(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-22
(45)【発行日】2024-03-04
(54)【発明の名称】塗装方法及び装飾板の製造方法
(51)【国際特許分類】
B05D 1/36 20060101AFI20240226BHJP
【FI】
B05D1/36 Z
(21)【出願番号】P 2023083563
(22)【出願日】2023-05-22
【審査請求日】2023-05-22
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592134088
【氏名又は名称】佐藤興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】弁理士法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 ▲廣▼正
【審査官】大塚 美咲
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-252479(JP,A)
【文献】特開2012-045520(JP,A)
【文献】特開2012-139677(JP,A)
【文献】特開平07-039809(JP,A)
【文献】特開2011-025172(JP,A)
【文献】特開2010-201750(JP,A)
【文献】特開平09-173966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1塗料を塗布することによって塗装面に第1層を形成するステップと、
水を含む液体を前記第1層の表面に塗布するステップと、
前記液体が前記第1層の表面に塗布されている状態で、前記第1層の表面に前記第1塗料とは異なる水性の第2塗料を塗布することによって第2層を形成するステップと、
前記液体及び前記第2塗料の乾燥前に、前記第2層に筋状の模様を形成するステップと、を備え
、
前記第2層に前記筋状の模様を形成するステップは、硬質のローラを用いて行われ、
前記第2層に前記筋状の模様を形成するステップは、前記ローラの一端と前記塗装面との距離よりも前記ローラの他端と前記塗装面との距離が小さい状態で前記ローラを前記塗装面に沿って転がすことにより、前記ローラの他端の軌跡に沿って前記筋状の模様を形成するステップである
ことを特徴とする塗装方法。
【請求項2】
前記第2塗料は、30%以上の水を含む
ことを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
【請求項3】
前記液体を前記第1層の表面に塗布するステップの前に、前記第1層を形成する前記第1塗料を乾燥させるステップを備えた
ことを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
【請求項4】
前記筋状の模様は、周囲よりも前記塗装面と直交する方向に突出している
ことを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
【請求項5】
前記第2層に前記筋状の模様を形成するステップは、前記ローラを前記塗装面に沿って転動させて、前記第2層の厚さを部分的に変化させるステップである
ことを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
【請求項6】
第1塗料を塗布することによって塗装面に第1層を形成するステップと、
水を含む液体を前記第1層の表面に塗布するステップと、
前記液体が前記第1層の表面に塗布されている状態で、前記第1層の表面に前記第1塗料とは異なる水性の第2塗料を塗布することによって第2層を形成するステップと、
前記液体及び前記第2塗料の乾燥前に、前記第2層に筋状の模様を形成するステップと、を備え
、
前記第2層に前記筋状の模様を形成するステップは、硬質のローラを用いて行われ、
前記第2層に前記筋状の模様を形成するステップは、前記ローラの一端と前記塗装面との距離よりも前記ローラの他端と前記塗装面との距離が小さい状態で前記ローラを前記塗装面に沿って転がすことにより、前記ローラの他端の軌跡に沿って前記筋状の模様を形成するステップである
ことを特徴とする装飾板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、塗装方法及び装飾板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、木材以外の材料を塗装することによって、木目模様を形成する塗布方法が知られている(特許文献1参照)。この塗布方法は、金属材料の表面に木目模様の基調色となる塗料を下地として塗装し、その上に基調色とは異なる色の塗料を刷毛で塗装して、金属材料に木目模様を形成する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、塗料によって壁、床、装飾板等の塗装面を塗装する際に、均一に塗料を塗布するよりも意匠性を向上させることができる塗装方法が求められているという課題がある。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するものであって、従来よりも意匠性を向上させることができる塗装方法及び装飾板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る塗装方法は、第1塗料を塗布することによって塗装面に第1層を形成するステップと、水を含む液体を第1層の表面に塗布するステップと、液体が第1層の表面に塗布されている状態で、第1層の表面に第1塗料とは異なる水性の第2塗料を塗布することによって第2層を形成するステップと、液体及び第2塗料の乾燥前に、第2層に筋状の模様を形成するステップと、を備え、第2層に筋状の模様を形成するステップは、硬質のローラを用いて行われ、第2層に筋状の模様を形成するステップは、ローラの一端と塗装面との距離よりもローラの他端と塗装面との距離が小さい状態でローラを塗装面に沿って転がすことにより、ローラの他端の軌跡に沿って筋状の模様を形成するステップであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、従来よりも意匠性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る塗装方法によって、塗装面を塗装する様子を示す側面図。
【
図2】実施の形態1に係る塗装方法を示すフローチャート。
【
図3】
図3Aは、実施の形態1に係る塗装方法によって塗装される塗装面を有する板材を示す正面図、
図3Bは、実施の形態1に係る塗装方法によって塗装される塗装面を有する板材を示す側面図。
【
図4】
図4Aは、実施の形態1に係る塗装方法によって、塗装面に第1層が形成された状態を示す正面図、
図4Bは、実施の形態1に係る塗装方法によって、塗装面に第1層が形成された状態を示す側面図。
【
図5】
図5Aは、実施の形態1に係る塗装方法によって、第1層の表面に第2層が形成された状態を示す正面図、
図5Bは、実施の形態1に係る塗装方法によって、第1層の表面に第2層が形成された状態を示す側面図。
【
図6】実施の形態1に係る塗装方法によって、第1帯部を形成するステップを示す正面図。
【
図7】実施の形態1に係る塗装方法によって、第2帯部を形成するステップを示す正面図。
【
図8】実施の形態1に係る塗装方法によって、第2帯部を形成するステップを示す平面図。
【
図9】実施の形態1に係る塗装方法によって、第2帯部を形成するステップを示す
図8の拡大図。
【
図10】実施の形態1に係る塗装方法によって、第3帯部を形成するステップを示す正面図。
【
図11】実施の形態1に係る塗装方法によって、複数の筋状の模様が形成された状態の装飾板を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
まず、
図1を参照して、実施の形態1に係る塗装方法の概略について説明する。実施の形態1に係る塗装方法によって、塗装面M1aを塗装する様子を示す側面図である。実施の形態1に係る塗装方法は、壁面、床面、天井の表面、建築用の装飾板、物品の表面等、塗装を行う塗装面M1aを塗装するための塗装方法である。例えば、塗装者H1は、塗装用のローラR0を用いて塗料を塗装面M1aに付着させることで、塗装面M1aを塗装する。実施の形態1に係る塗装方法は、塗装面M1aの保護を目的とする塗装であってもよいし、塗装面M1aの装飾を目的とする塗装であってもよいし、これら両方を目的に含む塗装であってもよい。また、塗装面M1aは、平面であってもよいし、曲面であってもよい。
【0010】
このように、実施の形態1に係る塗装方法の対象は、多様なものが考えられるが、以下、
図1乃至
図11を参照して、塗装された板材M1である装飾板P1の生産を行う場合を例に、実施の形態1に係る塗装方法の詳細について説明する。
図2は、実施の形態1に係る塗装方法を示すフローチャートである。まず、塗装を行う塗装者H1は、板材M1と共に、第1塗料、第2塗料、水及びローラR1を含む、塗装に用いられるものを用意する(ステップST1)。このステップにおいて、塗装者H1は、塗装の対象である板材M1と、塗装に用いられる第1塗料、第2塗料及び水と、塗装の道具であるローラR1及びその他の道具と、を用意している。
【0011】
図3Aは、実施の形態1に係る塗装方法によって塗装される塗装面M1aを有する板材M1を示す正面図であり、
図3Bは、実施の形態1に係る塗装方法によって塗装される塗装面M1aを有する板材M1を示す側面図である。なお、板材M1は、塗装面M1aに凹凸を有するものであってもよい。
【0012】
ステップST1を行うと、塗装者は、第1塗料で塗装面M1aに第1層を形成する(ステップST2)。
図4Aは、実施の形態1に係る塗装方法によって、塗装面M1aに第1層S1が形成された状態を示す正面図であり、
図4Bは、実施の形態1に係る塗装方法によって、塗装面M1aに第1層S1が形成された状態を示す側面図である。このステップにおいて、塗装者H1は、ベース塗料である第1塗料を塗装面M1aに塗布することにより、塗装面M1aに下地である第1層S1を形成している。
【0013】
例えば、このステップにおいて、塗装者H1は、エマルジョン塗料である第1塗料が付着した塗装用のローラを塗装面M1aに沿って転動させることにより、第1塗料が塗装面M1aに均一に塗布されるように、第1層S1を形成する。なお、第1塗料は、液体状又はペースト状のもので、塗装面に塗布することが可能なものであればよく、水性塗料、油性塗料等のエマルジョン塗料以外の塗料であってもよいし、モルタル等の建築材料であってもよい。また、ステップST2において、塗装者H1は、繊維ローラ、スポンジローラ、刷毛、ヘラ等の道具を用いて第1層S1を形成してもよいし、霧吹き、スプレー等の噴霧器を用いて第1層S1を形成してもよい。また、第1層は、1種類の第1塗料によって形成されるものに限らず、複数色、複数種類の第1塗料によって塗り分けるように形成されていてもよいし、複数色、複数種類の第1塗料が重なるように形成されていてもよい。
【0014】
ステップST2を行うと、塗装者H1は、第1層S1を形成している第1塗料を乾燥させる(ステップST3)。なお、ステップST3において、乾燥とは、塗料から全ての溶剤が除去された状態のみを意味せず、後述するステップにおいて、第1塗料と第1塗料の表面に塗布されるものとが混ざることを抑制可能な程度に、十分に第1塗料を乾燥及び固化させた状態であればよい。また、例えば、このステップにおいて、塗装者H1は、ブロア等の送風機を使用して第1塗料を乾燥させてもよいし、第1塗料が乾燥するまで放置してもよい。
【0015】
ステップST3を行うと、塗装者H1は、第1層S1の表面S1aに水を塗布する(ステップST4)。例えば、このステップにおいて、塗装者H1は、第1層S1の表面S1aに水による膜が形成されるように、霧吹き等の噴霧器によって第1層の表面S1aに水を塗布(散布)する。なお、ステップST4で第1層S1の表面S1aに塗布されるものは、水を多く含む液体であればよく、例えば、一部に塗料を含むものであってもよいし、塗料以外の他の成分を含むものであってもよいが、質量比で70%以上の水を含む液体であることが望ましい。
【0016】
ステップST4を行うと、塗装者H1は、第1層S1の表面S1aに水を含む液体が塗布されている状態で、流動性を有する水性塗料である第2塗料で第1層S1の表面S1aに第2層を形成する(ステップST5)。
図5Aは、実施の形態1に係る塗装方法によって、第1層S1の表面に第2層S2が形成された状態を示す正面図であり、
図5Bは、実施の形態1に係る塗装方法によって、第1層S1の表面に第2層S2が形成された状態を示す側面図である。例えば、このステップにおいて、塗装者H1は、第2塗料が付着した塗装用のローラを第1層S1の表面S1aに沿って転動させることにより、第2塗料が第1層S1の表面S1aに均一に塗布されるように、第2層S2を形成する。
【0017】
例えば、第2塗料は、水と顔料等の着色剤との混合物であり、質量比で30%以上90%未満の水を含むものであることが望ましく、質量比で50%以上70%未満の水を含むものであることがより望ましい。また、第2塗料は、第1塗料とは少なくとも明度、彩度、色相のいずれかが異なる塗料であることが望ましい。なお、ステップST5において、塗装者H1は、繊維ローラ、スポンジローラ、刷毛、ヘラ等の道具を用いて第2層S2を形成してもよいし、霧吹き、スプレー等の噴霧器を用いて第2層S2を形成してもよい。また、第2層は、1種類の第2塗料によって形成されるものに限らず、複数色、複数種類の第2塗料によって塗り分けるように形成されていてもよいし、複数色、複数種類の第2塗料が重なるように形成されていてもよい。
【0018】
ステップST5を行うと、塗装者H1は、第2層S2を形成する第2塗料の乾燥前に、第1帯部を形成する(ステップST6)。
図6は、実施の形態1に係る塗装方法によって、第1帯部T1を形成するステップST6を示す正面図である。当該ステップST6、及び後述するステップST7乃至ST9において、乾燥前とは、塗料から全ての溶剤が除去される前の状態ではなく、少なくとも第2層S2を形成する第2塗料が流動性を有している状態を意味する。例えば、ステップST6において、塗装者H1は、ローラR1を、第2塗料が塗布されている状態の板材M1に対して押し付けた状態で表面S1aに沿って曲線を描くように転動させることにより、ローラR1の移動跡である帯状の第1帯部T1を形成する。
【0019】
例えば、ステップST6で用いられるローラR1は、繊維ローラと比較して第2塗料を吸収しにくく、かつ塗装の際に掛かる力によって変形しにくいヘッドカットローラ等の硬質のローラである。ステップST6において、第2層S2は、塗装面M1aと直交する方向にローラR1で押されることによって、部分的に厚さが変化する。
【0020】
ステップST6を行うと、塗装者H1は、第2層S2を形成する第2塗料の乾燥前に、第2帯部を形成する(ステップST7)。
図7は、実施の形態1に係る塗装方法によって、第2帯部T2を形成するステップST7を示す正面図である。例えば、ステップST7において、塗装者H1は、ローラR1を、第2塗料が塗布されている状態の板材M1に対して押し付けた状態で表面S1aに沿って曲線を描くように転動させることにより、ローラR1の移動跡である帯状の第2帯部T2を形成する。また、例えば、このステップにおいて、塗装者H1は、第1帯部T1と第2帯部T2とが少なくとも一部において重なるように、第2帯部T2を形成する。これにより、第1帯部T1と第2帯部T2との境界L2に筋状の模様が形成される。
【0021】
図8は、実施の形態1に係る塗装方法によって、第2帯部T2を形成するステップST7を示す
図7の方向Aから視た平面図である。
図8に示すように、このステップにおいて、塗装者H1は、ローラR1の一端R1aと塗装面M1aとの距離よりも、ローラR1の他端R1bと塗装面M1aとの距離が小さい状態で、ローラR1を塗装面M1aに沿って転動させている。言い換えると、このステップにおいて、塗装者H1は、ローラR1を塗装面M1a及び第1層S1の表面S1aに対して傾斜させた状態でローラR1を塗装面M1aに沿って(第1層S1の表面S1aに沿って)転動させている。
【0022】
これにより、塗装者H1は、ローラR1の一端R1aの付近における第2層S2の厚さと、ローラR1の他端R1bの付近における第2層S2の厚さと、が互いに異なるように、第2帯部T2を形成している。また、これにより、塗装者H1は、第1帯部T1と第2帯部T2との境界L2の付近において、第1帯部T1の厚さと第2帯部T2の厚さとが互いに異なるように第2帯部T2を形成することで、境界L2の部分が周囲よりも塗装面M1aと直交する方向(
図8における上方であるZ方向)に突出する筋状の模様が形成されるように、第2帯部T2を形成している。また、これにより、塗装者H1は、第1帯部T1と第2帯部T2との境界L2の付近において、第1帯部T1の側よりも第2帯部T2の側で、第1層S1が第2塗料を透過して観察者に見えやすくなるように第2帯部T2を形成している。
【0023】
図9は、実施の形態1に係る塗装方法によって、第2帯部T2を形成するステップST7を示す
図8のB部における拡大図である。例えば、このステップにおいて、境界L2は、第2層S2を形成する第2塗料が、塗装面M1aに沿って(第1層S1の表面S1aに沿って)第1帯部T1に向けた方向(
図9における左方であるC方向)にローラR1によって押されることで、Z方向に突出するように形成される。また、例えば、このステップにおいて、境界L2は、第2層S2を形成する第2塗料が、塗装面M1aに沿って(第1層S1の表面S1aに沿って)転動するローラR1によってZ方向に持ち上げられることで、Z方向に突出するように形成される。
【0024】
ステップST7を行うと、塗装者H1は、第2層S2を形成する第2塗料の乾燥前に、第3帯部を形成する(ステップST8)。
図10は、実施の形態1に係る塗装方法によって、第3帯部T3を形成するステップST8を示す正面図である。例えば、ステップST8において、塗装者H1は、ローラR1を、第2塗料が塗布されている状態の板材M1に対して押し付けた状態で表面S1aに沿って曲線を描くように転動させることにより、ローラR1の移動跡である帯状の第3帯部T3を形成する。例えば、このステップにおいて、塗装者H1は、第2帯部T2と第3帯部T3とが少なくとも一部において重なるように、第3帯部T3を形成する。これにより、第2帯部T2と第3帯部T3との境界L3に筋状の模様が形成される。また、例えば、このステップにおいて、塗装者H1は、境界L2と境界L3とが平行にならないように、かつ第2帯部T2と第3帯部T3とが少なくとも一部において重なるように、第3帯部T3を形成する。
【0025】
このように、塗装者H1は、第2層S2を形成する第2塗料の乾燥前に、第1帯部T1から第n帯部Tnまで順次形成する(ステップST9)ことで、複数の帯部の間の各境界に筋状の模様を形成する。
図11は、実施の形態1に係る塗装方法によって、境界L2から境界Lnの複数の筋状の模様が形成された状態の装飾板P1を示す正面図である。ステップST9を行うと、塗装者H1は、第2層S2の第2塗料を乾燥させて(ステップST10)、塗装面M1aの塗装を終了する。なお、上記nは、3以上の自然数であればよく、塗装者H1は、第3帯部T3の形成を終えた時点で、塗装面M1aの塗装を終了してもよい。また、各境界は、互いに交差するように形成されていてもよい。
【0026】
以上、実施の形態1に係る塗装方法は、第1塗料を塗布することによって塗装面M1aに第1層S1を形成するステップと、水を含む液体を第1層S1の表面S1aに塗布するステップと、液体が第1層の表面に塗布されている状態で、第1層S1の表面S1aに第1塗料とは異なる水性の第2塗料を塗布することによって第2層S2を形成するステップと、第2塗料の乾燥前に、第2層S2に筋状の模様を形成するステップと、を備えている。このように、実施の形態1に係る塗装方法は、塗装面M1aに筋状の模様を形成することによって、塗装面に塗料を均一に塗布する従来の塗装方法よりも意匠性を向上させることができる。
【0027】
また、実施の形態1に係る塗装方法は、筋状の模様を、周囲よりも塗装面M1aと直交する方向Zに突出するように形成するので、塗装後の塗料に凹凸が形成されることで、従来よりも意匠性を向上させることができる。
【0028】
なお、本開示は、任意の構成要素の変形、若しくは任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0029】
H1 :塗装者
L2 :境界
L3 :境界
Ln :境界
M1 :板材
M1a:塗装面
P1 :装飾板
R1 :ローラ
R1a:一端
R1b:他端
S1 :第1層
S1a:表面
S2 :第2層
T1 :第1帯部
T2 :第2帯部
T3 :第3帯部
Tn :第n帯部
【要約】
【課題】従来よりも意匠性を向上させることができる塗装方法及び装飾板の製造方法を提供する。
【解決手段】塗装方法は、第1塗料を塗布することによって塗装面(M1)に第1層(S1)を形成するステップと、水を含む液体を第1層の表面(S1a)に塗布するステップと、液体が第1層の表面に塗布されている状態で、第1層の表面に第1塗料とは異なる水性の第2塗料を塗布することによって第2層(S2)を形成するステップと、第2塗料の乾燥前に、第2層に筋状の模様を形成するステップと、を備えた。
【選択図】
図1