(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】船舶
(51)【国際特許分類】
B63B 11/00 20060101AFI20240227BHJP
B63B 11/02 20060101ALI20240227BHJP
B63B 11/04 20060101ALI20240227BHJP
B63B 29/02 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B63B11/00 Z
B63B11/02
B63B11/04 B
B63B29/02 Z
(21)【出願番号】P 2020000907
(22)【出願日】2020-01-07
【審査請求日】2022-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】503218067
【氏名又は名称】住友重機械マリンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】岡山 優
(72)【発明者】
【氏名】舛谷 明彦
【審査官】高瀬 智史
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2013-0117425(KR,A)
【文献】実開昭61-90685(JP,U)
【文献】特開2015-24808(JP,A)
【文献】特開2019-151324(JP,A)
【文献】特開2018-193054(JP,A)
【文献】特開2019-189172(JP,A)
【文献】特開2018-202935(JP,A)
【文献】特開昭51-14690(JP,A)
【文献】特開2015-110392(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1911669(EP,A1)
【文献】日本海事科学振興財団船の科学館,“オイルタンカー”,船の科学館資料ガイド9,2009年03月,pp.1-30
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 11/00
B63B 15/00
B63B 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主機が配置される機関室と、
燃料を貯める燃料タンクと、
前記機関室の船首側に配置されるポンプ室と、
前記機関室の上方に配置される居住区と、
を備え、
前記機関室と前記燃料タンクと前記ポンプ室とが、船長方向に配置され、
前記燃料タンクは、前記機関室と前記ポンプ室との間に配置され、
前記居住区は、前記船長方向において前記燃料タンクと前記ポンプ室との間に配置された第1隔壁によって支持され
、
前記船長方向において、前記居住区の船首側の端部は、前記第1隔壁と同位置に配置されている、
船舶。
【請求項2】
前記第1隔壁の船尾側において前記船長方向に延在する第2隔壁をさらに備える請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記第2隔壁は、前記燃料タンクを船幅方向において複数の区画に分ける、請求項2に記載の船舶。
【請求項4】
前記機関室は、船幅方向において前記居住区の両側にそれぞれエンジンケーシングを有する、請求項1~3の何れか一項に記載の船舶。
【請求項5】
前記機関室を前記船首側で区画するように配置された第3隔壁をさらに備え、
前記第3隔壁は、
船底側において上下方向に延在する下部隔壁と、
前記下部隔壁の上端部から船首側へ延在し、ポンプタービンが設けられる段差部と、
前記段差部の船首側の端部から上下方向に延在する上部隔壁を有し、
前記居住区は、前記上部隔壁より前記船首側へ延在する、請求項1~4の何れか一項に記載の船舶。
【請求項6】
前記居住区は、前記機関室よりも船首側まで延在することで、前記船長方向の長さが船幅方向の長さに比して長く構成される、請求項1~5の何れか一項に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、以下の特許文献1に記載のように、クルーが居住する複数の居室を有した居住区と、船舶に推進力を与えるエンジン等を収容する機関室(機関区域)と、機関室からの排気を排出する排気部とを備えた船舶が知られている。この船舶において、居住区は船幅方向に延在し、機関室は、居住区の下方に設けられており、排気部は居住区の船尾側に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のように居住区の船幅方向の長さが長い船舶は、居住区の船幅方向の長さが短い船舶に比べて、船舶の航行によって生じる風圧の抵抗が大きい。風圧の抵抗により損耗する燃料のコストを低減させることができる形状の居住区を有する船舶が求められている。このように、船舶の性能を向上できるような居住区の形状とするために、居住区の設計の自由度を高めることが求められている。
【0005】
本発明は、居住区の設計の自由度を高めることができる船舶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る船舶は、主機が配置される機関室と、燃料を貯める燃料タンクと、機関室の船首側に配置されるポンプ室と、機関室の上方に配置される居住区と、を備え、燃料タンクは、機関室とポンプ室との間に配置され、居住区は、船長方向において燃料タンクとポンプ室との間に配置された第1隔壁によって支持される。
【0007】
この船舶では、機関室の船首側には、燃料タンク、第1隔壁、ポンプ室が順に並んでいる。ここで、第1隔壁は、燃料タンクとポンプ室との仕切りの機能を有する。また、第1隔壁は、機関室の上方に配置される居住区を支持する。このような構成を採用する場合、燃料タンクの上方では、居住区が第1隔壁の位置まで船首側へ向かって延在するような配置となっている。すなわち、居住区を配置することができる範囲が、例えば、ポンプ室と機関室とが隣り合うような構造に比べて、燃料タンクの分だけ船首側へ拡大可能となる。これにより、居住区の船首側の配置の制約を低減することができる。以上より、この船舶は、居住区の設計の自由度を高めることができる。
【0008】
一実施形態においては、船舶は、第1隔壁の船尾側において船長方向に延在する第2隔壁をさらに備える。このような構成によれば、船幅方向において居住区は第1隔壁により支持されることに加え、船長方向において居住区は第2隔壁により支持されることも可能となる。居住区が第1隔壁及び第2隔壁により支持されることで、居住区の振動を抑制することができる。また、例えば、居住区を船長方向において支持するような支持ブラケットを別途新設する場合、居住区の下方の空間の自由度が低下する。これに対し、第2隔壁を支持部材として流用することで、振動を抑制しつつも、居住区の下方の空間の自由度も維持できる。
【0009】
一実施形態においては、第2隔壁は、燃料タンクを船幅方向において複数の区画に分けてもよい。このような構成によれば、燃料タンクは第2隔壁により複数の区画に分断されるため、燃料タンクのいずれかの区画にコンタミネーションが生じた場合であってもコンタミネーションが生じていない他の区画を適切に選択して燃料を利用することができる。
【0010】
一実施形態においては、機関室は、船幅方向において居住区の両側にそれぞれエンジンケーシングを有してもよい。このような構成によれば、エンジンケーシングが居住区の両側に配置されるため、居住区を配置することができる範囲が、例えば、居住区の船尾側にエンジンケーシングが設けられるような構造に比べて、エンジンケーシングの分だけ船尾側へ拡大可能となる。これにより、居住区の船尾側の配置の制約を低減することができる。
【0011】
一実施形態においては、船舶は、機関室を船首側で区画するように配置された第3隔壁をさらに備え、第3隔壁は、船底側において上下方向に延在する下部隔壁と、下部隔壁の上端部から船首側へ延在し、ポンプタービンが設けられる段差部と、段差部の船首側の端部から上下方向に延在する上部隔壁を有し、居住区は、上部隔壁より船首側へ延在してもよい。このような構成によれば、居住区は、上部隔壁より船首側へ延在している。すなわち、当該居住区は、例えば上部隔壁の位置に前端壁が配置されるような居住区に比して、船首側に拡大されている。居住区が船首側へ拡大されることで、その分、居住区の船幅側の長さを狭くするような設計を行うことも可能となる。
【0012】
一実施形態においては、居住区は、機関室よりも船首側まで延在することで、船長方向の長さが船幅方向の長さに比して長く構成される。このような構成によれば、居住区を船首側に拡大することによって、その分、居住区の船幅側の長さを狭くして、船長方向に長い形状にすることができる。これにより、居住区の風圧に対する抵抗を低減することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、居住区の設計の自由度を高めることができる船舶を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る船舶の全体構成を示す概略側面図である。
【
図2】
図1の船舶の船尾側の構成を示す概略側面図である。
【
図3】
図2に示すIII―III線に沿った概略断面図である。
【
図4】比較例1及び比較例2に係る船舶の船尾側の構成を示す概略側面図である。
【
図5】比較例1に係る船舶の船尾側の構成を示す
図4のV―V線に沿った概略断面図である。
【
図6】比較例2に係る船舶の船尾側の構成を示す
図5のVI―VI線に沿った概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による船舶の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において、同一又は同等の要素には同一の符号を付し重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、図面の位置関係に基づくものとする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る船舶の全体構成を示す概略側面図である。
図2は、
図1の船舶の船尾側の構成を示す概略側面図である。
図3は、
図2に示すIII―III線に沿った概略断面図である。なお、ここでの船舶100はタンカーである。以下、船舶100の船首-船尾方向を船長方向FSと記載し、船首方向を船首側F、船尾方向を船尾側Sと記載する。また、以下、船舶100の右舷-左舷方向を船幅方向Wと記載し、船舶100の上下方向を上下方向UBと記載し、上方を上方U、下方を船底側Bと記載する。
【0016】
この船舶100にあっては、
図1、
図2及び
図3に示すように、船体110内の船尾側Sに機関室1が設けられ、この機関室1より船首側Fに第3隔壁7を隔てて燃料タンク2が配置される。また、船舶100には、機関室1及び燃料タンク2より船体110内の船首側Fに第1隔壁5及び第3隔壁7を隔ててポンプ室3が配置され、このポンプ室3より船首側Fに第4隔壁8を隔ててカーゴスペース4が複数配置される。カーゴスペース4は、例えば荷油を貯留する空間である。
【0017】
船舶100には、船体110内の船首側Fに船首部60が配置され、この船首部60より船尾側Sに船首隔壁61を隔ててカーゴスペース4が配置される。船舶100には、船体110内の船尾側Sに船尾部62が配置される。この船尾部62より船首側Fに船尾隔壁63を隔てて空間部64が配置される。この空間部64より船首側Fに第5隔壁9を隔てて機関室1が配置される。これら機関室1、ポンプ室3、カーゴスペース4の天井面は上甲板10で構成され、床面側は、船体110の外殻を形成する船底外板11と、この船底外板11の船体内側に設けられた内底板12とによって2重船底構造とされている。居住区13は、機関室1の上方Uに設けられ、上甲板10上に配置される。
【0018】
船舶100の全体構成について、
図2及び
図3を参照して更に詳細に説明する。機関室1には、メインエンジンである主機14等の機器が配置される。主機14は、機関室1内で最も大きな機器であって推進力を発生するプロペラを駆動するものであり、機関室1の船幅方向Wの略中央に配置され、船長方向FS及び上下方向UBに延在している。なお、後述のように、機関室1の上方Uには、居住区13やブリッジ16(操舵室)が配置される。
【0019】
燃料タンク2は、例えば、船長方向FSにおいてポンプ室3及びカーゴスペース4と機関室1との間に配置され、船幅方向W及び上下方向UBに延在する。燃料タンク2は、船長方向FSにおいて機関室1とポンプ室3との間に配置された第1タンク部位21と、船長方向FSにおいてポンプ室3を介さず機関室1とカーゴスペース4との間に配置された1対の第2タンク部位22と、を有する。1対の第2タンク部位22は、船幅方向Wにおいて第1タンク部位21の両側に隣り合うように配置される。
【0020】
ポンプ室3は、機関室1の船首側Fに配置される。ポンプ室3は、例えば、船幅方向Wから見てL字状を呈する(特に
図2を参照)。ポンプ室3は、上甲板10から上下方向UBに延在する第1ポンプ室部位31と、第1ポンプ室部位31の下部と連続している第2ポンプ室部位32とを有する。第1ポンプ室部位31は、船長方向FSにおいて第1タンク部位21より船首側Fに第1隔壁5を隔てて配置される。第1ポンプ室部位31は、第2ポンプ室部位32より船幅方向Wの幅は小さく、例えば燃料タンク2の第1タンク部位21の船幅方向Wの幅と同一の長さを有する。第1ポンプ室部位31は、船幅方向Wにおいて燃料タンク2の第2タンク部位22の間に配置される。
【0021】
第2ポンプ室部位32は、第1ポンプ室部位31の船底側Bに配置される。第2ポンプ室部位32は、上下方向UBにおいて機関室1の船首側の空間及び燃料タンク2の船底側Bに配置される。第2ポンプ室部位32は、機関室1内の主機14より船首側Fに配置される。第2ポンプ室部位32は、第1ポンプ室部位31及び燃料タンク2の第1タンク部位21の船底側Bにおいて第4隔壁8から船尾側Sへ向かって延びると共に、燃料タンク2よりも船尾側Sへ延びて機関室1の空間にはみ出るように構成される。なお、第2ポンプ室部位32の更に詳細な説明は、第3隔壁7の構成と合わせて後述する。
【0022】
第1隔壁5は、船長方向FSにおいて燃料タンク2の第1タンク部位21とポンプ室3の第1ポンプ室部位31との間に配置されている。第1隔壁5は、上甲板10と第2ポンプ室部位32の上面(後述の底壁74)との間で上下方向UB及び船幅方向Wに延在する。第1隔壁5は、その上端部において居住区13を支持する。
【0023】
第2隔壁6は、第1隔壁5の船尾側Sにおいて船長方向FS及び上下方向UBに延在する。第2隔壁6は、例えば、燃料タンク2内において、第1タンク部位21と第2タンク部位22との間に配置されている。第2隔壁6は、燃料タンク2を船幅方向Wにおいて複数の区画に分ける。本実施形態では、第2隔壁6は、例えば、船幅方向Wにおいて第1タンク部位21の両端に配置される1対の隔壁である。1対の第2隔壁6は、船長方向FSにおいて燃料タンク2内に延在し、燃料タンク2を第1タンク部位21と1対の第2タンク部位22とに分ける。1対の第2隔壁6は、例えば、第1タンク部位21と第2タンク部位22とを分けるため、第1隔壁5と後述の第3隔壁7の上部隔壁73との間において、船長方向FSに沿って延びるように配置される。また、1対の第2隔壁6は、上甲板10から第2ポンプ室部位32の上面(後述の底壁74)まで上下方向UBに延びている。
【0024】
第3隔壁7は、機関室1を船首側Fで区画するように配置されている。第3隔壁7は、船底側Bにおいて上下方向UBに延在する下部隔壁71と、下部隔壁71の上端部から船首側Fへ延在し、ポンプタービンが設けられる段差部72と、段差部72の船首側Fの端部から上下方向UBに延在する上部隔壁73とを有する。下部隔壁71、段差部72、及び上部隔壁73は、船幅方向Wに延在する。機関室1の船首側Fは、第3隔壁7の上部隔壁73により燃料タンク2と仕切られる。機関室1の船首側F且つ船底側Bは、第3隔壁7の下部隔壁71及び段差部72によりポンプ室3の第2ポンプ室部位32と仕切られる。下部隔壁71は、船長方向FSにおいて機関室1の主機14とポンプ室3の第2ポンプ室部位32との間に配置される。
【0025】
段差部72と燃料タンク2との位置関係について説明する。段差部72は、燃料タンク2の各タンク部位21,22よりも船尾側Sの位置にて、当該タンク部位21,22の船幅方向Wの全域にわたって広がるように設けられている。また、船幅方向Wのうち、第1タンク部位21に対応する領域では、段差部72は、上部隔壁73よりも更に船首側Fへ延長されて、第1隔壁5の下端と連結されている。これにより、段差部72の延長部分は、第1タンク部位21の底壁74を構成する(
図2参照)。また、船幅方向Wのうち、第2タンク部位22に対応する領域では、段差部72は、上部隔壁73よりも更に船首側Fへ延長されて、第4隔壁8と連結されている。これにより、段差部72の延長部分は、第2タンク部位22の底壁75を構成する(
図2参照)。このような形態により、ポンプ室3の第2ポンプ室部位32は、燃料タンク2の船底側Bの略全域にわたって空間を形成するように広がる。なお、第2タンク部位22の底壁75の高さ位置は特に限定されない。すなわち、上記構成では、底壁75が段差部72及び底壁74と同じ高さ位置に配置されていたが、底壁75は、内底板12によって構成されてもよい。
【0026】
段差部72の下方におけるポンプ室3の第2ポンプ室部位32内には、複数台のポンプ33が、船幅方向Wに一列に並ぶように配置されている。機関室1内においてポンプ33の上方Uの位置である段差部72上には、各ポンプ33を駆動するためのポンプタービン15がそれぞれ配設されている。そしてポンプ33は、ポンプタービン15により駆動されてカーゴスペース4内の荷油を吸い込み、陸上施設の接続口となる上甲板10上のマニホールドに送り出し、陸上施設への荷揚げを行う。ポンプ33は、ポンプタービン15に代えて、電動のモータによって駆動力を付与されてもよい。ポンプ33は、荷油を吸い込むための荷油ポンプとして用いられてよく、他の一部はバラスト水を吸い込むためのバラストポンプとして用いられてよい。なお、段差部72は主機14の上面よりも低い位置に設けられている。
【0027】
上部隔壁73は、下部隔壁71よりも上方Uに配置されると共に、下部隔壁71よりも船首側Fに配置される。第1隔壁5は、第3隔壁7の上部隔壁73及びポンプタービン15よりも船首側Fに位置する。すなわち、燃料タンク2の第1タンク部位21は、上部隔壁73と第1隔壁5との間に配置される。なお、燃料タンク2の第2タンク部位22は、上部隔壁73と第4隔壁8との間に配置される。燃料タンク2の第1タンク部位21及び第2タンク部位22の船尾側Sに配置される上部隔壁73は、例えば、船長方向FSにおいて同一平面に沿って配置される。
【0028】
第4隔壁8は、燃料タンク2の1対の第2タンク部位22とカーゴスペース4との間、及びポンプ室3の第1ポンプ室部位31とカーゴスペース4との間に配置される。燃料タンク2の1対の第2タンク部位22とカーゴスペース4との間に設けられた第4隔壁8と、ポンプ室3の第1ポンプ室部位31とカーゴスペース4との間に設けられた第4隔壁8とは、例えば、船長方向FSにおいて同一平面に沿って配置される。
【0029】
第5隔壁9は、機関室1を船尾側Sで区画するように配置されている。第5隔壁9は、機関室1と空間部64との間に配置される。第5隔壁9は、船長方向FS及び船幅方向Wにおいて、空間部64の形状に合わせて屈曲していてもよい。空間部64の上方Uには、例えば船舶100の操舵を行うための操舵装置等が設置される区画である舵機室が配置される。空間部64において、舵機室の船底側Bには、例えば、ビルジ、薬剤や潤滑油等を貯留するためのタンクなどを配置してもよく、他の用途に用いる空所としてもよい。船首部60又は船尾部62は、バラストタンクとして用いられてもよく、他の用途に用いる空所としてもよい。第3隔壁7、第4隔壁8、第5隔壁9、船首隔壁61及び船尾隔壁63は、船幅方向Wに延在すると共に、船底外板11から上甲板10まで延在するように配置されている。
【0030】
また、機関室1、ポンプ室3、カーゴスペース4の船底側Bは、船底外板11と、内底板12とによって2重船底構造とされている。従って、機関室1の底部には第1船底部41が配置される。第1船底部41には、ビルジ、薬剤や潤滑油等を貯留するためのタンクなどを配置してもよく、他の用途に用いる空所としてもよい。ポンプ室3の底部には第2船底部42が配置される。第2船底部42は、バラストタンクとして用いられてよく、他の用途のタンクを配置してもよい。カーゴスペース4の底部には第3船底部43が配置される。第3船底部43は、バラストタンクとして用いられてよく、他の用途に用いる空所としてもよい。
【0031】
機関室1の上方Uには、居住区13が設けられ、当該居住区13の上側にはブリッジ(操舵室)16が配置される。居住区13は、上下方向UBにおいて機関室1に対応する位置における上甲板10上に配置される。居住区13は、例えば、機関室1よりも船首側Fまで延在することで、船長方向FSの長さが船幅方向Wの長さに比して長く構成される。居住区13は、上部隔壁73より船首側Fへ延在している。なお、船舶の居住区13は、船首側Fにおいて機関室1とポンプ室3との間の隔壁の位置までしか延在できない。このため、居住区13は、船長方向FSに極力長くするために、船首側Fにおいて第1隔壁5まで延在している。居住区13は、例えば、船長方向FSにおいて第1隔壁5から船尾隔壁63までの長さを有し、船幅方向Wにおいて1対の第2隔壁6間の長さを有し、上面視矩形状を呈する。居住区13は、例えば、第1隔壁5、1対の第2隔壁6、第5隔壁9及び船尾隔壁63により支持される。第1隔壁5、第5隔壁9及び船尾隔壁63により、居住区13の船長方向FSにおける振動が抑制される。1対の第2隔壁6及び第5隔壁9により、居住区13の船幅方向Wにおける振動が抑制される。
【0032】
居住区13は、第1隔壁5の上端から船尾側Sに延在して配置される。ここで、居住区13が第1隔壁5の上端から船尾側Sに設けられている状態とは、船長方向FSにおいて、居住区13の船首側Fの端部13aが第1隔壁5と同位置に配置されている状態を示すものとする。居住区13は、例えば船尾隔壁63の上端から船首側Fに延在して配置される。居住区13が船尾隔壁63の上端から船首側Fに設けられている状態とは、船長方向FSにおいて、居住区13の船尾側Sの端部13bが船尾隔壁63と同位置に配置されている状態を示すものとする。これにより、居住区13の振動を低減し、配管、配線の取り合いの点でも有利となる。居住区13は、例えば、船長方向FSの長さが船幅方向Wの長さに比べて長い形状を有する。居住区13は、例えば、船幅方向Wにおいて1対の第2隔壁6の上端間に延在して配置される。居住区13が1対の第2隔壁6の上端間に設けられている状態とは、船幅方向Wにおいて、居住区13の両端部13c,13cが1対の第2隔壁6と同位置に配置されている状態を示すものとする(
図3参照)。
【0033】
機関室1の上方U、且つ、船幅方向Wにおける居住区13の両側には、エンジンケーシング17が設けられ、当該エンジンケーシング17の上部には煙突18が配置される。エンジンケーシング17は、機関室1に対応する位置における上甲板10上に配置される。エンジンケーシング17は、少なくとも1つ設けられる。エンジンケーシング17が1つの場合、エンジンケーシング17は、船幅方向Wにおいて居住区13の一方側に設けられる。船幅方向Wにおいて居住区13の他方側には、パイプを有しない部位が設けられていてもよい。エンジンケーシング17が少なくとも1対設けられる場合、エンジンケーシング17は、船幅方向Wにおける居住区13の両側に設けられ、第1隔壁5及び第3隔壁7の上部隔壁73より船尾側S且つ第5隔壁9より船首側Fに配置される。エンジンケーシング17は機関室1の一部の空間として構成されている。また、機関室1内には船舶100内のシステムを制御するための制御室(図示せず)が設けられている。
【0034】
ここで、比較例における船舶と本実施形態における船舶100との構造の違いを
図4、
図5及び
図6を用いて説明する。
図4は、比較例1及び比較例2に係る船舶の船尾側の構成を示す概略側面図である。
図5は、比較例1に係る船舶の船尾側の構成を示す
図4のV―V線に沿った概略断面図である。
図6は、比較例2に係る船舶の船尾側の構成を示す
図5のVI―VI線に沿った概略断面図である。比較例1における船舶200において、本実施形態における船舶100と同様の構成又は機能を有する部位については同一の数字を付し、最後にAを付した符号とする。比較例1における船舶200において、本実施形態における船舶100と同様の構成を有する部位については同一の数字を付す。比較例2における船舶300において、本実施形態における船舶100及び比較例1における船舶200と同様の構成又は機能を有する部位については同一の数字及び符号を付し、最後にBを付した符号とする。比較例2における船舶300において、本実施形態における船舶100及び比較例1における船舶200と同様の構成を有する部位については同一の数字及び符号を付す。
【0035】
図4及び
図5に示すように、比較例1の船舶200は、船尾側Sにおいて、船幅方向W中央に主機14を有する機関室1Aが設けられ、1対の機関隔壁201を隔てて機関室1Aの両側に1対の燃料タンク2Aが設けられている。1対の機関隔壁201は、第3隔壁7A及び第5隔壁9Aとそれぞれ接続している。ポンプ室3Aの第1ポンプ室部位31Aは、第3隔壁7の上部隔壁73と第4隔壁8との間に設けられている。
【0036】
比較例1の居住区13Aは、船首側Fにおいて、第3隔壁7Aの上部隔壁73Aまで延在する。居住区13Aは、船長方向FSの長さが船幅方向Wの長さに比して短く構成される。居住区13Aの船首側F及び両舷側は、1対の機関隔壁201及び第3隔壁7Aにより支持されている。すなわち、船長方向FSにおいて、居住区13Aの船首側Fの前端壁は、第3隔壁7Aの上部隔壁73Aの位置に配置されている。第3隔壁7Aの段差部72A上には、ポンプタービン15が配置されている。
【0037】
船幅方向Wにおいて、居住区13Aは、1対の機関隔壁201が配置されている間隔に合わせて延在しており、居住区13Aの船幅方向Wの1対の側端壁は、1対の機関隔壁201の位置に配置されている。居住区13Aの船尾側にエンジンケーシング17Aが設けられている。エンジンケーシング17Aは、1対の機関隔壁201及び第5隔壁9により支持されている。すなわち、船長方向FSにおいて、居住区13Aの船尾側Sの後端壁は、例えば、第5隔壁9の位置に配置されている。船幅方向Wにおいて、エンジンケーシング17Aは、1対の機関隔壁201が配置されている間隔に合わせて延在しており、エンジンケーシング17Aの船幅方向Wの1対の側端壁は、1対の機関隔壁201の位置に配置されている。
【0038】
図4及び
図6に示す比較例2の船舶300については、比較例1の構成と異なる点を説明する。居住区13Bは、機関室1の船首側Fの隔壁である第3隔壁7Aの上部隔壁73Aから船尾隔壁63まで延在している。居住区13Bは、船長方向FSの長さが船幅方向Wの長さに比して長く構成される。
【0039】
ここで、居住区13Bを船長方向FSに細長くすると、居住区13Bの側端壁の位置が、一対の機関隔壁201からずれてしまい、居住区13Bの側端壁を支持することができなくなり、振動が大きくなってしまう。それに対応するために、居住区13Bの下方である機関室1A内には、居住区13Bの船長方向FSに延在する1対の側端壁を支持する1対の支持壁301が、新設の部材として設けられる。各支持壁301は、上方Uに向かうにしたがって下部に比べて上部が船長方向FSに拡張された拡大部302を有する(
図4参照)。1対の支持壁301の拡大部302は、居住区13Bの船首側F且つ船幅方向Wの1対の側端壁を支持する。支持壁301の下部は、第3隔壁7Aの段差部72Aに設けられる。比較例2の船舶300における居住区13Bの下方の構造は、支持壁301を除いて比較例1の船舶200における居住区13Aの下方の構造と同一である。
【0040】
比較例1の船舶200の居住区13Aのように船長方向FSの長さが船幅方向Wの長さに比して短く構成されている居住区の場合、本実施形態の居住区13のように船長方向FSの長さが船幅方向Wの長さに比して長く構成されている居住区と比べて風圧の抵抗が大きい。また、比較例1の居住区13Aの前端壁は、第3隔壁7Aの上部隔壁73Aの位置までであるのに対し、本実施形態の居住区13の前端壁は、第3隔壁7の上部隔壁73より船首側Fの第1隔壁5の位置まで設けることができる。さらに、比較例1の居住区13Aの船尾側Sは、エンジンケーシング17の船首側Fの前端壁までしか延在できないが、本実施形態の居住区13は、第5隔壁9又は船尾隔壁63まで船尾側Sに延在できる。これらにより、比較例1に比べて、本実施形態の居住区は、設計の自由度が大きい。
【0041】
比較例2の船舶300における居住区13Bの下方の構造は、比較例1の船舶200における居住区13Aの下方の構造と同一であるため、第3隔壁7Aの段差部72A上に配置されたポンプタービン15と第3隔壁7Aの上部隔壁73Aとの間の狭い領域に支持壁301を配置することは困難であるし、配置したとしても空間利用の上で、支持壁301の存在が他の構成の制約となってしまう。仮に、第1ポンプ室部位31A内の配管を他の空間に再配置して、第3隔壁7Aの上部隔壁73Aを船首側Fに移動させることで支持壁301を新たに設けた場合、比較例2の船舶300は本実施形態の船舶100に比べて、重量が大きくなり、機関室1A内の空間が狭くなる。さらにこの場合、船舶300の船尾側Sには、
図6に図示していない燃料タンク及びエンジンケーシングを配置しなければならない。このため、機関室1A周辺(居住区13Bの下方の空間)及び居住区13Bの船幅方向Wにおける両側の空間に対する設計の自由度は小さく、船長方向FSの長さが船幅方向Wの長さに比して長く構成されている居住区13Bの構成を採用することができない可能性がある。
【0042】
一方で、本実施形態の船舶100において、居住区13の両舷側が1対の機関隔壁201により支持される形状を有しない場合であっても、第1隔壁5及び1対の第2隔壁6により支持されるため、比較例1の居住区13Aと同様、振動を抑制することができる。また、機関室1内に隔壁が新設されないため、居住区13の下方の空間の自由度を維持することができる。さらに、第3隔壁7の上部隔壁73より船首側Fに燃料タンク2が配置されることにより、燃料タンクを機関室1の船幅方向Wにおける両側に配置する必要がなくなり、第3隔壁7の上部隔壁73より船尾側Sにおける機関室1の設計の自由度を維持することができる。第1隔壁5を活用することにより居住区13の下方(船底側B)において隔壁を新設する必要がなくなるため、船舶の重量の増大が抑制される。
【0043】
本実施形態の船舶100は、比較例1の船舶200に配置されている1対の機関隔壁201、及び、比較例2の船舶300に配置されている支持壁301を設けなくてもよい。これにより、機関室1の設計の自由度を大きくすることができる。
【0044】
また、本実施形態の船舶100は、第1ポンプ室部位31の船長方向FSの長さを比較例における第1ポンプ室部位31Aの船長方向FSの長さより短くしている。例えば、第1ポンプ室部位31内に配置されていた配管をカーゴスペース4等に再配置することにより、船長方向FSにおいて第1ポンプ室部位31Aの長さより第1ポンプ室部位31の長さを縮小する。このように、第1ポンプ室部位31の船尾側Sの端部(第1隔壁5)が第1ポンプ室部位31Aの船尾側の端部より船首側Fに位置することで、燃料タンク2の第1タンク部位21をポンプタービン15と第1ポンプ室部位31との間に配置することができる。居住区13の船首側Fの端部は、船長方向FSにおいて、第3隔壁7の上部隔壁73より船首側Fの第1隔壁5の位置まで配置することができる。これにより、少なくとも船長方向FSにおいて第1ポンプ室部位31Aの長さを第1ポンプ室部位31の長さに縮小した分だけ、比較例1の居住区13A及び比較例2の居住区13Bの船首側Fの前端壁に比べて、本実施形態の居住区13の船首側Fの端部13aをより船首側Fに配置することができる。
【0045】
また、居住区13は、第1タンク部位21と第1ポンプ室部位31との間に配置された第1隔壁5により支持され、第1タンク部位21と1対の第2タンク部位22との間に配置された1対の第2隔壁6により支持される。これにより、居住区13が船首側Fに延在した場合であっても、居住区13の船首側Fは、第1隔壁5及び第3隔壁7の上部隔壁73により支持されるため、振動を抑制することができる。また、第1隔壁5及び第3隔壁7の上部隔壁73は、燃料タンク2及びポンプ室3を配置する上でどの船舶にも必要な構造であり、比較例2のように新たに支持壁301を配置することには該当しない。このため、居住区13を支持するにあたって、船舶100の重量の増加を抑制することができる。
【0046】
比較例1の船舶200では、機関室1Aの両側に燃料タンク2が設けられているため、エンジンケーシング17Aは、上甲板10Aにおいて居住区13Aの船尾側S且つ機関室1Aの上方Uに配置される。これに対して、本実施形態の船舶100のエンジンケーシング17は、燃料タンク2が機関室1の船首側Fに配置されることにより船幅方向Wにおいて居住区13の両側に配置することができる。このため、エンジンケーシング17Aの分だけ、船舶200の居住区13Aに比べて、船長方向FSにおける本実施形態の居住区13の船尾側Sの長さを長くすることができる。また、居住区13が船尾側Sに延在した場合であっても、居住区13の船尾側Sは、第5隔壁9及び船尾隔壁63により支持されるため、振動を抑制することができる。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る船舶100は、居住区の設計の自由度を高めることができる。また、燃料タンク2の上方Uでは、居住区13が第1隔壁5の位置まで船首側Fへ向かって延在可能な配置となっている。すなわち、居住区13を配置することができる範囲が、機関室1Aとポンプ室3Aとが隣り合うような構造に比べて、燃料タンク2の分だけ船首側Fへ拡大可能となる。これにより、居住区13の船首側Fの配置の制約を低減することができる。
【0048】
また、船幅方向Wにおいて居住区13は第1隔壁5により支持されることに加え、船長方向FSにおいて居住区13は1対の第2隔壁6により支持されることも可能となる。居住区13が第1隔壁5及び1対の第2隔壁6により支持されることで、居住区13の振動を抑制することができる。また、例えば、居住区13を船長方向FSにおいて支持するような支持ブラケット(例えば、比較例2における支持壁301)を別途新設する場合、居住区13の下方(船底側B)の空間の自由度が低下する。これに対し、1対の第2隔壁6を支持部材として流用することで、振動を抑制しつつも、居住区13の下方(船底側B)の空間の自由度も維持できる。さらに、燃料タンク2は1対の第2隔壁6により複数の区画に分断されるため、燃料タンクのいずれかの区画にコンタミネーションが生じた場合であってもコンタミネーションが生じていない他の区画を適切に選択して燃料を利用することができる。
【0049】
また、機関室1は、船幅方向Wにおいて居住区13の両側にそれぞれエンジンケーシング17を有している。このため、居住区13を配置することができる範囲が、例えば、居住区13の船尾側Sにエンジンケーシング17が設けられるような比較例1の構造に比べて、エンジンケーシング17Aの分だけ船尾側Sへ拡大可能となる。これにより、居住区13の船尾側Sの配置の制約を低減することができる。
【0050】
また、居住区13は、上部隔壁73より船首側Fへ延在している。すなわち、当該居住区13は、例えば上部隔壁73の位置に前端壁(船首側Fの端部)が配置されるような比較例1の居住区13A及び比較例2の居住区13Bに比して、船首側Fに拡大されている。居住区13が船首側Fへ拡大されることで、その分、居住区13の船幅方向Wの長さを狭くするような設計を行うことも可能となる。
【0051】
居住区13は、機関室1よりも船首側Fまで延在することで、船長方向FSの長さが船幅方向Wの長さに比して長く構成される。このような構成によれば、居住区13を船首側Fに拡大することによって、その分、居住区13の船幅側(船幅方向W)の長さを狭くして、船長方向FSに長い形状にすることができる。これにより、居住区13の風圧に対する抵抗を低減することができる。
【0052】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、燃料タンク2のすべてがポンプ室3の第2ポンプ室部位32上に配置されていなくてもよい。複数のカーゴスペース4の一部はバラストタンクであっても良い。1対の第2隔壁6は、1対でなくてもよく、1又は3以上の隔壁であってもよい。また、例えば、1対の第2隔壁6は、第1タンク部位21と第2タンク部位22とを分けなくてもよい。この場合、1対の第2隔壁6は、第1隔壁5と第3隔壁7の上部隔壁73との間に設けられており、第1隔壁5と第3隔壁7の上部隔壁73とにそれぞれ接続していなくてもよい。
【0053】
第3隔壁7の上部隔壁73は、居住区13を支持していてもよい。居住区13の船尾側Sは、第5隔壁9及び船尾隔壁63の双方に支持されていなくてもよく、第5隔壁9及び船尾隔壁63の少なくも一方に支持されていればよい。
【0054】
また、上記実施形態においては、特に好適であるとして、船舶100をタンカーとしているが、油だけでなく鉱石や石炭等の固形貨物(バルク)も積める兼用船に対しても適用可能であり、要は、船尾側Sから船首側Fに向かって、機関室、燃料タンク、ポンプ室、カーゴスペースが隔壁を隔てて並設された船舶に対して適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1…機関室、2…燃料タンク、3…ポンプ室、4…カーゴスペース、5…第1隔壁、6…第2隔壁、7…第3隔壁、8…第4隔壁、9…第5隔壁、10…上甲板、11…船底外板、12…内底板、13…居住区、14…主機、15…ポンプタービン、16…ブリッジ(操舵室)、17…エンジンケーシング、18…煙突、21…第1タンク部位、22…第2タンク部位、31…第1ポンプ室部位、32…第2ポンプ室部位、33…ポンプ、41…第1船底部、42…第2船底部、43…第3船底部、60…船首部、61…船首隔壁、62…船尾部、63…船尾隔壁、64…空間部、71…下部隔壁、72…段差部、73…上部隔壁、100…船舶、110…船体、B…船底側、F…船首側、FS…船長方向、S…船尾側、U…上方、UB…上下方向、W…船幅方向。