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特許7442718画像アーチファクト除去のためのシステム、方法及び装置
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】画像アーチファクト除去のためのシステム、方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023082044
(22)【出願日】2023-05-18
(62)【分割の表示】P 2020508030の分割
【原出願日】2018-08-10
(65)【公開番号】P2023109888
(43)【公開日】2023-08-08
【審査請求日】2023-05-31
(31)【優先権主張番号】62/546,285
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ショウガン
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト ジャン‐ルック フランソワ‐マリエ
(72)【発明者】
【氏名】リウ ホン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヘーシュ フランシスクス ヘンドリクス
(72)【発明者】
【氏名】ハイスベルト ゲラルドゥス ヘンリクス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ディーン ジョン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】レイヴィ エヴゲーニー
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-110432(JP,A)
【文献】特表2010-515472(JP,A)
【文献】特開2012-071115(JP,A)
【文献】特開2015-144623(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03001223(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのボリューム画像を取得する少なくとも1つの超音波プローブと、
少なくとも1つのプロセッサと、
を含み、
前記少なくとも2つのボリューム画像は、座標位置を含み、各ボリューム画像は、少なくとも1つの異なる座標位置から取得され、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記ボリューム画像を受信し、
前記ボリューム画像の前記座標位置に基づいて第1の変換行列で前記ボリューム画像を位置合わせし、
前記ボリューム画像に共通する少なくとも3つの点に少なくとも部分的に基づいて計算された第2の変換行列で更に前記ボリューム画像を位置合わせし、
位置合わせされた前記ボリューム画像を平均して、結合画像を作成し、
位置合わせされた前記ボリューム画像間の、残響アーチファクトを表す差を推定し、
推定された前記差を前記結合画像から除去して、前記残響アーチファクトを低減する、超音波撮像システム。
【請求項2】
前記差は、前記ボリューム画像間の差の絶対値を含む、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項3】
前記平均は、前記ボリューム画像の平均値を取得することを含む、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項4】
前記ボリューム画像の前記座標位置を決定するために、前記少なくとも1つの超音波プローブの位置を決定するプローブレジスタを更に含む、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項5】
前記プローブレジスタは、電磁追跡システム、ロボットアーム及び光学検出システムのうちの少なくとも1つを含む、請求項4に記載の超音波撮像システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの超音波プローブは、機械的アーム及び接着剤のうちの少なくとも1つによって所定位置に保持される、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【請求項7】
前記少なくとも3つの点は、特徴認識に基づいて前記少なくとも1つのプロセッサによって選択される、請求項に記載の超音波撮像システム。
【請求項8】
前記少なくとも3つの点は、基準に基づいて前記少なくとも1つのプロセッサによって選択される、請求項に記載の超音波撮像システム。
【請求項9】
前記少なくとも3つの点は、ユーザによって選択される、請求項に記載の超音波撮像システム。
【請求項10】
前記少なくとも1つの超音波プローブを制御する外部制御ユニットを含む、請求項1に記載の超音波撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[001] 本願は、2017年8月16日に出願された米国仮出願第62/546,285号の利益及び優先権を主張し、参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
[002] 本願は、ボリューム画像からのアーチファクトの除去に関する。具体的には、本願は、超音波ボリューム画像におけるアーチファクトの除去に関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 超音波撮像は、医療処置中に、内部の解剖学的構造を視覚化し、侵襲的デバイス(例えば針、カテーテル)を誘導するのを支援するために使用される。通常、単一の超音波プローブを使用して、体内の関心領域のボリューム(3次元)画像を取得する。超音波プローブは、処置を行う臨床医、補助技師及び/又は機械装置によって保持される。超音波プローブが患者に密着して保持され動かされていない場合でも、超音波画像にアーチファクトがある場合がある。特定の侵襲的デバイスは、超音波の強い反射体である。強い反射により、画像に残響アーチファクトが生じる。このアーチファクトは、臨床医が画像を解釈したり処置を行ったりすることを難しくする場合がある。例えば残響アーチファクトは、弁置換処置中に僧帽弁の視野を不明瞭にする。別の例では、残響は侵襲的デバイスの延長として現れ、デバイスの配置を困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[004] 本明細書で説明されるシステム、方法及び/又は装置は、異なる座標位置から取得されたボリューム画像を結合すると、残響アーチファクトを低減することができる。これにより、結合画像における視野が向上する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で説明する幾つかの実施形態は、複数の超音波プローブ(例えば心尖部方向から撮像する1つのプローブと、患者の傍胸骨方向から撮像する別のプローブ)からの画像を共に登録するときの登録問題を軽減することができる。1つ以上のプローブで様々な位置から取得された画像を登録するために、方法は、1つ以上のプローブの位置(例えば3次元座標)を登録することを含む。プローブ登録には、プローブのトランスデューサの中心(例えば2次元マトリクスアレイの中心)に対して2つ以上のプローブ座標を決定することが含まれる。プローブ座標が登録された状態で、システムは各プローブから又は各プローブ位置からボリューム画像を取得する(例えばプローブのインターリーブ画像取得)。各プローブ位置からのボリューム画像データは、プローブ登録情報を使用して平行移動/回転されて、ボリューム画像が位置合わせされる。位置合わせの後、各プローブ位置からの信号の平均が計算されて減算される。物体の画像値は、減算後にゼロ値になり、減算後に残る任意の非ゼロ値は、残響アーチファクトとしてラベル付けされ、結合画像から除去される。
【0006】
[005] 本開示の1つの例示的な実施形態によれば、超音波撮像システムは、少なくとも2つのボリューム画像を取得する少なくとも1つの超音波プローブと、少なくとも1つのプロセッサとを含んでよい。ボリューム画像は、座標位置を含み、各ボリューム画像は、少なくとも1つの異なる座標位置から取得されてよい。少なくとも1つのプロセッサは、ボリューム画像を受信し、ボリューム画像の座標位置に基づいてボリューム画像を位置合わせし、位置合わせされたボリューム画像を平均して、結合画像を作成し、位置合わせされたボリューム画像間の差を推定し、推定された差を結合画像から除去して、残響アーチファクトを低減することができ、上記差は残響アーチファクトを表す。
【0007】
[006] 本開示の別の例示的な実施形態によれば、残響アーチファクトを低減する方法は、被験者内の物体の少なくとも2つのボリューム画像を受信するステップであって、ボリューム画像は座標位置を含み、各ボリューム画像は少なくとも1つの異なる座標位置から取得される、上記ステップと、ボリューム画像の座標位置に基づいて第1のボリューム画像と第2のボリューム画像とを位置合わせするステップと、位置合わせされたボリューム画像を平均して結合画像を作成するステップと、位置合わせされたボリューム画像間の差を推定するステップと、推定された差を結合画像から除去して、残響アーチファクトを低減するステップとを含んでよく、上記差は残響アーチファクトを表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】[007]図1は、本開示の一実施形態による超音波撮像システムのブロック図である。
図2】[008]図2は、本開示の一実施形態による超音波撮像システムのブロック図である。
図3】[009]図3は、本開示の原理による超音波撮像システムのシステムレベル図である。
図4】[010]図4は、本開示の原理による例示的な超音波プローブセットアップのブロック図である。
図5】[011]図5は、本開示の原理によるインターリーブ方式での画像取得を示す図である。
図6】[012]図6は、本開示の実施形態に従って、画像プロセッサにより行われる方法のブロック図である。
図7】[013]図7A図7B図7C図7D及び図7Eは、本開示の実施形態による例示的な残響除去手順を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[014] 特定の例示的な実施形態の以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明又はその応用若しくは使用を限定することを決して意図するものではない。本システム及び方法の実施形態の以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、説明されるシステム及び方法を実施できる特定の実施形態を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者がここに開示されるシステム及び方法を実施できるように十分詳細に説明されている。他の実施形態を利用することができ、また、本システムの精神及び範囲から逸脱することなく構造的及び論理的な変更を行うことができることを理解されたい。
【0010】
[015] したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、また、本システムの範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。本明細書の図の参照番号の先頭の数字は、通常、図の番号に対応するが、複数の図に現れる同一の構成要素は同じ参照番号で識別される。更に、明確にするために、特定の特徴の詳細な説明は、それが当業者に明らかな場合には、本システムの説明を不明瞭にしないように説明しない。
【0011】
[016] 本開示の原理では、侵襲的処置の準備として、2つの超音波プローブを患者と音響的に接触させて配置する。超音波プローブは、3次元ボリューム撮像が可能な2次元マトリクスプローブであってよい。超音波プローブはそれぞれ、異なる角度から身体の関心領域を撮像するように配置されてよい。関心領域は、関連する解剖学的構造(例えば僧帽弁、血管、組織)及び/又は侵襲的デバイスを含んでよい。侵襲的デバイスからの残響アーチファクトは角度に依存するため、各プローブのボリューム画像における残響アーチファクトは異なる。しかし、各プローブのボリューム画像における解剖学的構造は同じである。本明細書でより詳細に説明するように、2つの超音波プローブからのボリューム画像を結合して、侵襲的デバイス及び/又は他の強力な反射体からの残響アーチファクトを除去することができる。結合されたボリューム画像によって生成されるクリーンな画像が臨床医に対してディスプレイ上に提供される。これにより、侵襲的処置中の画像のナビゲーション及び解釈が向上する。
【0012】
[017] 図1を参照すると、本開示の原理に従って構成された超音波撮像システム10aがブロック図形式で示されている。図1の超音波診断撮像システムでは、超音波プローブ12は、超音波を送信し、エコー情報を受信するトランスデューサアレイ14を含む。例えば線形アレイ、凸状アレイ又はフェーズドアレイである様々なトランスデューサアレイが当技術分野においてよく知られている。トランスデューサアレイ14は、例えば2D及び/又は3D撮像のために仰角及び方位角の両方の次元で走査可能であるトランスデューサ素子の2次元アレイ(図示)を含むことができる。トランスデューサアレイ14は、アレイ内のトランスデューサ素子による信号の送受信を制御するプローブ12内のマイクロビームフォーマ16に結合されている。この例では、マイクロビームフォーマは、プローブケーブルによって送受信(T/R)スイッチ18に結合されている。送受信(T/R)スイッチ18は、送信と受信とを切り替え、メインビームフォーマ22を高エネルギー送信信号から保護する。幾つかの実施形態では、T/Rスイッチ18及びシステム内の他の要素は、別個の超音波システムベースではなく、トランスデューサプローブ内に含められてもよい。マイクロビームフォーマ16の制御下でのトランスデューサアレイ14からの超音波ビームの送信は、T/Rスイッチ18に結合された送信コントローラ20と、ユーザインターフェース又は制御パネル24のユーザの操作から入力を受信するビームフォーマ22とによって導かれる。送信コントローラ20によって制御される機能の1つは、ビームの操縦方向である。ビームは、トランスデューサアレイからまっすぐ前方に(直交して)操縦されても、視野を広げるために様々な角度で操縦されてもよい。マイクロビームフォーマ16によって生成された部分的にビーム形成された信号は、トランスデューサ素子の個々のパッチからの部分的にビーム形成された信号が完全にビーム形成された信号に組み合わされるメインビームフォーマ22に結合される。
【0013】
[018] ビーム形成された信号は、信号プロセッサ26に結合される。信号プロセッサ26は、バンドパスフィルタリング、デシメーション、I及びQ成分分離、高調波信号分離といった様々なやり方で受信エコー信号を処理することができる。信号プロセッサ26はまた、スペックル低減、信号合成及びノイズ除去といった追加の信号強化を行ってもよい。処理された信号は、体内の構造の撮像のために振幅検出を使用できるBモードプロセッサ28に結合される。Bモードプロセッサによって生成された信号は、走査コンバータ30及び多平面リフォーマッタ32に結合される。走査コンバータ30は、エコー信号を、それらが受信された空間的関係で所望の画像フォーマットで配列する。例えば走査コンバータ30は、エコー信号を2次元(2D)扇形フォーマット又はピラミッド状の3次元(3D)画像に配列することができる。多平面リフォーマッタ32は、米国特許第6,443,896号(Detmer)に説明されているように、身体のボリュメトリック領域における共通平面内の点から受信されるエコーを当該平面の超音波画像に変換することができる。ボリュームレンダラ34が、例えば米国特許第6,530,885号(Entrekin他)に説明されているように、3Dデータセットのエコー信号を、所定の基準点から見た投影3D画像に変換する。2D又は3D画像が、走査コンバータ30、多平面リフォーマッタ32及びボリュームレンダラ34から画像プロセッサ36に結合され、画像ディスプレイ38に表示するための更なる強化、バッファリング及び一時的な保存が行われる。グラフィックプロセッサ36が、超音波画像と共に表示するためのグラフィックオーバーレイを生成することができる。これらのグラフィックオーバーレイは、例えば患者名、画像の日付と時刻、撮像パラメータ等といった標準的な識別情報を含むことができる。このために、グラフィックプロセッサは、タイプ入力された患者名といった入力をユーザインターフェース24から受信する。ユーザインターフェースはまた、複数の多平面リフォーマット(MPR)画像の表示の選択及び制御のために多平面リフォーマッタ32に結合することもできる。
【0014】
[019] 詳細に説明するように、本開示の原理による超音波撮像システムは、異なる座標位置で取得される少なくとも2つのボリューム画像を取得する少なくとも1つの超音波プローブを含んでよい。超音波撮像システムは、ボリューム画像を受信し、座標位置に基づいてボリューム画像を位置合わせし、位置合わせされたボリューム画像を平均して結合画像を作成し、位置合わせされたボリューム画像間の差を推定し、推定された差を結合画像から除去することにより残響アーチファクトを低減する少なくとも1つのプロセッサを含む。
【0015】
[020] 図2を参照すると、本開示の原理に従って構成された超音波撮像システム10bがブロック図形式で示されている。超音波撮像システム10bは、図1を参照して説明した超音波撮像システム10aの構成要素のすべてを含む。しかし、超音波撮像システム10bは、2つの超音波プローブ12a及び12bを含む。各超音波プローブ12a及び12bは、トランスデューサアレイ14a及び14bと、マイクロビームフォーマ16a及び16bとをそれぞれ含む。超音波プローブ12a及び12bは共に、図2の送受信(T/R)スイッチ18に結合されているものとして示されている。しかし、幾つかの実施形態では、各超音波プローブ12a、12bは、別個のT/Rスイッチを含むか又は別箇のT/Rスイッチに結合されてもよく、これらは共に送信コントローラ20に結合されてよい。同様に、図2では1つのメインビームフォーマ22を示すが、幾つかの実施形態では、別個のビームフォーマが各超音波プローブ12a及び12bに結合されてもよい。
【0016】
[021] 超音波撮像システム10bは、超音波プローブ12a及び12bに結合されるプローブレジスタ42を含んでよい。プローブレジスタ42は、超音波プローブ12a及び12bの相互及び/又は3次元空間における他の基準点に対する相対位置(例えば座標位置)を登録することができる。プローブ登録情報(例えば角度、向き、空間における点)が、プローブレジスタ42によって画像プロセッサ36及び/又は超音波撮像システム10bの他の構成要素に提供される。幾つかの実施形態では、プローブレジスタ42は、超音波プローブ12a及び12bに物理的に結合される。他の実施形態では、プローブレジスタ42は、超音波プローブ12a及び12bと物理的に接触しない。例えばプローブレジスタ42は、超音波プローブ12a及び12bの位置を光学的及び/又は電磁的に検出することができる。
【0017】
[022] 図3は、本開示の原理による超音波撮像システム300のシステムレベル図である。図2の超音波撮像システム10bでは、2つの超音波プローブを操作する構成要素が統合されている。対照的に、図3の超音波撮像システムは、外部制御ユニット310に結合して、2つの別個の超音波プローブ315a及び315bを制御する超音波システム305を示す。外部制御ユニット310は、1つ以上のプローブレジスタ、T/Rスイッチ、ビームフォーマ及び/又は送信コントローラ20を含んでよい。超音波システム305は、外部制御ユニット310と通信して、2つの別個の超音波プローブ315a及び315bから画像を取得することができる。本開示の原理に従って動作するように既存の超音波撮像システムを適応させる場合、外部制御ユニットの使用が望ましい場合がある。外部制御ユニットの使用はまた、追加の構成要素(例えばロボットアーム、マイクロスクライブ)が超音波システム305によって制御される場合も望ましい場合がある。
【0018】
[023] 前述したように、残響アーチファクトは角度に依存する。つまり、強力な反射体(例えば介入デバイス)により引き起こされる残響アーチファクトの場所及び出現は、超音波プローブの場所及び向きに基づいて変化する。したがって、同じボリュームが異なる座標位置で2つの超音波プローブによって撮像されると、同じ反射体からの残響アーチファクトは、各超音波プローブのボリューム画像において異なって現れる。図4は、本開示の原理による例示的な超音波プローブセットアップのブロック図400である。超音波撮像システム405は、超音波プローブ410a及び410bを含む。超音波プローブ410a及び410bは、異なる位置で被験者(例えば患者)420と音響的に接触して配置される。点線の領域415a及び415bは超音波プローブ410a及び410bによって撮像される近似ボリュームをそれぞれ表す。両方の超音波プローブ410a及び410bによって撮像される共通のボリューム(例えば関心領域)内で、被験者420の周囲の解剖学的構造と共に物体425が撮像される。幾つかの実施形態では、物体425は介入デバイスであってよい。
【0019】
[024] 幾つかの実施形態では、超音波プローブ410a及び410bは、機械的アーム430によって所定位置に保持されてよい。幾つかの実施形態では、機械的アーム430は金属ポール及びクランプによって実現される。機械的アーム430はL字形で示されているが、機械的アーム430は他の構成であってもよい。例えば機械的アーム430は、U字形、T字形又はI字形を形成してもよい。幾つかの実施形態では、機械的アーム430は、両方の超音波プローブ410a及び410bを保持する単一の機械的アームとして実現される。幾つかの実施形態では、機械アーム430は、超音波プローブ410a及び410bの位置決めを調整可能にする1つ以上の関節接合部を有してもよい。
【0020】
[025] 幾つかの実施形態では、機械アーム430は、プローブレジスタ(例えば図2のプローブレジスタ42)を含んでよい。機械的アーム430は、超音波撮像システム405に通信可能に結合して、プローブ登録情報を提供する及び/又は超音波撮像システム405から命令を受信することができる。例えば幾つかの実施形態では、機械的アーム430は、プローブ登録情報を超音波システム405に提供するアクチュエータ及び/又はセンサを含むロボットアームであってよい。幾つかの実施形態では、ロボットアームの動き及び/又はロボットアームの他の機能は、超音波撮像システム405及び/又は外部ロボット制御システムによって制御されてよい。幾つかの実施形態では、プローブレジスタは、機械的アーム430から独立していてもよい。幾つかの実施形態では、機械的アーム430は省略されてもよい。例えば超音波技術者が超音波プローブ410a及び410bを所定位置に保持することができる。別の例では、超音波プローブ410a及び410bは、ストラップ又は接着剤によって被験者420に取り付けられていてもよい。
【0021】
[026] 制御機能が、図2に示すように超音波撮像システムに統合されているか、又は、図3に示すように外部であるかに関わらず、超音波撮像システムは、両方の超音波プローブから、分析のために信号を受信する。超音波撮像システムは、第1のプローブから完全なボリューム走査を受信し、次に第2のプローブから完全なボリューム走査を受信する。走査は、図5に示すように、インターリーブ方式500で繰り返される。線505は、どちらの超音波プローブが現在ボリュームを取得しているのかを示す。図5に示す例では、線505がハイの場合、プローブAからボリュームが取得され、線505がローの場合、プローブBからボリュームが取得される。画像510はプローブBによって取得されたボリュームを表し、画像515はプローブAによって取得されたボリュームを表す。ボリューム全体を交互に取得するのではなく、2つのプローブからのボリュームの走査がスライス毎又はビーム毎にインターリーブされる。2つのプローブからの信号取得の他の分割(例えばパッチ毎、サブボリューム単位毎)もまた可能であってよい。
【0022】
[027] ボリュームの2つの超音波画像が取得した後、これらを結合して残響アーチファクトを除去することができる。ボリュームの2つの画像内の共通信号は「真」の画像に対応する一方で、2つの画像内の異なる信号は残響アーチファクトに対応する。ボリューム画像を位置合わせして、ボリューム画像が結合される。つまり、ボリューム画像は、ボリューム画像内の解剖学的構造及び/又は他の物体の場所が一致するように調整される。2つの超音波プローブからのボリューム画像を位置合わせするために、2つのプローブの相対位置が求められる。これは、図2に示すプローブレジスタ42といったプローブレジスタによって達成される。幾つかの実施形態では、プローブレジスタは、マイクロスクライブに結合される機械的プローブホルダを含む。プローブホルダは、プローブに対して一定の向きを維持する。したがって、プローブホルダとプローブのトランスデューサアレイとの関係(例えばアレイの中心点、アレイの角度)が求められる。1つ以上のマイクロスクライブによる機械的プローブホルダの測定値を使用して、2つのプローブによって取得されたボリューム画像を相関させる変換行列が生成される。
【0023】
[028] プローブレジスタは、前述のようなマイクロスクライブやロボットアームといった機械的システムに限定されない。例えば超音波トランスデューサプローブは、電磁追跡システムが超音波プローブの登録情報(例えば方向、角度、空間における場所)を決定することを可能にする電磁追跡タグを含んでよい。電磁追跡システムの一例はPercuNavシステムである。ただし、他の電磁追跡システムを使用してもよい。幾つかの実施形態では、被験者の周りに配置される可視カメラ又は赤外線カメラが、超音波プローブの場所を登録することができる。別の例では、被験者及びプローブの光学走査によって、超音波プローブの場所を登録することができる。更なる例では、技術者が、超音波プローブの場所及び位置を超音波撮像システムに手動で入力することができ、その後、変換行列が計算される。
【0024】
[029] 2つのプローブによって取得されたボリューム画像及び2つのプローブのプローブ登録情報は、超音波撮像システムの画像プロセッサ、例えば図2に示す画像プロセッサ36によって受信される。図6は、本開示の実施形態に従って、画像プロセッサによって行われる方法600のブロック図である。ステップ605において、画像プロセッサは、2つの超音波プローブの登録情報(例えば座標位置又は単に位置)に少なくとも部分的に基づいて、変換行列を生成する。登録情報は、図2に示すプローブレジスタ42といったプローブレジスタによって提供されていてよい。変換行列は、3次元ボリューム(例えばボリューム画像)を「変換」するために使用される2次元行列である。ボリュームの変換の例としては、空間内でボリュームを平行移動させること(例えばボリュームを別の場所に移動させる)、空間内でボリュームを回転させること(例えばボリュームの角度を変える)及び/又は空間内でボリュームをスケーリングすること(例えばボリュームを大きく又は小さくする)が含まれるがこれらに限定されない。
【0025】
[030] ステップ610において、画像プロセッサは、変換行列に少なくとも部分的に基づいてボリューム画像を回転及び平行移動させる。2D変換行列に、ボリューム画像のボクセルのX、Y、Z座標を含む1次元行列を乗算する。ボリューム画像の各ボクセルに変換行列を乗算して、ボリューム画像を必要に応じて回転、平行移動及び/又はスケーリングする。本明細書に説明する実施形態では、ボリューム画像を回転、平行移動及び/又はスケーリングして、2つの超音波プローブによって取得されたボリューム画像が位置合わせされる。幾つかの実施形態では、超音波プローブの1つによって取得されたボリューム画像の1つが基準ボリュームとして選択される。当該基準ボリューム及びプローブ登録情報に少なくとも部分的に基づいて変換行列を計算して、第2の超音波プローブによって取得された第2のボリューム画像に変換行列を乗算して、第2のボリューム画像が第1のボリューム画像と位置合わせされる。幾つかの実施形態では、2つのボリューム画像とは無関係の基準ボリュームをプローブ登録情報と共に使用して変換行列を計算して、第1及び第2のボリューム画像の両方に変換行列を乗算して、2つのボリューム画像が位置合わせされる。幾つかの実施形態では、基準ボリューム及びプローブ登録情報に基づいて別箇の変換行列を計算して、各ボリューム画像にそれぞれの変換行列を乗算して、2つのボリューム画像が位置合わせされる。
【0026】
[031] 理想的なシステムでは、ステップ610の変換行列は、超音波プローブによって取得された2つのボリューム画像を正確に位置合わせする。しかし、超音波信号は不均質な媒体(例えば組織)を通過する際に屈折するか又は歪む可能性がある。これらの歪みにより、変換行列によって計算される結果の位置合わせの精度が低下する。場合によっては、この精度の低下は許容できない場合がある。この状況では、ステップ615において、第2の位置合わせを行い、位置合わせが「微調整」される。微調整は、2つのボリューム画像内の3つ以上の共通点を選択し、追加の「微調整」変換行列を計算して、共通点を位置合わせことで達成することができる。次に、微調整変換行列が適用されて、2つのボリューム画像の位置合わせが向上する。幾つかの実施形態では、画像プロセッサは、特徴認識アルゴリズムを適用して、ボリューム内の共通点を自動的に選択する。別の実施形態では、ユーザがボリューム画像内の共通点を手動で選択してもよい。
【0027】
[032] 幾つかの実施形態では、基準又は他のマーカーを使用して共通点を提供してもよい。基準は、超音波撮像システム及び/又は電磁追跡システムによって検出されるように構成された球体又は円板体であることが多い。一部の基準は、光学システムによって検出されるように構成されてよい。基準は、被験者の皮膚、被験者と接触する表面、埋め込み可能なデバイス及び/又は介入デバイスを含むがこれらに限定されない様々な場所に配置されてよい。幾つかの実施形態では、画像プロセッサはボリューム画像内の基準の位置を検出する。幾つかの実施形態では、電磁追跡システム及び/又は他の基準追跡システムが、2つのボリューム画像内の3つ以上の共通点として使用するために基準場所情報を画像プロセッサに提供する。
【0028】
[033] 次に、ステップ620において、位置合わせされたボリューム画像は結合される。ボリューム画像内の共通値が、ボリューム内の走査された解剖学的特徴及び/又は物体を表す。2つのボリューム画像間で異なる値は、強力な反射体(例えば介入デバイス)によって生成される残響アーチファクトを表す。つまり、第1の画像ボリュームが第2のボリューム画像から差し引かれた場合、ゼロ値のボクセルは、走査された解剖学的特徴及び/又は物体を含むボクセルである。非ゼロ値のボクセルは、残響アーチファクトを含む場合がある。ステップ625において、残響アーチファクトが除去される。幾つかの実施形態では、結合されたボリューム画像を半分に分割し、次に、ボリューム画像間の差の絶対値を差し引いて残響を除去することができる。つまり、ボリューム画像の平均値及びボリューム画像間の差の値が計算される。このプロセスを式1にまとめる。
【0029】
[034] 残響除去=(V+V)/2-ABS(V-V) 式1
【0030】
[035] V及びVは、2つの超音波プローブによって取得された位置合わせされたボリューム画像を表す。結合ボリューム画像から残響アーチファクトが除去された後、ステップ630において、ボリュームのクリーンな画像が提供される。当該画像は、図2に示すディスプレイ38といったディスプレイに提供されてよい。
【0031】
[036] 図7A図7Eは、本開示の実施形態による例示的な残響除去手順を示す。図7Aは、2つの超音波プローブによって撮像されたアレンレンチ(例えば六角レンチ)を示す。図7Bは、プローブの位置を登録するためにマイクロスクライブに結合されたプローブホルダに保持された2つのフィリップス社のx5-1超音波プローブを示す。図7Cは、第1の超音波プローブによって取得された3Dボリュームでのアレンレンチの画像である。図7Dは、第2の超音波プローブによって取得された3Dボリュームでのアレンレンチの画像である。残響アーチファクトは各画像に矢印で示されている。アレンレンチの先端の実際の位置は、残響アーチファクトによって不明瞭になっていることに留意されたい。これは、侵襲的処置中にカテーテルの先端が不明瞭になる様子と似ている。図7Eは、残響アーチファクトが除去された状態で、位置合わせされた結合ボリューム内のアレンレンチの画像である。アレンレンチの先端がより明確に観察できるようになる。
【0032】
[037] 残響アーチファクトの低減について、図2図7の2つ以上の超音波プローブの使用を参照して説明したが、本開示の原理は、1つの超音波プローブしか含まない超音波撮像システムに適用されてもよい。例えば図2において、超音波プローブ12bが除外されてもよい。1つの超音波プローブ12aが、ボリューム画像の取得間に異なる位置に動かされ、プローブレジスタ42が、ボリューム画像の位置合わせのために、各取得について超音波プローブ12aの位置を取得することができる。超音波プローブ12aは、ユーザ、ロボットアーム及び/又は他の平行移動手段(例えば機械的レバー)によって動かされてよい。
【0033】
[038] したがって、図6を参照して説明した方法600と同様に、1つ又は複数のプローブを含む図2の超音波撮像システムは、異なる座標位置からそれぞれ取得される少なくとも2つのボリューム画像を受信し、ボリューム画像の座標位置に基づいてボリューム画像を位置合わせし、位置合わせされたボリューム画像を平均して結合画像を作成し、位置合わせされたボリューム画像間の差を推定し、推定された差を結合画像から除去する方法を行うことができる。
【0034】
[039] 本システムは、超音波撮像システムを参照して説明したが、本システムは、他の超音波トランスデューサに拡張されてもよい。更に、本システムは、腎臓、精巣、前立腺、乳房、卵巣、子宮、甲状腺、肝臓、肺、筋骨格、脾臓、神経、心臓、動脈及び血管系に関するがこれらに限定されない画像情報を取得及び/又は記録するために使用されるだけでなく、超音波誘導介入及びリアルタイム医用撮像によって誘導される他の介入に関連する他の撮像応用にも使用されてよい。更に、本システムはまた、本システムの特徴及び利点を提供できるように、リアルタイム撮像構成要素を伴う又は伴わない非超音波撮像システムと共に使用することができる1つ以上の要素を含んでもよい。
【0035】
[040] 更に、本方法、システム及び装置は、例えば超音波撮像システムといった既存の撮像システムに適用することができる。適切な超音波撮像システムの例としては、例えば小部分の撮像に適している従来のブロードバンド線形アレイトランスデューサをサポートするフィリップス社の超音波システムが挙げられる。
【0036】
[041] 本発明の特定の追加の利点及び特徴は、本開示を検討することにより当業者には明らかとなるか、又は、本発明の新規のシステム及び方法を使用する人が経験するであろう。本発明の新規のシステム及び方法の重要な点は、超音波撮像システム及びその動作方法によって画像アーチファクトが低減される点である。本システム及び方法の別の利点は、本システム、デバイス及び方法の特徴及び利点を組み込むために、従来の医療撮像システムを容易にアップグレードすることができる点である。
【0037】
[042] 当然ながら、上記実施形態又はプロセスのいずれか1つを、1つ以上の他の実施形態及び/又はプロセスと組み合わせてもよい、又は、本システム、デバイス及び方法に従って別個のデバイス又はデバイス部分間で分離及び/若しくは実行できることを理解されたい。
【0038】
[043] 最後に、上記議論は、本システムを単に例示することを意図しており、添付の特許請求の範囲を任意の特定の実施形態又は実施形態群に限定するものと解釈されるべきではない。したがって、例示的な実施形態を参照して本システムを特に詳細に説明したが、特許請求の範囲に記載されている本システムのより広く意図された精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって多数の修正及び代替実施形態が考案されうることも理解されたい。したがって、明細書及び図面は例示的にみなされるべきであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7