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特許7443029ウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール及びこれを含むウェアラブル筋力補助装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】ウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール及びこれを含むウェアラブル筋力補助装置
(51)【国際特許分類】
   B25J 11/00 20060101AFI20240227BHJP
   A61F 2/54 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B25J11/00 Z
A61F2/54
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019208625
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2020168713
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】10-2019-0039703
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベ 基 鉉
(72)【発明者】
【氏名】林 賢 燮
(72)【発明者】
【氏名】金 範 洙
(72)【発明者】
【氏名】尹 主 榮
(72)【発明者】
【氏名】金 奎 正
(72)【発明者】
【氏名】玄 東 眞
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特許第4987148(JP,B1)
【文献】特開2018-001391(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0223844(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0009771(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0217163(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0076196(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0339583(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0144309(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0173783(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0023758(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0175435(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0350794(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0074814(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0053276(KR,A)
【文献】国際公開第2019/016629(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1896181(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 11/00
A61F 2/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の身体に連結されて固定され、前記着用者の上腕に対応するように位置するベース部と、
一端が前記ベース部に固定点を中心として回転可能に結合されて前記着用者の上腕に対応するように延び、前記着用者の上腕に回転トルクを印加するように前記着用者の上腕に結合された上腕部と、
一端が前記固定点から離隔した作用点で前記ベース部に回転可能に結合された第1リンクと、
前記上腕部が延伸する平面上に延長され、第1ポイントで前記第1リンクの他端と回転可能に結合された第2リンクと、
前記第2リンクの前記第1ポイントから離隔した第2ポイントで前記第2リンクと結合され、前記第2ポイントの移動をガイドする第3リンクと、
一端は、前記上腕部の一端及び前記上腕部の延伸された方向に離隔した位置で前記上腕部に結合され、他端は前記第2リンクの第1ポイント及び前記第2ポイントから離隔した第3ポイントで前記第2リンクに結合され、変形によって弾性力を発生させる弾性体と、
を含むことを特徴とするウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項2】
前記第3リンクは、一端が前記上腕部に回転可能に結合され、他端が前記第2リンクの第1ポイントから離隔した前記第2ポイントで前記第2リンクと回転可能に結合されることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項3】
一端が前記上腕部に回転可能に結合され、他端が前記第1リンクの一端と離隔した位置で前記第1リンクに回転可能に結合された第4リンクを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項4】
前記第4リンクの他端は、前記第2リンクの第1ポイントで前記第1リンク及び前記第2リンクと同時に結合されることを特徴とする請求項3に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項5】
前記第3リンクには、前記第3リンクが一端を基準として回転することにより接地又は接地解除されるように作動するマイクロスイッチが更に含まれ、
前記マイクロスイッチは、前記上腕部に設けられたコネクタを介して外部装置と結合可能であることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項6】
前記作用点は、前記ベース部で前記固定点よりも上方に位置し、前記固定点から前記作用点に向かう方向は地面から上方に傾斜した方向であることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項7】
前記第2リンクと前記弾性体との間に設けられ、一端が前記第2リンクと回転可能に結合し、他端が前記弾性体の他端に結合した第5リンクと、
前記弾性体と前記上腕部との間に設けられ、一端が前記上腕部に回転可能に結合され他端が前記弾性体の一端に結合された第6リンクと、
を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項8】
前記弾性体は、両端が前記第5リンクと前記第6リンクとにそれぞれ結合した複数のばねで構成され、前記第5リンクの他端及び前記第6リンクの他端は、複数のばねが配置された方向に沿って延びることを特徴とする請求項7に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項9】
前記弾性体の弾性力によって発生する回転トルクは、前記上腕部が前記固定点を中心に回転するにつれて変化するが、前記上腕部が前記ベース部を基準として下方に回転すればするほど大きさが増加し、地面との所定の角度で最大値を持った後に更に減少するプロファイルを有することを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項10】
前記第2リンクの前記第3ポイントが、前記第1ポイントと前記第2ポイントとを結ぶ直線から離隔して位置され、前記第1ポイント、前記第2ポイント、及び前記第3ポイントが三角形を形成し、前記上腕部が前記固定点を中心に下方に回転することにより、前記第2リンクが前記固定点側へ並進運動すると共に回転運動が発生するように、前記第2リンクの第1ポイント及び前記第2ポイントが移動することを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項11】
前記上腕部が地面との所定の角度よりも大きい角度領域で前記固定点を中心に下方に回転することにより、前記第2リンクは、前記第3ポイントが前記上腕部の一端から離隔する方向に回転することを特徴とする請求項10に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項12】
前記上腕部が地面との所定の角度よりも小さい角度領域で前記固定点を中心に下方に回転することにより、前記第2リンクは、前記第3ポイントが前記上腕部の一端に近づく方向に回転することを特徴とする請求項10に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項13】
前記第2リンクの第3ポイントが、前記第1ポイントと前記第2ポイントとを結ぶ直線よりも上部に位置し、前記上腕部が前記固定点を中心に下方に回転することにより、前記第2リンクの第1ポイントは、前記固定点側へ移動しながら下方に移動してから更に上方に移動し、前記第2ポイントは、前記固定点側へ移動しながら漸次急激に下方に移動することを特徴とする請求項10に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項14】
前記固定点を中心に前記ベース部に相対回転可能に結合し、ロック装置によるロックの際に前記ベース部との相対回転が阻止される回転部を更に含み、
前記第1リンクが前記作用点で前記回転部に回転可能に結合されて前記回転部が前記ベース部に対して相対回転することにより、前記第1リンク及び前記上腕部が同時に回転することを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項15】
前記ロック装置は、前記回転部が前記ベース部に対して複数の回転角度ポイントでロックされるようにすることを特徴とする請求項14に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール。
【請求項16】
請求項1に記載のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールを含むウェアラブル筋力補助装置であって、
前記ベース部は、複数の結合装置を介して前記着用者の胴体部に結合したことを特徴とする、ウェアラブル筋力補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール及びこれを含むウェアラブル筋力補助装置に係り、より詳しくは、重力による荷重を補償して着用者の上腕を支持する上腕モジュール及びこれを含むウェアラブル筋力補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェアラブルロボットは、身体の特定の部位に着用したり特定の部位を据え置いたりして身体の動きを補助するロボットであって、医療用、軍事用、又は作業用に設計されている。特に、作業用ウェアラブルロボットの場合は、作業者に付加される荷重を減少させることにより負傷を防止し、且つ筋力を補助するように設計されている。このようなウェアラブルロボットは、着用者の外骨格を模写したもので、身体の実際の動きと同じ動きを持つように関節を設計することが技術の核心といえる。
【0003】
特に、ウェアラブル筋力補助装置は、ツールの重量を支持する人をサポートするように構成された手動支持装置が含まれる。典型的な手動装置は、構造要素、ばね、ケーブル、滑車の組み合わせを用いて位置の範囲の下で重力を補償するように構成される。これらの装置の構成は、動作の制限された動作範囲内で重力補償を提供する。
【0004】
ただし、従来のウェアラブル筋力補助装置は、要求されるトルクプロファイル(Profile)のためにカム(Cam)とワイヤー(Wire)とを組み合わせてトルクプロファイルを形成したが、このようなカムとワイヤーとを組み合わせた構成は、組立性及び加工性が低下し、構成要素間の摩擦及びスライドによる耐久性及び騒音の問題が発生した。
【0005】
前記背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解増進のためのものに過ぎず、当該技術分野における通常の知識を有する者に、既に知られている従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国特許第10-1896181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ワイヤーを使用せずに複数のリンクのみでトルクプロファイルを形成することにより、耐久性及び組立性を向上させた、ウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール及びこれを含むウェアラブル筋力補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールは、着用者の身体に連結されて固定され、着用者の上腕の上端部に対応するように位置するベース部と、一端がベース部に固定点を中心として回転可能に結合されて着用者の上腕に対応するように延び、着用者の上腕に回転トルクを印加するように着用者の上腕に結合された上腕部と、一端が固定点から離隔した作用点でベース部に回転可能に結合された第1リンクと、上腕部が延伸する平面上に延長され、第1ポイントで第1リンクの他端と回転可能に結合された第2リンクと、第2リンクの第1ポイントから離隔した第2ポイントで第2リンクと結合され、第2ポイントの移動をガイドする第3リンクと、一端は上腕部の一端及び上腕部の延伸された方向に離隔した位置で上腕部に結合され、他端は第2リンクの第1ポイント及び第2ポイントから離隔した第3ポイントで第2リンクに結合され、変形によって弾性力が発生される弾性体とを含むことを特徴とする。
【0009】
前記第3リンクは、一端が上腕部に回転可能に結合し、他端が第2リンクの第1ポイントから離隔した第2ポイントで第2リンクと回転可能に結合されてもよい。
前記一端が上腕部に回転可能に結合され、他端が第1リンクの一端から離隔した位置で第1リンクに回転可能に結合された第4リンクを更に含んでもよい。
【0010】
前記第4リンクの他端は、第2リンクの第1ポイントで第1リンク及び第2リンクと同時に結合されてもよい。
前記第3リンクには、第3リンクが一端を基準として回転することにより接地又は接地解除されるように作動するマイクロスイッチが更に含まれ、マイクロスイッチは、上腕部に設けられたコネクタを介して外部装置と結合し得る。
【0011】
前記作用点は、ベース部で固定点よりも上方に位置し、固定点から作用点に向かう方向は、地面から上方に傾斜した方向であることが好ましい。
前記第2リンクと弾性体との間に設けられ、一端が第2リンクと回転可能に結合し他端が弾性体の他端に結合した第5リンクと、弾性体と上腕部との間に設けられ、一端が上腕部に回転可能に結合され他端が弾性体の一端に結合された第6リンクとを更に含んでもよい。
【0012】
前記弾性体は、両端が第5リンクと第6リンクにそれぞれ結合した複数のばねで構成され、第5リンクの他端及び第6リンクの他端は、複数のばねが配置された方向に沿って延びてもよい。
【0013】
前記弾性体の弾性力によって発生する回転トルクは、上腕部が固定点を中心に回転することによって変化するが、上腕部がベース部を基準として下方に回転すればするほど大きさが増加し、地面との所定の角度で最大値を持った後に更に減少するプロファイルを有してもよい。
【0014】
前記第2リンクの第3ポイントが、第1ポイントと第2ポイントとを結ぶ直線から離隔して位置され、第1ポイント、第2ポイント、及び第3ポイントが三角形を形成し、上腕部が固定点を中心に下方に回転することにより、第2リンクが固定点側に並進運動すると共に回転運動が発生するように、第2リンクの第1ポイント及び第2ポイントが移動してもよい。
【0015】
前記上腕部が地面との所定の角度よりも大きい角度領域で固定点を中心に下方に回転することにより、第2リンクは、第3ポイントが上腕部の一端から離隔する方向に回転することができる。
前記上腕部が地面との所定の角度よりも小さい角度領域で固定点を中心に下方に回転することにより、第2リンクは、第3ポイントが上腕部の一端に近づく方向に回転してもよい。
【0016】
前記第2リンクの第3ポイントが、第1ポイントと第2ポイントとを結ぶ直線よりも上部に位置し、上腕部が固定点を中心に下方に回転することにより、第2リンクの第1ポイントは、固定点側へ移動しながら下方に移動してから更に上方に移動し、第2ポイントは、固定点側へ移動しながら漸次急激に下方に移動することができる。
【0017】
前記固定点を中心にベース部に相対回転可能に結合し、ロック装置によるロックの際にベース部との相対回転が阻止される回転部を更に含み、第1リンクが作用点で回転部に回転可能に結合されて回転部がベース部に対して相対回転することにより、第1リンク及び上腕部が同時に回転されてもよい。
【0018】
前記ロック装置は、回転部がベース部に対して複数の回転角度ポイントでロックされるようにすることができる。
【0019】
上記目的を達成するための本発明に係るウェアラブル筋力補助装置は、本発明に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールを含み、ベース部は、複数の結合装置を介して着用者の胴体部に結合してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明のウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュール及びこれを含むウェアラブル筋力補助装置によれば、簡単な連結リンクと弾性体の構成のみで上腕部の角度に応じて着用者の上腕部を上方に回転させる回転トルクを可変させるトルクプロファイルを実現することができるという効果を有する。
【0021】
また、ワイヤー及びカムを用いずに、リンクを用いることにより、耐久性及び組立性を向上させることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの内部を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの回転過程の状態をそれぞれ示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの回転過程の状態をそれぞれ示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールのトルクプロファイルを示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールに含まれている弾性体の変形プロファイルを示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールのトルクプロファイルと従来技術に係るトルクプロファイルを示す図である。
図7】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの内部拡大図である。
図8】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの外部正面図である。
図9】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールのロック装置が解除された状態を示す図である。
図10】本発明の他の実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールの内部を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置の上腕モジュールを含むウェアラブル筋力補助装置の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書又は出願に開示されている本発明の実施態様に対して、特定の構造的又は機能的説明は単に本発明に係る実施態様を説明するために例示されたものに過ぎず、本発明に係る実施態様は、様々な形態で実施でき、本明細書又は出願に説明された実施態様に限定されるものではない。
【0024】
本発明に係る実施態様は、多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるので、特定の実施態様を図面に例示して本明細書又は出願に詳細に説明する。しかし、これは本発明の概念による実施態様を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むと理解されるべきである。
【0025】
「第1」及び/又は「第2」等の用語は多様な構成要素の説明に使用できるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されてはならない。これらの用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名でき、同様に第2構成要素も第1構成要素とも命名できる。
【0026】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いると記載された場合には、該ある構成要素が他の構成要素に直接連結又は接続されていることもあるが、それらの間に別の構成要素が介在していることもあると理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いると記載された場合には、それらの間に別の構成要素が介在していないと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、即ち「~間に」と「すぐに~間に」、又は「~に隣り合う」と「~に直接隣り合う」等も同様に解釈されるべきである。
【0027】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施態様を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、説示された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0028】
また、別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含んでここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば一般に理解されるのと同一の意味を有する。一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上において有する意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0029】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールの内部を示す図であり、図2及び図3は、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールの回転過程の状態をそれぞれ示す図である。
【0030】
図1~3に示すように、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールは、着用者の身体に連結されて固定され、着用者の上腕の上端部に対応するように位置したベース部100と、一端がベース部100に固定点300を中心に回転可能に結合し着用者の上腕に対応するように延びて着用者の上腕の回転トルクを印加するように着用者の上腕に結合した上腕部200と、一端が固定点300と離隔するように位置した作用点400でベース部100に回転可能に結合した第1リンク610と、上腕部200が延びた平面上に延伸され第1ポイント621で第1リンク610の他端と回転可能に結合した第2リンク620と、第2リンク620の第1ポイント621から離隔された第2ポイント622で第2リンク620に結合して第2ポイント622の移動をガイドする第3リンク630と、一端は上腕部200の一端及び上腕部200の延びた方向に離隔した位置で上腕部200に結合し、他端は第2リンク620の第1ポイント621及び第2ポイント622から離隔した第3ポイント623で第2リンク620と結合し、変形によって弾性力を付勢する弾性体500とを含む。
【0031】
ベース部100は、着用者の肩部に位置するもので、着用者の上腕の上端部に対応して着用者の上腕の回転中心に位置することができる。特に、固定点300が着用者の上腕の回転中心に位置することができる。
【0032】
着用者の上腕に対応する上腕部200は、着用者の上腕の側方に位置した状態で固定点300を中心にベース部100に回転可能に結合され、着用者の上腕が上端部を中心に上方又は下方に回転する動作と同様に動くことができる。
【0033】
弾性体500の一端は、上腕部200に結合され、特に上腕部200の延びた方向に離隔して上腕部200の他端に固定して結合されてもよい。後述するように、弾性体500の他端は上方又は下方に移動することができるため、弾性体500の一端は上腕部200に回転可能に結合することができる。
【0034】
弾性体500は、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより長さが変化し、これにより発生される弾性力が変化することができる。特に、上腕部200が固定点300を中心に回転する特定の回転角度では、弾性力が0となるように変形が発生しないことがあり、一端と他端との距離が増加することによる変形によって引張力が発生することがある。
【0035】
これにより、上腕部200が固定点300を中心にベース部100に対して回転しながら、弾性体500から発生した弾性力の大きさ及び方向によって、ベース部100及び上腕部200に作用する回転トルクを変化させることができる。
具体的には、ベース部100には、下方に回転する方向の回転トルク
【数1】
が発生し、これに対する反作用として、上腕部200には上方に回転する方向の回転トルクが同じ大きさで発生する。
【0036】
これにより、簡単な連結リンク610、620、630、640、650、660と、弾性体500と、の構成のみで、着用者の上腕部200を上方に回転させる回転トルクを発生させることができ、これを上腕部200の角度に応じて変化させるように回転トルクのプロファイルを形成することができるという効果を有する。特に、ワイヤー及びカムを用いずに、リンクを用いることにより、耐久性と組立性をとを向上させることができる効果を有する。
【0037】
より具体的には、連結リンク610、620、630、640、650、660は、一端が固定点300から離隔するように位置した作用点400でベース部100に回転可能に結合した第1リンク610と、上腕部200が延びた平面上に延伸され第1ポイント621で第1リンク610の他端と回転可能に結合した第2リンク620と、第2リンク620の第1ポイント621から離隔した第2ポイント622で第2リンク620と結合して第2ポイント622の移動をガイドする第3リンク630とを含むことができる。
【0038】
特に、作用点400が固定点300から離隔して位置するので、上腕部200が固定点300を中心にベース部100に対して回転すると、第1リンク610は、一端が作用点400を基準に回転し、これにより第1リンク610の他端は固定点300との距離が変化しながら移動することができる。
【0039】
第2リンク620は、第1ポイント621で第1リンク610の他端と回転可能に結合され、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより、第1ポイント621から離隔した第2ポイント622の移動がガイドされるように上腕部200に結合し、第1ポイント621及び第2ポイント622から離隔した第3ポイント623で弾性体500の他端に結合することができる。
【0040】
第3リンク630は、第2リンク620の第2ポイント622で第2リンク620と結合して第2リンク620の移動をガイドすることができる。特に、上腕部200がベース部100を基準に回転することにより、第2リンク620の第2ポイント622が移動する経路をガイドすることができる。
【0041】
弾性体500の一端は、第1ポイント621及び第2ポイント622から離隔した第3ポイント623で第2リンク620と結合することができ、弾性体500の他端は、上腕部200の他端に結合することができる。これにより、上腕部200がベース部100を基準に回転するにつれて、第1リンク610、及び第3リンク630のガイドによる第2リンク620の移動によって弾性体500の長さが変化し得る。よって、弾性体500は、上腕部200の回転角度に応じて変化する弾性力を発生させることができる。
【0042】
本発明によれば、ワイヤー及びカムを用いずに、簡単な連結リンクと弾性体500との構成のみで上腕部200の角度に応じて着用者の上腕部200を上方に回転させる回転トルクを変化させるトルクプロファイルを実現することができる。
特に、第3リンク630は、一端が上腕部200に回転可能に結合し、他端が第2リンク620の第1ポイント621から離隔した第2ポイント622で第2リンク620と回転可能に結合することができる。
【0043】
上腕部200がベース部100を基準に回転することにより、第1リンク610によって第2リンク620が移動しながら、第2リンク620の第2ポイント622は第3リンク630によってガイドできる。
一実施形態として、第3リンク630は、第1リンク610及び第2リンク620の下方に位置した状態で、一端が上腕部200に回転可能に結合し、他端が第2リンク620の第2ポイント622に回転可能に結合することができる。
【0044】
また、一端が上腕部200に回転可能に結合し、他端が第1リンク610の一端から離隔した位置で第1リンク610に回転可能に結合した第4リンク640を更に含むことができる。
第1リンク610は、一端から離隔した位置で第4リンク640と結合することにより、一端が作用点400に固定された状態で回転が拘束できる。これにより、第1リンク610の他端及びこれに結合した第2リンク620の第1ポイント621の移動がガイドできる。
【0045】
一実施形態として、第4リンク640は、第1リンク610及び第2リンク620の上方に位置した状態で、一端が上腕部200に回転可能に結合し、他端が第1リンク610に回転可能に結合することができる。
【0046】
特に、第4リンク640の他端は、第2リンク620の第1ポイント621で第1リンク610及び第2リンク620と同時に結合することができる。即ち、第1ポイント621における、第2リンク620と第1リンク610との結合ポイントに第4リンク640の他端が同時に結合することができる。
【0047】
これにより、第2リンク620の第1ポイント621は、上腕部200がベース部100を基準に回転することにより、第4リンク640の回転によって移動がガイドできる。
第2リンク620の第1ポイント621及び第2ポイント622から離隔した第3ポイント623は、第1ポイント621及び第2ポイント622の位置が決定されることにより、自由度なしに決定され、これにより、弾性体500の変形プロファイルを形成することができる。
【0048】
また、作用点400は、ベース部100で固定点300よりも上部に位置し、固定点300から作用点400に向かう方向は、地面から上方に傾斜した方向であり得る。
上腕部200又はベース部100に作用する回転トルクの大きさは、弾性力の大きさ、及び作用点400から固定点300に向かう方向と作用点400で弾性力が印加される方向との角度によって決定される。
【0049】
特に、作用点400から固定点300に向かう方向と作用点400で弾性力が印加される方向との角度のサイン値(sine)に比例する。具体的には、作用点400から固定点300に向かう方向と作用点400で弾性力が印加される方向との角度は、そのサイン値が、上腕部200が固定点300を基準に回転しながら漸次増加し、着用者の上腕が地面との所定の角度付近にあるときに最大値を持った後に更に減少するように、 作用点400は固定点300よりも上部に位置することができる。
【0050】
即ち、作用点400は、固定点300から作用点400に向かう方向が、地面から上方に傾斜した方向に位置することができ、これにより、作用点400から固定点300に向かう方向と作用点400で弾性力が印加される方向との角度は、上腕部200が地面から上方に最大回転した状態で0度に近く、上腕部200が地面との所定の角度付近にある状態では90度に近く、上腕部200が下方に最大回転した状態では180度に近くなることができる。
【0051】
第2リンク620と弾性体500との間で一端が第2リンク620と回転可能に結合し、他端が弾性体500の他端に結合した第5リンク650と、弾性体500と上腕部200との間で一端が上腕部200に回転可能に結合し、他端が弾性体500の一端に結合した第6リンク660とを更に含むことができる。
【0052】
第5リンク650と第6リンク660とは、それぞれ第2リンク620の第3ポイント623と上腕部200とに回転可能に結合し、上腕部200が固定点300を中心に回転することによる第2リンク620の第3ポイント623と上腕部200に固定された弾性体500の一端との間の長さの変化に応じて弾性体500の長さが滑らかに変化することができる。
【0053】
弾性体500は、両端が第5リンク650と第6リンク660とにそれぞれ結合した複数のばねで構成され、第5リンク650の他端及び第6リンク660の他端は、複数のばねが配置された方向に沿って延びることができる。
【0054】
これにより、弾性体500として、耐久性に優れたばねを用いて、ワイヤーが切れるなどの破損を防止することができ、ばねを交替することにより、弾性力及びこれによる回転トルクの大きさを容易に可変させることができる。
【0055】
特に、弾性体500は、両端が第5リンク650と第6リンク660とにそれぞれ結合した複数のばねで構成され、第5リンク650の他端及び第6リンク660の他端は、複数のばねが配置された方向に沿って延びることができる。複数のばねは、初期の長さが同じものであってもよく、長さの変化による弾性力の大きさが互いに対称となるように配置できる。
これにより、第5リンク650と第6リンク660とには、上下方向に並んで配置された複数のばねから発生する弾性力を均一に作用させることができる。
【0056】
図4は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールのトルクプロファイルを示す図であり、図5は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールに含まれている弾性体500の変形プロファイルを示す図であり、図6は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールのトルクプロファイルと従来技術に係るトルクプロファイルとを示す図である。
【0057】
更に、図4図6に示すように、弾性体500の弾性力によって発生する回転トルクは、上腕部200が固定点300を中心に回転することにより変化するが、上腕部200がベース部100を基準に下方に回転すればするほど大きさが増加し、地面との所定の角度で最大値を持った後に更に減少するというプロファイルを有することができる。
【0058】
ここで、図4のトルクプロファイルグラフは、0よりも小さい負数にマッピングされている。具体的には、図5に示すように、弾性体500の弾性力は、着用者の上腕が地面との所定の角度(例えば、0度付近)まで下降しながら速く増加し、所定の角度以下で下降しながら徐々に増加するように、弾性体500の変形プロファイルが形成できる。
【0059】
着用者の上腕を支持するウェアラブル筋力補助装置1000は、着用者の上腕に重力を補償するために、地面との所定の第1固定角度(例えば、+60度)で上方に傾斜した状態で、そこから着用者の上腕が下降することにより、上方に回転させる回転トルクが増加するように設計されるべきである。これにより、着用者の上腕に作用する力を補償して、着用者の上腕が上方に回転した状態を維持するように支持することができるためである。
【0060】
また、着用者の上腕が地面との所定の角度(例えば、0度付近)から所定の第2固定角度(例えば、-90度)に下降するときに、上方に回転する回転トルクが減少するように設計されるべきである。これにより、着用者が上腕を下ろす動作を邪魔しないためである。
【0061】
従って、図6に破線で表示した従来技術に係るトルクプロファイルと比較して、本発明に係るトルクプロファイルの大きさは、着用者の上腕が相対的に高い角度で最大値を持ち、相対的に低い角度で上腕の下降動作に有利であるように小さくなる。
【0062】
このため、再び図1乃至図3を参照すると、第2リンク620の第3ポイント623が、第1ポイント621と第2ポイント622とを連結した直線から離隔して位置し、第1ポイント621、第2ポイント622及び第3ポイント623は三角形を形成し、上腕部200が固定点300を中心に下方に回転することにより、第2リンク620は固定点側に並進運動するとともに回転運動が発生するように、第2リンク620の第1ポイント621及び第2ポイント622が移動することができる。
【0063】
即ち、第3ポイント623は、第1ポイント621と第2ポイント622とを結ぶ直線から離隔して第1ポイント621及び第2ポイント622と三角形を形成し、第2リンク620は、第1ポイント621及び第2ポイント622の移動がガイドされることにより、並進運動と共に回転運動が発生して第3ポイント623の位置がガイドされる。
【0064】
具体的には、上腕部200が地面との所定の角度よりも大きい角度領域で固定点300を中心に下方に回転することにより、第2リンク620は、第3ポイント623が上腕部200の一端から離隔する方向に回転することができる。
これにより、上腕部200が所定の角度よりも大きい角度領域にあるとき、所定の角度に近づくにつれて弾性体500の変形が大きくなるという効果を有する。よって、上腕部200とベース部100との間の回転トルクが急速に増加するという効果を有する。
【0065】
また、上腕部200が地面との所定の角度よりも小さい角度領域で固定点300を中心に下方に回転することにより、第2リンク620は、第3ポイント623が上腕部200の一端に近づく方向に回転することができる。
【0066】
これにより、上腕部200が所定の角度よりも小さい領域にあるとき、所定の角度から遠ざかるにつれて弾性体500の変形が減少する効果を有する。よって、上腕部200とベース部100との間の回転トルクが速く減少する効果を有する。
【0067】
一実施形態として、第2リンク620の第3ポイント623が、第1ポイント621と第2ポイント622とを結んだ直線よりも上部に位置し、上腕部200が固定点300を中心に下方に回転することにより、第2リンク620の第1ポイント621は、固定点側へ移動しながら下方に移動してから更に上方に移動し、第2ポイント622は、固定点側へ移動しながら漸次急激に下方に移動することができる
特に、第2リンク620の第3ポイント623は、作用点400と弾性体500の一端とを結んだ直線よりも上部に位置することができる。
【0068】
具体的には、上腕部200が地面との所定の角度よりも大きい角度領域にあるとき、第2リンク620の第1ポイント621は、固定点側へ移動しながら下方に移動し、第2ポイント622は、固定点側へ移動しながら徐々に下方に移動することができる。これにより、第2リンク620が、固定点側へ移動しながら、第3ポイント623が弾性体500の一端から遠ざかる方向に回転することにより、第2リンク620の並進運動効果を増大させて弾性体500の弾性力を急激に増加させることができる。
【0069】
これに対し、上腕部200が地面との所定の角度よりも小さい角度領域にあるとき、第2リンク620の第1ポイント621は固定点側へ移動しながら上方に移動し、第2ポイント622は固定点側へ移動しながら急激に下方に移動することができる。これにより、第2リンク620が、固定点側へ移動しながら、第3ポイント623が弾性体500の一端に近づく方向に回転することにより、第2リンク620の並進運動効果を相殺又は減少させて弾性体500の弾性力を緩やかに増加させることができる。
【0070】
図7は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールの内部拡大図である。
図7に示すように、第3リンク630には、第3リンク630が一端を基準に回転することにより接地されるか或いは接地解除されるように作動するマイクロスイッチ670が更に含まれ、マイクロスイッチ670は、上腕部200に設けられたコネクタ671を介して外部装置Aと結合することができる。
【0071】
マイクロスイッチ670は、上腕部200の内部で配線を介してコネクタ671に接続できる。
マイクロスイッチ670は、接地又は接地解除の回数をカウントすることができる。コネクタは、上腕部200の上部又は下部に露出されるように設けられてもよい。これにより、外部装置Aは、上腕部200の外部に露出されたコネクタ671に容易に接続され、必要に応じて上腕部200の回転回数を測定することができる。
【0072】
他の実施形態として、マイクロスイッチ670は、第4リンク640の回転に応じて接地又は接地解除されるように、第4リンク640に位置してもよい。
【0073】
図8は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールの外部正面図、図9は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールのロック装置800が解除された状態を示す図である。
【0074】
図8及び図9に示すように、固定点300を中心にベース部100に相対回転可能に結合するが、ロック装置800によるロックの際にベース部100との相対回転が阻止される回転部700を更に含み、第1リンク610は、作用点400で回転部700に回転可能に結合して回転部がベース部100に対して相対回転することにより、連結リンク610、620、630、640、650、660及び上腕部200が同時に回転することができる。
【0075】
即ち、第1リンク610の一端は、ベース部100に直接結合することもできるが、回転部700を介して結合してもよい。
回転部700は、固定点300を中心にベース部100に回転可能に結合し、ロック装置800のロック時にはベース部100との相対回転が阻止され、ロック装置800のロック解除時にはベース部100に対して自由に回転することができる。
【0076】
ロック装置800は、回転部700がベース部100に複数の回転角度ポイントでロックすることが可能である。回転部700は、ベース部100に複数の回転角度ポイントで固定でき、回転部700が固定点300を中心にベース部100に対して回転すると、連結リンク610、620、630、640、650、660及び上腕部200が回転部700と同時に回転して、上腕部200に印加される回転トルクのトルクプロファイルが移動する効果を有する。
【0077】
即ち、回転トルクが最大値を持つ所定の角度をはじめとする角度範囲全体でトルクプロファイルが移動する効果を有する。これにより、着用者の要求に応えて、トルクプロファイルが形成される角度範囲を移動させて、所望の角度で回転トルクを実現するように調節することができる。
【0078】
具体的には、ロック装置800は、ベース部100にスライド可能に結合し、回転部700には、ベース部100に対して回転する方向に沿って離隔した複数の結合溝710が設けられ、ロック装置800が結合溝710に挿入されて係合されると、回転部700とベース部100との相対回転が阻止できる。
【0079】
ロック装置800は、ベース部100を貫通するスライド溝110でスライドされて回転部700の結合溝710に対して係合されるか或いは係合解除され得る。別途の弾性力を備えた弾性体(図示せず)を介してロック装置800が結合溝710に挿入される方向に弾性力を印加するように構成することができる。
【0080】
ベース部100及び上腕部200が着用者の上腕の外側方に位置するが、上腕部200から着用者の上腕の内側方に延びて着用者の上腕の下部を包む支持台230を更に含むことができる。
支持台230によって、着用者の上腕は下部から支持され、これにより、上腕部200に作用する回転トルクを着用者の上腕に安定的に作用することができる。
【0081】
図10は本発明の他の実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールの内部を示す図である。
図10に示すように、本発明の他の実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールは、ベース部100、上腕部200、第1リンク610、第2リンク620、第3リンク630及び弾性体500を含み、第4リンク640の構成が除外される。
【0082】
即ち、他の実施形態は、第1リンク610の他端である 第2リンク620の第1ポイント621を直接ガイドする第4リンク640の構成が除外され、第1リンク610の他端及び第2リンク620の第1ポイント621は、第1リンク610の一端を中心に回転しながら弾性体500の変形が最小となる位置に位置することができる。
【0083】
これによれば、第2リンク620の第1ポイント621を直接ガイドすることができないことから、回転トルクプロファイル及び弾性体500の変形プロファイルは変化するが、本発明による効果を同様に実現することができる。
【0084】
図11は本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールを含むウェアラブル筋力補助装置1000の背面図である。
図11に示すように、本発明の一実施形態に係るウェアラブル筋力補助装置1000の上腕モジュールを含むウェアラブル筋力補助装置1000は、ベース部100が複数の結合装置を介して着用者の胴体部に結合できる。
【0085】
具体的には、ハーネスなどを介して着用者の肩及び腰などに固定された結合装置が含まれ、本発明の上腕モジュールは、結合装置を介して着用者の胴体部に結合して着用者の胴体部に固定されるように支持できる。
特に、ベース部100は、着用者の上下方向に延びた回転軸900に対して回転可能に複数の結合装置に結合することができる。
【0086】
回転軸900は、複数の結合装置に結合して着用者の胴体部に固定され、着用者の背面に位置して上下方向に延びることができる。ベース部100は、着用者の背面に位置した回転軸900に回転可能に結合し、回転軸900から着用者の上腕の外側面に延びることができる。
【0087】
これにより、着用者は、上腕を上方又は下方に回転させることができるとともに、内側及び外側に自由に回転(内部回転(Internal Rotation)、外転(Abduction))させることができる。
本発明は、特定の実施形態について図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明に多様な改良及び変形を加え得るのは、当業分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0088】
100 ベース部
200 上腕部
230 支持台
300 固定点
400 作用点
500 弾性体
610 第1リンク
620 第2リンク
621 第1ポイント
622 第2ポイント
623 第3ポイント
630 第3リンク
640 第4リンク
650 第5リンク
660 第6リンク
700 回転部
800 ロック装置
900 回転軸
1000 ウェアラブル筋力補助装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11