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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】搬送システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240227BHJP
   B25J 9/02 20060101ALI20240227BHJP
   B65G 49/06 20060101ALI20240227BHJP
   B65G 47/91 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/02 A
B65G49/06 A
B65G47/91 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020079940
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021174951
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史朗
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昇悟
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-311086(JP,A)
【文献】特開2013-18604(JP,A)
【文献】特開2002-174658(JP,A)
【文献】特開2003-267552(JP,A)
【文献】特開2018-34233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/02
B65G 49/06
B65G 47/91
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入されたワークを移動させる第1ロボットと、
前記第1ロボットにより移動された前記ワークが載置される第1載置部を備える第1排出機構と、
前記第1ロボットにより移動された前記ワークが載置され、第1方向に前記ワークを搬送するキャリッジと、
前記キャリッジにより搬送された前記ワークを移動させる第2ロボットと、
前記第2ロボットにより移動された前記ワークが載置される第2載置部を備える第2排出機構と、
を備え、
前記第2載置部は、前記第1載置部の前記第1方向の側に位置することを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送システムにおいて、
前記第1載置部および前記第2載置部は、前記第1方向に沿う方向に配置されていることを特徴とする搬送システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の搬送システムにおいて、
前記第1排出機構は、前記第1載置部にトレイを供給する第1トレイ供給機構を備え、
前記第2排出機構は、前記第2載置部にトレイを供給する第2トレイ供給機構を備え、
前記第1ロボットは、前記第1載置部に供給された前記トレイに前記ワークを載置し、
前記第2ロボットは、前記第2載置部に供給された前記トレイに前記ワークを載置することを特徴とする搬送システム。
【請求項4】
請求項3に記載の搬送システムにおいて、
前記第1載置部は、第1ロボットにより前記ワークが前記トレイに載置された後、前記トレイの厚み分、下方に移動し、
前記第1トレイ供給機構は、前記ワークが載置された前記トレイの上に、前記ワークが載置される前の別の前記トレイを積み重ねることを特徴とする搬送システム。
【請求項5】
請求項4に記載の搬送システムにおいて、
前記第2載置部は、第2ロボットにより前記ワークが前記トレイに載置された後、前記トレイの厚み分、下方に移動し、
前記第2トレイ供給機構は、前記ワークが載置された前記トレイの上に、前記ワークが載置される前の別の前記トレイを積み重ねることを特徴とする搬送システム。
【請求項6】
請求項4に記載の搬送システムにおいて、
前記第1排出機構は、前記トレイが予め設定された枚数積み重ねられた後、前記第1載置部から前記積み重ねられた前記トレイを排出する第1トレイ送出機構を備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項7】
請求項5に記載の搬送システムにおいて、
前記第2排出機構は、前記トレイが予め設定された枚数積み重ねられた後、前記第2載置部から前記積み重ねられた前記トレイを排出する第2トレイ送出機構を備えることを特徴とする搬送システム。
【請求項8】
請求項6に記載の搬送システムにおいて、
前記第1トレイ送出機構は、前記第1トレイ供給機構の下方に位置し、前記第1トレイ供給機構と上下方向で重なることを特徴とする搬送システム。
【請求項9】
請求項7に記載の搬送システムにおいて、
前記第2トレイ送出機構は、前記第2トレイ供給機構の下方に位置し、前記第2トレイ供給機構と上下方向で重なることを特徴とする搬送システム。
【請求項10】
請求項1から9の何れか一項に記載の搬送システムにおいて、
前記第1載置部が、前記第1方向に沿う方向に複数設けられていることを特徴とする搬送システム。
【請求項11】
請求項10に記載の搬送システムにおいて、
前記ワークは、表示パネルであり、
前記表示パネルは、良品、不良品、および再検査品の何れかであり、
前記良品の表示パネルは、前記第1ロボットにより、前記複数の前記第1載置部のうち一部の第1載置部に載置され、
前記再検査品の表示パネルは、前記第1ロボットにより、前記複数の前記第1載置部のうち他の一部の第1載置部に載置され、
前記再検査品の表示パネルは、前記第2ロボットにより、前記第2載置部に載置されることを特徴とする搬送システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを搬送する搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器等で使用される液晶表示装置の組立ラインに組み込まれる搬送システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の搬送システムは、ワークを第1方向に搬送するシャトルロボットと、シャトルロボットの搬送方向と直交する第2方向に並び、トレイが載置される複数の載置部と、シャトルロボットで搬送されたワークをトレイに移動させる搬送ロボットとを備える。搬送ロボットは、ピックアンドプレース型のロボットであり、トレイ吸着部を備えるヘッドと、ヘッドを第2方向に移動させる第2方向駆動部と、第2方向駆動部を第1方向に移動させる第1方向駆動部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-311086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の搬送システムでは、搬送システムのメンテナンス性の向上のために、トレイが載置された複数の載置部の第2方向の間隔を大きくした場合や、載置部の数が増えることで載置部が配置されているエリアの第2方向の幅が大きくなった場合、搬送ロボットの第2方向駆動部も第2方向に大きくなり、搬送ロボットが大型化する。このため、載置部の間隔や数は制限され、載置部のレイアウトを自由に行えないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、載置部のレイアウトによって搬送ロボットが大型化することを抑制することのできる搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の搬送システムは、搬入されたワークを移動させる第1ロボットと、前記第1ロボットにより移動された前記ワークが載置される第1載置部を備える第1排出機構と、前記第1ロボットにより移動された前記ワークが載置され、第1方向に前記ワークを搬送するキャリッジと、前記キャリッジにより搬送された前記ワークを移動させる第2ロボットと、前記第2ロボットにより移動された前記ワークが載置される第2載置部を備える第2排出機構とを備え、前記第2載置部は、前記第1載置部の前記第1方向の側に位置することを特徴とする。
【0007】
本発明では、第2載置部は、第1載置部の前記第1方向の側に位置する。このように構成することで、キャリッジにより第1方向に搬送されたワークは、第2ロボットにより、第2載置部に載置される。したがって、第1ロボットは、第2載置部にワークを載置しないため、第1載置部と第2載置部との第1方向の間隔を大きくしても、第1ロボットを大型化する必要がない。よって、メンテナンス性を向上させるなどの目的で、第1載置部と第2載置部との第1方向の間隔を大きくしても、キャリッジによりワークが第1方向に搬送されるため、第1ロボットが大型化することを抑制できる。
【0008】
本発明において、前記第1載置部および前記第2載置部は、前記第1方向に沿う方向に
配置されている構成を採用することができる。
【0009】
本発明において、前記第1排出機構は、前記第1載置部にトレイを供給する第1トレイ供給機構を備え、前記第2排出機構は、前記第2載置部にトレイを供給する第2トレイ供給機構を備え、前記第1ロボットは、前記第1載置部に供給された前記トレイに前記ワークを載置し、前記第2ロボットは、前記第2載置部に供給された前記トレイに前記ワークを載置することが好ましい。このように構成することで、第1ロボットおよび第2ロボットは、各々、トレイにワークを収容することができる。
【0010】
本発明において、前記第1載置部は、第1ロボットにより前記ワークが前記トレイに載置された後、前記トレイの厚み分、下方に移動し、前記第1トレイ供給機構は、前記ワークが載置された前記トレイの上に、前記ワークが載置される前の別の前記トレイを積み重ねることが好ましい。このように構成すれば、トレイの高さを一定に保つことができるので、第1ロボットが高さ方向に大型化することを抑制することができる。
【0011】
本発明において、前記第2載置部は、第2ロボットにより前記ワークが前記トレイに載置された後、前記トレイの厚み分、下方に移動し、前記第2トレイ供給機構は、前記ワークが載置された前記トレイの上に、前記ワークが載置される前の別の前記トレイを積み重ねることが好ましい。このように構成すれば、トレイの高さを一定に保つことができるので、第2ロボットが高さ方向に大型化することを抑制することができる。
【0012】
本発明において、前記第1排出機構は、前記トレイが予め設定された枚数積み重ねられた後、前記第1載置部から前記積み重ねられた前記トレイを排出する第1トレイ送出機構を備える態様を採用することができる。この場合、本発明において、前記第1トレイ送出機構は、前記第1トレイ供給機構の下方に位置し、前記第1トレイ供給機構と上下方向で重なることが好ましい。このように構成すれば、第1排出機構の設置面積をコンパクトにすることができる。
【0013】
本発明において、前記第2排出機構は、前記トレイが予め設定された枚数積み重ねられた後、前記第2載置部から前記積み重ねられた前記トレイを排出する第2トレイ送出機構を備える態様を採用することができる。この場合、本発明において、前記第2トレイ送出機構は、前記第2トレイ供給機構の下方に位置し、前記第2トレイ供給機構と上下方向で重なることが好ましい。このように構成すれば、第2排出機構の設置面積をコンパクトにすることができる。
【0014】
本発明において、前記第1載置部が、前記第1方向に沿う方向に複数設けられている態様を採用することができる。この場合、本発明において、前記ワークは、表示パネルであり、前記表示パネルは、良品、不良品、および再検査品の何れかであり、前記良品の表示パネルは、前記第1ロボットにより、前記複数の前記第1載置部のうち一部の第1載置部に載置され、前記再検査品の表示パネルは、前記第1ロボットにより、前記複数の前記第1載置部のうち他の一部の第1載置部に載置され、前記再検査品の表示パネルは、前記第2ロボットにより、前記第2載置部に載置される態様を採用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の搬送システムでは、載置部のレイアウトを自由に行っても、第1ロボットの大型化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態にかかる搬送システムの平面図である。
図2】搬送システムの正面図である。
図3】搬送システムの側面図である。
図4】搬送システムの斜視図である。
図5】分離機構の動きを説明する図である。
図6】積上機構の動きを説明する図である。
図7】第2実施形態にかかる搬送システムの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態を説明する。以下の説明では、ワークが表示パネル100である場合を中心に説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる搬送システムの平面図である。図2は、搬送システムの正面図であり、図2(a)は、図1のA-A方向から搬送システムを示す正面図であり、図2(b)は、図1のB-B方向から搬送システムを示す正面図である。図3は、搬送システムの側面図であり、図3(a)は、図2(a)のC-C方向から搬送システムを示す側面図であり、図3(b)は、図2(a)のD-D方向から搬送システムを示す側面図である。図4は、搬送システムの斜視図である。図5は、分離機構の動きを説明する図である。図6は、積上機構の動きを説明する図である。
【0018】
(搬送システムの全体構成)
本形態の搬送システム1は、携帯機器等で使用される小型の液晶ディスプレイの製造ラインに組み込まれて使用される。前工程で検査されたワークである表示パネル100が搬入機構9によって搬入されると、搬送システム1は、搬入された表示パネル100の検査結果に基づいて搬送する。表示パネル100は、液晶パネルや有機ELパネル等である。表示パネル100は、矩形状に形成されている。本形態において、前工程は、表示パネル100の点灯検査の工程であり、表示パネル100は、点灯検査の検査結果に基づいて、良品、不良品、再検査品の何れかに分類される。
【0019】
図1図4に示すように、搬送システム1は、搬入された表示パネル100を移動させる第1ロボット2と、第1ロボット2により移動された表示パネル100が載置される第1載置部31を備える第1排出機構3Aと、第1ロボット2により移動された表示パネル100が載置され、第1方向に表示パネル100を搬送するキャリッジ4と、キャリッジ4により搬送された表示パネル100を移動させる第2ロボット5と、第2ロボット5により移動された表示パネル100が載置される第2載置部34を備える第2排出機構3Bとを備える。また、第1排出機構3Aの第1載置部31には、空のトレイ10が載置されており、第1ロボット2は、空のトレイ10に表示パネル100を移動させる。同様に、第2排出機構3Bの第2載置部34には、空のトレイ10が載置されており、第2ロボット5は、空のトレイ10に表示パネル100を移動させる。本形態のトレイ10は、略長方形の平板状に形成されている。トレイ10の上面には、表示パネル100が収容される凹部が形成されている。
【0020】
ここで、図において、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、およびZ軸とする。キャリッジ4は、Y軸に沿って延在する。Z軸は鉛直軸である。Y軸において、キャリッジ4が表示パネル100を搬送する方向をY1方向とし、その反対をY2方向とする。Z軸において、上方をZ1方向とし、下方をZ2方向とする。X軸において、一方をX1方向とし、その反対をX2方向とする。本形態において、Y1方向は第1方向である。
【0021】
(搬入機構)
図1図4に示すように、搬入機構9は、前工程で検査された表示パネル100を、搬送システム1まで搬送する。搬入機構9は、表示パネル100が載置されるステージ91と、ステージ91をX軸方向に搬送する搬送部92とを備える。搬入機構9は、電動シリ
ンダなどからなる。搬入機構9は、X2方向の端部でステージ91に載置された表示パネル100を、X2方向の端部からX1方向の端部まで搬送する。ステージ91には、2つの表示パネル100が載置される。
【0022】
(第1ロボット)
図1図4に示すように、第1ロボット2は、ピックアンドプレース型のロボットである。第1ロボット2は、表示パネル100を保持する保持部24をZ軸方向に移動可能に支持するヘッド21と、ヘッド21をY軸方向に移動させるY軸搬送部22と、Y軸搬送部22をX軸方向に移動させるX軸搬送部23とを備える。保持部24は、表示パネル100を吸着することにより、表示パネル100を保持する。保持部24は、ステージ91に載置された2つの表示パネル100を同時に保持することが可能である。Y軸搬送部22およびX軸搬送部23は、電動シリンダなどからなる。
【0023】
したがって、第1ロボット2は、保持部24をX軸、Y軸方向およびZ軸方向に移動させることが可能であるので、搬入機構9によって搬入された表示パネル100を、第1載置部31またはキャリッジ4のステージ41に移動させることが可能である。第1ロボット2は、前工程で検査された表示パネル100の検査結果に基づいて、表示パネル100を、第1載置部31またはキャリッジ4のステージ41に移動させる。具体的には、第1ロボット2は、表示パネル100が良品であれば、第1載置部31Aに表示パネル100を移動させ、表示パネル100が再検査品であれば、第1載置部31Bに表示パネル100を移動させ、表示パネル100が不良品であれば、キャリッジ4のステージ41に表示パネル100を移動させる。
【0024】
(第1排出機構)
図1図2(a)、図3に示すように、第1排出機構3Aは、第1載置部31と、第1載置部31に空のトレイ10を供給する第1トレイ供給機構32と、第1載置部31に載置されたトレイ10を排出する第1トレイ送出機構33とを備える。また、第1排出機構3Aは、第1トレイ送出機構33から排出されたトレイ10を取り出すための台車61と、第1トレイ供給機構32に段積状態の空のトレイ10を搬送するトレイ搬送部62と、トレイ搬送部62から第1トレイ供給機構32に、空のトレイ10を搬送する移動部63とを備える。
【0025】
第1載置部31は、トレイ10が載置される2つの支持部311を備える。支持部311は、Y軸方向に延びる基部315の両端からX1方向に延びている。第1載置部31には、支持部311および基部315で囲まれた開口部313が設けられている。支持部311は、基部315を介して位置調整部312により、上下方向に移動する。位置調整部312は、電動シリンダなどからなり、支持部311に載置されたトレイ10の段数に応じて、支持部311を上下方向に移動させる。本形態において、第1載置部31は、第1方向に沿う方向に、2つ配置されている。2つの第1載置部31は、一方が第1載置部31Aで、他方が第1載置部31Bである。第1載置部31Aは、第1載置部31BのY1方向の側に位置する。第1載置部31Aに載置されたトレイ10には、良品の表示パネル100が収容され、第1載置部31Bに載置されたトレイ10には、再検査品の表示パネル100が収容される。
【0026】
第1トレイ供給機構32は、積み重ねられたトレイ10を保持するとともに、積み重ねられたトレイ10から下段に配置されているトレイ10を分離する分離機構37と、分離したトレイ10を搬送するステージ38と、ステージ38で搬送されたトレイ10を支持部311に載置する積上機構39とを備える。
【0027】
分離機構37は、トレイ10に対してY軸方向の両側に位置する一対の部分からなる。
分離機構37は、最下段のトレイ10が載置される第1爪部371と、最下段より一段上のトレイ10を支持する第2爪部372と、段積状態のトレイ10から最下段のトレイ10を分離するための分離爪部373とを備える。また、分離機構37は、トレイ10の有無を検知するトレイ検出センサ374と、トレイストッパ375とを備える。
【0028】
第1爪部371は、Z2方向の側から突出する爪部分371Aを備える(図5参照)。第1爪部371は、シリンダ等により、上下方向に移動する。対向する第1爪部371のY軸方向の間隔は、トレイ10のY軸方向の幅より僅かに狭い。すなわち、第1爪部371の爪部分371Aは、トレイ10のY軸方向の両端において、トレイ10を支持する。
【0029】
第2爪部372は、Z2方向の側から突出する爪部分372Aを備える(図5参照)。第2爪部372は、シリンダ等により、上下方向およびY軸方向に移動する。具体的には、対向する第2爪部372は、トレイ10のY軸方向の両端において、爪部分372Aがトレイ10を支持する間隔から、トレイ10を支持しない間隔となるように移動する。
【0030】
分離爪部373は、Z2方向の側から突出する爪部分373Aを備える(図5参照)。分離爪部373は、シリンダ等により、上下方向およびY軸方向に移動する。具体的には、対向する分離爪部373は、トレイ10のY軸方向の両端において、爪部分373Aがトレイ10を支持する間隔から、トレイ10を支持しない間隔となるように移動する。
【0031】
トレイストッパ375は、分離機構37のX1方向の側に位置する。トレイストッパ375は、仕切り板376と、仕切り板376をY軸方向に移動させるシリンダ377とを備える。仕切り板376は、金属製の板であり、分離機構37に保持されたトレイ10のX1方向の側の位置が規制する。シリンダ377は、分離機構37のY1方向の側に位置する。
【0032】
ステージ38は、移動機構381により、X軸方向およびZ軸方向に移動する。分離機構37で分離された最下段のトレイ10がステージ38に載置されると、移動機構381は、ステージ38をX2方向に移動させる。積上機構39は、ステージ38で搬送されたトレイ10を支持部311に載置する。
【0033】
積上機構39は、支持部311に対してY軸方向の両側に位置する一対の部分からなる。積上機構39は、最下段のトレイ10が載置される第1爪部371と、最下段より一段上のトレイ10を支持する第2爪部372と、段積状態のトレイ10から最下段のトレイ10を分離するための分離爪部373とを備える。また、積上機構39は、トレイ10の有無を検知するトレイ検出センサ393を備える。
【0034】
第1爪部391は、Z2方向の側から突出する爪部分391Aを備える(図6参照)。第1爪部391は、シリンダ等により、Y軸方向に移動する。具体的には、対向する第1爪部391は、支持部311に載置されたトレイ10のY軸方向の両端において、爪部分391Aがトレイ10を支持する間隔から、トレイ10を支持しない間隔となるように移動する。
【0035】
第2爪部392は、Z2方向の側から突出する下爪部分392Aと、Z1方向の側から突出する上爪部分392Bを備える(図6参照)。第2爪部392は、シリンダ等により、上下方向およびY軸方向に移動する。具体的には、対向する第2爪部392は、支持部311に載置されたトレイ10のY軸方向の両端において、下爪部分392Aおよび上爪部分392Bがトレイ10を支持する間隔から、トレイ10を支持しない間隔となるように移動する。
【0036】
第1トレイ送出機構33は、第1載置部31に載置されたトレイ10を台車61に搬送する。第1トレイ送出機構33は、第1トレイ供給機構32の下方に位置し、第1載置部31と上下方向で重なる。第1トレイ送出機構33は、ベルトコンベア331で構成される。ベルトコンベア331は、X軸方向に延在する。図3(a)に示すように、ベルトコンベア331のY軸方向の幅は、支持部311のY軸方向の間隔より狭い。また、図2(a)に示すように、ベルトコンベア331のX2方向の側の端部は、基部315より、X1方向に位置する。したがって、支持部311が位置調整部312により上下方向に移動した際、ベルトコンベア331は開口部313を通過することが可能である。
【0037】
台車61は、第1トレイ送出機構33によって排出されたトレイ10を、第1排出機構3Aから取り出すために用いられる。台車61は、ベルトコンベア611を備える。ベルトコンベア611の下方には、ベルトコンベア611を上下方向に移動させるリフト612が設けられている。リフト612は、ベルトコンベア611の高さが、ベルトコンベア331の高さと同じになるように、ベルトコンベア611を上下に移動させる。台車61は、X2方向の端部に、第1トレイ送出機構33と連結する連結部613を備える。台車61でトレイ10を取り出す場合を除いて、連結部613は第1トレイ送出機構33と連結することにより、台車61は固定されている。
【0038】
トレイ搬送部62は、積み重ねられたトレイ10をX2方向に搬送する。トレイ搬送部62は、X軸方向に延在し、ローラコンベアなどからなる。トレイ搬送部62のY軸方向の両端には、ローラ部621が設けられ、Y軸方向の中央部分には、開口部622が設けられている。ローラ部621は不図示の駆動部により回転し、ローラ部621が回転することにより、トレイ10は搬送される。トレイ搬送部62は、下流のトレイストッパ623Aと、上流のトレイストッパ623Bとを備える。トレイストッパ623Aは、仕切り板624Aと、仕切り板624AをY軸方向に移動させるシリンダ625Aとを備える。トレイストッパ623Bは、仕切り板624Bと、仕切り板624BをY軸方向に移動させるシリンダ625Bとを備える。仕切り板624Aおよび仕切り板624Bは、金属製の板であり、ローラ部621で搬送されるトレイ10のX2方向への移動を規制する。シリンダ625Aおよびシリンダ625Bは、ローラ部621のY2方向の側に位置する。
【0039】
トレイ搬送部62には、下流のトレイ検出センサ626Aと、上流のトレイ検出センサ626Bが設けられている。トレイ検出センサ626Aおよびトレイ検出センサ626Bは、フォトセンサなどからなり、トレイ10の位置を検知する。
【0040】
移動部63は、トレイ10が載置されるステージ631と、ステージ631をX軸方向に移動させる駆動部632と、駆動部632を介してステージ631を上下方向に移動させるリフト633とを備える。ステージ631は、X軸方向の両端から上方に向かって突出するガイド部634を備える。ステージ631のY軸方向の幅は、対向する第1爪部371のY軸方向の幅およびトレイ搬送部62の開口部622のY軸方向の幅より狭い。したがって、ステージ631は、対向する第1爪部371の間およびトレイ搬送部62の開口部622を上下方向に通過することが可能な大きさである。
【0041】
ステージ631には、ガイド部634で位置決めされた状態で、トレイ10が載置される。駆動部632は、分離機構37とステージ631が上下方向に重なる位置から、トレイ搬送部62の開口部622とステージ631が上下方向で重なる位置まで、ステージ631を移動させる。
【0042】
ここで、第1排出機構3Aの動きについて説明する。まずは、トレイ搬送部62から第1トレイ供給機構32に段積状態のトレイ10を搬送する動きについて説明する。トレイ搬送部62には、段積状態のトレイ10が2組搬入されている。この際、上流のシリンダ
625Bは、仕切り板624BをY1方向に移動させることにより、トレイ10はX2方向への移動が規制されている。同様に、下流のシリンダ625Aは、仕切り板624AをY1方向に移動させることにより、トレイ10はX2方向への移動が規制されている。また、この状態において、ステージ631は、トレイ搬送部62の開口部622の下方において、上下方向で重なった位置に位置する。
【0043】
分離機構37にトレイ10が載置されていない状態であると、シリンダ377は、仕切り板376をY1方向に移動させる。リフト633はステージ631を上方に移動させるとともに、下流のシリンダ625Aが仕切り板624AをY2方向に移動させる。これにより、ステージ631はトレイ搬送部62の開口部622を通過するため、ステージ631には段積状態のトレイ10が載置される。そして、駆動部632は、ステージ631をX2方向に移動させ、分離機構37と上下方向に重なると、ステージ631の移動を停止する。
【0044】
このとき、ステージ631は、後述するように、分離機構37の第1爪部371より上方に位置する。そして、リフト633は、ステージ631を第1爪部371より下方の位置に移動させる。これにより、ステージ631に載置されていたトレイ10は、第1爪部371に載置される。そして、シリンダ377は、仕切り板376をY2方向に移動させ、第1爪部371に載置されたトレイ10のX1方向の側の位置を仕切り板376で規制する。
【0045】
ステージ631が初期状態の位置に位置すると、下流のシリンダ625Aは、仕切り板624AをY1方向に移動させ、上流のシリンダ625Bは、仕切り板624BをY2方向に移動させる。そして、トレイ搬送部62は、上流にあるトレイ10の搬送を再開する。上流のトレイ検出センサ626Bがトレイ10の通過を検出すると、上流のシリンダ625Bは、仕切り板624BをY1方向に移動させる。下流のトレイ検出センサ626Aがトレイ10の到達を検出すると、トレイ搬送部62は、トレイ10を搬送することを停止する。
【0046】
次に、第1トレイ供給機構32の動きについて図5および図6を用いて説明する。なお、図5および図6は、Y1方向の側の分離機構37および積上機構39を示している。
【0047】
分離機構37の動きを説明する。図5(a)に示すように、ステージ631が分離機構37の第1爪部371より上方に位置する際は、第1爪部371は、トレイ10と上下方向で重なる位置に位置する。一方、第2爪部372および分離爪部373は、トレイ10と上下方向で重ならない位置に退避している。
【0048】
図5(b)に示すように、ステージ631が第1爪部371より下方に移動すると、トレイ10は第1爪部371に載置される。図5(c)に示すように、ステージ631が初期状態の位置に移動すると、第2爪部372および分離爪部373は、Y2方向に移動する。具体的には、第2爪部372の爪部分372Aおよび分離爪部373の爪部分373Aが、最下段のトレイ10および最下段のトレイ10より一段上のトレイ10の間に位置するように、第2爪部372および分離爪部373はY2方向に移動する。
【0049】
図5(d)に示すように、第1爪部371および分離爪部373は、下方に移動する。この際、最下段のトレイ10より一段上のトレイ10は第2爪部372に支持されるため、最下段のトレイ10は第1爪部371および分離爪部373によって、段積状態のトレイ10から分離される。分離された最下段のトレイ10は、ステージ38に載置される。図5(e)に示すように、分離爪部373がY1方向に移動すると、ステージ38はトレイ10を積上機構39まで搬送する。
【0050】
図5(f)に示すように、第1爪部371は上方に移動し、爪部分371Aでトレイ10を支持する。図5(g)(h)に示すように、分離爪部373はY1方向に移動した後、上方に移動する。そして、トレイ10が無くなったことを、トレイ検出センサ374が検知するまで、分離機構37は図5(c)~(h)の動作を繰り返す。
【0051】
積上機構39の動きを説明する。図6(a)に示すように、ステージ38により、トレイ10が積上機構39まで搬送されると、図6(b)に示すように、第1爪部391がY2方向に移動する。具体的には、爪部分391Aが、トレイ10と上下方向で重なる位置まで移動する。図6(c)に示すように、ステージ38が下方に移動することにより、トレイ10が第1爪部391の爪部分391Aに載置される。
【0052】
図6(d)に示すように、ステージ38がX1方向に移動した後、第2爪部392がY2方向に移動する。具体的には、下爪部分392Aおおよび上爪部分392Bが、トレイ10と上下方向で重なる位置まで移動する。図6(e)に示すように、第1爪部391がY1方向に移動すると、図6(f)に示すように、第2爪部392は下方に移動する。これにより、表示パネル100が載置された段済み状態のトレイ10の上に、表示パネル100が載置される前の空のトレイ10が積み重ねられる。この際、上爪部分392Bがトレイ10を上方より押さえつけるため、トレイ10は段積状態のトレイ10の最上段に確実に積み重ねられる。トレイ10が積み重なった後、図6(g)に示すように、第2爪部392はY1方向に移動するとともに上方に移動する。第2爪部392が移動した後、第1ロボット2により、表示パネル100が最上段に空のトレイ10に載置される。第1ロボット2により表示パネル100トレイ10に載置された後、支持部311はトレイの厚み分、下方に移動する。その後、トレイ検出センサ394により、予め設定された枚数のトレイ10が支持部311に積み重ねられたことを検知するまで、積上機構39は、図6(a)~(g)の動作を繰り返す。
【0053】
上記の動作により、第1トレイ供給機構32は、第1載置部31において、表示パネル100が載置されたトレイ10の上に、表示パネル100が載置される前の別のトレイ10を積み重ねる。
【0054】
次に、第1トレイ送出機構33の動作を説明する。支持部311に所定枚数のトレイ10が積み重ねられた後、位置調整部312は支持部311をベルトコンベア331より下方まで移動させる。このとき、ベルトコンベア331が開口部313を通過することにより、支持部311に載置されていたトレイ10は、ベルトコンベア331に載置される。ベルトコンベア331にトレイ10が載置された後、ベルトコンベア331は、トレイ10を台車61まで搬送する。このとき、台車61のベルトコンベア611は、第1トレイ送出機構33のベルトコンベア331の動きに連動して、作動する。トレイ10が台車61に搬送された後、位置調整部312は支持部311を上方に移動させる。
【0055】
(キャリッジ)
図1図4に示すように、キャリッジ4は、Y軸方向に延在する。具体的には、キャリッジ4は、Y方向において、第1載置部31Aおよび第2載置部34との間隔より長く延在する。キャリッジ4は、表示パネル100が載置されるステージ41と、ステージ41をY軸方向に搬送する搬送部42とを備える。ステージ41は、表示パネル100が2枚載置可能な大きさである。搬送部42は、電動シリンダなどからなる。第1ロボット2により、ステージ41に不良品の表示パネル100が載置されると、キャリッジ4は、Y2方向の端部からY1方向の端部までステージ41を搬送させる。ステージ41には、2つの表示パネル100が載置される。
【0056】
(第2ロボット)
図1図4に示すように、第2ロボット5は、ピックアンドプレース型のロボットである。第2ロボット5は、表示パネル100を保持する保持部54をZ軸方向に移動可能に支持するヘッド51と、ヘッド51をY軸方向に移動させるY軸搬送部52と、Y軸搬送部52をX軸方向に移動させるX軸搬送部53とを備える。保持部54は、表示パネル100を吸着することにより、表示パネル100を保持する。保持部54は、ステージ41に載置された2つの表示パネル100を同時に保持することが可能である。Y軸搬送部52およびX軸搬送部53は、電動シリンダなどからなる。したがって、第2ロボット5は、保持部54をX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動させることが可能であるので、キャリッジ4によって搬入された不良品の表示パネル100を、第2載置部34に移動させることが可能である。
【0057】
(第2排出機構)
図1図2(b)に示すように、第2排出機構3Bは、第2載置部34と、第2載置部34に空のトレイ10を供給する第2トレイ供給機構35と、第2載置部34に載置されたトレイ10を排出する第2トレイ送出機構36とを備える。第2トレイ供給機構35によって、第2載置部34に載置されたトレイ10には、不良品の表示パネル100が収容される。
【0058】
第2排出機構3Bの第2載置部34は、第1排出機構3Aの第1載置部31と同一の構成である。第2排出機構3Bの第2トレイ供給機構35は、第1排出機構3Aの第1トレイ供給機構32と同一の構成である。第2排出機構3Bの第2トレイ送出機構36は、第1排出機構3Aの第1トレイ送出機構33と同一の構成である。したがって、第2排出機構3Bにおいて、第1排出機構3Aと対応する構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0059】
図1に示すように、第2載置部34は、第1載置部31のY1方向の側に位置する。また、第1載置部31および第2載置部34は、キャリッジ4の搬送方向である第1方向(Y1方向)に沿った方向に配置されている。すなわち、第1載置部31と第2載置部34は、キャリッジ4に沿ってY軸方向に並んでいる。
【0060】
本形態では、第2排出機構3Bは、第2トレイ送出機構36から排出されたトレイ10を取り出すための台車61を備えていない。このため、作業員によって、第2トレイ送出機構36からトレイ10が取り出される。具体的には、支持部311に所定枚数のトレイ10が積み重ねられた後、位置調整部312は支持部311をベルトコンベア331より下方まで移動させる。このとき、支持部311に載置されていたトレイ10は、ベルトコンベア331に載置される。ベルトコンベア331にトレイ10が載置された後、ベルトコンベア331は、ベルトコンベア331のX1方向の側の端部まで、トレイ10を搬送する。ベルトコンベア331のX1方向の側の端部までトレイ10が搬送された後、位置調整部312は支持部311を上方に移動させる。そして、作業員によって、トレイ10が第2トレイ送出機構36からトレイ10が取り出される。
【0061】
本形態では、第2排出機構3Bは、第2トレイ供給機構35に段積状態の空のトレイ10を搬送するトレイ搬送部62と、トレイ搬送部62から第2トレイ供給機構35に、空のトレイ10を搬送する移動部63とを備えていない。このため、第2トレイ供給機構35には、作業員によってトレイ10が搬送される。作業員によって、トレイ10が第2トレイ供給機構35に搬送されると、トレイ10が無くなったことをトレイ検出センサ374が検知するまで、分離機構37は、図5(c)~(h)の動作を繰り返す。そして、積上機構39は、図6の動作を繰り返す。なお、第2排出機構3Bにおいて、図6(g)の動作は、第2爪部392が移動した後、第1ロボット2により、表示パネル100が最上
段に空のトレイ10に載置される。上記の動作により、第2トレイ供給機構35は、第2載置部34において、表示パネル100が載置されたトレイ10の上に、表示パネル100が載置される前の別のトレイ10を積み重ねる。
【0062】
(本形態の主な作用効果)
本形態の搬送システム1は、搬入された表示パネル100を移動させる第1ロボット2と、第1ロボット2により移動された表示パネル100が載置される第1載置部31を備える第1排出機構3Aと、第1ロボット2により移動された表示パネル100が載置され、第1方向(Y1方向)に表示パネル100を搬送するキャリッジ4と、キャリッジ4により搬送された表示パネル100を移動させる第2ロボット5と、第2ロボット5により移動された表示パネル100が載置される第2載置部34を備える第2排出機構3Bとを備える。また、本形態の搬送システム1において、第2載置部34は、第1載置部31の第1方向の側に位置する。このように構成することで、キャリッジ4により第1方向に搬送された表示パネル100は、第2ロボット5により、第2載置部に載置される。したがって、第1ロボット2は、第2載置部34に表示パネル100を載置しないため、第1載置部31と第2載置部34との第1方向の間隔を大きくしても、第1ロボット2を大型化する必要がない。よって、メンテナンス性を向上させるなどの目的で、第1載置部31と第2載置部34との第1方向の間隔を大きくしても、キャリッジ4により表示パネル100が第1方向に搬送されるため、第1ロボット2が大型化することを抑制できる等、載置部のレイアウトによって搬送ロボットが大型化することを抑制することができる。
【0063】
本形態では、第1排出機構3Aは、第1載置部31にトレイ10を供給する第1トレイ供給機構32を備え、第2排出機構3Bは、第2載置部34にトレイを供給する第2トレイ供給機構35を備え、第1ロボット2は、第1載置部31に供給されたトレイ10に表示パネル100を載置し、第2ロボット5は、第2載置部34に供給されたトレイ10に表示パネル100を載置する。このように構成することで、第1ロボット2および第2ロボット5は、各々、トレイ10に表示パネル100を収容することができる。
【0064】
本形態では、第1載置部31は、第1ロボット2により表示パネル100がトレイ10に載置された後、トレイ10の厚み分、下方に移動し、第1トレイ供給機構32は、表示パネル100が載置されたトレイ10の上に、表示パネル100が載置される前の別のトレイ10を積み重ねる。このように構成すれば、トレイ10の高さを一定に保つことができるので、第1ロボット2が高さ方向に大型化することを抑制することができる。
【0065】
本形態では、第2載置部34は、第2ロボット5により表示パネル100がトレイ10に載置された後、トレイ10の厚み分、下方に移動し、第2トレイ供給機構35は、表示パネル100が載置されたトレイ10の上に、表示パネル100が載置される前の別のトレイ10を積み重ねる。このように構成すれば、トレイ10の高さを一定に保つことができるので、第2ロボット5が高さ方向に大型化することを抑制することができる。
【0066】
本形態では、第1排出機構3Aは、トレイ10が予め設定された枚数積み重ねられた後、第1載置部31から積み重ねられたトレイ10を排出する第1トレイ送出機構33を備える。第1トレイ送出機構33は、第1トレイ供給機構32の下方に位置し、第1トレイ供給機構32と上下方向で重なる。このように構成すれば、第1排出機構3Aの設置面積をコンパクトにすることができる。
【0067】
本形態では、第2排出機構3Bは、トレイ10が予め設定された枚数積み重ねられた後、第2載置部34から積み重ねられたトレイ10を排出する第2トレイ送出機構36を備える。第2トレイ送出機構36は、第2トレイ供給機構35の下方に位置し、第2トレイ供給機構35と上下方向で重なる。このように構成すれば、第2排出機構3Bの設置面積
をコンパクトにすることができる。
【0068】
(第2実施形態)
図7を参照して、本発明の第2実施形態に係る搬送システム1について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同様の構成には第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
第1実施形態では、第1載置部31は、第1方向に沿う方向に、第1載置部31Aおよび第1載置部31Bとして、2つ配置されていたが、本形態では、第1載置部31は1つ配置される構成である。また、第1実施形態では、第2載置部34は1つ配置されていたが、本形態では、第2載置部34は、2つ配置される構成である。2つの第2載置部34は、一方が第2載置部34Aで、他方が第2載置部34Bである。第2載置部34Aは、第1排出機構3Aの第1載置部31のY2方向の側に位置し、第2載置部34Bは、第1排出機構3Aの第1載置部31のY1方向の側に位置する。
【0070】
本形態では、キャリッジ4は、第1キャリッジ4Aおよび第2キャリッジ4Bとして、2つ配置されている。第1キャリッジ4Aおよび第2キャリッジ4Bは、Y軸方向に延在する。また、第2ロボット5は、第2ロボット5Aと第2ロボット5Bとして、2つ配置されている。第2ロボット5Aは、第1キャリッジ4Aで搬送された表示パネル100を、第2載置部34Aに移動させる。第2ロボット5Bは、第2キャリッジ4Bで搬送された表示パネル100を、第2載置部34Bに移動させる。
【0071】
本形態では、第1載置部31に載置されたトレイ10には、第1ロボット2により、良品の表示パネル100が収容される。第2載置部34Aに載置されたトレイ10には、第2ロボット5Aにより、再検査品の表示パネル100が収容される。第2載置部34Bに載置されたトレイ10には、第2ロボット5Bにより、不良品の表示パネル100が収容される。
【0072】
本形態において、第1キャリッジ4Aは、表示パネル100が載置されるステージ41AをY2方向に搬送する。したがって、第1キャリッジ4Aにおける第1方向は、Y2方向である。図7に示すように、第2載置部34Aは、第1載置部31のY2方向の側に位置する。第1載置部31および第2載置部34Aは、第1キャリッジ4Aの搬送方向である第1方向(Y2方向)に沿った方向に配置されている。すなわち、第1載置部31および第2載置部34Aは、第1キャリッジ4Aに沿ってY軸方向に並んでいる。
【0073】
本形態において、第2キャリッジ4Bは、表示パネル100が載置されるステージ41BをY1方向に搬送する。したがって、第2キャリッジ4Bにおける第1方向は、Y1方向である。図7に示すように、第2載置部34Bは、第1載置部31のY1方向の側に位置する。第1載置部31および第2載置部34Bは、第2キャリッジ4Bの搬送方向である第1方向(Y1方向)に沿った方向に配置されている。すなわち、第1載置部31および第2載置部34Bは、第2キャリッジ4Bに沿ってY軸方向に並んでいる。
【0074】
本形態では、第1キャリッジ4Aにより表示パネル100がY2方向(第1キャリッジ4Aの第1方向)に搬送されるため、第1載置部31と第2載置部34AとのY2方向の間隔を大きくすることができる。同様に、第2キャリッジ4Bにより表示パネル100がY1方向(第2キャリッジ4Bの第1方向)に搬送されるため、第1載置部31と第2載置部34BとのY1方向の間隔を大きくすることができる。このため、メンテナンス性を向上させるなどの目的で、第1載置部31と第2載置部34との第1方向に沿った方向の間隔を大きくしても、キャリッジ4により表示パネル100が第1方向に搬送されるため、第1ロボット2が大型化することを抑制できる等、載置部のレイアウトによって搬送ロ
ボットが大型化することを抑制することができる。
【0075】
(他の実施形態)
第2実施形態では、第1載置部31は1つ配置されていたが、2つ以上配置される構成であってもよい。また、第2載置部34Aは、第1載置部31のY2方向の側に位置し、第2載置部34Bは、第1載置部31のY1方向の側に位置していたが、第2載置部34Aおよび第2載置部34Bは、第1載置部31の同じ側に位置してもよい。この場合は、キャリッジ4および第2ロボット5は、それぞれ1つでよい。
【符号の説明】
【0076】
1…搬送システム、2…第1ロボット、3A…第1排出機構、3B…第2排出機構、4…キャリッジ、4A…第1キャリッジ、4B…第2キャリッジ、5、5A、5B…第2ロボット、9…搬入機構、10…トレイ、21…ヘッド、22…Y軸搬送部、23…X軸搬送部、31、31A、31B…第1載置部、32…第1トレイ供給機構、33…第1トレイ送出機構、34、34A、34B…第2載置部、35…第2トレイ供給機構、36…第2トレイ送出機構、37…分離機構、38…ステージ、39…積上機構、41…ステージ、42…搬送部、51…ヘッド、52…Y軸搬送部、53…X軸搬送部、54…保持部、61…台車、62…トレイ搬送部、63…移動部、91…ステージ、92…搬送部、100…表示パネル、311…支持部、312…位置調整部、313…開口部、331…ベルトコンベア、371…第1爪部、371A…爪部分、372…第2爪部、372A…爪部分、373…分離爪部、373A…爪部分、374…トレイ検出センサ、381…移動機構、391…第1爪部、391A…爪部分、392…第2爪部、392A…下爪部分、392B…上爪部分、611…ベルトコンベア、612…リフト、613…連結部、621…ローラ部、622…開口部、623A、623B…トレイストッパ、624A、624B…仕切り板、625A、625B…シリンダ、626A、626B…トレイ検出センサ、631…ステージ、632…駆動部、633…リフト、634…ガイド部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7