(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】二座アゾリルアミド金属-配位子錯体およびオレフィン重合触媒
(51)【国際特許分類】
C08F 4/64 20060101AFI20240227BHJP
C08F 10/00 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
C08F4/64
C08F10/00 510
(21)【出願番号】P 2021503875
(86)(22)【出願日】2019-07-29
(86)【国際出願番号】 US2019043896
(87)【国際公開番号】W WO2020028240
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2022-07-19
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】ストゥーベルト、ブライアン ディー.
【審査官】尾立 信広
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-518291(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0094839(US,A1)
【文献】特表2009-536202(JP,A)
【文献】特開2001-187345(JP,A)
【文献】特開2014-214204(JP,A)
【文献】特開2014-111770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 4/60-4/70
C08F 6/00-246/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)による金属-配位子錯体を含む触媒系であって、
【化1】
式中、
Mが、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムから選択される金属であり、前記金属が、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有し、
R
1が、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル
、ハロゲン、水素、Mに共有結合的に接続された(C
5-C
40)アリーレン、またはMに共有結合的に接続された(C
4-C
40)ヘテロアリーレンから選択され、
R
2およびR
3が独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル
、または水素から選択され、
R
2およびR
3が、任意に共有結合して、芳香環を形成し、
R
5a、R
5b、およびR
6が独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル
、ハロゲン、または水素から選択され、
各Xが、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、
または(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビルから選択される単座配位子、二座配位子、または三座配位子であり、
そして、
nが、1、2、または3であるが、但し、Xが三座配位子である場合、nが、1であり、R
1が(C
5-C
40)アリーレンまたは(C
4-C
40)ヘテロアリーレンである場合、nが、1または2であることを条件
とする、触媒系。
【請求項2】
R
2およびR
3が、共有結合して、芳香環を形成し、R
6が、置換フェニルまたは非置換フェニルであり、前記金属-配位子錯体が、式(II)による構造を有し、
【化2】
式中、R
1、R
5a、R
5b、X、およびnが、式(I)で定義されるとおりであり、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
6a、R
6b、R
6c、R
6d、およびR
6eが独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される、請求項1に記載の触媒系。
【請求項3】
各Xが独立して、ベンジル、フェニル、メチル、またはハロゲンである、請求項1または請求項2に記載の触媒系。
【請求項4】
R
5aまたはR
5bが、-H、ベンジル、置換フェニル、非置換フェニル、または(C
1-C
10)アルキルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒系。
【請求項5】
R
1が、(C
1-C
8)アルキルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒系。
【請求項6】
R
1が、メチルまたはn-オクチルである、請求項5に記載の触媒系。
【請求項7】
R
6aおよびR
6eが、(C
1-C
30)アルキルである、請求項2~6のいずれか一項に記載の触媒系。
【請求項8】
R
2が、メチルまたはフェニルである、請求項1、3、4、5、および6のいずれか一項に記載の触媒系。
【請求項9】
R
1が、Mに共有結合的に接続された(C
5-C
40)アリーレンであり、前記金属-配位子錯体が、式(III)による構造を有し、
【化3】
式中、R
2、R
3、R
5a、R
5b、R
6、M、X、およびnが独立して、式(I)で定義したとおりであり、R
1a、R
1b、R
1c、およびR
1dが独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択され、
任意に、R
1aおよびR
1b、またはR
1bおよびR
1c、またはR
1cおよびR
1dのいずれかが、共有結合して、芳香環または非芳香環を形成する、請求項1に記載の触媒系。
【請求項10】
R
2およびR
3が、共有結合して、芳香環を形成し、前記金属-配位子錯体が、式(IV)による構造を有し、
【化4】
式中、R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
2、R
3、R
5a、R
5b、R
6、M、X、およびnが、式(III)で定義したとおりであり、R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bが独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される、請求項9に記載の触媒系。
【請求項11】
請求項1~10に記載の触媒系の存在下、オレフィン重合条件下で、エチレンおよび1つ以上のオレフィンを重合して、エチレン系ポリマーを形成することを含む、重合プロセス。
【請求項12】
前記触媒系が、助触媒をさらに含む、請求項11に記載の重合プロセス。
【請求項13】
前記1つ以上のオレフィンが、プロピレン、1-ヘキセン、または1-オクテンから選択される、請求項11または12に記載の重合プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月31日に出願された米国仮特許出願第62/712,579号に対する優先権を主張し、この開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示の実施形態は一般に、オレフィン重合触媒系およびプロセス、ならびにより具体的には、二座アゾリルアミドポリオレフィンプロ触媒に関する。
【背景技術】
【0003】
エチレン系ポリマーおよび/またはプロピレン系ポリマーなどのオレフィン系ポリマーは、様々な触媒系を介して生成される。オレフィン系ポリマーの重合プロセスにおいて使用されるそのような触媒系の選択は、そのようなオレフィン系ポリマーの特徴および特性に寄与する重要な要素である。
【0004】
エチレン系ポリマーおよびプロピレン系ポリマーは、多種多様な物品のために製造される。エチレン系ポリマー重合プロセスは、様々な樹脂を異なる用途での使用に好適なものとする異なる物理的性質を有する多種多様な結果として生じるポリエチレン樹脂を生成するためにいくつかの点で変えることができる。
【0005】
化学産業は、オレフィン重合反応条件(例えば、温度)下で、コモノマーとエチレンとの間の改善された選択性を有する、金属-配位子錯体を含む触媒系の開発に努めている。触媒系は、反応収率を改善するか、代替的な基質選択性を提供(例えば、ポリオレフィンコポリマーの製造におけるモノマーおよびコモノマーに対する新たな相対的選択性を提供)するか、プロセスの安全性を改善するか、またはそれらの組み合わせである、新たな物質の組成物(例えば、新たなポリオレフィン組成物)を提供する。
【発明の概要】
【0006】
ポリエチレンまたはポリプロピレン重合などのオレフィン重合に好適な触媒系の開発における研究努力にもかかわらず、高分子量を有するポリマーを生成することができ、高温(すなわち、120℃以上の温度)で反応することができ、かつコモノマーの選択性を増加させることができる、触媒系の効率を増加させる継続的な必要性が存在する。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、触媒系は、式(I)による金属-配位子錯体を含む。
【化1】
【0008】
式(I)において、Mは、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムから選択される金属であり、金属は、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有し、各Xは、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、(C6-C20)アリール、(C6-C20)ヘテロアリール、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、またはRCOC(O)-から選択される単座配位子、二座配位子、または三座配位子である。式(I)においてRC、RN、およびRPは独立して、(C1-C30)ヒドロカルビルである。(X)nの下付き文字nは、1、2、または3である。Xが三座配位子である場合、nは、1である。Xが単座または二座配位子である場合、nは、2または3である。
【0009】
式(I)において、各R1、R5a、R5b、およびR6は独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される。R2は独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される。R3は独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される。式(I)においてRC、RN、およびRPは独立して、(C1-C30)ヒドロカルビルである。さらに、R2およびR3は、任意に共有結合して、芳香環を形成し得る。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで、触媒系の具体的な実施形態を説明する。本開示の触媒系は、異なる形態で実施されてもよく、本開示に記載される特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではないことを理解されたい。むしろ、実施形態は、本開示が、徹底的かつ完全となり、また主題の範囲を当業者に完全に伝えるように、提供される。
【0011】
一般的な略語を以下に列挙する。
【0012】
R、Z、M、X、およびn:上記で定義したとおり、Me:メチル、Et:エチル、Ph:フェニル、Bn:ベンジル、i-Pr:イソプロピル、t-Bu:tert-ブチル、t-Oct:tert-オクチル(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)、Tf:スルホン酸トリフルオロメタン、THF:テトラヒドロフラン、Et2O:ジエチルエーテル、CH2Cl2:ジクロロメタン、C6D6:重水素化ベンゼンまたはベンゼン-d6、CDCl3:重水素化クロロホルム、BHT:ブチル化ヒドロキシトルエン、TCB:1,2,4-トリクロロベンゼン、MgSO4:硫酸マグネシウム、n-BuLi:ブチルリチウム、HfCl4:塩化ハフニウム(IV)、HfBn4:ハフニウム(IV)テトラベンジル、ZrCl4:塩化ジルコニウム(IV)、ZrBn4:ジルコニウム(IV)テトラベンジル、ZrBn2Cl2(OEt2):ジルコニウム(IV)ジベンジルジクロリドモノジエチルエーテレート、HfBn2Cl2(OEt2):ハフニウム(IV)ジベンジルジクロリドモノジエチルエーテレート、N2:窒素ガス、PhMe:トルエン、PPR:並列圧反応器、MAO:メチルアルミノキサン、MMAO:修飾メチルアルミノキサン、TEA:トリエチルアミン、GC:ガスクロマトグラフィー、LC:液体クロマトグラフィー、NMR:核磁気共鳴、MS:質量分析、mmol:ミリモル、M:モル溶液、mM:ミリモル溶液、mL:ミリリットル、minまたはmins:分、hまたはhrs:時間、d:日、RT:室温。
【0013】
「独立して選択される」という用語は、R1、R2、R3、およびR5などのR基が、同一であっても異なっていてもよいこと(R1、R2、R3、およびR5がすべて置換アルキルであってもよいか、またはR1およびR2が置換アルキルであってもよく、かつR3がアリールであってもよい、など)を示すために本明細書で使用される。R基に関連する化学名は、化学名の化学構造に対応するものとして当該技術分野で認識されている化学構造を伝えることを意図している。したがって、化学名は、当業者に既知の構造的定義を補足および例示することを意図しており、排除することを意図していない。
【0014】
「プロ触媒」という用語は、活性化剤と組み合わせたときに触媒活性を有する化合物を指す。「活性化剤」という用語は、プロ触媒を触媒的に活性な触媒に転換するようにプロ触媒と化学的に反応する化合物を指す。本明細書で使用される場合、「助触媒」および「活性化剤」という用語は、交換可能な用語である。
【0015】
ある特定の炭素原子含有化学基を記載するために使用される場合、「(Cx-Cy)」の形態を有する括弧付きの表現は、化学基の非置換形態がxおよびyを含めてx個の炭素原子からy個の炭素原子までを有することを意味する。例えば、(C1-C50)アルキルは、その非置換形態では1~50個の炭素原子を有するアルキル基である。いくつかの実施形態および一般構造において、ある特定の化学基は、RSなどの1つ以上の置換基によって置換されてもよい。括弧付きの「(Cx-Cy)」を使用して定義されるRS置換化学基は、任意の基RSの同一性に従ってy個を超える炭素原子を含有することができる。例えば、「RSがフェニル(-C6H5)である正確に1つの基RSによって置換された(C1-C50)アルキル」は、7~56個の炭素原子を含有し得る。したがって、一般に、括弧付きの「(Cx-Cy)」を使用して定義される化学基が1つ以上の炭素原子含有置換基RSによって置換される場合、化学基の炭素原子の最小および最大合計数は、xとyとの両方に、すべての炭素原子含有置換基RS由来の炭素原子の合計数を加えることによって決定される。
【0016】
「置換」という用語は、対応する非置換化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合した少なくとも1個の水素原子(-H)が置換基(例えば、RS)によって置き換えられることを意味する。「過置換」という用語は、対応する非置換化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合したすべての水素原子(H)が置換基(例えばRS)によって置き換えられることを意味する。「多置換」という用語は、対応する非置換化合物または官能基の炭素原子またはヘテロ原子に結合した、少なくとも2個の、ただし、すべてよりは少ない水素原子が置換基によって置き換えられることを意味する。「-H」という用語は、別の原子に共有結合している水素または水素ラジカルを意味する。「水素」および「-H」は交換可能であり、明記されていない限り、同一の意味を有する。
【0017】
「(C1-C50)ヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子を有する炭化水素ラジカルを意味し、「(C1-C50)ヒドロカルビレン」という用語は、1~50個の炭素原子を有する炭化水素ジラジカルを意味し、そこで、各炭化水素ラジカルおよび各炭化水素ジラジカルは、芳香族または非芳香族、飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖、環式(3個以上の炭素を有し、単環式および多環式、縮合および非縮合の多環式、ならびに二環式を含む)または非環式であり、1つ以上のRSによって置換されているか、または置換されていない。
【0018】
本開示において、(C1-C50)ヒドロカルビルは、非置換またはは置換(C1-C50)アルキル、(C3-C50)シクロアルキル、(C3-C20)シクロアルキル-(C1-C20)アルキレン、(C6-C40)アリール、または(C6-C20)アリール-(C1-C20)アルキレン(ベンジル(-CH2-C6H5)など)であり得る。
【0019】
「(C1-C50)アルキル」および「(C1-C18)アルキル」という用語は、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換されている、それぞれ、1~50個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐炭化水素ラジカルおよび1~18個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐炭化水素ラジカルを意味する。非置換(C1-C50)アルキルの例は、非置換(C1-C20)アルキル、非置換(C1-C10)アルキル、非置換(C1-C5)アルキル、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、1-ペンチル、1-ヘキシル、1-ヘプチル、1-ノニル、および1-デシルである。置換(C1-C40)アルキルの例は、置換(C1-C20)アルキル、置換(C1-C10)アルキル、トリフルオロメチル、および[C45]アルキルである。「[C45]アルキル」という用語は、置換基を含むラジカル中に最大45個の炭素原子が存在することを意味し、例えば、それぞれ、(C1-C5)アルキルである1つのRSによって置換されている(C27-C40)アルキルである。各(C1-C5)アルキルは、メチル、トリフルオロメチル、エチル、1-プロピル、1-メチルエチル、または1,1-ジメチルエチルであり得る。
【0020】
「(C6-C50)アリール」という用語は、6~40個の炭素原子を有し、そのうちの少なくとも6~14個の炭素原子は芳香環炭素原子である、非置換または(1つ以上のRSによって)置換された単環式、二環式、または三環式芳香族炭化水素ラジカルを意味する。単環式芳香族炭化水素ラジカルは、1つの芳香環を含み、二環式芳香族炭化水素ラジカルは2つの環を有し、三環式芳香族炭化水素ラジカルは3つの環を有する。二環式または三環式芳香族炭化水素ラジカルが存在するとき、そのラジカルの環のうちの少なくとも1つは芳香族である。芳香族ラジカルの他の1つまたは複数の環は独立して、縮合または非縮合の芳香族または非芳香族であり得る。非置換(C6-C50)アリールの例としては、非置換(C6-C20)アリール、非置換(C6-C18)アリール、2-(C1-C5)アルキル-フェニル、フェニル、フルオレニル、テトラヒドロフルオレニル、インダセニル、ヘキサヒドロインダセニル、インデニル、ジヒドロインデニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、およびフェナントレンが挙げられる。置換(C6-C40)アリールの例としては、置換(C1-C20)アリール、置換(C6-C18)アリール、2,4-ビス([C20]アルキル)-フェニル、ポリフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、およびフルオレン-9-オン-1-イルが挙げられる。
【0021】
「(C3-C50)シクロアルキル」という用語は、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換されている、3~50個の炭素原子を有する飽和環式炭化水素ラジカルを意味する。他のシクロアルキル基(例えば(Cx-Cy)シクロアルキル)は、x~y個の炭素原子を有し、非置換であるか、または1つ以上のRSによって置換されているかのいずれかであると同様な様式で定義される。非置換(C3-C40)シクロアルキルの例は、非置換(C3-C20)シクロアルキル、非置換(C3-C10)シクロアルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、およびシクロデシルである。置換(C3~C40)シクロアルキルの例は、置換(C3~C20)シクロアルキル、置換(C3~C10)シクロアルキル、シクロペンタノン-2-イル、および1-フルオロシクロヘキシルである。
【0022】
(C1-C50)ヒドロカルビレンの例としては、非置換または置換(C6-C50)アリーレン、(C3-C50)シクロアルキレン、および(C1-C50)アルキレン(例えば、(C1-C20)アルキレン)が挙げられる。ジラジカルは、同じ炭素原子上(例えば-CH2-)もしくは隣接する炭素原子(すなわち1,2-ジラジカル)上にあってもよく、または1個、2個、もしくは3個以上の介在炭素原子によって離間されている(例えば1,3-ジラジカル、1,4-ジラジカルなど)。いくつかのジラジカルとしては、1,2-、1,3-、1,4-、またはα,ω-ジラジカルが挙げられ、他のものとしては1,2-ジラジカルが挙げられる。α,ω-ジラジカルは、ラジカル炭素間に最大の炭素骨格間隔を有するジラジカルである。(C2-C20)アルキレンα,ω-ジラジカルのいくつかの例としては、エタン-1,2-ジイル(-CH2CH2-など)、プロパン-1,3-ジイル(すなわち-CH2CH2CH2-)、2-メチルプロパン-1,3-ジイル(-CH2CH(CH3)CH2-など)が挙げられる。(C6-C50)アリーレンα,ω-ジラジカルのいくつかの例としては、フェニル-1,4-ジイル、ナフタレン-2,6-ジイル、またはナフタレン-3,7-ジイルが挙げられる。
【0023】
「(C1-C50)アルキレン」という用語は、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換されている、1~50個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐鎖のジラジカル(つまり、ラジカルが環原子上にない)を意味する。非置換(C1-C50)アルキレンの例は、非置換(C1-C20)アルキレンであり、非置換-CH2CH2-、-(CH2)3-、-(CH2)4-、-(CH2)5-、-(CH2)6-、-(CH2)7-、-(CH2)8-、-CH2C*HCH3、および-(CH2)4C*(H)CH3を含み、「C*」は、水素原子が、第二級もしくは第三級アルキルラジカルを形成するために除去される炭素原子を表す。置換(C1-C50)アルキレンの例は、置換(C1-C20)アルキレン、-CF2-、-C(O)-、および-(CH2)14C(CH3)2(CH2)5-(すなわち、6,6-ジメチル置換ノルマル-1,20-エイコシレン)である。前述のように、2つのRSは一緒になって、(C1-C18)アルキレンを形成することができるので、置換(C1-C50)アルキレンの例としては、1,2-ビス(メチレン)シクロペンタン、1,2-ビス(メチレン)シクロヘキサン、2,3-ビス(メチレン)-7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、および2,3-ビス(メチレン)ビシクロ[2.2.2]オクタンも挙げられる。
【0024】
「(C3-C50)シクロアルキレン」という用語は、非置換であるかまたは1つ以上のRSによって置換されている、3~50個の炭素原子を有する環式ジラジカル(つまり、ラジカルが環原子上にある)を意味する。
【0025】
「ヘテロ原子」という用語は、水素または炭素以外の原子を指す。1個または2個以上のヘテロ原子を含有する基の例としては、O、S、S(O)、S(O)2、Si(RC)2、P(RP)、N(RN)、-N=C(RC)2、-Ge(RC)2-、または-Si(RC)-が挙げられ、各RCおよび各RPは、非置換(C1-C18)ヒドロカルビルまたは-Hであり、各RNは非置換(C1-C18)ヒドロカルビルである。「ヘテロ炭化水素」という用語は、炭化水素の1個以上の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられている分子または分子骨格を指す。
【0026】
「(C1-C50)ヘテロヒドロカルビル」という用語は、1~50個の炭素原子を有するヘテロ炭化水素ラジカルを意味し、「(C1-C50)ヘテロヒドロカルビレン」という用語は、1~50個の炭素原子を有するヘテロ炭化水素ジラジカルを意味する。(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルまたは(C1-C50)ヘテロヒドロカルビレンのヘテロ炭化水素ジラジカルは、1個以上のヘテロ原子を有する。ヘテロヒドロカルビルのラジカルは、炭素原子上またはヘテロ原子上に存在することができる。ヘテロヒドロカルビレンの2つの基は、単一の炭素原子上または単一のヘテロ原子上に存在することができる。さらに、ジラジカルの2つのラジカルのうちの一方は炭素原子上に存在することができ、他方のラジカルは異なる炭素原子上に存在することができるか、2つのラジカルのうちの一方は炭素原子上に存在することができ、他方はヘテロ原子上に存在することができるか、または2つのラジカルのうちの一方はヘテロ原子上に存在することができ、他方のラジカルは異なるヘテロ原子上に存在することができる。各(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルおよび(C1-C50)ヘテロヒドロカルビレンは、非置換または(1つ以上のRSによって)置換、芳香族または非芳香族、飽和または不飽和、直鎖または分岐鎖、環式(単環式および多環式、縮合多環式および非縮合多環式を含む)または非環式であってもよい。
【0027】
(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルは、非置換であっても置換されてもよい。(C1-C50)ヘテロヒドロカルビルの非限定的な例としては、(C1-C50)ヘテロアルキル、(C1-C50)ヒドロカルビル-O-、(C1-C50)ヒドロカルビル-S-、(C1-C50)ヒドロカルビル-S(O)-、(C1-C50)ヒドロカルビル-S(O)2-、(C1-C50)ヒドロカルビル-Si(RC)2-、(Cl-C50)ヒドロカルビル-N(RN)-、(C1-C50)ヒドロカルビル-P(RP)-、(C2-C50)ヘテロシクロアルキル、(C2-C19)ヘテロシクロアルキル-(C1-C20)アルキレン、(C3-C20)シクロアルキル-(C1-C19)ヘテロアルキレン、(C2-C19)ヘテロシクロアルキル-(C1-C20)ヘテロアルキレン、(C1-C50)ヘテロアリール、(C1-C19)ヘテロアリール-(C1-C20)アルキレン、(C6-C20)アリール-(C1-C19)ヘテロアルキレン、または(C1-C19)ヘテロアリール-(C1-C20)ヘテロアルキレンが挙げられる。
【0028】
「(C4-C50)ヘテロアリール」という用語は、合計4~50個の炭素原子および1~10個のヘテロ原子を有する、非置換であるかまたは(1つ以上のRSによって)置換されている単環式、二環式、または三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルを意味する。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、1つのヘテロ芳香環を含み、二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、2つの環を有し、三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、3つの環を有する。二環式または三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルが存在する場合、ラジカルにおける環のうちの少なくとも1つは、ヘテロ芳香族である。ヘテロ芳香族ラジカルの他の1つまたは複数の環は独立して、縮合または非縮合および芳香族または非芳香族であることができる。他のヘテロアリール基(例えば、一般に(Cx-Cy)ヘテロアリール、(C4-C12)ヘテロアリールなど)は、x~y個の炭素原子(4~12個の炭素原子など)を有し、かつ非置換であるかまたは1つもしくは2つ以上のRSによって置換されているものと同様な様式で定義される。単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、5員環または6員環である。
【0029】
5員環単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、5マイナスh個の炭素原子を有し、hは、ヘテロ原子の数であり、1、2、または3個であり得、各ヘテロ原子は、O、S、N、またはPであり得る。5員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、ピロール-1-イル、ピロール-2-イル、フラン-3-イル、チオフェン-2-イル、ピラゾール-1-イル、イソキサゾール-2-イル、イソチアゾール-5-イル、イミダゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、チアゾール-2-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、テトラゾール-1-イル、テトラゾール-2-イル、およびテトラゾール-5-イルが挙げられる。
【0030】
6員環単環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、6マイナスh個の炭素原子を有し、hは、ヘテロ原子の数であり、1または2であり得、ヘテロ原子は、NまたはPであり得る。6員環ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、ピリジン-2-イル、ピリミジン-2-イル、およびピラジン-2-イルが挙げられる。
【0031】
二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは、縮合5,6-または6,6-環系であり得る。縮合5,6-環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、インドール-1-イル、およびベンズイミダゾール-1-イルが挙げられる。縮合6,6-環系二環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルの例としては、キノリン-2-イル、およびイソキノリン-1-イルが挙げられる。三環式ヘテロ芳香族炭化水素ラジカルは縮合5,6,5-、5,6,6-、6,5,6-、または6,6,6-環系であり得る。縮合5,6,5-環系の例としては、1,7-ジヒドロピロロ[3,2-f]インドール-1-イルが挙げられる。縮合5,6,6-環系の例としては、1H-ベンゾ[f]インドール-1-イルが挙げられる。縮合6,5,6-環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,5,6-環系の例は、9H-カルバゾール-9-イルである。縮合6,6,6-環系の例は、アクリジン-9-イルである。
【0032】
(C1-C50)ヘテロアルキルという用語は、1~50個の炭素原子および1個以上のヘテロ原子を含有する飽和直鎖または分岐鎖ラジカルを意味する。「(C1-C50)ヘテロアルキレン」という用語は、1~50個の炭素原子および1個または2個以上のヘテロ原子を含有する飽和直鎖または分岐鎖ジラジカルを意味する。ヘテロアルキルまたはヘテロアルキレンのヘテロ原子としては、Si(RC)3、Ge(RC)3、Si(RC)2、Ge(RC)2、P(RP)2、P(RP)、N(RN)2、N(RN)、N、O、ORC、S、SRC、S(O)、およびS(O)2が挙げられ得、ヘテロアルキルおよびヘテロアルキレンの各々は、非置換または1つ以上のRSによって置換されている
【0033】
非置換(C2-C40)ヘテロシクロアルキルの例としては、非置換(C2-C20)ヘテロシクロアルキル、非置換(C2-C10)ヘテロシクロアルキル、アジリジン-1-イル、オキセタン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、ピロリジン-1-イル、テトラヒドロチオフェン-S,S-ジオキシド-2-イル、モルホリン-4-イル、1,4-ジオキサン-2-イル、ヘキサヒドロアゼピン-4-イル、3-オキサ-シクロオクチル、5-チオ-シクロノニル、および2-アザ-シクロデシルが挙げられる。
【0034】
「ハロゲン原子」または「ハロゲン」という用語は、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、またはヨウ素原子(I)のラジカルを意味する。「ハロゲン化物」という用語は、フッ化物(F-)、塩化物(Cl-)、臭化物(Br-)、またはヨウ化物(I-)のハロゲン原子のアニオン形態を意味する。
【0035】
「飽和」という用語は、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、ならびに(ヘテロ原子含有基において)炭素-窒素、炭素-リン、および炭素-ケイ素二重結合を欠くことを意味する。飽和化学基が1つ以上の置換基RSによって置換されている場合、1つ以上の二重結合および/または三重結合は、任意に、置換基RS中に存在していてもよい。「不飽和」という用語は、1個以上の炭素-炭素二重結合もしくは炭素-炭素三重結合、または(ヘテロ原子含有基において)1つ以上の炭素-窒素二重結合、炭素-リン二重結合、もしくは炭素-ケイ素二重結合を含有することを意味し、もしある場合、置換基RS中に、もしある場合、芳香環中またはヘテロ芳香環中に存在し得る二重結合を含まない。
【0036】
本開示の実施形態は、式(I)による金属-配位子錯体を含む触媒系を含む。
【化2】
【0037】
式(I)において、Mは、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムから選択される金属であり、金属は、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有する。R1は、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、水素、Mに共有結合的に接続された(C5-C40)アリーレン、またはMに共有結合的に接続された(C4-C40)ヘテロアリーレンから選択される。
【0038】
実施形態では、触媒系は、式(I)による金属-配位子錯体を含むことができ、式中、R2およびR3は独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される。1つ以上の実施形態では、R2およびR3は、任意に共有結合して、芳香環を形成する。
【0039】
実施形態では、触媒系は、式(I)による金属-配位子錯体を含むことができ、式中、R5a、R5b、およびR6は独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-CH2Si(RC)-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される。式(I)においてRC、RN、およびRPは独立して、(C1-C30)ヒドロカルビルである。
【0040】
実施形態では、触媒系は、式(I)による金属-配位子錯体を含むことができ、式中、各Xは独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C6-C20)アリール、または(C6-C20)ヘテロアリールから選択される単座配位子、二座配位子、または三座配位子である。(X)nの下付き文字nは、1、2、または3である。Xが三座配位子である場合、nは、1である。Xが単座または二座配位子である場合、nは、2または3である。いくつかの実施形態では、R1が(C5-C40)アリーレンまたは(C4-C40)ヘテロアリーレンである場合、nは、1または2である。金属-配位子錯体は、5つ以下の金属-配位子結合を有し、全体として電荷中性であり得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、R2は、メチルまたはフェニルであり、R3は、-Hである。
【0042】
式(I)による金属-配位子錯体のいくつかの実施形態では、R
2およびR
3は、共有結合して、芳香環を形成し、R
6は、置換フェニルまたは非置換フェニルであり、金属-配位子錯体は、式(II)による構造を有する。
【化3】
【0043】
式(II)において、R1、R5a、R5b、X、およびnは、式(I)で定義されるとおりであり、各R2a、R2b、R3a、R3b、R6a、R6b、R6c、R6d、およびR6eは独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される。
【0044】
1つ以上の実施形態では、式(I)および式(II)のR5aおよびR5bは独立して、-H、ベンジル、置換フェニル、非置換フェニル、(C1-C10)アルキル、(C1-C5)アルキル、またはメチルから選択される。置換フェニルは、1つ以上の基RSで置換されてもよく、過置換フェニル、二置換フェニル、および三置換フェニルを含み得る。そのような置換フェニルにおける各RSは、(C1-C20)アルキル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、またはハロゲンから選択され得る。
【0045】
実施形態では、式(I)または式(II)のR1は、(C1-C8)アルキルである。R1は、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、n-オクチル、および1,1,3,3-テトラメチルブチル(tert-オクチルとも呼ばれる)であり得る。
【0046】
1つ以上の実施形態では、式(II)のR6a、R6c、およびR6eは、(C1-C30)アルキルである。いくつかの実施形態では、式(II)のR6a、R6c、およびR6eは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2-ブチル、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチルとも呼ばれる)、1-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、1,2-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、n-オクチル、および1,1,3,3-テトラメチルブチル(tert-オクチルとも呼ばれる)であり得る。
【0047】
式(I)および(II)の金属-配位子錯体中の金属Mは、金属-配位子錯体を調製するために、続いて一段合成または多段合成に曝される金属前駆体に由来し得る。好適な金属前駆体は、単量体(1つの金属中心)もしくは二量体(2つの金属中心)であり得るか、または2より大きい複数の金属中心、例えば、3つ、4つ、5つ、もしくは6つ以上の金属中心を有し得る。好適なハフニウムおよびジルコニウムの前駆体の具体例としては、例えば、HfCl4、HfMe4、Hf(CH2Ph)4、Hf(CH2CMe3)4、Hf(CH2SiMe3)4、Hf(CH2Ph)3Cl、Hf(CH2CMe3)3Cl、Hf(CH2SiMe3)3Cl、Hf(CH2Ph)2Cl2、Hf(CH2CMe3)2Cl2、Hf(CH2SiMe3)2Cl2、Hf(NMe2)4、Hf(NEt2)4、およびHf(N(SiMe3)2)2Cl2;ZrCl4、ZrMe4、Zr(CH2Ph)4、Zr(CH2CMe3)4、Zr(CH2SiMe3)4、Zr(CH2Ph)3Cl、Zr(CH2CMe3)3Cl、Zr(CH2SiMe3)3Cl、Zr(CH2Ph)2Cl2、Zr(CH2CMe3)2Cl2、Zr(CH2SiMe3)2Cl2、Zr(NMe2)4、Zr(NEt2)4、Zr(NMe2)2Cl2、Zr(NEt2)2Cl2、Zr(N(SiMe3)2)2Cl2、TiBn4、TiCl4、およびTi(CH2Ph)4が挙げられるが、それらに限定されない。これらの例のルイス塩基付加物も金属前駆体として好適であり、例えば、エーテル、アミン、チオエーテル、およびホスフィンがルイス塩基として好適である。具体例としては、HfCl4(THF)2、HfCl4(SMe2)2、およびHf(CH2Ph)2Cl2(OEt2)が挙げられる。活性化金属前駆体は、イオン性または双性イオン化合物、(M(CH2Ph)3
+)(B(C6F5)4
-)または(M(CH2Ph)3
+)(PhCH2B(C6F5)3
-)などであることができ、MはHfまたはZrであると上で定義されている。
【0048】
式(I)による金属-配位子錯体において、各Xは、少なくとも1つの共有結合、配位結合、またはイオン結合を通してMと結合する。nが1である場合、Xは、単座配位子、二座配位子、または三座配位子であり得るが、但し、Xが三座配位子である場合、金属-配位子結合のうちの1つが、活性化時に破壊され得ることを条件とし、nが2である場合、各Xは、独立して選択された単座配位子であり、他の基Xと同じであっても、異なっていてもよい。一般に、式(I)による金属-配位子錯体は、全体として電荷中性である。いくつかの実施形態では、単座配位子はモノアニオン性配位子であり得る。モノアニオン性配位子は-1の正味の形式酸化状態を有する。各モノアニオン性配位子は独立して、水素化物、(C1-C40)ヒドロカルビルカルバニオン((C6-C40)アリールカルバニオンなど)、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビルカルバニオン((C4-C40)ヘテロアリールカルバニオンなど)、またはハロゲン化物であり得る。
【0049】
式(I)の金属-配位子の1つ以上の実施態様では、R
1は、Mに共有結合的に接続された(C
5-C
40)アリーレンであり、金属-配位子錯体は、式(III)の構造を有する。
【化4】
【0050】
式(III)の金属-配位子構造の実施形態では、R2、R3、R5a、R5b、R6、M、X、およびnは独立して、式(I)で定義したとおりであり、R1a、R1b、R1c、およびR1dは独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される。いくつかの実施形態では、R1aおよびR1b、またはR1bおよびR1c、またはR1cおよびR1dのいずれかは、共有結合して、芳香環または非芳香環を形成する。
【0051】
式(III)の金属-配位子の1つ以上の実施形態では、R
2およびR
3は、共有結合して、芳香環を形成し、金属-配位子錯体は、式(IV)による構造を有する。
【化5】
【0052】
式(IV)の金属-配位子構造の実施形態では、R1a、R1b、R1c、R1d、R2、R3、R5a、R5b、R6、M、X、およびnは、式(III)で定義したとおりであり、R2a、R2b、R3a、およびR3bは独立して、(C1-C40)ヒドロカルビル、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(RC)3、-Ge(RC)3、-P(RP)2、-N(RN)2、-ORC、-SRC、-NO2、-CN、-CF3、RCS(O)-、RCS(O)2-、(RC)2C=N-、RCC(O)O-、RCOC(O)-、RCC(O)N(R)-、(RC)2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される。
【0053】
さらに、各Xは、いずれの他の配位子Xからも独立して、ハロゲン、非置換(C1-C20)ヒドロカルビル、非置換(C1-C20)ヒドロカルビルである単座配位子であり得る。いくつかの実施形態では、各単座配位子Xは、塩素原子、(C1-C10)ヒドロカルビル(例えば、(C1-C6)アルキルもしくはベンジル)、または(C4-C40)ヘテロアリールである。
【0054】
nが2以上であるさらなる実施形態では、式(I)による金属-配位子錯体が少なくとも2つの基Xを含むように、任意の2つの基Xは一緒になって、二座配位子を形成してもよい。二座配位子を含む例示的な実施形態では、二座配位子は中性二座配位子であってもよい。一実施形態では、中性二座配位子は、式(RD)2C=C(RD)-C(RD)=C(RD)2のジエンであり、式中、各RDは独立して、H、非置換(C1-C6)アルキル、フェニル、またはナフチルである。いくつかの実施形態では、二座配位子は、モノアニオン性-一(ルイス塩基)配位子である。いくつかの実施形態では、二座配位子は、ジアニオン性配位子である。ジアニオン性配位子は、-2の正味形式酸化状態を有する。一実施形態では、各ジアニオン性配位子は独立して、(C2-C40)ヒドロカルビレンジカルバニオン、(C1-C40)ヘテロヒドロカルビレンジカルバニオン、リン酸塩、または硫酸塩である。
【0055】
さらなる実施形態では、式(I)のXは、モノアニオン性であり、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、またはクロロから選択される。いくつかの実施形態では、nは、2であり、各Xは同一である。場合によっては、少なくとも2つのXは互いに異なる。他の実施形態では、nは、2であり、各Xは、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、1-ブチル、2,2-ジメチルプロピル、トリメチルシリルメチル、フェニル、ベンジル、およびクロロのうちの異なる1つである。一実施形態では、nは、2であり、少なくとも2つのXは独立して、モノアニオン性単座配位子である。特定の実施形態では、nは、2であり、2つのX基は一緒になって、二座配位子を形成する。さらなる実施形態では、二座配位子は、2,2-ジメチル-2-シラプロパン-1,3-ジイルまたは1,3-ブタジエンである。
【0056】
触媒系の特定の実施形態では、式(I)による金属-配位子錯体は、プロ触媒1~19のうちのいずれかの構造を有する金属-配位子錯体を含み得るが、これらに限定されない。
【化6-1】
【化6-2】
【化6-3】
【化6-4】
【0057】
助触媒成分
式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系は、オレフィン重合反応の金属系触媒を活性化するための当該技術分野で既知の任意の技術によって触媒的に活性にされ得る。例えば、式(I)の金属-配位子錯体によるプロ触媒は、錯体を活性化助触媒と接触させるか、または錯体を活性化助触媒と組み合わせることによって、触媒的に活性にされ得る。さらに、式(I)による金属-配位子錯体は、中性であるプロ触媒形態、およびベンジルまたはフェニルなどのモノアニオン配位子の損失によって正に帯電され得る触媒形態の両方を含む。本明細書に使用するのに好適な活性化助触媒としては、アルキルアルミニウム、ポリマーまたはオリゴマーアルモキサン(アルミノキサンとしても知られる)、中性ルイス酸、および非ポリマー、非配位、イオン形成化合物(酸化条件下でのそのような化合物の使用を含む)が挙げられる。好適な活性化技術は、バルク電気分解である。前述の活性化助触媒および技術のうちの1つ以上の組み合わせもまた企図される。「アルキルアルミニウム」という用語は、モノアルキルアルミニウム二水素化物もしくはモノアルキルアルミニウム二ハロゲン化物、ジアルキルアルミニウム水素化物もしくはジアルキルアルミニウムハロゲン化物、またはトリアルキルアルミニウムを意味する。ポリマーアルモキサンまたはオリゴマーアルモキサンの例としては、メチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム修飾メチルアルモキサン、およびイソブチルアルモキサンが挙げられる。
【0058】
ルイス酸活性化助触媒は、本明細書に記載の(C1-C20)ヒドロカルビル置換基を含有する第13族金属化合物を含有する。いくつかの実施形態では、第13族金属化合物は、トリ((C1-C20)ヒドロカルビル)-置換アルミニウムまたはトリ((C1-C20)ヒドロカルビル)-ホウ素化合物である。他の実施形態では、第13族金属化合物は、トリ(ヒドロカルビル)-置換アルミニウム、トリ((C1-C20)ヒドロカルビル)-ホウ素化合物、トリ((C1-C10)アルキル)アルミニウム、トリ((C6-C18)アリール)ホウ素化合物、およびそれらのハロゲン化(過ハロゲン化を含む)誘導体である。さらなる実施形態では、第13族金属化合物は、トリス(フルオロ置換フェニル)ボラン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランである。いくつかの実施形態では、活性化助触媒は、トリス((C1~C20)ヒドロカルビルボレート(例えば、トリチルテトラフルオロボレート)またはトリ((C1~C20)ヒドロカルビル)アンモニウムテトラ((C1~C20)ヒドロカルビル)ボラン(例えば、ビス(オクタデシル)メチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)である。本明細書で使用される場合、「アンモニウム」という用語は、((C1~C20)ヒドロカルビル)4N+、((C1~C20)ヒドロカルビル)3N(H)+、((C1~C20)ヒドロカルビル)2N(H)2
+、(C1~C20)ヒドロカルビルN(H)3
+、またはN(H)4
+である窒素カチオンを意味し、各(C1~C20)ヒドロカルビルは、2つ以上存在する場合、同じであっても、異なっていてもよい。
【0059】
中性ルイス酸活性化助触媒の組み合わせとしては、トリ((C1-C4)アルキル)アルミニウムとハロゲン化トリ((C6-C18)アリール)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとの組み合わせを含む混合物が挙げられる。他の実施形態は、そのような中性ルイス酸混合物とポリマーまたはオリゴマーアルモキサンとの組み合わせ、および単一の中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとポリマーまたはオリゴマーアルモキサンとの組み合わせである。(金属-配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ-フェニルボラン):(アルモキサン)[例えば(第4族金属-配位子錯体):(トリス(ペンタフルオロ-フェニルボラン):(アルモキサン)]のモルの数の比は、1:1:1~1:10:30であり、他の実施形態では1:1:1.5~1:5:10である。
【0060】
式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系を活性化して、1つ以上の助触媒、例えば、カチオン形成助触媒、強ルイス酸、またはそれらの組み合わせと組み合わせることによって、活性触媒組成物を形成することができる。好適な活性化助触媒としては、ポリマーまたはオリゴマーアルミノキサン、特にメチルアルミノキサン、ならびに不活性、相溶性、非配位性、イオン形成性化合物が挙げられる。例示的な好適な助触媒としては、変性メチルアルミノキサン(MMAO)、ビス(水素化タローアルキル)メチル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1-)アミン、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0061】
いくつかの実施形態では、2つ以上の前述の活性化助触媒を互いに組み合わせて使用することができる。助触媒の組み合わせの特定の例は、トリ((C1-C4)ヒドロカルビル)アルミニウム、トリ((C1-C4)ヒドロカルビル)ボラン、またはアンモニウムボレートとオリゴマーもしくはポリマーアルモキサン化合物との混合物である。式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数と1つ以上の活性化助触媒の総モル数との比は、1:10,000~100:1である。いくつかの実施形態では、この比は、少なくとも1:5000であり、他のいくつかの実施形態では、少なくとも1:1000および10:1以下であり、他のいくつかの実施形態では、1:1以下である。アルモキサンを単独で活性化助触媒として使用する場合、用いられるアルモキサンのモル数は、式(I)の金属-配位子錯体のモル数のうちの少なくとも100倍であることが好ましい。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを単独で活性化助触媒として使用する場合、いくつかの他の実施形態では、式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル数に対して用いられるトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランのモル数は、0.5:1~10:1、1:1~6:1、または1:1~5:1である。残りの活性化助触媒は一般に、式(I)の1つ以上の金属-配位子錯体の総モル量におおよそ等しいモル量で用いられる。
【0062】
本開示の触媒系のいくつかの実施形態では、前述の助触媒のうちの2つ以上を組み合わせて使用する場合、助触媒のうちの1つは、スカベンジャーとして機能し得る。スカベンジャーの目的は、システム内に存在する任意の水または他の不純物と反応することであり、そうしないと、触媒と反応して効率が低減する。
【0063】
ポリオレフィン
本開示のいくつかの実施形態は、前の段落に記載の触媒系の存在下で、エチレンまたはプロピレン、および任意に1つ以上のオレフィンを接触させることを含む、重合プロセスを含む。重合プロセスのいくつかの実施形態では、単一オレフィンまたはα-オレフィンが、触媒系の存在下で反応して、ホモポリマーを作製する。しかしながら、追加のα-オレフィンを重合手順に組み込んでもよい。追加のα-オレフィンコモノマーは、典型的には、20個以下の炭素原子を有する。例えば、α-オレフィンコモノマーは、3~10個の炭素原子、または3~8個の炭素原子を有し得る。例示的なα-オレフィンコモノマーとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、および4-メチル-1-ペンテンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、1つ以上のα-オレフィンコモノマーは、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、および1-オクテンからなる群から、または代替的に1-ヘキセンおよび1-オクテンからなる群から選択することができる。
【0064】
重合プロセスから生成されるエチレン系ポリマー、例えば、エチレンのホモポリマーおよび/またはインターポリマー(コポリマーを含む)、ならびに任意にα-オレフィンなどの1つ以上のコモノマーは、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも50モルパーセント(mol%)を含み得る。「少なくとも50mol%から」に包含されるすべての個々の値および部分範囲は、別個の実施形態として本明細書に開示され、例えば、エチレン系ポリマー、エチレンのホモポリマーおよび/またはインターポリマー(コポリマーを含む)、ならびに任意にα-オレフィンなどの1つ以上のコモノマーは、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも60mol%、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも70mol%、エチレン由来のモノマー単位を少なくとも80mol%、エチレン由来のモノマー単位を50~100mol%、またはエチレン由来のモノマー単位を80~100mol%含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、重合プロセスは、エチレン由来の単位を少なくとも90モルパーセント含むエチレン系ポリマーを生成する。少なくとも90モルパーセントからのすべての個々の値および部分範囲は本明細書に含まれ、別個の実施形態として本明細書に開示される。例えば、エチレン系ポリマーは、エチレン由来の単位を少なくとも93モルパーセント、単位を少なくとも96モルパーセント、エチレン由来の単位を少なくとも97モルパーセント、または代替的に、エチレン由来の単位を90~100モルパーセント、エチレン由来の単位を90~99.5モルパーセント、もしくはエチレン由来の単位を97~99.5モルパーセント含み得る。
【0066】
本開示の重合プロセスによって生成されるエチレン系ポリマーのいくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンの量は、50mol%未満であり、他の実施形態は、少なくとも0.5mol%~25mol%を含み、さらなる実施形態では、追加のα-オレフィンの量は、少なくとも5mol%~10mol%を含む。いくつかの実施形態では、追加のα-オレフィンは1-オクテンである。
【0067】
任意の従来の重合プロセスを使用してエチレン系ポリマーを生成してもよい。そのような従来の重合プロセスとしては、1つ以上の従来の反応器、例えばループ反応器、等温反応器、流動床気相反応器、撹拌槽型反応器、バッチ式反応器などの並列、直列、またはそれらの任意の組み合わせを使用する、溶液重合プロセス、気相重合プロセス、スラリー相重合プロセス、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0068】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば、二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成され得、そこで、エチレン、および任意に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系および任意に1つ以上の助触媒の存在下で重合される。別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、そこで、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本開示および本明細書に記載の触媒系および任意に1つ以上の他の触媒の存在下で重合される。本明細書に記載の触媒系は、任意に1つ以上の他の触媒と組み合わせて、第1の反応器または第2の反応器において使用することができる。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、二重反応器系、例えば二重ループ反応器系において、溶液重合によって生成することができ、そこで、エチレン、および任意選択的に1つ以上のα-オレフィンは、本明細書に記載の触媒系の存在下で両方の反応器において重合される。
【0069】
別の実施形態では、エチレン系ポリマーは、単一反応器系、例えば単一ループ反応器系において、溶液重合で生成することができ、そこで、エチレン、および任意に1つ以上のα-オレフィンは、本開示内に記載の触媒系および任意に1つ以上の助触媒の存在下で、前の段落に記載のように重合される。
【0070】
エチレン系ポリマーは、1つ以上の添加剤をさらに含んでもよい。そのような添加剤としては、帯電防止剤、色増強剤、染料、潤滑剤、顔料、一次酸化防止剤、二次酸化防止剤、加工助剤、紫外線安定剤、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。エチレン系ポリマーは、任意の量の添加剤を含有し得る。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーおよび1つ以上の添加剤の重量に基づいて、そのような添加剤を合計約0~約10重量パーセント含み得る。エチレン系ポリマーは、充填剤をさらに含み得、その充填剤としては、有機または無機充填剤を挙げることができるが、これらに限定されない。エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーとすべての添加剤または充填剤の合計重量に基づいて、例えば炭酸カルシウム、タルク、またはMg(OH)2などの約0~約20重量パーセントの充填剤を含有してもよい。エチレン系ポリマーは、1つ以上のポリマーとさらに配合されてブレンドを形成することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、エチレン系ポリマーを生成するための重合プロセスは、触媒系の存在下でエチレンと少なくとも1つの追加のα-オレフィンを重合することを含むことができ、触媒系は、式(I)のうちの少なくとも1つの金属-配位子錯体を組み込む。式(I)の金属-配位子錯体を組み込むそのような触媒系から得られたポリマーは、ASTM D792(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に従って、例えば、0.850g/cm3~0.950g/cm3、0.880g/cm3~0.920g/cm3、0.880g/cm3~0.910g/cm3、または0.880g/cm3~0.900g/cm3の密度を有し得る。
【0072】
別の実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られたポリマーは、5~15のメルトフロー比(I10/I2)を有し、メルトインデックスI2は、ASTM D1238(その全体が参照によって本明細書に組み込まれる)に従って、190℃および2.16kg荷重で測定され、メルトインデックスI10は、ASTM D1238に従って、190℃および10kg荷重で測定される。他の実施形態では、メルトフロー比(I10/I2)は5~10であり、他では、メルトフロー比は5~9である。
【0073】
いくつかの実施形態では、式(I)の金属-配位子錯体を含む触媒系から得られたポリマーは、1.5~25の分子量分布(MWD)を有し、MWDは、Mw/Mnとして定義され、Mwは、重量平均分子量であり、Mnは、数平均分子量である。「1.5~25」によって包含されるすべての個々の値および部分範囲は、別個の実施形態として本明細書に開示されており、例えば、触媒系から得られたポリマーは、1.5~6のMWDを有する。別の実施形態は、1.5~3のMWDを含み、他の実施形態は、2~2.5のMWDを含む。
【0074】
本開示に記載される触媒系の実施形態は、形成されたポリマーの高分子量およびポリマーに組み込まれたコモノマーの量の結果として、固有のポリマー特性をもたらす。
【0075】
実施例の実験手順
市販のアルデヒドは、さらに精製することなく、受け取ったままの状態で使用した。市販のアミンおよびアニリンは、使用前にアルミナのプラグに押し通した。NMR分光法用の重水素化溶媒は、Cambridge Isotope Laboratoriesから購入した。周囲温度の1Hおよび13C NMRスペクトルのデータは、Varian400-MR分光計を使用して収集した。別段記載されていない限り、操作は、不活性雰囲気のグローブボックスを使用して、または標準的なシュレンク技術を介して実行した。ガス、溶媒(ベンゼン-d6およびトルエン-d8を含む)、ならびにモノマーは、不活性雰囲気下でアルミナに通して、3Aシーブ上に貯蔵する前に酸素および水を除去した。
【0076】
並列圧反応器
重合の実行は、以下に記載の条件下で、Symyx並列圧反応器(PPR)内で実行した。別段記載されていない限り、結果として得られたポリマーを、真空オーブンで乾燥させ、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)およびFT-IR分光法によって分析した。
【0077】
セミバッチ式反応器
バッチ式反応器重合は、電気加熱マントルによって加熱され、内部水冷コイルを介して冷却される、2リットルまたは1ガロンのParr(商標)反応器内で実行した。反応器系は、Camile(商標)TGプロセスコンピュータによって制御および監視する。反応器に炭化水素溶媒を事前充填した後に、オレフィンモノマーを、追加の炭化水素溶媒を含有する可能性があるショットタンクから、窒素圧下で反応器に充填する。次に、反応器を初期温度設定点に戻した後に、所望のCamile(商標)プログラム設定に従ってガス状モノマーを添加する。プレ触媒溶液および活性化剤溶液を、不活性雰囲気のグローブボックス内で、所望の化学量論、濃度、および全体としての重合反応条件に従って別個に調製し、次に混合した後に、反応器に移す。エチレンを再び添加し、定義済みのCamile(商標)実行プログラムと連動したMicroMotion(商標)流量計によって制御して、監視する。プレ触媒/活性化剤溶液の注入は、重合反応実行タイマーを開始する。ポリマーサンプルおよびその他の反応器成分を、酸化防止剤および/または触媒クエンチを含有するステンレス鋼ポットに回収し、窒素ガスパージで通気する。次に、ポリマーを、140℃の真空オーブンでより厳密に乾燥させる。
【0078】
ポリマー特性評価
ポリマー分子量分布は、ロボット支援希釈高温ゲル浸透クロマトグラフィー(SymRAD-GPC)を使用して測定した。ポリマーサンプルを、1~10mg/mLの濃度で1,2,4-トリクロロベンゼン(300ppmのブチル化ヒドロキシトルエンで安定化)に170℃で溶解し、2.0mL/分の流量で、混合Bカラム(300mm×10mm)に160℃で通した。サンプル検出は、濃度モードのPolyChar IR4検出器を使用して実行した。狭いポリスチレン(PS)標準の従来の較正を、160℃でTCB中のPSおよびPEについての既知の係数を使用してホモポリエチレン(PE)に調整された見かけの単位を用いて利用した。デカンをフローマーカーとして使用して、較正設定および実験サンプルの両方の流量完全性を確保した。コモノマーの組み込みは、Tecan MiniPrep75堆積ステーションを使用して、シリコンウェーハ上の自動ドロップキャストポリマーフィルムのFT-IR分光法によって測定し、NEXUS670E.S.P.FT-IR分光計を使用して分析した。TCBは、窒素パージ下、160℃で蒸発させる。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
式(I)による金属-配位子錯体を含む触媒系であって、
【化1】
式中、
Mが、チタン、ジルコニウム、またはハフニウムから選択される金属であり、前記金属が、+2、+3、または+4の形式酸化状態を有し、
R
1が、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、水素、Mに共有結合的に接続された(C
5-C
40)アリーレン、またはMに共有結合的に接続された(C
4-C
40)ヘテロアリーレンから選択され、
R
2およびR
3が独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択され、
R
2およびR
3が、任意に共有結合して、芳香環を形成し、
R
5a、R
5b、およびR
6が独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択され、
各Xが、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、(C
6-C
20)アリール、(C
6-C
20)ヘテロアリール、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、またはR
COC(O)-から選択される単座配位子、二座配位子、または三座配位子であり、式(I)において各R
C、R
N、およびR
Pが独立して、(C
1-C
30)ヒドロカルビルであり、
nが、1、2、または3であるが、但し、Xが三座配位子である場合、nが、1であり、R
1が(C
5-C
40)アリーレンまたは(C
4-C
40)ヘテロアリーレンである場合、nが、1または2であることを条件とし、
式(I)において各R
C、R
N、およびR
Pが独立して、(C
1-C
30)ヒドロカルビルである、触媒系。
項2.
R
2およびR
3が、共有結合して、芳香環を形成し、R
6が、置換フェニルまたは非置換フェニルであり、前記金属-配位子錯体が、式(II)による構造を有し、
【化2】
式中、R
1、R
5a、R
5b、X、およびnが、式(I)で定義されるとおりであり、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
6a、R
6b、R
6c、R
6d、およびR
6eが独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される、項1に記載の触媒系。
項3.
各Xが独立して、ベンジル、フェニル、メチル、またはハロゲンである、項1または項2に記載の触媒系。
項4.
R
5aまたはR
5bが、-H、ベンジル、置換フェニル、非置換フェニル、または(C
1-C
10)アルキルである、項1~3のいずれか一項に記載の触媒系。
項5.
R
1が、(C
1-C
8)アルキルである、項1~4のいずれか一項に記載の触媒系。
項6.
R
1が、メチルまたはn-オクチルである、項5に記載の触媒系。
項7.
R
6aおよびR
6eが、(C
1-C
30)アルキルである、項2~6のいずれか一項に記載の触媒系。
項8.
R
2が、メチルまたはフェニルである、項1、3、4、5、および6のいずれか一項に記載の触媒系。
項9.
R
1が、Mに共有結合的に接続された(C
5-C
40)アリーレンであり、前記金属-配位子錯体が、式(III)による構造を有し、
【化3】
式中、R
2、R
3、R
5a、R
5b、R
6、M、X、およびnが独立して、式(I)で定義したとおりであり、R
1a、R
1b、R
1c、およびR
1dが独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択され、
任意に、R
1aおよびR
1b、またはR
1bおよびR
1c、またはR
1cおよびR
1dのいずれかが、共有結合して、芳香環または非芳香環を形成する、項1に記載の触媒系。
項10.
R
2およびR
3が、共有結合して、芳香環を形成し、前記金属-配位子錯体が、式(IV)による構造を有し、
【化4】
式中、R
1a、R
1b、R
1c、R
1d、R
2、R
3、R
5a、R
5b、R
6、M、X、およびnが、式(III)で定義したとおりであり、R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bが独立して、(C
1-C
40)ヒドロカルビル、(C
1-C
40)ヘテロヒドロカルビル、-Si(R
C)
3、-Ge(R
C)
3、-P(R
P)
2、-N(R
N)
2、-OR
C、-SR
C、-NO
2、-CN、-CF
3、R
CS(O)-、R
CS(O)
2-、(R
C)
2C=N-、R
CC(O)O-、R
COC(O)-、R
CC(O)N(R)-、(R
C)
2NC(O)-、ハロゲン、または水素から選択される、項9に記載の触媒系。
項11.
項1~10に記載の触媒系の存在下、オレフィン重合条件下で、エチレンおよび1つ以上のオレフィンを重合して、エチレン系ポリマーを形成することを含む、重合プロセス。
項12.
前記触媒系が、助触媒をさらに含む、項11に記載の重合プロセス。
項13.
前記1つ以上のオレフィンが、プロピレン、1-ヘキセン、または1-オクテンから選択される、項11または12に記載の重合プロセス。
【実施例】
【0079】
実施例1~44は、配位子の中間体、配位子自体、および配位子を含む単離されたプロ触媒の合成手順である。実施例45および46は、実施例1~4に従って調製した金属-配位子錯体から得られた重合結果を記載する。実施例1~44は、本開示に記載の実施形態を例示するために提供され、本開示またはその添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0080】
【0081】
磁気撹拌棒を有する60mLのガラス瓶に、1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサルデヒド(2.99g、27.15mmol)およびメタノール(15mL)を充填した。未希釈の2,6-ジイソプロピルアニリン(5.3mL、5.0g、28mmol)を、周囲温度で撹拌した溶液にシリンジによって添加した。混合物をN2で覆い、撹拌させた。密封した瓶を60℃の加熱ブロックで温めた。24時間後、瓶を加熱ブロックから取り出し、淡黄色の溶液を緩徐に周囲温度まで冷却させた。冷却時に、無色の結晶性固体が形成された。母液を、PTFEフリットを通してデカントした。懸濁液を反応容器内で振盪することによって、無色の結晶性固体をヘキサン(3×10mL)で粉砕した。粉砕した無色の固体を20mLのガラスシンチレーションバイアルに移し、真空下で乾燥させて、無色の固体を93%の収率で得た(6.82g、25.3mmol)。NMRデータは、所望の生成物と一致する。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ8.55(d,J=0.7Hz,1H),7.17(d,J=3.1Hz,3H),7.05(d,J=2.3Hz,1H),6.55(dd,J=2.4,0.8Hz,1H),3.29(hept,J=6.9Hz,2H),3.10(s,3H),1.19(d,J=6.8Hz,11H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ156.80,151.34,150.19,137.88,131.32,128.06,124.60,123.48,104.79,38.43,28.45,23.71。
【0082】
【0083】
不活性雰囲気下の120mLのガラス瓶に、プロ配位子1(0.813g、3.02mmol)、磁気撹拌棒、およびトルエン(30mL)を充填し、撹拌時に無色の溶液が形成された。ヘキサン中のトリメチルアルミニウムの2M溶液(3.0mL、6.0mmol)を、周囲温度で撹拌したアルジミン溶液にシリンジによって滴加した。添加中に、溶液の色が黄色に変わった。混合物をグローブボックス内、周囲温度で一晩撹拌させた。黄色の溶液を、数分間かけた無水イソプロパノール(3.0mL、2.4g、40mmol)の滴加を介して連続的にクエンチして、熱、発泡、およびメタン放出を制御した。無色の溶液を撹拌しながら周囲温度まで冷却させ、次にグローブボックス雰囲気に通気した。ドラフト内で、有機相をブライン(20mL)、続いて0.5M NaOH(20mL)と一緒に振盪し、分離させた。塩基性水相を塩化メチレン(3×20mL)で抽出し、合わせた有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、ロタバップで排気して乾固させた。無色の粗固体をメタノール(3mL)中に懸濁させ、濾過して、不溶性のアルジミン出発材料を残した。無色のメタノール溶液を淡黄色の油に濃縮し(ロタバップ)、これを真空下でさらに乾燥させた。生成物を61%の収率で淡黄色の油として単離した(0.528g、1.85mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.11(qd,J=5.3,1.4Hz,1H),6.58(s,0H),5.97(s,0H),4.49(qd,J=6.8,1.4Hz,0H),3.73(s,0H),3.51(heptd,J=6.8,1.4Hz,1H),3.18(s,1H),1.65(dd,J=6.7,1.4Hz,1H),1.24(dd,J=6.9,1.4Hz,2H),1.15(dd,J=6.8,1.4Hz,2H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ156.08,142.91,142.36,129.78,123.96,123.82,103.53,54.67,38.15,28.07,24.43,24.37,23.71,21.80。
【0084】
【0085】
不活性雰囲気下の30mLのガラス瓶に、磁気撹拌棒、プロ配位子1(0.6905g、2.563mmol)、およびトルエン(20mL)を充填した。エーテル中の臭化イソブチルマグネシウムの2M溶液(3.0mL、6.0mmol)を、周囲温度で撹拌した無色の溶液にシリンジによって添加した。瓶に蓋をし、暗赤色の混合物を一晩撹拌させた後に、無水イソプロパノールでクエンチした。無色の粗固体を水性後処理を介して単離した後に、トルエン(15mL)中に懸濁させ、濾過によって残留塩を除去した。粗生成物混合物を乾燥させ、ヘキサンで抽出して、未反応のアルジミン出発材料を除去した。生成物を34%の収率で無色の油として単離した(0.289g、0.882mmol)。分離した材料のNMRデータは、所望の生成物と一致する。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.13-7.03(m,3H),6.51(dd,J=2.2,0.8Hz,1H),5.80(dd,J=2.2,0.9Hz,1H),4.40(dd,J=10.0,5.2Hz,1H),3.69(s,1H),3.54-3.47(m,2H),3.15(d,J=0.9Hz,3H),2.23(dddd,J=13.1,9.9,4.8,0.9Hz,1H),2.04(dddd,J=13.0,9.1,5.2,0.9Hz,1H),1.88-1.74(m,1H),1.28(dd,J=6.9,0.9Hz,6H),1.16(dd,J=6.8,0.9Hz,6H),0.96(ddd,J=9.5,6.6,0.9Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ154.81,142.63,142.41,129.49,128.06,123.80,123.69,123.49,104.33,57.68,46.05,38.16,28.03,25.60,24.57,24.39,23.88,22.09。
【0086】
【0087】
不活性雰囲気下の30mLのガラス瓶に、磁気撹拌棒、プロ配位子1(0.6812g、2.539mmol)、およびトルエン(20mL)を充填した。テトラヒドロフラン(4.6mL、6.0mmol)中のイソプロピルターボグリニャールの1.3M溶液を、周囲温度で撹拌した無色の溶液にシリンジによって添加した。黄橙色の混合物を一晩撹拌させた後に、無水イソプロパノールでクエンチした。粗生成物を水性後処理を介して単離し、次にトルエン(15mL)中に懸濁させ、重力によって濾過して、残留塩を除去した。溶液を一晩排気して乾固させて、ガラス状の無色の固体を69%の収率で得た(0.550g、1.754mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.12-6.99(m,3H),6.47(d,J=2.1Hz,1H),5.71(dd,J=2.1,0.5Hz,1H),4.15(dd,J=11.0,6.9Hz,1H),3.92(d,J=10.8Hz,1H),3.56(hept,J=6.8Hz,3H),3.13(s,3H),2.46(h,J=6.8Hz,1H),1.33(d,J=6.8Hz,3H),1.27(d,J=6.9Hz,6H),1.16(d,J=6.8Hz,6H),1.12(d,J=6.7Hz,3H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ153.49,141.83,129.17,128.06,123.80,123.31,105.39,65.12,38.16,33.88,27.93,24.50,24.34,20.72,19.68。
【0088】
【0089】
不活性雰囲気下の30mLのガラス瓶に、トルエン中のプロ配位子1の0.1M溶液(6.0mL、0.60mmol)を周囲温度で充填した。瓶を-35℃で90分間冷却した後に、ジブチルエーテル中のフェニルリチウムの橙色の冷1.8M溶液(3.6mL、6.5mmol)をシリンジによって添加した。混合物を周囲温度まで一晩温め、次に無水イソプロパノール(3.0mL)でクエンチした。混合物を真空下で粘稠な液体に濃縮した後に、塩化メチレン(20mL)で抽出した。ブライン洗浄(2×30mL)後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。材料を乾燥させ、80%の収率で固体として単離した(0.166g、0.478mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.55-7.50(m,1H),7.15-6.97(m,7H),6.56(dd,J=2.2,0.8Hz,1H),5.98(dd,J=2.2,0.9Hz,1H),5.45(s,1H),4.42(s,1H),3.41(pd,J=6.8,0.8Hz,2H),3.12(d,J=0.9Hz,3H),1.16(dd,J=6.8,0.9Hz,6H),1.09(dd,J=6.9,0.9Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ154.90,144.18,143.10,142.72,130.07,129.06,128.43,128.12,128.06,127.52,127.47,127.19,124.22,123.93,104.34,64.30,38.19,28.07,24.53,24.31。
【0090】
【0091】
不活性雰囲気下の30mLのガラス瓶に、磁気撹拌棒、プロ配位子1(0.6932g、2.573mmol)、およびトルエン(20mL)を充填して、無色の溶液を形成した。臭化メチルマグネシウムの3Mエーテル溶液(2.0mL、6.0mmol)を、周囲温度で撹拌した溶液にシリンジによって添加した。溶液の色は、添加時に直ちに淡黄色から赤色に変わり、その直後に沈殿物が形成された。混合物を周囲温度で一晩撹拌させた後に、イソプロパノールでクエンチした。生成物を、水性後処理(塩化メチレン)を使用し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させて、フード内で単離した。粗材料をグローブボックスに取り、トルエンで抽出し、濾過し、乾燥させて、生成物を無色の油として得、30%の収率で単離した(0.217g、0.760mmol)。NMRデータを上記に提供する。
【0092】
【0093】
ドラフト内の50mLのRBフラスコに、1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサルデヒド(0.503g、4.57mmol)およびメタノール(10mL)を充填した。撹拌棒を追加し、未希釈のn-ブチルアミン(1.6mL、1.2g、16mmol)を周囲温度でシリンジによって添加した。触媒量の氷酢酸(3~4滴、<80mg)を添加し、淡黄色の混合物を一晩撹拌させた。16時間後、GC-MS分析により、所望の生成物を主要な種として確認した。揮発性物質をロタバップで除去し、無色の油を残した。粗材料を塩化メチレン(20mL)に取り、分液漏斗内、水(10mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、排気して乾固させて、淡黄色の油を72%の収率で得た(0.54g、3.3mmol)。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.30-8.21(m,1H),7.32(t,J=1.9Hz,1H),6.67(t,J=2.0Hz,1H),3.91(d,J=1.6Hz,3H),3.57(tt,J=7.1,1.5Hz,2H),1.66(pd,J=7.2,1.5Hz,2H),1.35(hd,J=7.3,1.6Hz,2H),0.91(td,J=7.3,1.6Hz,3H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ154.83,150.49,131.44,104.62,77.16,61.69,39.23,32.95,20.49,13.97。
【0094】
【0095】
ドラフト内の60mLの瓶に、1-メチル-5-フェニル-1H-ピラゾール-3-カルバルデヒド(1.0495g、5.636mmol)、トルエン(20mL)、およびp-トルエンスルホン酸一水和物(50mg)、ならびに磁気撹拌棒を充填し、撹拌時に淡黄色の溶液が形成された。未希釈の2,4,6-トリメチルアニリン(0.90mL、0.87g、6.4mmol)を滴加した。瓶に蓋をし、100℃のブロックで温め、定期的に通気して、過圧を防いだ。橙色の混合物を一晩撹拌させた。100℃で36時間後、揮発性物質を真空下で除去した。赤色の油を塩化メチレンに取り、水(30mL)およびブライン(30mL)で連続して洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、揮発性物質をロタバップで除去した。ベージュ色の固体を、スラリーとしてヘキサン(5mL)中に懸濁させ、デカントし、真空下で一晩乾燥させた。生成物を92%の収率で回収した(1.581g、5.211mmol)。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.24(d,J=1.1Hz,1H),7.53-7.39(m,6H),7.00(s,1H),6.89(s,2H),3.96(d,J=1.2Hz,3H),2.28(s,3H),2.15(s,6H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ186.65,156.91,145.53,130.23,129.40,129.07,129.03,128.97,128.93,128.84,127.28,105.01,77.16,38.55,38.12,31.74,22.80,20.90,18.38,17.71,14.27。
【0096】
【0097】
ドラフト内の60mLの瓶に、1-メチル-1H-インダゾール-3-カルバルデヒド(0.9936g、6.203mmol)、トルエン(20mL)、p-トルエンスルホン酸一水和物(50mg)、および磁気撹拌棒を充填し、撹拌時に淡黄色の溶液が形成された。未希釈の2,4,6-トリメチルアニリン(1.0mL、0.96g、7.1mmol)をシリンジによって添加した。瓶に蓋をし、100℃のアルミニウムブロックで温め、定期的に通気して、過圧を防いだ。100℃で36時間後、赤橙色の溶液を丸底フラスコに移し、揮発性物質をロタバップで除去した。赤色の油を塩化メチレンに取り、水(30mL)および次にブライン(30mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、乾燥後に赤色の油を残した。粗混合物をヘキサン中に懸濁させ、-10℃の冷凍庫内で冷却して、微細な橙色の粉末(いくつかの橙色の結晶)を得た。
【0098】
【0099】
グローブボックス内のガラスバイアルに、プロ配位子7(実施例2を参照されたい)(11.4mg、0.0399mmol)およびC6D6(2.0mL)を充填した。この無色の20mM溶液を、周囲温度でテトラベンジルハフニウムC6D6の黄色の20mMの溶液と合わせ、各試薬が最終濃度約7mMになるまで等しい部の新鮮なC6D6で希釈した。NMR分光法によって測定して、反応は、2時間以内に静置して完了した。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.23-7.11(m,3H),6.16(d,J=2.4Hz,1H),5.51(d,J=2.4Hz,1H),4.65(q,J=6.8Hz,1H),3.92(p,J=6.8Hz,1H),2.95(p,J=6.7Hz,1H),2.54(s,3H),1.42(d,J=6.8Hz,3H),1.26(d,J=6.7Hz,3H),1.18(dd,J=6.8,5.6Hz,6H),0.94(d,J=6.8Hz,3H)。
【0100】
【0101】
グローブボックス内の25mLのガラス瓶に、撹拌棒、プロ配位子5の78mMトルエン溶液(2.7mL、0.21mmol)、およびトルエン(3mL)を充填した。周囲温度で撹拌しながら、テトラベンジルハフニウムの50mMトルエン溶液(4.0mL、0.20mmol)を滴加した。混合物をグローブボックス内、周囲温度で一晩反応させた。揮発性物質を真空で除去し、ヘキサンで洗浄した。クリーム色の固体を回収し、周囲温度で保管した。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.23-7.18(m,2H),7.15-7.10(m,11H),7.06-6.92(m,7H),6.83(s,10H),6.78-6.74(m,2H),5.75(s,1H),5.54(s,1H),3.54(dhept,J=26.9,6.7Hz,2H),2.80(s,3H),1.51(d,J=6.8Hz,3H),1.45(d,J=6.8Hz,3H),1.33(d,J=6.7Hz,3H),0.17(d,J=6.6Hz,3H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ160.06,148.77,147.63,146.17,144.13,143.60,137.90,129.82,129.50,129.34,128.97,128.84,128.82,128.59,128.57,128.06,127.25,126.67,125.70,125.18,124.94,121.85,104.35,71.53,37.31,31.98,29.45,28.65,28.26,27.02,26.28,25.77,24.84,23.07,21.45,14.37,11.68。
【0102】
【0103】
グローブボックス内の25mLのガラス瓶に、撹拌棒、プロ配位子6の48mMトルエン溶液(2.4mL、0.12mmol)、およびトルエン(3mL)を充填した。周囲温度で撹拌しながら、テトラベンジルジルコニウムの50mMトルエン溶液(2.4mL、0.12mmol)を滴加した。反応混合物を周囲条件で一晩撹拌させた。揮発性物質を真空で除去し、褐色の固体を87%の収率で残した(0.079g、0.104mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.58(dd,J=7.2,1.1Hz,2H),7.39(dd,J=8.1,1.0Hz,1H),7.13-7.00(m,15H),6.04(s,1H),5.89(d,J=9.6Hz,1H),4.64(d,J=9.6Hz,1H),3.41(d,J=0.7Hz,3H),3.36(p,J=6.7Hz,4H),2.91(s,2H),1.46(d,J=6.8Hz,2H),1.36(d,J=6.7Hz,2H),1.24(d,J=6.7Hz,2H),1.06(ddd,J=6.8,4.3,0.7Hz,12H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ143.30,129.34,128.58,128.56,128.06,127.43,126.78,126.15,125.70,124.45,123.98,120.76,120.40,109.14,63.34,34.90,28.11,24.45,24.29,21.45。
【0104】
【0105】
グローブボックス内の25mLのガラス瓶に、撹拌棒、プロ配位子6の48mMトルエン溶液(2.4mL、0.12mmol)、およびトルエン(3mL)を充填した。周囲温度で撹拌しながら、テトラベンジルハフニウムの50mMトルエン溶液(2.4mL、0.12mmol)を滴加した。反応混合物を周囲条件で一晩撹拌させた。揮発性物質を真空で除去し、ベージュ色の固体を86%の収率で残した(0.087g、0.103mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.58(dd,J=7.2,1.7Hz,2H),7.44-7.34(m,1H),7.14-6.99(m,18H),6.84-6.79(m,2H),6.54-6.50(m,1H),6.05(s,1H),5.89(d,J=9.6Hz,1H),4.64(d,J=9.6Hz,1H),3.41(d,J=0.6Hz,2H),3.35(q,J=6.8Hz,1H),2.92(s,2H),1.46(d,J=6.8Hz,2H),1.40(d,J=6.8Hz,2H),1.27(d,J=6.7Hz,2H),1.06(dd,J=6.8,4.3Hz,12H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ143.30,129.34,128.61,128.57,128.06,127.43,126.15,125.70,124.45,123.98,120.76,120.40,109.15,63.34,34.90,28.11,24.45,24.29,21.45。
【0106】
【0107】
グローブボックス内の25mLのガラス瓶に、撹拌棒、プロ配位子5の78mMトルエン溶液(2.7mL、0.21mmol)、およびトルエン(3mL)を充填した。周囲温度で撹拌しながら、テトラベンジルジルコニウムの50mMトルエン溶液(4.0mL、0.20mmol)を滴加した。混合物をグローブボックス内、周囲温度で一晩反応させた。揮発性物質を真空で除去し、ヘキサンで洗浄した。褐色の固体を回収し、周囲温度で保管した。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.12(t,J=7.8Hz,9H),7.07-6.92(m,14H),6.86(t,J=7.3Hz,5H),6.81-6.77(m,2H),5.73(s,1H),5.59(s,1H),3.52(dhept,J=33.6,6.6Hz,2H),2.78(d,J=0.8Hz,3H),2.74(s,0H),1.50(d,J=6.7Hz,3H),1.42(d,J=6.8Hz,3H),1.37(s,1H),1.29(d,J=6.7Hz,3H),0.19(d,J=6.6Hz,3H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ160.1,148.04,147.70,146.30,144.80,143.33,138.39,129.73,129.43,128.99,128.99,128.84,128.18,128.15,128.06,127.94,127.91,126.88,126.81,125.37,124.91,121.74,121.15,104.40,71.61,37.39,29.19,28.70,28.29,26.38,25.82,24.97,24.86,24.58。
【0108】
【0109】
磁気撹拌棒を有する50mLのRBフラスコに、1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-3-カルボキサルデヒド(1.107g、8.917mmol)およびメタノール(15mL)を充填した。未希釈の2,6-ジイソプロピルアニリン(1.92g、10.8mmol)を、周囲温度で撹拌した溶液にピペットによって滴加した。均質な混合物を40℃で一晩撹拌させた。24時間後、GC-MS分析により、所望の生成物を主要な種として確認した。メタノール溶液を-10℃で冷却して、濾過および真空下での乾燥後、41%の収率(1.035g、3.652mmol)で回収される結晶性固体を得た。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ8.53(d,J=0.5Hz,1H),6.82(t,J=0.7Hz,1H),3.33(hept,J=7.0Hz,2H),3.05(s,3H),1.55(d,J=0.8Hz,3H),1.21(d,J=6.9Hz,12H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ157.06,149.94,139.69,137.88,124.49,123.48,104.24,35.81,28.50,23.69,10.56。
【0110】
【0111】
テトラベンジルハフニウム(41mM)およびプロ配位子2(43mM)を含有するグローブボックス内で、トルエン溶液を調製した。2つの溶液を、グローブボックス内の50mLのガラス瓶内で周囲温度で混合し(各々10.0mL)、クランベリー色の溶液がもたらされた。周囲温度で1日後、混合物を濾過し、排気して乾固させた。ワックス状の残留物を分解し、ヘキサン(3mL)中に懸濁させ、デカントし、真空で乾燥させて、プロ触媒2を99%の収率でベージュ色の粉末として得た(0.340g、0.411mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.24(s,2H),7.15-7.07(m,11H),7.04-7.00(m,2H),6.89(dt,J=5.1,1.8Hz,2H),6.84-6.77(m,9H),4.90(dd,J=11.4,4.0Hz,1H),4.78(s,1H),4.14-3.98(m,1H),3.44-3.30(m,1H),3.20(dd,J=12.8,4.0Hz,1H),2.37(d,J=1.1Hz,3H),1.54(dd,J=6.7,1.1Hz,3H),1.41(dd,J=6.8,1.1Hz,3H),1.30(dd,J=6.7,1.1Hz,2H),1.28(dd,J=6.7,1.1Hz,3H),1.11(s,2H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ158.28,147.52,146.59,144.56,143.15,139.39,129.97,128.53,128.06,126.70,126.56,125.67,124.98,103.82,68.15,43.49,35.60,28.42,28.09,26.87,26.42,25.59,25.55,10.49。
【0112】
【0113】
テトラベンジルジルコニウム(41mM)およびプロ配位子2(43mM)を含有するグローブボックス内で、トルエン溶液を調製した。2つの溶液を、グローブボックス内の50mLガラス瓶内で周囲温度で混合し(各々10.0mL)、赤茶色の溶液がもたらされた。周囲温度で1日後、混合物を濾過し、排気して乾固させた。ワックス状の残留物を分解し、ヘキサン(3mL)中に懸濁させ、デカントし、真空で乾燥させて、プロ触媒5を96%の収率で辛子色の粉末として得た(0.298g、0.403mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.24(s,3H),7.10(t,J=7.6Hz,6H),7.07-6.98(m,3H),6.90(dd,J=7.4,2.1Hz,2H),6.84(ddd,J=7.2,4.7,2.6Hz,9H),4.90(dd,J=11.3,4.0Hz,1H),4.81(s,1H),4.14(p,J=6.7Hz,1H),3.28-3.16(m,2H),3.10(s,0H),3.05(s,0H),2.68(s,6H),2.45(dd,J=12.9,11.4Hz,1H),2.36(s,3H),1.51(d,J=6.8Hz,3H),1.39(d,J=6.8Hz,3H),1.28(d,J=6.7Hz,6H),1.16(s,3H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ157.98,147.52,146.61,144.31,142.85,139.40,129.96,129.34,128.89,128.57,128.53,128.06,126.86,126.54,125.82,124.99,121.61,103.86,68.12,43.26,35.66,28.44,28.11,27.06,26.57,25.60,25.56,10.54。
【0114】
【0115】
グローブボックス内の50mLのガラス瓶に、テトラベンジルハフニウム(0.1663g、0.3063mmol)、磁気撹拌棒、およびトルエン(10mL)を充填し、30mMの溶液が形成された。トルエン中のプロ配位子1の無色の60mM溶液(5.0mL、0.30mmol)を、周囲温度で撹拌したテトラベンジルハフニウム溶液に滴加した。90分後、均質なチェリーレッド色の溶液が存在し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した後に、排気して乾固させた。残りの無色の固体を粉末に分解し、スラリーとしてヘキサン(5mL)中で洗浄し、真空で乾燥させて、所望の生成物を87%の収率で得た(0.211g、0.260mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.22(d,J=0.9Hz,3H),7.14-7.07(m,9H),7.03-6.99(m,2H),6.88-6.78(m,14H),6.00(dd,J=2.5,0.8Hz,1H),4.91(dd,J=2.6,0.8Hz,1H),4.90-4.83(m,1H),3.95(h,J=6.7Hz,1H),3.25-3.12(m,2H),2.51(d,J=0.9Hz,3H),2.33(dd,J=12.8,11.4Hz,8H),1.50(dd,J=6.8,0.9Hz,3H),1.35(dd,J=6.8,0.9Hz,3H),1.24(dt,J=6.7,1.2Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ159.73,147.61,146.75,144.18,139.23,134.25,130.01,129.34,128.58,128.06,127.28,126.80,126.62,125.71,125.03,121.83,104.05,68.18,43.38,38.25,28.39,28.06,26.85,26.44,25.66,25.60。
【0116】
【0117】
グローブボックス内の50mLのガラス瓶に、テトラベンジルジルコニウム(0.1400g、0.3072mmol)、磁気撹拌棒、およびトルエン(10mL)を充填し、30mMの溶液が形成された。トルエン中の無色の60mM溶液(5.0mL、0.30mmol)を、周囲温度で撹拌したテトラベンジルジルコニウム溶液に滴加した。90分後、均質な橙色の溶液が存在し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した後に、排気して乾固させた。残りの黄色の固体を粉末に分解し、スラリーとしてヘキサン(5mL)中で洗浄し、真空で乾燥させて、所望の生成物を85%の収率で得た(0.186g、0.256mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.23(s,2H),7.10(dd,J=8.1,7.3Hz,5H),7.04-7.00(m,2H),6.90-6.76(m,12H),6.05(d,J=2.4Hz,1H),4.95(d,J=2.4Hz,1H),4.88(dd,J=11.4,4.1Hz,1H),4.04(hept,J=6.8Hz,1H),3.17(dd,J=12.8,4.1Hz,1H),3.13-3.05(m,1H),2.66(s,3H),2.52(s,3H),2.38(dd,J=12.8,11.4Hz,1H),1.46(d,J=6.8Hz,3H),1.35(d,J=6.7Hz,3H),1.24(dd,J=8.0,6.7Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ159.35,147.65,146.98,146.82,143.82,139.22,134.04,129.99,128.96,128.58,128.06,126.98,126.88,126.60,125.85,125.05,121.72,104.11,76.79,68.16,43.14,38.30,28.42,28.07,27.05,26.57,25.64,25.62,23.71。
【0118】
【0119】
撹拌棒を有する50mLのRBフラスコに、1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルバルデヒド(0.5050g、4.586mmol)およびメタノール(25mL)を充填し、無色の溶液が形成された。未希釈の2,4,6-トリメチルアニリン(0.63g、4.66mmol)を、周囲温度で撹拌した溶液にシリンジによって滴加した。混合物を60℃で一晩撹拌した。24時間の加熱後、揮発性物質を真空で除去し、ベージュ色のペーストを残した。ペーストをヘキサン(5mL)中に懸濁させ、真空下で乾燥させ、淡色の固体を残し、これを洗浄し、ヘキサン(5mL)およびエーテル(5mL)で連続して濾過した後に、真空で乾燥させて、ベージュ色の粉末を73%の収率で得た(0.756g、3.33mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ8.50(d,J=0.8Hz,1H),7.10-7.03(m,1H),6.80(dt,J=1.5,0.7Hz,2H),6.57-6.51(m,1H),3.10(d,J=1.4Hz,4H),2.93(dd,J=3.5,1.4Hz,1H),2.20-2.19(m,7H),2.18(d,J=1.2Hz,4H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ157.19,151.54,149.72,132.73,131.20,129.26,128.05,127.16,104.74,38.42,20.90,18.51。
【0120】
【0121】
磁気撹拌棒を有する50mLのRBフラスコに、1-メチル-1H-インダゾール-3-カルバルデヒド(0.5006g、3.125mmol)およびトルエン(15mL)を充填した。未希釈の2,6-ジイソプロピルアニリン(0.68g、3.8mmol)を、周囲温度で撹拌した溶液にピペットによって添加した。無水硫酸マグネシウム(1.0g)およびおよびp-トルエンスルホン酸一水和物(63mg)を混合物に添加し、フラスコをN2パッド下、100℃で一晩加熱した。標準的な水性後処理後、所望の生成物を単離して、メタノール洗浄(3×10mL)および真空下での乾燥後、ふわふわした無色の粉末を26%の収率で得た(0.2610g、0.8170mmol)。第2の収穫物を、メタノール洗浄液の緩徐な蒸発を介して得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.56(d,J=8.1Hz,6H),8.52(s,6H),8.32(d,J=8.1Hz,1H),7.56-7.44(m,14H),7.37-7.29(m,6H),7.19(d,J=8.1Hz,11H),7.13(dd,J=8.8,6.4Hz,6H),7.05(d,J=7.7Hz,2H),4.17(s,17H),3.10(hept,J=6.9Hz,12H),1.19(d,J=6.9Hz,67H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ156.72,149.69,142.10,141.56,137.64,127.61,127.29,124.20,123.59,123.13,122.97,122.77,122.55,122.39,109.52,109.16,77.16,36.15,28.15,28.10,23.63,22.66。
【0122】
【0123】
撹拌棒を有する50mLのRBフラスコに、1-メチル-5-フェニル-1H-ピラゾール-3-カルバルデヒド(0.5001g、2.686mmol)およびトルエン(15mL)を充填した。未希釈の2,6-ジイソプロピルアニリン(0.59g、3.3mmol)を、周囲温度で撹拌した溶液にピペットによって添加した。無水硫酸マグネシウム(0.9g)およびp-トルエンスルホン酸一水和物(62mg)を混合物に添加した。フラスコを、その内容物をN2パッド下に置いて、100℃で一晩加熱した。揮発性物質をロタバップで除去し、ペーストを残し、それを塩化メチレンで抽出し、濾過した。溶液を乾燥させ、残りの固体をメタノール(3×10mL)で洗浄した。生成物を無色のフレークとして50%の収率で回収した(0.4651g、1.35mmol)。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.56(d,J=8.1Hz,6H),8.52(s,6H),8.32(d,J=8.1Hz,1H),7.56-7.44(m,14H),7.37-7.29(m,6H),7.19(d,J=8.1Hz,11H),7.13(dd,J=8.8,6.4Hz,6H),7.05(d,J=7.7Hz,2H),4.17(s,17H),3.10(hept,J=6.9Hz,12H),1.19(d,J=6.9Hz,67H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ156.72,149.69,142.10,141.56,137.64,127.61,127.29,124.20,123.59,123.13,122.97,122.77,122.55,122.39,109.52,109.16,77.16,36.15,28.15,28.10,23.63,22.66。
【0124】
【0125】
不活性雰囲気下の20mLのガラスバイアルに、プロ配位子4(0.1002g、0.3137mmol)およびトルエン(5mL)を充填した。エーテル中の臭化フェニルマグネシウムの3M溶液(0.5mL、1.5mmol)を、周囲温度でアルジミン溶液に滴加し、添加中に無色から橙色に変わった。混合物を16時間反応させた後、黄色の溶液を無水イソプロパノール(1.0mL、0.8g、13mmol)でクエンチした。水性後処理後、生成物を乾燥させ、98%の収率で淡黄色の固体として単離した(0.122g、0.307mmol)。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.36(d,J=7.9Hz,4H),7.25(td,J=11.1,9.7,6.8Hz,4H),7.09-6.90(m,4H),5.55(s,1H),4.37(s,1H),4.10(s,3H),3.05(p,J=6.8Hz,2H),1.27(s,1H),1.02(dd,J=23.3,6.9Hz,12H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ146.09,142.72,142.35,141.82,141.11,128.37,127.71,127.29,126.32,123.65,123.53,122.06,120.60,120.15,108.99,77.16,62.74,35.62,29.85,27.70,24.43,24.17。
【0126】
【0127】
不活性雰囲気下の20mLのガラスバイアルに、プロ配位子5(0.1728g、0.5002mmol)およびトルエン(5mL)を充填した。エーテル中の3M臭化フェニルマグネシウム溶液(0.5mL、1.5mmol)を周囲温度でアルジミン溶液にシリンジによって滴加し、混合物を一晩なしで反応させた。16時間後、黄色の溶液を無水イソプロパノール(1.0mL、0.8g、13mmol)でクエンチし、真空下で乾燥させた。水性洗浄および無水硫酸マグネシウムでの乾燥後、淡黄色の油を98%の収率で回収した(0.216g、0.49mmol)。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ7.48-7.34(m,1H),7.34-7.17(m,0H),7.03(d,J=1.9Hz,0H),6.16(s,0H),5.15(s,0H),4.09(s,0H),3.88(s,0H),3.11(p,J=6.9Hz,0H),1.27(s,0H),1.12(d,J=6.8Hz,1H),1.02(d,J=6.8Hz,1H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ153.54,144.22,142.63,130.92,128.80,128.76,128.49,128.30,127.71,127.30,127.15,123.52,104.93,77.16,66.00,63.58,37.68,27.71,24.48,24.19,15.43。
【0128】
【0129】
不活性雰囲気下の30mLのガラス瓶に、トルエン中のプロ配位子1の0.1M溶液(6.0mL、0.60mmol)を周囲温度で充填した。瓶を-35℃で90分間冷却した後に、ジブチルエーテル中のフェニルリチウムの橙色の冷1.8M溶液(3.6mL、6.5mmol)をシリンジによって添加した。混合物を、周囲温度まで一晩温め、次に無水イソプロパノール(3.0mL)でクエンチした。混合物を、真空下で粘稠な液体に濃縮した後に、塩化メチレン(20mL)で抽出した。ブライン洗浄(2×30mL)後、有機層を、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過した。材料を乾燥させ、80%の収率で固体として単離した(0.166g、0.478mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.55-7.50(m,1H),7.15-6.97(m,7H),6.56(dd,J=2.2,0.8Hz,1H),5.98(dd,J=2.2,0.9Hz,1H),5.45(s,1H),4.42(s,1H),3.41(pd,J=6.8,0.8Hz,2H),3.12(d,J=0.9Hz,3H),1.16(dd,J=6.8,0.9Hz,6H),1.09(dd,J=6.9,0.9Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ154.90,144.18,143.10,142.72,130.07,129.06,128.43,128.12,128.06,127.52,127.47,127.19,124.22,123.93,104.34,64.30,38.19,28.07,24.53,24.31。
【0130】
【0131】
不活性雰囲気下の30mLのガラス瓶に、トルエン中のプロ配位子1の0.1M溶液(6.0mL、0.60mmol)を充填し、-35℃で90分間冷却した。ヘキサン中の(トリメチルシリル)メチルリチウム(0.604g、6.41mmol)の淡黄色の溶液を冷溶液に添加し、混合物を撹拌せずに周囲温度まで一晩温めた。混合物を無水イソプロパノール(3mL)でクエンチし、排気して乾固させ、新鮮なトルエン(10mL)で抽出した。濾過した溶液を排気して乾固させ、無色の生成物を95%の収率で得た(0.205g、0.573mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.13-7.03(m,3H),6.49(dd,J=2.3,0.8Hz,1H),5.78(dd,J=2.2,0.9Hz,1H),4.48(dd,J=11.8,4.1Hz,1H),3.73(s,1H),3.60-3.48(m,2H),3.15(s,2H),1.68(ddd,J=13.9,11.3,0.9Hz,1H),1.55(ddd,J=13.9,4.3,0.9Hz,1H),1.29(dd,J=6.9,0.9Hz,6H),1.17(dd,J=6.7,0.9Hz,6H),-0.03(d,J=1.0Hz,9H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ155.67,142.55,142.35,129.42,128.06,123.79,123.76,104.06,56.47,38.10,28.13,25.09,24.56,24.40,-0.97。
【0132】
【0133】
不活性雰囲気下の30mLのガラス瓶に、プロ配位子9(0.211g、1.28mmol)およびヘキサン(15mL)の0.1M溶液を充填した。エーテル中の3M臭化フェニルマグネシウム溶液(1.0mL、3.0mmol)を周囲温度の濁った橙色のイミン混合物にシリンジによって滴加し、これにより、接触時に固体が沈殿した。磁気撹拌棒を追加し、テトラヒドロフラン(5mL)を添加しながら混合物を撹拌した。黄色の混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次に混合物を無水イソプロパノール(1.0mL)でクエンチした。混合物をさらに30分間撹拌させた後に、揮発性物質をロタバップで除去した。粗混合物をジクロロメタンに取り、水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥するように設定した。
【0134】
【0135】
グローブボックス内の50mLのガラス瓶に、テトラベンジルハフニウム(0.1663g、0.3063mmol)、磁気撹拌棒、およびトルエン(10mL)を充填し、30mMの溶液が形成された。トルエン中のプロ配位子1の無色の60mM溶液(5.0mL、0.30mmol)を、周囲温度で撹拌したテトラベンジルハフニウム溶液に滴加した。90分後、均質なチェリーレッド色の溶液が存在し、混合物を周囲温度で一晩撹拌した後に、排気して乾固させた。残りの無色の固体を粉末に分解し、スラリーとしてヘキサン(5mL)中で洗浄し、真空で乾燥させて、所望の生成物を87%の収率で得た(0.211g、0.260mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.22(d,J=0.9Hz,3H),7.14-7.07(m,9H),7.03-6.99(m,2H),6.88-6.78(m,14H),6.00(dd,J=2.5,0.8Hz,1H),4.91(dd,J=2.6,0.8Hz,1H),4.90-4.83(m,1H),3.95(h,J=6.7Hz,1H),3.25-3.12(m,2H),2.51(d,J=0.9Hz,3H),2.33(dd,J=12.8,11.4Hz,8H),1.50(dd,J=6.8,0.9Hz,3H),1.35(dd,J=6.8,0.9Hz,3H),1.24(dt,J=6.7,1.2Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ159.73,147.61,146.75,144.18,139.23,134.25,130.01,129.34,128.58,128.06,127.28,126.80,126.62,125.71,125.03,121.83,104.05,68.18,43.38,38.25,28.39,28.06,26.85,26.44,25.66,25.60。
【0136】
【0137】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、プロ配位子9の60mMトルエン溶液(5.0mL、0.30mmol)を充填した。周囲温度で、テトラベンジルハフニウムの30mMトルエン溶液(10.0mL、0.30mmol)を緩徐に添加した。溶液を周囲温度で一晩反応させた。溶液を周囲温度で排気して乾固させ、ワックス状の固体を残した。固体をヘキサン(3~5mL)中でスラリーとして2回洗浄し、デカントし、乾燥させた。クリーム色の粉末を88%の収率で回収した(0.201g、0.263mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.23-7.17(m,2H),7.14-7.05(m,1H),6.82(t,J=7.5Hz,4H),6.09(d,J=2.4Hz,1H),5.64(d,J=2.4Hz,1H),4.49(d,J=2.0Hz,1H),3.99(h,J=6.7Hz,1H),3.23(p,J=6.8Hz,1H),2.43(d,J=0.7Hz,3H),1.93-1.80(m,1H),1.54(d,J=6.7Hz,3H),1.33(d,J=6.8Hz,3H),1.29(d,J=6.6Hz,3H),1.17(d,J=6.7Hz,3H),0.68(dd,J=7.2,0.8Hz,3H),0.64(d,J=6.6Hz,3H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ157.87,147.48,146.36,145.00,134.73,129.34,128.58,128.06,126.55,125.79,125.70,124.85,123.80,102.97,72.84,38.20,30.29,28.64,27.91,26.79,26.29,25.99,25.48,24.50,24.35,21.45,21.23,19.69,16.33。
【0138】
【0139】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、固体のテトラベンジルジルコニウム(0.134g、0.294mmol)およびトルエン(5mL)を充填し、周囲温度で黄金色の溶液が形成された。グローブボックス内の8mLガラスバイアルに、プロ配位子9(0.096g、0.31mmol)およびトルエン(2mL)を充填した。無色のプロ配位子溶液を、周囲温度で黄金色の溶液に注いだ。混合物を穏やかに振盪し、次に周囲温度で一晩反応させた。溶液を排気して乾固させ、褐色~橙色の残留物を残した。固形物をヘキサンスラリー(3~5mL)で洗浄し、デカントし、乾燥させて、橙色の粉末を得た(0.205g、0.30mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.21-7.18(m,2H),7.13-7.02(m,16H),6.99-6.92(m,5H),6.88-6.78(m,6H),6.41-6.35(m,8H),6.15(d,J=2.4Hz,1H),5.68(d,J=2.4Hz,1H),4.50(d,J=2.0Hz,1H),4.07(hept,J=6.7Hz,1H),3.56(p,J=6.9Hz,0H),3.20-3.11(m,2H),2.43(s,3H),1.96-1.84(m,1H),1.50(d,J=6.8Hz,3H),1.33(d,J=6.8Hz,4H),1.30(d,J=6.7Hz,3H),1.27(d,J=6.9Hz,1H),1.18-1.10(m,6H),0.70(d,J=7.1Hz,3H),0.66(d,J=6.6Hz,3H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ211.16,168.19,157.36,147.51,146.46,144.51,139.47,134.50,130.97,129.34,128.88,128.74,128.58,128.06,126.77,126.74,125.98,125.70,124.86,124.53,123.80,121.64,103.04,73.12,72.45,38.25,30.08,28.72,27.92,26.91,26.23,26.12,25.50,21.16,16.39。
【0140】
【0141】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、テトラベンジルハフニウム粉末(0.1089g、0.201mmol)およびトルエン(5mL)を充填し、周囲温度で黄色の溶液が形成された。グローブボックス内の8mLガラスバイアルに、プロ配位子8(0.0688g、0.210mmol)およびトルエン(2mL)を充填し、無色の溶液が形成された。プロ配位子溶液を、周囲温度で黄色の溶液に注いだ。混合物を穏やかに振盪し、溶液を周囲温度で一晩反応させた。溶液を排気して乾固させ、黄色の残留物を残した。固体をヘキサンスラリー(3~5mL)で洗浄し、デカントし、乾燥させて、黄色の粉末を得た(0.163g、0.21mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.21-7.17(m,2H),7.14-7.09(m,3H),6.83(t,J=7.4Hz,4H),6.18(d,J=2.4Hz,1H),5.74(d,J=2.4Hz,1H),4.58(dd,J=11.0,4.0Hz,1H),3.96(h,J=6.7Hz,1H),3.17(p,J=6.8Hz,1H),2.54(s,3H),2.33(d,J=23.2Hz,5H),1.49(d,J=6.8Hz,3H),1.43-1.33(m,1H),1.30(dd,J=8.0,6.7Hz,6H),1.23(d,J=6.7Hz,3H),0.66(t,J=6.6Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ160.42,147.68,146.72,143.97,134.91,128.54,128.31,128.06,126.63,125.56,124.75,121.77,103.27,64.04,46.09,38.33,28.32,28.05,26.51,26.46,25.66,25.11,24.25,20.84。
【0142】
【0143】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、テトラベンジルジルコニウム粉末(0.0915g、0.201mmol)およびトルエン(5mL)を充填し、周囲温度で黄金色の溶液が形成された。グローブボックス内の8mLガラスバイアルに、プロ配位子8(0.0668g、0.204mmol)およびトルエン(2mL)を充填し、無色の溶液が形成された。プロ配位子溶液を、周囲温度で黄金色の溶液に注いだ。混合物を穏やかに振盪し、溶液を周囲温度で一晩反応させた。溶液を排気して乾固させ、黄色の残留物を残した。固体をヘキサンスラリー(3~5mL)で洗浄し、デカントし、乾燥させて、橙色の粉末を得た(0.144g、0.303mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.21-7.19(m,2H),7.11(t,J=7.7Hz,6H),6.89-6.78(m,9H),6.25(d,J=2.4Hz,1H),5.79(d,J=2.4Hz,1H),4.57(dd,J=10.6,4.4Hz,1H),4.04(hept,J=6.7Hz,1H),3.07(p,J=6.7Hz,1H),2.69-2.57(m,6H),2.54(s,3H),1.45(d,J=6.8Hz,3H),1.31(d,J=6.7Hz,3H),1.28(d,J=6.8Hz,3H),1.20(d,J=6.7Hz,3H),0.67(dd,J=6.5,4.3Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ159.91,147.73,147.23,146.81,143.51,134.69,129.34,128.91,128.57,128.06,126.85,125.71,124.80,121.63,103.38,76.43,64.29,45.89,38.38,28.37,28.06,26.68,26.61,25.66,25.64,25.09,24.18,20.90。
【0144】
【0145】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、テトラベンジルハフニウム粉末(0.10g、0.2mmol)およびトルエン(5mL)を充填し、周囲温度で黄色の溶液が形成された。グローブボックス内の8mLガラスバイアルに、プロ配位子18(0.07g、0.2mmol)およびトルエン(2mL)を充填し、無色の溶液が形成された。プロ配位子溶液を、周囲温度で黄色の溶液に注いだ。混合物を穏やかに振盪し、溶液を周囲温度で一晩反応させた。溶液を排気して乾固させ、黄色の残留物を残した。固体をヘキサンスラリー(3~5mL)で洗浄し、デカントし、乾燥させて、黄色の粉末を得た(0.179g、0.22mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.23-7.17(m,2H),7.14-7.08(m,5H),6.82(t,J=7.4Hz,4H),6.20(dd,J=2.5,0.9Hz,1H),5.89(dd,J=2.5,0.9Hz,1H),4.70(dd,J=11.5,2.8Hz,1H),3.94(p,J=6.7Hz,1H),3.18(p,J=6.8Hz,1H),2.54(d,J=0.9Hz,3H),2.32(s,5H),1.48(dd,J=6.8,1.0Hz,3H),1.28(ddd,J=6.9,4.8,1.0Hz,6H),1.24-1.20(m,3H),0.75(ddd,J=14.4,11.6,1.0Hz,1H),-0.13(d,J=1.0Hz,9H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ162.07,147.98,146.88,143.92,134.87,129.34,128.53,128.06,127.29,126.69,125.58,124.85,121.75,103.16,63.61,38.34,28.37,28.09,26.69,26.43,26.23,25.85,25.58,-0.20。
【0146】
【0147】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、テトラベンジルジルコニウム粉末(0.09g、0.2mmol)およびトルエン(5mL)を充填し、周囲温度で黄金色の溶液が形成された。グローブボックス内の8mLガラスバイアルに、プロ配位子18(0.07g、0.2mmol)およびトルエン(2mL)を充填し、無色の溶液が形成された。プロ配位子溶液を、周囲温度で黄色の溶液に注いだ。混合物を穏やかに振盪し、溶液を周囲温度で一晩反応させた。溶液を排気して乾固させ、褐色~橙色の残留物を残した。固形物をヘキサンスラリー(3~5mL)で洗浄し、デカントし、乾燥させて、橙色の粉末を得た(0.121g、0.17mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.23-7.18(m,2H),7.13-7.08(m,6H),6.89-6.77(m,9H),6.26(d,J=2.4Hz,1H),5.93(dd,J=2.4,0.5Hz,1H),4.68(dd,J=11.6,2.8Hz,1H),4.00(hept,J=6.7Hz,1H),3.07(p,J=6.7Hz,1H),2.62(s,4H),2.55(s,3H),1.44(d,J=6.7Hz,3H),1.27(dd,J=8.8,6.7Hz,6H),1.20(d,J=6.7Hz,3H),0.80(dd,J=14.3,11.7Hz,1H),-0.12(d,J=0.4Hz,9H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ161.59,148.07,147.18,146.97,143.38,134.66,129.34,128.90,128.57,128.06,126.92,126.85,125.70,124.88,121.61,103.25,63.71,38.38,28.42,28.10,26.88,26.54,26.10,25.85,25.51,21.45,-0.15。
【0148】
【0149】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、テトラベンジルハフニウム粉末(0.10g、0.2mmol)およびトルエン(5mL)を充填し、周囲温度で黄色の溶液が形成された。グローブボックス内の8mLガラスバイアルに、プロ配位子10(0.07g、0.2mmol)およびトルエン(2mL)を充填し、無色の溶液が形成された。プロ配位子溶液を、周囲温度で黄色の溶液に注いだ。混合物を穏やかに振盪し、溶液を周囲温度で一晩反応させた。溶液を排気して乾固させ、黄色の残留物を残した。固体をヘキサンスラリー(3~5mL)で洗浄し、デカントし、乾燥させて、黄色の粉末を得た(0.112g、0.14mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.03-6.78(m,8H),6.70(s,2H),6.02(d,J=2.4Hz,1H),5.66(s,1H),5.34(d,J=2.4Hz,1H),3.41(dp,J=10.9,6.7Hz,2H),2.56(s,3H),1.44(d,J=6.8Hz,3H),1.39(d,J=6.9Hz,3H),1.27(d,J=6.7Hz,3H),0.12(d,J=6.6Hz,3H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ160.96,147.63,146.22,143.88,143.58,135.24,129.77,129.34,129.06,128.58,128.06,127.22,126.66,125.15,124.89,121.84,103.85,71.34,38.24,28.58,28.19,28.08,26.95,26.30,25.81,24.74,23.93,21.44。
【0150】
【0151】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、テトラベンジルジルコニウム粉末(0.09g、0.2mmol)およびトルエン(5mL)を充填し、周囲温度で黄金色の溶液が形成された。グローブボックス内の8mLガラスバイアルに、プロ配位子10(0.07g、0.2mmol)およびトルエン(2mL)を充填し、無色の溶液が形成された。プロ配位子溶液を、周囲温度で黄金色の溶液に注いだ。混合物を穏やかに振盪し、溶液を周囲温度で一晩反応させた。溶液を排気して乾固させ、褐色~橙色の残留物を残した。固体をヘキサンスラリー(3~5mL)で洗浄し、デカントし、乾燥させて、橙色の粉末を得た(0.092g、0.13mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.13(dd,J=7.6,6.3Hz,6H),7.02-6.84(m,15H),6.78-6.72(m,2H),6.09(d,J=2.4Hz,1H),5.65(s,1H),5.40(d,J=2.4Hz,1H),3.44(hept,J=6.9Hz,1H),3.34(hept,J=6.8Hz,1H),2.81-2.61(m,3H),2.56(s,3H),1.44(d,J=6.7Hz,3H),1.35(d,J=6.8Hz,3H),1.22(d,J=6.7Hz,3H),0.14(d,J=6.7Hz,3H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ158.93,135.02,129.34,128.97,128.57,128.06,126.79,125.71,124.67,121.71,38.30,28.22,27.07,26.38,24.53,21.45。
【0152】
【0153】
磁気撹拌棒を有する100mLの洋梨形フラスコに、1,5-ジフェニル-1H-ピラゾール-3-カルバルデヒド(1.011g、4.072mmol)、トルエン(20mL)、および2,6-ジイソプロピルアニリン(0.87g、4.9mmol、1.2当量)を充填した。次に、フラスコに無水硫酸マグネシウム(1.0g)および固体p-トルエンスルホン酸一水和物(0.3g)を充填した。無色の反応混合物をN2雰囲気下で撹拌し、100℃で一晩温めた。揮発性物質を真空で除去し、黄色のペーストをジクロロメタン(2×20mL)中でスラリーとして洗浄し、吸引によって濾過した。黄色の溶液を水(50mL)で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、重力によって濾過した。この黄色の溶液をロタバップで濃縮した。生成物を粘稠な淡黄色の油として80%の収率で回収した(1.3343g、3.27mmol)。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ8.33(s,1H),7.44-7.29(m,13H),7.28-7.10(m,6H),3.07(hept,J=6.9Hz,3H),1.21(d,J=6.9Hz,11H。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ187.00,156.38,151.15,144.97,139.93,137.76,130.09,129.32,129.24,129.10,128.94,128.91,128.81,128.76,128.72,128.18,125.47,124.41,123.15,122.90,118.67,106.80,106.39,77.16,28.08,28.05,23.73,22.59。
【0154】
【0155】
グローブボックス内の20mLガラスバイアルに、プロ配位子13(0.2051g、0.503mmol)およびトルエン(5mL)を充填した。PhMgBrの3.0Mエーテル溶液(0.5mL、1.5mmol、3当量)を、周囲温度でアルジミン溶液にシリンジによって滴加した。添加中に、溶液の色が黄色に変わり、混合物をグローブボックス内、周囲温度で一晩反応させた。16時間後、黄色の溶液をイソプロパノール(1.0mL、0.8g、13mmol)でクエンチし、水性洗浄および無水硫酸マグネシウムでの乾燥後、生成物を単離した。生成物を粘稠な黄色の油として単離した(0.250g、0.515mmol)。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d6)δ7.48(d,J=7.6Hz,1H),7.36-7.23(m,5H),7.21-7.17(m,1H),7.04(s,1H),6.34(s,0H),5.22(s,0H),1.21(td,J=7.0,0.9Hz,1H),1.12(d,J=6.8Hz,3H),1.05(d,J=6.8Hz,3H)。13C NMR(101MHz,クロロホルム-d)δ155.24,143.59,142.80,140.29,130.80,129.20,128.95,128.85,128.54,128.38,128.29,127.77,127.35,127.25,125.38,123.57,106.92,77.18,63.62,27.79,24.50,24.23。
【0156】
【0157】
磁気撹拌棒を有する30mLのガラス瓶に、グローブボックス内のプロ配位子15(0.2276g、0.497mmol)およびエーテル(15mL)を充填し、撹拌時に淡緑色の溶液が形成された。PhMgBrの橙色の3Mエーテル溶液(0.5mL、1.5mmol、3当量)を、周囲温度でアルジミン溶液に滴加した。添加中に、溶液の色が黄色に変わり、混合物を周囲温度で一晩撹拌させた。14時間後、少量の無色の沈殿物が観察された後に、乾燥した1,4-ジオキサン(0.9mL)をシリンジによって添加した。接触時に無色の沈殿物が観察され、混合物を周囲温度でさらに1.5時間撹拌した。黄色の溶液をピペットによってイソプロパノール(1mL)でクエンチし、混合物をCeliteパッドを通して濾過した。無色の溶液をロタバップで排気して乾固させ、次に真空下で1~2時間さらに乾燥させた。固体混合物をグローブボックスに取り、ヘキサン(15mL)中に懸濁させ、重力によって濾過した。固体をヘキサン(2×5mL)で洗浄し、濾液を排気して乾固させた。生成物を無色の固体として74%の収率で回収した(0.197g、0.368mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ7.83(d,J=8.5Hz,1H),7.75-7.66(m,2H),7.54-7.47(m,1H),7.44(dd,J=8.3,1.1Hz,1H),7.21(ddd,J=8.2,6.9,1.4Hz,3H),7.19-7.10(m,6H),7.11-7.04(m,2H),7.03-6.94(m,2H),6.88(ddd,J=8.4,7.3,1.3Hz,1H),6.82-6.68(m,3H),6.46(d,J=1.2Hz,1H),5.66(s,1H),4.60(s,1H),3.55(pd,J=6.8,1.2Hz,2H),1.20(dd,J=6.8,1.2Hz,6H),1.11(dd,J=6.9,1.2Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ155.90,146.12,143.89,143.34,142.70,137.47,134.73,131.09,130.77,129.09,128.68,128.51,128.26,128.23,128.09,127.46,126.75,125.94,125.16,124.38,124.33,124.01,105.57,64.31,28.24,24.58,24.42。
【0158】
【0159】
グローブボックス内の20mLガラスバイアルに、磁気撹拌棒、プロ配位子14の76mMトルエン溶液(2.7mL、0.21mmol)、およびトルエン(3mL)を充填した。周囲温度で撹拌しながら、テトラベンジルハフニウムの50mMトルエンストック溶液(4.0mL、0.20mmol)をシリンジによって滴加した。添加時に、溶液の色が淡黄色から明るい黄色に変わった。混合物を周囲温度で2時間撹拌した後に、80℃で一晩加熱した。揮発性物質を真空で除去して、黄色の固体を80%の収率で得た(0.142g、0.168mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ8.30-8.20(m,2H),7.64(d,J=7.5Hz,2H),6.53-6.45(m,4H),6.29(d,J=0.7Hz,1H),6.06(s,2H),5.56(d,J=9.3Hz,1H),5.41(s,2H),4.54(d,J=9.3Hz,1H),3.59(q,J=6.7Hz,1H),3.51(dt,J=14.0,7.0Hz,2H),3.43(q,J=6.8Hz,2H),2.57(d,J=12.2Hz,2H),2.50(d,J=11.6Hz,2H),2.32(d,J=12.1Hz,2H),1.51(d,J=6.6Hz,6H),1.33(d,J=6.8Hz,6H),1.26(d,J=6.7Hz,5H),1.19(d,J=6.8Hz,5H),1.11(d,J=6.8Hz,6H),0.18(d,J=6.6Hz,5H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ163.06,146.84,146.05,143.31,138.59,130.06,129.72,129.07,128.98,128.92,128.88,128.64,128.61,128.57,128.06,127.43,127.39,127.09,126.98,126.42,125.71,125.42,125.35,125.01,124.45,124.02,123.45,121.89,114.33,107.39,85.35,81.34,75.96,64.41,28.70,28.58,28.15,27.56,26.15,25.19,24.62,24.51,24.36,21.45。
【0160】
【0161】
グローブボックス内の20mLガラスバイアルに、磁気撹拌棒、プロ配位子14の76mMトルエン溶液(2.7mL、0.21mmol)、およびトルエン(3mL)を充填した。周囲温度で撹拌しながら、テトラベンジルジルコニウムの50mMトルエン溶液(4.0mL、0.20mmol)をシリンジによって滴加した。添加時に、溶液の色が淡黄色から薄茶色に変わった。混合物を周囲温度で2時間撹拌した後に、80℃で一晩加熱した。揮発性物質を真空で除去し、褐色の固体を74%の収率で残した(0.117g、0.155mmol)。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ8.15(dd,J=7.1,1.2Hz,2H),6.89-6.69(m,16H),6.61-6.54(m,4H),6.00(s,2H),5.49(s,2H),3.50(p,J=6.7Hz,2H),3.42(p,J=6.8Hz,2H),2.76(d,J=9.7Hz,2H),2.42(d,J=11.5Hz,2H),2.33(d,J=9.6Hz,2H),2.24(d,J=11.5Hz,2H),1.50(d,J=6.6Hz,6H),1.34(d,J=6.7Hz,6H),1.25(d,J=6.6Hz,6H),0.11(d,J=6.6Hz,6H).。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ178.18,162.44,149.09,148.44,147.82,146.86,145.11,143.76,142.64,138.55,136.74,131.34,129.97,129.66,129.64,129.61,129.07,128.93,128.88,128.06,127.00,126.73,126.24,125.26,124.88,124.32,121.35,114.05,106.18,75.42,72.39,69.24,29.07,28.57,27.56,25.66,25.58,24.20。
【0162】
【0163】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、テトラベンジルハフニウムの20mMトルエン溶液を充填した。トルエン中のプロ配位子15の淡黄色の21mM溶液(5.0mL、0.10mmol)を、この溶液に周囲温度で緩徐に滴加した。溶液を混合し、均質な淡黄色の溶液をグローブボックス内、周囲温度で一晩反応させた。揮発性物質を40℃で真空で除去し、ワックス状の黄色の固体を残した。ヘキサン(1~2mL)の添加は、黄色の微結晶性固体の沈殿をもたらし、これを83%の収率で回収した(0.073g、0.082mmol)。NMRデータは、異性体の2:1混合物と一致する。1H NMR(400MHz,ベンゼン-d6)δ8.91-8.84(m,1H),8.44(dd,J=7.7,0.9Hz,2H),7.73(d,J=7.8Hz,2H),7.61(d,J=8.3Hz,2H),7.51(dd,J=8.0,1.1Hz,2H),7.06-6.80(m,41H),6.76-6.57(m,11H),6.47-6.37(m,6H),6.32(s,2H),6.16(s,1H),5.90(s,1H),5.67(s,2H),3.84(q,J=6.7Hz,1H),3.68(p,J=6.6Hz,2H),3.55(h,J=6.2,5.7Hz,2H),3.46(p,J=6.9Hz,1H),3.17(d,J=12.3Hz,1H),2.88(d,J=12.3Hz,1H),2.70(d,J=12.2Hz,2H),2.57(d,J=12.2Hz,2H),2.42(d,J=11.9Hz,2H),2.18-2.09(m,4H),1.94(d,J=12.3Hz,1H),1.57(d,J=6.7Hz,3H),1.52(dd,J=6.7,0.9Hz,6H),1.44(d,J=6.6Hz,2H),1.34(d,J=6.7Hz,6H),1.29(dd,J=6.7,1.0Hz,6H),1.23-1.18(m,1H),1.12(d,J=6.7Hz,4H),0.27(d,J=6.6Hz,3H),0.18(dd,J=6.6,0.9Hz,6H)。13C NMR(101MHz,ベンゼン-d6)δ164.44,148.87,148.04,146.98,146.42,145.09,143.67,142.16,140.81,135.30,134.71,130.22,129.83,129.63,129.47,129.16,129.08,129.02,128.92,128.90,128.83,128.63,128.54,128.06,127.26,126.81,126.52,125.46,125.37,125.04,124.92,124.62,123.43,122.16,106.67,89.15,86.59,81.27,74.64,28.71,28.43,27.48,26.22,25.15,24.75,24.53。
【0164】
【0165】
グローブボックス内の30mLのガラス瓶に、テトラベンジルジルコニウムの黄金色の20mMトルエン溶液を充填した。トルエン中のプロ配位子15の淡黄色の21mM溶液(5.0mL、0.10mmol)を、黄金色の溶液に周囲温度で緩徐にシリンジによって滴加した。合わせた溶液を混合し、均質な黄金色の溶液をグローブボックス内、周囲温度で一晩反応させた。揮発性物質を40℃で真空で除去し、茶色の油性残留物を残した。ヘキサン(1~2mL)の添加は、錆色の固体の沈殿をもたらし、これを96%の収率で回収した(0.082g、0.10mmol)。NMRデータは、異性体の混合物と一致する。
【0166】
実施例45-並列圧反応器からの重合結果
触媒活性(クエンチ時間およびポリマー収率の観点から)ならびに結果として得られたポリマー特性を、プロ触媒1~6ならびに比較C1およびC2について評価した。重合は、並列圧力反応器(PPR)で実行した。表1にまとめた結果では、触媒系は、100nmolのプロ触媒を含有した。
【0167】
プロ触媒1~6ならびに比較プロ触媒C1およびC2(本明細書では「比較C1」および「比較C2」)の各々を活性化剤と混合して、触媒系を形成した。プロ触媒1~6は、式(I)の金属-配位子錯体による構造を有する。比較C1および比較C2は、プロ触媒1~6とは異なる。具体的には、比較プロ触媒は、以下の構造を有する。
【化50】
【0168】
本発明のプロ触媒1~6、比較C1およびC2の効率およびモルパーセント(mol%)でのオクテン組み込み、ならびに本発明のプロ触媒1~6ならびに比較C1およびC2から得られたポリマーのポリマー特性を決定した。結果を表1にまとめる。
【表1】
【0169】
表1のデータは、金属-配位子錯体の金属としてハフニウムを有するプロ触媒1、2、および3を含む重合系が、同様に金属としてハフニウムを有する比較C1を含む重合系のオクテン選択性よりも高いオクテン選択性を有することを例示する。金属-配位子錯体の金属としてジルコニウムを有するプロ触媒4、5、および6を含む重合系は、同様に金属としてジルコニウムを有する比較C2を含む重合系のオクテン選択性以上のオクテン選択性を有する。
【0170】
表2に、プロ触媒、およびプロ触媒を含む触媒系によって生成されるポリマーの効率をまとめる。表2は、本発明のプロ触媒2および5、比較C3およびC4、比較C5およびC6、ならびに比較C7およびC8を含む、二座金属-配位子錯体を有する4つの異なるタイプの触媒の生成されたデータを含む。具体的には、本発明のプロ触媒2および5ならびに比較プロ触媒は、以下の構造を有する。
【化51】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0171】
実施例46-バッチ式反応器からの重合結果
前述の手順に従って、バッチ式反応器内で重合を実行した。具体的には、表3および4にまとめた結果では、2Lバッチ式反応器を120℃、150℃、または190℃に加熱した。バッチ式反応器内で、300グラムのオクテンおよび200~400psigのエチレンを520gのIsopar(商標)Eの存在下で反応させた。活性化剤対プロ触媒の比は、約1.2であり、10μmolのAlEt3を不純物スカベンジャーとして反応に添加した。重合反応は、10分間実行した。
【0172】
本発明のプロ触媒2~10、ならびに本発明のプロ触媒2、5、および7~10から得られたポリマーのポリマー特性の比較C1およびC2、ならびに比較C1およびC2の効率を決定した。結果を表3および4にまとめる。
【表3】
【表4】
【化52】
【表5】
【表6】