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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】動物用の聴覚保護装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
A01K13/00 Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021512548
(86)(22)【出願日】2019-09-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019051206
(87)【国際公開番号】W WO2020091899
(87)【国際公開日】2020-05-07
【審査請求日】2022-09-06
(31)【優先権主張番号】62/731,866
(32)【優先日】2018-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/900,460
(32)【優先日】2019-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520148932
【氏名又は名称】ゼテオ テック、 インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(72)【発明者】
【氏名】マクレアリ、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】マクローリン、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】マクレアリ、エベリン
(72)【発明者】
【氏名】ブライデン、ノエラ エイ.
(72)【発明者】
【氏名】コリモア、スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】サガー、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】バクスター、レベッカ
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202007003939(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0297107(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0178628(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0342716(US,A1)
【文献】特表2009-505786(JP,A)
【文献】国際公開第2018/137037(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0119076(US,A1)
【文献】登録実用新案第3204355(JP,U)
【文献】登録実用新案第3021076(JP,U)
【文献】国際公開第97/048296(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0225705(US,A1)
【文献】登録実用新案第3164772(JP,U)
【文献】米国特許第8534290(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 13/00
A01K 29/00
A61F 11/06 - 11/14
G10K 11/00 - 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
犬用の可撓性聴覚保護装置において、
犬の頭部に滑動して着脱可能に構成され、内側表面を具備する、伸縮可能な織物から製造されるスリーブと、
上記スリーブの上記内側表面に配置された一対の可撓性受動雑音低減コンポーネントであって、上記スリーブが上記犬の頭部に実装されたときに当該可撓性受動雑音低減コンポーネントの各々が上記犬の外耳の表面に対してシールを形成するように構成された上記一対の可撓性受動雑音低減コンポーネントと、
上記犬の首部に対して上記スリーブを取り外し可能に締め付けて、上記可撓性受動雑音低減コンポーネントの各々を耳の各々に適合させ、上記雑音低減コンポーネントの各々と上記犬の外耳の各々の表面との間にシールを形成する引きひもとを有し、
上記スリーブが上記犬の頭部に実装されたときに上記スリーブの上記内側表面が上記犬の頭部に接触し、上記可撓性聴覚保護装置は上記犬の頭部および外耳の形状に適合可能であり、上記犬の頭部においてピーク圧力点を最小化することを特徴とする聴覚保護装置。
【請求項2】
上記スリーブの材料は、約60%から約70%のナイロンおよび約30%から約40%のスパンデックスを有する請求項1記載の聴覚保護装置。
【請求項3】
上記引きひもは、上記スリーブに配置された複数のグロメットを通して挿入され、ストップコードロックを使用して犬の首に調整可能に締められる請求項1記載の聴覚保護装置。
【請求項4】
上記スリーブの長さの中心線位置に実質的に沿って配置され、上記スリーブの上記内側表面とは反対側に配置された上記スリーブの外側表面に接合された補強摩耗ストリップをさらに有する請求項1記載の聴覚保護装置。
【請求項5】
各受動雑音低減コンポーネントは、ポリマー独立気泡フォーム材料で製造された柔軟な複合構造を有する請求項1記載の聴覚保護装置。
【請求項6】
各受動雑音低減コンポーネントは、MLV材料裏打ちを一方の側部に具備する第1のポリマー独立気泡フォーム材料と、当該MLV材料裏打ちを具備する側部と反対側の側部に上記第1のポリマー独立気泡フォーム材料のエッジに沿って配された第2のポリマー独立気泡フォーム材料リングとを有し、上記第2のポリマー独立気泡フォーム材料リングは、上記スリーブが実装されたときに、上記犬の外耳に対してシールを形成するように構成される請求項5記載の聴覚保護装置。
【請求項7】
上記第1および第2の独立気泡フォーム材料は、約80.09kg/m(5ポンド/立法フィート)から約112.13kg/m(7ポンド/立法フィート)の範囲の密度を有するポリマーを有する、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、ネオプレン、およびクロロプレンゴムのうちの少なくとも1つを有する請求項6記載の聴覚保護装置。
【請求項8】
上記MLV材料は、バリウムが注入された質量充填ポリ塩化ビニルを有する請求項6記載の聴覚保護装置。
【請求項9】
各耳用の受動的騒音低減電子バイパスコンポーネントをさらに有し、上記各耳への音再生の振幅が、外部音レベルに応じて、100Hzから約15kHzの間の外部音周波数で調整される請求項1に記載の聴覚保護装置。
【請求項10】
上記受動的騒音低減電子バイパスコンポーネントは各耳に対して1つの内部マイクロホン、各耳に対して1つの外部マイクロホン、各耳に対して1つのスピーカ、および、コントロールモジュールを有する請求項9に記載の聴覚保護装置。
【請求項11】
各耳に対する上記内部マイクロホンおよび各耳に対する上記スピーカは、各耳に対応する上記受動雑音低減コンポーネントの内部に実質的に収納される請求項10に記載の聴覚保護装置。
【請求項12】
各受動雑音低減コンポーネントが、ポリウレタンフォーム材料および液体シリコーンゴム材料のうちの少なくとも1つからなる成型カップを有し、上記成型カップが犬の頭および外耳の形状に適合するように形づけられる請求項1に記載の聴覚保護装置。
【請求項13】
上記成型カップのLSR材料の密度は、約1.05g/ccから約1.20g/ccの間である、請求項12に記載の聴覚保護装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置を使用して犬の聴覚を保護するための方法において、
請求項1の装置を犬の頭部へ滑動させるステップと、
可撓性受動雑音低減コンポーネントの各々を上記犬の外耳の各々に整合させるステップと、
上記引きひもを調整して上記装置を取り外し可能に締めて上記可撓性受動雑音低減コンポーネントの各々を耳の各々に適合させ上記可撓性受動雑音低減コンポーネントの各々と上記犬の外耳の各々との間にシールを形成するステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
犬用の可撓性聴覚保護装置において、
犬の頭部に滑動して着脱可能に構成され、内側表面を具備する、伸縮可能な織物から製造されるスリーブと、
液体シリコーンゴムから製造され、上記スリーブの上記内側表面に配置された一対の成型可撓性受動雑音低減コンポーネントであって、上記スリーブが上記犬の頭部に実装されたときに当該成型可撓性受動雑音低減コンポーネントの各々が上記犬の外耳の表面に対してシールを形成するように構成された上記一対の成型可撓性受動雑音低減コンポーネントと、
上記犬の首部に対して上記スリーブを取り外し可能に締め付けて、上記成型可撓性受動雑音低減コンポーネントの各々を耳の各々に適合させ、上記成型可撓性受動雑音低減コンポーネントの各々と上記犬の外耳の各々との表面との間にシールを形成する引きひもとを有し、
上記スリーブが上記犬の頭部に実装されたときに上記スリーブの上記内側表面が上記犬の頭部に接触し、上記可撓性聴覚保護装置は上記犬の頭部および外耳の形状に適合可能であり、上記犬の頭部においてピーク圧力点を最小化することを特徴とする聴覚保護装置。
【請求項16】
上記液体シリコーンゴムは、硬化前に、約3000cpsの混合粘度を具備する請求項15に記載の聴覚保護装置。
【請求項17】
上記成型可撓性受動雑音低減コンポーネントの各々は、
リングで囲まれたカップ状の構造を有する内側表面であって、上記リングが上記犬の各外耳表面をシールするように構成されている上記内側表面と、
上記内側表面と反対側の平坦な外側表面であって、上記内側および外側表面の各々が、直線状の端部の反対側に配置されたアーチ形の端部を有する、上記平坦な外側表面とを有する請求項15に記載の聴覚保護装置。
【請求項18】
上記成型可撓性受動雑音低減コンポーネントの上記直線の端部における厚さが、上記アーチ形の端部の厚さより大きい請求項17に記載の聴覚保護装置。
【請求項19】
上記装置は、約1000Hzから約2000Hzの間の雑音周波数で約20dBから約30dBの間の雑音低減を特徴とする、請求項15に記載の聴覚保護装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
この出願は、2018年9月15日に出願され、「動物のための聴覚保護装置および方法」と題された米国仮出願62/731,866、および、2019年9月14日に出願され、「動物のための聴覚保護装置および方法」と題された米国仮出願62/900,460に関連し、その利益を主張し、これらは双方とも、参照してその全体がここに組み込まれる。
【政府の権利】
【0002】
この発明は、契約番号W911NF-18-C-0016の下で、米国陸軍研究局との契約の下で行われ、米国政府は、この発明において特定の権利を有する可能性がある。
【技術分野】
【0003】
この発明は、犬および他の動物の聴覚保護を強化するためのシステムおよび方法に関する。特に、当該システムおよび方法は、受動的および能動的な雑音低減を使用して、軍の使役犬や狩猟犬などの動物の難聴を軽減する。
【背景技術】
【0004】
軍の使役犬(MWD)は、戦闘および非戦闘訓練中に引き起こされる聴覚攻撃のために、重度の聴覚障害(SHI)に苦しむことに対して脆弱である。MWDトレーニングは、犬1匹あたり80,000ドルから100,000ドルかかると報告されている。騒音性難聴(NIHL)も、猟犬やMWDの問題として報告されている。人間と同様に、NIHLの主なメカニズムは有毛細胞の損傷であるけれども、極端な騒音は鼓膜を破裂させたり、耳小骨に損傷を与えたりする可能性もありる。さらに、犬舎の騒音レベルは累積的な損傷を引き起こす可能性がある。軍事環境での騒音が使役犬の聴覚に損傷を与え、そのパフォーマンスを低下させる可能性があるという十分に文書化された証拠にもかかわらず、聴覚保護のために利用できるオプションは限られている。オーバーイヤーソリューション(Mutt Muffsなど)は、大雑音環境(航空機、オートレース、コンサートなど)に対してある程度の保護を提供するけれども、軍事またはアクティブな環境での有効性と有用性は限られている。軍の使役犬や狩猟犬は、高騒音環境でかなりの時間を費やし、それらを著しく高い、瞬間および平均騒音レベルにさらす可能性があり、その結果、急性および慢性の聴覚低下を引き起こす可能性がある。
【0005】
軍事環境におけるMWDに悪影響を与える雑音は、武器または爆発装置からの衝撃またはインパルス雑音、タービンおよびジェットエンジンなどの機械からの広帯域雑音、ヘリコプターブレードおよび内部などの回転機械や燃焼機関からの音色雑音、人間による発声(スピーチを含むがこれに限定されない)、および犬小屋の騒音を含む様々な発生源によって引き起こされる。これらの発生源は、全体的な騒音レベルに寄与し、難聴を引き起こし、ハンドラに課題をもたらす。図1は、ブロードバンドソースのサウンドレベル(dBA)と、軍事作戦に存在するいくつかの雑音のインパルスソース(dBP)を表示する。軍用ヘリコプターのコックピットで測定された騒音レベルは少なくとも106dBAであると報告されており、運用中の軍用ヘリコプターで少なくとも122dB SPL(音圧レベル)の騒音レベルが報告されている。ヘリコプターは低周波数のサウンドスペクトル(約1000Hz未満)を生成し、通常は音調成分が支配的である。この騒音レベルが30分の短いヘリコプター飛行での聴覚に及ぼす影響を図2に示す。図2に示されているように、約50dB SPLの一時しきい値シフト(TTS)は、雑音への暴露によって誘導される。航空機または高騒音環境から退去すると、通常の音声コマンドが聞こえないか、重要な時点で犬によって誤解される可能性がある。
【0006】
家庭および軍の環境における騒音が犬の聴覚を損傷し、犬の能力を低下させる可能性があるという十分に文書化された証拠にもかかわらず、聴覚保護のための選択肢は限られている。ペットとして飼われている犬は、さまざまな環境(犬小屋、身だしなみ、航空機、オートレース、コンサート、狩猟、花火など)で高い騒音レベルにさらされる。米国でペットとして生活している約9千万匹の犬のうち、最大3分の1が、特に7月4日のような休暇中に、環境騒音による不安を経験すると推定されている。
【0007】
「動物用ヘッドホン装置」と題された米国特許第9,628,895号は、飼い主が犬または他のペットに音楽を聴かせることを可能にするために犬の使用に特に適した改良型ヘッドホン装置を記載している。飼い主は、ヘッドホンを使用してペットを指揮、訓練、または監視することもできる。第1のイヤピースおよび第2のイヤピースは、犬の外耳道の実質的に垂直な構造に対処するために、内側および下向きに向けられている。チップセットと電源は、統合された音楽プレーヤー、少なくとも1つのカメラ、マイク、振動生成装置、全地球測位システム装置、犬や他のペットがビデオを視聴するための少なくとも1つのデジタルディスプレイなど、いくつかの機能の機能を実現する。無線通信装置により、ユーザはスマートフォンやリモコンでさまざまな機能を制御できる。この装置は、飼い主が音楽を再生したり犬と話したりできるヘッドセットであり、飼い主が同じ音楽を聴かなくても犬を落ち着かせ、落ち着かせるのに役立つ。このシステムは、犬の聴覚を大きな音から保護することを目的としたものではない。
【0008】
「動物で使用するための保護ヘッドギアのための方法および装置」と題された国際特許出願公開第WO2009134863号は、動物ヘッドバンド、および、動物ヘッドバンドを動物用保護ヘッドギアとして使用する方法を記載している。ヘッドギアは、動物の頭の全周に対して実質的に均一な圧縮力を提供し、動物の耳フラップを外耳道上にしっかりと配置する。保護ヘッドギアは、さらに、動物の耳フラップを外耳道から離して固定し、外耳道を含む医療処置およびその後の医療処置からの治癒を容易にする。ヘッドバンドは、綿、スパンデックス、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、ラインなどの素材でできている。この特許出願は、外耳道の開口部の上に折りたたまれた耳介で聴覚保護を提供するために耳フラップを配置することに焦点を当てており、ヘッドバンド材料自体および手入れまたは医療事務設定で折りたたまれた耳フラップによって提供されるものを超える雑音低減を開示していない。
【0009】
市販のマットマフ(セーフアンドサウンドペットLLC、ウェストミンスター、メリーランド州によって販売されている)は、マフを所定の位置に保持するためのストラップを備えた人間用に設計されたものと同様のイヤーマフの設計変更である。これらのオーバーザイヤーマフは、アコースティックフォームで裏打ちされたハードバックシェルを利用している。柔らかいフォームリングが音響フォームの円周に沿ってエッジに結合され、耳の周りにシールを形成する。シールが破れると、雑音低減が大幅に低下する。マットマフは、ストラップのセットを使用して、各耳の所定の位置にマフを保持する。マットマフの主な欠点は、ハードバックされたシェルと犬の頭との間の良好なシールを維持できないことである。市販のハッピーフーディー(Happy Hoodie)は、包囲感をシミュレートするために圧力をかけることで、不安を軽減し、犬に快適さを提供するように設計されている。頭を包むために特別に設計されたハッピーフーディーは、ある程度の雑音低減をもたらす。ただし、ハッピーフーディーは、包囲生地が提供する以上の雑音を低減する手段を採用していない。
【0010】
聴覚保護装置(HPD)は、伝統的に2つのカテゴリー、すなわち、音の減衰が一定であり、外部の音のレベルに依存しない線形装置と、減衰が環境音レベルの振幅および周波数の関数である非線形装置とに分けられる。非線形装置は、一般に2種類ある。すなわち、(1)機械式フィルター機構を組み込んだイヤープラグやイヤーマフなどの受動サウンド減衰装置で、低レベルの音を通過させながら大きなインパルス雑音から保護するもの。(2)受動減衰と能動雑音消去(ANC)システムなどの電子雑音低減を組み合わせたもので、基準マイクで音を測定し、フィルタリングして消去雑音信号を生成するもの。非線形装置は、全体的な雑音レベルの関数としてゲインを変更することにより、大きな衝撃雑音から耳を保護することもできる。純粋に受動的なアプローチでは、通常、音響インピーダンスが可変の調整済みフィルターなどの機械装置を利用する。例えば、それは、耳栓に挿入される、いずれかの端部に穿孔された円筒形の空洞を含んで良い。低雑音環境では、音は空洞を介して簡単に伝達されるけれども、高雑音環境では、空洞のインピーダンスが増加し、大きな音が減衰する。電子的アプローチは、受動雑音低減(ANCあり、または、なし)と雑音低減バイパス機能を組み合わせたものである。電子バイパスアプローチは、受動雑音低減を外部マイクまたは他の手段と組み合わせて環境音を感知し、リスナーの耳に近いHPD内に配置された小型音源(スピーカ)を介して適切に低減されたレベルで再生するために圧縮またはフィルタリングされる。低雑音環境では、音は受動雑音低減を電子的にバイパスし、増幅は、オーラルコミュニケーションなどのかすかなまたは中程度のレベルの音のほとんど変わらない知覚を提供できる。雑音の多い環境では、潜在的に危険な雑音が電子的に送信されるのを防ぐために、ゲインが下げられる。つまり、静かな環境では音が増幅され、大きな環境では再生が低下し、高雑音レベルでバイパスが最終的にオフになる場合がある。受動雑音低減バイパスは、約100Hz~約15kHzの周波数範囲で機能する。システムを飽和させる可能性のあるインパルス雑音を検出する手段を組み込んで、入力をミュートし、システムが不安定になったり、予測できない、または望ましくない方法で動作したりするのを防ぐ手段を提供することもできる。外部および内部マイク、スピーカなどの同じコンポーネントを、受動雑音低減およびANCシステムのバイパスを組み込んだ非線形聴覚保護装置に使用できる。ANCシステムでは、消去信号は、通常、小型のスピーカまたは音響受信機を使用して生成される。ANCシステムは、低周波数(<1000Hz)で最適に動作し、受動減衰と組み合わせると最も効果的である。内部マイクを使用して、その場で減衰のレベルを測定し、犬の頭への装置の効果的な使用または実装に関連するフィードバックを提供して、犬のハンドラに聴覚保護装置の位置を変更するよう警告することもできる。
【0011】
広帯域雑音は、衝動的な発生源(例えば、銃声または爆発物)、または、機械を含む様々な発生源によって生成される。どちらも、周波数が10Hzから10kHzの範囲の重大な雑音成分を持っており、人間の可聴範囲を超える高い周波数の成分(ライフルからの雑音など)を生成する可能性がある。一方、回転ブレード(ヘリコプター、ターボプロップ)を備えた航空機は、低周波数スペクトルを生成することが多く、通常は音色成分が支配的である。受動耳栓は、500Hzを超える雑音を低減するのに非常に効果的だけれども、低周波数では効果が少ないため(図3)、受動システムの効果が制限される。能動雑音コントロール(ANC)を追加すると、低周波数でのパフォーマンス(図4)を大幅に向上させることができるけれども、500Hzを超えると追加の減衰は最小限に抑えられてしまう。
【0012】
犬のための聴覚保護装置および方法は、いくつかの独特の課題に対処することができるであろう。まず、犬の外耳(耳介)の形や大きさは、犬の大きさや品種によって異なる。この変動性は人間の変動性よりもはるかに大きく、人間の聴覚保護用に設計されたシステムを犬に直接変換することは効果的ではない。このバリエーションには、頭のサイズと形状だけでなく、頭に対する耳介のサイズも含まれる。聴覚保護装置は、好ましくは耳介を外耳道に折りたたむことなく、外耳道を完全かつ効果的に囲むために、これらの変動をカバーするように構成可能でなければならない。第二に、犬の頭の形は、人間の頭と比較して、品種ごとにはるかに大きなばらつきがある。最後に、活動的な犬(例えば、軍の使役犬、狩猟犬)にうまくフィットすることを維持することは、犬が茂みの中を走っているときでさえ、装置を所定の位置に保持することに関連する追加の課題を提供する。幅広い犬種とサイズに対して難聴から保護するための堅牢な装置および方法が必要である。
【発明の概要】
【0013】
事例的な犬用の聴覚保護装置が開示され、この犬用の聴覚保護装置は、犬の頭部に滑動して着脱可能に構成され、内側表面を具備する、伸縮可能な織物から製造されるスリーブと、上記スリーブの上記内側表面に配置された一対の受動雑音低減コンポーネントであって、上記スリーブが上記犬の頭部に実装されたときに当該受動雑音低減コンポーネントの各々が上記犬の外耳の表面に対してシールを形成するように構成された上記一対の受動雑音低減コンポーネントと、上記犬の首部に対して上記スリーブを取り外し可能に締め付けて、上記スリーブが上記犬の頭部に実装されたときに上記雑音低減コンポーネントの各々と上記犬の外耳の各々の表面との間にシールを形成する引きひもとを有する。上記スリーブは、エラスタンを有する材料から製造されて良い。上記エラスタン材料は、ナイロンおよびスパンデックスを有して良い。上記エラスタン材料は、約60%から約70%のナイロンおよび約30%から約40%のスパンデックスを有して良い。上記エラスタン材料は、約65%から約70%のナイロンおよび残りのスパンデックスとを有して良い。上記引きひもは、上記スリーブに配置された複数のグロメットを通して挿入され、ストップコードロックを使用して犬の首に調整可能に締められて良い。上記聴覚保護装置は、上記スリーブの長さの中心線位置に実質的に沿って配置され、上記スリーブの上記内側表面とは反対側に配置された上記スリーブの外側表面に接合された補強摩耗ストリップをさらに有して良い。大型犬用には、上記スリーブの長さは約15インチから約17インチであり、上記スリーブの幅は約8インチから約10インチであって良い。犬の頭部にぴったり合うように、犬のサイズに応じてスリーブの寸法を変えて良い。各受動雑音低減コンポーネントは、ポリマー独立気泡フォーム材料で製造された柔軟な複合構造を有して良い。各受動雑音低減コンポーネントは、MLV材料裏打ちを一方の側部に具備する第1のポリマー独立気泡フォーム材料と、当該MLV裏打ちを具備する側部と反対側の側部に上記第1のフォーム材料のエッジに沿って配された第2の独立気泡フォーム材料リングとを有して良い。上記第2の独立気泡フォーム材料リングは、上記スリーブが実装されたときに、上記犬の外耳に対してシールを形成するように構成されて良い。上記第1および第2の独立気泡フォーム材料は、約5ポンド/立法フィートから約7ポンド/立法フィートの範囲の密度を有するポリマーを有する、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、ネオプレン、およびクロロプレンゴムのうちの少なくとも1つを有して良い。上記MLV材料は、バリウムが注入された質量充填ポリ塩化ビニルを有して良い。上記MLV裏打ちを具備する上記第1の独立気泡フォーム(発泡または発泡体ともいう)材料の厚さは、約0.45インチから約0.65インチの間であって良い。上記第1および第2の独立気泡発泡材料の重量対面積比は、約0.2ポンド/平方フィートから約0.25の間であって良い。各受動雑音低減コンポーネントの厚さは、約0.8インチから約1.5インチの間であって良い。
【0014】
事例的な聴覚保護装置は、各耳用の受動的騒音低減電子バイパスコンポーネントをさらに有し、上記各耳への音再生の振幅が、外部音レベルに応じて、100Hzから約15kHzの間の外部音周波数で調整されて良い。上記電子バイパスコンポーネントは各耳に対して1つの内部マイクロホン、各耳に対して1つの外部マイクロホン、各耳に対して1つのスピーカ、および、コントロールモジュールを有して良い。各耳に対する上記内部マイクロホンおよび各耳に対する上記スピーカは、各耳に対応する上記受動雑音低減コンポーネントの内部に実質的に収納されて良い。事例的な聴覚保護装置は、さらに動的雑音消去(ANC)コンポーネントを有し、このコンポーネントは、各耳に1つの内部マイクロホン、各耳に対して1つの外部マイクロホン、各耳に対して1つのスピーカ、および、上記犬の耳の各々において約1000Hzより下の周波数において外部雑音を減衰させることができるコントロールモジュールを有して良い。各耳に対する上記内部マイクロホンおよび上記スピーカは、各耳に対応する上記受動雑音低減コンポーネントの内部に実質的に収納されて良い。上記コントロールモジュールは上記犬の首輪に実装されて良い。
【0015】
事例的な聴覚保護装置において、各受動雑音低減コンポーネントが、ポリウレタンフォーム材料および液体シリコーンゴム材料のうちの少なくとも1つからなる成型カップを有し、上記カップが犬の頭および外耳の形状に適合するように形づけられて良い。
【0016】
事例的な犬用の聴覚保護装置が開示され、この犬用の聴覚保護装置は、犬の頭部に滑動して着脱可能に構成され、内側表面を具備する、伸縮可能な織物から製造されるスリーブと、上記スリーブの上記内側表面に配置された一対の受動雑音低減コンポーネントであって、上記スリーブが上記犬の頭部に実装されたときに当該受動雑音低減コンポーネントの各々が上記犬の外耳の表面に対してシールを形成するように構成された上記一対の受動雑音低減コンポーネントと、上記犬の首部に対して上記スリーブを取り外し可能に締め付けて上記雑音低減コンポーネントの各々と上記犬の外耳の各々との表面との間にシールを形成する引きひもと、上記犬の各耳において雑音低減のレベルを調整するための受動雑音低減電子バイパスコンポーネントおよびANCコンポーネントの少なくとも1つと、上記犬のハンドラが上記とコミュニケーションを行えるように構成された通信コンポーネントとを有し、上記スリーブが上記犬の頭部に取り付けられたときに、上記スリーブの内側表面が上記犬の頭部と接触して良い。各受動雑音低減コンポーネントは、ポリマー独立気泡フォーム材料から形成される複合構造を有して良い。上記コミュニケーションコンポーネントは、無線機、無線受信機、ブルートゥース通信装置、ワイヤレス通信装置、アンテナ、およびユーザーインターフェースユニットのうちの少なくとも1つを有して良い。上記受動雑音低減電子バイパスコンポーネントが、各耳に対する内部マイクロホンおよび外部マイクロホン、各耳用のスピーカ、および制御モジュールを有して良い。各耳に対する上記内部マイクロホンおよび各耳に対する上記スピーカは、各耳に対応する上記受動雑音低減コンポーネントの内部に実質的に収納されて良い。上記ANCコンポーネントは、各耳に1つの内部マイクロホン、各耳に対して1つの外部マイクロホン、各耳に対して1つのスピーカ、および、上記犬の耳の各々において約1000Hzより下の周波数において外部雑音を減衰させることができるコントロールモジュールを有して良い。各耳に対する上記内部マイクロホンおよび上記スピーカは、各耳に対応する上記受動雑音低減コンポーネントの内部に実質的に収納されて良い。
【0017】
開示された事例的な装置の任意の1つを使用して犬の聴覚を保護するための方法が開示され、この方法は、開示された事例的な装置の任意の1つを犬の頭部へ滑動させるステップと、上記受動雑音低減コンポーネントの各々を上記犬の外耳の各々に整合ステップと、上記引きひもを調整して上記装置を取り外し可能に締めて上記受動雑音低減コンポーネントの各々を上記犬の外耳の各々との間にシールを形成するステップとを有して良い。事例的な方法は、さらに、受動雑音低減電子バイパスおよびANCの少なくとも1つを使用して、上記犬の耳の各々において雑音低減を増強させるステップと、上記犬のハンドラから犬にコミュニケーションを送信するステップとを有して良い。送信ステップは、無線、ブルートゥース、および無線装置のうちの少なくとも1つを使用して実現されて良い。上記送信ステップは、ANCおよび電子受動雑音低減バイパスの少なくとも1つをバイパスするステップと、暗号化されたコマンドを約20kHzを超える周波数で上記犬に送信するステップとを有して良い。上記送信ステップは、ANCおよび電子受動雑音低減バイパスの少なくとも1つをバイパスするステップと、暗号化されたコマンドを約20kHz~約40kHzの周波数で上記犬に送信するステップとを有して良い。事例的な方法は、さらに、上記日野の耳においてハンドラのコミュニケーションを約2kHz~約4kHzの可聴周波数範囲へ暗号化解除するステップを有して良い。
【0018】
事例的な犬用の聴覚保護装置を製造するための方法が開示され、この方法は、顧客のモバイル通信装置にインストールされたソフトウェアアプリケーションを使用して送信された顧客提供の入力情報であって、上記犬の品種;上記犬の年齢;上記犬がさらされる環境情報であって、環境騒音のデシベルレベルおよび頻度が含まれるけれども、これに限定されない上記環境情報;および、上記の正面および側面を示す写真およびビデオ録画の少なくとも1つのうちの少なくとも1つを収集するステップと、上記収集された情報を処理し、上記装置のサイズ;上記雑音低減コンポーネントの構造およびサイズ;および、ANCおよび受動音響低減バイパスの少なくとも1つが必要かどうかのうちの少なくとも1つを決定するステップと、上記収集および処理された情報を使用して上記犬の頭および上記装置の3Dコンピュータモデルを作成し、上記装置の適合性を試験するステップと、上記作成された装置の3Dコンピュータモデルに実質的に適合するように上記装置を製造するステップとを有する。
【0019】
事例的な動物用の聴覚保護装置が開示され、この装置は、動物の頭部に滑動して着脱可能に構成され、内側表面を具備する、伸縮可能な織物から製造されるスリーブと、上記スリーブの上記内側表面に配置された一対の受動雑音低減コンポーネントであって、上記スリーブが上記動物の頭部に実装されたときに当該受動雑音低減コンポーネントの各々が上記動物の外耳の表面に対してシールを形成するように構成された上記一対の受動雑音低減コンポーネントと、上記動物の首部に対して上記スリーブを取り外し可能に締め付けて、上記スリーブが上記動物の頭部に実装されたときに上記受動雑音低減コンポーネントの各々と上記動物の外耳の各々との表面との間にシールを形成する引きひもとを有する。この装置は、軍用の使役犬、猟犬、猫、および馬のうちの少なくとも1匹を含む動物用に設計されて良い。
【0020】
事例的な犬用の聴覚保護装置が開示され、この装置は、犬の頭部に滑動して着脱可能に構成され、内側表面を具備する、伸縮可能な織物から製造されるスリーブと、液体シリコーンゴムから製造され、上記スリーブの上記内側表面に配置された一対の受動成型雑音低減コンポーネントであって、上記スリーブが上記犬の頭部に実装されたときに当該受動成型雑音低減コンポーネントの各々が上記犬の外耳の表面に対してシールを形成するように構成された上記一対の受動成型雑音低減コンポーネントと、上記犬の首部に対して上記スリーブを取り外し可能に締め付けて、上記スリーブが上記犬の頭部に実装されたときに上記雑音低減コンポーネントの各々と上記犬の外耳の各々との表面との間にシールを形成する引きひもとを有する。各成型雑音低減コンポーネントは、リングで囲まれたカップ状の構造を有する内側表面であって、上記リングが上記犬の各外耳表面をシールするように構成されている上記内側表面と、上記内側表面と反対側の平坦な外側表面であって、上記内側および外側表面の各々が、直線状の端部の反対側に配置されたアーチ形の端部を有する、上記平坦な外側表面とを有して良い。上記成型雑音低減コンポーネントの上記直線上の端部における厚さが、上記アーチ形の端部の厚さより大きくて良い。上記装置は、約1000Hzから約2000Hzの間の雑音周波数で約20dBから約30dBの間の雑音低減を特徴として良い。
【0021】
成型雑音低減コンポーネントを製造するための事例的な方法が開示され、この方法は、硬化前に約3000cpsの混合粘度を特徴とする液体シリコーンゴム材料(LSR)を選択するステップと、混合LSR材料を真空にさらすことにより、混合LSR材料を脱気するステップと、脱気した上記LSR材料を所定の形状の型に供給するステップと、脱気した上記LSR材料を硬化させるステップとを有する。脱気するステップの間の真空レベルは約10mmHgから50mmHgとの間であって良い。上記硬化ステップは、脱気した上記LSR材料を周囲の室温で約4時間保持するステップと、上記材料を約80℃で約2時間保持するステップと、上記材料を約100°Cで約1時間保持するステップとを有して良い。上記金型がアルミニウム6061合金で製造されて良い。
【0022】
本開示の他の特徴および利点は、当該開示の好ましい態様が説明され、示される以下の説明および添付の図面において、部分的に記載され、当業者が、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を検討することにより、部分的に、当業者に明瞭になり、また、本開示の実施によって学ぶことができる。本開示の利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘されている手段および組み合わせによって実現および達成することができる。
【0023】
本開示の前述の態様および付随する利点の多くは、添付の図面と併せて解釈される場合、以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】軍用騒音源の騒音レベルすなわち連続騒音源(空のバー)およびインパルス騒音源(ハッシュバー)である。
図2】左耳および右耳の犬の聴力閾値を示す。
図3】受動雑音低減装置の一般的なパフォーマンスであり、セスナ172RGカトラス飛行機の離陸音(上)および受動装置による雑音低減結果(下)を示す。
図4】C-130航空機の着陸騒音にANCを使用した低周波騒音低減の改善を示し、上はANCオフであり、下はANCオンである。
図5A】例示的な部分的に組み立てられた聴覚保護装置の内側表面の上面図である。
図5B】例示的な部分的に組み立てられた聴覚保護装置の外側表面の上面図である。
図6A】軟質フォーム圧縮性リングを示す例示的な聴覚保護装置で使用するための例示的な騒音低減コンポーネントの斜視図である。
図6B】MLVバリアを示す例示的な聴覚保護装置で使用するための例示的な騒音低減コンポーネントの斜視図である。
図7A】スリーブの継ぎ目を示す例示的な組み立てられた聴覚保護装置の斜視図である。
図7B】補強摩耗ストリップを示す例示的な組み立てられた聴覚保護装置の斜視図である。
図8】例示的な聴覚保護装置を装着している犬の斜視図である。
図9】能動雑音消去サブシステムの模式図である。
図10A】スリムな設計を有する例示的な聴覚保護装置における例示的な雑音低減コンポーネントの模式図である。
図10B】強化された雑音低減を提供する設計を有する例示的な聴覚保護装置における例示的な雑音低減コンポーネントの模式図である。
図11図11は、外部マイク、スピーカ、および制御モジュールと電源の位置を示す、ANC機能を備えた例示的な聴覚保護装置を身に着けている犬の斜視図である。
図12図12は、例示的な聴覚保護装置のための例示的な通信コンポーネントの模式図である。
図13A】例示的な聴覚保護装置で使用するための例示的な成型雑音低減コンポーネントの斜視図である。
図13B-C】(B)は例示的な聴覚保護装置で使用するための例示的な成型雑音低減コンポーネントの内部表面図であり、(C)は例示的な聴覚保護装置で使用するための例示的な成型雑音低減コンポーネントの外部表面図である。
図14】様々な入力雑音周波数で例示的な複合雑音低減コンポーネントおよび例示的な成型雑音低減コンポーネントを使用して測定された雑音減衰を示す。
【詳細な説明】
【0025】
図中のすべての参照番号、表示、および参照テキストは、ここに完全に記載されているかのように、この参照によってここに組み込まれる。図の要素に番号を付けないことは、権利を放棄することを意図したものではない。番号のない参照は、図や添付物の英字で識別される場合もある。
【0026】
以下の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例示として、パイロットアセンブリおよび方法を実施することができる特定の実施例を示している。「例」または「オプション」として理解されるべきこれらの実施例は、当業者がこの発明を実施することを可能にするのに十分詳細に説明されている。実施例を組み合わせることができ、他の実施例を利用することができ、または構造的または論理的変更を、この発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、この発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的均等物によって定義される。
【0027】
本文書において、1つ(「a」または「an」)という用語は、1つまたは複数を含むために使用され、「または」(「or」)という用語は、特に明記しない限り、非排他的な「または」(「or」を指すために使用される。さらに、ここで使用され、他に定義されていない表現または用語は、説明のみを目的としており、限定ではないことを理解されたい。「約」という用語の範囲を解釈するために、開示された値(寸法、動作条件など)に関連する誤差範囲は、本開示に示された値の±10%である。特に明記されていない限り、特定の単語の前に使用される「実質的に」という単語には、「指定された範囲でかなりの程度」および「指定されたものの大部分ではあるが完全ではない」という意味が含まれる。さらに、「音」と「雑音」(「ノイズ」)は同じ意味で使用される場合がある。
【0028】
本開示の特定の態様は、その原理および動作を説明する目的で、以下にかなり詳細に記載される。しかしながら、様々な変更がなされてもよく、本開示の範囲は説明された例示的な態様に限定されない。
【0029】
例示的な聴覚保護装置113(図5Aおよび5B)は、好ましくは伸縮性の布材料ピース101で作られたスリーブ100を有して良く、形状が実質的に長方形であって良い。ピース101は、上側エッジ102および下側エッジ103を具備する。エッジ102は、上側コーナ104の間に延びる。エッジ102および103は、実質的に平行に配置され、互いに反対側に配置され、第1のエッジ105および第2のエッジ106によって結合され、これらは、中心線AAのいずれかのサイドに配置される。ピース101は、調整可能な引きひもを挿入することができるグロメット108を受け入れるために、各下側コーナ107の近くに配置された複数の穴をさらに備える。穴およびグロメットは、伸縮可能な布ピース101と比較して比較的剛性である第2の材料109で補強することができる。雑音低減コンポーネント200(図6)は、中心線AAのいずれかの側に配置され、中心線AAから実質的に等距離にある。スリーブ100の内側表面110であり、線形エッジ201は、上側エッジ102と実質的に整列している。スリーブ100の内側表面110は、犬の皮膚と接触しており、外側表面111は、大気に曝されるスリーブ100の表面である。雑音低減コンポーネント200の形状およびサイズは、犬の外耳(または耳介)のサイズおよび形状、ならびに犬の頭の形状およびサイズに応じて変えられて良い。
【0030】
雑音低減コンポーネント200は、ピース101と、ピース101に適切に接合されたハウジングカバー112との間の空間に封入されて良い。カバー112は、音響スピーカグリル布材料(例えば、Acoustical Solutions,VAによって供給されるもの)。グリルクロスの素材は通常、カビに強く、屋外での使用が承認されている。例えば、ハウジングカバー112は、ピース101に縫い付けられて良い。あるいは、ハウジングカバー112は、ポーチとして構成されて良く、ポーチの一方の側が開いて、ポーチの他方の側がピース101に接合される(縫われるか、さもなければ密封される)。次に、開いた側からポーチを挿入する。ポーチの開いた側は、例えば、エッジ102に沿って配置されて良く、次いで、縫製または他の適切な手段によって密封または接合されて良い。
【0031】
各雑音低減コンポーネント200は、柔らかい耳あてであり、複数の発泡材料を使用して形成された複合構造を含んで良く、好ましくは、犬の外耳を実質的に覆うようなサイズである。コンポーネント200は、第1の表面203および第2の表面204を具備する第1のフォーム(発泡、発泡体ともいう)セクション202(図6B)を含んで良い。セクション202は、厚さが約0.4インチ~約0.5インチ、好ましくは約0.425インチ~0.475インチであって良い。セクション202は、好ましくは、バリウムが注入された大量充填ビニル(MLV、ポリ塩化ビニルまたはPVC)裏打ち材料205(図6B)を有するポリマー独立気泡フォーム音響バリア材料であり、これには、Second Skin Audio(Tucson,AZ)によって供給されるLuxyLiner ProTM、および、Soundproofcow(Chambersburg,PA)によって供給されるQuietBarrierTMが含まれるけれども、これに限定されない。MLV材料の重量/面積比は、約1lb/ftから約2lb/ftの間で変化して良い。MLVバリアは、鉛材料と同様の減音特性をもたらす塩、砂、および小さな金属粒子で構成されて良い。これらの高密度材料は音波を遮断する。表面203は、裏打ち材料層205に接合(例えば、接着)されて良い。裏打ち材料層205は、厚さが約0.05インチから0.15インチの間、好ましくは、厚さが約0.07インチから約0.12インチの間であって良い。コンポーネント200は、また、好ましくはフォームセクション202の形状と整列するリングの形状に構成された圧縮可能な第2のフォームセクション206(図6A)を有して良い。セクション206は、好ましくは、Second Skin Audio(Tucson、AZ)から供給されたOverKill ProTM(ビニル注入独立気泡フォーム)などの圧縮可能なポリマー独立気泡フォーム材料である。単位面積あたりの重量比は、好ましくは約0.2ポンド/平方フィートから約0.25ポンド/平方フィートの間である。独立気泡フォームでは、各セルは他のセルと相互接続しない。ポリマー独立気泡フォーム材料の例には、約5ポンド/ftおよび約7ポンド/ftの範囲の密度を有するポリマーを含むEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)、ネオプレン、クロロプレンゴム(CR)が含まれる。独立気泡フォーム材料は、シーリングの目的に最適である。圧縮可能なフォーム材料206は、スリーブ100が犬の頭に取り付けられたときに、コンポーネント200と犬の外耳の表面との間にシールを作成するのに役立つ(図8)。セクション206は、表面204のエッジに沿ってセクション202に接合(例えば、接着または両面テープを使用して接合)されて良い。フォームセクション206の厚さは、セクション202の厚さと実質的に同様である。厚さは0.65インチから約1.1インチであり、好ましくは約0.8インチから約1.0インチの厚さである。コンポーネント200は、セクション206のリング状の表面207がハウジングカバー112と接触し、続いて犬の耳の表面とシールを形成するように、スリーブ100に収容される。したがって、雑音低減コンポーネント200を備えた例示的な装置113は、犬の頭および外耳の形状に適合し、可撓性スリーブ100は、圧力をより均一に分散し、犬の頭のピーク圧力点を最小化する。したがって、装置113は、市販の装置と比較して、犬を刺激したり、犬の耳から外れたり、装置と耳の間のシールを破ったりすることなく、優れた雑音低減機能を提供する。装置113は、犬の頭と犬の外耳の形状とサイズのさまざまなバリエーションに適合し、雑音低減コンポーネントと犬の耳の間に信頼性の高いシールを提供すする。コンポーネント200の側面に沿ってビニル裏打ち層205を設けて、フォームセクション202および206の露出面を覆い、騒音低減をさらに改善することもできる。すなわち、表面203を覆うことに加えて、ビニル層205を使用して、表面207を除くコンポーネント200のすべての露出領域を覆うことができる。
【0032】
例示的な聴覚保護装置300は、ピース101を中心線AA上に折り畳み(雑音低減コンポーネント200を所定の位置に取り付けた後)、エッジ105および106を接合することによって組み立てて良い。好ましくは、かなりの長さのエッジ105および106を一緒に縫う。一般的に知られている「スティッチインザディッチ」(stich-in-the ditch)技術などを使用する。図7Aに示されるように、エッジ105および106は、上側コーナ104から補強材109の上部のすぐ上のセクションの周りに(縫製によって)接合される。好ましくは、上側コーナ104からのエッジ105および106の長さの約60%から約70%が、縫い目で結合される。エッジ113の結合されていない長さセクションは、スリーブ100の容易な着用(装着)および脱衣(取り外し)を可能にする。着用後、エッジ104および105の未縫製セクションは、引きひも301(図7A)を使用して取り外し可能に結合されて良い。引きひも301は、バネ仕掛けのストップコードロック304を使用して、必要に応じて緩めたり締めたりして良い。繰り返しの着用および脱衣の際の中心線AAに沿った材料101のほつれや裂けを防ぐために、摩耗補強ストリップ302(図7B)は、中心線AAに沿って(または実質的にほぼ沿って)スリーブ100の外側表面111に接合されて良く、実質的に上側エッジ102と下側エッジ103との間に延びる。着衣・脱衣タブ303は、ストリップ302およびピース101に結合され、これによって、それらが犬の視界から離れてエッジ102と103の間に位置し、犬の気を散らさないようになっている。ストリップ302は、犬に刺激および気晴らしを引き起こす機会を最小限にするために、ピース101の内側表面に接合されていない。
【0033】
引きひも301が緩められた状態で、例示的な装置300は、引きひも301が犬の顎の下にあるように、犬の顎(および犬が口輪を付けられている場合は口輪)上で滑って良い(図8)。スリーブは、犬の耳が雑音低減コンポーネント200で覆われ、圧縮可能なフォームセクション206を使用して密封されることを確実にするために犬の頭蓋骨の上に取り付けられる。引きひも301は、ストップコードばね式ロック304を使用して締められ、ロックされる(所定の位置に保持される)。装置300は、雑音低減コンポーネントと犬の耳の外側表面との間にシールを形成し、したがって、犬が茂みを通り抜けるとき(例えば、犬が狩猟目的で使用されるとき)または犬が能動状態であっても、犬の耳をシールする状態に維持する。例示的な聴覚保護装置300は、国際特許公開第WO2009134863号に記載されているように、感知可能な聴覚保護を実現することなく、犬の頭の周りに伸縮性材料をしっかりと巻き付ける必要性を排除する。装置を取り外す必要がある場合は、引きひもを緩め、装置を犬の頭から滑らせる。
【0034】
例示的な装置113において、材料ピース101は、好ましくは、長さが約15インチから約17インチの間、および幅が約8インチから約10インチの間である。これらの寸法の装置113は、体重が雄犬の場合は約64ポンドから約75ポンド、雌犬の場合は約55ポンドから約66ポンドの成犬のマリノア犬に防音を提供するのに適している。エッジ105および106が上述のように接合される場合、スリーブ100(または材料101)の長さ寸法は、スリーブ100の円周を構成する。伸縮性材料ピース101は、織られていても編まれていてもよい。ピース101は、スパンデックス(spandex)などのエラストマー材料(例えば、Lycraブランド)を含むエラスタンでできていてもよい。生地のエラスタン含有量は1%から15%の間で変動して良い。通気性のある速乾性の材料も使用でき、これは、Supplex(Invistaが提供)およびDurastretch(r)Coyote(Outdoor Wilderness Fabrics Inc.が提供)を含むけれども、これに限定されない。これらの材料は縦方向と横方向に伸びる。つまり、4方向に伸びる。たとえば、スパンデックスは繰り返し伸ばされることが可能であり、元の長さと形に戻る。破損することなく、静止時の長さの500%以上に伸びることができる。また、軽量で、快適さとフィット感の双方を提供する。簡単に洗え、耐摩耗性があり、長寿命である。デュラストレッチ(durastretch)素材は、約66%のナイロンと約34%のスパンデックスで構成され、優れた耐摩耗性を備えた軽量で耐久性のある生地である。好ましくは、スリーブ材料は、約60%から約70%のナイロンと、約30%から約40%のスパンデックスを含む。最も好ましくは、スリーブ材料は、約65%から約70%のナイロンを含み、残りはスパンデックスである。装置300(コンポーネント200を含む)は軽量であり、約200gから約300gの間、好ましくは約200gから約250gの間の重さであって良い。装置113は、雑音低減コンポーネント200を使用して、約20dBAから約30dBA(A加重スケールで測定)の雑音低減を提供することができて良い。A加重スケールでは、低周波数での音のデシベル値が低減される。オーディオ周波数の補正が行われない重み付けされていないデシベルと比較される。この修正が行われるのは、人間の耳は、低い可聴周波数、特に1000Hz未満では、高い可聴周波数よりも感度が低いためである。好ましくは、ピース101は、高い弾性および高い熱伝導率を有する材料で製造される。
【0035】
例示的なスリーブ100の寸法は、犬の大きさおよび犬種に応じて変更されて良い。耳介が大きい犬の場合、敏感な耳の組織への圧力を減らすことによって快適さを高めるために、カップの内側のより大きな容積を使用することができる。スリーブ100が、軍の使役犬、狩猟犬を含む任意の種類の犬や、他の動物、例えば、これに限定されないが、猫および馬に聴覚保護を提供するように構成可能であるように、寸法を変更することができる。
【0036】
犬用の聴覚保護のための事例的な方法が開示され、この方法は、装置113を使用して外部騒音レベルを減衰させることを含み、これは、例示的な聴覚保護装置を犬の頭に滑り込ませ、受動的騒音低減コンポーネントのそれぞれを犬の外耳に整合させ、さらに、引きひもを調整して装置を取り外し可能に締め、各雑音低減コンポーネントと犬の外耳の間にシールを作成することを含み、スリーブを取り付けると、内側表面が犬の頭に接触する。
【0037】
ユーザが、ここに開示された目的にかなった聴覚保護スリーブを例示的な「アプリ」を使用して注文することを可能にする方法を開示し、この「アプリ」は、スリーブを設計および製造するためにユーザ提供の情報を使用するように構成されている。「アプリ」は、また、ユーザがユーザの連絡先の詳細、支払いの詳細などを登録および送信することを要求して良い。モバイルアプリケーションソフトウェアまたは「アプリ」は、スマートフォン、タブレット、時計などのモバイル装置で実行するように構成されたコンピュータープログラムである。アプリは、フロントエンドコンポーネントまたはユーザーインターフェース(「UI」)で構成され、ユーザに使いやすくフレンドリーなインターフェースを提供するように設計されている。フロントエンドは、データルーティング、セキュリティ、認証、承認、オフライン作業、およびサービスオーケストレーションを容易にするバックエンドコンポーネントと通信する。アプリは、また、1つまたは複数の仲介コンポーネントまたは中間コンポーネントと通信して良く、このコンポーネントは、これに限定されないけれども、モバイルアプリサーバー、メッセージキューイング、エンタープライズサービスバス(「ESB」)、その他のサービス指向アーキテクチャ(「SOA」)インフラストラクチャコンポーネントを含む。モバイル装置とデータベースまたはクラウド間のデータ同期とオフライン(インターネット接続なし)機能は、モバイルアプリをシームレスに機能させるための鍵である。Couchbase Mobile(Couchbase)、Azure Mobile Services(Microsoft)、Cognito(Amazon)、Firebase(Google)などのデータベースおよびクラウドサービスのプロバイダーは、モバイル製品との同期およびオフライン機能を提供する。アプリは、アドレス認証、保存データなどの機能を使用して、同期および分散ストレージ、送信、ストレージを備えた安全なデータアクセス通信を提供することが望ましい。これは、アプリがファイルシステム暗号化とデータレベル暗号化、移動中データ、ユーザがアクセスおよび書き込み/変更できるデータを定義するリード・ライトアクセスをサポートするかどうかに関連する。データベースは、リレーショナル(Oracle、mySQLなどのSQLデータベース)またはNoSQL(MongoDB、CouchDBなど)であって良い。さらに、モバイルプラットフォームでの分散型データ書き込みの場合、同じデータを複数の装置で同時に変更でき、複数の装置からのデータアクセス間で競合が発生する可能性がある。アプリには、これらの競合を解決するためのメカニズムを組み込むことが望ましい。競合解決メカニズムでは、装置上、クラウド内で自動的に解決できる場合と、手動で開始されて良い。
【0038】
アプリは、モバイル装置にダウンロードされると、ユーザにユーザアカウントを作成するように促し、次に、ユーザに以下のことを促して良い。
(a)犬の品種に入る。
(b)犬の年齢を入力する。
(c)犬がさらされる環境に関連する他の詳細を入力する。これは、例えば、環境騒音デシベルレベルおよび周波数を含むけれども、これに限定されない。
(d)聴覚保護スリーブまたは任意の聴覚保護装置の供給者が詳細を計算することを可能にするいくつかの視点からの犬の写真またはビデオを撮影し、この詳細は、以下を含むがこれらに限定されない。(i)耳介の高さ、(ii)耳介の幅、(iii)頭囲、および(iv)頭のサイズ。
(e)出荷の詳細、その他を入力する。
【0039】
収集された情報は、装置のサイズ、雑音低減コンポーネントの構造およびサイズの少なくとも1つ、および受動雑音低減バイパスおよび能動雑音消去の少なくとも1つが必要かどうかを決定するために処理されて良い。収集および処理された情報を使用する犬の頭と装置の3Dコンピュータモデルは、装置の適合性をテストするためのSolidWorksなどのソリッドモデリングCADパッケージを使用して開発できる。次に、カスタム装置は、装置用に作成された3Dコンピュータモデルに実質的に準拠するように製造されて良い。
【0040】
小火器、大砲および迫撃砲からのインパルス騒音レベルは、180dBを超える可能性があり、これは、利用可能な小型マイクロホンのダイナミックレンジおよびピーク値(通常、120~130dB未満)をはるかに上回っている。受動的な聴覚保護を使用して、有害な音のレベルが犬に伝わらないようにすることができるけれども、飼い主/犬のハンドラからのコマンドなど、犬が他の音を聞くことができることが望ましい。さらに、そのような高い雑音レベルは、電子制御システムのマイクロホンを飽和させ、システムを不安定にしたり、無効にしたりする可能性がある。聴覚保護具の外部にあるマイクは、信号を感知して処理し、不要な音を除去し、聴覚保護具の内部にあるスピーカまたはその他の音源を使用して、目的の音を再生できる。たとえば、検出器を使用して、爆発やその他の高レベルの雑音を識別し、すべての音をブロックすることができる。これにより、高レベルの雑音がシステムを飽和させ、大きな音や有害な音が再生されるのを防ぐ。他のフィルターを使用して、再生を固定レベルに制限したり、バンドパスフィルターや音声フィルターを使用して目的のサウンドを抽出したりできる。さらに、聴覚保護装置の内部にあるマイクロホンを外挿して、インパルスのピーク曝露レベルを推測し、犬の聴覚保護の有効性のレベルをオペレーターに警告するために使用することができる。
【0041】
例示的な聴覚保護装置113は、100から1000Hzの低雑音周波数で能動雑音制御(「ANC」)を提供するように変更して良い。「能動雑音低減を組み込んだインイヤー装置」と題された米国特許第9,654,854号、「能動雑音消去航空機ヘッドセットシステム」と題された米国特許第6,278,786号、「選択的雑音消去イヤホン」と題された米国特許公開第2015/0294662号、「雑音消去ヘッドホン」と題された米国特許公開第2012/0014532号、「適応フィードフォワード雑音消去回路」と題された米国特許第7,058,368号、「能動雑音消去ヘッドセットおよび選択的雑音抑制を備えた装置」と題された米国特許公開第2002/0141599号は、参照によりその全体がここに組み込まれる。
【0042】
犬用の聴覚保護装置内のANCコンポーネントは、以下を含んで良い。すなわち、(1)騒音/抗騒音生成のためのフィードバックコンポーネント。これは、好ましくは、犬の聴力範囲に最適化されている。適応型デジタル処理またはアナログ処理アルゴリズムは、人間が使用するANCシステムで使用されるものに匹敵する。(2)外部マイクを使用して大きなインパルス雑音を感知し、ANCをシャットオフするフィードフォワードコンポーネント。ANCをオフにすると、受動モードによって雑音の減衰が実現される。人間の使用に適したANCシステムとは異なり、犬(MWDなど)の聴覚保護システムでは、フィードフォワード信号が通常の人間の聴覚の範囲外である可能性があり、ハンドラが犬と音響的にやりとりできるようにして良い(犬笛を使用するなど)。これは雑音低減の効果を損なうことなく行う。あるいは、事前に記録されたコマンド、たとえば犬を座らせて静止させるコマンドは、インパルス雑音によるANCコンポーネントのシャットオフによってトリガーされて動物に送信されて良い。図9は、ANC機能を提供するために必要とされるコンポーネント900の模式図である。内部残留雑音マイクロホン901は、耳の鼓膜に近接する雑音レベルを測定するために使用され、外部マイクロホン902は、外部雑音を測定するために使用され、ヘッドセットの内部または外部に配置されて良い。ANCコントローラ903は、フィードバックを使用して、スピーカ905に送信される雑音に比例する逆信号を計算する。902を使用して、ANCコントローラは、また、フィードフォワードアプローチを使用して、消去信号を生成するか、または所望の音を混合することができる。スピーカからの音(アンチ雑音)が雑音と混ざり合い、雑音減衰効果を生み出す。低周波雑音の場合、雑音信号の相関時間は電子機器の遅延よりも大幅に長く、伝達関数は時間の経過とともに安定する。ほとんどの市販のANCヘッドセットはこのアプローチを利用しており、通常は低コストと消費電力のためにアナログ電子機器を使用している。犬の耳の特性により、適応型デジタル信号処理が必要になる複雑さが生じるかもしれない。フィードフォワードマイクロホン902は、大きなインパルス雑音を検出し、ANCコントローラの動作を停止する。これらの条件下では、聴覚システムの受動コンポーネントを使用して雑音の減衰を実現できる。さらに、ANCコントローラは、ハンドラが犬とやりとりしている間、音を圧縮する場合して良い。フィードバックシステムと同様に、これはアナログ電子機器で実装できる。フィードフォワードモードとフィードバックモードを組み合わせたANCコントローラ903は、フィードバックモードのみよりもパフォーマンスを向上させることができ、デジタル制御システムの使用を必要とするかもしれない。
【0043】
例示的な受動雑音低減コンポーネント200は、内部マイクロホン、外部マイクロホン、およびスピーカを含むANCコンポーネントを使用してANC機能を提供するように変更することができる。コンポーネント200と同様に、例示的な雑音低減ソフトマフコンポーネント600(図10A)は、好ましくは、例えば、Second Skin Audio(Tucson、AZ)が提供するLuxuryLinerProTMのような、バリウムが注入された大量充填ビニル(ポリ塩化ビニルまたはPVC)裏打ち材料を備えた独立気泡フォーム音響バリア材料で作られたフォームセクション601を有して良い。代替的には、上述のように成型されたソフトマフ(カップ)は、スピーカを組み込んで良い。しかしながら、コンポーネント600において、フォームセクション601は、ANCコンポーネントのスピーカ602および内部マイクロホン603を実質的に収容されるように構成されて良く、これらは、外部マイクロホン604と共に、上述のようにANC機能を提供する。「実質的に収容される」とは、ANCコンポーネントを電子モジュール606に接続する配線などの特定のコンポーネントがフォームセクション601から延びることができることを意味する。フォームの厚さは、コンポーネント602および603を収容するように変えることができる。さらに、スピーカ602を保護することができる。次に、修正された雑音低減コンポーネント600をスリーブ100のカバー112内に収容して、ANC機能を備えた例示的な雑音低減装置700を実現して良い(図11)。適切なハーネスによって支持された電子制御モジュールおよび電源606は、電力を供給し、ANCコンポーネントを実行/操作してANC機能を提供するために、犬の背中に配置されて良い。ANC機能は、犬のハンドラがモジュール606を使用してオン/オフを切り替えて良い。電子モジュール606は、示されるように犬の首輪に取り付けられてもよく、スリーブ100に適切に取り付けられてもよい。内部マイクロホン603およびマイクロホン、スピーカ、および電子モジュール間のケーブルは、図11には示されていない。さらに、コンポーネント600は、図10Bに示されるように、フォームセクション601の表面積を増加させることによって受動的騒音低減能力を改善するように変更されて良い。受動聴覚保護は、望ましい音と望ましくない音を区別せず、ハンドラとのやりとりをかなり妨害する。手やその他の視覚信号が役立つ場合があるけれども、多くの場合、それらの適用範囲は限られている。外部マイク、スピーカ、制御モジュールなどのコンポーネントは、上述の受動雑音減衰電子バイパスとANCの両方に使用できる。
【0044】
さらに、犬のハンドラが高騒音環境で作業犬とやりとりできることが不可欠であるかもしれない。軍の使役犬または狩猟犬などの動物のための例示的な聴覚保護および通信装置においては、例示的な聴覚保護装置700は、ハンドラとMWDとの間のやりとりのための能動雑音消去の少なくとも1つを提供するように変更されて良い。ここで上述した受動および能動雑音消去コンポーネントの組み合わせは、音響スペクトル全体にわたって雑音減衰を提供し、犬の聴力範囲全体で30dBから40dBの雑音低減に実現して良い。例示的な通信システム(またはコンポーネント)800は、図12に示されるように、犬モジュール801およびハンドラモジュール802を含んで良い。犬モジュール801において、マイクロコントローラ803は、マイクロホンを飽和させる衝撃音を検出してブロックすることができる。マイクロコントローラ803は、また、他のセンサ(例えば、ビデオ、心拍数、および温度を含むがこれらに限定されない)から情報を収集および送信することができる。マイクロコントローラ803は、軍用および商用の無線機とインターフェースすることができ、または、組み込みの無線およびブルートゥース機能を利用することができる。ANCモジュール809は、前述のように、音の圧縮および/または高雑音レベルを制限および除去するために使用されて良い。ハンドラモジュール802は、手袋または暗い場所で簡単に使用および操作できる単純な押しボタンまたは他の任意の単純なインターフェース807を備えて良い。マイクロコントローラ805は、一連の軍用および商用無線806とインターフェースするか、または組み込みの無線またはブルートゥース機能を利用することができる。犬とやりとりするためにブルートゥースまたは無線手段を使用する場合、モバイル通信装置(例えば、スマートフォン、タブレット)は、マイクロコントローラ805、インターフェース807、および無線806の機能を置き換えるために適切なソフトウェアアプリを使用して構成されて良い。モバイル装置808は、また、センサ804のデータを記録、分析、観察および保存するためにも使用されて良い。
【0045】
軍の使役犬および狩猟犬などの動物のための例示的な聴覚保護および通信装置は、以下のコンポーネントおよび/または機能を含んで良い。
【0046】
(A)短距離通信サブシステム
【0047】
225~450MHz、1250~1390MHz、および1750-1850MHzの周波数範囲を有する小型無線受信機904は、犬の首輪ユニットに組み込まれて良く、ライフルマンラジオと通信するか、またはブルートゥースを使用して別の適切な通信装置と通信して良い。同様に、30~512MHzの周波数範囲を使用して、マルチバンドインター/イントラチーム無線(MBITR)と通信することができる。犬とハンドラの間の短距離通信(約50メートル)を可能にするために、簡略化されたアンテナをカラーユニットに組み込んで良い。ライフルマンラジオには50のプリセットチャンネルとプリセットごとに5つのトークグループがあり、MBITRには100のプリセットチャンネルとメニューで選択可能なトークグループがある。犬用の例示的な聴覚保護および録音システムでは、使いやすさのために、犬の受信機をハンドラと犬からなる単一のトークグループに割り当てて、犬が他のラジオのおしゃべりによって混乱するのを防ぐことができる。
【0048】
(B)ユーザーインターフェース/コントローラ。
【0049】
ハンドラと犬との間の音声または無線通信を選択するために一組の押しボタンを事前設定することができるように、Invisio V50(デンマークのInvisio Companysによって作製された)などのユーザーインターフェースを構成して良い。ハンドラは、犬とのコミュニケーションのために、犬のトークグループを、ユーザーインターフェースの未使用またはあまり使用されていないプッシュツートーク(PTT)ボタンに割り当てることができる。代替的には、ハンドラ用の単純な単一の無線接続をPTTボタンとともに使用して、犬とやりとりすることもできる。このインターフェースは、以下の機能を提供できることが好ましい。(a)既存の秘密の運用通信システムを統合して、スタンドアロンおよびユニット操作をサポートする。(b)MWDおよびハンドラのグループ(人間)と通信でき、MWDとの通信は別のPTTグループに割り当てられる。(c)ハンドラが雑音低減をバイパスして、ハンドラがMWDにコマンドを提供できるようにするバイパス機能。バイパスの機能は次のとおりである。(1)音声を圧縮し、無線信号をアクティブな制御信号またはコマンドに混合する。オープンマイクは通信効率を低下させ、雑音レベルを増加させるため、不要な信号をフィルタリングするのは難しい場合がある。(2)再生信号(外部マイクから検出)のゲインを調整して、犬が低雑音レベルで周囲の音を聞くことができるようにする。(3)環境雑音の再生を防ぐための事前に録音されたコマンドの再生、および(4)雑音レベルがバックグラウンド雑音より約20dBおよび40dB低い高周波数、および人間の聴覚外での音響コマンドの圧縮/フィルタリングおよびMWDへの受け渡しは約20kHz未満である。高周波コマンドを使用すると、雑音の多い環境でコマンドを解釈するMWDの機能が向上するだけでなく、秘密の通信機能も提供される。犬は最大約45kHzを聞くことができる(人間の約20kHzと比較して)。ほとんどの周囲雑音は約10kHzでロールオフする。より高い周波数で送信することにより、バックグラウンド雑音が最小限に抑えられ、犬は人間の可聴範囲外の音を聞くことができるはずである。直接音響または無線通信のオプションにより、オンリーシュ(リードあり)またはオフリーシュ(リードなし)およびシングルハンドラまたはチーム操作が可能になる。
【0050】
(C)システムのオプションの特徴
【0051】
上述のように、センサ804の測定によって提供される犬の心拍数、体温などのリアルタイム情報/データを使用して、犬の健康度および幸福度を決定することができる。犬の心拍数と体温(耳の内側など)を測定し、オフリーシュで(リードを外して)、犬の鳴き声がハンドラに聞こえない場合に、外部イベントに対する犬の反応(音響心理学的反応)と相関させることができる。オプションで、脳マッピングセンサを使用して、聴覚パフォーマンスを監視したり、犬の認知状態を測定したりすることもできる。たとえば、脳活動の外部トリガーへのマッピングを使用して、犬が爆発物などの関心のあるものを検出したかどうかをハンドラが判断できるようにする信号を提供することができる。ハンドラは、犬が疲れているか過負荷になっていて休息が必要かどうかを検出して良い。
【0052】
ハンドラと犬歯との間の通信は暗号化されて良い。音響通信は、ハンドラ装置から送信されたメッセージが少なくとも20kHz、好ましくは約20kHzから約40kHzの間の周波数で送信されるように暗号化されて良い。約2kHzおよび約4kHzの犬の通常の可聴周波数範囲へのコミュニケーションは、イヤーマフで暗号化されていないかもしれない。音響通信をより高い周波数にシフトすると、環境雑音レベルの高い周波数を回避することで、了解度(犬がハンドラのコマンドをよりよく理解する能力)も向上するかもしれない。同様に、ハンドラから犬への無線通信も暗号化して、許可されていないリスナーがコマンドを傍受したり、許可されていないコマンドを送信したりするのを防いで良い。通信コンポーネント800は、ハンドラが受動雑音減衰を電子的にバイパスすることを可能にするバイパス要素を含んで良い。
【0053】
例示的な聴覚保護装置において、コンポーネント200は、上述のように2つの異なるフォームピースを使用する代わりに、その厚さに沿って、そのエッジに沿って、および/またはその長さに沿って種々の特性(例えば、細孔密度、細孔サイズ、細孔長さ)を有する単一の複合フォームピースまたはカップとして製造されて良い。コンポーネント200の寸法は、様々な耳のタイプおよび頭の形状に合うように容易に変更して良い。コンポーネント200は、カスタム金型から形成されたイヤーカップの形状に形成して良い。成型フォームカップは、ポリウレタンフォーム(例えば、Northstar Polymersによって供給されるもの)および液体シリコーンゴムのうちの少なくとも1つから製造されて良い。例示的な発泡材料は、Smooth-On Inc.(Macungie,PA)によって供給されるFlexFoam-iTである。例示的な液体シリコーンゴム(LSR)は、米U.S.Composites(West Palm Beach,FL)、Dow Corning、および、Smooth-On Incによって供給されている。LSRは、耐久性が高く、幅広い商業、工業、および医療用途に使用されている。フォームまたはLSR材料の密度と剛性は、ポリマーと硬化剤などの添加剤の比率を変えることで最適化できる。LSR材料の密度は、約1.05g/ccから約1.20g/ccの間、好ましくは約1.05g/ccから約1.10g/ccの間であって良い。密度の高い材料は音の減衰を改善し、密度の低い材料はより柔軟性がある。材料の組成は、フィット感と音の減衰の最良の組み合わせを提供するように変更して良い。さらに、成型されたイヤーカップは、犬の頭の形状によりよく一致するように、より簡単に成型することができ、それにより、より滑らかな外観を生み出し、例えば、爆弾探査や歩哨活動中、犬が低木、木の枝を通り抜けるときに、スリーブが滑り落ちないことを保証する。金型の寸法は、さまざまな耳のサイズや頭の形に合うように変更できる。金型は、個々の犬用または一般的なサイズ用に、機械加工して良く、また、3Dプリンターを使用して製造して良い。
【0054】
例示的な雑音低減コンポーネント250(図13A図13B-C)は、Smooth-On、Incによって供給されるEcoflexTM液体シリコーンゴムを使用して成型カップの形態で製造されて良い。これらのLSRエラストマー材料は、白金触媒シリコーンゴムおからなり、典型的には、2部構成のキット、すなわち、パートAおよびパートBで供給される。軍用作業犬(通常、ドイツ羊飼い)用の成型雑音低減コンポーネント250は、水平直線端部253に対して反対側に配置されたアーチ形の端部252を備えた外側表面251を含んで良い。端部252および253は、垂直端部254および角度付き端部255を使用して接続されて良い。内側表面256は、表面256のエッジに沿って配置されるリング257の形態であって良い。リングの幅は実質的に均一であって良いけれども、コンポーネント250の厚さは、アーチ形の端部252の厚さが真っ直ぐな端部253の厚さよりも小さくなるように変化して良い。例示的なコンポーネント250は、犬の外耳とリング257との間に良好なシールを形成するように、また、犬の頭の形に合うように構成される。軍の使役犬(例えば、ジャーマンシェパード)用に設計された例示的なコンポーネント250において、リング257は、約0.4インチから約0.6インチの間の厚さを有して良く、好ましくは約0.5インチである。アーチ形の端部252の厚さは約1インチであって良く、アーチ形の端部252は半径が約2.5インチであって良い。軍の使役犬用に設計されたコンポーネント250は、約150gから約200gの重量であって良い。
【0055】
コンポーネント250を製造するための例示的な製造方法において、ほぼ等量のEcoflexTM LSR材料のパートAおよびパートBが、周囲(室温)温度で約2分間から約6分間、完全に混合される。「周囲」温度とは、約20°Cから約25°Cの間の温度を意味する。混合時間は好ましくは約3分である。LSR材料の混合粘度は、典型的には約2000cpsから約5000cpsの間であり、好ましくは約3000cpsである。混合物は約2分間から5分間、脱気されて良い。典型的には、脱気時間は約3分である。脱気は、約10mmHgから約50mmHgの間の真空レベルで排気される真空チャンバーを使用して行って良い。好ましくは、使用される真空レベルは約30mmHgである。次に、LSR材料は、LSR材料で金型を充填した後、金型内に残留気泡またはエアポケットが存在しないことを保証しながら、所望の所定の形状の金型に供給される。金型の形状は、犬の頭と耳の形と大きさによって異なる。混合LSRは、6061アルミニウム合金製の適切な金型に圧送または射出して良い。次に、材料を周囲温度で約4時間硬化させて良い。次に、材料を高温で、たとえば、約80°Cで約2時間、100°Cで約1時間で、硬化させて良い。
【実験例】
【0056】
種々の雑音減衰コンポーネントを使用した例示的な聴覚保護装置の有効性
例示的な受動雑音低減複合コンポーネント200を含む例示的な聴覚保護装置の雑音低減電位を、例示的な成型雑音低減コンポーネント250を使用して測定されたものと比較した。コンポーネント200はMLV裏打ちを含み、コンポーネント250はMLV裏打ちを含まなかった。コンポーネント250は、EcoflexTM 00-30LSR材料を使用して作成された。この評価では、最大10kHzの周波数の入力雑音を使用した。約2500Hzを超える周波数では、コンポーネント200により、最大約48dBの減衰が向上した(図14)。しかしながら、2kHz未満の周波数では、戦場のシナリオで一般的に見られるように、成型雑音低減コンポーネント250は、特に約1000Hzから2000Hzの間の周波数で、優れた雑音低減能力を実現した。例示的な成型雑音低減コンポーネントを使用する例示的な装置は、約1000Hzから約2000Hzの間の雑音周波数で約20dBから約30dBの間の雑音低減によって特徴付けられる。
【0057】
要約は、37C.F.R第1.72条(b)に準拠するために提供されており、読者が大まかな検査から技術的開示の性質と要点を迅速に判断できるようにする。これは特許請求の範囲に射程および意味を解釈または制限するために使用するべきではない。
【0058】
本開示は、それを実施する好ましい形態に関連して説明されてきたが、当業者は、本開示の精神から逸脱することなく、それに多くの修正を加えることができることを理解するであろう。したがって、開示の範囲が上記の説明によって制限されることを意図するものではない。
【0059】
開示の本質から逸脱することなく、様々な変更を行うことができることも理解されたい。このような変更も、説明に暗黙的に含まれている。それらは依然として本開示の範囲内にある。この開示は、独立して、そしてシステム全体として、そして方法および装置モードの両方において、開示の多くの側面をカバーする特許をもたらすことを意図していることを理解されたい。
【0060】
さらに、本開示および特許請求の範囲の様々な要素のそれぞれは、また、種々の方法で達成されて良い。本開示は、任意の装置実装のバリエーション、方法またはプロセスの実装、あるいはこれらの任意の要素の単なるバリエーションであろうと、そのような各バリエーションを包含すると理解されるべきである。
【0061】
具体的には、各要素の単語は、機能または結果のみが同じであっても、同等の装置用語または方法用語によって表現されて良いことを理解されたい。このような同等の、より広い、またはさらに一般的な用語は、各要素またはアクションの説明に含まれると見なす必要がある。このような用語は、この開示が権利を与えられている暗黙的に広い範囲を明示するために必要な場合に置き換えることができる。すべての行動は、その行動をとるための手段として、またはその行動を引き起こす要素として表現され得ることを理解されたい。同様に、開示される各物理的要素は、その物理的要素が促進する作用の開示を包含すると理解されるべきである。
【0062】
さらに、使用される各用語に関して、この出願におけるその利用がそのような解釈と矛盾しない限り、一般的な辞書定義は、技術者によって認識されている標準的な技術辞書およびランダムハウスウェブスター完全版辞典最新版の少なくとも1つに含まれているような、各用語およびすべての定義、代替用語、および同義語に組み込まれるものとして理解されるべきであることに留意されたい。これらは、参照によりここに組み込まれる。
【0063】
さらに、「有する」(「comprising」)という移行句の使用は、従来のクレーム解釈に従って、本明細書の「オープンエンド」クレームを維持するために使用される。したがって、文脈上別段の必要がない限り、「含む」(「comprise」または「comprising」などの変形は、記載された要素またはステップまたは要素またはステップのグループを含むことを意味するけれども、他の要素またはステップ、他の要素グループまたは他のステップ・グループを除外することを意味しないことに留意されたい。このような用語は、出願人に法的に許容される最も広い範囲を提供するために、最も広範な形式で解釈する必要がある。
[符号の説明]
100 スリーブ
101 伸縮性材料ピース
102 上側エッジ
102 エッジ
103 下側エッジ
104 上側コーナ
105 第1のエッジ
106 第2のエッジ
107 下側コーナ
108 グロメット
109 補強材
110 内側表面
111 外側表面
112 ハウジングカバー
113 聴覚保護装置
200 雑音低減コンポーネント
201 線形エッジ
202 フォームセクション
203 第1の表面
204 第2の表面
205 裏打ち材料層
206 フォームセクション
207 表面
250 成型雑音低減コンポーネント
251 外側表面
252 アーチ形の端部
253 水平直線端部
254 垂直端部
255 角度度付き端部
256 内側表面
257 リング
300 聴覚保護装置
302 摩耗補強ストリップ
303 着衣・脱衣タブ
304 ストップコードロック
600 雑音低減コンポーネント
601 フォームセクション
602 スピーカ
603 内部マイクロホン
604 外部マイクロホン
606 電子モジュール
700 聴覚保護装置
800 通信コンポーネント
801 犬モジュール
802 ハンドラモジュール
803 マイクロコントローラ
804 センサ
805 マイクロコントローラ
806 商用無線
807 インターフェース
808 モバイル装置
809 ANCモジュール
900 雑音消去コンポーネント
901 内部残留雑音マイクロホン
902 外部マイクロホン
903 ANCコントローラ
904 小型無線受信機
905 スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B-C】
図14