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特許7442711端末装置による自律的ハンドオーバのための端末装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム
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  • 特許-端末装置による自律的ハンドオーバのための端末装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム 図1
  • 特許-端末装置による自律的ハンドオーバのための端末装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム 図2
  • 特許-端末装置による自律的ハンドオーバのための端末装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム 図3
  • 特許-端末装置による自律的ハンドオーバのための端末装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム 図4
  • 特許-端末装置による自律的ハンドオーバのための端末装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム 図5
  • 特許-端末装置による自律的ハンドオーバのための端末装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】端末装置による自律的ハンドオーバのための端末装置、基地局装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/26 20090101AFI20240226BHJP
   H04W 36/36 20090101ALI20240226BHJP
   H04W 36/30 20090101ALI20240226BHJP
【FI】
H04W36/26
H04W36/36
H04W36/30
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023037789
(22)【出願日】2023-03-10
(62)【分割の表示】P 2022046748の分割
【原出願日】2018-03-26
(65)【公開番号】P2023063394
(43)【公開日】2023-05-09
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】彭 海蘭
(72)【発明者】
【氏名】大関 武雄
(72)【発明者】
【氏名】末柄 恭宏
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/079691(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/127065(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/156261(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0007321(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0205693(US,A1)
【文献】Huawei,Xn based mobility for slicing across RA [online],3GPP TSG RAN WG3 #97bis R3-173894,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_I,2017年10月13日
【文献】LG Electronics Inc.,Xn-based handover across registration areas [online],3GPP TSG RAN WG3 #97bis R3-173873,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG3_I,2017年10月13日
【文献】Samsung, SK Telecom,TS 23.502: OI#2. The role of NSSF in roaming [online],3GPP TSG SA WG2 #123 S2-177452,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Ar,2017年10月27日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
基地局装置と接続を確立する確立手段と、
前記端末装置が要求するサービスに対応する情報を送信する送信手段と、
前記確立手段により接続を確立したサービング基地局装置から前記端末装置の自律的なハンドオーバのための候補基地局装置の情報を、前記サービング基地局装置から無線リソース制御(RRC)メッセージにより受信する受信手段と、
周囲の基地局装置の識別情報を当該周囲の基地局装置によって送信された無線信号から取得する取得手段と、
前記候補基地局装置の情報を受信した後に前記サービング基地局装置からの無線信号の品質に関連する条件に応じて、前記識別情報が前記候補基地局装置のうちのいずれかの識別情報と対応する場合、前記候補基地局装置の情報に基づいて、当該識別情報が対応する候補基地局装置へのハンドオーバを、前記サービング基地局装置の指示によらずに実行する実行手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記条件は、前記サービング基地局装置からの無線信号の品質が第1の所定レベルを下回ったことに加え、前記候補基地局装置からの無線信号の品質が所定レベル以上であることを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記候補基地局装置の情報は、当該候補基地局装置によって提供されるセルの識別情報と、当該候補基地局装置との接続手順で用いられる情報とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記送信手段は、前記端末装置が要求するサービスに対応する情報として、Network Slice Selection Assistance Information(NSSAI)を送信することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項5】
前記送信手段は、前記候補基地局装置の情報を要求する信号に、前記端末装置が要求するサービスに対応する情報を含めて送信する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項6】
前記実行手段は、前記ハンドオーバを実行する際に、当該ハンドオーバによる接続の切替先の基地局装置へ、前記端末装置のコンテキスト情報を送信する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の端末装置。
【請求項7】
基地局装置であって、
端末装置と接続を確立する確立手段と、
前記端末装置から、当該端末装置が要求するサービスに対応する情報を受信する受信手段と、
前記端末装置の自律的なハンドオーバのための候補基地局装置を選択する選択手段と、
前記候補基地局装置の情報を、無線リソース制御(RRC)メッセージにより前記端末装置へ送信する送信手段と、
を有することを特徴とする基地局装置。
【請求項8】
前記受信手段は、前記端末装置が要求するサービスに対応する情報として、Network Slice Selection Assistance Information(NSSAI)を受信することを特徴とする請求項7に記載の基地局装置。
【請求項9】
端末装置によって実行される制御方法であって、
基地局装置と接続を確立する確立工程と、
前記端末装置が要求するサービスに対応する情報を送信する送信工程と、
前記確立工程において接続を確立したサービング基地局装置から前記端末装置の自律的なハンドオーバのための候補基地局装置の情報を、前記サービング基地局装置から無線リソース制御(RRC)メッセージにより受信する受信工程と、
周囲の基地局装置の識別情報を当該周囲の基地局装置によって送信された無線信号から取得する取得工程と、
前記候補基地局装置の情報を受信した後に前記サービング基地局装置からの無線信号の品質に関連する条件に応じて、前記識別情報が前記候補基地局装置のうちのいずれかの識別情報と対応する場合、前記候補基地局装置の情報に基づいて、当該識別情報が対応する候補基地局装置へのハンドオーバを、前記サービング基地局装置の指示によらずに実行する実行工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項10】
基地局装置によって実行される制御方法であって、
端末装置と接続を確立する確立工程と、
前記端末装置から、当該端末装置が要求するサービスに対応する情報を受信する受信工程と、
前記端末装置の自律的なハンドオーバのための候補基地局装置を選択する選択工程と、
前記候補基地局装置の情報を、無線リソース制御(RRC)メッセージにより前記端末装置へ送信する送信工程と、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から6のいずれか1項に記載の端末装置として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、請求項7又は8に記載の基地局装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置主導のハンドオーバ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代のセルラ通信システムでは、狭い範囲のエリア(セル)をカバーするビームが形成され、周波数リソースの有効活用が図られることが想定される。このようなセルのさらなる小型化により、端末装置が移動するときに、ハンドオーバの発生頻度が高くなりうる。このため、1回のハンドオーバにおけるサービス中断時間を短くすることが重要となる。非特許文献1には、端末装置が自律的にハンドオーバするための、ターゲットセル候補にアクセスするための情報や自律的ハンドオーバに専用のイベント等をサービング基地局(サービングセル)が事前に通知する手法が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】3GPP寄書、R2-1708840、2017年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第5世代のセルラ通信システムでは、例えば音声呼、映像や音楽のストリーミング等のサービスごとや高速大容量通信、多数端末による接続、超高信頼低遅延通信等の分類ごとにネットワークが作成されるネットワークスライシングが行われる。端末装置は、例えば、要求するサービスに応じたネットワークスライスに接続することにより、適切なサービスの提供を受けることができる。一方、非特許文献1に記載の技術では、このようなネットワークスライスのことは考慮されておらず、端末装置が適切でないネットワークスライスに接続してしまうことが考えられる。その結果、端末装置がハンドオーバ先において適切なサービスを受けることができず、さらなるハンドオーバが必要となってしまいうる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、端末装置が適切なハンドオーバ先を選択することを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様による端末装置は、基地局装置と接続を確立する確立手段と、前記端末装置が要求するサービスに対応する情報を送信する送信手段と、前記確立手段により接続を確立したサービング基地局装置から前記端末装置の自律的なハンドオーバのための候補基地局装置の情報を、前記サービング基地局装置から無線リソース制御(RRC)メッセージにより受信する受信手段と、周囲の基地局装置の識別情報を当該周囲の基地局装置によって送信された無線信号から取得する取得手段と、前記候補基地局装置の情報を受信した後に前記サービング基地局装置からの無線信号の品質に関連する条件に応じて、前記識別情報が前記候補基地局装置のうちのいずれかの識別情報と対応する場合、前記候補基地局装置の情報に基づいて、当該識別情報が対応する候補基地局装置へのハンドオーバを、前記サービング基地局装置の指示によらずに実行する実行手段と、を有する。
【0007】
本発明の一態様による基地局装置は、端末装置と接続を確立する確立手段と、前記端末装置から、当該端末装置が要求するサービスに対応する情報を受信する受信手段と、前記端末装置の自律的なハンドオーバのための候補基地局装置を選択する選択手段と、前記候補基地局装置の情報を、無線リソース制御(RRC)メッセージにより前記端末装置へ送信する送信手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、端末装置が適切なハンドオーバ先を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】無線通信システムの構成例を示す図である。
図2】装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】基地局装置の機能構成例を示す図である。
図4】端末装置の機能構成例を示す図である。
図5】無線通信システムで実行される処理の流れの第1の例を示す図。
図6】無線通信システムで実行される処理の流れの第2の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
(無線通信システムの構成)
図1に、本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す。無線通信システムは、第1の基地局装置101及び第2の基地局装置102と、端末装置103とを含む。第1の基地局装置101は、端末装置103と接続中のサービング基地局であり、第2の基地局装置102は、端末装置103と接続していない非サービング基地局である。なお、第1の基地局装置101は、例えばビームフォーミングによって複数のセル(ビーム)を提供するように構成されることができ、この場合、複数のセルのうちの接続中の第1のセル(サービングセル)においてはサービング基地局として動作し、接続中ではない第2のセル(非サービングセル)においては非サービング基地局として動作する。以下では、1つの基地局装置がサービングセルと非サービングセルとの両方を提供する場合、その基地局装置のうちの非サービングセルを提供する部分について第2の基地局装置102として扱い、サービングセルを提供する部分を第1の基地局装置101として扱う。また、端末装置103がサービングセルの切替を行った(ハンドオーバした)場合、切替後のサービングセルを提供する基地局装置が第1の基地局装置101として機能し、ハンドオーバ元の基地局装置は第2の基地局装置102となる。すなわち、第1の基地局装置101と第2の基地局装置102は、端末装置103と接続中か否かのみが異なるように構成されうる。なお、図1は一例であり、一般に、多数の基地局装置と多数の端末装置が存在し、特に説明のない限り、各基地局装置と各端末装置との間で、以下に説明するような手順が個別に実行される。
【0012】
本実施形態では、端末装置103が、接続中のサービング基地局(第1の基地局装置101)から、そのサービング基地局からの接続の切替先の候補となる他の基地局装置(例えば第2の基地局装置102)の情報を、ハンドオーバ先の候補基地局装置の情報として、事前に取得する。候補基地局装置の情報は、一例において、その候補基地局装置によって提供されるセルの識別情報と、その候補基地局装置との接続手順で用いられる情報とを含みうる。ここで、識別情報は、例えば、その候補基地局装置のNR Cell Global ID(NCGI)でありうる。なお、NCGIは、Public Land Mobile Network ID(PLMN ID)とNR Cell Identity(NCI)との組み合わせによって定まるセルのグローバルIDである。また、接続手順は例えばランダムアクセス手順であり、接続手順で用いられる情報は、一例において、候補基地局装置によって形成されるビーム情報、ルーティング情報(Tracking Area ID(TAI))、周波数情報等を含みうる。
【0013】
そして、端末装置103は、このようにして候補基地局装置の情報を保持した状態で、サービング基地局と通信を行い、サービング基地局との通信環境が良好である間は、そのままサービング基地局との通信を継続しうる。そして、サービング基地局からの無線信号の品質が所定レベルを下回ったことに応じて、周囲の基地局装置の識別情報を、その周囲の基地局装置から送信された無線信号から取得し、保持している候補基地局装置の識別情報と比較する。ここで、周囲の基地局装置の識別情報は、例えば、Physical Cell ID(PCI)でありうる。端末装置103は、例えば所定レベル以上の無線品質で受信された無線信号から取得した周囲の基地局装置の識別情報が、候補基地局装置の識別情報(NCGI)と対応する場合に、その識別情報が対応する候補基地局装置を接続の切替先として決定する。なお、端末装置103は、複数の周囲の基地局装置の識別情報が候補基地局装置の識別情報と対応する場合は、それらの周囲の基地局装置のうち、無線品質が最も良好な基地局装置を選択し、又は、無線品質が閾値レベルを超える基地局装置の中からランダムに1つの基地局装置を選択すること等によって、切替先の候補基地局装置を1つ選択しうる。そして、端末装置103は、接続の切替先の候補基地局装置へのハンドオーバを、サービング基地局を介さずに実行する。例えば、端末装置103は、ランダムアクセス手順を実行することによって、接続の切替先の候補基地局装置との接続を確立しうる。このとき、端末装置103は、端末装置103のコンテキスト情報(UEコンテキスト)をその接続の切替先の候補基地局装置へ送信しうる。その後、接続の切替先の候補基地局装置は、端末装置103が自律的にハンドオーバを実行したことを、切替元の基地局装置(以前のサービング基地局)に通知し、端末装置103宛のデータの転送を要求する。切替元の基地局装置は端末装置103がハンドオーバしたことの通知とデータ転送の要求を受信すると、その端末装置103宛のデータを接続の切替先の候補基地局装置へ転送する。そして、転送された端末装置103宛のデータは、接続の切替先の候補基地局装置から端末装置103へ送信される。これにより、端末装置103がサービング基地局を介さずに自律的にハンドオーバを実行することができるため、サービング基地局からの無線信号の品質が所定レベルを下回ったことに応じて迅速に接続先の基地局装置の切替が行われるようになる。この結果、端末装置103に対する通信サービスを提供できない期間の長さを短くすることができる。なお、端末装置103は、サービング基地局からの無線信号の品質が所定レベルを下回ったこと以外の契機に応じて自律的なハンドオーバを開始してもよい。例えば、サービング基地局との間の通信の遅延量が所定値より大きくなったことや、サービング基地局から割り当てられるリソース量が不十分である等の別のトリガによって、自律的なハンドオーバが開始されてもよい。
【0014】
第5世代のセルラ通信システム(NR、New Radio)では、サービスごとにネットワークを定義するネットワークスライシング技術が用いられる。そして、基地局装置ごとにサポートするネットワークスライスは異なりうる。すなわち、一部の基地局装置は全てのネットワークスライスをサポートして全てのサービスを提供しうるが、他の一部の基地局装置は一部のネットワークスライスのみをサポートして、一部のサービスについては提供できない場合がありうる。このとき、サービング基地局が、端末装置103が要求するサービスによらずに隣接関係にある他の基地局装置の情報を候補基地局装置の情報として端末装置103に通知すると、端末装置103が自律的にハンドオーバを行った結果、接続の切替先の候補基地局装置が、端末装置103によって要求されているサービスに対応できない場合がありうる。
【0015】
これに対して、本実施形態では、サービング基地局は、サービング基地局からの接続の切替先の候補である(例えばサービング基地局と隣接関係にある)他の基地局装置のうち、端末装置103が要求するサービスの情報に基づいて候補基地局装置を選択する。ここで、端末装置103が要求するサービスの情報は、例えば、Network Slice Selection Assistance Information(NSSAI)である。NSSAIは、1つ以上のSingle-NSSAI(S-NSSAI)を含み、各ネットワークスライスは、S-NSSAIによって一意に識別される。なお、特定のネットワークスライスは、特定のAccess and Mobility management Function(AMF)のみをサポートする。各基地局装置は、自装置からの接続の切替先の候補である(例えば自装置と隣接関係にある)他の基地局装置の情報として、例えば、NCGI、ビーム情報、ルーティング情報、周波数情報に加えて、当該他の基地局装置のAMF ID(又は複数のS-NSSAIの情報)を管理しうる。各基地局装置は、端末装置103が要求するサービスの情報であるNSSAIを取得し、自装置からの接続の切替先の候補である他の基地局装置のうち、取得したNSSAIに対応するAMF ID又はS-NSSAI情報を有する他の基地局装置を接続の切替先の候補基地局装置として選択する。そして、基地局装置は、自装置に接続中の端末装置103に対して、選択した候補基地局装置の情報を送信する。ここで送信される候補基地局装置の情報は、上述と同様である。端末装置103は、これらの情報を取得した後に、所定のトリガが発生したことに応じて、上述のような自律的にハンドオーバを実行しうる。このような構成によれば、端末装置103は、接続の切替先の候補基地局装置の情報として、自装置が要求するサービスを提供可能な基地局装置の情報が提供されることとなるため、接続の切替後に通信サービスの提供をより確実に受け続けることができる。
【0016】
なお、サービング基地局は、端末装置103が要求するサービスの情報に基づく候補基地局装置の情報を、その端末装置103に対する個別シグナリングによって送信しうる。ここでの個別シグナリングは、例えば、無線リソース制御(RRC)メッセージや、オンデマンドシステム情報(on-demand SI)によって行われうる。また、端末装置103は、NRのRAN(Radio Access Network)に登録する際の登録要求メッセージにおいて、要求するサービスの情報(NSSAI)を含めることにより、ネットワーク側に要求するサービスを登録することができる。この場合、基地局装置は、端末装置103が要求するサービスの情報を、ネットワーク側に登録されている情報を検索することによって取得することができる。すなわち、端末装置103から基地局装置に対して新たにNSSAIを送信しなくてもよい。ただし、端末装置103は、基地局装置に対してNSSAI等の要求するサービスの情報を送信してもよい。例えば、端末装置103は、接続の切替先の候補の情報を要求する信号(例えば隣接セルリストを要求するメッセージ)に、要求するサービスの情報を含めてサービング基地局へ送信してもよい。これにより、サービング基地局は、接続の切替先の候補の情報を要求する端末装置103について、その端末装置103が要求するサービスの情報を検索する必要がなくなり、迅速に候補基地局装置の情報を端末装置103に通知することができる。
【0017】
また、サービング基地局は、複数の端末装置103のそれぞれについての要求するサービスの情報を取得して、例えば同じサービスを要求する端末装置を同じグループとするように端末装置103をグループ化しうる。そして、サービング基地局は、グループごとに候補基地局装置を選択して、その選択された候補基地局装置の情報を、そのグループに属する1つ以上の端末装置103に対して1つの信号によって送信しうる。この1つの信号による情報の送信は、例えば、システム情報のブロードキャストによって行われうる。なお、グループが指定されたマルチキャスト信号の送信が行われてもよいし、全端末装置に対するブロードキャスト信号の送信が行われてもよい。なお、全端末装置に対するブロードキャスト信号の送信が行われる場合は、信号の内部に、対象のグループや対象のサービスを指定する情報が含まれうる。なお、複数の端末装置103のグループ化は、同じサービスを要求するか否かと異なる基準に基づいて行われてもよい。すなわち、同じネットワークスライスで複数のサービスが処理される場合、同じネットワークスライス内に収容可能な端末装置を1つのグループにまとめてもよい。これにより、候補基地局装置の通知に用いられる無線リソースの量を低減することができる。
【0018】
以下では、このような各装置の構成及び実行される処理の流れの例について説明する。
【0019】
(ハードウェア構成)
図2に、基地局装置及び端末装置のハードウェア構成例を示す。基地局装置及び端末装置は、一例において、図2に示すようなハードウェア構成を有し、例えば、CPU201、ROM202、RAM203、外部記憶装置204、及び通信回路205を有する。基地局装置及び端末装置では、例えばROM202、RAM203及び外部記憶装置204のいずれかに記録された、上述のような基地局装置及び端末装置の各機能を実現するプログラムがCPU201により実行される。
【0020】
そして、基地局装置及び端末装置は、例えばCPU201により通信回路205を制御して、他の装置と通信を行う。なお、基地局装置の通信回路205は、例えば、有線回線を通じて、他の基地局装置や他のネットワークノードと通信を行うことができる。また、基地局装置の通信回路205は、1つ以上(複数)のビームを形成して端末装置との間で無線通信することが可能でありうる。また、この場合、端末装置の通信回路205は、基地局装置の通信回路205によって形成されたビームのうちの少なくともいずれかを介して、基地局装置と接続して無線通信することができるように構成される。なお、図2の構成において、基地局装置及び端末装置は、1つの通信回路205を有するような概略図を示しているが、これに限られず、複数の通信回路を有してもよい。例えば、基地局装置は、他の基地局装置との有線通信のための第1の通信回路と、端末装置との無線通信のための第2の通信回路とを有しうる。また、端末装置は、例えばNR用の第1の通信回路と、LTE(ロングタームエボリューション)用の第2の通信回路とを有してもよい。また、端末装置は、例えば無線LAN等のセルラ以外の規格に関する無線通信回路を有してもよいし、さらに、例えばUSB接続等による有線接続時に用いられる有線通信回路を有してもよい。
【0021】
なお、基地局装置及び端末装置は、各機能を実行する専用のハードウェアを備えてもよいし、一部をハードウェアで実行し、プログラムを動作させるコンピュータでその他の部分を実行してもよい。また、全機能がコンピュータとプログラムにより実行されてもよい。
【0022】
(機能構成)
図3に、基地局装置(第1の基地局装置101及び第2の基地局装置102)の機能構成例を示す。基地局装置は、例えば、通信部301、要求サービス取得部302、隣接情報記憶部303、候補基地局選択部304、及び候補基地局通知部305を有する。また、基地局装置は、例えばオプションとして、グループ化部306を有してもよい。
【0023】
通信部301は、他の基地局装置との間での有線/無線通信や、接続中の端末装置103との間での無線通信を実行する。
【0024】
要求サービス取得部302は、端末装置103が要求するサービスの情報を取得する。例えば、要求サービス取得部302は、登録されていない端末装置103からの登録を要求するメッセージ(registration request)を受信して、そのメッセージ内のNSSAIを、端末装置103が要求するサービスの情報として取得しうる。また、要求サービス取得部302は、登録されている端末装置103について、ネットワーク内の所定のノードにおいて管理されている、端末装置103が要求するサービスの情報を、その所定のノードから取得しうる。また、場合によっては、要求サービス取得部302は、端末装置103がハンドオーバしてきた場合に、そのハンドオーバ元の基地局装置から、端末装置103が要求するサービスの情報を取得してもよい。
【0025】
隣接情報記憶部303は、自装置と隣接関係にある他の基地局装置の情報を記憶する。ここで、隣接情報記憶部303は、接続の切替先の候補となる基地局装置(セル)に関する情報を、隣接関係にある他の基地局装置の情報として記憶する。すなわち、記憶される他の基地局装置は、基地局装置と直接的な隣接関係になくてもよく、例えば中継を用いた接続を切り替えることがある場合には、地理的には隣接しないセルについての情報が記憶されうる。他の基地局装置の情報は、例えば、NCGI、ビーム情報、ルーティング情報、及びAMF ID(又は複数のS-NSSAIの情報)を含みうる。なお、隣接情報記憶部303は、隣接関係にある基地局装置が増減した場合等に、自動的に隣接関係を構築するAutomatic Neighbor relation(ANR)機能を有してもよい。
【0026】
候補基地局選択部304は、要求サービス取得部302が取得した端末装置103が要求するサービスの情報及び隣接情報記憶部303に記憶された情報に基づいて、隣接関係にある他の基地局装置の中から要求されるサービスを提供できる他の基地局装置を、接続の切替先の候補基地局装置として選択する。例えば、候補基地局選択部304は、自装置からの接続の切替先の候補である他の基地局装置のうち、端末装置103が要求するサービスの情報であるNSSAIに対応するAMF ID又はS-NSSAI情報を有する他の基地局装置を接続の切替先の候補基地局装置として選択する。なお、候補基地局装置の選択はサービング基地局によって実行されなくてもよく、例えば、サービング基地局と異なるネットワークノードによってこの選択が実行されてもよい。
【0027】
候補基地局通知部305は、候補基地局選択部304が選択した候補基地局装置を、端末装置103へ通知する。例えば、候補基地局通知部305は、RRCメッセージやオンデマンドシステム情報により、端末装置103に対する個別シグナリングによって、その端末装置103が要求するサービスに応じた候補基地局装置の情報を通知する。ここで通知される候補基地局装置の情報は、例えば、一例において、その候補基地局装置によって提供されるセルの識別情報と、その候補基地局装置との接続手順で用いられる情報とを含みうる。
【0028】
グループ化部306は、複数の端末装置103を、その要求するサービスやそのサービスを実行するのに必要なネットワークスライスごとにグループ化する。例えば、基地局装置に接続中の端末装置103のうち、同じサービスを要求する端末装置又は同じネットワークスライスに接続すべき端末装置が同じグループとなるようにグループが形成される。グループ化部306が端末装置をグループ化した場合、候補基地局選択部304は、グループごとに候補基地局装置を選択し、候補基地局通知部305は、グループに属する端末装置に対する1つのマルチキャスト信号により又は全端末装置に対する1つのブロードキャスト信号により、候補基地局装置の情報を送信する。
【0029】
図4は、端末装置103の機能構成例を示す図である。端末装置103は、例えば、通信部401、候補情報取得部402、トリガ判定部403、周辺情報取得部404、ハンドオーバ実行部405、及び要求サービス通知部406を有する。
【0030】
通信部401は、接続中の基地局装置(第1の基地局装置101)との間で無線通信を行う。また、通信部401は、接続していない基地局装置からの無線信号を受信して、その無線信号に含まれるセルの識別情報(例えばPCI)等を取得することができる。
【0031】
候補情報取得部402は、端末装置103が要求するサービスの情報に応じて接続中の基地局装置(又は他のネットワークノード)において選択された、接続の切替先の候補基地局装置の情報を取得する。ここでの候補基地局装置の情報は、例えば、その候補基地局装置が形成するセルの識別情報(例えばNCGI)と、その候補基地局装置との接続手順で用いられる情報(例えばビーム情報、ルーティング情報、周波数情報等)を含みうる。
【0032】
トリガ判定部403は、例えば、サービング基地局からの無線信号の品質が所定レベルを下回ったことや、サービング基地局の負荷が所定値を超えたこと等に応じた遅延量が所定値より大きくなったこと、サービング基地局から割り当てられるリソース量が所定量以下であること等の、端末装置103がハンドオーバを開始するためのトリガを判定する。なお、トリガ判定部403は、端末装置103が自律的にハンドオーバを開始するための任意のトリガを判定しうる。
【0033】
周辺情報取得部404は、例えばトリガ判定部403がハンドオーバの開始のトリガを検出した場合に、周囲に存在する接続中でない基地局装置からの無線信号を観測し、それらの基地局装置の識別情報(PCI)を取得する。なお、周辺情報取得部404は、併せて、周囲の基地局装置からの無線信号の受信電力等の無線品質を測定しうる。そして、周辺情報取得部404は、周辺の基地局装置の識別情報に、候補情報取得部402が取得した候補基地局装置の情報における識別情報と対応するものが存在するかを判定する。周辺情報取得部404は、候補基地局装置の情報と対応する識別情報を有する周辺の基地局装置をハンドオーバのターゲットとして決定する。なお、複数の周辺の基地局装置の識別情報が候補基地局装置の情報と対応する場合、周辺情報取得部404は、それらの複数の周辺の基地局装置のうち、無線品質が最も良好な基地局装置又は無線品質が所定の基準を超えるもののなかからランダムに選択された1つの基地局装置を、ハンドオーバのターゲットとして決定しうる。また、周辺情報取得部404は、トリガ判定部403がハンドオーバの開始のトリガを検出する前の段階で、周囲に存在する接続中でない基地局装置からの無線信号の観測とそれらの基地局装置の識別情報の取得や受信電力の測定を行ってもよい。例えば、周辺情報取得部404は、周期的に、周囲の基地局装置からの無線信号の観測等を行ってその結果を保持しておき、トリガ判定部403がハンドオーバ開始のトリガを検出した場合に、その保持していた情報に基づいて、ハンドオーバのターゲットを決定してもよい。また、周辺情報取得部404は、事前に周囲の基地局装置からの無線信号の観測等を行う場合、候補情報取得部402が取得した候補基地局装置の情報における識別情報と対応する基地局装置に関する結果のみを保持しておくようにしてもよい。これによれば、周辺情報取得部404は、トリガ判定部403がハンドオーバ開始のトリガを検出した後に、保持している情報の中から候補基地局装置に関する情報を抽出する処理を行わなくてよくなる。これにより、ハンドオーバ開始のトリガが検出されてからの処理に要する時間を短縮することができる。
【0034】
ハンドオーバ実行部405は、周辺情報取得部404が決定したハンドオーバのターゲットの基地局装置へのハンドオーバを、サービング基地局を介さずに実行する。ハンドオーバ実行部405は、例えば、ターゲットの基地局装置との間でランダムアクセス手順を実行する。また、ハンドオーバ実行部405は、このときに、ターゲットの基地局装置に対して、端末装置103のコンテキスト情報を送信しうる。
【0035】
要求サービス通知部406は、端末装置103が要求するサービスの情報をネットワーク側へ通知する。要求サービス通知部406は、例えば、端末装置103がNRに登録する際の登録要求メッセージにNSSAIを含めて送信することによって、ネットワーク側に、端末装置103が要求するサービスの情報を通知する。また、要求サービス通知部406は、例えば、候補基地局装置の情報をサービング基地局に対して要求する際の要求メッセージに、端末装置103が要求するサービスの情報を含めて送信しうる。なお、要求サービス通知部406は、これら以外のシグナリングによって、端末装置103が要求するサービスの情報を、サービング基地局を介してネットワーク側へ通知してもよい。
【0036】
(処理の流れ)
続いて、無線通信ネットワークで実行される処理の流れの例について説明する。図5は、第1の処理の流れの例を示している。
【0037】
図5の処理において、まず、端末装置103のサービング基地局である第1の基地局装置101は、端末装置103が要求するサービスの情報を取得する(S501)。なお、図5では、端末装置103からの接続の切替先の候補基地局装置の情報を要求するメッセージにおいて、端末装置103が要求するサービスの情報が、第1の基地局装置101に通知される例を示している。なお、端末装置103は、ネットワークへの登録を要求する際に、自装置が要求するサービスの情報をネットワーク側へ通知してもよく、この場合、第1の基地局装置101は、ネットワーク内の他のノード(例えば他の基地局装置)から、この情報を取得しうる。そして、第1の基地局装置101は、隣接関係にある他の基地局装置の中から、端末装置103が要求するサービスの情報に基づいて、そのサービスに対応することが可能な候補基地局装置を選択する(S502)。例えば、第1の基地局装置101は、端末装置103が要求するサービスの情報としてNSSAIを取得し、そのNSSAIに対応するネットワークスライスを構成する基地局装置を、候補基地局装置として選択する。なお、端末装置103が要求するサービスの情報を取得できない場合は、デフォルトのAMFに対応する基地局装置を候補基地局装置として選択する。また、第1の基地局装置101は、候補基地局装置の負荷を考慮して、複数の端末装置が一斉に同じ候補基地局装置へハンドオーバするのを避けるために、同じサービスを要求する端末装置に対して異なる候補基地局装置の情報を選択してもよい。第1の基地局装置101は、選択した候補基地局装置の情報を、端末装置103へ通知する(S503)。このとき、第1の基地局装置101は、RRCメッセージやオンデマンドシステム情報などの個別シグナリングにより、端末装置103への情報の通知を行いうる。
【0038】
端末装置103は、候補基地局の情報を受信すると、その情報を保持しておく。そして、端末装置103は、第1の基地局装置101との通信中に、ハンドオーバが必要となるトリガが発生したか否かを監視し続ける。ここで、端末装置103が、第1の基地局装置101からの無線信号の品質が所定レベルを下回った等のトリガを検出すると(S504)、続いて、周囲の基地局装置からの無線信号を観測し、その無線信号から各基地局装置(各基地局装置が提供するセル)の識別情報を取得する。そして、端末装置103は、その取得した識別情報と、候補基地局装置の識別情報とを比較し、候補基地局装置の識別情報のいずれかと対応する識別情報を有する周囲の基地局装置を検出する(S505)。端末装置103は、このときに複数の基地局装置を検出した場合には、例えばそれらの基地局装置からの無線信号の品質に基づいて、ハンドオーバのターゲットとする基地局装置を決定する。そして、端末装置103は、ハンドオーバのターゲットとして決定された基地局装置(第2の基地局装置102)との間で、ランダムアクセス手順を実行する(S506)。このとき、端末装置103は、例えばハンドオーバのターゲットとして決定された第2の基地局装置102のルーティング情報(TAI)及びビーム情報を用いてランダムアクセス手順を実行しうる。また、端末装置103は、このときに、端末装置103のコンテキスト情報(UE context)を第2の基地局装置102へ送信する。
【0039】
その後、第2の基地局装置102は、端末装置103が自律的にハンドオーバをしたことの通知と、端末装置103宛のデータの転送の要求とをハンドオーバ元である第1の基地局装置101へ送信する(S507)。そして、第1の基地局装置101は、端末装置103宛のバッファリングされたデータやパケットを第2の基地局装置102へ転送し(S508)、併せて、シーケンス番号(SN)の状態等の通信状態の情報を第2の基地局装置102へ送信する(S509)。これらの手順により、ハンドオーバが完了し(S510)、その後は、第2の基地局装置102がサービング基地局として端末装置103との間の通信を行う。そして、第2の基地局装置102は、例えば、図5の第1の基地局装置101としての動作を実行する。
【0040】
以上のように、本実施形態では、端末装置103が要求するサービスを提供可能な基地局装置がハンドオーバ先の候補基地局装置として端末装置103に通知される。そして、端末装置103は、この候補基地局装置の情報を用いて自律的に(サービング基地局の指示によらずに)ハンドオーバを実行することができる。これにより、サービス中断期間が少なく、かつ、端末装置103が要求するサービスを提供できない基地局装置に誤って接続することを防ぐことができる。この結果、端末装置103は、より確実に、継続してサービスの提供を受けることが可能となる。
【0041】
続いて、図6に、処理の第2の例を示す。なお、図6では、サービング基地局が端末装置に対して候補基地局装置の情報を通知するまでの流れを示しており、その情報の通知後の処理は、図5のS504以降の処理と同様であるため、図示を省略している。
【0042】
図6の処理では、第1の基地局装置101は、接続中の複数の端末装置がそれぞれ要求するサービスの情報を取得する(S601)。なお、この情報取得は、各端末装置がネットワークに対して登録を要求する際や、接続先の切替の候補基地局装置の情報を要求する際に、端末装置からネットワーク側に通知されることを通じて行われうる。第1の基地局装置は、取得した情報に基づいて、接続中の複数の端末装置をグループ化する(S602)。例えば、同じサービスを要求している端末装置が同じグループに属するように、又は、同じネットワークスライスに接続されるべき端末装置が同じグループに属するように、等の基準によって、グループ化が行われうる。そして、第1の基地局装置101は、グループごとに、候補基地局装置を選択する(S603)。そして、第1の基地局装置101は、グループに属する1つ以上の端末装置に対して、選択した候補基地局装置の情報を1つの信号によって送信する(S604)。なお、情報の送信は、グループに属する1つ以上の端末装置を宛先とした1つのマルチキャスト信号によって行われてもよいし、グループを特定する情報を含んだ1つのブロードキャスト信号によって行われてもよい。
【0043】
複数の端末装置が同じサービスを要求している場合や、同じネットワークスライスに接続する場合、それらの端末装置には、同じ候補基地局装置の情報が通知されることとなり、これらの端末装置に個別に情報を通知すると、端末装置の数だけ同じ信号が送信されることとなる。これに対して、図6のようにグループ化して、グループに属する端末装置に対して1つの信号で候補基地局装置の情報が通知されることによって、候補基地局装置の情報の通知に要する無線リソースを低減することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6