス、又はいずれかの他の種類の清掃及び/若しくは処置デバイスなどの口腔衛生デバイスのためのヘッドの形態である。
【0056】
1つ又は複数の実施形態によると、清掃ユニットは、清掃ユニットの支持面から外側に延びる、歯を清掃するための複数の毛をさらに備える。デバイスは、例えば歯ブラシデバイス、又は毛を備えるマウスピースユニットである。
【0057】
1つ又は複数の実施形態によると、デバイスは、第1の周波数で清掃ユニットの支持面を振動させるように設けられる、機械的振動機構をさらに備え、前記第1の周波数での振動が、毛を振動させる。振動システムは、異なる次元の動作及び周波数の組合せ(例えば、回転又は掃き動作と組み合わされる上下叩き動作)を使用する。より複雑な動作もまた可能である。
【0058】
本発明のさらなる態様による例は、
RF駆動信号を発生させ、それを口腔清掃ユニットの少なくとも1つの導体構成部へ供給するステップであって、口腔清掃ユニットが使用者の口腔に受容され、及び導体構成部が、RF駆動信号の受信に応じてRF場を発生させるように適合され、RF場が、使用中に口腔清掃及び/又は処置機能を実行するように適合される、前記供給するステップと、
RF場の口腔における異物との相互作用によって引き起こされる、電気又は電磁信号を感知するステップと、
感知された電気及び電磁信号を受信及び処理するステップと
を有する方法を提供する。
【0059】
一部の例では、感知は、RF場を発生させるために使用される、少なくとも1つの導体構成部を使用して実行される。
【0060】
方法は、受信及び処理された信号に基づいて、口腔衛生デバイスの動作を調整するステップをさらに有する。
【0061】
方法は、使用者の口腔に口腔清掃ユニットを挿入する初期ステップをさらに有し、清掃ユニットが使用者の口内に受容された状態で、方法の残りのステップが実行される。
【0062】
本発明のさらなる態様による例は、コンピュータプログラムコードを備えるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムコードがプロセッサ又はコンピュータで実行可能であり、
プロセッサ又はコンピュータが口腔衛生デバイスのRF発生器と動作可能に結合され、RF発生器が少なくとも1つの導体構成部へ動作可能に結合される場合に、コンピュータプログラムコードが、プロセッサに、上記で概説された若しくは以下で説明されるいずれかの例又は実施形態による、或いは本出願のいずれかの請求項による方法を実行させるように構成される、
コンピュータプログラムを提供する。
【0063】
本発明のこれらの及び他の態様は、本明細書で以下に説明される実施形態から明らかである、又はそれらを参照して明らかにされる。
【0064】
本発明をより良好に理解するために、及びどのようにそれが行われるかを明確に示すために、ここで、単なる例として、添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】1つ又は複数の実施形態による、第1の例の口腔衛生デバイスの構成要素を例示する図である。
図2】口腔衛生デバイスの例の清掃ユニットの平面図である。
図3】1つ又は複数の実施形態による、さらなる例の口腔衛生デバイスの構成要素を例示する図である。
図4】1つ又は複数の実施形態による、さらなる例の口腔衛生デバイスの清掃ユニットにおける電極配置を例示する図である。
図5】1つ又は複数の実施形態による、静電容量による感知の原理を例示する図である。
図6】インダクタンスによる感知の原理に従って動作する、例の口腔衛生デバイスによる清掃ユニットを例示する図である。
図7】1つ又は複数の実施形態による、インダクタンスによる感知の原理を例示する図である。
図8】例の口腔衛生デバイスのための、2つの誘導コイルの回路配置を例示する図である。
図9】例の口腔衛生デバイスのための、単一の誘導コイルを有する回路配置を例示する図である。
図10】感知される物体の検出による、清掃モードの適合を例示する図である。
図11】検出される物体への距離の関数として、コイル又は電極で検出される、感知される相互作用信号強度間の関係を例示するグラフである。
図12】ブロック図の形式で例の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本発明は、図を参照して説明される。
【0067】
詳細な説明及び特定の例は、装置、システム及び方法の模範的な実施形態を指示するが、例示の目的のためにのみ意図され、本発明の範囲を限定することを意図されないことを理解されたい。本発明の装置、システム及び方法の、これらの及び他の特徴、態様及び利点が、以下の説明、添付の請求項、及び付随する図面から、より良好に理解されるようになる。図は、単なる概略的なものであり、縮尺通りに描写されていないことを理解されたい。同じ符号が、同じ又は類似の部分を指示するために、図を通して使用されることもまた理解されたい。
【0068】
本発明は、口腔清掃機能を実行するためにRF場を発生させるように適合される、口腔衛生デバイスを提供する。デバイスは、口内に受容されるための清掃ユニットを含み、清掃ユニットが、駆動信号で駆動されて、口内の表面を清掃するRF場を発生させる、導体構成部を含む。RFエネルギーの口内の異物との相互作用から生じる電気又は電磁信号を感知するための手段が、感知機能を実行するために、さらに提供される。
【0069】
したがって、実施形態は、RF清掃場を利用して、有利には、清掃と同時に感知を実行することに基づく。感知される相互作用信号は、一部の実施形態において、デバイスによる清掃の特性又はモードを通知するために使用され得る。
【0070】
例として、金属又は非金属の歯科修復(例えば、クラウン、ブリッジ、義歯、インレイ、インプラント、ねじ、充填材)又は器具(ワイヤ、ブレース)が、口内で非常に一般的である。これらの異物は、典型的には、歯のバイオフィルムをより形成する、及び/又は歯垢をより蓄積する傾向がある箇所に生じ得、通常の清掃ルーチン(例えば、ブラッシング、フロッシング)を通して清掃することがより困難であり得る。口内のこれらの物質は、細菌が集合及び増殖し、標準的な口腔清掃デバイスを用いた除去を逃れるための、棲み処をもたらし得る。
【0071】
これにより、歯肉炎及び虫歯などの口腔の健康上の問題が局在化することになり得る。歯科矯正治療患者の場合において、白斑病変が一般的に形成され得る。歯科矯正治療患者の推定50%が、歯科矯正器具を適切に清掃することができないことにより、自身の歯に白斑を有する。これらの白斑病変は、例えば、ブラケットの周りの不十分な清掃による、局所的に脱灰された歯のエナメル質によって引き起こされる。
【0072】
上記で論じられたように、RF場は、そのような場が、毛、フロス、又はさらに流体清掃を用いてなどの、物理的清掃手段を用いて到達することが困難である、表面及び割れ目に浸透することができるので、機械的清掃のための有利な清掃解決手段又は支援手段である。
【0073】
そのようなRF口腔衛生デバイスにおいて、デバイスのRF送信器に隣接して、場が存在する所にある物体を感知するための手段をさらに含むことは、有利である。それは、そのような感知手段が、口腔における異なる種類の異物を区別することを可能にし得る、形態及び様式のものである場合に、有用である。この情報は、使用者が自身の口の周りでデバイスを移動させるのを助けるために、又はデバイスによって係合されている異物又は構造の種類により実行される、清掃のモードを適合させるために、デバイスを操作する使用者へ伝えられ得る。一部の場合において、それは、デバイス自体が、感知結果に基づいて清掃動作又は操作を適合させるための手段を含む場合に、有益である。
【0074】
本発明の実施形態は、これらの問題のうちの1つ又は複数に対処することを目的とする。
【0075】
本発明の態様による例により、口腔衛生デバイスであって、口腔衛生デバイスは、
RF駆動信号の受信に応じてRF場を発生させるように適合される、少なくとも1つの導体構成部を備える、使用者の口腔に受容されるための清掃ユニットと、
少なくとも1つの導体構成部へRF駆動信号を供給して、RF場を誘導するようにアレンジされ、RF場が、清掃ユニットが口腔に受容されると、口腔清掃又は処置機能を実行するように適合される、RF発生器とを
備え、
デバイスが、発生したRF場の口腔における異物との相互作用によって引き起こされる、電気又は電磁信号を感知するようにさらに適合され、
デバイスが、感知された電気及び電磁信号を受信及び処理するようにアレンジされる、コントローラをさらに備える、
口腔衛生デバイスが提供される。
【0076】
口腔衛生デバイスは、RFエネルギーを使用して、口内で清掃及び/又は処置機能を提供する。
【0077】
清掃ユニットに言及したが、清掃ユニットが清掃及び/又は処置機能を提供することを理解されたい。したがって、本開示における清掃ユニットへの言及は、清掃及び/又は処置ユニットへの言及として理解される。
【0078】
図1は、1つ又は複数の実施形態による、第1の例の口腔衛生デバイス8の構成要素を概略的に例示する。
【0079】
デバイス8は、使用者の口腔に受容されるための清掃ユニット10を備える。清掃ユニットは、支持面13を有する支持構造又は支持体12を備える。清掃ユニットは、この場合において、互いに離隔される一対の電極18a、18bの形態をとり、RF駆動信号の受信に応じてRF場を発生させるように適合される、導体構成部を備える。
【0080】
この例では、少なくとも一対の電極18a、18bは、支持面13から外側に延びて配設される。
【0081】
各電極の近位端部18a、18bは、支持面13のそれぞれの位置で支持面へ結合され、それぞれの位置が離隔され、その結果、隙間が電極の対の間で画定される。複数の対の電極が、さらなる例において設けられる。
【0082】
この特定の例では、清掃ユニット10は、支持体12の表面13から外側に延びる、一対の突起部材14a、14bを備え、電極18a、18bの各々が、突起部材のうちの1つに備えられる。例として、各突起部材14a、14bは、シート状構造の形態をとる、又はそれを備える。この例は、例えば、例の清掃ユニット10の上面(平面)図を示す、図2で例示される。各突起部材は平面を画定し、部材は、それらのそれぞれの平面が平行で、部材の主平面が互いに対向して、設けられる。しかしながら、これは必須ではなく、他の例において、突起部材は、例えばロッド又はシャフト形状の部材を画定する。電極は、例えば、ブラッシング用フィラメント若しくは毛に一体化されるか、又はそれらは独立した要素である。
【0083】
突起部材は、一部の例において可撓性があり、それらは、その場合、例えば適切な機械的相互作用又は力が加えられることに応じて弾性的に撓む。これは、電極によって発生したRF場のRF強度分布がより広い領域にわたって拡散される、又は単純に、使用者が自身の歯にわたって清掃ユニットを移動させると、高強度域が周囲で移動されて、異なる領域を網羅する(例えば、清掃ユニットが歯にわたって移動され得る歯ブラシのためのヘッドである場合に)ことを可能にする。
【0084】
図1の例では、電極18a、18bは、突起部材14a、14bの内部に一体化される(例えば、その中に埋め込まれる)。しかしながら、それらは、さらなる例において、例えば突起部材の表面で実施される。
【0085】
突起部材は必須ではなく、電極は、代替的に独立して設けられ、例えば表面13から突出する。
【0086】
ある特定の例では、清掃ユニット10は、電極とほぼ同じ方向に清掃ユニットの支持面13から外側に延びる、歯を清掃するための複数の機械的清掃要素(例えば毛、ピラー、プロフィカップ)をさらに備える。しかしながら、これは必須ではない。
【0087】
デバイス8は、電極18a、18bへ電気的に結合され、電極の対へRF駆動信号を供給して、RF場の発生を誘導するように設けられる、RF発生器22をさらに含む。RF場は、清掃ユニットが口腔に受容されると、口腔清掃機能を実行するように適合される。
【0088】
RF場は、例えば、3kHz~300GHzの範囲のいずれか、例えば500kHz~30MHzの周波数で使用され得る。
【0089】
電極18a、18bは、RF発生器22によって電極に印加される交番駆動信号の受信に応じて、電極の周り又はその間の領域においてRF場を発生させるように適合される。
【0090】
交番駆動信号は、電極18a、18b間に印加され、その結果、交番電位差が電極間で誘導される。それゆえに、電極の対は、RF発生器から交流印加電流又は電圧源にわたって結合されるコンデンサ構成部を事実上形成する。
【0091】
デバイス8は、発生したRF場の口腔における異物との相互作用によって引き起こされる、電気又は電磁信号を感知することを可能にする手段をさらに含む。図1の例では、電極18a、18bの対へ電気的に結合される感知ユニット24が、設けられる。感知ユニット24は、RF場の異物との相互作用から生じる相互作用信号の電気的特性における変動を感知するように適合される。相互作用信号は、電極から受信される、又は例えば電極へ伝わる。
【0092】
図1の例では、感知ユニット24は、電極の対と(及びRF発生器と)電気的に並列に接続され、これは、それが電極間の電圧における変動を感知するように動作可能であることを意味する。
【0093】
さらなる実施例では、感知ユニット24は、例えば、電極18a、18bのうちの1つ又は複数と直列に接続される、異なる電気的配置で設けられる。この配置の例は、感知ユニット24の構成を除いては図1のものと同じである、例のデバイスを描写する、例えば図3で示される。図3では、RF発生器は電圧発生器22であり、一方で、相互作用信号は、RF発生器回路を備える電流センサ24を使用して測定される。したがって、図1は、電圧センサと組み合わされた電流発生器を示すが、図3は、電流センサと組み合わされた電圧発生器の使用を示す。
【0094】
各場合において、デバイス8は、感知ユニット24から感知される電気及び電磁信号を受信及び処理するようにアレンジされる、コントローラ28をさらに備える。
【0095】
好ましくは、コントローラ28は、さらに、RF発生器22へ通信可能に又は動作可能に結合され、その結果、感知ユニット24から感知される相互作用の分析の結果が、RF発生器によって実施されるRF駆動スキームを通知するために、使用され得る。
【0096】
一部の例では、コントローラ28は、感知される相互作用に基づいて、RF発生器22の動作を制御するように適合される。
【0097】
電極18a、18bを備える導体構成部及びRF発生器22は、共にRF発生回路を形成すると理解され得る。図1及び図3の例では、感知ユニット24は、口腔から戻る電気又は電磁信号の感知がRF発生回路の1つ又は複数の電気的特性における変動を検出することに基づくように、この回路へ電気的に接続されて配設される。
【0098】
それゆえにここでは、信号を発生させるために使用される同じ回路が、感知のために利用される。しかしながら、これは必須ではなく、さらなる例において、分離した感知回路が、電極18a、18bへ電気的に結合されて設けられ、電極で受信される信号を感知するように設けられる。
【0099】
さらに、図1及び図3の例において、同じ導体構成部(少なくとも一対の電極18a、18b)が、口腔からの電気又は電磁信号を感知するために使用されるが、これは必須ではなく、好適であり、さらなる例において、分離した導体構成部が、感知のために設けられるか、又は分離した1つ若しくは複数の電極が、感知のために設けられることに留意されたい。これは、同時の感知及び信号発生を実施するための、より単純なやり方を提供する。しかしながら、図1及び図3の例におけるような、感知及びRF場発生のための同じ電極18a、18bの使用は、それが部品数を最小限にするので有利である。
【0100】
動作において、RF発生器22は、少なくとも一対の電極18a、18bへ供給される駆動信号を発生させる。駆動信号は、電極間又はその周りの空間において、RF場の電極による発生を誘導する。
【0101】
信号発生及び信号感知は、一部の例において、デューティサイクル動作で交互に実行される、その結果、RF場は、RF発生器22が停止される前に、デューティサイクルの一部分のために発生し、感知ユニット28は、電極回路における電気的特性を感知して、いずれかの戻り信号を検出する。代替的に、感知及びRF場発生は、RF場発生中に電極への駆動信号における変動を監視することに基づいて、同時に実行される。例えば電極間の電圧における変化によって感知されるような、例えば電極間の静電容量における変動は、感知される相互作用信号を提供するために使用される。
【0102】
1つ又は複数の実施形態によると、コントローラ28は、感知される電気又は電磁相互作用信号を処理して、発生したRF場に存在する物体又は実体を判定又は識別するように適合される。例えば、それは、口腔組織と人工物又は異物とを区別するように適合される。それは、場の中に存在する人工物又は異物の種類、例えば、修復又はインプラントの種類を判定するように動作可能である。非限定的な例として、これは、例えば、物体がクラウン、ブリッジ、義歯、インレイ、インプラント、ねじ、充填材、又はいずれかの他の種類の歯科修復のいずれであるかに関する判定を含む。コントローラ28は、物体がポリマ又は金属製である物質を判定する、したがって、健全な歯のエナメル質と区別するように動作可能である。
【0103】
RF場における異物又は物体のこの識別は、例えば、感知される信号の電気的特性、例えば、信号の複素インピーダンス、電圧、電流、振幅、及び/又は周波数に基づく。例えば、異なる異物及び異なる構造は、異なるRF吸収特性を有し、その結果、電極18a、18bで感知される戻りRF波の振幅又は出力は、異物の材質、形状、又は構造を識別するために使用される。
【0104】
一部の例では、デバイスは、コントローラへ通信可能に結合されるメモリを含み、メモリが、複数の異なる可能な物体又は実体の各々に関する参照信号特性を記録する、参照データセット、例えばルックアップテーブルを記憶する。これらは、有機物、例えば異なる種類の口腔構造(異なる歯など)、又は人工物/異物であり得る。したがって、システムは、組織と異なる種類人工物/異物とを区別することが可能である。
【0105】
1つ又は複数の実施形態によると、コントローラ28は、感知ユニット24から感知される相互作用信号に基づいて、デバイスの動作パラメータ、又は清掃及び/若しくは処置機能を調整する、或いはデバイスの動作のモードを変更するように適合される。例えば、RF場の中で検出される物体又は物質の種類に基づいて、清掃モードは、最も適当な清掃又は処置を提供するように調整される。例えば、及び上記で論じられたように、ある特定の歯科修復の特徴は、バイオフィルム及び細菌が集合する傾向がある。したがって、RF場の中でそのような特徴を検出することに応じて、より強力な清掃モードが発動されるか、又は清掃サイクルの持続時間が、例えば増加される。
【0106】
感知に基づく口腔衛生デバイスの機能の適合は、RF場発生の設定(例えば、RF周波数又はデューティサイクル)、及びさらにデバイスの他の清掃又は処置機能に関連する設定の適合を含むが、これに限定されない。
【0107】
例えば、1つ又は複数の実施形態によると、清掃ユニットは、歯を清掃するための毛を備え、デバイスは、清掃ユニットを振動させて、毛の振動をもたらすように配設される、機械的振動機構を含む。一部の例では、機械的振動の振幅及び/又は周波数は、感知ユニット24によって検出される相互作用信号に基づいて調整される。
【0108】
1つ又は複数の例によると、デバイス8は、歯科フロッシングデバイスであり、フロッシング機能の特性は、感知された相互作用信号に基づいて調整される。
【0109】
少なくとも一組の実施形態によると、口腔衛生デバイス8は、複数の機械的及び/若しくは流体清掃又は処置モードで動作可能であり、コントローラ28が、感知される電気又は電磁相互作用信号に基づいて、機械的及び/若しくは流体清掃又は処置モードを構成又は選択するように適合される。
【0110】
例えば、感知情報は、RF場に存在する物体又は構造の種類を指示し、これに基づいて、最も適当な清掃又は処置モードが選択され得る。
【0111】
感知に基づくデバイス機能の適合が、続いてより詳細に論じられる。
【0112】
1つ又は複数の実施形態によると、コントローラ28は、感知された信号に基づいて、ある特定の応答動作を発動するように適合される。
【0113】
応答動作は、コントローラ28による感知データの処理の結果に基づいて出力される、情報を生成することを含む。例えば、感知データは、例えば無線データ通信チャネルを通して、遠隔のデバイスへ通信される。感覚的フィードバック、例えば聴覚、触覚又は視覚フィードバックが、感知情報に基づいて使用者に対して生成される。
【0114】
コントローラ又はフィードバックループ若しくは経路は、口腔衛生デバイス8の動作が感知データに基づいて自動的に調整されるように、コントローラ28とRF発生器22との間で実施される(図1及び図3)。例えば、口内の1つ又は複数の金属物の存在を検出することに基づいて、清掃プログラム又はルーチンが、それに応じて調整され、個人的に設定され、その結果、特殊化された清掃又は処置動作、例えばより強力な清掃又は清掃の異なるモードが、口内で識別された金属含有箇所で実施される。フィードバックは、一部の場合において、特別な衛生手段を必要とすると識別された位置を支持するために、使用者に対して生成される。
【0115】
1つ又は複数の実施形態によると、コントローラ28は、データ及び/又は制御信号の送受信を可能にする、無線通信インタフェースを備える。無線通信インタフェースは、いずれかの種類の無線通信プロトコル、例えばWi-Fi又はBluetoothで動作する。
【0116】
デバイスの感知機能は、異なるやり方で実施され得る。特に、本発明の実施形態に従って行われ得る、少なくとも2つの主な感知法:静電容量に基づく感知、及びインダクタンスに基づく感知がある。
【0117】
上記で論じられた図1及び図3の例は、複素インピーダンス、例えば静電容量型感知法で動作する。
【0118】
ここで、導体構成部は、少なくとも一対の電極18a、18bを備え、電極が互いに離隔され、電極が、電極へ印加される交番駆動信号の受信に応じて、電極の周り及びその間の領域においてRF場を発生させるように適合される。
【0119】
交番駆動信号は、電極18a、18b間に印加され、その結果、交番電位差が電極間で誘導される。それゆえに、電極の対は、RF供給発生器にわたって結合されるコンデンサ構成部を事実上形成する。
【0120】
この実施形態は、静電容量による感知構成部を事実上提供し、電極間の実効静電容量への変化を直接的に又は間接的に検出することに基づいて、電極間に持ち込まれる異物の感知を可能にする。これは、例えば、RF発生回路の電気的特性を分析する感知ユニット24に基づいて、検出され得る。これらの電気的特性は、例えば、電圧、電流、及びインピーダンスのうちの1つ又は複数を含む。それは、一部の例において、電極への駆動信号の電気的特性における変動を検出ことに基づいて、検出され得る。これは、一部の例において信号発生と同時に行われ得る。
【0121】
図1図2及び図3の例では、少なくとも一対の電極18a、18bは、清掃ユニット10の支持面13から外側に延びて配設されるが、これは必須ではなく、代替的な例において、電極は、支持構造12の支持面の下に埋め込まれる。この代替的配置の例は、図4で概略的に例示される。コントローラ28、信号発生器22及び感知ユニット24は、簡略的に例示するために示されないが、これらの特徴は、例えば図1又は図3のものと同じである。
【0122】
突起電極18a、18bを備える配置は、突起電極間の空間に持ち込まれる物体の検出を可能にする。埋め込まれた電極(又はループコイル)を用いた配置は、例えば、電極の上及びその間の空間又は領域に持ち込まれる物体の検出を可能にする。
【0123】
いずれの場合においても、物体又は構造、例えば異物がRF電極18a、18bの位置の間の空間に持ち込まれると、電極間の全体の実効静電容量が変化し、これが、電極を備える回路の電圧、電流、インピーダンス及び/又は他の電気的特性における検出可能な変化をもたらす。
【0124】
これは、図5で概略的に例示される。図5aは、RF場において物体又は物質がない場合の、電極(18a、18b)間の実効静電容量を示す。全体の実効静電容量Cは、電極自体の間の静電容量Cと等しい。図5bは、物体又は物質32がRF場に持ち込まれる場合を示す。ここで、追加の実効静電容量が誘導され、これは、第1の電極18aと物体32との間の空間にわたる第1の物体の静電容量C、及び物体と第2の電極18bとの間の空間にわたる第2の物体の静電容量Cから構成される。結果として、電極18a、18b間の全体の実効静電容量は、
【数1】
へ増加する。
【0125】
感知ユニット24(図5では示されない)は、例えば、電極18a、18bを含む回路の電圧、電流、又はインピーダンスにおける変化を検出することに基づいて、この変化を検出する。感知ユニット24によって感知される電気的特性は、使用されるRF発生器22の種類に依存する。例として、RF発生器が電流発生器である場合に、電圧センサが実施され、RF発生器が電圧発生器である場合に、電流センサが使用される。
【0126】
論じられたように、任意選択で、感知ユニット24から測定される信号は、その場合、RF発生器22、又はデバイス8の他の清掃構成要素の設定を適合させるために、(例えば、マイクロコントローラである)コントローラ28によって使用される。
【0127】
本発明者らによって行われた実験は、静電容量による感知法を使用して、例えば金属充填材と非金属充填材とを区別することが可能である、及び金属が充填された歯と非金属が充填された歯とを区別することも可能であることを示した。
【0128】
特に、異なる種類の充填材(金属、ポリマ、充填材なし)を有する異なる歯に関して、測定される静電容量は、異なる測定可能な静電容量となる。一般に、より導電性の高い物体において、電極18a、18b間の実効静電容量はより高い。口腔における異なる異物に関する、特定の範囲の関連する測定可能な静電容量は、事前に測定され、例えばルックアップテーブルに、参照データとして記憶され、参照データは、その後、動作中に例えばメモリから取り出されて、デバイスの場における物体の種類の判定を可能にし得る。
【0129】
1つ又は複数の特定の例によると、電気又は電磁信号の感知は、発生器回路の複素インピーダンスにおける変動を感知することに基づく。
【0130】
この実施形態は、RF場における物体又は実体が発生器回路信号に存在する目的と関係のないアーチファクトから区別されるので、RF場における物体又は実体のより堅調な又は確実な検出を可能にする。抵抗及びリアクタンス部を含む、感知される信号の全体の複素インピーダンスにおける変動を測定することによって、運動物体の検出が、運動アーチファクトに対してより堅調に行われ得る。
【0131】
複素インピーダンスは、Z=R+jXとして表されることができ、ここで、Rは抵抗であり、Xはリアクタンスである。これは、電極18a、18bを備える回路における電流の振幅及び/又は位相における変動を感知することに基づいて、測定され得る。
【0132】
1つ又は複数の実施形態によるさらなる主な感知法は、インダクタンス型感知である。
【0133】
例えば、1つ又は複数の実施形態によると、清掃ユニット10は、少なくとも1つの誘導コイル又はループの形態をとる、導体構成部を備える。
【0134】
電気又は電磁信号の感知は、少なくとも1つのコイルを含む回路のインダクタンスにおける変動を感知することを含む。これは、発生器回路又は分離した感知回路である。
【0135】
インダクタンスによる感知は、渦電流に基づく電磁誘導の原理に基づく。コイル又はループアンテナは、交番電流で駆動され(例えば、コイルの共振周波数で)、それによって、交番磁場を誘導する。コイルは、例えばRF周波数で駆動されて、清掃機能を有するRF場を発生させる。同じ場が感知のために使用される。
【0136】
発生したRF場は、その中に持ち込まれる異物の表面下に浸透する。導電性である異物(金属物、並びにさらに水を含有する異物及び物質を含む)に関して、場は表面下で物質に渦電流を誘導する。これらの渦電流は、次に、第2の感知コイルを使用して、又は一次発生器コイル電流の電気的特性における誘導される変化を測定することに基づいてのいずれかで、清掃ユニット10で検出可能な二次磁場を発生させる。
【0137】
感知は、したがって、水が存在する場合により明確で堅調である。
【0138】
さらに、静電容量(又はインピーダンス)型感知は、大部分は、異物の表面での感知に制限されるが、インダクタンスによる感知は、物体の表面下への浸透を可能にする。渦電流は、コイルによって放射される一次場を有する位相から磁場を誘導し、それにより、コイルにおけるインダクタンスの測定可能な減少をもたらす。
【0139】
インダクタンスによる感知のために構成される例の清掃ユニット10が、図6で概略的に例示される。清掃ユニット10は、第1の(RF送信)コイル19a及び第2の(受信器)コイル19bを備える、導体構成部を備え、第2のコイルが、第1のコイル内に同心円状に入れられる。この例における各コイルは、単一のループ(単一の巻線)を備えるが、他の例では、コイルは、複数のループ又は巻線を備える。
【0140】
交番電流駆動信号は、RF発生器(図6では示されない)によって発生し、送信コイル19aへ供給される。電流は、交番磁場をもたらす。
【0141】
図7で概略的に例示されるように、導電体32がコイルに近接する場合に、渦電流42は、導電体において誘導され、それにより、第2の(受信器)コイル19bを使用して測定され得る、反対の(磁)場が作り出される。
【0142】
誘導コイル19a、19bは、支持面13の下で清掃ユニット10の支持構造12に一体化される。それらは、例えば、支持面の下で支持構造に埋め込まれる。しかしながら、これは必須ではなく、他の例において、コイルは、清掃ユニットの支持構造の表面13で保持される。
【0143】
一例として、送信及び受信コイル19a、19bは、箔(例えばカプトン)基板上の単層金属被覆の形態で実施される。そのような製造法は、費用が掛からず、信頼性があり、口腔清掃ユニット本体内への組込みに適する。
【0144】
図6及び図7の二重コイルの例の回路配置は、図8で概略的に例示される。示されるように、RF発生器22は、発生器コイル19aにわたって並列で電気的に結合される。感知ユニット24は、感知又は受信コイル19bへ電気的に結合され、受信コイルの電気的特性における変動を測定するように適合される。例えば、感知ユニット24は、感知コイル回路の電気的特性に基づいて、感知コイルのインダクタンスにおける変動を監視する。センサユニットは、例えば、感知コイル電流の振幅及び/又は周波数を監視する。
【0145】
さらなる代替的例では、清掃ユニット10は、RF場発生のため及び感知のための両方で使用される、単一の誘導コイル又はループを含む、導体構成部を備える。
【0146】
そのような一例の回路配置が、図9に示される。RF発生器22及び感知ユニット24は、共に、同じ単一の誘導コイル19aへ電気的に結合される。図示される例では、感知ユニット24は、コイルにわたって並列に接続されるが、代替的な例では、それは直列に接続される。
【0147】
1つのコイル19aのみがRF場発生のため、及び受動的なインダクタンスによる感知のための両方で使用される場合に、システムは、送信/受信デューティサイクルにおいて動作される。ここで、システムは、能動的RFモードとRF感知モードとで交互に切り替えられる。切替えは、例えば、デューティサイクル駆動スキームにおいてパルスRF場を用いて、図8におけるRF発生器/発振器を動作させることによって、達成され得る。
【0148】
感知ユニット24による感知は、例えば、コイル19aのインダクタンスにおける変動を検出するために、コイル電流の周波数、振幅、及び/又は出力など電気的特性を感知することに基づいて、二重コイルの例に関して上記で論じられたものと同じやり方で実行され得る。
【0149】
デューティサイクル駆動スキームを使用する代わりに、同時の感知及び信号発生が、駆動信号でコイル19aを駆動させながら、発生器回路のインピーダンスにおける変動を監視することに基づいて、さらなる例において達成され得る。同時の感知及び場発生は、例えば、コイルが駆動信号で駆動されている間、発生器回路駆動信号の振幅又は周波数における変動を監視することに基づき得る。渦電流における二次場は、コイルによって発生した一次場と相互作用し、信号発生中にコイル電流の電気的特性における変化を誘導する。これは、RF場発生が継続しながら、感知ユニット24によって測定されることが可能である。
【0150】
RF場の浸透深さは、周波数に依存する。したがって、発生した場の周波数を変えることによって、構造又は組織内の異なる深さレベルが、探査され得る。さらに、誘導される渦電流の周波数もまた、深さに依存し、これは、発生したRF場の単一の周波数に対して、異なる深さでの応答が、それらの周波数に基づいて区別され得ることを意味する。二次応答信号の強度は、それらの導電率と関連し、判定される物質の種類の指示を可能にする。
【0151】
場の周波数fと異物の物質浸透深さδとの関係は、以下の等式によって表され得る:
【数2】
ここで、δは浸透の深さであり、fはRF場の周波数であり、μは物質の透磁率であり、σは物質の導電率である。
【0152】
したがって、浸透深さは、周波数が減少するにつれて増加する。
【0153】
異なる導電率の異物の層とコイルとの間の距離を増加させることもまた、周波数の上昇における位相変化の増大として現れる、検出される渦電流に対する遅延をもたらし、それにより、より大きい深さでの検出能力が向上する。異なる種類の異物は、歯ブラシヘッド又はブラッシング用マウスピースの噛み面に対して異なる深さにある。
【0154】
静電容量による感知の実施形態と比較した、インダクタンスによる感知の実施形態の利点は、感知が、例えば、電極の運動又はRF場における歯磨剤などの流体の存在によって引き起こされる、電位信号アーチファクトに対してより堅調であることである。
【0155】
1つ又は複数のコイル19a、19bで感知される渦電流応答は、渦電流が誘導される物質の導電率に依存し、構造又は物体が感知データに基づいて電位により感知されることを可能にする。
【0156】
上記で論じられたように、デバイス8の清掃機能は、コントローラ28からの感知データに基づいて、コントローラ28によって適合される。例えば、RF場の強度又は周波数は、感知情報に基づいて適合される。追加的に又は代替的に、他の清掃機能(例えば機械的清掃動作)が、感知情報に基づいて適合される。
【0157】
例が、衛生デバイス8の例の清掃ユニットを示す、図10で概略的に例示される。この例におけるデバイスは、清掃ヘッド10の表面から突出する、毛44を備える。それは、追加的に、さらなる清掃機能のために流体流を放出するように設けられる、流体ノズル72又は噴出口を備える。これは、流体洗浄又は能動的流体フロッシング機構を提供する。流体噴射は、始動及び停止されることができ、流体噴射の力(例えば流速)は、調整可能である。
【0158】
異なるシナリオが、図10の3つの図面の各々で示される。各々が、歯64の歯冠上で保持される、口腔衛生デバイスの清掃ユニット10を示す。各歯の下の歯茎62もまた、示される。
【0159】
図10(左の図面)の第1の場合において、歯64は、天然の歯冠に金属ブラケット66を備える。これは、歯の表面から、清掃ユニット/ヘッド10の毛の区画に突出する。第2の場合(中央の図面)において、歯の表面にステンレス鋼の金属製クラウンがある。最後の場合(右の図面)において、歯は、金属製ねじ、ピン又は歯科インプラント63を含む。
【0160】
第1及び第2の場合において、歯冠の金属物は、例えば、ブラケット66及びクラウンの金属素材により比較的に高い、戻る信号の強度、及びデバイスの清掃ユニット10におけるセンサ電極18又はコイルへのそれらの相対的近接度に基づいて、感知データを処理するコントローラ28によって検出される。したがって、RF場に露出した金属物があるが、センサ電極及びノズルに対して異なる深さレベルであることが、感知データから判定される。これに基づいて、流体噴出口72の特性は、例えば、金属構造の上及びその周りの到達困難な領域を清掃するために、より高い噴出力をもたらすように、適合される。
【0161】
第3の場合(図10の右側の図面)において、コントローラ28は、感知データに基づいて、金属物があるが、表面下に埋め込まれていないことを検出する。この場合において、噴出口72の特性の適合は適用されない。
【0162】
感知の高い特定能力を可能にするために、異なる物体及びそれらの相対位置を判別するため、感知される相互作用信号強度及び他の特性(例えば、インダクタンスによる感知の場合について、周波数)が使用される。一部の有利な実施形態では、追加的に、毛44の撓みの角度及び/又は清掃ユニット10の向き又は位置が、検出されたいずれかの物体の種類及び位置の判定をさらに通知するために使用される。
【0163】
述べられたように、検出された物体の深さを検出するために、電極18a、18b又はコイル19で受信される、感知された相互作用信号の強度は、これを通知するために使用される。図11は、感知された信号強度(y軸;単位:インダクタンスによる感知について、mH、静電容量による感知について、mF)と、電極又はコイルと検出された物体との間の距離(x軸;単位:mm)との、典型的な関係を示す。この関係は、金属物又は異物が露出されるか、又は露出されないかを判定することを支援するために、したがって、デバイス8の清掃モード又は特性の適合に関して、いずれかの応答を適応させるために、使用され得る。
【0164】
本発明の原理は、ある範囲の異なる種類の口腔衛生デバイスに適用され得る。
【0165】
1つ又は複数の実施形態によると、口腔衛生デバイス8は、RF発生器22及びコントローラ28(及び任意の感知ユニット24)を収納する本体部をさらに備え、本体部が、清掃ユニット10へ機械的に及び電気的に結合されることが可能である。本体部は、例えばデバイスのためのハンドルを形成する。
【0166】
清掃ユニット10は、一部の例において、本体部へ解放可能に結合されることが可能である。例えば、清掃ユニットは、一部の例において、歯ブラシデバイス、フロッシングデバイス、口腔洗浄デバイス、又はいずれかの他の口腔衛生デバイスのためのヘッドである。
【0167】
1つ又は複数の実施形態によると、清掃ユニット10は、清掃ユニットの支持面13から外側に延びる、歯を清掃するための複数の毛をさらに備える。デバイスは、例えば歯ブラシデバイス、又は毛を備える部分的又は全歯列弓ブラッシング用マウスピースユニットである。
【0168】
1つ又は複数の実施形態によると、デバイス8は、第1の周波数で清掃ユニット10の支持面13を振動させるように設けられる、機械的振動機構をさらに備え、前記第1の周波数での振動が、毛を振動させる。
【0169】
非限定的な例として、本発明の実施形態による口腔衛生デバイスは、以下のいずれかである;
歯ブラシデバイス(例えば電動歯ブラシ)、
口腔洗浄器デバイス、
フロッシングデバイス、
複合ブラッシング及びフロッシングデバイス、又は
マウスピースデバイス、例えばブラッシング用マウスピースデバイス。
【0170】
本発明のさらなる態様による例は、方法90を提供する。方法のステップは、図12においてブロック図の形態で概説される。
【0171】
方法90は、RF駆動信号を発生させ、それを口腔清掃ユニットの少なくとも1つの導体構成部へ供給するステップ92であって、口腔清掃ユニットが使用者の口腔に受容され、及び導体構成部が、RF駆動信号の受信に応じてRF場を発生させるように適合され、清掃ユニットが口腔に受容されるとRF場が口腔清掃機能を実行するように適合される、供給するステップ92を有する。
【0172】
方法は、発生したRF場の口腔における異物との相互作用によって引き起こされる、電気又は電磁信号を感知するステップ94をさらに有する。感知するステップは、RF発生回路の要素を再び使用することによって行われる。
【0173】
方法は、感知される電気及び電磁信号を受信及び処理するステップ96をさらに有する。
【0174】
方法は、使用者の口腔に口腔清掃ユニット10を挿入する初期ステップをさらに有し、清掃ユニットが使用者の口内に受容された状態で、方法の残りのステップが実行される。
【0175】
上記のステップの各々に関する実施における選択肢及び詳細は、本発明の装置の態様(すなわち、口腔衛生デバイスの態様)に関して上記で提供された説明及び記述により、理解及び解釈される。
【0176】
本発明の装置の態様(清掃に関して)に関する上記の例、選択肢、又は実施形態の特徴若しくは詳細のうちの任意のものが、本発明の方法の態様に適用される、組み合わされる、又は組み込まれる。
【0177】
本発明のさらなる態様による例はまた、コンピュータプログラムコードを備えるコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムコードがプロセッサ又はコンピュータで実行可能であり、プロセッサ又はコンピュータが口腔衛生デバイスのRF発生器と動作可能に結合され、RF発生器が少なくとも1つの導体構成部へ動作可能に結合される場合に、コンピュータプログラムコードが、プロセッサに、上記で概説された若しくは以下で説明されるいずれかの例又は実施形態による、或いは本出願のいずれかの請求項による方法を実行させるように構成される、コンピュータプログラムを提供する。
【0178】
本発明は、口腔における異物の検出に関する。この検出能力の可能な使用は、以下のように要約される:
(i)口腔健康衛生ルーチン(例えば、ブラッシング及びフロッシング)を調整する。例えば、金属歯科素材が口内で検出される場合に、ブラッシングルーチンは、隠れた細菌バイオフィルムの除去を支援するために、これらの領域における集中した及び/又は延長したブラッシング時間をもたらすように自動的に調整され得る。
(ii)教示及びフィードバックを与える、指導システムの個人的設定。例えば、異なるブラッシング又はフロッシング手法に関する助言が、与えられ得る。これは、練習モードの一部である。
(iii)可能な限り個々の歯への精度のレベルまで、ある特定の歯の正確な位置を確認することによって改善される位置感知。口内位置感知は、口内で認識される異物の位置に基づく。
(iv)歯科矯正具の検出。例は、口内の歯科矯正器具の検出であり、それは、通常(すなわち、歯科矯正を受けていない個人)における通常のブラッシングルーチンと著しく異なる、歯科矯正具用のブラッシングルーチンが、制御アプリケーションにおいて実施されることを指示する。通常は、ブラッシングに関して歯科医によって推奨されるルーチンは、一日2回、2分間であるが、歯科矯正治療患者は、一日4回、標準の2分間、及び相対する二方向又は上下45度の角度から歯科矯正器具のブラッシングを行う追加の2分間からなる、4分間(少なくとも3分間)のブラッシング時間、ブラッシングを行うことを推奨される。
【0179】
上記で論じられたように、実施形態はコントローラを利用する。コントローラは、要求される様々な機能を実行するための、ソフトウエア及び/又はハードウエアを用いて、数多くのやり方で実施され得る。プロセッサは、要求される機能を実行するためのソフトウエア(例えばマイクロコード)を使用してプログラムされる、1つ又は複数のマイクロプロセッサを用いる、コントローラの一例である。コントローラは、しかしながら、プロセッサを用いて、又は用いることなく、実施され、また、いくつかの機能を実行するための専用ハードウエア、及び他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば、1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)の組合せとして、実施される。
【0180】
本開示の様々な実施形態において用いられる、コントローラ構成要素の例としては、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0181】
様々な実施において、プロセッサ又はコントローラは、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROMなどの揮発性及び不揮発性コンピュータメモリなどの、1つ又は複数の記憶媒体を伴う。記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラで実行されると要求される機能を実行する、1つ又は複数のプログラムで符号化される。様々な記憶媒体が、そこに記憶される1つ又は複数のプログラムがプロセッサ又はコントローラにロードされ得るように、プロセッサ若しくはコントローラ内に据え付けられる、又は可搬式である。
【0182】
図面、本開示及び添付の請求項を検討することにより、開示された実施形態への変更が、特許請求される本発明を実践する際に、当業者によって理解され、行われ得る。請求項において、「備える」という語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は、複数を除外しない。
【0183】
単一のプロセッサ又は他のユニットは、請求項に挙げられるいくつかの項目の機能を遂行する。
【0184】
単に、ある特定の測定値が相互に異なる従属請求項において挙げられるということにより、これらの測定値の組合せが有利に使用され得ないことが指示されるわけではない。
【0185】
コンピュータプログラムは、光記憶媒体、又は他のハードウエアと一体的に又はその一部として設けられるソリッドステート媒体などの、適した媒体に記憶/配布されるが、インターネット又は他の有線若しくは無線遠距離通信システムを介してなど、他の形態でも配布される。
【0186】
用語「ように適合される」が請求項又は明細書において使用される場合に、用語「ように適合される」は、用語「ように構成される」に等しいことが意図されることに留意されたい。
【0187】
請求項におけるいかなる符号も、範囲を限定するとは解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12