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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】出品管理支援装置及び出品管理支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20240227BHJP
   G06Q 30/0279 20230101ALI20240227BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240227BHJP
【FI】
G06Q30/0601 302
G06Q30/0279
G06Q50/10
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021156083
(22)【出願日】2021-09-24
(65)【公開番号】P2023047139
(43)【公開日】2023-04-05
【審査請求日】2023-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516166937
【氏名又は名称】株式会社雨風太陽
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 泰造
(72)【発明者】
【氏名】柳生 宗範
【審査官】松田 岳士
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-181579(JP,A)
【文献】特許第6785514(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産者が登録した商品情報を保持する記憶装置と、
寄付者の端末からの要求に応じて、前記寄付者による寄付金の受付処理を実行する処理、前記寄付金の額に応じた返礼品としてポイントを発行する処理、前記ポイントを前記寄付者に紐付けて記憶装置で管理する処理、前記寄付者の端末に前記商品情報を配信する処理、前記商品情報に基づき前記寄付者が選択した商品の代金決済を、前記寄付者に関して前記記憶装置で管理するポイントを原資に実行する処理を実行する演算装置と、
を備え
前記演算装置は、
少なくとも前記商品の送料が、前記商品の代金を所定倍することで定まる前記寄付金の額のうち一定割合分を超過するか判定し、前記送料が前記一定割合分を超過する場合、前記送料が前記一定割合分以下となる新たな寄付金額を、当該商品の登録時又は前記寄付者の商品選択前まで算定し、当該寄付金額を前記商品の情報として記憶装置に格納または前記寄付者の端末に通知する、
ことを特徴とする出品管理支援装置。
【請求項2】
前記演算装置は、
前記寄付金の額に応じた返礼品として、前記生産者の所在地域に関連する取引にのみ使用可能なポイントを発行するものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の出品管理支援装置。
【請求項3】
前記記憶装置は、
各地域を発地とした場合の荷物サイズ別の平均送料を規定した送料情報をさらに保持し、
前記演算装置は、
前記判定に際し、前記商品のサイズを前記商品情報に基づき特定し、当該商品の送料として、前記生産者の所在地域を発地として前記特定したサイズの荷物を発送した場合の平均送料を前記送料情報から特定し、前記特定した平均送料が前記一定割合分を超過するか判定するものである、
ことを特徴とする請求項に記載の出品管理支援装置。
【請求項4】
前記演算装置は、
前記代金決済の完了に伴い、前記商品の生産者の端末に対し、前記商品の発送指示を通知する処理をさらに実行するものである、
ことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の出品管理支援装置。
【請求項5】
情報処理装置が、
生産者が登録した商品情報を記憶装置にて保持し、
寄付者の端末からの要求に応じて、前記寄付者による寄付金の受付処理を実行する処理、前記寄付金の額に応じた返礼品としてポイントを発行する処理、前記ポイントを前記寄付者に紐付けて記憶装置で管理する処理、前記寄付者の端末に前記商品情報を配信する処理、前記商品情報に基づき前記寄付者が選択した商品の代金決済を、前記寄付者に関して前記記憶装置で管理するポイントを原資に実行する処理、少なくとも前記商品の送料が、前記商品の代金を所定倍することで定まる前記寄付金の額のうち一定割合分を超過するか判定し、前記送料が前記一定割合分を超過する場合、前記送料が前記一定割合分以下となる新たな寄付金額を、当該商品の登録時又は前記寄付者の商品選択前まで算定し、当該寄付金額を前記商品の情報として記憶装置に格納または前記寄付者の端末に通知する処理を実行する、
ことを特徴とする出品管理支援方法。
【請求項6】
前記情報処理装置が、
前記寄付金の額に応じた返礼品として、前記生産者の所在地域に関連する取引にのみ使用可能なポイントを発行するものである、
ことを特徴とする請求項に記載の出品管理支援方法。
【請求項7】
前記情報処理装置が、
前記記憶装置において、各地域を発地とした場合の荷物サイズ別の平均送料を規定した送料情報をさらに保持し、
前記判定に際し、前記商品のサイズを前記商品情報に基づき特定し、当該商品の送料として、前記生産者の所在地域を発地として前記特定したサイズの荷物を発送した場合の平均送料を前記送料情報から特定し、前記特定した平均送料が前記一定割合分を超過するか判定するものである、
ことを特徴とする請求項に記載の出品管理支援方法。
【請求項8】
前記情報処理装置が、
前記代金決済の完了に伴い、前記商品の生産者の端末に対し、前記商品の発送指示を通知する処理をさらに実行する、
ことを特徴とする請求項5~7のいずれかに記載の出品管理支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出品管理支援装置及び出品管理支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
欧米では広く一般的であった寄付の文化が、様々な形で我が国にも浸透し始めている。例えば寄付対象として、慈善団体や政党、宗教団体などの従来のものに加え、地方自治体や起業家なども対象として認知されつつある。
【0003】
また、寄付の手段あるいはプラットフォームとして、募金箱への現金投入、金融取引による指定口座への入金などに加えて、各種ポータルサイトやSNS(Social Networking Service)なども浸透している。
【0004】
なお、こうした寄付に関する種々の従来技術として、例えば、オンラインでチャリティに関連するサービスを提供するシステム(特許文献1参照)が提案されている。
【0005】
このシステムは、販売者端末及び購入者端末とそれぞれ接続可能なサーバシステムであって、寄付金額の算定根拠を含む商品情報を記憶する商品情報記憶手段を有し、寄付金額の算定根拠を含む商品の登録情報を前記販売者端末から受信し、該商品に係る商品情報を前記商品情報記憶手段に格納する商品情報登録手段と、商品を指定した商品ページ送信要求を前記購入者端末から受信するページ要求受信手段と、前記指定された商品に係る商品情報を前記商品情報記憶手段より抽出し、該商品情報を基にチャリティに対する販売者の貢献度を設定し、該貢献度を含む商品ページを生成するページ生成手段と、前記生成した商品ページを前記購入者端末に送信するページ送信手段とを備えるものである。
【0006】
また、商品登録の際に、預かり金の一部を寄付処理する装置(特許文献2参照)なども提案されている。
【0007】
この装置は、表示面に情報を表示するオペレータ用表示部と、顧客への表示用であって、寄付の条件を選択可能に表示する客用表示部と、データを入力する入力部と、データを印字する印字部と、前記入力部、前記印字部、及び前記オペレータ用表示部及び前記客用表示部と接続して情報処理を実行する情報処理部と、を備え、前記情報処理部が、顧客の購入商品の登録を受け付ける処理と、前記オペレータ用表示部及び前記客用表示部に商品の購入状況を表示させる処理と、前記客用表示部を介して寄付条件の選択を受け付ける処理と、前記選択された寄付条件による寄付金額を算出し、購入商品の売上げ合計金額、寄付金額及び支払い合計金額を前記オペレータ用表示部及び前記客用表示部に表示する処理と、前記購入商品の売上げ合計金額、寄付金額及び支払い合計金額を印字する処理を実行するものである。
【0008】
また、寄付をしたい者の寄付を行なう際の心理的ハードルを下げる装置(特許文献3参照)なども提案されている。
【0009】
この装置は、店舗端末、ユーザ端末、および寄付仲介者端末とネットワークを介して接続可能な情報処理装置であって、前記店舗端末から指定された寄付対象データを蓄積する寄付対象データベースと、ユーザによる支払履歴データを前記寄付対象データに対応付けて蓄積する支払履歴データベースと、前記支払履歴データベースに蓄積された前記支払履歴データに基づいて、寄付金額を算出する算出手段と、前記寄付仲介者端末に対して、前記寄付金額の算出に使用された前記支払履歴データを提供する提供手段と、を備えるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2011-138418号公報
【文献】特開2013-54665号公報
【文献】特開2013-109674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、新たな寄付の形態としてふるさと納税がある。このふるさと納税は、寄付者が自ら選んだ自治体に対し「納税」という形で所定金額の寄付を行う。その際、寄付者は、その地の産物やポイントを返礼品として受領する仕掛けとなっている。また、自治体への寄付をした者は、確定申告を行うことで、その寄付金額の一部が所得税及び住民税から控除される利点もある。
【0012】
こうしたふるさと納税を行う者からすれば、魅力的な返礼品を幅広く選択できる環境は非常に喜ばしい。そうなれば、ふるさと納税が、寄付行為という枠を越えた純粋な楽しみとなりやすい。
【0013】
一方、上述の返礼品を用意する生産者からすると、いわゆる50%ルールの縛りもあっって、相応に送料のかかる低単価商品の出品は難しい。そうした商品を返礼品とするならば、寄付対象とする1セットの商品総額を一定レベル以上とするため、大量の商品を返礼単位とすることになる。その場合、10キロ単位の生鮮食品といった非現実的な商品構成となる可能性がある。
【0014】
他方、生産者らの生産品を返礼品として取り扱う自治体からすると、全ての返礼品を総務省へ申告する義務があり、返礼品が多岐に亘るほど、その手間とコストは膨大なものとなりかねない。
【0015】
つまり、農産物の小規模生産者や天然物を対象とした漁業事業者など、供給が安定せず、比較的少量の産物を取り扱う者は、ふるさと納税の仕組みに参画しにくく、また、そうした産物を返礼品とすることも難しいのが現状であった。
【0016】
そこで本発明の目的は、ふるさと納税における幅広い生産者の参画と返礼品の取扱いを、自治体に過負荷がかかることなく可能とする技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決する本発明の出品管理支援装置は、生産者が登録した商品情報を保持する記憶装置と、寄付者の端末からの要求に応じて、前記寄付者による寄付金の受付処理を実行する処理、前記寄付金の額に応じた返礼品としてポイントを発行する処理、前記ポイントを前記寄付者に紐付けて記憶装置で管理する処理、前記寄付者の端末に前記商品情報を配信する処理、前記商品情報に基づき前記寄付者が選択した商品の代金決済を、前記寄付者に関して前記記憶装置で管理するポイントを原資に実行する処理を実行する演算装置と、を備え、前記演算装置は、少なくとも前記商品の送料が、前記商品の代金を所定倍することで定まる前記寄付金の額のうち一定割合分を超過するか判定し、前記送料が前記一定割合分を超過する場合、前記送料が前記一定割合分以下となる新たな寄付金額を、当該商品の登録時又は前記寄付者の商品選択前まで算定し、当該寄付金額を前記商品の情報として記憶装置に格納または前記寄付者の端末に通知する、ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の出品管理支援方法は、情報処理装置が、生産者が登録した商品情報を記憶装置にて保持し、寄付者の端末からの要求に応じて、前記寄付者による寄付金の受付処理を実行する処理、前記寄付金の額に応じた返礼品としてポイントを発行する処理、前記ポイントを前記寄付者に紐付けて記憶装置で管理する処理、前記寄付者の端末に前記商品情報を配信する処理、前記商品情報に基づき前記寄付者が選択した商品の代金決済を、前記寄付者に関して前記記憶装置で管理するポイントを原資に実行する処理、少なくとも前記商品の送料が、前記商品の代金を所定倍することで定まる前記寄付金の額のうち一定割合分を超過するか判定し、前記送料が前記一定割合分を超過する場合、前記送料が前記一定割合分以下となる新たな寄付金額を、当該商品の登録時又は前記寄付者の商品選択前まで算定し、当該寄付金額を前記商品の情報として記憶装置に格納または前記寄付者の端末に通知する処理を実行する、ことを特徴とする
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ふるさと納税における幅広い生産者の参画と返礼品の取扱いが、自治体に過負荷がかかることなく可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態の出品管理支援装置を含むネットワーク構成図である。
図2】本実施形態における出品管理支援装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】本実施形態の商品DBの構成例を示す図である。
図4】本実施形態の生産者DBの構成例を示す図である。
図5】本実施形態の平均送料DBの構成例を示す図である。
図6】本実施形態の寄付者DBの構成例を示す図である。
図7】本実施形態における出品管理支援方法のフロー例を示す図である。
図8】本実施形態における画面例を示す図である。
図9】本実施形態における画面例を示す図である。
図10】本実施形態における出品管理支援方法のフロー例を示す図である。
図11】本実施形態における画面例を示す図である。
図12】本実施形態における画面例を示す図である。
図13】本実施形態における画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<ネットワーク構成>
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の 出品管理支援装置100を含むネットワーク構成図である。図1に示す出品管理支援装置100は、ふるさと納税における幅広い生産者の参画と返礼品の取扱いを、自治体に過負荷がかかることなく可能とするンピュータである。
【0022】
本実施形態の出品管理支援装置100は、図1で示すように、インターネットなどの適宜なネットワーク1を介して、生産者端末200、寄付者端末300、及び自治体システム400と通信可能に接続されている。よって、これらを総称して出品管理支援システム10としてもよい。
【0023】
本実施形態の出品管理支援装置100は、生産者と自治体との間でふるさと納税業務の支援を行うサービスの提供装置と言える。また、ふるさと納税を寄付者から受け付けて処理するふるさと納税のポータルサイトとも言える。
【0024】
よって、出品管理支援装置100は、ふるさと納税業務の支援事業を行う事業者によって運用されるサーバ装置となる。
【0025】
一方、生産者端末200は、上述の事業者が運営するふるさと納税のポータルサイトにて、寄付者が購入する商品の生産者が使用する端末である。この生産者は、生産者端末200を使用して出品管理支援装置100にアクセスし、そこで自身の産品を登録する。より具体的には、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどを想定できる。
【0026】
また、寄付者端末300は、寄付者が上述のポータルサイトにアクセスし、所定の自治体への寄付手続を行う際に使用する端末である。ただし、本実施形態における寄付による返礼品を地域限定ポイントであって、上述の生産者による産品ではない。寄付者はふるさと納税による自治体への寄付により地域限定ポイントを得て、これを原資に上述の産品を購入する。こうした寄付者端末300は、具体的には、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどを想定できる。
【0027】
また、自治体システム400は、上述の事業者から、ふるさと納税業務の支援を受ける自治体が運用するシステムである。この自治体システム400は、例えば、出品管理支援装置100から、寄付者による寄付の内容等の通知を受けて管理するサーバ装置を想定する。
【0028】
<ハードウェア構成>
また、本実施形態の出品管理支援装置100のハードウェア構成は、図2に以下の如くとなる。
【0029】
すなわち出品管理支援装置100は、記憶装置101、メモリ103、演算装置104、および通信装置105、を備える。
【0030】
このうち記憶装置101は、SSD(Solid State Drive)やハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶素子で構成される。
【0031】
また、メモリ103は、RAMなど揮発性記憶素子で構成される。
【0032】
また、演算装置104は、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUである。
【0033】
また、通信装置105は、ネットワーク1と接続し、生産者端末200、寄付者端末300、及び自治体システム400との通信処理を担うネットワークインターフェイスカード等を想定する。
【0034】
なお、出品管理支援装置100は、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置、処理データの表示を行うディスプレイ等の出力装置、を更に備えるとすれば好適である。
【0035】
また、記憶装置101内には、本実施形態の出品管理支援装置として必要な機能を実装する為のプログラム102に加えて、商品DB125、生産者DB126、平均送料DB127、および寄付者DB128が少なくとも記憶されている。ただし、これらデータベースについての詳細は後述する。
【0036】
<データ構造例>
続いて、本実施形態の出品管理支援装置100が用いる各種情報について説明する。図3に、本実施形態における商品DB125の一例を示す。
【0037】
本実施形態の商品DB125は、生産者端末200から出品を受け付けた商品(生産者が生産、採取した産品)に関する情報を格納したデータベースである。
【0038】
この商品DB125は、例えば、商品IDをキーとして、商品名、ジャンル、産地、生産日、商品説明、単価、サイズ、及び生産者情報といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。なお、ここでの単価は、地域限定ポイントでの購入単位の価格を示すものとする。
【0039】
また図4に、本実施形態における生産者DB126の一例を示す。本実施形態の生産者DB126は、上述の商品DB125に情報が登録された商品の生産者に関する情報を格納したデータベースである。
【0040】
この生産者DB126は、例えば、生産者IDをキーとして、生産者名、生産品、所在地、及び連絡先といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0041】
また図5に、本実施形態の平均送料DB127の一例を示す。本実施形態の平均送料DB127は、荷物の発地ごとの平均送料に関する情報を格納したデータベースである。
【0042】
この平均送料DB127は、例えば、発地となる地域をキーとして、当該地域を発地した荷物のサイズ、及び当該荷物を各所に発送した際の実際の平均送料といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。この平均送料DB127の情報は、出品管理支援装置100が、生産者の商品が寄付者に発送されるごとに、その情報に基づいて更新されるものとする。つまり、生産者の所在地が発地、発送した商品のサイズが荷物のサイズ、当該寄付事案に関して発生した送料、の各値により、平均送料が更新される。
【0043】
また図6に本実施形態の寄付者DB128の一例を示す。本実施形態の寄付者DB128は、寄付者に関する情報を格納したデータベースである。
【0044】
この寄付者DB128は、例えば、寄付者IDをキーとして、寄付者の氏名、住所、連絡先、保有している地域限定ポイント、といったデータを紐付けレコードの集合体となっている。
【0045】
<フロー例:商品登録>
以下、本実施形態における出品管理支援方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する出品管理支援方法に対応する各種動作は、出品管理支援装置100がメモリ等に読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0046】
図7は、本実施形態における出品管理支援方法のフロー例を示す図である。ここで、生産者は生産者端末200を操作して出品管理支援装置100にアクセスし、所定の商品登録ページにて、自身の商品を登録しようとしているものとする。
【0047】
この場合、出品管理支援装置100は、上述の商品登録ページ(図8参照)を介して、生産者端末200から、対象となる商品の情報(商品DB125のレコードが含む各値に対応するもの)と生産者の情報(生産者DB126のレコードが含む各値に対応するものを受け付ける(s1)。
【0048】
また、出品管理支援装置100は、s1で受け付けた情報のうち、商品の代金(単価)10/3倍することで、本商品に関して必要となる寄付金額を算定する(s2)。
【0049】
続いて、出品管理支援装置100は、s1で得た商品のサイズと、生産者の所在地の情報とを、平均送料DB127に照合し、当該地域を発地として当該サイズの荷物を発送した場合の送料を特定する(s3)。なお、このように平均送料DB127を使用することに代わり、上述の生産者が指定してきた送料を当該商品の送料としてもよい。
【0050】
また、出品管理支援装置100は、s2で得た寄付金額、及びs3で得た送料の各情報に基づいて、上述の商品の送料が、上述の寄付金額のうち一定割合分(例:15%)を超過するか判定する(s4)。
【0051】
上述の判定の結果、送料が寄付金額の一定割合分を超過していない場合(s4:No)、出品管理支援装置100は、ここまでで上述の商品に関して得ている各情報を、商品DB125及び生産者DB126に適宜に格納し(s5)、処理を終了する。
【0052】
一方、上述の判定の結果、送料が寄付金額の一定割合分を超過している場合(s4:Yes)、出品管理支援装置100は、送料が前記一定割合分以下となる新たな寄付金額を算定し(図9参照)、これを当該商品の情報として商品DB125に格納し(s6)、処理を終了する。
【0053】
<フロー例:寄付受け付け>
図10は、本実施形態における出品管理支援方法のフロー例を示す図である。ここでは、寄付者がふるさと納税のポータルサイトを閲覧し、地域限定ポイントにて購入したい商品を選定し、それに応じて寄付を行う際のフローについて示す。
【0054】
この場合、出品管理支援装置100は、寄付者端末300からの要求に応じて、購入対象となる商品一覧画面(図11参照)を配信し、上述の寄付者による寄付金の受付処理を開始する(s10)。寄付者は、地域限定ポイントにより購入したいと考える商品を、商品一覧画面で選択し、「寄付実行」などの所定ボタンをクリックすることとなる。
【0055】
出品管理支援装置100は、商品一覧画面を介して、購入対象として寄付者が希望した商品の指定を受け付けて、当該商品とその生産者の情報を商品DB125及び生産者DB126から抽出する(s11)。
【0056】
出品管理支援装置100は、s11で得た該当商品の情報から、寄付金額の情報を参照し、この寄付金額に所定の係数(例:0.3)を乗じることで、返礼品としての地域限定ポイントの値を算定し、当該値だけ地域限定ポイントを上述の寄付者に対して発行する(s12)。
【0057】
この地域限定ポイントの発行に際しては、当該地域限定ポイントの値を、上述の寄付者に紐付けて寄付者DB128に格納し、その旨を寄付者端末300に通知(図12参照)するものとする。
【0058】
続いて、出品管理支援装置100は、ここまでで得た商品や寄付に関する各種情報を、寄付者端末300に配信し、当該商品の代金決済指示(図13参照)を受け付ける(s13)。
【0059】
出品管理支援装置100は、寄付者から代金決済指示を受けた場合、当該寄付者に関して寄付者DB128で管理する地域限定ポイントを原資に、代金決済処理を実行し(s14)、その結果を寄付者端末300に通知する。
【0060】
また、出品管理支援装置100は、上述のs14での代金決済処理の完了に伴い、該当商品の生産者の生産者端末200に対し、該当商品の発送指示を通知し(s15)、処理を終了する。なお、出品管理支援装置100は、上述の寄付事案に関するここまでの処理の履歴等の情報を、自治体システム400に通知するものとする。
【0061】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0062】
こうした本実施形態によれば、ふるさと納税における幅広い生産者の参画と返礼品の取扱いが、自治体に過負荷がかかることなく可能となる。
【0063】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態の出品管理支援装置において、前記演算装置は、前記寄付金の額に応じた返礼品として、前記生産者の所在地域に関連する取引にのみ使用可能なポイントを発行するものである、としてもよい。
【0064】
これによれば、各自治体における生産者、事業者の補助、育成といった、ふるさと納税趣旨にかなった形で寄付を促進することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態の出品管理支援装置において、前記演算装置は、少なくとも前記商品の送料が、前記商品の代金を所定倍することで定まる前記寄付金の額のうち一定割合分を超過するか判定し、前記送料が前記一定割合分を超過する場合、前記送料が前記一定割合分以下となる新たな寄付金額を、当該商品の登録時又は前記寄付者の商品選択前まで算定し、当該寄付金額を前記商品の情報として記憶装置に格納または前記寄付者の端末に通知するものである、としてもよい。
【0066】
これによれば、従来ならば返礼品として出品し難い低単価商品であっても、寄付総額自体を適宜に調整することで出品可能となる。
【0067】
また、本実施形態の出品管理支援装置において、前記記憶装置は、各地域を発地とした場合の荷物サイズ別の平均送料を規定した送料情報をさらに保持し、前記演算装置は、前記判定に際し、前記商品のサイズを前記商品情報に基づき特定し、当該商品の送料として、前記生産者の所在地域を発地として前記特定したサイズの荷物を発送した場合の平均送料を前記送料情報から特定し、前記特定した平均送料が前記一定割合分を超過するか判定するものである、としてもよい。
【0068】
これによれば、寄付者ごとの個別の送料を徴収しにくいふるさと納税の仕組みであっても、例えば、商品特性などに応じて凡そ収斂してくる送料を適宜に参照し、寄付金額の設定精度を良好なものとしやすい。
【0069】
また、本実施形態の出品管理支援装置において、前記演算装置は、前記代金決済の完了に伴い、前記商品の生産者の端末に対し、前記商品の発送指示を通知する処理をさらに実行するものである、としてもよい。
【0070】
これによれば、農林水産等の第一次産業の従事者において、決済完了すなわちオーダーが確定してから生産物の採取等を行って発送に至る、といった運用が可能となり、生産や在庫管理のコストが低減できる。
【0071】
また、本実施形態の出品管理支援方法において、前記情報処理装置が、前記寄付金の額に応じた返礼品として、前記生産者の所在地域に関連する取引にのみ使用可能なポイントを発行するものである、としてもよい。
【0072】
また、本実施形態の出品管理支援方法において、前記情報処理装置が、少なくとも前記商品の送料が、前記商品の代金を所定倍することで定まる前記寄付金の額のうち一定割合分を超過するか判定し、前記送料が前記一定割合分を超過する場合、前記送料が前記一定割合分以下となる新たな寄付金額を、当該商品の登録時又は前記寄付者の商品選択前まで算定し、当該寄付金額を前記商品の情報として記憶装置に格納または前記寄付者の端末に通知する、としてもよい。
【0073】
また、本実施形態の出品管理支援方法において、前記情報処理装置が、前記記憶装置において、各地域を発地とした場合の荷物サイズ別の平均送料を規定した送料情報をさらに保持し、前記判定に際し、前記商品のサイズを前記商品情報に基づき特定し、当該商品の送料として、前記生産者の所在地域を発地として前記特定したサイズの荷物を発送した場合の平均送料を前記送料情報から特定し、前記特定した平均送料が前記一定割合分を超過するか判定するものである、としてもよい。
【0074】
また、本実施形態の出品管理支援方法において、前記情報処理装置が、前記代金決済の完了に伴い、前記商品の生産者の端末に対し、前記商品の発送指示を通知する処理をさらに実行する、としてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 ネットワーク
10 出品管理支援システム
100 出品管理支援装置
101 記憶装置
102 プログラム
103 メモリ
104 演算装置
105 通信装置
125 商品DB
126 生産者DB
127 平均送料DB
128 寄付者DB
200 生産者端末
300 寄付者端末
400 自治体システム
図1
図2
図3
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図5
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図7
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図9
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図13