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▶ フンダシオン テクナリア リサーチ アンド イノヴェイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-26
(45)【発行日】2024-03-05
(54)【発明の名称】分離した自由度を有する航空機
(51)【国際特許分類】
   B64C 37/02 20060101AFI20240227BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20240227BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240227BHJP
【FI】
B64C37/02
B64C27/08
B64C39/02
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021531319
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2019081888
(87)【国際公開番号】W WO2020109100
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】18382880.5
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521234238
【氏名又は名称】フンダシオン テクナリア リサーチ アンド イノヴェイション
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】イニャキ イグレシアス アギナガ
(72)【発明者】
【氏名】ヨセバ ラサ アギレベンゴア
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/163156(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0148169(US,A1)
【文献】特開2018-127218(JP,A)
【文献】特表2011-514287(JP,A)
【文献】特開2005-206015(JP,A)
【文献】国際公開第2018/118070(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/106137(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2006/0016930(US,A1)
【文献】国際公開第2017/183551(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0312257(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0044499(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 37/02
B64C 27/08
B64C 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機であって、
メインフレームと、
複数の推進ユニットをそれぞれが有する複数の操作可能なマルチコプターユニットであって、前記複数の推進ユニットが、固定ヨー角、固定ロール角及び固定ピッチ角にて前記マルチコプターユニットに取り付けられている、前記複数の操作可能なマルチコプターユニットと、
を有し、
前記複数の操作可能なマルチコプターユニットは、それぞれが各マルチコプターの中心に位置する、各ジョイントの介在によって前記メインフレームに取り付けられ、互いに独立して前記メインフレームに対して回転し、且つ、前記ジョイントの全ては、最低1自由度を有し、その結果、前記メインフレームが、当該メインフレームの自由度の総数と同一の制御可能な自由度の数を有する、
ことを特徴とする航空機。
【請求項2】
前記ジョイントは、最大3自由度を有する、請求項1に記載の航空機。
【請求項3】
前記メインフレームは、当該メインフレームから放射状に延びる複数のアームを有し、前記複数の操作可能なマルチコプターユニットの各々は、前記複数のアームのうちの対応するアームに取り付けられている、請求項1又は2に記載の航空機。
【請求項4】
前記複数の操作可能なマルチコプターユニットが前記メインフレームに取り外し可能に取り付けられるように、前記ジョイントはリリースシステムを有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項5】
前記ジョイントは、少なくとも1つの自由度についての当該ジョイントの動きを制限するように構成されたロック手段を有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項6】
前記ジョイントは、少なくとも1つの自由度についての当該ジョイントの動きを一時的にブロックするように構成されたブロック手段を有する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項7】
前記ジョイントは、前記メインフレームに対する前記マルチコプターユニットの移動により発生する衝撃インパルスを吸収するように構成された衝撃吸収手段を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項8】
前記ジョイントは、球面ジョイント、カルダンジョイント、ボールジョイント、等速ジョイント、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項9】
前記複数の操作可能なマルチコプターユニットは、前記メインフレームの中心点に対して等距離に配置されている、請求項1に記載の航空機。
【請求項10】
前記メインフレーム上に配置され、水平面に対する前記メインフレームの変位を決定するように構成された参照処理ユニットを有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項11】
前記メインフレーム内に配置され、且つ、前記複数のマルチコプターユニットを操作するように構成されたコントローラを有する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項12】
前記メインフレーム内に配置されたプライマリコントローラ、及び、対応するマルチコプターユニット内に各々が配置された複数のセカンダリコントローラを有し、
前記複数のセカンダリコントローラは、前記マルチコプターユニットの各々を操作するように構成され、前記プライマリコントローラは、前記複数のセカンダリコントローラを管理するように構成されている、
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の航空機。
【請求項13】
航空機を操縦する方法であって、
請求項10に記載の航空機を提供することと、
前記参照処理ユニットによって、水平面に対する前記航空機の変位を決定することと、
前記航空機のコントローラによって、決定された前記変位に基づき、前記航空機の推力及び傾斜角を決定することと、
前記コントローラによって、決定された前記推力に基づき、前記複数のマルチコプターユニットの各々の推力を調整することと、
前記コントローラによって、決定された前記傾斜角に基づき、前記ジョイントを介して前記メインフレームに対する各マルチコプターユニットの回転運動を行うことで、前記複数のマルチコプターユニットの各々の傾斜角を調整することと、
を有することを特徴とする航空機を操縦する方法。
【請求項14】
前記航空機は、前記メインフレームに取り付けられたプライマリコントローラ、及び、各マルチコプターユニットに取り付けられたセカンダリコントローラを有し、複数の前記セカンダリコントローラは、前記マルチコプターユニットの各々を操作するものであり、前記プライマリコントローラは、前記複数のセカンダリコントローラを管理するものであり、
前記方法は、
前記プライマリコントローラによって、決定された前記変位に基づき、前記航空機の推力及び傾斜角を決定することと、
前記セカンダリコントローラの各々によって、決定された前記推力に基づき、前記マルチコプターユニットの各々の推力を調整することと、
前記セカンダリコントローラの各々によって、決定された前記傾斜角に基づき、前記ジョイントを介して前記メインフレームに対する前記マルチコプターユニットの回転運動を行うことで、前記マルチコプターユニットの各々の傾斜角を調整することと、
を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記航空機は、前記複数のマルチコプターユニットを操作するように構成された複数のコントローラを有し、
前記方法は、
前記複数のコントローラのいずれか1つによって、決定された前記変位に基づき、前記航空機の推力及び傾斜角を決定することと、
前記複数のコントローラのいずれか1つによって、決定された前記推力に基づき、前記複数のマルチコプターユニットの推力を調整することと、
前記複数のコントローラのいずれか1つによって、決定された前記傾斜角に基づき、前記ジョイントを介して前記メインフレームに対する前記マルチコプターユニットの回転運動を行うことで、前記複数のマルチコプターユニットの傾斜角を調整することと、
を有する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有人及び無人の航空機(aerial vehicle)の分野に関し、より詳しくは、中央本体に結合された複数のマルチコプターによって形成される、分離した自由度(uncoupled Degrees-Of-Freedom (DOF))を有する航空機に関し、複数のマルチコプターの性能は航空機に分離したDOFを提供する。
【背景技術】
【0002】
無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)は、人間のパイロットがいない航空機である。有人航空機は、航空機の機能の幾つかを少なくとも管理する人間のパイロットがいる航空機である。ドローンは、有人航空機又は無人航空機であってもよく、例えば無線信号を用いた遠隔制御によって遠隔的に制御されてもよく、又は、搭載コンピュータシステムを実装する自律的なドローンであってもよい。ドローンの1つの例は、マルチコプターである。
【0003】
本明細書で使用される場合、マルチコプターとは、有人であるか無人であるかを問わず、また遠隔制御されるか自律制御されるかを問わず、1を超える幾つかの推進ユニット(例えば、プロペラ、ローター、ターボプロップエンジン、ジェットエンジンなど)を使用して飛行する航空機を指すことができる。マルチコプターの例は、限定されるものではないが、バイコプター(2つの推進ユニット)、トリコプター(3つの推進ユニット)、クワッドコプター(4つの推進ユニット)、ヘキサコプター(6つの推進ユニット)、オクトコプター(8つの推進ユニット)などを含む。マルチコプターの運動は、各推進ユニットによって生成される相対的な推力を変化させることによって制御することができる。具体的には、ロール(前後軸回りの回転)、ピッチ(横軸回りの回転)、ヨー(上下軸回りの回転)と呼ばれる、マルチコプターの3つの対称軸回りの運動は、各推進ユニットによって生成される相対的な推力を変化させることによってそれぞれ制御することができる。例えば、ロール及びピッチは、一方の側に配置された推進ユニットの推力を増加させ、他方の側に配置された推進ユニットの推力を減少させることによって達成することができ、ヨーは、互いに対角線上に配置された推進ユニットの推力を増加させることによって達成することができる。水平運動は、マルチコプターを意図した進行方向に向けて傾けることによって実現することができ、垂直運動は、各推進ユニットの推力を同時に増加させるか(上昇)、各推進ユニットの推力を同時に減少させることによって(下降)、実現される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここ数年、マルチコプターの使用が次第に普及しており、技術の成熟に伴い、マルチコプターの新しい応用が現れている。例えば、大型の物品や人を輸送するためのマルチコプターの使用は、検討され始めている幾つかの応用である。
【0005】
しかし、既存のマルチコプターの構造を新たな応答に対して適用すると、まだ解決されていない新しい問題が発生する。その問題の1つは、固定された推進ユニットを有する既存のマルチコプターでは、全てのDOFが分離してないので(平面X、Y、Xでの移動、ヨー、ロール、ピッチが分離していない(非結合になっていない))、このマルチコプターでは、組み込む推進ユニットの数を大幅に増やさずに特定の移動を行うことができず、マルチコプターの重量と複雑性が増すことである。
【0006】
分離しているDOF、つまり互いに独立したDOFを有する航空機は、少なくとも2つの主な利点を提供する。1つ目の利点は、航空機の効率が向上することである。分離しているDOFで移動できることにより、第1の点から第2の点に航空機を移動させるのに必要でない中間的な移動が回避されて、エネルギーが節約される。更に、空力効率を最大化しようとするエネルギー損失の少ない方向に航空機を向けることができるため、飛行効率が向上する。2つ目の利点は、飛行体の制御、操縦性及び安定性と共に、運動精度が増加することである。運動精度の向上により、独立したDOFを有する航空機は、相互依存のDOFを有する既存のマルチコプターでは不可能であったタスク、例えば繊細な荷物の精密な取り扱いや精密な着陸などを実行することができる。飛行条件が変化しているミッション(突風、変わりやすい又は不安定なペイロード)や、特定の操縦や複雑で非常に要求の厳しい飛行力学のために拡張操縦性が必要となるミッションにおいて、重要となり得る拡張操縦性を航空機に提供することもできる。
【0007】
独立したDOFを有する航空機を提供するために、幾つかの既存のマルチコプターは、推進ユニットを本体に対して傾斜させるように、サーボアクチュエータを備える本体に結合されたローターを有する。しかしながら、推進ユニットの傾きを正確に制御するためにサーボアクチュエータを使用することは、構造の複雑さを増し、マルチコプターの重量を増やし、製造及び維持コストを増加させ、安全性及び信頼性を低下させる。
【0008】
上述の欠点を克服するために、本発明は、分離した自由度を有する航空機及びその航空機を操縦する方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
航空機は、メインフレームと、複数の操作可能なマルチコプターユニットとを有してもよい。複数の操作可能なマルチコプターユニットの各々は、複数の推進ユニットを有していてもよく、複数の推進ユニットは、固定ヨー角、固定ロール角及び固定ピッチ角で取り付けられてもよい、換言すると、推進ユニットは、マルチコプター本体に固定されてもよい。各推進ユニットによって付与される推力は、互いに異なっていてもよい。したがって、マルチコプターユニットの複数の推進ユニットは、共通の方向の推力を与えるが、異なる大きさの推力を与えるように構成されてもよい。推進ユニットの例としては、プロペラ、ローター、ターボプロップエンジン、ジェットエンジンなどが挙げられるが、これらに限定されない。複数の操作可能なマルチコプターユニットは、それぞれのジョイントの介在によりメインフレームに取り付けられてもよく、互いに独立してメインフレームに対して回転してもよい。これらのジョイントの少なくとも1つは、最低1つのDOFを有し、その結果、メインフレーム、つまり航空機が、当該メインフレームのDOFの総数以上の制御可能な自由度(CDOF:Controllable Degrees Of Freedom)の数を有してもよい。好ましくは、ジョイントは、1から3の間のDOFを有するのがよいが、幾つかの実施形態では、ジョイントの幾つかは固定されてもよい。
【0010】
本明細書で使用されるように、CDOFは、航空機の飛行中に同時に操作することができる方向的な制御変数の最大数を意味してもよい。
【0011】
3次元空間では、固体剛体(solid rigid)のDOFの最大数は6である。固体剛体は、6未満のDOFの数を有する構成を示すものであるが、合計6つの分離したDOFを有する固体剛体は、最大限の制御が提供される。したがって、本明細書に開示されている、分離したDOFを有する航空機内で同時に操作できる方向的な制御変数の数は、メインフレーム(ひいては航空機全体)の6つのDOF以上であってもよい。メインフレームの6つのDOFは、X、Y、Z方向の長さ方向の移動と、ヨー、ロール、ピッチの回転移動である。そして、メインフレーム(ひいては航空機)のCDOFは、移動させるべき固体剛体(航空機)のDOFの総数以上となる。こうして、航空機の各DOFを独立して移動させてもよい。
【0012】
航空機の構造(マルチコプターユニットの数、各マルチコプターユニット内の推進ユニットの数、ジョイントのDOF数)に応じて、航空機はより多くのCDOFを持つこともあれば、より少ないCDOFを持つこともある。航空機は、CDOFの数が固体剛体のDOF総数と等しい場合はホロノミック構造となり、CDOFの数が固体剛体のDOF総数よりも多い場合はリダンダント(redundant)構造となる。このリダンダント構造では、航空機の他のCDOFを変化させることなく、リダンダントCDOF、つまり固体剛体の全DOF数に対する追加のCDOFを変化させることができる。リダンダントCDOFは、安全性を向上し、安全な故障モードを提供し、従来のドローンでは不可能な操作モードを提供する。
【0013】
ここに記載した航空機の追加CDOFは(主構造に合計6つのDOFを生成するための4つのCDOFのみを有する従来のドローンと比較して)、各マルチコプターユニットに対して異なる設定点(setpoints)(異なる傾斜角及び推力)を命令することを可能にし、モジュールが特定の傾斜角に配置され、対抗力が突風に対して航空機に安定性を与える安定性モードや、全てのモジュールの協調運動が他のDOFのいずれも変化させずにX又はY方向の運動をもたらすモードなど、既存のドローンでは現在利用できない動的な動作モードを実現する。また、必要なリダンダントを持たせることができ、それにより、一部の推進ユニットが故障した場合でも、航空機が最低6つのCDOFを維持して、主構造に6つのDOFを発生させることができる。
【0014】
例えば、重力の中心がマルチコプターユニットによって生成された力に対して対称的に配置される航空機構造の場合、各マルチコプターユニットが同じ推力が加えられて同じ傾斜角に位置決めされるので、各マルチコプターユニットにおいて同じ力を単純に生成することによって、前進、後退、左及び右の基本モードを生成することができる。航空機は、発生する推力と、マルチコプターユニットが作動している傾斜角とに応じて移動することとなる。
【0015】
幾つかの例では、全てのマルチコプターユニットは、少なくとも1つのDOFを有する1つのジョイントを介してメインフレームに取り付けられてもよい。しかし、他の幾つかの例では、複数のマルチコプターユニットのうちの幾つかのマルチコプターユニットは、メインフレームに固定されてもよい、つまりメインフレームに対してDOFを持たないジョイントを介して固定されてもよい。他の幾つかの例では、航空機内の複数のジョイントの各ジョイントのDOFの数は、互いに異なっていてもよい。
【0016】
幾つかの例では、ジョイントは最大3つのDOFを有していてもよい。例えば、3つのDOFを有するジョイントは、球面ジョイントであってもよい。各マルチコプターユニットをメインフレームに連結する球面ジョイントにより、最大3つの回転自由度(Xターン、Yターン、Zターン)を実現し、また、各モジュールをメインフレームに対して正確に位置決めできるので、既存のドローンでは不可能な動き(例えば、ロール及びピッチの変更や他の正確な操作なしでのX軸での移動)を航空機において実現できる。
【0017】
幾つかの例では、メインフレームは、そこから放射状(半径方向)に延びる複数のアームを有してもよく、操作可能なマルチコプターユニットの各々は、複数のアームのうちで対応するアームに取り付けられてもよい。したがって、ジョイントは、マルチコプターユニットがアームのそれぞれの自由端を介してフレームに結合されるように、アームの自由端に近接して配置されてもよい。
【0018】
幾つかの例では、ジョイントは、複数の操作可能なマルチコプターユニットがメインフレームに取り外し可能に取り付けられるように、クイックリリースシステムを有していてもよい。例えば、ジョイントは、マルチコプターユニットに取り付けられる上側部分と、メインフレームに取り付けられる下側部分とを有し、クイックリリースシステムが、ジョイントの上側部分と下側部分との結合を解除できるようになっていてもよい。マルチコプターユニットがメインフレームに取り外し可能に取り付けられていることで、航空機のメンテナンス作業が容易になり、また、現在作動しているマルチコプターユニットを異なるマルチコプターユニットに簡単且つ迅速に交換することができるため、航空機の拡張性を高めることができる。
【0019】
幾つかの例では、ジョイントは、少なくとも1つのDOFにおけるジョイントの動きを制限するように構成されたロック機構を有していてもよい。制限されたDOFを有するジョイントは、全てのDOFを分離する必要がない特定の用途や、特定のDOFが必要でない特定の用途に有用であり得る。
【0020】
幾つかの例では、ジョイントは、少なくとも1つのDOFにおけるジョイントの動きを一時的にブロックするように構成されたブロック機構(blocking mechanisms)を有していてもよい。一時的にブロックされたDOFを有するジョイントは、ジョイントが外的外乱から独立してその位置を確実に維持することが望まれる巡航モードにおいて有用であり得る。
【0021】
幾つかの例では、ジョイントは、メインフレームに対するマルチコプターユニットの移動によって発生する衝撃インパルスを吸収するように構成された衝撃吸収機構を有していてもよい。衝撃吸収手段を有するジョイントは、安定性及び精度を向上させ得る。
【0022】
幾つかの例において、X軸、Y軸及びZ軸における位置を変更することなく、角度的なDOFを互いに独立して移動させることができるジョイントは、球面ジョイント、カルダンジョイント、ボールジョイント、等速ジョイント、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択されてもよい。更に、ジョイントは、最大3DOFの複合ジョイントを提供するように、3DOF未満のジョイントの組み合わせであってもよい。例えば、ジョイントは、2つ又は3つのDOFをそれぞれ提供するように、2つ又は3つの連続する円筒形のジョイントの組み合わせであってもよい。
【0023】
幾つかの例では、複数の操作可能なマルチコプターユニットは、メインフレームの中心点に対して等距離に配置される。これにより、航空機の安定性が最大化される。他の幾つかの例では、航空機の目的及び特定の構造に応じて、マルチコプターユニットを異なる分布でメインフレームに取り付けてもよい。
【0024】
幾つかの例では、航空機は、メインフレーム上に配置された参照処理ユニットを有していてもよい。この参照処理ユニットは、さらに、水平面に対するメインフレームの変位を決定するように構成されてもよい。好ましくは、参照処理ユニットは、メインフレーム上に配置された慣性測定ユニット及び複数の加速度計及び/又はジャイロスコープと通信可能に接続されてもよい。水平面に対する傾きによって、航空機の方向性のある推力を達成し、また飛行を環境条件に適合させることができるので、メインフレームを参照することで、航空機の飛行を正確に制御できる。
【0025】
幾つかの例では、航空機は、メインフレーム内に配置され、複数のマルチコプターユニットを操作するように構成されたコントローラを有していてもよい。このコントローラは、参照処理ユニットと通信可能に接続されて、メインフレームの向き及び現在の進行方向に関する情報を受け取ってもよい。このようにして、航空機の現在の向き、現在の進行方向、及び目標とする進行方向に関する情報を有するコントローラは、マルチコプターユニットを操作して、航空機の進行方向を、目標とする進行方向に向けて変更することができる。こうするため、コントローラは、ジョイントを介してメインフレームに対するマルチコプターユニットの向きを変更する各マルチコプターユニットの推進ユニットの推力を変更することによって、マルチコプターユニットを動作させ、それにより、航空機の進行方向を変更する。
【0026】
好ましくは、コントローラは、航空機全体の気流情報データを決定するための気流測定ユニットを有していてもよい。この気流情報データは、マルチコプターユニットで実行されるべき操作を決定するために、コントローラによって使用されてもよい。
【0027】
他の幾つかの例では、航空機は、メインフレーム内に配置されたプライマリコントローラ(primary controller)と、複数のセカンダリコントローラ(secondary controller)とを備え、各セカンダリコントローラは、対応するマルチコプターユニットに配置されていてもよい。複数のセカンダリコントローラは、それぞれのマルチコプターユニットを操作するように構成されていてもよく、プライマリコントローラは、複数のセカンダリコントローラを管理するように構成されてもよい。このプライマリコントローラは、メインフレームの向きに関する情報を受け取るために、参照処理ユニットに通信可能に接続されてもよい。また、セカンダリコントローラは、プライマリコントローラに通信可能に接続されていてもよい。このようにして、航空機における現在の向き、現在の進行方向、及び目標とする進行方向に関する情報を有するプライマリコントローラは、航空機が取るべき方向を決定することができる。プライマリコントローラは、航空機を取るべき方向に向けるように、各セカンダリコントローラがそれぞれのマルチコプターユニットを操作できるように、航空機が取るべき方向をセカンダリコントローラに送信してもよい。例えば、各セカンダリコントローラは、対応するマルチコプターユニットの推進ユニットの推力を変更して、各ジョイントを介してメインフレームに対するマルチコプターユニットの向きを変更し、それにより、航空機の進行方向を変更してもよい。
【0028】
幾つかの例では、先に開示されたような航空機を操縦する方法を挙げる。この方法は、参照処理ユニットによって、水平面に対する航空機の変位を決定することを有していてもよい。そして、コントローラは、決定された変位に基づいて、航空機の設定点(set point)又は推力ベクトル、つまり推力の大きさ及び傾斜角(ヨー角、ロール角、ピッチ角)を決定してもよい。コントローラは、決定された推力に基づいて、各マルチコプターユニットの推力を調整してもい。また、コントローラは、それぞれのジョイントを介してメインフレームに対する各マルチコプターユニットの回転運動を行うことによって、複数のマルチコプターユニットの傾斜角、つまりヨー、ロール、ピッチを調整してもよく、この回転運動は、航空機について決定された傾斜角に基づくものである。複数のマルチコプターユニットにおける推力ベクトルの合計は、特定の操作を実行するために航空機の計算された推力ベクトルと等しくなる。この例は、航空機の集中管理を提供する。
【0029】
幾つかの例では、航空機は、メインフレームに取り付けられたプライマリコントローラと、各マルチコプターユニットに取り付けられたセカンダリコントローラとを有していてもよい。複数のセカンダリコントローラは、それぞれのマルチコプターユニットを操作するものであってもよく、プライマリコントローラは、複数のセカンダリコントローラを管理するものであってもよい。航空機の変位を決定した後、プライマリコントローラは、決定された変位に基づいて、航空機の推力及び傾斜角を決定してもよい。セカンダリコントローラの各々は、プライマリコントローラから航空機の推力及び傾斜角を受信すると、航空機について先に決定された推力に基づいて、セカンダリコントローラが搭載されているマルチコプターユニットの特定の推力を決定して調整してもよい。また、各セカンダリコントローラは、ジョイントを介してメインフレームに対するマルチコプターユニットの回転運動を行うことによって、各マルチコプターユニットの傾斜角を決定し、調整してもよく、この回転運動は、航空機について事前に決定された傾斜角に基づくものである。複数のマルチコプターユニットの推力ベクトルの合計は、特定の操作を実行するために航空機の計算された推力ベクトルと等しくなる。この例は、航空機の分散型管理を提供する。
【0030】
幾つかの例では、航空機は、複数のマルチコプターユニットのいずれか1つを操作するように構成された複数のコントローラを有していてもよい。そして、コントローラのうちの1つが、先に決定された変位に基づいて、航空機の設定点、つまり推力及び傾斜角度を決定し、規定してもよい。この後、複数のコントローラのうちのいずれか1つ、航空機の設定点を決定したのと同じコントローラ、又は航空機内の他のコントローラが、航空機の推力に基づいて、複数のマルチコプターユニットの推力を決定し、調整してもよい。また、複数のコントローラのうちの1つは、ジョイントを介してメインフレームに対する複数のマルチコプターユニットの回転運動を行うことによって、複数のマルチコプターユニットの傾斜角を決定し、調整してもよく、この回転運動は、決定された傾斜角に基づくものである。複数のマルチコプターユニットの推力ベクトルの合計は、航空機の推力ベクトルと等しくなる。この例は、航空機の分散型管理を提供し、複数のコントローラのうちのいずれか1つは、航空機を管理する現在のコントローラが故障した場合に、航空機を制御することができる。この制御リダンダントは、航空機の安全性及び信頼性を高める。
【0031】
以下の説明では、説明の目的のために、本システム及び方法の完全な理解を提供すべく、多数の具体的な詳細が示されている。しかしながら、当業者であれば、本発明の装置、システム、及び方法は、これらの具体的な詳細がなくても実施することができることは明らかであろう。本明細書において、「実施例」又は類似の言語を用いているのは、その実施例に関連して記載された特定の特徴、構造、又は特徴が、記載されたように含まれるが、他の実施例には含まれない場合があることを意味する。
【0032】
明細書を完成させ、本発明をより良く理解するために、一連の図面が提供される。この図面は、本明細書の不可欠な部分を形成し、本発明の実施形態を例示するものであり、これは、本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、単に本発明がどのように実施され得るかの例として解釈されるべきである。図面は、以下の図から構成される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】分離したDOFを有すると共に、それぞれのジョイントの介在によってメインフレームに取り付けられた4つのクワッドコプターを有する例示的な航空機を示す。
図2A】航空機をホバリングさせるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の正面図を示す。
図2B】航空機をホバリングさせるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の側面図を示す。
図2C】航空機をホバリングさせるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の平面図を示す。
図3A】航空機を巡航させるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の正面図を示す。
図3B】航空機を巡航させるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の側面図を示す。
図3C】航空機を巡航させるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の平面図を示す。
図4A】航空機を安定モードにおいて外側に向かうダウンウォッシュでホバリングさせるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の正面図を示す。
図4B】航空機を安定モードにおいて外側に向かうダウンウォッシュでホバリングさせるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の側面図を示す。
図4C】航空機を安定モードにおいて外側に向かうダウンウォッシュでホバリングさせるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の平面図を示す。
図5A】ローターの異なる推力で航空機を右に移動させるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の正面図を示す。
図5B】ローターの異なる推力で航空機を右に移動させるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の側面図を示す。
図5C】ローターの異なる推力で航空機を右に移動させるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の平面図を示す。
図6A】航空機のアームを引っ張っている(安定した平衡状態)、図1のクワッドコプターの1つの詳細図を示す。
図6B】航空機のアームを押している(不安定な平衡状態)、図1のクワッドコプターの1つの詳細図を示す。
図7】分離したDOFを有する種々の例示的な航空機構造の平面模式図である。
図8】分離したDOFを有する例示的な航空機のメインフレームのアームに特定のクワッドコプターを取り付けるための例示的な球面ジョイント組立体を示す。
図9図1の航空機を操作するための例示的な制御システムを示す。
図10】分離したDOFを有する航空機を操縦するための例示的な方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1を参照すると、3つのDOFを備えるジョイント4、例えばボールジョイントの介在によって、細長いメインフレーム3に取り付けられた4つのクワッドコプター2a~dを備える、分離したDOFを有する例示的な航空機1が示されている。例示的な航空機1は、追加の構成要素を含んでもよく、本明細書に記載された構成要素の幾つかは、例示的な航空機1の範囲から逸脱することなく除去及び/又は修正されてもよいことが理解されるべきである。また、例示的な航空機1の実施は、図1に示すような例に限定されない。
【0035】
クワッドコプター2a~dは、メインフレーム3に6つの分離したDOFを提供するジョイント4の介在によって、メインフレーム3に取り付けられている。特に、メインフレーム3は、6つのDOFを有し、ボールジョイント4の各々は、メインフレーム3が16つのCDOFを備えるように、3つの追加のCDOFを提供する。クワッドコプター2a~dの各々は、クワッドコプター2a~dの本体7内の各ローターフレーム6に取り付けられた4つの固定された推進ユニット5、例えばローターブレードを有する。
【0036】
これらの操作可能なローターブレード5は、航空機1に航空機機能を提供する。特に、ローターブレード5は、航空機1の垂直操縦中に揚力を提供し、水平変位のための方向性のある推力を与える。幾つかの例では、航空機1は、正確な推力制御のために、上下のローターブレードとして設けられたローターフレーム6内に一対のローターブレード5を有していてもよい。
【0037】
各クワッドコプター2a~dsは、ローターブレード5に加えて、ローターブレード5に関連するモータ(図示せず)、例えばブラシレスモータと、どれだけ速く回転させるかを決定する信号をクワッドコプター2a~d内のモータに送る速度処理ユニット(図示せず)と、を更に有する。あるいは、クワッドコプター2a~dは、どれだけ速く回転させるかを決定する信号をモータに送るように、速度処理ユニットの代わりにトルク処理ユニットを有していてもよい。いつでも、特定のクアッドコプター2のモータの各々、ひいてはそれぞれのローターブレード5は、異なる推力を提供するために異なる速度で回転することができる。あるいは、メインフレーム3は、クワッドコプター2a~dの各モータと通信する集中型の速度処理ユニットを有していてもよい。このような構成により、優れた推力出力が得られ、それにより、航空機1の最大可能揚力が達成される。図1では、クワッドコプター2a~dは、航空機機能を提供するためのローターブレード5を有しているが、例えば、プロペラ、ターボプロップエンジン又は調整可能ジェットエンジンの使用について、別の推進ユニットを想定することもできる。
【0038】
また、航空機1は、意図した進行方向に基づいてクワッドコプター2を動作させる少なくとも1つのコントローラ(図示せず)を有する。この少なくとも1つのコントローラは、メインフレーム3に対する各クアッドコプター2の位置を独立して変更し、各クワッドコプターにより生成される推力ベクトルを変更できるように、速度処理ユニットを介して、相対速度を変更することでローターブレード5を動作させる。このようにして、少なくとも1つのコントローラは、基本動作モード以外の付加的な動作モード(この基本動作モードは、全てのマルチコプターユニットに対して共通の設定点(setpoint)を有する航空機によって実行される動作である)を航空機1に提供する各クワッドコプター2において異なる設定点(スラスト及び傾斜角、ロール、ピッチ及びヨー)を決定してもよい。これらの付加的な動作モードの例は、マルチコプターにおいて逆のローター角になり、マルチコプターによって生成される力が互いに対抗して航空機の安定性を増大させる安定性モード、分離したDOFを有する航空機の操縦性の増大による精密モード、又は、マルチコプターユニットが巡航位置に位置決めされ得るが同時に空力抵抗を最小にする位置にカプセルを維持することができる効率的な巡航モードである。
【0039】
また、航空機は、メインフレーム3に取り付けられた機体本体8を有している。このような例では、機体本体8は、ユーザや乗員を輸送するためのカプセルであり、カプセル8には、利用者用シート9が組み込まれている。メインフレーム3は、メインフレーム3の両端に一対で配置された4本のアーム10を有している。これらアーム10の各々は、その自由端に近接して、それぞれのクアッドコプター2をメインフレーム3に取り付けるための対応するボールジョイント4を有する。幾つかの例では、メインフレーム3の形状に応じて、アーム10は、航空機1の中心からメインフレーム3の放射状(半径方向)の点まで延びていてもよい。
【0040】
メインフレーム3と機体本体8とは、着脱自在に取り付けられていてもよいし、一体的に形成されていてもよい。また、機体本体8は、バッテリや異なる種類のペイロード等の他の要素を搭載するための構造を有していてもよい。
【0041】
図1は、4つのクワッドコプター2によって形成された航空機1を示しているが、メインフレームに配置された任意の数のマルチコプターユニットと、各マルチコプターユニットに配置された任意の数の推進ユニットとを含む、他の任意の適切な航空機構造が、航空機1にマルチコプター機能を提供するために利用されてもよいことは明らかであろう。また、図1には、4つのクワッドコプター2がボールジョイント4を介してメインフレーム3に連結されているが、1~3自由度(DOF)の他の種類のジョイントを使用してもよい。また、ジョイントは、それらの間で異なる数のDOFを有し、互いに異なっていてもよい。幾つかの実施形態では、ジョイントの一部は固定ジョイントであってもよい。
【0042】
図2A~Cは、航空機をホバリングさせるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の正面図、側面図、平面図をそれぞれ示す。
【0043】
このような例では、4つのクワッドコプター2a~dは、メインフレーム3に対して位置決めされ、航空機1をホバリングさせる、つまり飛行中に同じ位置に留まるように操作される。このような例では、クワッドコプター2a及び2bは第1の共通平面内に配置され、一方で、クワッドコプター2c及び2dは第1の平面とは異なる第2の共通平面内に配置される。図2Bに詳細に示すように、両方の平面は、互いに平行な実質的に水平な平面であり、両方の平面の間の距離は、カプセル8、ひいては座席9が乗客にとって実質的に垂直な位置に配置されるようなものである。クワッドコプター2a、2bは第1推力ベクトル(推力の大きさと傾斜角、つまりヨー角、ロール角、ピッチ角)を生成し、クワッドコプター2c、2dは第2推力ベクトルを生成し、第1の推力の大きさは第2の推力の大きさとは異なり、4つのクワッドコプター2a~dが生成する推力ベクトルの和は、航空機1を平衡状態に維持し、乗員が同じ位置を維持するために必要な推力ベクトルである。このような例では、重心は航空機1を中心としているので、推力は純粋に垂直である。このようなクワッドコプター2a~2dの相対的な位置は、航空機1の全てのローター5においてローター推力が同じ大きさで増加する場合の上昇動作や、航空機1の全てのローター5においてローター推力が同じ大きさで減少する場合の下降動作にも、利用することができる。
【0044】
図3A~Cは、航空機を巡航させるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の正面図、側面図、平面図をそれぞれ示す。
【0045】
このような例では、4つのクワッドコプター2a~dは、メインフレーム3に対して位置決めされ、全てのクワッドコプター2a~dにおいて同じ推力で、航空機1を巡航させる、つまり特定方向(図3BのY軸方向の矢印参照)に水平移動させるように操作させる。このような例では、クワッドコプター2a~dは同一平面内に配置され、当該平面は水平面に対して特定の角度を有する。コントローラは、メインフレーム3に対する推力ベクトル(推力の大きさ及び傾斜角)が同じになるように、全てのクワッドコプター2a~dをそれぞれのボールジョイント4に対して回転させるように動作する。最終的に、ローター5によって生成される推力は、必要とされる巡航速度に応じて変更され得る。他の幾つかの例では、クワッドコプター2a~dは、メインフレーム3に対して異なる傾斜角を有するそれぞれのボールジョイントを介して回転されて、移動方向が異なるようにしてもよく、例えば、クワッドコプター2a~dは、メインフレーム3に対して同じ角度且つ同じ推力で回転させたまま、航空機1をその方向に向けるようにしてもよい。
【0046】
図4A~Cは、航空機1を安定モードにおいて外側に向かうダウンウォッシュでホバリングさせるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプター2a~dを有する、図1の例示的な航空機の正面図を示す。
【0047】
このような例では、クワッドコプター2a~dは全て、メインフレーム3の中心に向かって同じ角度で傾斜している。したがって、各クワッドコプター2a~dは、異なる平面に配置されているが、水平面に対して同じ角度で傾斜している。コントローラは、推力の大きさが同じで、水平面に対する傾斜角が同じだが、クアッドコプター2a、2bとクアッドコプター2c、2dとの向きが互いに反対になるように、全てのクアッドコプター2a~dをそれぞれのボールジョイント4に対して回転させるように動作する。他の幾つかの例では、コントローラは、クワッドコプター2a~dが全てメインフレーム3の中心から離れて傾斜するように、クワッドコプター2a~dをそれぞれのボールジョイントに対して回転させるように動作して、図4に示される角度と相補的な角度を形成して配置してもよい。他の幾つかの例では、4つのクワッドコプター2a~dは、航空機1をホバリングさせるが、その内部に向けてダウンウォッシュさせるように、位置決めされ且つ操作されてもよい。
【0048】
図5A~Cは、ローターの異なる推力で航空機を右に移動させるように位置決めされ且つ操作された4つのクワッドコプターを有する、図1の例示的な航空機の正面図、側面図、平面図をそれぞれ示す。
【0049】
このような例では、クワッドコプター2a及び2cは、水平面に対して第1の角度で傾斜する第1の推力ベクトルを有し、クワッドコプター2b及び2dは、水平面に対して第2の角度で傾斜する第2の推力ベクトルを有し、第1の角度は第2の角度より小さい。したがって、全てのクワッドコプター2a~dは、異なる平面に配置されているが、全て同じ方向、特に右方向(図5AのX-Z平面の矢印参照)に向かって傾斜し、航空機1をそのような方向に向けるようになっている。そのため、コントローラは、全てのクワッドコプター2a~dを、上述した水平面に対する傾斜角で、それぞれのボールジョイント4に対して回転させるように動作する。クワッドコプター2a、2cの推力は同じで、クワッドコプター2b、2dの推力と異なる。
【0050】
図6Aは、航空機のアームを引っ張っている(安定した平衡状態)、図1のクワッドコプターの1つの詳細図を示す。このような例では、クワッドコプター2aは、ボールジョイント4を介してアーム10が引っ張られるように、メインフレーム3のアーム10よりも上の面に配置されている。そのため、重力(下向き矢印)が、航空機を押し下げる一方で、クワッドコプター2aにより生成される推力(上向き矢印)が、航空機を垂直上方に引っ張る。図6Bは、航空機のアームを押している(不安定な平衡状態)、図1のクワッドコプターの1つの詳細図を示す。このような例では、クアッドコプター2aは、アーム10がボールジョイント4を介して押されるように、メインフレーム3のアーム10よりも下の面に配置されている。そのため、重力(下向き矢印)が、航空機1を押し下げる一方で、クワッドコプター2aにより発生される推力(上向き矢印)が、航空機1を垂直上方に押す。
【0051】
図6A及び6Bは、ボールジョイント4を介してメインフレーム3に接続されたクワッドコプター2aを示しているが、所定の回転点に対して最大3自由度(例えば球面ジョイント)で、所定の回転点に対して最小1自由度(例えばヒンジジョイント)を有する、引っ張り構成又は押し付け構成の任意のジョイント、つまりクワッドコプターを引っ張るジョイント又はクワッドコプターにより押されるジョイントを、使用することができる。引っ張り構成は、力(推力と重力)の平衡が安定な平衡にあるので、より安定した構成であるが、押し付け構成は、力の平衡が不安定な平衡にあるので、最も不安定である。
【0052】
図7は、種々の例示的な航空機構造の平面模式図である。この模式図では、5つの異なる構造が示されている。例示的な航空機模式図は、追加の構成要素を含むことができ、本明細書に記載された構成要素の幾つかは、例示的な航空機構造の範囲から逸脱することなく、除去及び/又は修正されてもよいことを理解すべきである。また、例示的な航空機構造の実施は、図7に示すような例に限定されない。
【0053】
マルチコプターの数と、各マルチコプターユニット上に配置された推進ユニット(例えば、ローター、ターボプロップエンジン、ジェットエンジンなど)の数との間における複数の組み合わせが可能であろう。したがって、マルチコプター無人航空機内の全推進ユニットの数を与える以下の式に従って、異なる航空機構造を組み合わせることが可能である。
Np=N×A
ここで、「Np」は推進ユニットの数であり、「N」は航空機のメインフレームに取り付けられたマルチコプターユニットの数(少なくとも2つのマルチコプターユニット)であり、「A」は各マルチコプターが有する推進ユニットの数(少なくとも2つの推進ユニット)である。例えば、N=4及びA=4である航空機は、クアッドコプター(各マルチコプターユニットには4つの推進ユニットが取り付けられている)を含む、クアッドコプター(メインフレームには4つのマルチコプターユニットが取り付けられている)となり、N=3及びA=4である航空機は、クアッドコプター(各マルチコプターユニットには4つの推進ユニットが取り付けられている)を含む、トリコプター(メインフレームには3つのマルチコプターユニットが取り付けられている)となる。
【0054】
a)第1の構造は、バイコプターを含むバイコプター(N=2及びA=2)に対応する。したがって、航空機11は、球面ジョイント(spherical joint)を介してメインフレーム13に取り付けられた2つのバイコプター12により構成されている。このような構造では、メインフレーム13は、それぞれの端部に近接して取り付けられた2つのバイコプター12を有する細長い本体とすることができる。各バイコプター12は、それぞれの本体15に取り付けられた2つの推進ユニット14を有する。
【0055】
b)第2の構造は、トリコプターを含むバイコプター(N=2及びA=3)に対応する。したがって、航空機16は、球面ジョイントを介してメインフレーム18に取り付けられた2つのトリコプター17により構成されている。このような構造では、メインフレーム18は、それぞれの端部に近接して取り付けられた2つのトリコプター17を有する細長い本体とすることができる。各トリコプター17は、それぞれの本体20に取り付けられた3つの推進ユニット19を有する。
【0056】
c)第3の構造は、トリコプターを含むトリコプター(N=3及びA=3)に対応する。したがって、航空機21は、球面ジョイントを介してメインフレーム23に取り付けられた3つのトリコプター22により構成されている。このような構造では、メインフレーム23は、その角部に近接して取り付けられた3つのトリコプター22を有する実質的に三角形の本体とすることができる。各トリコプター22は、それぞれの本体25に取り付けられた3つの推進ユニット24を有する。
【0057】
d)第4の構造は、クアッドコプターを含むクアッドコプター(N=4及びA=4)に対応する。したがって、航空機26は、球面ジョイントを介してメインフレーム28に取り付けられた4つのクアッドコプター27により構成されている。このような構造では、メインフレーム28は、それぞれの角部に近接して取り付けられた4つのクアッドコプター27を有する実質的に四角形の本体とすることができる。各クアッドコプター27は、それぞれの本体30に取り付けられた4つの推進ユニット29を有する。
【0058】
e)第5の構造は、トリコプターを含むクアッドコプター(N=4及びA=3)に対応する。したがって、航空機31は、球面ジョイントを介してメインフレーム33に取り付けられた4つのトリコプター32により構成されている。このような構造では、メインフレーム33は、それぞれの角部に近接して取り付けられた4つのトリコプター32を有する実質的に四角形の本体とすることができる。各トリコプター32は、それぞれの本体35に取り付けられた3つの推進ユニット34を有する。
【0059】
このような例では、全ての構造は、3つのDOFを有するボールジョイント又は球面ジョイントを備え、リダンダント(余剰)なCDOFを航空機に提供することができる。航空機の他の構造及び形状を想定してもよい。しかしながら、このような例に記載された構造は、単に例示的なマルチコプター無人航空機構造であり、他の代替的な構造及び形状が考慮されてもよい。
【0060】
図8は、分離したDOFを有する例示的な航空機のメインフレームのアーム46に特定のクワッドコプター48を取り付けるための例示的な球面ジョイント組立体40を示す。本明細書で使用されるように、球面ジョイントは、任意の方向への並進を防止しながら、同時に2つの平面内での自由な回転を可能にするジョイントを指すことができる。例示的な球面ジョイント組立体40は、追加の構成要素を含んでもよく、本明細書に記載される構成要素の幾つかは、例示的な球面ジョイント組立体40の範囲から逸脱することなく、除去及び/又は変更されてもよいことを理解すべきである。また、例示的な球面ジョイント組立体40の実施は、図8に示されるような例に限定されない。
【0061】
このような例では、球面ジョイント組立体40は、ボールスタッド41とハウジング42とで形成されるボールジョイント組立体である。ハウジング42は、ボールスタッド41が挿入される開放穴を有する。ボールスタッド41は、シャンク部43と、ボール部44とを有する。ボール部44は、半球状の形状を有し、シャンク部43が開口穴から突出するように、ハウジング42の開口穴内に受け入れられる。シャンク部43は、航空機のメインフレームのアーム46の突出部45に取り付けられている。
【0062】
ハウジング42は、ボールジョイント組立体40のソケット部47に形成されている。このソケット部47は、クワッドコプター48の本体に結合されている。例えば、クワッドコプター48の本体にソケット部を取り付けるためにネジを使用してもよい。
【0063】
この球面ジョイント組立体40は、それに取り付けられたクワッドコプター48によって生成される力の合計によって決定される運動を可能にする。球面ジョイント組立体は、クワッドコプターの相対位置を変化させることができるため、球面ジョイントを介してメインフレームに取り付けられた複数のマルチコプターが生成する異なる力を組み合わせることによって、航空機に追加の可動性及び独立したDOFを提供する。
【0064】
幾つかの例では、球面ジョイントは、1つ以上のDOFを制限する機構を組み込んでもよい。例えば、人を運ぶための航空機では、航空機を最大速度で後退させる動作モードなどのように、球面ジョイントの全てのDOFを有する必要はない。この場合、球面ジョイントは、後方への傾斜を制限するために、ボルトやラッチなどの機械的システムを有することができる。ジョイントは、特定のDOFを制限するために機械的システムを作動させる遠隔制御システムを更に備えていてもよい。これらの制限機構は、制御性や安全性の要求が高い動作モード(例えば着陸時)においても有用であり得る。例えば、緊急着陸時に、球面ジョイントのDOFの一部を制限して、球面ジョイントを地面に対して垂直に維持してもよい。
【0065】
また、球面ジョイントは、追加の機能性を提供するために追加の要素を備えていてもよい。例えば、とりわけ、航空機の移動中にジョイントに作用する力を可変的に減衰させるショックアブソーバー機構や、移動時にジョイントの膝頭部に対向する可変的な力を発生させる力発生機構や、ジョイントが機械的限界(バンプストップ)に達したときにジョイントに可変的な力を発生させる力発生機構がある。
【0066】
以上のように、少なくとも1つのDOFを有するジョイントを使用して、マルチコプターユニットをメインフレームに取り付けることにより、サーボアクチュエータを構造に加える必要なく、独立したDOFが提供される。また、サーボアクチュエータに関連する重量及び電子機器が不要になると同時に、エネルギー消費量も低減される。
【0067】
図9は、図1の航空機を操作するための例示的な制御システム50を示す。例示的な制御システム50は、追加の構成要素を含んでもよく、本明細書に記載された構成要素の幾つかは、例示的な制御システム50の範囲から逸脱することなく、除去及び/又は修正されてもよいことが理解されるべきである。また、例示的な制御システム50の実施は、図9に示すような例示に限定されない。
【0068】
このような例では、制御システム50は、水平面に対するメインフレーム3の変位を決定する参照処理ユニット52に通信可能に接続されたコントローラ51を有する。参照処理ユニット52は、慣性測定ユニット53に通信可能に接続されていてもよい。次に、慣性測定ユニット53は、加速度、方位、角速度などのパラメータを測定するために、メインフレーム3上の異なる位置に配置された複数の加速度計54及び/又はジャイロスコープ55とも通信可能に接続されている。本明細書で使用されるように、参照処理ユニット52は、参照処理ユニットの説明された機能を実行するように構成されたソフトウェア及びハードウェアの任意の組み合わせであってもよい。
【0069】
航空機1が遠隔制御される場合、コントローラ51は、航空機を操縦するために遠隔制御装置から命令を受信するように構成されたトランシーバに通信可能に更に接続されてもよい。あるいは、航空機1が自律型の航空機である場合、コントローラは、自律飛行を行うように、ソフトウェア及びハードウェアを有する自動操縦処理ユニットに接続されていてもよい。
【0070】
コントローラ51は、参照処理ユニット52からメインフレーム3の現在の向きを受け取るように構成されている。プライマリコントローラは、メインフレーム3の現在の向きと、現在の推力と、目標とする推力及び進行方向とに基づいて、推進ユニット(例えばローター)に関連付けられたモータ56の各々についての推力の大きさを決定する。コントローラ52は、算出した推力を速度処理ユニット57に送信する。速度処理ユニット57は、クワッドコプター2a~dの各モータ56と通信しており、ローター速度を決定することとなる、対応するリレー信号をクワッドコプター2a~d内の各モータに送信する。異なる推進ユニットにおける推力の大きさを変更することにより、メインフレーム3に対するクワッドコプター2a~dの位置が変更される。
【0071】
他の幾つかの例では、制御システムは、メインフレーム内に配置されたプライマリコントローラと、複数のセカンダリコントローラとを含んでいてもよく、各セカンダリコントローラは、対応するマルチコプターユニット内に配置される。また、各マルチコプターユニットは、それ自身の速度処理ユニットを有してもよい。このような制御システム構造では、セカンダリコントローラは、それぞれのマルチコプターユニットを動作させるように構成されてもよく、プライマリコントローラは、複数のセカンダリコントローラを管理するように構成されてもよい。このプライマリコントローラは、メインフレームの向きに関する情報を受け取るために、参照処理ユニットに通信可能に接続されていてもよく、一方で、セカンダリコントローラは、プライマリコントローラに通信可能に接続されていてもよい。このようにして、航空機についての現在の向き、現在の進行方向、及び目標とする進行方向に関する情報を有するプライマリコントローラは、航空機が取るべき方向を決定することができる。プライマリコントローラは、各セカンダリコントローラがそれぞれのマルチコプターユニットを動作させて、航空機を取るべき方向に向けるように、取るべき方向、つまり航空機の推力ベクトルをセカンダリコントローラに送信してもよい。各セカンダリコントローラは、その特定のクワッドコプターのために計算された推力を、対応する速度処理ユニットに送信してもよい。速度処理ユニットは、ローター速度を決定することとなる、対応するリレー信号をクワッドコプター内のそれぞれのモータに送信してもよい。
【0072】
図10は、分離したDOFを有する航空機を操縦するための例示的な方法のフロー図を示す。
【0073】
方法60のステップ61では、先に開示したような分離したDOFを有する航空機が提供される。この航空機は、メインフレームと、それぞれのジョイント介してメインフレームに取り付けられた複数のマルチコプターユニットとを備え、少なくとも1つのジョイントは、メインフレームが当該メインフレームの総DOF数以上の数のCDOFを有するように、最小で1つの自由度を有している。
【0074】
この方法のステップ62において、航空機の参照処理ユニットは、水平面に対する航空機の変位を決定する。好ましくは、参照処理ユニットは、慣性測定ユニット及びメインフレーム上に配置された複数の加速度計及び/又はジャイロスコープに通信可能に接続されていてもよい。
【0075】
方法60のステップ63において、航空機のコントローラは、決定された変位に基づいて、航空機全体のグローバル推力ベクトル又は設定点(推力+傾斜角、ヨー、ロール及びピッチ)を決定する。そして、コントローラは、予め計算されたグローバル推力ベクトルに基づいて、複数のマルチコプターユニットの各々について推力ベクトル(推力及び傾斜角)を計算する。
【0076】
方法60のステップ64において、コントローラは、決定された推力に基づいて、複数のマルチコプターユニットの各推進ユニットの推力を調整する。
【0077】
方法60のステップ65において、コントローラは、ジョイントを介してメインフレームに対する各マルチコプターユニットの回転運動を行うことによって、複数のマルチコプターユニットの傾斜角を調整する(この相対的な回転運動は、決定された傾斜角に基づいて行われる)。
【0078】
本明細書に記載されるような分離したDOFを有する航空機は、少なくとも1つのDOF及び最大3つのDOFの回転を有するジョイントによって、共通構造に結合される最小推進モジュールに基づく、拡張可能な航空機構造を提供するために有用であり得る。各マルチコプターユニットと主要な航空機構造を繋ぐジョイントは、最大3つの回転自由度(Xターン、Yターン、Zターン)を可能にし、主要な航空機構造に対する各マルチコプターユニットの正確な位置決めを可能にする。これらの全ての利点により、航空機は、固定式推進ユニットを有する既存の航空機では現在行うことができない動作を行うことができる。
【0079】
本文中では、「有する」という用語及びその派生語(例えば「有している」など)は、除外的な意味で理解されるべきではなく、つまり、これらの用語は、記述、定義されたものが更なる要素を含む可能性を排除するものと解釈されるべきではない。
【0080】
本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態に限定されないことは明らかであるが、特許請求の範囲に定義された本発明の一般的な範囲内において当業者によって考慮され得るあらゆる変形をも包含する。
【符号の説明】
【0081】
1 航空機
2a、2b、2c、2d クワッドコプター
3 メインフレーム
4 ジョイント
5 推進ユニット
8 機体本体
10 アーム
50 制御システム
51 コントローラ
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7a)】
図7b)】
図7c)】
図7d)】
図7e)】
図8
図9
図10