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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】買物支援システム及び買物支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240227BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019188027
(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公開番号】P2021064127
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】稲川 暢浩
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-109807(JP,A)
【文献】特開2012-048677(JP,A)
【文献】特開2010-191914(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0178219(US,A1)
【文献】高田 幸典 Kousuke Takata,買物客の戸惑い動作を利用した市場情報収集システム,第72回(平成22年)全国大会講演論文集(3) ネットワーク セキュリティ,日本,社団法人情報処理学会,2010年03月08日,P.3_333~334
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
購買者が売場に陳列されている商品を手に取りショッピングカート等の収容体に収容する購買行動、及び、手に取った商品を売場に戻す返品行動を監視する行動監視手段と、
前記行動監視手段により前記購買行動が検出されると、購買者が手に取った商品を当該購買者が売場で購入した商品として特定する購入商品特定手段と、
前記行動監視手段により前記返品行動が検出されると、購買者が売場に戻した商品を、購入を後回しとする商品として特定する後回し商品特定手段と、
前記後回し商品特定手段により特定された商品で前記購入商品特定手段により特定されていない商品がある場合に報知する報知手段と、
を具備する買物支援システム。
【請求項2】
前記後回し商品特定手段は、前記購買者が売場に戻した商品の購入を後回しとするか当該購買者に問合せ、後回しとするとの回答が得られた場合にその商品を、購入を後回しとする商品として特定する、請求項記載の買物支援システム。
【請求項3】
前記購買者が売場で購入した商品の会計を受け付ける受付手段、
をさらに具備し、
前記報知手段は、前記受付手段により会計を受け付けた時点で、前記後回し商品特定手段により特定された商品で前記購入商品特定手段により特定されていない商品がある場合に報知する、請求項1又は2項記載の買物支援システム。
【請求項4】
前記報知された商品が販売されている売場を通知する通知手段、
をさらに具備する請求項記載の買物支援システム。
【請求項5】
購買者が売場に陳列されている商品を手に取りショッピングカート等の収容体に収容する購買行動、及び、手に取った商品を売場に戻す返品行動を監視する行動監視装置を備えた買物支援システムの買物支援方法であって、
前記買物支援システムのコンピュータが、
前記行動監視装置により前記購買行動が検出されると、購買者が手に取った商品を当該購買者が売場で購入した商品として特定し、
前記行動監視装置により前記返品行動が検出されると、購買者が売場に戻した商品を、購入を後回しとする商品として特定し、
前記購入を後回しとするとして特定された商品で、購入が特定されていない商品がある場合に報知する、買物支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、買物支援システム及び買物支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
購入予定商品リストを作成し、買い忘れ商品を通知する買物支援システムは種々考案されている。
【0003】
一例として買物支援システムでは、買物前に、ユーザ端末から購入予定商品リストを取得する。買物中は、ショッピングカートに投入された商品のバーコード等を認識して、ショッピングカート内の商品リストを作成する。そして、購入予定商品リストとショッピングカート内の商品リストとの比較結果に基づいて買い忘れリストを作成し、ユーザ端末に買い忘れ商品リストを通知する。
【0004】
このような買物支援システムでは、買物前に、購入予定商品リストを作成する必要がある。しかしながら、売場(例えば、商品棚、陳列ケース、陳列台等)にて購入予定のなかった商品をショッピングカートに投入し、購入する可能性がある。購入予定のなかった商品が、例えば冷凍食品、冷蔵食品、大きくてかさばる商品等のように、会計の直前にショッピングカートに投入した方がよい商品の場合、買い回り時にこれらの商品を後回しにすることが考えられる。後回しにすることで、商品を買い忘れるという事象が発生する懸念がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2005-173842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、後回しとした商品の買い忘れを防止する買物支援システム及び買物支援方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、買物支援システムは、購入商品特定手段と、後回し商品特定手段と、報知手段とを備える。購入商品特定手段は、購買者が売場で購入した商品を特定する。後回し商品特定手段は、購買者の売場での商品に対する行動から購入を後回しとする商品を特定する。報知手段は、後回し商品特定手段により特定された商品で購入商品特定手段により特定されていない商品がある場合に報知する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る買物支援システムの概略構成を示す模式図。
図2図1に示すユーザ端末の要部回路構成を示すブロック図。
図3図1に示すチェックイン装置の要部回路構成を示すブロック図。
図4図1に示す店舗サーバの要部回路構成を示すブロック図。
図5図4に示す購買者テーブルのデータ構造を示す模式図。
図6図1に示す仮想POSサーバの要部回路構成を示すブロック図。
図7】チェックイン装置におけるプロセッサのチェックイン処理を示す流れ図。
図8】店舗サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図9】店舗サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図10】店舗サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図11】店舗サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図12】店舗サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図13】店舗サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図14】仮想POSサーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図15】ユーザ端末で表示される予約問合せ画面の一例を示す模式図。
図16】ユーザ端末で表示される買い忘れ通知画面の一例を示す模式図。
図17】ユーザ端末で表示される売場案内画面の一例を示す模式図。
図18】第2の実施形態において、店舗サーバにおけるプロセッサの要部制御手順を示す流れ図。
図19】第2の実施形態において、ユーザ端末で表示される予約問合せ画面の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、買物支援システム及び買物支援方法の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係る買物支援システム1の概略構成を示す模式図である。
買物支援システム1は、ユーザ端末10、チェックイン装置20、ゲート装置30、店舗サーバ40、仮想POSサーバ50、センサ群60、行動監視装置70、会計装置80及びアクセスポイント90を含む。ゲート装置30は、チェックイン装置20と接続されている。センサ群60は、行動監視装置70と接続されている。ユーザ端末10は、アクセスポイント90との間で無線通信を可能とする。アクセスポイント90は、チェックイン装置20、店舗サーバ40、仮想POSサーバ50、行動監視装置70及び会計装置80とともに、通信ネットワーク100に接続されている。かくしてアクセスポイント90と無線通信によって接続されたユーザ端末10は、チェックイン装置20、店舗サーバ40、仮想POSサーバ50、行動監視装置70又は会計装置80と、通信ネットワーク100を介してデータ通信を行うことができる。
【0011】
通信ネットワーク100は、例えばLAN(local area network)である。LANは、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。
【0012】
ユーザ端末10は、携帯型の通信端末である。ユーザ端末10は、詳細については後述するが、少なくともバーコード、二次元コード等のデータコードを読み取るためのハードウェアを有している。例えば客である購買者が個人で所有するデジタルカメラを搭載したスマートフォン、ショッピングカートに取り付けられた店舗所有のタブレット端末等がユーザ端末10として利用できる。
【0013】
チェックイン装置20は、購買者が入店するためのチェックイン操作を受け付ける。
ゲート装置30は、本実施形態においては1台のチェックイン装置20に対して1台が設けられている。ゲート装置30は、対をなすチェックイン装置20からの指示の下に、購買者の入店を許容する開放状態と、購買者の入店を阻止する閉鎖状態とを選択的に形成する。ゲート装置30としては、例えば通路を塞ぐ扉を開閉する周知のデバイスを利用できる。またゲート装置30は、購買者の通過を検出する機能を備える。
【0014】
店舗サーバ40は、店舗業務全般を支援するコンピュータである。仮想POSサーバ50は、ユーザ端末10と協働することで、周知のPOS端末が動作しているかのように見せかけるための支援を行うコンピュータである。
【0015】
センサ群60は、店舗内に配置された多数のセンサを含む。これら多数のセンサはそれぞれ、購買者の行動及び商品の陳列状況を検出する。これらセンサは、例えばカメラ、光センサ、赤外線センサ、温度センサ、あるいは重量センサ等である。
【0016】
行動監視装置70は、購買者の行動及び商品の陳列状況を、センサ群60での検出結果に基づいて監視する。具体的には行動監視装置70は、ゲート装置30が設けられたゲートを通って入店した購買者を追跡する。そして行動監視装置70は、購買者が売場に陳列されている商品を手に取りショッピングカート等の収容体に収容する購買行動、手に取った商品を売場に戻す返品行動、会計装置80が設置された会計場所へと移動する会計行動等を監視する。このような行動監視装置70は、無人店舗のシステムで活用されている周知の技術をそのまま適用できる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0017】
会計装置80は、購買者による購入商品に関する代金の額を算出する勘定処理及び代金を決済する決済処理を実行する。会計装置80は、例えば周知のセルフチェックアウト方式に対応した会計装置をそのまま適用できる。よって、ここでの詳細な説明は省略する。
【0018】
アクセスポイント90は、買物支援システム1の各サーバ(店舗サーバ40、仮想POSサーバ50等)がユーザ端末10と無線LANを介してデータ通信を行う際の中継拠点として店舗内に設置された通信設備である。無線LANは、例えばWi-Fi(登録商標)の規格に準拠したものである。なお、図1では、アクセスポイント90を1つだけ示しているが、アクセスポイント90の数は限定されない。店舗の規模等により複数のアクセスポイント90が通信ネットワーク100に接続されていてもよい。
【0019】
図2は、ユーザ端末10の要部回路構成を示すブロック図である。図2に示すようにユーザ端末10は、プロセッサ11、内蔵メモリ12、外部メモリ13、タッチパネル14、カメラ15、無線ユニット16、通信インターフェース17及びシステム伝送路18を備えている。
【0020】
システム伝送路18は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。ユーザ端末10は、システム伝送路18に、プロセッサ11、内蔵メモリ12、外部メモリ13、タッチパネル14、カメラ15、無線ユニット16及び通信インターフェース17を接続する。そしてプロセッサ11、内蔵メモリ12及び外部メモリ13がシステム伝送路18で接続されて、ユーザ端末10を制御するための情報処理を行うコンピュータが構成される。
【0021】
プロセッサ11は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ11は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、ユーザ端末10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0022】
内蔵メモリ12は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。内蔵メモリ12は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。内蔵メモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。内蔵メモリ12は、プロセッサ11が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。また内蔵メモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0023】
外部メモリ13は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばSDメモリカード、USBメモリ等が外部メモリ13となり得る。外部メモリ13は、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ、あるいはプロセッサ11での処理によって作成されたデータ等を保存する。外部メモリ13は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0024】
タッチパネル14は、ユーザ端末10の入力デバイス及び表示デバイスを兼ね備えた機器である。タッチパネル14は、表示された画像に対するタッチ位置を検出し、そのタッチ位置情報をプロセッサ11に出力する。
【0025】
カメラ15は、ユーザ端末10に内蔵された撮像デバイスである。カメラ15は、ユーザ端末10にインストールされたアプリケーションプログラムにより、静止画又は動画の撮影装置として、あるいはバーコード、二次元コード等のデータコードのスキャニング装置として動作する。カメラ15は、コードリーダの一例である。
【0026】
無線ユニット16は、アクセスポイント90との間で無線LANの通信プロトコルに従いデータ通信を行うための回路である。
【0027】
通信インターフェース17は、インターネットまたはモバイル通信網を介して接続される外部機器との間でデータ通信を行うための回路である。
【0028】
かかる構成のユーザ端末10は、内蔵メモリ12又は外部メモリ13に記憶されるアプリケーションプログラムとして、買物支援システム1が導入された店舗での買物の際に使用される買物支援のアプリケーションプログラムを記憶している。以下では、買物支援のアプリケーションプログラムを買物支援アプリと称する。買物支援アプリを内蔵メモリ12又は外部メモリ13にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、買物支援アプリを内蔵メモリ12又は外部メモリ13にインストールすることができる。記録媒体は、SDメモリカード、USBメモリ等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0029】
ユーザ端末10は、内蔵メモリ12における不揮発性のメモリ領域において、端末IDを記憶している。端末IDは、各ユーザ端末10を個々に識別するためにユーザ端末10毎に設定された端末識別データである。
【0030】
ユーザ端末10は、外部メモリ13において、会員IDを記憶している。会員IDは、会員を識別するために会員毎に割り当てられた固有のコードである。会員とは、買物支援システム1を利用するために買物支援アプリをインストールし、会員登録をした購買者である。ユーザ端末10において買物支援アプリが起動すると、会員IDを表すバーコード又は二次元コードがユーザ端末10のタッチパネル14に表示される。
【0031】
図3は、チェックイン装置20の要部回路構成を示すブロック図である。
【0032】
チェックイン装置20は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インターフェース24、タッチパネル25、リーダ26、インターフェース27及びシステム伝送路28を備えている。
【0033】
システム伝送路28は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。チェックイン装置20は、システム伝送路28に、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インターフェース24、タッチパネル25、リーダ26及びインターフェース27を接続する。そしてプロセッサ21、メインメモリ22及び補助記憶デバイス23がシステム伝送路28で接続されて、チェックイン装置20を制御するための情報処理を行うコンピュータが構成される。
【0034】
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、チェックイン装置20としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ21は、例えばCPUである。
【0035】
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。またメインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0036】
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス23としては、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ21での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス23は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0037】
メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されるアプリケーションプログラムには、チェックイン装置20で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0038】
通信インターフェース24は、通信ネットワーク100を介して接続される機器との間でデータ通信を行うための回路である。チェックイン装置20は、主に店舗サーバ40と通信ネットワーク100を介してデータ通信を行う。
【0039】
タッチパネル25は、操作者に対して各種の情報を提示するための画面を表示する。タッチパネル25は、操作者によるタッチ操作によって指定されるデータを入力する。なお、チェックイン装置20の操作者は、多くの場合は購買者である。しかしながら、店員が操作者となる場合もある。
【0040】
リーダ26は、購買者が提示する会員IDのバーコードを読み取る。前述したように会員IDは、購買者のユーザ端末10において買物支援アプリが起動すると、タッチパネル14に表示される。リーダ26は、タッチパネル14に表示された会員IDを読み取る。本実施形態では、購買者がタッチパネル14に表示された会員IDをリーダに読み取らせる操作をチェックイン操作という。リーダ26としては、例えば光学式の2次元バーコードリーダが用いられる。
【0041】
インターフェース27には、ゲート装置30が接続される。インターフェース27は、プロセッサ21から送られる開放指令及び閉鎖指令等のためのデータ信号をゲート装置30へと出力する。
【0042】
図4は、店舗サーバ40の要部回路構成を示すブロック図である。店舗サーバ40は、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43、通信インターフェース44及びシステム伝送路45を備えている。
【0043】
システム伝送路45は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。店舗サーバ40は、システム伝送路45に、プロセッサ41、メインメモリ42、補助記憶デバイス43及び通信インターフェース44を接続する。そしてプロセッサ41、メインメモリ42及び補助記憶デバイス43がシステム伝送路45で接続されて、店舗サーバ40を制御するための情報処理を行うコンピュータが構成される。
【0044】
プロセッサ41は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ41は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、店舗サーバ40としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ41は、例えばCPUである。
【0045】
メインメモリ42は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ42は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ42は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ42は、プロセッサ41が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。またメインメモリ42は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ41によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0046】
補助記憶デバイス43は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス43としては、例えばEEPROM、HDD又はSSD等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス43は、プロセッサ41が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ41での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス43は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0047】
メインメモリ42又は補助記憶デバイス43に記憶されるアプリケーションプログラムには、店舗サーバ40で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ42又は補助記憶デバイス43にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ42又は補助記憶デバイス43にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0048】
通信インターフェース44は、通信ネットワーク100を介して接続される機器との間でデータ通信を行うための回路である。店舗サーバ40は、通信ネットワーク100を介して、チェックイン装置20、仮想POSサーバ50、行動監視装置70及び会計装置80とデータ通信を行う。また店舗サーバ40は、通信ネットワーク100に接続されたアクセスポイント90を経由して、購買者が使用するユーザ端末10とデータ通信を行うことができる。
【0049】
かかる構成の店舗サーバ40は、メインメモリ42における揮発性のメモリ領域において、購買者テーブル421を記憶している。購買者テーブル421のデータ構造を図5の模式図で示す。図示するように購買者テーブル421は、会員IDと端末IDと追跡IDとを関連付けて記憶するためのデータ構造となっている。追跡IDについては、後述する動作説明の中で明らかにする。
【0050】
また店舗サーバ40は、補助記憶デバイス43において、会員データベース431及び商品データベース432を記憶している。会員データベース431は、買物支援アプリの会員登録をした購買者毎に作成される会員データレコードを保存する。会員データレコードは、会員IDと端末IDの項目を含む。会員IDは、購買者が買物支援アプリをユーザ端末10にインストールして会員登録を行った際に生成される。端末IDは、買物支援アプリの会員登録の際にユーザ端末10から取得される。商品データベース432は、店舗で販売されている商品のデータを記述した商品データレコードを保存する。商品データレコードは、商品コード、価格、商品名の項目を含む。商品コードは、商品を個々に識別するために商品毎に設定された商品識別データである。各商品には、通常、商品コードを表したバーコードが付されている。なお、会員データレコード及び商品データレコードが自妖術した項目以外の項目を含んでよいことは言うまでもないことである。
【0051】
図6は、仮想POSサーバ50の要部回路構成を示すブロック図である。仮想POSサーバ50は、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53、通信インターフェース54及びシステム伝送路55を備えている。
【0052】
システム伝送路55は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。仮想POSサーバ50は、システム伝送路55に、プロセッサ51、メインメモリ52、補助記憶デバイス53及び通信インターフェース54を接続する。そしてプロセッサ51、メインメモリ52及び補助記憶デバイス53がシステム伝送路55で接続されて、仮想POSサーバ50を制御するための情報処理を行うコンピュータが構成される。
【0053】
プロセッサ51は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、仮想POSサーバ50としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ51は、例えばCPUである。
【0054】
メインメモリ52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域及び揮発性のメモリ領域を含む。メインメモリ52は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ52は、プロセッサ51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを揮発性のメモリ領域で記憶する。またメインメモリ52は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ51によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROMである。揮発性のメモリ領域は、例えばRAMである。
【0055】
補助記憶デバイス53は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス53としては、例えばEEPROM、HDD又はSSD等の周知の記憶デバイスを単独で、あるいは複数組み合わせて用いられる。補助記憶デバイス53は、プロセッサ51が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ51での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス53は、アプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0056】
メインメモリ52又は補助記憶デバイス53に記憶されるアプリケーションプログラムには、仮想POSサーバ50で実行される情報処理に関して記述した制御プログラムが含まれる。制御プログラムをメインメモリ52又は補助記憶デバイス53にインストールする方法は特に限定されるものではない。リムーバブルな記録媒体に制御プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により制御プログラムを配信して、メインメモリ52又は補助記憶デバイス53にインストールすることができる。記録媒体は、CD-ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0057】
通信インターフェース54は、通信ネットワーク100を介して接続される機器との間でデータ通信を行うための回路である。仮想POSサーバ50は、主に店舗サーバ40と通信ネットワーク100を介してデータ通信を行う。
【0058】
かかる構成の仮想POSサーバ50は、メインメモリ52における揮発性のメモリ領域の一部を、購買リスト521及び予約リスト522の作成領域としている。購買リスト521及び予約リスト522は、店舗サーバ40と通信自在に接続されているユーザ端末10毎に作成される。購買リスト521は、ユーザ端末10の利用者である購買者によって購入された商品の商品コードをその購買者の会員IDと関連付けて蓄積するためのリストである。予約リスト522は、同購買者が、例えば冷凍食品、冷蔵食品、大きくてかさばる商品等のように、会計の直前にショッピングカートに投入した方がよいと判断し、買い回り時に後回しにした商品の商品コードをその購買者の会員IDと関連付けて蓄積するためのリストである。なお、以下では、購買者が買い回り時に後回しにした商品を後回し対象商品と称する。
【0059】
図7は、チェックイン装置20のプロセッサ21が実行するチェックイン処理の要部手順を示す流れ図である。図8乃至図13は、店舗サーバ40のプロセッサ41が制御プログラムに従って実行する主要な処理の要部手順を示す流れ図である。図14は、仮想POSサーバ50のプロセッサ51が制御プログラムに従って実行する主要な処理の要部手順を示す流れ図である。以下、これらの図を用いて、買物支援システム1の動作について説明する。この動作説明により、本実施形態の買物支援方法が明らかになろう。なお、以下に説明する動作の手順及びその内容は一例である。同様な結果が得られるのであれば、その手順及び内容は限定されるものではない。
【0060】
はじめに、チェックイン装置20のプロセッサ21は、図7のACT101として会員IDの入力を待ち受けている。購買者が店舗の入口でチェックイン操作を行うと、その購買者の会員IDが入力されるので、プロセッサ21は、ACT101においてYESと判定し、ACT102へと進む。プロセッサ21は、ACT102として店舗サーバ40に対して会員通知を行うように、通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24から店舗サーバ40に宛てて会員通知コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。会員通知コマンドには、チェックイン操作によって入力された会員IDが含まれている。
【0061】
店舗サーバ40のプロセッサ41は、図8のACT201として通知コマンドを待ち受けている。通信インターフェース44を介して通知コマンドを受信すると、プロセッサ41は、ACT201においてYESと判定し、ACT202へと進む。プロセッサ41は、ACT202として受信した通知コマンドが会員通知コマンドであるか否かを確認する。この場合、会員通知コマンドを受信したので、プロセッサ41は、ACT202においてYESと判定し、図9のACT211へと進む。
【0062】
プロセッサ41は、ACT211として会員通知コマンドから会員IDを検出する。会員IDを検出できたならば、プロセッサ41は、ACT212としてその会員IDで会員データベース431を検索し、当該会員IDに関連付けられた会員データレコードを取得する。プロセッサ41は、ACT213として入店を許可するか否かを確認する。例えば会員データベース431から会員データレコードを取得できない場合、プロセッサ41は、入店拒否と判定する。会員データベース431から会員データレコードを取得できた場合には、プロセッサ41は、入店許可と判定する。
【0063】
プロセッサ41は、入店許可の場合、ACT213においてYESと判定し、ACT214へと進む。プロセッサ41は、ACT214として許可応答を返信するように通信インターフェース44を制御する。これに対し、入店拒否の場合には、プロセッサ41は、ACT213においてNOと判定し、ACT215へと進む。プロセッサ41は、ACT215として拒否応答を返信するように通信インターフェース44を制御する。これらの制御により、通信インターフェース44からチェックイン装置20に宛てて許可応答コマンド又は拒否応答コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。許可応答コマンドには、会員データベース431から取得した会員データレコードの端末IDが含まれる。以上で、プロセッサ41は、会員通知コマンドの受信処理を終了する。
【0064】
図7の説明に戻る。
会員通知コマンドの送信を制御したチェックイン装置20のプロセッサ21は、ACT103として許可応答コマンドを待ち受ける。ここで、店舗サーバ40から拒否応答コマンドを受信した場合には、プロセッサ21は、ACT103においてNOと判定し、ACT104へと進む。プロセッサ21は、ACT104として入店不可を報知するようにタッチパネル25を制御する。この制御により、タッチパネル25においては、チェックイン操作を行った購買者に対して入店不可であることが表示または音声によって報知される。以上で、プロセッサ21は、図7の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0065】
一方、プロセッサ21は、ACT103において店舗サーバ40から許可応答コマンドを受信した場合にはYESと判定し、ACT105へと進む。プロセッサ21は、ACT105として許可応答コマンドから端末IDを検出する。そしてプロセッサ21は、端末IDをメインメモリ22で一時的に記憶する。またプロセッサ21は、ACT106としてゲートを開放するようにゲート装置30を制御する。この制御により、ゲート装置30においてはゲートが開放する。ゲートが開放することにより、チェックイン操作を行った購買者は入店が可能となる。購買者は、開放状態となっているゲートを通って入店する。
【0066】
ゲートの開放を制御したプロセッサ21は、ACT107として購買者がゲートを通過したか否かを確認する。ここで、ゲート装置30において購買者の通過が検出されない場合、プロセッサ21は、ACT107においてNOと判定し、ACT108へと進む。プロセッサ21は、ACT108としてゲートを閉鎖するようにゲート装置30を制御する。この制御により、ゲート装置30においてはゲートが閉鎖する。
【0067】
ゲート装置30において購買者の通過が検出されると、プロセッサ21は、ACT107においてYESと判定し、ACT109へと進む。プロセッサ21は、ACT109としてゲートを閉鎖するようにゲート装置30を制御する。この制御により、ゲート装置30においてはゲートが閉鎖する。ゲートが閉鎖されることにより次の購買者の入店が阻止される。
【0068】
ゲートの閉鎖を制御したプロセッサ21は、ACT110として店舗サーバ40に対して入店通知を行うように、通信インターフェース24を制御する。この制御により、通信インターフェース24から店舗サーバ40に宛てて入店通知コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。入店通知コマンドには、チェックイン操作によって入力された会員IDと、メインメモリ22に一時的に記憶された端末IDとが含まれる。以上で、プロセッサ21は、図7の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0069】
店舗サーバ40のプロセッサ41は、図8のACT201において通知コマンドを受信したことを検知し、ACT202においてその通知コマンドが会員通知コマンドでないことを確認するとNOと判定し、ACT203へと進む。プロセッサ41は、ACT203としてその通知コマンドが入店通知コマンドであるか否かを確認する。この場合、入店通知コマンドを受信したので、プロセッサは、ACT203においてYESと判定し、図10のACT221へと進む。
【0070】
プロセッサ41は、ACT221として入店通知コマンドから会員IDと端末IDを検出する。またプロセッサ41は、ACT222としてその購買者を識別するために生成された一意のIDを取得する。以下、このIDを追跡IDと称する。プロセッサ41は、ACT223として取得した追跡IDを、入店通知コマンドから検出した会員ID及び端末IDと関連付けて購買者テーブル421に記憶する。
【0071】
プロセッサ41は、ACT224として行動監視装置70に対して追跡開始を指示するように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44から行動監視装置70に対して追跡開始コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。追跡開始コマンドには、ACT222の処理にて取得した追跡IDが含まれる。行動監視装置70は、入店が許可された購買者を追跡IDで識別する。
【0072】
またプロセッサ41は、ACT225として仮想POSサーバ50に対してリスト作成の通知を行うように、通信インターフェース44を制御する。リストとは、購買リスト521と予約リスト522である。この制御により、通信インターフェース44から仮想POSサーバ50に宛ててリスト作成通知コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。リスト作成通知コマンドには、入店通知コマンドから検出した会員IDが含まれる。以上で、プロセッサ41は、入店通知コマンドの受信処理を終了する。
【0073】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、図14のACT301として通知コマンドを待ち受けている。通信インターフェース54を介して通知コマンドを受信すると、プロセッサ51は、ACT301においてYESと判定し、ACT302へと進む。プロセッサ51は、ACT302として受信した通知コマンドがリスト作成通知コマンドであるか否かを確認する。この場合、リスト作成通知コマンドを受信したので、プロセッサ51は、ACT302においてYESと判定し、ACT303へと進む。
【0074】
プロセッサ51は、ACT303としてメインメモリ52に購買リスト521と予約リスト522を作成する。そしてプロセッサ51は、ACT304としてその購買リスト521と予約リスト522とに、リスト作成通知コマンドに含まれている会員IDをそれぞれ登録する。以上で、プロセッサ51は、図14の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0075】
さて、ゲートを通過して入店した購買者は、例えばショッピングカートとともに店内を回る。そして購入したい商品を見付けると、購買者は、その商品を売場から手に取ってショッピングカートに入れる。一方、購買者は、手に取ったものの、冷凍食品、冷蔵食品、大きくてかさばる商品等のように、会計の直前にショッピングカートに投入した方がよいため、購入を後回しにした方がよい商品、いわゆる後回し対象商品については、売場に戻す。そして購買者は、会計の直前に後回し対象商品を再度手に取ってショッピングカートに入れる。買物を終了すると、購買者は、会計装置80が設置されている会計場所へと移動し、代金の決済を行う。
【0076】
このような購買者の行動は、行動監視装置70によって全て監視されている。そして前述したように、購買者が商品を売場から手に取ってショッピングカートに入れた行動、いわゆる購買行動が行動監視装置70によって検出されると、行動監視装置70から店舗サーバ40に宛てて購買行動通知コマンドが出力される。購買行動通知コマンドには、購買者を識別するための追跡IDと、ショッピングカートに入れた商品の商品コードとが含まれている。
【0077】
店舗サーバ40のプロセッサ41は、図8のACT201において通知コマンドを受信したことを検知し、ACT203においてその通知コマンドが入店通知コマンドでないことを確認するとNOと判定し、ACT204へと進む。プロセッサ41は、ACT204としてその通知コマンドが、購買行動通知コマンドであるか否かを確認する。この場合、購買行動通知コマンドを受信したので、プロセッサ41は、ACT204においてYESと判定し、図11のACT231へと進む。
【0078】
プロセッサ41は、ACT231として購買行動通知コマンドから追跡IDを検出する。そしてプロセッサ41は、ACT232として購買者テーブル421を参照してその追跡IDで特定される会員IDを取得する。またプロセッサ41は、ACT233として購買行動通知コマンドから商品コードを取得する。そしてプロセッサ41は、ACT234として仮想POSサーバ50に対して購買通知を行うように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44から仮想POSサーバ50に宛てて購買通知コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。購買通知コマンドには、ACT232の処理で取得した会員IDとACT233の処理で取得した商品コードとが含まれる。以上で、プロセッサ41は、図11の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0079】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、図14のACT301において通知コマンドを受信したことを検知し、ACT302においてその通知コマンドがリスト作成通知コマンドでないことを確認するとNOと判定し、ACT305へと進む。プロセッサ51は、ACT305としてその通知コマンドが購買通知コマンドであるか否かを確認する。この場合、購買通知コマンドを受信したので、プロセッサ51は、ACT305においてYESと判定し、ACT306へと進む。プロセッサ51は、ACT306として購買リスト521を更新する。具体的にはプロセッサ51は、購買通知コマンドに含まれる会員IDが登録されている購買リスト521に対し、同購買通知コマンドに含まれる商品コードを登録する。以上で、プロセッサ51は、図14の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0080】
前述したように、購買者が手に取った商品を売場に戻す行動、いわゆる返品行動が行動監視装置70によって検出されると、行動監視装置70から店舗サーバ40に宛てて返品行動通知コマンドが出力される。返品行動通知コマンドには、購買者を識別するための追跡IDと、売場に戻した商品、いわゆる返品商品の商品コードとが含まれる。
【0081】
店舗サーバ40のプロセッサ41は、図8のACT201において通知コマンドを受信したことを検知し、ACT204においてその通知コマンドが購買行動通知コマンドでないことを確認するとNOと判定し、ACT205へと進む。プロセッサ41は、ACT205としてその通知コマンドが、返品行動通知コマンドであるか否かを確認する。この場合、返品行動通知コマンドを受信したので、プロセッサ41は、ACT205においてYESと判定し、図12のACT241へと進む。
【0082】
プロセッサ41は、ACT241として返品行動通知コマンドから追跡IDを検出する。そしてプロセッサ41は、ACT242として購買者テーブル421を参照してその追跡IDで特定される会員ID及び端末IDを取得する。またプロセッサ41は、ACT243として返品行動通知コマンドから商品コードを取得する。そしてプロセッサ41は、ACT244として商品データベース432を検索して、ACT243の処理で取得した商品コードを含む商品データレコードから商品名及び価格の商品データを取得する。
【0083】
プロセッサ41は、ACT245としてユーザ端末10に対して予約問合せを行うように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44からユーザ端末10に宛てて予約問合せコマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。予約問合せコマンドには、ACT242の処理で取得した端末IDと、ACT243の処理で取得した商品データとが含まれる。
【0084】
予約問合せコマンドは、アクセスポイント90を介して無線送信される。そして予約問合せコマンドは、そのコマンドに含まれている端末IDが設定されたユーザ端末10の無線ユニット16で受信される。予約問合せコマンドを受信したユーザ端末10においては、タッチパネル14に予約問合せ画面SC1(図15を参照)が表示される。
【0085】
図15は、予約問合せ画面SC1の一例である。図15に示すように予約問合せ画面SC1には、返品商品を後回し対象商品として後で購入することを問い合わせるメッセージと、予約問合せコマンドに含まれている商品データの商品名及び価格と、「後で購入」ボタンBT1及び「購入しない」ボタンBT2の画像とが表示されている。「後で購入」ボタンBT1は、購買者が返品商品を後回し対象商品として後で購入する場合に入力操作される。「購入しない」ボタンBT2は、購買者が返品商品を購入しない場合に入力操作される。「後で購入」ボタンBT1が入力操作されると、ユーザ端末10から店舗サーバ40に宛てて予約有コマンドが無線送信される。「購入しない」ボタンBT2が入力操作されると、ユーザ端末10から店舗サーバ40に宛てて予約無コマンドが無線送信される。予約有コマンド又は予約無コマンドは、アクセスポイント90で受信され、通信ネットワーク100を介して店舗サーバ40へと送られる。なお、図15に表示されているメッセージの内容は一例である。購買者に対して後回し対象商品を購入するか否かを問い合わせる内容であればよい。
【0086】
図12の説明に戻る。
予約問合せコマンドの送信を制御したプロセッサ41は、ACT246として予約有コマンドを待ち受ける。ここで、通信インターフェース44を介して予約無コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、ACT246においてNOと判定し、図12の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0087】
予約有コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、ACT246においてYESと判定し、ACT247へと進む。プロセッサ41は、ACT247として仮想POSサーバ50に対して予約通知を行うように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44から仮想POSサーバ50に宛てて予約通知コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。予約通知コマンドには、ACT242の処理で取得した会員IDと、ACT243の処理で取得した商品コードとが含まれる。
【0088】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、図14のACT301において通知コマンドを受信したことを検知し、ACT305においてその通知コマンドが購買通知コマンドでないことを確認するとNOと判定し、ACT307へと進む。プロセッサ51は、ACT307としてその通知コマンドが予約通知コマンドであるか否かを確認する。この場合、予約通知コマンドを受信したので、プロセッサ51は、ACT307においてYESと判定し、ACT308へと進む。プロセッサ51は、ACT308として予約リスト522を更新する。具体的にはプロセッサ51は、予約通知コマンドに含まれる会員IDが登録されている予約リスト522に対し、同予約通知コマンドに含まれる商品コードを登録する。以上で、プロセッサ51は、図14の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0089】
前述したように、購買者が会計場所へと移動する行動、いわゆる会計行動が行動監視装置70によって検出されると、行動監視装置70から店舗サーバ40に宛てて会計行動通知コマンドが出力される。会計行動通知コマンドには、購買者を識別するための追跡IDが含まれている。
【0090】
店舗サーバ40のプロセッサ41は、図8のACT201において通知コマンドを受信したことを検知し、ACT205においてその通知コマンドが返品行動通知コマンドでないことを確認するとNOと判定し、ACT206へと進む。プロセッサ41は、ACT206として受信したコマンドが会計行動通知コマンドであるか否かを確認する。この場合、会計行動通知コマンドを受信したので、プロセッサ41は、ACT206においてYESと判定し、図13のACT251へと進む。
【0091】
プロセッサ41は、ACT251として会計行動通知コマンドから追跡IDを検出する。そしてプロセッサ41は、ACT252として購買者テーブル421を参照してその追跡IDで特定される会員ID及び端末IDを取得する。
【0092】
プロセッサ41は、ACT253として、ACT252の処理で取得した会員IDが登録されている購買リスト521と予約リスト522とを選択する。そしてプロセッサ41は、ACT254として予約があるか否か、つまりは予約リスト522に商品コードが登録されているか否かを確認する。予約がない場合、つまり予約リスト522に商品コードが登録されていない場合には、プロセッサ41は、ACT254においてNOと判定し、ACT262へと進む。ACT262の処理については、後述する。
【0093】
予約がある場合、つまり予約リスト522に商品コードが登録されている場合には、プロセッサ41は、ACT254においてYESと判定し、ACT255へと進む。プロセッサ41は、ACT255として購買リスト521を検索する。そしてプロセッサ41は、ACT256として予約した商品の買い忘れがあるか否かを確認する。プロセッサ41は、予約リスト522に登録されている商品コードが全て購買リスト521に存在する場合には、買い忘れがないと判断する。プロセッサ41は、予約リスト522に登録されている商品コードで購買リスト521に存在しない商品コードが1つでも有る場合には、買い忘れがあると判断する。買い忘れがない場合、プロセッサ41は、ACT256においてNOと判定し、ACT262へと進む。
【0094】
買い忘れがある場合には、プロセッサ41は、ACT256においてYESと判定し、ACT257へと進む。プロセッサ41は、ACT257として買い忘れ商品の商品コード、つまりは予約リスト522には登録されているが購買リスト521には登録されていない商品コードで商品データベース432を検索して、当該商品コードを含む商品データレコードから商品名及び価格の商品データを取得する。なお、買い忘れ商品の商品コードが複数存在する場合には、プロセッサ41は、それぞれの商品名及び価格の商品データを取得する。
【0095】
プロセッサ41は、ACT258としてユーザ端末10に対して買い忘れ通知を行うように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44からユーザ端末10に宛てて買い忘れ通知コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。買い忘れ通知コマンドには、ACT252の処理で取得した端末IDと、ACT257の処理で取得した商品データとが含まれる。
【0096】
買い忘れ通知コマンドは、アクセスポイント90を介して無線送信される。そして買い忘れ通知コマンドは、そのコマンドに含まれている端末IDが設定されたユーザ端末10の無線ユニット16で受信される。買い忘れ通知コマンドを受信したユーザ端末10においては、タッチパネル14に買い忘れ通知画面SC2(図16を参照)が表示される。
【0097】
図16は、買い忘れ通知画面SC2の一例である。図16に示すように買い忘れ通知画面SC2には、予約した商品の未購入を示すメッセージと、買い忘れ通知コマンドに含まれている商品データの商品名及び価格と、「購入」ボタンBT3及び「取消」ボタンBT4の画像とが表示されている。「購入」ボタンBT3は、予約した商品を購入する場合に入力操作される。「取消」ボタンBT4は、予約した商品の購入を取消す場合に入力操作される。「購入」ボタンBT3が入力操作されると、ユーザ端末10から店舗サーバ40に宛てて購入コマンドが無線送信される。「取消」ボタンBT4が入力操作されると、ユーザ端末10から店舗サーバ40に宛てて取消コマンドが無線送信される。購入コマンド又は取消コマンドは、アクセスポイント90で受信され、通信ネットワーク100を介して店舗サーバ40へと送られる。なお、図16に表示されているメッセージの内容は一例である。購買者に対して予約した商品を購入していないことを通知する内容であればよい。また買い忘れ通知画面SC2に、関連商品のリコメンドを表示してもよい。
【0098】
図13の説明に戻る。
買い忘れ通知コマンドの送信を制御したプロセッサ41は、ACT259として取消コマンドを受信したか否かを確認する。取消コマンドを受信していない場合、プロセッサ41は、ACT259においてNOと判定し、ACT260へと進む。プロセッサ41は、ACT260として購入コマンドを受信したか否かを確認する。購入コマンドを受信していない場合、プロセッサ41は、ACT260においてNOと判定し、ACT259へと戻る。
【0099】
ここにプロセッサ41は、ACT259又はACT260において、取消コマンドを受信するか購入コマンドを受信するのを待ち受ける。この待ち受け状態において、購入コマンドを受信すると、プロセッサ41は、ACT260においてYESと判定し、ACT261へと進む。プロセッサ41は、ACT261としてユーザ端末10に対して買い忘れ商品の売場を表示するように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44からユーザ端末10に宛てて売場表示コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。売場表示コマンドには、ACT252の処理で取得した端末IDとともに、買い忘れ商品が陳列されている売場を示すデータが含まれている。商品データベース432に蓄積されている各商品の商品データレコードには、その商品が陳列されている売場を識別するための売場コードが含まれている。また、店舗サーバ40の補助記憶デバイス43には、売場コードで特定される売場を示す地図データが売場コード毎に保存されている。買い忘れ商品の商品コードを含む商品データレコードの売場コードで特定される地図データが、売場を示すデータとなる。
【0100】
売場表示コマンドは、アクセスポイント90を介して無線送信される。そして売場表示コマンドは、そのコマンドに含まれている端末IDが設定されたユーザ端末10の無線ユニット16で受信される。売場表示コマンドを受信したユーザ端末10においては、タッチパネル14に売場通知画面SC3(図17を参照)が表示される。
【0101】
図17は、図16の「購入」ボタンBT3が入力操作された後にユーザ端末10に表示される売場通知画面SC3の一例である。図17に示すように売場通知画面SC3には、未購入の予約商品、すなわち買い忘れた後回し対象商品の売場を示すメッセージと、店内マップとが表示されている。なお、図17に表示されているメッセージの内容は一例である。購買者に対して買い忘れた後回し対象商品が販売されている売場を通知する内容であればよい。
【0102】
図13の説明に戻る。
ACT259又はACT260の待ち受け状態において、取消コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、ACT259においてNOと判定し、ACT262へと進む。すなわちプロセッサ41は、予約リスト522の商品コードが登録されていない場合、または、予約リスト522に登録されている商品コードがすべて購買リスト521に登録されている場合、あるいは取消コマンドを受信した場合に、ACT262へと進む。
【0103】
プロセッサ41は、ACT262として仮想POSサーバ50に対して会計通知を行うように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44から仮想POSサーバ50に宛てて会計通知コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。会計通知コマンドには、ACT252の処理で取得した会員IDが含まれる。以上で、プロセッサ41は、図13の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0104】
仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、図14のACT301において通知コマンドを受信したことを検知し、ACT307においてその通知コマンドが予約通知コマンドでないことを確認するとNOと判定し、ACT309へと進む。プロセッサ51は、ACT307としてその通知コマンドが会計通知コマンドであるか否かを確認する。この場合、会計通知コマンドを受信したので、プロセッサ51は、ACT309においてYESと判定し、ACT310へと進む。プロセッサ51は、ACT310として会計通知コマンドに含まれている会員IDが登録された購買リスト521のデータを、会計装置80へと転送する。以上で、プロセッサ51は、図14の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0105】
会計場所へと移動した購買者は、購買リスト521のデータを受信した会計装置80に対して代金の支払い操作を行う。この操作を受けて会計装置80では、勘定処理及び決済処理が実行される。こうして、決済を終えた購買者は、出口ゲートから店舗を出る。
【0106】
以上の説明から明らかなように、店舗サーバ40のコンピュータを構成するプロセッサ41は、図10のACT231乃至ACT234の処理を実行することにより、購入商品特定手段を構成する。すなわちプロセッサ41は、購買者が売場で購入した商品を特定する。そして、仮想POSサーバ50のコンピュータを構成するプロセッサ51は、メインメモリ52と協働して図14のACT306の処理を実行することにより、購買リスト作成手段を構成する。すなわちプロセッサ51は、購入商品特定手段で特定された商品の商品コードを記憶した購買リスト521をメインメモリ52上に作成する。
【0107】
また、プロセッサ41は、図12のACT241乃至ACT247の処理を実行することにより、後回し商品特定手段を構成する。すなわちプロセッサ41は、購買者の売場での商品に対する行動から購入を後回しとする商品を特定する。そして、仮想POSサーバ50のコンピュータを構成するプロセッサ51は、メインメモリ52と協働して図14のACT308の処理を実行することにより、予約リスト作成手段を構成する。すなわちプロセッサ51は、後回し商品特定手段で特定された商品の商品コードを記憶した予約リスト522をメインメモリ52上に作成する。
【0108】
また、プロセッサ41は、図13のACT251乃至ACT258の処理を実行することにより、報知手段を構成する。すなわちプロセッサ41は、後回し商品特定手段により特定された商品、つまりは予約リスト522に商品コードが登録された商品で、購入商品特定手段により特定されていない商品、つまりは購買リスト521に商品コードが登録されていない商品がある場合に報知する。具体的にはプロセッサ41は、購買者が利用するユーザ端末10のタッチパネル14に買い忘れ通知画面SC2を表示させて報知する。
【0109】
また、プロセッサ41は、図8のACT206により受付手段を構成する。すなわちプロセッサ41は、行動監視装置70から送信される会計行動通知コマンドを、購買者が売場で購入した商品の会計が指示されたものとして受け付ける。
【0110】
このような構成により、購買者が売場に陳列されている商品を手に取ったが、例えばその商品が冷凍食品又は冷蔵食品であるために後で購入した方がよいと考え、元に戻した場合には、その商品の商品コードが予約リスト522に登録される。一方、購買者が売場に陳列されている商品を手に取り、カート等の収容体に収容した場合には、その商品の商品コードが購買リスト521に登録される。そして、予約リスト522に登録されている商品が購買リスト521に登録されていない状態で、購買者が会計場所へと移動した場合、ユーザ端末10のタッチパネル14に買い忘れ通知画面SC2が表示されて買い忘れが報知される。したがって、購買者が後回しとした商品の買い忘れを防止することができる買物支援システム1を提供することができる。
【0111】
ところで本実施形態では、後回し商品特定手段は、購買者が売場から取り出した商品を売場に戻すという行動から、その戻された商品を、購入を後回しとする商品として特定している。したがって、購買者は意識することなく購入を後回しとする商品の商品コードを予約リスト522に登録することができる。
【0112】
また、図12のACT245乃至ACT247の処理として説明したように、プロセッサ41は、売場に戻された商品の購入を後回しとするか購買者に問合せ、後回しとするとの回答が得られた場合にその商品を、購入を後回しとする商品として特定するようにしている。したがって、購買者が購入する意思なく売場に戻した商品までも予約リスト522に登録される不都合は無いので、確実に買い忘れ商品を報知することができる。
【0113】
さらに、プロセッサ41は、図13のACT261の処理を実行することにより通知手段を構成する。すなわちプロセッサ41は、買い忘れとして報知された商品が販売されている売場を示す売場通知画面SC3を、ユーザ端末10のタッチパネル14に表示させることで通知する。したがって、購買者は、買い忘れた商品が販売されている売場へとスムーズに移動することができる。
【0114】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、行動監視装置70によって購買者の行動を監視する店舗を例示した。第2の実施形態では、行動監視装置70による購買者の行動監視を行わない店舗を例示する。すなわち第2の実施形態では、購買者は、購入する商品をカートに入れる際に、買物支援アプリが起動しているユーザ端末10のカメラ15でその商品に付されているバーコードを撮像して、バーコードデータを読み取る。また、会計を行う際には、タッチパネル14に表示されている会計ボタンをタッチする。
【0115】
カメラ15でバーコードデータが読み取られると、ユーザ端末10から商品登録コマンドが無線送信される。商品登録コマンドには、会員IDとバーコードデータとが含まれる。会計ボタンがタッチされると、ユーザ端末10から会計コマンドが無線送信される。会計コマンドには、会員IDが含まれる。ユーザ端末10から無線送信されたコマンドはアクセスポイント90で受信され、通信ネットワーク100を介して店舗サーバ40へと送られる。
【0116】
図18は、第2の実施形態において、店舗サーバ40のプロセッサ41が実行する要部制御手順を示す流れ図である。プロセッサ41は、ACT401として商品登録コマンドを受信したか否かを確認する。商品登録コマンドを受信していない場合、プロセッサ41は、ACT401においてNOと判定し、ACT402へと進む。プロセッサ41は、ACT402として会計コマンドを受信したか否かを確認する。会計コマンドを受信していない場合、プロセッサ41は、ACT402においてNOと判定し、ACT401へと戻る。ここにプロセッサ41は、ACT401又はACT402において、商品登録コマンドを受信するか会計コマンドを受信するのを待ち受ける。
【0117】
ACT401又はACT402の待ち受け状態において、商品登録コマンドを受信すると、プロセッサ41は、ACT401においてYESと判定し、ACT403へと進む。プロセッサ41は、ACT403として商品登録コマンドに含まれるバーコードデータから商品コードを取得する。そしてプロセッサ41は、ACT404としてその商品コードで商品データベース432を検索する。
【0118】
本実施形態では、商品データベース432に保存されている商品データレコードに対象商品フラグの項目が追加されている。対象商品フラグは、対応する商品コードで識別される商品が購入を後回しとした方がよい後回し対象商品であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、冷凍食品又は冷蔵食品に属する商品を後回し対象商品とする。すなわち、かかる商品の商品データレコードの対象商品フラグは、後回し対象商品であることを示すデータ、例えば“1”となっている。なお、以下の説明では、商品コードで識別される商品を登録商品と称する。
【0119】
プロセッサ41は、商品データベース432から当該商品コードを含む商品データレコードを検出すると、ACT405としてその商品データレコードの対象商品フラグから登録商品が後回し対象商品であるか否かを確認する。登録商品が後回し対象商品でない場合、プロセッサ41は、ACT405においてNOと判定し、ACT406へと進む。プロセッサ41は、ACT406として仮想POSサーバ50に対して購買通知を行うように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44から仮想POSサーバ50に宛てて購買通知コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。
【0120】
登録商品が後回し対象商品である場合には、プロセッサ41は、ACT405においてYESと判定し、ACT407へと進む。プロセッサ41は、ACT407としてユーザ端末10に対して予約問合せを行うように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44からユーザ端末10に宛てて予約問合せコマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。
【0121】
予約問合せコマンドは、アクセスポイント90を経由して、商品登録コマンド送信元のユーザ端末10に無線送信される。予約問合せコマンドを受信したユーザ端末10においては、タッチパネル14に予約問合せ画面SC4(図19を参照)が表示される。
【0122】
図19は、本実施形態における予約問合せ画面SC4の一例である。図19に示すように予約問合せ画面SC4には、登録商品が冷凍食品又は冷蔵食品であり、傷みやすいために後回しとした方がよいことを通知するメッセージと、予約問合せコマンドに含まれている商品データの商品名及び価格と、「今すぐ購入」ボタンBT5及び「後で購入」ボタンBT6の画像とが表示されている。「今すぐ購入」ボタンBT5は、購買者が登録商品を後回しとせずに購入する場合に入力操作される。「後で購入」ボタンBT6は、購買者が登録商品を後回しとして購入する場合に入力操作される。「今すぐ購入」ボタンBT5が入力操作されると、ユーザ端末10から店舗サーバ40に宛てて予約無コマンドが無線送信される。「後で購入」ボタンBT6が入力操作されると、ユーザ端末10から店舗サーバ40に宛てて予約有コマンドが無線送信される。予約無コマンド又は予約有コマンドは、アクセスポイント90で受信され、通信ネットワーク100を介して店舗サーバ40へと送られる。なお、図19に表示されているメッセージの内容は一例である。購買者に対して後回し対象商品を購入するか否かを問い合わせる内容であればよい。
【0123】
予約問合せ画面SC4を確認した購買者は、バーコードを読み取った商品を後回しとするか否かを決める。後回しとしない場合には、購買者は、「今すぐ購入」ボタンBT5をタッチして、商品をカートに入れる。後回しとする場合には、購買者は、「後で購入」ボタンBT6をタッチして、商品を売場に戻す。
【0124】
図18の説明に戻る。
予約問合せコマンドの送信を制御したプロセッサ41は、ACT406として予約有コマンドを待ち受ける。ここで、通信インターフェース44を介して予約無コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、ACT406においてNOと判定し、ACT404へと進む。すなわちプロセッサ41は、仮想POSサーバ50に対して購買通知を行うように、通信インターフェース44を制御する。
【0125】
予約有コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、ACT406においてYESと判定し、ACT407へと進む。プロセッサ41は、ACT407として仮想POSサーバ50に対して予約通知を行うように、通信インターフェース44を制御する。この制御により、通信インターフェース44から仮想POSサーバ50に宛てて予約通知コマンドが通信ネットワーク100を介して送信される。
【0126】
プロセッサ41は、ACT404において購入通知を行うか、ACT407において予約通知を行うと、図18の流れ図に示す手順の情報処理を終了する。
【0127】
一方、仮想POSサーバ50のプロセッサ51は、第1の実施形態と同様に動作する。すなわちプロセッサ51は、図14のACT305において購買通知コマンドを受信した場合には、ACT306として購買リスト521を更新する。プロセッサ51は、図14のACT307において予約通知コマンドを受信した場合には、ACT308として予約リスト522を更新する。
【0128】
したがって、第2の実施形態においても、購買リスト521には購買者がカートに入れた商品の商品コードが蓄積され、予約リスト522には購買者が後で購入するために売場に戻した商品の商品コードが蓄積される。
【0129】
図18におけるACT401又はACT402の待ち受け状態において、会計コマンドを受信すると、プロセッサ41は、ACT402においてYESと判定し、ACT410へと進む(受付手段)。プロセッサ41は、ACT410として会計コマンドから会員IDを取得する。しかる後、プロセッサ41は、図13のACT253へと進む。そしてプロセッサ41は、ACT253以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0130】
すなわちプロセッサ41は、会計コマンドから取得した会員IDが登録されている購買リスト521と予約リスト522とを選択する。そして、予約リスト522に商品コードが登録されていない場合、プロセッサ41は、会計通知を行う。予約リスト522に商品コードが登録されている場合には、プロセッサ41は、予約リスト522に登録されている商品コードと購買リスト521に登録されている商品コードとを照合して、買い忘れの有無を判定する。買い忘れがない場合、プロセッサ41は、会計通知を行う。
【0131】
買い忘れがある場合には、プロセッサ41は、会計コマンド送信元のユーザ端末10に対して買い忘れ通知を行う。この買い忘れ通知に対し、ユーザ端末10から取消コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、会計通知を行う。これに対し、ユーザ端末10から購入コマンドを受信した場合には、プロセッサ41は、そのユーザ端末10に対して買い忘れ商品の売場が表示されるように制御する。
【0132】
このようなに動作する第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、行動監視装置70による購買者の行動監視を行わない店舗においても、後回しとした商品の買い忘れを防止する買物支援システムを提供することができる。
【0133】
以上、買物支援システム及び買物支援方法の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0134】
例えば第1の実施形態では、行動監視装置70により購買者の返品行動が検出されると、店舗サーバ40がユーザ端末10に対して予約問合せを行う。そして、ユーザ端末10から予約有コマンドを受信した場合に、店舗サーバ40が仮想POSサーバ50に宛てて予約通知コマンドを送信して、購買者の予約リスト522を更新するようにした。この点に関しては、行動監視装置70により購買者の返品行動が検出されると、店舗サーバ40が予約問合せを行うことなく仮想POSサーバ50に宛てて予約通知コマンドを送信して、購買者の予約リスト522を更新するようにしてもよい。この場合、予約リスト522には、購買者が単に売場に戻した商品の商品コードも登録されるので、買い忘れ通知に含まれるものの、後回しとした商品の買い忘れを防止するという効果は奏し得るものである。
【0135】
例えば第1又は第2の実施形態では、会計行動の通知、または会計コマンドの受信により、購買者が売場で購入した商品の会計を受け付けた場合に、買い忘れ商品を報知するようにした。この点に関しては、会計を受け付けたか否かに関わりなく、購買リスト521と予約リスト522とを定期的に照合し、予約リスト522には存在するが購買リストには存在しない商品コードの商品を買い忘れ商品として報知してもよい。また、報知は表示に限定されるものではなく、音声等によって報知してもよい。
【0136】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]購買者が売場で購入した商品を特定する購入商品特定手段と、前記購買者の前記売場での商品に対する行動から購入を後回しとする商品を特定する後回し商品特定手段と、前記後回し商品特定手段により特定された商品で前記購入商品特定手段により特定されていない商品がある場合に報知する報知手段と、を具備する買物支援システム。
[2]前記後回し商品特定手段は、前記購買者が売場から取り出した商品を売場に戻すという行動から、その戻された商品を、購入を後回しとする商品として特定する、付記[1]記載の買物支援システム。
[3]前記後回し商品特定手段は、前記戻された商品の購入を後回しとするか購買者に問合せ、後回しとするとの回答が得られた場合にその商品を、購入を後回しとする商品として特定する、付記[2]記載の買物支援システム。
[4]前記購買者が売場で購入した商品の会計を受け付ける受付手段、をさらに具備し、前記報知手段は、前記受付手段により会計を受け付けた時点で、前記後回し商品特定手段により特定された商品で前記購入商品特定手段により特定されていない商品がある場合に報知する、付記[1]乃至[3]のうちいずれか1項記載の買物支援システム。
[5]前記報知された商品が販売されている売場を通知する通知手段、をさらに具備する付記[4]記載の買物支援システム。
[6]買物支援システムの買物支援方法であって、前記買物支援システムが、購買者が売場で購入した商品を特定し、前記購買者の前記売場での商品に対する行動から購入を後回しとする商品を特定し、前記購入を後回しとするとして特定された商品で、購入が特定されていない商品がある場合に報知する、買物支援方法。
【符号の説明】
【0137】
1…買物支援システム、10…ユーザ端末、11,21,41,51…プロセッサ、12…内蔵メモリ、13…外部メモリ、14,25…タッチパネル、15…カメラ、16…無線ユニット、17,24,44,54…通信インターフェース、18,28,45…システム伝送路、20…チェックイン装置、22,42,52…メインメモリ、23,43,53…補助記憶デバイス、26…リーダ、27…インターフェース、30…ゲート装置、40…店舗サーバ、50…仮想POSサーバ、60…センサ群、70…行動監視装置、80…会計装置、90…アクセスポイント、100…通信ネットワーク、421…購買者テーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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