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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B65F 3/00 20060101AFI20240227BHJP
   B60P 3/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B65F3/00 L
B60P3/00 Q
B65F3/00 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020051391
(22)【出願日】2020-03-23
(65)【公開番号】P2021147230
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】奥ノ園 明成
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-139511(JP,A)
【文献】特開2010-271146(JP,A)
【文献】特開2012-148835(JP,A)
【文献】特開2012-188238(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 3/00
B60P 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体幅方向の左右両側でそれぞれ車体前後方向に沿って延びる左右一対のシャーシフレームと、
左右一対の前記シャーシフレームに対応して左右一対設けられ、対応する前記シャーシフレームに左側及び右側のそれぞれが載置及び固定されるサブフレームと、
前記サブフレームに載置及び固定されるロードセルと、
前記ロードセルに載置され、積載物を収容する荷箱と、
前記シャーシフレームの車体幅方向内側に設けられたブラケットと、
を具備し、
前記サブフレームは、前記ロードセルの中央を通って車体前後方向に延びる直線に対して平面視において近傍で、かつ、平面視において前記ロードセルと重複する位置で前記ブラケットに固定されることにより、平面視において前記シャーシフレーム及び前記ロードセルと重複した状態で前記ブラケットを介して前記シャーシフレームに対して固定される、
車両。
【請求項2】
前記ロードセルは、
直接的に前記サブフレームに固定され、
前記車両は、
左右一対の前記サブフレームを互いに連結する複数の連結部材が、前記車体前後方向に互いに間隔をあけるように配設される、
請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記サブフレームは、前記シャーシフレームの車幅方向内側に固定される、
請求項1又は請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記サブフレームは、
前記ブラケットに対して上下方向に間隔をおいた状態で当該ブラケットに固定されている、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の車両。
【請求項5】
前記サブフレームと前記シャーシフレームとの固定部分は、前記サブフレームと前記シャーシフレームとが直接的に固定される部分を含む、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の車両。
【請求項6】
前記車両は塵芥収集車である、
請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードセルを具備する車両の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロードセルを具備する車両の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、荷箱に投入された塵芥の重量を測定可能な塵芥収集車が記載されている。当該塵芥収集車においては、シャーシフレームによって下方からサブフレームが支持され、サブフレームにロードセルが載置されている。そして、荷箱フレームを介してロードセルに荷箱が載置されている。シャーシフレームとサブフレームとは、シャーシフレーム及びサブフレームの車体幅方向外側に設けられたブラケット同士がボルトで締結されることにより、互いに固定されている。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、凹凸のある路面の走行時等に生じる衝撃等によりサブフレームが撓むことで、ロードセルの計量の基準(ゼロ点)が変動し易いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5714364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、ロードセルの計量の基準(ゼロ点)の変動を低減させることができる車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、車体幅方向の左右両側でそれぞれ車体前後方向に沿って延びる左右一対のシャーシフレームと、左右一対の前記シャーシフレームに対応して左右一対設けられ、対応する前記シャーシフレームに左側及び右側のそれぞれが載置及び固定されるサブフレームと、前記サブフレームに載置及び固定されるロードセルと、前記ロードセルに載置され、積載物を収容する荷箱と、前記シャーシフレームの車体幅方向内側に設けられたブラケットと、を具備し、前記サブフレームは、前記ロードセルの中央を通って車体前後方向に延びる直線に対して平面視において近傍で、かつ、平面視において前記ロードセルと重複する位置で前記ブラケットに固定されることにより、平面視において前記シャーシフレーム及び前記ロードセルと重複した状態で前記ブラケットを介して前記シャーシフレームに対して固定されるものである。
請求項2においては、前記ロードセルは、直接的に前記サブフレームに固定され、前記車両は、左右一対の前記サブフレームを互いに連結する複数の連結部材が、前記車体前後方向に互いに間隔をあけるように配設されるものである。
【0010】
請求項3においては、前記サブフレームは、前記シャーシフレームの車幅方向内側に固定されるものである。
【0012】
請求項においては、前記サブフレームは、前記ブラケットに対して上下方向に間隔をおいた状態で当該ブラケットに固定されているものである。
【0013】
請求項においては、前記サブフレームと前記シャーシフレームとの固定部分は、前記サブフレームと前記シャーシフレームとが直接的に固定される部分を含むものである。
【0014】
請求項においては、前記車両は塵芥収集車であるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0016】
請求項1においては、ロードセルの計量の基準(ゼロ点)の変動を低減させることができる。またシャーシフレームの構造の変更を行うことなく、シャーシフレームとサブフレームとを固定することができる。
【0017】
請求項2においては、ロードセルの計量の基準(ゼロ点)の変動をより低減させることができる。
【0018】
請求項3においては、サブフレームとシャーシフレームとを固定する部分の破損を抑制することができる。
【0020】
請求項においては、サブフレームからブラケットに加わる力を低減させることができる。
【0021】
請求項においては、シャーシフレームとサブフレームとを簡易に固定することができる。
【0022】
請求項においては、ロードセルの計量の基準(ゼロ点)の変動を低減可能な塵芥収集車とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る塵芥収集車を示した側面図。
図2】本発明の一実施形態に係る塵芥収集車を示した平面図。
図3】ロードセルの取り付け部分を示した拡大斜視図。
図4】ロードセルの取り付け部分を示した正面図。
図5】右側のシャーシフレームユニットを示した斜視図。
図6】サブフレームユニットを示した斜視図。
図7】荷箱フレームユニットを示した斜視図。
図8】ロードセルの取り付け部分を示した拡大正面図。
図9】(a)サブフレームのロードセル取り付け部分を示した拡大平面図。(b)サブフレームのロードセル取り付け部分を示した拡大底面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、図中に示した矢印に従って、前後方向、上下方向及び左右方向をそれぞれ定義する。
【0025】
以下では、図1から図9を用いて、本発明の一実施形態に係る塵芥収集車1の構成について説明する。
【0026】
図1及び図2に示す塵芥収集車1は、塵芥(ごみ)を収集して処分施設まで運搬するための業務用車両である。塵芥収集車1は、キャブ10、荷箱20、シャーシフレームユニット30、サブフレームユニット40、ボルト43、ボルト44、ロードセル50、ボルト51及び荷箱フレームユニット60を具備する。
【0027】
図1及び図2に示すキャブ10は、塵芥収集車1の前部を構成する部分である。キャブ10の内部には、運転席(不図示)が設けられる。また、キャブ10の内部には、後述する4つのロードセル50によって検出された塵芥重量を表示する重量指示計11が設けられている(図1参照)。なお、「塵芥重量」とは、後述する荷箱20に収容された塵芥の重量を示すものである。
【0028】
図1及び図2に示す荷箱20は、塵芥を収容する部分である。荷箱20は、キャブ10の後方に設けられる。荷箱20の後端の後方開口部には、塵芥投入箱21が設けられている。塵芥投入箱21は、後方開口部の上方で投入箱支持ピン(不図示)により軸支されている。塵芥投入箱21は、前記投入箱支持ピンを中心に傾動自在に設けられている。塵芥投入箱21を上方に傾動させた状態とすることで、荷箱20の内部に収容した塵芥を排出可能となる。
【0029】
塵芥投入箱21の内部には、塵芥投入箱21に投入された塵芥を荷箱20に積み込むための塵芥積込装置(不図示)が設けられている。前記塵芥積込装置は、圧縮板の反転、下降、圧縮及び上昇の各工程を1サイクルとする塵芥積込動作を行う圧縮式のものや、回転板の回転と押込板の揺動とによって塵芥積込動作を行う回転板式のもの等を用いることが可能である。
【0030】
図1から図5等に示すシャーシフレームユニット30は、キャブ10及び荷箱20を支持する部分である。より詳細には、シャーシフレームユニット30は、その前部においてキャブ10を下方から支持するとともに、その前後中途部及び後部において後述するサブフレームユニット40、ロードセル50及び荷箱フレームユニット60を介して荷箱20を下方から支持する。シャーシフレームユニット30は、シャーシフレーム31及びセットブラケット32を具備する。
【0031】
図3から図5等に示すシャーシフレーム31は、シャーシフレームユニット30の主たる構造体を構成するものである。シャーシフレーム31は、車体幅方向(左右方向)の両側(左部及び右部)にそれぞれ設けられる。シャーシフレーム31は、開放面側を車体幅方向内側(中央側)に向けた正面視U字型(コの字型)に形成される。シャーシフレーム31は、キャブ10から荷箱20にかけて前後方向に沿って延びるように形成される。シャーシフレーム31は、側面部31a、上面部31b及び下面部31cを具備する。
【0032】
図3図5及び図8に示す側面部31aは、シャーシフレーム31の車体幅方向外側の部分を構成するものである。側面部31aは、板面を左右方向に且つ長手方向を前後方向に向けた矩形状に形成される。
【0033】
図3図5及び図8に示す上面部31bは、シャーシフレーム31の上部を構成するものである。上面部31bは、側面部31aの上端部から車体幅方向内側に延びるように形成される。上面部31bには、ボルト挿通孔31dが形成される。
【0034】
図5及び図8に示すボルト挿通孔31dは、シャーシフレーム31とサブフレーム41とを固定するボルト(後述するボルト44)を挿通するものである。ボルト挿通孔31dは、上面部31bを上下に貫通するように形成される。ボルト挿通孔31dは、左右のシャーシフレーム31の上面部31bの後部にそれぞれ1つ(計2つ)形成される。ボルト挿通孔31dは、上面部31bの車体幅方向内側端部の近傍に形成される。
【0035】
図3図5及び図8に示す下面部31cは、シャーシフレーム31の下部を構成するものである。上面部31bは、側面部31aの下端部から車体幅方向内側に延びるように形成される。
【0036】
図4図5及び図8に示すセットブラケット32は、シャーシフレーム31と後述するサブフレーム41とを固定するためのものである。セットブラケット32は、左右一対のシャーシフレーム31にそれぞれ前後一対(計4つ)設けられる。前側のセットブラケット32は、シャーシフレーム31の側面部31aの前部(前端部近傍)の内側面(車体幅方向内側(中央側)を向く面)に固定される。後側のセットブラケット32は、シャーシフレーム31の側面部31aの後部(後端部近傍)の内側面(車体幅方向内側を向く面)に固定される。セットブラケット32は、被固定部32a、固定部32b及び側面部32cを具備する。
【0037】
図5及び図8に示す被固定部32aは、シャーシフレーム31に固定される部分である。被固定部32aは、板面を左右方向に向けた略矩形板状に形成される。被固定部32aは、ボルト等によりシャーシフレーム31の側面部31aの内側面(車体幅方向内側を向く面)に固定される。
【0038】
図5及び図8に示す固定部32bは、後述するサブフレームユニット40(サブフレーム41)を固定する部分である。固定部32bは、板面を上下方向に向けた略矩形板状に形成される。固定部32bは、被固定部32aの上端部近傍に固定され、当該上端部近傍から車体幅方向内側に延びるように形成される。固定部32bは、その上面がシャーシフレーム31の上面部31bの上面よりも下方に位置するように形成される。固定部32bには、ボルト挿通孔32dが形成される。
【0039】
図5及び図8に示すボルト挿通孔32dは、シャーシフレーム31とサブフレーム41とを固定するボルト(後述するボルト43)を挿通するものである。ボルト挿通孔32dは、固定部32bを上下に貫通するように形成される。ボルト挿通孔32dは、シャーシフレーム31の上面部31bよりも車体幅方向内側(平面視においてシャーシフレーム31の上面部31bと重複しない位置)に形成される。
【0040】
図5及び図8に示す側面部32cは、セットブラケット32の両側面(前端部及び後端部)を構成するものである。側面部32cは、板面を前後方向に向けた板状に形成される。側面部32cは、固定部32bの前端部及び後端部それぞれから下方に延びるように(固定部32bの前端部及び後端部が下方に屈曲するように)形成される。側面部32cは、被固定部32aに固定される。
【0041】
図1から図4及び図6等に示すサブフレームユニット40は、荷箱20を支持する部分である。より詳細には、サブフレームユニット40は、シャーシフレームユニット30に載置されるとともに、ロードセル50及び荷箱フレームユニット60を介して荷箱20を下方から支持する。サブフレームユニット40は、サブフレーム41及びクロスメンバ42を具備する。
【0042】
図3図4図6及び図8に示すサブフレーム41は、車体幅方向(左右方向)の両側(左部及び右部)にそれぞれ設けられる。サブフレーム41は、角筒状に形成され、長手方向を前後方向に向けて配置される。サブフレーム41は、左右のシャーシフレーム31の上面部31bにそれぞれ載置される。これにより、サブフレーム41は、その下面がセットブラケット32の固定部32bの上面に対して上下方向に間隔をおいた状態で配置される(図8参照)。サブフレーム41は、第一ボルト挿通孔41a、第二ボルト挿通孔41b及び第三ボルト挿通孔41cを具備する。
【0043】
図6図8及び図9に示す第一ボルト挿通孔41aは、後述するロードセル50をサブフレーム41に固定するボルト(後述するボルト51)を挿通するものである。第一ボルト挿通孔41aは、サブフレーム41の上部を上下に貫通するように形成される。第一ボルト挿通孔41aは、左右のサブフレーム41の前部及び後部にそれぞれ4つ(計16個)形成される。サブフレーム41の前部に形成される4つの第一ボルト挿通孔41aとサブフレーム41の後部に形成される4つの第一ボルト挿通孔41aとは、前後対称に形成される。また、左側のサブフレーム41に形成される8つの第一ボルト挿通孔41aと右側のサブフレーム41に形成される8つの第一ボルト挿通孔41aとは、左右対称に形成される。以下では、右側のサブフレーム41の前部に形成された第一ボルト挿通孔41aに着目して説明を行う。
【0044】
図9(a)は右側のサブフレーム41の前部の拡大平面図であり、図9(b)は右側のサブフレーム41の前部の拡大底面図である。4つの第一ボルト挿通孔41aは、平面視において後述するロードセル50と重複する位置に形成される。4つの第一ボルト挿通孔41aのうち2つの第一ボルト挿通孔41aが左右に並ぶように形成され、その他の2つの第一ボルト挿通孔41aが前述の2つの第一ボルト挿通孔41aよりも後方で左右に並ぶように形成される。
【0045】
図8及び図9に示す第二ボルト挿通孔41bは、シャーシフレーム31とサブフレーム41とを固定するボルト(後述するボルト43)を挿通するものである。第二ボルト挿通孔41bは、サブフレーム41の下部を上下に貫通するように形成される。第二ボルト挿通孔41bは、左右のサブフレーム41の前部及び後部にそれぞれ1つ(計4つ)形成される。以下では、右側のサブフレーム41の前部に形成された第二ボルト挿通孔41bに着目して説明を行う。
【0046】
図9に示すように、第二ボルト挿通孔41bは、底面視において後述するロードセル50と重複する位置に形成されている。第二ボルト挿通孔41bは、前側の2つの第一ボルト挿通孔41aと後側の2つの第一ボルト挿通孔41aとの間に形成される。第二ボルト挿通孔41bは、サブフレーム41の下面の車体幅方向内側の部分に形成される。第二ボルト挿通孔41bは、平面視においてセットブラケット32のボルト挿通孔32dと重複する位置に(同一軸線上に)形成される。
【0047】
図6図8及び図9に示す第三ボルト挿通孔41cは、シャーシフレーム31とサブフレーム41とを固定するボルト(後述するボルト44)を挿通するものである。第三ボルト挿通孔41cは、サブフレーム41の上部及び下部を上下に貫通するように形成される。第三ボルト挿通孔41cは、左右のサブフレーム41の後部にそれぞれ1つ(計2つ)形成される。第三ボルト挿通孔41cは、サブフレーム41の左右略中央に形成される。第三ボルト挿通孔41cは、平面視においてシャーシフレーム31のボルト挿通孔31dと重複する位置に(同一軸線上に)形成される。
【0048】
図3図4及び図6等に示すクロスメンバ42は、左側のサブフレーム41と右側のサブフレーム41とを連結するものである。クロスメンバ42は、角柱状に形成され、長手方向を左右方向に向けて配置される。クロスメンバ42の左端部は、左側のサブフレーム41の右側面に固定される。クロスメンバ42の右端部は、右側のサブフレーム41の左側面に固定される。クロスメンバ42は複数(本実施形態においては6つ)設けられる。クロスメンバ42は、互いに前後方向に間隔をおいて(等間隔に)配置される。前側から1番目及び後側から2番目のクロスメンバ42は、第二ボルト挿通孔41bの近傍でサブフレーム41に固定される。
【0049】
図8等に示すように、サブフレーム41はシャーシフレーム31に対してボルト43及びボルト44によって固定される。ボルト43は、セットブラケット32のボルト挿通孔32d及びサブフレーム41の第二ボルト挿通孔41bに下方から挿通され、任意の手段(例えばナット等)によりサブフレーム41の下部に締結される。これにより、ボルト43は、セットブラケット32を介してシャーシフレーム31とサブフレーム41とを固定する。また、ボルト44は、サブフレーム41の第三ボルト挿通孔41c及びシャーシフレーム31のボルト挿通孔31dに上方から挿通され、任意の手段(例えばナット等)によりシャーシフレーム31の上面部31bに締結される。これにより、ボルト44は、シャーシフレーム31とサブフレーム41とを固定する。
【0050】
図1から図4及び図8に示すロードセル50は、荷箱20に投入(収容)された積載物(塵芥)の重量を計測するものである。ロードセル50は、サブフレームユニット40の四隅に載置される。より詳細には、ロードセル50は、左右のサブフレーム41の前部及び後部にそれぞれ配置される。ロードセル50は、平面視において第一ボルト挿通孔41a及び第二ボルト挿通孔41bと重複する位置に配置される。
【0051】
図8等に示すように、ロードセル50はサブフレームユニット40に対してボルト51によって固定される。ボルト51は、ロードセル50に形成されたボルト挿通孔(不図示)及び第一ボルト挿通孔41aに上方から挿通され、任意の手段(例えばナット等)によりサブフレーム41の上部に締結される。これにより、ボルト51は、サブフレーム41とロードセル50とを固定する。
【0052】
図1から図3及び図7に示す荷箱フレームユニット60は、荷箱20を下方から支持するものである。より詳細には、荷箱フレームユニット60は、ロードセル50に載置されるとともに、荷箱20を下方から支持する。荷箱フレームユニット60は、サブフレームユニット40の上方に配置される。荷箱フレームユニット60は、荷箱フレーム61、補強材62、後端フレーム63及びクロスメンバ64を具備する。
【0053】
図3及び図7に示す荷箱フレーム61は、荷箱フレームユニット60の右部及び左部を構成するものである。荷箱フレーム61は、車体幅方向(左右方向)の両側(左部及び右部)にそれぞれ設けられる。荷箱フレーム61は、開放面側を車体幅方向外側に向けた正面視U字型(コの字型)に形成され、長手方向を前後方向に向けて配置される。荷箱フレーム61は、ロードセル50に載置される。
【0054】
図3及び図7に示す補強材62は、荷箱フレーム61を補強するものである。補強材62は、正面視クランク状に形成され、長手方向を前後方向に向けて配置される。補強材62は、荷箱フレーム61の開放面を塞ぐように、左右の荷箱フレーム61の車体幅方向外側に配置される。補強材62は、その上面が荷箱フレーム61の上面と同一面となるように配置される。
【0055】
図7に示す後端フレーム63は、荷箱フレームユニット60の後端部を構成するものである。後端フレーム63は、角柱状(角筒状)に形成され、長手方向を左右方向に向けて配置される。後端フレーム63は、左右の荷箱フレーム61の後端部に固定され、左側の荷箱フレーム61の後端部と右側の荷箱フレーム61の後端部とを連結する。
【0056】
図7に示すクロスメンバ64は、左側の荷箱フレーム61と右側の荷箱フレーム61とを連結するものである。クロスメンバ64は、側面視略台形状に形成され、長手方向を左右方向に向けて配置される。クロスメンバ64は複数(本実施形態においては2つ)設けられる。クロスメンバ64は、互いに前後方向に間隔をおいて配置される。クロスメンバ64は、突設部64aを具備する。
【0057】
突設部64aは、ロードセル50によって支持される部分である。突設部64aは、荷箱フレーム61及び補強材62を貫通し、補強材62の車体幅方向外側に突出する。突設部64aは、ロードセル50上に載置され、当該ロードセル50に対してボルト等により固定される。
【0058】
このようにして、塵芥を収容可能な荷箱20が、荷箱フレームユニット60及びロードセル50を介して、シャーシフレームユニット30及びサブフレームユニット40に支持される。これにより、荷箱20に収容された塵芥の重量をロードセル50によって計測することができる。運転者(作業者)は、重量指示計11に表示されるロードセル50の計量値によって、収集した塵芥の重量を知ることができる。
【0059】
また、塵芥収集車1においては、荷箱20の荷重(積載負荷荷重)がロードセル50に加わり、この荷重がサブフレームユニット40に対して曲げ荷重として作用する。ここで、サブフレームユニット40が大きく撓むと、サブフレーム41とシャーシフレーム31との位置関係(接触状態)も大きく変化する。ロードセル50はサブフレーム41に載置されているため、サブフレーム41とシャーシフレーム31との位置関係(接触状態)の変化は、ロードセル50の計量値に影響を与える。すなわち、サブフレーム41とシャーシフレーム31との位置関係(接触状態)が変化すると、ロードセル50による計測の基準(ゼロ点)が変動し易い。例えば、最初の収集場所における収集後のロードセル50の計量値が10kgであっても、凹凸路面の走行時に加わる衝撃によりサブフレーム41のロードセル50を支持する部分が撓むと、次の収集場所に移動した後にはロードセル50の計量値が10kgから変化してしまう場合がある。そうすると、ロードセル50による計測の基準(ゼロ点)を設定し直さずに当該次の収集場所で塵芥を収集してしまうと、当該次の収集場所で収集した塵芥の重量を正確に把握することができない。
【0060】
ここで本実施形態においては、シャーシフレーム31とサブフレーム41との固定部(ボルト43及び当該ボルト43を挿通する第二ボルト挿通孔41b等の位置)は、荷箱20の荷重位置(ロードセル50の中央)を通って車体前後方向に延びる直線Lに対して平面視において近傍に配置されている(図9参照)。具体的には、シャーシフレーム31とサブフレーム41とは、セットブラケット32を介して、サブフレーム41の左右幅の範囲、より詳細には平面視においてロードセル50と重複する位置で、ボルト43により固定されている。また、シャーシフレーム31とサブフレーム41とのその他の固定部(ボルト44及び当該ボルト44を挿通する第三ボルト挿通孔41c等の位置)もまた、直線Lに対して平面視において近傍に配置されている(図9参照)。具体的には、シャーシフレーム31とサブフレーム41とは、直接的に(他の部材を介在することなく)、平面視において直線L上でボルト44により固定されている。このため、荷箱20の荷重位置(ロードセル50の中央)において、サブフレーム41とシャーシフレーム31との位置関係(接触状態)の変化を抑制することができる。
【0061】
このため、凹凸路面を走行しても、ロードセル50による計測の基準(ゼロ点)が変動し難い。よって、最初の収集場所においてロードセル50が示す値と次の収集場所においてロードセル50が示す値との変動幅を低減させることができる。このため、次の収集場所においてロードセル50による計測の基準(ゼロ点)を設定し直さなくても、各収集場所で収集したトータル重量を計測することで、各収集場所における塵芥重量を把握することができる。例えば、最初の収集場所での収集後にロードセル50が示す値が10kgであると、次の収集場所に移動してもロードセル50が示す値は10kgのままとなる(変動したとしても変動幅が小さい)。そうすると、次の収集場所における収集後のロードセル50の計測値が25kgである場合、当該次の収集場所における塵芥重量は、次の収集場所での収集後にロードセル50が示す値(25kg)と、最初の収集場所での収集後にロードセル50が示す値(10kg)との差(15kg)であると把握することができる。
【0062】
また、本実施形態においては、シャーシフレーム31とサブフレーム41とは、ボルト43によってシャーシフレーム31の側面部31aの車両幅方向内側で固定されている。これにより、凹凸路面の走行時に加わる衝撃等によりサブフレームユニット40が撓んだ場合であっても、シャーシフレーム31とサブフレーム41との固定部(ボルト43の位置)において、荷箱20の荷重によるシャーシフレームユニット30の撓み方向とサブフレームユニット40の撓み方向とが同一(ともに下方)となる。このため、ボルト43の破損を抑制することができる。
【0063】
また、サブフレーム41は、セットブラケット32に対して上下方向に間隔をおいた状態で、ボルト43により固定されている。このため、サブフレーム41に加わる上方からの力を逃がすことができ、サブフレーム41からセットブラケット32に伝わる力を低減させることができる。
【0064】
以上の如く、本実施形態に係る車両(塵芥収集車1)は、車体幅方向の左右両側でそれぞれ車体前後方向に沿って延びる左右一対のシャーシフレーム31と、前記シャーシフレーム31に載置及び固定されるサブフレーム41と、前記サブフレーム41に載置及び固定されるロードセル50と、前記ロードセル50に載置され、塵芥(積載物)を収容する荷箱20と、を具備し、前記サブフレーム41は、前記ロードセル50の中央を通って車体前後方向に延びる直線Lに対して平面視において近傍で、前記シャーシフレーム31に対して固定されるものである。
このように構成されることにより、ロードセル50の計量の基準(ゼロ点)の変動を低減させることができる。
【0065】
また、前記サブフレーム41は、平面視において前記ロードセル50と重複する位置で、前記シャーシフレーム31に対して固定されるものである。
このように構成されることにより、ロードセル50の計量の基準(ゼロ点)の変動をより低減させることができる。
【0066】
また、前記サブフレーム41は、前記シャーシフレーム31の車両幅方向内側に固定されるものである。
このように構成されることにより、サブフレーム41とシャーシフレーム31とを固定する部分(ボルト43及びボルト44)の破損を抑制することができる。
【0067】
また、塵芥収集車1は、前記シャーシフレーム31の車両幅方向内側に設けられたセットブラケット32(ブラケット)を具備し、前記サブフレーム41は、前記セットブラケット32を介して前記シャーシフレーム31に固定されるものである。
このように構成されることにより、シャーシフレーム31の構造の変更を行うことなく、シャーシフレーム31とサブフレーム41とを固定することができる。
【0068】
また、前記サブフレーム41は、前記セットブラケット32に対して上下方向に間隔をおいた状態で固定されているものである。
このように構成されることにより、サブフレーム41からセットブラケット32に加わる力を低減させることができる。
【0069】
また、前記サブフレーム41と前記シャーシフレーム31との固定部分は、前記サブフレーム41と前記シャーシフレーム31とが直接的に固定される部分(ボルト44によって固定される部分)を含むものである。
このように構成されることにより、シャーシフレーム31とサブフレーム41とを簡易に固定することができる。
【0070】
また、前記車両は塵芥収集車1であるものである。
このように構成されることにより、ロードセル50の計量の基準(ゼロ点)の変動を低減可能な塵芥収集車1とすることができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0072】
例えば、本発明は、塵芥収集車1でなく積載物を計量する任意の車両に適用することができる。
【0073】
また、本実施形態においては、サブフレーム41は、ボルト43によりロードセル50の中央よりも車両幅方向内側でシャーシフレーム31に対して固定されるものとしたが、ロードセル50の中央よりも車両幅方向外側でシャーシフレーム31に対して固定されるものであってもよい。
【0074】
また、本実施形態においては、シャーシフレーム31とサブフレーム41との固定部分は、ボルト43によってセットブラケット32を介して固定される部分と、ボルト44によって直接的に固定される部分とを含むものとしたが、セットブラケット32を介して固定される部分のみを含むものであってもよく、直接的に固定される部分のみを含むものであってもよい。
【0075】
また、本実施形態においては、サブフレーム41は角筒状に形成されるものとしたが、角柱状に形成されるものとしてもよい。この場合、第一ボルト挿通孔41a及び第二ボルト挿通孔41bの内周面にそれぞれ雌ねじ部を形成し、第二ボルト挿通孔41bの雌ねじ部にボルト43を螺合させ、第一ボルト挿通孔41aの雌ねじ部にボルト51を螺合させてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 塵芥収集車
20 荷箱
31 シャーシフレーム
32 セットブラケット
41 サブフレーム
50 ロードセル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9