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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】シート搬送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240227BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20240227BHJP
   F16C 13/04 20060101ALI20240227BHJP
   F16C 35/02 20060101ALI20240227BHJP
   F16C 17/02 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B65H5/06 D
B65H5/06 F
F16C13/00 Z
F16C13/04
F16C35/02 Z
F16C17/02 Z
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019226841
(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公開番号】P2021095242
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-12-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今成 洋
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-012147(JP,A)
【文献】実開平03-091443(JP,U)
【文献】特開2010-095352(JP,A)
【文献】特開平11-133767(JP,A)
【文献】特開2006-072395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/02
B65H 5/06
B65H 5/22
B65H 29/12-29/24
B65H 29/32
F16C 13/00-15/00
F16C 17/00-17/26
F16C 33/00-33/28
F16C 35/00-39/00
F16C 43/00-43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを下方から上方に向けて搬送する回転体と、
前記回転体を支持する回転軸と、
前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、を備え、
前記軸受は、前記回転軸の軸方向に視て水平方向の内の所定方向側への前記回転軸の取り外しを許容する開口部と、回転する前記回転軸に摺動する摺動面と、前記回転軸の上方を覆い前記回転軸と対向する第1対向部と、前記回転軸の下面を支持し前記回転軸と対向する第2対向部と、を有し、
前記第1対向部は、前記軸方向に視て、前記所定方向において前記回転軸の下流端よりも下流に突出し、
前記回転軸の前記下流端は、前記軸方向に視て、前記所定方向において前記第2対向部の前記回転軸に対向する上面よりも下流に位置する、
ことを特徴とするシート搬送装置。
【請求項2】
前記軸方向に視て、前記回転軸の前記所定方向における上流端を通る前記回転軸の接線から前記第1対向部の前記所定方向における下流端までの距離は、前記回転軸の直径よりも長く、
前記軸方向に視て、前記接線から前記第2対向部の前記上面の前記所定方向における下流端までの距離は、前記回転軸の前記直径よりも短い、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート搬送装置。
【請求項3】
前記第1対向部は、前記回転軸を覆うように下方に湾曲している、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のシート搬送装置。
【請求項4】
前記摺動面は、前記軸方向に視て、U字状に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項5】
前記開口部は、前記摺動面に連続して形成され、前記回転軸に沿って突出して形成される凸部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート搬送装置と、
シートに画像を形成する画像形成部と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを搬送するシート搬送装置及びこれを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、転写ローラと、転写ローラのシャフトを軸支し、該シャフトに一体的に取り付けられた軸受と、プリンタ本体に設けられ、軸受を着脱可能に支持する保持用フックと、を備えたプリンタが提案されている(特許文献1参照)。軸受は、シャフトの外周面の全周に摺動する円筒状の摺動面を有しており、摺動面へ異物が混入し難い構造となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-72395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の軸受は、円筒上の摺動面を有する構造上、予め転写ローラのシャフトに取り付けられた状態でプリンタ本体の保護用フックに装着される必要があり、転写ローラをプリンタ本体に組み付ける際の作業が煩雑であった。また、プリンタ本体に軸受が設けられたものに比して部品点数が多くなり、複雑な構成となってコストアップしてしまっていた。
【0005】
そこで、本発明は、簡易な構成で軸受の摺動面への異物の混入を低減可能なシート搬送装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、シート搬送装置において、シートを下方から上方に向けて搬送する回転体と、前記回転体を支持する回転軸と、前記回転軸を回転可能に支持する軸受と、を備え、前記軸受は、前記回転軸の軸方向に視て水平方向の内の所定方向側への前記回転軸の取り外しを許容する開口部と、回転する前記回転軸に摺動する摺動面と、前記回転軸の上方を覆い前記回転軸と対向する第1対向部と、前記回転軸の下面を支持し前記回転軸と対向する第2対向部と、を有し、前記第1対向部は、前記軸方向に視て、前記所定方向において前記回転軸の下流端よりも下流に突出し、前記回転軸の前記下流端は、前記軸方向に視て、前記所定方向において前記第2対向部の前記回転軸に対向する上面よりも下流に位置する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、簡易な構成で軸受の摺動面への異物の混入を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態に係るプリンタを示す全体概略図。
図2】(a)はシート搬送装置を示す斜視図、(b)はシート搬送装置を示す断面図。
図3】軸受及び回転軸を示す斜視図。
図4】軸受を示す断面図。
図5】(a)は第1の変形例に係る軸受を示す断面図、(b)は第1の変形例に係る軸受を示す断面図。
図6】第2の変形例に係る軸受を示す断面図。
図7】(a)は第3の変形例に係る軸受を示す断面図、(b)は第3の変形例に係る軸受を示す断面図。
図8】第4の変形例に係る軸受を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔全体構成〕
本実施の形態に係る画像形成装置としてのプリンタ1は、モノクロのトナー像を形成する電子写真方式のレーザビームプリンタである。プリンタ1は、図1に示すように、積載されたシートを給送するシート給送装置30と、シート給送装置30によって給送されたシートを搬送するシート搬送装置40と、を有している。また、プリンタ1は、シート搬送装置40によって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部50と、シートに転写された画像を定着させる定着装置60と、シートを排出トレイ17に排出可能な排出ローラ対15と、を有している。
【0010】
プリンタ1に画像形成の指令が出力されると、プリンタ1に接続された外部のコンピュータ等から入力された画像情報に基づいて、画像形成部50による画像形成プロセスが開始される。画像形成部50は、プロセスカートリッジ10と、レーザスキャナ7と、転写ローラ12と、を有している。プロセスカートリッジ10は、感光ドラム2と、感光ドラム2に沿って配置された帯電ローラ3、現像ローラ4及びクリーニングブレード5と、を有している。感光ドラム2及び転写ローラ12は、転写ニップT1を形成している。プロセスカートリッジ10は、プリンタ1の装置本体に対して着脱可能になっている。
【0011】
レーザスキャナ7は、入力された画像情報に基づいて、感光ドラム2に向けてレーザ光を照射する。このとき感光ドラム2は、帯電ローラ3により予め帯電されており、レーザ光が照射されることで感光ドラム2上に静電潜像が形成される。その後、現像ローラ4によりこの静電潜像が現像され、感光ドラム2上にモノクロのトナー像が形成される。
【0012】
上述の画像形成プロセスに並行して、シート給送装置30からシートPが給送される。シート給送装置30は、シートを積載可能な積載トレイ16を有している。積載トレイ16に支持されたシートPは、給送ローラ11によって給送され、給送ローラ11によって給送されたシートPは、バネ8によって給送ローラ11に向けて付勢される分離パッド9によって1枚ずつに分離される。
【0013】
シート搬送装置40は、回転体としての搬送ローラ21と、搬送ローラ21に従動回転する従動ローラ23と、を有している。搬送ローラ21及び従動ローラ23は、シートPを下方から上方に向けて搬送する。分離パッド9によって1枚ずつ分離されたシートPは、搬送ローラ21及び従動ローラ23によって形成される搬送ニップN1によって転写ニップT1に向けて搬送される。なお、搬送ローラ21及び従動ローラ23は、搬送ニップN1にシートPの先端を突き当てることでシートPの斜行を補正するレジストレーションローラ対を構成してもよい。
【0014】
搬送ニップN1によって搬送されたシートPには、転写ローラ12に印加された静電的負荷バイアスによって、転写ニップT1において感光ドラム2上のトナー像が転写される。感光ドラム2上に残った残トナーは、クリーニングブレード5によって回収される。トナー像が転写されたシートPは、定着装置60によって所定の熱及び圧力が付与されて、トナーが溶融固着(定着)される。定着装置60は、不図示のヒータを内蔵する定着フィルム13と、定着フィルム13に圧接する加圧ローラ14と、を有している。定着装置60を通過したシートPは、排出ローラ対15によって排出トレイ17に排出される。
【0015】
なお、本実施の形態のプリンタ1は、片面印刷のみが可能な構成であるが、シート搬送方向における定着装置60の下流に両面搬送路を設け、第1面に画像形成されたシートPを両面搬送路によって再び転写ニップT1に案内するように構成してもよい。
【0016】
[シート搬送装置]
次に、図2(a)(b)を参照して、シート搬送装置40について詳述する。本実施の形態では、図2(a)に示すように、不図示のモータによって駆動する回転軸21aに、2つの搬送ローラ21が回転軸21aの軸方向ADにおいて並設されている。これら2つの搬送ローラ21及び搬送ローラ21と対となる従動ローラ23は同構成である。
【0017】
プリンタ1に設けられるガイド部材18には、軸受22が設けられており、軸受22は、回転軸21aを回転可能に支持している。ガイド部材18は、搬送ニップN1(図1参照)によって搬送されるシートPを案内する。なお、軸受22も、軸方向ADにおいて間隔を空けて例えば2つ設けられている。
【0018】
図3は、軸受22及び回転軸21aを示す斜視図であり、図4は、軸受を示す断面図である。図4は、軸方向ADに直交する断面を示しており、すなわち軸方向ADに視た図となっている。
【0019】
軸受22は、図3及び図4に示すように、軸方向ADに視て水平方向の内の所定方向PD側に開口し、回転軸21aの所定方向PDへの取り外し及び所定方向PDとは反対の装着方向MDへの装着を許容する開口部22aを有している。また、軸受22は、回転する回転軸21aに摺動する摺動面22bと、回転軸21aの上方を覆う第1対向部24と、回転軸21aの下面21bを支持する第2対向部25と、を有している。第1対向部24及び第2対向部25は、回転軸21aに対向している。摺動面22bは、軸方向ADに視てU字状に形成されている。
【0020】
ここで、回転軸21aに摺動する軸受22の摺動面22bにトナーや紙粉等の異物が混入すると、搬送ローラ21の回転を阻害する虞がある。例えば、摺動面22bに異物が混入すると、摺動面22b又は回転軸21aの外周面が摩耗し、発生した摩耗粉が回転軸21aの外周面等に焼き付くと、異常音が発生したり、負荷トルクの異常上昇の原因となったりする虞がある。
【0021】
一般に、画像形成装置の搬送ローラの軸受としては、安価で構成が簡単な樹脂製のすべり軸受が広く一般に使用されている。また、金属製の転がり軸受を用いる場合もあるが、すべり軸受に比べ高価なため、特に回転精度や摩擦抵抗に対して要求が高いところに使用される。
【0022】
本実施の形態における軸受22は、樹脂製のすべり軸受が適用されており、摺動面22bにグリスを塗布して潤滑し、摺動抵抗を低減している。しかしながら、グリスが塗布された摺動面22bにトナーや紙粉等の異物が大量に混入すると、グリスの粘度が上昇し、負荷トルクの異常上昇を引き起こす虞がある。更に、グリスが枯渇すると、摺動面22bの摩耗及び異常音の発生を引き起こす虞がある。
【0023】
そこで、本実施の形態では、摺動面22bの摩耗及び異常音の発生を低減するために、回転軸21aにトナーや紙粉等の異物が付着し難いように軸受22が構成されている。より詳しくは、第1対向部24は、図3に示すように、軸方向ADに視て、所定方向PDにおいて回転軸21aの下流端21cよりも下流に突出している。言い換えれば、第1対向部24の所定方向PDにおける下流端24aは、回転軸21aの下流端21cよりも所定方向PDにおける下流に位置している。
【0024】
また、回転軸21aの下流端21cは、軸方向ADに視て、所定方向PDにおいて第2対向部25の回転軸21aに対向する上面25aよりも下流に位置している。言い換えれば、第2対向部25の上面25aは、所定方向PDにおいて回転軸21aの下流端21cよりも上流に退避している。
【0025】
また、軸方向ADに視て、回転軸21aの所定方向における上流端21dを通る回転軸21aの接線TLから第1対向部24の下流端24aまでの距離を距離Aとする。軸方向ADに視て、接線TLから第2対向部25の上面25aの所定方向PDにおける下流端25bまでの距離を距離Bとする。回転軸21aの直径を直径Dとする。
【0026】
この時、本実施の形態では、距離A>直径D>距離Bの関係となるように軸受22が形成されている。すなわち、距離Aは、直径Dよりも長く、距離Bは、直径Dよりも短い。
【0027】
シート搬送装置40の上方から落下及び飛散したトナーや紙粉などの異物は、軸受22の中で水平方向に最も突出している第1対向部24の上面24bに堆積する。しかしながら、第1対向部24が回転軸21aの下流端21cよりも所定方向PDに突出しているため、回転軸21a及び摺動面22bに異物が付着するのを低減できる。また、第2対向部25の上面25aは、所定方向PDにおいて回転軸21aの下流端21cよりも上流に退避しているので、第2対向部25の上面25aに異物が堆積するのを低減できる。
【0028】
以上のように、本実施の形態では、距離A>直径D>距離Bの関係となるように軸受22が形成されているため、回転軸21a、摺動面22b及び第2対向部25の上面25aへの異物の堆積を低減できる。また、軸受22は、回転軸21aの着脱を許容する開口部22aを有すると共に、摺動面22bがU字状に形成されているため、簡易な構成で回転軸21aの軸受22への着脱が容易となっている。
【0029】
そして、簡易に構成してコストダウンすることと、軸受22の摺動面22bへの異物の混入を低減し、摺動面22bの摩耗、摺動音の発生及び負荷トルクの異常上昇を抑えることを両立することができる。
【0030】
本実施の形態は、図1乃至図4に示した形態に限らず、以下のような変形例も適用可能である。なお、以下の変形例において、上述の実施の形態と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0031】
<第1の変形例>
まず、図5(a)(b)を用いて第1の変形例について説明する。上述の実施の形態では、開口部22aが水平方向に平行な所定方向PDに向けて開口していたが、これに限らない。例えば、図5(a)に示すように、上述した実施の形態の軸受22を反時計回りに所定角度回転させて軸受122Aを構成してもよい。また、図5(b)に示すように、上述した実施の形態の軸受22を時計回りに所定角度回転させて軸受122Bを構成してもよい。
【0032】
軸受122Aは、所定方向PD1に開口する開口部22aを有しており、軸受122Bは、所定方向PD2に開口する開口部22aを有している。所定方向PD1,PD2のいずれにおいても、水平方向の成分を有しており、水平方向の成分を有する方向に開口していれば、軸受22の開口方向をいずれの方向であってもよい。軸受122A,122Bにおいても、距離A>直径D>距離Bの関係となっている。
【0033】
<第2の変形例>
次に、図6を用いて第2の変形例について説明する。第2の変形例に係る軸受222は、開口部22aと、摺動面22bと、第1対向部224と、第2対向部25と、を有している。第1対向部224は、回転軸21aを覆うように下方に湾曲する湾曲部224aを有しており、更に回転軸21aや摺動面22bへの異物の付着を低減している。
【0034】
<第3の変形例>
次に、図7(a)(b)を用いて第3の変形例について説明する。第3の変形例に係る軸受322Aは、図7(a)に示すように、開口部322aと、摺動面22bと、第1対向部24と、第2対向部25と、を有している。また、第3の変形例に係る軸受322Bは、図7(b)に示すように、開口部322bと、摺動面22bと、第1対向部24と、第2対向部25と、を有している。
【0035】
図7(a)に示す軸受322Aは、第1回転方向R1に回転する回転軸21aを回転可能に支持している。図7(b)に示す軸受322Bは、第1回転方向R1と反対の第2回転方向R2に回転する回転軸21aを回転可能に支持している。
【0036】
軸受322Aの開口部322aは、摺動面22bに連続して形成されると共に第1対向部24側に配置され、回転軸21aに沿って突出して形成される凸部323aを有している。軸受322Bの開口部322bは、摺動面22bに連続して形成されると共に第1対向部24側に配置され、回転軸21aに沿って突出して形成される凸部323bを有している。
【0037】
これら凸部323a,323bは、回転軸21aの回転方向において、開口部22a,22bによって露出した回転軸21aの露出面の下流側に設けられている。例えば、凸部323aは、第1回転方向R1において、回転軸21aの露出面の下流側に設けられている。また、323bは、第2回転方向R2において、回転軸21aの露出面の下流側に設けられている。
【0038】
これにより、回転軸21aに異物が付着したとしても、凸部323a,323bによって異物を回転軸21aからこそぎ落とすことができ、また摺動面22bへの異物の進入を低減できる。また、図6乃至図7(b)に示すように、軸受(222,322A,322B)の開口部の隙間Eを回転軸21aの直径Dよりも小さくすることで、軸受の開口部がスナップフィットとして機能する。これにより、回転軸21aが軸受から脱落することを低減できる。
【0039】
<第4の変形例>
次に、図8を用いて第4の変形例について説明する。第4の変形例に係る軸受422は、図8に示すように、開口部22aと、摺動面22bと、第1対向部424と、第2対向部25と、を有している。回転軸21a及び摺動面22bに異物が混入するのを低減するには、第1対向部424をより所定方向PDに延ばした方が好適である。
【0040】
しかしながら、第1対向部424が搬送ニップN1(図1参照)によって搬送されるシートに干渉すると、シートにダメージを与えてしまう。このため、搬送ニップN1によって搬送されるシートに干渉しない程度に第1対向部424を延長し、図3に示す距離Aがより長くなるように構成するとよい。なお、図6乃至図8では図示していないが、第2乃至第4の変形例においても距離A>直径D>距離Bの関係となるように軸受が形成されていることはもちろんである。
【0041】
<その他の実施の形態>
上述の実施の形態では、搬送ローラ21の回転軸21aを支持する軸受を例に説明したが、これに限定されない。すなわち、プリンタ1に使用されるローラ等の回転体の回転軸を支持する軸受であれば、本発明を適用してもよい。
【0042】
また、第1対向部24の上面24bは、水平方向に延びるものに限らず、水平方向に対して傾斜する傾斜面や、湾曲した湾曲面から構成されてもよい。このように構成することで、上面24bへの紙粉の堆積を抑えることができる。
【0043】
また、上述した実施の形態及び変形例を、適宜組み合わせてもよい。また、既述のいずれの形態においても、モノクロの電子写真方式のプリンタ1を用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、複数のプロセスカートリッジを有するフルカラーの電子写真方式のプリンタに本発明を適用してもよい。例えば、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に本発明を適用してもよい。また、プリンタに限らず、複写機、ファクシミリ装置、並びにこれらの機能を有する複合機に本発明を適用してもよく、プリンタに接続されるオプションフィーダ、給紙デッキ及びフィニッシャ等に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1:画像形成装置(プリンタ)/21:回転体(搬送ローラ)/21a:回転軸/21b:下面/21c:下流端/21d:上流端/22,122A,122B,222,322A,322B,422:軸受/22a,322a,322b:開口部/22b:摺動面/24,224,424:第1対向部/24a:下流端/25:第2対向部/25a:上面/25b:下流端/40:シート搬送装置/323a,323b:凸部/A,B:距離/D:直径/PD,PD1,PD2:所定方向/TL:接線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8