IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECトーキン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図1
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図2
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図3
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図4
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図5
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図6
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図7
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図8
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図9
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図10
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図11
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図12
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図13
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図14
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図15
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図16
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図17
  • 特許-リアクトル及び昇圧回路 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】リアクトル及び昇圧回路
(51)【国際特許分類】
   H01F 37/00 20060101AFI20240227BHJP
   H01F 27/24 20060101ALI20240227BHJP
   H01F 27/255 20060101ALI20240227BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
H01F37/00 A
H01F37/00 M
H01F27/24 H
H01F27/24 K
H01F27/24 J
H01F27/255
H02M3/155 W
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019072961
(22)【出願日】2019-04-05
(65)【公開番号】P2020170822
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-03-02
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000134257
【氏名又は名称】株式会社トーキン
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148840
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 健志
(74)【代理人】
【識別番号】100191673
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 久典
(72)【発明者】
【氏名】阿部 有希
(72)【発明者】
【氏名】山家 孝志
(72)【発明者】
【氏名】近藤 将寛
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 卓哉
(72)【発明者】
【氏名】赤木 啓祐
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第205016341(CN,U)
【文献】特開2018-074146(JP,A)
【文献】特開2017-168587(JP,A)
【文献】特開2013-211330(JP,A)
【文献】特開2018-190954(JP,A)
【文献】特開2015-122359(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 37/00
H01F 27/24
H01F 27/255
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コイルと、第2コイルと、コアとを備えるリアクトルであって、
前記第1コイル及び前記第2コイルの夫々は、前記コアに埋設されており、
前記第1コイルは、上下方向に延びる第1巻軸を有する第1コイル本体部を備えており、
前記第2コイルは、前記上下方向に延びる第2巻軸を有する第2コイル本体部を備えており、
前記第1コイル本体部及び前記第2コイル本体部は、前記上下方向と直交する横方向に離間して並置されており、
前記コアは、上側高比透磁率部材と、下側高比透磁率部材と、低比透磁率部材とを備えており、
前記上側高比透磁率部材及び前記下側高比透磁率部材の夫々は、前記低比透磁率部材よりも高い比透磁率を有しており、
前記上側高比透磁率部材は、第1上側コアと、第2上側コアとを有しており、
前記下側高比透磁率部材は、第1下側コアと、第2下側コアとを有しており、
前記第1上側コアは、前記上下方向において前記第1コイル本体部の上端よりも上側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記第1下側コアは、前記上下方向において前記第1コイル本体部の下端よりも下側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記第2上側コアは、前記上下方向において前記第2コイル本体部の上端よりも上側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記第2下側コアは、前記上下方向において前記第2コイル本体部の下端よりも下側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記低比透磁率部材は、前記第1コイル本体部の内周の内側と、前記第1コイル本体部の外周の外側と、前記第2コイル本体部の内周の内側と、前記第2コイル本体部の外周の外側とに少なくとも配置されており、
前記上側高比透磁率部材は、前記横方向と平行なスリットを有している
リアクトル。
【請求項2】
請求項1記載のリアクトルであって、
前記下側高比透磁率部材は、前記横方向と平行なスリットを有している
リアクトル。
【請求項3】
第1コイルと、第2コイルと、コアとを備えるリアクトルであって、
前記第1コイル及び前記第2コイルの夫々は、前記コアに埋設されており、
前記第1コイルは、上下方向に延びる第1巻軸を有する第1コイル本体部を備えており、
前記第2コイルは、前記上下方向に延びる第2巻軸を有する第2コイル本体部を備えており、
前記第1コイル本体部及び前記第2コイル本体部は、前記上下方向と直交する横方向に離間して並置されており、
前記コアは、上側高比透磁率部材と、下側高比透磁率部材と、低比透磁率部材とを備えており、
前記上側高比透磁率部材及び前記下側高比透磁率部材の夫々は、前記低比透磁率部材よりも高い比透磁率を有しており、
前記上側高比透磁率部材は、第1上側コアと、第2上側コアとを有しており、
前記下側高比透磁率部材は、第1下側コアと、第2下側コアとを有しており、
前記第1上側コアは、前記上下方向において前記第1コイル本体部の上端よりも上側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記第1下側コアは、前記上下方向において前記第1コイル本体部の下端よりも下側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記第2上側コアは、前記上下方向において前記第2コイル本体部の上端よりも上側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記第2下側コアは、前記上下方向において前記第2コイル本体部の下端よりも下側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記低比透磁率部材は、前記第1コイル本体部の内周の内側と、前記第1コイル本体部の外周の外側と、前記第2コイル本体部の内周の内側と、前記第2コイル本体部の外周の外側とに少なくとも配置されており、
前記下側高比透磁率部材は、前記横方向と平行なスリットを有している
リアクトル。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記第1上側コア及び前記第2上側コアの夫々は、前記上下方向及び前記横方向の双方と直交するスリットを有している
リアクトル。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記第1下側コア及び前記第2下側コアの夫々は、前記上下方向及び前記横方向の双方と直交するスリットを有している
リアクトル。
【請求項6】
請求項1から請求項までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記上側高比透磁率部材は、前記横方向における前記第1上側コアと前記第2上側コアとの間にギャップを有している
リアクトル。
【請求項7】
請求項1から請求項までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記下側高比透磁率部材は、前記横方向における前記第1下側コアと前記第2下側コアとの間にギャップを有している
リアクトル。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記第1コイル及び前記第2コイルの夫々は、フラットワイズダブルパンケーキ巻きコイルである
リアクトル。
【請求項9】
請求項1から請求項8までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記上側高比透磁率部材及び前記下側高比透磁率部材の夫々は、圧粉コアであり、
前記低比透磁率部材は、硬化した結合剤と、前記結合剤内部に分散配置された軟磁性体粉末とを有する複合磁性体からなるコアである
リアクトル。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記第1コイル本体部と前記第2コイル本体部との結合係数をkとするとき、零磁界において0.1≦k≦0.4を満たす
リアクトル。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記低比透磁率部材の比透磁率をμLとするとき、3≦μL≦30を満たす
リアクトル。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記上側高比透磁率部材の比透磁率をμhaとするとき、30<μha≦300を満たし、
前記下側高比透磁率部材の比透磁率をμhbとするとき、30<μhb≦300を満たす
リアクトル。
【請求項13】
請求項1から請求項12までのいずれかに記載のリアクトルであって、
前記リアクトルは、ケースを更に有しており、
前記第1コイル、前記第2コイル及び前記コアは、前記ケース内に配置されている
リアクトル。
【請求項14】
請求項13記載のリアクトルであって、
前記ケースは、開口部を有しており、
前記開口部は、前記上下方向と直交する方向に開口している
リアクトル。
【請求項15】
電源と、第1スイッチング素子と、第2スイッチング素子と、第1整流素子と、第2整流素子と、請求項1から請求項14までのいずれかに記載のリアクトルとを備える昇圧回路であって、
前記第1スイッチング素子と、前記第1整流素子と、前記リアクトルの前記第1コイルとは、前記電源の出力をチョッピングして昇圧する第1昇圧チョッパ回路を構成しており、
前記第2スイッチング素子と、前記第2整流素子と、前記リアクトルの前記第2コイルとは、前記電源の出力をチョッピングして昇圧する第2昇圧チョッパ回路を構成しており、
前記第1昇圧チョッパ回路と前記第2昇圧チョッパ回路とは、並列に接続されており、
前記第1昇圧チョッパ回路及び前記第2昇圧チョッパ回路の夫々をインターリーブ動作させる
昇圧回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのコイルと、コアとを備えるリアクトル及びリアクトルを備える昇圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
大電流に対応した昇圧回路として、リアクトルを用いたインターリーブ方式の昇圧回路が求められている。リアクトルを用いたインターリーブ方式の昇圧回路としては、例えば特許文献1に開示されている。このような昇圧回路に用いられるリアクトルとしては、例えば、特許文献2に開示されたものがある。図17を参照すると、特許文献2のリアクトル900は、2つのコイル910と、コア950と、中蓋980とを有している。コア950は、磁性粉末と樹脂とを混合して、所定の型に充填し、成形された注型コアである。2つのコイル910は、コア950に埋め込まれている。中蓋980は、樹脂からなる円環状の平板である。中蓋980は、2つのコイル910の間に挟まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-127049号公報
【文献】特開2017-168587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2のリアクトル900においては、2つのコイル910の結合係数が高いほど磁気特性が向上する。また、図18を参照して、特許文献2のリアクトル900のようなリアクトルを2相のインターリーブ方式の昇圧回路に用いた場合、リップル電流抑制の観点から、昇圧比(Duty比)を0.5、2つのコイルの結合係数(絶対値)を1とした構成が最も望ましく、昇圧比を0.5から外れた値に設定した場合、結合係数(絶対値)を高くすると急激にリップル電流が増大する。
【0005】
一方、実際の仕様に合わせて、昇圧回路に適した昇圧比にある程度の幅を持たせたいとのニーズがある。このように、ある程度の幅の昇圧比の範囲において、高い磁気特性とリップル電流の抑制を両立するためには、2つのコイルの結合係数を適切な値に調整する必要がある。
【0006】
そこで本発明は、2つのコイルの結合係数を適切な値に調整可能なリアクトルを提供することを目的とする。また、本発明の目的は、このようなリアクトルを用いた昇圧回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願人は、鋭意検討を重ねた結果、2つのコイルの上下に高比透磁率のコアを配置し、コイルの内周の内側と外周の外側に低比透磁率のコアを配置することにより、2つのコイルの結合係数を適切な値に調整できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、第1のリアクトルとして、
第1コイルと、第2コイルと、コアとを備えるリアクトルであって、
前記第1コイル及び前記第2コイルの夫々は、前記コアに埋設されており、
前記第1コイルは、上下方向に延びる第1巻軸を有する第1コイル本体部を備えており、
前記第2コイルは、前記上下方向に延びる第2巻軸を有する第2コイル本体部を備えており、
前記第1コイル本体部及び前記第2コイル本体部は、前記上下方向と直交する横方向に離間して並置されており、
前記コアは、上側高比透磁率部材と、下側高比透磁率部材と、低比透磁率部材とを備えており、
前記上側高比透磁率部材及び前記下側高比透磁率部材の夫々は、前記低比透磁率部材よりも高い比透磁率を有しており、
前記上側高比透磁率部材は、第1上側コアと、第2上側コアとを有しており、
前記下側高比透磁率部材は、第1下側コアと、第2下側コアとを有しており、
前記第1上側コアは、前記上下方向において前記第1コイル本体部の上端よりも上側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記第1下側コアは、前記上下方向において前記第1コイル本体部の下端よりも下側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記第2上側コアは、前記上下方向において前記第2コイル本体部の上端よりも上側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記第2下側コアは、前記上下方向において前記第2コイル本体部の下端よりも下側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、
前記低比透磁率部材は、前記第1コイル本体部の内周の内側と、前記第1コイル本体部の外周の外側と、前記第2コイル本体部の内周の内側と、前記第2コイル本体部の外周の外側とに少なくとも配置されている
リアクトルを提供する。
【0009】
また、本発明は、第2のリアクトルとして、第1のリアクトルであって、
前記第1上側コア及び前記第2上側コアの夫々は、前記上下方向及び前記横方向の双方と直交するスリットを有している
リアクトルを提供する。
【0010】
また、本発明は、第3のリアクトルとして、第1又は第2のリアクトルであって、
前記第1下側コア及び前記第2下側コアの夫々は、前記上下方向及び前記横方向の双方と直交するスリットを有している
リアクトルを提供する。
【0011】
また、本発明は、第4のリアクトルとして、第1から第3までのいずれかのリアクトルであって、
前記上側高比透磁率部材は、前記横方向における前記第1上側コアと前記第2上側コアとの間にギャップを有している
リアクトルを提供する。
【0012】
また、本発明は、第5のリアクトルとして、第1から第4までのいずれかのリアクトルであって、
前記下側高比透磁率部材は、前記横方向における前記第1下側コアと前記第2下側コアとの間にギャップを有している
リアクトルを提供する。
【0013】
また、本発明は、第6のリアクトルとして、第1から第5までのいずれかのリアクトルであって、
前記上側高比透磁率部材は、前記横方向と平行なスリットを有している
リアクトルを提供する。
【0014】
また、本発明は、第7のリアクトルとして、第1から第6までのいずれかのリアクトルであって、
前記下側高比透磁率部材は、前記横方向と平行なスリットを有している
リアクトルを提供する。
【0015】
また、本発明は、第8のリアクトルとして、第1から第7までのいずれかのリアクトルであって、
前記第1コイル及び前記第2コイルの夫々は、フラットワイズダブルパンケーキ巻きコイルである
リアクトルを提供する。
【0016】
また、本発明は、第9のリアクトルとして、第1から第8までのいずれかのリアクトルであって、
前記上側高比透磁率部材及び前記下側高比透磁率部材の夫々は、圧粉コアであり、
前記低比透磁率部材は、硬化した結合剤と、前記結合剤内部に分散配置された軟磁性体粉末とを有する複合磁性体からなるコアである
リアクトルを提供する。
【0017】
また、本発明は、第10のリアクトルとして、第1から第9までのいずれかのリアクトルであって、
前記第1コイル本体部と前記第2コイル本体部との結合係数をkとするとき、零磁界において0.1≦k≦0.4を満たす
リアクトルを提供する。
【0018】
また、本発明は、第11のリアクトルとして、第1から第10までのいずれかのリアクトルであって、
前記低比透磁率部材の比透磁率をμLとするとき、3≦μL≦30を満たす
リアクトルを提供する。
【0019】
また、本発明は、第12のリアクトルとして、第1から第11までのいずれかのリアクトルであって、
前記上側高比透磁率部材の比透磁率をμhaとするとき、30<μha≦300を満たし、
前記下側高比透磁率部材の比透磁率をμhbとするとき、30<μhb≦300を満たす
リアクトルを提供する。
【0020】
また、本発明は、第13のリアクトルとして、第1から第12までのいずれかのリアクトルであって、
前記リアクトルは、ケースを更に有しており、
前記第1コイル、前記第2コイル及び前記コアは、前記ケース内に配置されている
リアクトルを提供する。
【0021】
また、本発明は、第14のリアクトルとして、第13のリアクトルであって、
前記ケースは、開口部を有しており、
前記開口部は、前記上下方向と直交する方向に開口している
リアクトルを提供する。
【0022】
また、本発明は、第1の昇圧回路として、
電源と、第1スイッチング素子と、第2スイッチング素子と、第1整流素子と、第2整流素子と、請求項1から請求項14までのいずれかに記載のリアクトルとを備える昇圧回路であって、
前記第1スイッチング素子と、前記第1整流素子と、前記リアクトルの前記第1コイルとは、前記電源の出力をチョッピングして昇圧する第1昇圧チョッパ回路を構成しており、
前記第2スイッチング素子と、前記第2整流素子と、前記リアクトルの前記第2コイルとは、前記電源の出力をチョッピングして昇圧する第2昇圧チョッパ回路を構成しており、
前記第1昇圧チョッパ回路と前記第2昇圧チョッパ回路とは、並列に接続されており、
前記第1昇圧チョッパ回路及び前記第2昇圧チョッパ回路の夫々をインターリーブ動作させる
昇圧回路を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のリアクトルのコアは、第1上側コアと第2上側コアとを有する上側高比透磁率部材を備えている。また、第1上側コアは、上下方向において第1コイル本体部の上端よりも上側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されており、第2上側コアは、上下方向において第2コイル本体部の上端よりも上側に位置する領域に少なくとも部分的に配置されている。これにより、第1コイルと第2コイルの結合係数を適切な値に調整可能となっている。特に、低比透磁率部材よりも高い比透磁率を有する第1上側コア、第1下側コア、第2上側コア及び第2下側コアが、第1コイル本体部及び第2コイル本体部の上下に配置されていることから、適正な鎖交磁束が確保できるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1の実施の形態によるリアクトルを示す斜視図である。
図2図1のリアクトルの構造を示す断面図である。
図3図1のリアクトルを示す上面図である。ここで、ケースの上面、第1端部及び第2端部は省略されている。また、第1コイル本体部及び第2コイル本体部を点線で示している。
図4】本発明の第2の実施の形態によるリアクトルの構造を示す断面図である。
図5図4のリアクトルを示す上面図である。ここで、ケースの上面、第1端部及び第2端部は省略されている。また、第1コイル本体部及び第2コイル本体部を点線で示している。
図6】本発明の第3の実施の形態によるリアクトルの構造を示す断面図である。
図7図6のリアクトルを示す上面図である。ここで、ケースの上面、第1端部及び第2端部は省略されている。また、第1コイル本体部及び第2コイル本体部を点線で示している。
図8】本発明の第4の実施の形態によるリアクトルの構造を示す断面図である。
図9図8のリアクトルを示す上面図である。ここで、ケースの上面、第1端部及び第2端部は省略されている。また、第1コイル本体部及び第2コイル本体部を点線で示している。
図10図8のリアクトルを示す下面図である。ここで、ケースの下面、第1端部及び第2端部は省略されている。また、第1コイル本体部及び第2コイル本体部を点線で示している。
図11】本発明の第5の実施の形態によるリアクトルの構造を示す断面図である。
図12図11のリアクトルを示す上面図である。ここで、ケースの上面、第1端部及び第2端部は省略されている。また、第1コイル本体部及び第2コイル本体部を点線で示している。
図13図11のリアクトルを示す下面図である。ここで、ケースの下面、第1端部及び第2端部は省略されている。また、第1コイル本体部及び第2コイル本体部を点線で示している。
図14】本発明の第6の実施の形態によるリアクトルの構造を示す断面図である。
図15図14のリアクトルを示す上面図である。ここで、ケースの上面、第1端部及び第2端部は省略されている。また、第1コイル本体部及び第2コイル本体部を点線で示している。
図16】本発明の実施の形態による昇圧回路を示す図である。
図17】特許文献2のリアクトルの構造を示す断面図である。
図18】結合係数及び昇圧比(Duty比)に対応するリップル電流値(相対値)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施形態)
図2に示されるように、本発明の第1の実施の形態によるリアクトル100は、第1コイル230と、第2コイル240と、コア300と、ケース600とを備えている。ここで、第1コイル230及び第2コイル240は、コア300に埋設されている。
【0026】
図1及び図2を参照すると、本実施の形態の第1コイル230は、第2コイル240とは別体となっている。第1コイル230は、上下方向に延びる第1巻軸231を有する第1コイル本体部232と、第1コイル本体部232の両端から延びる2つの第1端部234とを備えている。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。ここで、上方を+Z方向とし、下方を-Z方向とする。第1コイル230は、フラットワイズダブルパンケーキ巻きコイルである。
【0027】
図1及び図2を参照すると、本実施の形態の第1コイル本体部232は、導体で構成されている。より詳しくは、第1コイル本体部232は、平角線235をコイル2321,2325の2層となるように巻きまわす、所謂フラットワイズダブルパンケーキ巻きされている。また、本実施の形態のコイル2321,2325は、ディップコーティングが施されている。なお、平角線235は、絶縁被覆されていてもよいし、絶縁被覆されていなくてもよい。また、平角線235の代わりに、丸線や角線を用いてもよい。
【0028】
図1に示されるように、本実施の形態の第1端部234は、コア300の外部に引き出されている。より具体的には、第1端部234は、上下方向と直交する前後方向に引き出されている。本実施の形態において、前後方向はY方向である。なお、図1において、第1端部234は、平角線235の短辺が上下方向と直交するようにコア300の外部に引き出されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、平角線235の長辺が上下方向と直交するようにコア300の外部に引き出されていてもよく、また第1端部234のコア300におけるXZ平面上の位置についても任意に設定することができる。
【0029】
図1及び図2を参照すると、本実施の形態の第2コイル240は、上下方向に延びる第2巻軸241を有する第2コイル本体部242と、第2コイル本体部242の両端から延びる2つの第2端部244とを備えている。第2コイル240は、フラットワイズダブルパンケーキ巻きコイルである。
【0030】
図1及び図2を参照すると、本実施の形態の第2コイル本体部242は、導体で構成されている。より詳しくは、第2コイル本体部242は、平角線245をコイル2421,2425の2層となるように巻きまわす、所謂フラットワイズダブルパンケーキ巻きされている。また、本実施の形態のコイル2421,2425は、ディップコーティングが施されている。なお、平角線245は、絶縁被覆されていてもよいし、絶縁被覆されていなくてもよい。また、平角線245の代わりに、丸線や角線を用いてもよい。また、第2コイル本体部242を、第1コイル本体部232と樹脂等の絶縁体で一体成型してもよい。即ち、第1コイル本体部232と第2コイル本体部242とは、樹脂等の絶縁体で一体化されていてもよい。
【0031】
図1に示されるように、本実施の形態の第2端部244は、コア300の外部に引き出されている。より具体的には、第2端部244は、前後方向に引き出されている。なお、図1において、第2端部244は、平角線245の短辺が上下方向と直交するようにコア300の外部に引き出されているが、本発明はこれに限定されず、例えば、平角線245の長辺が上下方向と直交するようにコア300の外部に引き出されていてもよく、また第2端部244のコア300におけるXZ平面上の位置についても任意に設定することができる。
【0032】
図2に示されるように、本実施の形態において、第1巻軸231と第2巻軸241とは、別軸である。即ち、第1巻軸231と第2巻軸241とは、同軸ではない。第1コイル230の第1コイル本体部232及び第2コイル240の第2コイル本体部242は、上下方向と直交する横方向に離間して並置されている。本実施の形態において、横方向はX方向である。これにより、第1コイル230と第2コイル240とを上下に配置した場合と比較して、上下方向への放熱性が向上し、更にリアクトル100自体の低背化も図ることができる。
【0033】
図2に示されるように、本実施の形態のコア300は、上側高比透磁率部材310と、下側高比透磁率部材330と、低比透磁率部材400とを備えている。本実施の形態の上側高比透磁率部材310及び下側高比透磁率部材330の夫々は、圧粉コアである。また、本実施の形態の低比透磁率部材400は、硬化した結合剤412と、結合剤412内部に分散配置された軟磁性体粉末414とを有する複合磁性体410からなるコアである。
【0034】
本実施の形態において、上側高比透磁率部材310及び下側高比透磁率部材330の夫々は、低比透磁率部材400よりも高い比透磁率を有している。低比透磁率部材400の比透磁率をμLとするとき、3≦μL≦30を満たしていることか好ましい。また、上側高比透磁率部材310の比透磁率をμhaとするとき、30<μha≦300を満たしていることが好ましい。更に、下側高比透磁率部材330の比透磁率をμhbとするとき、30<μhb≦300を満たしていることが好ましい。なお、μha=μhbであってもよく、μha≠μhbであってもよい。
【0035】
図2に示されるように、本実施の形態の上側高比透磁率部材310は、第1上側コア312と、第2上側コア316とを有している。図3に示されるように、第1上側コア312及び第2上側コア316の夫々は、上下方向及び横方向の双方と直交するスリット320を有している。スリット320は、前後方向に延びている。第1巻軸231は、第1上側コア312のスリット320を貫通している。第2巻軸241は、第2上側コア316のスリット320を貫通している。なお、上側高比透磁率部材310は、横方向における第1上側コア312と第2上側コア316との間にギャップを有していない。
【0036】
図2を参照して、本実施の形態の下側高比透磁率部材330は、上側高比透磁率部材310と同じ形状を有している。下側高比透磁率部材330は、第1下側コア332と、第2下側コア336とを有している。第1下側コア332及び第2下側コア336の夫々は、上下方向及び横方向の双方と直交するスリット340を有している。スリット340は、前後方向に延びている。第1巻軸231は、第1下側コア332のスリット340を貫通している。第2巻軸241は、第2下側コア336のスリット340を貫通している。スリット340は、横方向においてスリット320と夫々同じ位置に位置している。なお、下側高比透磁率部材330は、横方向における第1下側コア332と第2下側コア336との間にギャップを有していない。
【0037】
図2に示されるように、本実施の形態の第1上側コア312は、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に配置されている。第1上側コア312は、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1上側コア312は、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0038】
図2に示されるように、本実施の形態の第1下側コア332は、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に配置されている。
第1下側コア332は、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1下側コア332は、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0039】
図2に示されるように、本実施の形態の第2上側コア316は、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に配置されている。第2上側コア316は、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2上側コア316は、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0040】
図2に示されるように、本実施の形態の第2下側コア336は、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に配置されている。第2下側コア336は、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2下側コア336は、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0041】
図2に示されるように、本実施の形態の低比透磁率部材400は、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側と、スリット320,340内に配置されている。なお、本発明はこれに限定されず、低比透磁率部材400は、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側とに少なくとも配置されていればよい。
【0042】
図2を参照して、本実施の形態のリアクトル100において、第1コイル本体部232と第2コイル本体部242との結合係数をkとするとき、零磁界において0.1≦k≦0.4を満たしていることが好ましい。
【0043】
図1から図3までを参照すると、本実施の形態のケース600は、アルミ製又は樹脂製である。ケース600は、上面610と、下面630と、開口部640とを有している。開口部640は、上下方向と直交する方向に開口している。即ち、上面610及び下面630には開口部は設けられていない。なお、本発明はこれに限定されず、開口部640が上下方向に開口するようにケース600に設けられていてもよく、第1端部234及び第2端部244をコア300の外部に引き出す方向に応じて開口部640をケース600に設ければよい。本実施の形態のリアクトル100において、第1コイル230、第2コイル240及びコア300は、ケース600内に配置されている。なお、上側高比透磁率部材310とケース600との間や、下側高比透磁率部材330とケース600の間には、接着剤や低比透磁率部材400が介在していてもよい。また、リアクトル100はケース600を有しなくてもよい。
【0044】
上述のように、第1上側コア312は、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接しており、第1下側コア332は、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接しており、第2上側コア316は、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接しており、第2下側コア336は、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。このような構成から、第1コイル230及び第2コイル240からの放熱が、圧粉コアである第1上側コア312、第2上側コア316、第1下側コア332及び第2下側コア336を介してケース600に迅速に伝熱されるようになっている。特に、上側高比透磁率部材310とケース600との間や、下側高比透磁率部材330とケース600の間に、接着剤や低比透磁率部材400が介在している場合、上側高比透磁率部材310及び下側高比透磁率部材330とケース600との密着性が向上し、第1コイル230及び第2コイル240から発生する熱の放熱性がさらに向上するため好ましい。
【0045】
(第2の実施形態)
図4に示されるように、本発明の第2の実施の形態によるリアクトル100Aは、コア300Aを除き、上述した第1の実施の形態によるリアクトル100(図1及び図2参照)と同じ構成を備えている。そのため、図4及び図5に示される構成要素のうち、第1の実施の形態と同様の構成要素に対しては同一の参照符号を付すこととする。
【0046】
図4を参照すると、本実施の形態のコア300Aは、上側高比透磁率部材310Aと、下側高比透磁率部材330Aと、低比透磁率部材400Aとを備えている。本実施の形態の上側高比透磁率部材310A及び下側高比透磁率部材330Aの夫々は、圧粉コアである。また、本実施の形態の低比透磁率部材400Aは、上述した第1の実施の形態の低比透磁率部材400と同様である。即ち、本実施の形態の低比透磁率部材400Aは、硬化した結合剤412と、結合剤412内部に分散配置された軟磁性体粉末414とを有する複合磁性体410Aからなるコアである。
【0047】
本実施の形態において、上側高比透磁率部材310A及び下側高比透磁率部材330Aの夫々は、低比透磁率部材400Aよりも高い比透磁率を有している。低比透磁率部材400Aの比透磁率をμLとするとき、3≦μL≦30を満たしていることか好ましい。また、上側高比透磁率部材310Aの比透磁率をμhaとするとき、30<μha≦300を満たしていることが好ましい。更に、下側高比透磁率部材330Aの比透磁率をμhbとするとき、30<μhb≦300を満たしていることが好ましい。なお、μha=μhbであってもよく、μha≠μhbであってもよい。
【0048】
図4に示されるように、本実施の形態の上側高比透磁率部材310Aは、第1上側コア312Aと、第2上側コア316Aとを有している。図5に示されるように、上側高比透磁率部材310Aは、横方向における第1上側コア312Aと第2上側コア316Aとの間にギャップ325を有している。ギャップ325は、前後方向に延びている。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、ギャップ325を貫通していない。第1上側コア312A及び第2上側コア316Aの夫々は、上述した第1の実施の形態の第1上側コア312及び第2上側コア316と異なり、上下方向及び横方向の双方と直交するスリットを有していない。
【0049】
図4を参照して、本実施の形態の下側高比透磁率部材330Aは、上側高比透磁率部材310Aと同じ形状を有している。下側高比透磁率部材330Aは、第1下側コア332Aと、第2下側コア336Aとを有している。下側高比透磁率部材330Aは、横方向における第1下側コア332Aと第2下側コア336Aとの間にギャップ345を有している。ギャップ345は、前後方向に延びている。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、ギャップ345を貫通していない。ギャップ345は、横方向においてギャップ325と同じ位置に位置している。第1下側コア332A及び第2下側コア336Aの夫々は、上述した第1の実施の形態の第1下側コア332及び第2下側コア336と異なり、上下方向及び横方向の双方と直交するスリットを有していない。
【0050】
図4に示されるように、本実施の形態の第1上側コア312Aは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に配置されている。第1上側コア312Aは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1上側コア312Aは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0051】
図4に示されるように、本実施の形態の第1下側コア332Aは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に配置されている。第1下側コア332Aは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1下側コア332Aは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0052】
図4に示されるように、本実施の形態の第2上側コア316Aは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に配置されている。第2上側コア316Aは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2上側コア316Aは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0053】
図4に示されるように、本実施の形態の第2下側コア336Aは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に配置されている。第2下側コア336Aは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2下側コア336Aは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0054】
図4に示されるように、本実施の形態の低比透磁率部材400Aは、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側と、ギャップ325,345内に配置されている。なお、本発明はこれに限定されず、低比透磁率部材400Aは、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側とに少なくとも配置されていればよい。
【0055】
図4を参照して、本実施の形態のリアクトル100Aにおいて、第1コイル本体部232と第2コイル本体部242との結合係数をkとするとき、零磁界において0.1≦k≦0.4を満たしていることが好ましい。
【0056】
図4及び図5に示されるように、本実施の形態のリアクトル100Aにおいて、第1コイル230、第2コイル240及びコア300Aは、ケース600内に配置されている。なお、上側高比透磁率部材310Aとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Aとケース600の間には、接着剤や低比透磁率部材400Aが介在していてもよい。また、リアクトル100Aはケース600を有しなくてもよい。
【0057】
上述のように、第1上側コア312Aは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接しており、第1下側コア332Aは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接しており、第2上側コア316Aは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接しており、第2下側コア336Aは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。このような構成から、第1コイル230及び第2コイル240からの放熱が、圧粉コアである第1上側コア312A、第2上側コア316A、第1下側コア332A及び第2下側コア336Aを介してケース600に迅速に伝熱されるようになっている。特に、上側高比透磁率部材310Aとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Aとケース600の間に、接着剤や低比透磁率部材400Aが介在している場合、上側高比透磁率部材310A及び下側高比透磁率部材330Aとケース600との密着性が向上し、第1コイル230及び第2コイル240から発生する熱の放熱性がさらに向上するため好ましい。
【0058】
(第3の実施形態)
図6に示されるように、本発明の第3の実施の形態によるリアクトル100Bは、コア300Bを除き、上述した第1の実施の形態によるリアクトル100(図1及び図2参照)と同じ構成を備えている。そのため、図6及び図7に示される構成要素のうち、第1の実施の形態と同様の構成要素に対しては同一の参照符号を付すこととする。
【0059】
図6に示されるように、本実施の形態のコア300Bは、上側高比透磁率部材310Bと、下側高比透磁率部材330Bと、低比透磁率部材400Bとを備えている。本実施の形態の上側高比透磁率部材310B及び下側高比透磁率部材330Bの夫々は、圧粉コアである。また、本実施の形態の低比透磁率部材400Bは、上述した第1の実施の形態の低比透磁率部材400と同様である。即ち、本実施の形態の低比透磁率部材400Bは、硬化した結合剤412と、結合剤412内部に分散配置された軟磁性体粉末414とを有する複合磁性体410Bからなるコアである。
【0060】
本実施の形態において、上側高比透磁率部材310B及び下側高比透磁率部材330Bの夫々は、低比透磁率部材400Bよりも高い比透磁率を有している。低比透磁率部材400Bの比透磁率をμLとするとき、3≦μL≦30を満たしていることか好ましい。また、上側高比透磁率部材310Bの比透磁率をμhaとするとき、30<μha≦300を満たしていることが好ましい。更に、下側高比透磁率部材330Bの比透磁率をμhbとするとき、30<μhb≦300を満たしていることが好ましい。なお、μha=μhbであってもよく、μha≠μhbであってもよい。
【0061】
図6に示されるように、本実施の形態の上側高比透磁率部材310Bは、第1上側コア312Bと、第2上側コア316Bとを有している。図7に示されるように、上側高比透磁率部材310Bは、横方向における第1上側コア312Bと第2上側コア316Bとの間にギャップ325を有している。ギャップ325は、前後方向に延びている。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、ギャップ325を貫通していない。第1上側コア312B及び第2上側コア316Bの夫々は、上下方向及び横方向の双方と直交するスリット320を有している。スリット320は、前後方向に延びている。図6に示されるように、第1巻軸231は、第1上側コア312Bのスリット320を貫通している。第2巻軸241は、第2上側コア316Bのスリット320を貫通している。
【0062】
図6を参照して、本実施の形態の下側高比透磁率部材330Bは、上側高比透磁率部材310Bと同じ形状を有している。下側高比透磁率部材330Bは、第1下側コア332Bと、第2下側コア336Bとを有している。下側高比透磁率部材330Bは、横方向における第1下側コア332Bと第2下側コア336Bとの間にギャップ345を有している。ギャップ345は、前後方向に延びている。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、ギャップ345を貫通していない。ギャップ345は、横方向においてギャップ325と同じ位置に位置している。第1下側コア332B及び第2下側コア336Bの夫々は、上下方向及び横方向の双方と直交するスリット340を有している。スリット340は、前後方向に延びている。第1巻軸231は、第1下側コア332Bのスリット340を貫通している。第2巻軸241は、第2下側コア336Bのスリット340を貫通している。スリット340は、横方向においてスリット320と夫々同じ位置に位置している。
【0063】
図6に示されるように、本実施の形態の第1上側コア312Bは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に配置されている。第1上側コア312Bは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1上側コア312Bは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0064】
図6に示されるように、本実施の形態の第1下側コア332Bは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に配置されている。第1下側コア332Bは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1下側コア332Bは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0065】
図6に示されるように、本実施の形態の第2上側コア316Bは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に配置されている。第2上側コア316Bは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2上側コア316Bは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0066】
図6に示されるように、本実施の形態の第2下側コア336Bは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に配置されている。第2下側コア336Bは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2下側コア336Bは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0067】
図6に示されるように、本実施の形態の低比透磁率部材400Bは、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側と、スリット320,340内と、ギャップ325,345内に配置されている。なお、本発明はこれに限定されず、低比透磁率部材400Bは、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側とに少なくとも配置されていればよい。
【0068】
図6を参照して、本実施の形態のリアクトル100Bにおいて、第1コイル本体部232と第2コイル本体部242との結合係数をkとするとき、零磁界において0.1≦k≦0.4を満たしていることが好ましい。
【0069】
図6及び図7に示されるように、本実施の形態のリアクトル100Bにおいて、第1コイル230、第2コイル240及びコア300Bは、ケース600内に配置されている。なお、上側高比透磁率部材310Bとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Bとケース600の間には、接着剤や低比透磁率部材400Bが介在していてもよい。また、リアクトル100Bはケース600を有しなくてもよい。
【0070】
上述のように、第1上側コア312Bは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接しており、第1下側コア332Bは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接しており、第2上側コア316Bは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接しており、第2下側コア336Bは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。このような構成から、第1コイル230及び第2コイル240からの放熱が、圧粉コアである第1上側コア312B、第2上側コア316B、第1下側コア332B及び第2下側コア336Bを介してケース600に迅速に伝熱されるようになっている。特に、上側高比透磁率部材310Bとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Bとケース600の間に、接着剤や低比透磁率部材400Bが介在している場合、上側高比透磁率部材310B及び下側高比透磁率部材330Bとケース600との密着性が向上し、第1コイル230及び第2コイル240から発生する熱の放熱性がさらに向上するため好ましい。
【0071】
(第4の実施形態)
図8に示されるように、本発明の第4の実施の形態によるリアクトル100Cは、コア300Cを除き、上述した第1の実施の形態によるリアクトル100(図1及び図2参照)と同じ構成を備えている。そのため、図8から図10までに示される構成要素のうち、第1の実施の形態と同様の構成要素に対しては同一の参照符号を付すこととする。
【0072】
図8に示されるように、本実施の形態のコア300Cは、上側高比透磁率部材310Cと、下側高比透磁率部材330Cと、低比透磁率部材400Cとを備えている。本実施の形態の上側高比透磁率部材310C及び下側高比透磁率部材330Cの夫々は、圧粉コアである。また、本実施の形態の低比透磁率部材400Cは、上述した第1の実施の形態の低比透磁率部材400と同様である。即ち、本実施の形態の低比透磁率部材400Cは、硬化した結合剤412と、結合剤412内部に分散配置された軟磁性体粉末414とを有する複合磁性体410Cからなるコアである。
【0073】
本実施の形態において、上側高比透磁率部材310C及び下側高比透磁率部材330Cの夫々は、低比透磁率部材400Cよりも高い比透磁率を有している。低比透磁率部材400Cの比透磁率をμLとするとき、3≦μL≦30を満たしていることか好ましい。また、上側高比透磁率部材310Cの比透磁率をμhaとするとき、30<μha≦300を満たしていることが好ましい。更に、下側高比透磁率部材330Cの比透磁率をμhbとするとき、30<μhb≦300を満たしていることが好ましい。なお、μha=μhbであってもよく、μha≠μhbであってもよい。
【0074】
図8に示されるように、本実施の形態の上側高比透磁率部材310Cは、第1上側コア312Cと、第2上側コア316Cとを有している。図9に示されるように、上側高比透磁率部材310Cは、横方向と平行なスリット322を有している。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、スリット322を貫通している。上側高比透磁率部材310Cは、横方向における第1上側コア312Cと第2上側コア316Cとの間にギャップを有していない。第1上側コア312C及び第2上側コア316Cの夫々は、上述した第1の実施の形態の第1上側コア312及び第2上側コア316と異なり、上下方向及び横方向の双方と直交するスリットを有していない。
【0075】
図10に示されるように、本実施の形態の下側高比透磁率部材330Cは、上側高比透磁率部材310Cと同じ形状を有している。下側高比透磁率部材330Cは、第1下側コア332Cと、第2下側コア336Cとを有している。下側高比透磁率部材330Cは、横方向と平行なスリット342を有している。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、スリット342を貫通している。スリット342は、前後方向においてスリット322と同じ位置に位置している。下側高比透磁率部材330Cは、横方向における第1下側コア332Cと第2下側コア336Cとの間にギャップを有していない。第1下側コア332C及び第2下側コア336Cの夫々は、上述した第1の実施の形態の第1下側コア332、第2下側コア336と異なり、上下方向及び横方向の双方と直交するスリットを有していない。
【0076】
図8に示されるように、本実施の形態の第1上側コア312Cは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に配置されている。第1上側コア312Cは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1上側コア312Cは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0077】
図8に示されるように、本実施の形態の第1下側コア332Cは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に配置されている。第1下側コア332Cは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1下側コア332Cは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0078】
図8に示されるように、本実施の形態の第2上側コア316Cは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に配置されている。第2上側コア316Cは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2上側コア316Cは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0079】
図8に示されるように、本実施の形態の第2下側コア336Cは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に配置されている。第2下側コア336Cは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2下側コア336Cは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0080】
図8から図10までに示されるように、本実施の形態の低比透磁率部材400Cは、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側と、スリット322,342内に配置されている。なお、本発明はこれに限定されず、低比透磁率部材400Cは、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側とに少なくとも配置されていればよい。
【0081】
図8を参照して、本実施の形態のリアクトル100Cにおいて、第1コイル本体部232と第2コイル本体部242との結合係数をkとするとき、零磁界において0.1≦k≦0.4を満たしていることが好ましい。
【0082】
図8から図10までに示されるように、本実施の形態のリアクトル100Cにおいて、第1コイル230、第2コイル240及びコア300Cは、ケース600内に配置されている。なお、上側高比透磁率部材310Cとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Cとケース600の間には、接着剤や低比透磁率部材400Cが介在していてもよい。また、リアクトル100Cはケース600を有しなくてもよい。
【0083】
上述のように、第1上側コア312Cは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接しており、第1下側コア332Cは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接しており、第2上側コア316Cは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接しており、第2下側コア336Cは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。このような構成から、第1コイル230及び第2コイル240からの放熱が、圧粉コアである第1上側コア312C、第2上側コア316C、第1下側コア332C及び第2下側コア336Cを介してケース600に迅速に伝熱されるようになっている。特に、上側高比透磁率部材310Cとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Cとケース600の間に、接着剤や低比透磁率部材400Cが介在している場合、上側高比透磁率部材310C及び下側高比透磁率部材330Cとケース600との密着性が向上し、第1コイル230及び第2コイル240から発生する熱の放熱性がさらに向上するため好ましい。
【0084】
(第5の実施形態)
図11に示されるように、本発明の第5の実施の形態によるリアクトル100Dは、コア300Dを除き、上述した第1の実施の形態によるリアクトル100(図1及び図2参照)と同じ構成を備えている。そのため、図11から図13までに示される構成要素のうち、第1の実施の形態と同様の構成要素に対しては同一の参照符号を付すこととする。
【0085】
図11に示されるように、本実施の形態のコア300Dは、上側高比透磁率部材310Dと、下側高比透磁率部材330Dと、低比透磁率部材400Dとを備えている。本実施の形態の上側高比透磁率部材310D及び下側高比透磁率部材330Dの夫々は、圧粉コアである。また、本実施の形態の低比透磁率部材400Dは、上述した第1の実施の形態の低比透磁率部材400と同様である。即ち、本実施の形態の低比透磁率部材400Dは、硬化した結合剤412と、結合剤412内部に分散配置された軟磁性体粉末414とを有する複合磁性体410Dからなるコアである。
【0086】
本実施の形態において、上側高比透磁率部材310D及び下側高比透磁率部材330Dの夫々は、低比透磁率部材400Dよりも高い比透磁率を有している。低比透磁率部材400Dの比透磁率をμLとするとき、3≦μL≦30を満たしていることか好ましい。また、上側高比透磁率部材310Dの比透磁率をμhaとするとき、30<μha≦300を満たしていることが好ましい。更に、下側高比透磁率部材330Dの比透磁率をμhbとするとき、30<μhb≦300を満たしていることが好ましい。なお、μha=μhbであってもよく、μha≠μhbであってもよい。
【0087】
図11に示されるように、本実施の形態の上側高比透磁率部材310Dは、第1上側コア312Dと、第2上側コア316Dとを有している。図12に示されるように、上側高比透磁率部材310Dは、横方向における第1上側コア312Dと第2上側コア316Dとの間にギャップ325を有している。ギャップ325は、前後方向に延びている。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、ギャップ325を貫通していない。第1上側コア312D及び第2上側コア316Dの夫々は、上下方向及び横方向の双方と直交するスリットを有していない。上側高比透磁率部材310Dは、横方向と平行なスリット322を有している。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、スリット322を貫通している。
【0088】
図13に示されるように、本実施の形態の下側高比透磁率部材330Dは、上側高比透磁率部材310Dと同じ形状を有している。下側高比透磁率部材330Dは、第1下側コア332Dと、第2下側コア336Dとを有している。下側高比透磁率部材330Dは、横方向における第1下側コア332Dと第2下側コア336Dとの間にギャップ345を有している。ギャップ345は、前後方向に延びている。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、ギャップ345を貫通していない。ギャップ345は、横方向においてギャップ325と同じ位置に位置している。第1下側コア332D及び第2下側コア336Dの夫々は、上下方向及び横方向の双方と直交するスリットを有していない。下側高比透磁率部材330Dは、横方向と平行なスリット342を有している。第1巻軸231及び第2巻軸241の夫々は、スリット342を貫通している。スリット342は、前後方向においてスリット322と同じ位置に位置している。
【0089】
図11に示されるように、本実施の形態の第1上側コア312Dは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に配置されている。第1上側コア312Dは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1上側コア312Dは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0090】
図11に示されるように、本実施の形態の第1下側コア332Dは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に配置されている。第1下側コア332Dは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1下側コア332Dは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0091】
図11に示されるように、本実施の形態の第2上側コア316Dは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に配置されている。第2上側コア316Dは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2上側コア316Dは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0092】
図11に示されるように、本実施の形態の第2下側コア336Dは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に配置されている。第2下側コア336Dは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2下側コア336Dは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0093】
図11に示されるように、本実施の形態の低比透磁率部材400Dは、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側と、スリット322,342内と、ギャップ325,345内に配置されている。なお、本発明はこれに限定されず、低比透磁率部材400Dは、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側とに少なくとも配置されていればよい。
【0094】
図11を参照して、本実施の形態のリアクトル100Dにおいて、第1コイル本体部232と第2コイル本体部242との結合係数をkとするとき、零磁界において0.1≦k≦0.4を満たしていることが好ましい。
【0095】
図11から図13までに示されるように、本実施の形態のリアクトル100Dにおいて、第1コイル230、第2コイル240及びコア300Dは、ケース600内に配置されている。なお、上側高比透磁率部材310Dとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Dとケース600の間には、接着剤や低比透磁率部材400Dが介在していてもよい。また、リアクトル100Dはケース600を有しなくてもよい。
【0096】
上述のように、第1上側コア312Dは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接しており、第1下側コア332Dは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接しており、第2上側コア316Dは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接しており、第2下側コア336Dは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。このような構成から、第1コイル230及び第2コイル240からの放熱が、圧粉コアである第1上側コア312D、第2上側コア316D、第1下側コア332D及び第2下側コア336Dを介してケース600に迅速に伝熱されるようになっている。特に、上側高比透磁率部材310Dとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Dとケース600の間に、接着剤や低比透磁率部材400Dが介在している場合、上側高比透磁率部材310D及び下側高比透磁率部材330Dとケース600との密着性が向上し、第1コイル230及び第2コイル240から発生する熱の放熱性がさらに向上するため好ましい。
【0097】
(第6の実施形態)
図14に示されるように、本発明の第6の実施の形態によるリアクトル100Eは、コア300Eを除き、上述した第1の実施の形態によるリアクトル100(図1及び図2参照)と同じ構成を備えている。そのため、図14及び図15に示される構成要素のうち、第1の実施の形態と同様の構成要素に対しては同一の参照符号を付すこととする。
【0098】
図14に示されるように、本実施の形態のコア300Eは、上側高比透磁率部材310Eと、下側高比透磁率部材330Eと、低比透磁率部材400Eとを備えている。本実施の形態の上側高比透磁率部材310E及び下側高比透磁率部材330Eの夫々は、圧粉コアである。また、本実施の形態の低比透磁率部材400Eは、上述した第1の実施の形態の低比透磁率部材400と同様である。即ち、本実施の形態の低比透磁率部材400Eは、硬化した結合剤412と、結合剤412内部に分散配置された軟磁性体粉末414とを有する複合磁性体410Eからなるコアである。
【0099】
本実施の形態において、上側高比透磁率部材310E及び下側高比透磁率部材330Eの夫々は、低比透磁率部材400Eよりも高い比透磁率を有している。低比透磁率部材400Eの比透磁率をμLとするとき、3≦μL≦30を満たしていることか好ましい。また、上側高比透磁率部材310Eの比透磁率をμhaとするとき、30<μha≦300を満たしていることが好ましい。更に、下側高比透磁率部材330Eの比透磁率をμhbとするとき、30<μhb≦300を満たしていることが好ましい。なお、μha=μhbであってもよく、μha≠μhbであってもよい。
【0100】
図14に示されるように、本実施の形態の上側高比透磁率部材310Eは、第1上側コア312Eと、第2上側コア316Eとを有している。図15に示されるように、上側高比透磁率部材310Eは、横方向における第1上側コア312Eと第2上側コア316Eとの間にギャップを有していない。また、第1上側コア312E及び第2上側コア316Eの夫々は、上述した第1の実施の形態の第1上側コア312及び第2上側コア316と異なり、上下方向及び横方向の双方と直交するスリットを有していない。更に、上側高比透磁率部材310Eは、横方向と平行なスリットも有していない。即ち、本実施の形態の上側高比透磁率部材310Eは、一部材で構成されている。
【0101】
図14を参照して、本実施の形態の下側高比透磁率部材330Eは、上側高比透磁率部材310Eと同じ形状を有している。下側高比透磁率部材330Eは、第1下側コア332Eと、第2下側コア336Eとを有している。下側高比透磁率部材330Eは、横方向における第1下側コア332Eと第2下側コア336Eとの間にギャップを有していない。また、第1下側コア332E及び第2下側コア336Eの夫々は、上述した第1の実施の形態の第1下側コア332及び第2下側コア336と異なり、上下方向及び横方向の双方と直交するスリットを有していない。更に、下側高比透磁率部材330Eは、横方向と平行なスリットも有していない。即ち、本実施の形態の下側高比透磁率部材330Eは、一部材で構成されている。
【0102】
図14に示されるように、本実施の形態の第1上側コア312Eは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に配置されている。第1上側コア312Eは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1上側コア312Eは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322よりも上側に位置する領域712に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0103】
図14に示されるように、本実施の形態の第1下側コア332Eは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に配置されている。第1下側コア332Eは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第1下側コア332Eは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326よりも下側に位置する領域732に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0104】
図14に示されるように、本実施の形態の第2上側コア316Eは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に配置されている。第2上側コア316Eは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2上側コア316Eは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422よりも上側に位置する領域716に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0105】
図14に示されるように、本実施の形態の第2下側コア336Eは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に配置されている。第2下側コア336Eは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。なお、本発明はこれに限定されず、第2下側コア336Eは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426よりも下側に位置する領域736に少なくとも部分的に配置されていればよい。
【0106】
図14に示されるように、本実施の形態の低比透磁率部材400Eは、第1コイル本体部232の内周2327の内側と、第1コイル本体部232の外周2329の外側と、第2コイル本体部242の内周2427の内側と、第2コイル本体部242の外周2429の外側とに配置されている。
【0107】
図14を参照して、本実施の形態のリアクトル100Eにおいて、第1コイル本体部232と第2コイル本体部242との結合係数をkとするとき、零磁界において0.1≦k≦0.4を満たしていることが好ましい。
【0108】
図15に示されるように、本実施の形態のリアクトル100Eにおいて、第1コイル230、第2コイル240及びコア300Eは、ケース600内に配置されている。なお、上側高比透磁率部材310Eとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Eとケース600の間には、接着剤や低比透磁率部材400Eが介在していてもよい。また、リアクトル100Eはケース600を有しなくてもよい。
【0109】
上述のように、第1上側コア312Eは、上下方向において第1コイル本体部232の上端2322と接しており、第1下側コア332Eは、上下方向において第1コイル本体部232の下端2326と接しており、第2上側コア316Eは、上下方向において第2コイル本体部242の上端2422と接しており、第2下側コア336Eは、上下方向において第2コイル本体部242の下端2426と接している。このような構成から、第1コイル230及び第2コイル240からの放熱が、圧粉コアである第1上側コア312E、第2上側コア316E、第1下側コア332E及び第2下側コア336Eを介してケース600に迅速に伝熱されるようになっている。特に、上側高比透磁率部材310Eとケース600との間や、下側高比透磁率部材330Eとケース600の間に、接着剤や低比透磁率部材400Eが介在している場合、上側高比透磁率部材310E及び下側高比透磁率部材330Eとケース600との密着性が向上し、第1コイル230及び第2コイル240から発生する熱の放熱性がさらに向上するため好ましい。
【0110】
(結合係数のシミュレーション結果)
本実施の形態のリアクトル100,100B,100Eに係る実施例1~3について、結合係数のシミュレーションを行った。ここで、第1の実施の形態のリアクトル100は、実施例1に対応している。第3の実施の形態のリアクトル100Bは、実施例2に対応している。第6の実施の形態のリアクトル100Eは、実施例3に対応している。シミュレーション結果を表1に示す。
【0111】
【表1】
【0112】
表1に示されるように、直流電流値Idc=0における結合係数を比較すると、第1の実施の形態に係る実施例1においては0.170、第3の実施の形態に係る実施例2においては0.139、第6の実施の形態に係る実施例3においては0.206となっている。これにより、実施例1~3においては、第1コイル本体部232と第2コイル本体部242との間の結合係数が適切な値に調整されていることが分かる。
【0113】
また表1に示されるように、直流電流値Idcが変動しても、実施例1の結合係数は0.170~0104の範囲に、実施例2の結合係数は0.139~0.097の範囲に、実施例3の結合係数は0.206~0.110の範囲に、夫々留まっている。これらのことから、実施例1~3においては、直流電流値Idc変動が結合係数に大きく影響しないことが分かる。
【0114】
(リップル電流及び交流銅損のシミュレーション結果)
実施例1~3に係るリップル電流及び交流銅損のシミュレーションを行った。シミュレーションにおいては、直流電流値Idc=200A、周波数20kHz、低比透磁率部材400,400B,400Eの比透磁率を10、高比透磁率部材500,500B,500Eの比透磁率を100に設定した。またシミュレーション条件として、入力電圧300V及び出力電圧700Vとした。ここで、このシミュレーション条件における昇圧比(Duty比(=1-入力電圧/出力電圧))は約0.57となる。シミュレーション結果を表2に示す。
【0115】
【表2】
【0116】
表2に示されるように、実施例1,2のリップル電流値及び交流銅損は、実施例3のリップル電流値及び交流銅損よりも小さな値を示した。これにより、スリット及びギャップを設けていない実施例3よりも、スリット320,340を設けた実施例1、スリット320,340及びギャップ325,345を設けた実施例2のほうが、リップル電流値及び交流銅損が小さくなることが分かる。
【0117】
(摺動面における損失のシミュレーション結果)
本実施の形態のリアクトル100A,100Cにおいて、上側高比透磁率部材310A,310C及び下側高比透磁率部材330A,330Cの夫々の摺動面に対し、切り欠きを設けた場合と、エッチング処理した場合と、エッチング処理しなかった場合の、摺動面における損失のシミュレーションを行った。ここで、摺動面とは、圧粉コアの作製の際における摺動面、即ち、第1から第6までの実施の形態の上側高比透磁率部材310,310A,310B,310C,310D,310E及び下側高比透磁率部材330,330A,330B,330C,330D,330Eにおいて、上下方向に平行な面である側面部分を意味している。また、摺動面における損失は、ショートリングによる誘導電流損失と、磁束が摺動面を貫通することによって発生する渦電流損失とがあり、ショートリングによる誘導電流損失は、圧粉コアの摺動面に対して、切り欠きを設けたりエッチング処理することにより抑制できるものである。シミュレーション条件として、入力電圧300V及び出力電圧600Vとした。ここで、このシミュレーション条件における昇圧比(Duty比(=1-入力電圧/出力電圧))は0.5となる。このシミュレーションの結果、リアクトル100Aにおいて、切り欠きを設けた場合の摺動面における損失は64W、エッチング処理した場合の摺動面における損失は0W、エッチング処理しなかった場合の摺動面における損失は174Wと、夫々算出された。また、リアクトル100Cにおいて、切り欠きを設けた場合の摺動面における損失は4W、エッチング処理した場合の摺動面における損失は0W、エッチング処理しなかった場合の摺動面における損失は5Wと、夫々算出された。これらの結果から、第4の実施の形態のリアクトル100Cは、第2の実施の形態のリアクトル100Aと比較して、エッチング処理を行わなくても摺動面における損失を抑制することができることが分かる。また、第4の実施の形態のリアクトル100Cにおいて、切り欠きを設けた場合の摺動面における損失(4W)は、磁束が摺動面を貫通することによって発生する渦電流損失に相当するため、第4の実施の形態のリアクトル100Cでは磁束が摺動面を貫通することによって発生する渦電流損失を特に抑制できることが分かる。加えて、第2及び第4の実施の形態のリアクトル100A,100Cにおいて、切り欠きを設けた場合の摺動面における損失は、エッチング処理しなかった場合の摺動面における損失よりも小さいため、摺動面における損失を抑制するために圧粉コアの摺動面に切り欠きを設けることも効果があることが分かる。
【0118】
上記のシミュレーションを、第4の実施の形態のリアクトル100Cについてシミュレーション条件を変更して再度実施した。シミュレーション条件として、入力電圧150V及び出力電圧600Vとした。ここで、このシミュレーション条件における昇圧比(Duty比(=1-入力電圧/出力電圧))は0.75となる。このシミュレーションの結果、エッチング処理した場合の摺動面における損失は0W、エッチング処理しなかった場合の摺動面における損失は7Wと、夫々算出された。これらの結果から、第4の実施の形態のリアクトル100Cは、上側高比透磁率部材310C及び下側高比透磁率部材330Cのエッチング処理の有無にかかわらず、昇圧比が変動しても摺動面における損失を低く保つことができることが分かる。
【0119】
(昇圧回路)
本実施の形態のリアクトル100,100A,100B,100C,100D,100Eを利用して、昇圧回路800を構成することができる。本実施の形態の昇圧回路800について、以下に詳述する。
【0120】
図16に示されるように、本実施の形態の昇圧回路800は、電源Eと、第1スイッチング素子S1と、第2スイッチング素子S2と、第1整流素子D1と、第2整流素子D2と、リアクトル100と、平滑コンデンサCとを備えている。なお、本発明はこれに限定されず、リアクトル100を、リアクトル100A,100B,100C,100D,100Eのいずれかに置き換えて昇圧回路800を構成してもよい。
【0121】
本実施の形態の電源Eは、直流電源である。なお、本発明はこれに限定されず、電源Eは交流電源であってもよい。
【0122】
図16を参照して、本実施の形態の昇圧回路800において、第1スイッチング素子S1と、第1整流素子D1と、リアクトル100の第1コイル230とは、電源Eの出力をチョッピングして昇圧する第1昇圧チョッパ回路820を構成している。
【0123】
本実施の形態の第1スイッチング素子S1としては、GBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等の半導体スイッチング素子を用いることができる。また、Siを用いた典型的なMOSFETの他、Siを用いたSJ-MOSFET(スーパージャンクション構造のMOSFET)や、SiC,GaN,Ga等を用いたワイドギャップの半導体を用いることもできる。
【0124】
本実施の形態の第1整流素子D1としては、Si(シリコン)-pnダイオード、SiC(炭化珪素)-SBダイオード、MOSFETの同期整流や、ボディダイオード、またそれらを並列したものを用いることが出来る。
【0125】
同様に、図16を参照して、本実施の形態の昇圧回路800において、第2スイッチング素子S2と、第2整流素子D2と、リアクトル100の第2コイル240とは、電源Eの出力をチョッピングして昇圧する第2昇圧チョッパ回路850を構成している。
【0126】
本実施の形態の第2スイッチング素子S2としては、GBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等の半導体スイッチング素子を用いることができる。また、Siを用いた典型的なMOSFETの他、Siを用いたSJ-MOSFET(スーパージャンクション構造のMOSFET)や、SiC,GaN,Ga等を用いたワイドギャップの半導体を用いることもできる。なお、第2スイッチング素子S2は、第1スイッチング素子S1と同種のものであってもよいし、異種のものであってもよい。
【0127】
本実施の形態の第2整流素子D2としては、Si(シリコン)-pnダイオード、SiC(炭化珪素)-SBダイオード、MOSFETの同期整流や、ボディダイオード、またそれらを並列したものを用いることが出来る。なお、第2整流素子D2は、第1整流素子D1と同種のものであってもよいし、異種のものであってもよい。
【0128】
即ち、本実施の形態の昇圧回路800は、第1昇圧チョッパ回路820と、第2昇圧チョッパ回路850とを備えている。ここで、第1昇圧チョッパ回路820と第2昇圧チョッパ回路850とは、並列に接続されている。また、第1昇圧チョッパ回路820及び第2昇圧チョッパ回路850の夫々をインターリーブ動作させる。
【0129】
本実施の形態の平滑コンデンサCは、第1昇圧チョッパ回路820及び第2昇圧チョッパ回路850の出力電流を平滑化するものである。
【0130】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。
【0131】
上述の実施の形態のリアクトル100,100A,100B,100C,100D,100Eにおいて、下側高比透磁率部材330,330A,330B,330C,330D,330Eは、上側高比透磁率部材310,310A,310B,310C,310D,310Eと夫々同じ形状を有していたが、本発明はこれに限定されない。即ち、下側高比透磁率部材330,330A,330B,330C,330D,330Eの夫々は、上側高比透磁率部材310,310A,310B,310C,310D,310Eから選ばれる任意の一つの上側高比透磁率部材と同じ形状であってもよい。
【0132】
上述の実施の形態のリアクトル100,100A,100B,100C,100D,100Eにおいて、上側高比透磁率部材310,310A,310B,310C,310D,310E及び下側高比透磁率部材330,330A,330B,330C,330D,330Eの夫々は、摺動面に対して表面処理を施していなくてもよいが、摺動面がショートリングとして機能することを防止するため、摺動面に切り欠きを設けたり、エッチング処理してもよい。
【符号の説明】
【0133】
100,100A,100B,100C,100D,100E リアクトル
230 第1コイル
231 第1巻軸
232 第1コイル本体部
2321 コイル
2322 上端
2325 コイル
2326 下端
2327 内周
2329 外周
234 第1端部
235 平角線
240 第2コイル
241 第2巻軸
242 第2コイル本体部
2421 コイル
2422 上端
2425 コイル
2426 下端
2427 内周
2429 外周
244 第2端部
245 平角線
300,300A,300B,300C,300D,300E コア
310,310A,310B,310C,310D,310E 上側高比透磁率部材
312,312A,312B,312C,312D,312E 第1上側コア
316,316A,316B,316C,316D,316E 第2上側コア
320 スリット
322 スリット
342 スリット
325 ギャップ
330,330A,330B,330C,330D,330E 下側高比透磁率部材
332,332A,332B,332C,332D,332E 第1下側コア
336,336A,336B,336C,336D,336E 第2下側コア
340 スリット
345 ギャップ
400,400A,400B,400C,400D,400E 低比透磁率部材
410,410A,410B,410C,410D,410E 複合磁性体
412 結合剤
414 軟磁性体粉末
600 ケース
610 上面
630 下面
640 開口部
712 領域
732 領域
716 領域
736 領域
800 昇圧回路
E 電源
820 第1昇圧チョッパ回路
S1 第1スイッチング素子
D1 第1整流素子
850 第2昇圧チョッパ回路
S2 第2スイッチング素子
D2 第2整流素子
C 平滑コンデンサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18