(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】シールドセグメント共同輸送システム及び施工方法
(51)【国際特許分類】
E21D 11/40 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
E21D11/40 C
(21)【出願番号】P 2023179847
(22)【出願日】2023-10-18
【審査請求日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】202311247299.6
(32)【優先日】2023-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522003752
【氏名又は名称】中鉄八局集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】沈 揚奎
(72)【発明者】
【氏名】曹 軍
(72)【発明者】
【氏名】朱 思紅
(72)【発明者】
【氏名】丁 常凱
(72)【発明者】
【氏名】付 正偉
(72)【発明者】
【氏名】譚 宏渊
(72)【発明者】
【氏名】楊 雪健
(72)【発明者】
【氏名】王 祥洲
(72)【発明者】
【氏名】郭 嘉昊
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-36798(JP,A)
【文献】特開平9-177499(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/00-19/06
E21D 23/00-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドセグメント共同輸送システムであって、第一のクレーンと、第二のクレーンと、伝動構造と、セグメントとを含み、前記第一のクレーン、第二のクレーンは、伝動構造の両側に設置され、前記第一のクレーン、第二のクレーンと伝動構造は、いずれもセグメントを輸送するために用いられ、前記セグメントは、A組と、B組と、C組とを含み、ここで、Lをセグメント搬送距離として定義し、V
0を第一のクレーンと第二のクレーンの搬送速度として定義し、V
1は、伝動構造の伝送速度であり、Eは、輸送行程の始点であり、Fは、輸送行程の終点であり、M1、M2、M3は、伝送途中に定義される三つの点であり、t
1、t
2とt
3は、セグメントをすべてE点からF点に輸送する場合に分けられる三つの時間であり、ここで、M点からE点までの距離式は、
【請求項2】
A組、B組とC組のセグメントの輸送行程を取得し、
A組のセグメント行程:V
1t
1+V
0(t
2+t
3)=L、
B組のセグメント行程:V
0(t
1+t
2)+V
1t
3=L、
C組のセグメント行程:V
1(t
1+t
2+t
2)=L+2((V
1-V
0)t
1-V
0t
2)である、ことを特徴とする請求項1に記載のシールドセグメント共同輸送システム。
【請求項3】
【請求項4】
前記伝動構造は、ガイドレールとロープ巻上げ機器とを含み、前記ガイドレールの表面には輸送フレームがスライド可能に接続され、前記ロープ巻上げ機器の表面にはワイヤロープが巻き付けられて接続され、前記ガイドレールの表面には固定輪が固定的に接続され、前記輸送フレームの表面には可動輪が固定的に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のシールドセグメント共同輸送システム。
【請求項5】
前記ロープ巻上げ機器は、モータにより駆動され、前記ロープ巻上げ機器は、2組あり、且つロープ巻上げ機器は、ガイドレールの両側に対角に分布しており、前記ロープ巻上げ機器の2組は、間接的に起動する、ことを特徴とする請求項4に記載のシールドセグメント共同輸送システム。
【請求項6】
前記ワイヤロープは、ガイドレールの両側に設置され、前記ロープ巻上げ機器は、起動後にワイヤロープの両側のワイヤロープをロープ巻上げ機器の表面に絶えず巻き付ける、ことを特徴とする請求項5に記載のシールドセグメント共同輸送システム。
【請求項7】
前記ワイヤロープは、固定輪の表面上をスライドし、前記ワイヤロープは、巻き付け過程において固定輪のガイドを受け、前記可動輪は、ワイヤロープを介して輸送フレームを牽引しガイドレールの表面上をスライドする、ことを特徴とする請求項6に記載のシールドセグメント共同輸送システム。
【請求項8】
請求項1に記載のシールドセグメント共同輸送システムを用いて、A組、B組、C組のセグメントを、E点からF点に輸送するシールドセグメント共同輸送施工方法であって、
S1:伝動構造は、A組、C組を搬送し、第一のクレーンは、B組のセグメントを搬送するとともに出発し、時間t
1を経過した後、A組、C組のセグメントがM3点に到着し、B組のセグメントがM1に到着し、
S2:A組のセグメントを伝送機構から第二のクレーンに吊り上げ、第二のクレーンは、引き続きA組のセグメントを前向きに搬送し、第一のクレーンは、引き続きB組のセグメントを前向きに終点Fまで搬送するとともに、伝動構造は、C組のセグメントを運んで元の経路に沿ってE点に戻り、t
2時間を経た後、B組のセグメントとM2点で交差し、
S3:第一のクレーンは、B組のセグメントを伝送機構に降ろし、伝動構造は、B組、C組のセグメントを運んで、第二のクレーンに運ばれたA組のセグメントとt
3時間を経過してF点に同時に到着する、ことを特徴とするシールドセグメント共同輸送施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドの技術分野に関し、特にシールドセグメント共同輸送システム及び施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド施工のトンネルは、組み立て式トンネル覆工施工を採用する必要があり、トンネルに対してセグメントのブリコラージュ(寄せ集め)を行う必要があり、セグメントのブリコラージュ効率は、シールドの施工速度に直接影響し、シールド施工は、一般的には立坑からセグメントなどを搬送することを採用し、施工場所が制限されるため、しばしばクレーンを用いてセグメントを輸送するが、クレーンによるセグメント輸送は、施工場所の上方を移動し、高所落下のリスクがあり、単一の人工によるセグメント輸送効率が悪く、そして大量の施工場所を占有するため、シールドセグメント共同輸送システム及び施工方法を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来のセグメント輸送の問題を解決するためのシールドセグメント共同輸送システム及び施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施例は、以下のように実現される。
【0005】
本発明の実施例の一態様は、シールドセグメント共同輸送システムを提供し、このシステムは、第一のクレーンと、第二のクレーンと、伝動構造と、セグメントとを含み、前記第一のクレーン、第二のクレーンは、伝動構造の両側に設置され、前記第一のクレーン、第二のクレーンと伝動構造は、いずれもセグメントを輸送するために用いられ、前記セグメントは、A組と、B組と、C組とを含み、ここで、Lをセグメント搬送距離として定義し、V
0を第一のクレーンと第二のクレーンの搬送速度として定義し、V
1は、伝動構造の伝送速度であり、Eは、輸送行程の始点であり、Fは、輸送行程の終点であり、M1、M2、M3は、伝送途中に定義される三つの点であり、t
1、t
2とt
3は、セグメントをすべてE点からF点に輸送する場合に分けられる三つの時間であり、ここで、M点からE点までの距離式は、
【0006】
選択的に、A組、B組とC組のセグメントの輸送行程を取得し、
A組のセグメント行程:V1t1+V0(t2+t3)=L、
B組のセグメント行程:V0(t1+t2)+V1t3=L、
C組のセグメント行程:V1(t1+t2+t2)=L+2((V1-V0)t1-V0t2)である。
【0007】
選択的に、A組、B組とC組のセグメントの輸送行程からt
1、t
2とt
3を算出し、
【0008】
選択的に、前記伝動構造は、ガイドレールとロープ巻上げ機器とを含み、前記ガイドレールの表面には輸送フレームがスライド可能に接続され、前記ロープ巻上げ機器の表面にはワイヤロープが巻き付けられて接続され、前記ガイドレールの表面には固定輪が固定的に接続され、前記輸送フレームの表面には可動輪が固定的に接続される。
【0009】
選択的に、前記ロープ巻上げ機器は、モータにより駆動され、前記ロープ巻上げ機器は、2組あり、且つロープ巻上げ機器は、ガイドレールの両側に対角に分布しており、前記ロープ巻上げ機器の2組は、間接的に起動する。
【0010】
選択的に、前記ワイヤロープは、ガイドレールの両側に設置され、前記ロープ巻上げ機器は、起動後にワイヤロープの両側のワイヤロープをロープ巻上げ機器の表面に絶えず巻き付ける。
【0011】
選択的に、前記ワイヤロープは、固定輪の表面上をスライドし、前記ワイヤロープは、巻き付け過程において固定輪のガイドを受け、前記可動輪は、ワイヤロープを介して輸送フレームを牽引しガイドレールの表面上をスライドする。
【0012】
本発明の実施例の別の態様は、シールドセグメント共同輸送施工方法を提供し、
S1:伝動構造は、A組、C組を搬送し、第一のクレーンは、B組のセグメントを搬送するとともに出発し、時間t1を経過した後、A組、C組のセグメントがM3点に到着し、B組のセグメントがM1に到着し、
S2:A組のセグメントを伝送機構から第二のクレーンに吊り上げ、第二のクレーンは、引き続きA組のセグメントを前向きに搬送し、第一のクレーンは、引き続きB組のセグメントを前向きに終点Fまで搬送するとともに、伝動構造は、C組のセグメントを運んで元の経路に沿ってE点に戻り、t2時間を経た後、B組のセグメントとM2点で交差し、
S3:第一のクレーンは、B組のセグメントを伝送機構に降ろし、伝動構造は、B組、C組のセグメントを運んで、第二のクレーンに運ばれたA組のセグメントとt3時間を経過してF点に同時に到着する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施例の有益な効果は、以下を含み、即ち、本発明の実施例によるシールドセグメント共同輸送システム及び施工方法は、第一のクレーンと、第二のクレーンと、伝動構造と、セグメントとを含み、前記第一のクレーン、第二のクレーンは、伝動構造の両側に設置され、前記第一のクレーン、第二のクレーンと伝動構造は、いずれもセグメントを輸送するために用いられ、前記セグメントは、A組と、B組と、C組とを含み、ここで、Lをセグメント搬送距離として定義し、V0を第一のクレーンと第二のクレーンの搬送速度として定義し、V1は、伝動構造の伝送速度であり、Eは、輸送行程の始点であり、Fは、輸送行程の終点であり、M1、M2、M3は、伝送途中に定義される三つの点であり、t1、t2とt3は、セグメントをすべてE点からF点に輸送する場合に分けられる三つの時間であり、ここで、M点からE点までの距離式は、行程式L=Vtに基づいてセグメントの輸送行程を計算することであり、ここで、A組のセグメント行程:V1t1+V0(t2+t3)=L、B組のセグメント行程:V0(t1+t2)+V1t3=L、C組のセグメント行程:V1(t1+t2+t2)=L+2((V1-V0)t1-V0t2)である。本発明の実施例を用いたシールドセグメント共同輸送システム及び施工方法は、まず三組のセグメントの運動行程を算出し、さらに毎回の運行時間を演算することによって、セグメントの始点と終点における交差点M1、M2とM3を導出し、この時に本発明のリアルタイム方法により、第一のクレーンは、E点でA組、C組のセグメントを伝動構造に放置し、第一のクレーン1は、B組のセグメントを運んで伝動構造と一緒に出発することができ、この時に時間t1を経過した後、A組、C組のセグメントがM3点に到着し、B組のセグメントがM1に到着し、A組のセグメントを伝動構造3から第二のクレーンに吊り上げ、第二のクレーンは、引き続きA組のセグメントを前向きに搬送し、第一のクレーンは、引き続きB組のセグメントを前向きに終点Fまで搬送するとともに、伝送機構は、C組のセグメントを運んで元の経路に沿ってE点に戻り、t2時間を経た後、B組のセグメントとM2点で交差し、第一のクレーンは、B組のセグメントを伝送機構に降ろし、伝送機構は、B組、C組のセグメントを運んで、第二のクレーンに運ばれたA組のセグメントとt3時間を経過してF点に同時に到着し、この時にA組、B組、C組のセグメントをE点からF点まで輸送するタスクを完了することができ、大量の施工場所を占有せず、高所落下のリスクを回避するという利点を有するとともに、セグメントの輸送効率を効果的に向上させた。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例によるシールドセグメント共同輸送システムS1のプロセス図である。
【
図2】本発明の実施例によるシールドセグメント共同輸送システムS2のプロセス図である。
【
図3】本発明の実施例によるシールドセグメント共同輸送システムS3のプロセス図である。
【
図4】本発明の実施例による伝動構造の上面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
シールドセグメント共同輸送システムは、セグメントを輸送する過程において、伝動構造3により第一のクレーン1と第二のクレーン2によるセグメントの輸送を代替することによって、第一のクレーン1と第二のクレーン2が輸送過程において、セグメント落下の現象の発生を回避し、ここで、伝動構造3の移動速度は、第一のクレーン1と第二のクレーン2よりも高く、施工現場で、セグメントの迅速な輸送を可能にし、セグメント共同輸送システムにより、第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3との間の相互連携の最も有用な方式を算出することができ、それによってセグメントの使用現場での輸送効率を向上させた。
【0016】
ここで、伝動構造3は、2組のセグメントを同時に輸送することができ、伝動構造3の運行過程において、シールドセグメント共同輸送システムは、伝動構造3の輸送軌跡計画を事前に完了し、伝動構造3は、第一のクレーン1と第二のクレーン2と協力してセグメントの輸送計画を行い、第一のクレーン1と第二のクレーン2は、一組のセグメントを輸送することしかできないため、セグメントの輸送過程において、シールドセグメント共同輸送システムによって第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3の走行の最適な位置を算出すると、セグメントの輸送効率を速めることができる。
【0017】
本発明の実施例は、シールドセグメント共同輸送システムを提供し、
図1、2、3に示すように、M1点からE点までの距離、M2点からE点までの距離、及びM3点からE点までの距離を算出する。
【0018】
S11、セグメント搬送距離をLとして取得し、第一のクレーン1と第二のクレーン2の搬送速度をV0として、伝動構造3伝送速度をV1として、輸送行程の始点をEとして、輸送行程の終点をFとして定義する。
【0019】
S12、式(1)に基づいてLを計算し、
A組のセグメント行程:V
1t
1+V
0(t
2+t
3)=L、
B組のセグメント行程:V
0(t
1+t
2)+V
1t
3=L、
C組のセグメント行程:V
1(t
1+t
2+t
2)=L+2((V
1-V
0)t
1-V
0t
2) (1)
S12、式(2)に基づいてtを計算し、
t
1、t
2とt
3は、セグメントA組、B組とC組を伝送する三つの時間であり、その累計時間は、三組のセグメントを輸送する総時間長である。
【0020】
そして、上式(1)と(2)に基づいてM1、M2とM3の施工現場での具体的な位置を算出し、
S13、式(3)に基づいてM1、M2とM3を計算し、
説明すべきこととして、シールドセグメント共同輸送システムは、測定したデータパラメータの入力に対して、式(1)から式(2)を導き出し、さらに式(1)と式(2)から、計算することも測定の非常に重要な段階であり、セグメント搬送距離をLとし、第一のクレーン1と第二のクレーン2の搬送速度をV
0とし、伝動構造3伝送速度をV
1とすることを含み、ここで、セグメントを第一のクレーン1から伝動構造3に積み込む時間、セグメントを第二のクレーン2から伝動構造3に積み込む時間、セグメントを第一のクレーン1から降ろす時間、セグメントを第二のクレーン2から降ろす時間をさらに含み、第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3との間の接続点をより正確にすることを保障する。
【0021】
本発明の実施例によるシールドセグメント共同輸送システムは、第一のクレーン1と、第二のクレーン2と、伝動構造3と、セグメントとを含み、前記第一のクレーン1、第二のクレーン2は、伝動構造3の両側に設置され、前記第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3は、いずれもセグメントを輸送するために用いられ、前記セグメントは、A組と、B組と、C組とを含み、ここで、Lをセグメント搬送距離として定義し、V0を第一のクレーンと第二のクレーンの搬送速度として定義し、V1は、伝動構造の伝送速度であり、Eは、輸送行程の始点であり、Fは、輸送行程の終点であり、M1、M2、M3は、伝送途中に定義される三つの点であり、t1、t2とt3は、セグメントをすべてE点からF点に輸送する場合に分けられる三つの時間であり、ここで、M点からE点までの距離式は、行程式L=Vtに基づいてセグメントの輸送行程を計算することであり、ここで、A組のセグメント行程:V1t1+V0(t2+t3)=L、B組のセグメント行程:V0(t1+t2)+V1t3=L、C組のセグメント行程:V1(t1+t2+t2)=L+2((V1-V0)t1-V0t2)であり、行程式L=Vtに基づいてセグメントの輸送行程を計算し、ここで、A組のセグメント行程:V1t1+V0(t2+t3)=L、B組のセグメント行程:V0(t1+t2)+V1t3=L、C組のセグメント行程:V1(t1+t2+t2)=L+2((V1-V0)t1-V0t2)であり、伝動構造3をさらに含み、伝動構造3は、ガイドレール31とロープ巻上げ機器33とを含み、ガイドレール31の表面には輸送フレーム32がスライド可能に接続され、ロープ巻上げ機器33の表面にはワイヤロープ34が巻き付けられて接続され、ガイドレール31の表面には固定輪35が固定的に接続され、輸送フレーム32の表面には可動輪36が固定的に接続される。
【0022】
選択的に、ロープ巻上げ機器33は、モータにより駆動され、ロープ巻上げ機器33は、2組あり、且つロープ巻上げ機器33は、ガイドレール31の両側に対角に分布しており、ロープ巻上げ機器33の2組は、間接的に起動する。
【0023】
ここで、ロープ巻上げ機器33は、起動完了後、輸送フレーム32を牽引してガイドレール31上をスライドさせることができ、スライドの過程において輸送フレーム32をロープ巻上げ機器33を起動する側にスライドさせることにより、輸送フレーム32は、2組のセグメントを牽引して施工現場を移動し、ここで、第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3は、交差運行し、第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3との間の相互干渉を回避した。
【0024】
選択的に、ワイヤロープ34は、ガイドレール31の両側に設置され、ロープ巻上げ機器33は、起動後にワイヤロープ34の両側のワイヤロープ34をロープ巻上げ機器33の表面に絶えず巻き付ける。
【0025】
ここで、ワイヤロープ34は、固定輪35と可動輪36上をスライドし、ワイヤロープ34の一方側にロープ巻上げ機器33が作動している場合、固定輪35と可動輪36との間は、互いに接近し、ワイヤロープ34の一方側にロープ巻上げ機器33が作動していない場合、固定輪35と可動輪36との間は、互いに離間する。
【0026】
選択的に、ワイヤロープ34は、固定輪35の表面上をスライドし、ワイヤロープ34は、巻き付け過程において固定輪35のガイドを受け、可動輪36は、ワイヤロープ34を介して輸送フレーム32を牽引しガイドレール31の表面上をスライドする。
【0027】
ここで、輸送フレーム32は、常に2組のセグメントを連れてガイドレール31上を移動し、輸送フレーム32の移動方向は、セグメントの輸送方向に応じてロープ巻上げ機器33を間接的に起動し続け、異なるロープ巻上げ機器33の起動によって、輸送フレーム32のガイドレール31上での往復作動を実現し、それによって伝動構造3は、第一のクレーン1と第二のクレーン2との間でセグメントを迅速に送り出して、効率を向上させる効果を達成する。
【0028】
シールドセグメント共同輸送実施方法であって、
S1:伝動構造3は、A組、C組を搬送し、第一のクレーン1は、B組のセグメントを搬送するとともに出発し、時間t1を経過した後、A組、C組のセグメントがM3点に到着し、B組のセグメントがM1に到着し、
S2:A組のセグメントを伝送機構から第二のクレーン2に吊り上げ、第二のクレーン2は、引き続きA組のセグメントを前向きに搬送し、第一のクレーン1は、引き続きB組のセグメントを前向きに終点Fまで搬送するとともに、伝動構造3は、C組のセグメントを運んで元の経路に沿ってE点に戻り、t2時間を経た後、B組のセグメントとM2点で交差し、
S3:第一のクレーン1は、B組のセグメントを伝送機構に降ろし、伝動構造3は、B組、C組のセグメントを運んで、第二のクレーン2に運ばれたA組のセグメントとt3時間を経過してF点に同時に到着する。
【0029】
以上をまとめると、シールドセグメント共同輸送システムは、伝動構造3という変数を追加した後、毎回三組のセグメント、それぞれA組のセグメント、B組のセグメントとC組のセグメントを輸送し、第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3の速度の計算、及びセグメント輸送距離の計算により、第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3のE点とF点との間の最適な折り返し点M1、M2とM3を算出し、
図1、2と3に示すように、シールドセグメント共同輸送施工方法は、同時にシールドセグメント共同輸送システムが演算した最適な走行路線に合わせて、それによって輸送現場のセグメント輸送効率を向上させた。
【0030】
作動原理:まず第一のクレーン1と第二のクレーン2の搬送速度V0、伝動構造3伝送速度V1、及び開始点の位置E点とF点を測定し、この時に式(1)からセグメントの行程式(2)を導き出し、さらに式(1)と式(2)から、M1、M2とM3からE点までの具体的な位置を算出し、それによって第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3の走行距離を正確に制御することができ、制御データを第一のクレーン1、第二のクレーン2と伝動構造3に送信した後にセグメントの輸送を開始し、第一のクレーン1は、E点でA組、C組のセグメントを伝動構造3に放置し、第一のクレーン1は、B組のセグメントを運んで伝動構造3と一緒に出発し、この時に時間t1を経過した後、A組、C組のセグメントがM3点に到着し、B組のセグメントがM1に到着し、A組のセグメントを伝動構造3から第二のクレーン2に吊り上げ、第二のクレーン2は、引き続きA組のセグメントを前向きに搬送し、第一のクレーン1は、引き続きB組のセグメントを前向きに終点Fまで搬送するとともに、伝送機構は、C組のセグメントを運んで元の経路に沿ってE点に戻り、t2時間を経た後、B組のセグメントとM2点で交差し、第一のクレーンは、B組のセグメントを伝送機構に降ろし、伝送機構は、B組、C組のセグメントを運んで、第二のクレーンに運ばれたA組のセグメントとt3時間を経過してF点に同時に到着し、この時にA組、B組、C組のセグメントをE点からF点まで輸送するタスクを完了することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 第一のクレーン
2 第二のクレーン
3 伝動構造
31 ガイドレール
32 輸送フレーム
33 ロープ巻上げ機器
34 ワイヤロープ
35 固定輪
36 可動輪
【要約】 (修正有)
【課題】セグメントの輸送効率を向上させるシールドセグメント共同輸送システム及び施工方法を提供する。
【解決手段】本発明は、シールドセグメント共同輸送システム及び施工方法を提供し、シールド技術分野に関し、第一のクレーン(1)、第二のクレーン(2)と伝動構造(3)の最適な走行点位置を算出することができ、伝動構造(3)によりセグメントを移動し、大量の施工場所を占有せず、高所落下のリスクを回避するという利点を有し、伝動構造(3)の高い移動速度、及びシールドセグメント共同輸送システムが提供する走行経路を組み合わせて、セグメントの輸送効率を向上させる。
【選択図】
図1