(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】販売促進システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240227BHJP
【FI】
G06Q30/0207
(21)【出願番号】P 2022203722
(22)【出願日】2022-12-20
(62)【分割の表示】P 2018025520の分割
【原出願日】2018-02-15
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】508324112
【氏名又は名称】株式会社ユーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100123489
【氏名又は名称】大平 和幸
(72)【発明者】
【氏名】塚野 光男
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2004/066064(WO,A2)
【文献】特開2016-212570(JP,A)
【文献】特開2003-30411(JP,A)
【文献】特開2004-227044(JP,A)
【文献】特開2001-312607(JP,A)
【文献】特開2009-151590(JP,A)
【文献】特開2011-141621(JP,A)
【文献】特開2014-102603(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 30/0207
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
販売システムであって、
管理者が、端末からサーバに接続してログインする手段と、
使用する販売システムにおける商品またはサービス名、商品数および/またはサービスの販売可能数、販売価格、第1階層の人数、各階層のダウン数、および各ダウンの階層毎の収益配分割合のデータを入力し、該データをデータベースに格納する手段と、
前記データに基づいて販売キャンペーンを構築する手段と、
前記データに基づいて着地ページに項目毎に流し込んで販売キャンペーンサイトを作成してサーバでユーザーに公開する手段と、
ユーザーが端末から該サーバに接続し、商品および/またはサービス、商品数を選択して購入し、決済する手段と、
各ユーザーにあらかじめ管理者が設定した数のダウンを付け、それらの各ダウン中の所定のダウンの購入額および/または利益額の一定割合を該ユーザーに分配する手段と、
くじを設定し、乱数生成部により生成させた乱数を当たり番号として、その数に該当する購入者に上位の購入者と同額または管理者の定めた分配額を分配させる手段と、
キャンペーン毎にダウンを0から割り振る手段と、
を有する販売システム
であって、
過去に実施したキャンペーンの売り上げ、利益率、完売までの時間を記録し、売上の多かったキャンペーン、早期に完売したキャンペーン、利益率の高かったキャンペーン、完売までの時間が短かったキャンペーンのキャッチコピーや紹介文を抽出したデータベースを含む、販売システム。
【請求項2】
前記販売システムから、過去に売上の多かったキャンペーン、早期に完売したキャンペーン、利益率の高かったキャンペーン、完売までの時間が最も短かったキャンペーンを抽出し、その際に用いたキャッチコピーを検索し、表示する手段を含む、請求項1に記載の販売システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売促進システムに関する。より詳しくは、早期に購入した人または特定の購入者に利益を多く分配する販売促進システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、売れ残りを防止する方法としては、販売量を予測して仕入れ量を調整することで売れ残りを少なくする方法(特開2002-073748など)などが開発されていた。
【0003】
しかし、そもそも形の揃っていない野菜などは規格に合わず廃棄される場合がある。これらの野菜は見た目が悪いだけで食べる分には問題ない場合が多い。そうした売れにくい商品や売れ残り製品を販売できるシステムが求められていた。
また、商品購入を楽しめるエンターテインメント性を有する販売方法の開発が求められていた。
【0004】
また、ネットワークビジネスは有効な販売方法ではあるが、ピラミッドが固定されるため、ピラミッドの上層部は大きな利益が得られるが、末端の会員はメリットが少ないという問題があった。
そこで、これらの問題を解決できる販売システムの開発が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
新規な販売システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)販売システムであって、
管理者が、端末からサーバに接続してログインする手段と、
商品数および/またはサービスの販売可能数、販売価格、第1階層の人数、各階層毎のダウン数、および各ダウンの階層毎の収益配分割合を入力し、前記データをデータベースに格納する手段と、
前記データに基づいて販売キャンペーンを構築する手段と、
ユーザーに販売キャンペーンサイトを作成してサーバで公開する手段と、
ユーザーが端末から該サーバに接続し、商品および/またはサービス、商品数を選択して購入し、決済する手段と、
各ユーザーにあらかじめ管理者が設定した数のダウンを付け、それらの各ダウン中の所定のダウンの購入額および/または利益額の一定割合を該ユーザーに分配する手段と、
を有する販売システム。
【0008】
(2)購入者が購入した場合に、自動的にダウン(アフィリエイト)が付与され、ダウンから得られる販売額および/または利益額のうち、管理者が定めた割合が購入者に支払われる(1)の販売システム。
【0009】
(3)(1)または(2)のシステムにおいてデータを蓄積しながら学習することにより、商品の種類、数、値段を入力することで、最適なダウン階層数、最適な各ダウンからの利益還元割合が表示される販売システム。
(4)予想した売り上げが上がらない場合に、より売上が上がるシステムに途中から変更できる、(1)~(3)のいずれかに記載の販売システム。
【0010】
(5)(1)~(4)のいずれかの販売システムを用いて過去に実施したキャンペーンの売り上げ、利益率、完売までの時間を記録し、売上の多かったキャンペーン、早期に完売したキャンペーン、利益得率の高かったキャンペーン、完売までの時間が最も短かったキャンペーンのキャッチコピーや紹介文を抽出し、データベース化したシステム。
(6)(5)のシステムから売れるキャッチコピーを検索し、表示するシステム。
(7)(1)~(6)のいずれかの販売システムのキャンペーンのデータを学習した人工知能により、販売システムのデータから売れるキャンペーンを自動で作成できる販売システム。
(8)管理者が認証システムによりサーバーにログインする工程と、商品数および/またはサービスの販売可能数、販売価格、第1階層の人数、各階層毎のダウン数、および各ダウンの階層毎の収益配分割合を入力し、前記データをデータベース(記憶手段)に記憶させる工程と、前記データに基づいて階層構造を構築する工程と、ユーザーに販売キャンペーンサイトを作成してサーバで公開する工程と、ユーザーが端末から該サーバに接続して認証手段によりログインする工程と、ユーザーが商品および/またはサービス、商品数を選択して購入し、決済する工程と、各ユーザーに購入順に通し番号を付与し記憶させる工程と、各ユーザーにあらかじめ管理者が設定した数のダウンを付け、それらの各ダウン中の所定のダウンの購入額および/または利益額の一定割合を該ユーザーに分配する工程と、
を有する販売方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、購入者が次の購入者を自分で勧誘することなく自動的にダウンが付き、早く購入するほどより多くの利益が得られるため早期に購入するインセンティブを与える販売システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】
図3は、ダウンから1への分配パターンの1例を示す。
【
図4】
図4は、ダウンから1への分配パターンの左側のノードからの分配パターンを示す。
【
図5】
図5は、本発明のシステムの概要を示す(実施例1)。
【
図6】
図6は、本発明のフローチャートの一例を示す(実施例1)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、新規な販売システムを提供するものである。従来のネットワークビジネスの場合、自分でダウンを勧誘して会員に登録させ、継続的に商品を購入させる必要があるので、親類や友達の信頼を失い、ほとんど利益も出せずに終わる場合も多く、成功者となる確率も5%以下と少なかった。
【0014】
本発明は、ネットワークビジネスのようなダウン(アフィリエイト)を購入者につけて、購入者はそのダウンから売り上げまたは利益の一定割合の還元を受ける点はネットワークビジネスと同じだが、ネットワークビジネスでは、ダウンが永続的に固定しているのに対し、本発明では、毎回キャンペーン毎にダウンを0から割り振る点が異なる。また、本発明においては、購入者がダウンを勧誘および/または獲得する必要はなく購入順に指定した数のダウンが自動的につくのでダウン勧誘の負担がない。
【0015】
しかしながら、購入者が紹介することで商品・サービスを購入した場合は、ダウンとして登録することもできる仕様にしてもよい。この場合のダウンは永続的に固定してもよい。
【0016】
また、購入者の会員が本発明の販売システムを利用する会員を獲得して登録した場合は、その収益の一定割合を購入者の会員に還元する仕様にしてもよい。還元する場合は、購入者の購入額または利益の例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%またはそれ以上を還元することが好ましく、上限としては、90%以下、より好ましくは80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下である。または、紹介者には、紹介人数に応じて1人あたり固定した額(例えば、300円、500円、1000円等)を報奨金として支払ってもよい。それにより、本発明の販売システムの利用者数を増やすこともできる。
【0017】
本発明の1実施形態においては、最初に販売する商品又はサービス、販売可能数量および値段等を決定してデータベースに入力する必要がある。例えば、形が悪くて売れないとされたキュウリなどの野菜などを仕入れて販売に供することができる。管理者は、各々の商品又はサービスの販売価格、販売可能数量(在庫数)とともに、第1階層の人数、各階層毎の1人あたりのダウン数を入力する。販売可能数量と第1階層の人数、1人あたりのダウン数が決まれば自動的に階層数が決定するが、階層数を入力できるようにしてもよい。これらのデータにより、ダウンの階層パターンが決まる(例えば、
図1)。各階層の1人あたりダウン数は全ての購入者で同じでもよく、階層毎に全部または一部が異なっていてもよい。さらに、必要により、各購入者毎にダウンの数を設定してもよい。本明細書において、「階層」とは、ツリー構造の各購入者の最初の購入者からの距離を意味し、最初の購入者(及び該購入者と同一の階層の購入者)を第1階層、最初の購入者のダウンおよびその同等の位置にいるものを第2階層、第2階層のダウンを第3階層と呼び、以下同様とする。例えば、
図1のCの場合、1が第1階層、2,3が第2階層、4~9が第3階層、10~21が第4階層である。
【0018】
階層パターン(ツリー)の作り方としては、商品(またはサービス)販売可能数、第1階層の人数、階層数を入力し、自動的にダウンの数を計算して階層パターンをプログラムで自動で作るようにしてもよい。この場合は第1階層の人数、階層数と販売可能数から各購入者に付けるべきダウン数を算出することができる。または、商品(またはサービス)販売可能数、第1階層の人数、第1階層の1人あたりのダウン数、以下、第n階層(nは2以上)のダウン数を入力することで階層パターンを指定してもよい。この場合は、各階層毎に各購入者に付けるダウン数を変えることができる。例えば、第1階層の購入者に対しては、1人あたり各4人のダウンを付け、第2階層の購入者に対しては、1人あたり各3人のダウンを付け、第3階層の購入者に対しては、1人あたり各2人のダウンを付ける、ということが可能になる。
【0019】
さらに、購入者毎に番号を割り振るので、購入者毎にダウンの数を指定する仕様にすることもできる。
【0020】
各階層の購入者に対して、その下の階層の購入者の指定した数をダウン(アフィリエイト)としてつける。購入者につけるダウンの人数は1人以上であればよいが、好ましくは2人以上である。2階層にする場合で、第1階層1人、第2階層は(商品又はサービスの販売可能数―1)人の文鎮型にしてもよい(
図1のA)。購入者はダウンの購入額または利益額から一定割合または一定額を報酬として分配される(
図2)。本明細書において、「収益配分割合」とは、製品又はサービスの販売額又は利益額から上位の購入者に配分する割合を意味する。従って、ダウンが複数個の商品又はサービスを購入すれば分配額が増える場合があり得る。
【0021】
各購入者に対するダウンからの報酬額と、何階層下までのダウンから報酬を受け取るかは、管理者が指定する。例えば、第1階層の購入者は第2~第6階層のダウンから報酬を受け取り、第2階層の購入者は、第3~第5階層のダウンから報酬を受け取り、第3階層の購入者は、第4~第6階層のダウンから報酬を受け取るようにしてもよい。
【0022】
この際、各ダウン毎に売り上げの何%および/または利益の何%を上位の被ダウン者に還元するかを一律に設定してもよく、個別に設定することもできる。個別に設定する際は、階層毎に設定してもよく、購入者の番号を指定して、どの番号から何%還元するかを設定してもよい。また、一律に設定する場合、第1階層の人への第2階層以下のメンバーからの分配率と、第2階層の人への第3階層以下のメンバーからの分配率は同じであっても、個別に異なっていてもよい(
図3)。
【0023】
また、第1階層のダウンからの報酬割合と、第2階層以下のダウンからの収益分配割合を個別に設定できるようにしてもよい。例えば、第1階層への第2階層のダウンからの収益分配割合を利益の50%とし、第3階層のダウンからは40%とし、第4階層のダウンからは30%とする等である。さらに、第2階層の購入者への第3階層のダウンからの収益分配割合を20%、第4階層からは15%等と、購入者の階層に応じてそのダウンからの収益分配割合を変えてもよい。
【0024】
これは、第n階層の人への第n+1階層以下の人からの分配率が全て異なっていてもよいことを意味する。あるいは、少なくとも一部または全部が同じ分配率に設定してもよい。これは、購入者に購入順に通し番号を割り振ることで、通し番号毎に分配率を設定することにより実現することができる。
【0025】
通常のネットワークビジネスと異なる点は、通常は、会員が販売してダウンを自分で獲得する必要があるが、本発明においては、先の購入者に後の購入者が自動的にダウンとして付くため、購入者は何もしなくてもダウンから一定割合または一定額の報酬を得られるため、早く購入するほど多くのダウンが付き還元額も増えて有利となる点である。
【0026】
ユーザーが早い時間帯に購入するほど還元率が高くなる設定にしてもよい。例えば、開始X分以内の購入の場合は確実に支払いよりも還元額の方が高くなるように設定してもよい。
【0027】
例えば、
図4では、最初の購入者に売上額の7%分配するとすると、左側の部分だけで7%×6=42%が分配され、図では省略した右側も同様に配分すると84%が分配される。この7%を8%にすると8×6×2=96%が還元される。7%を9%にした場合、9×6×2=108%となり、購入額よりも多くが還元されることになる。つまり、人よりも早く購入することで格安~逆に儲かることも可能な設定にすることも可能である。
【0028】
購入が進むにつれて、および/または、最初から、ユーザー画面に残り個数が表示されるようにしてもよい。これにより、ユーザーは買えないかも知れないという不安を刺激され、購入を決断する確率が上がる。
また、システム管理者の画面にも残り個数を表示することで、売れる速さがわかり、それに応じて値下げや特典を付ける等のマーケティング施策を打てるようにすることができる。残り個数は決済部(107)の情報から算出できる。
【0029】
ダウンの階層、ダウン数、分配額によっては、初期の購入者は購入額よりも多くの報酬が分配される(儲かる)こともあり得るため、仕組みを理解した購入者は次回からは早く購入しようと次の商品、サービス(キャンペーン)を待ちわびるようになる。
【0030】
また、本発明の販売システムにおいては、ダウンは毎回リセットされるため、先に参入して上位になった人がずっと優遇されるシステムではなく、販売毎にダウンが0から設定されるため、ネットワークビジネスのようにピラミッドが固定して、下位のダウンが利益を得るのが難しく、脱退してしまう、等の問題が回避できる。
【0031】
本発明の販売システムで販売する商品又はサービスは特に制限はないが、上述のように味や品質には問題がないのに、形が悪いために廃棄される野菜や、売れ残り品等が好ましく用いられる。原価が安いため、柔軟な値付けが可能になるというメリットもある。また、決済には、電子マネーや暗号通貨を用いてもよい。
【0032】
ダウンがメリットを受けるためには、少なくとも2階層以上を作れる商品数またはサービス数があることが好ましい。好ましい商品数またはサービス数は、例えば、8以上、12以上、16以上、32以上、64以上、128以上、256以上、512以上、1024以上等が好ましい。上限数は特に制限はないが、1億以下、5000万以下、1000万以下、500万以下、300万以下、100万以下、50万以下、30万以下、10万以下、5万以下、3万以下、1万以下、8000以下、5000以下、3000以下であってもよい。
【0033】
仕入れ先としては、売れ残りが出て困っている業者から商品を譲り受けて本発明のシステムで販売してもよく、通常の商品、サービスやヒット商品の委託販売であってもよい。または、予約注文を受けて受注生産にしてもよい。ビットコイン等の暗号通貨や、株、商品先物、債券等を販売してもよい。クラウドファンディングに使用してもよい。
【0034】
商品および/またはサービスを周知させるために、赤字で販売してもよい。また、その際、定期購入商品の場合は最初の見込み客を獲得するのに本システムを使用することができる。さらに、顧客名簿(リスト)を集めるためにプレゼントを配布するために本システムを使用してもよい。この場合は上位のダウンにより多くのプレゼントを提供するようにしてもよい。
【0035】
さらに、本発明のシステムは、テストマーケティングにも使える。同じ商品、サービスで複数の着地ページ(landing page)を作成し、ABスプリットテストを繰り返して成約率の高い着地ページに改善することもできる。
【0036】
本発明においては、毎回ピラミッドがリセットされるため、毎回、誰でもピラミッドの上層部に入れるチャンスがある。そのため、このシステムから購入するモチベーションを高く保つことができ、購入数も増えるという効果があり得る。
【0037】
ただし、早く買わないとメリットが少ないことが広まると遅く見た人は購入しなくなるおそれがある。そこで、購入速度が遅くなってほとんど売れなくなった場合は、再度同じ商品、サービスについて本発明を用いたキャンペーンを新に立ち上げて販売を促進することもできる。その場合は早期に購入したユーザーが予想した分配額を受けられない場合もあり得るが、それについては事前に告知しておけばよい。それにより、より多くの人が本発明のメリットを受けられることになる。
【0038】
後の方で購入した場合でも、当たりであれば、1位~上位のダウンと同じかそれに近い分配金を受けられるようにして、後の方でも購入者のモチベーションを保つようにしてもよい。当たりはルーレットやくじを引くようにしてもよく、乱数を発生させ、購入者の番号と一致した場合に当たりとしてもよい。
【0039】
乱数を当たりにする場合は、乱数発生手段を使って乱数を発生させ、その乱数の番号を当たりにしてもよい。乱数の番号に該当する購入者がいない場合は、該当する購入者が出るまで乱数を発生させてもよく、次回に当たりの回数を持ちこしてもよい。この場合、乱数表で選んだ番号の人をツリー構造の最上位に持っていってノードを組み替えることもできるようにしてもよい。又は、元の形はそのままで、その番号の人だけその下位から分配金を1位~上位のダウンのいずれかと同じだけもらえるようにしてもよい。それにより後期に購入しても当たれば上位と同じ額がもらえるチャンスがあるので、後期の売行が落ちるのを抑制することができる。
【0040】
乱数生成法としては、擬似乱数生成法を用いるのが好ましい。擬似乱数生成法としては、例えば、平方採中法、線形合同法(乗算合同法・混合合同法)、線形帰還シフトレジスタ、メルセンヌ・ツイスタ、キャリー付き乗算、Xorshift、Lagged Fibonacci 法、BBS(Blum-Blum-Shub)、Fortunaなどが上げられるがこれらに限られない。要は統計的一様性、無相関性など乱数として必要な性質を満たすものであれば使用できる。乱数生成法として、http://www.ipa.go.jp/security/enc/CRYPTREC/fy15/cryptrec20030425_spec01.htmlに記載の仕様のものを用いてもよい。
【0041】
本発明によれば、各商品、サービス毎にダウンの階層数、ダウンからの還元率を変えられるので、商品、サービス毎に最適なダウン階層数、還元率を設定することで売上、利益を最大化することができる。
【0042】
階層数、還元率を設定してシミュレーションすることにより、予想売上高、利益を表示させることもできる。この予測は好ましくは機械学習による予測が好ましく、より好ましくはディープラーニングによる予測である。ディープラーニングによる予測は10階層以上が好ましく、より好ましくは15階層以上、さらに好ましくは20階層以上、特に好ましくは25階層以上、最も好ましくは30階層以上であるがこれらに限られない。また、ディープラーニングの階層の上限は特に無く、階層が多いほど正確な予測が可能になると考えられる。
【0043】
人工知能に学習させることで、商品、サービス、販売個数に応じて最適な階層数、分配率等の最適解を出すようにしてもよい。また、商品、サービスの種類、数、時期などにより、どういう階層でどういうダウン構造が一番良く売れるかを学習し、どんどん賢くなるプログラムとすることが好ましい。
【0044】
ユーザーは会員登録制にしてもよく、ゲストで参加することもできるようにしてもよい。ただし、商品発送のために、住所、氏名は必須とし、メールアドレス、電話番号、携帯電話番号、家族構成、年収等の個人情報も登録可能にしてもよい。メールアドレスは必須登録とすれば、次回のキャンペーンのお知らせができ、メールマーケティングもしやすいので登録させることが好ましい。
【0045】
利益配分については、販売終了後、商品を発送し、またはサービスを提供し、返品やキャンセル期間が経過した後に売上、利益額を確定し、所定の割合を分配すればよい。決済は、クレジットカード、電子マネー、暗号通貨(仮想通貨)等を使えるようにするのが好ましい。収益の分配はクレジットカードの場合は当該クレジットカードへの返金にしてもよい。メールマネ―により分配金を送信したり、ポイントにして預けておけるようにしてもよい。
【0046】
本発明においては、ダウンは購入順に自動的に付与されるが、それとは別に、購入者が勧誘して販売することで自らのダウンとして追加できるようにしてもよい。この場合、メインのシステムのダウンのツリーとは別にツリーを作って管理してもよく、メインツリーにデータとして組み込んでもよい。
【0047】
本発明のキャンペーンにおいては、最初にアクセスが集中する可能性があるので、できるだけ、多くのアクセルに耐えられるサーバーを用いるのが好ましい。
【0048】
スマートホン等の端末の場合は、アプリケーション(アプリ)を作成して、アプリから販売システムにアクセスできるようにしてもよい。または、他のアプリの中に組み込んでもよい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
(実施例1)
図5のブロック図、
図6のフローチャートに示すように、まず管理者は、システム(サーバー)にログインする。ログイン方法は、ID、パスワードを用いるのが一般的であるが、指紋、虹彩、声紋等の認証であってもよい。要は、管理者を特定できる手段であればよい。
【0050】
次に、管理者は、商品またはサービス名、販売可能個数、値段、階層数、第1階層の人数、各階層のダウン(アフィリエイト)数、売上額または利益額に対する収益分配割合等キャンペーンを作成するのに必要な事項を登録する。これらはデータベース105(
図5)に登録(記憶)され、これに基づいてキャンペーン(ダウンのツリー構造)が作られる(108階層構造生成部)。必要により、ダウンのツリー構造を画面に表示させることができる。ツリー構造の作成には生物進化系統樹の作成アルゴリズム等が利用できる。
ダウンのツリー構造が決まれば、公開日を設定する(105のDBに格納される)。公開日を設定すれば必要に応じて公開の予告がサーバーサイトに表示される。公開日になると販売ページが表示され、販売が開始される。必要に応じて会員にメールマガジンやLINE等により告知してもよい。
【0051】
販売ページの公開後、このシステムのユーザーがログイン又はゲストでログインし、買いたい人が購入する。購入順に1から連続した番号(通し番号)が各購入者に付され、108の階層構造に割り振られる。販売期間を設定した場合は、販売期間が終了すればキャンペーンは終了し、購入できなくなるので番号の付与はそこで止まる。また、設定した商品数が売り切れた場合もキャンペーンは一旦終了し、番号付与も終了する。各購入者に割り振られる通し番号の最後の番号は商品・サービスの販売可能数量と一致するとは限らない。なぜなら、1人で複数個の商品またはサービスを購入する場合や、後の番号を割り振った後でキャンセルする購入者が出る場合もあるからである。この際、管理者の裁量により、くじを設定し、乱数生成部(109)により発生させた乱数を当たり番号として、その番号の購入者に上位の購入者と同額または管理者の定めた分配額を分配してもよい。乱数に該当する購入者の番号が無い場合は乱数発生を繰り返して購入者に当たりが出るまで乱数発生を繰り返すか、次回に持ち越ししてもよい。これにより、キャンペーン後期の購入者にも高額の報酬を得られるチャンスを与え、購買意欲を高めることができる。
その後、入金確認、商品発送またはサービス提供を行い、キャンセル等の確定後、ダウンの購入額または利益額に応じて一定割合を上位の購入者に分配する。
【0052】
キャンペーンの各データはデータベースに登録され、人工知能(
図5では図示せず)による機械学習により、売上の上がるパターンと上がりにくいパターンを学習させる。管理者はキャンペーンを作成する際に、学習結果から売上が最大化できるパターンを表示させることができ、それを繰り返すことにより、キャンペーンの成功率を高めることができる。機械学習は、ディープラーニングを用いるのが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は小売り業やネット通販業等で利用できる。
【符号の説明】
【0054】
1~21 購入者に付けられた番号
101 管理者端末
102 インターネット
103 ユーザー端末
104 管理者情報DB
105 商品・サービス・ダウン情報DB
106 ユーザー情報DB
107 決済部
108 階層構造生成DB
109 乱数生成部
110 ダウン報酬額計算部