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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】ペット用給水器
(51)【国際特許分類】
   A01K 7/06 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
A01K7/06 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021035258
(22)【出願日】2021-03-05
(65)【公開番号】P2022135454
(43)【公開日】2022-09-15
【審査請求日】2023-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】393022746
【氏名又は名称】ジェックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中谷 康富
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-011877(JP,A)
【文献】登録実用新案第3170711(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2011/0163883(US,A1)
【文献】韓国登録実用新案第20-0424969(KR,Y1)
【文献】独国特許出願公開第102018007998(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0320615(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 7/00 - 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料水を貯水するための貯水容器と、
前記貯水容器から斜め下方向に延びる給水ノズルと、
前記給水ノズルの内部に配置される止水球と、を備え、
前記給水ノズルは、ペットに飲料水を供給するための円形状の給水口を備え、
前記給水口は、内径寸法が前記止水球の直径寸法よりも小さく、重力方向に略直交して配置されている、ペット用給水器。
【請求項2】
前記給水ノズルの内部で且つ前記止水球よりも前記貯水容器側に配置された錘体を備え、
前記給水ノズルが延びる方向と直交する面における前記錘体の長さ寸法は、前記止水球の直径寸法よりも小さい、請求項1に記載のペット用給水器。
【請求項3】
前記給水ノズルの内部に設けられた給水通路を複数の通路に仕切る仕切部を備える、請求項1又は2に記載のペット用給水器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット用給水器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペット用給水器として、飲料水を貯水するための貯水容器と、貯水容器から斜め下方向に延びる給水ノズルと、給水ノズルの内部に配置される止水球と、を備え、給水ノズルは、ペットに飲料水を供給するための円形状の給水口を備え、給水口は、給水ノズルが伸びる方向に直交して配置されている、ペット用給水器が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、斯かるペット用給水器は、止水球による荷重が給水口に均一に掛からないので、止水球と給水口との密着性の弱い箇所から水漏れが生じる恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-215613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、止水球を給水口に略均一に密着させ、止水球と給水口との間から水漏れが生じることを抑えることができるペット用給水器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ペット用給水器は、飲料水を貯水するための貯水容器と、前記貯水容器から斜め下方向に延びる給水ノズルと、前記給水ノズルの内部に配置される止水球と、を備え、前記給水ノズルは、ペットに飲料水を供給するための円形状の給水口を備え、前記給水口は、内径寸法が前記止水球の直径寸法よりも小さく、重力方向に略直交して配置されている。
【0007】
斯かる構成によれば、給水口が重力方向に略直交して配置されていることにより、止水球の荷重を給水口に略均一に掛けることができる。これにより、止水球を給水口に略均一に密着させることができ、止水球と給水口との間から水漏れが生じることを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係るペット用給水器の正面図である。
図2図2は、同実施形態に係るノズル部を示す拡大断面図である。
図3図3は、図1のIII-III線要部拡大断面図である。
図4図4は、他の実施形態に係るペット用給水器の正面図である。
図5図5は、さらに他の実施形態に係るノズル部を示す要部拡大断面図である。
図6図6は、さらに他の実施形態に係るノズル部を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係るペット用給水器について、図1図3を参照しながら説明する。なお、各図(図4図6も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0010】
本実施形態に係るペット用給水器が対象とするペットは、ハムスター、うさぎなどの小動物であるが、特定のペットに限定されるものではない。また、ペットが飼育されるペット用ケージについても、特定の形態に限定されるものではない。
【0011】
図1は、本実施形態に係るペット用給水器がペット用ケージに固定された状態を示す正面図であり、図2及び図3は、給水ノズルの内部を説明するための拡大断面図である。
【0012】
図1図3に示すように、本実施形態に係るペット用給水器1は、開口部21を有すると共に飲料水を貯水可能な貯水容器2と、開口部21に着脱可能な給水ノズル3と、ペット用給水器1をペット用ケージX1などに固定するための固定部4と、を備える。
【0013】
貯水容器2は、飲料水を出し入れ可能な開口部21を備え、開口部21が下方向を向くように配置されている。本実施形態に係る貯水容器2は、樹脂によって略円柱状に形成されているが、例えば、略扁平形状などに形成されていてもよい。そして、開口部21は、円筒状に形成され、開口部21の外周面に不図示の雄ねじが設けられている。
【0014】
給水ノズル3は、開口部21に取り付けるためのキャップ部31と、キャップ部31と開口部21との間から水が漏れることを防止するゴムパッキン32と、給水通路333及び給水口332aを有し、キャップ部31から斜め下方向(左下方向)に延びるノズル部33と、給水口332aを開閉するための止水球34と、給水口332aと止水球34との間から水漏れが生じることを抑えるための錘体35と、給水通路333を仕切る仕切部36と、を備える。
【0015】
キャップ部31は、樹脂でキャップ状に形成され、内周面に不図示の雌ねじが設けられている。斯かる構成によれば、開口部21の雄ねじにキャップ部31の雌ねじを締め付けることによって、給水ノズル3を貯水容器2に取り付けることができる。
【0016】
本実施形態に係るノズル部33は、キャップ部31と一体に形成された第1ノズル331と、金属又は樹脂で形成された第2ノズル332と、を備える。第1ノズル331は、下端部に凹部331aを備え、第2ノズル332を凹部331aに嵌め込むことにより、第2ノズル332を第1ノズル331に固定することができる。なお、ノズル部33は、例えば、1本のノズルによって構成されていてもよい。
【0017】
ノズル部33は、飲料水の通路である給水通路333が内部に設けられている。そして、給水通路333の内径寸法D3は、止水球34の直径寸法D1よりも大きい。これにより、給水通路333において止水球34を動かすことができ、止水球34で給水口332aを開閉することができる。
【0018】
本実施形態に係る給水通路333は、第1ノズル331の内部に設けられた第1給水通路331bと、第2ノズル332の内部に設けられた第2給水通路332bと、で構成されている。第1給水通路331b及び第2給水通路332bの内径寸法は、同一である。なお、第1給水通路331bの内径寸法は、例えば、第2給水通路332bの内径寸法よりも大きい、という関係であってもよい。
【0019】
第2ノズル332は、ペットに飲料水を供給するための円形状の給水口332aを備える。そして、給水口332aは、第2ノズル332の下端部に重力方向に略直交して配置されている。即ち、給水口332aは、後述する第1固定面412(第2固定面421)に略直交して配置されている。ここで、略直交とは、厳密な直交(90°)のみに限定されず、例えば80~100°の範囲も含む。
【0020】
給水口332aの内径寸法D4は、止水球34の直径寸法D1よりも小さい。これにより、給水口332aに止水球34を嵌めることができ、止水球34によって給水口332aを閉塞することができる。
【0021】
第2給水通路332bは、第2給水通路332bの下端部(先端部)で且つ給水口332aの左側に先端壁面332cを備える。先端壁面332cは、給水口332aの中心軸L1と給水通路333(第2給水通路332b)の中心軸から前後方向(紙面に垂直な方向)に延びる平面S1とが交わる交差点P1から距離W1(干渉防止距離ともいう)離れている。そして、距離W1は、止水球34の半径寸法よりも大きい。これにより、止水球34が先端壁面332cに干渉して止水球34と給水口332aとの間に隙間が生じることを防止することができる。
【0022】
止水球34は、給水通路333の内径寸法D3より若干小さく、給水口332aの内径寸法D4よりも大きな直径寸法D1を有する球体であり、給水通路333に配置されている。本実施形態に係る止水球34は、金属で形成されているが、斯かる材質に限定されない。
【0023】
錘体35は、給水通路333に配置され、止水球34よりも開口部21側に配置されている。そして、給水ノズル3が延びる方向と直交する断面における錘体35の長さ寸法D2は、止水球34の直径寸法D1よりも小さい。本実施形態に係る錘体35は、金属で形成された球体である。
【0024】
仕切部36は、給水通路333に配置され、止水球34及び錘体35よりも開口部21側に配置されている。これにより、仕切部36によって、給水通路333を複数の通路に仕切ることができる。また、仕切部36を給水通路333の開口部21側に配置することにより、給水器1を傾けた際、止水球34及び錘体35が貯水容器2内に流れ込むことを防止することができる。
【0025】
本実施形態に係る仕切部36は、ゴムで形成された長方形状の板であり、第1給水通路331bに配置されている。そして、仕切部36は、第1給水通路331bを2つの空間に仕切っている。なお、仕切部36は、空気が給水通路333の上側に沿って貯水容器2に流れていくことから、平面S1に沿って配置されていることが好ましい。
【0026】
貯水容器2は、固定部4を着脱可能な突起部22を備える。本実施形態に係る突起部22は、上下方向に延びる断面略T字状に形成され、貯水容器2の上部左側に配置されている。なお、突起部22は、例えば、貯水容器2の下部に配置されていてもよく、給水ノズル3に配置されていてもよい。
【0027】
固定部4は、突起部22に着脱可能な第1固定部材41と、第1固定部材41と共にペット用ケージX1を挟むことによってペット用給水器1を固定するための第2固定部材42と、を備える。なお、例えば、貯水容器2は、突起部22を備えず、貯水容器2に第1固定部材41が直接固定されている、という構成であってもよい。
【0028】
第1固定部材41は、突起部22に着脱するための着脱部411と、ペット用ケージX1と接触する第1固定面412と、第1固定面412から左方向に延びる雄ねじ部413と、を備える。そして、第2固定部材42は、ペット用ケージX1と接触する第2固定面421と、第2固定面421から左方向に延びる雌ねじ部422と、を備える。斯かる構成によれば、雌ねじ部422を雄ねじ部413に締め付けることにより、第2固定面421と第1固定面412とでペット用ケージX1を挟むことができる。これにより、固定部4によって、ペット用ケージX1にペット用給水器1を固定することができる。
【0029】
以上より、本実施形態において、ペット用給水器1は、飲料水を貯水するための貯水容器2と、貯水容器2から斜め下方向に延びる給水ノズル3と、給水ノズル3の内部(給水通路333)に配置される止水球34と、を備え、給水ノズル3は、ペットに飲料水を供給するための円形状の給水口332aを備え、給水口332aは、内径寸法D3が止水球34の直径寸法D1よりも小さく、重力方向に略直交して配置されている、という構成である。
【0030】
斯かる構成によれば、給水口332aが重力方向に略直交して配置されていることにより、止水球34の荷重を給水口332aに略均一に掛けることができる。これにより、止水球34を給水口332aに略均一に密着させることができ、止水球34と給水口332aとの間から水漏れが生じることを抑えることができる。
【0031】
また、本実施形態において、ペット用給水器1は、給水ノズル3の内部(給水通路333)で且つ止水球34よりも貯水容器2側に配置された錘体35を備え、給水ノズル3が延びる方向と直交する面における錘体35の長さ寸法D2は、止水球34の直径寸法D1よりも小さい、という構成が好ましい。
【0032】
斯かる構成によれば、錘体35の長さ寸法D2が止水球34の直径寸法D1よりも小さいことにより、錘体35と止水球34との間で空気が溜まることを抑えることができる。これにより、空気が貯水容器2に流れやすくなり、給水口332aにおける水詰りを抑えることができる。
【0033】
また、本実施形態において、ペット用給水器1は、給水ノズル3の内部に設けられた給水通路333を複数の通路に仕切る仕切部36を備える、という構成が好ましい。
【0034】
斯かる構成によれば、仕切部36によって給水ノズル3の内部(給水通路333)を仕切ることにより、空気及び水のそれぞれの通り道を確保することができる。これにより、空気が貯水容器2に流れやすくなり、給水口332aにおける水詰りを抑えることができる。
【0035】
なお、ペット用給水器1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、ペット用給水器1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0036】
(1)本実施形態に係るペット用給水器1において、貯水容器2は、飲料水を出し入れ可能な開口部21を備え、給水ノズル3は、開口部21に取り付けるためのキャップ部31と、キャップ部31と開口部21との間から水が漏れることを防止するゴムパッキン32と、ノズル部33と、を備える、という構成である。しかしながら、ペット用給水器1は、斯かる構成に限られない。
【0037】
例えば、図4に示すように、ペット用給水器1において、貯水容器2は、下端部に不図示の開口を備え、給水ノズル3は、貯水容器2の開口に挿入して固定されるノズル部33を備える、という構成であってもよい。斯かる構成においては、例えば、貯水容器2の上部に貯水容器2に給水するための給水口が設けられていてもよい。
【0038】
(2)本実施形態に係る錘体35は、球体である。しかしながら、錘体35は、斯かる形状に限られない。例えば、図5に示すように、錘体35は、円柱体であってもよい。
【0039】
(3)本実施形態に係る錘体35において、錘体35の長さ寸法D2は、止水球34の直径寸法D1よりも小さい、という構成である。しかしながら、錘体35は、斯かる構成に限られない。例えば、錘体35において、錘体35の長さ寸法D2は、止水球34の直径寸法D1と同じである、という構成であってもよい。
【0040】
(4)本実施形態に係る仕切部36は、第1給水通路331bを2つの空間に仕切る長方形状の板であり、第1給水通路331bに配置されている、という構成である。しかしながら、仕切部36は、斯かる構成に限られない。例えば、仕切部36は、第1給水通路331bを4つの空間に仕切る断面X字状に形成され、第1ノズル331と一体に形成されている、という構成であってもよい。
【0041】
また、例えば、仕切部36は、第2ノズル332の第2給水通路332bに配置されている、という構成であってもよく、例えば、図6に示すように、仕切部36は、第1給水通路331bと第2給水通路332bとに跨って配置されている、という構成であってもよい。
【0042】
(5)固定部4は、例えば、角度調整機構を備える、という構成であってもよい。斯かる構成によれば、ペット用ケージX1が重力方向に対して傾いている場合でも、角度調整機構で固定部4の角度を調整することによって、給水口332aを重力方向に直交させてペット用給水器1をペット用ケージX1に固定することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…ペット用給水器、2…貯水容器、21…開口部、22…突起部、3…給水ノズル、31…キャップ部、32…ゴムパッキン、33…ノズル部、331…第1ノズル、331a…凹部、331b…第1給水通路、332…第2ノズル、332a…給水口、332b…第2給水通路、332c…先端壁面、333…給水通路、34…止水球、35…錘体、36…仕切部、4…固定部、41…第1固定部材、411…着脱部、412…第1固定面、413…雄ねじ部、42…第2固定部材、421…第2固定面、422…雌ねじ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6