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特許7442910情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/33 20130101AFI20240227BHJP
【FI】
G06F21/33
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023574427
(86)(22)【出願日】2023-07-04
(86)【国際出願番号】 JP2023024717
【審査請求日】2023-12-15
(31)【優先権主張番号】P 2022109990
(32)【優先日】2022-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522077328
【氏名又は名称】SUSHI TOP MARKETING株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】徳永 大輔
(72)【発明者】
【氏名】大塚 大輔
(72)【発明者】
【氏名】木村 俊
【審査官】上島 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-89640(JP,A)
【文献】国際公開第2022/125851(WO,A1)
【文献】特許第6967116(JP,B1)
【文献】特開2020-30454(JP,A)
【文献】登録実用新案第3128378(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/33
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配布可能なNFT(Non-Fungible Token)ごとに、各レコードを識別するための識別情報、NFTの種類を区別するためNFT指定情報、レコードごとに生成されたランダム値であるシークレット情報、および、NFTが配布済か否かを示す配布済判別用情報を含む管理用データを有し、
ユーザ端末に入力されたURLによるアクセスに応じて、前記識別情報の第1値および比較用情報の第1値を取得することにより前記管理用データを参照し
前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報と前記シークレット情報の値に基づいて前記比較用情報の第2値を導出し、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較し、
値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済でないことを示す場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布し、
前記各値が一致しない場合、および、前記各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済であることを示す場合、前記NFTを配布しない情報処理部を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
配布可能なNFT(Non-Fungible Token)ごとに、各レコードを識別するための識別情報、NFTの種類を区別するためNFT指定情報、レコードごとに生成されたランダム値であるシークレット情報、および、NFTの配布回数を示す配布回数情報を含む管理用データを有し、
ユーザ端末に入力されたURLによるアクセスに応じて、前記識別情報の第1値および比較用情報の第1値を取得することにより前記管理用データを参照し、
前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報と前記シークレット情報の値に基づいて前記比較用情報の第2値を導出し、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較し、
各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布回数情報の値が上限値に至っていない場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布し、
前記各値が一致しない場合、および、前記各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布回数情報の値が上限値に至っている場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布しない情報処理部を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理部は、
前記ユーザ端末に対してウォレットアドレスの保有状況の入力を促し、
前記各値が一致しており前記ユーザ端末から前記ウォレットアドレスを取得した場合、受信した前記ウォレットアドレスに前記NFTを配布し、
前記各値が一致しており前記ユーザ端末から前記ウォレットアドレスを保有していないことを示す情報を取得した場合、前記ウォレットアドレスを新たに生成し、新たに生成した前記ウォレットアドレスに前記NFTを配布する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記URLには、前記識別情報の第1値と、前記比較用情報の第1値を含み、
前記情報処理部は、
前記ユーザ端末に入力された前記URLから前記識別情報の第1値および前記比較用情報の第1値を取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理部は、
前記管理用データを参照し、前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報の値と前記シークレット情報の値に基づいてハッシュ関数を利用して前記比較用情報の第2値を導出し、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理部は、
前記管理用データを参照し、前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報の値と前記シークレット情報の値を順につなげた値を、所定のハッシュ関数に入力することにより出力されたハッシュ値を前記比較用情報の第2値とする
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理部は、
前記管理用データを参照し、前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報の値に基づくハッシュ値と前記シークレット情報の値に基づくハッシュ値を、所定のハッシュ関数に入力することにより出力されたハッシュ値を前記比較用情報の第2値とする
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末とネットワークを介して通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記ユーザ端末は、
入力されたURLにより前記情報処理装置にアクセスし、識別情報の第1値および比較用情報の第1値を送信し、
前記情報処理装置は、
配布可能なNFT(Non-Fungible Token)ごとに、各レコードを識別するための識別情報、NFTの種類を区別するためNFT指定情報、レコードごとに生成されたランダム値であるシークレット情報、および、NFTが配布済か否かを示す配布済判別用情報を含む管理用データを記憶する記憶部と、
前記NFTを配布する情報処理部と、を備え、
前記情報処理部は、
前記ユーザ端末に入力された前記URLによるアクセスに応じて、前記識別情報の第1値および前記比較用情報の第1値を取得することにより前記管理用データを参照し、
前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報と前記シークレット情報の値に基づいて前記比較用情報の第2値を導出し、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較し、
各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済でないことを示す場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布し、
前記各値が一致しない場合、および、前記各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済であることを示す場合、前記NFTを配布しない
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項9】
ユーザ端末と、前記ユーザ端末とネットワークを介して通信可能な情報処理装置とを備える情報処理システムであって、
前記ユーザ端末は、
入力されたURLにより前記情報処理装置にアクセスし、識別情報の第1値および比較用情報の第1値を送信し、
前記情報処理装置は、
配布可能なNFT(Non-Fungible Token)ごとに、各レコードを識別するための識別情報、NFTの種類を区別するためNFT指定情報、レコードごとに生成されたランダム値であるシークレット情報、および、NFTの配布回数を示す配布回数情報を含む管理用データを有し、
前記NFTを配布する情報処理部と、を備え、
前記情報処理部は、
前記ユーザ端末に入力された前記URLによるアクセスに応じて、前記識別情報の第1値および前記比較用情報の第1値を取得することにより前記管理用データを参照し、
前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報と前記シークレット情報の値に基づいて前記比較用情報の第2値を導出し、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較し、
各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布回数情報の値が上限値に至っていない場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布し、
前記各値が一致しない場合、および、前記各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布回数情報の値が上限値に至っている場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布しない
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
前記URLが記録された媒体を提供する自動媒体提供装置を更に備え、
前記ユーザ端末は、前記自動媒体提供装置により提供された前記媒体に記録された前記URLが入力されることにより前記識別情報の値および前記比較用情報の値を前記情報処理装置に送信する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
情報処理装置は、
配布可能なNFT(Non-Fungible Token)ごとに、各レコードを識別するための識別情報、NFTの種類を区別するためNFT指定情報、レコードごとに生成されたランダム値であるシークレット情報、および、NFTが配布済か否かを示す配布済判別用情報を含む管理用データを有し、
前記情報処理装置の情報処理部は、
ユーザ端末に入力されたURLによるアクセスに応じて、前記識別情報の第1値および比較用情報の第1値を取得することにより前記管理用データを参照するステップと、
前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報と前記シークレット情報の値に基づいて前記比較用情報の第2値を導出するステップと、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較するステップと、
各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済でないことを示す場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布するステップと、
前記各値が一致しない場合、および、前記各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済であることを示す場合、前記NFTを配布しないステップとを含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項12】
情報処理装置は、
配布可能なNFT(Non-Fungible Token)ごとに、各レコードを識別するための識別情報、NFTの種類を区別するためNFT指定情報、レコードごとに生成されたランダム値であるシークレット情報、および、NFTの配布回数を示す配布回数情報を含む管理用データを有し、
前記情報処理装置の情報処理部は、
ユーザ端末に入力されたURLによるアクセスに応じて、前記識別情報の第1値および比較用情報の第1値を取得することにより前記管理用データを参照するステップと、
前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報と前記シークレット情報の値に基づいて前記比較用情報の第2値を導出するステップと、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較するステップと、
各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布回数情報の値が上限値に至っていない場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布するステップと、
前記各値が一致しない場合、および、前記各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布回数情報の値が上限値に至っている場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布しないステップとを含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
配布可能なNFT(Non-Fungible Token)ごとに、各レコードを識別するための識別情報、NFTの種類を区別するためNFT指定情報、レコードごとに生成されたランダム値であるシークレット情報、および、NFTが配布済か否かを示す配布済判別用情報を含む管理用データを有するコンピュータに、
ユーザ端末に入力されたURLによるアクセスに応じて、前記識別情報の第1値および比較用情報の第1値を取得することにより前記管理用データを参照する手順と、
前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報と前記シークレット情報の値に基づいて前記比較用情報の第2値を導出する手順と、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較する手順と、
各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済でないことを示す場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布する手順と、
前記各値が一致しない場合、および、前記各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済であることを示す場合、前記NFTを配布しない手順を実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項14】
配布可能なNFT(Non-Fungible Token)ごとに、各レコードを識別するための識別情報、NFTの種類を区別するためNFT指定情報、レコードごとに生成されたランダム値であるシークレット情報、および、NFTの配布回数を示す配布回数情報を含む管理用データを有するコンピュータに、
ユーザ端末に入力されたURLによるアクセスに応じて、前記識別情報の第1値および比較用情報の第1値を取得することにより前記管理用データを参照する手順と、
前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報と前記シークレット情報の値に基づいて前記比較用情報の第2値を導出する手順と、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較する手順と、
各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布回数情報の値が上限値に至っていない場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布する手順と、
前記各値が一致しない場合、および、前記各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布回数情報の値が上限値に至っている場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布しない手順を実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルアートや、デジタル的なトレーディングカード、ゲームアイテム、その他のデジタル資産の唯一性や保有者を保証し、証明することが可能なNFT(Non-Fungible Token)が広く認知されると共に、普及してきている。NFTに関し、例えば特許文献1には、NFTに対してセキュアな制御を行う技術が記載されている。また例えば特許文献2には、ゲームアイテムをNFTとしてゲーム内とゲーム外との間で送受信する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2021-166028号公報
【文献】特開2021-152715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザがNFTを取得する場合、NFTを取り扱うマーケットプレイスにアカウントを登録し、マーケットプレイスが提供するサービスを利用してNFTを購入し、取得するという手段がある。しかしながら、NFTに関連する分野では、ユーザがNFTを様々な方法で取得できるように、上述した手段のほかに、ユーザがNFTを取得する他の手段を提供することが求められている。ただし他の手段の提供にあたっては、不正にNFTが取得されることを防止する必要がある。
【0005】
そこで、本開示は、ユーザがNFTを取得可能としつつ、不正にNFTが取得されることを防止できる仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一局面によれば、配布可能なNFT(Non-Fungible Token)ごとに、各レコードを識別するための識別情報、NFTの種類を区別するためNFT指定情報、レコードごとに生成されたランダム値であるシークレット情報、および、NFTが配布済か否かを示す配布済判別用情報を含む管理用データを有し、
ユーザ端末に入力されたURLによるアクセスに応じて、前記識別情報の第1値および比較用情報の第1値を取得することにより前記管理用データを参照し
前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記NFT指定情報と前記シークレット情報の値に基づいて前記比較用情報の第2値を導出し、
前記比較用情報の第1値と前記比較用情報の第2値とを比較し、
値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済でないことを示す場合、前記識別情報の第1値に対応する前記NFTを配布し、
前記各値が一致しない場合、および、前記各値が一致しており前記管理用データにおいて前記識別情報の第1値と対応付けられた前記配布済判別用情報が配布済であることを示す場合、前記NFTを配布しない情報処理部を備える
ことを特徴とする情報処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、ユーザがNFTを取得可能としつつ、不正にNFTが取得されることを防止できる仕組みが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバおよび端末の機能構成例を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバのハードウェア構成例である。
図4】各種データベースのレコード内容を示す図である。
図5】自動販売機の一例を示す図である。
図6】NFT対応URLと、配布対象管理データベースとの関係を示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理サーバおよび端末の動作例を示すフローチャートである。
図8】NFT配布用Webページの一例を示す図である。
図9】第1変形例に係る配布対象管理データベースのレコードの内容を示す図である。
図10】第1変形例に係る情報処理サーバの動作例を示すフローチャートである。
図11】第1変形例に係る配布対象管理データベースのレコードの内容を示す図である。
図12】第1変形例に係る情報処理サーバの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図1で示すように情報処理システム1は、情報処理サーバ2(特許請求の範囲の「情報処理装置」に相当)と、1つ以上の端末3と、1つ以上の専用自動販売機4(特許請求の範囲の「媒体自動提供装置」に相当)とを含んで構成されている。情報処理サーバ2および端末3は、インターネット、電話網、その他の通信網を含むネットワークNに接続可能であり、ネットワークNを介して通信可能である。ネットワークNは、情報処理サーバ2および端末3が通信に利用するネットワークを、後述するブロックチェーンネットワークBと区別するために、便宜的に表現するものである。
【0011】
端末3は、ユーザが使用するコンピュータである。端末3は、液晶パネルや、有機ELパネル等の表示装置5(図2)を備えているか、表示装置5が接続されている。本実施形態ではユーザとは、情報処理サーバ2が提供するサービス(以下「本件サービス」という)を利用し得る者を意味する。端末3は、ブラウザが搭載されているコンピュータであれば、そのタイプはどのようなものであってもよい。例えばデスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ(いわゆるスマートフォンを含む)を端末3として機能させることができる。図1では、数個の端末3を例示的に示している。
【0012】
情報処理サーバ2は、本件サービスを提供するサーバ装置である。図1で示すように情報処理サーバ2は、ネットワークNに接続されると共に、ブロックチェーンネットワークBに接続される。ブロックチェーンネットワークBは、イーサリアムに係るP2P分散ネットワークであり、P2P方式によって多数のノードが互いに接続されている。ブロックチェーンネットワークBの各ノードは、ブロックチェーン技術により、ブロックチェーン(分散台帳)を記憶する。
【0013】
ブロックチェーンネットワークBは、イーサリアムに係るネットワークであるため、各ノードに記憶されるブロックチェーンには、スマートコントラクトを登録可能である。更にブロックチェーンネットワークBでは、FT(Fungible Token)のほか、NFT(Non Fungible Token)を発行可能である。周知の通り、NFTは、FTとは異なり代替性を有さないトークンであり、デジタル資産の唯一性や保有者の保証/証明に広く利用されている。本実施形態では、NFTは、ERC721に準拠したトークンを想定する。なお本実施形態では、ブロックチェーンネットワークBをイーサリアムに係るネットワークとしているが、これはあくまで一例であり、他のタイプのネットワークであってもよい。またNFTが準拠する規格はERC721に限られるものではない。
【0014】
情報処理サーバ2は、端末3をクライアントとするサーバとして機能すると共に、ブロックチェーンネットワークBのエンドポイントとして機能する。情報処理サーバ2は、ブロックチェーンに各種トランザクション(スマートコントラクトを実行するためのトランザクションを含む)を送信する処理を実行可能である。専用自動販売機4については後述する。
【0015】
図2は、情報処理サーバ2および端末3の機能構成例を示すブロック図である。図2で示すように情報処理サーバ2は機能構成として、情報処理部10および通信部11を備えている。また端末3は機能構成として、端末制御部12および端末通信部13を備えている。上記機能ブロック10~13は、ハードウェア、DSP(Digital Signal Processor )、ソフトウェアの何れによっても構成することが可能である。例えばソフトウェアによって構成する場合、上記機能ブロック10~13は、実際にはコンピュータのCPU、RAM、ROM等を備えて構成され、RAMやROM、ハードディスクまたは半導体メモリ等の記録媒体に記憶されたプログラムが動作することによって実現される。また情報処理サーバ2は記憶手段として、記憶部14を備えている。
【0016】
情報処理サーバ2の通信部11は、ネットワークNおよびブロックチェーンネットワークBと所定のプロトコルに従って通信する。以下、情報処理サーバ2による通信は、通信部11により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。端末3の端末通信部13は、ネットワークNと所定のプロトコルに従って通信する。情報処理サーバ2および端末3による通信は、端末通信部13により適切に行われるものとして詳細な説明を省略する。
【0017】
図3は、情報処理サーバ2のハードウェア構成の一例である。図3の例において情報処理サーバ2は、処理装置16、一次記憶装置17、補助記憶装置18(記憶媒体)、通信装置19および入出力装置20を備えている。処理装置16、一次記憶装置17、補助記憶装置18、通信装置19および入出力装置20は、バス21を介して接続されている。処理装置16は、制御装置、演算装置、レジスタおよびキャッシュメモリを含んで構成されたCPUを備えている。情報処理部10の少なくとも一部の機能は、処理装置16により実現される。一次記憶装置17は、DRAM等の揮発性メモリを備えている。一次記憶装置17は、処理装置16が直接読み書きするデータを一時的に記憶する。補助記憶装置18は、ハードディスクドライブ(他の磁気記憶装置であってもよい)、ROM、フラッシュメモリ、その他の不揮発性メモリを備えている。補助記憶装置18は、各種データを不揮発的に記憶する。記憶部14の少なくとも一部の機能は、補助記憶装置18により実現される。通信装置19は、通信制御装置およびネットワークインタフェイスを含んで構成され、ネットワークNを介した外部装置との通信を実現する。通信部11の少なくとも一部の機能は、通信装置19により実現される。入出力装置20は、入出力制御装置、入力装置および出力装置を含んで構成される。図3で示すように補助記憶装置18には、プログラム22が記憶されている。処理装置16は、補助記憶装置18に記憶されたプログラム22を一次記憶装置17に読み出して実行することにより、各種処理を実行する。
【0018】
本実施形態ではユーザは、情報処理サーバ2が提供する本件サービスを利用して、簡単な作業を行うだけでNFTの配布を受け、NFTを取得することができる。本実施形態では、あるユーザへのあるNFTの配布とは、そのユーザがそのNFTの所有権を有する状態を構築することを意味する。また、そのユーザへのそのNFTの所有権の設定は、そのNFTに対応するスマートコントラクト内で、そのNFTのIDとそのユーザのアドレス(基本的にはウォレットアドレス)とが対応付けられることによって行われる。
【0019】
以下、まず情報処理サーバ2の記憶部14に記憶された配布対象管理データベース24(特許請求の範囲の「管理用データ」に相当)およびNFT管理データベース25の内容を説明する。以下では、説明の便宜のため、項目としての情報を「○○情報<項目>」のように表現する。
【0020】
図4(A)は、配布対象管理データベース24の1件のレコードを示す図である。配布対象管理データベース24は、ユーザに配布可能な(=配布対象となり得る)NFTごとにレコードを有する。図4(A)で示すように1つのレコードは、統括識別情報<項目>(特許請求の範囲の「識別情報」に相当)と、NFT指定情報<項目>と、シークレット情報<項目>と、配布済フラグ<項目>(特許請求の範囲の「配布済判別用情報」に相当)とを含んでいる。統括識別情報<項目>は、各レコードを識別する情報であり、レコード毎に一意な値を有する。以下、統括識別情報<項目>の値を「統括識別情報値」という。NFT指定情報<項目>は、NFTの種類を区別するためにNFTごとに付与された文字列を値として有する。以下、NFT指定情報<項目>の値を「NFT指定情報値」という。一例として一のNFTのNFT指定情報値は「aaa」という文字列とされ、当該一のNFTとは種類の異なる他のNFTのNFT指定情報値は「bbb」という文字列とされる。
【0021】
シークレット情報<項目>とは、レコードごとに生成されたランダム値を値として有する。以下、シークレット情報<項目>の値を「シークレット情報値」という。シークレット情報値は、各レコードの値が異なるよう、十分な桁数とランダム性を有する。配布対象管理データベース24において、各レコードのNFT指定情報値、および、シークレット情報値は事後的な改変が禁止されている。配布済フラグ<項目>は、対応するNFTが配布済か否かを示すフラグである。配布済フラグ<項目>の初期値は、配布されていないことを示すオフ値とされる。
【0022】
ここで比較用情報値について説明する。上述したように配布対象管理データベース24の各レコードは、NFT指定情報値およびシークレット情報値を備えている。そして本実施形態では、NFT指定情報値およびシークレット情報値に基づいて、ハッシュ関数を利用した特定の導出方法により導出される値が比較用情報値に相当する。NFT指定情報値およびシークレット情報値から比較用情報値を導出する方法はどのような方法でもよいものの、予め定められた特定の方法とされる。一例として、NFT指定情報値、シークレット情報値の順番に値がつなげられたものが所定のハッシュ関数に入力され、出力されたハッシュ値が比較用情報値とされる。また例えば、NFT指定情報値のハッシュ値が導出され、更にシークレット情報値のハッシュ値が導出され、NFT指定情報値に基づくハッシュ値、シークレット情報値に基づくハッシュ値の順番に各値がつなげられたものが所定のハッシュ関数に入力され、出力されたハッシュ値が比較用情報値とされる。
【0023】
NFT指定情報値およびシークレット情報値から比較用情報値を導出する方法は固定的であるため、ある1つのレコードのNFT指定情報値およびシークレット情報値から導出される比較用情報値は、いついかなるときも同じ値となる。なお配布対象管理データベース24は、情報の漏洩や情報の改ざんが防止された状態で、セキュアに管理されている。従って、権限のない第三者が、配布対象管理データベース24の各レコードのNFT指定情報値およびシークレット情報値を把握することはない。NFT指定情報<項目>とシークレット情報<項目>との組み合わせは、特許請求の範囲の「導出用情報」に相当する。
【0024】
NFT管理データベース25は、NFT指定情報<項目>の値の種類ごとに(=NFTの種類ごとに)、レコードを有する。図4(B)はNFT管理データベース25の1件のレコードの内容を示す図である。図4(B)で示すように、NFT管理データベース25の1件のレコードは、NFT指定情報<項目>と、NFT詳細情報<項目>とを含む。NFT詳細情報<項目>は、対応するNFTを配布するために必要な情報(より詳細にはNFTを配布するためのトランザクションをブロックチェーンネットワークBに送信するために必要な情報)を少なくとも含む。以下、NFT詳細情報<項目>の値を「NFT詳細情報値」という。NFT詳細情報値は、少なくともNFTに対応するスマートコントラクトのコントラクトアドレスを含む。
【0025】
次に、ユーザがNFTを取得するときの情報処理サーバ2の処理について説明する。まずユーザに、NFT対応URLが提供されるシーンについて説明する。NFT対応URLとは、NFTの配布に係る専用のNFT配布用Webページ27(図8)のURLである。NFT対応URLおよびNFT配布用Webページ27については後述する。以下では、NFT対応URLがユーザに提供されるときの態様について専用自動販売機4を用いた例を示す。
【0026】
図5は、専用自動販売機4の一例である。専用自動販売機4は、NFTを購入するための自動販売機である。図5で示すように専用自動販売機4は、各NFTに対応するデジタル資産オブジェクト28が陳列されるディスプレイ29と、各NFTの値段を示す値段ラベル30と、購入するNFTを選択するためのボタン31と、URL記録媒体32(後述)を排出する媒体排出口33と、現金を投入する投入口34と、釣銭を排出する釣銭排出口35とを備えている。本実施形態において「現金」とは、法定通貨(つまり暗号資産ではない)による硬貨、紙幣、電子マネーを意味する。デジタル資産オブジェクト28とは、NFTに対応するデジタル資産(例えば、デジタルアート、デジタル的なトレーディングカード、ゲームアイテム)を表現し、説明するオブジェクトである。例えば、あるNFTに対応するデジタル資産が静止画に係るデジタルアートである場合には、対応するデジタル資産オブジェクト28は、デジタルアートのサムネイル画像と、「アーティスト名、作品名、その他の属性情報」とを含んで構成される。
【0027】
今、ユーザの目の前に専用自動販売機4があり、ユーザが特定のNFTを購入することを希望したとする。この場合、ユーザは、一般的な自動販売機で商品を購入するときの通常の作業と同等の作業を行って当該特定のNFTを選択し、購入する。すると当該特定のNFTに対応するURL記録媒体32が媒体排出口33から排出される。URL記録媒体32は、「NFT対応URLが変換されて生成された2次元コード」が印刷(記録)された媒体(本実施形態では、カード型の紙媒体)である。上述したようにNFT対応URLは、NFTの配布に係る専用のNFT配布用Webページ27(図8)のURLである。NFT対応URLには、パラメータとして「対応するNFTの統括識別情報値」および「対応するNFTの比較用情報値」が含まれている。一例として、ある一のNFTに対応するNFT対応URLは、「https://example.com/id=0001&hash=2ff…」(ただし、「id」は統括識別情報値の変数名を示し、「hash」は比較用情報値の変数名を示す)というものである。この例では、NFT対応URLに当該一のNFTの統括識別情報値「0001」が含まれると共に、当該一のNFTの比較用情報値「2ff…」が含まれている。
【0028】
このように専用自動販売機4で提供されるURL記録媒体32に記録されたNFT対応URLには、対応するNFTの統括識別情報値と、比較用情報値とが含まれている。そして、ある一のNFTに係るNFT対応URLに含まれる統括識別情報値は、当該一のNFTについて配布対象管理データベース24で管理されている総括識別情報値と一致する。更に、ある一のNFTに係るNFT対応URLに含まれる比較用情報値は、当該一のNFTについて配布対象管理データベース24で管理されている「NFT指定情報値およびシークレット情報値」から導出される比較用情報値と一致する。例えば図6は、ある特定のNFT(便宜上「NFT-A」と表現する)に係るURL記録媒体32、および、配布対象管理データベース24を示している。図6の配布対象管理データベース24において、符号R1は、NFT-Aに対応するレコードである。このとき図6で示すように、URL記録媒体32に記録されたNFT-Aに係るNFT対応URLに含まれる統括識別情報値と、配布対象管理データベース24のNFT-Aに対応するレコードに含まれる統括識別情報値とは一致する。更に図6で示すように、URL記録媒体32に記録されたNFT-Aに係るURLに含まれる比較用情報値と、配布対象管理データベース24のNFT-Aに対応するレコードR1に含まれる「NFT指定情報値およびシークレット情報値」から導出される比較用情報値とは一致する。
【0029】
共通するNFTについて、NFT対応URLに含まれる統括識別情報値および比較用情報値と、配布対象管理データベース24で管理される統括識別情報値および比較用情報値(厳密にはNFT指定情報値およびシークレット情報値により導出されるべき比較用情報値)との一致性は、例えば以下の方法で実現される。すなわち情報処理サーバ2を運用する主体(以下「サービス提供会社」という)がURL記録媒体32を発行する場合には、サービス提供会社が、配布対象管理データベース24の内容に基づいて各NFTの比較用情報値を把握し、各NFTについてのURL記録媒体を発行する。またサービス提供会社と、URL記録媒体32を発行する主体とが異なる場合には、サービス提供会社が、配布用管理データベースの内容に基づいて各NFTの比較用情報値を把握し、各NFTの比較用情報値を、URL記録媒体32を発行する主体にセキュアに通知する。URL記録媒体32を発行する主体は、サービス提供会社から通知された各NFTの比較用情報値に基づいて、各NFTのURL記録媒体32を発行する。
【0030】
以上の通り、ユーザが専用自動販売機4を利用してユーザが一のNFTを購入した場合、以下の状態となっている。すなわち、当該一のNFTに対応するURL記録媒体32を介してユーザに提供されるNFT対応URLに含まれる「統括識別情報値と比較用情報値との組合せ」と、当該一のNFTについて配布用管理データベースで管理される統括識別情報値と比較用情報値(厳密にはNFT指定情報値およびシークレット情報値により導出されるべき比較用情報値)との組合せ」とが一致した状態となっている。
【0031】
以上、専用自動販売機4を利用してNFT対応URLがユーザに提供される態様の一例を説明した。しかしながらこれはあくまでも一例であり、ユーザへのNFT対応URLの提供は様々な態様で行われる。また専用自動販売機4を利用する例では、二次元コードによりURLが提供された。しかしながらNFT対応URLの提供は、二次元コードではなく、文字列(例:https://example.com/id=0001&hash=2ff…)によって行われてもよい。例えば、専用自動販売機4以外の「現金の投入に応じて物理的媒体を提供する自動媒体提供装置」によりURL記録媒体32が提供される構成でもよい。自動媒体提供装置は、例えばカプセルトイ(回転式レバーを回すとカプセルが出てくる小型自動販売機)である。また店頭で対価に応じてURL記録媒体32が提供されてもよい。またユーザが商品を購入したときに付録としてURL記録媒体32が提供されてもよい。またWebページ、その他の電子的な媒体を介してユーザにNFT対応URLが提供されてもよい。
【0032】
ただし本実施形態では、ユーザが正規のルートで正当に一のNFTに係るNFT対応URLの提供を受けた場合、どのような方法で提供を受けた場合であっても以下の状態が成立する。すなわちユーザに提供された当該一のNFTに係るNFT対応URLに含まれる「統括識別情報値と比較用情報値との組合せ」と、当該一のNFTについて配布対象管理データベース24で管理される統括識別情報値と比較用情報値(厳密にはNFT指定情報値およびシークレット情報値により導出されるべき比較用情報値)との組合せ」とが一致した状態となる。
【0033】
次に、NFT対応URLの提供を受けたユーザがNFTを取得する際の情報処理サーバ2の動作について説明する。図7は、端末3および情報処理サーバ2の動作例を示すフローチャートである。図7のフローチャートFAは端末3の動作例を示し、フローチャートFBは情報処理サーバ2の動作(情報処理方法)を示している。以下の説明では、ユーザは、専用自動販売機4を利用して、所望のNFT(以下「対象NFT」という)に対応するNFT対応URLの提供を受けたものとする。また、ユーザの端末3は、カメラ付きの携帯端末(例えば、いわゆるスマートフォン)であるものとする。また以下の説明では、NFT対応URLに含まれる統括識別情報値を「URL内統括識別情報値」といい、NFT対応URLに含まれる比較用情報値を「URL内比較用情報値」という。
【0034】
図7のフローチャートFAで示すようにユーザは、NFT対応URLの提供を受けた後、自身の端末3のブラウザに、NFT対応URLへとアクセスさせる(ステップSX1)。具体的にはユーザは、自身の端末3のカメラでURL記録媒体32の二次元コードを撮影することによってNFT対応URLを読み取らせ、ブラウザにNFT対応URLへとアクセスさせる。この場合、ユーザは、端末3のカメラでURL記録媒体32の二次元コードを撮影するという非常に簡易な作業で上記アクセスを実現できる。なおユーザが端末3のブラウザにNFT対応URLへとアクセスさせる方法は、本実施形態で例示する方法に限られない。例えば、NFT対応URLが文字列としてユーザに提供された場合には、ユーザは、ブラウザにより提供される入力欄にNFT対応URLを入力し、当該URLにアクセスさせてもよい。
【0035】
図7(A)で示すように、ユーザからのアクセスの指示に応じて端末3の端末制御部12は、ブラウザの機能によりNFT対応URLにアクセス(HTTPリクエスト)する(ステップSA1)。なお本実施形態では、NFT対応URLは、情報処理サーバ2の管理下のURLである。つまり情報処理サーバ2がNFT配布用Webページ27を提供するWebサーバとして機能する。ただしNFT対応URLのアクセス先のサーバは、情報処理サーバ2以外のサーバ(Webサーバ)であってもよい。つまり情報処理サーバ2以外のサーバが、NFT配布用Webページ27を応答するWebサーバと機能する構成でもよい。
【0036】
図7のフローチャートFBで示すように、情報処理サーバ2の情報処理部10は、端末3からのアクセスに応じてNFT配布用Webページ27に係るHTMLファイル(付随するデータ群を含む)を応答する(HTTPレスポンス)する(ステップSB1)。図7のフローチャートFAで示すように、端末3の端末制御部12は、受信したHTMLファイルに基づいてNFT配布用Webページ27を端末3の表示装置5に表示する(ステップSA2)。
【0037】
図8は、NFTのNFT配布用Webページ27の一例を示す図である。図8で示すように、NFTのNFT配布用Webページ27には、ウォレットアドレス関連領域37が設けられている。ウォレットアドレス関連領域37は、ラジオボタン38により、ウォレットアドレスを保有しているかどうか選択可能となっている。更に、ウォレットアドレス関連領域37には、ウォレットアドレスを保有していることが選択された場合に、保有するウォレットアドレスを入力するためのウォレットアドレス入力欄39が設けられている。ユーザは、ラジオボタン38によりウォレットアドレスを持っているか否かを選択し、持っている場合には更に、ウォレットアドレス入力欄39にウォレットアドレスの値を入力する。以下、ウォレットアドレス入力欄39に入力された値を「入力ウォレットアドレス値」という。
【0038】
図8で示すように、ウォレットアドレス関連領域37の下方には、実行ボタン40が設けられている。実行ボタン40が選択されると、URL内統括識別情報値と、URL内比較用情報値と、入力ウォレットアドレス値(ただしウォレットアドレス入力欄39に値が入力された場合のみ)とをパラメータとして含む所定のURL(情報処理サーバ2の管理下のURL)へのアクセスが実行される。実行ボタン40の選択に応じたアクセスは、HTMLファイルに組み込まれた所定のスクリプトによって実行される(ただし、他の方法であっても当然よい)。以下、実行ボタン40が選択されたときのアクセス先のURLを「配布用URL」という。本実施形態では、URL内統括識別情報値と、URL内比較用情報値と、入力ウォレットアドレス値(ただし、ウォレットアドレス入力欄39に値が入力された場合のみ)とが配布用URLにパラメータとして含まれる構成であるが、HTTPリクエストの本文(ヘッダではなく)にこれら情報が含まれる構成でもよい。
【0039】
図7のフローチャートFAで示すようにユーザは、NFT配布用Webページ27に必要な入力を行って、実行ボタン40を選択する(ステップSX2)。端末3の端末制御部12は、ブラウザの機能によりネットワークNを介して配布用URLにアクセスする(ステップSA3)。
【0040】
図7のフローチャートFBで示すように情報処理サーバ2の情報処理部10は、配布用URLへのアクセスに応じて、配布用URLに含まれるURL内統括識別情報値と、URL内比較用情報値とを取得する(ステップSB2)。更に情報処理部10は、配布用URLに入力ウォレットアドレス値が含まれている場合には、入力ウォレットアドレス値を取得する(ステップSB2)。ここで取得されたURL内統括識別情報値は、特許請求の範囲の「識別情報の第1値」に相当する。またURL内比較用情報値は、特許請求の範囲の「比較用情報の第1値」に相当する。次いで情報処理部10は、記憶部14の配布対象管理データベース24を参照し、URL内統括識別情報値と対応付けられたレコード(=統括識別情報値がURL内統括識別情報値と一致するレコードを)特定する(ステップSB3)。以下、ステップSB3で特定されたレコードを「特定レコード」という。
【0041】
次いで情報処理部10は、特定レコードのNFT指定情報値と、シークレット情報値とを取得し、ハッシュ関数を用いた予め定められた方法で比較用情報値を導出する(ステップSB4)。上述したように、あるレコードについて導出される比較用情報値は、いついかなるときも同じとなる。以下、ステップSB4で導出された比較用情報値を「導出比較用情報値」という。導出比較用情報値は、特許請求の範囲の「比較用情報の第2値」に相当する。
【0042】
次いで情報処理部10は、ステップSB2で取得したURL内比較用情報値と、ステップSB4で取得した導出比較用情報値とが一致するか否か判別する(ステップSB5)。一致しないと判定した場合(ステップSB5:NO)、情報処理部10は、NFTの配布を行わず、対応する処理を実行する(ステップSB6)。情報処理部10は、「対応する処理」として例えば、ユーザの端末3の表示装置5に、「エラーが発生したこと」または「不正の可能性があるため、NFTを配布できないこと」を示す画面を表示させる処理を実行する。
【0043】
ここで、URL内比較用情報値と、導出比較用情報値とが一致しない事態がどのような場合に生じるか説明する。例えば第三者が、統括識別情報値を推測し、或いは、でたらめに考えた統括識別情報値がたまたま存在した場合において、その第三者が、独自の方法で比較用情報値を導出し、URLにパラメータとして含めて、情報処理サーバ2にアクセスさせた場合である。正しい比較用情報値を導出するためには、情報処理サーバ2でセキュアに管理されているNFT指定情報値、および、シークレット情報値が必要なところ、第三者が導出した比較用情報値は、NFT指定情報値およびシークレット情報に基づくものでないため、URL内比較用情報値と、導出比較用情報値とが一致しない事態が生じる。
【0044】
以上の通りURL内比較用情報値と、導出比較用情報値とが一致しない場合は、正当にNFT対応URLを取得していない者によるアクセスである可能性がある。そして本実施形態では、URL内比較用情報値と、導出比較用情報値とが一致しない場合、NFTが配布されない。このため、不正に情報処理サーバ2へのアクセスが行われている可能性がある場合にNFTが配布されてしまうことを防止できる。
【0045】
一方、ステップSB5において一致すると判定した場合(ステップSB5:YES)、情報処理部10は、特定レコードの配布済フラグがオフ値であるか否かを判別する(ステップSB7)。配布済フラグがオフ値の場合は対応するNFTは配布済ではなく、配布済フラグがオン値の場合は配布済である。配布済フラグがオフ値ではない場合(ステップSB7:NO)、情報処理部10は、処理手順をステップSB6へ移行する。上述の通り、この場合NFTの配布は行われない。
【0046】
ここでステップSB7において配布済フラグがオフ値ではない場合、同一のNFT対応URLに2回以上のアクセスがあったということである。この事態は例えば以下の場合に生じ得る。すなわち例えば、ユーザに対してURL記録媒体32が提供された後、ユーザがURL記録媒体32を用いて一度、NFTの配布を受けたとする。その後、ユーザがURL記録媒体32を破棄し、第三者がそのURL記録媒体32を回収し、その第三者がURL記録媒体32を利用して端末3にアクセスさせた場合である。本実施形態によれば、共通するNFT対応URLに基づいて、同じNFTが複数回、配布されることを防止できる。なお、本実施形態では、共通するNFT対応URLに基づくNFTの配布は1回のみ許容されることを前提としているが、複数回の配布を許容することが望まれる場合もあり、この要望に対応する技術については第1変形例で説明する。
【0047】
ステップSB7において配布済フラグがオフ値の場合(ステップSB7:YES)、情報処理部10は、特定レコードの配布済フラグの値をオン値へと変更する(ステップSB8)。次いで情報処理部10は、端末3からのアクセス時に入力ウォレットアドレス値が含まれていたか否かを判別する(ステップSB9)。含まれていた場合(ステップSB9:YES)、情報処理部10は、NFT管理データベース25を参照して対象NFTのNFT詳細情報を取得し、NFT詳細情報とステップSB2で取得した入力ウォレットアドレス値を利用してNFTを配布する(ステップSB10)。情報処理部10は、NFTの発行および所有者の設定(NFTのIDとウォレットアドレスとの対応づけ)を所定のスマートコントラクトに実行させるトランザクションをブロックチェーンネットワークBに送信することによって、NFTの配布を実行する。なお本実施形態では、NFTの配布に際して情報処理部10がNFTを新規発行する構成である。この点について、情報処理部10が、既に発行されているNFTの所有権を変更する(所有権を変更させるトランザクションを送信する)ことによってNFTを配布する構成でもよい。NFTの配布後、情報処理部10は、NFTを配布するための処理が完了した旨の情報が表示された画面を、端末3の表示装置5に表示させる(ステップSB11)。
【0048】
一方、アクセス時に入力ウォレットアドレス値が含まれていない場合(ステップSB9:NO)、情報処理部10は、新たにウォレットアドレス値を生成する(ステップSB12)。情報処理部10は、乱数を生成すると共に、乱数から規格に従ったウォレットアドレス値を生成する機能を有するモジュールにより、ウォレットアドレス値を生成する。ここで、生成されたウォレットアドレス値は、ウォレットを所有していないユーザに対して、NFTの配布用に作成されるものである。次いで情報処理部10は、ステップSB10と同様の方法で、対応するNFT詳細情報と、ステップSB12で生成したウォレットアドレス値とに基づいて、NFTを配布する(ステップSB13)。次いで情報処理部10は、生成したウォレットアドレス値、および、NFTを配布するための処理が完了した旨の情報が表示された画面を、端末3の表示装置5に表示させる(ステップSB14)。以上の通り本実施形態では、ユーザがウォレットアドレスを所有していない場合にもユーザに対象NFTが配布されるため、ユーザの利便性が非常に高い。
【0049】
以上説明したように本実施形態によれば、情報処理部10は、ネットワークNを介してアクセスがあったときに、アクセスと共に送信されたURL内統括識別情報値および(識別情報の第1値)およびURL内比較用情報値(比較用情報の第1値)を取得する。更に情報処理部10は、統括識別情報と、NFT指定情報およびシークレット情報(導出用情報)とがNFTごとに対応付けられた配布対象管理データベース24(管理用データ)を参照し、配布対象管理データベース24においてURL内統括識別情報値と対応付けられた「NFT指定情報およびシークレット情報(導出用情報)」に基づいて導出比較用情報値(比較用情報の第2値)を生成する。更に情報処理部10は、URL内比較用情報値と、導出比較用情報値とを比較し、各値が一致する場合、URL内統括識別情報値に対応するNFTを配布する一方、各値が一致しない倍、NFTを配布しない。
【0050】
この構成によれば、情報処理サーバ2(情報処理装置)へのアクセスに応じて、アクセスと共に送信されたURL内統括識別情報の値に対応するNFTが配布される。このためユーザは、統括識別情報値の送信を伴う情報処理サーバ2へのアクセスを行わせるという手段を通して、NFTを取得することができる。更に本実施形態では、アクセスと共に受信したURL内比較用情報値と、配布対象管理データベース24においてURL内統括識別情報と対応付けられた導出用情報に基づいて導出される導出比較用情報値とが異なる場合には、NFTが配布されない。このため、以下の効果を奏する。すなわち、NFTに対応する比較用情報値を正当に取得したユーザのみがNFTを取得できるようにすることができ、比較用情報値を取得していない者が不正にNFTを取得することを防止できる。
<第1変形例>
次に上記実施形態の第1変形例について説明する。図9は、本変形例に係る配布対象管理データベース24の1件のレコードを示す図である。図9で示すように、1件のレコードは、配布済フラグ<項目>に代えて、配布回数情報<項目>と上限回数情報<項目>とを有している。以下、配布回数情報<項目>の値を「配布回数情報値」といい、上限回数情報<項目>の値を「上限回数情報値」という。配布回数情報値の初期値は、ゼロである。配布回数情報値は、対応するNFTが配布される度に、情報処理部10によりインクリメントされる。配布回数情報値は、対応するNFTの配布回数の上限値とされる。例えば、あるNFTについて、3回まで発行可能と決められた場合、そのNFTに対応する配布回数上限値は、「3」とされる。
【0051】
図10のフローチャートFCは、本変形例に係る情報処理サーバ2の動作を示すフローチャートである。特にフローチャートFCは、図7のフローチャートFBのステップSB5以降の処理に代えて、本変形例に係る情報処理サーバ2が実行する処理を示している。フローチャートFCにおいて、フローチャートFBと同一のステップについては同一の符号を付している。
【0052】
図10のフローチャートFCで示すように、ステップSB5においてURL内比較用情報値と、ステップSB4で取得した導出比較用情報値とが一致すると判定した場合(ステップSB5:YES)、情報処理部10は、特定レコードの配布回数情報値が、特定レコードの上限回数情報値に至っている(上限回数情報値以上である)か否か判別する(ステップSC1)。至っている場合(ステップSC1:YES)、情報処理部10は、処理手順をステップSB6へ移行する。この場合NFTの配布は行われない。至っていない場合(ステップSC1:NO)、情報処理部10は、特定レコードの配布回数情報値インクリメントする(ステップSC2)。次いで情報処理部10は、処理手順をステップSB9へ移行する。
【0053】
以上の通り本実施形態では、情報処理部10は、URL内比較用情報値と導出比較用情報値とが一致する場合において、配布対象管理データベース24においてURL内比較用情報値と対応付けられた配布回数情報の値が上限値に至っていない場合、URL内統括識別情報値に対応するNFTを配布する一方、上限値に至っている場合、NFTを配布しない。この構成によれば、あるNFTについて、予め許容された回数のみ、NFTを配布することが可能となる。
<第2変形例>
次に上記実施形態の第2変形例について説明する。図11は、本変形例に係る配布対象管理データベース24の1件のレコードを示す図である。図11で示すように、1件のレコードは、シークレット情報<項目>に代えて、比較用情報<項目>(導出比較用情報値を値に持つ情報)を備えている。このように本実施形態では、事前にNFT指定情報値とシークレット情報値に基づいて導出比較用情報値が導出され、配布対象管理データベース24の各レコードに含められている。
【0054】
図12のフローチャートFDは、本変形例に係る情報処理サーバ2の動作を示すフローチャートである。特にフローチャートFDは、図7のフローチャートFBのステップSB3以降の処理に代えて、本変形例に係る情報処理サーバ2が実行する処理を示している。フローチャートFDにおいて、フローチャートFBと同一のステップについては同一の符号を付している。
【0055】
図12のフローチャートFDで示すように、ステップSB3で特定レコードを特定した後、情報処理部10は、特定レコードの導出比較用情報値を取得する(ステップSD1)。次いで情報処理部10は、処理手順をステップSB5へ移行する。以上の通り本変形例では、情報処理部10が、端末3からアクセスがあったときに比較用情報値を導出するのではなく、事前に導出され記憶されている比較用情報値を利用する点が上記実施形態と異なっている。この構成であっても、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0056】
以上、本発明の一実施形態(変形例を含む)について説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0057】
例えば上述した実施形態では、情報処理サーバ2が記憶部14を備える構成であった。この点に関し、情報処理サーバ2と通信可能な他の装置に記憶部14が設けられ、情報処理サーバ2が適宜、他の装置にアクセスする構成でもよい。
【0058】
また上述した実施形態では、比較用情報値は、NFT指定情報値およびシークレット情報値に基づいて導出される値であった。しかしながら、比較用情報値が他の方法で導出される構成でもよい。例えば、比較用情報値が統括識別情報値およびシークレット情報値に基づいて導出される構成でもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 情報処理システム
2 情報処理サーバ(情報処理装置)
3 端末
4 専用自動販売機(自動媒体提供装置)
10 情報処理部
32 URL記録媒体
N ネットワーク
【要約】
情報処理サーバ2は、ネットワークNを介してアクセスがあったときに、アクセスと共に送信された識別情報の第1値および比較用情報の第1値を取得し、識別情報と、比較用情報または比較用情報を導出するための導出用情報とがNFT(Non-Fungible Token)ごとに対応付けられた管理用データを参照し、管理用データにおいて識別情報の第1値と対応付けられた比較用情報の第2値を取得するか、または、管理用データにおいて識別情報の第1値と対応付けられた導出用情報の値に基づいて比較用情報の第2値を導出し、比較用情報の第1値と比較用情報の第2値とを比較し、各値が一致する場合、識別情報の第1値に対応するNFTを配布する一方、各値が一致しない場合、NFTを配布しない情報処理部10を備える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12