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特許7443174物品管理システム、物品管理方法、及び物品管理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】物品管理システム、物品管理方法、及び物品管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020118699
(22)【出願日】2020-07-09
(65)【公開番号】P2022015689
(43)【公開日】2022-01-21
【審査請求日】2023-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】亀井 伸夫
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-225008(JP,A)
【文献】特開2007-289536(JP,A)
【文献】特開2007-204176(JP,A)
【文献】特開2014-065595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 1/00
A61J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保管する複数の棚を備え、前記物品のピッキング作業を行う複数の作業者のそれぞれに割り当てられた複数の発光部が各棚に対応付けて設置された保管棚において、ピッキング対象の第1物品を保管する前記棚に対応付けられた前記複数の発光部のうち、当該第1物品のピッキング作業を行う第1作業者に割り当てられた第1発光部第1の光で点灯させる報知処理部と、
前記報知処理部の報知処理により前記第1発光部点灯したか否かを判定する判定処理部と、
を備え、
前記報知処理部は、前記判定処理部により前記第1発光部点灯しないと判定された場合に、前記複数の発光部のうち第2発光部を第2の光で点滅させる、
物品管理システム。
【請求項2】
前記報知処理部は、前記第2発光部を予め設定された所定時間だけ点滅させ、前記所定時間が経過した場合に前記第2発光部を点滅前の報知態様に戻す、
請求項に記載の物品管理システム。
【請求項3】
前記報知処理部は、第2物品のピッキング作業を行う第2作業者に割り当てられた前記第2発光部を点灯させる、
請求項又は請求項に記載の物品管理システム。
【請求項4】
前記報知処理部は、前記第1作業者の操作に応じて前記第2発光部の点灯及び点滅を相互に切り替える、
請求項に記載の物品管理システム。
【請求項5】
前記報知処理部は、前記第2発光部を予め設定された所定時間だけ点滅させ、前記所定時間が経過した場合に前記第2発光部を点灯させる、
請求項に記載の物品管理システム。
【請求項6】
前記報知処理部により前記第2発光部が点滅された場合に、前記第1発光部に替えて前記第2発光部を点滅させていることを示す情報を前記第1作業者に通知する通知処理部をさらに備える、
請求項から請求項のいずれか1項に記載の物品管理システム。
【請求項7】
前記通知処理部は、さらに、前記報知処理部により前記第2発光部が点滅された場合に、前記第1発光部に替えて前記第2発光部を点滅させていることを示す情報を、前記第1作業者と、前記第2発光部が割り当てられた第2作業者とに通知する、
請求項に記載の物品管理システム。
【請求項8】
前記複数の棚のレイアウト画像を前記第1作業者の操作端末に表示させる表示処理部をさらに備え、
前記表示処理部は、前記レイアウト画像において、前記第1物品が保管された前記棚を識別可能表示させる、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の物品管理システム。
【請求項9】
前記レイアウト画像は、前記保管棚を撮影可能なカメラのライブ映像である、
請求項に記載の物品管理システム。
【請求項10】
物品を保管する複数の棚を備え、前記物品のピッキング作業を行う複数の作業者のそれぞれに割り当てられた複数の発光部が各棚に対応付けて設置された保管棚において、ピッキング対象の第1物品を保管する前記棚に対応付けられた前記複数の発光部のうち、当該第1物品のピッキング作業を行う第1作業者に割り当てられた第1発光部第1の光で点灯させる報知ステップと、
前記報知ステップの報知処理により前記第1発光部点灯したか否かを判定する判定ステップと、
を一又は複数のプロセッサー実行する物品管理方法であって、
前記報知ステップでは、前記判定ステップにより前記第1発光部点灯しないと判定された場合に、前記複数の発光部のうち第2発光部を第2の光で点滅させる、物品管理方法。
【請求項11】
物品を保管する複数の棚を備え、前記物品のピッキング作業を行う複数の作業者のそれぞれに割り当てられた複数の発光部が各棚に対応付けて設置された保管棚において、ピッキング対象の第1物品を保管する前記棚に対応付けられた前記複数の発光部のうち、当該第1物品のピッキング作業を行う第1作業者に割り当てられた第1発光部第1の光で点灯させる報知ステップと、
前記報知ステップの報知処理により前記第1発光部点灯したか否かを判定する判定ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための物品管理プログラムであって、
前記報知ステップでは、前記判定ステップにより前記第1発光部点灯しないと判定された場合に、前記複数の発光部のうち第2発光部を第2の光で点滅させる、物品管理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品管理システム、物品管理方法、及び物品管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品を保管する保管棚において、作業者が目的の物品をピッキングし易いように当該物品が保管されている位置を外部に報知するシステムが利用されている。特許文献1には、薬剤保管棚に設置されたランプを、薬剤をピッキングする作業者に対応する色で点灯させることにより、作業者に薬剤の保管位置を通知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-289536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来の技術では、例えばランプが故障した場合に、作業者に対して薬剤の保管位置を通知することができなくなり、ピッキング作業に支障をきたす問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、物品を保管する保管棚におけるピッキング対象の物品の位置を作業者に確実に通知することが可能な物品管理システム、物品管理方法、及び物品管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る物品管理システムは、物品を保管する複数の棚を備え、前記物品のピッキング作業を行う複数の作業者のそれぞれに割り当てられた複数の標識が各棚に対応付けて設置された保管棚において、ピッキング対象の第1物品を保管する前記棚に対応付けられた前記複数の標識のうち、当該第1物品のピッキング作業を行う第1作業者に割り当てられた第1標識を第1報知態様で外部に報知させる報知処理部と、前記報知処理部の報知処理により前記第1標識が外部に報知されたか否かを判定する判定処理部と、を備え、前記報知処理部は、前記判定処理部により前記第1標識が外部に報知されていないと判定された場合に、前記第1物品が保管された前記棚を識別可能な情報を前記第1報知態様とは異なる第2報知態様で外部に報知させる、物品管理システムである。
【0007】
本発明の実施形態に係る物品管理方法は、物品を保管する複数の棚を備え、前記物品のピッキング作業を行う複数の作業者のそれぞれに割り当てられた複数の標識が各棚に対応付けて設置された保管棚において、ピッキング対象の第1物品を保管する前記棚に対応付けられた前記複数の標識のうち、当該第1物品のピッキング作業を行う第1作業者に割り当てられた第1標識を第1報知態様で外部に報知させる報知ステップと、前記報知ステップの報知処理により前記第1標識が外部に報知されたか否かを判定する判定ステップと、を一又は複数のプロセッサーにより実行する物品管理方法であって、前記報知ステップでは、前記判定ステップにより前記第1標識が外部に報知されていないと判定された場合に、前記第1物品が保管された前記棚を識別可能な情報を前記第1報知態様とは異なる第2報知態様で外部に報知させる、物品管理方法である。
【0008】
本発明の実施形態に係る物品管理プログラムは、物品を保管する複数の棚を備え、前記物品のピッキング作業を行う複数の作業者のそれぞれに割り当てられた複数の標識が各棚に対応付けて設置された保管棚において、ピッキング対象の第1物品を保管する前記棚に対応付けられた前記複数の標識のうち、当該第1物品のピッキング作業を行う第1作業者に割り当てられた第1標識を第1報知態様で外部に報知させる報知ステップと、前記報知ステップの報知処理により前記第1標識が外部に報知されたか否かを判定する判定ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるための管理プログラムであって、前記報知ステップでは、前記判定ステップにより前記第1標識が外部に報知されていないと判定された場合に、前記第1物品が保管された前記棚を識別可能な情報を前記第1報知態様とは異なる第2報知態様で外部に報知させる、物品管理プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、物品を保管する保管棚におけるピッキング対象の物品の位置を作業者に確実に通知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る物品管理システムの概略構成を示す機能ブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る保管棚の外観図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る保管棚に設置される棚札の構成を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る物品管理システムの記憶部に記憶されるLED情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る物品管理システムの記憶部に記憶される操作端末情報の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る物品管理システムの記憶部に記憶される保管棚情報の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る物品管理システムの記憶部に記憶されるピッキング情報の一例を示す図である。
図8A図8Aは、本発明の実施形態に係る操作端末の表示画面の表示例を示す図である。
図8B図8Bは、本発明の実施形態に係る棚札の表示例を示す図である。
図9A図9Aは、本発明の実施形態に係る棚札の表示例を示す図である。
図9B図9Bは、本発明の実施形態に係る操作端末の表示画面の表示例を示す図である。
図10A図10Aは、本発明の実施形態に係る操作端末の表示画面の表示例を示す図である。
図10B図10Bは、本発明の実施形態に係る操作端末の表示画面の表示例を示す図である。
図11A図11Aは、本発明の実施形態に係る棚札の表示例を示す図である。
図11B図11Bは、本発明の実施形態に係る棚札の表示例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係る操作端末の表示画面の表示例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る操作端末の表示画面の表示例を示す図である。
図14A図14Aは、本発明の実施形態に係る操作端末の表示画面の表示例を示す図である。
図14B図14Bは、本発明の実施形態に係る操作端末の表示画面の表示例を示す図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る物品管理システムにおいて実行される物品管理処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図16図16は、本発明の実施形態に係る物品管理システムにおいて実行される物品管理処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図17図17は、本発明の実施形態に係る物品管理システムにおいて実行される物品管理処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図18図18は、本発明の実施形態に係る物品管理システムにおいて実行される物品管理処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図19図19は、本発明の実施形態に係る物品管理システムにおいて実行される物品管理処理の手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図20図20は、本発明の実施形態に係る棚札の表示例を示す図である。
図21図21は、本発明の実施形態に係る棚札の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る物品管理システム10の概略構成を示す図である。
【0013】
物品管理システム10は、物品管理装置1と、操作端末2と、保管棚3とを含んでいる。物品管理システム10は、物品を保管する保管棚3から作業者が目的の物品をピッキングする作業現場に導入される。前記物品は、特に限定されず、小売商品、薬剤、書籍、書類、雑貨類など種々の分野の物品が含まれる。本実施形態では、前記物品の一例として薬剤を例に挙げる。すなわち、本実施形態における物品管理システム10は、薬剤を保管する保管棚3から作業者が目的の薬剤をピッキングする施設(薬局など)に導入される。
【0014】
物品管理装置1、操作端末2、及び保管棚3は、ネットワークN1を介して互いに接続されている。ネットワークN1は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網である。操作端末2は、作業者がピッキング作業に使用する端末装置であり、例えばハンディターミナルである。操作端末2は、作業者の人数に応じて一又は複数台配置される。図1には、作業者Xが使用する操作端末2X、作業者Yが使用する操作端末2Y、作業者Zが使用する操作端末2Zを例示している。物品管理装置1は、施設内に設置されてもよいし、施設外に設置されてもよい。
【0015】
[保管棚3]
図2には、保管棚3の外観図を示している。保管棚3は、薬剤を保管する複数の棚31と、各棚31に対応して設置される棚札3Tとを含んでいる。例えば、1つの棚31には1種類の複数の薬剤が保管され、棚31ごとに種類の異なる薬剤が保管される。図2に示す保管棚3は、18個の棚31を備えているため、18種類の薬剤を保管することが可能となっている。各棚31には識別情報として棚番号が貼付されており、作業者は薬剤を決められた番号の棚に予め収納する。また、各棚31には、前記棚番号に対応する座標(X座標、Y座標)が関連付けられている。
【0016】
図3に示すように、棚札3Tは、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部32と、所定の色の光を発する光源33とを含んでいる。光源33は、互いに異なる色の光を発する複数のLED(発光部)を含んでいる。例えば、光源33は、赤色を発光するLED1と、青色を発光するLED2と、緑色を発光するLED3とを含んでいる。LEDは、本発明の標識の一例である。すなわち、本発明の標識は、第1の光を発光する第1発光部と第2の光を発光する第2発光部とを含む複数の発光部である。棚札3Tは、通信部を備えており、物品管理装置1とデータ通信を行うことが可能である。例えば、物品管理装置1がピッキング対象の薬剤が保管されている棚31の棚札3Tにピッキング情報を送信すると、当該棚札3Tの表示部32が当該ピッキング情報(薬剤情報)を表示する。また、例えば物品管理装置1が、ピッキング対象の薬剤をピッキングする作業者に対応付けられた識別情報(色情報)を当該薬剤が保管されている棚31の棚札3Tに送信すると、当該棚札3Tの前記色情報に対応するLEDが発光する。
【0017】
前記薬剤のピッキング担当の作業者は、LEDの色と表示部32に表示されるピッキング情報とを確認して棚31から目的の薬剤をピッキングする。なお、作業者は目的の薬剤をピッキングすると、薬剤に貼付された情報コード(二次元コードなど)を操作端末2で読み取ることにより又は操作端末2においてピッキング完了操作を入力することにより、ピッキング完了通知が物品管理装置1に送信される。
【0018】
[操作端末2]
図8Aには、操作端末2の外観図を示している。なお、図8Aには、作業者Xが使用する操作端末2Xを例示している。操作端末2は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部21と、操作を受け付けるテンキーなどの操作部22とを含んでいる。操作端末2は、通信部を備えており、物品管理装置1とデータ通信を行うことが可能である。例えば、物品管理装置1がピッキング対象の薬剤を含む処方箋情報を当該薬剤をピッキングする作業者に割り当てられた操作端末2に送信すると、操作端末2は表示部21に当該処方箋情報を表示させる。ここでは、患者ID「M0001」の処方箋情報に含まれる「薬剤A 10錠」、「薬剤B 15錠」、及び「薬剤C 25錠」が、当該患者の薬剤のピッキングを担当する作業者Xの操作端末2Xに表示された状態を示している。
【0019】
作業者Xが操作端末2Xに表示された薬剤のうちいずれかを選択すると、選択された薬剤の薬剤情報が物品管理装置1に送信される。図8Aには、作業者Xが「薬剤B 15錠」を選択した状態を示している。物品管理装置1は、操作端末2Xから前記薬剤情報を取得すると、対応する棚札3Tの表示部32に前記ピッキング情報を表示させるとともに、作業者Xに対応するLED1(赤色)を発光させる。
【0020】
各作業者は操作端末2を使用して、自身が担当する患者の薬剤を順次ピッキングする。ここで、例えば薬剤Bを保管する棚31(棚番号「2」)の棚札3TのLED1(赤色)が故障して点灯しなくなった場合、LED1が割り当てられた作業者Xに対して薬剤Bの保管位置を通知することができなくなり、作業者Xのピッキング作業に支障をきたす問題が生じる。これに対して、本実施形態によれば、以下に示すように、薬剤を保管する保管棚3におけるピッキング対象の薬剤の位置を作業者に確実に通知することが可能である。
【0021】
[物品管理装置1]
図1に示すように、物品管理装置1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、及び通信部14などを備える。物品管理装置1は、例えばパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。また、物品管理装置1は、クラウドサーバーで構成されてもよい。
【0022】
通信部14は、物品管理装置1を有線又は無線でネットワークN1に接続し、ネットワークN1を介して操作端末2、保管棚3の棚札3Tとの間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
【0023】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0024】
記憶部12は、各種の情報を記憶するROM、RAM、HDD、SDDなどの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部12には、LED情報D1、操作端末情報D2、保管棚情報D3、ピッキング情報D4などのデータが含まれる。
【0025】
図4は、LED情報D1の一例を示す図である。LED情報D1には、棚札3Tに含まれるLEDごとに、LED種別及び作業者IDが関連付けられて登録される。LED種別は、LEDを特定する情報であり、ここでは、赤色光を発光するLED1、青色光を発光するLED2、緑色光を発光するLED3が登録されている。作業者IDは、ピッキング作業を行う作業者の識別情報である。なお、作業者ID「U0001」は作業者Xを表し、作業者ID「U0002」は作業者Yを表し、作業者ID「U0003」は作業者Zを表している。このように、各作業者には一つのLEDが予め割り当てられる。
【0026】
図5は、操作端末情報D2の一例を示す図である。操作端末情報D2には、作業者IDと操作端末IDとが関連付けられて登録される。各作業者には一台の操作端末2が予め割り当てられる。
【0027】
図6は、保管棚情報D3の一例を示す図である。保管棚情報D3には、棚31ごとに、棚番号、棚札ID、位置情報、薬剤名などの情報が関連付けられて登録される。前記棚番号は、各棚31に貼付された番号である(図2参照)。前記棚札IDは、棚札3Tの識別情報である。前記位置情報は、前記棚番号に対応する座標情報であり、X座標及びY座標が登録される。前記薬剤名は、棚31に収容される薬剤の名称である。図6の保管棚情報D3は、図2に示す保管棚3に対応しており、18個の棚31に関する情報と、各棚31に保管される18種類の薬剤A~Rの情報とが登録されている。
【0028】
図7は、ピッキング情報D4の一例を示す図である。ピッキング情報D4には、ピッキング対象の処方箋(患者)ごとに、患者ID、薬剤名、数量、ピッキング状況などの情報が関連付けられて登録される。前記患者IDは、処方箋に含まれる薬剤を処方する患者の識別情報である。前記ピッキング状況は、前記薬剤のピッキング作業が完了したか否かを示す識別情報(「済」、「未」)である。物品管理装置1は、処方箋を取得すると、処方箋に含まれる情報に基づいて患者ID、薬剤名、数量をピッキング情報D4に登録する。また、物品管理装置1は、操作端末2から取得するピッキング完了通知に基づいて前記ピッキング状況をデフォルトの「未」から「済」に更新する。
【0029】
他の実施形態として、LED情報D1、操作端末情報D2、保管棚情報D3、及びピッキング情報D4などの情報の一部又は全部が、物品管理装置1からアクセス可能なサーバーに記憶されてもよい。この場合、物品管理装置1の制御部11は、前記サーバーから前記情報を取得して、後述の物品管理処理(図15等参照)などの各処理を実行してもよい。
【0030】
また、記憶部12には、制御部11に後述の物品管理処理(図15等参照)を実行させるための物品管理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記物品管理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、物品管理装置1に電気的に接続されるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。
【0031】
制御部11は、CPUなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。そして、制御部11は、記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより物品管理装置1を制御する。
【0032】
具体的に、制御部11は、送信処理部111、取得処理部112、表示処理部113、点灯処理部114、判定処理部115、更新処理部116などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記物品管理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記物品管理プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0033】
送信処理部111は、制御部11が患者の処方箋情報を取得すると、当該処方箋情報を、当該処方箋情報に含まれる薬剤をピッキング作業する作業者に割り当てられた操作端末2に送信する。前記処方箋情報には、患者の情報、薬剤の情報などが含まれる。制御部11は、外部のサーバー、処方箋の読み取り機などから前記処方箋情報を取得する。また制御部11は、前記処方箋情報を取得すると、ピッキング情報D4(図7参照)に各種情報を登録する。また、制御部11は、新たな前記処方箋情報を取得すると、ピッキング情報D4の前記ピッキング状況にデフォルトの「未」を登録する。操作端末2は、前記処方箋情報を取得すると、表示部21に薬剤の情報を表示させる(図8A参照)。
【0034】
取得処理部112は、操作端末2から作業者により選択された薬剤の情報(薬剤情報)を取得する。例えば図8Aに示すように、作業者Xが操作端末2Xに表示された薬剤A,B,Cのうち薬剤Bを選択すると、操作端末2Xは薬剤Bの薬剤情報を物品管理装置1に送信する。これにより、取得処理部112は、操作端末2Xから薬剤Bの薬剤情報を取得する。
【0035】
表示処理部113は、取得処理部112が前記薬剤情報を取得すると、保管棚情報D3(図6参照)を参照して当該薬剤が保管されている棚31の棚札3Tを特定し、特定した棚札3Tの表示部32にピッキング情報を表示させる。例えば、表示処理部113は、取得処理部112が薬剤Bの前記薬剤情報を取得すると、保管棚情報D3(図6参照)を参照して薬剤Bが保管されている棚番号「2」の棚31の棚札3T(棚札ID「T0002」)を特定し、図8Bに示すように、特定した棚札3Tの表示部32に前記ピッキング情報として「薬剤B 15錠」を表示させる。
【0036】
点灯処理部114は、取得処理部112が前記薬剤情報を取得すると、当該薬剤を保管する棚31を識別可能な情報を所定の報知態様(本発明の第1報知態様の一例)で外部に報知させる。具体的には、点灯処理部114は、取得処理部112が前記薬剤情報を取得すると、当該薬剤を保管する棚31に設置された複数のLEDのうち、当該薬剤のピッキング作業を行う作業者に割り当てられたLEDを点灯させる。例えば、点灯処理部114は、取得処理部112が薬剤Bの前記薬剤情報を取得すると、操作端末情報D2(図5参照)を参照して、前記薬剤情報の送信元である操作端末2Xに対応付けられた作業者IDを特定する。また、点灯処理部114は、LED情報D1(図4参照)を参照して、特定した作業者IDに対応付けられたLEDの種別を特定する。ここでは、点灯処理部114は、作業者ID「U0001」及び「LED1」を特定する。そして、点灯処理部114は、薬剤Bが保管されている棚番号「2」の棚31に設置されたLED1、LED2、及びLED3のうち、特定したLED1に点灯指示を出力して点灯させる。点灯処理部114は、本発明の報知処理部の一例である。
【0037】
判定処理部115は、点灯処理部114の点灯処理(本発明の報知処理の一例)によりLEDが点灯したか否かを判定する。上記の例では、判定処理部115は、棚番号「2」の棚31に設置されたLED1が点灯したか否かを判定する。例えば、判定処理部115は、棚札3Tから光源33の動作状態を取得することによりLEDの点灯状況を判定する。
【0038】
更新処理部116は、ピッキング作業が完了すると、ピッキング情報D4(図7参照)のピッキング状況を更新する。更新処理部116は、薬剤ごとにピッキング状況を更新する。例えば、作業者Xは目的の薬剤Aをピッキングして薬剤Aに貼付された情報コード(二次元コードなど)を操作端末2Xで読み取ると、操作端末2Xは薬剤Aのピッキング完了通知を物品管理装置1に送信する。更新処理部116は、操作端末2Xから薬剤Aのピッキング完了通知を取得すると、薬剤Aの前記ピッキング状況をデフォルトの「未」から「済」に更新する(図7参照)。
【0039】
ここで、LEDが故障している場合には、当該LEDは点灯処理部114から前記点灯指示を取得しても点灯しない。この場合、判定処理部115は、前記LEDが点灯しないと判定する。判定処理部115により前記LEDが点灯しないと判定されると、制御部11は、以下の処理を実行する。ここでは、判定処理部115により棚番号「2」の棚31に設置されたLED1が故障(図8B参照)して点灯しないと判定された場合を例に挙げる。
【0040】
具体的には、点灯処理部114は、棚番号「2」の棚31を識別可能な情報をLED1の報知態様(本発明の第1報知態様の一例)とは異なる報知態様(本発明の第2報知態様の一例)で外部に報知させる。例えば、点灯処理部114は、図9Aに示すように、LED1とは異なるLED2及びLED3をそれぞれの色で点滅(本発明の第2報知態様の一例)させる。なお、点灯処理部114は、LED2及びLED3のいずれか一方を点滅させてもよい。LED1は、本発明の第1発光部の一例であり、LED2及びLED3は、本発明の第2発光部の一例である。このように、点灯処理部114は、薬剤のピッキング作業を行う作業者に割り当てられたLEDを点灯させる点灯処理を実行し、さらに、前記点灯処理により前記LEDが点灯しない場合に他のLEDを点滅させる。
【0041】
また、点灯処理部114によりLED2及びLED3が点滅された場合に、表示処理部113は、LED1に替えてLED2及びLED3を点滅させていることを示す情報(故障情報)を作業者Xの操作端末2Xに通知する。操作端末2Xは、前記故障情報を取得すると、図9Bに示すように故障情報(メッセージM1)を表示部21に表示させる。表示処理部113は、本発明の通知処理部の一例である。
【0042】
また、表示処理部113は、図10Aに示すように、ピッキング対象の薬剤の一覧が表示された画面において、作業者Xが、故障中のLED1に対応する棚31に保管されている薬剤Bを選択して「OK」ボタンを押下した場合に、当該画面にメッセージM1を表示させてもよい。また、表示処理部113は、作業者の「OK」ボタンの操作によらず、前記メッセージM1を常時表示させてもよい。
【0043】
ここで、例えば作業者Yが、患者ID「M0002」の処方箋情報に含まれる「薬剤B 10錠」、「薬剤D 20錠」、及び「薬剤E 30錠」のピッキングを担当する場合、作業者Yが自身の操作端末2Yにおいて薬剤Bを選択すると、点灯処理部114は棚番号「2」のLED2を点灯させる。しかし、上記の例のように、作業者X用のLED1が故障した場合には、作業者X用にLED2が点滅した状態になるため、作業者Yが錠剤Bの位置を把握することができない可能性がある。そこで、表示処理部113は、点滅させているLEDが割り当てられた作業者の操作端末2にも前記メッセージM1を表示させてもよい。例えば、表示処理部113は、点滅させているLED2が割り当てられた作業者Y、Zの操作端末2Y、2Zに前記メッセージM1を表示させる(図10B参照)。また例えば、表示処理部113は、点滅させているLED2が割り当てられた作業者Y、Zのうち、点滅中のLED2の棚31に保管された薬剤(ここでは薬剤B)をピッキングする予定の作業者Yの操作端末2Yのみに前記メッセージM1を表示させてもよい(図10B参照)。
【0044】
このように、表示処理部113は、LED2が点滅された場合に、LED1に替えてLED2を点滅させていることを示す情報を、LED1が割り当てられた作業者Xと、LED2が割り当てられた作業者Yとに通知してもよい。
【0045】
また、上記の例において、点灯処理部114は、LED2を予め設定された所定時間だけ点滅させ、前記所定時間が経過した場合に、LED2を点滅前の報知態様に戻してもよい。具体的には、点灯処理部114は、作業者Xに薬剤Bをピッキングさせるために図11Aに示すようにLED2を予め設定された所定時間だけ点滅させ、前記所定時間が経過した場合に、作業者Yに薬剤Bをピッキングさせるために図11Bに示すようにLED2を点灯させる。
【0046】
また、上記の例において、点灯処理部114は、作業者Xの操作に応じてLED2の点灯及び点滅を相互に切り替えてもよい。作業者XがLED2の点滅操作を行った場合に、点灯処理部114はLED2を点滅させ、作業者XがLED2の点灯操作を行った場合に、点灯処理部114はLED2を点灯させる。
【0047】
また、表示処理部113は、複数の棚31のレイアウト画像(マップ)を作業者の操作端末2に表示させてもよい。例えば、図12に示すように、表示処理部113は、保管棚3に含まれる複数の棚31のレイアウト画像(マップ)を操作端末2Xに表示させ、当該レイアウト画像において、薬剤Bが保管された棚番号「2」の棚31を識別可能に点滅させる。また、表示処理部113は、棚番号のテキスト情報を前記レイアウト画像に表示させる。なお、制御部11は、LED1に替えてLED2を点滅させる点滅処理と、前記レイアウト画像を表示させるマップ表示処理とを作業者が選択可能な構成としてもよい。作業者Xは、例えば図13に示す操作画面において、LED2を点滅させるか、又は、前記レイアウト画像を表示させるかのいずれかを選択することが可能である。表示処理部113は、本発明の表示処理部の一例である。
【0048】
また、前記レイアウト画像は、保管棚3を撮影可能なカメラにより撮影されるライブ映像であってもよい。例えば作業者Xが薬剤Bを選択すると(図8A参照)、表示処理部113は、操作端末2Xを保管棚3に向けるように促すメッセージを表示させる(図14A参照)。作業者Xが操作端末2X(ハンディターミナル:HT)を保管棚3に向けると、表示処理部113は、撮影画像を画像解析して薬剤Bの棚31(棚番号「2」)を検出し、ライブ映像P1に識別情報P2を重ねて点滅表示させる(図14B参照)。
【0049】
[物品管理処理]
以下、図15を参照しつつ、物品管理装置1の制御部11によって実行される物品管理処理の手順の一例について説明する。
【0050】
なお、本発明は、前記物品管理処理に含まれる一又は複数のステップを実行する物品管理方法の発明として捉えることができ、ここで説明する当該物品管理処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。なお、前記物品管理処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11によって前記物品管理処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、複数のプロセッサーによって前記物品管理処理における各ステップが分散して実行される物品管理方法も他の実施形態として考えられる。制御部11は、患者の処方箋情報を取得すると、前記物品管理処理を開始する。
【0051】
先ずステップS11において、制御部11は、取得した処方箋情報を対象の操作端末2に送信する。例えば、制御部11は、患者ID「M0001」の処方箋情報を、当該患者の薬剤のピッキングを担当する作業者Xの操作端末2Xに送信する。操作端末2Xは、前記処方箋情報を取得すると、当該処方箋情報に含まれる「薬剤A 10錠」、「薬剤B 15錠」、及び「薬剤C 25錠」を表示部21に表示する(図8A参照)。作業者Xは操作端末2Xに表示された薬剤のうちいずれかを選択する。操作端末2Xは、選択された薬剤の薬剤情報を物品管理装置1に送信する。
【0052】
次にステップS12において、制御部11は、操作端末2Xから前記薬剤情報を取得したか否かを判定する。制御部11が前記薬剤情報を取得すると(S12:Yes)、処理はステップS13に移行する。制御部11は、前記薬剤情報を取得するまで待機する(S12:No)。
【0053】
ステップS13において、制御部11は、保管棚情報D3(図6参照)を参照して、選択された薬剤が保管されている棚31の棚札3Tを特定する。例えば、作業者Xが薬剤Bを選択した場合(図8A参照)、制御部11は、保管棚情報D3(図6参照)を参照して、棚札ID「T0002」を特定する。
【0054】
次にステップS14において、制御部11は、特定した棚札ID「T0002」の棚札3Tの表示部32に前記ピッキング情報(薬剤情報)を表示させる。例えば、制御部11は、薬剤Bに対応する前記ピッキング情報として、「薬剤B 15錠」を表示させる(図8B参照)。
【0055】
また、制御部11は、特定した棚札3Tの棚31に設置された複数のLEDのうち、前記薬剤のピッキング作業を行う作業者に割り当てられたLEDを点灯させる。例えば、制御部11は、特定した棚札3Tの棚31に設置されたLED1、LED2、及びLED3のうち、薬剤Bのピッキング作業を行う作業者Xに割り当てられたLED1に点灯指示を出力する。ステップS14は、本発明の報知ステップの一例である。
【0056】
次にステップS15において、制御部11は、点灯指示を出力したLEDが点灯したか否かを判定する。ここでは、制御部11は、LED1が点灯したか否かを判定する。LED1が点灯した場合(S15:Yes)、処理はステップS16に移行する。一方、LED1が点灯しない場合(S15:No)、処理はステップS151に移行する。ステップS15は、本発明の判定ステップの一例である。
【0057】
ステップS151では、制御部11は、特定した棚札3Tの棚31に設置された複数のLEDのうち、点灯指示を出力したLEDとは異なるLEDを点滅させる。例えば、制御部11は、図9Aに示すように、LED1とは異なるLED2及びLED3の少なくともいずれかをそれぞれの色で点滅させる。その後、処理はステップS16に移行する。ステップS151は、本発明の報知ステップの一例である。
【0058】
ステップS16では、制御部11は、ピッキング作業が完了したか否かを判定する。制御部11は、操作端末2Xからピッキング完了通知を取得した場合、ピッキング作業が完了したと判定し、処理はステップS17に移行する。制御部11が操作端末2Xからピッキング完了通知を取得しない場合(S16:No)、処理はステップS15に移行する。
【0059】
ステップS17において、制御部11は、ピッキング情報D4(図7参照)のピッキング状況を更新する。例えば、制御部11、操作端末2Xから薬剤Aのピッキング完了通知を取得すると、薬剤Aの前記ピッキング状況をデフォルトの「未」から「済」に更新する(図7参照)。
【0060】
次にステップS18において、制御部11は、処方箋情報に含まれる全ての薬剤のピッキング作業が完了したか否かを判定する。全ての薬剤のピッキング作業が完了した場合(S18:Yes)、制御部11は、ステップS1において取得した前記処方箋情報に対する前記物品管理処理を終了し、新たな処方箋情報を取得すると前記各処理を再度実行する。一方、全ての薬剤のピッキング作業が完了していない場合(S18:No)、処理はステップS12に移行し、制御部11は、操作端末2から他の薬剤情報を取得するまで待機する。
【0061】
前記物品管理処理は、図15に示す構成に限定されない。前記物品管理処理の他の実施形態について、以下に説明する。なお、以下に示す物品管理処理において、図15に示す前記物品管理処理と同一の処理については同一のステップ番号を付し、その説明を省略する。
【0062】
他の実施形態として、図16に示す物品管理処理は、図15に示す物品管理処理においてさらにステップS152を含んでいる。制御部11は、ステップS151において、特定した棚札3Tの棚31に設置された複数のLEDのうち、点灯指示を出力したLEDとは異なるLEDを点滅させ、その後ステップS152において、点灯しない(故障した)LEDに関する故障情報(メッセージM1)を操作端末2の表示部21に表示させる(図9B参照)。なお、制御部11は、点滅させているLEDが割り当てられた作業者の操作端末2に前記メッセージM1を表示させる。また、制御部11は、点滅させているLEDが割り当てられた作業者のうち、点滅中のLEDの棚31に保管された薬剤をピッキングする予定の作業者の操作端末2のみに前記メッセージM1を表示させてもよい(図10B参照)。
【0063】
また他の実施形態として、図17に示す物品管理処理は、図15に示す物品管理処理においてさらにステップS153、S154を含んでいる。ステップS153において、制御部11は、LEDの点滅時間が所定時間を経過したか否かを判定する。前記点滅時間が前記所定時間を経過した場合(S153:Yes)、処理はステップS154に移行する。制御部11は、前記点滅時間が前記所定時間を経過するまで、点滅表示を継続する(S153:No)。
【0064】
ステップS154では、制御部11は、LEDの点滅表示を停止させる。また、制御部11は、前記LEDを点滅前の表示状態(例えば、点灯状態)に戻す(図11B参照)。
【0065】
また他の実施形態として、図18に示す物品管理処理は、図15に示す物品管理処理においてさらにステップS161を含んでいる。ステップS161において、制御部11は、複数の棚31のレイアウト画像(マップ)を作業者の操作端末2に表示させる。また、制御部11は、前記レイアウト画像において、薬剤が保管された棚31を識別可能に点滅させる(図12参照)。
【0066】
また他の実施形態として、図19に示す物品管理処理は、図15に示す物品管理処理においてさらにステップS171を含んでいる。ステップS171において、制御部11は、複数の棚31のライブ映像を作業者の操作端末2に表示させる。また、制御部11は、前記ライブ映像において、薬剤が保管された棚31の識別情報P2を点滅表示させる(図14B参照)。
【0067】
以上のように、本実施形態に係る物品管理システム10は、物品を保管する複数の棚31を備え、前記物品のピッキング作業を行う複数の作業者のそれぞれに割り当てられた複数の標識(例えばLED)が各棚31に対応付けて設置された保管棚3において、ピッキング対象の第1物品を保管する棚31に対応付けられた複数の標識のうち、第1物品のピッキング作業を行う第1作業者に割り当てられた第1標識を第1報知態様(例えば点灯)で外部に報知させ、当該報知処理により第1標識が外部に報知されたか否かを判定する。そして、物品管理システム10は、第1標識が外部に報知されていないと判定された場合に、第1物品が保管された棚31を識別可能な情報を第1報知態様とは異なる第2報知態様(例えば点滅)で外部に報知させる。例えば、物品管理システム10は、第1物品のピッキング作業を行う第1作業者に割り当てられたLED1を点灯させる点灯処理を実行し、さらに、LED1が点灯しない場合にLED2を点滅させる。これにより、例えばLED1が故障した場合であっても、作業者に対してピッキング対象の薬剤の保管位置を確実に通知することができる。また、他のLEDを、通常の報知方法(点灯)とは異なる方法(点滅)により報知させるため、当該他のLEDが割り当てられた他の作業者が、ピッキング対象ではない薬剤を誤ってピッキングしてしまうミスを防ぐことができる。
【0068】
なお、上述の各実施形態では、本発明の標識の一例として、異なる色の光を発光するLEDを挙げたが、本発明の標識はこれに限定されない。例えば図20に示すように、前記標識は、同一の光を発光する複数のLEDであって、各LEDに識別情報(例えば番号)が付されていてもよい。この場合、LED情報D1(図4参照)には、LED番号と、LED番号が割り当てられた作業者IDとが互いに関連付けられて登録される。また、例えば図21に示すように、前記標識は、同一の光を発光する複数のLEDであって、各LEDの形状が互いに異なっていてもよい。この場合、LED情報D1(図4参照)には、LEDの形状と、LEDの形状が割り当てられた作業者IDとが互いに関連付けられて登録される。
【0069】
尚、本発明に係る物品管理システムは、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態を自由に組み合わせること、或いは各実施形態を適宜、変形又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 :物品管理装置
2 :操作端末
3 :保管棚
3T :棚札
10 :物品管理システム
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
14 :通信部
21 :表示部
22 :操作部
31 :棚
32 :表示部
33 :光源
111 :送信処理部
112 :取得処理部
113 :表示処理部
114 :点灯処理部
115 :判定処理部
116 :更新処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17
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図21