(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20240227BHJP
【FI】
G06Q30/0201
(21)【出願番号】P 2020156748
(22)【出願日】2020-09-17
【審査請求日】2021-03-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池宮 伸次
(72)【発明者】
【氏名】和田 麻里
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】松田 直也
【審判官】梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-191643(JP,A)
【文献】特開2018-097628(JP,A)
【文献】国際公開第2019/088223(WO,A1)
【文献】特開2002-203021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して、ブランドに対する利用者の行動に関する履歴情報を取得する取得部と、
前記履歴情報に基づいて、ブランド同士の関連度を算出する算出部と、
前記ブランド同士の関連度を可視化した散布図を生成する生成部と、
ネットワークを介して、前記散布図及び前記ブランド同士の関連度に基づく情報を、前記ブランドに関連する事業者に提供する提供部と、
を備え、
前記算出部は、対象ブランドに対する他ブランドの関連度を、店舗や商品といった各ブランドに対する利用者の行動に基づいて求めるものであって、前記対象ブランドの店舗と前記他ブランドの店舗とが既に存在している別の場所において、利用者が前記対象ブランドの店舗と前記他ブランドの店舗との両方を訪問した履歴や、利用者が前記対象ブランドの商品と前記他ブランドの商品との両方を購入した履歴、あるいは利用者が前記対象ブランドの店舗又は商品と前記他ブランドの店舗又は商品との両方に関する検索や投稿を行った履歴の出現頻度及び重複頻度から、前記対象ブランドに対する前記他ブランドの関連度を算出する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、対象ブランドと一定関連度以上のブランドを全て抽出し、出現数と特徴度でマッピングする際に、縦軸を対象ブランドと同じエリア内の他ブランド群の全体との相性を示す値として
当該対象ブランドとの関連度が一定関連度以上の他ブランドの数をカウントした関連重複数とし、横軸を対象ブランドと前記他ブランド群の一部の特定ブランドとの相性を示す値として
当該対象ブランドと他ブランドとの関連度の平均値とする散布図を生成し、
前記散布図において、縦軸で上にいくほど対象ブランドと他ブランド群の全体との相性がよく、横軸で右にいくほど対象ブランドと一部の特定ブランドとの相性が強いことを示す
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対象ブランドは、既に出店又は発売済みの既存ブランドであり、
前記算出部は、前記対象ブランドである既存ブランドと、周辺エリアに存在する他の既存ブランドとの関連度を算出し、
前記生成部は、前記既存ブランドに対する前記他の既存ブランドの関連度を可視化した散布図を生成する
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対象ブランドは、新たに出店又は発売予定の新規ブランドであり、
前記算出部は、前記対象ブランドである新規ブランドと、周辺エリアに存在する既に出店又は発売済みの既存ブランドとの関連度を算出し、
前記生成部は、前記新規ブランドに対する前記既存ブランドの関連度を可視化した散布図を生成する
ことを特徴とする請求項1~
3のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記算出部は、同じ施設内の同じフロアに存在する店舗ごとのブランドのうち、対象ブランドに対する他ブランドの関連度を算出し、
前記生成部は、前記フロアにおける前記対象ブランドに対する他ブランドの関連度を可視化した散布図を生成し、
前記提供部は、前記フロアにおける前記対象ブランドに対する他ブランドの関連度を可視化した散布図に基づく情報を事業者に提供する
ことを特徴とする請求項1~
4のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記算出部は、同じ店舗内の同じ商品棚に配置された商品ごとのブランドのうち、対象ブランドに対する他ブランドの関連度を算出し、
前記生成部は、前記商品棚における前記対象ブランドに対する他ブランドの関連度を可視化した散布図を生成し、
前記提供部は、前記商品棚における前記対象ブランドに対する他ブランドの関連度を可視化した散布図に基づく情報を事業者に提供する
ことを特徴とする請求項1~
5のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、前記対象ブランドに対する他ブランドの関連度に基づく前記対象ブランドの新たなレイアウトに関する情報を、前記対象ブランドが存在する場所において前記対象ブランドの配置を管理する事業者に提供する
ことを特徴とする請求項1~
6のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記生成部は、同一施設内のフロアに出店しているブランドの中から1つ又は複数を選択し、選択されたブランドと同一施設内のフロアの他ブランドとの関連度を算出し、算出された関連度に応じた散布図を生成し、
前記提供部は、前記散布図に基づいてレイアウトの変更を行うため、生成された散布図を事業者に提供する
ことを特徴とする請求項
7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記生成部は、同一施設内のフロアに配置している又は出店予定のブランドと他ブランドとの関連性をすべて算出し、算出された関連度に応じた散布図を生成し、
前記提供部は、前記散布図に基づいてレイアウトの最適化又は出店シミュレーションを行うため、生成された散布図を事業者に提供する
ことを特徴とする請求項
8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ネットワークを介して、ブランドに対する利用者の行動に関する履歴情報を取得する取得工程と、
前記履歴情報に基づいて、ブランド同士の関連度を算出する算出工程と、
前記ブランド同士の関連度を可視化した散布図を生成する生成工程と、
ネットワークを介して、前記散布図及び前記ブランド同士の関連度に基づく情報を、前記ブランドに関連する事業者に提供する提供工程と、
を含み、
前記算出工程では、対象ブランドに対する他ブランドの関連度を、店舗や商品といった各ブランドに対する利用者の行動に基づいて求めるため、前記対象ブランドの店舗と前記他ブランドの店舗とが既に存在している別の場所において、利用者が前記対象ブランドの店舗と前記他ブランドの店舗との両方を訪問した履歴や、利用者が前記対象ブランドの商品と前記他ブランドの商品との両方を購入した履歴、あるいは利用者が前記対象ブランドの店舗又は商品と前記他ブランドの店舗又は商品との両方に関する検索や投稿を行った履歴の出現頻度及び重複頻度から、前記対象ブランドに対する前記他ブランドの関連度を算出する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
ネットワークを介して、ブランドに対する利用者の行動に関する履歴情報を取得する取得手順と、
前記履歴情報に基づいて、ブランド同士の関連度を算出する算出手順と、
前記ブランド同士の関連度を可視化した散布図を生成する生成手順と、
ネットワークを介して、前記散布図及び前記ブランド同士の関連度に基づく情報を、前記ブランドに関連する事業者に提供する提供手順と、
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、
前記算出手順では、対象ブランドに対する他ブランドの関連度を、店舗や商品といった各ブランドに対する利用者の行動に基づいて求めるため、前記対象ブランドの店舗と前記他ブランドの店舗とが既に存在している別の場所において、利用者が前記対象ブランドの店舗と前記他ブランドの店舗との両方を訪問した履歴や、利用者が前記対象ブランドの商品と前記他ブランドの商品との両方を購入した履歴、あるいは利用者が前記対象ブランドの店舗又は商品と前記他ブランドの店舗又は商品との両方に関する検索や投稿を行った履歴の出現頻度及び重複頻度から、前記対象ブランドに対する前記他ブランドの関連度を算出する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗ごとの顧客の情報を介して、店舗間の関係の把握を支援する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、既存の店舗間の関係についての店舗相関図を示しているにすぎず、特定のブランド(brand)と既存ブランドとの関係性までは考慮されていなかった。そのため、ブランド同士の関係性に応じて、新たなブランドを誘致する際に有用な情報を提供しているとは言えない。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、既存ブランドと誘致対象ブランドとの関係性に応じて、新規ブランドとしてどのようなブランドがよいかを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、ネットワークを介して、ブランドに対する利用者の行動に関する履歴情報を取得する取得部と、前記履歴情報に基づいて、ブランド同士の関連度を算出する算出部と、前記ブランド同士の関連度を可視化した散布図を生成する生成部と、ネットワークを介して、前記散布図及び前記ブランド同士の関連度に基づく情報を、前記ブランドに関連する事業者に提供する提供部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、既存ブランドと誘致対象ブランドとの関係性に応じて、新規ブランドとしてどのようなブランドがよいかを提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理方法の第1の概要を示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理方法の第2の概要を示す説明図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理方法の第3の概要を示す説明図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、利用者情報データベースの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、履歴情報データベースの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、関連度情報データベースの一例を示す図である。
【
図10】
図10は、相性情報データベースの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、
図1、
図2及び
図3を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理方法の第1の概要を示す説明図である。
図2は、実施形態に係る情報処理方法の第2の概要を示す説明図である。
図3は、実施形態に係る情報処理方法の第3の概要を示す説明図である。本実施形態では、新規ブランド(候補ブランド)と既存ブランドとの関係性であって、それぞれ異なる複数の関係性に基づいた散布図(点グラフ)を作成する。
図1、
図2及び
図3に示された散布図に描かれた点は、各ブランドを示す。各点は、各ブランドが利用者の履歴情報の中で登場した回数(出現数)に応じて大きくなる。
【0011】
なお、
図1では、既存ブランドとの関連度(関係性)に関する散布図を作成する場合を例に挙げて説明する。また、
図2では、利用者との相性に関する散布図を作成する場合を例に挙げて説明する。また、
図3では、既存ブランドや利用者との相性に関する3次元散布図(3D散布図)を作成する場合を例に挙げて説明する。
【0012】
図1、
図2及び
図3に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100と店舗装置200とを含む。端末装置10と情報提供装置100と店舗装置200とは、それぞれネットワークN(
図4参照)を介して有線又は無線で互いに通信可能に接続される。
【0013】
端末装置10は、利用者Uにより利用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者から指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置10は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0014】
情報提供装置100は、ブランドに対する利用者Uの行動に関する各種の履歴情報(ログデータ)に基づいて、店舗や商品等の各ブランドについてブランド同士の関連度(関係性)に基づいた散布図を作成する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。本実施形態では、情報提供装置100は、新規ブランド(候補ブランド)と既存ブランドとの間の関係性であって、それぞれ異なる複数の関係性に基づいた散布図を作成する。
【0015】
すなわち、新規ブランドに対する既存ブランドの関連度は、店舗や商品等の各ブランドに対する利用者Uの行動に基づいて求められる。例えば、別の場所において、出店予定の新規ブランドの店舗と既存ブランドの店舗とが既に存在する場合、利用者Uが別の場所において出店予定の新規ブランドの店舗と既存ブランドの店舗との両方を訪問した履歴がある場合や、情報提供装置100は、利用者Uが新規ブランドの商品と既存ブランドの商品との両方を購入した履歴がある場合、あるいは利用者Uが新規ブランドの店舗又は商品と既存ブランドの店舗又は商品との両方に関する検索や投稿を行った履歴がある場合には、それらの履歴の出現頻度(度合い)及び重複頻度に基づいて、新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を算出する。また、既存ブランド同士の関連度についても同様である。但し、上記の事項は一例に過ぎない。
【0016】
ここで、ブランドとは、例えば商業施設等のフロア内におけるテナント等の店舗(ショップ)のブランドや、小売店等の商品棚(陳列棚)における商品(アイテム)のブランド等である。ブランドに対する利用者Uの行動に関する各種の履歴情報には、ブランドの知名度・認知度や集客力等が反映されている。
【0017】
また、商業施設は、店舗を設置可能な施設の一例に過ぎない。実際には、大型商業施設(百貨店/ショッピングセンター/アウトレットモール/地下街)や大型レジャー施設(テーマパーク/遊園地/遊戯場/動物園/水族館/プール/入浴施設/公園/庭園/名所)、文化施設(ホール/劇場/映画館/美術館/博物館)、鉄道駅や空港、港湾(乗船場)、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)等であってもよい。また、店舗は、売り場の一例に過ぎない。例えば、店舗は、屋内に限らず、屋外であってもよい。すなわち、店舗は、野外の一定規模の敷地であってもよい。また、店舗は、屋台やテント等の仮設販売所等であってもよい。
【0018】
また、小売店は、例えばスーパーマーケットやコンビニエンスストア、量販店、ドラッグストア、ディスカウントストア、ホームセンター、倉庫型店舗等である。また、商品棚は、複数の商品を配置可能な店舗什器の一例に過ぎない。例えば、商品棚には、冷凍・冷蔵ショーケースも含まれる。また、商品棚は、例えば店舗内の特定の位置に配置され、おすすめ商品や特売商品等を載置した台(陳列台、販売台)やワゴン、屋台、カート等でもよい。また、商品はフックやハンガーラックにかけられていてもよい。また、商品は、床置きされていてもよいし、壁面や天井に配置されていてもよいし、天井から吊り下げられていてもよい。また、商品棚は、実物に限らず、仮想的なものであってもよい。また、商品棚は、オンラインモール(電子商店街)やECサイト(Electronic Commerce site)等において複数の商品を一覧表示する画面(商品の売れ筋ランキングの画面等)であってもよい。また、商品棚は、カタログ販売におけるカタログであってもよい。
【0019】
また、商品は取引対象の一例に過ぎない。本実施形態において、商品は役務と読み替えてもよい。例えば、商品は、各種サービスの申し込みや、各種契約、金融商品、旅行商品等に関する資料や小冊子(パンフレット)等であってもよい。
【0020】
店舗装置200は、出店又は新発売を予定している新規ブランドを管理する事業者、あるいは、フロアが存在する施設又は商品棚が設置された店舗等を管理・運営する事業者により利用される情報処理装置であって、情報提供装置100から情報提供を受ける情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。あるいは、端末装置10と同様の携帯端末装置であってもよい。例えば、店舗装置200は、情報提供装置100からネットワークN(
図4参照)を介して、フロア内における店舗の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図、及び/又は当該散布図に基づく情報(分析結果、調査報告等)の提供を受ける。あるいは、店舗装置200は、情報提供装置100からネットワークN(
図4参照)を介して、商品棚における新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図、及び/又は当該散布図に基づく情報の提供を受ける。
【0021】
〔1-1.基本動作〕
本実施形態では、
図1、
図2及び
図3に示すように、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10から、直接又は間接的に(各種サーバ等を経由して)、店舗や商品等に関する利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する(ステップS1)。例えば、情報提供装置100は、店舗内移動や商品購入等に関する利用者Uの位置や日時の履歴である位置履歴を端末装置10から取得する。また、情報提供装置100は、店舗や商品等に関して利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を検索サーバ(検索エンジン)から取得する。また、情報提供装置100は、店舗や商品等に関して利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴をコンテンツサーバから取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uの購買の履歴である購買履歴を電子商取引サーバや電子決済サーバから取得する。また、情報提供装置100は、店舗や商品等に関する利用者Uの投稿の履歴である投稿履歴を口コミの投稿サービスを提供する投稿サーバやSNS(Social Networking Service)サーバから取得する。なお、情報提供装置100は、上述した情報の他にも各種の情報を取得可能である。例えば、情報提供装置100は、利用者Uの年齢、性別、家族構成、経済状況といった利用者Uの属性に関する情報を取得する。そして、情報提供装置100は、上記の各種情報を、利用者Uのコンテキスト(context)として使用してもよい。
【0022】
そして、情報提供装置100は、利用者Uの各種の履歴情報に基づいて、店舗や商品等の各ブランドについて、ブランド同士の関連度を可視化した散布図を作成する(ステップS2)。ここでは、情報提供装置100は、新規ブランド(候補ブランド)と既存ブランドとの間の関係性であって、それぞれ異なる複数の関係性に基づいた散布図を作成する。例えば、情報提供装置100は、商業施設等のフロア内に存在する各ブランドの店舗について、新規ブランドを候補として選定し、そのフロア内における店舗の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図を作成する。あるいは、情報提供装置100は、商品棚(陳列棚)に配置された各ブランドの商品について、新規ブランドを選定し、その商品棚における商品の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図を作成する。
【0023】
そして、情報提供装置100は、出店又は新発売を予定している新規ブランドを管理する事業者、あるいは、フロアが存在する施設又は商品棚が設置された店舗等を管理・運営する事業者により利用される店舗装置200に対して、当該新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図に関する情報提供を行う(ステップS3)。例えば、情報提供装置100は、ネットワークN(
図4参照)を介して、フロア内における店舗の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図、及び/又は当該散布図に基づく情報(分析結果、調査報告等)を店舗装置200に提供する。あるいは、情報提供装置100は、ネットワークN(
図4参照)を介して、商品棚における新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図、及び/又は当該散布図に基づく情報を店舗装置200に提供する。
【0024】
これにより、出店又は新発売を予定している新規ブランドを管理する事業者は、新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図、及び/又は当該散布図に基づく情報に基づいて、新規ブランドの出店又は新発売のシミュレーションを実施することができる。例えば、新規ブランドの出店計画の変更や投入時期の決定等を検討・実施することができる。また、フロアが存在する施設又は商品棚が設置された店舗等を管理・運営する事業者は、新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図、及び/又は当該散布図に基づく情報に基づいて、新規ブランド及び既存ブランドのレイアウトの検討や最適化を実施することができる。
【0025】
〔1-2.既存店舗データを用いた手法〕
ここで、
図1を参照して、既存店舗データを用いた手法により、店舗誘致の提案やブランド把握を実施する場合について説明する。
図1では、既存店舗との関連度(新規店舗に対する既存店舗の関連度)に関する散布図の一例を示す。この散布図において、縦軸は、既存店舗との関連重複数(既存店舗群との相性)を示す。横軸は、既存店舗との関連度平均(特定店舗との相性)を示す。図面上の点は、個々のブランドを示す。
【0026】
情報提供装置100は、既存店舗のうち、例えば衣料品や化粧品のブランドについての関連度を可視化した散布図を生成する。このとき、情報提供装置100は、対象となる全店舗のうち、一定関連度以上のブランドを全て抽出し、出現数と特徴度でマッピングする。
図1に示す散布図において、縦軸で上にいくほど既存店舗群(全店舗)との相性がよく、横軸で右にいくほど特定店舗(一部店舗)との相性が強い。
【0027】
図1に示す例では、既存店舗群との相性がよく、特定店舗との相性が強い上部中央部(やや右)の領域を「レコメンドゾーン」(推奨領域)として示し、レコメンドゾーンの中でも特に相性が強いものに絞り込んだ領域を「高レコメンドゾーン」として示す。
【0028】
例えば、
図1に示す散布図を参照し、既存ブランドの見直しの際に、新しく入れるべきブランド・店舗をどこにするかを上部中央部(やや右)などから選定することで、親和性が高く、かつ、尖った雰囲気もキープすることができるのではないかと推測される。
【0029】
〔1-3.利用者の位置情報や決済情報〕
次に、
図2を参照して、利用者の位置情報や決済情報により、店舗誘致の提案やブランド把握を実施する場合について説明する。
図2では、利用者との相性に関する散布図の一例を示す。この散布図において、縦軸は、店舗周辺地域(周辺エリア)を訪れる利用者(来訪利用者)との相性を示す。横軸は、店舗利用者(電子決済利用者)との相性を示す。図面上の点は、個々のブランドを示す。なお、店舗周辺地域を訪れる利用者(来訪利用者)には、店舗周辺地域に居住している利用者(居住者)を含めてもよいし、含めなくてもよい。
【0030】
情報提供装置100は、利用者Uの位置情報や決済情報との相性度から、例えば衣料品や化粧品のブランドとの関連度を可視化した散布図を生成する。ここでは、情報提供装置100は、利用者Uの位置情報に基づいて、月2回以上休日に店舗周辺地域を訪問した利用者Uを特定する。また、情報提供装置100は、利用者Uの決済情報に基づいて、当該地域の店舗で電子決済を利用した利用者Uを特定する。
【0031】
また、情報提供装置100は、対象となる全店舗のうち、一定関連度以上のブランドを全て抽出し、出現数と特徴度でマッピングする。
図2に示す散布図において、縦軸で上にいくほど店舗周辺地域を訪れる利用者(来訪利用者)との相性がよく、横軸で右にいくほど店舗利用者(電子決済利用者)との相性が強い。
【0032】
図2に示す例では、店舗周辺地域を訪れる利用者(来訪利用者)との相性がよく、店舗利用者(電子決済利用者)との相性が強い上部中央部(やや右)の領域を「レコメンドゾーン」として示し、レコメンドゾーンの中でも特に相性が強いものに絞り込んだ領域を「高レコメンドゾーン」として示す。
【0033】
このように、既に存在する店舗のデータだけではなく、特定エリアの人流データや属性情報、電子決済などの利用データ、ブランドに関心を持つ利用者など、各種の履歴情報に基づく様々なデータをクロスさせて、相性の良いブランドを抽出することも可能である。
【0034】
〔1-4.様々なデータの掛け合わせ〕
次に、
図3を参照して、上述した様々なデータの掛け合わせにより、店舗誘致の提案やブランド把握を実施する場合について説明する。
図3では、既存店舗や利用者との相性に関する3次元散布図(3D散布図)の一例を示す。この3次元散布図が示す3次元空間の直交座標系において、X軸は、店舗周辺地域を訪れる利用者との相性を示す。Y軸は、店舗利用者(電子決済利用者)との相性を示す。Z軸は、既存店舗との相性を示す。図面上の点は、個々のブランドを示す。なお、X軸、Y軸、Z軸は便宜上のものにすぎず、適宜入れ替えてもよい。このとき、次元数(もしくは変数)を増やしていくほど精度が上がると考えられる。
【0035】
〔1-5.情報提供〕
情報提供装置100は、既存及び/又は新規のブランド同士の関係性に応じた、店舗・商品レイアウトを提案する。
【0036】
(1)既存ショップのレイアウト変更
情報提供装置100は、デパート等のフロアに出店している既存ブランドの中から1つ又は複数を選択し、選択されたブランドと同一施設内のフロア(同一フロアに限らず他のフロアでも可)の既存ブランドとの相性を特定し、特定した相性度に応じた散布図を提供する。散布図の提供を受けた事業者は、この散布図に基づいてレイアウトの変更等を実現できる。
【0037】
(2)既存ショップのレイアウト最適化検討
情報提供装置100は、デパート等のフロアに出店している既存ブランドについて、同一施設内のフロアに配置するブランド同士の関連性をすべて特定する。また、情報提供装置100は、当該フロア内で各ブランドを配置する配置位置(空の配置位置)を特定する。すなわち、既存ブランドの配置に関係なく、当該フロア内の全ての店舗設置可能エリア(区画)を特定する。そして、情報提供装置100は、所定のルールに基づいて、当該フロア内の各ブランドの配置位置を最適化する。例えば、同じ利用者が近くになるように配置する。あるいは、多くの利用者の履歴情報に登場するブランドほど大きな配置位置に配置する。
【0038】
このとき、情報提供装置100は、配置位置と人流データとを組合せてもよい。どのように人が流れているかのデータに基づいて、配置位置を最適化する。例えば、女性が多く歩いているルート上に、女性の履歴情報において関連性が高いブランドを配置する。
【0039】
また、情報提供装置100は、ブランド同士の関係性に加えて、複合施設としてターゲットとする利用者の属性との関係性に基づいて配置位置を最適化してもよい。また、情報提供装置100は、ある属性の人がどのように動いているかに基づいて、最適なレイアウトを決定してもよい。また、情報提供装置100は、電子決済方法の情報を用いてもよいし、決済履歴等で関連性を見てもよい。
【0040】
このとき、情報提供装置100は、施設はフロアごととし、利用者の属性は施設ごととしてもよい。すなわち、デパートごとの利用者の属性から、フロアごとの最適化を行う。また、情報提供装置100は、施設を商品棚とみなし、店舗を商品とみなすことで、商品棚に配置された商品のレイアウトの最適化を行ってもよい。また、情報提供装置100は、商品棚における商品の見えやすさ等を考慮してもよい。
【0041】
さらに、情報提供装置100は、過去の履歴情報をモデルに学習させることで、これらを実現してもよい。例えば、情報提供装置100は、レイアウト(距離)と検索クエリに基づく関係性とを入力した際に、売り上げを示す情報を出力するようにモデルを学習する。これにより、あるブランド同士を近くに配置するとよくない等の判断が可能になる。
【0042】
(3)新規追加ショップの出店シミュレーション
情報提供装置100は、ブランドが出店予定の新規ブランドである場合、上記処理により、出店シミュレーションができる。例えば、情報提供装置100は、デパート等のフロアに出店予定の新規ブランドと、同一施設内のフロアに存在する既存ブランドとの関連性をすべて特定する。また、情報提供装置100は、当該フロア内で各ブランドを配置する配置位置(出店予定の候補位置)を特定する。これにより、新規ブランドと、近隣のブランドとの相性を特定することができる。そして、情報提供装置100は、特定した相性度に応じた散布図を提供する。散布図の提供を受けた事業者は、この散布図に基づいてレイアウトの変更等を実現できる。
【0043】
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、
図4を用いて、実施形態に係る情報提供装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
図4に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0044】
また、
図4に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、
図4では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0045】
端末装置10は、利用者Uによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、カーナビゲーションシステム、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイス(Wearable Device)、スマートグラス等である。
【0046】
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報提供装置100と通信することができる。
【0047】
情報提供装置100は、例えばPCやサーバ装置、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、情報提供装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0048】
〔3.端末装置の構成例〕
次に、
図5を用いて、端末装置10の構成について説明する。
図5は、端末装置10の構成例を示す図である。
図5に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
【0049】
(通信部11)
通信部11は、ネットワークN(
図4参照)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報提供装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0050】
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
【0051】
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスである。また、入力部13は、例えば、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。なお、入力部13は、利用者Uから音声入力を受け付けるマイク等であってもよい。マイクはワイヤレスであってもよい。
【0052】
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例に過ぎない。
【0053】
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
【0054】
(Wi-Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0055】
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth(登録商標)機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0056】
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
【0057】
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や店舗等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
【0058】
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の一つ又は組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
【0059】
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載又は接続される各種のセンサを含む。なお、接続は、有線接続、無線接続を問わない。例えば、センサ類は、ウェアラブルデバイスやワイヤレスデバイス等、端末装置10以外の検知装置であってもよい。
図5に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
【0060】
なお、上記した各センサ21~28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21~28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。
【0061】
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、及び、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
【0062】
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21~23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
【0063】
例えば、加速度センサ21を利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、ジャイロセンサ22を利用して、利用者Uの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、気圧センサ23で検知した気圧から、利用者Uの端末装置10が存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
【0064】
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、例えば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
【0065】
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26及び画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の環境や状況等を検知することができる。また、端末装置10の周囲の環境や状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
【0066】
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33とを備える。
【0067】
(送信部31)
送信部31は、例えば入力部13を用いて利用者Uにより入力された各種情報や、端末装置10に搭載又は接続された各センサ21~28によって検知された各種情報、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報等を、通信部11を介して情報提供装置100へ送信することができる。
【0068】
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100から提供される各種情報や、情報提供装置100からのセンサ情報の要求を受信することができる。
【0069】
(処理部33)
処理部33は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部33は、送信部31によって送信される各種情報や、受信部32によって受信された情報提供装置100からの各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。
【0070】
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データ等が記憶される。
【0071】
〔4.情報処理装置の構成例〕
次に、
図6を用いて、実施形態に係る情報提供装置100の構成について説明する。
図6は、実施形態に係る情報提供装置100の構成例を示す図である。
図6に示すように、情報提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0072】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークN(
図4参照)と有線又は無線で接続される。
【0073】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
図6に示すように、記憶部120は、利用者情報データベース121と、履歴情報データベース122と、関連度情報データベース123と、相性情報データベース124とを有する。
【0074】
(利用者情報データベース121)
利用者情報データベース121は、利用者Uに関する各種情報を記憶する。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの属性等の種々の情報を記憶する。
図7は、利用者情報データベース121の一例を示す図である。
図7に示した例では、利用者情報データベース121は、「利用者ID(Identifier)」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
【0075】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「年齢」は、利用者IDにより識別される利用者Uの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、利用者IDにより識別される利用者Uの具体的な年齢であってもよい。また、「性別」は、利用者IDにより識別される利用者Uの性別を示す。
【0076】
また、「自宅」は、利用者IDにより識別される利用者Uの自宅の位置情報を示す。なお、
図7に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
【0077】
また、「勤務地」は、利用者IDにより識別される利用者Uの勤務地(学生の場合は学校)の位置情報を示す。なお、
図7に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
【0078】
また、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uの興味を示す。すなわち、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uが関心の高い対象を示す。例えば、「興味」は、利用者Uが検索エンジンに入力して検索した検索クエリ(キーワード)等であってもよい。なお、
図7に示す例では、「興味」は、各利用者Uに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
【0079】
例えば、
図7に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「スポーツ」に興味があることを示す。
【0080】
ここで、
図7に示す例では、「U1」、「LC11」及び「LC12」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「LC11」及び「LC12」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な値を図示する場合がある。
【0081】
なお、利用者情報データベース121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの端末装置10に関する各種情報を記憶してもよい。また、利用者情報データベース121は、利用者Uのデモグラフィック(人口統計学的属性)、サイコグラフィック(心理学的属性)、ジオグラフィック(地理学的属性)、ベヘイビオラル(行動学的属性)等の属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、氏名、家族構成、出身地(地元)、職業、職位、収入、資格、居住形態(戸建、マンション等)、車の有無、通学・通勤時間、通学・通勤経路、定期券区間(駅、路線等)、利用頻度の高い駅(自宅・勤務地の最寄駅以外)、習い事(場所、時間帯等)、趣味、興味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。
【0082】
(履歴情報データベース122)
履歴情報データベース122は、利用者Uの行動を示すログデータに関する各種情報を記憶する。
図8は、履歴情報データベース122の一例を示す図である。
図8に示した例では、履歴情報データベース122は、「利用者ID」、「位置履歴」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購買履歴」、「投稿履歴」といった項目を有する。
【0083】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「位置履歴」は、利用者Uの位置の履歴である位置履歴を示す。また、「検索履歴」は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を示す。また、「閲覧履歴」は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴を示す。また、「購買履歴」は、利用者Uによる購買の履歴である購買履歴を示す。また、「投稿履歴」は、利用者Uによる投稿の履歴である投稿履歴を示す。
【0084】
例えば、
図8に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「位置履歴#1」の通りに移動し、「検索履歴#1」の通りに検索し、「閲覧履歴#1」の通りにコンテンツを閲覧し、「購買履歴#1」の通りに所定の店舗等で所定の商品等を購入し、「投稿履歴」の通りに投稿したことを示す。
【0085】
ここで、
図8に示す例では、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購買履歴#1」及び「投稿履歴#1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購買履歴#1」及び「投稿履歴#1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
【0086】
なお、履歴情報データベース122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、履歴情報データベース122は、店舗や施設等に利用者Uが訪問(来店/来場)した履歴である訪問履歴や入退場履歴に関する情報を記憶してもよい。
【0087】
(関連度情報データベース123)
関連度情報データベース123は、ブランドごとの既存ブランドとの関連度に関する各種情報を記憶する。
図9は、関連度情報データベース123の一例を示す図である。
図9に示した例では、関連度情報データベース123は、「対象ブランドID」、「既存ブランドID」、「関連度」といった項目を有する。
【0088】
「対象ブランドID」は、分析や調査の対象となるブランド(対象ブランド)を識別するための識別情報を示す。なお、対象ブランドは、新規ブランドであってもよいし、既存ブランドであってもよい。また、「既存ブランドID」は、対象ブランドと同じ場所(同じ地域内の施設や店舗、同じ施設内のフロア、同じ店舗内の商品棚等)に存在し、対象ブランドとの関連度が算出された既存ブランドを識別するための識別情報を示す。また、「関連度」は、対象ブランドに対する既存ブランドの関連度を示す。
【0089】
例えば、
図9に示す例において、対象ブランドID「対象ブランド#1」により識別される対象ブランドと、既存ブランドID「既存ブランド#11」により識別される既存ブランドとの関連度は「関連度#11」であることを示す。
【0090】
なお、関連度情報データベース123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、関連度情報データベース123は、施設IDや店舗IDに関する情報を記憶してもよい。また、関連度情報データベース123は、ブランドの知名度・認知度や集客力に関する情報を記憶してもよい。また、関連度情報データベース123は、施設や店舗等が所在する地域や場所に関する情報を記憶してもよい。すなわち、ブランド同士の関係性について、地域性に関する情報を記憶してもよい。また、関連度情報データベース123は、ブランド間の関連度を求めた時期や季節に関する情報を記憶してもよい。すなわち、ブランド同士の関係性について、流行性に関する情報を記憶してもよい。
【0091】
(相性情報データベース124)
相性情報データベース124は、ブランドと利用者との相性に関する各種情報を記憶する。
図10は、相性情報データベース124の一例を示す図である。
図10に示した例では、相性情報データベース124は、「対象ブランドID」、「地域来訪者との相性」、「店舗利用者との相性」といった項目を有する。
【0092】
「対象ブランドID」は、分析や調査の対象となるブランド(対象ブランド)を識別するための識別情報を示す。なお、対象ブランドは、新規ブランドであってもよいし、既存ブランドであってもよい。また、「地域来訪者との相性」は、店舗周辺地域(周辺エリア)を訪れる利用者(来訪利用者)との相性を示す。また、「店舗利用者との相性」は、店舗利用者(電子決済利用者)との相性を示す。
【0093】
例えば、
図10に示す例において、対象ブランドID「対象ブランド#1」により識別される対象ブランドは、地域来訪者との相性は「相性#A1」であり、店舗利用者との相性は「相性#B1」であることを示す。
【0094】
なお、相性情報データベース124は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、相性情報データベース124は、さらに異なる属性や特性を持つ利用者との相性を示す情報を記憶してもよい。また、相性情報データベース124は、地域に関する詳細情報を記憶してもよい。
【0095】
(制御部130)
図6に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報提供装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。
図6に示す例では、制御部130は、取得部131と、算出部132と、生成部133と、提供部134とを有する。
【0096】
(取得部131)
取得部131は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、直接又は間接的に(各種サーバ等を経由して)、ブランドに対する利用者Uの行動に関する各種の履歴情報を取得する。ブランドに対する利用者Uの行動に関する各種の履歴情報には、ブランドの知名度・認知度や集客力等が反映されている。取得部131は、取得された各種の履歴情報を記憶部120の履歴情報データベース122に記憶する。
【0097】
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、利用者Uが入力した登録情報(利用者情報)を取得する。取得部131は、取得された利用者情報を記憶部120の利用者情報データベース121に記憶する。
【0098】
(算出部132)
算出部132は、取得部131により取得され、記憶部120に記憶された各種の履歴情報に基づいて、ブランド同士の関連度を算出する。すなわち、算出部132は、記憶部120の履歴情報データベース122に記憶された各種の履歴情報を読み出し、読み出された履歴情報に基づいて、ブランド同士の関連度を算出する。
【0099】
また、算出部132は、履歴情報に基づいて、ブランドと利用者との相性を算出する。例えば、算出部132は、ブランドが存在する所定のエリアを訪れた利用者との相性を算出する。また、算出部132は、電子決済の利用者との相性を算出する。但し、上記の相性は一例に過ぎない。
【0100】
また、算出部132は、ブランド同士の関連度、又はブランドと利用者との相性を算出する際に、取得部131により取得され、記憶部120の利用者情報データベース121に記憶された利用者情報を読み出して利用してもよい。そして、算出部132は、算出されたブランド同士の関連度に基づく情報を、記憶部120の関連度情報データベース123に記憶する。また、算出部132は、算出されたブランドと利用者との相性に基づく情報を、記憶部120の相性情報データベース124に記憶する。
【0101】
例えば、算出部132は、既存ブランド同士の関連度を算出する。また、算出部132は、新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を算出する。このとき、算出部132は、同じ場所に存在する複数のブランドのうち、選定された対象のブランドに対する既存ブランドの関連度を算出する。
【0102】
なお、複数のブランドが店舗である場合、複数のブランドが存在する場所は、同じ施設内のフロア(同一フロアに限らず他のフロアでも可)である。また、複数のブランドが商品である場合、複数のブランドが存在する場所は、同じ店舗内の商品棚(同一の商品棚に限らず他の商品棚でも可)である。
【0103】
なお、現実に同じ場所に存在していなくても、同じ場所に配置(出典、出品)予定であり、将来的に同じ場所に存在する可能性がある新規ブランドも、同じ場所に存在するブランドとして扱う。ブランド同士の関連度を算出する場合には、その新規ブランドが同じ場所に存在している場合を仮定して算出するためである。
【0104】
(生成部133)
生成部133は、ブランド同士の関連度を可視化した散布図を生成する。例えば、生成部133は、縦軸を既存ブランドとの関連重複数とし、横軸を既存ブランドとの関連度平均とする散布図を生成する。あるいは、生成部133は、縦軸をブランドが存在する所定のエリアを訪れた利用者との相性とし、横軸を電子決済の利用者との相性とする散布図を生成する。また、生成部133は、ブランド同士の関連度を可視化した3次元散布図を生成してもよい。
【0105】
(提供部134)
提供部134は、ブランド同士の関連度に基づく情報を、ブランドに関連する事業者に提供する。例えば、提供部134は、ブランド同士の関連度に基づくブランドの新たなレイアウトに関する情報を、ブランドが存在する場所においてブランドの配置を管理する事業者に提供する。
【0106】
ブランドの配置を管理する事業者は、例えば、施設のフロア内に設置される店舗のレイアウトを管理する事業者や、店舗の商品棚に配置される商品のレイアウトを管理する事業者等である。なお、提供部134は、上記の事業者以外にも、ブランドに関連する事業者として、当該ブランドを管理する事業者(ショップ、メーカ等)に対して情報提供を行ってもよい。
【0107】
〔5.処理手順〕
次に、
図11を用いて実施形態に係る情報提供装置100による処理手順について説明する。
図11は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、情報提供装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0108】
例えば、
図11に示すように、情報提供装置100の取得部131は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10から、直接又は間接的に(各種サーバ等を経由して)、ブランドに対する利用者Uの行動に関する各種の履歴情報を取得する(ステップS101)。このとき、取得部131は、取得された各種の履歴情報を記憶部120の履歴情報データベース122に記憶する。
【0109】
続いて、情報提供装置100の算出部132は、取得部131により取得され、記憶部120に記憶された各種の履歴情報を読み出し、読み出された履歴情報に基づいて、ブランド同士の関連度を算出する(ステップS102)。
【0110】
続いて、情報提供装置100の生成部133は、ブランド同士の関連度を可視化した散布図を生成する(ステップS103)。例えば、生成部133は、縦軸を既存ブランドとの関連重複数とし、横軸を既存ブランドとの関連度平均とする散布図を生成する。あるいは、生成部133は、縦軸をブランドが存在する所定のエリアを訪れた利用者との相性とし、横軸を電子決済の利用者との相性とする散布図を生成する。また、生成部133は、ブランド同士の関連度を可視化した3次元散布図を生成してもよい。
【0111】
続いて、情報提供装置100の提供部134は、ブランド同士の関連度に基づく情報を、ブランドに関連する事業者に提供する(ステップS104)。例えば、提供部134は、ブランド同士の関連度に基づくブランドの新たなレイアウトに関する情報を、ブランドが存在する場所においてブランドの配置を管理する事業者に提供する。
【0112】
〔6.変形例〕
上述した端末装置10及び情報提供装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0113】
上記実施形態において、情報提供装置100は、同一の商品棚における商品の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図を生成しているが、実際には、同一の商品棚に限らず、異なる商品棚における商品の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図を生成してもよい。すなわち、情報提供装置100は、新規ブランドが配置された商品棚とは異なる他の商品棚に配置された商品の既存ブランドとの関連度を可視化した散布図を生成してもよい。
【0114】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、同一施設内のフロアにおける店舗の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図を生成しているが、実際には、同一施設内のフロアに限らず、同一地域(エリア)内の異なる施設間における店舗の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を可視化した散布図を生成してもよい。すなわち、情報提供装置100は、新規ブランドが新規出店又は存在する施設とは異なる他の施設に存在する既存ブランドとの関連度を可視化した散布図を生成してもよい。
【0115】
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、複数の店舗間で、同じ商品が配置された商品棚における当該商品の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度を比較してもよい。例えば、情報提供装置100は、第1の店舗における商品棚における特定の商品の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度と、第2の店舗における商品棚における当該特定の商品の新規ブランドに対する既存ブランドの関連度とを比較する。なお、実際には、3つ以上の店舗間で関連度を比較してもよい。これにより、同一の商品やブランドの組み合わせについて、店舗ごとの商品棚での配置の違いによるブランド間の関連度の違いや変化について調査・分析することができる。
【0116】
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報提供装置100は、取得部131と、算出部132と、生成部133と、を備える。取得部131は、ブランドに対する利用者Uの行動に関する履歴情報を取得する。算出部132は、履歴情報に基づいて、ブランド同士の関連度を算出する。生成部133は、ブランド同士の関連度を可視化した散布図を生成する。例えば、生成部133は、縦軸を既存ブランドとの関連重複数とし、横軸を既存ブランドとの関連度平均とする散布図を生成する。あるいは、生成部133は、縦軸をブランドが存在する所定のエリアを訪れた利用者との相性とし、横軸を電子決済の利用者との相性とする散布図を生成する。また、生成部133は、ブランド同士の関連度を可視化した3次元散布図を生成してもよい。
【0117】
これにより、既存ブランドと誘致対象ブランドとの関係性に応じて、新規ブランドとしてどのようなブランドがよいかを提案することができる。例えば、既存のショップのレイアウト変更を提案することができる。また、既存のショップのレイアウトの最適化を検討し、その検討結果を提案することができる。また、新規出店するショップの出店シミュレーションを提案することができる。
【0118】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10や情報提供装置100は、例えば
図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置100を例に挙げて説明する。
図12は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0119】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0120】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USBメモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0121】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、例えば、USB等により実現される。
【0122】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0123】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0124】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0125】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0126】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0127】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0128】
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0129】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0130】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0131】
例えば、上述した情報提供装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0132】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0133】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0134】
1 情報処理システム
10 端末装置
100 情報提供装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報データベース
122 履歴情報データベース
123 関連度情報データベース
124 相性情報データベース
130 制御部
131 取得部
132 算出部
133 生成部
134 提供部
200 店舗装置