(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】歯面着色画像データを活用した非対面の歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムとその方法
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240227BHJP
【FI】
G16H20/00
(21)【出願番号】P 2022176540
(22)【出願日】2022-11-02
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0150572
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522430671
【氏名又は名称】カイアイ カンパニー インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン ビョンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ミリ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ホジョン
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-155027(JP,A)
【文献】特開2021-074030(JP,A)
【文献】特開2012-157683(JP,A)
【文献】特開2019-036188(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0179089(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0134440(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0279871(US,A1)
【文献】国際公開第2020/080819(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第113257372(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112802599(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理サーバ、ユーザ端末、及び病院サーバが有線・無線ネットワークを介して連結されて構築された、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムにおいて、
前記ユーザ端末は、ユーザの個人情報、口腔衛生行動データ及び口腔問診データを格納する個人口腔衛生DB、及び
前記ユーザが
前記ユーザの歯面を撮影した歯面着色画像を格納するユーザ歯面着色画像DB、を含み、
前記病院サーバは、
前記ユーザの口腔検診及び診療の関連情報を格納する歯科検診情報DB、及び専門家が
前記ユーザの歯面を撮影した専門家歯面着色画像を格納する専門家歯面着色画像DB、を含み、
前記管理サーバは、
前記ユーザ端末の個人口腔衛生DBから受信した個人口腔衛生データ、前記ユーザ端末のユーザ歯面着色画像DBから受信したユーザ歯面着色画像、前記病院サーバの前記歯科検診情報DBから受信した歯科検診情報、及び前記病院サーバの前記専門家歯面着色画像DBから受信した専門家歯面着色画像、を含む、口腔医療データを格納する口腔医療DB、
前記口腔医療DBからの口腔医療データを分析して
前記ユーザの歯牙う蝕危険度を予測する演算処理部、及び
前記演算処理部のデータ分析及び予測の結果を視覚化してレポートを作成し、ユーザ個別のパーソナライズ口腔管理教育及び口腔管理用品の処方を提供するレポートを作成するレポート生成部、
を含むことを特徴とする歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項2】
前記演算処理部は、前記口腔医療DBからの口腔医療データを前処理及び正規化し、データラベリングを行った後、ラベリングしたデータを分析して歯牙う蝕危険度を予測することを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項3】
前記演算処理部は、機械学習を用いる人工知能(AI)分析モジュールであることを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項4】
前記データの前処理及び正規化、並びにデータラベリングは、サポートツールを用いることを特徴とする、請求項2に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項5】
前記ユーザ歯面着色画像は、
前記ユーザが一般の歯面着色剤を
前記ユーザの歯牙に塗布し、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜を選択的に染色したものを撮影した画像であることを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項6】
前記専門家歯面着色画像は、口腔専門家が専門家用歯面着色剤を
前記ユーザの歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜を選択的に染色したものを撮影した画像であることを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項7】
前記演算処理部は、ユーザ歯面着色画像の分析時、ユーザ歯面着色画像において全歯の着色比率、上下左右の各領域ごとの着色比率、及び個々の歯牙の着色比率を計算して、
前記ユーザの歯磨き時の磨き残しのある部位と、それに基づいた歯磨き習慣と、を分析して提供することを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項8】
前記演算処理部は、前記口腔医療DBからの口腔医療データをネットワーク化する分析により歯牙う蝕危険度を予測することを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項9】
前記演算処理部における前記口腔医療DBからの口腔医療データの分析は、反復的な人工知能(AI)学習により人工知能(AI)モデルを完成してなることを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項10】
前記口腔衛生行動データは、
前記ユーザから収集した一定周期ごとに繰り返される歯のブラッシング、デンタルフロスの使用、うがい、禁煙、禁酒、フッ素利用法、及び食習慣のいずれか一つ以上のデータを含むことを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項11】
前記口腔問診データは、
前記ユーザから、図式化された歯列式の入力画面を介して、収集したう蝕予想歯面、う蝕経験歯面、破折歯、しみる歯の関連情報のいずれか一つ以上の情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項12】
前記演算処理部が前記歯面着色画像を前処理及び正規化し、データラベリングを行う時に、個々の歯牙に対する5点尺度の口腔衛生管理能力(PHP)スコア又はプラークパーセント指数(PPI)を付与するラベリングが行われることを特徴とする、請求項2に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項13】
前記ユーザ端末に格納されるユーザ歯面着色画像は、一定周期ごとに格納されてもよいことを特徴とする、請求項1に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム。
【請求項14】
管理サーバ、ユーザ端末、及び病院サーバが有線・無線ネットワークを介して連結されたシステム
によって行われる、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法であって、
前記管理サーバに、前記ユーザ端末から受信した口腔衛生行動データ及び口腔問診データを含む個人口腔衛生データと、前記病院サーバから受信した歯科検診情報とを含む口腔医療関連データと、を格納するデータベース
が構築
されるステップ;
前記データベースに
前記病院サーバから受信される、専門家がユーザの歯面を撮影した専門家歯面着色画像及び
前記ユーザ端末から受信される、前記ユーザが前記ユーザの歯面を撮影したユーザ歯面着色画像
が入力
されるステップ;
前記データベースに格納されているそれらデータを
前記管理サーバの人工知能(AI)分析モジュール
によって分析し、歯牙う蝕危険度を予測するステップ;及び
前記管理サーバによって前記分析及び予測の結果を視覚化してレポートを作成するステップ;
を含むことを特徴とする歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【請求項15】
前記データベースに格納されているデータを人工知能(AI)分析モジュール
によって分析し、歯牙う蝕危険度を予測するステップは、前記データベースに格納されているデータを前処理及び正規化し、データラベリングを行った後、ラベリングしたデータを分析して歯牙う蝕危険度を予測することを特徴とする、請求項14に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【請求項16】
前記データの前処理及び正規化、並びにデータラベリングは、サポートツールを用いることを特徴とする、請求項15に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【請求項17】
前記ユーザ歯面着色画像は、
前記ユーザが一般の歯面着色剤を歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜を選択的に染色したものを撮影した画像であることを特徴とする、請求項14に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【請求項18】
前記専門家歯面着色画像は、口腔専門家が専門家用歯面着色剤を歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜を選択的に染色したものを撮影した画像であることを特徴とする、請求項14に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【請求項19】
前記人工知能(AI)分析モジュール
によってユーザ歯面着色画像を分析する時に、ユーザ歯面着色画像において全歯の着色比率、上下左右の各領域ごとの着色比率、及び個々の歯牙の着色比率、歯牙内の領域ごとの着色比率(歯肉側、切縁側など)を計算し、
前記ユーザの歯磨き時の磨き残しのある部位と、それに基づいた歯磨きの習慣と、を分析して提供することを特徴とする、請求項15に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【請求項20】
前記人工知能(AI)分析モジュールは、前記データベースに格納されているデータをネットワーク化する分析によって、歯牙う蝕危険度を予測することを特徴とする、請求項15に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【請求項21】
前記口腔衛生行動データは、
前記ユーザから収集した一定周期ごとに繰り返される歯のブラッシング、デンタルフロスの使用、うがい、禁煙、禁酒、フッ素利用法、及び食習慣のいずれか一つ以上のデータを含むことを特徴とする、請求項14に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【請求項22】
前記口腔問診データは、
前記ユーザから、図式化された歯列式の入力画面を介して収集したう蝕予想歯面、う蝕経験歯面、破折歯、しみる歯の関連情報のいずれか一つ以上の情報を含むことを特徴とする、請求項14に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【請求項23】
前記ユーザ歯面着色画像は、一定周期ごとに入力されてもよいことを特徴とする、請求項14に記載の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムとその方法に関するもので、各歯牙ごとのう蝕危険度を評価するにあたって、ユーザの歯面着色画像を介した歯牙別のう蝕危険度をネットワーク化して、判断することを特徴とする。具体的には、収集された口腔医療データの前処理及び正規化、データラベリング(data labeling)過程の後、ネットワークアルゴリズムによって最終評価し、評価された歯牙う蝕の危険度に応じて、ユーザの端末を通じたユーザ個別のパーソナライズ口腔管理教育、及び口腔管理用品の処方などの非対面サービスを提供して、ユーザの口腔健康増進及び口腔疾患の予防を補助する、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムとその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食生活の西欧化による口腔疾患の増加で、韓国の12歳の虫歯経験の永久歯の数は1.8個で主要先進国の1.2個と比べると高い水準である。また、口腔の疾患によって個人及び社会的な負担が加重されるものであるが、韓国内の外来診療の多頻度傷病現況の順位内に口腔関連が2つの傷病が含まれており、この中で1位が歯牙及び歯周疾患として現れ、12位が歯牙う蝕症(虫歯)として現れた。
【0003】
このような歯牙う蝕症の防止のためには、永久歯が萌出する6歳~12歳の口腔衛生管理が非常に重要で、個人に各歯牙ごとの歯牙う蝕危険度を案内する必要がある。従来のう蝕経験永久歯(DMFT)の分析法は、各歯牙の番号別のう蝕の状態、欠損の有無、充填の有無を総合して、当該歯牙う蝕経験の有無を判断する。すなわち、虫歯が生じた永久歯(う蝕歯)の数、抜けた永久歯(喪失歯)の数、充填治療を受けた永久歯(充填歯)の数などを合算してう蝕経験永久歯(DMFT)指数を算出した。しかしながらう蝕経験永久歯(DMFT)指数を算出する方法は、歯牙う蝕症を治療するための目的の介入であって、将来の歯牙う蝕症の進行を予測及び評価して、歯牙う蝕に関する予防的処置及び介入をするのに不十分であり、歯牙う蝕に関連した危険度を客観的に算出するシステムが不足しているのが現状である。
【0004】
特に、COVID-19による「 ソーシャルディスタンス」、「飛沫による感染の懸念」などで歯科病院を訪問する率が大幅に下落し、自身で口腔管理が困難な児童及び生徒は、定期的な歯科検診及び診療を受けろことができず、口腔の健康が悪化したり、歯科診療が必要な状況でも治療を受けられない事例が増加している。また、所得水準などによる社会経済的な格差によって口腔の健康の不平等が存在する。一方、COVID-19の予防のため、健康、清潔、衛生に対する関心が高まり、特にCOVID-19が呼吸器を通じて感染するという事実の認識の広がりで、歯磨き粉、歯ブラシ、洗口剤等口腔管理用品の売上が大きく増加している。このように、COVID-19による歯科の訪問が困難な状況にあって、口腔疾患の予防及び管理のための口腔管理用品及び口腔管理の方法に対する関心が高まっている。
【0005】
したがって、ユーザに歯牙う蝕危険度を予測して案内し、それに基づいて、非対面のユーザ個別のパーソナライズ口腔管理教育、及び口腔管理用品処方などを提供するシステムが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述のような問題点を解決するために案出されたもので、個人別の歯牙う蝕危険度を評価し、それに基づいて、ユーザの端末を通じてのユーザ個別のパーソナライズ口腔管理教育、及び口腔管理用品の処方等の非対面サービスを提供して、ユーザの口腔健康の増進及び口腔疾患の予防を補助する、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムとその方法を提供することを目的とする。それによって、家庭でも専門の口腔衛生管理及び口腔疾患の予防管理を実現し、専門の口腔管理サービスから疎外された脆弱層までを包括可能なアクセシビリティ、便宜性、専門性の保障された、デジタル口腔管理サービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例に係る管理サーバ、ユーザ端末、及び病院サーバが有線・無線ネットワークを介して連結され構築された、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムにおいて、前記ユーザ端末は、ユーザの個人情報、口腔衛生行動データ及び口腔問診データを格納する個人口腔衛生DB、及びユーザが撮影した歯面着色画像を格納するユーザ歯面着色画像DBを含み、前記病院サーバは、ユーザの口腔検診及び診療の関連情報を格納する歯科検診情報DB、及び専門家が撮影した専門家歯面着色画像を格納する専門家歯面着色画像DBを含み、前記管理サーバは、前記ユーザ端末の個人口腔衛生DBから受信した個人口腔衛生データ、前記ユーザ端末のユーザ歯面着色画像DBから受信したユーザ歯面着色画像、前記病院サーバの前記歯科検診情報DBから受信した歯科検診情報及び前記病院サーバの前記専門家歯面着色画像DBから受信した専門家歯面着色画像を含む口腔医療データを格納する口腔医療DB、前記口腔医療DBからの口腔医療データを分析して、ユーザの歯牙う蝕危険度を予測する演算処理部、及び前記演算処理部のデータ分析及び予測の結果を視覚化してレポートを作成し、ユーザ個別のパーソナライズ口腔管理教育及び口腔管理用品の処方を提供するレポートを作成するレポート生成部、を含むことを特徴とする。
【0008】
前記演算処理部は、前記口腔医療DBからの口腔医療データを前処理及び正規化し、データラベリングを行った後、ラベリングしたデータを分析して歯牙う蝕危険度を予測することを特徴とする。
【0009】
前記演算処理部は、機械学習を用いる人工知能(AI)分析モジュールであることを特徴とする。
【0010】
前記データの前処理と正規化、及びデータラベリングは、サポートツール(supporting tool)を用いることを特徴とする。
【0011】
前記ユーザ歯面着色画像は、ユーザが一般の歯面着色剤を歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜を選択的に染色したものを撮影した画像であることを特徴とする。
【0012】
前記専門家歯面着色画像は、口腔専門家が専門家用歯面着色剤を歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜を選択的に染色したものを撮影した画像であることを特徴とする。
【0013】
前記演算処理部は、ユーザ歯面着色画像の分析時、ユーザ歯面着色画像において全歯の着色比率、上下左右の各領域ごとの着色比率、及び個々の歯牙の着色比率を計算して、ユーザの歯磨き時の磨き残しのある部位と、それに基づいた歯磨きの習慣と、を分析して提供することを特徴とする。
【0014】
前記演算処理部は、前記口腔医療DBからの口腔医療データをネットワーク化する分析により歯牙う蝕危険度を予測することを特徴とする。
【0015】
前記演算処理部における前記口腔医療DBからの口腔医療データの分析は、反復的な人工知能(AI)学習により人工知能(AI)モデルを完成してなることを特徴とする。
【0016】
前記口腔衛生行動データは、ユーザから収集した一定周期ごとに繰り返される歯のブラッシング、デンタルフロスの使用、うがい、禁煙、禁酒、フッ素利用法、及び食習慣のいずれか一つ以上のデータを含むことを特徴とする。
【0017】
前記口腔問診データは、ユーザから、図式化された歯列式の入力画面を介して収集されたう蝕予想歯面、う蝕経験歯面、破折歯、しみる歯の関連情報のいずれか一つ以上の情報を含むことを特徴とする。
【0018】
前記演算処理部が前記歯面着色画像を前処理及び正規化し、データラベリングを行う時に、個々の歯牙に対する5点尺度の口腔衛生管理能力(PHP)スコアまたはプラークパーセント指数(PPI)を付与するラベリングが行われることを特徴とする。
【0019】
前記ユーザ端末に格納されるユーザ歯面着色画像は、一定の周期ごとに格納されてもよいことを特徴とする。
【0020】
本発明の他の実施例に係る管理サーバ、ユーザ端末、及び病院サーバが有線・無線ネットワークを介して連結されたシステムを用いる、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法は、前記管理サーバに、前記ユーザ端末から受信した口腔衛生行動データ及び口腔問診データを含む個人の口腔衛生データと、前記病院サーバから受信した歯科検診情報を含む口腔医療関連データと、を格納するデータベースを構築するステップ;前記データベースに専門家歯面着色画像及びユーザ歯面着色画像を入力するステップ;前記データベースに格納されているデータを人工知能(AI)分析モジュールを用いて分析し、歯牙う蝕危険度を予測するステップ;及び分析及び予測の結果を視覚化してレポートを作成するステップ;を含むことを特徴とする。
【0021】
前記データベースに格納されているデータを人工知能(AI)分析モジュールを用いて分析し、歯牙う蝕危険度を予測するステップは、前記データベースに格納されているデータを前処理及び正規化し、データラベリングを行った後、ラベリングしたデータを分析して歯牙う蝕危険度を予測することを特徴とする。
【0022】
前記データの前処理と正規化、及びデータラベリングは、サポートツールを用いることを特徴とする。
【0023】
前記ユーザ歯面着色画像は、ユーザが一般の歯面着色剤を歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜を選択的に染色したものを撮影した画像であることを特徴とする。
【0024】
前記専門家歯面着色画像は、口腔専門家が専門家用歯面着色剤を歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜を選択的に染色したものを撮影した画像であることを特徴とする。
【0025】
前記人工知能(AI)分析モジュールを用いてユーザ歯面着色画像を分析する時に、ユーザ歯面着色画像において、全歯の着色比率、上下左右の各領域ごとの着色比率、及び個々の歯牙の着色比率、歯牙内の領域ごとの着色比率(歯肉側、切縁側など)を計算し、ユーザの歯磨き時に磨きのこしのある部位と、それに基づいた歯磨き習慣と、を分析して提供することを特徴とする。
【0026】
前記人工知能(AI)分析モジュールは、データベースに格納されているデータをネットワーク化する分析によって、歯牙う蝕危険度を予測することを特徴とする。
【0027】
前記口腔衛生行動データは、ユーザから収集した一定周期ごとに繰り返される歯のブラッシング、デンタルフロスの使用、うがい、禁煙、禁酒、フッ素利用法、及び食習慣のいずれか一つ以上のデータを含むことを特徴とする。
【0028】
前記口腔問診データは、ユーザから、図式化された歯列式の入力画面を介して収集されたう蝕予想歯面、う蝕経験歯面、破折歯、しみる歯の関連情報のいずれか一つ以上の情報を含むことを特徴とする。
【0029】
前記ユーザ歯面着色画像は、一定の周期ごとに入力されてもよいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムとその方法は、ユーザに歯牙う蝕危険度を予測して案内し、それに基づいて、非対面のユーザ個別のパーソナライズ口腔管理教育及び口腔管理用品の処方などを提供することができる。すなわち、口腔医療データと歯面着色画像データとに基づいて脆弱疾患と口腔衛生状態を統合的に分析し、個別の口腔衛生状態に応じたパーソナライズ口腔管理方法及び口腔管理用品の処方箋を提供し、歯ブラシ・歯磨き粉など口腔管理用品の替え時、検診時期などを記録して管理する専門の口腔管理サービスを提供することができる。また、ユーザの口腔健康増進及び口腔疾患の予防を補助するシステムを用いて、パーソナライズ予防教育、口腔診療案内、事後管理プログラムなどのサービスを提供して、口腔疾患に伴う個人及び社会的な負担を緩和することができ、全体的なユーザの口腔健康を増進する効果を提供する。
【0031】
また、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムにより、口腔健康モニタリング体系を構築することができ、口腔医療データの活用による事務手続き業務の効率化及び自動化を達成すること、各地方自治体において独自に行う口腔健康実態調査費用を節減すること、口腔健康実態の効率的な分析をすることが可能となる。
【0032】
また、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムを通じて、サービス提供者中心の、画一化された口腔管理サービスから、医療データと口腔衛生習慣データの分析により個人に特化したパーソナル口腔管理サービスへとサービスを提供することができ、所得、社会的、経済的な立場の違いによって不平等に提供されてきた歯科医療サービスを大衆的に提供して、医療の社会的な格差の縮小に寄与することができる。
【0033】
また、従来歯科を訪問しなければ受けられなかった口腔管理サービスを、時間、空間の制約なく、携帯電話のアプリケーションを介して口腔衛生データの分析を受けることができ、それに応じたパーソナライズの教育コンテンツ及び用品の提供を受けることができ、治療内容の説明、注意事項及び口腔衛生の管理方法の教育による医療スタッフの診療時間を、アプリケーションでのコンテンツと視覚化した資料によって短縮させることができ、散発的な患者の口腔管理データをリアルタイムでモニタリングできるシステムを通じて、より効率的な患者管理(CRM)ができるようになる。患者が病院で検診及び治療を受けた後、自分の撮影データを家庭で定期的に蓄積することで、治療後の事後管理(follow up check)をより効率的に提供することもできる。
【0034】
また、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムにより、パーソナライズ口腔管理アプリケーションを通じての医療データベースの専門的かつ大衆的な管理サービスでユーザの口腔疾患を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムの一実施例である。
【
図2】
図2は、
図1の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムの各構成要素を示す図であり、管理サーバを示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムの各構成要素を示す図であり、ユーザ端末を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図1の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムの各構成要素を示す図であり、病院サーバを示すブロック図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明により収集されたユーザの歯面着色画像を前処理及び正規化する過程を示す図であり、染色された歯面細菌膜を撮影した画像を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、本発明により収集されたユーザの歯面着色画像を前処理及び正規化する過程を示す図であり、歯牙領域(関心領域)のみを抽出するため、検出した歯牙領域マスク(mask)を示す図である。
【
図5C】
図5Cは、本発明により収集されたユーザの歯面着色画像を前処理及び正規化する過程を示す図であり、歯牙領域マスクにより検出された歯牙領域(関心領域)のみを示す図である。
【
図5D】
図5Dは、本発明により収集されたユーザの歯面着色画像を前処理及び正規化する過程を示す図であり、分離された個々の歯牙を示す図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施例に係るサポートツールの機能フローチャートである。
【
図7】
図7は、本発明の一実施例に係る歯面着色画像を介して歯牙う蝕危険度を診断するための各歯牙ごとのう蝕危険度ネットワークを示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施例に係る歯牙う蝕危険度のネットワーク分析方法を示す概略概念図である。
【
図9】
図9は、本発明の一実施例に係る前記歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度及びプラークの検査結果を含むレポートをユーザ端末に視覚化して表示した一例である。
【
図10】
図10は、本発明の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムの構成図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施例に係る管理サーバ、ユーザ端末、及び病院サーバが有線・無線ネットワークを介して連結されたシステムを用いる、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、添付の図を参照して本明細書に開示された実施例を詳説するが、各番号及び符号にかかわらず、同一または類似の構成要素には同一の参照番号及び符号を付け、重複する説明は省略する。
【0037】
また、本明細書に開示された実施例を説明するにあって、関連する公知技術の具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、添付の図は、本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためだけのものであって、添付の図によって本明細書に開示される技術的思想が限定されるものでなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むと理解されるべきである。
【0038】
図1は、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムの一実施例である。
図2~
図4は、
図1の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムの各構成要素を示すブロック図である。
【0039】
図1を参照すると、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム1は、管理サーバ100、ユーザ端末200及び病院サーバ300が有線・無線ネットワーク10を介して連結されている。
【0040】
前記管理サーバ100は、口腔医療DB(データベース)110、演算処理部120、レポート生成部130、管理サーバ送受信部140、及びサービス加入者認証部150を含む。
【0041】
前記ユーザ端末200は、個人口腔衛生DB210、ユーザ歯面着色画像DB220、端末抽出部230、及び端末送受信部240を含む。
【0042】
前記病院サーバ300は、専門医療機関のサーバであってもよく、歯科検診情報DB310、専門家歯面着色画像DB320、病院サーバ抽出部330、及び病院サーバ送受信部340を含む。
【0043】
図2~
図4を参照すると、前記口腔医療DB110は、前記病院サーバ300から受信したユーザの口腔検診及び診療結果のデータが格納されている歯科検診情報DB111、専門家によって撮影された専門家歯面着色画像が格納されている専門家歯面着色画像DB112、前記ユーザ端末200から受信したユーザの口腔衛生行動に関するデータ及び口腔問診データが格納されている個人口腔衛生DB113、及びユーザが撮影したユーザ歯面着色画像が格納されているユーザ歯面着色画像DB114を含む。したがって、口腔医療DB110は、ユーザの歯牙う蝕情報、歯牙欠損情報、歯牙別充填情報などを含む歯科検診情報、専門家歯面着色画像、ユーザの個人口腔衛生データ及びユーザ歯面着色画像などを格納する。前記口腔医療DB110に格納されるデータは、歯牙う蝕危険度評価のために演算処理部120へ抽出されることができる。
【0044】
本実施例においては、前記歯科検診情報DB111、前記専門家歯面着色画像DB112、前記個人口腔衛生DB113、及び前記ユーザ歯面着色画像DB114と区分されているが、必ず区分されるべきでものはなく、一つのDBとして統合されたり、さまざまな形態に区分されたりすることもできる。
【0045】
まず、前記歯科検診情報DB111は、前記病院サーバ300からユーザの口腔検診及び診療の結果と、ユーザの口腔衛生行動に対する評価に関しての情報とを収集及び格納する。
【0046】
具体的には、前記歯科検診情報DB111は、病院(専門医療機関)から収集した歯牙別のう蝕歯、欠損歯、口内炎及び軟組織疾患、不正咬合、歯周疾患(歯肉出血、肥大、歯石形成、歯周嚢形成、その他の症状)、顎関節異常、歯磨耗症、フッ素塗布、歯牙別充填情報、歯石除去、その他の口腔衛生状態などの歯牙診療情報データと、ユーザの口腔衛生行動に関する評価データを格納する。前記口腔衛生行動に関する評価データは、ユーザから収集した一定周期ごとに繰り返される歯のブラッシング、デンタルフロスの使用、うがい、禁煙及び禁酒、フッ素利用法、及び食習慣などの情報に対する評価情報が該当し得る。
【0047】
前記専門家歯面着色画像DB112は、前記病院サーバ300から提供された歯面着色画像に関するデータを格納したものであって、歯科医師または歯科衛生士等の専門家が専門家用歯面着色剤を歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜(プラーク)を選択的に染色したものを撮影した画像を格納する。
【0048】
前記個人口腔衛生DB113は、前記ユーザ端末200を介してユーザから収集した一定周期ごとに繰り返される歯のブラッシング、デンタルフロスの使用、うがい、禁煙及び禁酒、フッ素利用法、食習慣などの口腔衛生行動データと、ユーザから、図式化された歯列式の入力画面を介して収集されたう蝕予想歯面、う蝕経験歯面、破折歯、しみる歯などの情報または口腔健康に関する問診票に対してユーザが作成した口腔問診データと、を格納する。
【0049】
前記ユーザ歯面着色画像DB114は、ユーザが一般の歯面着色剤を歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜(プラーク)を選択的に染色したものを撮影した画像を格納する。ユーザは、携帯電話のカメラとアプリケーションの撮影ガイドを用いて、簡単に前歯部12個の歯を撮影することができ、専用のデバイスを携帯電話に装着して、臼齒部、小臼齒部など、追加の部位を撮影することができる。
【0050】
前記演算処理部120は、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム1の前記管理サーバ100の前記口腔医療DB110に格納されているデータに基づいて、ユーザの歯牙う蝕危険度を診断し評価して、パーソナライズサービスを決定する。
【0051】
このような前記演算処理部120は、前処理及び正規化部121、データラベリング部122、分析部123、及び危険度予測部124を含む。特に、本発明では、前記演算処理部120で機械学習を用いる人工知能(AI)分析モジュールを用いることができる。
【0052】
前記前処理及び正規化部121は、前記口腔医療DB110に格納されているデータを前処理及び正規化する。
【0053】
具体的には、前記口腔医療DB110に格納されているデータは、歯科検診情報、専門家歯面着色画像、口腔衛生行動データ、口腔問診データ、ユーザ歯面着色画像などを含む。
【0054】
表1は、前記口腔医療DB110に格納されているデータの一例を示す。
【0055】
【表1】
前記データの前処理及び正規化は、データを分析及び処理可能な形式に変換する作業である。
【0056】
ユーザの事前同意を得たデータに対して非識別化及び暗号化を行い、仮名化処理(pseudonymization)、データ削除(reduction)、データ範疇化(suppression)過程とデータマスキング(masking)、 併合処理(aggregation)などの過程を経て、非識別化されたデータに変換する。
【0057】
再識別される可能性に対する保護モデルは、本発明の一実施例において、行政安全部(日本の総務省と警察庁に相当)の個人情報非識別措置ガイドラインのk-匿名性、l-多様性、t-近接性のモデルに従うことができ、k、l、tの値は、専門家の検討に基づいて設けることができる。このとき、前記データは、数字、テキスト、画像などの形式として収集され、それらに対する分析のためには、正規化したデータへの変換が必要である。一部のデータがない(null)、NaN(not a number)の場合、これに対する前処理は、削除するか、平均、中央値(median)、最頻値(mode)のいずれかの適切な値に置き換えて処理することができ、非適合データは、削除による非処理を原則とする。異常値(outlier)による分析エラーの防止のため、これを除去することができ、データの95%ないしは99%の範囲にあるデータのみで分析するか、許容範囲を厳密に制限する方法を用いることもできる。
【0058】
正規化(normalization)する方法は、データから平均を減算し標準偏差で除算する方法を使用し、これは、平均を0、標準偏差を1にデータが分布するようにし、その後、追加でデータの範囲に対するスケーリング(scaling)することができる。スケーリングは、範囲を0~1または(-1)~(+1)の間に限定して、複数のカテゴリ別データにより範囲が異なるデータのスケールを標準データに変換する。このような正規化したデータは、前記非正規化データに比べて、演算処理部、すなわち人工知能分析モジュールの性能向上に寄与することができる。テキストデータは、順位のあるテキストと順位のないテキストがあり、順位のある場合は、順序のある数字に変更して処理する。順位のないテキストの場合は、これをグループ(grоup)に分類して各グループごとに数字を付与して処理することができ、この場合の数字は、順位ではなくグループを代表する記号の意味である。画像データの前処理は、関心領域のクロッピング(cropping)、グレースケール変更(Gray-Scale Modification)、カラーチャンネル(color channel)分離などを行い、必要に応じて細部クロッピングや二値化(binary thresholding)などが行われる。
【0059】
図5は、本発明によって収集されたユーザの歯面着色画像を前処理及び正規化する過程を示す図である。
【0060】
図5Aは、染色された歯面細菌膜を撮影した画像をキャプチャしたものであり、
図5Bは、歯牙領域(関心領域)のみを抽出するため、検出した歯牙領域マスク(mask)を示す図であり、
図5Cは、前記歯牙領域マスクにより検出された歯牙領域(関心領域)のみを示す図であり、
図5Dは、分離された個々の歯牙を示す図である。
【0061】
このようなデータの前処理及び正規化の過程の前後に、前記データラベリング部122によるデータラベリングが行われる。
【0062】
ここで、データラベリングは、各データに特定の意味を表示することであって、自動分析及び人工知能学習に用いられる。前記データラベリングは、専門家により行われ、特に、歯科医療データのラベリングは、歯科医師により行われる。本発明の一実施例に係る歯科医療データのラベリングの例として、口腔管理点数、口腔管理方法のカテゴリ分類などがあり、歯面着色画像の場合は、個々の歯牙に対する5点尺度の口腔衛生管理能力(patient hygiene performance、PHP)スコアを付与するか、プラークが歯面にどの程度分布しているかに対するパーセント指数(plaque percent index, PI)を付与するラベリングが行われることができる。様々なラベリングの中で、データの活用目的に応じて、いずれか一つのラベリングまたは複数のラベリングを行うことができる。
【0063】
このとき、歯面着色画像のラベリングの場合、たとえ専門家によって遂行されるものであってもラベリングに長い時間を要するため、これに対するサポートツールを用いることもできる。前記サポートツールは、専門家のラベリング時間を最小限にするため、画像に対する前処理、個々の歯牙の分離、歯の形状及び位置に応じた歯牙番号及び部位(頬面、舌面、咬合面など)の認識、プラークパーセント指数(PPI)の付与のためのプラーク着色比率計算などの機能を遂行して提示することで、専門家が迅速に判断できるように支援する。
【0064】
図6は、本発明の一実施例に係るサポートツールの機能フローチャートである。
【0065】
図6に示すように、生データを前処理した後、歯牙領域を分離し、プラーク着色領域を分離して、専門家にプラークパーセント指数(PPI)を提示し、専門家が判断したプラークパーセント指数と対照して、サポートツールが提示したフラグパーセント指数が適しているかどうかを判断し、フラグパーセント指数が適している場合は、ラベリングを終了する。
【0066】
前記分析部123は、前記データラベリング部により処理されたデータを分析する。
【0067】
具体的には、データ分析は、ユーザの要求又はデータ処理のワークフローから必要な情報のみを抽出するか、複数のデータの組み合わせにより必要なデータ抽出を行うものである。主に遂行する分析方法には、統計分析、主要指標導出、人工知能を用いたスコア導出、人工知能を用いたカテゴリ分類などがある。このとき、テストデータにより精度の検証を行って、高い精度のモデルを用いて分析を行うことができる。
【0068】
本発明の口腔医療データの分析は、う蝕、歯磨き習慣、歯周の状態などを考慮した、口腔危険度スコア及び口腔状態に応じた分類、口腔状態モニタリング情報などを提供する。歯面着色画像の分析は、写真上に見える全歯の着色比率及び上下左右の各領域ごとの着色比率、個々の歯牙、特に上下顎のそれぞれに6個ずつ計12個の前歯の着色比率、歯牙内の領域別着色比率(歯肉側、切縁側など)を提供し、歯磨き時に磨き残しのある部位と、それに基づいた歯磨きの習慣と、を分析して提供する。前記分析は、人工知能(AI)学習を繰り返すことで、人工知能(AI)モデルを完成せしめることができる。
【0069】
前記危険度予測部124では、前記分析部での分析により歯牙う蝕危険度を予測する。本実施例においては、前記分析部123と前記危険度予測部124とは分離されているが、1つのモジュールとして統合することができ、特に、人工知能(AI)モデルを用いて分析及び予測をすることができる。
【0070】
このとき、従来の蝕経験歯(DEMFT)分析法による情報に基づいて、ユーザの歯面着色画像を介して歯牙う蝕危険度を診断するため、歯牙う蝕危険度間のネットワーク構成が重要である。
【0071】
従来のう蝕経験歯(DMFT)分析法は、各歯牙番号ごとのう蝕の状態、欠損の有無、充填の有無を総合して当該歯牙のう蝕経験の有無を判断するが、本発明では、ユーザの歯面着色画像を介した歯牙別のう蝕危険度をネットワーク化して、歯牙う蝕危険度を判断する。う蝕経験歯の分析によって得られた歯牙番号ごとのう蝕経験の有無は、ユーザとう蝕経験歯との間の二分割連結網(bipartite network)の構成に活用する。これに基づいて、う蝕経験歯間のネットワークへ投影(projection)し、う蝕経験歯の間の単一の連結網(single network)を構成すれば、従来のう蝕経験歯(DMFT)分析法に比べて、はるかにより正確な歯牙う蝕危険度の評価が可能である。
【0072】
図7は、本発明の一実施例に係る歯面着色画像を介して歯牙う蝕危険度を診断するための歯牙別のう蝕危険度ネットワークを示す図である。
【0073】
以下、本発明の一実施例に係る前記危険度予測部124における、歯面着色画像を介する歯牙う蝕危険度予測及び歯牙う蝕の有病率予測のためのネットワーク分析結果を具体的に説明する。
【0074】
14,355人に対して歯牙う蝕危険度を分析した実施例によれば、歯牙が互いに関連のある6つのグループに分けられ、これら6つのグループの間に連結関係があることを把握した。
【0075】
すなわち、歯牙が第1グループの上顎前歯(11、12、21、22)、第2グループの下顎前歯(31、32、41、42)、第3グループの犬歯(13、23、33、43)、第4グループの第1小臼歯(14、24、34、44)、第5グループの第2小臼歯(15、25、35、45)、第6グループの第1大臼歯(16、26、36、46)に区分された。
【0076】
6つのグループ内の連結関係を調べてみると、まず各歯グループ内の連結関係は、小臼歯と臼歯部において高い連結関係(4-6)を示し、特に5、6番の歯において高いグループ内の連結関係(5-6)を示し、これは、歯面着色画像データに基づいて、奥の歯であるほど歯磨きなどの歯の管理が難しい一方、歯面着色画像データから危険度が低く出力される犬歯(3番歯)の場合、特に低いグループ内の連結関係3を示すが、当該内容は、歯の萌出時期を考慮して危険度の重みを調整した。
【0077】
例えば、歯牙グループ間の連結関係の1番グループに該当する上顎前歯の場合、6番歯と微弱な連結関係1を示すと仮定するとき、これは、6番歯と1番歯の萌出時期が似通っており(6番歯6歳、1番歯7歳)、研究時点である10~11歳まで存在する永久歯の中で、最も長い間、口腔内に萌出状態として存在したため、萌出の順序による重みを設定する。また、1番歯と6番歯の構造的な違いによるう蝕発生頻度及び歯面着色画像データに基づいた細菌膜洗浄の度合を重みとして分析し(6番歯6歳、1番歯7歳)、特に、歯牙の構造上、歯牙の奥の方を歯磨きするのが難しいため、口腔管理の習慣がきちんと定着していない時期に、歯磨きを怠った患者が、6番と1番の歯牙う蝕を同時に経験するので、患者の以前の診療記録に基づいて重みを再設定する。
【0078】
下顎の2番グループに該当する側切歯が他のグループとの連結関係が低く、歯面細菌膜の着色程度と、う蝕誘発程度の有意性が低いことを確認した場合、当該結果値に基づいて、着色度合いの重みを下げて危険度を再設定する。このような以前の診療記録の影響を確認するために、歯面着色画像データに基づいて再分析を行い、2番グループに該当する下顎前歯が他の歯グループとの連結関係を示さないことを確認した場合、当該結果値に基づいて2番グループに対する歯牙う蝕危険度を再設定する。
【0079】
例えば、3番グループに該当する犬歯の場合、歯牙の萌出時期が類似する第1、2小臼歯(4、5番グループ、10歳~11歳)と微弱な連結関係1を示すと仮定する時に、萌出時期が類似する1番と6番の歯牙の間の連関性に似たように、3、4、5番の歯牙の間で似通ったう蝕関係が現れるものと予測し、歯面着色度合いに基づく3-5番の歯牙の間の連結強度の測定によって歯面細菌膜データの重みを設定する。これは、上顎前歯の場合と似たように歯牙の萌出時期に口腔管理を怠った場合に、3番と4、5番の歯の間で似通ったう蝕関係が現れるものと予測して、歯面着色画像データの値に基づいて、歯の萌出時期による歯面着色の結果値を再分析する。
【0080】
4番グループに該当する第1小臼歯の場合、5番グループに該当する第2小臼歯と類似する連結関係を示すと仮定する時、これは、この2つの歯牙の萌出時期がほぼ同じであり、歯牙の形状と位置的特性も類似するためで、歯面着色画像データの値による2つの歯牙のう蝕危険度を測定して、重みを決定することができる。特に4~5番グループ間の関係レベルと5~6番グループ間の関係レベルとが似たように現れるパターンが出力されたと仮定すると、追加で歯面着色画像データの値に基づいて、隣接する歯牙の間による歯牙う蝕危険度の重みを再設定する。
【0081】
表2は、本発明の一実施例に係る歯牙間のう蝕関係の連結強度を示す行列である。
【0082】
【表2】
このような方法により従来の口腔医療データを活用したネットワーク分析を介して、歯牙う蝕症の発生パターンと拡散傾向などを確認することができ、特に歯面着色画像データに基づいて、より正確なう蝕発生のメカニズムと発達の経緯とを追跡することができる。
【0083】
図8は、本発明の一実施例に係る歯牙う蝕危険度ネットワーク分析方法を概略的に示す概念図である。
【0084】
図8に示すように、歯牙う蝕危険度のネットワーク分析方法は、まず、専門家歯面着色画像データを用いた口腔衛生管理能力(patient hygiene performance、PHP)スコアまたはプラークパーセント指数(plaque percent index、PPI)と、病院など専門医療機関での歯科検診情報データと、を用いて、専門家ベースのネットワークを分析し、専門家診断ベースのネットワーク連結図を完成する。一方、前記演算処理部120の人工知能(AI)分析モジュールを通じた学習により人工知能(AI)モデルを完成してユーザ歯面着色画像データを分析し、それに基づいて、口腔衛生行動ベースのネットワークを分析し、口腔衛生行動ベースのネットワーク連結図を完成する。そして、専門家診断ベースのネットワーク連結図と口腔衛生行動ベースのネットワーク連結図とを総合して、個々の歯牙のう蝕危険度を予測するようになる。
【0085】
前記レポート生成部130は、前記口腔医療データの分析及び歯牙う蝕危険度予測結果をユーザに伝達するレポートを作成するためのものであって、レポートDB131及びレポート作成部132を含む。
【0086】
前記レポートDB131は、口腔保健教育、口腔管理用品の推薦、口腔衛生行動の推薦、及び予防診療の推薦に関する情報など、ユーザに提供される様々なコンテンツを格納する。具体的には、前記レポートDB131には、疑いのある疾患に応じた治療方法に関連した手続き的情報と感覚的情報とを、事前に知らせてあげる口腔保健教育コンテンツ、個別の口腔状態に適した口腔管理用品の推薦コンテンツ、正しい口腔衛生行動、フッ素の利用方法、予防診療、食習慣、デンタルフロスの使用、歯のブラッシングなどの口腔衛生行動に関連する口腔衛生行動の推薦コンテンツ、及び予防診療の推薦に関するコンテンツが格納されている。
【0087】
前記レポート作成部132は、前記歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度及びそれに基づく口腔関連の処方履歴に関するレポートを作成する。この時、口腔関連の処方履歴は、前記レポートDB131の口腔保健教育コンテンツ、口腔管理用品の推薦コンテンツ、口腔衛生行動の推薦コンテンツ、及び予防診療の推薦に関するコンテンツを参照する。
【0088】
具体的には、前記レポートには、データ分析による歯牙う蝕危険度の結果、歯牙う蝕危険度及び個人別の口腔衛生状態に応じたパーソナライズ口腔管理方法、口腔管理用品の処方箋、口腔診療ガイド、及び事後管理プログラムなどが掲載され、各ユーザの要求事項に則した統計数値、モニタリング指標、カテゴリ別の現状などを視覚化して提供することができる。前記レポートは、ユーザ端末200のウェブ(Web)またはアプリケーションに提供することができ、この場合、ユーザは、ウェブまたはアプリケーションを介して歯ブラシ、歯磨き粉などの口腔管理用品の替え時、検診時期などを記録して管理することができる。
【0089】
図9は、本発明の一実施例に係る前記歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度及び歯面細菌膜検査の結果を含むレポートが、ユーザ端末200に視覚化して表された一例である。
【0090】
前記管理サーバ送受信部140は、レポートまたはパーソナライズされたサービスに関する情報をネットワーク10を介してユーザ端末200または病院サーバ300に送信し、ユーザ端末200及び病院サーバ300から歯科検診情報、専門家歯面着色画像、口腔衛生行動データ、口腔問診データ、ユーザ歯面着色画像などの情報を受信する。
【0091】
前記サービス加入者認証部150は、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムに接続するユーザの加入の有無を認証する。
【0092】
前記ユーザ端末200は、ユーザまたは保護者の氏名、性別、年齢などの個人情報211、口腔衛生行動データ212、口腔問診データ213、口腔教育学習データ214、歯のブラッシング記録データ215などを格納する個人口腔衛生DB210、ユーザ歯面着色画像DB220、前記個人口腔衛生DB210に格納されているデータを前記個人口腔衛生DB210から抽出する端末抽出部230、抽出された所定の情報をネットワーク10を介して管理サーバ100及び病院サーバに送信し、管理サーバ100及び病院サーバ300から所定の情報を受信する端末送受信部240を含む。ここで、前記口腔教育学習データ214は、管理サーバがユーザに提供する口腔保健教育、口腔用品の推薦、口腔衛生行動の推薦、予防診療の推薦に関する情報など、様々なコンテンツを格納するものである。また、歯のブラッシング記録データ215は、ユーザがユーザ端末200のウェブまたはアプリケーションを介して入力したユーザの歯のブラッシング、デンタルフロスの使用、うがいなどを記録したデータが格納されてもよい。
【0093】
本発明の一実施例において、個人口腔衛生DB210、ユーザ歯面着色画像DB220、端末抽出部230、及び端末送受信部240は、それぞれ互いに区分されているが、一つに統合してもよい。
【0094】
前記病院サーバ300は、ユーザの歯科診療記録が格納される歯科検診情報DB310、専門家歯面着色画像DB320、前記歯科検診情報DB310、及び専門家歯面着色画像DB320から、ユーザの所定の情報を抽出する病院サーバ抽出部330、抽出した値を前記管理サーバ100及びユーザ端末200に送信し、前記管理サーバ100及び前記ユーザ端末200から所定の情報を受信する病院サーバ送受信部340、を含む。
【0095】
前記歯科検診情報DB310は、ユーザの氏名、性別、年齢を含む個人情報を含み、各歯牙ごとの歯牙う蝕情報、歯牙欠損情報、歯牙充填情報とともに、口内炎及び軟組織疾患、不正咬合、歯周疾患(歯肉出血、肥大、歯石形成、歯周嚢形成、その他の症状)、顎関節異常、歯磨耗症、専門家の口腔衛生管理、フッ素塗布、歯牙別充填情報、歯石除去、その他の口腔衛生状態などの歯牙診療情報データと、ユーザの口腔衛生行動に関する評価データと、を格納する。前記口腔衛生行動に関する評価データは、ユーザから収集した一定周期ごとに繰り返される歯のブラッシング、デンタルフロスの使用、うがい、禁煙及び禁酒、フッ素利用法及び食習慣などの情報に対する評価情報が該当し得る。
【0096】
前記専門家歯面着色画像DB320は、歯科医師や歯科衛生士等の専門家が専門家用歯面着色剤を歯牙に塗布して、歯牙の表面に残存する歯面細菌膜(プラーク)を選択的に染色したものを撮影した画像を格納する。
【0097】
前記病院サーバ抽出部330は、病院サーバ300に格納されているユーザの様々な情報を抽出することができる。
【0098】
図10は、本発明の歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムの構成図である。
【0099】
図10を参照すると、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム1は、歯牙別のう蝕危険度を評価するため、口腔衛生状態データ、口腔衛生行動データ、口腔問診データ、歯牙う蝕の有無、歯牙欠損の有無、及び充填の有無を含むユーザの口腔医療関連データ、専門家及び一般ユーザの歯面着色画像データを収集(S10)し、収集したデータを前処理及びデータラベリング過程を経て分析(S20)し、う蝕危険度を予測及び診断(S30)して、レポートを作成し(S40)、それに基づいたパーソナライズサービス、例えば口腔教育コンテンツを提供したり、口腔用品の推薦、及び予防診療の推薦などのサービスを提供(S50)する過程からなる。
【0100】
このような前記歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム1は、ユーザの歯科検診情報に関するデータを電算化し、各対象者についての口腔医療に対する分析及び評価資料として活用することができる。したがって、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムによって、口腔健康のモニタリング体系を構築することができ、口腔医療データを活用することにより、事務手続き業務の効率化及び自動化の達成、各地方自治体で独自に行う口腔健康実態調査のコストを節減することができ、口腔健康実態の効率的な分析が可能である。
【0101】
以下では、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムを用いて、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度を診断し、口腔管理のためのサービスを提供する方法について説明する。
【0102】
図11は、本発明の一実施例に係る管理サーバ、ユーザ端末、及び病院サーバが有線・無線ネットワークを介して連結されたシステムを用いる、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法の手順を示すフローチャートS100を示す。
【0103】
図11に示すように、本発明の一実施例に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のための方法によれば、まず、歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のために、管理サーバ100に様々な口腔医療データDB110を構築する(S110)。
【0104】
その後、ユーザについての専門家が歯面着色画像データを収集する(S120)。
【0105】
前記専門家歯面着色画像データは、前記病院サーバ300から受信し、専門家歯面着色画像DBに格納したデータである。
【0106】
その後、ユーザによって周期ごとの歯面着色画像データを収集する(S130)。
【0107】
このステップでは、ユーザ端末200を用いるユーザが、前記ユーザ端末200に格納されている歯面着色画像データを活用した、歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステム1が提供する、アプリケーション又はウェブを介して管理サーバ100に接続すると、サービス加入者認証部150にて接続するユーザの加入の有無を認証した後、加入の有無が認証されると、ユーザは、歯面着色画像を携帯電話のカメラ又は携帯電話取り付ける専用デバイスにより撮影し、ユーザ端末200のユーザ歯面着色画像DB220に格納し、前記管理サーバ100のユーザ歯面着色画像DB114にアップロードすることができ、このとき、アップロードは一定の周期ごとに行うことができる。
【0108】
その後、歯牙う蝕危険度評価のためのデータを分析する(S140)。
【0109】
前記分析のため、口腔医療データを前処理及び正規化し、データをラベリングした後に分析を行う。特に、本発明では、前記口腔医療DB110に格納されているデータを、機械学習を用いる人工知能(AI)分析モジュールを用いて分析し、それに基づいた結果を抽出する。このとき、歯牙の各位置ごとの危険度をモニタリングし、特定の歯牙の位置ごとの結果及び危険度の相関関係を把握して、歯牙う蝕の危険度を予測する。前記分析のために、前記口腔医療DB110または演算処理部120には、歯牙う蝕危険度に関する基礎情報が格納されており、当該基礎情報は、収集される口腔医療データによって更新がされ得る。
【0110】
その後、前記データ分析結果を視覚化し、視覚化した結果に基づいて歯牙う蝕危険度評価レポートを作成する(S150)。
【0111】
その後、レポートで提示されたパーソナライズ口腔管理サービスをユーザに提供する(S160)。すなわち、前記データ分析による歯牙う蝕危険度に応じて、ユーザ端末200を介してパーソナライズサービスを提供する。
【0112】
具体的には、ユーザの個人別の状況に応じた口腔保健教育コンテンツ、各個人ごとの口腔状態に適する口腔管理用品の推薦コンテンツ、正しい口腔衛生行動、フッ素利用方法、予防診療、食習慣、デンタルフロスの使用、歯のブラッシング、うがいなど、口腔衛生行動と関連する口腔衛生行動の推薦コンテンツ、及び予防診療の推薦に関するコンテンツを、ユーザ端末200に伝送することができる。また、ユーザの口腔状態に応じて専門家依頼の要不要を判断してユーザ端末200に送信することができる。
【0113】
このように、本発明に係る歯面着色画像データを活用した歯牙う蝕危険度診断及び口腔管理のためのシステムとその方法は、ユーザに歯牙う蝕危険度を予測して案内し、それにより非対面のユーザ個別のパーソナライズ口腔管理教育及び口腔管理用品の処方などを提供することができる。すなわち、口腔医療データと歯面着色画像データとを介して、脆弱疾患と口腔衛生状態を統合的に分析して、各ユーザ個別の口腔衛生状態に応じたパーソナライズ口腔管理方法及び口腔管理用品の処方箋を提供し、歯ブラシ・歯磨き粉など口腔管理用品の替え時、検診時期などを記録し管理する専門の口腔管理サービスを提供することができる。さらに、ユーザの口腔健康増進及び口腔疾患予防を支援するシステムを用いて、パーソナライズ予防教育、口腔診療案内、事後管理プログラムなどのサービスを提供して、口腔疾患による個人及び社会的な負担を緩和することができ、全体的なユーザの口腔健康を増進する効果を提供する。
【0114】
以上、本発明の特定の好ましい実施例について説明したが、本発明は、上述した特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から外れることなく、本発明が属する技術分野において一般的な知識を有する者であれば誰でも様々な変形実施が可能であることは勿論であり、そのような変形は特許請求の範囲に記載の範囲内にある。
【符号の説明】
【0115】
100:管理サーバ
110:口腔医療DB
120:演算処理部
130:レポート生成部
140:管理サーバ送受信部
150:サービス加入者認証部
200:ユーザ端末
210:個人口腔衛生DB
220:ユーザ歯面着色画像DB
230:端末抽出部
240:端末送受信部
300:病院サーバ
310:歯科検診情報DB
320:専門家歯面着色画像DB
330:病院サーバ抽出部
340:病院サーバ送受信部