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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20240227BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240227BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240227BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20240227BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09G3/20 611A
G09G3/20 650C
G09G3/20 642D
G09G3/20 691G
G09G3/20 641P
G09G3/20 642A
G09G3/20 611H
G09F9/30 338
G09F9/30 365
H10K59/12
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021519018
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(86)【国際出願番号】 IB2020053908
(87)【国際公開番号】W WO2020229911
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-04-11
(31)【優先権主張番号】P 2019089452
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】小林 英智
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 英明
(72)【発明者】
【氏名】池田 隆之
(72)【発明者】
【氏名】勝井 秀一
【審査官】小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-054345(JP,A)
【文献】特開2018-093483(JP,A)
【文献】特開2013-137509(JP,A)
【文献】特開2010-282169(JP,A)
【文献】特開2010-266494(JP,A)
【文献】特表2006-527391(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0050274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00-3/38
G09F 9/00-9/46
H10K 59/00-59/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、第5の配線と、を有し、
前記発光素子の一方の電極は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記発光素子の一方の電極は、前記第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのゲートは、前記第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量素子の他方の電極は、前記第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続され、
前記第2の容量素子の他方の電極は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのゲートは、前記第2の配線と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第4の配線と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記発光素子の一方の電極と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第5の配線と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのゲートは、前記第1の配線と電気的に接続され、
前記第3の配線は、基準電位または第1の電位を供給する機能を有し、
前記第4の配線は、第2の電位を供給する機能を有し、
前記第の配線は、定電位を供給する機能を有し、
第1の期間と、前記第1の期間の後の第2の期間と、前記第2の期間の後の第3の期間と、を有し、
前記第1の期間において、前記第2のトランジスタがオンであり、
前記第1の期間において、前記第3のトランジスタがオンであり、
前記第1の期間において、前記第4のトランジスタがオンであり、
前記第1の期間において、前記第1の容量素子の他方の電極と、前記第2の容量素子の他方の電極と、には前記基準電位が入力され、
前記第1の期間において、前記第1のトランジスタのゲートと、前記第2の容量素子の一方の電極と、には前記第2の電位が入力され、
前記第1の期間において、前記発光素子の一方の電極と、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と、前記第1の容量素子の一方の電極と、には前記定電位が入力され、
前記第2の期間において、前記第2のトランジスタがオフであり、
前記第2の期間において、前記第3のトランジスタがオンであり、
前記第2の期間において、前記第1の容量素子の他方の電極と、前記第2の容量素子の他方の電極と、には前記第1の電位が入力され、
前記第2の期間において、前記第1のトランジスタのゲートと、前記第2の容量素子の一方の電極と、には前記第1の電位と前記第2の電位の和が保持され、
前記第2の期間において、前記発光素子の一方の電極と、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と、前記第1の容量素子の一方の電極と、には前記定電位が入力され、
前記第3の期間において、前記第2のトランジスタがオフであり、
前記第3の期間において、前記第3のトランジスタがオフであり、
前記第3の期間において、前記第1の容量素子の他方の電極と、前記第2の容量素子の他方の電極と、には前記第1の電位と第3の電位の和が保持され、
前記第の期間において、前記第1のトランジスタのゲートと、前記第2の容量素子の一方の電極と、には前記第1の電位と前記第2の電位と前記第3の電位の和が保持され、
前記第3の期間において、前記発光素子の一方の電極と、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と、前記第1の容量素子の一方の電極と、には前記定電位と前記第3の電位の和が保持され、
前記第1の電位は、画像データに相当し、
前記第2の電位は、前記画像データを補正する補正データに相当し、
前記第3の電位は、前記発光素子の一方の電極の電位が、前記定電位から前記第1のトランジスタのゲート・ソース間電圧に応じた電流を流すのに必要な電位になるまでの変動量である表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、高電位電源線と電気的に接続され、
前記発光素子の他方の電極は、低電位電源線と電気的に接続される表示装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、
前記発光素子は、有機発光ダイオードである表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一において、
前記第1のトランジスタ、前記第2のトランジスタ、前記第3のトランジスタ及び前記第4のトランジスタはそれぞれ、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、
前記金属酸化物は、インジウム、亜鉛と、元素M(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウムの一以上)と、を有する表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の表示装置と、カメラと、を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野として、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの動作方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【0003】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。また、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
基板上に形成された金属酸化物を用いてトランジスタを構成する技術が注目されている。例えば、酸化亜鉛またはIn-Ga-Zn系酸化物を用いたトランジスタを表示装置の画素のスイッチング素子などに用いる技術が特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0005】
また、オフ電流が極めて低いトランジスタをメモリセルに用いる構成の記憶装置が特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-123861号公報
【文献】特開2007-96055号公報
【文献】特開2011-119674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表示装置では高解像度化が進み、8K4K(画素数:7680×4320)解像度またはそれ以上の解像度で表示を行うことができるハードウェアが開発されている。また、輝度調整によって画像品質を高めるHDR(ハイダイナミックレンジ)表示技術の導入も進んでいる。
【0008】
表示装置で適切な表示を行うためには、画像データを表示装置の解像度に合わせる必要がある。例えば、表示装置の解像度が8K4Kであって画像データが4K2K(画素数:3840×2160)用である場合は、データ数を4倍に変換しなければ全画面表示をすることができない。逆に、表示装置の解像度が4K2Kであって画像データが8K4K用である場合は、データ数を1/4に変換する必要がある。
【0009】
HDR処理による画像データの生成やデータ数の変換には専用の回路が必要となり、消費電力も高めてしまう問題がある。少なくとも元の画像データは変換せずに表示装置の画素に入力できることが好ましい。
【0010】
したがって、本発明の一態様では、画像品質を高めることができる表示装置を提供することを目的の一つとする。または、画像データを変換せずに適切な表示が行える表示装置を提供することを目的の一つとする。または、HDR表示を行うことができる表示装置を提供することを目的の一つとする。または、アップコンバート動作が行える表示装置を提供することを目的の一つとする。または、表示画像の輝度を高めることができる表示装置を提供することを目的の一つとする。または、二つの画像を重ねて表示できる表示装置を提供することを目的の一つとする。
【0011】
または、低消費電力の表示装置を提供することを目的の一つとする。または、信頼性の高い表示装置を提供することを目的の一つとする。または、新規な表示装置などを提供することを目的の一つとする。または、上記表示装置の駆動方法を提供することを目的の一つとする。または、新規な半導体装置などを提供することを目的の一つとする。
【0012】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、発光素子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、を有する表示装置である。発光素子の一方の電極は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、発光素子の一方の電極は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第1のトランジスタのゲートは、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1のトランジスタのゲートは、第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の他方の電極は、第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の他方の電極は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第3のトランジスタのゲートは、第1の配線と電気的に接続され、第2のトランジスタのゲートは、第2の配線と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第3の配線と電気的に接続され、第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第4の配線と電気的に接続されることが好ましい。
【0014】
前述の表示装置は、さらに第4のトランジスタと、第5の配線と、を有することが好ましい。第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、発光素子の一方の電極と電気的に接続され、第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第5の配線と電気的に接続され、第4のトランジスタのゲートは、第1の配線と電気的に接続されることが好ましい。
【0015】
前述の表示装置において、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、高電位電源線と電気的に接続され、発光素子の他方の電極は、低電位電源線と電気的に接続されることが好ましい。
【0016】
本発明の一態様は、発光素子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、を有する表示装置である。発光素子の一方の電極は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第1のトランジスタのゲートは、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1のトランジスタのゲートは、第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の他方の電極は、第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の他方の電極は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第3のトランジスタのゲートは、第1の配線と電気的に接続され、第2のトランジスタのゲートは、第2の配線と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第3の配線と電気的に接続され、第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第4の配線と電気的に接続されることが好ましい。
【0017】
前述の表示装置において、発光素子の他方の電極は、高電位電源線と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、低電位電源線と電気的に接続されることが好ましい。
【0018】
前述の表示装置において、第1のトランジスタは、さらにバックゲートを有し、バックゲートは、第1のトランジスタのゲートと電気的に接続されることが好ましい。
【0019】
本発明の一態様は、発光素子と、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、第5の配線と、を有する表示装置である。発光素子の一方の電極は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1の容量素子の一方電極と電気的に接続され、第2のトランジスタのゲートは、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2のトランジスタのゲートは、第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の他方の電極は、第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続され、第2の容量素子の他方の電極は、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第4のトランジスタのゲートは、第1の配線と電気的に接続され、第3のトランジスタのゲートは、第2の配線と電気的に接続され、第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第3の配線と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第4の配線と電気的に接続され、第1のトランジスタのゲートは、第5の配線と電気的に接続されることが好ましい。
【0020】
前述の表示装置において、第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、高電位電源線と電気的に接続され、発光素子の他方の電極は、低電位電源線と電気的に接続されることが好ましい。
【0021】
前述の表示装置において、第2のトランジスタは、さらにバックゲートを有し、バックゲートは、第2のトランジスタのゲートと電気的に接続されることが好ましい。
【0022】
前述の表示装置において、発光素子は、有機発光ダイオードであることが好ましい。
【0023】
前述の表示装置において、第1のトランジスタ、第2のトランジスタ及び第3のトランジスタはそれぞれ、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、インジウム、亜鉛と、元素M(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウムの一以上)と、を有することが好ましい。
【0024】
本発明の一態様は、前述の表示装置と、カメラと、を有する電子機器である。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様を用いることで、画像品質を高めることができる表示装置を提供することができる。または、画像データを変換せずに適切な表示が行える表示装置を提供することができる。または、HDR表示を行うことができる表示装置を提供することができる。または、アップコンバート動作が行える表示装置を提供することができる。または、表示画像の輝度を高めることができる表示装置を提供することができる。または、二つの画像を重ねて表示できる表示装置を提供することができる。
【0026】
または、低消費電力の表示装置を提供することができる。または、信頼性の高い表示装置を提供することができる。または、新規な表示装置などを提供することができる。または、上記表示装置の駆動方法を提供することができる。または、新規な半導体装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1は画素回路を説明する図である。
図2は画素回路の動作を説明するタイミングチャートである。
図3は画素回路を説明する図である。
図4は画素回路を説明する図である。
図5A及び図5Bは画素回路を説明する図である。
図6Aは回路ブロックを説明する図である。図6B及び図6Cは画素の構成を説明する図である。
図7A図7B及び図7Cは表示装置を説明する図である。
図8A及び図8Bはタッチパネルを説明する図である。
図9は表示装置を説明する図である。
図10は表示装置を説明する図である。
図11A1図11A2図11B1図11B2図11C1及び図11C2はトランジスタを説明する図である。
図12A1図12A2図12B1図12B2図12C1及び図12C2はトランジスタを説明する図である。
図13A1図13A2図13B1図13B2図13C1及び図13C2はトランジスタを説明する図である。
図14A1図14A2図14B1図14B2図14C1及び図14C2はトランジスタを説明する図である。
図15A図15B図15C図15D図15E及び図15Fは電子機器を説明する図である。
図16はシミュレーション結果を説明する図である。
図17はシミュレーション結果を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。なお、図を構成する同じ要素のハッチングを異なる図面間で適宜省略または変更する場合もある。
【0029】
回路図上では単一の要素として図示されている場合であっても、機能的に不都合がなければ、当該要素が複数で構成されてもよい。例えば、スイッチとして動作するトランジスタは、複数が直列または並列に接続されてもよい場合がある。また、キャパシタを分割して複数の位置に配置する場合もある。
【0030】
一つの導電体が、配線、電極および端子などの複数の機能を併せ持っている場合があり、本明細書においては、同一の要素に対して複数の呼称を用いる場合がある。また、回路図上で要素間が直接接続されているように図示されている場合であっても、実際には当該要素間が複数の導電体を介して接続されている場合があり、本明細書ではこのような構成でも直接接続の範疇に含める。
【0031】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置について、図面を参照して説明する。
【0032】
本発明の一態様は、画素内で画像データを補正する機能を有する表示装置である。各画素には記憶ノードが設けられ、当該記憶ノードに第1のデータを保持することができる。第1のデータは容量結合によって第2のデータに付加され、表示素子に供給することができる。または、当該記憶ノードに第2のデータを書き込んだ後に第1のデータを容量結合で付加することもできる。
【0033】
したがって、表示装置では補正された画像を表示することができる。当該補正によって、画像のアップコンバートを行うことができる。または、表示領域における一部または全体の画像を補正し、HDR表示を行うことができる。または、第1のデータおよび第2のデータとして同じ画像データを用いることで、表示画像の輝度を大幅に向上させることができる。または、第1のデータおよび第2のデータとして異なる画像データを用いることで、任意の画像を重ねあわせて表示することができる。
【0034】
本発明の一態様を用いることで、高解像度用および低解像度用の二つの画像データに対して、別途専用の回路を設けてアップコンバートまたはダウンコンバートすることなく適切な表示を行うことができる。高解像度で表示する場合は、各画素が有する第1のトランジスタを経路して各画素に個別のデータを供給する。低解像度で表示する場合は、複数の画素と電気的に接続する第2のトランジスタを経路して当該複数の画素に同一のデータを供給する。
【0035】
ここで、高解像度用の画像データとは、例えば、8K4K(画素数:7680×4320)に対応する情報量を有するデータに相当する。また、低解像度用の画像データとは、例えば、4K2K(画素数:3840×2160)に対応する情報量を有するデータに相当する。すなわち、高解像度用画像データと低解像度用画像データの有効なデータ量(有効な画素数に対応)の比率は4:1であることを前提とする。
【0036】
なお、データ量(画素数)の比率が4:1であれば、上記の例に限らず、高解像度用の画像データが4K2Kに対応するデータ、低解像度用の画像データがFullHD(画素数:1920×1080)に対応するデータであってもよい。または、高解像度用の画像データが16K8K(画素数:15360×8640)に対応するデータ、低解像度用の画像データが8K4Kに対応するデータであってもよい。
【0037】
なお、本明細書等において、画素とは、例えば、明るさを制御できる要素一つ分を示すものとする。よって、例えば、一画素とは、一つの色要素を示すものとし、その色要素一つで明るさを表現する。従って、R(赤)G(緑)B(青)の色要素からなるカラー表示装置の場合は、画像の最小単位は、Rの画素とGの画素とBの画素との三画素から構成されるものとする。この場合、RGBのそれぞれの画素は副画素(サブ画素)と呼び、RGBの副画素を併せて画素と呼ぶ場合がある。
【0038】
<構成例1>
本発明の一態様の表示装置に用いることができる画素10の構成を、図1に示す。画素10は、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ103と、トランジスタ104と、容量素子111と、容量素子112と、発光素子114とを有する。
【0039】
発光素子114の一方の電極は、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。発光素子114の一方の電極は、容量素子112の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、容量素子111の一方の電極と電気的に接続される。容量素子111の他方の電極は、容量素子112の他方の電極と電気的に接続される。容量素子111の他方の電極は、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。また、発光素子114の一方の電極は、トランジスタ104のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。
【0040】
発光素子114として、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)、有機発光ダイオード(OLED:Organic Light Emitting Diode)、発光層に量子ドットを用いた発光ダイオード(QLED:Quantum-dot Light Emitting Diode)、半導体レーザなどの、自発光性の発光素子が挙げられる。また、シャッター方式または光干渉方式のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子や、マイクロカプセル方式、電気泳動方式、エレクトロウェッティング方式、または電子粉流体(登録商標)方式等を適用した表示素子などを用いることもできる。
【0041】
ここで、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方、容量素子111の一方の電極、およびトランジスタ103のゲートが接続される配線を、ノードND1とする。トランジスタ101のソースまたはドレインの一方、容量素子111の他方の電極、および容量素子112の他方の電極が接続される配線を、ノードND2とする。トランジスタ103のソースまたはドレインの一方、容量素子112の一方の電極、および発光素子114の一方の電極が接続される配線を、ノードND3とする。
【0042】
トランジスタ103は、発光素子114に流す電流量を制御する駆動トランジスタとして機能する。トランジスタ101及びトランジスタ102は、画素を選択する選択トランジスタとして機能する。トランジスタ104は、ノードND3の電位が発光素子114のしきい値電圧以上になる場合に、発光素子114に意図しない電流が流れるといった不具合が発生しないようする機能を有する。具体的にはトランジスタ104は、発光素子114に電流を流す期間(発光期間ともいう)以外の期間で電流が流れないようにするためのスイッチとして機能する。
【0043】
トランジスタ101のゲート及びトランジスタ104のゲートは、配線121と電気的に接続される。トランジスタ102のゲートは、配線122と電気的に接続される。トランジスタ101のソースまたはドレインの他方は、配線131と電気的に接続される。トランジスタ102のソースまたはドレインの他方は、配線132と電気的に接続される。トランジスタ104のソースまたはドレインの他方は、配線133と電気的に接続される。
【0044】
トランジスタ103のソースまたはドレインの他方は、配線128と電気的に接続される。発光素子114の他方の電極は、配線129と電気的に接続される。配線128、配線129はそれぞれ、電源電位が与えられる配線(電源線)として機能する。例えば、配線128は、高電位電源線として機能させることができる。また、配線129は、低電位電源線として機能させることができる。
【0045】
配線121及び配線122は、トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ104の動作を制御するための走査線としての機能を有する。走査線に与えられる走査信号は、画素10内のスイッチとして機能する選択トランジスタ(トランジスタ101及びトランジスタ102)の導通状態または非導通状態(オンまたはオフ)を制御するための信号である。また、走査線に与えられる走査信号は、トランジスタ104の導通状態または非導通状態(オンまたはオフ)を制御するための信号でもある。配線132は、第1のデータを供給するデータ線としての機能を有する。データ線が伝えるデータ信号は、画像の表示を行うための信号である。配線131は、第2のデータを供給するデータ線としての機能を有する。また、配線131は、画素10の駆動させる特定の電位(参照電圧)“Vref”を供給する機能を有する。配線133は、定電位(V0)を供給する配線としての機能を有する。
【0046】
なお、画素に“Vref”および第1のデータ(例えば、補正データ)が同じ期間に供給され、後に説明する容量結合動作を行う。そのため、“Vref”を信号線から供給する場合は、少なくとも、第1のデータを供給する信号線と、“Vref”または第2のデータ(例えば、画像データ)を供給する信号線が必要となる。
【0047】
ノードND1は記憶ノードであり、トランジスタ102を導通させることで、配線132に供給されたデータをノードND1に書き込むことができる。また、トランジスタ102を非導通とすることで、当該データをノードND1に保持することができる。
【0048】
ノードND2は記憶ノードであり、トランジスタ101を導通させることで、配線131に供給されたデータをノードND2に書き込むことができる。また、トランジスタ101を非導通とすることで、当該データをノードND2に保持することができる。
【0049】
ノードND3は記憶ノードであり、トランジスタ104を導通させることで、配線133に供給されたデータをノードND3に書き込むことができる。また、トランジスタ104を非導通とすることで、当該データをノードND3に保持することができる。
【0050】
トランジスタ101、トランジスタ102、トランジスタ103及びトランジスタ104のいずれか一以上に極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることが好ましい。特に、トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ104に極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることで、リーク電流を抑えることができる。また、ノードND1、ノードND2及びノードND3の電位を長時間保持することが可能となる。当該トランジスタには、例えば、チャネル形成領域に金属酸化物を用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を好適に用いることができる。
【0051】
なお、トランジスタ101、トランジスタ102、トランジスタ103及びトランジスタ104の全てにOSトランジスタを適用すると、さらに好ましい。また、トランジスタ101、トランジスタ102、トランジスタ103及びトランジスタ104以外のトランジスタに、OSトランジスタを適用してもよい。また、リーク電流量が許容できる範囲で動作を行う場合は、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(以下、Siトランジスタ)を適用してもよい。または、OSトランジスタおよびSiトランジスタを併用してもよい。なお、上記Siトランジスタとして、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(微結晶シリコン、低温ポリシリコン、単結晶シリコン)を有するトランジスタなどが挙げられる。なお、図1に示すトランジスタは、いずれもnチャネル型のトランジスタであるが、pチャネル型のトランジスタを用いることもできる。
【0052】
OSトランジスタに用いる半導体材料として、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体などであり、例えば、後述するCAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)またはCAC-OS(Cloud-Aligned Composite Oxide Semiconductor)などを用いることができる。CAAC-OSは安定な結晶構造を有し、信頼性を重視するトランジスタなどに適する。また、CAC-OSは、高移動度特性を示すため、高速駆動を行うトランジスタなどに適する。
【0053】
OSトランジスタは半導体層のエネルギーギャップが大きいため、チャネル幅1μmあたりのオフ電流値が数yA/μm(yは10-24)という極めて低いオフ電流特性を示すことができる。また、OSトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、および短チャネル効果などが生じないなどSiトランジスタとは異なる特徴を有し、信頼性の高い回路を形成することができる。また、Siトランジスタでは問題となる結晶性の不均一性に起因する電気特性のばらつきもOSトランジスタでは生じにくい。
【0054】
OSトランジスタが有する半導体層は、例えばインジウム、亜鉛および元素M(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウムの一以上)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
【0055】
半導体層を構成する酸化物半導体がIn-M-Zn系酸化物の場合、In-M-Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
【0056】
半導体層として、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いる。例えば、半導体層は、キャリア濃度が1×1017/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下、さらに好ましくは1×1013/cm以下、より好ましくは1×1011/cm以下、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10-9/cm以上のキャリア濃度の酸化物半導体を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。当該酸化物半導体は、欠陥準位密度が低く、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
【0057】
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性および電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア濃度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0058】
半導体層を構成する酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
【0059】
アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、酸化物半導体に含まれる成分と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層におけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
【0060】
半導体層を構成する酸化物半導体に窒素が含まれていると、酸化物半導体中にキャリアとなる電子が生じてキャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における窒素濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)は、5×1018atoms/cm以下にすることが好ましい。
【0061】
半導体層を構成する酸化物半導体に水素が含まれていると、酸化物半導体中に含まれる金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸化物半導体中に酸素欠損を形成する場合がある。酸化物半導体中のチャネル形成領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性となる場合がある。さらに、酸素欠損に水素が入った欠陥はドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。したがって、水素が多く含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。
【0062】
酸素欠損に水素が入った欠陥は、酸化物半導体のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、酸化物半導体においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、酸化物半導体のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
【0063】
よって、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする。水素などの不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
【0064】
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体として、例えば、CAAC-OS、多結晶酸化物半導体、nc-OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、および非晶質酸化物半導体などがある。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC-OSは最も欠陥準位密度が低い。
【0065】
非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
【0066】
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC-OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
【0067】
以下では、非単結晶の半導体層の一態様であるCAC-OSの構成について説明する。
【0068】
CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
【0069】
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0070】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2Zn Z2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0071】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0072】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1-x0)(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0073】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0074】
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0075】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0076】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0077】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0078】
CAC-OSは、例えば基板を加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、および窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0079】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray Diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折測定から、測定領域のa-b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0080】
CAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域(リング領域)と、該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nanocrystal)構造を有することがわかる。
【0081】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0082】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0083】
ここで、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0084】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0085】
したがって、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0086】
CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC-OSは、様々な半導体装置の構成材料として適している。
【0087】
図2に示すタイミングチャートを用いて、画像データに補正データを付加する画素10の動作の一例を説明する。なお、以下の説明においては、高電位を“High”、低電位を“Low”で表す。また、補正データを“Vw”、画像データを“Vdata”、特定の電位を“Vref”とする。“Vref”として、例えば0V、GND電位または特定の基準電位を用いることができる。なお、“Vw”は任意の第1のデータ、“Vdata”は任意の第2のデータということもできる。
【0088】
まず、補正データ“Vw”をノードND1に書き込む動作を説明する。なお、ここでは電位の分配、結合または損失において、回路の構成や動作タイミングなどに起因する詳細な変化は勘案しない。
【0089】
時刻T1に配線121の電位を“High”、配線122の電位を“High”、配線131の電位を“Vref”、配線132の電位を“Vw”とすると、トランジスタ101、トランジスタ102及びトランジスタ104が導通し、ノードND1に配線132の電位“Vw”、ノードND2に配線131の電位“Vref”、ノードND3に配線133の電位“V0”が書き込まれる。“V0”は、発光素子114に電流が流れない電位、つまり発光素子114のしきい値電圧以下となる電位とすることが好ましい。
【0090】
このとき、容量素子111の両端にかかる電位差をV1とすると、電位差V1は式(1)で示すことができる。
【0091】
V1=Vw-Vref (1)
【0092】
同様に、容量素子112の両端にかかる電位差をV2とすると、電位差V2は式(2)で示すことができる。
【0093】
V2=Vref-V0 (2)
【0094】
ここまでが補正データ“Vw”の書き込み動作である。なお、補正を行わない場合は、上記動作において、補正データ“Vw”として“Vref”と同じ電位を供給すればよい。
【0095】
続いて、画像データ“Vdata”の補正動作を説明する。
【0096】
時刻T2に配線121の電位を“High”、配線122の電位を“Low”、配線131の電位を“Vdata”とすると、トランジスタ102が非導通となりノードND1がフローティングとなる。また、ノードND2の電位が、“Vref”から“Vdata”に変化する。
【0097】
このとき、ノードND1の電位をVxとすると、容量素子111の両端にかかる電位差は式(1)に示す値が保持されるため、Vxは式(3)で示すことができる。
【0098】
Vx=Vw-Vref+Vdata (3)
【0099】
ここで、Vrefを0Vとすると、式(4)が得られる。
【0100】
Vx=Vw+Vdata (4)
【0101】
式(4)に示すように、ノードND1の電位Vxは、補正データ“Vw”に、画像データ“Vdata”を足し合わせた値で得られる。つまり、メモリ回路に保持した信号と、後から書き込む信号を足し合わせて、画像の重ねあわせを行うことができる。
【0102】
ここまでが、画像データ“Vdata”の補正動作の説明である。
【0103】
続いて、表示動作を説明する。
【0104】
時刻T3に配線121の電位を“Low”、配線122の電位を“Low”とすると、トランジスタ101及びトランジスタ104が非導通となり、トランジスタ103のゲート・ソース間電圧Vgsは容量素子111及び容量素子112の保持される電圧となり、Vgsに応じた電流が発光素子114に流れる。このとき、ノードND1の電位は“Vw+Vdata+a”、ノードND2の電位は“Vdata+a”、ノードND3の電位は“V0+a”となる。なお、aは定数であり、発光素子114のトランジスタ103と接続する側の電極の電位がV0から、Vgsに応じた電流を流すのに必要な電位になるまでの変動量を示す。
【0105】
図2の動作は、1水平期間内で連続して行うことができる。
【0106】
このような画像データと補正データを組み合わせることにより、アップコンバート、HDR表示、表示装置固有の表示ムラの補正、画素が有するトランジスタのしきい値電圧の補正などを行うことができる。または、これらを組み合わせて行うことができる。
【0107】
アップコンバート動作では、例えば、隣接する4画素(2行2列分)の全てに同じ画像データを供給する。供給された画像データは、それぞれの画素において異なる画像データに補正(変換)され、各画素での表示を行うことができる。例えば、8K4Kの画素数を有する表示装置の特定の4画素に4K2K用データの特定の1画素に適用されるデータを入力し、当該4画素それぞれに異なる補正データを入力することで、解像度を向上させた表示を行うことができる。
【0108】
本発明の一態様である表示装置は、広義では画像データの補正であるが、異なる画像を重ねて表示させることができる。例えば、画像データ“Vdata”で構成する第1の画像と、補正データ“Vw”で構成される第2の画像を重ねた合成画像を表示することができる。このような画像データと補正データの組み合わせにおいては、異なる画像の合成表示のほか、表示画像全体の輝度向上などを行うことができる。例えば、文字の挿入やAR(Augmented Reality)表示などに適用することができる。
【0109】
本発明の一態様である表示装置は、汎用のドライバICを用いても高い電圧を表示素子に供給することができる。例えば、発光素子などを駆動するためにドライバICから供給する電圧を約1/2とすることができるため、表示装置を低消費電力化することができる。また、例えば同じ画像データを2回書き込むことにより、発光素子に流す電流を大きくすることができ、ディスプレイの輝度を高めることができる。
【0110】
<構成例2>
図1に示した画素10と異なる構成を、図3に示す。図3に示すように、トランジスタ101、トランジスタ102、トランジスタ103及びトランジスタ104がそれぞれ、バックゲートを有する構成であってもよい。特に、発光素子114の駆動トランジスタとして機能するトランジスタ103は、バックゲートを有すことが好ましい。図3は、バックゲートがゲート(フロントゲートと呼ぶ場合がある)と電気的に接続された構成を示しており、オン電流を高める効果を有する。また、トランジスタがバックゲートを有することにより、トランジスタの飽和特性を高めることができる。なお、バックゲートが定電位を供給できる配線(図示しない)と電気的に接続され、トランジスタのしきい値電圧を制御する構成とすることもできる。なお、図3においては、全てのトランジスタにバックゲートを設けた構成を図示しているが、バックゲートが設けられないトランジスタを有していてもよい。
【0111】
<構成例3>
図1に示した画素10と異なる構成を、図4に示す。図4に示す画素10は、配線133を有しない点、トランジスタ104のソースまたはドレインの他方が、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される点、トランジスタ104のゲートが配線134と電気的に接続される点で、図1に示した画素10と異なる。配線134は、トランジスタ104の導通を制御する信号線としての機能を有することができる。
【0112】
発光素子114の一方の電極は、トランジスタ104のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ104のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ104のソースまたはドレインの他方は、容量素子112の一方電極と電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、容量素子111の一方の電極と電気的に接続される。容量素子111の他方の電極は、容量素子112の他方の電極と電気的に接続される。容量素子111の他方の電極は、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。
【0113】
トランジスタ101のゲートは、配線121と電気的に接続される。トランジスタ102のゲートは、配線122と電気的に接続される。トランジスタ101のソースまたはドレインの他方は、配線131と電気的に接続される。トランジスタ102のソースまたはドレインの他方は、配線132と電気的に接続される。トランジスタ104のゲートは、配線134と電気的に接続される。
【0114】
トランジスタ103のソースまたはドレインの他方は、配線128と電気的に接続される。発光素子114の他方の電極は、配線129と電気的に接続される。配線128、配線129は電源を供給する機能を有する。例えば、配線128は、高電位電源線として機能させることができる。また、配線129は、低電位電源線として機能させることができる。
【0115】
図4に示す構成では、トランジスタ104が導通したときに発光素子114に電流が流れる。したがって、補正データ“Vw”、画像データ“Vdata”の足し合わせた後に、任意のタイミングで発光素子114の発光を開始することができる。
【0116】
<構成例4>
図1に示した画素10と異なる構成を、図5A及び図5Bに示す。
【0117】
図5Aに示す画素10は、トランジスタ104及び配線133を有しない点で、図1に示した画素10と異なる。前述したようにトランジスタ104は、ノードND3の電位が発光素子のしきい値電圧以上になる場合に、発光素子114に意図しない電流が流れるといった不具合がないようする機能を有する。ただし、ノードND3に書き込まれる信号が発光素子114のしきい値電圧より低い値に限定されていればトランジスタ104を省くことができる。図5Aに示す構成のように画素あたりのトランジスタの数を少なくすることで、画素の占有面積を縮小でき、高精細な表示装置を実現できる。また、開口率を向上させることができ、高輝度な表示装置を実現できる。
【0118】
図5Bに示す画素10は、発光素子114の一方の電極がトランジスタ103のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される点、発光素子114の他方の電極が配線128と電気的に接続される点で、図5Aに示した画素10と異なる。
【0119】
発光素子114の一方の電極は、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ103のソースまたはドレインの他方は、容量素子112の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、容量素子111の一方の電極と電気的に接続される。容量素子111の他方の電極は、容量素子112の他方の電極と電気的に接続される。容量素子111の他方の電極は、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。
【0120】
トランジスタ101のゲートは、配線121と電気的に接続される。トランジスタ102のゲートは、配線122と電気的に接続される。トランジスタ101のソースまたはドレインの他方は、配線131と電気的に接続される。トランジスタ102のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、配線132と電気的に接続される。
【0121】
発光素子114の他方の電極は、配線128と電気的に接続される。トランジスタ103のソースまたはドレインの他方は、配線129と電気的に接続される。配線128、配線129は電源を供給する機能を有する。例えば、配線128は、高電位電源線として機能させることができる。また、配線129は、低電位電源線として機能させることができる。
【0122】
図5Bに示す画素10は、ノードND3が固定電位を供給する配線129に接続されるため、補正データ“Vw”と画像データ“Vdata”の足し合わせを安定して行うことができる。
【0123】
前述の画素10の構成を適用した表示装置100のブロック図を、図6Aに示す。表示装置100は、表示部150、ゲートドライバ130、およびソースドライバ140を有する。表示部150は、画素10(1、1)乃至画素10(m、n)の複数の画素を有し、それぞれの画素はマトリクス状に配置することができる。m及びnはそれぞれ1以上の整数である。
【0124】
複数の画素10はそれぞれ、ゲートドライバ130から複数の配線(配線121など)を介して信号が与えられ、駆動が制御される。また、複数の画素10はそれぞれ、ソースドライバ140から複数の配線(配線131など)を介して信号が与えられ、駆動が制御される。
【0125】
カラー表示を行う場合、画素10は図6Bに示すようにR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の副画素10Re、副画素10Gr、副画素10Blに相当し、複数の副画素を組み合わせて、ひとつの画素を構成する。なお、副画素の色の数、及び色の組み合わせはRGBの3つに限られない。図6Cに示すようにR、G、B、W(白)の4色の副画素10Re、副画素10Gr、副画素10Bl、副画素10Whを組み合わせて、ひとつの画素を構成することも有効である。また、R、G、B、Y(黄)の4色の副画素を組み合わせて、ひとつの画素を構成することができる。
【0126】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0127】
(実施の形態2)
本実施の形態では、発光デバイスを用いた表示装置の構成例について説明する。なお、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した表示装置の要素、動作および機能の説明は省略する。
【0128】
本実施の形態で説明する表示装置には、実施の形態1で説明した画素を用いることができる。なお、以下に説明する走査線駆動回路はゲートドライバ、信号線駆動回路はソースドライバに相当する。
【0129】
図7A乃至図7Cは、本発明の一態様を用いることのできる表示装置の構成を示す図である。
【0130】
図7Aにおいて、第1の基板4001上に設けられた表示部215を囲むようにして、シール材4005が設けられ、表示部215がシール材4005および第2の基板4006によって封止されている。
【0131】
図7Aでは、走査線駆動回路221a、信号線駆動回路231a、信号線駆動回路232a、および共通線駆動回路241aは、それぞれがプリント基板4041上に設けられた集積回路4042を複数有する。集積回路4042は、単結晶半導体または多結晶半導体で形成されている。共通線駆動回路241aは、実施の形態1に示した配線129などに規定の電位を供給する機能を有する。
【0132】
走査線駆動回路221a、共通線駆動回路241a、信号線駆動回路231a、および信号線駆動回路232aに与えられる各種信号および電位は、FPC(Flexible Printed Circuit)4018を介して供給される。
【0133】
走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aが有する集積回路4042は、表示部215に選択信号を供給する機能を有する。信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aが有する集積回路4042は、表示部215に画像データを供給する機能を有する。集積回路4042は、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に実装されている。
【0134】
なお、集積回路4042の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンディング法、COF法、COG法、TCP法などを用いることができる。
【0135】
図7Bは、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aに含まれる集積回路4042をCOG法により実装する例を示している。また、駆動回路の一部または全体を表示部215と同じ基板上に一体形成して、システムオンパネルを形成することができる。
【0136】
図7Bでは、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aを、表示部215と同じ基板上に形成する例を示している。駆動回路を表示部215内の画素回路と同時に形成することで、部品点数を削減することができる。よって、生産性を高めることができる。
【0137】
図7Bでは、第1の基板4001上に設けられた表示部215と、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aと、を囲むようにして、シール材4005が設けられている。また表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aの上に第2の基板4006が設けられている。よって、表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示デバイスと共に封止されている。
【0138】
図7Bでは、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部を別途形成して実装しても良い。また、図7Cに示すように、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを表示部215と同じ基板上に形成してもよい。
【0139】
表示装置は、表示デバイスが封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む場合がある。
【0140】
第1の基板上に設けられた表示部および走査線駆動回路は、トランジスタを複数有している。当該トランジスタとして、実施の形態1で示したSiトランジスタまたはOSトランジスタを適用することができる。
【0141】
周辺駆動回路が有するトランジスタと、表示部の画素回路が有するトランジスタの構造は同じであってもよく、異なっていてもよい。周辺駆動回路が有するトランジスタは、全て同じ構造のトランジスタであってもよく、2種類以上の構造のトランジスタを有していてもよい。同様に、画素回路が有するトランジスタは、全て同じ構造のトランジスタであってもよく、2種類以上の構造のトランジスタを有していてもよい。
【0142】
第2の基板4006上には入力装置4200を設けることができる。図7A乃至図7Cに示す表示装置に入力装置4200を設けた構成はタッチパネルとして機能させることができる。
【0143】
本発明の一態様のタッチパネルが有する検知デバイス(センサ素子ともいう)に限定は無い。指やスタイラスなどの被検知体の近接または接触を検知することのできる様々なセンサを、検知デバイスとして適用することができる。
【0144】
センサの方式として、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。
【0145】
本実施の形態では、静電容量方式の検知デバイスを有するタッチパネルを例に挙げて説明する。
【0146】
静電容量方式として、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投影型静電容量方式として、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検知が可能となるため好ましい。
【0147】
本発明の一態様のタッチパネルは、別々に作製された表示装置と検知デバイスとを貼り合わせる構成、表示デバイスを支持する基板および対向基板の一方または双方に検知デバイスを構成する電極等を設ける構成等、様々な構成を適用することができる。
【0148】
図8A及び図8Bに、タッチパネルの一例を示す。図8Aは、タッチパネル4210の斜視図である。図8Bは、入力装置4200の斜視概略図である。なお、明瞭化のため、代表的な構成要素のみを示している。
【0149】
タッチパネル4210は、別々に作製された表示装置と検知デバイスとを貼り合わせた構成である。
【0150】
タッチパネル4210は、入力装置4200と、表示装置とを有し、これらが重ねて設けられている。
【0151】
入力装置4200は、基板4263、電極4227、電極4228、複数の配線4237、複数の配線4238および複数の配線4239を有する。例えば、電極4227は配線4237または配線4239と電気的に接続することができる。また、電極4228は配線4239と電気的に接続することができる。FPC4272bは、複数の配線4237および複数の配線4238の各々と電気的に接続する。FPC4272bにはIC4273bを設けることができる。
【0152】
または、表示装置の第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを設けてもよい。第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを設ける場合は、静電容量方式のタッチセンサのほか、光電変換素子を用いた光学式のタッチセンサを適用してもよい。
【0153】
図9は、図7B中でN1-N2の鎖線で示した部位の断面図である。図9に示す表示装置は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と異方性導電層4019を介して、電気的に接続されている。また、図9では、電極4015は、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110に形成された開口において配線4014と電気的に接続されている。
【0154】
電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電層から形成され、配線4014は、トランジスタ4010、およびトランジスタ4011のソース電極およびドレイン電極と同じ導電層で形成されている。
【0155】
第1の基板4001上に設けられた表示部215と走査線駆動回路221aは、トランジスタを複数有しており、図9では、表示部215に含まれるトランジスタ4010、および走査線駆動回路221aに含まれるトランジスタ4011を例示している。なお、図9では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011としてボトムゲート型のトランジスタを例示しているが、トップゲート型のトランジスタであってもよい。
【0156】
図9では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011上に絶縁層4112が設けられている。また、絶縁層4112上に隔壁4510が形成されている。
【0157】
トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に設けられている。また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4111上に形成された電極4017を有する。電極4017はバックゲート電極として機能することができる。
【0158】
図9に示す表示装置は、キャパシタ4020を有する。キャパシタ4020は、トランジスタ4010のゲート電極と同じ工程で形成された電極4021と、ソース電極およびドレイン電極と同じ工程で形成された電極と、を有する。これらの電極は、絶縁層4103を介して重なっている。
【0159】
一般に、表示装置の画素部に設けられるキャパシタの容量値は、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。キャパシタの容量値は、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。
【0160】
表示部215に設けられたトランジスタ4010は、表示デバイスと電気的に接続する。図9は、表示デバイスとして発光デバイスを用いた発光表示装置(「EL表示装置」ともいう。)の一例である。表示デバイスである発光デバイス4513は、表示部215に設けられたトランジスタ4010と電気的に接続している。なお発光デバイス4513の構成は、第1の電極層4030、発光層4511、第2の電極層4031の積層構造であるが、この構成に限定されない。発光デバイス4513から取り出す光の方向などに合わせて、発光デバイス4513の構成は適宜変えることができる。
【0161】
図9に示す表示装置は、絶縁層4111と絶縁層4104を有する。絶縁層4111と絶縁層4104として、不純物元素を透過しにくい絶縁層を用いる。絶縁層4111と絶縁層4104でトランジスタの半導体層を挟むことで、外部からの不純物の浸入を防ぐことができる。
【0162】
表示装置に含まれる表示デバイスとして発光デバイスを用いることができる。発光デバイスとして、例えば、エレクトロルミネッセンスを利用するELデバイスを適用することができる。ELデバイスは、一対の電極の間に発光性の化合物を含む層(「EL層」ともいう。)を有する。一対の電極間に、ELデバイスのしきい値電圧よりも大きい電位差を生じさせると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光性の化合物が発光する。
【0163】
ELデバイスは、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機ELデバイス、後者は無機ELデバイスと呼ばれている。なお、発光材料として化合物半導体を用いるLED(マイクロLEDを含む)もELデバイスの一つである。
【0164】
有機ELデバイスは、電圧を印加することにより、一方の電極から電子、他方の電極から正孔がそれぞれEL層に注入される。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に当該有機化合物は発光する。このようなメカニズムから、このような発光デバイスは、電流励起型の発光デバイスと呼ばれる。
【0165】
なお、EL層は、発光性の化合物以外に、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性および正孔輸送性が高い物質)などを有していてもよい。
【0166】
EL層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法などの方法で形成することができる。
【0167】
無機ELデバイスは、その素子構成により、分散型無機ELデバイスと薄膜型無機ELデバイスとに分類される。分散型無機ELデバイスは、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー-アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機ELデバイスは、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光デバイスとして有機ELデバイスを用いて説明する。
【0168】
発光デバイスは発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透明であればよい。そして、基板上にトランジスタおよび発光デバイスを形成し、当該基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出(トップエミッション)構造や、基板側の面から発光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)構造や、両面から発光を取り出す両面射出(デュアルエミッション)構造の発光デバイスがあり、どの射出構造の発光デバイスも適用することができる。
【0169】
隔壁4510は、有機絶縁材料、または無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極層4030上に開口部を形成し、その開口部の側面が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0170】
発光層4511は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
【0171】
発光デバイス4513の発光色は、発光層4511を構成する材料によって、白、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、または黄などとすることができる。
【0172】
カラー表示を実現する方法として、発光色が白色の発光デバイス4513と着色層を組み合わせて行う方法と、画素毎に発光色の異なる発光デバイス4513を設ける方法がある。前者の方法は後者の方法よりも生産性が高い。一方、後者の方法では画素毎に発光層4511を作り分ける必要があるため、前者の方法よりも生産性が劣る。ただし、後者の方法では、前者の方法よりも色純度の高い発光色を得ることができる。後者の方法に加えて、発光デバイス4513にマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度をさらに高めることができる。
【0173】
なお、発光層4511は、量子ドットなどの無機化合物を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
【0174】
発光デバイス4513に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層4031および隔壁4510上に保護層を形成してもよい。保護層として、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)などを形成することができる。また、第1の基板4001、第2の基板4006、およびシール材4005によって封止された空間には、充填材4514が設けられ密封されている。このように、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0175】
充填材4514として窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル系樹脂、ポリイミド、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。また、充填材4514に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0176】
シール材4005には、ガラスフリットなどのガラス材料や、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂などの樹脂材料を用いることができる。また、シール材4005に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0177】
必要であれば、発光デバイスの射出面に偏光板、または円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0178】
発光デバイスをマイクロキャビティ構造とすることで、色純度の高い光を取り出すことができる。また、マイクロキャビティ構造とカラーフィルタを組み合わせることで、映り込みが低減し、表示画像の視認性を高めることができる。
【0179】
表示デバイスに電圧を印加する第1の電極層および第2の電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層などともいう)においては、取り出す光の方向、電極層が設けられる場所、および電極層のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
【0180】
第1の電極層4030、第2の電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0181】
第1の電極層4030、第2の電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属、またはその合金、もしくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
【0182】
第1の電極層4030、第2の電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子として、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、または、アニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体などがあげられる。
【0183】
トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0184】
第1の電極層4030と第2の電極層4031の間に、スペーサ(図示せず)を設けてもよい。スペーサは、第1の電極層4030と第2の電極層4031の間隔(セルギャップ)を制御する機能を有する。スペーサの形状は特に限定されない。スペーサとして、例えば、柱状のスペーサ、球状のスペーサなどを用いりことができる。
【0185】
必要に応じて、ブラックマトリクス(遮光層)、着色層(カラーフィルタ)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などを適宜設けてもよい。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。
【0186】
なお、図10に示すように、トランジスタやキャパシタが高さ方向に重なる領域を有するようなスタック構造としてもよい。例えば、駆動回路を構成するトランジスタ4011およびトランジスタ4022を重ねて配置すれば、狭額縁の表示装置とすることができる。また、画素回路を構成するトランジスタ4010、トランジスタ4023、キャパシタ4020などが一部でも重なる領域を有するように配置すれば開口率や解像度を向上させることができる。
【0187】
画素回路において、電極や配線に可視光に対して透光性の高い透光性導電膜を用いることで、画素内の光の透過率を高めることができ、実質的に開口率を向上させることができる。なお、OSトランジスタを用いる場合は半導体層も透光性を有するため、さらに開口率を高めることができる。これらは、トランジスタ等をスタック構造としない場合においても有効である。
【0188】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0189】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態に示した各トランジスタに置き換えて用いることのできるトランジスタの一例について、図面を用いて説明する。
【0190】
本発明の一態様の表示装置は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタなどの様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造を容易に置き換えることができる。
【0191】
<ボトムゲート型トランジスタ>
図11A1は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタ810のチャネル長方向の断面図である。図11A1において、トランジスタ810は基板771上に形成されている。また、トランジスタ810は、基板771上に絶縁層772を介して電極746を有する。また、電極746上に絶縁層726を介して半導体層742を有する。電極746はゲート電極として機能できる。絶縁層726はゲート絶縁層として機能できる。
【0192】
半導体層742のチャネル形成領域上に絶縁層741を有する。また、半導体層742の一部と接して、絶縁層726上に電極744aおよび電極744bを有する。電極744aは、ソース電極またはドレイン電極の一方として機能できる。電極744bは、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能できる。電極744aの一部、および電極744bの一部は、絶縁層741上に形成される。
【0193】
絶縁層741は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に、半導体層742のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
【0194】
トランジスタ810は、電極744a、電極744bおよび絶縁層741上に絶縁層728を有し、絶縁層728の上に絶縁層729を有する。
【0195】
半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、電極744aおよび電極744bの、少なくとも半導体層742と接する部分に、半導体層742の一部から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料を用いることが好ましい。半導体層742中の酸素欠損が生じた領域はキャリア濃度が増加し、当該領域はn型化し、n型領域(n領域)となる。したがって、当該領域はソース領域またはドレイン領域として機能することができる。半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、半導体層742から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料の一例として、タングステン、チタン等を挙げることができる。
【0196】
半導体層742にソース領域およびドレイン領域が形成されることにより、電極744aおよび電極744bと半導体層742の接触抵抗を低減することができる。よって、電界効果移動度や、しきい値電圧などの、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができる。
【0197】
半導体層742にシリコンなどの半導体を用いる場合は、半導体層742と電極744aの間、および半導体層742と電極744bの間に、n型半導体またはp型半導体として機能する層を設けることが好ましい。n型半導体またはp型半導体として機能する層は、トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能することができる。
【0198】
絶縁層729は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、または低減する機能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層729を省略することもできる。
【0199】
図11A2に示すトランジスタ811は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ810と異なる。電極723は、電極746と同様の材料および方法で形成することができる。
【0200】
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
【0201】
電極746および電極723は、どちらもゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層726、絶縁層728、および絶縁層729は、それぞれがゲート絶縁層として機能することができる。なお、電極723は、絶縁層728と絶縁層729の間に設けてもよい。
【0202】
なお、電極746または電極723の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート電極」という。例えば、トランジスタ811において、電極723を「ゲート電極」と言う場合、電極746を「バックゲート電極」と言う。また、電極723を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ811をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極746および電極723のどちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
【0203】
半導体層742を挟んで電極746および電極723を設けることで、更には、電極746および電極723を同電位とすることで、半導体層742においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ811のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
【0204】
したがって、トランジスタ811は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ811の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0205】
ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
【0206】
バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
【0207】
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
【0208】
図11B1は、図11A1とは異なる構成のチャネル保護型のトランジスタ820のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ820は、トランジスタ810とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層741が半導体層742の端部を覆っている点が異なる。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層742と電極744aが電気的に接続している。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した他の開口部において、半導体層742と電極744bが電気的に接続している。絶縁層741の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
【0209】
図11B2に示すトランジスタ821は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ820と異なる。
【0210】
絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に半導体層742の薄膜化を防ぐことができる。
【0211】
トランジスタ820およびトランジスタ821は、トランジスタ810およびトランジスタ811よりも、電極744aと電極746の間の距離と、電極744bと電極746の間の距離が長くなる。よって、電極744aと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極744bと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
【0212】
図11C1は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネルエッチング型のトランジスタ825のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ825は、絶縁層741を用いずに電極744aおよび電極744bを形成する。このため、電極744aおよび電極744bの形成時に露出する半導体層742の一部がエッチングされる場合がある。一方、絶縁層741を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
【0213】
図11C2に示すトランジスタ826は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ825と異なる。
【0214】
図12A1乃至図12C2にトランジスタ810、811、820、821、825、826のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0215】
図12B2及び図12C2に示す構造では、ゲート電極とバックゲート電極とが接続され、ゲート電極とバックゲート電極との電位が同電位となる。また、半導体層742は、ゲート電極とバックゲート電極と挟まれている。
【0216】
ゲート電極およびバックゲート電極のそれぞれのチャネル幅方向の長さは、半導体層742のチャネル幅方向の長さよりも長く、半導体層742のチャネル幅方向全体は、絶縁層726、741、728、729を間に挟んでゲート電極またはバックゲート電極に覆われた構成である。
【0217】
当該構成とすることで、トランジスタに含まれる半導体層742を、ゲート電極およびバックゲート電極の電界によって電気的に取り囲むことができる。
【0218】
トランジスタ821またはトランジスタ826のように、ゲート電極およびバックゲート電極の電界によって、チャネル形成領域が形成される半導体層742を電気的に取り囲むトランジスタのデバイス構造をSurrounded channel(S-channel)構造と呼ぶことができる。
【0219】
S-channel構造とすることで、ゲート電極およびバックゲート電極の一方または双方によってチャネルを誘起させるための電界を効果的に半導体層742に印加することができるため、トランジスタの電流駆動能力が向上し、高いオン電流特性を得ることが可能となる。また、オン電流を高くすることが可能であるため、トランジスタを微細化することが可能となる。また、S-channel構造とすることで、トランジスタの機械的強度を高めることができる。
【0220】
<トップゲート型トランジスタ>
図13A1に例示するトランジスタ842は、トップゲート型のトランジスタの1つである。電極744aおよび電極744bは、絶縁層728および絶縁層729に形成した開口部において半導体層742と電気的に接続する。
【0221】
電極746と重ならない絶縁層726の一部を除去し、電極746と残りの絶縁層726をマスクとして用いて不純物を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる。トランジスタ842は、絶縁層726が電極746の端部を越えて延伸する領域を有する。半導体層742の絶縁層726を介して不純物が導入された領域の不純物濃度は、絶縁層726を介さずに不純物が導入された領域よりも小さくなる。半導体層742は、電極746と重ならない領域にLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。
【0222】
図13A2に示すトランジスタ843は、電極723を有する点がトランジスタ842と異なる。トランジスタ843は、基板771の上に形成された電極723を有する。電極723は、絶縁層772を介して半導体層742と重なる領域を有する。電極723は、バックゲート電極として機能することができる。
【0223】
図13B1に示すトランジスタ844および図13B2に示すトランジスタ845のように、電極746と重ならない領域の絶縁層726を全て除去してもよい。また、図13C1に示すトランジスタ846および図13C2に示すトランジスタ847のように、絶縁層726を残してもよい。
【0224】
トランジスタ842乃至トランジスタ847も、電極746を形成した後に、電極746をマスクとして用いて不純物を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0225】
図14A1乃至図14C2にトランジスタ842、843、844、845、846、847のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0226】
トランジスタ843、トランジスタ845、およびトランジスタ847は、それぞれ先に説明したS-channel構造である。ただし、これに限定されず、トランジスタ843、トランジスタ845、およびトランジスタ847をS-channel構造としなくてもよい。
【0227】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0228】
(実施の形態4)
本発明の一態様に係る表示装置を用いることができる電子機器として、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像記憶装置または画像再生装置、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図15A乃至図15Fに示す。
【0229】
図15Aはデジタルカメラであり、筐体961、シャッターボタン962、マイク963、スピーカ967、表示部965、操作キー966、ズームレバー968、レンズ969等を有する。表示部965に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0230】
図15Bは携帯データ端末であり、筐体911、表示部912、スピーカ913、操作ボタン914、カメラ919等を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。表示部912に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0231】
図15Cは携帯電話機であり、筐体951、表示部952、操作ボタン953、外部接続ポート954、スピーカ955、マイク956、カメラ957等を有する。当該携帯電話機は、表示部952にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部952に触れることで行うことができる。また、筐体951および表示部952は可撓性を有し、図示するように折り曲げて使用することができる。表示部952に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0232】
図15Dはビデオカメラであり、第1筐体901、第2筐体902、表示部903、操作キー904、レンズ905、接続部906、スピーカ907等を有する。操作キー904およびレンズ905は第1筐体901に設けられており、表示部903は第2筐体902に設けられている。表示部903に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0233】
図15Eはテレビであり、筐体971、表示部973、操作ボタン974、スピーカ975、通信用接続端子976、光センサ977等を有する。表示部973にはタッチセンサが設けられ、入力操作を行うこともできる。表示部973に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0234】
図15Fはデジタルサイネージであり、大型の表示部922を有する。デジタルサイネージは、例えば、柱921の側面に大型の表示部922が取り付けられる。表示部922に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
【0235】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【実施例
【0236】
本実施例では回路シミュレーションを用いて、図1に示す画素回路の構成において、図2に示すタイミングチャートで補正データ“Vw”と画像データ“Vdata”の足し合わせによって得られる出力を確認した。
【0237】
シミュレーションにおいては、トランジスタは全てチャネル長が200μm、チャネル幅が60μmのOSトランジスタとした。容量素子111及び容量素子112の容量値を、それぞれ11fFとした。配線121及び配線122に与えられる電圧として、Highを5V、Lowを0Vとした。配線131は、“Vref”を0V、“Vdata”を0.5Vとした。配線133は“V0”を0.83Vとした。また、配線132に与えられる電圧として、“Vw”を1.30V、1.31V、1.32V、1.33V、1.34V及び1.35Vのそれぞれで、シミュレーションを行った。回路シミュレーションソフトウェアにはSPICEを用いた。
【0238】
シミュレーション結果を、図16及び図17に示す。図16において、横軸はタイミングチャートに準じた時刻(Time)を示し、縦軸はトランジスタ103のゲート・ソース間電圧(Vgs)を示している。図17において、横軸はタイミングチャートに準じた時刻(Time)を示し、縦軸は発光素子114に流れる電流IOLEDを示している。
【0239】
図16及び図17に示すように、補正データ“Vw”に応じて発光素子114に流れる電流が高くなることを確認できた。つまり、補正データ“Vw”に応じて発光素子114の輝度を高くできることを確認できた。
【符号の説明】
【0240】
ND1:ノード、ND2:ノード、ND3:ノード、10:画素、10Bl:副画素、10Gr:副画素、10Re:副画素、10Wh:副画素、100:表示装置、101:トランジスタ、102:トランジスタ、103:トランジスタ、104:トランジスタ、111:容量素子、112:容量素子、114:発光素子、121:配線、122:配線、128:配線、129:配線、130:ゲートドライバ、131:配線、132:配線、133:配線、134:配線、140:ソースドライバ、150:表示部、215:表示部、221a:走査線駆動回路、231a:信号線駆動回路、232a:信号線駆動回路、241a:共通線駆動回路、723:電極、726:絶縁層、728:絶縁層、729:絶縁層、741:絶縁層、742:半導体層、744a:電極、744b:電極、746:電極、771:基板、772:絶縁層、810:トランジスタ、811:トランジスタ、820:トランジスタ、821:トランジスタ、825:トランジスタ、826:トランジスタ、842:トランジスタ、843:トランジスタ、844:トランジスタ、845:トランジスタ、846:トランジスタ、847:トランジスタ、901:筐体、902:筐体、903:表示部、904:操作キー、905:レンズ、906:接続部、907:スピーカ、911:筐体、912:表示部、913:スピーカ、914:操作ボタン、919:カメラ、921:柱、922:表示部、951:筐体、952:表示部、953:操作ボタン、954:外部接続ポート、955:スピーカ、956:マイク、957:カメラ、961:筐体、962:シャッターボタン、963:マイク、965:表示部、966:操作キー、967:スピーカ、968:ズームレバー、969:レンズ、971:筐体、973:表示部、974:操作ボタン、975:スピーカ、976:通信用接続端子、977:光センサ、4001:基板、4005:シール材、4006:基板、4010:トランジスタ、4011:トランジスタ、4014:配線、4015:電極、4017:電極、4018:FPC、4019:異方性導電層、4020:キャパシタ、4021:電極、4022:トランジスタ、4023:トランジスタ、4030:電極層、4031:電極層、4041:プリント基板、4042:集積回路、4102:絶縁層、4103:絶縁層、4104:絶縁層、4110:絶縁層、4111:絶縁層、4112:絶縁層、4200:入力装置、4210:タッチパネル、4227:電極、4228:電極、4237:配線、4238:配線、4239:配線、4263:基板、4272b:FPC、4273b:IC、4510:隔壁、4511:発光層、4513:発光デバイス、4514:充填材
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
図10
図11A1
図11A2
図11B1
図11B2
図11C1
図11C2
図12A1
図12A2
図12B1
図12B2
図12C1
図12C2
図13A1
図13A2
図13B1
図13B2
図13C1
図13C2
図14A1
図14A2
図14B1
図14B2
図14C1
図14C2
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16
図17