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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】媒体搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/06 20060101AFI20240227BHJP
【FI】
B65H7/06
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020157410
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022051117
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】白岩 寛史
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-040267(JP,A)
【文献】特開平06-056326(JP,A)
【文献】特開2006-298514(JP,A)
【文献】特開2009-161334(JP,A)
【文献】特開2002-268507(JP,A)
【文献】特開2014-058356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00-43/08
G03G 15/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体搬送装置であって、
媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される媒体とともに移動する磁性体を引き付ける第1磁力を発生する第1磁石と、
前記第1磁石に引き付けられた磁性体を引き付ける第2磁力を発生する第2磁石と、
を有することを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第2磁石は、前記媒体搬送装置から着脱可能に設けられている、請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記第1磁石は、媒体搬送路より上方に配置され、
前記第2磁石は、前記第1磁石より上方に配置される、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記第1磁石は、媒体搬送路より上方に配置され、
前記第2磁石は、媒体搬送路より下方に配置される、請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記第1磁石を移動させることにより、前記第1磁石に引き付けられた磁性体を前記第2磁石に引き付けさせる移動機構をさらに有する、請求項1~4の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
搬送される媒体がカードであるか否かを判定する判定部と、
搬送される媒体がカードであると判定された場合、前記第1磁石が媒体搬送路から離間するように前記移動機構を制御する制御部と、をさらに有する、請求項5に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
前記第1磁石は、前記第1磁力を前記第2磁力より大きい磁力と、前記第2磁力より小さい磁力とに変更可能な電磁石である、請求項1~4の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
搬送される媒体がカードであるか否かを判定する判定部と、
搬送される媒体がカードであると判定された場合、前記第1磁力をオフに設定する制御部と、をさらに有する、請求項7に記載の媒体搬送装置。
【請求項9】
前記搬送部によって搬送された媒体を撮像する撮像部をさらに有し、
前記第1磁石及び前記第2磁石は、媒体搬送方向において、前記搬送部と前記撮像部の間に配置される、請求項1~8の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体を搬送する媒体搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の媒体を搬送しながら撮像するスキャナ等の媒体搬送装置では、複数の媒体を綴じていたステイプル又はクリップ等の磁性体が、まとめて搬送される複数の媒体の間に混入し、媒体とともに移動する可能性がある。ステイプル又はクリップ等が搬送されると、媒体の搬送路又は撮像装置の撮像面等が傷付いてしまう可能性がある。
【0003】
クリップ、ステイプル針等の磁性体を磁石により除去する原稿搬送装置が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-362752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
媒体搬送装置では、搬送される媒体とともに移動する磁性体を適切に取り除くことが望まれている。
【0006】
本発明の目的は、搬送される媒体とともに移動する磁性体を適切に取り除くことが可能な媒体搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る媒体搬送装置は、媒体搬送装置であって、媒体を搬送する搬送部と、搬送部によって搬送される媒体とともに移動する磁性体を引き付ける第1磁力を発生する第1磁石と、第1磁石に引き付けられた磁性体を引き付ける第2磁力を発生する第2磁石と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、媒体搬送装置は、搬送される媒体とともに移動する磁性体を適切に取り除くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】媒体搬送装置100を示す斜視図である。
図2】媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
図3A】除去機構118について説明するための模式図である。
図3B】除去機構118について説明するための模式図である。
図4】第2磁石118dの斜視図である。
図5A】磁石からの距離と磁束密度と磁性体にかかる力との関係を示す表である。
図5B図5Aの表に示される関係を示すグラフ500である。
図6】媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
図7】記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
図8】媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
図9】超音波信号の特性について説明するための模式図である。
図10A】他の除去機構218について説明するための模式図である。
図10B】他の除去機構218について説明するための模式図である。
図11】他の媒体搬送装置300の概略構成を示すブロック図である。
図12】媒体読取処理の動作の他の例を示すフローチャートである。
図13】他の実施形態に係る処理回路450の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一側面に係る媒体搬送装置について図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0011】
図1は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置100を示す斜視図である。媒体搬送装置100は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙、厚紙又はカード等である。媒体搬送装置100は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機(MFP、Multifunction Peripheral)等でもよい。なお、搬送される媒体は、原稿でなく印刷対象物等でもよく、媒体搬送装置100はプリンタ等でもよい。
【0012】
媒体搬送装置100は、第1筐体101、第2筐体102、載置台103、排出台104、操作装置105及び表示装置106等を備える。
【0013】
第1筐体101は、媒体搬送装置100の上側に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置100内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより第2筐体102に係合している。
【0014】
載置台103は、搬送される媒体を載置可能に第2筐体102に係合している。載置台103は、第2筐体102の媒体供給側の側面に、不図示のモータによって略鉛直方向(高さ方向)A1に移動可能に設けられる。載置台103は、媒体を搬送していないときは媒体が容易に載置されるように下端の位置に配置され、媒体を搬送するときは最も上側に載置された媒体が後述するピックローラと接触する位置まで上昇する。排出台104は、排出された媒体を保持可能に第1筐体101上に形成され、排出された媒体を積載する。
【0015】
操作装置105は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置106は、液晶、有機EL(Electro-Luminescence)等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。
【0016】
図1において矢印A2は媒体搬送方向を示し、矢印A3は媒体排出方向を示し、矢印A4は媒体搬送方向と直交する幅方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向A2又は媒体排出方向A3の下流のことをいう。
【0017】
図2は、媒体搬送装置100内部の搬送経路を説明するための図である。
【0018】
媒体搬送装置100内部の搬送経路は、媒体センサ111、ピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、超音波発信器115a、超音波受信器115b、第1~第8搬送ローラ116a~h、第1~第8従動ローラ117a~h、除去機構118、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119b等を有している。
【0019】
なお、ピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1~第8搬送ローラ116a~h及び/又は第1~第8従動ローラ117a~hのそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数のピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1~第8搬送ローラ116a~h及び/又は第1~第8従動ローラ117a~hは、それぞれ幅方向A4に間隔を空けて並べて配置される。以下では、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bをまとめて撮像装置119と称する場合がある。
【0020】
第1筐体101の、第2筐体102と対向する面は媒体の搬送路の第1ガイド101aを形成し、第2筐体102の、第1筐体101と対向する面は媒体の搬送路の第2ガイド102aを形成する。第1ガイド101aは、鉄、コバルト、ニッケル、ガドリニウム等の強磁性体で形成される。なお、第1ガイド101aは、磁性体以外の材料で形成されてもよい。
【0021】
媒体センサ111は、載置台103に、即ち給送ローラ113及びブレーキローラ114より上流側に配置され、載置台103における媒体の載置状態を検出する。媒体センサ111は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサにより、載置台103に媒体が載置されているか否かを判別する。媒体センサ111は、載置台103に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する媒体信号を生成して出力する。
【0022】
ピックローラ112は、第1筐体101に設けられ、媒体搬送路と略同一の高さまで上昇した載置台103に載置された媒体と接触して、その媒体を下流側に向けて給送する。
【0023】
給送ローラ113は、第1筐体101内に、ピックローラ112より下流側に設けられ、載置台103に載置されてピックローラ112により給送された媒体をさらに下流側に向けて給送する。ブレーキローラ114は、第2筐体102内に、給送ローラ113と対向して配置される。給送ローラ113及びブレーキローラ114は、媒体の分離動作を行い、媒体を分離して一枚ずつ給送する。給送ローラ113は、ブレーキローラ114に対して上側に配置されており、媒体搬送装置100は、いわゆる上取り方式により媒体を給送する。
【0024】
超音波発信器115a及び超音波受信器115bは、給送ローラ113及びブレーキローラ114より下流側且つ第1~第8搬送ローラ116a~h及び第1~第8従動ローラ117a~hより上流側に配置される。超音波発信器115a及び超音波受信器115bは、媒体の搬送路の近傍に、搬送路を挟んで対向して配置される。超音波発信器115aは、超音波を発信する。一方、超音波受信器115bは、超音波発信器115aにより発信され、媒体を通過した超音波を受信し、受信した超音波に応じた電気信号である超音波信号を生成して出力する。以下では、超音波発信器115a及び超音波受信器115bを総じて超音波センサ115と称する場合がある。
【0025】
第1~第8搬送ローラ116a~h及び第1~第8従動ローラ117a~hは、給送ローラ113及びブレーキローラ114より下流側に設けられ、給送ローラ113及びブレーキローラ114により給送された媒体を下流側に向けて搬送する。第1~第8搬送ローラ116a~h及び第1~第8従動ローラ117a~hは、それぞれ媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置される。ピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114、第1搬送ローラ116a及び第1従動ローラ117aは、媒体を搬送する搬送部の一例である。
【0026】
第1撮像装置119aは、撮像部の一例であり、媒体搬送方向A2において第1搬送ローラ116a、第1従動ローラ117a及び除去機構118より下流側に設けられる。第1撮像装置119aは、主走査方向に直線状に配列されたCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)による撮像素子を有する等倍光学系タイプのCIS(Contact Image Sensor)によるラインセンサを有する。また、第1撮像装置119aは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ/デジタル(A/D)変換するA/D変換器とを有する。第1撮像装置119aは、搬送部によって搬送された媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0027】
同様に、第2撮像装置119bは、撮像部の一例であり、媒体搬送方向A2において第1搬送ローラ116a、第1従動ローラ117a及び除去機構118より下流側に設けられる。第2撮像装置119bは、主走査方向に直線状に配列されたCMOSによる撮像素子を有する等倍光学系タイプのCISによるラインセンサを有する。また、第2撮像装置119bは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、A/D変換するA/D変換器とを有する。第2撮像装置119bは、搬送部によって搬送された媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。
【0028】
媒体搬送装置100は、第1撮像装置119a及び第2撮像装置119bを一方だけ配置し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、CMOSによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサの代わりに、CCD(Charge Coupled Device)による撮像素子を備える等倍光学系タイプのCISによるラインセンサが利用されてもよい。また、CMOS又はCCDによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。
【0029】
載置台103に載置された媒体は、ピックローラ112、給送ローラ113がそれぞれ媒体給送方向A5、A6に回転することによって、第1ガイド101aと第2ガイド102aの間を媒体搬送方向A2に向かって搬送される。一方、ブレーキローラ114が媒体給送方向の反対方向A7に回転することによって、載置台103に複数の媒体が載置されている場合、載置台103に載置されている媒体のうち給送ローラ113と接触している媒体のみが分離される。
【0030】
媒体は、第1ガイド101aと第2ガイド102aによりガイドされながら、第1~第2搬送ローラ116a~bが矢印A8~A9の方向に回転することによって、撮像装置119の撮像位置に送り込まれ、撮像装置119によって撮像される。さらに、媒体は、第3~第8搬送ローラ116c~hがそれぞれ矢印A10~A15の方向に回転することによって排出台104上に排出される。排出台104は、第8搬送ローラ116hによって排出された媒体を積載する。
【0031】
図3A及び図3Bは、除去機構118について説明するための模式図である。図3A及び図3Bは、媒体搬送路において第1搬送ローラ116aと第2搬送ローラ116bの間の部分を側方から見た模式図である。
【0032】
図3A及び図3Bに示すように、除去機構118は、媒体搬送方向A2において、第1搬送ローラ116aと第2搬送ローラ116bの間、即ち搬送部と撮像装置119の間に配置される。
【0033】
除去機構118は、穴118a、第1磁石118b、移動機構118c及び第2磁石118d等を有する。
【0034】
図3A及び図3Bに示すように、媒体搬送路Rの上方に形成された第1ガイド101aの一部は、媒体搬送方向A2の第1搬送ローラ116aと第2搬送ローラ116bの間において、上方に向けて略直角に折り曲げられている。第1ガイド101aの、上方に向けて折り曲げられた部分により、上方に向けて延伸し且つ相互に対向する二つの側面部101b、101cが形成され、側面部101bと側面部101cの間に穴118aが設けられる。
【0035】
第1磁石118bは、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジウム磁石等の永久磁石である。第1磁石118bは、幅方向A4に延伸する板状に形成され、媒体搬送路Rより上方に、且つ、二つの側面部101b、101cの内、下流側の側面部101cの、穴118aと反対側の面に対向するように配置される。第1磁石118bは、搬送部によって搬送される媒体とともに移動するステイプル又はクリップ等の磁性体を引き付ける第1磁力を発生する。第1ガイド101aが強磁性体で形成されている場合、第1ガイド101aの側面部101cは、第1磁石118bの第1磁力によって磁性を帯び、磁石として機能する。なお、第1磁石118bは、第1磁力により、媒体とともに移動する磁性体を引き付けることが可能な範囲に配置されていればよく、側面部101cと当接するように配置されてもよいし、側面部101cから離間して配置されてもよい。
【0036】
移動機構118cは、幅方向A4に延伸する角柱状に形成され、側面部101cに対して穴118aの反対側に配置される。移動機構118cは、後述する第2モータからの駆動力によって、幅方向A4に延伸する回転軸を中心として、矢印A21の方向に回転可能に設けられる。移動機構118cの幅方向A4に延伸する一つの側面には、幅方向A4に沿って第1磁石118bが取り付けられる。移動機構118cは、第2モータからの駆動力によって回転することによって、第1磁石118bを、側面部101cと対向する対向位置と、側面部101cと対向しない非対向位置との間で移動させる。
【0037】
なお、移動機構118cは、回転以外の他の方法によって、第1磁石を移動させてもよい。例えば、移動機構118cは、第2モータからの駆動力によって回転するピニオンと、ピニオンに係合されてピニオンの回転に従ってスライド移動するラックを含んでもよい。その場合、移動機構118cは、第2モータからの駆動力によって、第1磁石を対向位置と非対向位置の間でスライド移動させる。
【0038】
図4は、第2磁石118dの斜視図である。
【0039】
図3A図3B及び図4に示すように、第2磁石118dは、開口部を有し、第1磁石118bより上方に、且つ、二つの側面部101b、101cの上端側において開口部が下方に向けて開口し、穴118aと対向するように配置される。第2磁石118dは、磁石部材118e及び収容部材118fを含む。
【0040】
磁石部材118eは、アルニコ磁石、フェライト磁石、ネオジウム磁石等の永久磁石である。磁石部材118eは、幅方向A4に延伸する板状に形成される。収容部材118fは、鉄、コバルト、ニッケル、ガドリニウム等の強磁性体で形成される。収容部材118fは、幅方向A4に沿って延伸する開口部を有するように、幅方向A4に延伸するコの字型の板状に形成される。磁石部材118eは、収容部材118fの開口部の底の、開口部と反対側の面に対向するように取り付けられる。第2磁石118dは、第1磁石118bに引き付けられた磁性体を引き付ける第2磁力を発生する。収容部材118fは、磁石部材118eの第2磁力によって磁性を帯び、磁石として機能する。なお、磁石部材118eは、第2磁力により、第1磁石118bに引き付けられた磁性体を引き付けることが可能な範囲に配置されていればよく、収容部材118fと当接するように配置されてもよいし、収容部材118fから離間して配置されてもよい。また、収容部材118fは、磁性体以外の材料で形成されてもよい。また、第2磁石118dは、永久磁石である一部材により形成されてもよい。
【0041】
第1磁石118bによる第1磁力は、第1磁石118bが対向位置に配置された場合に、媒体搬送路R内の穴118aと対向する位置から側面部101cまでの範囲に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる重力より大きくなるように設定される。また、第2磁石118dによる第2磁力は、側面部101cから収容部材118fまでの範囲に存在する磁性体にかかる第2磁力がその磁性体にかかる重力より大きくなるように設定される。
【0042】
また、第1磁力及び第2磁力は、第1磁石118bが対向位置に配置された場合に、媒体搬送路R内の穴118aと対向する位置から側面部101cまでの範囲に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力より大きくなるように設定される。また、第1磁力及び第2磁力は、第1磁石118bが非対向位置に配置された場合に、側面部101cから収容部材118fまでの範囲に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力より小さくなるように設定される。また、第1磁力及び第2磁力は、第1磁石118bが配置された位置に関わらず、収容部材118fに収容された磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力より小さくなるように設定される。
【0043】
第1筐体101には、幅方向A4に延伸し且つ収容部材118fの下端部118gと係合するレール部材101dが設けられる。媒体搬送装置100において第1筐体101を開いた状態で、収容部材118fの下端部118gをレール部材101dに沿って摺動させることにより、第2磁石118dは幅方向A4に移動可能に設けられている。これにより、第2磁石118dは、媒体搬送装置100から着脱可能に設けられている。
【0044】
以下、除去機構118の動作について説明する。
【0045】
搬送部によって媒体が搬送される時、図3Aに示すように、移動機構118cにより、第1磁石118bは、側面部101cと対向する対向位置に配置される。搬送部によって搬送される媒体の上に磁性体が乗っている場合、その磁性体は、第1磁石118bの第1磁力によって引き付けられ、第1磁石118bと対向する側面部101cに貼り付けられる。
【0046】
載置台103に載置された複数の媒体の間に挟まれたステイプル又はクリップ等の磁性体は、その磁性体を挟んでいる媒体の内、下側の媒体が搬送される時に、その媒体の上に乗って移動する。第1磁石118bが媒体搬送路Rより上方に配置されることにより、媒体搬送装置100は、媒体の上に乗って移動する磁性体を取り除くことが可能となる。
【0047】
また、除去機構118は、媒体搬送方向A2において、搬送部と撮像装置119の間に配置される。これにより、媒体搬送装置100は、ステイプル又はクリップ等の磁性体が撮像装置119の位置まで移動することを抑制し、媒体の搬送を停止させることなく、磁性体により撮像装置119の撮像面(ガラス面)が傷付くことを抑制できる。結果として、媒体搬送装置100は、媒体が撮像された画像において、撮像面の傷等によるノイズが発生することを抑制でき、画像の品質を良好に保つことが可能となる。
【0048】
搬送部によって搬送される媒体の後端が除去機構118の位置を通過した後、図3Bに示すように、移動機構118cにより、第1磁石118bは、側面部101cと対向しない非対向位置に移動される。これにより、第1磁石118bに引き付けられて側面部101cに貼り付けられた磁性体は、第2磁石118dの第2磁力によって引き付けられ、収容部材118fの内面に貼り付けられて収容部材118fに収容される。このように、移動機構118cは、第1磁石118bを移動させることにより、第1磁石118bに引き付けられた磁性体を第2磁石118dに引き付けさせ、第1磁石118bから第2磁石118dに磁性体を受け渡させる。
【0049】
特に、移動機構118cは、第1磁石118bが上側に配置されるように、第1磁石118bを移動させる。これにより、移動機構118cは、第1磁石118bに引き付けられた磁性体が上側に向かって移動するように第1磁力の向きを変化させることができ、磁性体を第2磁石118dに良好に引き付けさせることができる。
【0050】
ステイプル又はクリップ等の磁性体を収容する第2磁石118dは、第1磁石118bより上方に、即ち媒体搬送路Rから離れた位置に配置される。媒体搬送装置100は、ローラ、センサ等の様々な部品を配置する必要がある媒体搬送路Rの近傍から離れた位置に第2磁石118dを配置することにより、磁性体の収容スペースを十分に確保することが可能となる。
【0051】
磁石によって磁性体を引き付ける力は距離に応じて変化し、磁石と媒体搬送路Rの間の距離が大きいほど、磁性体を引き付けるために磁石が発生させなければならない磁力は大きくなる。媒体搬送装置100では、第2磁石118dと媒体搬送路Rの間に第1磁石118bが配置され、移動機構118cにより第1磁石118bを移動させることにより、第1磁石118bに引き付けられた磁性体を第2磁石118dに引き付けさせる。媒体搬送装置100は、媒体搬送路Rの近傍に第1磁石118bを配置することにより、発生させる磁力が小さい安価な磁石を利用して磁性体を除去できるので、装置コストが増大することを抑制できる。また、媒体搬送装置100は、発生させる磁力が小さい磁石を利用することにより、磁気ストライプを有するID(Identification)カードが搬送された場合に、磁気ストライプに記憶されたデータの破損が発生することを抑制できる。
【0052】
第2磁石118dは、媒体の搬送が完了した任意のタイミングで、利用者によって媒体搬送装置100から取り外され、収容部材118fに収容された磁性体が取り除かれる。第2磁石118dが媒体搬送装置100から着脱可能に設けられていることにより、利用者は、媒体搬送装置100を適切に清掃することが可能となる。なお、収容部材118fの収容スペースが十分に大きく、十分な量の磁性体を収容部材118fに収容できる場合、第2磁石118dは、媒体搬送装置100内に固定されていてもよい。
【0053】
図5Aは、直径10mm、厚さ3mmのネオジウム磁石からの距離[mm]と、その距離だけ離れた位置におけるその磁石による磁束密度[Gauss]と、その磁石によりその位置に存在する磁性体にかかる力[kgf]との関係を示す表である。
【0054】
図5Bは、図5Aの表に示される関係を示すグラフ500である。
【0055】
図5Bのグラフ500において、横軸は上記のネオジウム磁石からの距離[mm]を示し、縦軸はその距離だけ離れた位置におけるその磁石による磁束密度[Gauss]及びその磁石によりその位置に存在する磁性体にかかる力[kgf]を示す。図5Aの実線501は、その磁石からの距離と、その距離だけ離れた位置におけるその磁石による磁束密度との関係を示す。点線502は、その磁石からの距離と、その磁石によりその位置に存在する磁性体にかかる力との関係を示す。図5Bに示すように、磁石から離れる程、磁石による磁束密度及び磁石によりその位置に存在する磁性体にかかる力は小さくなる。
【0056】
一般的なステイプルの一つあたりの重さは1g以下であり、0.002kgf以上の力があればステイプルは良好に引き付けられる。第1磁石118bとしてこのネオジウム磁石が用いられる場合、第1磁石118bと媒体搬送路Rの間の距離が14mm以下(ライン503より左側)であり、媒体搬送路Rにおける磁束密度が104Gauss以上であればステイプルは良好に引き付けられる。
【0057】
また、媒体搬送路Rを移動する磁性体が第1磁石118bによって良好に引き付けられて側面部101cに貼り付けられるためには、第1磁石118bにより磁性体にかかる磁力が第2磁石118dにより磁性体にかかる磁力より大きい必要がある。図3Aに示すように、第1磁石118bから媒体搬送路Rまでの距離h1は、第2磁石118dから媒体搬送路Rまでの距離(h1+h2)より距離h2だけ小さい。そのため、第2磁石118dが発生させる磁力が、第1磁石118bが発生させる磁力より極度に大きくなければ、第1磁石118bにより磁性体にかかる磁力は、第2磁石118dにより磁性体にかかる磁力より大きくなる。
【0058】
また、上記したように、0.002kgf以上の力があればステイプルは良好に引き付けられる。第2磁石118dにより磁性体にかかる力が0.002kgf以上であれば、第1磁石118bに引き付けられていたステイプルは、第1磁石118bによる磁力がOFFになった時に第2磁石118dによって良好に引き付けられる。第2磁石118dとして上記のネオジウム磁石が用いられる場合、第2磁石118dと第1磁石118bの間の距離が14mm以下であれば、第1磁石118bの周辺における第2磁石118dによる磁束密度が104Gauss以上になる。この場合、第1磁石118bに引き付けられていたステイプルは、第1磁石118bによる磁力がOFFになった時に第2磁石118dによって良好に引き付けられる。
【0059】
例えば、第1磁石118b及び第2磁石118dとして上記のネオジウム磁石が用いられ且つ第1磁石118bから媒体搬送路Rまでの距離h1及び第2磁石118dから第1磁石118bまでの距離h2が何れも14mmであれば上記の条件は全て満たされる。
【0060】
図6は、媒体搬送装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0061】
媒体搬送装置100は、前述した構成に加えて、第1モータ131、第2モータ132、インタフェース装置133、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0062】
第1モータ131は、一又は複数のモータを含み、処理回路150からの制御信号によって、ピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114及び第1~第8搬送ローラ116a~hを回転させて媒体を給送及び搬送させる。なお、第1~第8従動ローラ117a~hは、各搬送ローラの回転に従って従動回転するのでなく、モータからの駆動力によって回転するように設けられてもよい。
【0063】
第2モータ132は、処理回路150からの制御信号によって、移動機構118cを回転させるための駆動力を発生させて、第1磁石118bを対向位置及び非対向位置の間で移動させる。
【0064】
インタフェース装置133は、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)と電気的に接続して読取画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置133の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線LAN(Local Area Network)である。
【0065】
記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置140には、媒体搬送装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。
【0066】
処理回路150は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路150は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。
【0067】
処理回路150は、操作装置105、表示装置106、媒体センサ111、超音波センサ115、撮像装置119、第1モータ131、第2モータ132、インタフェース装置133及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、第1モータ131を制御して媒体を搬送し、撮像装置119を制御して入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置133を介して情報処理装置に送信する。また、処理回路150は、移動機構118cを制御して第1磁石118bを移動させるように第2モータ132を制御する。
【0068】
図7は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0069】
図7に示すように、記憶装置140には、制御プログラム141及び判定プログラム142等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部151及び判定部152として機能する。
【0070】
図8は、媒体読取処理の動作の例を示すフローチャートである。
【0071】
以下、図8に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置100の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置100の各要素と協働して実行される。
【0072】
最初に、制御部151は、利用者により操作装置105又は情報処理装置を用いて媒体の読み取りの指示が入力されて、媒体の読み取りを指示する操作信号を操作装置105又はインタフェース装置133から受信するまで待機する(ステップS101)。
【0073】
次に、制御部151は、媒体センサ111から媒体信号を取得し、取得した媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置台103に媒体が載置されていない場合、制御部151は、処理をステップS101へ戻し、操作装置105又はインタフェース装置133から新たに操作信号を受信するまで待機する。
【0074】
一方、載置台103に媒体が載置されている場合、制御部151は、載置台103を移動させるためのモータを駆動し、媒体を給送可能な位置に載置台103を移動させる。制御部151は、第1モータ131を駆動し、ピックローラ112、給送ローラ113、ブレーキローラ114及び第1~第8搬送ローラ116a~hを回転させ、載置台103に載置された媒体を給送及び搬送させる(ステップS103)。
【0075】
次に、制御部151は、第2モータ132を駆動し、移動機構118cを回転させて、第1磁石118bを非対向位置に配置させる(ステップS104)。これにより、現在、第1磁石118bによる第1磁力によって引き付けられ、側面部101cに貼り付けられている磁性体に、第1磁石118bによる第1磁力がかからなくなる。この磁性体は、第2磁石118dによる第2磁力によって引き付けられ、収容部材118fに貼り付けられる。なお、現在、第1磁石118bが非対向位置に配置されている場合、制御部151は、ステップS104の処理を省略してもよい。
【0076】
次に、制御部151は、第2モータ132を駆動し、移動機構118cを回転させて、第1磁石118bを対向位置に配置させる(ステップS105)。
【0077】
次に、判定部152は、媒体の重送が発生しているか否かを判定する(ステップS106)。判定部152は、媒体の給送を開始してから所定時間が経過した時に、媒体の先端が超音波センサ115の位置を通過したと判定する。なお、判定部152は、超音波センサ115の周辺に配置された不図示の媒体センサによる媒体の検出結果に基づいて、媒体の先端が超音波センサ115の位置を通過したか否かを判定してもよい。媒体の先端が超音波センサ115の位置を通過したと判定した場合、判定部152は、超音波センサ115から超音波信号を取得し、取得した超音波信号の信号値が重送閾値未満であるか否かを判定する。
【0078】
図9は、超音波信号の特性について説明するための模式図である。
【0079】
図9のグラフ900において、実線901は媒体として一枚の用紙が搬送されている場合の超音波信号の特性を示し、点線902は用紙の重送が発生している場合の超音波信号の特性を示す。グラフ900の横軸は時間を示し、縦軸は超音波信号の信号値を示す。重送が発生していることにより、区間903において点線902の超音波信号の信号値が低下している。重送閾値は、一枚の用紙が搬送されているときの超音波信号の信号値S1と、用紙の重送が発生しているときの超音波信号の信号値S2との間の値に設定される。これにより、判定部152は、超音波信号の信号値が重送閾値未満であるか否かを判定することによって媒体の重送が発生したか否かを判定することができる。
【0080】
判定部152は、超音波信号の信号値が重送閾値未満である場合、重送が発生していると判定し、超音波信号の信号値が重送閾値以上である場合、重送が発生していないと判定する。このように、判定部152は、超音波信号を重送閾値と比較することにより媒体の重送が発生しているか否かを判定する。
【0081】
判定部152により重送が発生していると判定された場合、制御部151は、異常処理として、第1モータ131を停止して、各ローラを停止し、媒体の給送及び搬送を停止させる(ステップS107)。また、制御部151は、異常処理として、不図示のスピーカ、LED等により、異常が発生したことを利用者に通知し、一連のステップを終了する。なお、制御部151は、異常処理として、媒体の搬送を即時に停止させるのでなく、現在搬送中の媒体を排出させた後に、次の媒体の搬送を停止させてもよい。
【0082】
一方、重送が発生していないと判定した場合、判定部152は、搬送される媒体がカードであるか否かを判定する(ステップS108)。判定部152は、超音波センサ115から取得した超音波信号の信号値がカード閾値未満であるか否かを判定する。
【0083】
図9に示す一点鎖線904は、プラスチック製のIDカードが搬送されている場合の超音波信号の特性を示す。IDカードが搬送されている場合の超音波信号の信号値は、一枚の用紙が搬送されている場合の超音波信号の信号値より小さくなる。カード閾値は、一枚の用紙が搬送されているときの超音波信号の信号値S1と、IDカードが搬送されているときの超音波信号の信号値S3との間の値に設定される。なお、カード閾値は、重送閾値より大きい値に設定される。これにより、判定部152は、超音波信号の信号値がカード閾値未満であるか否かを判定することによって搬送される媒体がカードであるか用紙であるかを判定することができる。
【0084】
判定部152は、超音波信号の信号値がカード閾値未満である場合、搬送される媒体がカードであると判定し、超音波信号の信号値がカード閾値以上である場合、搬送される媒体が用紙であると判定する。このように、判定部152は、超音波信号を重送閾値より大きいカード閾値と比較することにより搬送される媒体がカードであるか用紙であるかを判定する。
【0085】
判定部152により搬送される媒体が用紙であると判定された場合、制御部151は、第2モータ132を駆動しないで、第1磁石118bを対向位置に配置させ続ける(ステップS109)。
【0086】
一方、判定部152により搬送される媒体がカードであると判定された場合、制御部151は、第2モータ132を駆動し、移動機構118cを回転させて、第1磁石118bを非対向位置に配置させる(ステップS110)。即ち、制御部151は、第1磁石118bが媒体搬送路Rから離間するように移動機構118cを制御する。これにより、媒体搬送装置100は、搬送されるIDカードに、第1磁石118bによる第1磁力がかかり、IDカードの磁気ストライプに記憶されたデータの破損が発生することを抑制できる。
【0087】
次に、制御部151は、撮像装置119に搬送される媒体を撮像させて入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置133を介して情報処理装置へ送信することにより出力する(ステップS111)。制御部151は、媒体の後端が撮像装置119の撮像位置を通過してから入力画像を取得する。制御部151は、媒体の給送を開始してから所定時間が経過した時に、媒体の後端が撮像装置119の撮像位置を通過したと判定する。なお、制御部151は、撮像装置119の周辺に配置された不図示の媒体センサによる媒体の検出結果に基づいて、媒体の後端が撮像装置119の撮像位置を通過したか否かを判定してもよい。
【0088】
次に、制御部151は、媒体センサ111から受信する媒体信号に基づいて、載置台103に媒体が残っているか否かを判定する(ステップS112)。載置台103に媒体が残っている場合、制御部151は、ステップS104へ処理を戻し、ステップS104~S112の処理を繰り返す。
【0089】
一方、載置台103に媒体が残っていない場合、制御部151は、第1モータ131を停止して、各ローラを停止し、媒体の給送及び搬送を停止させ(ステップS113)、一連のステップを終了する。
【0090】
なお、ステップS104の処理は、ステップS105の処理の前でなく、ステップS111の処理の後に実行されてもよい。即ち、側面部101cに貼り付けられている磁性体を収容部材118fに貼り付ける処理は、媒体の搬送前でなく、媒体の搬送後に実行されてもよい。また、ステップS104及びS105の処理は、ステップS103の処理の前、又は、ステップS113の処理の後に実行されてもよい。即ち、第1磁石118bの移動は、媒体を一つ搬送するたびに実行されるのでなく、載置台103にまとめて載置された媒体群を搬送するたびに実行されてもよい。また、ステップS106~S107及び/又はステップS108~S110の処理は省略されてもよい。
【0091】
以上詳述したように、媒体搬送装置100は、媒体搬送路Rの近傍に配置され且つステイプル又はクリップ等の磁性体を引き付ける第1磁石118bと、第1磁石118bに引き付けられた磁性体を引き付ける第2磁石118dとを有する。媒体搬送装置100は、二つの磁石を用いて、二つの磁石の間で磁性体を受け渡すことにより、媒体搬送に必要な部品が配置されていない、媒体搬送路Rから離れた位置に磁性体を収容させることが可能となる。したがって、媒体搬送装置100は、搬送される媒体とともに移動する磁性体を適切に取り除くことが可能となった。
【0092】
媒体搬送路Rの近傍には、媒体搬送に必要な部品が多数配置されており、多数の磁性体を収容するために十分なスペースを確保することが困難である。そのため、媒体搬送路Rの近傍に磁性体を収容しようとすると、先に収容されていた磁性体が邪魔になり、新たな磁性体が収容しにくくなる(磁石に貼り付きにくくなる)可能性がある。媒体搬送装置100は、媒体搬送路Rから離れた位置に磁性体を収容させることにより、多数の磁性体を収容可能な十分なスペースを確保することが可能となり、磁性体を適切に取り除くことが可能となった。
【0093】
図10A及び図10Bは、他の実施形態に係る媒体搬送装置の除去機構218について説明するための模式図である。
【0094】
図10A及び図10Bに示すように、除去機構218は、除去機構118と同様に、媒体搬送方向A2において、第1搬送ローラ116aと第2搬送ローラ116bの間、即ち搬送部と撮像装置119の間に配置される。
【0095】
除去機構218は、穴218a、第1磁石218b、移動機構218c、第2磁石218d及び凹部218h等を有する。
【0096】
図10A及び図10Bに示すように、媒体搬送路Rの上方に形成された第1ガイド201aの一部は、媒体搬送方向A2の第1搬送ローラ116aと第2搬送ローラ116bの間において、上方に向けてくぼみを形成するように曲げられている。第1ガイド201aには上方に向けて曲げられた部分により湾曲部201bが形成され、上方に向けて凹部218hが設けられる。一方、媒体搬送路Rの下方に形成された第2ガイド202aは、媒体搬送方向A2の第1搬送ローラ116aと第2搬送ローラ116bの間において、下方に向けて傾斜するように折り曲げられている。第2ガイド202aの下方に向けて折り曲げられた部分により、下方に向けて傾斜するように延伸し且つ媒体搬送方向A2において相互に重複する二つの傾斜面部202b、202cが形成され、傾斜面部202bと傾斜面部202cの間に穴218aが設けられる。また、上流側の傾斜面部202bが下流側の傾斜面部202cより上側に配置される。これにより、搬送される媒体の先端が傾斜面部202b、202cに衝突し、媒体のジャムが発生することが抑制される。
【0097】
第1磁石218bは、第1磁石118bと同様の構造を有する永久磁石であり、媒体搬送路Rより上方に、且つ、湾曲部201bの、凹部218hと反対側の面に当接するように配置される。第1ガイド201aが強磁性体で形成されている場合、第1ガイド201aの湾曲部201bは、第1磁石218bの第1磁力によって磁性を帯び、磁石として機能する。なお、第1磁石218bは、第1磁力により、媒体とともに移動する磁性体を引き付けることが可能な範囲に配置されていればよく、湾曲部201bから離間して配置されてもよい。
【0098】
移動機構218cは、移動機構118cと同様の構造を有し、湾曲部201bに対して凹部218hの反対側に配置される。移動機構218cの幅方向A4に延伸する一つの側面には、幅方向A4に沿って第1磁石218bが取り付けられる。即ち、移動機構218cは、第2モータ132からの駆動力によって回転することによって、第1磁石218bを湾曲部201bと対向する対向位置と、湾曲部201bと対向しない非対向位置との間で移動させる。
【0099】
第2磁石218dは、第2磁石118dと同様の構造を有し、媒体搬送路Rより下方に、且つ、二つの傾斜面部202b、202cの下端側において開口部が上方に向けて開口し、穴218aと対向するように配置される。第2磁石218dは、磁石部材218e及び収容部材218fを含む。
【0100】
磁石部材218eは、磁石部材118eと同様の構造を有する永久磁石であり、収容部材218fは、収容部材118fと同様の構造を有する強磁性体で形成される。磁石部材218eは、収容部材218fの開口部の底の、開口部と反対側の面に当接するように取り付けられる。収容部材218fは、磁石部材218eの第2磁力によって磁性を帯び、磁石として機能する。なお、磁石部材218eは、第2磁力により、第1磁石218bに引き付けられた磁性体を引き付けることが可能な範囲に配置されていればよく、収容部材218fから離間して配置されてもよい。また、収容部材218fは、磁性体以外の材料で形成されてもよい。
【0101】
第1磁力及び第2磁力は、第1磁石218bが対向位置に配置された場合に、媒体搬送路R内の湾曲部201bと対向する位置に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力と重力の合計より大きくなるように設定される。また、第1磁力及び第2磁力は、第1磁石218bが非対向位置に配置された場合に、湾曲部201bから収容部材218fまでの範囲に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力と重力の合計より小さくなるように設定される。また、第1磁力及び第2磁力は、第1磁石118bが配置された位置に関わらず、収容部材218fに収容された磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力と重力の合計より小さくなるように設定される。
【0102】
第2筐体102には、幅方向A4に延伸し且つ収容部材218fの上端部218gと係合するレール部材202dが設けられる。媒体搬送装置の側面部には開閉可能な扉が形成され、収容部材218fの上端部218gをレール部材202dに沿って摺動させることにより、第2磁石218dは幅方向A4に移動可能に設けられている。これにより、第2磁石218dは、媒体搬送装置から着脱可能に設けられている。
【0103】
以下、除去機構218の動作について説明する。
【0104】
搬送部によって媒体が搬送される時、図10Aに示すように、移動機構218cにより、第1磁石218bは、湾曲部201bと対向する対向位置に配置される。搬送部によって搬送される媒体の上に磁性体が乗っている場合、その磁性体は、第1磁石218bの第1磁力によって引き付けられ、第1磁石218bと対向する湾曲部201bに貼り付けられる。
【0105】
第1磁石218bが媒体搬送路Rより上方に配置されることにより、媒体搬送装置は、媒体の上に乗って移動する磁性体を取り除くことが可能となる。また、除去機構218が搬送部と撮像装置119の間に配置されることにより、媒体搬送装置は、磁性体により撮像装置119の撮像面が傷付くことを抑制できる。
【0106】
搬送部によって搬送される媒体の後端が除去機構218の位置を通過した後、図10Bに示すように、移動機構218cにより、第1磁石218bは、湾曲部201bと対向しない非対向位置に移動される。これにより、第1磁石218bに引き付けられて湾曲部201bに貼り付けられた磁性体は、第2磁石218dの第2磁力によって引き付けられ、収容部材218fの内面に貼り付けられて収容部材218fに収容される。このように、移動機構218cは、第1磁石218bを移動させることにより、第1磁石218bに引き付けられた磁性体を第2磁石218dに引き付けさせ、第1磁石218bから第2磁石218dに磁性体を受け渡させる。
【0107】
磁性体を収容する第2磁石218dは、媒体搬送路Rより下方に、即ち第1磁石218bより下方に配置される。そのため、第2磁石218dは、第2磁力に加えて重力により磁性体を引き付けさせることができ、媒体搬送路Rから離れた位置に配置されても磁性体を引き付けさせることが可能である。媒体搬送装置は、ローラ、センサ等の様々な部品を配置しなければならない媒体搬送路Rの近傍から離れた位置に第2磁石218dを配置することにより、磁性体の収容スペースを十分に確保することが可能となる。
【0108】
一方、媒体搬送装置は、媒体搬送路Rの近傍に第1磁石218bを配置することにより、発生させる磁力が小さい安価な磁石を利用して磁性体を除去できるので、装置コストが増大することを抑制できる。また、媒体搬送装置は、発生させる磁力が小さい磁石を利用することにより、磁気ストライプを有するIDカードが搬送された場合に、磁気ストライプに記憶されたデータの破損が発生することを抑制できる。
【0109】
第2磁石218dは、媒体の搬送が完了した任意のタイミングで、利用者によって媒体搬送装置から取り外され、収容部材218fに収容された磁性体が取り除かれる。第2磁石218dが媒体搬送装置から着脱可能に設けられていることにより、利用者は、媒体搬送装置を適切に清掃することが可能となる。なお、収容部材218fの収容スペースが十分に大きく、十分な量の磁性体を収容部材218fに収容できる場合、第2磁石218dは、媒体搬送装置内に固定されていてもよい。
【0110】
第1磁石218bとして直径10mm、厚さ3mmのネオジウム磁石が用いられる場合、第1磁石218bと媒体搬送路Rの間の距離が14mm以下であり、媒体搬送路Rにおける磁束密度が104Gauss以上であればステイプルは良好に引き付けられる。
【0111】
また、媒体搬送路Rを移動する磁性体が第1磁石218bによって良好に引き付けられて湾曲部201bに貼り付けられるためには、第1磁石218bにより磁性体にかかる磁力が第2磁石218dにより磁性体にかかる磁力より大きい必要がある。図10Aに示すように、第1磁石218bから媒体搬送路Rまでの距離h3は、第2磁石218dから媒体搬送路Rまでの距離h4より小さい。そのため、第2磁石218dが発生させる磁力が、第1磁石218bが発生させる磁力より極度に大きくなければ、第1磁石218bにより磁性体にかかる磁力は、第2磁石218dにより磁性体にかかる磁力より大きくなる。
【0112】
また、上記したように、第2磁石218dは、第2磁力に加えて重力により磁性体を引き付けさせることができ、第2磁石218dとして、第2磁石118dより発生する磁力が小さい安価な磁石が使用されてもよい。したがって、媒体搬送装置は、装置コストが増大することを抑制できる。
【0113】
第2磁石218dとして、収容部材218fの厚さを考慮して、適切な大きさの磁力を発生する磁石が使用される。例えば、第1磁石218b及び第2磁石218dとして上記のネオジウム磁石が用いられ、第1磁石218bから媒体搬送路Rまでの距離h3が14mmであり且つ第2磁石218dから媒体搬送路Rまでの距離h4が28mmであれば上記の条件は全て満たされる。
【0114】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、第2磁石218dが媒体搬送路Rより下方に配置される場合も、搬送される媒体とともに移動する磁性体を適切に取り除くことが可能となった。
【0115】
図11は、他の実施形態に係る媒体搬送装置300の概略構成を示すブロック図である。
【0116】
媒体搬送装置300は、媒体搬送装置100が有する各構成を有する。但し、媒体搬送装置300では第2モータ132が省略され、媒体搬送装置300は、第1磁石318bをさらに有する。
【0117】
第1磁石318bは、処理回路150からの制御信号によって、媒体搬送路Rを移動する磁性体にかかる第1磁力を、第2磁石118d又は218dにより磁性体にかかる第2磁力より大きい磁力と、その第2磁力より小さい磁力とに変更可能な電磁石である。第1磁石318bは、処理回路150からの制御信号によって、磁性体にかかる第1磁力を、その磁性体にかかる第2磁力より大きい磁力に設定されることにより、有効に設定される。一方、第1磁石318bは、処理回路150からの制御信号によって、磁性体にかかる第1磁力を、その磁性体にかかる第2磁力より小さい磁力に設定されることにより、無効に設定される。
【0118】
媒体搬送装置300の除去機構として、例えば、図3Aに示した除去機構118が使用される。その場合、媒体搬送装置300の除去機構は、第1磁石118b及び移動機構118cの代わりに、第1磁石318bを有する。第1磁石318bは、側面部101cと対向する対向位置に固定して配置される。なお、媒体搬送装置300の除去機構として、図10Aに示した除去機構218が使用されてもよい。その場合、媒体搬送装置300の除去機構は、第1磁石218b及び移動機構218cの代わりに、第1磁石318bを有する。第1磁石318bは、湾曲部201bと対向する対向位置に固定して配置される。
【0119】
除去機構118が使用される場合、第1磁石318bが有効に設定されたときの第1磁力は、媒体搬送路R内の穴118aと対向する位置から側面部101cまでの範囲に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる重力より大きくなるように設定される。また、第1磁石318bが有効に設定されたときの第1磁力は、媒体搬送路R内の穴118aと対向する位置から側面部101cまでの範囲に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力より大きくなるように設定される。また、第1磁石318bが無効に設定されたときの第1磁力は、側面部101cから収容部材118fまでの範囲に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力より小さくなるように設定される。また、第1磁力は、第1磁石318bが有効に設定されているか無効に設定されているかに関わらず、収容部材118fに収容された磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力より小さくなるように設定される。
【0120】
一方、除去機構218が使用される場合、第1磁石318bが有効に設定されたときの第1磁力は、媒体搬送路R内の湾曲部201bと対向する位置に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力と重力の合計より大きくなるように設定される。また、第1磁石318bが無効に設定されたときの第1磁力は、湾曲部201bから収容部材218fまでの範囲に存在する磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力と重力の合計より小さくなるように設定される。また、第1磁力は、第1磁石318bが有効に設定されているか無効に設定されているかに関わらず、収容部材218fに収容された磁性体にかかる第1磁力がその磁性体にかかる第2磁力と重力の合計より小さくなるように設定される。
【0121】
図12は、媒体読取処理の動作の他の例を示すフローチャートである。
【0122】
図12に示す媒体読取処理は、図8に示した媒体読取処理の代わりに実行される。以下、図12に示したフローチャートを参照しつつ、媒体搬送装置300の媒体読取処理の動作の例を説明する。なお、以下に説明する動作のフローは、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150により媒体搬送装置300の各要素と協働して実行される。図12のステップS201~S203、S206~S208、S211~S213の処理は、図8のステップS101~S103、S106~S108、S111~S113の処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。以下では、ステップS204~S205、S209~S210についてのみ説明する。
【0123】
ステップS204において、制御部151は、第1磁石318bを無効に設定する(ステップS204)。これにより、現在、第1磁石318bによる第1磁力によって引き付けられている磁性体に、第1磁石318bによる第1磁力がかからなくなる。この磁性体は、第2磁石による第2磁力によって引き付けられ、収容部材に貼り付けられる。なお、現在、第1磁石318bが無効に設定されている場合、制御部151は、ステップS204の処理を省略してもよい。
【0124】
次に、制御部151は、第1磁石318bを有効に設定する(ステップS205)。
【0125】
また、ステップS208において判定部152により搬送される媒体が用紙であると判定された場合、制御部151は、第1磁石318bを有効に設定し続ける(ステップS209)。
【0126】
一方、判定部152により搬送される媒体がカードであると判定された場合、制御部151は、第1磁石318bを無効に設定する(ステップS210)。特に、この場合、制御部151は、第1磁石318bによる第1磁力をオフに設定する。これにより、媒体搬送装置300は、搬送されるIDカードに、第1磁石318bによる第1磁力がかかり、IDカードの磁気ストライプに記憶されたデータの破損が発生することを抑制できる。
【0127】
以上詳述したように、媒体搬送装置300は、第1磁石318bとして電磁石を使用する場合も、搬送される媒体とともに移動する磁性体を適切に取り除くことが可能となった。特に、媒体搬送装置300は、媒体搬送路Rの周辺構造をシンプルにすることが可能となり、装置設計にかかるコストの低減化を図ることが可能となった。
【0128】
図13は、他の実施形態に係る媒体搬送装置の処理回路450の概略構成を示す図である。
【0129】
処理回路450は、処理回路150の代わりに使用され、処理回路150の代わりに、媒体読取処理等を実行する。処理回路450は、制御回路451及び判定回路452等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。
【0130】
制御回路451は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路451は、操作装置105から操作信号を、媒体センサ111から媒体信号を、判定回路452から媒体がカードであるか否かの判定結果を受信する。制御回路451は、受信した各情報に基づいて、第1モータ131を制御して媒体を搬送するとともに、第2モータ132を制御して第1磁石を対向位置又は非対向位置に配置し、又は第1磁石318bを有効又は無効に設定する。また、制御回路451は、撮像装置119から入力画像を取得し、インタフェース装置133に出力する。
【0131】
判定回路452は、判定部の一例であり、判定部152と同様の機能を有する。判定回路452は、超音波センサ115から超音波信号を受信し、受信した超音波信号に基づいて媒体がカードであるか否かを判定し、判定結果を制御回路451に出力する。
【0132】
以上詳述したように、媒体搬送装置は、処理回路450によって媒体読取処理を実行する場合も、搬送される媒体とともに移動する磁性体を適切に取り除くことが可能となった。
【符号の説明】
【0133】
100、300 媒体搬送装置、112 ピックローラ、113 給送ローラ、114 ブレーキローラ、116a 第1搬送ローラ、117a 第1従動ローラ、118b、218b、318b 第1磁石、118c、218c 移動機構、118d、218d 第2磁石、119 撮像装置、151 制御部、152 判定部
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13