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特許7443247送信装置および送信方法、並びに受信装置および受信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】送信装置および送信方法、並びに受信装置および受信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/04 20090101AFI20240227BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20240227BHJP
   H04W 76/50 20180101ALI20240227BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240227BHJP
【FI】
H04W74/04
H04W84/18 110
H04W76/50
H04W64/00 120
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020561278
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(86)【国際出願番号】 JP2019047340
(87)【国際公開番号】W WO2020129634
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2018235682
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸雄
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠司
【審査官】青木 健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/212810(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0286957(US,A1)
【文献】特開2017-069593(JP,A)
【文献】特開2017-147484(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自らの個体識別情報と、前記自らと受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する送信制御部と、
前記個体識別情報、時刻情報、および、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らのグループに設定されるグループ識別情報の個数に基づいて、前記グループ識別情報を決定するグループ識別情報決定部とを備え、
前記送信制御部は、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らが属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記自らと前記受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する
送信装置。
【請求項2】
前記送信制御部は、前記特定の通信において、ペイロードに前記自らの個体識別情報を格納させた前記通信データを生成し、前記受信装置への送信を制御する
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
グループ識別情報決定部は、前記個体識別情報、および前記時刻情報を初期値としてLFSR(Linear Feedback Shift Register)を用いたときの、前記グループ識別情報の個数に対応するビット数の擬似乱数を用いて、前記グループ識別情報を決定する
請求項に記載の送信装置。
【請求項4】
緊急事態が発生したときに操作される操作部をさらに含み、
前記時刻情報は、前回の前記特定の通信が完了した時刻、または、前記操作部が操作された時刻を含む
請求項に記載の送信装置。
【請求項5】
前記操作部が操作されたとき、前記送信制御部は、前記特定の通信により、前記通信データを前記受信装置に送信する
請求項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記通信間隔情報と現在時刻情報に基づいて前記通信時刻を決定する通信時刻決定部をさらに含む
請求項1に記載の送信装置。
【請求項7】
現在時刻情報は、GPS(Global Positioning System)装置により取得される時刻情報である
請求項に記載の送信装置。
【請求項8】
前記通信データのペイロードには、前記GPS(Global Positioning System)装置により取得される位置情報が格納される
請求項に記載の送信装置。
【請求項9】
自らの個体識別情報と、前記自らと受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する送信制御部と、前記個体識別情報、時刻情報、および、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らのグループに設定されるグループ識別情報の個数に基づいて、前記グループ識別情報を決定するグループ識別情報決定部とを備えた送信装置の送信方法であって、
前記送信制御部が、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らが属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記自らと前記受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する
送信方法。
【請求項10】
複数の送信装置の個体識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの受信を制御する受信制御部を備え、
前記受信制御部は、特定の通信において、前記複数の前記送信装置を複数のグループに分割したとき、前記送信装置が属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの受信を制御し、
前記グループ識別情報は、前記通信データを送信してきた前記送信装置の個体識別情報、時刻情報、および自らのグループに設定される前記グループ識別情報の個数に基づいて決定される
受信装置。
【請求項11】
前記受信制御部は、受信した前記通信データのペイロードに前記グループ識別情報が格納されているとき、前記特定の通信として、前記通信データの受信を制御する
請求項10に記載の受信装置。
【請求項12】
前記グループ識別情報は、前記個体識別情報、および前記時刻情報を初期値としてLFSR(Linear Feedback Shift Register)を用いたときの、前記グループ識別情報の個数に対応するビット数の擬似乱数を用いて決定される
請求項10に記載の受信装置。
【請求項13】
前記通信時刻は、前記通信間隔情報と現在時刻情報に基づいて決定される
請求項10に記載の受信装置。
【請求項14】
前記現在時刻情報は、GPS(Global Positioning System)装置により取得される時刻情報である
請求項13に記載の受信装置。
【請求項15】
前記通信データのペイロードには、前記送信装置のGPS(Global Positioning System)装置により取得される位置情報が格納される
請求項14に記載の受信装置。
【請求項16】
前記特定の通信は、前記送信装置において、緊急事態が発生したときに操作される操作部が操作されたときに、前記送信装置の位置情報がペイロードに格納された前記通信データが送信される通信である
請求項10に記載の受信装置。
【請求項17】
前記受信制御部により受信された通信データを、中継して他の受信装置に送信する送信制御部をさらに含む
請求項10に記載の受信装置。
【請求項18】
複数の送信装置の個体識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの受信を制御する受信制御部を備えた受信装置における受信方法であって、
前記受信制御部が、特定の通信において、前記複数の前記送信装置を複数のグループに分割したとき、前記送信装置が属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの受信を制御し、
前記グループ識別情報は、前記通信データを送信してきた前記送信装置の個体識別情報、時刻情報、および自らのグループに設定される前記グループ識別情報の個数に基づいて決定される
受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送信装置および送信方法、並びに受信装置および受信方法に関し、特に、LPWA(Low Power Wide Area)通信における受信側の処理負荷を低減できるようにした送信装置および送信方法、並びに受信装置および受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
LPWA(Low Power Wide Area)通信を用いた通信技術が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
LPWA通信は、低ビットレートによる少量のPayloadデータ(100ビット前後)を、IoT端末(送信装置)からIoTゲートウェイ(受信装置)に一方向に送受信する通信であるため、LPWA通信を行なうIoT端末(送信器)においては低消費電力での通信を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6259550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したLPWA通信においては、送信装置からの通信をカバーできる範囲を広くするには、受信装置を広範囲に設置する必要がある。
【0006】
特に、山間部などの電波が届き難い地域においては、サーバ装置にアクセスできるような環境も整っていないので、中継器などを設置することで、通信可能な受信装置に対して受信した送信装置からの信号を中継することで、範囲をカバーすることが考えられる。
【0007】
LPWA通信においては、送信装置における低消費電力を実現させるため、受信装置においては、多くの送信装置からの通信を、タイミングや周波数を変えて、個別に受け付ける必要があり、送信装置の数が多くなる程、受信に要する処理負荷が高くなり、それに伴って、装置構成が大型化し、消費電力も大きくなる。
【0008】
一方、山間部などにおいては、商用電力の供給を受けることができず、太陽電池などの限られた電力供給しか受けられない環境であることが多い。
【0009】
このため、送信装置の処理負荷を低減させることを目的としたLPWA通信において、多くの送信装置からの通信を受け付けて受信装置に中継する中継器を実現するには、LPWA通信における受信側の処理負荷を低減させ、より低消費電力の中継器を実現する必要がある。
【0010】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、特に、LPWA通信において、受信に係る処理負荷を低減するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の第1の側面の送信装置は、自らの個体識別情報と、前記自らと受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する送信制御部と、前記個体識別情報、時刻情報、および、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らのグループに設定されるグループ識別情報の個数に基づいて、前記グループ識別情報を決定するグループ識別情報決定部とを備え、前記送信制御部は、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らが属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記自らと前記受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する送信装置である。
【0012】
本開示の第1の側面の送信方法は、自らの個体識別情報と、前記自らと受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する送信制御部と、前記個体識別情報、時刻情報、および、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らのグループに設定されるグループ識別情報の個数に基づいて、前記グループ識別情報を決定するグループ識別情報決定部とを備えた送信装置の送信方法であって、前記送信制御部が、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らが属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記自らと前記受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する送信方法である
【0013】
本開示の第1の側面においては、自らの個体識別情報と、前記自らと受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの前記受信装置への送信が制御され、前記個体識別情報、時刻情報、および、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らのグループに設定されるグループ識別情報の個数に基づいて、前記グループ識別情報を決定され、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らが属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記自らと前記受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの前記受信装置への送信が制御される。
【0014】
本開示の第2の側面の受信装置は、複数の送信装置の個体識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの受信を制御する受信制御部を備え、前記受信制御部は、特定の通信において、前記複数の前記送信装置を複数のグループに分割したとき、前記送信装置が属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの受信を制御し、前記グループ識別情報は、前記通信データを送信してきた前記送信装置の個体識別情報、時刻情報、および自らのグループに設定される前記グループ識別情報の個数に基づいて決定される受信装置である。
【0015】
本開示の第2の側面の受信方法は、複数の送信装置の個体識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの受信を制御する受信制御部を備えた受信装置における受信方法であって、前記受信制御部が、特定の通信において、前記複数の前記送信装置を複数のグループに分割したとき、前記送信装置が属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの受信を制御し、前記グループ識別情報は、前記通信データを送信してきた前記送信装置の個体識別情報、時刻情報、および自らのグループに設定される前記グループ識別情報の個数に基づいて決定される受信方法である
【0016】
本開示の第2の側面においては、複数の送信装置の個体識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの受信が制御され、特定の通信において、前記複数の前記送信装置を複数のグループに分割したとき、前記送信装置が属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの受信が制御され、前記グループ識別情報は、前記通信データを送信してきた前記送信装置の個体識別情報、時刻情報、および自らのグループに設定される前記グループ識別情報の個数に基づいて決定される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】LPWA通信を用いた片方向通信システムの概要を説明する図である。
図2】本開示の通信システムの概要を説明する図である。
図3図2の通信システムにおいて複数の送信装置をグループ化してグループ単位の特別IDを用いた通信を説明する図である。
図4】送信装置のハードウェア構成例を説明するハードウェア構成図である。
図5】中継器のハードウェア構成例を説明するハードウェア構成図である。
図6図4の送信装置により実現される機能を説明する機能ブロック図である。
図7】送信データのフォーマットを説明する図である。
図8図6の特別ID決定部の構成例を説明する機能ブロック図である。
図9図5の中継器により実現される機能を説明する機能ブロック図である。
図10】送信装置による送信処理を説明するフローチャートである。
図11】中継器による中継処理を説明するフローチャートである。
図12】汎用のパーソナルコンピュータの構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
以下、本技術を実施するための形態について説明する。説明は以下の順序で行う。
1.LPWA通信を用いた片方向通信システムの概要
2.本開示の概要
3.送信装置のハードウェア構成例
4.中継器のハードウェア構成例
5.送信装置により実現される機能の構成例
6.中継器により実現される機能の構成例
7.送信装置による送信処理
8.中継器による中継処理
9.ソフトウェアにより実行させる例
【0020】
<<1.LPWA通信を用いた片方向通信システムの概要>>
図1を参照して、LPWA(Low Power Wide Area)通信を用いた片方向通信システムの概要について説明する。
【0021】
図1のLPWA通信を用いた通信システム11は、送信装置31-1乃至31-q、受信装置32-1乃至32-m、およびサーバ33より構成される。
【0022】
尚、送信装置31-1乃至31-q、および受信装置32-1乃至32-mは、それぞれを特に区別する必要がない場合、単に送信装置31、および受信装置32と称するものとし、その他の構成についても同様に称する。
【0023】
送信装置31は、様々な環境に設けられる各種の図示せぬセンサと共に配置される、または、所定のユーザ等に所持されるものであり、それぞれの環境において、図示せぬセンサにより検出されたセンサデータを取得して、受信装置32を介してサーバ33に送信する。
【0024】
受信装置32は、サーバ33により動作が制御され、送信装置31より送信されるセンサデータを受信し、サーバ33に送信する。
【0025】
サーバ33は、受信装置32の動作を制御するとともに、受信装置32を介して送信装置31より送信されてくるセンサデータを受信し、受信したセンサデータに応じて各種のアプリケーションプログラムを実行させる。
【0026】
送信装置31と受信装置32とは、LPWA通信によりセンサデータが送信される。LPWA通信においては、送信装置31から受信装置32に対して、センサデータが一方向に送信される。
【0027】
より詳細には、複数の送信装置31は、例えば、個々に自らを識別する識別子などを用いた所定の演算により、センサデータを送信する送信時刻、および送信周波数を求め、求められた送信時刻、および送信周波数で受信装置32に向けてセンサデータを送信する。
【0028】
受信装置32は、サーバ33より予めセンサデータを受信することが想定される送信装置31毎の識別子を取得する。受信装置32は、取得した識別子に基づいて、送信装置31における演算と同様の演算により、送信装置31毎のセンサデータが送信されてくる送信時刻、および送信周波数を演算する。そして、受信装置32は、演算した送信時刻、および送信周波数で送信されてくるセンサデータを受信する。
【0029】
このように、送信装置31および受信装置32は、送信装置31の識別子に基づいて演算される送信時刻、および送信周波数でセンサデータを送受信する。
【0030】
結果として、送信装置31は、センサデータを受信装置32に対して一方向に送信するのみでよいため、低消費電力での通信を実現することができる。
【0031】
ところで、図1で示されるように、送信装置31-p,31-qと受信装置32-2との間に通信を妨げる、例えば、山間部などからなる障害物34が存在するような場合、送信装置31-p,31-qと受信装置32-2との通信は不能な状態となる。
【0032】
<<2.本開示の概要>>
そこで、本開示の通信システムおいては、図2で示されるように、送信装置131と受信装置132との間に中継器141を構成し、中継器141を介して送信装置131および受信装置132が送受信する構成とする。
【0033】
より詳細には、図2の通信システム101は、送信装置131乃至131-q、受信装置132-1乃至132-m、サーバ133、および中継器141-1,141-2を備えている。
【0034】
尚、送信装置131、受信装置132、およびサーバ133のそれぞれの基本的な機能は、図1の送信装置31、受信装置32、およびサーバ33と同様である。
【0035】
中継器141は、送信装置131より送信されてくるペイロードにセンサデータを含む送信データを受信して、受信装置132に対して送信する。
【0036】
尚、図2においては、送信装置131からの送信データは、全て中継器141が中継して受信装置132に送信するように表現されているが、送信装置131からの信号が、中継器141よりも受信装置132において受信し易い環境においては、受信装置132が直接受信するようにしてもよい。
【0037】
また、ここで、送信装置131は、例えば、緊急事態の発生を通知するための警報ブザーのような構成である。より詳細には、警報ブザーとしての送信装置131は、緊急時に操作される操作部を備えており、操作部が操作されると、内蔵されるGPS部により現在位置の情報を取得し、緊急事態の発生を知らせる情報と共に、中継器141を介して受信装置132に送信する。
【0038】
受信装置132は、位置情報を含む緊急事態の発生を知らせる情報を取得するとサーバ133に出力する。
【0039】
サーバ133は、受信装置132から緊急事態の発生を知らせる情報に基づいて、警察や警備会社に対して位置情報と共に通報する。
【0040】
すなわち、本開示の通信システム101は、全体として防犯システムを想定している。
【0041】
また、中継器141は、山間部などの障害物34による通信の障害を回避可能な空間に設けられるものであり、一般の受信装置132のように商用電力を用いた大型の構成ではなく、例えば、山間部における山頂部などの太陽電池などの自然エネルギーやバッテリなどの小容量の電力により可動するものとなる。
【0042】
このため、中継器141は、受信装置132の構成よりもより小型で低消費電力である必要がある。
【0043】
上述したように、LPWA通信においては、送信装置131の個数が増大すると、受信側の装置において、送信装置131の個数分だけ送信時間、および送信周波数などを変化させて、様々な送信装置131からの送信信号の受信に備える必要が生じ、受信に係る処理負荷と処理時間が増大する。
【0044】
結果として、送信装置131の個数が増大すると、受信側における処理負荷や処理時間の増大により、消費電力が増大することになる。
【0045】
しかしながら、本開示の通信システム101は、全体として防犯システムを想定している。
【0046】
このため、小型で低消費電力の中継器141を用いることで、カバーエリアを、山間部を含めた広範なものとする必要がある。
【0047】
上述したように、送信装置131の個別の送信時間、および送信周波数のパターンは、送信装置131を識別する識別子を用いて設定されるものであるので、送信装置131の個数が増大しても、変化させるべき送信時間、および送信周波数のパターン数が増大しなければ、受信側の装置における処理負荷や処理時間は抑制させることができる。
【0048】
そこで、本開示においては、図3で示されるように、送信装置131を複数のグループに分けて、グループ毎に識別子を設定し、グループ単位の識別子を用いて、送信時間、および送信周波数を設定することで、受信側の処理負荷や処理時間を低減させる。
【0049】
ここで、同一グループ内において、同時に、複数の送信装置131からの送信処理が発生し、衝突を起す恐れがあるため、グループ単位の識別子は、1つのグループに対して複数に設定されるようにしてもよい。ただし、同一グループ内の複数の送信装置131において、同時に送信処理が発生し、衝突を起す確率は非常に低いので、グループを構成する送信装置131の数に対して十分に少ない数の複数の識別子が設定されればよい。また、グループを構成する送信装置131の数がそれほど多くない場合については、衝突の可能性は低いので、グループ単位の識別子は1個であってもよい。
【0050】
また、送信データのヘッダは、通常は、個別の送信装置131の識別子が格納されるため、どの送信装置131が送信したものであるのかを識別することができる。
【0051】
しかしながら、グループ毎の識別子を用いた場合、送信装置131の個別の識別子に代えて、グループ毎の識別子が格納されることになるので、送信データを送信してきた送信装置131が属するグループは特定できるが、どの送信装置131であるのかを特定することができなくなる。
【0052】
そこで、本開示においては、グループ毎の識別子をヘッダに格納する場合には、ペイロードの一部に送信装置131の識別子を格納させることにより、送信データの送信元となる送信装置131を特定できるようにする。
【0053】
すなわち、図3においては、例えば、送信装置131の識別子がID=1乃至ID=aまでの送信装置131-1乃至131-aをグループGAに設定し、グループ毎の識別子を特別ID=A,B,C,Dに設定する。
【0054】
また、送信装置131の識別子がID=b乃至ID=gまでの送信装置131-b乃至131-gをグループGBに設定し、グループ毎の識別子を特別ID=E,Fに設定する。
【0055】
さらに、送信装置131の識別子がID=h乃至ID=nまでの送信装置131-h乃至131-nをグループGCに設定し、グループ毎の識別子を特別ID=Cに設定する。
【0056】
送信装置131を個別の識別子で管理した場合、ID=1乃至nのn種類の送信時刻と送信周波数のパターンを切り換えて受信処理を管理する必要があった。
【0057】
しかしながら、図3の中継器141においては、特別ID=A,B,Cの3種類の送信時間、および送信周波数のパターンを設定し、切り換えて受信処理を行うのみでよくなるため、受信処理に係る処理負荷や処理時間を低減させることが可能となる。
【0058】
例えば、数千台程度の送信装置131が存在するような場合、例えば、8グループ程度に分割すると、中継器141における受信処理に係る処理負荷や処理時間は数百分の1程度となる。
【0059】
結果として、中継器141は、低電力化を実現することが可能となり、例えば、太陽光発電システムやバッテリなどの小容量の電力利用することで、商用電力の供給が受けられない環境においても中継器としての機能を実現することが可能となる。
【0060】
また、グループ毎の識別子を用いる場合には、送信データのペイロードに個別の識別子を格納することで、送信元となる送信装置131を特定することが可能とされている。
【0061】
<<3.送信装置のハードウェア構成例>>
次に、図4を参照して、送信装置131のハードウェア構成例について説明する。
【0062】
送信装置131は、制御部151、GPS152、操作部153、通信部154、記憶部155、ドライブ156、リムーバブル記憶部157、およびバス158より構成されている。
【0063】
制御部151、GPS152、操作部153、通信部154、記憶部155、ドライブ156、およびリムーバブル記憶部157は、バス158を介して接続されており、相互にデータやプログラムに授受が可能な構成とされている。
【0064】
制御部151は、プロセッサやメモリより構成されており、送信装置131の動作の全体を制御する。
【0065】
また、制御部151は、緊急事態の発生を報知させる必要があるとき操作される操作部153が操作された場合、通信部GPS152により取得される位置情報に基づいて、送信データを生成する。そして、制御部151は、図3を参照して説明したようにグループを識別する識別子である特別IDに基づいて送信時刻と送信周波数を決定し、通信部154を制御して、送信データを送信する。
【0066】
尚、本開示の送信装置131は、緊急事態の発生を報知させること目的とした、いわゆる警報ブザーとして機能させることを目的としたものであるが、緊急時以外の目的で送信データを送信することもできる。
【0067】
以降においては、緊急事態の発生を目的とした送信を特別送信と称し、それ以外の送信を通常送信と称する。
【0068】
GPS(Global Positioning System)152は、図示せぬ衛星からの信号を受信して、位置情報と共に時刻情報を取得して制御部151に出力する。
【0069】
操作部153は、例えば、緊急時に引き出される紐やボタンなどにより構成され、操作に応じた信号を制御部151に出力する。すなわち、制御部151は、操作部153が操作されるとき、緊急事態が発生したことを認識し、このとき特別送信を行い、それ以外のときの送信は通常送信を行う。
【0070】
通信部154は、制御部151により制御され、LPWA通信により、位置情報からなるセンサデータを含めた送信データを生成して、受信装置132または中継器141に送信する。
【0071】
記憶部155は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、または、半導体メモリなどからなり、制御部151により制御され、各種のデータおよびプログラムを書き込む、または、読み出す。ここでは、送信装置131を識別する固有の識別子(LPWA_ID)を記憶している。
【0072】
ドライブ156は、例えば、半導体メモリなどのリムーバブル記憶部157に対してデータを読み書きする。送信装置131の識別子は、リムーバブル記憶部157に記憶されるようにしてもよい。
【0073】
<<4.中継器のハードウェア構成例>>
次に、図5を参照して、中継器141のハードウェア構成例について説明する。
【0074】
中継器141は、制御部171、GPS172、操作部173、通信部174、記憶部175、ドライブ176、リムーバブル記憶部177、およびバス178より構成されている。制御部171、GPS172、操作部173、通信部174、記憶部175、ドライブ176、およびリムーバブル記憶部177は、バス178を介して接続されており、相互にデータやプログラムに授受が可能な構成とされている。
【0075】
制御部171は、プロセッサやメモリより構成されており、中継器141の動作の全体を制御する。
【0076】
また、制御部171は、予め送信データを送信してくる送信装置131の識別子(LPWA_ID)、および、送信装置131のグループの識別子(特別ID)を、受信装置132、またはサーバ133より取得している。
【0077】
制御部171は、予め、LPWA_IDおよび特別IDのそれぞれについて、どの送信装置131、または、どの送信装置131のグループがどの時刻において、どの送信周波数で送信データを送信してくるのかについて、送信装置131における演算方式と同一の演算により求め、リスト化して記憶する。
【0078】
制御部171は、記憶されたリストに基づいて、送信装置131、または、送信装置131のグループに対応付けられた受信時刻を特定すると共に、対応する送信周波数の情報を読み出す。
【0079】
そして、制御部171は、受信時刻になると、通信部174を制御して、対応する送信周波数により送信されてくる送信データを受信させる。
【0080】
さらに、制御部171は、通信部174を制御して、送信装置131より送信されてきた送信データを、一般的なLPWA通信によりサーバ133に送信させる。この場合、受信装置132は、LPWA通信における送信装置として機能する。
【0081】
GPS(Global Positioning System)172は、図示せぬ衛星からの信号を受信して、位置情報と共に時刻情報を取得して制御部171に出力する。
【0082】
操作部173は、例えば、キーボードや操作ボタンなどにより構成され、操作に応じた信号を制御部171に出力する。
【0083】
通信部174は、制御部171により制御され、LPWA通信により、送信装置131より送信されてくる送信データを受信すると共に受信装置132に送信する。
【0084】
記憶部175は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、または、半導体メモリなどからなり、制御部151により制御され、各種のデータおよびプログラムを書き込む、または、読み出す。記憶部175は、送信データを送信してくる送信装置131を個別に識別する識別子(LPWA_ID)や送信装置131の属するグループを識別する識別子(特別ID)を記憶しており、また、識別子に基づいて、送信装置131において演算される方式と同一の方式で演算により算出された受信時刻、および送信周波数の情報が記憶されている。
【0085】
ドライブ176は、例えば、半導体メモリなどのリムーバブル記憶部177に対してデータを読み書きする。
【0086】
<<5.送信装置により実現される機能の構成例>>
次に、図6の機能ブロック図を参照して、送信装置131により実現される機能について説明する。現実には、送信装置131により実現される機能は、送信装置131における制御部151により実現される。
【0087】
送信装置131は、通常送信パラメータ記憶部201、特別送信パラメータ記憶部202、送信パラメータ選択部203、送信時刻決定部204、選択部205、LPWA_ID記憶部206、特別ID決定部207、ID選択部208、および送信制御部209を備えている。
【0088】
通常送信パラメータ記憶部201は、送信装置131が、通常送信における送信データを送信する際に使用される送信パラメータである通常送信パラメータを記憶している。
【0089】
特別送信パラメータ記憶部202は、送信装置131が、緊急時となるタイミング、すなわち、ユーザにより操作部153が操作される際に使用される送信パラメータである特別送信パラメータを記憶している。
【0090】
LPWA通信は、同一の送信データが規定間隔(スロット期間)内の所定のタイミング(フレーム遅延時間)でチャンネルを切り換えながら複数回連続して送受信される処理が、所定の間隔(バーストインターバル)で繰り返される。
【0091】
送信パラメータとは、このLPWA通信における、規定期間(スロット期間)、規定期間内における所定のタイミング(フレーム遅延時間)、および、切り替えるチャンネルを規定するものである。
【0092】
選択部205は、操作部153の操作の有無に応じて、緊急事態になったことを示す選択信号を送信パラメータ選択部203、およびID選択部208に出力する。
【0093】
送信パラメータ選択部203は、選択部205より供給される選択信号が供給されない場合、すなわち、通常送信の場合、通常送信パラメータ記憶部201に記憶されている通常送信パラメータを読み出して送信時刻決定部204に出力する。
【0094】
また、送信パラメータ選択部203は、選択部205より供給される選択信号が供給された場合、すなわち、緊急事態であり特別送信の場合、特別送信パラメータ記憶部202に記憶されている特別送信パラメータを選択して送信時刻決定部204に供給する。
【0095】
送信時刻決定部204は、送信パラメータ選択部203により選択された通常送信パラメータ、または、特別送信パラメータと、GPS152により取得される現在時刻の情報とに基づいて送信時刻を決定し、特別ID決定部207、および送信制御部209に出力する。この際、送信時刻決定部204は、LPWA通信において送信時刻を決定する際に用いられる演算により送信時刻を決定する。
【0096】
LPWA_ID記憶部206は、送信装置131に固有の識別子であるLPWA_IDを記憶しており、特別ID決定部207、ID選択部208、および送信制御部209に供給する。尚、LPWA_ID記憶部206は、記憶部155に対応する構成である。
【0097】
特別ID決定部207は、送信時刻決定部204より供給される送信時刻と、LPWA_ID記憶部206に記憶されているLPWA_IDとから、送信装置131を所定のグループ数に設定したときの、送信装置131が属するグループの識別子である特別IDを算出し、ID選択部208に出力する。尚、特別ID決定部207の詳細な構成については、図8を参照して詳細を後述する。
【0098】
ID選択部208は、選択部205より供給される緊急事態になったことを示す選択信号が供給されない場合、LPWA_ID記憶部206に記憶されているLPWA_IDを選択してModulationIDとして送信制御部209に出力する。
【0099】
また、ID選択部208は、選択部205より供給される緊急事態になったことを示す選択信号が供給された場合、特別ID決定部207により決定された特別IDを選択してModulationIDとして送信制御部209に出力する。
【0100】
送信制御部209は、送信時刻の情報、およびModulationIDに基づいて、通信部154を制御してGPS152により取得された位置情報をペイロードに格納して中継器141または受信装置132に送信する。
【0101】
この際、ModulationIDが特別IDである場合には、送信制御部209は、図7の上段で示されるようなフォーマットからなる送信データを生成して、通信部154より送信させる。
【0102】
すなわち、送信制御部209は、32bitのヘッダ部に特別IDからなるModulationIDを格納し、さらに、128bitのペイロードのうち、40bitに特別IDを格納すると共に、残りの88bitを用いてGPS152により取得された位置情報を格納し、更に、24bitのCRC部を付与して、送信データを生成する。
【0103】
また、ModulationIDがLPWA_IDである場合には、送信制御部209は、図7の下段で示されるようなフォーマットからなる送信データを生成して、通信部154より送信させる。
【0104】
すなわち、送信制御部209は、32bitのヘッダ部にLPWA_IDを格納し、さらに、128bitのペイロードにGPS152により取得された位置情報を格納し、更に、24bitのCRC部を付与して、送信データを生成する。
【0105】
<特別ID決定部の構成例>
ここで、図8を参照して、特別ID決定部207の構成例について説明する。
【0106】
特別ID決定部207は、LFSR221,222、およびPRN223を備えている。
【0107】
LFSR(Linear Feedback Shift Register)221,222は、それぞれLPWA_ID、および送信時刻を初期値として、特別IDとして設定する所定の個数に応じた、ビット数のLFSR多項式を演算し、演算結果をPRN(擬似乱数生成部)223に出力する。
【0108】
擬似乱数生成部223は、LFSR221,222の演算結果に基づいて、擬似乱数(PRN)を生成することで、所定の個数の特別IDのインデックスとなる値を生成する。
【0109】
すなわち、特別ID決定部207は、LPWA_ID、時刻情報、および自らが属するグループに設定される特別IDの個数の情報に基づいて、所定個数の特別IDのいずれかを特定するインデックスを出力する。従って、ID選択部208は、特別IDを選択する場合、特別ID決定部207より供給されるインデックスに基づいて、予めインデックスと対応付けて設定されている特別IDを選択する。
【0110】
ここで、時刻情報は、例えば、複数の送信装置131により特別送信がなされるとき、異なる特別IDが設定されるようにするためのパラメータであればよく、例えば、前回の送信完了時刻や、操作部153が操作された時刻でよい。また、1つのグループに設定される特別IDの個数は、例えば、ビット単位で指定され、3ビットの場合、8(=23)個のように指定される。
【0111】
この場合、LPWA_IDと時刻情報との情報に基づいて、送信装置131は、1グループに8個の特別IDを割り付ける。
【0112】
従って、1グループに属する送信装置131のうち、8個以上の送信装置131が同時に特別送信する場合、特別IDの衝突が発生することになる。このため、1グループに設定される特別IDの個数は、1グループに設定される送信装置131のうち、同時に特別送信する送信装置131が発生し得る確立等に応じて設定される必要があり、同時に必要とされる可能性のある最大値がカバーされる個数に設定されればよい。
【0113】
以上のような構成により、送信装置131は、緊急事態が発生するような場合において、特別IDをヘッダに付与し、ペイロードにLPWA_IDと位置情報を格納したフォーマットの送信データを生成して中継器141に送信する。
【0114】
<<6.中継器により実現される機能の構成例>>
次に、図9の機能ブロック図を参照して、中継器141により実現される機能について説明する。現実には、中継器141により実現される機能は、中継器141における制御部171により実現される。
【0115】
中継器141は、受信時刻リスト記憶部241、時刻情報取得部242、受信制御部243、特別ID処理部244、および送信制御部245を備えている。
【0116】
受信時刻リスト記憶部241は、送信データが送信されてくる可能性のある全ての送信装置131の特別IDやLPWA_ID毎に割り付けられた送信装置131からの送信データを受信する受信時刻リストの情報を記憶している。
【0117】
尚、受信時刻については、送信装置131と中継器141や受信装置132により共有されている送信パラメータ、および送信装置131の特別IDやLPWA_IDに基づいて、求めることが可能である。
【0118】
そこで、中継器141は、送信データが送信されてくる可能性のある送信装置131の特別IDやLPWA_IDを取得したタイミングで、受信時刻を算出し、受信時刻リスト記憶部241に記憶させるようにしてもよい。
【0119】
送信データが送信されてくる可能性のある送信装置131の特別IDやLPWA_IDは、製造時に記憶部175に記憶させるようにしてもよいし、所定のタイミングで受信装置132を介してサーバ133から供給されるようにしてもよい。
【0120】
さらに、送信装置131が、共有されている送信パラメータにより特定の決まったタイミングで、LPWA_IDを送信する。そして、中継器141が、送信データが送信されてくる可能性のある送信装置131の識別子として、このLPWA_IDを取得して、受信時刻や送信周波数を演算により求めて受信時刻リスト記憶部241に登録するようにしてもよい。
【0121】
また、中継器141は、送信装置131の特別IDやLPWA_IDに基づいて、受信時刻に応じて送信周波数を変更させる処理を繰り返すため、対象となる送信装置131の数が多くなると、すなわち、特別IDやLPWA_IDの数が多くなると受信時刻に応じた送信周波数の変更を頻繁に繰り返す必要が生じるため処理負荷が増大する。
【0122】
そこで、太陽電池やバッテリなど、小容量の電力により稼働する中継器141については、通信対象を特別IDのみとすることで、受信時刻に応じた送信周波数の変更の頻度を低減させることで処理負荷を低減させることが可能となり、中継器141の装置の小型化、軽量化、および低消費電力化を実現させることができる。
【0123】
時刻情報取得部242は、GPS172から供給される現在の時刻情報を取得して受信制御部243および送信制御部245に供給する。
【0124】
受信制御部243は、受信時刻リスト記憶部241に記憶されている受信時刻の情報と、時刻情報取得部242より供給されてくる現在の時刻情報とに基づいて、いずれかの送信装置131から送信されてくる送信データの受信時刻であるか否かを判定する。
【0125】
そして、受信制御部243は、受信時刻になると、特別IDやLPWA_IDに対応するModulationIDに応じて通信部174を制御して、送信データを受信させ、特別ID処理部244に供給させる。
【0126】
特別ID処理部244は、受信された送信データのヘッダに含まれるModulationIDが通常のLPWA_IDであるのか、特別IDであるのかを判定し、特別IDである場合、すなわち、特別送信である場合、ペイロードに格納されているLPWA_IDおよび位置情報を抽出する。そして、特別ID処理部244は、抽出したLPWA_IDをヘッダに格納し、位置情報をペイロードに格納したフォーマットの、中継器141の送信データを生成して送信制御部245に出力する。
【0127】
また、特別ID処理部244は、送信データのヘッダに含まれるModulationIDが通常のLPWA_IDである場合、つまり、通常送信である場合、受信した送信データをそのまま、中継器141の送信データとして送信制御部245に出力する。
【0128】
送信制御部245は、通信部174を制御して、通常のLPWA通信により、中継器141の送信データとして、送信装置131より送信されてきた送信データを中継して受信装置132に送信する。
【0129】
<<7.送信装置による送信処理>>
次に、図10のフローチャートを参照して、送信装置131による送信処理について説明する。
【0130】
ステップS11において、選択部205は、操作部153の操作状態を認識し、何らかのトリガが入ったか否かを判定し、トリガが入るまで同様の処理を繰り返す。
【0131】
ここでいうトリガとは、例えば、緊急事態が発生したことを示す操作や、緊急事態ではなく、通常の操作として、ユーザが自発的に位置情報を送信するような操作をしたか否かを示すものである。
【0132】
従って、何らかの操作がなされるまで、ステップS11の処理が繰り返される。
【0133】
ステップS11において、トリガが入ったとみなされた場合、処理は、ステップS12に進む。
【0134】
ステップS12において、選択部205は、緊急事態が発生したことを示すトリガであり、特別送信であるか否かを判定する。ステップS12において、特別送信である場合、処理は、ステップS13に進む。
【0135】
ステップS13において、選択部205は、送信パラメータ選択部203、およびID選択部208に対して特別送信であることを示す情報を通知する。これに応じて、送信パラメータ選択部203は、特別送信パラメータ記憶部202に記憶されている特別送信パラメータを読み出し送信時刻決定部204に出力する。
【0136】
ステップS14において、送信時刻決定部204は、GPS152により取得される現在時刻の情報と、特別送信パラメータとに基づいて、LPWA通信における演算方式で送信時刻を算出し、特別ID決定部207および送信制御部209に出力する。
【0137】
ステップS15において、特別ID決定部207は、前回の送信完了時刻、または、操作部153が操作された時刻情報等の時刻情報、LPWA_ID記憶部206のLPWA_ID、および特別IDの個数に基づいて、特別IDを決定し、ID選択部208に出力する。
【0138】
ステップS16において、ID選択部208は、特別ID決定部207により決定された特別IDを取得し、ModulationIDとして送信制御部209に出力する。
【0139】
ステップS17において、送信制御部209は、特別IDからなるModulationIDをヘッダとし、LPWA_ID記憶部206に記憶されているLPWA_IDをペイロードに格納して送信データを生成する。
【0140】
ステップS18において、送信制御部209は、GPS152より位置情報を取得して、LPWA_IDと共にペイロードに格納して送信データを完成させる。
【0141】
ステップS19において、送信制御部209は、GPS152より時刻情報を取得して送信時刻になったか否かを判定し、送信時刻になるまで同様の処理を繰り返す。そして、ステップS19において、送信時刻になった場合、処理は、ステップS20に進む。
【0142】
ステップS20において、送信制御部209は、通信部154を制御して、ModulationIDに対応する送信周波数で、送信データを中継器141、または、受信装置132に送信する。
【0143】
ステップS21において、送信処理の終了が指示されたか否かが判定され、終了が指示されていないと判定された場合、処理は、ステップS11に戻り、それ以降の処理が繰り返される。また、ステップS21において、終了が指示されたと判定された場合、処理は終了する。
【0144】
また、ステップS12において、特別送信ではなく、通常送信であるとみなされた場合、処理は、ステップS22に進む。
【0145】
ステップS22において、送信パラメータ選択部203は、通常送信パラメータ記憶部201に記憶されている通常送信パラメータを読み出して、送信時刻決定部204に出力する。
【0146】
ステップS23において、送信時刻決定部204は、GPS152により取得される現在時刻の情報と、通常送信パラメータとに基づいて、LPWA通信における演算方式で送信時刻を算出し、通常送信パラメータと共に送信制御部209に出力する。
【0147】
ステップS24において、送信制御部209は、LPWA_ID記憶部206に記憶されているLPWA_IDを取得する。
【0148】
ステップS25において、送信制御部209は、LPWA_IDをヘッダにしたフォーマットの送信データを生成する。
【0149】
そして、以降のステップS18乃至S20の処理により、LPWA_IDをヘッダにし、ペイロードに位置情報が格納されたフォーマットの送信データが、LPWA_IDからなるModulationIDに対応する送信周波数で送信される。
【0150】
以上の処理により、緊急事態の発生を通知するような特別送信においては、特別IDがModulationIDに設定されてヘッダに格納され、さらにペイロードに送信装置131固有のLPWA_IDとセンシングデータである位置情報が格納された送信データを送信することが可能となる。
【0151】
<<8.中継器による中継処理>>
次に、図11のフローチャートを参照して、中継器141による中継処理について説明する。
【0152】
ステップS41において、受信制御部243は、時刻情報取得部242より供給される現在時刻の情報に基づいて、受信時刻リスト記憶部241に記憶されている受信時刻の情報を検索し、受信時刻になったか否かを判定し、受信時刻になるまで、同様の処理が繰り返される。
【0153】
ステップS41において、受信時刻になったとみなされた場合、処理は、ステップS42に進む。
【0154】
ステップS42において、受信制御部243は、受信時刻リスト記憶部241において、受信時刻と対応付けて記録されている特別ID、またはLPWA_IDからなるModulationIDに基づいて、通信部174の受信周波数を制御して、送信されてくる送信データを受信させ、特別ID処理部244に出力させる。
【0155】
ステップS43において、特別ID処理部244は、受信した送信データにおけるヘッダに格納されているModulationIDに基づいて、特別IDであるか否か、すなわち、特別送信であるか否かを判定する。特別IDである場合、すなわち、特別送信である場合、処理は、ステップS44に進む。
【0156】
ステップS44において、特別ID処理部244は、受信した送信データのペイロードよりLPWA_IDを読み出す。
【0157】
ステップS45において、特別ID処理部244は、読み出したLPDA_IDをヘッダとし、ペイロードに送信されてきた位置情報を格納した、通常のLPDA通信におけるフォーマットの中継器141の送信データを生成し、送信制御部245に出力する。
【0158】
ステップS46において、送信制御部245は、時刻情報取得部242より供給される現在の時刻情報に基づいて、受信装置132への通常のLPWA通信における送信時刻となったか否かを判定し、送信時刻になるまで、同様の処理が繰り返される。
【0159】
そして、ステップS46において、送信時刻になったと判定された場合、処理は、ステップS47に進む。
【0160】
ステップS47において、送信制御部245は、送信データのヘッダとなるLPWA_IDからなるModulationIDに基づいて、通信部174を制御して、通常のLPWA通信により受信装置132に送信データを送信する。
【0161】
ステップS48において、中継処理の終了が指示されたか否かが判定されて、終了が指示されていないと判定された場合、処理は、ステップS41に戻り、それ以降の処理が繰り返される。また、ステップS48において、終了が指示された場合、処理は終了する。
【0162】
また、ステップS43において、ヘッダが特別IDではない場合、すなわち、LPWA_IDからなるヘッダであり、通常送信である場合、処理は、ステップS49に進む。
【0163】
ステップS49において、特別ID処理部244は、受信した送信装置131から送信されてきた送信データを、そのまま中継器141の送信データとし、処理は、ステップS46に進む。そして、ステップS46乃至S48の処理により、送信データは、通常のLPWA通信により受信装置132に送信される。この一連の処理により、送信装置131から送信されてきた送信データが、中継器141により中継されて、受信装置132に送信される。
【0164】
尚、以上においては、中継器141における中継処理について説明してきたが、受信装置132においても同様の処理により送信データを受信することができる。
【0165】
受信装置132においては、ヘッダに格納されているModulationIDが特別IDであるとき、すなわち、特別送信であるときには、ペイロードに格納されたLPWA_IDが読み出されて、通常送信で受信される送信データと同様に位置情報と対応付けてサーバ133に出力される。
【0166】
以上の処理により、大量の送信装置131を対象とする中継器141であっても、僅かな数の特別IDのみを通信対象とすることで、通信としては、複数の送信装置131からなるグループ用として割り当てられた僅かな種類の送信周波数の切り替え処理をするだけでよくなる。
【0167】
これにより、中継器141における受信処理に係る処理負荷を低減させることができるので、受信設備の小型化、軽量化、および低消費電力化を実現することが可能となる。
【0168】
また、特別IDは、送信時刻に基づいて、ランダムに選択されることになるので、衝突の発生を抑制し、アプリケーションに応じた最大同時通信数を選択することが可能となる。
【0169】
さらに、LPWA通信においては、送信装置131における送信時間の範囲を指定することができるので、複数のグループIDである特別IDが近接する送信時間範囲となるように指定できる。
【0170】
このため、ほぼ同時に複数の送信装置131から特別送信が発生するような状況になったも、中継器141側での中継処理の時間が大きく伸びることがなくなる。
【0171】
いずれにおいても、結果として、商用電源が確保できないような場所であっても、太陽電池やバッテリ等の小容量の電力による中継器を実現させることが可能となる。
【0172】
<<9.ソフトウェアにより実行させる例>>
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0173】
図12は、汎用のコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタフェース1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0174】
入出力インタフェース1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブル記憶媒体1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0175】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブル記憶媒体1011ら読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0176】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0177】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記憶媒体1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0178】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブル記憶媒体1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0179】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0180】
尚、図12におけるCPU1001が、図4の制御部151および図5の制御部171の機能を実現させる。
【0181】
また、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0182】
なお、本開示の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0183】
例えば、本開示は、1つの機能をネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0184】
また、上述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0185】
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
【0186】
尚、本開示は、以下のような構成も取ることができる。
【0187】
<1> 自らの個体識別情報と、前記自らと受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する送信制御部を備え、
前記送信制御部は、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らが属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記自らと前記受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する
送信装置。
<2> 前記送信制御部は、前記特定の通信において、ペイロードに前記自らの個体識別情報を格納させた前記通信データを生成し、前記受信装置への送信を制御する
<1>に記載の送信装置。
<3>前記個体識別情報、時刻情報、および自らのグループに設定される前記グループ識別情報の個数に基づいて、前記グループ識別情報を決定するグループ識別情報決定部をさらに含む
<1>または<2>に記載の送信装置。
<4> グループ識別情報決定部は、前記個体識別情報、および前記時刻情報を初期値としてLFSR(Linear Feedback Shift Register)を用いたときの、前記グループ識別情報の個数に対応するビット数の擬似乱数を用いて、前記グループ識別情報を決定する
<3>に記載の送信装置。
<5> 緊急事態が発生したときに操作される操作部をさらに含み、
前記時刻情報は、前回の前記特定の通信が完了した時刻、または、前記操作部が操作された時刻を含む
<3>に記載の送信装置。
<6> 前記操作部が操作されたとき、前記送信制御部は、前記特定の通信により、前記通信データを前記受信装置に送信する
<5>に記載の送信装置。
<7> 前記通信間隔情報と現在時刻情報に基づいて前記通信時刻を決定する通信時刻決定部をさらに含む
<1>乃至<6>のいずれかに記載の送信装置。
<8> 現在時刻情報は、GPS(Global Positioning System)装置により取得される時刻情報である
<7>に記載の送信装置。
<9> 前記通信データのペイロードには、前記GPS(Global Positioning System)装置により取得される位置情報が格納される
<8>に記載の送信装置。
<10> 自らの個体識別情報と、前記自らと受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する送信制御部を備えた送信装置の送信方法であって、
前記送信制御部が、特定の通信において、前記自らを含めた複数の送信装置を複数のグループに分割したとき、前記自らが属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記自らと前記受信装置とで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの前記受信装置への送信を制御する
送信方法。
<11> 複数の送信装置の個体識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの受信を制御する受信制御部を備え、
前記受信制御部は、特定の通信において、前記複数の前記送信装置を複数のグループに分割したとき、前記送信装置が属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの受信を制御する
受信装置。
<12> 前記受信制御部は、受信した前記通信データのペイロードに前記グループ識別情報が格納されているとき、前記特定の通信として、前記通信データの受信を制御する
<11>に記載の受信装置。
<13> 前記グループ識別情報は、前記通信データを送信してきた前記送信装置の個体識別情報、時刻情報、および自らのグループに設定される前記グループ識別情報の個数に基づいて決定される
<11>または<12>に記載の受信装置。
<14> 前記グループ識別情報は、前記個体識別情報、および前記時刻情報を初期値としてLFSR(Linear Feedback Shift Register)を用いたときの、前記グループ識別情報の個数に対応するビット数の擬似乱数を用いて決定される
<13>に記載の受信装置。
<15> 前記通信時刻は、前記通信間隔情報と現在時刻情報に基づいて決定される
<11>乃至<14>のいずれかに記載の受信装置。
<16> 前記現在時刻情報は、GPS(Global Positioning System)装置により取得される時刻情報である
<15>に記載の受信装置。
<17> 前記通信データのペイロードには、前記送信装置のGPS(Global Positioning System)装置により取得される位置情報が格納される
<16>に記載の受信装置。
<18> 前記特定の通信は、前記送信装置において、緊急事態が発生したときに操作される操作部が操作されたときに、前記送信装置の位置情報がペイロードに格納された前記通信データが送信される通信である
<11>乃至<17>のいずれかに記載の受信装置。
<19> 前記受信制御部により受信された通信データを、中継して他の受信装置に送信する送信制御部をさらに含む
<11>乃至<18>のいずれかに記載の受信装置。
<20> 複数の送信装置の個体識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、通信時刻、および通信周波数で通信データの受信を制御する受信制御部を備えた受信装置における受信方法であって、
前記受信制御部が、特定の通信において、前記複数の前記送信装置を複数のグループに分割したとき、前記送信装置が属するグループに設定されるグループ識別情報と、前記送信装置と自らとで共有している通信間隔情報とに基づいた、前記通信時刻、および前記通信周波数で通信データの受信を制御する
受信方法。
【符号の説明】
【0188】
101 通信システム, 131 送信装置, 132 受信装置, 133 クラウドサーバ, 141 中継器, 151 制御部, 152 GPS, 153 操作部, 154 通信部, 155 記憶部, 156 ドライブ, 157 リムーバブル記憶部, 171 制御部, 172 GPS, 173 操作部, 174 通信部, 175 記憶部, 176 ドライブ, 177 リムーバブル記憶部, 201 通常送信パラメータ記憶部, 202 特別送信パラメータ部, 203 送信パラメータ選択部, 204 送信時刻決定部, 205 選択部, 206 LPWA_ID記憶部, 207 特別ID決定部, 208 ID選択器, 209 送信制御部, 221,222 LFSR, 223 PRN, 241 受信時刻リスト, 242 時刻情報取得部, 243 受信制御部, 244 特別ID処理部, 245 送信制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12