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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】情報処理方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   F16T 1/48 20060101AFI20240227BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240227BHJP
   G08C 15/06 20060101ALI20240227BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
F16T1/48 Z
H04M11/00 302
G08C15/06 F
G08C15/00 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023100813
(22)【出願日】2023-06-20
【審査請求日】2023-06-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000137889
【氏名又は名称】株式会社ミヤワキ
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100118049
【弁理士】
【氏名又は名称】西谷 浩治
(72)【発明者】
【氏名】吉川 成雄
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-124141(JP,A)
【文献】特開2022-124142(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0195373(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16T 1/48
H04M 11/00-11/10
G03C 13/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムの構築を支援する情報処理装置における情報処理方法であって、
前記通信システムは、複数の測定装置とサーバ装置とを備え、前記複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて前記サーバ装置に送信するものであり、
前記複数の測定装置及び前記サーバ装置の設置位置を示す設置情報を取得し、
前記複数の測定装置のそれぞれを対象にして、前記設置情報に基づいて、
前記サーバ装置及び前記複数の測定装置のうち、処理対象の測定装置である対象装置よりも前記サーバ装置側に設置されている装置群を特定し、
前記装置群の中で前記対象装置の最も近くに設置されている近接装置を特定し、
前記近接装置が前記対象装置から所定距離以上離れて設置されているか否かを判定し、
前記判定の結果を示す情報を出力する、
情報処理方法。
【請求項2】
更に、前記近接装置が前記対象装置から前記所定距離以上離れて設置されていると判定した場合、前記近接装置と前記リレー機能を有する一以上の通信装置のそれぞれと前記対象装置とが前記所定距離未満の間隔で設置されるように、前記一以上の通信装置の設置位置を決定し、
更に、前記一以上の通信装置の設置位置を示す情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記複数の測定装置及び前記サーバ装置は、所定の施設に設置され、
前記施設は、複数行且つ複数列に並ぶ複数のエリアに区画され、
前記設置情報は、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号を、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれの設置位置として示す、
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記複数の測定装置及び前記サーバ装置は、所定の施設に設置され、
前記施設は、複数行且つ複数列に並ぶ複数のエリアに区画され、
前記設置情報は、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号を、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれの設置位置として示し、
前記一以上の通信装置の設置位置は、前記一以上の通信装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号によって示される、
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
通信システムの構築を支援する情報処理装置であって、
前記通信システムは、複数の測定装置とサーバ装置とを備え、前記複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて前記サーバ装置に送信するものであり、
前記複数の測定装置及び前記サーバ装置の設置位置を示す設置情報を取得する取得部と、
前記複数の測定装置のそれぞれを対象にして、前記設置情報に基づいて、
前記サーバ装置及び前記複数の測定装置のうち、処理対象の測定装置である対象装置よりも前記サーバ装置側に設置されている装置群を特定し、
前記装置群の中で前記対象装置の最も近くに設置されている近接装置を特定し、
前記近接装置が前記対象装置から所定距離以上離れて設置されているか否かを判定する判定部と、
前記判定の結果を示す情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の測定装置のそれぞれによるスチームトラップの測定データをサーバ装置に送信する通信システムの構築を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気配管系を備えたプラント及び工場等の施設においては、熱交換又は放熱等によって配管系内に復水(ドレン)が生じることがある。この復水を配管系内に滞留させると運転効率が低下する原因となる。このため、一般には、配管系の適所にスチームトラップを設置し、このスチームトラップによって復水を配管系の外部に排出するようにしている。
【0003】
経年劣化又は作動不良等によってスチームトラップのシール性能が損なわれると、蒸気配管系内の蒸気がスチームトラップを介して外部に漏出し、無駄な蒸気損失を招くこととなる。このため、定期的に、下記特許文献1等に開示のような検査器を用いて、スチームトラップの温度及び振動を測定し、これらの測定データと、閾値等の必要情報とに基づいて、各スチームトラップの作動状態を診断する作業が行われる。
【0004】
しかし、大規模な施設では数千個から数万個のスチームトラップが設置されている場合がある。この場合、作業者による手作業での各スチームトラップの作動状態の診断には多大な時間を要する。このため、各スチームトラップに当該スチームトラップの作動状態を測定する測定装置を常設し、当該測定装置から定期的にサーバ装置に測定データを無線送信し、サーバ装置において、各スチームトラップの作動状態を診断する通信システムを採用する施設も存在する。
【0005】
上記通信システムには、一般的に、サーバ装置、測定装置及び中継装置の三種類の装置を用いる所謂ルーティッド型メッシュネットワークの構成が採用されている。具体的には、近距離間に設置されている複数の測定装置をグループ化し、グループ毎に遠距離無線通信可能な中継装置を設ける。そして、各中継装置が、各グループに属する複数の測定装置から測定データを受信し、当該受信した測定データを集約し、一以上の他のグループの中継装置を介して又は介さずに、サーバ装置に転送する。
【0006】
近年では、ルーティッド型メッシュネットワークの構成における中継装置の設置及び電力に要するコストを軽減するため、上記通信システムに、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いた構成を採用することが注目されている。具体的には、各測定装置が前記リレー機能を用いて自身の測定データ及び他の測定装置から受信した測定データを他の測定装置へ転送することを繰り返し、中継装置を介さずに測定データをサーバ装置まで送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特許第2954183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、既存の通信システムをルーティッド型メッシュネットワークの構成からフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いた構成に変更することは容易ではない。例えば、サーバ装置の近傍の一部の測定装置が互いに通信可能な距離内に設置されていないために、当該一部の測定装置まで転送されてきた測定データをサーバ装置まで転送できない虞がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、複数の測定装置が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されているか否かを効率良く把握することができる情報処理方法及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、通信システムの構築を支援する情報処理装置における情報処理方法であって、前記通信システムは、複数の測定装置とサーバ装置とを備え、前記複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて前記サーバ装置に送信するものであり、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置の設置位置を示す設置情報を取得し、前記複数の測定装置のそれぞれを対象にして、前記設置情報に基づいて、前記サーバ装置及び前記複数の測定装置のうち、処理対象の測定装置である対象装置よりも前記サーバ装置側に設置されている装置群を特定し、前記装置群の中で前記対象装置の最も近くに設置されている近接装置を特定し、前記近接装置が前記対象装置から所定距離以上離れて設置されているか否かを判定し、前記判定の結果を示す情報を出力する。
【0011】
本態様によれば、出力された前記判定の結果を示す情報を参照することによって、近接装置が所定距離以上離れて設置されている測定装置が存在するか否かを効率よく把握することができる。
【0012】
近接装置が所定距離以上離れて設置されている測定装置が存在する場合、当該測定装置が自身の測定データ及び他の測定装置から受信した測定データを、自身よりもサーバ装置側に設置されている測定装置又はサーバ装置まで転送できない虞がある。したがって、この場合、複数の測定装置が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されていないことを把握することができる。
【0013】
一方、近接装置が所定距離以上離れて設置されている測定装置が存在しない場合、複数の測定装置間で各測定装置自身の測定データ及び他の測定装置から受信した測定データを転送することを繰り返し、サーバ装置まで転送できると考えられる。したがって、この場合、複数の測定装置が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されていることを把握することができる。
【0014】
上記態様において、更に、前記近接装置が前記対象装置から前記所定距離以上離れて設置されていると判定した場合、前記近接装置と前記リレー機能を有する一以上の通信装置のそれぞれと前記対象装置とが前記所定距離未満の間隔で設置されるように、前記一以上の通信装置の設置位置を決定し、更に、前記一以上の通信装置の設置位置を示す情報を出力してもよい。
【0015】
本態様によれば、出力された情報が示す設置位置に一以上の通信装置を設置することで、近接装置と、一以上の通信装置のそれぞれと、対象装置と、を所定距離未満の間隔で設置できるようになる。この場合、対象装置の測定データ及び対象装置まで転送された測定データを一以上の通信装置を介して近接装置まで転送することができる。このため、近接装置が所定距離以上離れて設置されている測定装置が存在する場合であっても、測定データを損失することなくサーバ装置まで転送することができる。
【0016】
このように、本態様によれば、複数の測定装置が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように、複数の測定装置の設置位置に応じた一以上の通信装置の設置を適切に提示することができる。
【0017】
上記態様において、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置は、所定の施設に設置され、前記施設は、複数行且つ複数列に並ぶ複数のエリアに区画され、前記設置情報は、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号を、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれの設置位置として示してもよい。
【0018】
この態様によれば、複数の測定装置及びサーバ装置のそれぞれが設置されている位置を、複数の測定装置及びサーバ装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号によって直感的に把握することができる。
【0019】
上記態様において、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置は、所定の施設に設置され、前記施設は、複数行且つ複数列に並ぶ複数のエリアに区画され、前記設置情報は、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号を、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置のそれぞれの設置位置として示し、前記一以上の通信装置の設置位置は、前記一以上の通信装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号によって示されてもよい。
【0020】
この態様によれば、複数の測定装置、サーバ装置及び一以上の通信装置のそれぞれが設置されている位置を、複数の測定装置、サーバ装置及び一以上の通信装置のそれぞれが設置されているエリアの行番号及び列番号によって直感的に把握することができる。
【0021】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、通信システムの構築を支援する情報処理装置であって、前記通信システムは、複数の測定装置とサーバ装置とを備え、前記複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて前記サーバ装置に送信するものであり、前記複数の測定装置及び前記サーバ装置の設置位置を示す設置情報を取得する取得部と、前記複数の測定装置のそれぞれを対象にして、前記設置情報に基づいて、前記サーバ装置及び前記複数の測定装置のうち、処理対象の測定装置である対象装置よりも前記サーバ装置側に設置されている装置群を特定し、前記装置群の中で前記対象装置の最も近くに設置されている近接装置を特定し、前記近接装置が前記対象装置から所定距離以上離れて設置されているか否かを判定する判定部と、前記判定の結果を示す情報を出力する出力部と、を備える。
【0022】
この態様によれば、上記情報処理方法と同様の作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、複数の測定装置が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されているか否かを効率良く把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いた通信システムの全体構成を示す図である。
図2】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
図3】設置情報の一例を示す図である。
図4】設置情報が示す複数の測定装置及びサーバ装置の設置位置の一例を示す図である。
図5】一以上の通信装置の設置位置の一例を示す図である。
図6】一以上の通信装置の設置位置を示す情報が追記された設置情報の一例を示す図である。
図7】情報処理装置における環境構築支援処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。尚、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。先ず、複数の測定装置1のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いてサーバ装置2に送信する通信システム100の構成例について説明する。図1は、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いた通信システム100の全体構成を示す図である。
【0026】
具体的には、図1に示すように、通信システム100は、複数の測定装置1と、サーバ装置2と、を備えて構成される。複数の測定装置1及びサーバ装置2は、Bluetooth(登録商標) Mesh ネットワーク等のフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を有する通信回路を備え、所謂フラッド型ネットワークを構成する。
【0027】
複数の測定装置1は、蒸気配管系を備えたプラント及び工場等の施設における配管系の適所に設置された複数のスチームトラップのそれぞれに常設(設置)される。各測定装置1は、設置先のスチームトラップの作動状態を測定する。各測定装置1は、測定した作動状態を示す測定データと当該測定データの送信先であるサーバ装置2を示す宛先情報等を含むパケットを、フラッド型ネットワークのリレー機能を用いて、一以上の測定装置1を介して又は介さずに、サーバ装置2まで転送する。
【0028】
フラッド型メッシュネットワークとは、洪水型メッシュネットワークとも呼ばれ、メッシュ状に設置された各装置(以降、ノード)が、洪水のようにデータを逐次他のノードに伝達するネットワークである。具体的には、フラッド型メッシュネットワークに属する各ノードは、リレー機能を有している。リレー機能とは、送信対象のデータと当該データの送信先の宛先情報とを含むパケットをブロードキャストし、更に、他のノードがブロードキャストしたパケットを受信し、当該受信したパケットを更にブロードキャスト(転送)する機能である。
【0029】
尚、キャッチボールのように、特定の複数のノード間でパケットの送受信が繰り返されると、パケットが宛先まで到達しない。これを回避するため、リレー機能では、一度受信したパケットは一時的に記憶(キャッシュ)される。また、リレー機能では、当該記憶されているパケットと同じパケットが受信された場合、その受信されたパケットは、ブロードキャストされずに破棄される。
【0030】
例えば、図1は、左下端の測定装置1が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、サーバ装置2宛にデータを送信する例を示している。図1の白矢印部に示すように、左下端の測定装置1から送信されたパケットは、複数のノードでブロードキャストされ、サーバ装置2まで伝達される。
【0031】
サーバ装置2は、複数の測定装置1と同じ施設内に設置される。サーバ装置2は、複数のスチームトラップ、複数の測定装置1及びサーバ装置2に関する情報を管理する。具体的には、サーバ装置2は、複数のスチームトラップ、複数の測定装置1及びサーバ装置2のそれぞれの識別情報、設置位置、メーカ及び機種等が記載された管理台帳を記憶している。
【0032】
また、サーバ装置2は、複数の測定装置1のそれぞれから受信したパケットに含まれる測定データ等に基づき、各測定装置1の設置先のスチームトラップの作動状態を診断する。サーバ装置2は、各測定装置1の設置先のスチームトラップの識別情報と、当該診断の結果を示す診断データと、当該診断に用いられた測定データと、を対応付けて記憶することで、複数のスチームトラップの作動状態を管理する。
【0033】
尚、サーバ装置2は、所定のクラウドサーバと通信を行うことで、複数の測定装置1のそれぞれから受信したパケットに含まれる測定データ等に基づき、各測定装置1の設置先のスチームトラップの作動状態を診断する構成であってもよい。また、サーバ装置2は、所定のクラウドデータベースと通信を行うことで、複数のスチームトラップの作動状態を管理する構成であってもよい。
【0034】
<情報処理装置3の構成>
次に、本発明の実施の形態に係る情報処理装置3について説明する。図2は、情報処理装置3の構成の一例を示す図である。情報処理装置3は、対象の施設における上記の通信システム100と同様の構成の通信システムの構築を支援する処理(以降、環境構築支援処理)を行う。
【0035】
具体的には、情報処理装置3は、操作部33、表示部34、記憶部35、通信部36、IF部37及び制御部31を備えている。
【0036】
操作部33は、作業者が各種の情報を入力するためのキーボード又はマウス等によって構成されている。表示部34は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等を用いて構成されている。尚、タッチパネル式ディスプレイを使用することにより、操作部33と表示部34とを一体として構成してもよい。
【0037】
記憶部35は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等の書き換え可能な任意の記憶装置を用いて構成されている。
【0038】
通信部36は、Bluetooth(登録商標)、Ethernet(登録商標)等の任意の通信方式に対応した通信回路を用いて構成され、サーバ装置2等の外部装置と通信を行う。
【0039】
IF部37は、SDカード又はUSBメモリ等のフラッシュメモリが着脱自在に接続される入出力端子等によって構成されている。IF部37は、自身にフラッシュメモリが接続された状態で、当該フラッシュメモリと制御部31との間で情報を入出力する。尚、情報処理装置3にIF部37を備えないようにしてもよい。
【0040】
制御部31は、CPU等を備えたコンピュータによって構成されている。制御部31は、当該CPUが所定のプログラムを実行することによって実現される機能として、取得部311、判定部312、決定部313及び出力部314を有している。
【0041】
取得部311は、対象の施設に設置されている複数の測定装置1及びサーバ装置2の設置位置を示す情報(以降、設置情報)を取得する。
【0042】
具体的には、取得部311は、通信部36を用いて、対象の施設に設置されているサーバ装置2と通信を行うことにより、サーバ装置2から設置情報を取得する。尚、設置情報を記憶しているフラッシュメモリがIF部37に接続されている場合、取得部311が、IF部37を用いて、当該フラッシュメモリに記憶されている設置情報を取得するようにしてもよい。
【0043】
図3は、設置情報91の一例を示す図である。図4は、図3の設置情報91が示す複数の測定装置1及びサーバ装置2の設置位置の一例を示す図である。図3に示すように、設置情報91は、対象の施設に設置されている複数の測定装置1のそれぞれの設置位置(例えば、X1、Y1)、識別情報(ID)(例えば、M1)、メーカ(例えば、ミヤワキ)、機種(例えば、MR1)及び通信距離(例えば、D1)を含む。同様に、設置情報91は、対象の施設に設置されているサーバ装置2の設置位置(例えば、X0、Y0)、識別情報(ID)(例えば、SV)、メーカ(例えば、A社)、機種(例えば、SV1)及び通信距離(例えば、D1)を含む。
【0044】
複数の測定装置1及びサーバ装置2の設置位置は、図4に示すように、複数の測定装置1及びサーバ装置2が設置されている施設を複数行且つ複数列に並ぶ複数のエリアARに区画した場合における、各測定装置1が設置されているエリアARの行番号及び列番号によって示される。
【0045】
図4は、9台の測定装置1及び1台のサーバ装置2が設置されている施設を、10行且つ10列に並ぶ100個のエリアARに区画した例を示している。本実施の形態では、説明の便宜上、エリアARは、1辺が10mの正方形であるものとするが、エリアARの形状はこれに限らない。
【0046】
例えば、図3のID「M1」の測定装置1の設置位置「X1、Y1」は、図4に示すように、当該測定装置1が、列番号「X1」及び行番号「Y1」のエリアARに設置されていることを示している。同様に、図3のID「SV」のサーバ装置2の設置位置「X0、Y0」は、図4に示すように、サーバ装置2が、列番号「X0」及び行番号「Y0」のエリアARに設置されていることを示している。
【0047】
測定装置1の通信距離は、当該測定装置1の設置位置において、当該測定装置1が備える通信回路がリレー機能によって通信可能な距離の上限値を示している。同様に、サーバ装置2の通信距離は、当該サーバ装置2の設置位置において、当該サーバ装置2が備える通信回路がリレー機能によって通信可能な距離の上限値を示している。
【0048】
例えば、図4は、図3に示す設置位置「X2、Y7」及びID「M3」の測定装置1が、自身の設置位置から、エリアARの1辺の2.5倍(25m)に相当する通信距離「D1」以下の領域において、前記リレー機能によって通信可能であることを示している。
【0049】
同様に、図4は、図3に示す設置位置「X5、Y2」及びID「M4」の測定装置1が、自身の設置位置から、エリアARの1辺の3倍(30m)に相当する通信距離「D2」以下の領域において、前記リレー機能によって通信可能であることを示している。また、図4は、図3に示す設置位置「X6、Y8」及びID「M6」の測定装置1が、自身の設置位置から、エリアARの1辺の2倍(20m)に相当する通信距離「D3」以下の領域において、前記リレー機能によって通信可能であることを示している。
【0050】
図2に参照を戻す。判定部312は、複数の測定装置1のそれぞれを対象にして、設置情報91(図3)に基づいて、近接装置が処理対象の測定装置1(以降、対象装置)から所定の通信距離(所定距離)以上離れて設置されているか否かの判定を行う。
【0051】
近接装置とは、サーバ装置2及び複数の測定装置1のうちの対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARに設置されている装置群の中で、対象装置の最も近くに設置されている装置(サーバ装置2又は測定装置1)である。対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARとは、対象装置が設置されているエリアARよりも、列番号及び行番号のうちの少なくとも一つが小さいエリアARである。
【0052】
例えば、取得部311が図3に示す設置情報91を取得したとする。この場合、判定部312は、設置情報91に含まれるID「M1」~「M9」の9台の測定装置1のそれぞれを対象にして、上記の判定を行う。
【0053】
ID「M1」の測定装置1を対象装置とする判定では、判定部312は、図4に示すように、当該対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARに設置されているサーバ装置2を、当該対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARに設置されている装置群として特定する。そして、判定部312は、当該装置群の中で対象装置に最も近くに設置されているサーバ装置2を近接装置として特定する。
【0054】
図3に示すように、ID「M1」の測定装置1が設置されているエリアARでの通信距離は、「D1」(25m)である。図4に示すように、対象装置であるID「M1」の測定装置1が設置されている列番号「X1」及び行番号「Y1」のエリアARと、近接装置であるサーバ装置2が設置されている列番号「X0」及び行番号「Y0」のエリアARと、の距離は、「D1」(25m)未満である。
【0055】
したがって、判定部312は、ID「M1」の測定装置1を対象装置とする判定では、近接装置が対象装置から所定の通信距離以上離れて設置されていないと判定する。
【0056】
ID「M4」の測定装置1を対象装置とする上記判定では、判定部312は、図4に示すように、当該対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARに設置されているサーバ装置2とID「M1」の測定装置1とを、当該対象装置よりもサーバ装置2側のエリアARに設置されている装置群として特定する。そして、判定部312は、当該装置群の中で対象装置に最も近くに設置されているID「M1」の測定装置1を近接装置として特定する。
【0057】
図3に示すように、ID「M4」の測定装置1が設置されているエリアARでの通信距離は、「D2」(30m)である。図4に示すように、対象装置であるID「M4」の測定装置1が設置されている列番号「X5」及び行番号「Y2」のエリアARと、近接装置であるID「M1」の測定装置1が設置されている列番号「X1」及び行番号「Y1」のエリアARと、の距離は、「D2」(30m)以上である。
【0058】
したがって、判定部312は、ID「M4」の測定装置1を対象装置とする判定では、近接装置が対象装置から所定の通信距離以上離れて設置されていると判定する。
【0059】
上記と同様にして、判定部312は、ID「M5」、「M7」、「M9」、「M8」、「M2」の測定装置1のそれぞれを対象装置とする判定では、近接装置が対象装置から所定の通信距離内に設置されていると判定する。一方、判定部312は、ID「M6」、「M3」の測定装置1を対象装置とする判定では、近接装置が対象装置から所定の通信距離以上離れて設置されていると判定する。
【0060】
決定部313は、判定部312によって近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定された測定装置1(対象装置)については、近接装置とリレー機能を有する一以上の通信装置のそれぞれと当該測定装置とが所定の通信距離(所定距離)未満の間隔で設置されるように、一以上の通信装置の設置位置を決定する。
【0061】
上記の具体例では、決定部313は、判定部312によって近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定されたID「M4」、「M6」、「M3」の3台の測定装置1について、リレー機能を有する一以上の通信装置の設置位置を決定する。
【0062】
図5は、一以上の通信装置の設置位置の一例を示す図である。例えば、ID「M4」の測定装置1について、決定部313は、当該測定装置1よりもサーバ装置2側で最も近い近接装置であるID「M1」の測定装置1と、一以上の通信装置と、当該ID「M4」の測定装置1と、が所定の通信距離「D2」(30m)未満の間隔で設置されるようにするため、ID「C41」の一台の通信装置を、列番号「X3」及び行番号「Y1」のエリアARに設置することを決定する。
【0063】
同様に、ID「M6」の測定装置1について、決定部313は、当該測定装置1よりもサーバ装置2側で最も近い近接装置であるID「M8」の測定装置1と、一以上の通信装置と、当該ID「M6」の測定装置1と、が所定の通信距離「D3」(20m)未満の間隔で設置されるようにするため、ID「C61」の一台の通信装置を、列番号「X7」及び行番号「Y7」のエリアARに設置することを決定する。
【0064】
また、ID「M3」の測定装置1について、決定部313は、当該測定装置1よりもサーバ装置2側で最も近い近接装置であるID「M5」の測定装置1と、一以上の通信装置と、当該ID「M3」の測定装置1と、が所定の通信距離「D1」(25m)未満の間隔で設置されるようにするため、ID「C31」、「C32」の二台の通信装置を、それぞれ、列番号「X5」及び行番号「Y5」のエリアAR、列番号「X3」及び行番号「Y6」のエリアARに設置することを決定する。
【0065】
出力部314は、判定部312による判定の結果を示す情報を出力する。また、出力部314は、決定部313が決定した一以上の通信装置の設置位置を示す情報を出力する。
【0066】
具体的には、判定部312による複数の測定装置1のそれぞれを対象にした上記の判定において、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定された測定装置1が存在しなかったとする。
【0067】
この場合、出力部314は、通信部36を用いて、対象の施設に設置されているサーバ装置2に、取得部311が取得した設置情報91を送信する。出力部314は、当該設置情報91とともに、複数の測定装置1が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように設置されていることを示す情報(以降、第1情報)を送信する。
【0068】
尚、フラッシュメモリがIF部37に接続されている場合、出力部314が、IF部37を用いて、設置情報91と第1情報とを当該フラッシュメモリに記憶するようにしてもよい。これにより、対象の施設の管理者が利用するパソコン等の情報処理端末において、当該フラッシュメモリに記憶されている設置情報91及び第1情報を参照できるようにしてもよい。
【0069】
一方、上記具体例のように、判定部312による複数の測定装置1のそれぞれを対象にした上記の判定において、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定された測定装置1が存在したとする。
【0070】
この場合、出力部314は、取得部311が取得した設置情報91に、当該判定がなされた測定装置1について決定部313が決定した一以上の通信装置の設置位置を示す情報を追記する。出力部314は、当該一以上の通信装置の設置位置を示す情報を追記した後の設置情報91を送信する。出力部314は、当該設置情報91とともに、複数の測定装置1がフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるようにするため、一以上の通信装置の追加が必要であることを示す情報(以降、第2情報)を送信する。
【0071】
尚、フラッシュメモリがIF部37に接続されている場合、出力部314が、IF部37を用いて、一以上の通信装置の設置位置を示す情報を追記した後の設置情報91と第2情報とを当該フラッシュメモリに記憶するようにしてもよい。これにより、対象の施設の管理者が利用するパソコン等の情報処理端末において、当該フラッシュメモリに記憶されている設置情報91及び第2情報を参照できるようにしてもよい。
【0072】
図6は、一以上の通信装置の設置位置を示す情報が追記された設置情報91aの一例を示す図である。上記具体例では、決定部313が、判定部312によって近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されていると判定されたID「M4」、「M6」、「M3」の3台の測定装置1について、リレー機能を有する一以上の通信装置の設置位置を決定した。
【0073】
このため、図6に示すように、出力部314は、ID「M4」の測定装置1について決定部313が決定した通信装置の設置位置「X3、Y1」、ID「C41」、メーカ「ミヤワキ」及び機種「CR2」と、を取得部311が取得した設置情報91に追記する。また、出力部314は、当該設置位置「X3、Y1」における通信距離として、ID「M4」の測定装置1と同じ通信距離「D2」を追記する。
【0074】
同様に、出力部314は、ID「M6」の測定装置1について決定部313が決定した通信装置の設置位置「X7、Y7」、ID「C61」、メーカ「ミヤワキ」及び機種「CR3」と、当該設置位置「X7、Y7」における通信距離「D3」と、を設置情報91に追記する。
【0075】
同様に、出力部314は、ID「M3」の測定装置1について決定部313が決定したID「C31」の通信装置の設置位置「X5、Y5」、ID「C31」、メーカ「ミヤワキ」及び機種「CR1」と、当該設置位置「X5、Y5」における通信距離「D1」と、を設置情報91に追記する。また、出力部314は、ID「M3」の測定装置1について決定部313が決定したID「C32」の通信装置の設置位置「X3、Y6」、ID「C32」、メーカ「ミヤワキ」及び機種「CR1」と、当該設置位置「X3、Y6」における通信距離「D1」と、を設置情報91に追記する。
【0076】
尚、出力部314が、通信装置の設置位置における通信距離として、設置位置によらない特定の距離(例えば、30m)を追記するようにしてもよい。又は、出力部314が、通信装置の設置位置における通信距離を追記しないようにしてもよい。
【0077】
次に、情報処理装置3において行われる環境構築支援処理について説明する。図7は、情報処理装置3における環境構築支援処理を示すフローチャートである。
【0078】
制御部31は、通信部36を介して、対象の施設のサーバ装置2から環境構築支援処理の実行を要求する情報を取得すると、環境構築支援処理を開始する。環境構築支援処理が開始されると、取得部311は、当該サーバ装置2から、当該施設に設置されている複数の測定装置1及びサーバ装置2の設置位置を示す設置情報91を取得する(ステップS1)。
【0079】
次に、判定部312は、ステップS1で取得された設置情報91が示す複数の測定装置1のうち、ステップS3の判定を行っていない一以上の測定装置1の中から、任意の一台の測定装置1を、対象装置として決定する(ステップS2)。
【0080】
例えば、ステップS2では、判定部312は、ステップS3の判定を行っていない一以上の測定装置1の中から、サーバ装置2に最も近い一台の測定装置1を、ステップS3の対象装置として決定する。ただし、これに限らず、ステップS2において、判定部312が、ステップS3の判定を行っていない一以上の測定装置1の中から対象装置をランダムに決定するようにしてもよい。
【0081】
次に、判定部312は、ステップS2で決定した対象装置について、ステップS1で取得された設置情報91(図3)に基づいて、近接装置が対象装置から所定の通信距離以上離れて設置されているか否かの判定を行う(ステップS3)。
【0082】
ステップS3において、近接装置がステップS3の対象装置から所定の通信距離以上離れて設置されていないと判定された場合(ステップS3でNO)、ステップS2以降の処理が行われる。
【0083】
ステップS3において、近接装置が対象装置から所定の通信距離以上離れて設置されていると判定されたとする。この場合(ステップS3でYES)、決定部313は、近接装置とリレー機能を有する一以上の通信装置のそれぞれと対象装置とが所定の通信距離未満の間隔で設置されるように、一以上の通信装置の設置位置を決定する(ステップS4)。
【0084】
ステップS1で取得された設置情報91が示す複数の測定装置1のうち、ステップS3の判定が行われていない測定装置1が存在する場合(ステップS5でNO)、ステップS2以降の処理が行われる。
【0085】
ステップS1で取得された設置情報91が示す全ての測定装置1を対象にしたステップS3の判定が行われたとする。この場合(ステップS5でYES)、出力部314は、上記のように、判定部312によるステップS3の判定の結果を示す情報を出力する。また、出力部314は、決定部313がステップS4で決定した一以上の通信装置の設置位置を示す情報を出力する(ステップS6)。
【0086】
以上のように、本実施の形態によれば、対象の施設に設置されている複数の測定装置1のうち、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されている測定装置1が存在するか否かの判定の結果を示す情報が出力される。このため、当該情報を参照することによって、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されている測定装置1が存在するか否かを効率よく把握することができる。
【0087】
近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されている測定装置1が存在する場合、当該測定装置1が自身の測定データ及び他の測定装置1から受信した測定データを、自身よりもサーバ装置2側に設置されている測定装置1又はサーバ装置2まで転送できない虞がある。したがって、この場合、複数の測定装置1が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように設置されていないことを把握することができる。
【0088】
一方、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されている測定装置1が存在しない場合、複数の測定装置1間で各測定装置1自身の測定データ及び他の測定装置1から受信した測定データを転送することを繰り返し、サーバ装置2まで転送できると考えられる。したがって、この場合、複数の測定装置1が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように設置されていることを把握することができる。
【0089】
また、本実施の形態によれば、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されている測定装置1が存在する場合、近接装置と一以上の通信装置のそれぞれと当該測定装置1とが所定の通信距離未満の間隔で設置されるように、一以上の通信装置の設置位置が決定される。そして、当該一以上の通信装置の設置位置を示す情報が出力される。
【0090】
このため、出力された情報が示す設置位置に一以上の通信装置を設置することで、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されている測定装置1と、近接装置と、一以上の通信装置のそれぞれと、を所定の通信距離未満の間隔で設置できるようになる。この場合、当該測定装置1の測定データ及び当該測定装置1まで転送された測定データを一以上の通信装置を介して近接装置まで転送することができる。このため、近接装置が所定の通信距離以上離れて設置されている測定装置1が存在する場合であっても、測定データを損失することなくサーバ装置2まで転送することができる。
【0091】
このように、本実施の形態によれば、複数の測定装置1が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置2まで転送できるように、複数の測定装置1の設置位置に応じた一以上の通信装置の設置を適切に提示することができる。
【0092】
上記態様は、本発明に係る実施の形態の例示に過ぎず、本発明を上記態様に限定する趣旨ではない。例えば、以下に示すように変形してもよい。
【0093】
(1)上記実施の形態では、測定装置1、サーバ装置2及び一以上の通信装置の設置位置を、当該設置位置を含むエリアARの列番号及び行番号で示す例について説明した。しかし、測定装置1、サーバ装置2及び一以上の通信装置の設置位置は、これに限らず、緯度、経度及び高度等を用いて示すようにしてもよい。
【0094】
(2)情報処理装置3の制御部31が決定部313を有さないようにしてもよい。これに合わせて、図7に示す環境構築処理から、ステップS4を省略し、ステップS6における一以上の通信装置の設置位置を示す情報の出力も省略するようにしてもよい。
【0095】
(3)上記実施の形態では、設置情報91(図3)に含まれる、各測定装置1及びサーバ装置2の通信距離を、ステップS3及びステップS4(図7)で用いる例について説明した。しかし、設置情報91(図3)に当該通信距離を含めないようにしてもよい。
【0096】
この場合、各測定装置1及びサーバ装置2がフラッドメッシュ型ネットワークのリレー機能によって通信可能な距離の上限値を、設置位置によらない特定の距離(例えば、30m)に定めてもよい。そして、当該特定の距離をステップS3(図7)及びステップS4(図7)において所定の通信距離(所定距離)として用いるようにしてもよい。
【0097】
また、設置情報91(図3)に、各測定装置1及びサーバ装置2のメーカを含めないようにしてもよい。また、設置情報91(図3)に、各測定装置1及びサーバ装置2の機種を含めないようにしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 :測定装置
2 :サーバ装置
3 :情報処理装置
91 :設置情報
91a :設置情報(一以上の通信装置の設置位置を示す情報)
311 :取得部
312 :判定部
314 :出力部
AR :エリア
【要約】
【課題】複数の測定装置が、フラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いて、複数のスチームトラップの測定データを損失なくサーバ装置まで転送できるように設置されているか否かを効率良く把握する。
【解決手段】複数の測定装置のそれぞれがスチームトラップの測定データをフラッド型メッシュネットワークのリレー機能を用いてサーバ装置に送信する通信システムの構築を支援する情報処理装置における情報処理方法であって、複数の測定装置及びサーバ装置の設置位置を示す設置情報を取得し、複数の測定装置のそれぞれを対象にして、設置情報に基づいて、サーバ装置及び複数の測定装置のうち、処理対象の対象装置よりもサーバ装置側に設置されている装置群を特定し、前記装置群の中で対象装置の最も近くに設置されている近接装置を特定し、近接装置が対象装置から所定距離以上離れて設置されているか否かを判定し、前記判定の結果を示す情報を出力する。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7