(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】ペンダント光吸収体を有するポリアミドを含む粒子及び関連する方法
(51)【国際特許分類】
C08J 3/16 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
C08J3/16 CFG
(21)【出願番号】P 2020148001
(22)【出願日】2020-09-03
【審査請求日】2023-09-01
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレリー・エム.・ファルジア
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ・レセッコ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・エス.・ホーキンス
(72)【発明者】
【氏名】シヴァンシ・エスワリ・スリスカンダハ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・クラリッジ
(72)【発明者】
【氏名】カロリン・パトリシア・ムーラッグ
(72)【発明者】
【氏名】ミハエラ・マリア・ビロー
【審査官】福井 弘子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-179646(JP,A)
【文献】特開2006-328218(JP,A)
【文献】特開2006-321711(JP,A)
【文献】特開昭62-205121(JP,A)
【文献】特開昭51-006171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 3/00-3/28
C08J 99/00
C08G 69/00-69/50
C08G 81/00-85/00
B29C 64/00-64/40
B29C 67/00-67/08
B29C 67/24-69/02
B29C 73/00-73/34
B29D 1/00-29/10
B29D 33/00
B29D 99/00
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリアミドであって、前記ポリアミドの骨格から
骨格窒素原子を介して垂下する光吸収体を有する
ポリアミド(OAMB-ポリアミド)と、前記OAMB-ポリアミドと不混和性である分散媒と、任意
で乳化安定剤と、を含む混合物を
提供することと、
前記混合物を、前記OAMB-ポリアミドの融点又は軟化温度よりも高い温度、及び前記分散媒中に前記OAMB-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、
前記OAMB-ポリアミドの前記融点又は軟化温度を下回るように前記混合物を冷却して、固化
形態の粒子を形成すること
と、
を含む方法であって、前記
粒子は、前記OAMB-ポリアミド
を含み、前記混合物中に含まれる場合は前記乳化安定剤
は、前記粒子の外側表面と会合しており、
前記粒子は、約0.1μm~約125μmのD10、約0.5μm~約200μmのD50、及び約3μm~約300μmのD90を有し、D10<D50<D90である、方法。
【請求項2】
前記乳化安定剤が、前記混合物中に含まれ
ている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記
粒子の少なくとも一部が、空隙/ポリマー界面に前記乳化安定剤を含む空隙を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記乳化安定剤が、ナノ粒子を含
む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記空隙が、
分散媒を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記混合物が、前記OAMB-ポリアミドではない熱可塑性ポリマーを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記
熱可塑性ポリマーが、前記ポリアミドを
含むが、前記ポリアミドから垂下する光吸収体を含まない、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記光吸収体が、ローダミン、フルオレセイン、クマリン、ナフタルイミド、ベンゾキサンテン、アクリジン、シアニン、オキサジン、フェナントリジン、ピロールケトン、ベンズアルデヒド、ポリメチン、トリアリールメタン、アントラキノン、ピラゾロン、キノフタロン、カルボニル染料、ジアゾ染料、ペ
リノン、ジケトピロロピロール(DPP)、ジオキサジン染料、フタロシアニン、インダンスレン、ベンズアントロン、ビオラントロン、アゾ染料、フタロシアニン染料、キナクリドン染料、アントラキノン染料、ジオキサジン染料、インジゴ染料、チオインジゴ染料、ペリノン染料、ペリレン染料、イソインドレン染料、芳香族アミノ酸、フラビン、ピリドキシルの誘導体、クロロフィルの誘導体、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるファミリーからのものである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカ
ミド、ポリドデカ
ミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、それらの任意のコポリマー、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記OAMB-ポリアミドが、前記ポリアミド
の骨格を前記光吸収体
と連結するアルキルリンカーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記アルキルリンカーが、2~18個の炭素を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記アルキルリンカーが、2~6個の炭素を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記
粒子が、約0.2~約10の直径スパンを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記粒子が、約0.90~約1.0の円形度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記光吸収体が、前記ポリアミドの骨格からエステル結合により垂下している、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記分散媒が、シリコーンオイル、フッ素化シリコーンオイル、ペルフッ素化シリコーンオイル、ポリエチレングリコール、アルキル末端ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、パラフィン、流動ワセリン、ミンクオイル、タートルオイル、大豆油、ペルヒドロスクアレン、スイートアーモンドオイル、カロフィルムオイル、パームオイル、パールリームオイル、グレープシードオイル、ゴマ油、トウモロコシ油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、杏油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、穀物胚芽油、ラノリン酸のエステル、オレイン酸のエステル、ラウリン酸のエステル、ステアリン酸のエステル、脂肪族エステル、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸で修飾されたポリシロキサン、脂肪族アルコールで修飾されたポリシロキサン、ポリオキシアルキレンで修飾されたポリシロキサン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記分散媒が、シリコーンオイル、フッ素化シリコーンオイル、ペルフッ素化シリコーンオイル、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ナノ粒子が、酸化物ナノ粒子を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項19】
ポリアミドであって、前記ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミド(OAMB-ポリアミド)と、乳化安定化剤としてのナノ粒子と、前記OAMB-ポリアミドと不混和性である分散媒と、を含む混合物を提供することと、
前記混合物を、前記OAMB-ポリアミドの融点又は軟化温度よりも高い温度、及び前記分散媒中に前記OAMB-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、
前記OAMB-ポリアミドの前記融点又は軟化温度を下回るように前記混合物を冷却して、固化形態の粒子を形成することと、
を含む方法であって、前記粒子は、前記OAMB-ポリアミドを含み、前記ナノ粒子は、前記粒子の外側表面と会合している、方法。
【請求項20】
前記ナノ粒子が、酸化物ナノ粒子を含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドの組成物、合成方法、及び用途に関する。例えば、粒子は、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドを含み得る。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性ポリマーは、フィルム、袋、粒子、及びフィラメントなどの押出成形された物体を作製するために使用されることが多い。熱可塑性ポリマーの一例は、ポリアミドである。ナイロンなどのポリアミドは、物理的特性を失うことなく高温又は低温に耐える能力を有するオフホワイト色ポリマーである。したがって、ポリアミドで形成された物体は、動力工具、自動車部品、ギア、及び電化製品部品のような要求の厳しい用途で使用することができる。いくつかの事例では、用途は、ポリアミド製部品を着色する必要がある場合がある。顔料は微粒子であるため、顔料はポリアミド中で均一に混合することが困難であり得、これにより、得られる部品の着色が不均一になる。
【0003】
顔料の均質な組み込みが特に重要である1つの用途は、付加製造としても知られる三次元(three-dimensional、3-D)印刷の急速に成長する技術分野である。3D印刷は、従来、ラピッドプロトタイピング作業に使用されてきたが、この技術は、ラピッドプロトタイプよりも完全に異なる構造的及び機械的許容誤差を有し得る商業的及び産業的物体の製造への採用が増えてきている。
【0004】
3D印刷は、(a)溶融した若しくは固化可能な材料の小滴若しくは流れ、又は(b)その後の固結化のための正確な堆積位置にある粉末微粒子のいずれかを、任意の数の複雑な形状を有し得る、より大きい物体へと堆積させることによって動作する。このような堆積及び固結化プロセスは、典型的には、コンピュータの制御下で行われて、より大きい物体の層ごとの造形をもたらす。特定の実施例では、粉末微粒子の固結化は、レーザを使用して選択的レーザ焼結(selective laser sintering、SLS)を促進する3D印刷システムで行われ得る。
【0005】
3D印刷で使用可能な粉末微粒子としては、熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性ポリマー、金属、及び他の固化可能物質が挙げられる。1つの例示的な熱可塑性ポリマーは、ナイロンである。ナイロンは、物理的特性を失うことなく高温又は低温に耐える能力を有するオフホワイト色ポリマーである。したがって、ナイロンは、動力工具、自動車部品、ギア、及び電化製品部品のような要求の厳しい用途で使用することができる。
【0006】
3D印刷で微粒子顔料を使用する場合、微粒子は、小さい溶融した液滴又は電力微粒子全体に均一に分散される必要があり、そうでないと最終的な物体の着色が不均一となる。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドの組成物、合成方法、及び用途に関する。例えば、粒子は、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドを含み得る。
【0008】
ヒドロキシル-ペンダント光吸収体をハロゲン末端脂肪族酸でエステル化して、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を得ることと、ポリアミドをハロゲン末端アルキル-光吸収体でN-アルキル化して、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミド(OAMB-ポリアミド)を得ることと、を含む方法が本明細書に開示される。
【0009】
カルボキシル-ペンダント光吸収体をハロゲン末端脂肪族アルコールでエステル化して、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を得ることと、ポリアミドを修飾された光吸収体でN-アルキル化して、OAMB-ポリアミドを得ることと、を含む方法が本明細書に開示される。
【0010】
本明細書に記載の方法に従って製造される、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドを含む物品が本明細書に開示される。
【0011】
本明細書に記載の方法に従って製造されるポリアミドを含むポリマー溶融物をオリフィスを通して押出成形して、フィルム、繊維(又はフィラメント)、粒子、ペレットなどを製造することを含む方法が本明細書に開示される。
【0012】
ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドを含む組成物が本明細書に開示され、ポリアミド及び光吸収体は、アルキルリンカーによって連結されている。
【0013】
ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドを含む物品が本明細書に開示され、ポリアミド及び光吸収体は、アルキルリンカーによって連結されている。
【0014】
ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有し、ポリアミド及び光吸収体が、アルキルリンカーによって連結されているポリアミドを含むポリマー溶融物を、オリフィスを通して押出成形して、フィルム、繊維(又はフィラメント)、粒子、ペレットなどを製造することを含む方法が本明細書に開示される。
【0015】
OAMB-ポリアミドと、OAMB-ポリアミドと不混和性である分散媒と、任意選択で、乳化安定剤と、を含む混合物を、OAMB-ポリアミドの融点又は軟化温度よりも高い温度、及び分散媒中にOAMB-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、OAMB-ポリアミドの融点又は軟化温度を下回るように混合物を冷却して、固化粒子を形成することであって、固化粒子は、OAMB-ポリアミド、及び存在する場合、固化粒子の外側表面と会合した乳化安定剤を含む、形成することと、を含む方法が本明細書に開示される。
【0016】
OAMB-ポリアミドを含み、かつ約0.90~約1.0の円形度を有する粒子を含む組成物が本明細書に開示される。
【0017】
本明細書に記載のOAMB-ポリアミド粒子を、任意選択で他の熱可塑性ポリマー粒子と組み合わせて、特定の形状の表面に堆積させることと、堆積したら、粒子の少なくとも一部分を加熱して、その固結を促進し、固結体を形成することと、を含む方法も本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下の図は、本開示の特定の態様を例示するために含まれ、排他的な構成としてみなされるべきではない。開示される主題は、当業者には想到され、本開示の利益を有する、形態及び機能における相当な修正、変更、組み合わせ、及び等価物が可能である。
【0019】
【
図1】本開示の非限定的な例示的方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示は、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミド及び関連する方法に関する。より詳細には、本明細書の方法は、最初に(a)ハロゲン末端脂肪族酸又はハロゲン末端アルコールと(b)ヒドロキシル基又はカルボキシル基との間にエステル結合を形成することにより、光吸収体をハロゲン末端アルキルでエステル化し、それぞれ、光吸収体のハロゲン末端アルキル-光吸収体を生成する。次いで、ポリアミド骨格は、ハロゲン末端アルキル-光吸収体でアルキル化される。ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドがもたらされ、本明細書ではポリアミド又はOAMB-ポリアミドの光吸収体修飾骨格とも呼ばれる。光吸収体はポリアミドの骨格から垂下しているため、これらの粒子を含む付加製造方法によって製造される物体は、光吸収体が物体内で移動することができないか、又は物体から浸出することができないため、経時的に均一な色を維持する必要がある。
【0021】
本開示はまた、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドを含む粒子(本明細書では、ポリアミド又はOAMB-ポリアミドの光吸収体修飾骨格とも呼ばれる)及び関連する方法に関する。より詳細には、本開示は、1つ以上のOAMB-ポリアミド及び任意選択で1つ以上の他の熱可塑性ポリマーを含む高度に球状のポリマー粒子を作製する方法を含む。該ポリマー粒子は、とりわけ、付加製造の開始材料として有用であり得る。
【0022】
本明細書に記載のポリマー粒子は、1つ以上のOAMB-ポリアミド及び任意選択で1つ以上の追加の熱可塑性ポリマーが、使用される場合、OAMB-ポリアミド及び追加の熱可塑性ポリマーと不混和性である分散媒中の溶融物として分散される、溶融乳化法により製造される。十分な量の剪断力が混合物に適用されて、ポリマー溶融物が分散媒中に液滴を形成する。
【0023】
光吸収体はポリアミドの骨格から垂下しているため、これらの粒子を含む付加製造方法によって製造される物体は、光吸収体が物体内で移動することができないか、又は物体から浸出することができないため、経時的に均一な色を維持する必要がある。
定義及び試験方法
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「不混和性」は、組み合わされたときに、周囲気圧にて室温で、又は室温で固体である場合は構成成分の融点で、互いに5重量%未満の溶融度を有する2つ以上の相を形成する構成成分の混合物を指す。例えば、10,000g/モルの分子量を有するポリエチレンオキシドは、室温で固体であり、65℃の融点を有する。したがって、室温で液体である材料及び当該ポリエチレンオキシドが65℃で5重量%未満の溶融度を有する場合、当該ポリエチレンオキシドは当該材料と不混和性である。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「光吸収体」は、紫外線又は可視光を吸収する分子又はその一部分を指す。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「発色団」は、光吸収が色を付与する光吸収体を指す。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「フルオロフォア」は、異なる波長で吸収された光子を再放射する光吸収体を指す。
【0028】
本明細書で使用するとき、用語「熱可塑性ポリマー」は、加熱及び冷却において可逆的に軟化及び硬化するプラスチックポリマー材料を指す。熱可塑性ポリマーは、熱可塑性エラストマーを包含する。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「エラストマー」は、結晶性「硬質」部分及び非晶性「軟質」部分を含むコポリマーを指す。ポリウレタンの場合、結晶性部分は、ウレタン官能性及び任意選択の鎖延長基を含むポリウレタンの一部分を含んでもよく、軟質部分は、例えば、ポリオールを含んでもよい。
【0030】
本明細書で使用するとき、用語「ポリウレタン」は、ジイソシアネートと、ポリオールと、任意選択の鎖延長剤との間のポリマー反応生成物を指す。
【0031】
本明細書で使用するとき、用語「酸化物」は、金属酸化物及び非金属酸化物の両方を指す。本開示の目的のために、ケイ素は金属であるとみなされる。
【0032】
本明細書で使用するとき、乳化安定剤と表面との間の用語「会合した」、「会合」、及びその文法的な変形は、表面への乳化安定剤の化学結合及び/又は物理的接着を指す。理論に制限されるものではないが、ポリマーとエマルション安定剤との間の本明細書に記載される会合は、主に、水素結合及び/又は他の機構による物理的接着であると考えられる。しかしながら、化学結合がある程度発生している可能性がある。
【0033】
本明細書で使用するとき、ナノ粒子、及びポリマー粒子の表面に対しての用語「埋め込まれた」は、ナノ粒子がポリマー粒子の表面上に単純に堆積された場合に生じるよりも大きい程度でポリマーがナノ粒子と接触しているように、ナノ粒子が少なくとも部分的に表面内に延在することを指す。
【0034】
本明細書では、D10、D50、D90、及び直径のスパンは、粒径を記載するために本明細書で主に使用される。本明細書で使用するとき、用語「D10」は、サンプルの10%(別途記載のない限り、体積に基づく)が当該直径値未満の直径を有する粒子からなる直径を指す。本明細書で使用するとき、用語「D50」は、サンプルの50%(別途記載のない限り、体積に基づく)が当該直径値未満の直径を有する粒子からなる直径を指す。本明細書で使用するとき、用語「D90」は、サンプルの90%(別途記載のない限り、体積に基づく)が当該直径値未満の直径を有する粒子からなる直径を指す。
【0035】
本明細書で使用するとき、直径を指すときの用語「直径スパン」及び「スパン」及び「スパンサイズ」は、粒径分布の広がりの指標を提供し、(D90-D10)/D50として計算される(繰り返すが、それぞれのD値は、別途記載のない限り、体積に基づく)。
【0036】
粒径は、Malvern MASTERSIZER(商標)3000又は光学デジタル顕微鏡写真の分析を使用して、光散乱技術によって決定され得る。別途記載のない限り、光散乱技術は、粒径を分析するために使用される。
【0037】
光散乱技術については、対照サンプルは、Malvern Analytical Ltdから得られたQuality Audit Standards QAS4002(商標)の商標名で、15μm~150μmの範囲内の直径を有するガラスビーズであった。特に指示がない限り、サンプルは、乾燥粉末として分析された。分析された粒子は空気中に分散され、MASTERSIZER(商標)3000と共にAERO S乾燥粉末分散モジュールを使用して分析された。粒径は、サイズの関数としての体積密度のプロットから、計器ソフトウェアを使用して導出された。
【0038】
粒径測定及び直径スパンはまた、光学デジタル顕微鏡法によって決定され得る。光学画像は、粒径分析のためのバージョン2.3.5.1ソフトウェア(システムバージョン1.93)を使用するKeyence VHX-2000デジタル顕微鏡を使用して得られる。
【0039】
本明細書で使用するとき、ふるい分けを指す場合に、孔/スクリーンのサイズは、U.S.A.Standard Sieve(ASTM E11-17)により記載される。
【0040】
本明細書で使用するとき、粒子に対する用語「円形度」及び「球形度」は、粒子が完全な球体にどのくらい近いかを指す。円形度を決定するために、粒子の光学顕微鏡画像が撮影される。顕微鏡画像の平面内の粒子の周辺部(P)及び面積(A)が(例えば、Malvern Instrumentsから入手可能なSYSMEX FPIA 3000粒子形状及び粒径分析器を使用して)計算される。粒子の円形度はCEA/Pであり、CEAは、実際の粒子の面積(A)に相当する面積を有する円の円周である。
【0041】
本明細書で使用するとき、用語「剪断力」は、流体中で機械的撹拌を誘導する撹拌又は類似のプロセスを指す。
【0042】
本明細書で使用するとき、用語「アスペクト比」は、長さを幅で割った比率を指し、長さは幅よりも大きい。
【0043】
別途記載のない限り、ポリマーの融点は、ASTM E794-06(2018)によって、10℃/分の昇温速度及び冷却速度で決定される。
【0044】
別途記載のない限り、ポリマーの軟化温度又は軟化点は、ASTM D6090-17によって決定される。軟化温度は、1℃/分の加熱速度で0.50グラムのサンプルを使用して、Mettler-Toledoから入手可能なカップアンドボール装置を使用することによって測定され得る。
【0045】
安息角は、粉末の流動性の尺度である。安息角の測定値は、ASTM D6393-14「Standard Test Method for Bulk Solids Characterized by Carr Indices」を使用するHosokawa Micron Powder Characteristics Tester PT-Rを使用して決定された。
【0046】
ハウスナー比(Hr)は、粉末の流動性の尺度であり、Hr=ρtap/ρbulkによって計算され、ρbulkは、ASTM D6393-14による嵩密度であり、ρtapはASTM D6393-14によるタップ密度である。
【0047】
本明細書で使用するとき、分散媒の粘度は、別途記載のない限り、ASTM D445-19によって測定された25℃での運動粘度である。商業的に獲得された分散媒(例えば、PDMS油)については、本明細書に引用される運動粘度データは、前述のASTMに従って測定されたか、又は別の標準測定技術に従って測定されたかにかかわらず、製造業者によって提供されたものである。
光吸収体変性ポリアミド
【0048】
本開示は、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミド及び関連する方法に関する。
【0049】
ポリアミドの例としては、限定するものではないが、ポリカプロアミド(ナイロン6、ポリアミド6、又はPA6)、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)(ナイロン4,6、ポリアミド4,6、又はPA4,6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6、ポリアミド6,6、又はPA6,6)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン5,6、ポリアミド5,6、又はPA5,6)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6,10、ポリアミド6,10、又はPA6,10)、ポリウンデカアミド(ナイロン11、ポリアミド11、又はPA11)、ポリドデカアミド(ナイロン12、ポリアミド12、又はPA12)、及びポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T、ポリアミド6T、又はPA6T)、ナイロン10,10(ポリアミド10,10又はPA10,10)、ナイロン10,12(ポリアミド10,12又はPA10,12)、ナイロン10,14(ポリアミド10,14又はPA10,14)、ナイロン10,18(ポリアミド10,18又はPA10,18)、ナイロン6,18(ポリアミド6,18又はPA6,18)、ナイロン6,12(ポリアミド6,12又はPA6,12)、ナイロン6,14(ポリアミド6,14又はPA6,14)、ナイロン12,12(ポリアミド12,12又はPA12,12)、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド(アラミド)など、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。コポリアミドも使用され得る。コポリアミドの例としては、限定するものではないが、PA11/10,10、PA6/11、PA6,6/6、PA11/12、PA10,10/10,12、PA10,10/10,14、PA11/10,36、PA11/6,36、PA10,10/10,36、PA6T/6,6など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ポリアミドエラストマーの例としては、限定するものではないが、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリカーボネート-エステルアミド、及びポリエーテル-ブロック-アミドエラストマーが挙げられる。本明細書では、単一の数が続くポリアミドは、各窒素間にその数の骨格炭素を有するポリアミドである。第1の数コンマ第2の数が続くポリアミドは、ペンダント=Oを有しない区域についての窒素間の骨格炭素の第1の数と、ペンダント=Oを有する区域についての2つの窒素間にある骨格炭素の第2の数と、を有するポリアミドである。非限定的な例として、ナイロン6,10は、[NH-(CH2)6-NH-CO-(CH2)8-CO]nである。番号(複数可)バックスラッシュ番号(複数可)が続くポリアミドは、バックスラッシュの前後の番号によって示されるポリアミドのコポリマーである。
【0050】
光吸収体は、限定するものではないが、ローダミン、フルオレセイン、クマリン、ナフタルイミド、ベンゾキサンテン、アクリジン、シアニン、オキサジン、フェナントリジン、ピロールケトン、ベンズアルデヒド、ポリメチン、トリアリールメタン、アントラキノン、ピラゾロン、キノフタロン、カルボニル染料、ジアゾ染料、ペルノン、ジケトピロロピロール(diketopyrrolopyrrole、DPP)、ジオキサジン染料、フタロシアニン、インダンスレン、ベンズアントロン、ビオラントロン、アゾ染料、フタロシアニン染料、キナクリドン染料、アントラキノン染料、ジオキサジン染料、インジゴ染料、チオインジゴ染料、ペリノン染料、ペリレン染料、イソインドレン染料、芳香族アミノ酸、フラビン、ピリドキシルの誘導体、クロロフィルの誘導体など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる既知のファミリーからであり得る。光吸収体は、実施される合成スキームに基づいて、ヒドロキシル-ペンダント及び/又はカルボキシル-ペンダントであるように選択されるべきである。
【0051】
本開示の第1の非限定的な例示的実施形態では、OAMB-ポリアミドは、ヒドロキシル-ペンダント光吸収体をハロゲン末端脂肪族酸でエステル化して、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を得ることと、ポリアミドをハロゲン末端アルキル-光吸収体と反応させて、OAMB-ポリアミドを得ることと、によって生成され得る。
【0052】
本開示の第2の非限定的な例示的実施形態では、OAMB-ポリアミドは、カルボキシル-ペンダント光吸収体をハロゲン末端脂肪族アルコールでエステル化して、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を得ることと、ポリアミドをハロゲン末端アルキル-光吸収体と反応させて、OAMB-ポリアミドを得ることと、によって生成され得る。本明細書では、合成中に無水物がカルボン酸に対して開いているため、無水物部分はカルボン酸部分とみなされる。
【0053】
スキーム1は、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を生成するための、C
2~C
18のハロゲン末端脂肪族酸(nが1~17であるブロモ置換脂肪族酸として示す)とのヒドロキシル-ペンダント光吸収体(具体的にはアリザリンとして示す)反応の非限定的な例である。
【化1】
【0054】
ヒドロキシル-ペンダント光吸収体の例としては、限定するものではないが、1,2-ジヒドロキシアントラキノン(アリザリンとしても知られている)、カルミン酸、1,3-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ジヒドロキシアントラキノン、1-ヒドロキシ-4-(p-トリルアミノ)アントラキノン(オイルバイオレット及びソルベントバイオレット13としても知られる)、1,8ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルアントラキノン(パリエチンとしても知られる)、1,2,5-トリヒドロキシ-6-メチルアントラセン-9,10-ジオン(モリンドンとしても知られる)、カルセイン(フロウレキソン(flourexon))としても知られる)、6-カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAMとしても知られる)、2’,7’ジクロロ-3’,6’-ジヒドロキシ-3H-スピロ[2-ベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン(ジクロロフルオレセインとしても知られる)、フルオレセインイソチオシアネート、4’,5’-ジブロモフルオレセイン、5(6)-カルボキシ-2’,7’-ジクロロフルオレセイン、4-クロロ-3-[(2Z)-2-[1-[5-クロロ-4-[[(2Z)-2-[[2-クロロ-5-[N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-C-ヒドロキシカルボンイミドイル]フェニル]ヒドラジニリデン]-3-オキソブタノイル]アミノ]-2-メチルアニリノ]-1,3-ジオキソブタン-2-イリデン]ヒドラジニル]-N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]ベンゼンカルボキシミド酸(ジスアゾイエローGG及びピグメントイエロー128としても知られる)、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム(ウオッチヤングレッドB及びピグメントレッド48としても知られる)、フェノール染料、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ベンゾフラン-1-オン(フェノールフタレインとしても知られる)、4,8-ジアミノ-1,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-スルホン酸ナトリウム(アシッドブルー43としても知られる)、1-アミノ-4-ヒドロキシ-2-フェノキシアントラセン-9,10-ジオン(ディスパースレッド60としても知られる)、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウム(タートラジンとしても知られる)、5-クロロ-2-ヒドロキシ-3-[(3-メチル-5-オキソ-1-フェニル-4H-ピラゾール-4-イル)ジアゼニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム(モルダントレッド19としても知られる)、2-[(4-ヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-1-イル)アミノ]-5-メチルベンゼンスルホン酸ナトリウム(アリザリンイリソールrとしても知られる)、3,5,6,8-テトラヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-7-[3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]アントラセン-2-カルボン酸(カーミンとしても知られる)、など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0055】
好ましくは、ヒドロキシル-ペンダント光吸収体は、1つ又は2つのヒドロキシルを有する。ヒドロキシル-ペンダント光吸収体の例としては、限定するものではないが、アリザリン、1,3-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ジヒドロキシアントラキノン、1,2,4-トリヒドロキシアントラキノン、1-ヒドロキシ-4-(p-トリルアミノ)アントラキノン、1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルアントラキノン、カルセイン、6-カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル、6-カルボキシフルオレセイン、2’,7’-ジクロロ-3’,6’-ジヒドロキシ-3H-スピロ[2-ベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン、フルオレセインイソチオシアネート、4’,5’-ジブロモフルオレセイン、4-クロロ-3-[(2Z)-2-[1-[5-クロロ-4-[[(2Z)-2-[[2-クロロ-5-[N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-C-ヒドロキシカルボンイミドイル]フェニル]ヒドラジニリデン]-3-オキソブタノイル]アミノ]-2-メチルアニリノ]-1,3-ジオキソブタン-2-イリデン]ヒドラジニル]-N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]ベンゼンカルボキシミド酸、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、フェノール染料、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ベンゾフラン-1-オン、4,8-ジアミノ-1,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-スルホン酸ナトリウム、1-アミノ-4-ヒドロキシ-2-フェノキシアントラセン-9,10-ジオン、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウム、5-クロロ-2-ヒドロキシ-3-[(3-メチル-5-オキソ-1-フェニル-4H-ピラゾール-4-イル)ジアゼニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム、2-[(4-ヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-1-イル)アミノ]-5-メチルベンゼンスルホン酸ナトリウムなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0056】
C2~C18ハロゲン末端脂肪族酸は、X-(CH2)n-COOHの一般的構造を有してもよく、式中、Xはブロモ又はクロロ(おそらくは、ブロモ)であり、nは1~17(好ましくは、1~5)である。C2~C18ハロゲン末端脂肪族酸の具体例としては、限定するものではないが、ブロモ酢酸、クロロ酢酸、3-ブロモプロピオン酸、3-クロロプロピオン酸、4-ブロモ酪酸、4-クロロ酪酸、5-ブロモ吉草酸、5-クロロ吉草酸、6-ブロモヘキサン酸、6-クロロヘキサン酸、ブロモ-ポリエチレングリコール1-カルボン酸(ブロモ-PEG1-酸)、ブロモ-PEG2-酸、ブロモ-PEG3-酸、ブロモ-PEG4-酸、ブロモ-PEG5-酸、ブロモ-PEG1-CH2COOH、ブロモ-PEG3-CH2COOHなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0057】
スキーム2は、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を生成するための、C
2~C
18のハロゲン末端脂肪族アルコール(nが1~17であるブロモ置換脂肪族アルコールとして示す)とのカルボキシル-ペンダント光吸収体(具体的には6-カルボキシフルオレセインとして示す)反応の非限定的な例である。本明細書では、合成中に無水物がカルボン酸に対して開いている、無水物部分はカルボン酸部分とみなされる。
【化2】
【0058】
カルボキシル-ペンダント光吸収体の例としては、限定するものではないが、カルセイン(フロウレキソン(flourexon)としても知られる)、5(6)-カルボキシフルオレセイン、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAMとしても知られる)、5(6)-カルボキシフルオレセイン-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、2-ピレンプロパン酸、2-ペリレンプロパン酸、3,9-ペリレンジカルボン酸、5(6)-カルボキシ-2’,7’-ジクロロフルオレセイン、カルセインブルー、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウムなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0059】
好ましくは、カルボキシル-ペンダント光吸収体は、1つ又は2つのカルボキシルを有する。このようなカルボキシル-ペンダント光吸収体の例としては、限定するものではないが、5(6)-カルボキシフルオレセイン、6-カルボキシフルオレセイン、5(6)-カルボキシフルオレセイン-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、2-ピレンプロパン酸、2-ペリレンプロパン酸、3,9-ペリレンジカルボン酸、5(6)-カルボキシ-2’,7’-ジクロロフルオレセイン、カルセインブルー、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウムなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0060】
C2~C18ハロゲン末端脂肪族アルコールは、X-(CH2)n-OHの一般的構造を有してもよく、式中、Xはブロモ又はクロロ(おそらくは、ブロモ)であり、nは2~18(好ましくは、2~6)である。C2~C18ハロゲン末端脂肪族アルコールの具体例としては、限定するものではないが、3-ブロモエタン-1-オール、3-クロロエタン-1-オール、4-ブロモプロパン-1-オール、4-クロロプロパン-1-オール、5-ブロモブタン-1-オール、5-クロロブタン-1-オール、6-ブロモペンタン-1-オール、6-クロロペンタン-1-オール、7-ブロモヘキサン-1-オール、7-クロロヘキサン-1-オールなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0061】
スキーム1又はスキーム2におけるエステル化は、シュテークリヒ(Steglich)エステル化により達成することができ、これは、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)をカップリング試薬として及び4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)を触媒として使用する。
【0062】
スキーム1又はスキーム2におけるエステル化は、約0℃~約70℃(又は約0℃~約30℃、又は約20℃~約40℃、又は約30℃~約70℃)で実行され得る。
【0063】
スキーム1又はスキーム2におけるエステル化は、約10分~約24時間(又は約10分~約6時間、又は約2時間~約12時間、又は約6時間~約24時間)実行され得る。
【0064】
スキーム1又はスキーム2におけるエステル化は、限定するものではないが、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド(dimethyl sulfoxide、DMSO)、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフランなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる溶媒中で実行され得る。
【0065】
ヒドロキシル-ペンダント光吸収体対ハロゲン末端脂肪族酸のモル比は、好ましくは約5:1~約1:5(又は約5:1~約1:5、又は約5:1~約1:5、又は約5:1~約1:5)である。カルボキシル-ペンダント光吸収体対ハロゲン末端脂肪族アルコールのモル比は、好ましくは約5:1~約1:5(又は約5:1~約1:5、又は約5:1~約1:5、又は約5:1~約1:5)である。
【0066】
一般に、前述のモル比は、多くの光吸収体が複数のヒドロキシル基又は複数のカルボキシル基を有するため、好ましくは、約1:1(例えば、約2:1~約1:2)であるか又はそれに近い。約1:1モル比であるか、又はそれに近いことによって、光吸収体を複数の位置でエステル化することが軽減され、これにより、ポリアミドと反応させたときに架橋剤として作用する可能性が高いハロゲン末端アルキル-光吸収体が得られる。
【0067】
ハロゲン末端アルキル-光吸収体がスキーム1又はスキーム2によって形成された後、ポリアミドは、ハロゲン末端アルキル-光吸収体でN-アルキル化される。スキーム1における非限定的な例に続いて、スキーム3では、ハロゲン末端アルキル-光吸収体(ハロゲン末端アルキル-アリザリン)とポリアミド(ナイロン6として示す)との間の反応が示され、OAMB-ポリアミド(アリザリン-ペンダントナイロン6として示す)が得られる。
【化3】
【0068】
スキーム3におけるN-アルキル化は、強塩基の存在下で実行される。強塩基の例としては、限定するものではないが、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド、マグネシウムt-ブトキシド、カルシウムt-ブトキシド、ナトリウムt-アミレート、ナトリウム2-メチル-2-ブトキシド、アルカリ金属アミド(例えば、ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジエチルアミド、及びリチウムジイソプロピルアミド)、水素化ナトリウム、水素化リチウム、トリフェニルメチルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム、ナフタレンナトリウム、トリフェニルメチルカリウムなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0069】
スキーム3におけるN-アルキル化は、約100℃~約200℃(又は約100℃~約150℃、又は約125℃~約175℃、又は約150℃~約200℃で実行され得る。
【0070】
スキーム3におけるN-アルキル化は、約10分~約48時間(又は約10分~約6時間、又は約2時間~約12時間、又は約6時間~約24時間、又は約12時間~約48時間)実行され得る。
【0071】
スキーム3におけるN-アルキル化は、限定するものではないが、DMSO、ベンジルアルコール、ニトロベンゼン、ニトロアルコールなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる溶媒中で実行され得る。
【0072】
ハロゲン末端アルキル-光吸収体対ポリアミドのモル比は、好ましくは約500:1~約10:1(又は約500:1~約100:1、又は約250:1~約50:1、又は約100:1~約10:1)である。
【0073】
スキーム3の生成物は、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドであり、ポリアミド及び光吸収体は、好ましくは2~18個の炭素、より好ましくは2~6個の炭素を有するアルキルリンカーによって連結されている。当業者であれば、スキーム1、2、及び3を他の光吸収体及び他のポリアミドに適合させて、様々なOAMB-ポリアミドを得ることができると理解するであろう。化合物1~7は、OAMB-ポリアミドの非限定的な例である。
【化4】
【化5】
【化6】
OAMB-ポリアミドの用途
【0074】
本明細書に記載のOAMB-ポリアミドは、様々な物体(又は物品)を製造するために使用され得る。本明細書に記載のOAMB-ポリアミドは、単独で、又は他の熱可塑性ポリマー(例えば、光吸収体及び/又は他の熱可塑性ポリマーを含まないポリアミド)と組み合わせて使用することができる。本開示の1つ以上のOAMB-ポリアミドと併せて使用され得る熱可塑性ポリマーの例としては、限定するものではないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate、PBT)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate、PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエテン、ポリエステル(例えば、ポリ乳酸)、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrile butadiene styrene、ABS)、ポリフェニレンスルフィド、ビニルポリマー、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルブロック及びポリアミドブロック(PEBA又はポリエーテルブロックアミド)を含むコポリマー、グラフト化又は非グラフト化熱可塑性ポリオレフィン、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマーポリマー、官能化又は非官能化エチレン/アルキル(メタ)アクリレート、官能化又は非官能化(メタ)アクリル酸ポリマー、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマー/アルキル(メタ)アクリレートターポリマー、エチレン/ビニルモノマー/カルボニルターポリマー、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/カルボニルターポリマー、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン(methylmethacrylate-butadiene-styrene、MBS)型コア-シェルポリマー、ポリスチレン-ブロック-ポリブタジエン-ブロック-ポリ(メチルメタクリレート)(SBM)ブロックターポリマー、塩素化又はクロロスルホン化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride、PVDF)、フェノール樹脂、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン系ブロックコポリマー、ポリアクリロニトリル、シリコーンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。前述のうちの1つ以上を含むコポリマーもまた、本明細書に記載の方法及びシステムで使用されてもよい。
【0075】
必要に応じて、相溶化剤は、本明細書に記載のOAMB-ポリアミドを他の熱可塑性ポリマーと組み合わせるときに使用することができる。相溶化剤は、ポリマーのブレンド効率及び/又は有効性を改善することができる。ポリマー相溶剤の例としては、限定するものではないが、PROPOLDER(商標)MPP2020 20(ポリプロピレン、Polygroup Inc.から入手可能)、PROPOLDER(商標)MPP2040 40(ポリプロピレン、Polygroup Inc.から入手可能)、NOVACOM(商標)HFS2100(無水マレイン酸官能化高密度ポリエチレンポリマー、Polygroup Inc.から入手可能)、KEN-REACT(商標)CAPS(商標)L(商標)12/L(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KENーREACT(商標)CAPOW(商標)L(商標)12/H(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)LICA(商標)12(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)CAPS(商標)KPR(商標)12/LV(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)CAPOW(商標)KPR(商標)12/H(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)チタネート&ジルコネート(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、VISTAMAXX(商標)(エチレン-プロピレンコポリマー、ExxonMobilから入手可能)、SANTOPRENE(商標)(エチレン-プロピレン-ジエンゴム及びポリプロピレンの熱可塑性加硫ゴム、ExxonMobilから入手可能)、VISTALON(商標)(エチレン-プロピレン-ジエンゴム、ExxonMobilから入手可能)、EXACT(商標)(プラストマー、ExxonMobilから入手可能)、EXXELOR(商標)(ポリマー樹脂、ExxonMobilから入手可能)、FUSABOND(商標)M603(ランダムエチレンコポリマー、Dowから入手可能)、FUSABOND(商標)E226(無水変性ポリエチレン、Dowから入手可能)、BYNEL(商標)41E710(共押し出し可能な接着剤樹脂、Dowから入手可能)、SURLYN(商標)1650(アイオノマー樹脂、Dowから入手可能)、FUSABOND(商標)P353(化学的に変性されたポリプロピレンコポリマー、Dowから入手可能)、ELVALOY(商標)PTW(エチレンターポリマー、Dowから入手可能)、ELVALOY(商標)3427AC(エチレン及びブチルアクリレートのコポリマー、Dowから入手可能)、LOTADER(商標)AX8840(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)3210(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)3410(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)3430(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)4700(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)AX8900(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)4720(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 301(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 311(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 303(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 280(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 201(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 130(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 110(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、スチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、EASTMAN(商標)G-3003(無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン、Eastmanから入手可能)、RETAIN(商標)(ポリマー変性剤、Dowから入手可能)、AMPLIFY TY(商標)(無水マレイン酸グラフトポリマー、Dowから入手可能)、INTUNE(商標)(オレフィンブロックコポリマー、Dowから入手可能)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0076】
物体を製造するための方法としては、限定するものではないが、溶融押出、射出成形、圧縮成形、溶融紡糸、溶融乳化、噴霧乾燥(例えば、粒子を形成するため)、低温ミリング(又は低温粉砕)、凍結乾燥ポリマー分散体、ポリマー分散体の沈殿など、及びこれらの任意のハイブリッドが挙げられる。
【0077】
OAMB-ポリアミドが当該物品の全て又は一部であり得るこのような方法によって製造され得る物品の例としては、限定するものではないが、粒子、フィルム、包装、玩具、家庭用用品、自動車部品、航空宇宙/航空機関連部品、容器(例えば、食品、飲料、化粧品、パーソナルケア組成物、医薬品など)、靴底、家具部品、装飾用の家庭用品、プラスチックギア、ねじ、ナット、ボルト、ケーブルタイ、宝石、美術品、彫刻、医療品目、プロテーゼ、整形外科用インプラント、教育における学習を補助するアーチファクトの製品、手術を補助するための3D生体モデル、ロボット工学、バイオメディカルデバイス(装具)、家庭用電化製品、歯科、電子機器、スポーツ用品などが挙げられる。更に、粒子は、限定するものではないが、塗料、粉末コーティング、インクジェット材料、電子写真トナー、3D印刷などが挙げられる用途において有用であり得る。
【0078】
本明細書に記載のOAMB-ポリアミドは、物体、追跡物体、認証物体を識別する、及び/又は物体の状態を決定する際に有用である特定の化学的フィンガープリントを有し得る。更に、OAMB-ポリアミドが物体内に位置されている場所の位置付けは、物体の識別、物体の追跡、物体の認証、及び/又は物体の状態の決定のための物体のフィンガープリンティングの別の層として使用される。
【0079】
物体の識別、物体の追跡、物体の認証、及び/又は物体の状態の決定方法は、(a)OAMB-ポリアミドを含む物体を電磁放射線に曝露すること(例えば、フルオロフォア、好ましくは302nm以下又は700nm以上の波長での場合)と、(b)吸収及び/又は再放射された電磁放射線に関連する1つ以上のスペクトルを感知すること(例えば、フルオロフォア、好ましくは302nm~700nmで放射されるフォトルミネセンスの場合)と、(c)スペクトルと、当該物体又はその一部分で使用される光吸収体についての既知のスペクトルと、を比較することと、を含み得る。任意選択で、スペクトル領域が物体上に位置される場所の位置は、スペクトル領域があるべき既知の位置と比較されてもよい。比較(複数可)は、物体を識別及び/又は認証するために使用することができる。追跡については、比較(複数可)は行われてもよく、並びに/又は検出されたスペクトル及び/若しくはスペクトル領域は、物体の物理的位置と共にデータベースの中にログ記録されてもよい。更に、摩耗及び/又は亀裂した物体の状態を確認することができる。例えば、物品のコア部分は光吸収体を含んでもよく、外側部分はコア部分を被覆し、光吸収体を含まなくてもよい(又は異なる光吸収体を含んでもよい)。次いで、スペクトルを比較するとき、コア内の光吸収体についてのスペクトル特徴の外観は、物体が寿命末期にあるか、又はそれに近いことを示し得る。
【0080】
非限定的な例として、本開示の3D印刷プロセスは、本開示の1つ以上のOAMB-ポリアミド(及び任意選択で、1つ以上の他の熱可塑性ポリマー及び/又は1つ以上の相溶化剤)を含む粒子を、特定の形状の表面に堆積させることと、堆積したら、固結された後に、固結体が約1%以下の空隙率を有するように、粒子の少なくとも一部分を加熱して、その固結化を促進し、固結体(物体)を形成することと、を含み得る。例えば、熱可塑性ポリマー粒子の加熱及び固結化は、選択的レーザ焼結によって加熱及び固結化が行われるように、レーザを用いた3D印刷装置内で行われてもよい。
【0081】
非限定的な例として、本開示の3D印刷プロセスは、本開示の1つ以上のOAMB-ポリアミド(及び任意選択で、1つ以上の他の熱可塑性ポリマー及び/又は1つ以上の相溶化剤)を含むフィラメントを、オリフィスを通して押し出すことであって、フィラメントが押し出し時にポリマー溶融物となる、押し出すことと、ポリマー溶融物をプラットフォーム上の第1の層として堆積させることと、層を冷却することと、第1の層上にポリマー溶融物の追加の層を堆積させることと、追加の層を冷却することと、少なくとも1つの追加の層の堆積及び冷却を繰り返して、3D形状を製造することと、を含み得る。
【0082】
更に別の非限定的な例は、本開示の1つ以上のOAMB-ポリアミド(及び任意選択で、1つ以上の他の熱可塑性ポリマー及び/又は1つ以上の相溶化剤)を含むポリマー溶融物を、オリフィスを通して押し出して、フィルム、繊維(又はフィラメント)、粒子、ペレットなどを製造することを含む方法である。
熱可塑性ポリマー粒子及び製造方法
【0083】
図は、本開示の非限定的な例の方法100のフローチャートである。熱可塑性ポリマー102(1つ以上のOAMB-ポリアミド及び任意選択で、1つ以上の他の熱可塑性ポリマーを含む)、分散媒104、並びに任意選択で乳化安定剤106が組み合わされて108、混合物110を製造する。構成成分102、104、及び106は、任意の順序で添加され、構成成分102、104、及び106を組み合わせるプロセス108中の混合及び/又は加熱を含み得る。
【0084】
次いで、混合物110は、熱可塑性ポリマー102の融点又は軟化温度を超える温度で混合物110に十分に高い剪断力を適用することによって処理されて(112)、溶融乳化物114が形成される。温度は熱可塑性ポリマー102の融点又は軟化温度よりも高いため、熱可塑性ポリマー102はポリマー溶融物となる。剪断速度は、液滴(すなわち、ポリマー乳化物114)として、分散媒104中にポリマー溶融物を分散させるのに十分であるべきである。理論に束縛されるものではないが、全ての他の要因が同じである場合、剪断力を高めると、分散媒104中のポリマー溶融物の液滴の大きさが減少するはずであると考えられる。しかしながら、ある点においては、剪断力を高め、液滴直径を減少させることによる収穫逓減が存在する場合があり、又は製造される粒子の質を低下させる液滴内容物への分裂が存在する場合もある。
【0085】
次いで、混合容器の内側及び/又は外側の溶融乳化物114が冷却されて(116)、ポリマー液滴を熱可塑性ポリマー粒子(固化熱可塑性ポリマー粒子とも呼ばれる)へと固化される。次いで、冷却された混合物118が処理されて(120)、熱可塑性ポリマー粒子122が他の構成成分124(例えば、分散媒104、余剰乳化安定剤106など)から単離され、熱可塑性ポリマー粒子122が洗浄、ないしは別の方法で精製され得る。熱可塑性ポリマー粒子122は、熱可塑性ポリマー102、含まれる場合、熱可塑性ポリマー粒子122の外側表面をコーティングする乳化安定剤106の少なくとも一部を含む。乳化安定剤106又はその一部は、熱可塑性ポリマー粒子122上に均一なコーティングとして堆積されてもよい。温度(冷却速度を含む)、熱可塑性ポリマー102の種類、並びに乳化安定剤106の種類及びサイズなどの非限定的要因に依存し得るいくつかの事例では、乳化安定剤106のナノ粒子は、熱可塑性ポリマー粒子122の外側表面内に、そこに会合する過程で少なくとも部分的に埋め込まれた状態になり得る。実施形態が実行されない場合でも、少なくとも乳化安定剤106内のナノ粒子は、熱可塑性ポリマー粒子122に強固に会合したまま、それらの更なる使用を促進し得る。対照的に、既に形成された(例えば、低温粉砕又は沈殿プロセスによって形成された)熱可塑性ポリマー微粒子と、シリカナノ粒子のような流動助剤との乾式ブレンドは、熱可塑性ポリマー微粒子上の流動助剤の堅牢で均一なコーティングをもたらさない。
【0086】
有利には、本明細書に記載されるシステム及び方法(例えば、方法100)の分散媒及び洗浄溶媒は、再生され再利用され得る。当業者であれば、再生プロセスに必要な使用済み分散媒及び溶媒の任意の必要な洗浄を認識するであろう。
【0087】
熱可塑性ポリマー102及び分散媒104は、様々な処理温度(例えば、室温からプロセス温度まで)にて熱可塑性ポリマー102及び分散媒104が不混和性であるように選択されるべきである。考慮され得る追加の要因は、溶融ポリアミド102と分散媒104との間のプロセス温度における粘度の差(例えば、差又は比)である。粘度の差は、液滴破壊及び粒径分布に影響を及ぼし得る。理論に束縛されるものではないが、溶融ポリアミド102及び分散媒104の粘度が類似しすぎると、全体としての生成物の円形度が低減され得、粒子はより卵形になり、より細長い構造が観察されると考えられる。
【0088】
熱可塑性ポリマー102は、1つ以上のOAMB-ポリアミド及び任意選択で、1つ以上の他の熱可塑性ポリマーを含む。他の熱可塑性ポリマーの例としては、限定するものではないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエテン、ポリエステル(例えば、ポリ乳酸)、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフェニレンスルフィド、ビニルポリマー、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルブロック及びポリアミドブロック(PEBA又はポリエーテルブロックアミド)を含むコポリマー、グラフト化又は非グラフト化熱可塑性ポリオレフィン、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマーポリマー、官能化又は非官能化エチレン/アルキル(メタ)アクリレート、官能化又は非官能化(メタ)アクリル酸ポリマー、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマー/アルキル(メタ)アクリレートターポリマー、エチレン/ビニルモノマー/カルボニルターポリマー、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/カルボニルターポリマー、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)型コア-シェルポリマー、ポリスチレン-ブロック-ポリブタジエン-ブロック-ポリ(メチルメタクリレート)(SBM)ブロックターポリマー、塩素化又はクロロスルホン化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フェノール樹脂、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン系ブロックコポリマー、ポリアクリロニトリル、シリコーンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。また、前述の1つ以上を含むコポリマーが本開示の方法及びシステムにおいて使用されてもよい。
【0089】
本開示の組成物及び方法における他の熱可塑性ポリマーは、エラストマー又は非エラストマーであってもよい。他の熱可塑性ポリマーの前述の例のいくつかは、ポリマーの正確な組成に応じてエラストマー又は非エラストマーであってもよい。例えば、エチレンとプロピレンとのコポリマーであるポリエチレンは、ポリマー中のプロピレンの量に応じて、エラストマーであっても又はエラストマーでなくてもよい。
【0090】
熱可塑性エラストマーは、一般に、6つのクラス、スチレン系ブロックコポリマー、熱可塑性ポリオレフィンエラストマー、熱可塑性加硫ゴム(エラストマー合金とも呼ばれる)、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル、及び熱可塑性ポリアミド(典型的にはポリアミドを含むブロックコポリマー)のうちの1つの範囲内にある。熱可塑性エラストマーの例は、「Handbook of Thermoplastic Elastomers,2nd ed.,B.M.Walker and C.P.Rader,eds.,Van Nostrand Reinhold,New York,1988.」に見出すことができる。熱可塑性エラストマーの例としては、エラストマー性ポリアミド、ポリウレタン、ポリエーテルブロック及びポリアミドブロックを含むコポリマー(PEBA又はポリエーテルブロックアミド)、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)型コアシェルポリマー、ポリスチレン-ブロック-ポリブタジエン-ブロック-ポリ(メチルメタクリレート)(SBM)ブロックターポリマー、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン系ブロックコポリマー、及びポリアクリロニトリル、シリコーンなどが挙げられる。弾性スチレン系ブロックコポリマーとしては、イソプレン、イソブチレン、ブチレン、エチレン/ブチレン、エチレン-プロピレン、及びエチレン-エチレン/プロピレンからなる群から選択される少なくとも1つのブロックが挙げられ得る。より具体的な弾性スチレン系ブロックコポリマーの例としては、限定するものではないが、ポリ(スチレン-エチレン/ブチレン)、ポリ(スチレン-エチレン/ブチレン-スチレン)、ポリ(スチレン-エチレン/プロピレン)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン)、ポリ(スチレン-エチレン/プロピレン-スチレン-エチレン-プロピレン)、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)、ポリ(スチレン-ブチレン-ブタジエン-スチレン)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0091】
ポリアミドの例としては、限定するものではないが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。コポリアミドも使用され得る。コポリアミドの例としては、限定するものではないが、PA11/10,10、PA6/11、PA6,6/6、PA11/12、Pa10,10/10,12、PA10,10/10,14、PA11/10,36、PA11/6,36、PA10,10/10,36など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。ポリアミドエラストマーの例としては、限定するものではないが、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステルアミド、ポリカーボネート-エステルアミド、及びポリエーテル-ブロック-アミドエラストマーが挙げられる。
【0092】
ポリウレタンの例としては、限定するものではないが、ポリエーテルポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、混合ポリエーテル及びポリエステルポリウレタンなど、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。熱可塑性ポリウレタンの例としては、限定するものではないが、ポリ[4,4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)-alt-1,4-ブタンジオール/ジ(プロピレングリコール)/ポリカプロラクトン]、ELASTOLLAN(登録商標)1190A(ポリエーテルポリウレタンエラストマー、BASFから入手可能)、ELASTOLLAN(登録商標)1190A10(ポリエーテルポリウレタンエラストマー、BASFから入手可能)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0093】
相溶化剤は、任意選択で、OAMB-ポリアミドと1つ以上の熱可塑性ポリマーとのブレンド効率及び有効性を改善するために使用することができる。ポリマー相溶剤の例としては、限定するものではないが、PROPOLDER(商標)MPP2020 20(ポリプロピレン、Polygroup Inc.から入手可能)、PROPOLDER(商標)MPP2040 40(ポリプロピレン、Polygroup Inc.から入手可能)、NOVACOM(商標)HFS2100(無水マレイン酸官能化高密度ポリエチレンポリマー、Polygroup Inc.から入手可能)、KEN-REACT(商標)CAPS(商標)L(商標)12/L(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KENーREACT(商標)CAPOW(商標)L(商標)12/H(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)LICA(商標)12(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)CAPS(商標)KPR(商標)12/LV(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)CAPOW(商標)KPR(商標)12/H(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、KEN-REACT(商標)チタネート&ジルコネート(有機金属結合剤、Kenrich Petrochemicalsから入手可能)、VISTAMAXX(商標)(エチレン-プロピレンコポリマー、ExxonMobilから入手可能)、SANTOPRENE(商標)(エチレン-プロピレン-ジエンゴム及びポリプロピレンの熱可塑性加硫ゴム、ExxonMobilから入手可能)、VISTALON(商標)(エチレン-プロピレン-ジエンゴム、ExxonMobilから入手可能)、EXACT(商標)(プラストマー、ExxonMobilから入手可能)、EXXELOR(商標)(ポリマー樹脂、ExxonMobilから入手可能)、FUSABOND(商標)M603(ランダムエチレンコポリマー、Dowから入手可能)、FUSABOND(商標)E226(無水変性ポリエチレン、Dowから入手可能)、BYNEL(商標)41E710(共押し出し可能な接着剤樹脂、Dowから入手可能)、SURLYN(商標)1650(アイオノマー樹脂、Dowから入手可能)、FUSABOND(商標)P353(化学的に変性されたポリプロピレンコポリマー、Dowから入手可能)、ELVALOY(商標)PTW(エチレンターポリマー、Dowから入手可能)、ELVALOY(商標)3427AC(エチレン及びブチルアクリレートのコポリマー、Dowから入手可能)、LOTADER(商標)AX8840(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)3210(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)3410(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)3430(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)4700(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)AX8900(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、LOTADER(商標)4720(エチレンアクリレート系ターポリマー、Arkemaから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 301(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 311(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 303(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 280(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 201(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 130(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、BAXXODUR(商標)EC 110(エポキシ用アミン、BASFから入手可能)、スチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、EASTMAN(商標)G-3003(無水マレイン酸グラフト化ポリプロピレン、Eastmanから入手可能)、RETAIN(商標)(ポリマー変性剤、Dowから入手可能)、AMPLIFY TY(商標)(無水マレイン酸グラフトポリマー、Dowから入手可能)、INTUNE(商標)(オレフィンブロックコポリマー、Dowから入手可能)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0094】
熱可塑性ポリマー102(1つ以上のOAMB-ポリアミド及び任意選択で、1つ以上の他の熱可塑性ポリマーを含む)は、約50℃~約450℃(又は約50℃~約125℃、又は約100℃~約175℃、又は約150℃~約280℃、又は約200℃~約350℃、又は約300℃~約450℃)の融点又は軟化温度を有し得る。
【0095】
熱可塑性ポリマー102は、約-50℃~約400℃(又は約-50℃~約0℃、又は約-25℃~約50℃、又は約0℃~約150℃、又は約100℃~約250℃、又は約150℃~約300℃、又は約200℃~約400℃)のガラス転移温度(10℃/分の昇温速度及び冷却速度でのASTM E1356-08(2014))を有し得る。
【0096】
熱可塑性ポリマー102は、添加剤を任意選択で含んでもよい。典型的には、添加剤は、熱可塑性ポリマー102を混合物110に添加する前に存在するものである。したがって、熱可塑性ポリマー溶融液滴及び結果として得られる熱可塑性ポリマー粒子において、添加剤は熱可塑性ポリマー全体に分散される。それに応じて、明確にするために、この添加剤は本明細書では「内部添加剤」と呼ばれる。内部添加剤は、混合物110又はウェルを予め作製する直前に、熱可塑性ポリマーとブレンドされてもよい。
【0097】
本明細書に記載の組成物(例えば、混合物110及び熱可塑性ポリマー粒子122)中の成分量を記載したとき、重量パーセントは、内部添加剤を含まない熱可塑性ポリマー102に基づいている。例えば、10重量%の内部添加剤及び90重量%の熱可塑性ポリマーを含む100gの熱可塑性ポリマー102の重量に対して1重量%の乳化安定剤を含む組成物は、0.9gの乳化安定剤と、90gの熱可塑性ポリマーと、10gの内部添加剤と、を含む組成物である。
【0098】
内部添加剤は、熱可塑性ポリマー102の約0.1重量%~約60重量%(又は約0.1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約5重量%~約20重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約25重量%~約50重量%、又は約40重量%~約60重量%)で熱可塑性ポリマー102中に存在し得る。例えば、熱可塑性ポリマー102は、約70重量%~約85重量%の熱可塑性ポリマーと、約15重量%~約30重量%のガラス繊維又は炭素繊維のような内部添加剤と、を含み得る。
【0099】
内部添加剤の例としては、限定するものではないが、充填剤、強化剤、顔料、pH調整剤など、及びこれらの組み合わせが挙げられる。充填剤の例としては、限定するものではないが、ガラス繊維、ガラス粒子、鉱物繊維、炭素繊維、酸化物粒子(例えば、二酸化チタン及び二酸化ジルコニウム)、金属粒子(例えば、アルミニウム粉末)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。顔料の例としては、限定するものではないが、有機顔料、無機顔料、カーボンブラックなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0100】
熱可塑性ポリマー102は、組み合わされた熱可塑性ポリマー102及び分散媒104の約5重量%~約60重量%(又は約5重量%~約25重量%、又は約10重量%~約30重量%、又は約20重量%~約45重量%、又は約25重量%~約50重量%、又は約40重量%~約60重量%)で混合物110中に存在し得る。
【0101】
好適な分散媒104は、25℃で約1,000cSt~約150,000cSt(又は約1,000cSt~約60,000cSt、又は約40,000cSt~約100,000cSt、又は約75,000cSt~約150,000cSt)の粘度を有する。
【0102】
分散媒104の例としては、限定するものではないが、シリコーンオイル、フッ素化シリコーンオイル、ペルフッ素化シリコーンオイル、ポリエチレングリコール、アルキル末端ポリエチレングリコール(例えば、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(tetraethylene glycol dimethyl ether、TDG)のようなC1~C4末端アルキル基)、パラフィン、流動ワセリン、ミンクオイル、タートルオイル、大豆油、ペルヒドロスクアレン、スイートアーモンドオイル、カロフィルムオイル、パームオイル、パールリームオイル、グレープシードオイル、ゴマ油、トウモロコシ油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、杏油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、穀物胚芽油、ラノリン酸のエステル、オレイン酸のエステル、ラウリン酸のエステル、ステアリン酸のエステル、脂肪族エステル、高級脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸で修飾されたポリシロキサン、脂肪族アルコールで修飾されたポリシロキサン、ポリオキシアルキレンで修飾されたポリシロキサンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。シリコーンオイルの例としては、限定するものではないが、ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。分散媒104が上述のうちの2つ以上を含む場合、分散媒104は、1つ以上の相を有し得る。例えば、脂肪酸で修飾されたポリシロキサン及び脂肪族アルコールで修飾されたポリシロキサン(好ましくは、脂肪酸及び脂肪族アルコールと同様の鎖長を有する)は、単相分散媒104を形成し得る。別の例では、シリコーンオイル及びアルキル末端ポリエチレングリコールを含む分散媒104は、二相分散媒104を形成し得る。
【0103】
分散媒104は、組み合わされた熱可塑性ポリマー102及び分散媒104の約40重量%~約95重量%(又は約75重量%~約95重量%、又は約70重量%~約90重量%、又は約55重量%~約80重量%、又は約50重量%~約75重量%、又は約40重量%~約60重量%)で混合物110中に存在し得る。
【0104】
場合によっては、分散媒104は、約0.6g/cm3~約1.5g/cm3の密度を有してもよく、熱可塑性ポリマー102は、約0.7g/cm3~約1.7g/cm3の密度を有し、熱可塑性ポリマーは、分散媒の密度と同様の密度、それより低い密度、又はそれより高い密度を有する。
【0105】
本開示の方法及び組成物に使用される乳化安定剤は、ナノ粒子(例えば、酸化物ナノ粒子、カーボンブラック、ポリマーナノ粒子、及びこれらの組み合わせ)、界面活性剤など、及びこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0106】
酸化物ナノ粒子は、金属酸化物ナノ粒子、非金属酸化物ナノ粒子、又はこれらの混合物であってもよい。酸化物ナノ粒子の例としては、限定するものではないが、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化鉄、酸化銅、酸化スズ、酸化ホウ素、酸化セリウム、酸化タリウム、酸化タングステンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。アルミノケイ酸塩、ホウケイ酸塩、及びアルミノホウケイ酸塩のような混合された金属酸化物及び/又は非金属酸化物もまた、金属酸化物という用語に含まれる。酸化物ナノ粒子は、親水性であっても又は疎水性であってもよく、天然の粒子であっても又は粒子の表面処理の結果であってもよい。例えば、ジメチルシリル、トリメチルシリルなどのような疎水性表面処理を有するシリカナノ粒子が本開示の方法及び組成物に使用されてもよい。加えて、メタクリレート官能基のような機能的な表面処理を施したシリカが、本開示の方法及び組成物に使用されてもよい。非官能化酸化物ナノ粒子もまた同様に、使用に好適であり得る。
【0107】
シリカナノ粒子の市販の例としては、限定するものではないが、Evonikから入手可能なAEROSIL(登録商標)(例えば、AEROSIL(登録商標)R812S(疎水変性表面及び260±30m2/gのBET表面積を有する平均直径約7nmのシリカナノ粒子)、AEROSIL(登録商標)RX50(疎水変性表面及び35±10m2/gのBET表面積を有する平均直径約40nmのシリカナノ粒子)、AEROSIL(登録商標)380(疎水変性表面及び380±30m2/gの表面積を有するシリカナノ粒子)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0108】
カーボンブラックは、本明細書に開示される組成物及び方法において乳化安定剤として存在し得る別の種類のナノ粒子である。様々な等級のカーボンブラックが当業者に馴染みのあるものであり、そのうちのいずれかが本明細書で使用され得る。赤外線を吸収することができる他のナノ粒子が同様に使用されてもよい。
【0109】
ポリマーナノ粒子は、本明細書の開示において乳化安定剤として存在し得る別の種類のナノ粒子である。好適なポリマーナノ粒子は、本明細書内の開示による溶融乳化によって処理されたときに溶融しないように、熱硬化性である及び/又は架橋されている1つ以上のポリマーを含んでもよい。高い融点又は分解点を有する高分子量熱可塑性ポリマーは、同様に、好適なポリマーナノ粒子乳化安定剤を含んでもよい。
【0110】
ナノ粒子は、約1nm~約500nm(又は約10nm~約150nm、又は約25nm~約100nm、又は約100nm~約250nm、又は約250nm~約500nm)の平均直径(体積に基づくD50)を有し得る。
【0111】
ナノ粒子は、約10m2/g~約500m2/g(又は約10m2/g~約150m2/g、又は約25m2/g~約100m2/g、又は約100m2/g~約250m2/g、又は250m2/g~約500m2/g)のBET表面積を有し得る。
【0112】
ナノ粒子は、熱可塑性ポリマー102の重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%(又は約0.01重量%~約1重量%、又は約0.1重量%~約3重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は約5重量%~約10重量%)の濃度で混合物110中に含まれ得る。
【0113】
界面活性剤は、アニオン性、カオチン性、非イオン性、又は双極性イオン性であり得る。界面活性剤の例としては、限定するものではないが、ドデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ソルビタン、ポリ[ジメチルシロキサン-コ-[[3-(2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ)プロピルメチルシロキサン]、ドキュセートナトリウム(ナトリウム1,4-ビス(2-エチルヘキソキシ)-1,4-ジオキソブタン-2-スルホネート)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。界面活性剤の市販の例としては、限定するものではないが、CALFAX(登録商標)DB-45(ドデシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウム、Pilot Chemicalsから入手可能)、SPAN(登録商標)80(ソルビタンマレエート非イオン性界面活性剤)、MERPOL(登録商標)界面活性剤(Stepan Companyから入手可能)、TERGITOL(商標)TMN-6(水溶性非イオン性界面活性剤、DOWから入手可能)、TRITON(商標)X-100(オクチルフェノールエトキシレート、SigmaAldrichから入手可能)、IGEPAL(登録商標)CA-520(ポリオキシエチレン(5)イソオクチルフェニルエーテル、SigmaAldrichから入手可能)、BRIJ(登録商標)S10(ポリエチレングリコールオクタデシルエーテル、SigmaAldrichから入手可能)など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0114】
界面活性剤は、ポリアミド102の重量に基づいて約0.01重量%~約10重量%(又は約0.01重量%~約1重量%、又は約0.5重量%~約2重量%、又は約1重量%~約3重量%、又は約2重量%~約5重量%、又は約5重量%~約10重量%)の濃度で混合物110中に含まれ得る。あるいは、混合物110は、界面活性剤を含まなくても(又は不在であっても)よい。
【0115】
ナノ粒子対界面活性剤の重量比は、約1:10~約10:1(又は約1:10~約1:1、又は約1:5~約5:1、又は約1:1~約10:1)であってもよい。
【0116】
上述のように、構成成分102、104、及び106は、任意の順番で添加され、構成成分102、104、及び106を含むプロセス108中の混合及び/又は加熱を含み得る。例えば、乳化安定剤106は、熱可塑性ポリマー102を添加する前に、まず分散媒104に分散されてもよく、任意選択で当該分散液の加熱を伴う。別の非限定的な例では、熱可塑性ポリマー102は、分散媒104及び乳化安定剤106が一緒に又はいずれかの順序で添加されるポリマー溶融物を製造するために加熱され得る。更に別の非限定的な例では、熱可塑性ポリマー102及び分散媒104は、熱可塑性ポリマー102の融点又は軟化温度を超える温度及び分散媒104中に熱可塑性ポリマー溶融物を分散させるのに十分な剪断速度で、混合することができる。次いで、乳化安定剤106は、混合物110を形成するために添加され、設定された期間に好適なプロセス条件で維持され得る。
【0117】
構成成分102、104、及び106を任意の組み合わせで組み合わせること(108)は、処理112に使用される混合装置及び/又は別の好適な容器内で行われ得る。非限定的な例として、熱可塑性ポリマー102は、処理112に使用される混合装置内で熱可塑性ポリマー102の融点又は軟化温度を超える温度まで加熱されてもよく、乳化安定剤106は、別の容器内で分散媒104中に分散されてもよい。次いで、当該分散液は、処理112に使用される混合装置内で熱可塑性ポリマー102の溶融物に添加されてもよい。
【0118】
溶融乳化物114を製造するために処理112に使用される混合装置は、溶融乳化物114を熱可塑性ポリマー102の融点又は軟化温度を超える温度に維持し、ポリマー溶融物を液滴として分散媒104中に分散させるのに十分な剪断速度を適用することができるべきである。
【0119】
溶融乳化物114を製造するために処理112に使用される混合装置の例としては、限定するものではないが、押し出し機(例えば、連続押し出し機、バッチ押し出し機など)、撹拌反応器、ブレンダ、インラインホモジナイザシステムを備える反応器など、及びそこから派生する装置が挙げられる。
【0120】
設定された期間に好適なプロセス条件(例えば、温度、剪断速度など)での処理112及び溶融乳化物114の形成。
【0121】
処理112及び溶融乳化物114の形成の温度は、熱可塑性ポリマー102の融点又は軟化温度を超える、かつ混合物110中の任意の構成成分102、104、及び106の分解温度未満の温度であるべきである。例えば、処理112及び溶融乳化物114の形成の温度が、混合物110中の任意の構成成分102、104、及び106の分解温度未満であるという条件で、処理112及び溶融乳化物114の形成の温度は、熱可塑性ポリマー102の融点又は軟化温度を超える約1℃~約50℃(又は約1℃~約25℃、又は約5℃~約30℃、又は約20℃~約50℃)であってもよい。
【0122】
処理112及び溶融乳化物114の形成の剪断速度は、ポリマー溶融物を液滴として分散媒104中に分散させるのに十分な高さであるべきである。当該液滴は、約1000μm以下(又は約1μm~約1000μm、又は約1μm~約50μm、又は約10μm~約100μm、又は約10μm~約250μm、又は約50μm~約500μm、又は約250μm~約750μm、又は約500μm~約1000μm)の直径を有する液滴を含むべきである。
【0123】
処理112及び溶融乳化物114の形成の当該温度及び剪断速度を維持する時間は、10秒~18時間以上(又は10秒~30分、又は5分~1時間、又は15分~2時間、又は1時間~6時間、又は3時間~18時間)であってもよい。理論に束縛されるものではないが、液滴直径の定常状態には、処理112が停止され得る時点で到達すると考えられる。その時間は、とりわけ、温度、剪断速度、熱可塑性ポリマー102の組成、分散媒104の組成、及び乳化安定剤106の組成に依存し得る。
【0124】
溶融乳化物114は、その後冷却されてもよい(116)。冷却116は低速(例えば、周囲条件下で溶融乳化物を冷却することを可能にする)から高速(例えば、急冷)であり得る。例えば、冷却速度は、約10℃/時間~約100℃/秒から急冷(例えばドライアイス)によりほぼ瞬時(又は約10℃/時間~約60℃/時間、又は約0.5℃/分~約20℃/分、又は約1℃/分~約5℃/分、又は約10℃/分~約60℃/分、又は約0.5℃/秒~約10℃/秒、又は約10℃/秒~約100℃/秒)の範囲であってもよい。
【0125】
冷却中、剪断力はほとんど又は全く溶融乳化物114に適用されなくてもよい。場合によっては、加熱中に適用される剪断力が冷却中に適用されてもよい。
【0126】
溶融乳化物114の冷却116から得られる冷却された混合物118は、固化熱可塑性ポリマー粒子122(又は単純に熱可塑性ポリマー粒子)及び他の構成成分124(例えば、分散媒104、余剰乳化安定剤106など)を含む。熱可塑性ポリマー粒子は、分散媒中に分散されてもよく、又は分散媒中に沈降してもよい。
【0127】
冷却された混合物118は、その後、他の構成成分124から別個の熱可塑性ポリマー粒子122(又は単純に熱可塑性ポリマー粒子122)に処理されてもよい(120)。好適な処理としては、限定するものではないが、洗浄、濾過、遠心分離、デカントなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0128】
熱可塑性ポリマー粒子122を洗浄するために使用される溶媒は一般に、(a)分散媒104と混和性であり、(b)熱可塑性ポリマー102と非反応性(例えば、非膨潤性及び非溶融性)であるべきである。溶媒の選択は、とりわけ、分散媒の組成及び熱可塑性ポリマー102の組成に依存することになる。
【0129】
溶媒の例としては、限定するものではないが、炭化水素溶媒(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、デカン、ドデカン、トリデカン、及びテトラデカン)、芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、2-メチルナフタレン、及びクレゾール)、エーテル溶媒(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、及びジオキサン)、ケトン溶媒(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン)、アルコール溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びn-プロパノール)、エステル溶媒(例えば、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、及び酪酸ブチル)、ハロゲン化溶媒(例えば、クロロホルム、ブロモフォーム、1,2-ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロベンゼン、及びヘキサフルオロイソプロパノール)、水など、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0130】
溶媒は、空気乾燥、熱乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥、又はこれらのハイブリッドなどの適切な方法を使用して乾燥することによって、熱可塑性ポリマー粒子122から除去されてもよい。加熱は、好ましくは、熱可塑性ポリマーのガラス転移点より低い温度(例えば、約50℃~約150℃)で行われてもよい。
【0131】
他の構成成分124から分離した後の熱可塑性ポリマー粒子122は、任意選択で、精製された熱可塑性ポリマー粒子128を生成するように更に分類されてもよい。例えば、粒径分布を狭くする(又は直径スパンを減少させる)ために、熱可塑性ポリマー粒子122は、約10μm~約250μm(又は約10μm~約100μm、又は約50μm~約200μm、又は約150μm~約250μm)の孔径を有するふるいに通過させられ得る。
【0132】
精製技術の別の例では、熱可塑性ポリマー粒子122は、熱可塑性ポリマー粒子122の表面と会合しているナノ粒子の実質的に全てを維持しながら、界面活性剤を除去するために水で洗浄されてもよい。精製技術の更に別の例では、熱可塑性ポリマー粒子122を添加剤とブレンドして、所望の最終生成物を達成することができる。明確にするために、かかる添加剤は、粒子が固化した後に本明細書に記載される方法から得られる熱可塑性粒子122又は他の粒子とブレンドされるため、かかる添加剤は、本明細書では「外部添加剤」と呼ばれる。外部添加剤の例としては、流動助剤、他のポリマー粒子、充填剤など、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0133】
場合によっては、熱可塑性ポリマー粒子122の製造に使用される界面活性剤は、下流用途において不必要であり得る。精製技術の更に別の例は、熱可塑性ポリマー粒子122からの界面活性剤の少なくとも実質的な除去を含み得る(例えば、洗浄及び/又は熱分解によって)。
【0134】
熱可塑性ポリマー粒子122及び/又は精製熱可塑性ポリマー粒子128(粒子122/128と呼ばれる)は、組成、物理的構造などによって特徴付けられ得る。
【0135】
上述のように、乳化安定剤は、ポリマー溶融物と分散媒との間の界面にある。その結果、混合物が冷却されると、乳化安定剤は、当該界面に、又はその付近に留まる。したがって、粒子122/128の構造は、一般に、(a)粒子122/128の外側表面上に分散された及び/又は(b)粒子122/128の外側部分(例えば、外側の1体積%)に埋め込まれた乳化安定剤を含む。
【0136】
更に、ポリマー溶融液滴の内部に空隙が形成される場合、乳化安定剤106は、一般に、空隙の内部と熱可塑性ポリマーとの間の界面に存在する(及び/又は埋め込まれる)べきである。空隙は、一般に、熱可塑性ポリマーを含まない。むしろ、空隙は、例えば、分散媒、空気を含むか、又は空っぽであり得る。粒子122/128は、粒子122/128の約5重量%以下(又は約0.001重量%~約5重量%、又は約0.001重量%~約0.1重量%、又は約0.01重量%~約0.5重量%、又は約0.1重量%~約2重量%、又は約1重量%~約5重量%)の分散媒を含み得る。
【0137】
熱可塑性ポリマー102は、粒子122/128の約90重量%~約99.5重量%(又は約90重量%~約95重量%、又は約92重量%~約97重量%、又は約95重量%~約99.5重量%)で粒子122/128中に存在し得る。
【0138】
含まれる場合、乳化安定剤106は、粒子122/128の約10重量%以下(又は約0.01重量%~約10重量%、又は約0.01重量%~約1重量%、又は約0.5重量%~約5重量%、又は約3重量%~約7重量%、又は約5重量%~約10重量%)で粒子122/128中に存在し得る。界面活性剤又は別の乳化安定剤を少なくとも実質的に除去するために精製された場合、乳化安定剤106は、0.01重量%未満(又は0重量%~約0.01重量%、又は0重量%~0.001重量%)で粒子128中に存在し得る。
【0139】
本明細書の開示による熱可塑性微粒子を形成する際、シリカナノ粒子などのナノ粒子の少なくとも一部は、熱可塑性微粒子の外側表面上にコーティングとして配置され得る。界面活性剤の少なくとも一部は、使用される場合、同様に外側表面に会合し得る。コーティングは、外側表面上に実質的に均一に配置され得る。コーティングに関して本明細書で使用するとき、用語「実質的に均一」は、コーティング組成物(例えば、ナノ粒子及び/又は界面活性剤)、特に外側表面全体によって被覆される表面位置における均一なコーティング厚さを指す。乳化安定剤106は、粒子122/128の表面積の少なくとも5%(又は約5%~約100%、又は約5%~約25%、又は約20%~約50%、又は約40%~約70%、又は約50%~約80%、又は約60%~約90%、又は約70%~約100%)を被覆するコーティングを形成し得る。界面活性剤又は別の乳化安定剤を少なくとも実質的に除去するために精製された場合、乳化安定剤106は、粒子128の表面積の25%未満(又は0%~約25%、又は約0.1%~約5%、又は約0.1%~約1%、又は約1%~約5%、又は約1%~約10%、又は約5%~約15%、又は約10%~約25%)で粒子128中に存在し得る。粒子122/128の外側表面上の乳化安定剤106の被覆率は、走査型電子顕微鏡画像(SEM顕微鏡写真)の画像解析を使用して決定することができる。乳化安定剤106は、粒子122/128の表面積の少なくとも5%(又は約5%~約100%、又は約5%~約25%、又は約20%~約50%、又は約40%~約70%、又は約50%~約80%、又は約60%~約90%、又は約70%~約100%)を被覆するコーティングを形成し得る。界面活性剤又は別の乳化安定剤を少なくとも実質的に除去するために精製された場合、乳化安定剤106は、粒子128の表面積の25%未満(又は0%~約25%、又は約0.1%~約5%、又は約0.1%~約1%、又は約1%~約5%、又は約1%~約10%、又は約5%~約15%、又は約10%~約25%)で粒子128中に存在し得る。粒子122/128の外表面上の乳化安定剤106の被覆率は、SEM顕微鏡写真の画像解析を使用して決定され得る。
【0140】
粒子122/128は、約0.1μm~約125μm(又は約0.1μm~約5μm、約1μm~約10μm、約5μm~約30μm、又は約1μm~約25μm、又は約25μm~約75μm、又は約50μm~約85μm、又は約75μm~約125μm)のD10と、約0.5μm~約200μm(又は約0.5μm~約10μm、又は約5μm~約50μm、又は約30μm~約100μm、又は約30μm~約70μm、又は約25μm~約50μm、又は約50μm~約100μm、又は約75μm~約150μm、又は約100μm~約200μm)のD50と、約3μm~約300μm(又は約3μm~約15μm、又は約10μm~約50μm、又は約25μm~約75μm、又は約70μm~約200μm、又は約60μm~約150μm、又は約150μm~約300μm)のD90と、を有し得、D10<D50<D90である。粒子122/128はまた、約0.4~約3(又は約0.6~約2、又は約0.4~約1.5、又は約1~約3)の直径スパンを有し得る。限定するものではないが、1.0以上の直径スパン値は広いとみなされ、直径スパン値0.75以下は狭いとみなされる。例えば、粒子122/128は、約5μm~約30μmのD10、約30μm~約100μmのD50、及び約70μm~約120μmのD90を有し得、D10<D50<D90である。
【0141】
粒子122/128はまた、約0.4~約3(又は約0.6~約2、又は約0.4~約1.5、又は約1~約3)の直径スパンを有し得る。
【0142】
第1の非限定的な例では、粒子122/128は、約0.5μm~約5μmのD10、約0.5μm~約10μmのD50、及び約3μm~約15μmのD90を有し得、D10<D50<D90である。
【0143】
第2の非限定的な例では、粒子122/128は、約1μm~約50μmのD10、約25μm~約100μmのD50、及び約60μm~約300μmのD90を有し得、D10<D50<D90である。
【0144】
第3の非限定的な例では、粒子122/128は、約5μm~約30μmのD10、約30μm~約70μmのD50、及び約70μm~約120μmのD90を有し得、D10<D50<D90である。当該粒子122/128は、約1.0~約2.5の直径スパンを有し得る。
【0145】
第4の非限定的な例では、粒子122/128は、約25μm~約60μmのD10、約60μm~約110μmのD50、及び約110μm~約175μmのD90を有し得、D10<D50<D90である。当該粒子122/128は、約0.6~約1.5の直径スパンを有し得る。
【0146】
第5の非限定的な例では、粒子122/128は、約75μm~約125μmのD10、約100μm~約200μmのD50、及び約125μm~約300μmのD90を有し得、D10<D50<D90である。当該粒子122/128は、約0.2~約1.2の直径スパンを有し得る。
【0147】
粒子122/128は、約0.7以上(又は約0.90~約1.0、又は約0.93~約0.99、又は約0.95~約0.99、又は約0.97~約0.99、又は約0.98~1.0)の円形度を有し得る。
【0148】
粒子122/128は、約25°~約45°(又は約25°~約35°、又は約30°~約40°、又は約35°~約45°)の安息角を有し得る。
【0149】
粒子122/128は、約1.0~約1.5(又は約1.0~約1.2、又は約1.1~約1.3、又は約1.2~約1.35、又は約1.3~約1.5)のハウスナー比を有し得る。
【0150】
粒子122/128は、約0.3g/cm3~約0.8g/cm3(又は約0.3g/cm3~約0.6g/cm3、又は約0.4g/cm3~約0.7g/cm3、又は約0.5g/cm3~約0.6g/cm3、又は約0.5g/cm3~約0.8g/cm3)の嵩密度を有し得る。
【0151】
処理112の温度及び剪断速度、並びに成分102、104、及び106の組成及び相対濃度に応じて、粒子122/128を構成する構造の異なる形状が観察されている。典型的には、粒子122/128は、実質的に、球状粒子(約0.97以上の円形度を有する)からなる。しかしながら、ディスク及び細長い構造体を含む他の構造体は、粒子122/128中で観察されている。したがって、粒子122/128は、(a)0.97以上の円形度を有する実質的に球状の粒子、(b)約2~約10のアスペクト比を有するディスク構造、及び(c)10以上のアスペクト比を有する細長い構造のうちの1つ以上を含み得る。(a)、(b)、及び(c)構造のそれぞれは、(a)、(b)、及び(c)構造の外側表面上に分散された乳化安定剤、及び/又は(a)、(b)、及び(c)構造の外側部分に埋め込まれた乳化安定剤を有する。(a)、(b)、及び(c)構造のうちの少なくともいくつかは凝集し得る。例えば、(c)の細長い構造は、(a)の実質的に球状の粒子の表面上に位置し得る。
【0152】
粒子122/128は、熱可塑性ポリマー102(1つ以上のOAMB-ポリアミド及び任意選択で1つ以上の他の熱可塑性ポリマーを含む)の焼結期のうち、10℃以内、好ましくは5℃以内の焼結期を有してもよい。
OAMB-ポリアミド粒子の用途
【0153】
本明細書に記載のOAMB-ポリアミド粒子は、様々な物体(又は物品)を製造するために使用され得る。本明細書に記載のOAMB-ポリアミドは、単独で、又は他の熱可塑性ポリマー(例えば、光吸収体及び/又は他の熱可塑性ポリマーを含まないポリアミド)を含む他の粒子と組み合わせて使用することができる。このような他の粒子に使用され得る熱可塑性ポリマーの例としては、限定するものではないが、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエテン、ポリエステル(例えば、ポリ乳酸)、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリフェニレンスルフィド、ビニルポリマー、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミド-イミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルブロック及びポリアミドブロック(PEBA又はポリエーテルブロックアミド)を含むコポリマー、グラフト化又は非グラフト化熱可塑性ポリオレフィン、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマーポリマー、官能化又は非官能化エチレン/アルキル(メタ)アクリレート、官能化又は非官能化(メタ)アクリル酸ポリマー、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマー/アルキル(メタ)アクリレートターポリマー、エチレン/ビニルモノマー/カルボニルターポリマー、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/カルボニルターポリマー、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン(MBS)型コア-シェルポリマー、ポリスチレン-ブロック-ポリブタジエン-ブロック-ポリ(メチルメタクリレート)(SBM)ブロックターポリマー、塩素化又はクロロスルホン化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フェノール樹脂、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン系ブロックコポリマー、ポリアクリロニトリル、シリコーンなど、及びこれらの任意の組み合わせが挙げられる。また、前述の1つ以上を含むコポリマーが本明細書に記載の方法及びシステムで使用されてもよい。
【0154】
OAMB-ポリアミド粒子は、限定するものではないが、塗料、粉末コーティング、インクジェット材料、電子写真トナー、3D印刷などが挙げられる用途において有用であり得る。
【0155】
非限定的な例として、本開示の3D印刷プロセスは、本開示におけるOAMB-ポリアミド粒子(及び任意選択で、1つ以上の他の熱可塑性ポリマー及び/又は1つ以上の相溶化剤)を、任意選択で1つ以上の熱可塑性ポリマー及び/又は1つ以上の相溶化剤を含む他の粒子と組み合わせて、特定の形状の表面に堆積させることと、堆積したら、固結された後に固結体が約1%以下の空隙率を有するように、粒子の少なくとも一部を加熱して、その固結化を促進し、固結体(又は物体若しくは物品)を形成することと、を含み得る。例えば、熱可塑性ポリマー粒子の加熱及び固結化は、選択的レーザ焼結によって加熱及び固結化が行われるように、レーザを用いた3D印刷装置内で行われてもよい。
【0156】
OAMB-ポリアミドが当該物品の全て又は一部であり得るこのような方法によって製造され得る物品の例としては、限定するものではないが、粒子、フィルム、包装、玩具、家庭用用品、自動車部品、航空宇宙/航空機関連部品、容器(例えば、食品、飲料、化粧品、パーソナルケア組成物、医薬品など)、靴底、家具部品、装飾用の家庭用品、プラスチックギア、ねじ、ナット、ボルト、ケーブルタイ、宝石、美術品、彫刻、医療品目、プロテーゼ、整形外科用インプラント、教育における学習を補助するアーチファクトの製品、手術を補助するための3D生体モデル、ロボット工学、バイオメディカルデバイス(装具)、家庭用電化製品、歯科、電子機器、スポーツ用品などが挙げられる。
【0157】
本明細書に記載のOAMB-ポリアミドは、物体、追跡物体、認証物体を識別する、及び/又は物体の状態を決定する際に有用である特定の化学的フィンガープリントを有し得る。更に、OAMB-ポリアミドが物体内に位置されている場所の位置付けは、物体の識別、物体の追跡、物体の認証、及び/又は物体の状態の決定のための物体のフィンガープリンティングの別の層である。
【0158】
物体の識別、物体の追跡、物体の認証、及び/又は物体の状態の決定方法は、(a)OAMB-ポリアミドを含む物体を電磁放射線に曝露すること(例えば、フルオロフォア、好ましくは302nm以下又は700nm以上の波長での場合)と、(b)吸収及び/又は再放射された電磁放射線に関連する1つ以上のスペクトルを感知すること(例えば、フルオロフォア、好ましくは302nm~700nmで放射されるフォトルミネセンスの場合)と、(c)スペクトルと、当該物体又はその一部分で使用される光吸収体についての既知のスペクトルと、を比較することと、を含み得る。任意選択で、スペクトル領域が物体上に位置される場所の位置は、スペクトル領域があるべき既知の位置と比較されてもよい。比較(複数可)は、物体を識別及び/又は認証するために使用することができる。追跡については、比較(複数可)は行われてもよく、及び/又は検出されたスペクトル及び/又はスペクトル領域は、物体の物理的位置と共にデータベースの中にログ記録されてもよい。更に、摩耗及び/又は亀裂した物体の状態を確認することができる。例えば、物品のコア部分は光吸収体を含んでもよく、外側部分はコア部分を被覆し、光吸収体を含まなくてもよい(又は異なる光吸収体を含んでもよい)。次いで、スペクトルを比較するとき、コア内の光吸収体についてのスペクトル特徴の外観は、物体が寿命末期にあるか、又はその近くにあることを示し得る。
例示的実施形態
【0159】
第1の非限定的な実施形態は、ヒドロキシル-ペンダント光吸収体をハロゲン末端脂肪族酸でエステル化して、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を得ることと、ポリアミドをハロゲン末端アルキル-光吸収体でN-アルキル化して、ポリアミドであって、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有する、ポリアミド(OAMB-ポリアミド)を得ることと、を含む方法である。第1の非限定的な例示的実施形態は、要素1:ハロゲン末端脂肪族酸が、クロロ脂肪族酸又はブロモ脂肪族酸である、要素2:ハロゲン末端脂肪族酸が、C2~C18ハロゲン末端脂肪族酸である、要素3:ヒドロキシル-ペンダント光吸収体が、1,2-ジヒドロキシアントラキノン、カルミン酸、1,3-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ジヒドロキシアントラキノン、1-ヒドロキシ-4-(p-トリルアミノ)アントラキノン、1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルアントラキノン、1,2,5-トリヒドロキシ-6-メチルアントラセン-9,10-ジオン、カルセイン、6-カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル、6-カルボキシフルオレセイン、2’,7’-ジクロロ-3’,6’-ジヒドロキシ-3H-スピロ[2-ベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン、フルオレセインイソチオシアネート、4’,5’-ジブロモフルオレセイン、5(6)-カルボキシ-2’,7’-ジクロロフルオレセイン、4-クロロ-3-[(2Z)-2-[1-[5-クロロ-4-[[(2Z)-2-[[2-クロロ-5-[N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-C-ヒドロキシカルボンイミドイル]フェニル]ヒドラジニリデン]-3-オキソブタノイル]アミノ]-2-メチルアニリノ]-1,3-ジオキソブタン-2-イリデン]ヒドラジニル]-N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]ベンゼンカルボキシミド酸、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、フェノール染料、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ベンゾフラン-1-オン、4,8-ジアミノ-1,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-スルホン酸ナトリウム、1-アミノ-4-ヒドロキシ-2-フェノキシアントラセン-9,10-ジオン、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウム、5-クロロ-2-ヒドロキシ-3-[(3-メチル-5-オキソ-1-フェニル-4H-ピラゾール-4-イル)ジアゼニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム、2-[(4-ヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-1-イル)アミノ]-5-メチルベンゼンスルホン酸、3,5,6,8-テトラヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-7-[3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]アントラセン-2-カルボン酸など、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素4:ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素5:ハロゲン末端脂肪族酸が、X-(CH2)n-COOHであり、Xがブロモ又はクロロであり、nが1~17である、要素6:ハロゲン末端脂肪族酸が、ブロモ酢酸、クロロ酢酸、3-ブロモプロピオン酸、3-クロロプロピオン酸、4-ブロモ酪酸、4-クロロ酪酸、5-ブロモ吉草酸、5-クロロ吉草酸、6-ブロモヘキサン酸、6-クロロヘキサン酸、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素7:エステル化が、約0℃~約70℃である、要素8:エステル化が、約10分~約24時間にわたる、要素9:ヒドロキシル-ペンダント光吸収体対ハロゲン末端脂肪族酸のモル比が、約5:1~約1:5である、要素10:N-アルキル化が、約100℃~約200℃である、要素11:Nアルキル化が、約10分~約48時間にわたる、要素12:ハロゲン末端アルキル-光吸収体対ポリアミドのモル比が、好ましくは約500:1~約10:1である、のうちの1つ以上を含み得る。組み合わせの例としては、限定するものではないが、要素1と要素2~12のうちの1つ以上との組み合わせ、要素2と要素3~12のうちの1つ以上との組み合わせ、要素3と要素4~12のうちの1つ以上との組み合わせ、要素4と要素5~12のうちの1つ以上との組み合わせ、要素5と要素6~12のうちの1つ以上との組み合わせ、要素6と要素7~12のうちの1つ以上との組み合わせ、要素7と要素8~12のうちの1つ以上との組み合わせ、要素8と要素9~12のうちの1つ以上との組み合わせ、要素9と要素10~12のうちの1つ以上と組み合わせ、要素10と要素11~12のうちの1つ以上との組み合わせ、及び要素11と12との組み合わせが挙げられる。
【0160】
第2の非限定的な例示的実施形態は、カルボキシル-ペンダント光吸収体をハロゲン末端脂肪族アルコールでエステル化して、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を得ることと、ポリアミドを変性光吸収体でN-アルキル化して、ポリアミドであって、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有する、ポリアミド(OAMB-ポリアミド)を得ることと、を含む方法である。第2の非限定的な例示的実施形態は、要素13:カルボキシル-ペンダント光吸収体が、カルセイン、5(6)-カルボキシフルオレセイン、6-カルボキシフルオレセイン、5(6)-カルボキシフルオレセイン-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、2-ピレンプロパン酸、2-ペリレンプロパン酸、3,9-ペリレンジカルボン酸、5(6)-カルボキシ-2’,7’-ジクロロフルオレセイン、カルセインブルー、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウムなど、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素14:ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素15:ハロゲン末端脂肪族アルコールが、X-(CH2)n-OHであり、Xがブロモ又はクロロであり、nが2~18である、要素16:ハロゲン末端脂肪族アルコールが、3-ブロモエタン-1-オール、3-クロロエタン-1-オール、4-ブロモプロパン-1-オール、4-クロロプロパン-1-オール、5-ブロモブタン-1-オール、5-クロロブタン-1-オール、6-ブロモペンタン-1-オール、6-クロロペンタン-1-オール、7-ブロモヘキサン-1-オール、7-クロロヘキサン-1-オール、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素17:エステル化が、約0℃~約70℃である、要素18:エステル化が、約10分~約24時間にわたる、要素19:カルボキシル-ペンダント光吸収体対ハロゲン末端脂肪族アルコールのモル比が、約5:1~約1:5である、要素20:N-アルキル化が、約100℃~約200℃である、要素22:N-アルキル化が、約10分~約48時間にわたる、要素21、並びにハロゲン末端アルキル-光吸収体対ポリアミドのモル比が、好ましくは約500:1~約10:1である、のうちの1つ以上を含み得る。組み合わせの例としては、限定するものではないが、要素13と要素14~22のうちの1つ以上との組み合わせ、要素14と要素15~22のうちの1つ以上との組み合わせ、要素15と要素16~22のうちの1つ以上との組み合わせ、要素16と要素17~22のうちの1つ以上との組み合わせ、要素17と要素18~22のうちの1つ以上との組み合わせ、要素18と要素19~22のうちの1つ以上との組み合わせ、要素19と要素20~22のうちの1つ以上との組み合わせ、要素20と要素21~22のうちの1つ以上との組み合わせ、及び要素21と22との組み合わせが挙げられる。
【0161】
第3の非限定的な例示的実施形態は、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドであって、ポリアミド及び光吸収体が、アルキルリンカーによって連結されている、ポリアミド、を含む組成物である。第3の非限定的な例示的実施形態は、要素23:光吸収体が、1,2-ジヒドロキシアントラキノン、カルミン酸、1,3-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ジヒドロキシアントラキノン、1-ヒドロキシ-4-(p-トリルアミノ)アントラキノン、1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルアントラキノン、1,2,5-トリヒドロキシ-6-メチルアントラセン-9,10-ジオン、カルセイン、6-カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル、6-カルボキシフルオレセイン、2’,7’-ジクロロ-3’,6’-ジヒドロキシ-3H-スピロ[2-ベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン、フルオレセインイソチオシアネート、4’,5’-ジブロモフルオレセイン、5(6)-カルボキシ-2’,7’-ジクロロフルオレセイン、4-クロロ-3-[(2Z)-2-[1-[5-クロロ-4-[[(2Z)-2-[[2-クロロ-5-[N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-C-ヒドロキシカルボンイミドイル]フェニル]ヒドラジニリデン]-3-オキソブタノイル]アミノ]-2-メチルアニリノ]-1,3-ジオキソブタン-2-イリデン]ヒドラジニル]-N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]ベンゼンカルボキシミド酸、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、フェノール染料、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ベンゾフラン-1-オン、4,8-ジアミノ-1,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-スルホン酸ナトリウム、1-アミノ-4-ヒドロキシ-2-フェノキシアントラセン-9,10-ジオン、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウム、5-クロロ-2-ヒドロキシ-3-[(3-メチル-5-オキソ-1-フェニル-4H-ピラゾール-4-イル)ジアゼニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム、2-[(4-ヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-1-イル)アミノ]-5-メチルベンゼンスルホン酸、3,5,6,8-テトラヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-7-[3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]アントラセン-2-カルボン酸など、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素24:アルキルリンカーが、2~18個の炭素を有する、要素25:アルキルリンカーが、2~6個の炭素を有する、要素26:ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、のうちの1つ以上を含み得る。
【0162】
第4の非限定的な例示的実施形態は、第3の非限定的な実施形態(任意選択で、要素24~26のうちの1つ以上を含む)を含むポリマー溶融物を、オリフィスを通して押し出して、フィルム、繊維(又はフィラメント)、粒子、ペレットなどを製造することを含む方法である。
【0163】
第3の非限定的な例示的実施形態のポリアミド(任意選択で、要素24~26のうちの1つ以上を含む)を含む第5の物品。
【0164】
第6の非限定的な例示的実施形態は、ポリアミドであって、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミド(OAMB-ポリアミド)と、OAMB-ポリアミドと不混和性である分散媒と、任意選択で、乳化安定剤と、を含む混合物を、OAMB-ポリアミドの融点又は軟化温度よりも高い温度、及び分散媒中にOAMB-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、OAMB-ポリアミドの融点又は軟化温度を下回るように混合物を冷却して、固化粒子を形成することであって、固化粒子は、OAMB-ポリアミド、及び存在する場合、固化粒子の外側表面と会合した乳化安定剤を含む、形成することと、を含む方法である。第6の非限定的な例示的実施形態は、要素27:乳化安定剤が、混合物中に含まれており、乳化安定剤が、固化粒子の外側表面と会合する、要素28:混合物が、OAMB-ポリアミドではない熱可塑性ポリマーを更に含む、要素29:混合物が、ポリアミドを更に含むが、ポリアミドから垂下する光吸収体を含まない、要素30:光吸収体が、ローダミン、フルオレセイン、クマリン、ナフタルイミド、ベンゾキサンテン、アクリジン、シアニン、オキサジン、フェナントリジン、ピロールケトン、ベンズアルデヒド、ポリメチン、トリアリールメタン、アントラキノン、ピラゾロン、キノフタロン、カルボニル染料、ジアゾ染料、ペルノン、ジケトピロロピロール(DPP)、ジオキサジン染料、フタロシアニン、インダンスレン、ベンズアントロン、ビオラントロン、アゾ染料、フタロシアニン染料、キナクリドン染料、アントラキノン染料、ジオキサジン染料、インジゴ染料、チオインジゴ染料、ペリノン染料、ペリレン染料、イソインドレン染料、芳香族アミノ酸、フラビン、ピリドキシルの誘導体、クロロフィルの誘導体、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるファミリーからのものである、要素31:ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素32:OAMB-ポリアミドが、ポリアミド及び光吸収体を連結するアルキルリンカーを含む、要素33:要素32、及びアルキルリンカーが、2~18個の炭素を有する、要素34:要素32、及びアルキルリンカーが、2~6個の炭素を有する、要素35:固化粒子の少なくとも一部が、空隙/ポリマー界面に乳化安定剤を含む空隙を有する、要素36:要素35、及び乳化安定剤が、ナノ粒子を含み、ナノ粒子が、空隙/ポリマー界面に埋め込まれている、要素37:要素35、及び空隙が分散媒を含む、要素38:固化粒子が、固化粒子の表面上に細長い構造を更に含み、細長い構造が、OAMB-ポリアミドを含み、乳化安定剤が細長い構造の外側表面と会合している、要素39:乳化安定剤が、固化粒子の表面の5%未満を被覆するコーティングを形成する、要素40:乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも5%を被覆するコーティングを形成する、要素41:乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも25%を被覆するコーティングを形成する、要素42:乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも50%を被覆するコーティングを形成する、要素43:OAMB-ポリアミドが、混合物の5重量%~60重量%で混合物中に存在する、要素44:乳化安定剤が、OAMB-ポリアミドの0.05重量%~5重量%で混合物中に存在する、要素45:ナノ粒子が、1nm~500nmの平均直径を有する、要素46:分散媒が、シリコーンオイル、フッ素化シリコーンオイル、ペルフッ素化シリコーンオイル、ポリエチレングリコール、パラフィン、流動ワセリン、ミンクオイル、タートルオイル、大豆油、ペルヒドロスクアレン、スイートアーモンドオイル、カロフィルムオイル、パームオイル、パールリームオイル、グレープシードオイル、ゴマ油、トウモロコシ油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、杏油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、穀物胚芽油、ラノリン酸のエステル、オレイン酸のエステル、ラウリン酸のエステル、ステアリン酸のエステル、脂肪族エステル、高級脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸で修飾されたポリシロキサン、脂肪族アルコールで修飾されたポリシロキサン、ポリオキシアルキレンで修飾されたポリシロキサン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素47:シリコーンオイルが、ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、要素48:分散媒が、25℃で1,000cSt~150,000cStでの粘度を有する、要素49:分散媒が、0.6g/cm3~1.5g/cm3の密度を有する、要素50:混合が、押し出し機内で行われる、要素51:混合が、撹拌反応器内で行われる、要素52:混合物が、界面活性剤を更に含む、要素53:OACTP粒子が、約0.1μm~約125μmのD10、約0.5μm~約200μmのD50、及び約3μm~約300μmのD90を有し、D10<D50<D90である、要素54:OACTP粒子が、約0.2~約10の直径スパンを有する、要素55:OACTP粒子が、約5μm~約30μmのD10、約30μm~約70μmのD50、及び約70μm~約120μmのD90を有し、D10<D50<D90である、要素56:OACTP粒子が、約1.0~約2.5の直径スパンを有する、要素57:OACTP粒子が、約25μm~約60μmのD10、約60μm~約110μmのD50、及び約110μm~約175μmのD90を有し、D10<D50<D90である、要素58:OACTP粒子が、約0.6~約1.5の直径スパンを有する、要素59:OACTP粒子が、約75μm~約125μmのD10、約100μm~約200μmのD50、及び約125μm~約300μmのD90を有し、D10<D50<D90である、要素60:OACTP粒子が、約0.2~約1.2の直径スパンを有する、要素61:固化粒子が、約0.90~約1.0の円形度を有する、要素62:固化粒子が、約1.0~約1.5のハウスナー比を有する、要素63:ナノ粒子が、酸化物ナノ粒子を含む、要素38:ナノ粒子が、カーボンブラックを含む、及び要素64:ナノ粒子が、ポリマーナノ粒子を含む、のうちの1つ以上を更に含み得る。組み合わせの例としては、限定するものではないが、要素27~34のうちの2つ以上との組み合わせ、及び任意選択で、要素35~65のうちの1つ以上との更なる組み合わせ、要素33~36のうちの2つ以上との組み合わせ、要素44~47のうちの2つ以上との組み合わせ、要素51と52との組み合わせ、要素53と54との組み合わせ、要素55と56との組み合わせ、要素57と58との組み合わせ、要素51~58のうちの1つ以上と要素60及び/又は要素35との組み合わせ、要素53~65のうちの2つ以上との組み合わせ、並びに要素45、52、63、64、及び65のうちの2つ以上との組み合わせが挙げられる。
【0165】
第7の非限定的な例示的実施形態は、ポリアミドであって、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有する、ポリアミド(OAMB-ポリアミド)を含み、約0.90~約1.0の円形度を有する粒子(固化粒子)を含む、組成物である。第7の非限定的な例示的実施形態は、要素53、要素54、要素55、要素56、要素57、要素58、要素59、要素60、要素61、要素62、要素66:粒子が、OAMB-ポリアミドではない熱可塑性ポリマーを更に含む、要素67:粒子が、ポリアミドを更に含むが、ポリアミドから垂下する光吸収体を含まない、要素68:粒子が、粒子の外側表面と会合した乳化安定剤を更に含む、要素69:粒子の少なくとも一部が、空隙/ポリマー界面に乳化安定剤を含む空隙を有する、要素70:要素69、及び乳化安定剤がナノ粒子を含み、ナノ粒子が、空隙/ポリマー界面に埋め込まれている、要素71:要素69、及び空隙が分散媒を含む、要素72:粒子が、固化粒子の表面上に細長い構造を更に含み、細長い構造が、OAMB-ポリアミドを含み、乳化安定剤が細長い構造の外側表面に会合している、要素73:乳化安定剤が、固化粒子の表面の5%未満を被覆するコーティングを形成する、要素74:乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも5%を被覆するコーティングを形成する、要素75:乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも25%を被覆するコーティングを形成する、要素76:乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも50%を被覆するコーティングを形成する、並びに要素77:乳化安定剤が、1nm~500nmの平均直径を有するナノ粒子を含む、のうちの1つ以上を更に含み得る。組み合わせの例としては、限定するものではないが、要素53~62のうちの2つ以上との組み合わせ、要素53~62のうちの1つ以上と要素67~77のうちの1つ以上との組み合わせ、及び要素67~77のうちの2つ以上との組み合わせが挙げられる。
【0166】
第8の非限定的な例示的実施形態は、第2の非限定的な例(任意選択で、要素53~62及び67~77のうちの1つ以上を含む)のOAMB-ポリアミド粒子を特定の形状の表面に堆積させることと、堆積したら、粒子の少なくとも一部分を加熱して、その固結化を促進し、固結体を形成することと、を含む方法である。
節
【0167】
第1節.ヒドロキシル-ペンダント光吸収体をハロゲン末端脂肪族酸でエステル化して、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を得ることと、ポリアミドをハロゲン末端アルキル-光吸収体でN-アルキル化して、ポリアミドであって、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有する、ポリアミド(OAMB-ポリアミド)を得ることと、を含む、方法。
【0168】
第2節.ハロゲン末端脂肪族酸が、クロロ脂肪族酸又はブロモ脂肪族酸である、第1節に記載の方法。
【0169】
第3節.ハロゲン末端脂肪族酸が、C2~C18ハロゲン末端脂肪族酸である、第1節に記載の方法。
【0170】
第4節.ヒドロキシル-ペンダント光吸収体が、1,2-ジヒドロキシアントラキノン、カルミン酸、1,3-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ジヒドロキシアントラキノン、1-ヒドロキシ-4-(p-トリルアミノ)アントラキノン、1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルアントラキノン、1,2,5-トリヒドロキシ-6-メチルアントラセン-9,10-ジオン、カルセイン、6-カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル、6-カルボキシフルオレセイン、2’,7’-ジクロロ-3’,6’-ジヒドロキシ-3H-スピロ[2-ベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン、フルオレセインイソチオシアネート、4’,5’-ジブロモフルオレセイン、5(6)-カルボキシ-2’,7’-ジクロロフルオレセイン、4-クロロ-3-[(2Z)-2-[1-[5-クロロ-4-[[(2Z)-2-[[2-クロロ-5-[N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-C-ヒドロキシカルボンイミドイル]フェニル]ヒドラジニリデン]-3-オキソブタノイル]アミノ]-2-メチルアニリノ]-1,3-ジオキソブタン-2-イリデン]ヒドラジニル]-N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]ベンゼンカルボキシミド酸、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、フェノール染料、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ベンゾフラン-1-オン、4,8-ジアミノ-1,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-スルホン酸ナトリウム、1-アミノ-4-ヒドロキシ-2-フェノキシアントラセン-9,10-ジオン、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウム、5-クロロ-2-ヒドロキシ-3-[(3-メチル-5-オキソ-1-フェニル-4H-ピラゾール-4-イル)ジアゼニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム、2-[(4-ヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-1-イル)アミノ]-5-メチルベンゼンスルホン酸、3,5,6,8-テトラヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-7-[3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]アントラセン-2-カルボン酸など、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第1節に記載の方法。
【0171】
第5節.ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第1節に記載の方法。
【0172】
第6節.ハロゲン末端脂肪族酸が、X-(CH2)n-COOHであり、Xがブロモ又はクロロであり、nが1~17である、第1節に記載の方法。
【0173】
第7節.ハロゲン末端脂肪族酸が、ブロモ酢酸、クロロ酢酸、3-ブロモプロピオン酸、3-クロロプロピオン酸、4-ブロモ酪酸、4-クロロ酪酸、5-ブロモ吉草酸、5-クロロ吉草酸、6-ブロモヘキサン酸、6-クロロヘキサン酸、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第1節に記載の方法。
【0174】
第8節.エステル化が、約0℃~約70℃である、第1節に記載の方法。
【0175】
第9節.エステル化が、約10分~約24時間にわたる、第1節に記載の方法。
【0176】
第10節.ヒドロキシル-ペンダント光吸収体対ハロゲン末端脂肪族酸のモル比が、約5:1~約1:5である、第1節に記載の方法。
【0177】
第11節.N-アルキル化が、約100℃~約200℃である、第1節に記載の方法。
【0178】
第12節.N-アルキル化が、約10分~約48時間にわたる、第1節に記載の方法。
【0179】
第13節.ハロゲン末端アルキル-光吸収体対ポリアミドのモル比が、好ましくは約500:1~約10:1である、第1節に記載の方法。
【0180】
第14節.カルボキシル-ペンダント光吸収体をハロゲン末端脂肪族アルコールでエステル化して、ハロゲン末端アルキル-光吸収体を得ることと、ポリアミドを変性光吸収体でN-アルキル化して、ポリアミドであって、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有する、ポリアミド(OAMB-ポリアミド)を得ることと、を含む、方法。
【0181】
第15節.カルボキシル-ペンダント光吸収体が、カルセイン、5(6)-カルボキシフルオレセイン、6-カルボキシフルオレセイン、5(6)-カルボキシフルオレセイン-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、2-ピレンプロパン酸、2-ペリレンプロパン酸、3,9-ペリレンジカルボン酸、5(6)-カルボキシ-2’,7’-ジクロロフルオレセイン、カルセインブルー、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウムなど、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第14節に記載の方法。
【0182】
第16節.ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第14節に記載の方法。
【0183】
第17節.ハロゲン末端脂肪族アルコールが、X-(CH2)n-OHであり、Xがブロモ又はクロロであり、nが2~18である、第14節に記載の方法。
【0184】
第18節.ハロゲン末端脂肪族アルコールが、3-ブロモエタン-1-オール、3-クロロエタン-1-オール、4-ブロモプロパン-1-オール、4-クロロプロパン-1-オール、5-ブロモブタン-1-オール、5-クロロブタン-1-オール、6-ブロモペンタン-1-オール、6-クロロペンタン-1-オール、7-ブロモヘキサン-1-オール、7-クロロヘキサン-1-オール、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第14節に記載の方法。
【0185】
第19節.エステル化が、約0℃~約70℃である、第14節に記載の方法。
【0186】
第20節.エステル化が、約10分~約24時間にわたる、第14節に記載の方法。
【0187】
第21節.カルボキシル-ペンダント光吸収体対ハロゲン末端脂肪族アルコールのモル比が、約5:1~約1:5である、第14節に記載の方法。
【0188】
第22節.N-アルキル化が、約100℃~約200℃である、第14節に記載の方法。
【0189】
第23節.N-アルキル化が、約10分~約48時間にわたる、第14節に記載の方法。
【0190】
第24節.ハロゲン末端アルキル-光吸収体対ポリアミドのモル比が、好ましくは約500:1~約10:1である、第14節に記載の方法。
【0191】
第25節.ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミドを含み、ポリアミド及び光吸収体が、アルキルリンカーによって連結されている、組成物。
【0192】
第26節.アルキルリンカーが、2~18個の炭素を有する、第25節に記載の組成物。
【0193】
第27節.アルキルリンカーが、2~6個の炭素を有する、第25節に記載の組成物。
【0194】
第28節.光吸収体が、1,2-ジヒドロキシアントラキノン、カルミン酸、1,3-ジヒドロキシアントラキノン、1,4-ジヒドロキシアントラキノン、1-ヒドロキシ-4-(p-トリルアミノ)アントラキノン、1,8-ジヒドロキシ-3-メトキシ-6-メチルアントラキノン、1,2,5-トリヒドロキシ-6-メチルアントラセン-9,10-ジオン、カルセイン、6-カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル、6-カルボキシフルオレセイン、2’,7’-ジクロロ-3’,6’-ジヒドロキシ-3H-スピロ[2-ベンゾフラン-1,9’-キサンテン]-3-オン、フルオレセインイソチオシアネート、4’,5’-ジブロモフルオレセイン、5(6)-カルボキシ-2’,7’-ジクロロフルオレセイン、4-クロロ-3-[(2Z)-2-[1-[5-クロロ-4-[[(2Z)-2-[[2-クロロ-5-[N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-C-ヒドロキシカルボンイミドイル]フェニル]ヒドラジニリデン]-3-オキソブタノイル]アミノ]-2-メチルアニリノ]-1,3-ジオキソブタン-2-イリデン]ヒドラジニル]-N-[2-(4-クロロフェノキシ)-5-(トリフルオロメチル)フェニル]ベンゼンカルボキシミド酸、2-[(3-カルボキシ-2-オキシドナフタレン-1-イル)ジアゼニル]-4-クロロ-5-メチルベンゼンスルホン酸二ナトリウム、フェノール染料、3,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-ベンゾフラン-1-オン、4,8-ジアミノ-1,5-ジヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-2-スルホン酸ナトリウム、1-アミノ-4-ヒドロキシ-2-フェノキシアントラセン-9,10-ジオン、5-オキソ-1-(4-スルホナトフェニル)-4-[(4-スルホナトフェニル)ジアゼニル]-4H-ピラゾール-3-カルボン酸三ナトリウム、5-クロロ-2-ヒドロキシ-3-[(3-メチル-5-オキソ-1-フェニル-4H-ピラゾール-4-イル)ジアゼニル]ベンゼンスルホン酸ナトリウム、2-[(4-ヒドロキシ-9,10-ジオキソアントラセン-1-イル)アミノ]-5-メチルベンゼンスルホン酸、3,5,6,8-テトラヒドロキシ-1-メチル-9,10-ジオキソ-7-[3,4,5-トリヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)オキサン-2-イル]アントラセン-2-カルボン酸など、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第25節に記載の組成物。
【0195】
第29節.ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、これらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第25節に記載の組成物。
【0196】
第30節.特定の形状の表面に粒子を堆積させることを含み、粒子が、第25節のポリアミドを含み、堆積したら、粒子の少なくとも一部分を加熱して、その固結化を促進し、固結体を形成する、方法。
【0197】
第31節.粒子が、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエテン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリフェニレンスルフィド、ビニルポリマー、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエステル、ポリエーテルブロック及びポリアミドブロックを含むコポリマー、グラフト化又は非グラフト化熱可塑性ポリオレフィン、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマーポリマー、官能化又は非官能化エチレン/アルキル(メタ)アクリレート、官能化又は非官能化(メタ)アクリル酸ポリマー、官能化又は非官能化エチレン/ビニルモノマー/アルキル(メタ)アクリレートターポリマー、エチレン/ビニルモノマー/カルボニルターポリマー、エチレン/アルキル(メタ)アクリレート/カルボニルターポリマー、メチルメタクリレート-ブタジエン-スチレン型コア-シェルポリマー、ポリスチレン-ブロック-ポリブタジエン-ブロック-ポリ(メチルメタクリレート)ブロックターポリマー、塩素化又はクロロスルホン化ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリ(エチレン/酢酸ビニル)、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン系ブロックコポリマー、ポリアクリロニトリル、シリコーン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される熱可塑性ポリマーを更に含む、第30節に記載の方法。
【0198】
第32節.第25節のポリアミドを含む、物品。
【0199】
第33節.ポリアミドであって、ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有する、ポリアミド(OAMB-ポリアミド)と、OAMB-ポリアミドと不混和性である分散媒と、に任意選択で、乳化安定剤と、を含む混合物を、OAMB-ポリアミドの融点又は軟化温度よりも高い温度、及び分散媒中にOAMB-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、OAMB-ポリアミドの融点又は軟化温度を下回るように混合物を冷却して、固化粒子を形成することであって、固化粒子は、OAMB-ポリアミド、及び存在する場合、固化粒子の外側表面と会合した乳化安定剤を含む、形成することと、を含む、方法。
【0200】
第34節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、固化粒子の外側表面と会合する、第33節に記載の方法。
【0201】
第35節.混合物が、OAMB-ポリアミドではない熱可塑性ポリマーを更に含む、第33節に記載の方法。
【0202】
第36節.混合物が、ポリアミドを更に含むが、ポリアミドから垂下する光吸収体を含まない、第33節に記載の方法。
【0203】
第37節.光吸収体が、ローダミン、フルオレセイン、クマリン、ナフタルイミド、ベンゾキサンテン、アクリジン、シアニン、オキサジン、フェナントリジン、ピロールケトン、ベンズアルデヒド、ポリメチン、トリアリールメタン、アントラキノン、ピラゾロン、キノフタロン、カルボニル染料、ジアゾ染料、ペルノン、ジケトピロロピロール(DPP)、ジオキサジン染料、フタロシアニン、インダンスレン、ベンズアントロン、ビオラントロン、アゾ染料、フタロシアニン染料、キナクリドン染料、アントラキノン染料、ジオキサジン染料、インジゴ染料、チオインジゴ染料、ペリノン染料、ペリレン染料、イソインドレン染料、芳香族アミノ酸、フラビン、ピリドキシルの誘導体、クロロフィルの誘導体、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるファミリーからのものである、第33節に記載の方法。
【0204】
第38節.ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、それらの任意のコポリマー、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第33節に記載の方法。
【0205】
第39節.OAMB-ポリアミドが、ポリアミドと光吸収体とを連結するアルキルリンカーを含む、第33節に記載の方法。
【0206】
第40節.アルキルリンカーが、2~18個の炭素を有する、第39節に記載の方法。
【0207】
第41節.アルキルリンカーが、2~6個の炭素を有する、第39節に記載の方法。
【0208】
第42節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、固化粒子の少なくとも一部が、空隙/ポリマー界面に乳化安定剤を含む空隙を有する、第33節に記載の方法。
【0209】
第43節.乳化安定剤が、ナノ粒子を含み、ナノ粒子が、空隙/ポリマー界面に埋め込まれる、第42節に記載の方法。
【0210】
第44節.空隙が、分散媒を含む、第42節に記載の方法。
【0211】
第45節.固化粒子が、固化粒子の表面上に細長い構造を更に含み、乳化安定剤が混合物中に含まれ、細長い構造が、OAMB-ポリアミドを含み、乳化安定剤が細長い構造の外側表面と会合している、第33節に記載の方法。
【0212】
第46節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、固化粒子の表面の5%未満を被覆するコーティングを形成する、第33節に記載の方法。
【0213】
第47節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも5%を被覆するコーティングを形成する、第33節に記載の方法。
【0214】
第48節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも25%を被覆するコーティングを形成する、第33節に記載の方法。
【0215】
第49節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも50%を被覆するコーティングを形成する、第33節に記載の方法。
【0216】
第50節.OAMB-ポリアミドが、混合物の5重量%~60重量%で混合物中に存在する、第33節に記載の方法。
【0217】
第51節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、OAMB-ポリアミドの重量に対して、0.05重量%~5重量%で混合物中に存在する、第33節に記載の方法。
【0218】
第52節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、1nm~500nmの平均直径を有するナノ粒子を含む、第33節に記載の方法。
【0219】
第53節.分散媒が、シリコーンオイル、フッ素化シリコーンオイル、ペルフッ素化シリコーンオイル、ポリエチレングリコール、パラフィン、流動ワセリン、ミンクオイル、タートルオイル、大豆油、ペルヒドロスクアレン、スイートアーモンドオイル、カロフィルムオイル、パームオイル、パールリームオイル、グレープシードオイル、ゴマ油、トウモロコシ油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、杏油、ヒマシ油、アボカド油、ホホバ油、オリーブ油、穀物胚芽油、ラノリン酸のエステル、オレイン酸のエステル、ラウリン酸のエステル、ステアリン酸のエステル、脂肪族エステル、高級脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸で修飾されたポリシロキサン、脂肪族アルコールで修飾されたポリシロキサン、ポリオキシアルキレンで修飾されたポリシロキサン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第33節に記載の方法。
【0220】
第54節.シリコーンオイルが、ポリジメチルシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、アミノ変性メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性メチルフェニルポリシロキサン、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、第53節に記載の方法。
【0221】
第55節.分散媒が25℃で1,000cSt~150,000cStの粘度を有する、第33節に記載の方法。
【0222】
第56節.分散媒が、0.6g/cm3~1.5g/cm3の密度を有する、第33節に記載の方法。
【0223】
第57節.混合が押し出し機内で行われる、第33節に記載の方法。
【0224】
第58節.混合が撹拌反応器内で行われる、第33節に記載の方法。
【0225】
第59節.混合物が界面活性剤を更に含む、第33節に記載の方法。
【0226】
第60節.OACTP粒子が、約0.1μm~約125μmのD10、約0.5μm~約200μmのD50、及び約3μm~約300μmのD90を有し、D10<D50<D90である、第33節に記載の方法。
【0227】
第61節.OACTP粒子が、約0.2~約10の直径スパンを有する、第33節に記載の方法。
【0228】
第62節.OACTP粒子が、約5μm~約30μmのD10、約30μm~約70μmのD50、及び約70μm~約120μmのD90を有し、D10<D50<D90である、第33節に記載の方法。
【0229】
第63節.OACTP粒子が、約1.0~約2.5の直径スパンを有する、第62節に記載の方法。
【0230】
第64節.OACTP粒子が、約25μm~約60μmのD10、約60μm~約110μmのD50、及び約110μm~約175μmのD90を有し、D10<D50<D90である、第33節に記載の方法。
【0231】
第65節.OACTP粒子が、約0.6~約1.5の直径スパンを有する、第64節に記載の方法。
【0232】
第66節.OACTP粒子が、約75μm~約125μmのD10、約100μm~約200μmのD50、及び約125μm~約300μmのD90を有し、D10<D50<D90である、第33節に記載の方法。
【0233】
第67節.OACTP粒子が、約0.2~約1.2の直径スパンを有する、第66節に記載の方法。
【0234】
第68節.固化粒子が約0.90~約1.0の円形度を有する、第33節に記載の方法。
【0235】
第69節.固化粒子が約1.0~約1.5のハウスナー比を有する、第33節に記載の方法。
【0236】
第70節.ナノ粒子が酸化物ナノ粒子を含む、第33節に記載の方法。
【0237】
第71節.ナノ粒子がカーボンブラックを含む、第33節に記載の方法。
【0238】
第72節.ナノ粒子がポリマーナノ粒子を含む、第33節に記載の方法。
【0239】
第73節.ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有するポリアミド(OAMB-ポリアミド)を含み、約0.90~約1.0の円形度を有する粒子を含む、組成物。
【0240】
第74節.粒子が、OAMB-ポリアミドではない熱可塑性ポリマーを更に含む、第73節に記載の組成物。
【0241】
第75節.粒子がポリアミドを更に含むが、ポリアミドから垂下する光吸収体を含まない、第73節に記載の組成物。
【0242】
第76節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、粒子が、粒子の外側表面と会合している乳化安定剤を更に含む、第73節に記載の組成物。
【0243】
第77節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、粒子の少なくとも一部が、空隙/ポリマー界面に乳化安定剤を含む空隙を有する、第73節に記載の組成物。
【0244】
第78節.乳化安定剤が、ナノ粒子を含み、ナノ粒子が、空隙/ポリマー界面に埋め込まれる、第77節に記載の組成物。
【0245】
第79節.空隙が、分散媒を含む、第77節に記載の組成物。
【0246】
第80節.固化粒子が、固化粒子の表面上に細長い構造を更に含み、乳化安定剤が混合物中に含まれ、細長い構造が、OAMB-ポリアミドを含み、乳化安定剤が細長い構造の外側表面と会合している、第73節に記載の組成物。
【0247】
第81節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、固化粒子の表面の5%未満を被覆するコーティングを形成する、第73節に記載の組成物。
【0248】
第82節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも5%を被覆するコーティングを形成する、第73節に記載の組成物。
【0249】
第83節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも25%を被覆するコーティングを形成する、第73節に記載の組成物。
【0250】
第84節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、固化粒子の表面の少なくとも50%を被覆するコーティングを形成する、第73節に記載の組成物。
【0251】
第85節.乳化安定剤が、混合物中に含まれ、乳化安定剤が、1nm~500nmの平均直径を有するナノ粒子を含む、第73節に記載の組成物。
【0252】
第86節.OACTP粒子が、約0.1μm~約125μmのD10、約0.5μm~約200μmのD50、及び約3μm~約300μmのD90を有し、D10<D50<D90である、第73節に記載の組成物。
【0253】
第87節.OACTP粒子が、約0.2~約10の直径スパンを有する、第73節に記載の組成物。
【0254】
第88節.OACTP粒子が、約5μm~約30μmのD10、約30μm~約70μmのD50、及び約70μm~約120μmのD90を有し、D10<D50<D90である、第73節に記載の組成物。
【0255】
第89節.OACTP粒子が、約1.0~約2.5の直径スパンを有する、第88節に記載の組成物。
【0256】
第90節.OACTP粒子が、約25μm~約60μmのD10、約60μm~約110μmのD50、及び約110μm~約175μmのD90を有し、D10<D50<D90である、第73節に記載の組成物。
【0257】
第91節.OACTP粒子が、約0.6~約1.5の直径スパンを有する、第90節に記載の組成物。
【0258】
第92節.OACTP粒子が、約75μm~約125μmのD10、約100μm~約200μmのD50、及び約125μm~約300μmのD90を有し、D10<D50<D90である、第73節に記載の組成物。
【0259】
第93節.OACTP粒子が、約0.2~約1.2の直径スパンを有する、第92節に記載の方法。
【0260】
第62節.固化粒子が、約1.0~約1.5のハウスナー比を有する、第73節に記載の組成物。
【0261】
別途記載のない限り、本明細書及び関連する特許請求の範囲で使用される成分量、分子量などの特性、反応条件などを表す全ての数は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、特に異議を唱えない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に明記する数値パラメータは、本発明の実施態様によって取得されるように求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、特許請求の範囲の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではなく、各数値パラメータは、報告された有効数字の数に照らして、通常の四捨五入法を適用することによって解釈されるべきである。
【0262】
1つ以上の発明要素を組み込む1つ以上の例示的実施態様が、本明細書に提示される。明確にするために、物理的実装の全ての特徴は、本出願に記載又は表示されていない。本発明の1つ以上の要素を組み込む物理的実施形態の開発において、実装によって、また時によって変化する、システム関連、ビジネス関連、政府関連、及び他の制約を伴うコンプライアンスなどの開発者の目標を達成するために、数多くの実装固有の決定がなされなければならないことが理解される。開発者の努力は時間がかかる場合があるが、それにもかかわらず、そのような努力は当業者にとって日常的な作業であり、本開示の利益を得るものとなるであろう。
【0263】
組成物及び方法は、様々な構成成分又は工程を「含む」という用語で本明細書に記載されているが、組成物及び方法はまた、様々な構成成分及び工程「から本質的になる」又は「からなる」可能性がある。
【0264】
本発明の実施形態のより良好な理解を促進するために、好ましい又は代表的な実施形態の以下の実施例が与えられる。以下の実施例は、本発明の範囲を制限するか、又は定義するために読まれるべきではない。
【実施例】
【0265】
仮想例1-変性アリザリンの調製約1.5mmolのDMAPを、DMSO中の約5.5mmolのブロモアセテートの撹拌溶液に添加した。混合物を室温で5分間撹拌した後、6.0mmolのDCCを添加した。10分後、5.5mmolのアリザリンを添加し、4時間撹拌した。有機層を分離し、酢酸エチルと混合し、水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒の蒸発後、粗残留物を、溶出剤としてシクロヘキサン-EtOAc(10:1)を使用してカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0266】
仮想例2-アリザリン-変性ナイロンの調製ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、及びナイロン12を、実施例1で調製した変性アリザリンで修飾した。
【0267】
150mLのDMSO及び5.5mmolのナイロンポリマーを混合した。混合物に、5.5mmolのカリウムt-ブトキシドを添加した。混合物をアルゴンで覆い、150℃の温度まで加熱した。懸濁液を、150℃で約1時間、又はほとんどのナイロンが溶解するまで混合させた。次に、5.5mmolの変性アリザリンをフラスコに添加し、反応物を一晩進行させた。翌日、反応混合物を室温まで冷却し、800mLの脱イオン水の中に沈殿させた。次いで、アリザリン変性ナイロン、未変性ナイロン、及び未反応の変性アリザリンを含む混合物を、濾過により単離し、水で繰り返し洗浄して、DMSO溶媒を除去した。次に、固体をメタノールですすいで水を除去し、次いで、ヘキサン中で撹拌して、未反応の変性アリザリンを除去した。得られたナイロン混合物(変性及び未変性)を、濾過によって単離し、真空オーブン内で、60℃で一晩乾燥させた。
【0268】
これらの実施例は、光吸収体を修飾し、次いでポリアミドと反応させて、光吸収体-変性ポリアミドを生成することができることを示す。
【0269】
したがって、本発明は、上述した目的及び利点、並びにその中の固有の利点を達成するように十分に適合されている。本発明は、本明細書の教示の利益を享受する当業者に明らかな、異なるが均等な方式で修正して実践し得るため、上記に開示される特定の例及び構成は、単なる例示にすぎない。更に、以下の特許請求の範囲に記載されるもの以外の、本明細書に示される構造又は設計の詳細に限定することを意図するものではない。したがって、上記に開示される特定の例示的な例は、変更、組み合わせ、又は修正されてもよく、このような全ての変形形態は、本発明の範囲及び趣旨内で考慮されることは明らかである。本明細書で例示的に開示される本発明は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素、及び/又は本明細書に開示される任意選択の要素の非存在下で実施されてもよい。組成物及び方法は、様々な構成成分又は工程を「含む(comprising)」、「含む(containing)」、又は「含む(including)」という用語で記載されているが、組成物及び方法はまた、様々な構成成分及び工程「から本質的になる」又は「からなる」可能性がある。上に開示された全ての数及び範囲は、多少異なる場合がある。下限及び上限を有する数値範囲が開示されるときはいつでも、その範囲内にある任意の数及び任意の含まれる範囲が具体的に開示される。とりわけ、本明細書に開示される(「約a~約b(from about a to about b)」、又は等しく「約a~b(approximately a to b)」、又は等しく「約a~b(from approximately a-b)」という形態の)値の全ての範囲は、広範な値の範囲内に包含される全ての数及び範囲を記載するものと理解されるべきである。また、特許請求の範囲における用語は、特許権所有者によって明示的かつ明確に定義されない限り、平易な通常の意味を有する。加えて、特許請求の範囲で使用するとき、不定冠詞「a」又は「an」は、本明細書において、それが導入する要素のうちの1つ又は1つ超を意味するように定義される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕ポリアミドであって、前記ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有する、ポリアミド(OAMB-ポリアミド)と、前記OAMB-ポリアミドと不混和性である分散媒と、任意選択で、乳化安定剤と、を含む混合物を、前記OAMB-ポリアミドの融点又は軟化温度よりも高い温度、及び前記分散媒中に前記OAMB-ポリアミドを分散させるのに十分に高い剪断速度で混合することと、
前記OAMB-ポリアミドの前記融点又は軟化温度を下回るように前記混合物を冷却して、固化粒子を形成することであって、前記固化粒子は、前記OAMB-ポリアミド、及び存在する場合、前記固化粒子の外側表面と会合した前記乳化安定剤を含む、形成することと、を含む、方法。
〔2〕前記乳化安定剤が、前記混合物中に含まれ、前記乳化安定剤が、前記固化粒子の外側表面と会合する、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記固化粒子の少なくとも一部が、空隙/ポリマー界面に前記乳化安定剤を含む空隙を有する、前記〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記乳化安定剤が、ナノ粒子を含み、前記ナノ粒子が、前記空隙/ポリマー界面に埋め込まれる、前記〔3〕に記載の方法。
〔5〕前記空隙が、前記分散媒を含む、前記〔3〕に記載の方法。
〔6〕前記混合物が、前記OAMB-ポリアミドではない熱可塑性ポリマーを更に含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔7〕前記混合物が、前記ポリアミドを更に含むが、前記ポリアミドから垂下する光吸収体を含まない、前記〔1〕に記載の方法。
〔8〕前記光吸収体が、ローダミン、フルオレセイン、クマリン、ナフタルイミド、ベンゾキサンテン、アクリジン、シアニン、オキサジン、フェナントリジン、ピロールケトン、ベンズアルデヒド、ポリメチン、トリアリールメタン、アントラキノン、ピラゾロン、キノフタロン、カルボニル染料、ジアゾ染料、ペルノン、ジケトピロロピロール(DPP)、ジオキサジン染料、フタロシアニン、インダンスレン、ベンズアントロン、ビオラントロン、アゾ染料、フタロシアニン染料、キナクリドン染料、アントラキノン染料、ジオキサジン染料、インジゴ染料、チオインジゴ染料、ペリノン染料、ペリレン染料、イソインドレン染料、芳香族アミノ酸、フラビン、ピリドキシルの誘導体、クロロフィルの誘導体、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるファミリーからのものである、前記〔1〕に記載の方法。
〔9〕前記ポリアミドが、ポリカプロアミド、ポリ(ヘキサメチレンスクシンアミド)、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリペンタメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカアミド、ポリドデカアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ナイロン10,10、ナイロン10,12、ナイロン10,14、ナイロン10,18、ナイロン6,18、ナイロン6,12、ナイロン6,14、ナイロン12,12、半芳香族ポリアミド、芳香族ポリアミド、それらの任意のコポリマー、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、前記〔1〕に記載の方法。
〔10〕前記OAMB-ポリアミドが、前記ポリアミド及び前記光吸収体を連結するアルキルリンカーを含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔11〕前記アルキルリンカーが、2~18個の炭素を有する、前記〔10〕に記載の方法。
〔12〕前記アルキルリンカーが、2~6個の炭素を有する、前記〔10〕に記載の方法。
〔13〕OACTP粒子が、約0.1μm~約125μmのD10、約0.5μm~約200μmのD50、及び約3μm~約300μmのD90を有し、D10<D50<D90である、前記〔1〕に記載の方法。
〔14〕前記OACTP粒子が、約0.2~約10の直径スパンを有する、前記〔1〕に記載の方法。
〔15〕ポリアミドであって、前記ポリアミドの骨格から垂下する光吸収体を有する、ポリアミド(OAMB-ポリアミド)を含み、約0.90~約1.0の円形度を有する粒子を含む、組成物。
〔16〕前記粒子が、前記OAMB-ポリアミドではない熱可塑性ポリマーを更に含む、前記〔15〕に記載の組成物。
〔17〕前記粒子が、前記ポリアミドを更に含むが、前記ポリアミドから垂下する光吸収体を含まない、前記〔15〕に記載の組成物。
〔18〕前記粒子が、前記粒子の外側表面と会合した乳化安定剤を更に含む、前記〔15〕に記載の組成物。
〔19〕前記粒子の少なくとも一部が、空隙/ポリマー界面に前記乳化安定剤を含む空隙を有する、前記〔16〕に記載の組成物。
〔20〕前記乳化安定剤が、前記固化粒子の前記表面の少なくとも50%を覆うコーティングを形成する、前記〔16〕に記載の組成物。