(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】コンテナ荷役車両
(51)【国際特許分類】
B60R 1/20 20220101AFI20240227BHJP
B60P 1/48 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B60R1/20 100
B60P1/48 A
(21)【出願番号】P 2020163899
(22)【出願日】2020-09-29
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】中津 俊介
(72)【発明者】
【氏名】前田 崇徳
【審査官】菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/187978(WO,A1)
【文献】特開2017-081535(JP,A)
【文献】特開2014-168170(JP,A)
【文献】特開2014-008919(JP,A)
【文献】特開2012-180042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 1/00
B60P 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前壁に被係合部が設けられたコンテナと、
キャブを有し、前記コンテナを着脱自在に積載する車両本体と、
前記車両本体に設けられるとともに前記コンテナの前記被係合部に対し係脱することより前記コンテナの積み込みと降ろしとを行う荷役装置と、
前記車両本体の後端部に後方へ向けて取り付けられた第1リアカメラと、
前記キャブ内に設けられた表示装置とを備えたコンテナ荷役車両であって、
前記コンテナの後端部には、後方へ向けて第2リアカメラが取り付けられ、
前記車両本体に対して前記コンテナが不搭載の場合には、前記表示装置から延びる第1信号線と前記第1リアカメラから延びる第2信号線とをカメラ切換用コネクタにより接続する一方、
前記車両本体に対して前記コンテナが搭載された場合には、前記表示装置から延びる前記第1信号線と前記第2リアカメラから延びる第3信号線とをカメラ切換用コネクタにより接続
し、
前記第1信号線と前記第2信号線との接続状態を検知するコネクタセンサを備え、
前記コネクタセンサは、前記荷役装置のアクチュエータを動作させる制御装置と接続されており、
前記コネクタセンサにより前記第1信号線と前記第2信号線とが接続されていないことが検知された場合、前記制御装置は前記アクチュエータの動作を規制するように構成されていることを特徴とするコンテナ荷役車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナ荷役車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテナの積み込みおよび降ろしが可能なコンテナ荷役車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載されたコンテナ荷役車両は、車両本体に回動可能に連結されるとともに先端にフックを有する略L字状の荷役アームを備えている。この荷役アームを後方回動させてコンテナの被係合部に荷役アームのフックを係合させた後、荷役アームを前方へ回動させることにより、コンテナを車両本体に積み込むことが可能となっている。コンテナの積み込みの際には、運転者がコンテナの位置を確認しつつ車両本体を後退させる必要がある。そのため、車両本体の後端部には、リアカメラが取り付けられており、このリアカメラの映像を後方確認用として使用可能になっている。
【0003】
ところで、車両本体に積み込まれるコンテナは、通常、全体形状が略直方体の箱状に形成されており、車両本体にコンテナを積み込んだ後でも、車両本体のリアカメラは、車両後退時の後方確認用に使用することが可能になっている。しかし、車両本体に積み込まれるコンテナが、略直方体の箱状ではなく、特殊な形状の場合には、コンテナを積み込んだ後、コンテナの後端部によって車両本体のリアカメラの視界が塞がれて、リアカメラの映像を後方確認用に使用できなくなる可能性がある。具体的には、コンテナが後部に塵芥投入箱が設けられた塵芥収集用コンテナである場合(例えば、特許文献2参照)などには、そのような問題点が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/68934号
【文献】特開2017-171135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のような問題点を解消するための対策としては、コンテナの後端部に第2リアカメラを設けて、この第2リアカメラの画像を後方確認用に使用する手法が考えられる。しかし、この手法では、表示装置に表示されるリアカメラ画像を、コンテナ搭載時にはコンテナの第2リアカメラの画像に切り換え、コンテナ不搭載時には車両本体のリアカメラの画像に切り換える必要があった。
【0006】
例えばコンテナ搭載時には、
図9に示すように、リアカメラ(キャリア側カメラ)132から延びる信号線L12と、第2リアカメラ(コンテナ側カメラ)152から延びる信号線L13とが、それぞれ表示装置130に接続される。リアカメラ132から延びる信号線L12は、表示装置130に直接、接続される。一方、第2リアカメラ152から延びる信号線L13は、表示装置130から延びる信号線L11にカメラ切換用コネクタC13,C11を介して接続される。このように、表示装置130に2本の信号線L11(L13),L12が接続されるため、表示装置130のチャンネルを第2リアカメラ152側に切り換えて、第2リアカメラ152の画像を表示装置130に表示させる必要があった。なお、コンテナ不搭載時には、表示装置130から延びる信号線L11に接続されたカメラ切換用コネクタC11は、コネクタボックス140に収納される。
【0007】
本発明は、上述のような実情に鑑みてなされたものであり、コンテナ搭載時と不搭載時とで表示装置に表示されるリアカメラ画像の切り換えを容易かつ確実に行うことが可能なコンテナ荷役車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。すなわち、本発明は、前壁に被係合部が設けられたコンテナと、キャブを有し、前記コンテナを着脱自在に積載する車両本体と、前記車両本体に設けられるとともに前記コンテナの前記被係合部に対し係脱することより前記コンテナの積み込みと降ろしとを行う荷役装置と、前記車両本体の後端部に後方へ向けて取り付けられた第1リアカメラと、前記キャブ内に設けられた表示装置とを備えたコンテナ荷役車両であって、前記コンテナの後端部には、後方へ向けて第2リアカメラが取り付けられ、前記車両本体に対して前記コンテナが不搭載の場合には、前記表示装置から延びる第1信号線と前記第1リアカメラから延びる第2信号線とをカメラ切換用コネクタにより接続する一方、前記車両本体に対して前記コンテナが搭載された場合には、前記表示装置から延びる前記第1信号線と前記第2リアカメラから延びる第3信号線とをカメラ切換用コネクタにより接続し、前記第1信号線と前記第2信号線との接続状態を検知するコネクタセンサを備え、前記コネクタセンサは、前記荷役装置のアクチュエータを動作させる制御装置と接続されており、前記コネクタセンサにより前記第1信号線と前記第2信号線とが接続されていないことが検知された場合、前記制御装置は前記アクチュエータの動作を規制するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、コンテナの搭載時に、このコンテナによって車両本体の第1リアカメラの視界が塞がれたとしても、コンテナに設けられた第2リアカメラによって、後方の視界を確保することができる。コンテナの搭載時に使用する第2リアカメラと不搭載時に使用する第1リアカメラとの切り換えに際し、表示装置から延びる第1信号線およびカメラ切換用コネクタは1つだけなので、表示装置側のカメラ切換用コネクタの接続先を、第1リアカメラ側のカメラ切換用コネクタおよび第2リアカメラ側のカメラ切換用コネクタのうちのいずれか一方を選択するだけでよく、接続先の対応するリアカメラの画像がそのまま表示装置に表示される。これにより、コンテナの搭載時と不搭載時とで表示装置に表示されるリアカメラ画像の切り換えを容易かつ確実に行うことができ、カメラ切換用コネクタの接続作業を行った後に表示装置のチャンネルを切り換える必要がなくなる。
【0011】
上記構成によれば、第1信号線と第2信号線とが接続されていない場合、つまり、コンテナの搭載時に、荷役装置のアクチュエータの動作が規制されるので、第1信号線と第3信号線との接続状態で荷役装置が動作して信号線が切断されるトラブルを防ぐことできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のコンテナ荷役車両によれば、コンテナ搭載時と不搭載時とで表示装置に表示されるリアカメラ画像の切り換えを容易かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態に係るコンテナ荷役車両の概略構成を示す側面図である。
【
図2】
図1のコンテナ荷役車両の塵芥収集用コンテナの積み降ろしの様子を示す側面図である。
【
図3】コンテナ搭載時の表示装置とリアカメラとの接続を示す図である。
【
図4】コンテナ不搭載時の表示装置とリアカメラとの接続を示す図である。
【
図5】変形例1におけるコンテナ搭載時の表示装置とリアカメラとの接続を示す図である。
【
図6】変形例1におけるコンテナ不搭載時の表示装置とリアカメラとの接続を示す図である。
【
図7】変形例2におけるコンテナ搭載時の表示装置とリアカメラとの接続を示す図である。
【
図8】変形例2におけるコンテナ不搭載時の表示装置とリアカメラとの接続を示す図である。
【
図9】従来におけるコンテナ搭載時の表示装置とリアカメラとの接続を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1、
図2に示すように、コンテナ荷役車両は、塵芥収集用コンテナ2を着脱自在に積載する車両本体(キャリア)1を備えている。車両本体1は、車台3上に、運転室(キャブ)4、塵芥収集用コンテナ2、塵芥収集用コンテナ2の積み込みと降ろしとを行うための荷役装置5等を備えている。荷役装置5は、上端部に塵芥収集用コンテナ2を係合するフック6を有する略L字状のアーム7と、伸縮することによってアーム7を前後方向に回動させるためのリフトシリンダ(図示せず)と、伸縮することによってフック部6を含んだアーム7の一部を前進および後進させるためのスライドシリンダ(図示せず)とを備える。
【0016】
塵芥収集用コンテナ2は、全体形状が略直方体の箱状ではなく、特殊な形状を有している。詳細には、塵芥収集用コンテナ2は、内部に塵芥が収容される塵芥収容箱10と、この塵芥収容箱10の後端の後方開口部12に連設された塵芥投入箱11とを備える。塵芥投入箱11は、後方開口部12の上方において傾動自在に軸支されている。塵芥投入箱11の後部には、塵芥を投入するための略矩形状の塵芥投入口13が開口されている。
また、塵芥投入箱11には、塵芥投入口13を開閉する開閉扉としてのテールゲート14が設けられている。テールゲート14は上下にスライド可能となっており、塵芥投入口13の上方へ移動することにより、塵芥投入口13を開放することが可能である。塵芥投入箱11の内部には、塵芥投入口13を通じて塵芥投入箱11内に投入された塵芥を塵芥収容箱10に積み込む塵芥積込装置50が装備されている。
【0017】
また、塵芥収集用コンテナ2の前面上部である前壁には、アーム7のフック6が係脱する係合ピン(被係合部)15が設けられている。また、塵芥収容箱10の底面前部には、塵芥収集用コンテナ2が地面に設置された際にその前方を支持するための前方支持部16が設けられている。更に、塵芥投入箱11の底面後部には、塵芥収集用コンテナ2が地面に設置された際にその後方を支持するための回転自在なローラ17が設けられている。
【0018】
前方支持部16は、塵芥収容箱10の底面に軸部材18によって回動可能に設けられており、塵芥収集用コンテナ2を地面に設置する際には、
図2の(A)に示すように下方に張り出した状態とされる。車台3の後部のフレーム3aには、ジャッキ装置20が設けられている。ジャッキ装置20は、フレーム3aに固定されたブラケット21、このブラケット21に対して上下方向に回動自在に取り付けられた脚部22等を有する。脚部22は、後述するように、荷役装置5を駆動させる際、
図1の鎖線に示すように下方に張り出した状態とするものである。
【0019】
上記構成のコンテナ荷役車両において、塵芥収集用コンテナ2を車台3上に積み込む場合、例えば、
図2の(A)→(B)→(C)に示すように、塵芥収集用コンテナ2が積み込まれる。
図2の(A)は、地面に設置されている塵芥収集用コンテナ2を示し、
図2の(C)は、車台3上に搭載完了した塵芥収集用コンテナ2を示し、
図2の(B)は、搭載途中の塵芥収集用コンテナ2を示している。
【0020】
本実施形態では、塵芥収集用コンテナ2の不搭載時(例えば、
図2の(A)、(B)の状態)では、運転室4内に設けられた表示装置30に、車両本体1の後端部に後方に向けて取り付けられたキャリア側カメラ(第1リアカメラ)32によって撮影された画像が表示される。つまり、キャリア側カメラ32の画像が後方確認用に使用される。作業者は、表示装置30に表示されたキャリア側カメラ32の画像を確認しながら、コンテナ荷役車両を後退させたり、アーム7のフック6を塵芥収集用コンテナ2の前壁の係合ピン15に係合させて、塵芥収集用コンテナ2の積み込みを行ったりすることが可能になっている。
【0021】
一方、塵芥収集用コンテナ2の搭載時(例えば、
図2の(C)の状態)では、運転室4内に設けられた表示装置30に、塵芥収集用コンテナ2の後端部に後方に向けて取り付けられたコンテナ側カメラ(第2リアカメラ)52によって撮影された画像が表示される。つまり、コンテナ側カメラ52の画像が後方確認用に使用される。作業者は、表示装置30に表示されたコンテナ側カメラ52の画像を確認しながら、コンテナ荷役車両を後退させることが可能になっている。
【0022】
このように、コンテナ荷役車両において、表示装置30に表示されるリアカメラ画像が、塵芥収集用コンテナ2の搭載時と不搭載時とで切り換えられるようになっている。この点について、
図3、
図4を参照して説明する。
図3は、コンテナ搭載時の電気的な接続状態を示し、
図4は、コンテナ不搭載時の電気的な接続状態を示している。
【0023】
図3、
図4に示すように、コンテナ荷役車両の車両本体1には、荷役装置5等を制御する本体側制御装置(キャリア側PLC)31が備えられ、塵芥収集用コンテナ2には、塵芥積込装置50等を制御するコンテナ側制御装置(コンテナ側PLC)51が備えられている。
【0024】
車両本体1には、上述した表示装置30、キャリア側PLC31、キャリア側カメラ32に加えて、表示装置30から延びる第1信号線L1に接続される第1カメラ切換用コネクタC1、キャリア側カメラ32から延びる第2信号線L2に接続される第2カメラ切換用コネクタ(キャリア側カメラ切換用コネクタ)C2、コネクタセンサ39が設けられている。第2カメラ切換用コネクタC2およびコネクタセンサ39は、コネクタボックス40内に収納されている。また、車両本体1には、荷役装置5を作動させる操作を行うための積込・排出切換スイッチ34、排出装置操作スイッチ35、荷役装置操作スイッチ36、荷役装置5を作動させる油圧アクチュエータの運動方向を切り換えるための荷役装置制御弁ソレノイド37、当該油圧アクチュエータの動作量を検出するための荷役装置アクチュエータセンサ38、キャリア側PLC31に接続されるリレーボックス33等が設けられている。
【0025】
このリレーボックス33に、積込・排出切換スイッチ34、排出装置操作スイッチ35、荷役装置制御弁ソレノイド37、荷役装置アクチュエータセンサ38が接続されている。一方、キャリア側PLC31には、荷役装置操作スイッチ36、荷役装置制御弁ソレノイド37、コネクタセンサ39が電気的に接続されている。そして、リレーボックス33が、後述するコンテナ信号送受信用コネクタC4と電気的に接続されており、塵芥収集用コンテナ2の搭載時には、リレーボックス33を介して、キャリア側PLC31がコンテナ側PLC51との間で信号の送受信を行うことが可能になっている。
【0026】
塵芥収集用コンテナ2には、上述したコンテナ側PLC51、コンテナ側カメラ52に加えて、コンテナ側カメラ52から延びる第3信号線L3に接続される第3カメラ切換用コネクタ(コンテナ側カメラ切換用コネクタ)C3が設けられている。また、塵芥収集用コンテナ2には、塵芥積込装置50を作動させる操作を行うための積込装置スイッチ53、塵芥積込装置50を作動させるアクチュエータである積込装置制御弁ソレノイド54、排出装置制御弁ソレノイド55、積込装置制御弁ソレノイド54の動作量を検出するための積込装置用アクチュエータセンサ56、排出装置制御弁ソレノイド55の動作量を検出するための排出装置用アクチュエータセンサ57等が設けられている。
【0027】
コンテナ側PLC51に、積込装置スイッチ53、積込装置制御弁ソレノイド54、排出装置制御弁ソレノイド55、積込装置用アクチュエータセンサ56、排出装置用アクチュエータセンサ57が電気的に接続されている。そして、コンテナ側PLC51が、後述するコンテナ信号送受信用コネクタC4と電気的に接続されており、塵芥収集用コンテナ2の搭載時には、コンテナ側PLC51がキャリア側PLC31との間で信号の送受信を行うことが可能になっている。
【0028】
また、車両本体1と塵芥収集用コンテナ2との間には、互いの信号線を接続するためのコンテナ信号送受信用コネクタC4が設けられている。塵芥収集用コンテナ2の搭載時には、
図3に示すように、コンテナ信号送受信用コネクタC4を介して、車両本体1の信号線と塵芥収集用コンテナ2の信号線とが互いに通信可能に接続される。塵芥収集用コンテナ2の不搭載時には、
図4に示すように、車両本体1の信号線と塵芥収集用コンテナ2の信号線との間で信号の送受信ができないようになっている。
【0029】
上述したように、第1信号線L1の一端側に表示装置30が接続され、第1信号線L1の他端側に第1カメラ切換用コネクタC1が接続されている。第2信号線L2の一端側にキャリア側カメラ32が接続され、第2信号線L2の他端側に第2カメラ切換用コネクタC2が接続されている。第3信号線L3の一端側にコンテナ側カメラ52が接続され、第3信号線L3の他端側に第3カメラ切換用コネクタC3が接続されている。
【0030】
本実施形態では、塵芥収集用コンテナ2の搭載時には、
図3に示すように、第1カメラ切換用コネクタC1と第3カメラ切換用コネクタC3とが接続される。これにより、表示装置30とコンテナ側カメラ52とが、第1カメラ切換用コネクタC1および第3カメラ切換用コネクタC3により電気的に接続され、表示装置30にコンテナ側カメラ52によって撮影された画像が表示される。
【0031】
一方、塵芥収集用コンテナ2の不搭載時には、
図4に示すように、コネクタボックス40内において、第1カメラ切換用コネクタC1と第2カメラ切換用コネクタC2とが接続される。これにより、表示装置30とキャリア側カメラ32とが、第1カメラ切換用コネクタC1および第2カメラ切換用コネクタC2により電気的に接続され、表示装置30にキャリア側カメラ32によって撮影された画像が表示される。
【0032】
また、コネクタセンサ39により、第1カメラ切換用コネクタC1と第2カメラ切換用コネクタC2との接続状態が検知され、車両本体1に対して塵芥収集用コンテナ2が搭載されているかどうかが検知される。コネクタセンサ39により、第1カメラ切換用コネクタC1と第2カメラ切換用コネクタC2とが接続されていないことが検知された場合、車両本体1に対して塵芥収集用コンテナ2が搭載されたことになる。本実施形態では、車両本体1に対して塵芥収集用コンテナ2が搭載され、コネクタセンサ39によって第1カメラ切換用コネクタC1と第2カメラ切換用コネクタC2とが接続されていないことが検知された場合には、キャリア側PLC31は、接点41を切断して(開放して)、荷役装置制御弁ソレノイド37に通電しないようにすることによって荷役装置5を作動させる油圧アクチュエータの動作を規制するようにしている。
【0033】
上述したように、本実施形態では、車両本体1に対して塵芥収集用コンテナ2が不搭載の場合には、表示装置30から延びる第1信号線L1とキャリア側カメラ32から延びる第2信号線L2とをカメラ切換用コネクタ(第1カメラ切換用コネクタC1および第2カメラ切換用コネクタC2)により接続する一方、車両本体1に対して塵芥収集用コンテナ2が搭載された場合には、表示装置30から延びる第1信号線L1とコンテナ側カメラ52から延びる第3信号線L3とをカメラ切換用コネクタ(第1カメラ切換用コネクタC1および第3カメラ切換用コネクタC3)により接続する。
【0034】
本実施形態によれば、塵芥収集用コンテナ2の搭載時に、この塵芥収集用コンテナ2によって車両本体1のキャリア側カメラ32の視界が塞がれたとしても、塵芥収集用コンテナ2に設けられたコンテナ側カメラ52によって、後方の視界を確保することができる。塵芥収集用コンテナ2の搭載時に使用するコンテナ側カメラ52と不搭載時に使用するキャリア側カメラ32との切り換えに際し、表示装置30から延びる第1信号線L1および第1カメラ切換用コネクタC1は1つだけなので、表示装置30側の第1カメラ切換用コネクタC1の接続先を、キャリア側カメラ32側の第2カメラ切換用コネクタC2およびコンテナ側カメラ52側の第3カメラ切換用コネクタC3のうちのいずれか一方を選択するだけでよく、接続先の対応するリアカメラの画像がそのまま表示装置30に表示される。これにより、塵芥収集用コンテナ2の搭載時と不搭載時とで表示装置30に表示されるリアカメラ画像の切り換えを容易かつ確実に行うことができ、カメラ切換用コネクタの接続作業を行った後に表示装置30のチャンネルを切り換える必要がなくなる。
【0035】
また、本実施形態では、車両本体1に対して塵芥収集用コンテナ2が搭載され、第1カメラ切換用コネクタC1と第2カメラ切換用コネクタC2との接続状態を検知するコネクタセンサ39を備え、コネクタセンサ39は、荷役装置5のアクチュエータである荷役装置制御弁ソレノイド37を動作させるキャリア側PLC31と接続されている。コネクタセンサ39により第2カメラ切換用コネクタC2に第1カメラ切換用コネクタC1が接続されていないことが検知された場合、キャリア側PLC31は荷役装置制御弁ソレノイド37に通電しないようにすることによって荷役装置5を作動させる油圧アクチュエータの動作を規制するように構成されている。この構成によれば、塵芥収集用コンテナ2の搭載時には、荷役装置5を駆動する荷役装置制御弁ソレノイド37の動作が規制されるので、表示装置30側の第1カメラ切換用コネクタC1とコネクタ側カメラ52側の第2カメラ切換用コネクタC2が接続状態で荷役装置5が動作して信号線が切断されるトラブルを防ぐことできる。
【0036】
今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0037】
図5、
図6に示す変形例1について説明する。上述した
図3、
図4の構成では、車両本体1側にキャリア側PLC31およびリレーボックス33が設けられているが、
図5、
図6の変形例1では、リレーボックス33が省略された構成になっている。このような構成の変形例1によっても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0038】
本変形例では、上記実施形態のリレーボックス33の機能が、キャリア側PLC31およびコンテナ側PLC51に分担される構成になっている。具体的には、キャリア側PLC31に、荷役装置操作スイッチ36、荷役装置制御弁ソレノイド37、荷役装置アクチュエータセンサ38、コネクタセンサ39が電気的に接続されている。一方、積込・排出切換スイッチ34、排出装置操作スイッチ35が、コンテナ信号送受信用コネクタC4に接続されており、塵芥収集用コンテナ2の搭載時に、積込・排出切換スイッチ34、排出装置操作スイッチ35がコンテナ側PLC51に接続可能になっている。
【0039】
次に、
図7、
図8に示す変形例2について説明する。上述した
図3~
図6の構成では、車両本体1側にキャリア側PLC31が設けられ、塵芥収集用コンテナ2側にコンテナ側PLC51が設けられているが、
図7、
図8の変形例2では、コンテナ側PLC51が省略された構成になっている。また、上述した
図3~
図6の構成では、コネクタセンサ39が設けられているが、
図7、
図8の変形例2では、コネクタセンサ39が省略された構成になっている。このような構成の変形例2によっても、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0040】
本変形例では、PLC(キャリア側PLC)31が、上記実施形態や、変形例1のコンテナ側PLC51およびコネクタセンサ39の機能も兼ね備えた構成になっている。具体的には、PLC31に、積込・排出切換スイッチ34、排出装置操作スイッチ35、荷役装置操作スイッチ36、荷役装置制御弁ソレノイド37、荷役装置アクチュエータセンサ38が電気的に接続されている。また、PLC31が、キャリア側カメラ32から延びる第2信号線L2に接続される第2カメラ切換用コネクタC2に接続されており、第1カメラ切換用コネクタC1と第2カメラ切換用コネクタC2との接続状態を検知することが可能になっている。
【0041】
更に、塵芥収集用コンテナ2側に設けられた積込装置スイッチ53、積込装置制御弁ソレノイド54、排出装置制御弁ソレノイド55、積込装置用アクチュエータセンサ56、排出装置用アクチュエータセンサ57が、コンテナ信号送受信用コネクタC4に電気的に接続されている。そして、塵芥収集用コンテナ2の搭載時に、積込装置スイッチ53、積込装置制御弁ソレノイド54、排出装置制御弁ソレノイド55、積込装置用アクチュエータセンサ56、排出装置用アクチュエータセンサ57が、PLC31に接続可能になっている。
【0042】
以上では、車両本体1に対し塵芥収集用コンテナ2が着脱自在に積載されるコンテナ荷役車両を例に説明したが、本発明において搭載されるコンテナは特に限定されず、塵芥収集用コンテナ以外のコンテナであっても本発明を適用可能である。
【0043】
また、上記実施形態では、コネクタセンサ39により、第1カメラ切換用コネクタC1と第2カメラ切換用コネクタC2とが接続されていないことが検知された場合、キャリア側PLC31は、接点41を切断して(開放して)、荷役装置制御弁ソレノイド37に通電しないようにすることによって荷役装置5を作動させる油圧アクチュエータの動作を規制するようにしていた。本発明はこれに限らず、コネクタセンサにより、第1カメラ切換用コネクタと第3カメラ切換用コネクタとが接続されていることが検知された場合、キャリア側PLCは、荷役装置制御弁ソレノイドに通電しないようにすることによって荷役装置を作動させる油圧アクチュエータの動作を規制するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、コンテナの積み込みおよび降ろしが可能なコンテナ荷役車両に利用可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 車両本体(キャリア)
2 塵芥収集用コンテナ(コンテナ)
3 車台
4 運転室(キャブ)
5 荷役装置
15 係合ピン(被係合部)
30 表示装置
31 キャリア側PLC(制御装置)
32 キャリア側カメラ(第1リアカメラ)
52 コンテナ側カメラ(第2リアカメラ)
C1 第1カメラ切換用コネクタ
C2 第2カメラ切換用コネクタ
C3 第3カメラ切換用コネクタ
L1 第1信号線
L2 第2信号線
L3 第3信号線