(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/13 20230101AFI20240227BHJP
G01R 31/12 20200101ALI20240227BHJP
G06T 5/50 20060101ALI20240227BHJP
G06T 5/60 20240101ALI20240227BHJP
【FI】
H04N23/13
G01R31/12 A
G06T5/50
G06T5/60
(21)【出願番号】P 2022056706
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2022-05-26
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522027781
【氏名又は名称】華晋グローバル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 勁
(72)【発明者】
【氏名】橋本 彩香
(72)【発明者】
【氏名】本田 玉菁
(72)【発明者】
【氏名】石原 希美
(72)【発明者】
【氏名】松島 可奈
(72)【発明者】
【氏名】上村 和代
(72)【発明者】
【氏名】橋本 依香
(72)【発明者】
【氏名】山田 穣
(72)【発明者】
【氏名】中西 博仁
(72)【発明者】
【氏名】金子 周平
(72)【発明者】
【氏名】鷲見 智
(72)【発明者】
【氏名】中山 義人
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】樫本 剛
【審判官】高橋 宣博
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-241624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0077076(US,A1)
【文献】特開2010-272957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/13
G01J 1/00 - 1/60
G01N 21/62 - 21/74
H04N 5/30 - 5/378
H04N 5/222 - 5/257
G06T 5/50 - 5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの入射レンズを介して入射する被写体の入射光を撮像処理する撮像装置であって、
前記入射光のうち可視光線を通過させる第1の光路系と、前記入射光のうち紫外線を通過させる第2の光路系とに光路を分離するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタにより分離された可視光線を、可視光レンズを介して撮像する第1のイメージセンサと、
前記ビームスプリッタにより分離された紫外線を、紫外線レンズおよび紫外線バンドパスフィルタを介して撮像する第2のイメージセンサと、
前記第2のイメージセンサが撮像した紫外線画像データに対して特定のイメージ処理を実行する画像処理ユニットと、
前記第1のイメージセンサが撮像した可視画像データと、前記画像処理ユニットから出力される紫外線画像データとを合成して出力画像データを生成する画像合成ユニットと、
を携帯可能な筐体に収容し、
さらに、前記出力画像データをドローンに装着可能なSDメモリに録画可能とし、かつ、前記画像合成ユニットが行う特定の画像処理は、前記可視画像データと前記紫外線画像データとに対する所定の機械学習画像レジストレーション処理することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記
画像合成ユニットが
さらに行う特定の画像処理は、前記紫外線画像データに対するノイズ除去処理であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記画像合成ユニットが合成した出力画像データを可視化して出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記入射レンズは、複数の焦点レンズ群で構成したことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記複数の焦点レンズ群は、広角側に焦点する第1のレンズ群と、望遠側に焦点する第2のレンズ群とから構成し、焦点位置を広角側または望遠側に位置へ切り替え可能に構成したことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記電気設備を撮像する際、選択される動画モードと、静止画モードとのいずれかを設定するモード設定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
1つの入射レンズを介して入射する被写体の入射光を撮像処理する装置の制御方法であって、
前記入射光のうち可視光線を通過させる第1の光路系と、前記入射光のうち紫外線を通過させる第2の光路系とに光路を分離するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタにより分離された可視光線を、可視光レンズを介して撮像する第1のイメージセンサと、
前記ビームスプリッタにより分離された紫外線を、紫外線レンズおよび紫外線バンドパスフィルタを介して撮像する第2のイメージセンサと、
前記第2のイメージセンサが撮像した紫外線画像データに対して特定のイメージ処理を実行する画像処理ユニットと、
前記第1のイメージセンサが撮像した可視画像データと、前記画像処理ユニットから出力される紫外線画像データとを合成して出力画像データを生成する画像合成ユニットと、
を携帯可能な筐体に収容し、
前記画像処理ユニットは、
前記紫外線画像データに対して所定の画像処理を実行する第1の画像処理ステップを備え、
前記画像合成ユニットは、
前記可視画像データと前記所定の画像処理が実行された紫外線画像データとに対して所定の機械学習画像レジストレーション処理を行わせる第2の画像処理ステップと、
前記所定の機械学習画像レジストレーション処理が実行された第1の画像データと、第2の画像データとの画素位置とを重ね合わせる第3の画像処理ステップと、を備え、
前記出力画像データをドローンに装着可能なSDメモリに録画可能とすることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入光する被写体の画像を撮像処理する撮像装置、撮像装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
絶縁体として扱う空気の絶縁耐力には限界があり、気温20℃、気圧1,013.25hPaの標準状態において、波高値で約30kV/cm、実効値で21.1kV/cmの電位の傾きに達すると空気は絶縁力を失い、電線表面から放電が始まることが知られている。
この現象をコロナ放電と呼び、電気設備において、絶縁の劣化や汚染はコロナ放電を引き起こす原因となる。
また、コロナ放電が発生すると、電力損失、電波障害や通信障害が発生し、また、電線腐食の誘因になることが知られている。
さらに、電波障害は無線通信用の電波を妨害するもので、通信障害は付近の通信線に誘導障害を引き起こすことが知られている。
【0003】
現在、電気的設備において、コロナ放電の発生状態を検査する場合、(1)主に遠赤外線望遠鏡、(2)超音波コロナ検出器、および(3)目視検査を採用している。
しかしながら、ターゲットが小さく、コロナ放電の強度が弱いため、(3)による視覚的観測では、コロナ放電の発生状態を検査することは困難である。
【0004】
下記特許文献1には、対象に対し紫外線の照射と遮断を交互に行いつつ、対象からのUV-C紫外線画像を取得し、該交互に取得した2種類の画像によって、日中であっても、コロナ放電の有無及び対象におけるコロナ放電の位置が特定可能とする技術が開示されている。
【0005】
より具体的には、「コロナ放電を発生可能な対象からのコロナ放電を検出する放電検出装置であって、上記対象に対し紫外線を照射する紫外線照射手段と、その紫外線照射手段から対象への照射を遮断可能なシャッタと、上記対象からの光線のうちのUV-C領域の紫外線だけを通過させる光学フィルタと、その光学フィルタ通過後の紫外線像を可視化する可視化変換手段と、その可視化変換手段が可視化した紫外線像を取得する画像取得手段と、を備え、上記シャッタによる紫外線の遮断状態及び照射状態の両方の画像を画像取得手段で取得することで対象におけるコロナ放電の有無及び位置を特定することを特徴とする放電検出装置」が開示されている。
【0006】
下記特許文献2には、紫外線カメラを用いて点検対象の電気設備、例えば高圧送電設備に使用される碍子連を撮影して紫外線像をモニタ表示する技術が開示されている。
【0007】
より具体的には、「紫外線カメラ及び可視カメラを具備し、電気設備を可視光及び紫外線で同じサイズで撮影する撮像装置と、当該紫外線カメラによる紫外線映像、当該可視カメラによる可視映像、当該撮像装置と当該電気設備との間の距離、及び当該電気設備のある場所の天候を記録再生する記録再生装置と、当該紫外線映像から時系列にn枚のフレームを抽出するフレーム抽出装置と、当該フレーム抽出装置で抽出された各フレーム上で同一紫外線発生源からの紫外線像を検出する紫外線像検出装置と、各フレームの当該紫外線像を同一画面上で積算して積算紫外線像を形成する積算装置と、当該積算紫外線像を隣接するもの毎にグループ化するグループ化手段と、積算紫外線像の各グループから所定強度未満の部分を除去する除去手段と、所定強度未満の部分を除去された当該積算紫外線像の各グループのサイズを算出するサイズ算出手段と、当該サイズ算出手段で算出されたサイズを基準距離でのサイズに標準化する標準化手段と、標準化されたサイズを、当該電気設備のある場所の天候に応じた判定閾値と比較する比較手段とを具備した電気設備点検装置」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-241623号公報
【文献】特開2006-10365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、(1)による従来のコロナ放電検出方法では、太陽光には強い赤外線が含まれているため、これを赤外線望遠鏡で検出すると、誤検出率が高くなるという課題がある。
【0010】
同様に、(2)による従来のコロナ放電検出方法では、撮像装置とは独立して、画像データを複数フレーム分積算しながら記憶させる記憶手段と、該記憶手段に記憶した画像データを解析する解析装置とを独立したシステムとして構成しなければならず、システム構成が大規模化しシステムコストも増大するとともに、可視光画像と紫外線画像を2つのカメラ装置でそれぞれ撮像して複雑な画像処理を行ったフレーム単位の各画像データに対して位置合わせを行うといった演算処理負担が重く、検査担当者が機動的に最終的なコロナ放電箇所を精度よく特定し難いという課題がある。
【0011】
特に特許文献2の文献の段落0043には、「フレーム番号iのフレームの解析範囲内の画像データ(フレームデータ)をメモリ42の領域42aから読み出し(S3)、所定閾値でニ値化する(S4)。本実施例では、メモリ42の領域42aに収容されるフレームデータは、可視映像と紫外線映像が混合された映像からなる。可視映像は、一般にRGBカラー画像であるのに対し、紫外線映像は白黒のモノクロ画像である。しかし、映像混合器20により、紫外線映像はRGBカラー画像に拡張されている。そこで、背景の可視画像を除去して紫外線像を抽出する目的で、フレームデータを二値化する。二値化の閾値を白レベルの少し下に設定することで紫外線像を抽出することができる。」とあり、背景の可視画像を除去する画像処理が必須であることが記載されている。
【0012】
一方、太陽光の下で鮮明な紫外線画像を取得できる新しい紫外線スペクトル検出技術を採用してコロナ放電を検出するというアイデアは、信頼性が高く便利であるが、誤警報率が低くなるという課題がある。
【0013】
ここで、コロナ放電の紫外線スペクトルは、主に200~400nmの波長帯にあり、空気中での紫外線ピーク波長は300~360nmである。ただし、300~360nm範囲では、日射紫外線はコロナ放電よりもはるかに強い特性を示す。
【0014】
一方、紫外線スペクトル検出技術では、日射紫外線の影響により、太陽光から短波長の紫外線(UV-C、240~280nm)はほとんど地表に届かないので、バックグラウンドほぼゼロで、対象体である電気設備から発するコロナ放電による紫外線のみを精度よく検出できないという課題がある。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、通常の紫外線が照射される環境において、通常視認できない高圧電気的設備で発生しているコロナ放電箇所を鮮明な検査画像として出力することで、電気設備の保守点検作業の負担を軽減し、放電箇所を鮮明な画像としてすることが適切な部品交換作業、清掃作業、保守作業を精度よく、かつ、小型ハンディタイプの撮像装置、撮像装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成する本発明の撮像装置は以下に示す構成を備える。
【0017】
本発明は、1つの入射レンズを介して入射する被写体の入射光を撮像処理する撮像装置であって、前記入射光のうち可視光線を通過させる第1の光路系と、前記入射光のうち紫外線を通過させる第2の光路系とに光路を分離するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにより分離された可視光線を、可視光レンズを介して撮像する第1のイメージセンサと、前記ビームスプリッタにより分離された紫外線を、紫外線レンズおよび紫外線バンドパスフィルタを介して撮像する第2のイメージセンサと、前記第2のイメージセンサが撮像した紫外線画像データに対して特定のイメージ処理を実行する画像処理ユニットと、前記第1のイメージセンサが撮像した可視画像データと、前記画像処理ユニットから出力される紫外線画像データとを合成して出力画像データを生成する画像合成ユニットと、を携帯可能な筐体に収容し、さらに、前記出力画像データをドローンに装着可能なSDメモリに録画可能とし、かつ、前記画像合成ユニットが行う特定の画像処理は、前記可視画像データと前記紫外線画像データとに対する所定の機械学習画像レジストレーション処理することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通常の紫外線が照射される環境において、通常視認できない高圧電気的設備で発生しているコロナ放電箇所を鮮明な検査画像として出力することで、電気設備の保守点検作業の負担を軽減し、放電箇所を鮮明な画像としてすることが適切な部品交換作業、清掃作業、保守作業を精度よく、かつ、小型ハンディタイプの装置を提供し、電気設備を保守管理する担当者が点検箇所を回りながら、視認できる電気設備の可視画像上に、通常視認できないコロナ放電箇所を特定する放電画像を生成して位置精度よく重ね合わせながら1つの検査画像(静止画、動画を含む)を出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本実施形態を示す撮像装置の構成を示すブロック図。
【
図2】本実施形態を示す撮像装置の一例を示す斜視図。
【
図3】
図2に示した液晶ディスプレイに表示する第3の画像データの一例を模式図。
【
図4】撮像装置の画像処理プロセスを実行するハードウエアの構成を説明するブロック図。
【
図5】画像処理プロセッサによる画像処理プロセスを説明するブロック図。
【
図6】撮像装置で処理される画像データの一例を説明する概念図。
【
図7】撮像装置で処理される画像データの一例を説明する概念図。
【
図8】撮像装置で処理される画像データの一例を説明する概念図。
【
図9】本実施形態を示す撮像装置における画像処理例を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す撮像装置の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、検査官が高電圧電気設備、例えば送電鉄塔において、小型ハンディタイプの撮像装置(カメラ装置)を操作して碍子連を撮像する場合を説明するが、送電鉄塔付近において、三脚等を使用して検出装置を固定した状態で、コロナ放電状態を検出する対象(碍子連)を撮像する構成としてもよい。ここで、電気設備は、碍子連に限らず、電気設備におけるコロナ放電箇所であれば、本発明を適用可能である。
【0021】
図1に示す第1の撮像部25と、第2の撮像部26とから構成される撮像装置21において、11はビームスプリッタで、電気的設備を撮影した際の入射光を可視光線11aと紫外線11bとに分離した光路へ導く。12は可視光レンズで、可視光線11aを第1の可視光CCDイメージセンサ13に結像させる。なお、撮像装置21において、充電可能なリチウムバッテリからなる電源部は省略してある。
【0022】
16は紫外線レンズで、紫外線11bを230nm付近から紫外線を透過せた後、透過した紫外線11bを、UVバンドパスフィルタ(UVフィルタ)17を介してMCP/UVタイプの第2の紫外線CCDイメージセンサ18に結像する。ここで、UVバンドパスフィルタ17は、紫外線のうち、電気設備のコロナ放電箇所の紫外線波帯である200~400nmの波長帯を通過させる機能を備える。これにより、大気中の紫外線の影響を受けても、必要とするコロナ放電箇所の紫外線波帯における紫外線画像を抽出することができる。なお、UVバンドパスフィルタ17のスペックトル範囲は、240~280nmである。また、焦点レンズは、広角と望遠のダブルレンズを採用しているため、広範囲と局所を迅速に切り替え撮像可能に構成されている。
なお、本実施形態に示す撮像装置の入射レンズは、複数の焦点レンズ群で構成され、かつ、複数の焦点レンズ群は、広角側に焦点する第1のレンズ群と、望遠側に焦点する第2のレンズ群とから構成し、後述する
図2に示す操作部21-2により焦点位置を広角側または望遠側に位置へ切り替え可能に構成している。
【0023】
しかも、画像合成ユニット14により、後述するように可視光線として集光する電気設備の第1の画像データ22と、紫外線画像である第2の画像データ23とを合成することで、電気設備を通常撮影するという簡単な操作で、通常の視認できる電気設備の画像上に、コロナ放電している箇所を特定する画像とを重畳した第3の画像データ24を生成することができる。
【0024】
なお、生成された第3の画像データ24は、出力装置15としての表示装置や、印刷装置に出力したり、内部メモリや後述する外部メモリ(SDメモリ、USBメモリを含む)に記憶させたりしておくことができる。
【0025】
これにより、後述する外部メモリに記憶された電気設備のコロナ放電画像データと電気設備の画像データを日時、気象(温度、湿度、風速、は風向き)に対応づけて年単で蓄積させることで、同一タイプの電気設備において、保守、管理に役立つ管理データ資源となり、コロナ放電が起こしにくい電気設備の設計に反映することも可能となる。
19は画像処理ユニットで、MCP/UVのいずれかに基づく画像処理を行った後、画像合成ユニット14へ画像データを出力装置15に出力する。
【0026】
ここで、画像処理ユニット19の倍増マイクロチャンネルプレート(MCP)は、不可視の真空紫外光を、フォトダイオードアレイ(PDA)や電荷結合素子(CCD)で検出しやすい可視蛍光体の発光に変換する画像処理を行う。
【0027】
画像処理ユニット19は、可視光領域では認識しにくい物体(電気的設備の部品を含む)表面の傷やしみ、むらに起因して発生するコロナ放電箇所を特定する画像データを生成することができる。
【0028】
画像合成ユニット14は、第1のCCDイメージセンサ13から出力される第1の画像データ22と、画像処理ユニット19で紫外線に対して画像処理したUV画像に対応する第2の画像データ23(
図2参照)とを画像位置合わせがなされた状態で重畳処理して放電箇所を特定した検査結果を示す第3の画像データ24を生成する。
【0029】
具体的には、画像合成ユニット14は、可視画像データと前記紫外線画像データとに対して所定の機械学習画像レジストレーション処理を行わせる第1の画像処理と、可視画像データと前記紫外線画像データとに対して所定の機械学習画像レジストレーション処理を行わせる第2の画像処理とを実行するものとする。
さらに、画像合成ユニット14は、紫外線画像データに対してノイズ除去処理を含む特定の画像処理を行う。
【0030】
これにより、日中、自然紫外線が照射する電気設備を撮像装置で撮像した場合でも、
図3に示すように、コロナ放電箇所を特定できる画像を出力装置で確認することができる。
【0031】
15は出力装置で、画像合成ユニット14が生成した第3の画像データ24を表示部に表示する。なお、画像合成ユニット14と出力装置15との間に、無線通信機能デバイスを接続して、無線LAN(WIFI)遠隔地点の管理所に設ける外部表示装置でも検査画像データを確認できるように構成してもよい。なお、表示部は、撮像装置21の本体上部に遮蔽カバーを開くことで表示状態となり、例えば小型の液晶ディスプレイで構成される。
【0032】
図2は、本実施形態を示す撮像装置の一例を示す斜視図であり、小型で軽量のハンディタイプの装置に対応する。
【0033】
図2に示した撮像装置には、充電可能な電源(例えばリチウム電池)が収容されており、撮像した第3の画像データ24を記憶するメモリ(SDメモリ)を備えている。
【0034】
図2に示す撮像装置21において、21-1はカバーで、上面方向に回動して液晶ディスプレイ21-4(図中破線で示す)を保護している。21-2は操作部で、撮像モード、および、焦点位置を広角側または望遠側に切り替えるためのボタンが配置され、液晶画面の表示倍率、輝度、色調、ホワイトバランスを調整することが可能に構成されている。
【0035】
21-3は撮像ボタンで、高電圧電気設備を保守、点検する際に押下することで、上述したように、好天の日中において、高電圧電気設備を撮像するという簡単な操作で、電気設備の画像上に、コロナ放電箇所を重ね合わせた確認画像液晶ディスプレイ21-4に動画、または静止画として表示することができる。
【0036】
図3は、
図2に示した液晶ディスプレイ21-4に表示する第1の画像データの一例を模式図である。
図3において、21-4-1は写る範囲を示し、中心部に確保される合成撮像エリア21-4-2に高圧電気設備画像上に、コロナ放電領域21-4-3を含めて表示した状態を示す。
【0037】
本実施形態では、合成撮像エリア21-4-2を撮影可能な写る範囲21-4-1よりも小さいエリア(中心部から所定の正方エリア)として撮像するように構成したので、画像処理すべき画像データの総合的な処理量を削減し、オンタイムで電気設備上のどの部分にコロナ放電が発生しているかを視認する画像を液晶ディスプレイ21-4上に表示することができる。
【0038】
本図は、
図1に示した可視光線画像に対応する第1の画像データ22と、
図1に示した紫外線画像に対応する第2の画像データ23とを、画像合成ユニット14が合成処理した後、出力装置15に第3の画像データ24が表示された状態を示している。
【0039】
第3の画像データ24は、特に、被写体として電気設備の一部、例えば
図4に示す送電鉄塔に設ける碍子連を撮像した場合を示している。
【0040】
本実施形態では、紫外線画像データに対して所定の画像処理、グレースケールへの色空間変換処理を行った後、あらかじめ記憶された閾値処理で二値化処理する。
【0041】
図4は、本実施形態を示す撮像装置の画像処理プロセスを実行するハードウエアの構成を説明するブロック図である。
本例は、
図1に示したハードウエア資源による画像処理の一部を画像処理プロセッサ(MPU)19BがROM19Cに記憶された画像解析プログラムをRAM19Aに展開して実行することで出力装置15に出力すべき第3の画像データ出力する例に対応する。25は撮像装置で、第1の撮像部25と、第2の撮像部26を備え、画像処理プロセッサ(MPU)19Bが第1の撮像部25で処理した第1の画像データと、第2の撮像部26で処理した第2の画像データとに対して、後述する画像演算処理を実行することで、出力装置15に出力する第3の画像データを生成する。
【0042】
なお、画像処理プロセッサ19Bは、後述するフローチャートに従い、本実施形態に示す可視光線から生成される画像データと、紫外線から生成される画像データとに対して特徴的な画像処理(ノイズ除去、位置合わせ、画像合成を含む)を並列的に行うように制御する。
【0043】
図4において、ROM19Cは、画像解析プログラムおよびデュアルチャンネル画像結像ソフトを記憶している。MPU19Bは、後述する
図7に示すフローチャートに示す画像解析プログラムおよびデュアルチャンネル画像結像ソフトを実行する。100はUSBメモリで、出力バッファ20から出力される静止画データ(JPG)もしくは動画(MP4)データを記憶する。USBメモリ100に代えて、SDメモリで構成してもよい。
【0044】
これにより、出力バッファ20から出力装置15に対して、所定の画像フォーマットに準拠した静止画データ(JPEG)もしくは動画(MP3)データを出力することができる。
【0045】
なお、撮像装置本体は、保守管理者が操縦するドローンに取り付けることで、無線操縦により高所にある電気設備を近距離で撮像できるように構成してもよい。
【0046】
本実施形態によれば、画像合成ユニット14による紫外線画像データと、可視光画像データとを並行処理するとともに、それぞれの画像データを重ね合わせ処理することで所望とする電気設備上で発生しているコロナ放電箇所とを重ね合わせた検査画像を即座に確認することができる。
【0047】
図5は、
図4に示した画像処理プロセッサ19Bによる画像処理プロセスを説明するブロック図である。
【0048】
図4に示す画像処理プロセッサ19Bにおいて、ビームスプリッタ11で分光された紫外線画像に対して、後述する画像処理システムがグレースケール画像へ変換する画像処理プロセスP1を実行する。
【0049】
次に、画像処理プロセッサ19Bは、画像処理プロセスP1により処理されたグレースケール画像に対して適応的な閾値処理に基づく二値化処理をフレーム単位に行う画像処理プロセスP2を実行する。
【0050】
ここで、画像処理プロセッサ19Bは、二値化した画像データを、既に二値化処理された事前の画像クラス(連続フレーム長さN)に追加する処理を行い、連続フレーム長さNより大きいと判断した場合、最初のフレームが削除され、最新クラスの二値画像データがRAM19Aに保存される。
【0051】
次に画像処理プロセッサ19Bは、RAM19Aに保存された二値画像データに対して空間領域確率する画像処理プロセスP3を実行する。具体的には、画像プロセッサがRAM19Aに記憶された二値画像データを分析し、指定された領域内に様々な座標点の確率を演算してその結果をカウント処理した確率画像データをワークメモリ上に生成する。
【0052】
次に、画像処理プロセッサ19Bは、イメージフィルタリング処理として、RAM19A上に記憶された確率画像データに対して各座標点値がこの位置での信号発生の確立であると認識し、画像データの各ピクセルのグレー値と対応する座標点の発生確率を掛け合わせてRAM19A上に出力画像データを生成する画像処理プロセスP3を実行する。
【0053】
これにより、RAM19A上に生成された出力画像データは、
図1に示した画像合成ユニット14に引き渡される。
【0054】
次に、画像処理プロセッサ19Bは、機械学習を行う、例えばGoogleNetを起動する。
【0055】
ここで、GoogleNet(商標)は、複数の畳み込み層(入力された元の画像を畳み込み処理する層)やpooling層(重要な情報を保持したまま入力された元の画像を縮小する層)で構成されたInceptionモジュールという小さなネットワークを作成する処理を実行する。このInceptionモジュールをさらに重ねていくことで1つの大きな畳み込みニューラルネットワークを構成する特徴を備えている。
【0056】
次に、画像処理プロセッサ19Bは、機械学習を行う、例えばGoogleNetを起動して、RAM19A上に生成された出力画像データに対して、特定の画像処理を行う。
【0057】
具体的には、画像処理プロセッサ19Bは、ワークメモリ上で可視光画像データと紫外線画像データとのレジストレーションを行う。その際、画像処理プロセッサ19Bは、ウェブレット変換処理を実行することで、それぞれの画像データを融合する画像処理をRAM19A上で行う。
【0058】
これにより、背景ノイズの影響を受けずに、同一対象の可視画像データを重ね合わせることで、本来視覚的には確認できない電気設備上でコロナ放電している箇所を画像として視覚的に認識でき、迅速に電気設備の保守作業者に適切な指示を提供することができる。
【0059】
図6~
図8は、本実施形態を示す撮像装置で処理される画像データの一例を説明する概念図である。
図6は、
図1に示した第1の撮像部25から出力される第1の画像データ22に対応し、
図7は、
図1に示した第2の撮像部26から出力される第2の画像データ23に対応し、
図8は、
図1に示した画像合成ユニット14から出力される第3の画像データ24に対応する。
なお、
図6において、P-1は、碍子P-2の欠損部を示し、コロナ放電が発生し得ると想定されるが、可視光で撮影してもコロナ放電領域を特定されない状態を示している。
一方、
図7において、P―2-1~P-2-7はコロナ放電を捉えた第2の画像データ23に対応し、サイズの異なるコロナ放電が発生している状態を示している。
さらに、
図8において、P―3-1~P-3-7は、碍子P-2の画像データと、第2の画像データP―2-1~P-2-7とを重ね合わせた合成画像データ(第3の画像データ)の状態を示し、具体的には、
図6に示す第1の画像データと、
図7に示す第2の画像データとを位置合わせした状態の重ね合わせ画像に対応する。
このように、高圧電気設備の背景画像上に、コロナ放電領域を特定する第3の画像データを重ね合わせて表示することで、保守管理者(撮像装置21を操作した操作者)は、液晶ディスプレイ21-4上でコロナ放電箇所を鮮明な画像(動画、静止画)として確認することができる。
これにより、保守管理者は、保守管理すべき高圧電気設備が広範囲に及ぶ場合でも、保守管理対象となる高電圧電気設備を撮像装置で撮像する簡単な操作で、コロナ放電箇所を容易に特定することができる。
【0060】
〔コロナ放電画像と背景画像との重ね合わせ処理〕
図9は、本実施形態を示す撮像装置における画像処理例を説明するフローチャートである。なお、(1)~(9)は各ステップを示し、各ステップは、
図4に示した画像処理プロセッサ19BがROM64に記憶された画像処理プログラムを実行することで実現される。
【0061】
なお、電気設備を保守する担当者は、撮像装置を携帯して、指示された送電設備に赴き、指定された撮影ポイントから電気設備上で注目すべき箇所にフォーカスしたら、図示しないシャッタボタンを操作するものとする。さらに、撮像する画像サイズ、例えばn×mピクセルで構成される画素領域単位で静止画または動画を撮影可能に構成されている。
【0062】
まず、保守管理者は、
図3に示す撮像装置を点検すべき高圧の電気設備が配置された位置まで携帯して移動する。
【0063】
ここで、保守管理者は、撮像装置本体の電源を投入してスタンバイ状態に移行するのを待って、撮影可となったら、撮影モードを操作部で設定する。ここで、撮影モードとして、静止画撮影する静止画モードと、動画モードの2種類を選択的に設定することが可能である。
そこで、画像処理プロセッサ19Bは、選択された撮影モードが静止画モードであるか、動画モードであるかを判断する(1)。
【0064】
ここで、静止画モード(第1の撮影モード)が選択されたと判断した場合、画像処理プロセッサ19Bは、RAM19Aに第1のワークメモリ(2)を確保し、ステップ(4)へ進む。
【0065】
一方、ステップ(1)で、動画モード(第2の撮影モード)が選択されたと判断した場合、画像処理プロセッサ19Bは、RAM19Aに第2のワークメモリ(3)を確保し、ステップ(4)へ進む。
【0066】
次に、撮影開始ボタンが押下されたことを確認したら(4)、
図1に示したビームスプリッタ11に入光する光線が入射光(可視光線)であるか、紫外線であるかにより光路が分光され(5)、分光された光線が可視光線である場合、画像処理プロセッサ19Bは、可視光線が第1の光学系(6)を通過して第1のCCDイメージセンサ13に結像し(7)、該カラー画像データに対して、所定の色空間変換処理を実行する(8)。
【0067】
具体的には、画像処理プロセッサ19Bは、可視光線に基づくカラー画像データを所定量のグレースケールへの変換がなされた後、画像処理プロセッサ19Bは、適応的な閾値処理により二値化処理を実行する。
【0068】
次に、画像処理プロセッサ19Bは、二値化処理された画像データを可視光線に基づく第1の画像データとしてRAM19A上に生成する(8)。
一方、ステップ(5)で、
図1に示したビームスプリッタ11に入光する光線が紫外線である場合、ステップ(9)へ進む。
【0069】
次に、
図1に示したビームスプリッタ11に入光する光線が紫外線の場合は、第2の光学系処理がなされた後(9)、紫外線画像を第2のCCDイメージセンサ18に結像する(10)。次に、画像処理プロセッサ19Bは、第2のCCDイメージセンサ18に結像した紫外線画像データを読み出して、所定の画像処理を行い第2の画像データを生成する(11)。
なお、ステップ(11)において、画像処理プロセッサ19Bは、紫外線画像データ(第2の画像データ)に対して所定のウェブレット変換処理を実行する第1の画像処理を実行した後、RAM19Aに記憶させる。
【0070】
また、画像処理プロセッサ19Bは、グレースケール画像に適応的な閾値処理を行うことで二値化画像データを生成し、かつ、二値化画像データが事前に確率された画像クラス(連続フレーム長さN)に追加した後、長さがNよりも大きいと判断した場合、最初のフレームを削除し、最新クラスの二値化画像データがRAM19Aに保存される。
【0071】
次に、画像処理プロセッサ19Bは、RAM19Aに展開された可視光線に基づく第1の画像データと、紫外線に基づく第2の画像データとの画素位置とを重ね合わせる合成画像処理を行う(12)。
なお、ステップ(12)において、画像処理プロセッサ19Bは、所定のウェブレット変換処理がなされた紫外線画像データ(第2の画像データ)と、RAM19Aに展開された可視光線に基づく第1の画像データとに対して所定の機械学習画像レジストレーション処理を行わせる第2の画像処理ステップを実行する。
【0072】
次に、画像処理プロセッサ19Bは、可視光線に基づく第1の画像データと、紫外線に基づく第2の画像データとの画素位置とを重ね合わせる合成画像処理(第3の画像処理ステップに対応する)から第3の画像データをRAM19A上に生成したら(13)、画像処理プロセッサ19Bは、第3の画像データを出力バッファ20に展開する(14)。
【0073】
そして、画像処理プロセッサ19Bは、接続される出力装置15に出力バッファ20に展開された第3の画像データを出力して(15)、処理を終了する。
これにより、出力装置15上では、
図3に示した電気設備画像上に放電箇所を特定するコロナ放電画像を重ね合わせた状態で出力することができる。
なお、出力装置15は、表示装置であってもよいし、印刷装置、画像データ送信装置であってもよい。
【0074】
また、ドローンに本実施形態を示す撮像装置を取り付けた場合には、ドローン側に設けるSDメモリユニットに装着したSDメモリに動画または静止画として録画しておくことで、事後的に情報処理装置でSDメモリを読み込むことで、第3の画像データを検証することも可能となる。
【0075】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、通常の紫外線が照射される環境において、通常視認できない高圧電気的設備で発生している放電箇所を鮮明な検査画像として出力することで、電気設備の保守点検作業の負担を軽減し、放電箇所を鮮明な画像としてすることが適切な部品交換作業、清掃作業、保守作業を効率よく行える。
【0076】
なお、機動性に優れたドローンや無線操縦ヘリコプタを保守点検者が操縦することで、本実施形態に示す撮像装置を装着したドローンが高圧電線鉄塔周辺を空撮するという構成で、従来の保守管理負担を大幅に削減することができる。
【0077】
また、機動性に優れたドローンが備えるGPS機能を利用して、撮影した電気設備の位置を生成した第3の画像データに紐づけて管理することで、複数の電気設備において撮影した複数の点検箇所を一元管理することも可能となる。
【0078】
本実施形態に示す撮像装置は、停電しない、非接触、リアルタイム、触感的可視化、範囲が広いという特徴を備えるため、発電・送電・変電・配電などの電力設備のコロナ放電から放射された紫外線光子の見地を通じて、絶縁劣化、環境や汚染による絶縁低下、構造結果、設置不良などの箇所を迅速に特定でき、フラッシュオーバーなどの深刻な事故を未然に防止し、設備運行の信頼性を高めることが可能となる。
【0079】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本実施形態に示す小型軽量の撮像装置によれば、電力、重電、鉄道、化学石油などの各業界で最も理想的な常用電力設備の定期点検ツールとし期待される。
【0081】
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
(1) 1つの入射レンズを介して入射する被写体の入射光を撮像処理する撮像装置であって、前記入射光のうち可視光線を通過させる第1の光路系と、前記入射光のうち紫外線を通過させる第2の光路系とに光路を分離するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにより分離された可視光線を、可視光レンズを介して撮像する第1のイメージセンサと、前記ビームスプリッタにより分離された紫外線を、紫外線レンズおよび紫外線バンドパスフィルタを介して撮像する第2のイメージセンサと、前記第2のイメージセンサが撮像した紫外線画像データに対して特定のイメージ処理を実行する画像処理ユニットと、前記第1のイメージセンサが撮像した可視画像データと、前記画像処理ユニットから出力される紫外線画像データとを合成して出力画像データを生成する画像合成ユニットと、を携帯可能な筐体に収容し、さらに、前記出力画像データをドローンに装着可能なSDメモリに録画可能とし、かつ、前記画像合成ユニットが行う特定の画像処理は、前記可視画像データと前記紫外線画像データとに対する所定の機械学習画像レジストレーション処理することを特徴とする。
【0082】
(2)前記画像合成ユニットがさらに行う特定の画像処理は、前記紫外線画像データに対するノイズ除去処理であることを特徴とする。
【0084】
(3)前記画像合成ユニットが合成した出力画像データを可視化して出力する出力手段を備えることを特徴とする。
【0085】
(4)前記入射レンズは、複数の焦点レンズ群で構成したことを特徴とする。
【0086】
(5)前記複数の焦点レンズ群は、広角側に焦点する第1のレンズ群と、望遠側に焦点する第2のレンズ群とから構成し、焦点位置を広角側または望遠側に位置へ切り替え可能に構成したことを特徴とする。
【0087】
(6)前記電気設備を撮像する際、選択される動画モードと、静止画モードとのいずれかを設定するモード設定手段を備えることを特徴とする。
【0088】
(7) 1つの入射レンズを介して入射する被写体の入射光を撮像処理する装置の制御方法であって、前記入射光のうち可視光線を通過させる第1の光路系と、前記入射光のうち紫外線を通過させる第2の光路系とに光路を分離するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタにより分離された可視光線を、可視光レンズを介して撮像する第1のイメージセンサと、前記ビームスプリッタにより分離された紫外線を、紫外線レンズおよび紫外線バンドパスフィルタを介して撮像する第2のイメージセンサと、前記第2のイメージセンサが撮像した紫外線画像データに対して特定のイメージ処理を実行する画像処理ユニットと、前記第1のイメージセンサが撮像した可視画像データと、前記画像処理ユニットから出力される紫外線画像データとを合成して出力画像データを生成する画像合成ユニットと、を携帯可能な筐体に収容し、前記画像処理ユニットは、前記紫外線画像データに対して所定の画像処理を実行する第1の画像処理ステップを備え、前記画像合成ユニットは、前記可視画像データと前記所定の画像処理が実行された紫外線画像データとに対して所定の機械学習画像レジストレーション処理を行わせる第2の画像処理ステップと、前記所定の機械学習画像レジストレーション処理が実行された第1の画像データと、第2の画像データとの画素位置とを重ね合わせる第3の画像処理ステップと、を備え、前記出力画像データをドローンに装着可能なSDメモリに録画可能とすることを特徴とする。
【符号の説明】
【0089】
11 ビームスプリッタ
12 可視光レンズ
16 紫外線レンズ
17 UVバンドパスフィルタ
13 第1のCCDイメージセンサ
18 第2のCCDイメージセンサ
19 画像処理ユニット