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特許7443297電子ベーピング装置用の電源セクション構成および電子ベーピング装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】電子ベーピング装置用の電源セクション構成および電子ベーピング装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/51 20200101AFI20240227BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240227BHJP
【FI】
A24F40/51
A24F40/40
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021120843
(22)【出願日】2021-07-21
(62)【分割の表示】P 2018506151の分割
【原出願日】2016-08-08
(65)【公開番号】P2021180666
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-08-19
(31)【優先権主張番号】14/823,419
(32)【優先日】2015-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエロフ シュムエル
(72)【発明者】
【氏名】エリヤフ モシェ
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3164991(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0216236(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0084387(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0033311(KR,A)
【文献】特表2009-537120(JP,A)
【文献】特表2013-524835(JP,A)
【文献】特表2009-537119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0114409(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0040968(KR,A)
【文献】特開2004-212102(JP,A)
【文献】特許第6918775(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/51
A24F 40/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
eベーピング装置用の電源セクションであって、
ハウジング内に収納されたセンサーと、
前記センサーを保持するセンサーホルダーであって、前記センサーホルダーが前記ハウジングを第一の部分と第二の部分に分割するように前記ハウジング内に配置され、かつ前記センサーおよび前記センサーホルダーが前記第一の部分から前記第二の部分への間の空気流を実質的に阻止するように構成されているものと、
前記第二の部分内に配置された電源とを備えた、電源セクション。
【請求項2】
前記センサーが前記第一の部分内の圧力降下を感知するように、前記センサーホルダーが前記センサーを保持する、請求項1に記載の電源セクション。
【請求項3】
前記センサーが吸煙センサーである、請求項1または2に記載の電源セクション。
【請求項4】
前記電源が電池を備える、請求項1、2または3に記載の電源セクション。
【請求項5】
前記第一の部分と流体連通する少なくとも一つの空気吸込み口をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の電源セクション。
【請求項6】
前記センサーホルダーが、前記センサーホルダーの一方の端から突き出した少なくとも一つの第一の突起を含み、前記少なくとも一つの第一の突起が前記センサーホルダーと前記電源の間にある、請求項1~5のいずれか1項に記載の電源セクション。
【請求項7】
前記電源セクションが前記センサーホルダーの別の端に少なくとも一つの第二の突起を含み、前記センサーホルダーが前記少なくとも一つの第二の突起に位置している、請求項6に記載の電源セクション。
【請求項8】
前記センサーが、前記電源からの動力供給を制御するように構成された制御回路を備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の電源セクション。
【請求項9】
前記センサーに結合され、前記電源からの動力供給を制御するように構成された制御回路をさらに備える、請求項1~8のいずれか1項に記載の電源セクション。
【請求項10】
前記第二の部分の遠位端にLEDキャップをさらに備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の電源セクション。
【請求項11】
前記LEDキャップが前記電源セクションからのガス放出が許容されるように構成された通気孔を持つ、請求項10に記載の電源セクション。
【請求項12】
eベーピング装置であって、
液体を保持する液体貯蔵部と、マウスピースと、前記液体を加熱するように構成されているヒーターとを含むカートマイザーと、
電源セクションであって、コネクターを介して前記カートマイザーと取り外し可能に接続され、かつ
ハウジング内に収納されたセンサーと、
前記センサーを保持するセンサーホルダーであって、前記センサーホルダーが前記ハウジングを第一の部分と第二の部分に分割するように前記ハウジング内に配置され、前記センサーおよび前記センサーホルダーが前記第一の部分から前記第二の部分への空気流を実質的に阻止するように構成されたものと、
前記第二の部分内に配置され、前記ヒーターに電力を供給するように構成された電源とを含む、eベーピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ベーピング装置用の電源セクション構成、および電子ベーピング装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
電子ベーピング装置は、ユーザーが蒸気を吸い込むために液体材料を蒸気へと蒸発させるために使用される。これらの電子ベーピング装置は、eベーピング装置とも呼ばれうる。eベーピング装置は一般に、電源セクションおよびカートマイザーなど、いくつかのeベーピング要素を含みうる。電源セクションは電池などの電源を含み、またカートマイザーはヒーターと、液体材料を保持する能力を持つ貯蔵部とを含む。カートマイザーは一般に、芯を経由して液体材料と接するヒーターを含み、ヒーターは、液体材料を加熱して蒸気を生成するように構成されている。液体材料は一般に、ある量のニコチンを含む。eベーピング装置はまた、ユーザーによって吸入される蒸気を生成するために、ユーザーがeベーピング装置を吸煙する時に液体材料の加熱を誘発する吸煙センサーを含みうる。
【0003】
従来的なeベーピング装置は、電源セクション内の装置の遠位端にある吸煙センサーを含み、これは一般にマウスピースから装置の反対側である。従って、使用中に空気は装置の先端に入り、電源の周りを循環し、それからカートマイザーを通過する。次に空気は、気化された液体と混合されて、ユーザーによって吸入される。電源は、動作中にガス放出を起こしうるリチウムイオン電池セルとすることができ、その結果として潜在的に有害なガスが電池セルから放出されることになる。入って来る空気は、電源を覆って流れる必要があるため、その結果として電池セルのガス放出が、ユーザーによって吸入される気化された液体と混合されることになりうる。加えて、絶えず使用していると、先端の通気口は、埃またはその他の環境的条件の結果として最終的に詰まることがあり、また引き出し抵抗(RTD)が増大することがあり、結果的に電池の寿命が短くなりうる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様によれば、eベーピング装置用の電源セクションが提供されている。電源セクションは、センサーを保持するセンサーホルダーであるハウジング内に収納されたセンサーを含み、センサーホルダーはハウジングを第一の部分と第二の部分に分割するようにハウジング内に配置され、またセンサーおよびセンサーホルダーは第一の部分から第二の部分への空気流を実質的に阻止するように構成される。電源セクションはまた、第二の部分内に配置された電源を含む。
【0005】
センサーホルダーセクションと電源セクションはそれぞれ、別個かつ独立した通気孔を含みうる。センサーセクション内の通気口により、空気はカートマイザー内に入り、使用時にセンサーを起動することができるようになる。電源セクション内の通気口により、電池セルからeベーピング装置の先端を通して出るガス放出が可能になる。
【0006】
センサーと電源の間の区画の分離の結果として、吸い込まれた空気が電源を通り過ぎることを実質的に阻止できる。従って、吸入された蒸気は電池セルから放出されるガスとは混合されない。ガス放出が電池セルから発生する場合、その結果として生じるガスはeベーピング装置の先端にある通気孔を通して放出されうる。
【0007】
センサーホルダーは、センサーが第一の部分での圧力降下を感知するように、センサーを保持しうる。
【0008】
センサーは吸煙センサーとしうる。
【0009】
電源は電池を備えうる。
【0010】
電源セクションは、第一の部分と流体連通した少なくとも一つの空気吸込み口をさらに備えうる。
【0011】
センサーホルダーは、第一の寸法セクションおよび第二の寸法セクションを持つ中空構造としうるが、第一の寸法セクションは少なくとも第一の寸法を持つ第一のくぼみを画定し、第二の寸法セクションは少なくとも第二の寸法を持つ第二のくぼみを画定し、第二のくぼみはセンサーの形状に対応し、また第一の寸法は第二の寸法よりも小さい。
【0012】
センサーホルダーは、実質的に円筒形の形状を有することができ、第一の寸法および第二の寸法はそれぞれ第一の直径および第二の直径である。センサーホルダーは、第一の寸法セクションと第二の寸法セクションの間の移行部分に環状のフランジを持ちうる。
【0013】
センサーホルダーは、センサーホルダーの一方の端から突き出した少なくとも一つの第一の突起を含むことができ、少なくとも一つの第一の突起はセンサーホルダーと電源の間にある。電源セクションは、センサーホルダーの別の端から突き出した少なくとも一つの第二の突起を含みうる。センサーホルダーは、少なくとも一つの第二の突起に位置しうる。
【0014】
センサーは、電源からの動力供給を制御するよう構成された制御回路を含みうる。
【0015】
電源セクションは、センサーと結合され、電源からの動力供給を制御するように構成された制御回路を含みうる。
【0016】
電源セクションは、第二の部分の遠位端にLEDキャップを備えうる。LEDキャップは、電源セクションからガス放出がなされるように構成された通気孔を含みうる。
【0017】
本発明の第二の態様によれば、eベーピング装置用の電源セクションが提供されており、電源セクションは、電源セクションの第一の部分と第二の部分の間のシールであって、第一の部分から第二の部分への空気流を実質的に阻止するように構成されているシールと、第二の部分にある電源とを含む。
【0018】
シールは、センサーおよびセンサーホルダーを含むことができ、センサーは電源に電気的に結合されている。
【0019】
電源セクションは、本発明の第一の態様に関連して本明細書で説明した任意の特徴を含みうる。
【0020】
本発明の第三の態様によれば、液体を保持する液体貯蔵部と、マウスピースと、液体を加熱するように構成されたヒーターとを含むカートマイザーを含むeベーピング装置が提供されている。eベーピング装置はまた、コネクターを介してカートマイザーと取り外し可能に連結され、かつセンサーを保持するセンサーホルダーであるハウジング内に収納されたセンサーを含む電源セクションを含み、センサーホルダーはハウジングを第一の部分と第二の部分に分割するようにハウジング内に配置され、センサーおよびセンサーホルダーは第一の部分から第二の部分への空気流を実質的に阻止する。また電源セクションには、第二の部分内に配置され、ヒーターに電力を供給するように構成された電源が含まれる。
【0021】
電源セクションは、本発明の第一の態様および第二の態様に関連して本明細書で説明した任意の特徴を含みうる。
【0022】
例示的な実施形態の上記およびその他の特徴および利点は、例示的な実施形態を添付の図面を参照しながら詳細に説明することによってさらに明らかとなる。添付の図面は、例示的な実施形態を描写することを意図したものであり、意図された請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記されていない限り、実寸に比例して描かれていると考えられるべきでない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A図1Aは、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベーピング装置を図示したものである。
図1B図1Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベーピング装置を図示したものである。
図2図2は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベーピング装置用の電源セクションの長軸方向の断面である。
図3A図3Aは、少なくとも一つの例示的な実施形態による吸煙センサーおよび吸煙センサーホルダーを図示したものである。
図3B図3Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態による吸煙センサーおよび吸煙センサーホルダーを図示したものである。
図3C図3Cは、少なくとも一つの例示的な実施形態による吸煙センサーおよび吸煙センサーホルダーを図示したものである。
図3D図3Dは、少なくとも一つの例示的な実施形態による吸煙センサーおよび吸煙センサーホルダーを図示したものである。
図3E図3Eは、少なくとも一つの例示的な実施形態による吸煙センサーおよび吸煙センサーホルダーを図示したものである。
図4図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるカートマイザーの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。ところが、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型である。ところが、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0025】
従って、例示的な実施形態は、様々な変更および代替的形態が可能である一方で、その実施形態は図面の例によって示されており、本明細書で詳細に説明する。ところが、当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲に収まるあらゆる変更、同等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体で同様の要素を意味する。
【0026】
要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の直接的に上にある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、またはそれを直接的に覆う、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよいことが理解されるべきである。対照的に、要素が、別の要素もしくは層「の直接的に上にある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、明細書の全体で同様の要素を指す。
【0027】
第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、またはセクション、およびこれらの組み合わせを記述するために本明細書で使用されうるが、これらの要素、構成要素、領域、層、またはセクション、およびこれらの組み合わせはこれらの用語によって限定されないことを理解するべきである。これらの用語は、ある一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の構成要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。それ故、下記で考察される第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0028】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、1つの要素または特徴と1つ以上の他の要素(複数可)または特徴(複数可)との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていることを理解するべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。それ故、用語「下方に」は上方および下方の両方の方向を包含する場合がある。装置は、その他の方法で(90度回転して、または他の方向で)方向付けられる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0029】
本明細書で使用される用語は、様々な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は本明細書で使用される場合、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合はその限りではない。「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素、およびこれらの組み合わせの存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素、およびその組み合わせの存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0030】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態の概略図(および中間構造)である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば、製造技法および許容差の結果として得られた図の形状からの変化が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば、製造に起因する形状の逸脱を含む。従って、図に図示された領域は、事実上概略的なものであり、それらの形状は、装置の領域の実際の形状を図示する意図はなく、例示的な実施形態の範囲を限定する意図はない。
【0031】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0032】
図1A~1Bは、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベーピング装置を図示する。図1Aにおいて、eベーピング装置100は、交換可能なカートマイザー(または第一のセクション)25および電源セクション(または第二のセクション)75を含み、これらはコネクター50で接続されている。電源セクション75およびカートマイザー25の両方は、実質的に等しい直径の円筒形状を持つものとして図示されている。ところが、例示的な実施形態は円筒形状に限定されないことが理解される。例えば、電源セクション75およびカートマイザー25は長方形またはその他の形状を持ちうる。一つの例示的な実施形態において、電源または電池および制御回路は、電源セクション75に含まれる。電源セクション75とカートマイザー25の間のコネクター50での接続が完了すると、ユーザーがeベーピング装置100を使用する時、電源セクション75に含まれる電源は、カートマイザー25のヒーター要素に電気的に接続される。注目すべきことは、図1Aでは取り外し可能に結合された二つのセクション25および75を持つeベーピング装置100を図示しているが、例示的な実施形態は、上記で考察した特徴が単一セクション内に収容されている単一のeベーピング装置を含みうることである。
【0033】
図1Bにおいて、電源セクション75は、その一端に位置するコネクター50のオスコネクター50aを含む。オスコネクター50aが図1Bに図示されているが、コネクター50aは代わりにメスコネクターでもよい。電源セクション75はまた、ユーザーによるeベーピング装置の使用中にその内部の空気を流すように構成された空気孔55を含みうる。
【0034】
図2は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベーピング装置用の電源セクションの断面を図示したものである。図示した通り、吸煙センサーホルダー35は、電源セクション75をセンシング部分68と電源部分70に分割する。電源部分70は電源64を含む。電源64は例えば電池としうる。電源部分70はまた、電力が発生された時に光を放つように構成されたヒーター活性化光またはLED 60を含む。一つの実施形態において、ヒーター活性化光60は、ヒーター活性化光60が吸煙中に燃える石炭の外観を呈するように、電源セクション75の近傍端にある。一つの実施形態において、電源セクション75の近傍端はまた、電源セクション75内に存在する任意のガスを排除するように構成された少なくとも一つの空気孔65を含みうる。
【0035】
一つの実施形態において、センシング部分68は、eベーピング装置が使用されている時に空気孔55を経由して空気を受けるように構成されたチャンバー58を含む。一つの実施形態において、空気孔55は、電源セクション75の長軸方向に対してある角度を持って提供される。例えば、鋭角であることによって、eベーピング装置100の使用中に、気流がチャンバー58に入ることを可能にすることにおいて、より大きな効率が確保される。吸煙センサーホルダー35は、ユーザーがeベーピング装置100を使用している時に、例えば空気孔55およびチャンバー58を通して空気を受けたことの感知、または使用時のチャンバー58内での圧力降下の感知を吸煙センサー40が感知しうるように、吸煙センサー40を保持または支持する。
【0036】
一つの実施形態において、センシング部分68はまた、ユーザーがeベーピング装置を使用していることを感知している吸煙センサー40に応答して動力供給源を制御するために、吸煙センサー40と一体化されうるかまたはそれに接続されうる制御回路45を含みうる。制御回路45は、カートマイザー25が電源セクション75に接続されている時に、電源部分70のヒーター活性化光またはLED 60およびカートマイザー25内のヒーターと接続されうる。
【0037】
少なくとも一つの例示的な実施形態によれば、吸煙センサー40は、オスコネクター50aに近接して配置され、吸煙センサーホルダー35を介して所定位置に配置される。オスコネクター50aは、ベーピング装置の使用中に、空気孔55に入る空気の経路を可能にして、カートマイザー25へと流れるように構成された吸込みポスト30を含みうる。吸込みポスト30は、電源セクション75の端部にある管状のセクションでもよく、電源セクション75がカートマイザー25に接続された時に、チャンバー58とカートマイザー25の間の直接の空気経路を確保するように構成される。吸込みポスト30は、ガスケットリング32を介して所定位置に保持されうる。
【0038】
一つの実施形態において、吸煙センサーホルダー35は所定位置に保持されるか、または電源セクション75の内壁に対して位置する1つ以上の突起56により、センシング部分68内部での移動が実質的に阻止される。代わりに、突起56は電源セクション75の内側壁の厚めの部分でもよい。従って、吸煙センサーホルダー35は、突起56によってオスコネクター50aに向けてスライドすることが実質的に阻止される。
【0039】
eベーピング装置の動作中、吸煙センサー40は、チャンバー58内の空気圧力降下を感知するよう構成され、電源から制御回路45を経由して電圧の印加を開始するよう構成される。
【0040】
一つの実施形態において、吸煙センサーホルダー35と吸煙センサー40の組み合わせは、電源部分70をセンシング部分68から実質的に密封して隔離するよう構成されたシールを形成する。従って、ユーザーによるeベーピング装置100の使用の結果として、気流がセンシング部分68内で形成される時、外側の空気を空気孔55から引き込み、吸煙センサー40で圧力降下を生じさせ、吸煙センサーホルダー35による電源部分70への気流の入り込みはわずかしかないか、または全くない。その結果、気流との接触による電源64の劣化は、低減されるかまたは実質的に防止される。加えて、電源64からのガス放出はセンサーチャンバー58を経由してカートマイザー25に入ることが実質的に阻止される。電源64からのガス放出は通気口65を経由したものとなる。
【0041】
図3Aは、少なくとも一つの例示的な実施形態による吸煙センサーホルダーの断面である。図3Aにおいて、吸煙センサーホルダー35は、第一の直径セクション35aおよび第二の直径セクション35bを持つ中空のシリンダーである。第一の直径セクション35aは第一の内径D1を持ち、第一のくぼみを画定し、第二の直径セクション35bは第二の内径D2を持ち、第二のくぼみを画定する。例示的な実施形態において、内側の環状のフランジ38が吸煙センサーホルダー35内に形成されるように、D1はD2よりも小さい。第二の内径D2によって画定される空間は、吸煙センサー40が吸煙センサーホルダー35内にぴったりと実質的に密封して位置できるように、吸煙センサー40の形状と一致する。
【0042】
一つの実施形態において、突起31は第二の直径セクション35bの端部にある。注目すべきことは、吸煙センサー40は、例えば円形断面を持つことに限定されず、従って第二の直径セクション35bの内部空間の断面は、円形断面に限定されないことである。
【0043】
第一の直径セクション35aおよび第二の直径セクション35bは同一の外径を持ち、この同一の外径は、吸煙センサーホルダー35が電源セクション75内に実質的に密封して位置するように、電源セクション75のハウジングの内径と厳密に一致する。吸煙センサー40と吸煙センサーホルダー35の組み合わせは、センシング部分68を電源部分70から実質的に密封して隔離するシールを形成する。一つの実施形態において、吸煙センサーホルダー35は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)またはシリコーンを含みうる。
【0044】
一つの実施形態において、突起31は、吸煙センサーホルダー35と、電源部分70内に収納された電池64との間の物理的分離を提供する。従って、突起31は、例えば電池64が吸煙センサーホルダー35に接触するのを阻止して、制御回路接点の電池接続の潜在的なショートを阻止するように構成されるか、または吸煙センサーホルダー35および電池64の一方または両方の移動を実質的に阻止するように構成される。
【0045】
図3Bは、図3Aの第一の直径セクション35aの端部での吸煙センサーホルダー35の端面図である。図3Bにおいて、吸煙センサーホルダー35は、直径D1を持つ円形の開口部36を含む。注目すべきことは、開口部36は円形以外の形状を持ちうることである。例えば、開口部36は、数ある形状の中で、正方形または長方形の形状を持ちうる。図3Cは、図3Aの第二の直径セクション35bの吸煙センサーホルダー35の端面図である。図3Cは、吸煙センサー40が配置される環状のフランジ38の図である。
【0046】
図3Dは、少なくとも一つの例示的な実施形態による吸煙センサー40の長軸方向の断面である。一つの実施形態において、吸煙センサー40は制御回路45に結合される。制御回路45は、電池64からの電力の流れ(例えば、電流)を制御するよう構成される。一つの実施形態において、制御回路45は、ユーザーによるeベーピング装置の使用に起因するチャンバー58(図2に図示)内の空気圧力降下が吸煙センサー40によって感知された時に、電池64からの電力の供給を制御するように構成されたプロセッサおよび電極44を含む。制御回路45は、吸煙センサー40の形状と同心の円筒形の形状を持つものとして図示されているが、制御回路45はその他の形状を持ってもよく、また電池64からの電力の供給を制御するように構成された1つ以上の追加的な制御構成要素を持ちうる。
【0047】
図3Eは、少なくとも一つの例示的な実施形態による吸煙センサーホルダー内に保持されている吸煙センサーの長軸方向の断面図である。図3Eにおいて、吸煙センサー40は、吸煙センサーホルダー35内にぴったりと配置される。一つの実施形態において、吸煙センサーホルダー35は、電源セクション75の内壁に対してぴったりと適合する。例えば、円筒形の吸煙センサーホルダー35は、電源セクション75の内側の円筒形の壁に対して実質的に密封して固定される。一つの実施形態において、吸煙センサー40は、吸煙センサーホルダー35のフランジ38に隣接する。フランジ38は、吸煙センサー40を吸煙センサーホルダー35内にぴったりと配置するように構成されうる。吸煙センサー40の長軸方向にフランジ38から吸煙センサー40の反対側の端で、電極44は電源部分70内に収容された電池64との電気的な結合および制御のための結合が確保されるように構成されている。従って、作動中に、ユーザーがeベーピング装置を使用する時、制御回路45は、ユーザーがeベーピング装置を吸っていることを感知している吸煙センサー40に応答して電力を供給するように構成されている。一つの実施形態において、吸煙センサーホルダー35の長軸方向に開口部36から吸煙センサーホルダー35の反対側に位置する突起31は、電池64が吸煙センサーホルダー35と接触することを実質的に阻止するように構成され、または吸煙センサーホルダー35および電池64の一方または両方が移動することを実質的に阻止するように構成される。
【0048】
図3A~3Eに図示した上記説明の観点から、eベーピング装置の使用中、通気孔55を通過し、吸煙センサー40で循環する空気は、吸煙センサーホルダー35によって電源部分70に入ることが実質的に阻止される。その結果、電源部分70内に収容された電池64の劣化は、実質的に防止されるかまたは低減される。加えて、電源64からのガス放出は、センサーチャンバー58を経由してカートマイザー25に入ることが実質的に阻止される。電源64からのガス放出は通気口65を経由したものとなる。
【0049】
図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるカートマイザーの断面図である。図4において、交換可能なカートマイザー25は、液体と、液体を液体供給貯蔵部22から吸い上げるように構成された芯28と、芯28内の液体を加熱して蒸気を形成するように構成されたヒーター要素14とを含む、液体供給貯蔵部22を含みうる。例示的な実施形態において、ヒーター14は、シール15によって画定された中央の空気通路20の部分の下流にあり、その部分に対して間隙を介しているカートマイザー25内に含まれる。ユーザーがeベーピング装置を使用する時、空気は、通気孔55および電源セクション75の吸込みポスト30から、中央の空気通路20の孔に、および外部空気通路9に流れ込む。例示的な実施形態によれば、ヒーター14は、ワイヤーコイル、平面の本体、セラミック本体、単一ワイヤー、抵抗線のケージの形態、またはその他任意の適切な形態としうる。芯28は、液体材料が液体供給貯蔵部22とヒーター14の間を流れる経路を芯28が提供するように、液体供給貯蔵部22内の液体材料とヒーター14の両方と連通しうる。芯28は、繊維質かつ可撓性の材料で構築されてもよい。芯28は、液体を引き出す能力を有する少なくとも一つのフィラメントを含みうる。一つの例示的な実施形態において、電源セクション75内に含まれる電源64は、液体を加熱して蒸気を発生させるためにヒーター14全体に電圧を印加するように、制御回路45によってヒーター14に動作可能に接続されうる。カートマイザー25および電源セクション75は、ねじ込み接続部50aおよび50bで物理的および電気的に結合され、ここで50aは電源セクション75のオスのねじ込み接続部(図2を参照)であり、50bはカートマイザー25のメスのねじ込み接続部(図4を参照)である。
【0050】
一つの例示的な実施形態において、(負の)接地接続は、ねじ込み接続部50aと50bの間で電気的接続を介して形成されることができ、(正の)電圧接続は、電源セクション75のポスト30とカートマイザー25のポスト(図示せず)との間で電気的接続を介して形成されうる。例えば、リード線によって電源セクション75のポスト30およびねじ込みコネクター50aを電源セクション75内の制御回路(図示せず)に接続してもよく、また他のリード線によってねじ込みコネクター50bおよびカートマイザー25のポストをヒーター要素14に接続してもよい。従って、作動中に、カートマイザー25および電源セクション75が結合されている時、回路が形成される。
【0051】
少なくとも一つの例示的な実施形態によれば、カートマイザー25はさらに、少なくとも一つのまたは二つの軸外の分岐した出口24を持つ口側端インサート8を含む。口側端インサート8は、ストッパー10を通して延びる内側の管62の内部を介して中央空気通路20と流体連通しうる。さらに、ヒーター14は長軸方向を横断する方向に延び、液体材料を気化して蒸気を形成するのに十分な温度へと液体材料を加熱する。他の例示的な実施形態において、ヒーター14の他の向きが意図されうる。例えば、ヒーター14および芯28の加熱部分は、内側の管62内に長軸方向に配置されうる。ヒーター14はまた、内側の管62内で中央に配置されうる。しかし、他の例示的な実施形態において、ヒーター14は、内側の管62の内部表面に隣接して配置されうる。
【0052】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、芯28、液体供給貯蔵部22、および口側端インサート8はカートマイザー25内に含まれ、電源64は電源セクション75内に含まれる。
【0053】
こうして例示的な実施形態を説明してきたが、これらは多くの方法で変形されうることが明らかになるであろう。こうした変形は、例示的な実施形態の意図される範囲を逸脱するものと見なされず、当業者にとって明らかであろうすべての変更は、以下の請求項の範囲内に含まれることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4