(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20240227BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
G03G15/00 680
B41J29/00 C
(21)【出願番号】P 2020080215
(22)【出願日】2020-04-30
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【氏名又は名称】本田 亜希
(72)【発明者】
【氏名】森谷 正明
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-059381(JP,A)
【文献】特開2019-064228(JP,A)
【文献】特開2007-072123(JP,A)
【文献】特開2017-090598(JP,A)
【文献】特開2004-219468(JP,A)
【文献】特開2005-026246(JP,A)
【文献】特開2007-333876(JP,A)
【文献】特開2009-055588(JP,A)
【文献】特開2011-087209(JP,A)
【文献】特開2018-198364(JP,A)
【文献】特開2017-011700(JP,A)
【文献】特開2019-119554(JP,A)
【文献】特開2020-007053(JP,A)
【文献】特開平04-144006(JP,A)
【文献】特開平08-076537(JP,A)
【文献】特開2014-206554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00-29/70
G03G 13/01-13/02
13/14-13/16
13/34
15/00-15/02
15/14-15/16
15/36
21/00-21/02
21/14
21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成装置であって、
像担持体と、
前記画像を形成する画像形成手段と、
第一のコネクタが設けられた第一の基板と、
前記第一の基板に設けられた制御手段と、
第二のコネクタが設けられた第二の基板と、
前記第二の基板に設けられ、前記画像形成手段により前記像担持体に形成された検知用画像からの反射光を検知する光学センサと、
一端部に第三のコネクタが設けられ、他端部に第四のコネクタが設けられた電線束と、
を備え、
前記制御手段は、前記光学センサを制御し、
前記第一のコネクタは、前記第三のコネクタに取り外し可能に接続され、
前記第二のコネクタは、前記第四のコネクタに取り外し可能に接続され、
前記第一のコネクタ、前記第二のコネクタ、前記第三のコネクタ及び前記第四のコネクタの互いに対応する一端部に第一の検出信号用端子がそれぞれ配置されており、
前記第一のコネクタ、前記第二のコネクタ、前記第三のコネクタ及び前記第四のコネクタの互いに対応する他端部に第二の検出信号用端子がそれぞれ配置されており、
前記第一のコネクタ、前記第二のコネクタ、前記第三のコネクタ及び前記第四のコネクタのそれぞれは、前記第一の検出信号用端子と前記第二の検出信号用端子の間に、電源用端子および接地用端子が配置されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第一のコネクタ、前記第二のコネクタ、前記第三のコネクタ及び前記第四のコネクタのそれぞれにおいて、前記第一の検出信号用端子、前記電源用端子、前記接地用端子および前記第二の検出信号用端子は、電線が接続されない端子を間に挟むことなく一列に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記電線束は、前記第三のコネクタの前記第一の検出信号用端子と前記第四のコネクタの前記第一の検出信号用端子を接続する第一の検出信号線、前記第三のコネクタの前記電源用端子と前記第四のコネクタの前記電源用端子を接続する電源線、前記第三のコネクタの前記接地用端子と前記第四のコネクタの前記接地用端子を接続する接地線、及び前記第三のコネクタの前記第二の検出信号用端子と前記第四のコネクタの前記第二の検出信号用端子を接続する第二の検出信号線を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記電線束は、前記第三のコネクタの前記第一の検出信号用端子と前記第四のコネクタの前記第一の検出信号用端子を接続する第一の検出信号線、前記第三のコネクタの前記電源用端子と前記第四のコネクタの前記電源用端子を接続する電源線、及び前記第三のコネクタの前記接地用端子と前記第四のコネクタの前記接地用端子を接続する接地線を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記電線束は、前記第三のコネクタの前記電源用端子と前記第四のコネクタの前記電源用端子を接続する電源線、前記第三のコネクタの前記接地用端子と前記第四のコネクタの前記接地用端子を接続する接地線、及び前記第三のコネクタの前記第二の検出信号用端子と前記第四のコネクタの前記第二の検出信号用端子を接続する第二の検出信号線を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第一のコネクタ、前記第二のコネクタ、前記第三のコネクタ及び前記第四のコネクタのそれぞれは、前記第一の検出信号用端子と前記第二の検出信号用端子の間に、クロック信号用端子およびデータ信号用端子が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第一のコネクタ、前記第二のコネクタ、前記第三のコネクタ及び前記第四のコネクタのそれぞれにおいて、前記第一の検出信号用端子、前記クロック信号用端子、前記データ信号用端子、前記電源用端子、前記接地用端子および前記第二の検出信号用端子は、電線が接続されない端子を間に挟むことなく一列に並んで配置されていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記電線束は、前記第三のコネクタの前記第一の検出信号用端子と前記第四のコネクタの前記第一の検出信号用端子を接続する第一の検出信号線、前記第三のコネクタのクロック信号用端子と前記第四のコネクタのクロック信号用端子を接続するクロック線、前記第三のコネクタのデータ信号用端子と前記第四のコネクタのデータ信号用端子を接続するデータ線、前記第三のコネクタの前記電源用端子と前記第四のコネクタの前記電源用端子を接続する電源線、前記第三のコネクタの前記接地用端子と前記第四のコネクタの前記接地用端子を接続する接地線、及び前記第三のコネクタの前記第二の検出信号用端子と前記第四のコネクタの前記第二の検出信号用端子を接続する第二の検出信号線を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記電線束は、前記第三のコネクタの前記第一の検出信号用端子と前記第四のコネクタの前記第一の検出信号用端子を接続する第一の検出信号線、前記第三のコネクタのクロック信号用端子と前記第四のコネクタのクロック信号用端子を接続するクロック線、前記第三のコネクタのデータ信号用端子と前記第四のコネクタのデータ信号用端子を接続するデータ線、前記第三のコネクタの前記電源用端子と前記第四のコネクタの前記電源用端子を接続する電源線、及び前記第三のコネクタの前記接地用端子と前記第四のコネクタの前記接地用端子を接続する接地線を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記電線束は、前記第三のコネクタのクロック信号用端子と前記第四のコネクタのクロック信号用端子を接続するクロック線、前記第三のコネクタのデータ信号用端子と前記第四のコネクタのデータ信号用端子を接続するデータ線、前記第三のコネクタの前記電源用端子と前記第四のコネクタの前記電源用端子を接続する電源線、前記第三のコネクタの前記接地用端子と前記第四のコネクタの前記接地用端子を接続する接地線、及び前記第三のコネクタの前記第二の検出信号用端子と前記第四のコネクタの前記第二の検出信号用端子を接続する第二の検出信号線を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記光学センサは、正反射光を受光して第一の検出信号を出力する第一の受光手段と、乱反射光を受光して第二の検出信号を出力する第二の受光手段を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第一の基板と第二の基板を接続する電線束を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、その品質を保つために各種センサが搭載されている。センサの出力は、CPUなどの制御部にフィードバックされて、画像形成プロセスに反映される。センサの中には複数の信号を出力するものもあり、高画質形成に利用されている。センサの一例として、中間転写ベルト上のトナーパッチの濃度を検出するための光学センサがあげられる。光学センサには、発光部から出射された光がトナーによって反射される正反射光と乱反射光をそれぞれ受光する二つの受光部が設けられている。制御部は、正反射光の光量と乱反射光の光量の比率を判断してトナーパッチの濃度を制御する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同種のセンサを多機種で標準品として使用する場合、機種ごとの都合で、不要な信号が発生することがある。このような場合に、センサと制御部を接続する電線束において不要な電線(ケーブル)が発生する。不要な電線が電線束の複数の電線の配列の端に位置づけられていないと、不要な信号用の不要な電線を削除した場合に電線束が中抜け状態になる。しかし、複数の電線をコネクタに接続する自動機は、中抜け状態の電線束に対応していない。そのため、不要な電線を含んだ中抜けのない電線束を自動機によってコネクタに接続する必要があり、不要な電線による無駄な費用が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の一実施例によるシートに画像を形成する画像形成装置は、
像担持体と、
前記画像を形成する画像形成手段と、
第一のコネクタが設けられた第一の基板と、
前記第一の基板に設けられた制御手段と、
第二のコネクタが設けられた第二の基板と、
前記第二の基板に設けられ、前記画像形成手段により前記像担持体に形成された検知用画像からの反射光を検知する光学センサと、
一端部に第三のコネクタが設けられ、他端部に第四のコネクタが設けられた電線束と、
を備え、
前記制御手段は、前記光学センサを制御し、
前記第一のコネクタは、前記第三のコネクタに取り外し可能に接続され、
前記第二のコネクタは、前記第四のコネクタに取り外し可能に接続され、
前記第一のコネクタ、前記第二のコネクタ、前記第三のコネクタ及び前記第四のコネクタの互いに対応する一端部に第一の検出信号用端子がそれぞれ配置されており、
前記第一のコネクタ、前記第二のコネクタ、前記第三のコネクタ及び前記第四のコネクタの互いに対応する他端部に第二の検出信号用端子がそれぞれ配置されており、
前記第一のコネクタ、前記第二のコネクタ、前記第三のコネクタ及び前記第四のコネクタのそれぞれは、前記第一の検出信号用端子と前記第二の検出信号用端子の間に、電源用端子および接地用端子が配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、不要な検出信号用の電線を電線束から削除しても電線束の電線を自動機でコネクタに打ち込むことができる。よって、不要なコストアップを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図4】パターンセンサの電気的構成を示すブロック図。
【
図6】時間に対する第一のパターン画像の読み取りレベルを示す図。
【
図7】時間に対するイエロー(Y)の第二のパターン画像の読み取りレベルを示す図。
【
図8】電線束、第一のソケット及び第二のソケットを示す図。
【
図9】不要なケーブルを削除した電線束の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<画像形成装置>
図1は、画像形成装置100の断面図である。画像形成装置100は、電子写真方式を用いて複数色のトナーで記録媒体にカラー画像を形成するプリンターである。画像形成装置100は、4つの画像形成部101(101Y、101M、101C、101K)を有する。画像形成部101Yは、イエロートナーを用いてイエロー画像を形成する。画像形成部101Mは、マゼンタトナーを用いてマゼンタ画像を形成する。画像形成部101Cは、シアントナーを用いてシアン画像を形成する。画像形成部101Kは、ブラックトナーを用いてブラック画像を形成する。参照符号の添字Y、M、CおよびKは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを示す。以下の説明において、特に必要でない場合、参照符号の添字Y、M、C、Kを省略することが有る。4つの画像形成部101は、現像剤(トナー)の色を除いて同一の構造を有する。
【0009】
画像形成部101は、感光体としての感光ドラム1を有する。感光ドラム1の周りには、帯電器8、光走査装置(レーザ書き込み部)15、現像器16、一次転写ローラ10及びドラムクリーニング装置9が配置されている。感光ドラム1の下方には、無端状の中間転写ベルト(像担持体)5が配置されている。中間転写ベルト5は、
図1の矢印R1で示す方向に回転する。一次転写ローラ10は、中間転写ベルト5を介して感光ドラム1に対向して配置されている。一次転写ローラ10は、感光ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト5へ転写する。二次転写ローラ4は、中間転写ベルト5を介してベルト支持ローラ3に対向して配置されている。二次転写ローラ4は、中間転写ベルト5上のトナー像を記録媒体Sへ転写する。
【0010】
画像形成装置100の下部には、用紙(シート)などの記録媒体Sを収容する給送カセット20が配置されている。記録媒体Sは、給送カセット20からピックアップローラ21により繰り出され、給送ローラ22、搬送ローラ23及びレジストレーションローラ24により二次転写ローラ4へ搬送される。記録媒体Sの搬送方向CDにおいて、二次転写ローラ4の下流には、搬送ベルト12及び定着装置13が配置されている。定着装置13は、トナー像を記録媒体Sに定着させる。
【0011】
次に、画像形成装置100の画像形成プロセスを説明する。4つの画像形成部101における画像形成プロセスは同一であるので、イエロートナー像を形成する画像形成部101Yにおける画像形成プロセスを説明する。マゼンタトナー像を形成する画像形成部101M、シアントナー像を形成する画像形成部101C及びブラックトナー像を形成する画像形成部101Kにおける画像形成プロセスの説明は、省略する。
【0012】
感光ドラム1Yは、
図1の矢印R2で示す方向に回転する。帯電器8Yは、感光ドラム1Yの表面を所定の電位に均一に帯電する。光走査装置15Yは、イエローの画像情報に従って変調されたレーザ光(光ビーム)を光源としての半導体レーザ(不図示)から出射して、均一に帯電された感光ドラム1Yの表面上に静電潜像を形成する。現像器16Yは、イエロートナー(現像剤)により静電潜像を現像してイエロートナー像にする。一次転写ローラ10Yは、感光ドラム1Y上のイエロートナー像を中間転写ベルト5上へ転写する。一次転写の後に感光ドラム1Y上に残ったトナーは、ドラムクリーニング装置9Yにより回収される。
【0013】
同様にして、画像形成部101Mにより形成されたマゼンタトナー像は、中間転写ベルト5上のイエロートナー像の上に精度よく重ねて転写される。以下、シアントナー像およびブラックトナー像が、中間転写ベルト5上のマゼンタトナー像の上に順次重ねて転写される。その結果、中間転写ベルト5上に4色のトナー像が順次重ね合わされてカラートナー像6が形成される。
【0014】
給送カセット20から搬送された記録媒体Sは、レジストレーションローラ24により中間転写ベルト5上のカラートナー像6の先端と記録媒体Sの先端が一致するように二次転写ローラ4へ搬送される。中間転写ベルト5上のカラートナー像6は、二次転写ローラ4によって一括して記録媒体Sへ転写される。二次転写の後に中間転写ベルト5上に残ったトナーは、中間転写ベルトクリーナ14により回収される。トナー像が転写された記録媒体Sは、搬送ベルト12によって定着装置13へ搬送される。定着装置13は、記録媒体Sを加熱および加圧してトナー像を記録媒体Sへ定着させる。画像が形成された記録媒体Sは、定着出口ローラ26及び排出ローラ27により画像形成装置100の外へ排出される。
【0015】
<パターンセンサ>
画像形成装置100は、パターンセンサ7が設けられている。パターンセンサ7は、中間転写ベルト5の近傍に配置されている。パターンセンサ7は、所定のタイミングで中間転写ベルト5上に形成される各色の濃度検出パターンを検出する。パターンセンサ7の検出結果に基づいて、濃度補正が行われる。
【0016】
図2は、パターンセンサ7の説明図である。パターンセンサ7は、センサ基板(以下、第二の基板という)70を有する。第二の基板70の表面には、第一の受光手段としての第一のフォトダイオード(以下、第一のPDという)71及び第二の受光手段としての第二のフォトダイオード(以下、第二のPDという)72が設けられている。第二の基板70の表面には、更に、発光手段として、第一の発光ダイオード(以下、第一のLEDという)73及び第二の発光ダイオード(以下、第二のLEDという)74が取り付けられている。第一のPD71、第二のPD72、第一のLED73及び第二のLED74は、表面実装型素子であり、同じ第二の基板70に配置されている。第二の基板70の裏面には、集積回路(以下、ICという)701が設けられている。IC701は、光学素子である第一のPD71、第二のPD72、第一のLED73及び第二のLED74の動作を制御する。
【0017】
第二の基板70の表面には、ハウジング203が取り付けられている。ハウジング203には、複数のレンズ204a、204b、204c及び204dを含むレンズ群204が設けられている。レンズ204a、204b、204c及び204dは、それぞれ第一のPD71、第二のPD72、第一のLED73及び第二のLED74の近傍に配置されている。ハウジング203には、レンズ204a、204b、204c及び204dと第一のPD71、第二のPD72、第一のLED73及び第二のLED74の間にそれぞれ導光路が設けられている。
【0018】
パターンセンサ7と中間転写ベルト5の間には、シャッター205が配置されている。シャッター205は、駆動源(不図示)からの駆動力によって
図2(a)の矢印Aで示す方向(シャッター移動方向)に移動可能に指示部材(不図示)によって支持されている。シャッター205のパターンセンサ7に対向する表面には、基準反射シート211が取り付けられている。
【0019】
図2(a)は、シャッター205の開状態を示す図である。後述する濃度検出時には、パターンセンサ7が中間転写ベルト5上に形成されたトナーパターンを検出するために、
図2(a)に示すようにシャッター205がパターンセンサ7の光路を遮らない位置に配置される。
図2(a)に示すシャッター205の開状態において、正反射光用発光部としての第一のLED73から出射された光は、ハウジング203内の導光路及びレンズ204cを通り光軸(図中実線)の方向に進み、中間転写ベルト5上に照射される。中間転写ベルト5によって正反射された正反射光は、レンズ204a及びハウジング203内の導光路を通って正反射光用受光部としての第一のPD71へ入射する。
【0020】
図2(a)に示すように、第一のLED73及び第一のPD71は、中間転写ベルト5に対する第一のLED73からの光の入射角と反射角が等しくなるような位置に配置されている。第一のPD71は、第一のLED73から中間転写ベルト5へ出射されて中間転写ベルト5によって反射された光のうちの正反射光を受光する受光手段として機能する。
【0021】
一方、乱反射光用発光部としての第二のLED74から出射された光は、ハウジング203内の導光路及びレンズ204dを通り光軸(図中点線)の方向に進み、中間転写ベルト5上に照射される。中間転写ベルト5によって乱反射された乱反射光は、レンズ204b及びハウジング203内の導光路を通って乱反射光用受光部としての第二のPD72へ入射する。
図2(a)に示すように、第二のLED74及び第二のPD72は、中間転写ベルト5に対する第二のLED74からの光の入射角と反射角が等しくならないような位置に配置されている。第二のPD72は、第二のLED74から中間転写ベルト5へ出射されて中間転写ベルト5によって反射された光のうちの乱反射光を受光する受光手段として機能する。
【0022】
図2(b)は、シャッター205の閉状態を示す図である。通常の画像形成時には、中間転写ベルト5上に形成されたトナー像から飛散するトナーによってパターンセンサ7が汚れることを防止するために、
図2(b)に示すようにシャッター205がレンズ群204を覆う位置に配置される。
図2(b)に示すシャッター205の閉状態において、基準反射シート211は、第二のLED74から出射された光を反射し、反射された光のうちの乱反射光が第二のPD72によって受光されるような位置に、シャッター205上に貼付されている。
【0023】
<画像形成装置の電気的構成>
図3は、画像形成装置100の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、制御基板(以下、第一の基板という)170を有する。第一の基板170には、制御手段としてのCPU109、第一のソケット(第一のコネクタ)118、ROM111及び画像形成制御部120が設けられている。本実施例において、画像形成制御部120は、第一の基板170に設けられているが、画像形成制御部120は、別の基板に設けられていてもよい。第一の基板170の第一のソケット(ジャック)118は、複数のケーブルからなる電線束200を介してパターンセンサ7に接続されている。パターンセンサ7は、電線束200を介して電源VCC及び接地GNDが供給される。
【0024】
CPU109は、I2Cインターフェース(Inter-Integrated Circuit interface)117、アナログデジタル変換器(以下、A/Dコンバータという)110及びRAM116を含む。I2Cインターフェース117は、第一のソケット118及び電線束200を介してパターンセンサ7と、クロック信号SCL及びデータ信号SDAから成るシリアル通信を行う。シリアル通信は、CPU109がパターンセンサ7の第一のLED73及び第二のLED74の電流値を決めるデータを送信する手段として機能する。CPU109は、I2Cインターフェース117を介してパターンセンサ7の第一のLED73及び第二のLED74の点灯を制御する。
【0025】
パターンセンサ7は、中間転写ベルト5又は中間転写ベルト5上に形成されたトナーパターンからの反射光を受光する第一のPD71及び第二のPD72の受光量をそれぞれ電圧へ変換して第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2として出力する。第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2は、A/Dコンバータ110によってアナログ信号からデジタル信号へ変換されてCPU109内に入力される。RAM116は、画像形成装置100の制御に用いる設定値を一時的に保存する。
【0026】
画像形成制御部120は、光走査装置制御部112、現像器制御部113、感光ドラム制御部114及び中間転写ベルト制御部115を有する。光走査装置制御部112は、光走査装置15を制御する。現像器制御部113は、現像器16を制御する。感光ドラム制御部114は、感光ドラム1を制御する。中間転写ベルト制御部115は、中間転写ベルト5を制御する。CPU109は、光走査装置制御部112、現像器制御部113、感光ドラム制御部114、中間転写ベルト制御部115及びROM111に電気的に接続されている。
【0027】
CPU109は、各種命令に従って画像形成装置100の全体を制御する。CPU109は、ROM111に保存されたプログラムに従って画像形成動作を実行する。CPU109は、光走査装置制御部112、現像器制御部113、感光ドラム制御部114及び中間転写ベルト制御部115を制御し、画像データに従ってトナー像を中間転写ベルト5上に形成する。また、CPU109は、トナー濃度検出を実行する際に、ROM111に保存されているトナー濃度検出用画像データに従って、中間転写ベルト5上にトナー濃度検出用トナーパターン(以下、パターン画像という)を形成する。
【0028】
トナー濃度を検出するときに、CPU109は、シャッター205を移動して開状態にし、パターンセンサ7の第一のLED73及び第二のLED74を点灯する。第一のLED73及び第二のLED74は、中間転写ベルト5及び中間転写ベルト5上に形成されたパターン画像を照明する。第一のPD71及び第二のPD72は、中間転写ベルト5及び中間転写ベルト5上に形成されたパターン画像からの反射光を受光し、第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2をA/Dコンバータ110へ出力する。A/Dコンバータ110は、第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2をアナログ信号からデジタル信号(デジタル値)へ変換する。CPU109は、第一の検出信号P1及び第二の検出信号P2のデジタル信号からトナー濃度のレベルを検出する。CPU109は、トナー濃度のレベル(検出結果)に基づいて、トナー濃度の補正量を算出する。CPU109は、算出された補正量に基づいて、トナー濃度を補正する。
【0029】
CPU109が実装されている第一の基板170には、第一のソケット118が実装されている。第一のソケット118は、後述する電線束200の第一のプラグ(第三のコネクタ)201(
図8)に取り外し可能に接続される。第一のソケット118は、複数の端子T
11、T
12、T
13、T
14、T
15及びT
16を有する。第一のソケット118の複数の端子T
11、T
12、T
13、T
14、T
15及びT
16の配置(信号配列)は、次のとおりである。パターンセンサ7の第一のPD71から出力される第一の検出信号P1が入力される端子T
11と第二のPD72から出力される第二の検出信号P2が入力される端子T
16は、第一のソケット118の両端部に配置される。両端部の端子T
11と端子T
16の間には、クロック信号SCLを出力する端子T
12、データ信号SDAを出力する端子T
13、電源VCCを供給する端子T
14及び接地GNDを供給する端子T
15が配置されている。
【0030】
<パターンセンサの電気的構成>
図4は、パターンセンサ7の電気的構成を示すブロック図である。
図2を用いて説明したように、パターンセンサ7の第二の基板70には、第一のLED73、第二のLED74、第一のPD71、第二のPD72及びIC701が設けられている。第二の基板70には、更に、第二のソケット(第二のコネクタ)723が設けられている。第二のソケット(ジャック)723は、複数の端子T
21、T
22、T
23、T
24、T
25及びT
26を有する。第二のソケット723は、後述する電線束200の第二のプラグ(第四のコネクタ)(
図8)202に取り外し可能に接続される。第二のソケット723の複数の端子T
21、T
22、T
23、T
24、T
25及びT
26は、電線束200によって、第一の基板170の第一のソケット118の複数の端子T
11、T
12、T
13、T
14、T
15及びT
16にそれぞれ接続される。
【0031】
IC701内部には、第一の電流調整部711、第二の電流調整部712、第一のI-V変換部716、第二のI-V変換部717、第一の出力増幅部718、第二の出力増幅部719が設けられている。IC701内部には、更に、レジスタ720、ROM721及びI2Cインターフェース722が設けられている。I2Cインターフェース722は、端子T22及びT23に電気的に接続されている。I2Cインターフェース722は、CPU109のI2Cインターフェース117と、クロック信号SCL及びデータ信号SDAから成るシリアル通信を行う。シリアル通信によって、I2Cインターフェース722は、CPU109から、第一のLED73及び第二のLED74へ流す電流を決めるために第一の電流調整部711及び第二の電流調整部712に設定する設定値を受信する。I2Cインターフェース722が受信した設定値は、レジスタ720に保持され、第一の電流調整部711及び第二の電流調整部712に設定される。
【0032】
第一の電流調整部711は、CPU109のI2Cインターフェース117からのシリアル通信によって送信される第一の発光制御信号に従って第一のLED73の電流量を調整する。第二の電流調整部712は、CPU109のI2Cインターフェース117からのシリアル通信によって送信される第二の発光制御信号に従って第二のLED74の電流量を調整する。第一のI-V変換部716は、第一のPD71から出力される光電流を電圧へ変換する。第二のI-V変換部717は、第二のPD72から出力される光電流を電圧へ変換する。第一の出力増幅部718は、第一のI-V変換部716によって変換された電圧を適切なレベルまで増幅し、第一の検出信号P1を第二のソケット723の端子T21へ出力する。第二の出力増幅部719は、第二のI-V変換部717によって変換された電圧を適切なレベルまで増幅し、第二の検出信号P2を第二のソケット723の端子T26へ出力する。
【0033】
ROM721には、第一の出力増幅部718及び第二の出力増幅部719に設定するゲインデータが保存されている。ゲインデータは、パターンセンサ7が画像形成装置100の本体に設置される前に、調整治具によって、第一のPD71及び第二のPD72それぞれの増幅後の出力が所定値となるように決定され、ROM721に保存される。第二のソケット723の複数の端子T21、T22、T23、T24、T25及びT26の配置(信号配列)は、前述の第一のソケット118と同様に、次のとおりである。パターンセンサ7の第一のPD71から出力される第一の検出信号P1を出力する端子T21と第二のPD72から出力される第二の検出信号P2を出力する端子T26は、第二のソケット723の両端部に配置される。両端部の端子T21と端子T26の間には、クロック信号SCLが入力される端子T22、データ信号SDAが入力される端子T23、電源VCCが供給される端子T24及び接地GNDが供給される端子T25が配置されている。
【0034】
<パターン画像>
次に、CPU109がトナー濃度検出を実行する際に中間転写ベルト5上に形成するパターン画像を説明する。
図5は、パターン画像を示す図である。
図5(a)は、トナー濃度検出のために中間転写ベルト5上に形成される第一のパターン画像303を示す図である。第一のパターン画像303は、第一のLED73から出射された光の正反射光を第一のPD71が受光するために用いられる。第一のパターン画像303は、ブラック(K)トナーによって形成され、ブラック(K)トナー濃度検出を実行する際に用いられる。ブラック(K)は、光を吸収する性質があり、乱反射光では検出ができないため正反射光を受光する第一のPD71の検出結果を用いてトナー濃度検出を行う。
【0035】
図5(a)に示す第一のパターン画像303は、高濃度から順に70%、50%、30%、10%の4つの階調パターンで形成されている。CPU109は、中間転写ベルト5上に形成された第一のパターン画像303をパターンセンサ7によって読み取り、第一のPD71から第一の検出信号P1を得る。CPU109は、第一の検出信号P1をA/Dコンバータ110によってデジタル信号へ変換し、デジタル信号の値と実際に出力すべき画像濃度階調特性との差を演算し、演算結果に基づいて画像形成制御部120を制御することによって濃度補正を行う。
【0036】
図6は、時間に対する第一のパターン画像303の読み取りレベルを示す図である。高濃度である70%部では、第一のLED73からの光がブラック(K)トナーによって吸収され、また、ブラック(K)トナーのトナー載り量が多いので中間転写ベルト5からの正反射光も減る。したがって、高濃度である70%部の読み取りレベルは、低い。一方、低濃度である10%部では、ブラック(K)トナーによる光吸収量が70%部の光吸収量より低く、また、ブラック(K)トナーのトナー載り量が少ないので中間転写ベルト5からの正反射光が増える。したがって、低濃度である10%部の読み取りレベルは、高い。非パターン部では、第一のパターン画像303が形成されておらず中間転写ベルト5からの正反射光が多いので、読み取りレベルが高い。
【0037】
図5(b)は、トナー濃度検出のために中間転写ベルト5上に形成される第二のパターン画像304を示す図である。第二のパターン画像304は、第二のLED74から出射された光の乱反射光を第二のPD72によって受光するために、用いられる。第二のパターン画像304は、イエロー(Y)トナー、マゼンタ(M)トナー及びシアン(C)トナーによってそれぞれ形成され、イエロー(Y)トナー濃度検出、マゼンタ(M)トナー濃度検出及びシアン(C)トナー濃度検出を実行する際に用いられる。
図5(b)は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)のうちの一色分のトナーによって形成された第二のパターン画像304を示している。イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)は、中間転写ベルト5よりも乱反射率が高いので、乱反射光を受光する第二のPD72の検出結果を用いてトナー濃度検出を行う。
【0038】
図5(b)に示す第二のパターン画像304は、高濃度から順に70%、50%、30%、10%の4つの階調パターンで形成されている。CPU109は、中間転写ベルト5上に形成された第二のパターン画像304をパターンセンサ7によって読み取り、第二のPD72から第二の検出信号P2を得る。CPU109は、第二の検出信号P2をA/Dコンバータ110によってデジタル信号へ変換し、デジタル信号の値と実際に出力すべき画像濃度階調特性との差を演算し、演算結果に基づいて画像形成制御部120を制御することによって濃度補正を行う。
【0039】
図7は、時間に対するイエロー(Y)の第二のパターン画像304の読み取りレベルを示す図である。高濃度である70%部では、第二のLED74からの光がイエロー(Y)トナーによって反射され、また、イエロー(Y)トナーのトナー載り量が多いのでイエロー(Y)トナーからの乱反射光も増える。したがって、高濃度である70%部の読み取りレベルは、高い。一方、低濃度である10%部では、イエロー(Y)トナーによる反射率が70%部の反射率より低いので、乱反射光が減る。したがって、低濃度である10%部の読み取りレベルは、低い。非パターン部では、第二のパターン画像304が形成されておらず中間転写ベルト5からの乱反射光が少ないので、読み取りレベルが低い。マゼンタ(M)トナー及びシアン(C)トナーのトナー濃度検出も、イエロー(Y)トナーのトナー濃度検出と同様に実行される。
【0040】
<電気接続部材>
以下、トナー濃度検出に用いられる光学センサとしてのパターンセンサ7と、パターンセンサ7の発光/受光制御及び検出出力情報の受信を遂行するCPU109との間の電気接続部材を説明する。
図8は、電線束200、第一のソケット118及び第二のソケット723を示す図である。CPU109が設けられた第一の基板170の第一のソケット118は、電気接続部材としての電線束200を介して、パターンセンサ7の第二の基板70に設けられた第二のソケット723に接続される。電線束200は、第一の検出信号線200_P1、クロック線200_SCL、データ線200_SDA、電源線200_VCC、接地線200_GND及び第二の検出信号線200_P2を含む。
【0041】
電線束200の一端部には、第一のプラグ(第三のコネクタ)201が設けられている。第一のプラグ201は、複数の端子T31、T32、T33、T34、T35及びT36を有する。第一のプラグ201の複数の端子T31、T32、T33、T34、T35及びT36の配置(信号配列)は、次のとおりである。第一のPD71から出力される第一の検出信号P1を出力する端子T31と第二のPD72から出力される第二の検出信号P2を出力する端子T36は、第一のプラグ201の両端部に配置される。両端部の端子T31と端子T36の間には、クロック信号SCLが入力される端子T32、データ信号SDAが入力される端子T33、電源VCCが供給される端子T34及び接地GNDが供給される端子T35が配置されている。
【0042】
電線束200の他端部には、第二のプラグ(第四のコネクタ)202が設けられている。第二のプラグ202は、複数の端子T41、T42、T43、T44、T45及びT46を有する。第二のプラグ202の複数の端子T41、T42、T43、T44、T45及びT46の配置(信号配列)は、次のとおりである。第一のPD71から出力される第一の検出信号P1が入力される端子T41と第二のPD72から出力される第二の検出信号P2が入力される端子T46は、第二のプラグ202の両端部に配置される。両端部の端子T41と端子T46の間には、クロック信号SCLを出力する端子T42、データ信号SDAを出力する端子T43、電源VCCを供給する端子T44及び接地GNDを供給する端子T45が配置されている。
【0043】
電線束200の第一の検出信号線200_P1は、第一のプラグ201の端子T31と第二のプラグ202の端子T41を接続する。クロック線200_SCLは、第一のプラグ201の端子T32と第二のプラグ202の端子T42を接続する。データ線200_SDAは、第一のプラグ201の端子T33と第二のプラグ202の端子T43を接続する。電源線200_VCCは、第一のプラグ201の端子T34と第二のプラグ202の端子T44を接続する。接地線200_GNDは、第一のプラグ201の端子T35と第二のプラグ202の端子T45を接続する。第二の検出信号線200_P2は、第一のプラグ201の端子T36と第二のプラグ202の端子T46を接続する。
【0044】
第一のプラグ201は、第一のソケット118に挿入され、第一のソケット118に嵌合する。それによって、第一のプラグ201の端子T31、T32、T33、T34、T35及びT36は、第一のソケット118の端子T11、T12、T13、T14、T15及びT16にそれぞれ接続される。第二のプラグ202は、第二のソケット723に挿入され、第二のソケット723に嵌合する。それによって、第二のプラグ202の端子T41、T42、T43、T44、T45及びT46は、第二のソケット723の端子T21、T22、T23、T24、T25及びT26にそれぞれ接続される。
【0045】
第一のソケット118、第二のソケット723、第一のプラグ201及び第二のプラグ202の互いに対応する一端部に第一の検出信号用端子である端子T11、T21、T31及びT41がそれぞれ配置されている。第一のソケット118、第二のソケット723、第一のプラグ201及び第二のプラグ202の互いに対応する他端部に第二の検出信号用端子である端子T16、T26、T36及びT46がそれぞれ配置されている。第一のソケット118、第二のソケット723、第一のプラグ201及び第二のプラグ202は、第一の検出信号用端子と第二の検出信号用端子の間に、電源用端子としての端子T14、T24、T34及びT44がそれぞれ配置されている。第一のソケット118、第二のソケット723、第一のプラグ201及び第二のプラグ202は、第一の検出信号用端子と第二の検出信号用端子の間に、接地用端子としての端子T15、T25、T35及びT45がそれぞれ配置されている。
【0046】
第一のソケット118、第二のソケット723、第一のプラグ201及び第二のプラグ202は、第一の検出信号用端子と第二の検出信号用端子の間に、クロック信号用端子としての端子T12、T22、T32及びT42がそれぞれ配置されている。第一のソケット118、第二のソケット723、第一のプラグ201及び第二のプラグ202は、第一の検出信号用端子と第二の検出信号用端子の間に、データ信号用端子としての端子T13、T23、T33及びT43がそれぞれ配置されている。第一の検出信号用端子、クロック信号用端子、データ信号用端子、電源用端子、接地用端子および第二の検出信号用端子は、電線が接続されない端子を間に挟むことなく一列に並んで配置されている。なお、クロック信号用端子およびデータ信号用端子を設けない場合、第一の検出信号用端子、電源用端子、接地用端子および第二の検出信号用端子は、電線が接続されない端子を間に挟むことなく一列に並んで配置されているとよい。
【0047】
なお、第一のプラグ201がソケットであり、第一のソケット118がプラグであってもよい。第二のプラグ202がソケットであり、第二のソケット723がプラグであってもよい。
【0048】
ところで、画像形成装置100の機種によっては、正反射光を検出する第一のPD71からの第一の検出信号P1が必要ないために、第一の検出信号線200_P1が不要な画像形成装置100がある。また、画像形成装置100の機種によっては、乱反射光を検出する第二のPD72からの第二の検出信号P2が必要ないために、第二の検出信号線200_P2が不要な画像形成装置100がある。そのため、第一のソケット118、第二のソケット723、第一のプラグ201及び第二のプラグ202を画像形成装置100の様々な機種に共通に用いると、空きピンが存在する電線束が要求される場合がある。不要なケーブル(電線)を削除して電線束が中抜け状態になると、自動機によって電線束のプラグを基板のソケットに取り付けることができない。しかし、不要なケーブルを残しておくと、無駄な費用が発生する。そこで、本実施例においては、不要なケーブル(電線)を削除しても電線束が中抜け状態にならないように、上記のような信号配列にした。
【0049】
図9は、不要なケーブルを削除した電線束の例を示す図である。
図9(a)は、乱反射光の検出出力である第二の検出信号P2を使用しない機種の画像形成装置に対応した電線束210を示す図である。電線束210は、第二の検出信号線200_P2が存在しないこと以外は電線束200と同様の構成である。例えば、ブラック(K)トナーのみを用いて記録媒体に画像を形成するモノクロ画像形成装置にパターンセンサ7が搭載される場合に、第二の検出信号線200_P2が存在しない電線束210が要求される。モノクロ画像形成装置においては、イエロー(Y)トナー、マゼンタ(M)トナー及びシアン(C)トナーなどのカラー系のトナーが使用されないので、乱反射光の検出出力である第二の検出信号P2が不要である。
【0050】
図9(b)は、正反射光の検出出力である第一の検出信号P1を使用しない機種の画像形成装置に対応した電線束220を示す図である。電線束220は、第一の検出信号線200_P1が存在しないこと以外は電線束200と同様の構成である。例えば、カラー画像形成装置において濃度検出の高速化を図るために、第一のパターン画像303と第二のパターン画像304を別々のパターンセンサによって検出する場合に、第一の検出信号線200_P1が存在しない電線束220が要求される。イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)などのカラー系のトナーの第二のパターン画像304を検出するパターンセンサは、ブラック(K)トナーの第一のパターン画像303を検出しない。したがって、第一の検出信号P1を送信する第一の検出信号線200_P1が不要となる。
【0051】
第一の検出信号P1のための端子T31及び端子T41が第一のプラグ201及び第二のプラグ202の端部ではなく内側の端子T32~T35及びT42~T45のいずれかに配置されていると、第一の検出信号線200_P1無しで電線束は中抜け状態になる。第二の検出信号P2のための端子T36及び端子T46が第一のプラグ201及び第二のプラグ202の端部ではなく内側の端子T32~T35及びT42~T45のいずれかに配置されていると、第二の検出信号線200_P2無しで電線束は中抜け状態になる。電線束の複数の電線(ケーブル)を第一のプラグ201及び第二のプラグ202に接続する自動機は、複数の電線を連続して配置された端子へ打ち込む。このような自動機は、中抜け状態の電線束に対応していないので、不要な電線も電線束の中に含む状態で複数の電線をプラグの複数の端子に打ち込むことになる。これは、余分な電線を接続することによって無駄な費用を発生させる。
【0052】
これに対して、本実施例によれば、第一の検出信号P1のための端子T
31及び端子T
41が第一のプラグ201及び第二のプラグ202の一端部にそれぞれ配置されている。したがって、
図9(b)に示すように第一の検出信号線200_P1を除いても、電線束220の複数の電線は、途中で途切れることなく連続して配置されているので、電線束220を自動機によって生産することが可能である。これにより、余分な第一の検出信号線200_P1によるコストアップを防ぐことができる。
【0053】
同様に、本実施例によれば、第二の検出信号P2のための端子T
36及び端子T
46が第一のプラグ201及び第二のプラグ202の他端部にそれぞれ配置されている。したがって、
図9(a)に示すように第二の検出信号線200_P2を除いても、電線束210の複数の電線は、途中で途切れることなく連続して配置されているので、電線束210を自動機によって生産することが可能である。これにより、余分な第二の検出信号線200_P2によるコストアップを防ぐことができる。
【0054】
本実施例は、画像形成装置100のCPU109が設けられた第一の基板170と光学センサとしてのパターンセンサ7の第二の基板70との電気接続部材としての電線束200、210、220を例に挙げて説明した。しかし、本実施例は、パターンセンサ7の出力信号に限定されるものではなく、2つ以上の出力信号を送信する電気接続部材に対して適用してもよい。
【0055】
本実施例によれば、2つ以上の信号を送受信する第一のソケット118、第二のソケット723、第一のプラグ201及び第二のプラグ202における信号配列において、検出信号の配置が信号配列の両端に位置付けられている。したがって、機種によって不要な検出信号が発生した場合でも不要となる端部の電線を電線束から削除し、自動機で必要な電線を第一のプラグ201及び第二のプラグ202に打ち込むことができる。
【0056】
本発明によれば、不要な検出信号用の電線を電線束から削除しても電線束の電線を自動機でコネクタに打ち込むことができる。よって、不要なコストアップを抑制することができる。
【符号の説明】
【0057】
70・・・第二の基板
100・・・画像形成装置
118・・・第一のソケット
170・・・第一の基板
200、210、220・・・電線束
201・・・第一のプラグ
202・・・第二のプラグ
723・・・第二のソケット
T11、T21、T31及びT41・・・第一の検出信号用端子
T14、T24、T34及びT44・・・電源用端子
T15、T25、T35及びT45・・・接地用端子
T16、T26、T36及びT46・・・第二の検出信号用端子