(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】エアゾール送達装置のためのジェスチャ認識ユーザインターフェース
(51)【国際特許分類】
A24F 40/51 20200101AFI20240227BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20240227BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/53
(21)【出願番号】P 2021000360
(22)【出願日】2021-01-05
(62)【分割の表示】P 2017530612の分割
【原出願日】2015-12-04
【審査請求日】2021-01-22
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-11
(32)【優先日】2014-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド・シー・ジュニア・ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン・クリストファー・ラム
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ランドール・ストーン
(72)【発明者】
【氏名】グレン・ジョージフ・キムジー
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・フィリップ・アンポリーニ
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】水野 治彦
【審判官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2012-0094400(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0093046(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0036346(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/50
A24F40/60
A24F47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール送達装置であって、
ハウジングと、
マイクロプロセッサと、
文字をトレースするための、それによってジェスチャを実行するための前記ハウジングとのユーザインタラクションによって生じる前記エアゾール送達装置の定義されたモーションを検出するように構成されたモーションセンサと
を備え、
前記モーションセンサは、前記定義されたモーションを、前記エアゾール送達装置の前記定義されたモーションに関するデータを伝達する電気信号に変換するように構成されており、
前記データは、前記エアゾール送達装置の
速度のサンプル、または前記
速度のサンプルを決定可能なデータを含み、
前記マイクロプロセッサは、前記電気信号を受信し、前記
速度のサンプルに基づいて、前記文字を認識し、それによって、前記ジェスチャおよび前記ジェスチャが関連付けられる動作を認識して、前記動作を実行するために前記エアゾール送達装置を制御するように構成されている、エアゾール送達装置。
【請求項2】
前記モーションセンサが、傾斜センサ、微小電気機械システムベース(MEMSベース)加速度計、MEMSベースジャイロスコープ、またはそれらの1つ以上の組み合わせを含む、請求項1に記載のエアゾール送達装置。
【請求項3】
前記マイクロプロセッサが、前記文字を認識し、それによって前記ジェスチャを認識するように構成されることは、前記マイクロプロセッサが前記
速度のサンプルにおけるパターンを認識するように構成されていることを含み、前記パターンは、前記文字およびそれによる前記ジェスチャと関連付けられており、
前記パターンは、それぞれの複数の動作と関連付けられたそれぞれの複数のジェスチャと関連付けられた複数のパターンのうちの1つである、請求項1に記載のエアゾール送達装置。
【請求項4】
前記マイクロプロセッサが、前記ジェスチャを認識するように構成される前に、前記マイクロプロセッサが、前記動作のユーザ選択を受信して、前記モーションセンサからの別の電気信号によって伝達されるトレーニングデータに基づいて、前記動作が関連付けられる前記ジェスチャを認識することを学習するように構成され、
前記別の電気信号が、前記定義されたモーションと同じまたは実質的に同様であるトレーニングモーションから変換される、請求項1に記載のエアゾール送達装置。
【請求項5】
前記動作が、前記エアゾール送達装置の電力状態を変更することを含む、請求項1に記載のエアゾール送達装置。
【請求項6】
前記動作が、前記エアゾール送達装置のロック状態を変更することを含む、請求項1に記載のエアゾール送達装置。
【請求項7】
電力を前記エアゾール送達装置に供給するように構成されたバッテリをさらに備え、
前記マイクロプロセッサが、前記動作を実行するために前記エアゾール送達装置を制御するように構成されていることは、前記マイクロプロセッサが、前記バッテリの充電レベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御するように構成されていることを含む、請求項1に記載のエアゾール送達装置。
【請求項8】
エアゾール前駆体組成物を中に保持するように構成された貯蔵器をさらに備え、
前記マイクロプロセッサが、前記動作を実行するために、前記エアゾール送達装置を制御するように構成されていることは、前記マイクロプロセッサが、前記貯蔵器中に保持された前記エアゾール前駆体組成物のレベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御するように構成されていることを含む、請求項1に記載のエアゾール送達装置。
【請求項9】
システムであって、
ハウジングを有するエアゾール送達装置と、
前記ハウジング内に配置されたモーションセンサであって、文字をトレースするための、それによってジェスチャを実行するための前記エアゾール送達装置とのユーザインタラクションによって生じる定義されたモーションを検出するように構成されたモーションセンサと
を備え、
前記モーションセンサは、前記定義されたモーションを、前記エアゾール送達装置の前記定義されたモーションに関するデータを伝達する電気信号に変換するように構成されており、
前記データは、前記エアゾール送達装置の
速度のサンプル、または前記
速度のサンプルを決定可能なデータを含み、
前記エアゾール送達装置は、前記電気信号を受信し、前記
速度のサンプルに基づいて、前記文字を認識し、それによって、前記ジェスチャおよび前記ジェスチャが関連付けられる動作を認識して、前記動作を実行するために前記エアゾール送達装置を制御するように構成されている、システム。
【請求項10】
前記モーションセンサが、傾斜センサ、微小電気機械システムベース(MEMSベース)加速度計、MEMSベースジャイロスコープ、または
それらの1つ以上の組み合わせを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記エアゾール送達装置が、前記文字を認識し、それによって前記ジェスチャを認識するように構成されることは、前記エアゾール送達装置が前記
速度のサンプルにおけるパターンを認識するように構成されていることを含み、前記パターンは、前記文字およびそれによる前記ジェスチャと関連付けられており、
前記パターンは、それぞれの複数の動作と関連付けられたそれぞれの複数のジェスチャと関連付けられた複数のパターンのうちの1つである、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記エアゾール送達装置が、前記ジェスチャを認識するように構成される前に、前記エアゾール送達装置が、前記動作のユーザ選択を受信して、前記モーションセンサからの別の電気信号によって伝達されるトレーニングデータに基づいて、前記動作が関連付けられる前記ジェスチャを認識することを学習するように構成され、
前記別の電気信号が、前記定義されたモーションと同じまたは実質的に同様であるトレーニングモーションから変換される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記動作が、前記エアゾール送達装置の電力状態を変更することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記動作が、前記エアゾール送達装置のロック状態を変更することを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記エアゾール送達装置は、電力を前記エアゾール送達装置に供給するように構成されたバッテリをさらに備え、
前記動作を実行するために、前記エアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御することは、前記バッテリの充電レベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御することを含む請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記エアゾール送達装置は、エアゾール前駆体組成物を中に保持するように構成された貯蔵器をさらに備え、
前記動作を実行するために、前記エアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御することが、前記貯蔵器中に保持された前記エアゾール前駆体組成物のレベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御することを含む、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、喫煙物品などのエアゾール送達装置に関し、より詳細には、エアゾールを生成するために電気的に発生させた熱を利用し得るエアゾール送達装置(例えば、一般的に電子シガレットと呼ばれる喫煙物品)に関する。喫煙物品は、エアゾール前駆体を加熱するように構成されてもよく、エアゾール前駆体は、タバコから作製されても、もしくはタバコ由来であってもよい材料を組み込んでもよく、またはタバコを組み込んでもよく、前駆体は、人間が消費するために吸入可能な物質を形成することができる。
【背景技術】
【0002】
使用するのにタバコを燃焼させる必要がある喫煙製品に対する改良品または代替品として長年にわたって、多くの喫煙装置が提案されてきた。それらの装置の多くは、シガレット、葉巻、またはパイプ喫煙と関連する感覚を提供するが、タバコを燃やすことによって生じる、相当量の不完全燃焼生成物及び熱分解生成物を送達しないように意図的に設計されている。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を蒸発または加熱するか、またはタバコを有意な程度に燃やすことなく、シガレット、葉巻、またはパイプ喫煙の感覚を提供しようとする多数の喫煙物品、香味発生器、及び医薬吸入器が提案されてきた。例えば、Robinsonらに対する米国特許第7,726,320号、Griffith Jr.らに対する米国特許出願公開第2013/0255702号、及びSearsらに対する米国特許出願公開第2014/0096781号で説明されている背景技術に記載された種々の代替的な喫煙物品、エアゾール送達装置、発熱源を参照されたい。これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。また、例えば、2014年2月3日に出願されたBlessらに対する米国特許出願第14/170,838号において商標名及び商業的供給業者を用いて言及される、種々のタイプの喫煙物品、エアゾール送達装置、及び電気駆動発熱源も参照されたい。この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
シガレット、葉巻、またはパイプ喫煙の感覚を提供するために、電気エネルギーによって生成された熱を利用し、タバコを任意の有意な程度に燃焼または熱分解させることなくそれを行い、燃焼熱源を必要とすることなくそれを行い、かつ相当量の不完全燃焼生成物及び熱分解生成物を必ずしも送達することなくそれを行う喫煙物品を提供することが望ましい。さらに、電子喫煙物品の製造に関する進歩が望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【発明の概要】
【0005】
本開示は、エアゾール送達装置、このような装置を形成する方法、及びこのような装置の要素に関する。本開示の例示的な実装形態の一態様に従い、エアゾール送達装置が提供される。エアゾール送達装置は、ハウジング、モーションセンサ、及びマイクロプロセッサを含む。いくつかの例において、モーションセンサは、傾斜センサ、微小電気機械システムベース(MEMSベース)加速度計、MEMSベースジャイロスコープ、またはそれらの1つ以上の組み合わせを含む。モーションセンサは、ハウジング内にあり、ジェスチャを実行するための、例えば、文字をトレースするためのハウジングとのユーザインタラクションによって生じるエアゾール送達装置の定義されたモーションを検出するように構成されている。モーションセンサは、定義されたモーションを電気信号に変換するように構成されてもよい。
【0006】
マイクロプロセッサまたはモーションセンサは、電気信号を受信し、電気信号に基づいて、ジェスチャ及びジェスチャと関連付けられた動作を認識して、動作を実行するためにエアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御するように構成されてもよい。いくつかの例において、電気信号は、エアゾール送達装置の定義されたモーションについてのデータを伝達する。これらの例において、マイクロプロセッサは、ジェスチャを認識するように構成されてもよく、例えば、マイクロプロセッサは、ジェスチャと関連付けられている、データ中のパターンを認識するように構成されている。また、いくつかのさらなる例において、パターンは、それぞれの複数の動作と関連付けられたそれぞれの複数のジェスチャと関連付けられた複数のパターンのうちの1つである。
【0007】
いくつかの例において、ジェスチャは、ユーザ定義であってもよい。これらの例において、マイクロプロセッサは、ジェスチャを認識するように構成されてもよい。また、事前に、マイクロプロセッサは、動作のユーザ選択を受信して、モーションセンサからの別の電気信号によって伝達されるトレーニングデータに基づいて、動作が関連付けられるジェスチャを認識することを学習するように構成され、この別の電気信号は、定義されたモーションと同じまたは実質的に同様であるトレーニングモーションから変換される。
【0008】
いくつかの例において、動作は、エアゾール送達装置の電力状態を変更すること、またはエアゾール送達装置のロック状態を変更することを含んでもよい。
【0009】
いくつかの例において、マイクロプロセッサは、動作を実行するために、エアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御するように構成されてもよく、例えば、マイクロプロセッサは、電力をエアゾール送達装置に供給するように構成されたバッテリの充電レベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御するように構成されている。
【0010】
いくつかの例において、マイクロプロセッサは、動作を実行するために、エアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御するように構成されてもよく、例えば、マイクロプロセッサは、エアゾール送達装置の貯蔵器中に保持されたエアゾール前駆体組成物のレベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御するように構成されている。
【0011】
例示的な実装形態の別の態様において、エアゾール送達装置の動作を制御するための方法であって、エアゾール送達装置が、そのハウジング内にモーションセンサを含み、マイクロプロセッサを含む、方法が提供される。本明細書において述べられる特徴、機能、及び利点は、種々の例示的な実装形態において独立して実現してもよく、または以下の説明及び図面を参照しながら見ることができるさらなる詳細をさらに他の例示的な実装形態に組み合わせてもよい。
【0012】
このため、本開示は、限定されることなく、以下の例示的な実装形態を含む。
【0013】
例示的な実装形態1:エアゾール送達装置であって、ハウジングと、マイクロプロセッサと、ハウジング内にあり、ジェスチャを実行するためのハウジングとのユーザインタラクションによって生じるエアゾール送達装置の定義されたモーションを検出するように構成されたモーションセンサであって、定義されたモーションを電気信号に変換するように構成されている、モーションセンサと、を備え、マイクロプロセッサまたはモーションセンサが、電気信号を受信し、電気信号に基づいて、ジェスチャ及びジェスチャと関連付けられた動作を認識して、動作を実行するためにエアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御するように構成される、エアゾール送達装置。
【0014】
例示的な実装形態2:モーションセンサが、傾斜センサ、微小電気機械システムベース(MEMSベース)加速度計、MEMSベースジャイロスコープ、またはそれらの1つ以上の組み合わせを含む、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載のエアゾール送達装置、またはそれらの組み合わせ。
【0015】
例示的な実装形態3:電気信号が、エアゾール送達装置の定義されたモーションについてのデータを伝達し、マイクロプロセッサが、ジェスチャを認識するように構成され、例えば、マイクロプロセッサが、ジェスチャと関連付けられている、データ中のパターンを認識するように構成されている、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載のエアゾール送達装置、またはそれらの組み合わせ。
【0016】
例示的な実装形態4:パターンが、それぞれの複数の動作と関連付けられたそれぞれの複数のジェスチャと関連付けられた複数のパターンのうちの1つである、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載のエアゾール送達装置、またはそれらの組み合わせ。
【0017】
例示的な実装形態5:マイクロプロセッサが、ジェスチャを認識するように構成され、マイクロプロセッサが、ジェスチャを認識するように構成される前に、マイクロプロセッサが、動作のユーザ選択を受信して、モーションセンサからの別の電気信号によって伝達されるトレーニングデータに基づいて、動作が関連付けられるジェスチャを認識することを学習するように構成され、別の電気信号が、定義されたモーションと同じまたは実質的に同様であるトレーニングモーションから変換される、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載のエアゾール送達装置、またはそれらの組み合わせ。
【0018】
例示的な実装形態6:エアゾール送達装置の定義されたモーションが、文字をトレースするためのハウジングとのユーザインタラクションによって生じる、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載のエアゾール送達装置、またはそれらの組み合わせ。
【0019】
例示的な実装形態7:動作が、エアゾール送達装置の電力状態を変更することを含む、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載のエアゾール送達装置、またはそれらの組み合わせ。
【0020】
例示的な実装形態8:動作が、エアゾール送達装置のロック状態を変更することを含む、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載のエアゾール送達装置、またはそれらの組み合わせ。
【0021】
例示的な実装形態9:電力をエアゾール送達装置に供給するように構成されたバッテリをさらに備え、マイクロプロセッサが、動作を実行するために、エアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御するように構成され、例えば、マイクロプロセッサが、バッテリの充電レベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御するように構成されている、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載のエアゾール送達装置、またはそれらの組み合わせ。
【0022】
例示的な実装形態10:エアゾール送達装置が、エアゾール前駆体組成物を中に保持するように構成された貯蔵器をさらに備え、マイクロプロセッサが、動作を実行するために、エアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御するように構成され、例えば、マイクロプロセッサが、貯蔵器中に保持されたエアゾール前駆体組成物のレベルの表示を提供するために、感覚フィードバック部材を制御するように構成されている、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載のエアゾール送達装置、またはそれらの組み合わせ。
【0023】
例示的な実装形態11:エアゾール送達装置の動作を制御する方法であって、エアゾール送達装置が、そのハウジング内にモーションセンサを含み、マイクロプロセッサを含み、方法が、ジェスチャを実行するためのハウジングとのユーザインタラクションによって生じるエアゾール送達装置の定義されたモーションを、定義されたモーションを電気信号に変換するモーションセンサによって検出することと、電気信号に基づいて、
ジェスチャ及びジェスチャと関連付けられた動作を、マイクロプロセッサまたはモーションセンサによって認識することと、動作を実行するために、エアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御することと、を含む、方法。
【0024】
例示的な実装形態12:モーションセンサが、傾斜センサ、微小電気機械システムベース(MEMSベース)加速度計、MEMSベースジャイロスコープ、またはそれらの1つ以上の組み合わせを含む、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載の方法、またはそれらの組み合わせ。
【0025】
例示的な実装形態13:電気信号が、エアゾール送達装置の定義されたモーションについてのデータを伝達し、ジェスチャを認識することが、ジェスチャと関連付けられている、データ中のパターンを認識することを含む、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載の方法、またはそれらの組み合わせ。
【0026】
例示的な実装形態14:パターンが、それぞれの複数の動作と関連付けられたそれぞれの複数のジェスチャと関連付けられた複数のパターンのうちの1つである、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載の方法、またはそれらの組み合わせ。
【0027】
例示的な実装形態15:ジェスチャが、マイクロプロセッサによって認識され、方法が、マイクロプロセッサがジェスチャを認識する前に、マイクロプロセッサで動作のユーザ選択を受信することと、マイクロプロセッサによって、モーションセンサからの別の電気信号によって伝達されるトレーニングデータに基づいて、動作が関連付けられるジェスチャを認識するように学習することと、をさらに含み、別の電気信号が、定義されたモーションと同じまたは実質的に同様であるトレーニングモーションから変換される、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載の方法、またはそれらの組み合わせ。
【0028】
例示的な実装形態16:エアゾール送達装置の定義されたモーションが、文字をトレースするためのハウジングとのユーザインタラクションによって生じる、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載の方法、またはそれらの組み合わせ。
【0029】
例示的な実装形態17:動作が、エアゾール送達装置の電力状態を変更することを含む、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載の方法、またはそれらの組み合わせ。
【0030】
例示的な実装形態18:動作が、エアゾール送達装置のロック状態を変更することを含む、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載の方法、またはそれらの組み合わせ。
【0031】
例示的な実装形態19:エアゾール送達装置が、電力をエアゾール送達装置に供給するように構成されたバッテリをさらに含み、動作を実行するためにエアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御することが、バッテリの充電レベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御することを含む、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載の方法、またはそれらの組み合わせ。
【0032】
例示的な実装形態20:エアゾール送達装置が、エアゾール前駆体組成物を中に保持するように構成された貯蔵器をさらに含み、動作を実行するためにエアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御することが、貯蔵器中に保持されたエアゾール前駆体組成物のレベルの表示を提供するために、感覚フィードバック部材を制御することを含む、任意の先行する、もしくは後続の例示的な実施形態に記載の方法、またはそれらの組み合わせ。
【0033】
この発明の概要は、本開示のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、いくつかの例示的な実施形態を単に要約する目的のためだけに提供される。したがって、上記の例示的な実施形態は、単なる例であり、いかなる形であれ本開示の範囲または趣旨を狭めるものと解釈するべきではない。この点に関しては、本開示のこれらの及び他の特徴、態様、及び利点は、簡潔に後述する添付の図面とともに以下の発明を実施するための形態を読むことにより明らかになる。本発明は、このような特徴または要素が、本明細書における特定の実施形態の説明に明示的に組み合わされるかどうかにかかわらず、上記の実施形態のうちの2つ、3つ、4つ以上の任意の組み合わせ、及び本開示に記載の任意の2つ、3つ、4つ以上の特徴または要素の組み合わせを含む。本開示は、全体的に読まれることを意図しており、そのため、その種々の態様及び実施形態のいずれにおいて、開示された発明の任意の分離可能な特徴または要素は、その内容について別段の明確な指示がない限り、組み合わせ可能であることを意図すると見るべきである。
【0034】
このため、上記の一般的な用語において本開示を説明するときに、添付の図面を参照するが、必ずしも尺度通りに描かれているものではない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本開示の種々の例示的な実装形態によるエアゾール送達装置において利用し得る種々の要素を含む、カートリッジ及び制御本体を備えるエアゾール送達装置の部分断面図である。
【
図2】例示的な実装形態によるエアゾール送達装置において使用するための多軸加速度計を概略的に例証する図である。
【
図3】大文字「L」をトレースするための時間に対する速度及び位置のグラフである。
【
図4】大文字「L」をトレースするための時間に対する速度及び位置のグラフである。
【
図5】大文字「L」をトレースするための時間に対する速度及び位置のグラフである。
【
図6】大文字「U」をトレースするための時間に対する速度及び位置のグラフである(ともに感度が2gの62.5Hzのサンプリングレート)。
【
図7】大文字「U」をトレースするための時間に対する速度及び位置のグラフである(ともに感度が2gの62.5Hzのサンプリングレート)。
【
図8】例示的な実装形態によるエアゾール送達装置であって、そのハウジング内にモーションセンサを含み、マイクロプロセッサを含むエアゾール送達装置の動作を制御する方法における種々の動作を例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示は、その例示的な実装形態を参照して、以下をより完全に説明する。これらの例示的な実装形態は、本開示を完全なものにし、完成させ、本開示の範囲を当業者に十分に伝達するように記載される。実際、本開示は、多くの様々な形態で具体化され得、本明細書において記載される実装形態に限定されると解釈すべきではなく、むしろ、本開示が適用可能な法的要件を満たすように、これらの実装形態が提供される。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「その(the)」などは、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0037】
後述するように、本開示の例示的な実装形態は、エアゾール送達システムに関する。本開示によるエアゾール送達システムは、吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用して、材料を加熱し(好ましくは、任意の有意な程度まで材料を燃焼させることなく)、このようなシステムの構成要素は、物品の形態を有し、最も好ましくは、手持ち式装置とみなされるほどに十分にコンパクトである。すなわち、好ましいエアゾール送達システムの構成要素の使用は、エアゾールが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味で、煙の生成をもたらさないのではなく、むしろ、それらの好ましいシステムの使用は、中に組み込まれたある特定の構成要素の揮発または蒸発から生じる蒸気の生成をもたらす。いくつかの例示的な実装形態において、エアゾール送達システムの構成要素は、電子シガレットとして特徴付けてもよく、それらの電子シガレットは、最も好ましくは、タバコ及び/またはタバコ由来の成分を組み込み、ひいては、エアゾールの形態でタバコ由来成分を送達する。
【0038】
ある特定の好ましいエアゾール送達システムのエアゾール発生部品は、タバコに火を付け燃やすことによって用いられるシガレット、葉巻、またはパイプの喫煙(ひいては、タバコの煙を吸入する)の多くの感覚(例えば、吸入及び呼気習慣、味または香味のタイプ、感覚刺激効果、物理的感触、使用習慣、視覚的合図、例えば、可視エアゾールによって提供されるものなど)をそれらの任意の構成要素を実質的な程度に燃焼させることなく提供し得る。例えば、本開示のエアゾール発生部品のユーザは、喫煙者が従来のタイプの喫煙物品を用いるのと極めて同じようにその部品を保持して使用し、その部品によって生成されたエアゾールを吸入するためにその部品の一端を利用し、選択された時間間隔で、煙を取り込むまたは吸い込むなどを行うことができる。
【0039】
本開示のエアゾール送達システムは、蒸気生成物品または薬物送達物品として特徴付けることもできる。したがって、このような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で1つ以上の物質(例えば、香味及び/または医薬活性成分)を提供するように適合することができる。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相である物質)の形態であることができる。あるいは、吸入可能な物質は、エアゾール(すなわち、気体中の微細固体粒子または液滴の浮遊物)の形態であることができる。簡潔にするために、本明細書で使用される「エアゾール」という用語は、可視であるか否かを問わず、及び煙様であるとみなされるかもしれない形態であるか否かを問わず、人間の吸入に好適な形態またはタイプの蒸気、気体、及びエアゾールを含むことを意味する。
【0040】
本開示のエアゾール送達システムは、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に提供された多くの構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は、変えることができ、エアゾール送達装置の全体的なサイズ及び形状を画定することができる外側本体のフォーマットまたは構成を変えることができる。典型的には、シガレットまたは葉巻の形状に類似する細長い本体は、単一から形成することができ、一体型ハウジングまたは細長いハウジングは、2つ以上の分離可能な本体から形成することができる。例えば、エアゾール送達装置は、形状において実質的に管状であり、したがって、従来のシガレットまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を備えることができる。1つの例において、エアゾール送達装置の構成要素のすべてが1つのハウジング内に含有されている。あるいは、エアゾール送達装置は、接合かつ分離可能な2つ以上のハウジングを備えることができる。例えば、エアゾール送達装置は、一端において、1つ以上の再利用可能な構成要素(例えば、その物品の動作を制御するための充電式バッテリ及び種々の電子機器)を含有するハウジングを備える制御本体、ならびに一端に取り外し可能に取り付けられた他端において、使い捨て可能な部分(例えば、使い捨て可能な香味含有カートリッジ)を含有する外側本体またはシェルを保有することができる。
【0041】
本開示のエアゾール送達装置は、最も好ましくは、電源のいくつかの組み合わせ(すなわち、電力源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素、例えば、マイクロプロセッサへの電流を個々にまたはマイクロコントローラの一部として制御することによって、例えば、発熱のための電力を作動、制御、調整、及び停止するための手段)、加熱器または発熱部材(例えば、電気抵抗加熱要素または他の構成要素。単独または1つ以上のさらなる要素との組み合わせは、一般に「噴霧器」と呼ばれ得る)、エアゾール前駆体組成物(例えば、一般に、十分な熱を印加するとエアゾールを産生することができる液体、例えば一般に「煙ジュース」、「e液体」、及び「eジュース」と呼ばれる成分)、ならびにエアゾールを吸入するためにエアゾール送達装置を利用可能にするマウスエンド領域またはティップ(例えば、発生したエアゾールを吸い込む際にそこから抜き取ることができるように物品を通る画定された気流路)を備える。
【0042】
本開示のエアゾール送達システム内の構成要素のより具体的なフォーマット、構成、及び配置は、以下に提供されるさらなる開示を考慮すると明白となる。加えて、種々のエアゾール送達システムの構成要素の選択及び配置は、市販の電子エアゾール送達装置、例えば本開示の背景技術の項において参照されたその代表的な製品を考慮して、理解することができる。
【0043】
種々の例において、エアゾール送達装置は、エアゾール前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器を備えることができる。貯蔵器は、特に、多孔質材料(例えば、繊維状材料)で形成することができ、このため、多孔質基材(例えば、繊維状基材)と呼ばれてもよい。
【0044】
エアゾール送達装置中の貯蔵器として有用な繊維状基材は、複数の繊維またはフィラメントで形成された織布または不織布材料であり得、天然繊維及び合成繊維のうちの一方または両方で形成することができる。例えば、繊維状基材は、ガラス繊維材料を含んでもよい。特定の例において、酢酸セルロース材料を使用することができる。他の例示的な実装形態において、炭素材料を使用することができる。貯蔵器は、実質的に容器の形態であってもよく、中に含まれた繊維状材料を含んでもよい。
【0045】
本開示によるエアゾール送達装置100の1つの例示的な実装形態が
図1に提供される。
図1に例証された断面図で分かるように、エアゾール送達装置は、機能的関係において永続的または取り外し可能に整合することができる制御本体102及びカートリッジ104を備えることができる。制御本体及びカートリッジの係合は、圧入(例証するように)、ねじ込み、締まりばめ、磁石などであり得る。特に、例えば、本明細書においてさらに記載される接続構成要素を使用してもよい。例えば、制御本体は、カートリッジ上のコネクタを係合するように適合されたカプラを含んでもよい。
【0046】
特定の例示的な実装形態において、制御本体102及びカートリッジ104の一方または両方は、使い捨て可能または再利用可能であると称されてもよい。例えば、制御本体は、交換可能なバッテリまたは再充電可能なバッテリを有してもよく、このため、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルによって、典型的な電気コンセントへの接続、カーチャージャ(すなわち、シガーソケット)への接続、及びコンピュータへの接続を含む任意のタイプの再充電技術と組み合わせてもよい。例えば、一端においてUSBコネクタ及び反対端において制御本体コネクタを含むアダプタは、Novakらに対する米国特許出願第2014/0261495号に開示されており、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、いくつかの例において、カートリッジは、Changらに対する米国特許出願第2014/0060555号に開示されているように、使い捨てのカートリッジを含んでもよく、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0047】
図1に例証するように、制御本体102は、制御構成要素108(例えば、マイクロプロセッサ、個々にまたはマイクロコントローラの一部として)、流量センサ110、バッテリ112、及び発光ダイオード(LED)114を含むことができる制御本体シェル106で形成することができ、このような構成要素は、可変的に整合することができる。LEDに加えて、またはLEDの代替として、さらなるインジケータ(例えば、触覚型フィードバック構成要素、音声フィードバック構成要素など)を含むことができる。カートリッジ104は、貯蔵器ハウジング中に保存されたエアゾール前駆体組成物を加熱器122(場合により、発熱体と呼ばれる)に吸い取る、または輸送するように適合された液体輸送要素120と流体的に連通する貯蔵器118を囲むカートリッジシェル116で形成することができる。いくつかの例において、弁は、貯蔵器と加熱器との間に位置付けられ、貯蔵器から加熱器へ通過するまたは送達されるエアゾール前駆体組成物の量を制御するように構成されてもよい。
【0048】
電流が印加されると熱を生成するように構成された材料の種々の例を用いて加熱器122を形成してもよい。これらの例における加熱器は、ワイヤコイルなどの抵抗発熱体であってもよい。ワイヤコイルが形成され得る例示的な材料としては、カンタル(FeCrAl)、ニクロム、二ケイ化モリブデン(MoSi
2)、ケイ化モリブデン(MoSi)、アルミニウムでドープされた二ケイ化モリブデン(Mo(Si,Al)
2)、グラファイト及びグラファイト系材料(例えば、炭素系フォーム及び糸)、ならびにセラミックス(例えば、正または負温度係数セラミックス)が挙げられる。本開示によるエアゾール送達装置に有用な加熱器または加熱部材の例示的な実装形態をさらに後述し、本明細書において記載される
図1に例証されるような装置に組み込むことができる。
【0049】
開口124は、カートリッジシェル116中に存在し(例えば、マウスエンドにおいて)、形成されたエアゾールがカートリッジ104から出て行くのを可能にする。このような構成要素は、カートリッジ中に存在し得る構成要素の代表であり、本開示によって包含されるカートリッジ構成要素の範囲を限定することを意図しない。
【0050】
カートリッジ104はまた、集積回路、メモリ構成要素、センサなどを含んでもよい1つ以上の電子構成要素126を含んでもよい。電子構成要素は、制御構成要素108及び/または有線もしくは無線手段によって外部装置と通信するように適合されてもよい。電子構成要素は、カートリッジまたはその基部128内のどこに位置付けてもよい。
【0051】
制御構成要素108及び流量センサ110は、別個に例証されているが、制御構成要素及び流量センサは、気流センサが直接取り付けられた電子回路基板として組み合わせてもよい。さらに、電子回路基板は、電子回路基板が制御本体の中心軸と縦方向に平行であり得るという点で、
図1の例証に対して水平に位置付けられてもよい。いくつかの例において、気流センサは、気流センサを取り付けることができる、それ自体の回路基板または他の基部要素を備えてもよい。いくつかの例において、フレキシブル回路基板を利用してもよい。フレキシブル回路基板は、実質的に管形状を含む、種々の形状に構成されてもよい。いくつかの例において、フレキシブル回路基板は、さらに後述するように加熱器基板の一部もしくはすべてと組み合わされ、加熱器基板の一部もしくはすべてに階層化され、または加熱器基板の一部もしくはすべてを形成してもよい。
【0052】
制御本体102及びカートリッジ104は、その間で流体係合を促進するように適合された構成要素を含んでもよい。
図1に例証するように、制御本体は、その中にキャビティ132を有するカプラ130を含むことができる。カートリッジの基部128は、カプラを係合するように適合することができ、キャビティ内に嵌まるように適合された凸部134を含むことができる。このような係合は、制御本体とカートリッジとの間の安定した接続を促進することができるばかりでなく、バッテリ112と、制御本体中の制御構成要素108及びカートリッジ中の加熱器122との間の電気的接続を確立することができる。さらに、制御本体シェル106は、シェル中の切り欠き部であってもよい空気取入口136を含むことができ、ここで、空気取入口136がカプラに接続し、カプラ周辺の周囲空気のシェルへの流路を可能にし、その後、周囲空気は、カプラのキャビティ132を通過し、凸部134を通じてカートリッジに入る。
【0053】
本開示による有用なカプラ及び基部は、Novakらに対する米国特許出願第2014/0261495号に記載されており、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、
図1で分かるように、カプラ130は、基部128の内周部140と嵌合するように構成された外周部138を画定してもよい。1つの例において、基部の内周部は、カプラの外周部の半径に実質的に等しいか、またはカプラの外周部の半径よりもわずかに大きい半径を画定してもよい。さらに、カプラは、基部の内周部で画定された1つ以上の凹部144を係合するように構成された外周部において、1つ以上の突出部142を画定してもよい。しかしながら、構造、形状、及び構成要素の種々の他の例は、基部をカプラに連結するために用いてもよい。いくつかの例において、カートリッジ104の基部と制御本体102のカプラとの接続は、実質的に永続的であってもよいのに対して、他の例において、それらの間の接続は、取り外し可能であってもよく、それにより、例えば、制御本体は、使い捨て可能及び/または補充可能であってもよい1つ以上の追加カートリッジとともに再利用されてもよい。
【0054】
エアゾール送達装置100は、いくつかの例において、実質的に棒状、または実質的に管形状、または、実質的に円筒形状であってもよい。他の例において、さらなる形状及び寸法は、例えば、矩形または三角形断面、多面形状などを包含する。
【0055】
図1に例証する貯蔵器118は、間もなく述べられるように、容器であり得、または繊維状貯蔵器であり得る。例えば、貯蔵器は、この例では、カートリッジシェル116の内部を取り囲む管の形状に実質的に形成される不織布繊維の1つ以上の層を含むことができる。エアゾール前駆体組成物は、貯蔵器中に保持することができる。液体構成要素は、例えば、貯蔵器によって収着的に保持することができる。貯蔵器は、液体輸送要素120と流体接続することができる。液体輸送要素は、この例において、貯蔵器中に保存されたエアゾール前駆体組成物を金属ワイヤコイルの形態である加熱器122に毛管作用によって輸送することができる。したがって、加熱器は、液体輸送要素との加熱配置にある。本開示によるエアゾール送達装置に有用な貯蔵器または輸送要素の例示的な実装形態をさらに後述し、本明細書において記載される
図1に例証されるような装置に組み込むことができる。特に、さらに後述されるような加熱部材及び輸送要素の特定の組み合わせは、本明細書において記載される
図1に例証されるような装置に組み込んでもよい。
【0056】
使用中、ユーザがエアゾール送達装置100を利用すると、流量センサ110によって、気流が検出され、加熱器122が起動し、エアゾール前駆体組成物のための構成要素を蒸発させる。エアゾール送達装置のマウスエンドを利用することによって、周囲空気が空気取入口136に入り、カプラ130中のキャビティ132及び基部128の凸部134中の中心開口を通過する。カートリッジ104において、吸い込まれた空気は、形成された蒸気と組み合わされて、エアゾールを形成する。エアゾールは、加熱器から吹き飛ばされ、吸引され、または引き出され、エアゾール送達装置のマウスエンドにおいて、開口124から出て行く。
【0057】
いくつかの例において、エアゾール送達装置100は、多くの追加のソフトウェア制御機能を含んでもよい。例えば、エアゾール送達装置は、バッテリ入力、バッテリ端子上の負荷、及び充電入力を検出するように構成されたバッテリ保護回路を含んでもよい。バッテリ保護回路は、短絡保護及び不足電圧ロックアウトを含んでもよい。エアゾール送達装置はまた、周囲測温を測定するための構成要素を含んでもよく、その制御構成要素108は、周囲測温がある特定の温度(例えば、0℃)未満、または充電の開始前もしくは充電中のある特定の温度(例えば、45℃)超である場合、バッテリ充電を抑制するために少なくとも1つの機能要素を制御するように構成されてもよい。
【0058】
バッテリ112からの電力送達は、電力制御機構に従って、装置100の各パフにわたって変えてもよい。装置は、「ロングパフ」安全性タイマーを含んでもよく、それにより、ユーザまたは不慮の機構が、装置に連続的にパフすることを試みさせる場合に、若干の期間(例えば、4秒)後に自動的にパフを終了させるために、制御構成要素108が少なくとも1つの機能要素を制御し得る。さらに、装置上のパフ間の時間は、ある期間(例えば、100)未満に制限してもよい。監視安全タイマーは、エアゾール送達装置上で実行されるその制御構成要素またはソフトウェアが不安定になり、適切な時間間隔(例えば、8秒)内にタイマーを稼働しない場合、エアゾール送達装置を自動的にリセットし得る。さらなる安全保護は、流量センサ110が不良または故障した場合に、例えば、不慮の加熱を防止するためにエアゾール送達装置を永続的に使用不可にすることによって提供し得る。パフ制限スイッチは、圧力センサが故障した場合に、最大4秒のパフ時間後に停止することなく、装置を継続的に起動させる装置の起動を停止し得る。
【0059】
エアゾール送達装置100は、取り付けられたカートリッジに対して規定数のパフ(カートリッジにおけるe液体充電を考慮して算出された利用可能なパフの数に基づく)に達すると、加熱器をロックアウトするために構成されたパフトラッキングアルゴリズムを含んでもよい。エアゾール送達装置は、スリープ、待機状態、または低電力モード機能を含んでもよく、それによって、定義された不使用の期間後に電力送達が自動的に遮断され得る。バッテリ112のすべての充電/放電サイクルがその寿命にわたって制御構成要素108によってモニタされ得るという点で、さらなる安全保護を提供してもよい。バッテリが所定数(例えば、200)の完全放電及び完全再充電サイクルに等しくなった後、使い尽くしたと宣言してもよく、制御構成要素は、バッテリのさらなる充電を防止するために少なくとも1つの機能要素を制御し得る。
【0060】
本開示によるエアゾール送達装置の種々の構成要素は、従来技術において記載される構成要素から選択することができ、市販品として入手可能である。本開示による使用することができるバッテリの例は、Peckerarらに対する米国特許出願第2010/0028766号に記載されており、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
エアゾール送達装置100は、エアゾールの発生が所望されるとき(例えば、使用中の吸い込み時)に加熱器122に対する電力の供給を制御するためのセンサ110もしくは別のセンサ、または検出器を組み込むことができる。このため、例えば、エアゾール送達装置が、使用中に利用されず、電力供給をオンにすることで吸い込み中に加熱器による熱の発生を作動または誘発するときに、加熱器に対する電力供給を止める様式または方法が提供される。追加の代表的なタイプの検知または検出機構、その構造及び構成、その構成要素、ならびにその動作の一般的な方法は、Sprinkel,Jr.に対する米国特許第5,261,424号、McCaffertyらに対する米国特許第5,372,148号、及びFlickに対するPCT特許出願公開第WO2010/003480号に記載されており、これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
最も好ましくは、エアゾール送達装置100は、吸い込み中、加熱器122に対する電力の量を制御するための制御構成要素108または別の制御機構を組み込む。代表的なタイプの電子構成要素、その構造及び構成、その特徴、ならびにその動作の一般的な方法は、Gerthらに対する米国特許第4,735,217号、Brooksらに対する米国特許第4,947,874号、McCaffertyらに対する米国特許第5,372,148号、Fleischhauerらに対する米国特許第6,040,560号、Nguyenらに対する米国特許第7,040,314号、Panに対する米国特許第8,205,622号、Fernandoに対する米国特許出願第2009/0230117号、Colletらに対する米国特許出願第2014/0060554号、Ampoliniらに対する米国特許出願第2014/0270727号、及び2014年3月13日に出願された、Henryらに対する米国特許出願第14/209,191号に記載されており、これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
エアゾール前駆体を支持するための代表的なタイプの基材、貯蔵器、または他の構成要素は、Newtonに対する米国特許第8,528,569号、Chapmanらに対する米国特許出願第2014/0261487号、2013年8月28日に出願された、Davisらに対する米国特許出願第US14/011992号、及び2014年2月3日に出願された、Blessらに対する米国特許出願第14/170,838号に記載されており、これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。加えて、ある特定のタイプの電子シガレット内の種々のウィッキング材料、ならびにそれらのウィッキング材料の構成及び動作は、Searsらに対する米国特許出願第2014/0209105号に記載され、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0064】
蒸気前駆体組成物とも呼ばれるエアゾール前駆体組成物は、例として、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、もしくはそれらの混合物)、ニコチン、タバコ、タバコエキス、及び/または風味材料を含む、種々の構成要素を含んでもよい。エアゾール前駆体組成物中に含まれ得る種々の構成要素は、Robinsonらに対する米国特許第7,726,320号に記載されており、この文献はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。追加の代表的なタイプのエアゾール前駆体組成物は、Sensabaugh,Jr.らに対する米国特許第4,793,365号、Jakobらに対する米国特許第5101,839号、Biggsらに対する米国特許第6,779,531号、Zhengらに対する米国特許出願第2013/0008457号、及びChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されており、これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
視覚的合図または指標を出す追加の代表的なタイプの構成要素は、エアゾール送達装置100、例えばLED及び関連する構成要素、振動要素などにおいて用いられてもよい。好適なLED構成要素、ならびにその構成及び使用の例は、Sprinkelらに対する米国特許第5154,192号、Newtonに対する米国特許第8,499,766号、Scatterdayに対する米国特許第8,539,959号、及び2014年2月5日に出願されたSearsらに対する米国特許出願第14/173,266号に記載されており、これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
本開示のエアゾール送達装置に組み込むことができるさらに他の特徴、制御、または構成要素は、Harrisらに対する米国特許第5,967,148号、Watkinsらに対する米国特許第5,934,289号、Countsらに対する米国特許第5,954,979号、Fleischhauerらに対する米国特許第6,040,560号、Honらに対する米国特許第8,365,742号、Fernandoらに対する米国特許第8,402,976号、Fernandoらに対する米国特許出願第2010/0163063号、Tuckerらに対する米国特許出願第2013/0192623号、Levenらに対する米国特許出願第2013/0298905号、Kimらに対する米国特許出願第2013/0180553号、Sebastianらに対する米国特許出願第2014/0000638号、Novakらに対する米国特許出願第2014/0261495号、及びDePianoらに対する米国特許出願第2014/0261408号に記載されており、これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
いくつかのさらなる例において、エアゾール送達装置100は、1つ以上のジェスチャによって、ユーザが装置の動作を制御し得る、または装置からの情報を受信し得るようにジェスチャ対応装置であってもよい。エアゾール送達装置をジェスチャ対応にすることは、予めプログラムされた機能性とともに、例えば最新式ユーザロック解除機能、エアゾール送達装置のカスタマイズされたジェスチャ制御によって、多くの意味で、ユーザエクスペリエンスを強化し得る。好適なジェスチャの例としては、ハウジングに対する単一もしくは多数のタップ、装置を傾斜させること、装置を振盪すること(例えば、指向性振盪)、またはハウジングで文字をトレースすることが挙げられる。
【0068】
第1の使用に関するさらに特定の例において、エアゾール送達装置は、例えば装置で特定の文字(例えば、小文字の「l」)をトレースするユーザによって、装置をロック/ロック解除するための「ロック解除コード」とともに構成されてもよい。異なった特定の文字(例えば、小文字の「b」)のトレースによって、例えば、装置の感覚フィードバック部材(例えば、LEDまたは振動要素)を介して、エアゾール送達装置にそのバッテリ112の充電レベルを示させてもよい。別の例において、特定の文字のトレースによって、エアゾール送達装置にその貯蔵器118中に保持されたエアゾール前駆体組成物のレベルを示させてもよい。これら及び他の例において、文字は、例えば、任意の字、数、または他の形状(幾何学的形状)などの任意の好適な符号もしくは記号と呼ばれてもよい。
【0069】
いくつかの例において、エアゾール送達装置100は、モバイルコンピュータ(例えば、スマートフォン、タブレット)などのコンピューティングデバイス上で実行されるソフトウェアアプリケーションに接続されてもよい。これらの例において、装置の「上下」モーションなどのジェスチャによって、装置に、充電レベル及び/またはエアゾール前駆体組成物レベルなどの情報を、ユーザに対して表示するためのモバイルアプリケーションに送らせてもよい。別の例において、エアゾール送達装置の垂直振盪などのジェスチャは、エアゾール前駆体組成物レベルが低いことをソフトウェアアプリケーションに示し得、それによって、ユーザが追加のエアゾール前駆体組成物を購入することができる1つ以上の場所を、モバイルアプリケーションに、自動的に検索させ表示させてもよい。
【0070】
他の例において、エアゾール送達装置100をジェスチャ対応にすることは、装置をディープスリープモードに入らせることによって、バッテリ寿命を改善し得、そこからエアゾール送達装置は、装置を振盪するなどのジェスチャに応答して目覚めてもよい。追加の機能を加えることにより、バッテリ寿命はまた、ジェスチャのみの起動によって改善してもよい。例えば、エアゾール送達装置がエアゾール前駆体組成物のレベルを示すための感覚フィードバック部材を含むが、特定のジェスチャに応答しているのみに過ぎない場合、感覚フィードバック部材は、エアゾール送達装置のすべての使用に作動する必要があるというわけではない。
【0071】
これら及び他のジェスチャは、プリセットまたはユーザ定義であってもよい。いくつかの例において、エアゾール送達装置によって、ユーザは種々の動作のためのジェスチャが定義可能になり、特定の例において、ロック解除コードのためのジェスチャが定義可能になる。これは、多くの様々な様式において、例えば、エアゾール送達装置との直接相互作用または上述のもしくは別のソフトウェアアプリケーションとの相互作用によって達成され得る。
【0072】
ユーザエクスペリエンスに基づくものだけではなく、ジェスチャ対応であることに基づいて、追加の表示をエアゾール送達装置100に加えることができる。これらの表示は、統計及びマーケティングならびにユーザエクスペリエンスのメモに使用することができる。例えば、エアゾール送達装置は、ユーザがエアゾール送達装置をまず手に取ってから、その日ユーザが最初に使用するまでの時間を検出し記録してもよい。エアゾール送達装置は、毎日、ユーザがバッテリ/エアゾール前駆体組成物レベルを点検する回数を検出し記録してもよい。ソフトウェアアプリケーションと連携して、エアゾール送達装置は、ユーザの場所が最も近い小売業者の所与の範囲の外側である場合など、ユーザが追加のエアゾール前駆体組成物をうまく探し出せなかった場合を検出してもよい。別の例において、エアゾール送達装置は、不正確なロック解除コードが試みられた回数を検出し記録してもよく、これは、いくつかの例において、未許可の人物がエアゾール送達装置のロック解除または使用を試みたことをユーザに示すために使用されてもよい。
【0073】
エアゾール送達装置は、多くの様々な様式のいずれかにおいてジェスチャ対応であってもよい。
図1に戻ると、いくつかの例において、エアゾール送達装置100は、ジェスチャを実行するためのハウジングとのユーザインタラクションによって生じるエアゾール送達装置の定義されたモーションを検出するように構成されたモーションセンサ146を含んでもよい。モーションセンサは、定義されたモーションを検出し、定義されたモーションを電気信号に変換して、電気信号を出力するように構成され得る多くのセンサのいずれかであってもよい。好適なモーションセンサの例としては、傾斜センサ、単軸または多軸加速度計、ジャイロスコープなどの単一または組み合わせが挙げられ、そのうちの任意の1つ以上を微小電気機械システムベース(MEMS)技法を使用して、構成してもよい。
【0074】
傾斜センサは、特定の運動検出のために使用されてもよく、多くの場合、加速度計とともに使用され、より多くの複素数データを作成する。加速度計は、重力に起因する加速度を含む、ユニットにおける加速度検知に基づいて動作し、このため、多くの場合、傾斜検出のために加速度計が使用される。加速度計は、完全な運動停止を提供するために、多くの場合、傾斜センサまたはジャイロスコープとともに使用される。ジャイロスコープは、適所での回転変化(ロール、ピッチ、及びヨー)を検出することができ得、多くの場合、フレキシビリティを向上させるために加速度計と組み合わせて使用される。他のタイプのモーション検出器はまた、例えば、単独または前述のものと組み合わせた好適な実装形態であってもよい。近年開発された別の好適なセンサの1つの例は、外部の電波によって電力が供給され、手元にセンサを装備した装置を有すことなく運動を検出することができ得る。
【0075】
モーションセンサ146は、エアゾール送達装置100のハウジング、例えば、制御本体102もしくはカートリッジ104のハウジング、または制御構成要素及びカートリッジ構成要素を備える単一のハウジング内に位置してもよい。モーションセンサは、ジェスチャを実行するためのハウジングとのユーザインタラクションによって生じるエアゾール送達装置の定義されたモーションを検出するように構成されてもよく、ジェスチャは、関連付けられた動作を実行するために、制御構成要素108(例えば、マイクロプロセッサ)またはモーションセンサ自体によって認識されてもよい。
【0076】
エアゾール送達装置100の制御構成要素108(例えば、マイクロプロセッサ)は、モーションセンサから電気信号を受信し、電気信号に基づいて、ジェスチャ及びジェスチャと関連付けられた動作を認識して、動作を実行するためにエアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御するように構成されてもよい。いくつかの例において、電気信号は、エアゾール送達装置の定義されたモーションについてのデータを伝達する。これらの例において、ジェスチャを認識するように構成されている制御構成要素は、ジェスチャと関連付けられた、データ中のパターンを認識するように構成されていることを含む。また、いくつかのさらなる例において、パターンは、それぞれの複数の動作と関連付けられたそれぞれの複数のジェスチャと関連付けられた複数のパターンのうちの1つである。
【0077】
いくつかの例において、モーションセンサ146は、それ自体が、1つ以上のジェスチャを認識して、それぞれの1つ以上の関連付けられた動作を実行する、または動作を実行させるのに十分な論理を含んでもよい。これは、例えば、装置を低電力モードから動作モードに入れることを意図するジェスチャ(例えば、ダブルタップ)に対する場合であってもよく、それによって、モーションセンサは、ジェスチャを認識し、制御構成要素108を目覚めさせ、その動作モードに入れてもよい。しかしながら、モーションセンサは、本明細書において記載されるように、制御構成要素に起因するものの少なくともいくつかを含む、他のジェスチャを認識して、他の関連付けられた動作を実行する、または動作を実行させるように同等に構成されてもよいことを理解すべきである。
【0078】
本開示の態様に好適なジェスチャ認識の態様をさらに例証するために、
図2は、いくつかの例において、モーションセンサに対応し得る多軸加速度計200を例証する。示すように、加速度計は、多くのベクトル構成要素及び軸配向を含む。加速度計からの電気信号は、そのモーション(及び、加速度計が装備されたエアゾール送達装置100のモーション)についてのデータを伝達してもよい。
図3、4、及び5は、大文字「L」をトレースするための時間に対する速度及び位置のグラフであり、
図6及び7は、大文字「U」をトレースするための時間に対する速度及び位置のグラフである(ともに感度が2gの62.5Hzのサンプリングレート)。
【0079】
図2の加速度計の配向を参照することにより、「L」について-x方向から+y方向への装備されたエアロゾル送達装置100の運動を視覚化することが可能になり得る。すべての形状において、方向における変化が近づくにつれて、速度が低下し得ることに留意されたい(例えば、コーナが存在する)。「U」運動の場合、エアゾール送達装置は、-x方向に移動を開始し、その後、+y方向に移動して、+X方向に移動し得る。
【0080】
図1に戻ると、いくつかの例において、エアゾール送達装置100はまた、装置をモバイルコンピュータなどのコンピューティングデバイス上のソフトウェアアプリケーションに接続し得る有線または無線(例えば、ブルートゥース(登録商標))通信インターフェース148を含んでもよい。これらの例において、1つ以上のジェスチャによって、例えば、エアゾール送達装置からソフトウェアアプリケーションへの情報伝達または表示(例えば、低エアゾール前駆体組成物)によって、エアゾール送達装置とソフトウェアアプリケーションとの間にある特定の相互作用が生じ得、上記のように、ソフトウェアアプリケーションにその情報または表示を有する1つ以上の行動を実行させ得る。他の例において、1つ以上のジェスチャは、ソフトウェアアプリケーションに対する装置の接続の状態(例えば、一対/非一対、接続/切断)を制御してもよい。
【0081】
いくつかの例において、ジェスチャは、ユーザ定義であってもよい。これらの例において、制御構成要素108(例えば、マイクロプロセッサ)が、ジェスチャを認識するように構成される前に、制御構成要素は、動作のユーザ選択を受信して、モーションセンサからの別の電気信号によって伝達されるトレーニングデータに基づいて、動作が関連付けられるジェスチャを認識することを学習するように構成されてもよく、別の電気信号が、定義されたモーションと同じまたは実質的に同様であるトレーニングモーションから変換される。これは、多くの様々な様式において、例えば、エアゾール送達装置との直接相互作用、または通信インターフェース148を介する同じもしくは別のコンピューティングデバイス上の上述のもしくは別のソフトウェアアプリケーションとの相互作用によって達成され得る。
【0082】
上述のように、認識可能なジェスチャは、エアゾール送達装置100の少なくとも1つの機能要素によって実行され得る多くの動作のいずれかと関連付けられてもよい。例えば、動作は、エアゾール送達装置の電力状態を変更すること、またはエアゾール送達装置のロック状態を変更することを含んでもよい。別の例において、エアゾール送達装置に電力を供給するように構成されたバッテリの充電レベルを示すために、感覚フィードバック部材が制御されてもよい。また、さらに別の例において、エアゾール送達装置の貯蔵器中に保持されたエアゾール前駆体組成物のレベルを示すために、感覚フィードバック部材が制御されてもよい。
【0083】
再び
図1に戻ると、流量センサ110からの電気信号出力をエアゾール送達装置の1つ以上の制御要素によって使用し、装置の動作を制御することができる。このような動作は、装置、例えば加熱器122、流体送達部材、感覚フィードバック部材などの種々の機能要素を包含することができる。
【0084】
例えば、流量センサ110からの電気信号を制御構成要素108(例えば、マイクロプロセッサ)によって使用し、貯蔵器118と加熱器122との間の弁の開閉を制御することができる。例えば、装置100の利用が増加し、センサによる電気信号出力が対応して変化する場合、弁の開口を大きくし、より大量のエアゾール前駆体組成物を貯蔵器から加熱器に通過させることができる。感覚フィードバック部材(例えば、LEDまたは振動要素)が使用されるいくつかの例において、装置の利用が増加することにより、制御構成要素に信号を送り、LEDによって異なる照明パターンを生じさせ、または振動要素によって異なる振動パターンを生じさせることができる。
【0085】
いくつかの例において、流量センサ110からの電気信号出力を装置100の制御電子機器に連結して、装置中の発熱体、例えば、加熱器122のプロファイルを変更することができる。特に、加熱プロファイルは、装置の利用の大きさによってもたらされる気流量に対して、リアルタイムでの変化をもたらすことができる。
【0086】
図8は、モーションセンサ(例えば、傾斜センサ、MEMSベース加速度計、及び/またはMEMSベースジャイロスコープ)ならびにマイクロプロセッサなどの制御構成要素を含むエアゾール送達装置の動作を制御するための方法800における種々の動作を例証する。ブロック802で示すように、本方法は、ジェスチャを実行するためのハウジングとのユーザインタラクションによって生じるエアゾール送達装置の定義されたモーションを、定義されたモーションを電気信号に変換するモーションセンサによって検出することを含んでもよい。いくつかの例において、定義されたモーションは、文字(例えば、英字、数字)をトレースするためのハウジングとのユーザインタラクションによって生じてもよい。
【0087】
ブロック804に示すように、本方法は、制御構成要素(例えば、マイクロプロセッサ)またはモーションセンサによって、電気信号に基づいて、ジェスチャ及びジェスチャと関連付けられた動作を認識することを含んでもよい。電気信号は、エアゾール送達装置の定義されたモーションについてのデータを伝達してもよい。いくつかの例において、ジェスチャを認識することは、ジェスチャと関連付けられている、データ中のパターンを認識することを含んでもよい。また、いくつかのさらなる例において、パターンは、それぞれの複数の動作と関連付けられたそれぞれの複数のジェスチャと関連付けられた複数のパターンのうちの1つであってもよい。
【0088】
いくつかの例において、ジェスチャは、ユーザ定義であってもよい。これらの例において、制御構成要素(例えば、マイクロプロセッサ)は、ジェスチャを認識してもよく、事前に、本方法は、制御構成要素において動作のユーザ選択を受信することをさらに含んでもよい。また、本方法は、制御構成要素によって、モーションセンサからの別の電気信号によって伝達されるトレーニングデータに基づいて、動作が関連付けられるジェスチャを認識するように学習することを含んでもよく、別の電気信号が、定義されたモーションと同じまたは実質的に同様であるトレーニングモーションから変換される。
【0089】
図8に戻ると、ブロック806で示すように、本方法は、動作を実行するために、エアゾール送達装置の少なくとも1つの機能要素を制御することを含んでもよい。いくつかの例において、動作は、エアゾール送達装置の電力状態を変更してもよく(例えば、オン/オフを変える、待機/低電力モードに入る、動作モードに入る)、またはエアゾール送達装置のロック状態を変更してもよい(ロック/ロック解除)。いくつかの例において、機能要素を制御することは、エアゾール送達装置に電力を供給するように構成されたバッテリの充電レベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御することを含む。また、いくつかの例において、機能要素を制御することは、エアゾール送達装置の貯蔵器中に保持されたエアゾール前駆体組成物のレベルを示すために、感覚フィードバック部材を制御することを含む。
【0090】
物品の使用の前述の説明は、わずかな修正によって、本明細書において記載される種々の例示的な実装形態に適用することができ、このわずかな修正は、本明細書において提供されたさらなる開示を考慮すると当業者にとって明らかになり得る。しかしながら、使用の上記説明は、物品の使用を限定することを意図するものではなく、本開示のすべての必要な開示要件に応じるために提供される。
図1に例証される、または上で記載されるような物品において示される要素のいずれかは、本開示によるエアゾール送達装置中に含まれてもよい。
【0091】
本明細書において記載される本開示の多くの修正及び他の実装形態は、前述の説明及び関連する図面において提示された教示の利益を有する、これらの開示に関係する当業者は思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、開示された特定の実装形態に限定されるものではなく、修正及び他の実装形態が、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されると理解すべきである。さらに、要素及び/または機能のある特定の例示的な組み合わせとの関連で、前述の説明及び関連する図面が例示的な実装形態を記載するが、要素及び/または機能の様々な組み合わせが、添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく、代替的な実装形態によって提供され得ることを理解すべきである。この関連で、例えば、明確に上記のものと異なる要素及び/または機能の組み合わせはまた、添付の特許請求の範囲のいくつかに記載され得るように想到される。本明細書において具体的な用語が用いられているが、それらは、一般的及び記述的な意味で使用されているに過ぎず、限定する目的ではない。