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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】収納什器及び化粧板
(51)【国際特許分類】
   A47B 55/00 20060101AFI20240227BHJP
   A47B 96/20 20060101ALI20240227BHJP
   F16B 5/10 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A47B55/00
A47B96/20 B
A47B96/20 Z
F16B5/10 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020169089
(22)【出願日】2020-10-06
(65)【公開番号】P2022061219
(43)【公開日】2022-04-18
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】関川 秀峰
(72)【発明者】
【氏名】岩下 伸久
【審査官】村川 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-233425(JP,A)
【文献】特開2001-149149(JP,A)
【文献】実開昭47-027114(JP,U)
【文献】特開2010-216497(JP,A)
【文献】登録実用新案第3142791(JP,U)
【文献】実開平05-058060(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0341644(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 55/00
A47B 96/20
F16B 5/10
G09F 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に交差する第1方向に開口する開口部を有するとともに、前記開口部を通じて物品を収納可能な収納空間を形成する什器本体と、
前記什器本体の外側面の少なくとも一部を覆う化粧板と、
前記外側面に設けられた第1取付け部材、及び前記化粧板に設けられて前記第1取付け部材に係合する第2取付け部材を備える取付け部と、を備え、
前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか一方は、前記第1方向に開口する係合開口部を有し、
前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか他方は、前記係合開口部から前記第1方向に挿脱可能であるとともに、前記係合開口部に挿入された状態において前記上下方向から見て前記第1方向に交差する第2方向において前記第1取付け部材に係合する係合突起部を有する収納什器。
【請求項2】
前記化粧板は、
前記第2方向に対向し、前記外側面を覆う一対の側面化粧板と、
前記一対の側面化粧板を連結するとともに、前記什器本体の上面を覆う上面化粧板と、を備える請求項1に記載の収納什器。
【請求項3】
前記化粧板は、床面上に設置されている請求項1または請求項2に記載の収納什器。
【請求項4】
前記化粧板の下端に設けられて前記化粧板を支持するとともに、前記什器本体に対する前記化粧板の前記上下方向の位置を変更可能な支持部を備える請求項3に記載の収納什器。
【請求項5】
前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材は、前記第1方向に並んで配置されて、前記第1取付け部材と前記第2取付け部材とが互いに接近する方向への移動を規制する第1方向規制部をそれぞれ有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の収納什器。
【請求項6】
前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか一方は、前記係合突起部に対して前記上下方向に並んで配置されて、前記第1取付け部材と前記第2取付け部材とが前記上下方向に相対移動することを規制する上下方向規制部を有する前記請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の収納什器。
【請求項7】
前記化粧板は、前記第1方向の端部のうち前記開口部とは反対側の端部に、前記外側面と前記化粧板との隙間の少なくとも一部を覆う補助板を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の収納什器。
【請求項8】
上下方向に交差する第1方向に開口する開口部を有するとともに、前記開口部を通じて物品を収納可能な収納空間を形成する什器本体の外側面の少なくとも一部を覆う化粧板であって、
前記外側面に設けられた第1取付け部材に係合する第2取付け部材を備え、
前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか一方は、前記第1方向に開口する係合開口部を有し、
前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか他方は、前記係合開口部から前記第1方向に挿脱可能であるとともに、前記係合開口部に挿入された状態において前記上下方向から見て前記第1方向に交差する第2方向において前記第1取付け部材に係合する係合突起部を有する化粧板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納什器及び化粧板に関する。
【背景技術】
【0002】
収納什器の外観の意匠性を向上させるために、什器本体に化粧板が取り付けられることがある。例えば下記特許文献1には、什器本体(キャビネット)の左右の側板に装着した縁枠内に周縁を挿嵌するように、側板の外側面に化粧板(化粧パネル)を設ける構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-149149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術において、縁枠は、側板の外側面の上端部及び下端部における前後方向の全範囲に亘って設けられている。このため、縁枠は、縁枠自体の寸法誤差や側板の外側面に取り付けられた際の形状変化等の影響を受け易い。これにより、縁枠が変形または什器本体に対して変位して、什器本体に化粧板を容易に取り付けられないことが懸念される。
【0005】
そこで、本発明は、什器本体に化粧板を容易に取り付けることができる収納什器及び化粧板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る収納什器は、上下方向に交差する第1方向に開口する開口部を有するとともに、前記開口部を通じて物品を収納可能な収納空間を形成する什器本体と、前記什器本体の外側面の少なくとも一部を覆う化粧板と、前記外側面に設けられた第1取付け部材、及び前記化粧板に設けられて前記第1取付け部材に係合する第2取付け部材を備える取付け部と、を備え、前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか一方は、前記第1方向に開口する係合開口部を有し、前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか他方は、前記係合開口部から前記第1方向に挿脱可能であるとともに、前記係合開口部に挿入された状態において前記上下方向から見て前記第1方向に交差する第2方向において前記第1取付け部材に係合する係合突起部を有する。
【0007】
本態様によれば、収納什器は、係合開口部に係合突起部を挿入するだけで、第1取付け部材と第2取付け部材とが係合し、什器本体の外側面と化粧板とが第2方向に互いに離間することを抑制できる。すなわち、収納什器は、係合開口部に係合突起部を挿入するだけで、什器本体に化粧板を取り付けることができる。このため、収納什器は、什器本体に化粧板を取り付けるために、第1取付け部材を什器本体の第1方向や上下方向の全体に亘る程大型化する必要がなくなる。これにより、収納什器は、什器本体の外側面の上下端縁の位置に依存せずに、什器本体に化粧板を取り付けることができる。よって、収納什器は、係合開口部に係合突起部を挿入する際に、係合開口部と係合突起部とが干渉して什器本体に対する化粧板の取り付け作業が妨げられることを抑制できる。したがって、収納什器は、従来技術と比較して、什器本体に化粧板を容易に取り付けることができる。また、収納什器は、第1取付け部材と第2取付け部材とを係合させているので、取り付け後の什器本体に対する化粧板のがたつきを抑制できる。
【0008】
上記態様の収納什器において、前記化粧板は、前記第2方向に対向し、前記外側面を覆う一対の側面化粧板と、前記一対の側面化粧板を連結するとともに、前記什器本体の上面を覆う上面化粧板と、を備えてもよい。
本態様によれば、一対の側面化粧板の上端部は、上面化粧板によって連結される。このため、化粧板は、前後方向視で下方に開口する逆U字状となる。これにより、一対の側面化粧板のうち一方の側面化粧板に設けられた取付け部が、他方の側面化粧板に設けられた取付け部の上下方向の移動を規制するようになる。したがって、収納什器は、一対の側面化粧板にそれぞれ設けられる取付け部の個数を増やすことなく、一対の側面化粧板の上下方向の移動を規制できる。また、一対の側面化粧板同士は、上端部で上面化粧板によって連結されているため、収納什器は、側面化粧板が什器本体から離間することを抑制できる。
【0009】
上記態様の収納什器において、前記化粧板は、床面上に設置されていてもよい。
本態様によれば、化粧板は、什器本体だけでなく床面からも支持されるため、収納什器に安定して取り付けられる。
【0010】
上記態様の収納什器は、前記化粧板の下端に設けられて前記化粧板を支持するとともに、前記什器本体に対する前記化粧板の前記上下方向の位置を変更可能な支持部を備えてもよい。
本態様によれば、収納什器は、支持部によって、什器本体に対する化粧板の上下方向の位置を変更できる。これにより、収納什器は、什器本体の高さにあわせて化粧板の高さを調整できる。したがって、収納什器は、取付け部自体の位置ずれを吸収できるので、什器本体に対する化粧板の取付性を向上できる。
【0011】
上記態様の収納什器において、前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材は、前記第1方向に並んで配置されて、前記第1取付け部材と前記第2取付け部材とが互いに接近する方向への移動を規制する第1方向規制部をそれぞれ有してもよい。
本態様によれば、第1取付け部材または第2取付け部材に互いに接近させる第1方向の力が働いた場合、第1方向規制部同士は、第1方向に当接する。これにより、収納什器は、第1取付け部材と第2取付け部材とが互いに接近する方向への移動を規制できる。
【0012】
上記態様の収納什器において、前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか一方は、前記係合突起部に対して前記上下方向に並んで配置されて、前記第1取付け部材と前記第2取付け部材とが前記上下方向に相対移動することを規制する上下方向規制部を有してもよい。
本態様によれば、第1取付け部材または第2取付け部材に上下方向の力が働いた場合、上下方向規制部と係合突起部とが当接する。これにより、収納什器は、第1取付け部材と第2取付け部材とが上下方向に相対移動することを規制できる。
【0013】
上記態様の収納什器において、前記化粧板は、前記第1方向の端部のうち前記開口部とは反対側の端部に、前記外側面と前記化粧板との隙間の少なくとも一部を覆う補助板を有してもよい。
本態様によれば、補助板は、什器本体と化粧板との隙間に第1方向のうち開口部とは反対側から侵入しようとする光を遮ることができる。これにより、収納什器は、什器本体と化粧板との隙間を暗くして、その隙間が目立つことを抑制できる。したがって、収納什器の外観の意匠性を向上できる。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明に係る化粧板は、上下方向に交差する第1方向に開口する開口部を有するとともに、前記開口部を通じて物品を収納可能な収納空間を形成する什器本体の外側面の少なくとも一部を覆う化粧板であって、前記外側面に設けられた第1取付け部材に係合する第2取付け部材を備え、前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか一方は、前記第1方向に開口する係合開口部を有し、前記第1取付け部材及び前記第2取付け部材のいずれか他方は、前記係合開口部から前記第1方向に挿脱可能であるとともに、前記係合開口部に挿入された状態において前記上下方向から見て前記第1方向に交差する第2方向において前記第1取付け部材に係合する係合突起部を有する。
【0015】
本態様によれば、化粧板は、係合開口部に係合突起部を挿入するだけで、第1取付け部材と第2取付け部材とが係合し、什器本体の外側面と化粧板とが互いに離間することを抑制できる。すなわち、化粧板は、係合開口部に係合突起部を挿入するだけで、什器本体に化粧板を取り付けることができる。このため、化粧板は、什器本体に化粧板を取り付けるために、第1取付け部材を什器本体の第1方向や上下方向の全体に亘る程大型化する必要がなくなる。これにより、化粧板は、什器本体の外側面の上下端縁の位置に依存せずに、什器本体に化粧板を取り付けることができる。よって、化粧板は、係合開口部に係合突起部を挿入する際に、係合開口部と係合突起部とが干渉して什器本体に対する化粧板の取り付け作業が妨げられることを抑制できる。したがって、化粧板は、従来技術と比較して、什器本体に化粧板を容易に取り付けることができる。また、化粧板は、第1取付け部材と第2取付け部材とを係合させているので、取り付け後の什器本体に対する化粧板のがたつきを抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
上記各態様によれば、什器本体に化粧板を容易に取り付けることができる収納什器及び化粧板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る収納什器の前方斜視図である。
図2図1のII部を拡大した後方斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る上面化粧板片と連結部との分解斜視図である。
図4図2のIV-IV線に沿う断面図である。
図5図2のV-V線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1から図5を参照して本発明の実施形態に係る収納什器1を説明する。
【0019】
(収納什器1)
図1は、本発明の実施形態に係る収納什器1の前方斜視図である。
図1に示すように、収納什器1は、什器本体10と、化粧板20と、取付け部30と、支持部40と、を備えている。
以下、什器本体10の高さ方向を上下方向と称し、什器本体10の幅方向を左右方向(第2方向)と称し、什器本体10の奥行方向を前後方向(第1方向)と称することがある。また、以下の説明に用いる図中において、矢印UPは上方、矢印FRは前方、矢印LHは左方をそれぞれ示している。
【0020】
(什器本体10)
什器本体10は、筐体11と、抽斗12と、後面板17と、を備えている。
【0021】
筐体11は、前方に開口する開口部Kを有する直方体状の箱型に形成されている。筐体11の内部には、物品を収納可能な収納空間Sが形成されている。筐体11は、底板13と、側板14と、天板15と、背板16と、を有している。
底板13は、床面F上に配置されている。側板14は、底板13の左右方向の両端部からそれぞれ上方に向けて立設している。天板15は、左右両側板14の上端部間に架け渡されている。
【0022】
図2は、図1のII部を拡大した後方斜視図である。
図1及び図2に示すように、背板16は、底板13の後端部、側板14の後端部及び天板15の後端部により形成される開口の開口面全体を後方から覆っている。背板16は、底板13及び天板15の後端部間に架け渡されるとともに、左右両側板14の後端部間に架け渡されている。背板16の後面は、底板13の後面、側板14の後面及び天板15の後面と面一となっている。
筐体11において、底板13の前端部、側板14の前端部及び天板15の前端部により、開口部Kが形成されている。開口部Kは、筐体11の収納空間Sを前方に開放している。
【0023】
抽斗12は、開口部K内に複数配置されている。抽斗12は、什器本体10に対して前後方向にスライドして開口部Kに対して出没可能とされている。抽斗12は、上方に開口する直方体状の箱型に形成されている。什器本体10は、抽斗12に物品を収納した状態で、抽斗12を什器本体10に収納することで、開口部Kを通じて収納空間に物品を収納できる。
【0024】
後面板17は、底板13の後面、側板14の後面、天板15の後面及び背板16の後面の全体を後方から覆っている。後面板17の板厚方向は、前後方向と一致している。後面板17は、左右方向に延びる矩形板状に形成されている。後面板17の左右方向の幅は、側板14の外側面14a間の距離よりも広い。このため、後面板17の左右方向の両端部17aは、側板14より左右方向に突出している。後面板17は、後面板17の上面と天板15の上面とが面一にされた状態で、筐体11にボルト締結により固定されている。後面板17は、例えば外面に木目等の装飾が施された金属板である。
【0025】
(化粧板20)
化粧板20は、前後方向視で下方に開口する逆U字状に形成されている。化粧板20は、什器本体10の外側面10aと上面10bとを囲うように配置されている。外側面10aは、前後方向及び上下方向に沿っている。上面10bは、上下方向と直交している。化粧板20は、例えば外面に木目等の装飾が施された金属板である。化粧板20は、後面板17とともに、収納什器1の外観の意匠性を向上させる外装板として用いられている。化粧板20は、上面化粧板21と、側面化粧板22と、補助板28(図2参照)と、を備えている。
【0026】
(上面化粧板21)
上面化粧板21は、什器本体10の上面10bを覆う部材である。上面化粧板21は、左右方向に延びている。上面化粧板21は、上面化粧板片23と、連結部24と、を有している。
【0027】
図3は、本発明の実施形態に係る上面化粧板片23と連結部24との分解斜視図である。
図1及び図3に示すように、上面化粧板片23は、2枚設けられている。2枚の上面化粧板片23は、左右方向に並べられている。上面化粧板片23は、左右方向に延びる矩形板状に形成されている。上面化粧板片23は、什器本体10の上面10b上に上面10bに沿うように配置されている。2枚の上面化粧板片23は、左右方向の長さ及び前後方向の長さが互いに等しい。以下、上面化粧板片23における左右方向の端部のうち他方の上面化粧板片23と対向する端部を、対向端部23aと称する。対向端部23aの端面のうち他方の対向端部23aと対向する端面を対向端面23bと称する。
【0028】
(連結部24)
連結部24は、2枚の上面化粧板片23の境界線上に設けられている。連結部24は、2枚の上面化粧板片23を連結している。連結部24は、前後方向に離間して2個設けられている。連結部24は、上面化粧板21の下面に設けられている。連結部24は、連結溝25と、連結部材26と、を有している。
【0029】
連結溝25は、1個の連結部24につき2個設けられている。1個の連結部24を構成する2個の連結溝25は、2枚の上面化粧板片23に1個ずつ設けられている。連結溝25は、上面化粧板片23の対向端部23aに設けられている。連結溝25は、下方に開口している。以下、1個の連結部24を構成する2個の連結溝25を、一対の連結溝25と称する。一対の連結溝25は、2枚の上面化粧板片23同士の境界線を中心として対称に設けられている。連結溝25は、溝本体25aと、架け渡し溝25bと、を有している。溝本体25aは、真円状に形成されている。架け渡し溝25bは、溝本体25aから対向端面23bに向かって左右方向に延びている。架け渡し溝25bは、左右方向のうち溝本体25aから対向端面23bに向かう方向に開口している。一対の連結溝25を構成する2個の架け渡し溝25bは、左右方向に連通している。
【0030】
連結部材26は、一対の連結溝25間に跨って一対の連結溝25に下方から嵌め込まれている。連結部材26は、固定部26aと、架け渡し部26bと、を有している。固定部26aは、1個の連結部材26につき2個設けられている。2個の固定部26aは、左右方向に並んで設けられている。固定部26aは、板厚方向が上下方向と一致する円板状に形成されている。2個の固定部26aは、一対の連結溝25を構成する2個の溝本体25aにそれぞれ嵌め込まれている。固定部26aは、溝本体25aに固定されている。架け渡し部26bは、2個の固定部26aを左右方向に連結する棒状に形成されている。架け渡し部26bは、一対の連結溝25を構成する2個の架け渡し溝25b内に嵌め込まれている。
【0031】
(側面化粧板22)
図1に示すように、側面化粧板22は、什器本体10の外側面10aの全体を覆う部材である。外側面10aは、側板14の外側面14aと後面板17の側面17bとを含んでいる(図2参照)。側面化粧板22は、上下方向に延びる矩形板状に形成されている。側面化粧板22は、1つの化粧板20につき左右方向に対向して一対設けられている。一対の側面化粧板22の上端部は、上面化粧板21によって連結されている。左右方向で同じ側に位置する側面化粧板22と、上面化粧板21を構成する上面化粧板片23とは、L字金具(不図示)とビス(不図示)によって固定されている。側面化粧板22は、下端に設けられた支持部40を介して、床面F上に設置されている。
【0032】
(支持部40)
図4は、図2のIV-IV線に沿う断面図である。
図2及び図4に示すように、支持部40は、側面化粧板22と床面Fとの間に介在し、側面化粧板22を床面Fに接地させている。支持部40は、側面化粧板22を下方から支持している。支持部40は、側面化粧板22の下端のうち前端部及び後端部に1個ずつ設けられている。支持部40は、金属材料により形成されたアジャスタである。支持部40は、ベース41と、軸部42と、ナット43と、支持プレート44と、を有している。ベース41は、床面F上に設けられている。ベース41は、板厚方向が上下方向と一致する円板状に形成されている。軸部42は、ベース41から上方に突出している。軸部42の外周面には、雄ねじ部が形成されている。軸部42は、側面化粧板22の下端に設けられた支持穴27に下方から挿入されている。ナット43は、軸部42を挿入された状態でベース41の上面に載置されている。ナット43は、溶接によりベース41及び軸部42と一体化されている。支持プレート44は、側面化粧板22の下面にボルト締結により取り付けられている。支持プレート44は、板厚方向が上下方向と一致する矩形板状に形成されている。支持プレート44は、前後方向に延びている。支持プレート44の中心には、上下方向に貫通する挿入孔が設けられている。支持プレート44の挿入孔には、軸部42を下方から挿入されている。支持プレート44は、内周面に形成された雌ねじ部によって軸部42(雄ねじ部)に螺合されている。支持プレート44は、軸部42をベース41及びナット43とともに締め付け方向又は緩み方向に回転させることで、軸部42に対する上下方向の位置が変更可能となっている。
【0033】
(取付け部30)
図5は、図2のV-V線に沿う断面図である。
図1及び図2図4及び図5に示すように、取付け部30は、後面板17の側面17bの下端部と、側面化粧板22の内側面22aの下端部における後端部と、の間に設けられている。取付け部30は、什器本体10に化粧板20を取り付けるための部材である。
【0034】
図2図4及び図5に示すように、取付け部30は、第1取付け部材31と、第2取付け部材32と、を備えている。
【0035】
第1取付け部材31は、後面板17の側面17bの下端部に設けられている。第1取付け部材31は、金属により形成されている。第1取付け部材31は、固定部33と、架け渡し部34と、係合突起部35と、を有している。
【0036】
固定部33は、上下方向に離間して2個設けられている。以下、2個の固定部33を、一対の固定部33と称する。固定部33は、板厚方向が左右方向と一致する板状に形成されている。固定部33には、左右方向に貫通する挿通孔33aが設けられている。固定部33は、挿通孔33aに挿通されたねじ33bが後面板17に締結されることにより、什器本体10に固定されている。
【0037】
架け渡し部34は、一対の固定部33の間に上下方向に架け渡されている。架け渡し部34は、一対の固定部33の前半分同士を接続している。架け渡し部34は、傾斜部34aと、平行部34bと、を有している。
傾斜部34aは、上下方向に離間して2個設けられている。2個の傾斜部34aは、一対の固定部33にそれぞれ1個ずつ接続されている。傾斜部34aは、前後方向に沿う板状に形成されている。傾斜部34aは、一対の固定部33のうち自身が接続される一方の固定部33から他方の固定部33に向かうに従い、什器本体10から離間する向きに傾斜して延びている。以下、2個の傾斜部34aを、一対の傾斜部34aと称する。
【0038】
平行部34bは、一対の傾斜部34aの間に架け渡されている。平行部34bは、板厚方向が左右方向と一致する板状に形成されている。
架け渡し部34は、傾斜部34a及び平行部34bの部分で什器本体10から離間している。以下、傾斜部34a及び平行部34bにより形成される開口部を、係合開口部31aと称する。係合開口部31aは、前後方向に開口している。
係合突起部35は、平行部34bの後端部から後方に延出している。
【0039】
第2取付け部材32は、第1取付け部材31と同様の形状に形成された金具である。第2取付け部材32は、第1取付け部材31に対して前後方向の向きを反転させた状態で側面化粧板22の内側面22aに取り付けられている。
第2取付け部材32は、什器本体10の外側面10aに対向する側面化粧板22の内側面22aのうち、第1取付け部材31に対して前後方向及び左右方向で対向した状態で設けられている。第2取付け部材32は、固定部36と、架け渡し部37と、係合突起部38と、を有している。
【0040】
固定部36には、左右方向に貫通する挿通孔36aが設けられている。固定部36は、挿通孔36aに挿通されたねじ36bが側面化粧板22に締結されることにより、化粧板20に固定されている。
【0041】
架け渡し部37は、一対の固定部36の後半分同士を接続している。架け渡し部37は、傾斜部37aと、平行部37bと、を有している。
架け渡し部37は、傾斜部37a及び平行部37bの部分で側面化粧板22から離間している。以下、傾斜部37a及び平行部37bにより形成される開口部を、係合開口部32aと称する。係合開口部32aは、前後方向に開口している。
係合突起部38は、平行部37bの前端部から前方に延出している。
【0042】
第2取付け部材32の係合突起部38は、第1取付け部材31の係合開口部31aに挿脱可能となっている。第1取付け部材31の係合突起部35は、第2取付け部材32の係合開口部32aに挿脱可能となっている。
第1取付け部材31及び第2取付け部材32は、一方の取付け部材の係合突起部が他方の取付け部材の係合開口部に挿入された状態で、組み付けられている。ここで、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが組み付けられた状態について、詳細に説明する。
【0043】
図示の例では、第2取付け部材32の係合突起部38は、第1取付け部材31の係合開口部31aに後方から挿入されている。第2取付け部材32の係合突起部38は、第1取付け部材31の係合開口部31aに挿入された状態において、第1取付け部材31の平行部34bと什器本体10の外側面10aとの間に配置されている。このため、第2取付け部材32の係合突起部38は、第1取付け部材31と左右方向で係合する。
【0044】
また、第2取付け部材32の係合突起部38は、第1取付け部材31の一対の傾斜部34aの間に配置されている。第1取付け部材31または第2取付け部材32に上下方向の力が働いた場合、第2取付け部材32の係合突起部38は、第1取付け部材31の傾斜部34aと上下方向に当接し上下方向の相対移動が規制される。すなわち、第1取付け部材31の傾斜部34aは、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが上下方向に相対移動することを規制する上下方向規制部として機能する。
【0045】
また、第1取付け部材31の係合突起部35は、第2取付け部材32の係合開口部32aに前方から挿入されている。第1取付け部材31の係合突起部35は、第2取付け部材32の係合開口部32aに挿入された状態において、第2取付け部材32の平行部37bと側面化粧板22の内側面22aとの間に配置されている。このため、第1取付け部材31の係合突起部35は、第2取付け部材32と左右方向で係合する。
【0046】
また、第1取付け部材31の係合突起部35は、第2取付け部材32の一対の傾斜部37aの間に配置されている。第1取付け部材31または第2取付け部材32に上下方向の力が働いた場合、第1取付け部材31の係合突起部35は、第2取付け部材32の傾斜部37aと上下方向に当接し上下方向の相対移動が規制される。すなわち、第2取付け部材32の傾斜部37aは、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが上下方向に相対移動することを規制する上下方向規制部として機能する。
【0047】
また、第2取付け部材32の傾斜部37aと第1取付け部材31の傾斜部34aとは、前後方向に並んで配置されている。第1取付け部材31または第2取付け部材32に互いに接近させる前後方向の力が働いた場合、傾斜部34a,37aは、前後方向に当接する。このため、第1取付け部材31または第2取付け部材32のさらなる前後方向の移動が規制される。すなわち、傾斜部34a,37aは、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが互いに接近する方向への移動を規制する第1方向規制部として機能する。
【0048】
(補助板28)
補助板28は、側面化粧板22と一体形成されている。補助板28は、側面化粧板22の後端部から左右方向の什器本体10側に向かって延びている。補助板28は、側面化粧板22と一体になって上下方向視でL状に形成されている。補助板28は、後面板17の左右方向の両端部17aのうち片方の端部17aを後方から覆っている。補助板28は、什器本体10の外側面10aと側面化粧板22との隙間を後方から覆っている。補助板28は、側面化粧板22の上下全体に亘って延びている。補助板28は、側面化粧板22及び後面板17とともに、筐体11を後方から覆っている。
【0049】
(化粧板20の取付け方法)
以下、図1を参照して什器本体10への化粧板20の組付け方法について説明する。
作業者は、2枚の上面化粧板片23を什器本体10の天板15上に配置する。その後、作業者は、上面化粧板片23における対向端部23aとは左右方向で反対側の端部と、側面化粧板22の上端部とをL字金具及びビスを用いて連結し、前後方向視でL字状のユニットUを2個作成する。以下、2個のユニットUのうち一方のユニットUを第1ユニットU1と称し、他方のユニットUを第2ユニットU2と称する。
【0050】
続いて作業者は、什器本体10の天板15の上で、第1ユニットU1及び第2ユニットU2を、什器本体10に対して後方に移動させる。このとき、上面化粧板21の後端部に設けられた一対の連結溝25が什器本体10の後面板17よりも後方に配置されるようにする。作業者は、2枚の上面化粧板片23の対向端面23bを突き合せた状態で、上面化粧板21の後端部に設けられた一対の連結溝25に連結部材26を嵌め込み、第1ユニットU1の後端部と第2ユニットU2の後端部とを連結する。
【0051】
作業者は、什器本体10の天板15の上で、第1ユニットU1及び第2ユニットU2を、2個の什器本体10に対してさらに後方に移動させる。このとき、上面化粧板21の前端部に設けられた一対の連結溝25が什器本体10の後面板17よりも後方に配置されるようにする。作業者は、上面化粧板21の前端部に設けられた一対の連結溝25に連結部材26を嵌め込み、第1ユニットU1の前端部と第2ユニットU2の前端部とを連結する。
このようにして、第1ユニットU1と第2ユニットU2とが連結され、前後方向視で下方に開口する逆U字状の化粧板20が作成される。
【0052】
図1及び図3に示すように、作業者は、化粧板20を上方に持ち上げながら、化粧板20を什器本体10に対して前方に移動させる。このとき、作業者は、第1取付け部材31の係合開口部31aに第2取付け部材32の係合突起部38を挿入し、第2取付け部材32の係合開口部32aに第1取付け部材31の係合突起部35を挿入する。このようにして、第1取付け部材31と第2取付け部材32の係合突起部38とが係合し、第1取付け部材31の係合突起部35と第2取付け部材32とが係合する。すわなち、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが係合する。これにより、什器本体10から側面化粧板22に向かう方向の力が化粧板20に働いたとしても、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが左右方向に当接し、什器本体10と側面化粧板22とが互いに左右方向に離間することが規制される。
以上のようにして、什器本体10に化粧板20が取り付けられる。
【0053】
(側面化粧板22の高さ調整方法)
また、作業者は、支持部40を操作することにより、側面化粧板22の高さを調節できる。作業者は、支持部40の軸部42を回転させることより、支持部40の軸部42に対して支持プレート44を上下方向に移動できる。支持プレート44が上下方向に移動すると、支持プレート44を介して支持された側面化粧板22が上下方向に移動する。このようにして、作業者は、側面化粧板22の高さを調節できる。
【0054】
上述の実施形態によれば、以下の作用及び効果が得られる。
本実施形態では、什器本体10の外側面10aには、第1取付け部材31が設けられている。第1取付け部材31は、係合開口部31aと、係合突起部35と、を有している。側面化粧板22の内側面22aには、第2取付け部材32が設けられている。第2取付け部材32は、係合開口部32aと、係合突起部38と、を有している。第1取付け部材31の係合突起部35は、第2取付け部材32の係合開口部32aから前後方向に挿脱可能となっている。第2取付け部材32の係合突起部38は、第1取付け部材31の係合開口部31aから前後方向に挿脱可能となっている。
この構成によれば、収納什器1は、係合開口部31a,32aに係合突起部38,35をそれぞれ挿入するだけで、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが係合し、什器本体10の外側面10aと側面化粧板22とが左右方向に互いに離間することを抑制できる。すなわち、収納什器1は、係合開口部31a,32aに係合突起部38,35をそれぞれ挿入するだけで、什器本体10に化粧板20を取り付けることができる。このため、収納什器1は、什器本体10に化粧板20を取り付けるために、第1取付け部材31を什器本体10の前後方向や上下方向の全体に亘る程大型化する必要がなくなる。これにより、収納什器1は、什器本体10の外側面10aの上下端縁の位置に依存せずに、什器本体10に化粧板20を取り付けることができる。よって、収納什器1は、係合開口部31a.32aに係合突起部38,35をそれぞれ挿入する際に、係合開口部31a,32aと係合突起部38,35とがそれぞれ干渉して什器本体10に対する化粧板20の取り付け作業が妨げられることを抑制できる。したがって、収納什器1は、従来技術と比較して、什器本体10に化粧板20を容易に取り付けることができる。また、収納什器1は、第1取付け部材31と第2取付け部材32とを係合させているので、取り付け後の什器本体10に対する化粧板20のがたつきを抑制できる。
【0055】
本実施形態では、化粧板20は、左右方向に対向し、外側面10aを覆う一対の側面化粧板22と、一対の側面化粧板22を連結するとともに、什器本体10の上面10bを覆う上面化粧板21と、を有している。
この構成によれば、一対の側面化粧板22の上端部は、上面化粧板21によって連結される。このため、化粧板20は、前後方向視で下方に開口する逆U字状となる。これにより、一対の側面化粧板22のうち一方の側面化粧板22に設けられた取付け部30が、他方の側面化粧板22に設けられた取付け部30の上下方向の移動を規制するようになる。したがって、収納什器1は、一対の側面化粧板22にそれぞれ設けられる取付け部30の個数を増やすことなく、一対の側面化粧板22の上下方向の移動を規制できる。また、一対の側面化粧板22の上端部は、上面化粧板21によって連結されているため、収納什器1は、側面化粧板22が什器本体10から左右方向に離間することを上面化粧板21によって抑制できる。
【0056】
本実施形態では、側面化粧板22は、床面F上に設置されている。
この構成によれば、側面化粧板22は、什器本体10だけでなく床面Fからも支持されるため、什器本体10に安定して取り付けられる。
【0057】
本実施形態では、収納什器1は、側面化粧板22の下端に設けられて側面化粧板22を支持するとともに、什器本体10に対する側面化粧板22の上下方向の位置を変更可能な支持部40を備える。
この構成によれば、収納什器1は、支持部40によって、什器本体10に対する側面化粧板22の上下方向の位置を変更できる。これにより、収納什器1は、什器本体10の高さにあわせて側面化粧板22の高さを調整できる。したがって、収納什器1は、取付け部30自体の位置ずれを吸収できるので、什器本体10に対する化粧板20の取付性を向上できる。
【0058】
本実施形態では、第1取付け部材31及び第2取付け部材32は、前後方向に並んで配置されて、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが互いに接近する方向への移動を規制する傾斜部34a,37aをそれぞれ有している。
この構成によれば、第1取付け部材31または第2取付け部材32に互いに接近させる前後方向の力が働いた場合、傾斜部34a,37aは、前後方向に当接する。これにより、収納什器1は、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが互いに接近する方向への移動を規制できる。
【0059】
本実施形態では、第1取付け部材31は、第2取付け部材32の係合突起部38に対して上下方向に並んで配置されて、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが上下方向に相対移動することを規制する傾斜部34aを有している。第2取付け部材32は、第1取付け部材31の係合突起部35に対して上下方向に並んで配置されて、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが上下方向に相対移動することを規制する傾斜部37aを有している。
この構成によれば、第1取付け部材31または第2取付け部材32に上下方向の力が働いた場合、第1取付け部材31の傾斜部34aと第2取付け部材32の係合突起部38とが当接し、第2取付け部材32の傾斜部37aと第1取付け部材31の係合突起部35とが当接する。これにより、収納什器1は、第1取付け部材31と第2取付け部材32とが上下方向に相対移動することを規制できる。
【0060】
本実施形態では、側面化粧板22は、後端部に、什器本体10の外側面10aと側面化粧板22との隙間を覆う補助板28を有している。
この構成によれば、補助板28は、什器本体10と側面化粧板22との隙間に後方から侵入しようとする光を遮ることができる。これにより、収納什器1は、什器本体10と側面化粧板22との隙間を暗くして、その隙間が目立つことを抑制できる。したがって、収納什器1の外観の意匠性を向上できる。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0062】
架け渡し部26bの長さは、左右方向の長さを調節できてもよい。連結部材26は、架け渡し部26bの左右方向の長さを変更することにより、上面化粧板21を構成する2枚の上面化粧板片23同士の距離を変更できる。これにより、収納什器1は、什器本体10の左右方向の寸法誤差を許容して什器本体10に化粧板20を取り付けることができる。
【0063】
例えば、上記実施形態では、第1方向は、前後方向と一致しているとしたが、これに限られない。第1方向は、前後方向から左右にずれてもよい。また、第1方向は、左右方向に沿っていてもよい。また、第2方向は、第1方向と交差していれば、第1方向と直交していなくてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、什器本体10は、筐体11の開口部K内に抽斗12を備えているとしたが、これに限られない。什器本体10は、抽斗12を備えていなくてもよい。また、什器本体10は、抽斗12を備えず、開口部Kを開閉可能に閉塞する扉を備えていてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、什器本体10は、後面板17を備えているとしたが、什器本体10は、後面板17を備えていなくてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、後面板17及び化粧板20は、収納什器1の外観の意匠性を向上させるために用いられているとしたが、これに限られない。後面板17及び化粧板20は、什器本体10を補強するため、什器本体10の外側面10a及び上面10bに対して異なる質感を与えるため、什器本体10を保護するために用いられてもよい。このため、後面板17及び化粧板20は、外面に装飾が施された金属板に限られない。後面板17及び化粧板20は、例えば樹脂材料によりメッシュ状に形成されてもよい。また、後面板17及び化粧板20は、木材料により構成されていてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、上面化粧板21を構成する上面化粧板片23は、2枚設けられているとしたが、上面化粧板片23は、3枚以上設けられてもよい。また、上面化粧板21は、一枚の矩形板であってもよい。
【0068】
また、上記実施形態では、化粧板20は、上面化粧板21と、側面化粧板22と、を備えているとしたが、化粧板20は、側面化粧板22のみから構成されてもよい。この場合、取付け部30は、側面化粧板22の下端部だけでなく、側面化粧板22の上端部にも設けられる。また、取付け部30の個数及び位置は、適宜変更可能である。取付け部30の第1取付け部材31は、例えば側板14の外側面14aに設けられてもよい。この場合、取付け部30の第2取付け部材32は、側面化粧板22の内側面22aのうち第1取付け部材31と左右方向に対向する位置に設けられる。
【0069】
また、上記実施形態では、側面化粧板22は、什器本体10の外側面10aの全体を覆っているとしたが、外側面10aの一部を覆っているだけでもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、化粧板20は、補助板28を備えているとしたが、化粧板20は、補助板28を備えていなくてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、第1取付け部材31は、係合開口部31aと係合突起部35とを有し、第2取付け部材32は、係合開口部32aと係合突起部38とを有しているとしたが、これに限られない。第1取付け部材31及び第2取付け部材32のいずれか一方が係合開口部を有し、第1取付け部材31及び第2取付け部材32のいずれか他方が係合突起部を有していればよい。例えば、第1取付け部材31は、係合突起部35を有さず、係合開口部31aを有し、第2取付け部材32は、係合開口部32aを有さず、係合突起部38を有してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、第1取付け部材31及び第2取付け部材32は、それぞれ傾斜部34a,37aを有しているとしたが、これに限られない。第1取付け部材31は、第2取付け部材32の係合突起部38を受け入れる構成を有していればよい。第2取付け部材32は、第1取付け部材31の係合突起部35を受け入れる構成を有していればよい。例えば、第1取付け部材31は、前後方向視で什器本体10側に開口するC字状の凹部を有してもよいし、第1取付け部材31が前後方向に開口する筒部を有してもよい。また、第2取付け部材32は、前後方向視で化粧板20側に開口するC字状の凹部を有してもよいし、第2取付け部材32が前後方向に開口する筒部を有していてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、収納什器1は、側面化粧板22の下端に、支持部40を備えているとしたが、これに限られない。収納什器1は、支持部40を備えていなくてもよい。この場合、側面化粧板22の下端は、床面Fに直接接地する。
【0074】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…収納什器
10…什器本体
10a…外側面
10b…上面
20…化粧板
21…上面化粧板
22…側面化粧板
28…補助板
30…取付け部
31…第1取付け部材
31a…係合開口部
32…第2取付け部材
32a…係合開口部
34a…傾斜部(第1方向規制部、上下方向規制部)
35…係合突起部
37a…傾斜部(第1方向規制部、上下方向規制部)
38…係合突起部
40…支持部
F…床面
K…開口部
S…収納空間
図1
図2
図3
図4
図5