(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】エピネフリンスプレー製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/137 20060101AFI20240227BHJP
A61K 9/72 20060101ALI20240227BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240227BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240227BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240227BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
A61K31/137
A61K9/72
A61K47/02
A61K47/10
A61K47/18
A61P37/08
(21)【出願番号】P 2020569019
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(86)【国際出願番号】 US2019036788
(87)【国際公開番号】W WO2019241401
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-06-07
(32)【優先日】2018-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519371529
【氏名又は名称】ヒクマ・ファーマシューティカルズ・ユー・エス・エイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ポッタ,トリムールティ
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン,クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ニンシン
(72)【発明者】
【氏名】ゴスコンダ,ベンカット
(72)【発明者】
【氏名】チランパリ,チャンデシュワリ
(72)【発明者】
【氏名】イナボル,ラチャナ
(72)【発明者】
【氏名】ナラヤナン,イーシュワラン
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0216199(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0079907(US,A1)
【文献】特表2002-501884(JP,A)
【文献】特表2018-507915(JP,A)
【文献】Asian Pacific Journal of Allergy and Immunology,2016年,Vol.34, No.1,p.38-43
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
約3.885%w/w~約6.356%w/wのエピネフリン又はその塩;
約5%w/wのプロピレングリコール;
約40%w/wのエタノール;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;及び
約0.184%w/w~約0.3%w/wの亜硫酸水素ナトリウム
を含む、エピネフリンスプレー製剤であって、
w/wは、製剤の重量/重量を示す、製剤。
【請求項2】
エピネフリンを約4.702%w/w;
亜硫酸水素ナトリウムを約0.223%w/w含み、さらに
約26.241%w/wの約1.0N規定の塩酸;及び
約23.774%w/wの水
を含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
エピネフリンを約3.885%w/w;
亜硫酸水素ナトリウムを約0.184%w/w含み、
さらに
約21.681%w/wの
約1.0N規定の塩酸;及び
約29.190%w/wの水
を含む、請求項1に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、エピネフリンスプレー製剤を指向する。本発明は、アナフィラキシーの治療を必要とする対象に、エピネフリンスプレー製剤を投与することによって、アナフィラキシーを治療する方法を、さらに指向する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
エピネフリン(すなわち、アドレナリン)は、以下の化学構造を有するカテコールアミンである。
【0003】
【0004】
エピネフリンは、交感神経系のアルファ-及びベータ-アドレナリン作動性レセプターを刺激する。エピネフリンは、これらのアドレナリン作動性レセプターに結合し、以下を含む、生命を脅かすアナフィラキシーの症候の多くの軽減をもたらす:狭窄した軌道を広げる肺の気管支における平滑筋の弛緩;舌及び喉の腫れの軽減及び血圧の上昇をもたらす血管の収縮;ならびに、最終的に、心血管虚脱を予防するか又は回復させる、心拍数の増加。
【0005】
エピネフリンは、注射用(Par Sterile Products,LLCの商標であり、ここから購入可能であるAdrenalin(登録商標))及びオートインジェクター用(Mylan,Inc.の商標であり、ここから購入可能であるEpiPen(登録商標)、及びSanofi Corporationの商標であり、ここから購入可能であるAuvi-Q(登録商標))として市販されている。エピネフリンは、鼻用スプレー(Adrenalin(登録商標))及びエアロゾルスプレー(Primatene(登録商標)Mist、Armstrong Pharmaceuticals,Inc.の商標)として、かねてより入手可能であった。ラセピネフリンは、ネブライザー(S2(登録商標)は、Nephron Pharmaceuticals,Inc.から入手可能である)における私用のための2.25%経口吸入溶液として市販されている。エピネフリンはL-異性体のみから成り、そしてラセピネフリンはL-異性体とD-異性体との50/50混合物であるという点で、エピネフリンは、ラセピネフリンと異なっている。
【0006】
米国特許第8,628,805号は、アドレナリン対亜硫酸水素塩のモル比が1.31~2.20:1である安定的な液体アドレナリン/亜硫酸水素塩組成物を指向する。米国特許出願公開番号2012/0322884A1は、舌下錠剤に組み込まれ得るエピネフリンナノ粒子を指向する。米国特許出願公開番号2007/0202163A1は、12%~48%の間のエピネフリンを含む、舌下投与のためのエピネフリン錠剤を指向する。世界知的財産機構(「W.I.P.O.」)公開番号2014/127018A1は、シクロデキストリンを必要とする安定的な水性エピネフリン製剤を指向する。W.I.P.O.公開番号2014/057365A1は、directedtoan駐車可能なエピネフリン製剤を指向する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第8,628,805号明細書
【文献】米国特許出願公開第2012/0322884号明細書
【文献】米国特許出願公開第2007/0202163号明細書
【文献】国際公開第2014/127018号
【文献】国際公開第2014/057365号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
現在入手可能な種々のエピネフリン製剤が存在するが、迅速発現型スプレー製剤についての需要が、未だ残っている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の要旨
1つの局面において、本発明は、エピネフリンスプレー製剤を指向し、これは、以下を含み:
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩であって、好ましくはこの塩は、クエン酸塩、塩酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、炭酸塩、メシル酸塩及び乳酸塩からなる群から選択される;
約1%w/w~約80%w/w、好ましくは約5%~約77%w/w、より好ましくは約10%~約65%w/w又は約15%~約80%w/wの水;
任意選択的に、約1%w/w~約99%w/wの、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400及びそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒;ならびに
任意選択的に、約0.1%w/w~約60%w/wの少なくとも1種の酸、
ここで、当該製剤は、約2~約7.0のpHを有する。
【0010】
1つの局面において、本発明は、エピネフリンスプレー製剤を指向し、こでは、以下を含み:
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩であって、好ましくはこの塩は、クエン酸塩、塩酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、炭酸塩、メシル酸塩及び乳酸塩からなる群から選択される;
約1%w/w~約99%w/wの、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400及びそれらの組み合わせからなる群から選択される溶媒であって、好ましくはこの溶媒は、水、エタノール及びプロピレングリコールの組み合わせであるか、又は水である;
約0.1%w/w~約60%w/wの少なくとも1種の酸であって、好ましくは、この少なくとも1種の酸は、希塩酸である、
ここで、当該製剤は、約2~約5.5のpHを有する。
【0011】
別の局面において、本発明は、エピネフリンスプレー製剤を指向し、当該製剤は、プロペラントを含まない。
【0012】
別の局面において、本発明は、エピネフリンスプレー製剤を指向し、当該製剤は、ソルビトールを含まない。
【0013】
別の局面において、本発明の溶媒は、約1%w/w~約30%w/wのグリセリンを含む。
【0014】
別の局面において、本発明のエピネフリンスプレー製剤は、カプリル酸を含む浸透増強剤をさらに含み、好ましくは、このカプリル酸は、約0.1%w/w~約10%w/w、より好ましくは約0.1%w/w~約5%w/wの濃度である。
【0015】
別の局面において、本発明の浸透増強剤は、メントール、リモネン、カルボン、メチルキトサン、ポリソルベート類、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸グリセリル、カプロン酸、エナント酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノレン酸、アラキドン酸、塩化ベンゼトニウム、臭化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム(BKC)、塩化セチルピリジニウム、エデト酸二ナトリウム二水和物(EDTA)、デスオキシコール酸ナトリウム、デオキシグリコール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、ヒドロキシベンゾイルアミノカプリル酸ナトリウム(sodium hydroxybenzoyal amino caprylate)、アミノプロピオン酸ドデシルジメチル、L-リシン、オレイン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセリル、クエン酸、ペパーミント油及びそれらの組み合わせからなる群から選択される第2の化合物、好ましくはメントールをさらに含み、好ましくは、このメントールは、約0.1%~約5%w/w、より好ましくは約0.1%~約1%w/wの濃度である。
【0016】
別の局面において、本発明のエピネフリンスプレー製剤は、浸透増強剤を含まない。
【0017】
別の局面において、本発明のエピネフリンスプレー製剤は、塩化ナトリウムを含む等張剤を、さらに含む。
【0018】
別の局面において、本発明のエピネフリンスプレー製剤は、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸、メチオニン、アスコルビン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、チオグリセロール、アルファトコフェロール(ビタミンE)、システイン塩酸塩、塩化ベンザルコニウム(『BKC』)、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、8-ヒドロキシキノリン、ホウ酸、ヒスチジン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される安定剤をさらに含み、好ましくはこの安定剤は、EDTAを約0.005%w/w~約0.5%w/wの濃度で含み、好ましくはこの安定剤は、亜硫酸水素ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム又はそれらの組み合わせを約0.005%w/w~約5%w/wの濃度で含み、そして好ましくはこの安定剤は、BKCを、約0.005%~約0.5%w/wの濃度で含む。
【0019】
別の局面において、本発明のエピネフリンスプレー製剤は、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム(BKC)、安息香酸及びこれらの組み合わせからなる群から選択される保存剤、好ましくは約0.005%w/w~約0.5%w/wの濃度のBKCを、さらに含む。
【0020】
1つの局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;
約2%~約10%w/wのプロピレングリコール;
約20%~約50%w/wのエタノール;及び
約1%~約80%w/wの水を含む、エピネフリンスプレー製剤を提供する。
【0021】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;
約0.1%~約1%の塩化ナトリウム;及び
約1%~約80%w/wの水を含む、エピネフリンスプレー製剤を提供する。
【0022】
別の局面において、本発明は、
約3%~約6%w/wのエピネフリン;
約20%~約30%w/wの約1.0N規定の塩酸;
約0.100%~約0.600w/w亜硫酸水素ナトリウム;
約35%~約45%w/wのエタノール;
約2.5%~約7.5%w/wのプロピレングリコール;及び
約10%~約30%w/wの水を含む、エピネフリンスプレー製剤を提供する。
【0023】
別の局面において、本発明は、
約3%~約10%w/wのエピネフリン;
約20%~約30%w/wの約1.0N規定の塩酸;
約0.3%~約0.8%の塩化ナトリウム;
約0.100%~約0.600w/w亜硫酸水素ナトリウム;及び
約60%~約80%w/wの水を含む、エピネフリンスプレー製剤を提供する。
【0024】
別の局面において、本発明は、
約0.1%~約15%w/wのエピネフリン、又はその塩;
約1%~約65%w/wの約0.1~12N規定の塩酸;
約2%~約60%w/wのエタノール;
約2%~約98%w/wの水;
約1%~約20%w/wのプロピレングリコール;
約0.001%~約1%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.001%~約1%w/wの重亜硫酸ナトリウム;
約0.005%~約1%w/wのEDTA;
任意選択的に、約0.5%~約15%w/wのカプリル酸、約0.1%~約10%w/wのメントール及びそれらの組み合わせからなる群から選択される浸透増強剤;並びに
任意選択的に、約0.001%~約0.1%w/wの濃度の塩化ベンザルコニウムを含む、エピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、当該製剤は、任意選択的に、約3~約7.0のpHを有する。
【0025】
別の局面において、本発明は、
約0.1%~約15%w/wのエピネフリン、又はその塩;
約1%~約65%w/wの約0.1~12N規定の塩酸;
約2%~約98%w/wの水;
約0.001%~約7.5%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.001%~約7.5%w/wの重亜硫酸ナトリウム;
約0.005%~約1%w/wのEDTA;
約0.1%~約1%の塩化ナトリウム;
任意選択的に、約0.001%~約0.1%w/wの濃度の塩化ベンザルコニウムを含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、当該製剤は、任意選択的に約3~約5.5のpHを有する。
【0026】
別の局面において、本発明は、
約0.1%~約15%w/wのエピネフリン、又はその塩;
約1%~約65%w/wの約0.1~12N規定の塩酸;
約2%~約98%w/w、好ましくは約10%~約65%w/wの水;
約0.005%~約1%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.005%~約1%w/wのEDTA;
約0.005%~約0.5%w/wBKC;
任意選択的に、約2%~約60%w/wのエタノール;
任意選択的に、約1%~約20%w/wのプロピレングリコール;
任意選択的に、約0.05%~約5%w/wの塩化ナトリウム;
任意選択的に、約0.001%~約0.1%w/wの濃度の塩化ベンザルコニウムを含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、
ここで、当該製剤は、任意選択的に、約3~約7.0のpHを有する。
【0027】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;及び
約1%~約80%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、
ここで、ヒトへの当該製剤中の7ミリグラムのエピネフリン又はその塩の投与は、少なくとも約1000ピコグラム/ミリリットルのCmax、0.167時間以下のTmax、少なくとも750h*pg/mLのAUClast、少なくとも950h*pg/mLのAUCinf及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーターを、提供する。
【0028】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;及び
約1%~約80%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、
ここで、ヒトへの当該製剤中の8.5ミリグラムのエピネフリン又はその塩の投与は、少なくとも約1400ピコグラム/ミリリットルのCmax、0.267時間以下のTmax、少なくとも1200h*pg/mLのAUClast、少なくとも1400h*pg/mLのAUCinf、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーターを、提供する。
【0029】
別の局面において、本発明は、アナフィラキシーを治療する方法を指向し、当該方法は、アナフィラキシーの治療を必要とする対象に、本発明のエピネフリンスプレー製剤を投与することを含み、好ましくは、投与は、鼻腔内投与又は舌下投与を介して行われ、そしてここで、この対象は、任意選択的に、季節性アレルギーを患っている。
【0030】
別の局面において、本発明は、アナフィラキシーを治療する方法を指向し、当該方法は、アナフィラキシーの治療を必要とする対象に、本発明のエピネフリンスプレー製剤を、単位投薬量を介して、又は1回より多くの投薬量の本製剤を送達する複数投薬量デバイスを介して、好ましくは2回の投薬量の本製剤を送達する二回投薬量デバイスを介して、投与することを含む。
【0031】
別の局面において、本発明は、組立型デバイスを介して本発明のエピネフリン製剤を投与することを含む、アナフィラキシーを治療する方法を、指向する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】
図1。投与後最初の6時間にわたるエピネフリン血漿濃度。
【
図2】
図2。投与後最初の30分間にわたるエピネフリン血漿濃度。
【
図3】
図3。投与後最初の6時間にわたるエピネフリン血漿濃度の片対数プロット。
【
図4】
図4。投与後最初の6時間にわたるエピネフリン血漿濃度。
【
図5】
図5。投与後最初の30分間にわたるエピネフリン血漿濃度。
【発明を実施するための形態】
【0033】
発明の詳細な説明
定義
本出願人らは、改善されたバイオアベイラビリティ、作用のより迅速な発現、及び改善された保存安定性を有するエピネフリンスプレー製剤を見出した。
【0034】
本明細書中で使用される場合、『エピネフリン』とは、塩基をいう。
【0035】
本明細書中で使用される場合、『プロペラント非含有』とは、圧縮ガスを用いずに投与される製剤をいう。
【0036】
本明細書中で使用される場合、『約』によって規定される、量、重量などに関するすべての数値は、各特定の数値±10%である。例えば、語句『約10%w/w』は、『9%w/w~11%w/w』と理解される。したがって、特許請求された数値の10%以内の量が、請求の範囲に含まれる。
【0037】
本明細書中で使用される場合『%w/w』及び『百分率w/w』とは、製剤の総重量の百分率をいう。
【0038】
本明細書中で使用される場合、用語『有効量』とは、治療を必要とする患者を治療するために必要な量をいう。
【0039】
本明細書中で使用される場合、用語『治療する』、『治療すること』又は『治療』は、アナフィラキシーを含むI型アレルギーの症候を緩和又は阻害することをいう。
【0040】
本明細書中で使用される場合、用語『対象』とは、アナフィラキシーを含むI型アレルギーを経験しているヒトをいうが、これに限定されない。
【0041】
本明細書中で使用される場合、用語『アナフィラキシー』とは、同定可能であるか又は同定可能でないアレルゲンと接触した際に対象における複数の器官を巻き込むアレルギー反応をいう。
【0042】
本明細書中で使用される場合、用語『アレルゲン』とは、対象における免疫系応答を起こすことができる任意の化学物質をいい、薬物、食品、植物、昆虫の咬傷及び昆虫の刺傷を含む。
【0043】
本明細書中で使用される場合、用語『季節性アレルギー』とは、アレルギー性鼻炎をいう。季節性アレルギー症候としては、限定されないが、かゆみ、涙目、くしゃみ、鼻水もしくは鼻づまり、鼻甲介の腫れ、鼻腔、喉もしくは耳道のかゆみ、耳のうっ血及び後鼻腔ドレナージが挙げられる。
【0044】
本明細書中で使用される場合、『鼻のうっ血』とは、鼻甲介の腫れの症候をいう。
【0045】
本明細書中で使用される場合、用語『医薬的に受け入れられる』とは、生物対象への投与のために、生物学的に又は他の意味で望ましくないことのない成分をいう。
【0046】
『舌下』とは、舌の下側の血管を介して物質が迅速に吸収されるような、口を介した物質の投与をいう。
【0047】
『鼻腔内』とは、鼻粘膜上皮の任意の部分への組成物の投与をいう。
【0048】
1つの実施形態において、本発明は、エピネフリン、又はその塩を含むエピネフリンスプレー製剤を指向する。
【0049】
好ましいエピネフリン塩としては、クエン酸塩、塩酸塩、ハライド、硫酸塩、重酒石酸塩、酒石酸塩、リン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、炭酸塩、メシル酸塩及び乳酸塩が挙げられる。当業者は、本発明の製剤中に、他の医薬的に受け入れられるエピネフリン塩を使用してもよい。好ましい実施形態において、本製剤は、約0.1%~約15%w/wのエピネフリン等量の、エピネフリン又は医薬的に受け入れられる塩を含む。より好ましい実施形態において、本製剤は、約0.1%~約10%w/wのエピネフリン等量の、エピネフリン又は医薬的に受け入れられる塩を含む。他の最も好ましい実施形態は、約0.1%~約10%w/wのエピネフリン等量の、エピネフリン又は医薬的に受け入れられる塩を含む製剤を含む。最も好ましい実施形態において、エピネフリン濃度は、3%~10%w/wの間である。
【0050】
別の実施形態において、本発明は、エピネフリン又はその塩を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、当該製剤は、プロペラント非含有である。
【0051】
別の実施形態において、本発明は、エピネフリン又はその塩、及び酸、溶媒、安定剤、浸透増強剤、粘度調整剤、甘味料、甘味増強剤、pH調整剤、等張剤及び香料から選択される1種以上の賦形剤を含むエピネフリンスプレー製剤を指向する。
【0052】
好ましい実施形態において、本発明の製剤は、約1%~約65%w/w、より好ましくは約1%~約45%w/wの酸を含む。本発明における使用のために好適な酸としては、限定されないが、塩酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態において、酸は、塩酸もしくはリンゴ酸であり、なおより好ましくは約0.1N~約12Nの塩酸、なおより好ましくは約0.5~約6Nの塩酸、なおより好ましくは約0.5N~約3Nの塩酸、及び最も好ましくは0.5Nもしくは3Nの塩酸である。
【0053】
好ましい実施形態において、本発明の製剤は、約1%~99%w/wの溶媒、好ましくは約30%~約99%w/wの溶媒を含む。
【0054】
本発明における使用のために好適な溶媒としては、限定されないが、水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400及びこれらの組み合わせが挙げられ、より好ましくは水である。
【0055】
好ましい実施形態において、本発明の製剤は、約0.001%~約10%w/w、好ましくは約0.005%~約7.5%w/w、及びなおより好ましくは約0.01%~約5%w/wの安定剤を含む。本発明における使用のために好適な安定剤としては、限定されないが、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸、メチオニン、アスコルビン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、チオグリセロール、アルファトコフェロール(ビタミンE)、システイン塩酸塩、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(『EDTA』)、クエン酸ナトリウム、没食子酸プロピル、8-ヒドロキシキノリン、ホウ酸、ヒスチジン及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態において、安定剤は、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、EDTA二ナトリウム、8-ヒドロキシキノリン及びこれらの組み合わせから選択される。なおより好ましい実施形態において、安定剤は、亜硫酸水素ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、8-ヒドロキシキノリン及びEDTAの組み合わせである。さらに好ましい実施形態において、本発明の製剤は、約0.005%~0.5%w/wのEDTAを、安定剤として含む。より好ましい実施形態において、本発明の製剤は、約0.01%~0.1%のEDTAを、安定剤として含む。最も好ましい実施形態において、本発明の製剤は、約0.05%のEDTAを、安定剤として含む。さらに好ましい実施形態において、本発明の製剤は、亜硫酸水素ナトリウム及び重亜硫酸ナトリウムを、約0.005%~5%w/wの濃度で、抗酸化剤として含む。より好ましい実施形態において、本発明の製剤は、亜硫酸水素ナトリウムもしくは重亜硫酸ナトリウム又はそれらの組み合わせを、抗酸化剤として、約0.05%~1%w/wの濃度で含む。より好ましい実施形態において、本発明の製剤は、亜硫酸水素ナトリウム又は重亜硫酸ナトリウムの組み合わせを、抗酸化剤として、約0.05%~約1%w/w、より好ましくは約0.1%~約0.75%w/wの濃度で含む。最も好ましい実施形態において、本発明の製剤は、亜硫酸水素ナトリウムを、抗酸化剤として、約0.15%もしくは0.3%もしくは0.5%もしくは0.75%w/wの濃度で含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、本発明の製剤は、約0.001%w/w~約15%w/w、好ましくは約0.03%w/w~約12%w/w、及びなおより好ましくは約0.05%~10%w/wの浸透増強剤を含む。
【0057】
本発明における使用のために好適な浸透増強剤としては、限定されないが、カプリル酸、オレイン酸、ポリソルベート80、メントール、EDTA、エデト酸二ナトリウム、塩化セチルピリジニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、クエン酸、デスオキシコール酸ナトリウム、デオキシグリコール酸ナトリウム、オレイン酸グリセリル、L-リシン及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい浸透増強剤は、カプリル酸、メントール又はそれらの組み合わせである。
【0058】
本発明のために好適な粘度調整剤としては、限定されないが、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(『HPMC』)、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、グリセリン、ポリビニルアルコール及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態において、粘度調整剤は、HPMCである。
【0059】
本発明のために好適な甘味料としては、限定されないが、スクラロース、ショ糖、アスパルテーム、サッカリン、デキストロース、マンニトール、グリセリン、キシリトール及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態において、甘味料は、スクラロースである。
【0060】
いくつかの実施形態において、本発明の製剤は、約0.001%~約1%の甘味増強剤を含む。本発明のために好適な甘味増強剤としては、限定されないが、粗及び精製グリチルリチン酸のアンモニウム塩形態が挙げられる。Magnasweet(登録商標)製品(Mafco Worldwide Corporationから入手可能、Magnasweetは、Mafco Worldwide Corporationの踏力商標である)は、粗及び精製グリチルリチン酸のアンモニウム塩形態を使用する。グリチルリチン酸はまた、ナトリウム塩及びカリウム塩形態で純粋な誘導体としても入手可能である。
【0061】
好ましい実施形態において、本発明の製剤は、pH約2.0~約7.0である。より好ましい実施形態において本発明の製剤は、pH約3.0~約5.0である。さらに好ましい実施形態において、本発明の製剤は、pH約4.0~約5.0である。最も好ましい実施形態において本発明の製剤は、pH4.5である。本発明のために好適なpH調整剤としては、限定されないが、塩酸、クエン酸、フマル酸、乳酸、水酸化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0062】
本発明のために好適な保存剤としては、限定されないが、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、安息香酸及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態において、保存剤は、塩化ベンザルコニウムである。より好ましい実施形態において塩化ベンザルコニウムは、約0.01%~約0.02%w/w、より好ましくは0.01%又は0.02%w/wの濃度である。
【0063】
本発明のために好適な香料としては、限定されないが、ペパーミント油、メントール、スペアミント油、シトラス油、シナモン油、ストロベリーフレーバー、チェリーフレーバー、ラズベリーフレーバー、オレンジ油及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0064】
好ましい実施形態において、本発明は、
約2.8%~約4%w/wのエピネフリン又はその塩;
約32%~約38%w/wの0.5~3N規定の塩酸;
約10%~約65%w/wのエタノール;
約2%~約38%w/wの水;
約5%w/wのプロピレングリコール;
約0.1%~約0.75%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.05%w/wのEDTA二ナトリウム;
任意選択的に、約2%~約10%w/wのカプリル酸、約0.5%~約1.0%w/wのメントール及びそれらの組み合わせからなる群から選択される浸透増強剤;ならびに
任意選択的に、約0.01%~約0.02%w/wの濃度の塩化ベンザルコニウム
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、当該製剤は、任意選択的に、約4.5のpHを有する。
【0065】
別の好ましい実施形態において、本発明は、
約3.24%w/wのエピネフリン又はその塩;
約36.2%w/wの0.5規定の塩酸;
約40%w/wのエタノール;
約14.84%w/wの水;
約5%w/wのプロピレングリコール;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;及び
約0.15%~約0.3%w/wの亜硫酸水素ナトリウム
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0066】
別の好ましい実施形態において、本発明は、
約3.117%w/wのエピネフリン、又はその塩;
約34.8%w/wの0.5規定の塩酸;
約20%w/wのエタノール;
約36.87%w/wの水;
約5%w/wのプロピレングリコール;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約0.15%w/wの亜硫酸水素ナトリウム~約0.3%w/wの亜硫酸水素ナトリウム
を含む鼻腔内エピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0067】
別の好ましい実施形態において、本発明は、
約3.04%w/wのエピネフリン、又はその塩;
約33.8%w/wの0.5規定の塩酸;
約62.35%w/wの水;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約0.15%w/wの亜硫酸水素ナトリウム~約0.3%w/wの亜硫酸水素ナトリウム
を含む鼻腔内エピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0068】
以下:
約2.96%w/wのエピネフリン塩基;
約32.93%w/wの約0.5N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.15%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約0.6%w/wの塩化ナトリウム;及び
約63.30%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0069】
以下:
約3.18%w/wのエピネフリン塩基;
約35.47%w/wの約0.5N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.15%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約5%w/wのプロピレングリコール;
約40.0%w/wのエタノール;及び
約16.14%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0070】
以下:
約5.923%w/wのエピネフリン塩基;
約16.46%w/wの約2N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.15%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約0.6%w/wの塩化ナトリウム;及び
約76.81%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0071】
以下:
約5.923%w/wのエピネフリン塩基;
約16.46%w/wの約2N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.30%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約0.6%w/wの塩化ナトリウム;及び
約76.66%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0072】
以下:
約6.356%w/wのエピネフリン塩基;
約17.74%w/wの約2N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.15%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約40.0%w/wのエタノール;
約5%w/wのプロピレングリコール
約30.70%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0073】
以下:
約6.356%w/wのエピネフリン塩基;
約17.74%w/wの2N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.30%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約40.0%w/wのエタノール;
約5%w/wのプロピレングリコール
約30.55%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0074】
以下:
約8.885%w/wのエピネフリン塩基;
約24.70%w/wの約2N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.15%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約0.6%w/wの塩化ナトリウム;及び
約65.61%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0075】
以下:
約8.885%w/wのエピネフリン塩基;
約24.70%w/wの約2N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.45%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約0.6%w/wの塩化ナトリウム;及び
約65.31%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0076】
以下:
約9.534%w/wのエピネフリン塩基;
約26.60%w/wの約2N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.15%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約40.0%w/wのエタノール;
約5%w/wのプロピレングリコール
約18.65%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0077】
以下:
約9.534%w/wのエピネフリン塩基;
約26.60%w/wの約2N規定の塩酸;
約0.05%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.15%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.01%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約40.0%w/wのエタノール;
約5%w/wのプロピレングリコール
約18.35%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤であって、ここで、当該製剤は、約4.5のpHを有する。
【0078】
別の実施形態において、アレルゲンに曝したヒトへの以下の表62の製剤#C1中の6ミリグラムのエピネフリンの投与は、投与後約1分において100ピコグラム/ミリリットルを超えるエピネフリン血漿濃度をもたらす。
【0079】
別の実施形態において、アレルゲンに曝されていないヒトへの以下の表62の製剤#C1中の6ミリグラムのエピネフリンの投与は、投与後約3分において100ピコグラム/ミリリットルを超えるエピネフリン血漿濃度をもたらす。
【0080】
別の実施形態において、アレルゲンに曝したヒトへの以下の表62の製剤#C2中の6ミリグラムのエピネフリンの投与は、投与後約1分において100ピコグラム/ミリリットルを超えるエピネフリン血漿濃度をもたらす。
【0081】
別の実施形態において、アレルゲンに曝したヒトへの以下の表62の製剤#C2中の6ミリグラムのエピネフリンの投与は、投与後約1分において290ピコグラム/ミリリットルを超えるエピネフリン血漿濃度をもたらす。
【0082】
別の実施形態において、アレルゲンに曝されていないヒトへの以下の表62の製剤#C2中の6ミリグラムのエピネフリンの投与は、投与後約3分において100ピコグラム/ミリリットルを超えるエピネフリン血漿濃度をもたらす。
【0083】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;
約2%~約10%w/wのプロピレングリコール;
約20%~約50%w/wのエタノール;及び
約1%~約80%w/wの水、
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、製剤中の7ミリグラムのエピネフリン又はその塩のヒトへの投与は、
少なくとも約1000ピコグラム/ミリリットルのCmax(算術平均)、0.167時間以下のTmax(算術平均)、少なくとも750h*pg/mLのAUClast(算術平均)、少なくとも950h*pg/mLのAUCinf(算術平均)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーター;又は
少なくとも約500ピコグラム/ミリリットルのCmax(幾何平均)、0.167時間以下のTmax、少なくとも約500h*pg/mLのAUClast(幾何平均)、少なくとも約800h*pg/mLのAUCinf(幾何平均)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーター;又は
約1040ピコグラム/ミリリットルのCmax(算術平均)、約0.167時間のTmax(算術平均)、約785h*pg/mLのAUClast(算術平均)、約960h*pg/mLのAUCinf(算術平均)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーター;又は
約536ピコグラム/ミリリットルのCmax(幾何平均)、約521h*pg/mLのAUClast(幾何平均)、約828h*pg/mLのAUCinf(幾何平均)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーター;又は
投与後1分以内における70ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度;
投与後3分以内における750ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度;
投与後5分以内における650ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度;
投与後7分以内における600ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度;又は
投与後10分以内における550ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度を、提供する。
【0084】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;及び
約1%~約80%w/wの水、
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、製剤中の8.5ミリグラムのエピネフリン又はその塩のヒトへの投与は、
少なくとも約1400ピコグラム/ミリリットルのCmax(算術平均)、0.267時間以下のTmax、少なくとも1200h*pg/mLのAUClast(算術平均)、少なくとも1400h*pg/mLのAUCinf(算術平均)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーター;
少なくとも約650ピコグラム/ミリリットルのCmax(幾何平均)、0.267時間以下のTmax、少なくとも約800h*pg/mLのAUClast(幾何平均(geomtericmean))、少なくとも約10000h*pg/mLのAUCinf(幾何平均)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーター;
約1420ピコグラム/ミリリットルのCmax(算術平均)、約0.267時間の中央値Tmax、約1200h*pg/mLのAUClast(算術平均)、約1440h*pg/mLのAUCinf(算術平均)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーター;
約686ピコグラム/ミリリットルのCmax(幾何平均)、約813h*pg/mLのAUClast(幾何平均)、約10308h*pg/mLのAUCinf(幾何平均)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される薬物動態パラメーター;
投与後1分以内における200ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度、
投与後3分以内における850ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度、
投与後5分以内における1000ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度、
投与後7分以内における975ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度、または
投与後10分以内における950ピコグラム/ミリリットルを超える血漿濃度を、提供する。
【0085】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;
約2%~約10%w/wのプロピレングリコール;
約20%~約50%w/wのエタノール;及び
約1%~約80%w/wの水
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、製剤中の7ミリグラムのエピネフリン又はその塩のヒトへの投与は、
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して4.3倍である投与後1分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して1.7倍である投与後3分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して1.3倍である投与後5分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して1.5倍である投与後7分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して1.6倍である投与後10分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して1.8倍である投与後15分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して1.4倍である投与後20分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して1.4倍である投与後30分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して1.7倍である投与後45分における幾何平均血漿濃度;又は
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して2.4倍である投与後60分における幾何平均血漿濃度を提供し、
ここで、第2製剤は、駐車のために、0.3ミリグラムのエピネフリン、1.8ミリグラムの塩化ナトリウム、0.5ミリグラムの重亜硫酸ナトリウム、pHを調整するための塩酸、及び水からなる。
【0086】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;
約2%~約10%w/wのプロピレングリコール;
約20%~約50%w/wのエタノール;及び
約1%~約80%w/wの水、
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、製剤中の8.5ミリグラムのエピネフリン又はその塩のヒトへの投与は、
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して5.3倍である投与後1分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して1.9倍である投与後3分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して2.0倍である投与後5分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して2.4倍である投与後7分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して2.8倍である投与後10分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して2.8倍である投与後15分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して2.4倍である投与後20分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して2.0倍である投与後30分における幾何平均血漿濃度;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して2.7倍である投与後45分における幾何平均血漿濃度;又は
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均血漿濃度と比較して3.4倍である投与後60分における幾何平均血漿濃度を提供し、
ここで、注射用の第2製剤は、0.3ミリグラムのエピネフリン、1.8ミリグラムの塩化ナトリウム、0.5ミリグラムの重亜硫酸ナトリウム、pHを調整するための塩酸、及び水からなる。
【0087】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;
約2%~約10%w/wのプロピレングリコール;
約20%~約50%w/wのエタノール;及び
約1%~約80%w/wの水
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、製剤中の7ミリグラムのエピネフリン又はその塩のヒトへの投与は、
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.017と比較して4.2倍の幾何平均AUC0-0.017;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.05と比較して2倍の幾何平均AUC0-0.5;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.083と比較して1.7倍の幾何平均AUC0-0.083;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.117と比較して1.6倍の幾何平均AUC0-0.117;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.167と比較して1.6倍の幾何平均AUC0-0.167;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.25と比較して1.6倍の幾何平均AUC0-0.25;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.33と比較して1.6倍の幾何平均AUC0-0.33;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.5と比較して1.5倍の幾何平均AUC0-0.5;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.75と比較して1.5倍の幾何平均AUC0-0.75;又は
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-1と比較して1.6倍の幾何平均AUC0-1を提供する。
【0088】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;
約2%~約10%w/wのプロピレングリコール;
約20%~約50%w/wのエタノール;及び
約1%~約80%w/wの水
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、製剤中の8.5ミリグラムのエピネフリン又はその塩のヒトへの投与は、
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.017と比較して5倍の幾何平均AUC0-0.017;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.05と比較して2.3倍の幾何平均AUC0-0.5;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.083と比較して2.1倍の幾何平均AUC0-0.083;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.117と比較して2.1倍の幾何平均AUC0-0.117;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.167と比較して2.3倍の幾何平均AUC0-0.167;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.25と比較して2.5倍の幾何平均AUC0-0.25;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.33と比較して2.5倍の幾何平均AUC0-0.33;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.5と比較して2.4倍の幾何平均AUC0-0.5;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-0.75と比較して2.4倍の幾何平均AUC0-0.75;又は
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均AUC0-1と比較して2.5倍の幾何平均AUC0-1を提供する。
【0089】
別の局面において、本発明は、
約3%~約6%w/wのエピネフリン塩基;
約20%~約30%w/wの約1.0N規定の塩酸;
約0.025%~約0.075%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.15%~約0.30%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.005%~約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約35%~約45%w/wのエタノール;
約2.5%~約7.5%w/wのプロピレングリコール;及び
約20%~約30%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤を、指向する。
【0090】
別の局面において、本発明は、
約3%~約5%w/wのエピネフリン塩基;
約20%~約25%w/wの約1.0N規定の塩酸;
約0.025%~約0.075%w/wのエデト酸二ナトリウム二水和物;
約0.15%~約0.25%w/wの亜硫酸水素ナトリウム;
約0.005%~約0.02%w/wの塩化ベンザルコニウム;
約35%~約45%w/wのエタノール;
約2.5%~約7.5%w/wのプロピレングリコール;及び
約20%~約40%w/wの水を含むエピネフリンスプレー製剤を指向する。
【0091】
別の局面において、本発明は、
約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩;
約2%~約10%w/wのプロピレングリコール;
約20%~約50%w/wのエタノール;及び
約1%~約80%w/wの水、
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、製剤中の7ミリグラムのエピネフリン又はその塩のヒトへの投与は、
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの筋肉内投与後の幾何平均Cmaxと比較して約86.2%である幾何平均Cmax;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後のAUClastと比較して約154%である幾何平均AUClast;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後のAUCinfと比較して約217%である幾何平均AUCinf;
第3製剤中の0.5ミリグラムのエピネフリンの筋肉内投与後の幾何平均Cmaxと比較して約101%である幾何平均Cmax;
第3製剤中の0.5ミリグラムのエピネフリンの投与後のAUClastと比較して約94.5%である幾何平均AUClast;又は
第3製剤中の0.5ミリグラムのエピネフリンの投与後のAUCinfと比較して約120%である幾何平均AUCinfを提供し、
ここで、注射用の第2製剤は、0.3ミリグラムのエピネフリン、1.8ミリグラムの塩化ナトリウム、0.5ミリグラムの重亜硫酸ナトリウム、pHを調整するための塩酸、及び水からなり、及びここで、注射用の第3製剤は、1.0ミリグラムのエピネフリン、6.15ミリグラムの塩化ナトリウム、0.457ミリグラムの重亜硫酸ナトリウム、0.920ミリグラムの水酸化ナトリウム、2.25ミリグラムの酒石酸、0.20ミリグラムのエデト酸二ナトリウム二水和物、pHを調整するための塩酸、ミリグラムのクロロブタノール及び水からなる。
【0092】
別の局面において、本発明は、
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後の幾何平均Cmaxと比較して約111%である幾何平均Cmax;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後のAUClastと比較して約241%である幾何平均AUClast;
第2製剤中の0.3ミリグラムのエピネフリンの投与後のAUCinfと比較して約282%である幾何平均AUCinf;
第3製剤中の0.5ミリグラムのエピネフリンの筋肉内投与後の幾何平均Cmaxと比較して約130%である幾何平均Cmax;
第3製剤中の0.5ミリグラムのエピネフリンの投与後のAUClastと比較して約147%である幾何平均AUClast;又は
第3製剤中の0.5ミリグラムのエピネフリンの投与後のAUCinfと比較して約155%である幾何平均AUCinf、
を含むエピネフリンスプレー製剤を指向し、ここで、注射用の第2製剤は、0.3ミリグラムエピネフリン、1.8ミリグラムの塩化ナトリウム、0.5ミリグラムの重亜硫酸ナトリウム、pHを調整するための塩酸、及び水からなり、及びここで、注射用の第3製剤は、1.0ミリグラムのエピネフリン、6.15ミリグラムの塩化ナトリウム、0.457ミリグラムの重亜硫酸ナトリウム、0.920ミリグラムの水酸化ナトリウム、2.25ミリグラムの酒石酸、0.20ミリグラムのエデト酸二ナトリウム二水和物、pHを調整するための塩酸、ミリグラムのクロロブタノール及び水からなる。
【0093】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにて液滴サイズ分布をもたらすことが可能であり、ここで、平均DV(10)は、投与の間約15~約18ミクロンである。
【0094】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにて液滴サイズ分布をもたらすことが可能であり、ここで、平均DV(50)は、投与の間約30~約34ミクロンである。
【0095】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにて液滴サイズ分布をもたらすことが可能であり、ここで、平均DV(90)は、投与の間約120~約230ミクロンである。
【0096】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにて約3~約7のスプレー範囲((Dv90-Dv10)/Dv50)をもたらすことが可能である。
【0097】
別の実施形態において、本発明の製剤は、6cmにて液滴サイズ分布をもたらすことが可能であり、ここで、平均DV(10)は、投与の間約22~約25ミクロンである。
【0098】
別の実施形態において、本発明の製剤は、6cmにて液滴サイズ分布をもたらすことが可能であり、ここで、平均DV(50)は、投与の間約36~約41ミクロンである。
【0099】
別の実施形態において、本発明の製剤は、6cmにて液滴サイズ分布をもたらすことが可能であり、ここで、平均DV(90)は、投与の間約59~約231ミクロンである。
【0100】
別の実施形態において、本発明の製剤は、6cmにて約1~約6のスプレー範囲((Dv90-Dv10)/Dv50)をもたらすことが可能である。
【0101】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにてスプレーパターンをもたらすことが可能であり、ここで、Dminは、投与の間約18~約23ミリメートルである。
【0102】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにてスプレーパターンをもたらすことが可能であり、ここで、Dmaxは、投与の間約29~約33ミリメートルである。
【0103】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにてスプレーパターンをもたらすことが可能であり、ここで、楕円比は、投与の間約1.4~約1.7である。
【0104】
別の実施形態において、本発明の製剤は、6cmにてスプレーパターンをもたらすことが可能であり、ここで、Dminは、投与の間約26~約33ミリメートルである。
【0105】
別の実施形態において、本発明の製剤は、6cmにてスプレーパターンをもたらすことが可能であり、ここで、Dmaxは、投与の間約47~約52ミリメートルである。
【0106】
別の実施形態において、本発明の製剤は、6cmにてスプレーパターンをもたらすことが可能であり、ここで、楕円比は、投与の間約1.6~約1.9である。
【0107】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにてプルーム幾何学(plume geometry)をもたらすことが可能であり、ここで、角度は、約49°~約64°である。
【0108】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにてプルーム幾何学をもたらすことが可能であり、ここで、幅は、約27~約38ミリメートルである。
【0109】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにてプルーム幾何学をもたらすことが可能であり、ここで、角度は、約37°~約44°である。
【0110】
別の実施形態において、本発明の製剤は、3cmにてプルーム幾何学をもたらすことが可能であり、ここで、幅は、約37~約44ミリメートルである。
【0111】
1つの実施形態において、本発明は、アナフィラキシーを治療する方法を指向し、この方法は、約0.1%w/w~約15%w/wのエピネフリン又はその塩及び約1%~約80%w/wの水を含むエピネフリン製剤を、組立型デバイスを介して投与することを含み、ここで、当該製剤は、約2~約7.0のpHを有する。
【0112】
好ましい実施形態において、組立型デバイスは、容器、プランジャー、カニューレ、スプレーピン、容器ホルダー及び駆動装置又は容器、ピストン及び渦流室を備える。
【0113】
別の好ましい実施形態において、組立型デバイスは、1回以上の投薬量のエピネフリン製剤を送達する。
【0114】
別の好ましい実施形態において、組立型デバイスは、1回の作動の際に1回投薬量のエピネフリン製剤を送達する単位投薬量デバイスであり、250μL以下、好ましくは約237μL、又は140μL、好ましくは約127μLのエピネフリン製剤を含む1つの容器を備える。
【0115】
別の好ましい実施形態において、the組立型デバイスは、1回の作動の際に約200μL又は約100μLの医薬製剤を送達する、単位投薬量デバイスである。
【0116】
別の好ましい実施形態において、組立型デバイスは、2回の作動の際に2回投薬量のエピネフリン製剤を送達する2回投薬量デバイスであり、1回の作動につき約100μLの医薬製剤を送達する。
【0117】
別の好ましい実施形態において、組立型デバイスは、複数の作動の際に複数投薬量のエピネフリン製剤を送達する複数投薬量デバイスであり、1回の作動につき約100μLの医薬溶液を送達する。
【0118】
本開示の実施形態は、本明細書中で開示される本発明概念の単なる例示的な実施形態であり、請求の範囲が他に明示しない限り、限定と理解されるべきではない。
【0119】
以下の実施例は、本発明を説明し、そして当業者に本発明の製剤を使用する方法を教示することを意図するものである。これらは、いかなる意味においても、限定することを意図されない。
【実施例】
【0120】
実施例1
エピネフリンスプレーを、以下の表1に挙げた成分及び量を用いて以下の通りに調製した。溶媒の全てを、使用前に窒素下でパージした。0.5N塩酸(『HCl』)、リンゴ酸、エタノール及びプロピレングリコール、EDTA、塩化ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ならびに8-ヒドロキシキノリンを含む賦形剤を、室温で撹拌しながら水中に溶解した。次いで、エピネフリン塩基を、賦形剤溶液に添加した。最後に、水酸化ナトリウム(『NaOH』)/塩酸(HCl))を使用して、最終pHに調整した。
【0121】
【0122】
実施例2
表1に挙げた製剤を、40℃±2℃/75%±5%相対湿度及び25℃±2℃/60%±5%相対湿度にて安定させた。この製剤の安定性を、特定の時点にて、その効力(アッセイ値)及び不純物レベルを評価することによって分析した。アッセイ及び不純度を、高速液体クロマトグラフィーを紫外線検出器とともに用いて検出した。アッセイを、280nmにて実施し、そして初期濃度の%で示した。全ての不純物について、分析を210nm及び280nmにて実施し、そして%面積で表した。特定の不純物の量を、表2~20に、各製剤の百分率として全不純物とともに列挙した。相対保持時間(『RRT』)を、各不純物について示した。『ND』は、不純物が検出されなかったことを示す。『BQL』は、不純物が定量限度未満であることを示す。
【0123】
【0124】
【0125】
【0126】
【0127】
【0128】
【0129】
【0130】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】
【0136】
【0137】
【0138】
【0139】
【0140】
【0141】
【0142】
製剤#1~#5は、4週(1ヶ月)at40℃±2℃/75%±5%相対湿度にて4週間(1ヶ月)後に全部で3%未満の不純物及び25℃±2℃/60%±5%相対湿度にて4週間(1ヶ月)後に全部で1%未満の不純物しか有さなかった。製剤#6~#8については、製剤#8のみを40°Cにて4週間またはそれより後に分析したが、全部で4.68%の不純物が測定された。製剤#9は、40°Cにて4週間後に全部で2.17%の不純物を示した。製剤#11は、40°Cにて1週間後に全部で1%の不純物を示した。本発明の製剤の優れた驚くべき安定特性により、本製剤は、患者によって使用される場合に、有効となるであろう。
【0143】
製剤4と比較した際、製剤7は、不純物のより早い形成を示し、40℃で1か月を超えて安定しなかった。製剤4は、40℃で保存した際に4ヶ月安定であり、このことは、EDTAがエピネフリン製剤の安定性を上昇させることを示す。
【0144】
実施例3
製剤#4を、凍結融解サイクリングの間の安定性についてさらに試験した。具体的には、製剤#4を、48時間にわたる-20°Cに次ぐ48時間にわたる25°Cの3サイクルを繰り返し、ここで製剤の物理的外観を記録した。本製剤は、全凍結融解サイクルを通して透明かつ無色なままであり、このことは、全体を通して安定な製剤を示す。
【0145】
実施例4
製剤#4のスプレープロフィールを決定するために、これを標準化液滴試験に供した。エピネフリンスプレー製剤を製造する挑戦は、直径10ミクロンを超えるスプレー液滴を作ることを可能にしなければならない。10ミクロン以下のスプレー液滴は、肺に吸入される場合がある。
【0146】
液滴分析を、当業者に公知の標準化レーザー分析手順を用いて実施した。液滴サイズ分布(Dv10、Dv50、Dv90、及び範囲)を、2つの距離、3cm及び6cmにて試験した。Dv10は、容量の10%がそれより小さい液滴サイズを表し;Dv50は、液滴サイズ中央値を表し;Dv90は、全容量の90%がそれより小さい液滴サイズを表し;範囲は、分布範囲(Dv90-Dv10)/Dv50を表す。%<10μmは、直径10μmに満たない液滴の全容量に対する百分率を表す。
【0147】
スプレーパターン、具体的にはDmin、Dmax、及び楕円比を、2つの距離、3cm及び6cmにて試験した。Dminは、スプレーパターンの最も小さな直径をmmで表し、Dmaxは、スプレーパターンの最も大きな直径をmmで表し、及び楕円比は、Dmax対Dminの比を表す。スプレー(spay)パターンを、開口部からの特定の距離においてスプレーに対して垂直なレーザーシートの輝きによって測定する。楕円比は、スプレーポンププルームの形状及び密度に関する情報をもたらすので、有用である。
【0148】
これらの試験の結果を、以下の21~26で示す。
【0149】
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
【0155】
本出願人は、本発明の製剤がスプレー投与のために望ましい液滴サイズを生じたことを、試験の間に見出した。この試験はまた、製剤投薬量が、スプレーポンプによって投与された際に一定を維持したことを明らかにした。
【0156】
実施例5.さらなる水ーアルコールエピネフリンスプレー製剤の調製
さらなるエピネフリンスプレー製剤を、以下の表27に挙げた成分及び量を用いて調製した。全ての溶媒を、使用前に窒素下でパージした。0.5N又は1.0Nの塩酸(『HCl』)、エタノール、プロピレングリコール、EDTA、亜硫酸水素ナトリウム及び/又はカプリル酸を含む賦形剤を、室温で撹拌しながら水中に溶解した。次いで、エピネフリン塩基を、賦形剤溶液に添加した。最後に、水酸化ナトリウム(『NaOH』)/塩酸(『HCl』)を使用して、最終pHに調整した。
【0157】
【0158】
【0159】
【0160】
【0161】
【0162】
表27及び表28に挙げた製剤を、単位投薬量デバイスに充填し、脱酸素剤と共に酸素不透過性パウチ中に包装し次いで40°C±2°C/75%±5%相対湿度及び25°C±2°C/60%±5%相対湿度にて安定させた。この製剤の安定性を、特定の時点にて、その効力(アッセイ値)及び不純物レベルを評価することによって分析した。アッセイ及び不純度を、高速液体クロマトグラフィーを紫外線検出器とともに用いて検出した。アッセイを、280nmにて実施し、そして初期濃度の%で示した。全ての不純物について、分析を210nm及び280nmにて実施し、そして%面積で表した。特定の不純物の量を、表32~55に、各製剤の百分率として全不純物とともに列挙した。相対保持時間(『RRT』)を、各不純物について示した。『ND』は、不純物が検出されなかったことを示す。0.05%未満である任意の不純物を、BQLで示す。NPは、実施しなかったことを表す。
【0163】
【0164】
【0165】
【0166】
【0167】
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
【0181】
【0182】
【0183】
【0184】
【0185】
【0186】
【0187】
上記表27~31に例示した全ての製剤は、安定性試験の間中、透明を保った。製剤を、窒素ブランケット下で単位投薬量スプレーデバイスに充填し、次いで、パウチに包装せず(製剤12~18)、25℃±2℃/60%±5%及び40℃±2℃/75%±5%における加速安定性試験に供し、他方で、製剤(F#19~36)を、脱酸素剤と共にパウチに包装して(製剤12~18)、25℃±2℃/60%±5%及び40℃±2℃/75%±5%における加速安定性試験に供した。パウチに包装しなかった製剤13は、2M/40°Cにて5.64%の不純物Fレベルを示した。しかし、パウチに包装した類似の製剤19は、2M/40°Cにて4.25%の不純物Fレベルを示した。安定性データは、t脱酸素剤と共にパウチに包装したエピネフリンスプレー製剤は、パウチに包装しなかった製剤よりもより安定であることを示唆する。本発明の水ーアルコール製剤及び水性製剤は、室温でならびに40℃±2℃/75%±5にて安定である。
【0188】
パウチ内のエピネフリン6mg水性製剤について、3.49%及び8.86%の不純物Fを、それぞれ製剤#27及び29について、40°C±2°C/75%RH±5%RHにて4ヶ月後に観察した。製剤#27及び29についての40°C±2°C/75%RH±5%RHにて4ヶ月後に、全不純物は、それぞれ、5.05%及び11.22%であることが見出された。同じ強度のパウチ内の水ーアルコール製剤の場合、製剤#28及び30について、それぞれ、3.61%及び8.41%の不純物Fが、同じ期間後に観察された。製剤#28及び30についての全不純物は、40°C±2°C/75%RH±5%RHにて4ヶ月後に、それぞれ、5.91%及び10.04%であることが見出された。
【0189】
パウチ内のエピネフリン9mg水性製剤について、40°C±2°C/75%RH±5%RHにて4ヶ月後に、製剤#31及び33について、それぞれ、2.35%及び9.82%の不純物Fが、観察された。製剤#31及び33についての全不純物は、40°C±2°C/75%RH±5%RHにて4ヶ月後に、それぞれ、4.42%及び12.65%であることが見いだされた。同じ強度のパウチ内の水ーアルコール製剤の場合、製剤#32及び34について、それぞれ、2.50%及び9.61%の不純物Fが、同じ期間後に観察された。製剤#32及び34についての全不純物は、40°C±2°C/75%RH±5%RHにて4ヶ月後に、それぞれ、4.31%及び11.15%であることが見出された。
【0190】
実施例6.エピネフリン製剤についてのミニブタ薬物動態データ
プロトコール設計は、単回投薬量クロスオーバー研究であった。各およそ80~95キログラムの重量の5匹の健康な雄のユカタンミニブタに、エピネフリン製剤を投与した。ミニブタを、一晩、投与後4時間まで絶食させた。各投薬の後、少なくとも1週間の洗い流し期間をおいた。血液サンプルを、投与前及び投薬の2、5、10、15、20、30、45分、1、1.5、2、4、及び24時間後に採取した。ミニブタ血漿サンプルを、液体クロマトグラフィータンデム質量分析を介して、エピネフリン濃度について測定した。
【0191】
以下の薬物動態パラメーターを、算出した:血漿中ピーク濃度(Cmax)、Cmaxに至るまでの時間(Tmax)、及び0時点から投薬24時間後までの濃度-時間曲線下の面積(AUC0-24h)。
【0192】
エピネフリン製剤についての薬物動態行動を、評価した。ミニブタにおけるエピネフリンの単回投薬筋肉内(IM)投与5分後に、エピネフリンの幾何平均血漿濃度は、0.046ng/mLであった。エピネフリンが#M1において処方されそして鼻腔内投与される場合、エピネフリンのより迅速な吸収が観察された。具体的には、#M1は、投薬5分後に、0.26ng/mLの幾何平均エピネフリン血漿濃度を示した。また、0.41ng/mLの血漿濃度が、#M1の鼻腔内投与の2分後という速さで達成されたことに留意した。さらに、#M1は、1.01ng/mLの幾何平均Cmax及び161.0ng*分/Lの幾何平均AUC0-24hを示した。
【0193】
【0194】
【0195】
実施例7.エピネフリン製剤についてのウサギ薬物動態データ
プロトコール設計は、単回投薬量クロスオーバー研究であった。多くのエピネフリン製剤の薬物動態を、およそ2~3キログラムの重量の健康な雄のニュージーランド白ウサギにおいて評価した。各投薬量につき、6匹のウサギを用いた。ウサギを、一晩、投与後4時間まで絶食させた。血液サンプルを、投与前及び投薬の5、10、15、20、30、40分、1、1.5、2、4、及び5時間後に採取した。ウサギ血漿サンプルを、液体クロマトグラフィータンデム質量分析を介して、エピネフリン濃度について測定した。
【0196】
製剤#R1~#R8は、表58及び59において示した。製剤#R9は、エピネフリン重酒石酸塩のスプレー乾燥粉末として存在した。#R9の評価のために、12mgのエピネフリンの等投薬量であるおよそ21.83mgの粉末を、各動物に投薬した。
【0197】
以下の薬物動態パラメーターを、算出した:血漿中ピーク濃度(Cmax)、Cmaxに至るまでの時間(Tmax)及び0時点から投薬24時間後までの濃度-時間曲線下の面積(AUC0-24h)。
【0198】
エピネフリン製剤についての薬物動態行動を、評価した。ミニブタにおけるエピネフリンの単回投薬IM投与5分後に、エピネフリンの平均血漿濃度は、0.988ng/mLであった。比較として、エピネフリンの舌下投与は、より早いフェーズにおいてエピネフリンの同様な吸収を可能にした。具体的には、#R9は、投薬5分後に、0.0.814ng/mLの平均エピネフリン血漿濃度を示した。また、0.713ng/mLの血漿濃度が、#R6の舌下投与の5分後に達成されたことに留意した。さらに、#R9は、7.0ng/mLの幾何平均Cmax及び1050.1ng*分/Lの幾何平均AUC0-24hを示した。
【0199】
【0200】
【0201】
【0202】
【0203】
実施例8.エピネフリンスプレー製剤の鼻腔内投与
方法
【0204】
【0205】
プロトコール設計は、季節性アレルギーを有する成人における鼻腔内製剤のバイオアベイラビリティを評価するための、第I相、概念証明、単回投薬量非盲検、5回処置、クロスオーバー研究であった。この研究は、EpiPen(登録商標)(0.3ミリグラムのエピネフリン、1.8ミリグラムの塩化ナトリウム、0.5ミリグラムの重亜硫酸ナトリウム、pHを調整するための塩酸、及び水、注射用)を介した、本発明の製剤中のエピネフリンの単回投薬量3ミリグラム及び6ミリグラム投薬量対エピネフリンの単回0.3ミリグラム筋肉内投薬量のバイオアベイラビリティを評価した。50人の対象を、無作為に5つのグループの1つに入れ、本発明の水性製剤の3ミリグラムの鼻腔内投薬量、本発明の水ーアルコール製剤の3ミリグラムの鼻腔内投薬量、発明の水性製剤の6ミリグラムの鼻腔内投薬量、本発明の水ーアルコール製剤の6ミリグラムの鼻腔内投薬量及び0.3ミリグラムの筋肉内投薬量を、1及び2期は対象において季節性アレルギーを発症させるアレルゲンの非存在下で及び3期及び4期はアレルゲンの存在下で投与される4期間にわたって投与した。血漿濃度を、投薬後-60、-30、0、1、3、5、10、15、20、30、40、50、60、75、90、120、180、240及び360分に採取した。
【0206】
結果
【0207】
【0208】
【0209】
【0210】
表63~65及び
図1~3に示す通り、アレルゲンの存在下で本発明の水アルコール製剤中6ミリグラムのエピネフリンを投与された対象は、全ての他のコホートよりより高いC
maxを有した。さらに、
図1~3に示されるように、アレルゲンの非存在下で0.3ミリグラムのエピネフリンを筋肉内注射で投与された対象は、アレルゲン非存在下の全ての他のコホートよりも高いC
maxを有した。水性又は水アルコール製剤のいずれかを受けた対象の中で、水アルコール製剤を受けた対象は、アレルゲンの非存在下及び存在下の両方において、全サンプルを通して水性製剤を受けた対象よりも高いC
maxを有した。エピネフリン血漿濃度は、全ての製剤について投薬30分後まで、100pg/mLよりも高かった。さらに、本発明の全ての製剤について、アレルゲンの曝露に関わらず、投薬の5分後以内で、エピネフリン血漿濃度は、100pg/mLより高かった。水アルコール製剤を投与された対象は、水性製剤と比較して、6時間までの全サンプリング時間全体を通して、より高い曝露を有した。
【0211】
結論として、本発明の鼻腔内製剤のバイオアベイラビリティは、良好であるか、又は、季節性アレルギーを経験しているかまたはしていない両方の対象において、筋肉内注射の製剤より良好である。
【0212】
実施例9.Epipen(登録商標)による本発明の鼻腔内製剤とIM Adrenalinとの比較
方法
これは、7mg(組成物#37の2スプレー)及び8.5mg(組成物#38の2スプレー)のエピネフリンを含む水ーアルコールエピネフリン鼻用スプレーの2種の試験製剤の、エピネフリンIM注射、EpiPen(登録商標)(筋肉内投与された0.30mg)、及びエピネフリンIM注射、Adrenalin(登録商標)(筋肉内投与された0.50mg;Adrenalin(登録商標)、1.0ミリグラムのエピネフリン、6.15ミリグラムの塩化ナトリウム、0.457ミリグラムの重亜硫酸ナトリウム、0.920ミリグラムの水酸化ナトリウム、2.25ミリグラムの酒石酸、0.20ミリグラムのエデト酸二ナトリウム二水和物、pHを調整するための塩酸、ミリグラムのクロロブタノール及び水、注射用を含む)の参照製剤と比較した、薬物動態を評価するための、単回投薬量、非盲検、無作為化、4回処置、4方向クロスオーバー研究であった。研究処置のための各投薬量を、24時間の洗い流し期間によって隔離した。健康なボランティア対象に、少なくとも10時間の一晩の絶食後、水ーアルコールエピネフリン鼻用スプレー(7mg及び8.5mg)及びエピネフリンIM注射(EpiPen(登録商標)[0.30mg]及びAdrenalin(登録商標)[0.50mg])を与えた。
【0213】
この研究は、5つの期間からなる:スクリーニング期間及び4つの処置期間。スクリーニングの間(-28日目~-1日目)、対象は、インフォームドコンセントに署名し、次いで、適格者判定を受ける。スクリーニングプロセスの首尾よい完了に基づき、およそ48人の対象を含めた。対象に、割り当てた処置順に従って、1日目期間1、2日目期間2、3日目期間3、4日目期間4に、各試験製剤の単回投薬量及び各参照製剤の単回投薬量を与えた。対象を、10時間の絶食を確実に守らせるために閉じ込め、5日目に全ての手順が完了するまでそのままにした。各投薬量投与の少なくとも4時間後まで、食事を一切許可しなかった。各投薬量投与の1時間前から1時間後まで、水の摂取も許さなかった。食事を、決められた時間に供した。薬物動態(PK)分析のための血液サンプルを、研究薬物の各投薬前及び投薬後複数回採取した。安全性及び耐用性を、研究を通して評価した。
【0214】
薬物動態:
サンプル採取時間:全量で288mL(72×4mLのサンプル)の血液を、薬物動態分析のために、各対象から採取した。エピネフリン分析のための血液サンプル(1×4mL)を、K2-EDTAを保存剤として含むバキュテナー管に、各研究期間につき-60及び-30分、0時間(投薬前)、投薬後1、3、5、7、10、15、20、30、及び45分;ならびに1、1.5、2、3、4、及び6時間(18時点)にて採集した。投薬前血液サンプルを、研究薬物の各投薬前60分以内に採集した。
【0215】
生物分析法:エピネフリンの血漿濃度を、検証された(validated)液体クロマトグラフィーをタンデム質量分析(LC/MS/MS)アッセイとともに、10.0pg/mLの定量下限値(LLOQ)を用いて、分析した。
【0216】
PKパラメーター:エピネフリンの血漿濃度(基線校正あり又はなし)を、以下のPKパラメーターを非区画化(noncompartmental)PK分析(NCA)を用いて決定するために用いた:
1. 観測された最大血漿濃度(Cmax)、
2. 最大血漿濃度に至るまでの時間(tmax)、
3. 0時点から最後に濃度を測定した時間までの曲線下の面積(AUClast)、
4. 無限まで外装した曲線下の面積(AUC0-inf)、
5. 最初の測定可能な(0ではない)濃度までの時間(tlag)、
6. 半減期(t1/2)、
7. 最後の定量可能な濃度(Clast)、及びこの濃度に対応する時間(tlast)、
8. 血管外投与後の明らかな全身クリアランス(CL/F)、
9. 最終相における明らかな分布容積(Vz/F)、及び
10. 試験製剤についての参照製剤と比較した相対的なエピネフリンのバイオアベイラビリティ(Frel)。
【0217】
基線校正を、-1、-0.5、及び0時間時点でのエピネフリン濃度の平均を各投薬後濃度から減算することによって実施した。0未満の基線校正した濃度は、0pg/mLと設定した。
【0218】
結果
【0219】
【0220】
【0221】
【0222】
【0223】
表66で示される通り、組成物#37及び#38の鼻腔内投与は、Epipen(登録商標)又は筋肉内アドレナリンのいずれよりも、投与5分後に高い血漿濃度をもたらす。実際、8.5mg投薬量の組成物#38は、Epipen(登録商標)又は筋肉内アドレナリンのいずれにおいても、2倍以上高い血漿濃度をもたらした。エピネフリンの血漿濃度は、組成物#37又は#38を投与された対象において、Epipen(登録商標)又は筋肉内アドレナリンよりも、投与後6時間にわたって高いままだった。
【0224】
表67で示される通り、組成物#37及び#38の鼻腔内投与は、Epipen(登録商標)又は筋肉内アドレナリンのいずれよりも、高いCmax、AUClast及びAUC0-infをもたらす。実際、組成物#37及び#38の投与は、Epipen(登録商標)よりも1.4及び1.8倍高いCmaxをもたらした。
【0225】
表68で示される通り、組成物#37及び#38の鼻腔内投与は、EpiPen(登録商標)と比較して、Adrenalin(登録商標)IM注射よりも、高いエピネフリン血漿濃度をもたらした。実際、組成物#37及び#38の投与は、EpiPen(登録商標)と比較して、4.3倍及び5.3倍高い、1分後のエピネフリン血漿濃度をもたらした。
【0226】
表69で示される通り、組成物#37及び#38の鼻腔内投与は、EpiPen(登録商標)と比較して、Adrenalin(登録商標)IM注射よりも、ずっと高いエピネフリンAUCの比をもたらした。実際、組成物#37及び#38の投与は、EpiPen(登録商標)と比較して、4.2倍及び5倍高い、1分後のエピネフリンAUCをもたらした。